説明

半導体基板と半導体基板の製造方法および半導体パッケージ

【課題】高信頼性の貫通電極を有する半導体基板と半導体基板の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】第1絶縁層(2)を介して第1配線層(3)が形成され、貫通孔(4)の内周に第2配線層(5)を形成し、貫通孔(4)は、第1の開口部(4a)と、第1の開口部(4a)よりも開口面積が小さい第2の開口部(4b)で形成され、第2の開口部(4b)に第3配線層(103a)を形成するとともに、第3配線層(103a)を第1の開口部(4a)よりも先に形成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板の貫通孔に形成した半導体基板と半導体基板の製造方法および半導体パッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
貫通電極を有するこの種の半導体基板を内蔵した半導体パッケージの一例を図12に示す。
この半導体パッケージでは、半導体基板1にドライエッチング加工などで貫通孔21を形成し、貫通孔21の側壁にCVD法などにより絶縁膜を堆積する。この絶縁膜の上にシード層を形成し、めっき法などにより導電性材料を充填させることによって半導体基板を貫通する電極(貫通電極と呼ぶ)が形成されている。
【0003】
貫通孔21の形成後、或いは形成前に半導体基板1の上面に配線層5Aを形成して、半導体基板1に実装された、或いは半導体基板1自体に作り込まれた回路素子22と前記貫通電極とを電気的に接続している。
【0004】
また、この貫通電極を有するこの種の半導体基板1は、半導体基板1の下面に配線層3Aを形成した後、樹脂基板等の基板17にフリップチップ接続し、アンダーフィル材18でその接続部を保護した後、基板全体を樹脂19で覆い、基板17に半田ボール等の導電部材20を搭載することにより半導体パッケージが作製され、導電部材20を介してプリント基板等の外部回路と電気的に接続されている。
【0005】
半導体基板1に回路素子が作り込まれている場合、半導体基板1の上面に絶縁層が形成されている場合が多い。半導体基板1の前記上面と下面の間に導通経路を形成するためには、半導体基板1に貫通孔21を形成後、前記絶縁層に開口部を形成して前記配線層3Aを露出させる必要がある。
【0006】
特許文献1には、図13(a)〜(d)に示す第1の方法が記載されている。
図13(a)では、半導体基板1に貫通孔形成用のレジスト10を形成して、半導体基板1に貫通孔23を形成する。
【0007】
図13(b)では、半導体基板1に形成されている第1絶縁層2を、レジスト10をマスクとしてエッチングして開口部24を形成して、半導体基板1に形成されている第1配線層3を貫通孔23に露出させる。
【0008】
図13(c)では、レジスト10を除去し、CVD法などにより半導体基板1の表面と貫通孔23の側壁および開口部24に第2絶縁層7を形成する。
図13(d)では、貫通孔23の底部のみ第2絶縁層7を除去したあと、スパッタ等によるシード層形成やメッキ法により第2配線層5を形成して貫通電極を形成している。15は充填された絶縁体である。
【0009】
また、特許文献2には図14(a)〜(h)に示す第2の方法が記載されている。
図14(a)では、半導体基板1に貫通孔形成用のレジスト10を形成し、さらに、等方性エッチングによって貫通孔上部にすり鉢形状25を形成する。
【0010】
図14(b)では、レジスト10をマスクにし、異方性エッチングによって貫通孔26を形成する。
図14(c)では、レジスト10を除去する。
【0011】
図14(d)では、貫通孔26の底部の第1絶縁層2に開口部を形成するために、レジスト27を貫通孔26の全体に塗布する。
図14(e)では、露光現像することによってパターニングする。
【0012】
図14(f)では、レジスト27をマスクにして第1絶縁層2に開口部28を形成する。
図14(g)では、レジスト27を除去する。
【0013】
図14(h)では、スパッタ等によるシード層形成やメッキ法により第1配線層3に達する第2配線層5を形成し、貫通電極を形成している。
【特許文献1】特開2006−128171号公報
【特許文献2】特開2007−53149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、第1の方法では、第1絶縁層2に開口部24を形成する際に下地の第1配線層3をエッチングしてしまうため、第1配線層3から飛び出した金属粒子が第1絶縁層2の開口部24の側壁に付着し、第1配線層3と半導体基板1とが導通してしまい、結果として、形成した貫通電極の信頼性が低くなる。
【0015】
また、第2の方法では、図14(e)〜(f)において、半導体基板1に形成した貫通孔26の底面の一部に第1絶縁層2の開口部28を形成するため、図14(g)に示すように貫通孔26と開口部28との接続部分に段部29が形成されており、第1絶縁層2の開口部28の側壁に金属粒子が付着しても半導体基板1との導通経路が形成されない。
【0016】
しかし、図14(h)において第1絶縁層2の上に第2配線層5が形成されるため、それらの熱膨張係数の違いから、リフロー等の後工程で熱ストレスがかかった際に膜の密着力が低くなり貫通電極の信頼性が低くなる。また、レジスト形成とレジスト除去工程が2回必要なため処理工程数が多くなり、貫通電極の作製リードタイムが長くなる。さらに、アスペクト比が高い貫通電極を作製する場合、図14(e)に示すように、開口部にすり鉢形状を形成させても、貫通孔26の底部まで光が入りにくいため露光が不十分になり、また貫通孔26が深いため孔底部まで現像液が入り込まず現像も困難であるため、第1絶縁層2に開口部28を形成する際のレジスト形成が困難になるという課題を有している。
【0017】
本発明は、高信頼性の貫通電極を有する半導体基板と半導体パッケージおよび半導体基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の請求項1記載の半導体基板は、半導体基板の一方の面に第1絶縁層を介して第1配線層が形成され、前記半導体基板を貫通する貫通孔の内周に第2配線層を形成した貫通電極を有する半導体基板であって、前記貫通孔は、 前記半導体基板の他方の面から前記第1絶縁層に向かって形成された第1の開口部と、前記第1の開口部よりも開口面積が小さく前記第1の開口部の底部から前記第1絶縁層を貫通して前記第1の配線層に達する第2の開口部とで形成され、前記第2の開口部に第3配線層を設け、前記半導体基板の他方の面に達している前記第2配線層が、第3配線層を経て前記第1の配線層に電気接続されていることを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項2記載の半導体基板は、請求項1において、前記貫通孔の前記第1の開口部の周面にわたって第2絶縁層が形成され、前記第2配線層と前記半導体基板の間に前記第2絶縁層が介在していることを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項3記載の半導体基板は、半導体基板の一方の面に第1絶縁層が形成され、前記半導体基板を貫通する貫通孔の内周に第2配線層を形成した貫通電極を有する半導体基板であって、前記貫通孔は、 前記半導体基板の他方の面から前記第1絶縁層に向かって形成された第1の開口部と、前記第1の開口部よりも開口面積が小さく前記第1の開口部の底部から前記第1絶縁層を貫通する第2の開口部と、前記第2の開口部に形成されて一端が前記第1絶縁層から突出した第3配線層とを有しており、前記半導体基板の他方の面に達している前記第2配線層が、第3配線層に電気接続されていることを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項4記載の半導体基板は、請求項3において、前記第2の開口部に導電材料を充填して前記第2配線層が形成され、前記第2の開口部に充填された前記第2配線層の上に外部回路と電気的に接続するための導電部材を備えたことを特徴とする。
【0022】
本発明の請求項5記載の半導体基板は、請求項1または請求項3において、前記第2配線層は、Ti、W、Cu、Cr、Au、Al、Ag、Ni等の金属材料やTiN等の金属化合物、またはそれらを含有した導電性材料、ポリシリコン等のSi系材料であり、前記第2配線層は単層または2層以上の多層膜であることを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項6記載の半導体基板は、請求項2において、前記第2絶縁層は、SiN、SiO、BPSG、熱酸化膜等のSi化合物やAl等の金属化合物、またはポリイミド樹脂等の有機化合物であり、また前記第2絶縁層は単層または2層以上の多層膜であることを特徴とする。
【0024】
本発明の請求項7記載の半導体基板は、請求項1において、前記第2配線層上にその表面の一部を露出するように形成された保護膜と、前記第2配線層上に外部回路と電気的に接続するための導電部材とを備えることを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項8記載の半導体基板は、請求項1において、前記貫通孔の内部に形成された空隙部の一部、または全体に絶縁材料が充填されていることを特徴とする。
本発明の請求項9記載の半導体基板は、請求項1または請求項3において、前記第1の開口部の半導体基板1の他方の面1bの孔径は、前記第1の開口部の底部の孔径より大きいことを特徴とする。
【0026】
本発明の請求項10記載の半導体基板は、請求項1または請求項3において、前記半導体基板が、シリコン、シリカゲルマニウム等のシリコン系半導体、あるいはガリウムヒ素、ガリウムナイトライド、インジウムリン等の化合物半導体であることを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項11記載の半導体基板は、請求項1または請求項3において、前記第3配線層は、Ti、W、Cu、Cr、Au、Al、Ag、Ni等の金属材料やTiN等の金属化合物、ポリシリコン等のSi系材料、あるいは上記材料の混合物であり、また前記第3配線層は単層又は2層以上の多層膜であることを特徴とする。
【0028】
本発明の請求項12記載の半導体基板は、請求項1または請求項3において、前記第3配線層と前記第1配線層は同一材料で構成されていることを特徴とする。
本発明の請求項13記載の半導体基板は、請求項1または請求項3において、前記第1絶縁層は、SiN、SiO、BPSG、熱酸化膜等のSi化合物やAl等の金属化合物であり、また前記絶縁層は単層または2層以上の多層膜であることを特徴とする。
【0029】
本発明の請求項14記載の半導体パッケージは、請求項1から請求項13の何れかに記載の半導体基板を内蔵したことを特徴とする。
本発明の請求項15記載の半導体基板の製造方法は、半導体基板の一方の面に第1絶縁層を形成する工程と、第1絶縁層に形成されたレジストをマスクとして第1絶縁層をエッチングして第1絶縁層を貫通する第2の開口部を形成する工程と、前記第2の開口部に第3配線層を形成する工程と、前記第1絶縁層の上に前記第3配線層に導通する第1配線層を形成する工程と、前記半導体基板の他方の面に形成されたレジストをマスクとして前記半導体基板をエッチングして前記半導体基板の他方の面から前記第3配線層が露出するように第2の開口部よりも開口面積が大きい第1の開口部を形成する工程と、前記半導体基板の他方の面と前記第1の開口部の内側に第2絶縁層を形成する工程と、前記第1の開口部の底部に形成された前記第2絶縁層を除去して前記第3配線層を露出させる工程と、前記第1の開口部の内側に前記第3配線層に導通すると共に前記半導体基板の他方の面に達する第2配線層を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0030】
本発明の請求項16記載の半導体基板の製造方法は、請求項15において、前記第2の開口部を形成する工程はドライエッチング工法やウェットエッチング工法により形成することを特徴とする。
【0031】
本発明の請求項17記載の半導体基板の製造方法は、請求項15において、前記第3配線層を形成する工程はCVD法やスパッタリング法、蒸着法等により形成することを特徴とする。
【0032】
本発明の請求項18記載の半導体基板の製造方法は、請求項15において、前記第3配線層と前記第1配線層を同時に形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
この半導体基板の製造方法によると、第1の開口部の形成前に、第1絶縁層に第3配線層を形成することにより、第3配線層の変形や破損、或いは完全除去を防止でき、さらに半導体基板と第1配線層の間の絶縁性を向上させ、その後に形成される貫通電極およびそれを設けた半導体や半導体パッケージの信頼性を向上させることができる。
【0034】
この半導体基板によると、第1の開口部の径より小さい面積の第3配線層を形成することにより、半導体基板と第1配線層間の絶縁性を向上させ、その後に形成される貫通電極およびそれを設けた半導体や半導体パッケージの信頼性を向上させることができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の各実施の形態を図1〜図11に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1,図2,図3は本発明の実施の形態1を示す。
【0036】
図1は貫通電極を有する半導体基板を示している。
半導体基板1の一方の面1aに第1絶縁層2を介して第1配線層3が形成され、半導体基板1を貫通する貫通孔4の内周に第2配線層5を形成した貫通電極を有する半導体パッケージであって、半導体基板1の厚さ方向にドライエッチングによって形成された貫通孔4は開口径が5μmから200μm程度で、孔深さは10μmから400μm程度の大きさである。
【0037】
貫通孔4は、半導体基板1に形成された第1の開口部としての大径部4aと、大径部4aの底部から第1絶縁層2を貫通して第1配線層3に達する第2の開口部としての小径部4bを有している。小径部4bには導電性材料が充填されて第3配線層103aが形成形成されており、半導体基板1の他方の面1bに達している第2配線層5が、第3配線層103aを経て第1の配線層3に電気接続されている。
【0038】
7は第2絶縁層である。8は保護膜、9は半導体パッケージの回路素子を外部回路との接続に使用される導電部材である。なお、半導体基板1の内部または表面上には回路素子が構築されている。
【0039】
この貫通電極は、図2と図3に示す貫通電極形成プロセスによって作成されている。
まず、図2(a)では、半導体基板1に第1絶縁層2を成膜する。第1絶縁層2がSiOの場合、プラズマCVD等で形成される。第1絶縁層2の材料はその他、SiN、BPSG、熱酸化膜等のSi化合物やAl等の金属化合物であってもよい。また、その絶縁層は単層または2層以上の多層膜であっても構わない。そして第1絶縁層2にフォトレジスト101を塗布し、フォトリソグラフィ工法により開口部102を形成する。フォトレジストはスピンコーティングにより形成する。
【0040】
図2(b)では、第1絶縁層2をエッチングし、小径部4bを形成する。小径部4bの開口径は大径部4aの開口径より小さく4〜180μm程度であり、第1配線層3との接続抵抗が小さければ、小径部4bの開口径はなるべく小さい方が望ましい。
【0041】
第1絶縁層2の材質がSiOの場合、エッチングガスとしては、CHF3ガスやCF4ガス、C4F8ガス、Arガス等の混合ガスを使用した。一般的に、酸化膜をエッチングする場合、フッ素や塩素ラジカルとの反応性がSi等に比べてかなり小さいので、圧力を1〜15Paと高真空条件にしてイオン性の強いプラズマを生成させさらに基板バイアスを50〜400W程度印加することにより、CF系イオンを半導体基板1に引き込むことが可能にし、イオンアシストエッチングをする。しかし、イオンアシストエッチングでは、第1絶縁層2の下側に形成された材料との選択比があまり高くできないため、結果的に半導体基板1も一部エッチングしてしまう。よって、後工程で小径部4bに導電性材料を充填して形成される第3配線層103aは、その一部が半導体基板1にめり込んだ構造になる。
【0042】
従来例では、半導体基板1に大径部4aを形成したあと小径部4bを形成し、半導体基板1の表裏の導通経路を形成するが、この実施例では先に小径部4bを形成する。従来の方法では、小径部4bを形成する際に上記のようにイオンアシストエッチングをするため、第1絶縁層2をエッチングした後、第1配線層3との選択比が確保できず、第1配線層3もかなりエッチングされることになる。第1配線層3がエッチングされると第1配線層表面から金属粒子が飛び出し、小径部4bの側壁に付着してしまい、結果として第1配線層と半導体基板1が導通してしまう。しかし、この実施の形態のように、大径部4aの形成前に大径部4aの開口径より小さい開口径を持つ小径部4b、その貫通孔に第3配線層103aを形成することにより、半導体基板1をSF6ガス等でエッチングする条件で第3配線層103a(従来例では第1配線層)をエッチングしても第3配線層103aがほとんどエッチングされないため第3配線層103aから飛び出す金属粒子量を抑制することができ、また、半導体基板1との絶縁距離が確保できるため、半導体基板1と第3配線層103aとの絶縁性を向上することができる。例えば、従来例のように第1貫通孔の底部面積と第3配線層103aの面積が同じ(小径部4bと第1貫通孔の開口径が同じ)場合、或いは、第3配線層103aの面積が第1貫通孔の底部面積より大きい場合は、半導体基板1と第3配線層103aとの絶縁距離がほとんどないため、容易に電流リークが発生すると思われる。よって、第3配線層103aの面積は第1貫通孔の底部の面積より小さいことが望ましい。
【0043】
図2(c)では、アッシングや有機溶剤によってフォトレジスト101を除去する。
第1絶縁層に小径部4bを形成する加工方法として、ドライエッチング法のほかに、フッ酸等を用いたウェットエッチング法でもよい。エッチング加工用のマスクとしてフォトレジストを使用する説明をしたが、マスク材料としてSiOやSiN等のハードマスクやAlやNi等のメタルマスクでもよい。小径部4bの水平断面形状は、図1(b)のように真円や、図1(c)のように四角形等の多角形、または楕円でもよい。
【0044】
また、一般的には、半導体基板1の一方の面1aには、既にトランジスタやCMOS回路等のデバイスが組み込まれている。その場合、後工程で、第1絶縁層2に小径部4bを形成し、Cu等の配線部を形成することになるので、小径部4bの形成のためにはマスクパターンを変更するだけでよく、工程の追加にはならない(従来第2の方法では、小径部4b形成のためにレジスト形成工程が必要であり製造リードタイムが長くなってしまう)。
【0045】
図2(d)では、小径部4bに導電性材料を充填するために第1絶縁層2の上に導電性材料103を成膜する。導電性材料として、Ti、W、Cu、Cr、Au、Al、Ag、Ni等の金属材料やTiN等の金属化合物、ポリシリコン等のSi系材料、あるいは上記材料の混合物であってもよい。また、成膜構造として、単層だけでなく2層以上の多層膜でも構わない。
【0046】
図2(e)では、CMP工法やドライエッチング工法、ウェットエッチング工法により第1絶縁層2が露出するまで導電性材料103を除去し、第3配線層103aを形成する。
【0047】
図2(f)では、第1配線層3を形成するために、第1絶縁層2に小径部4bに充填したものと同じ導電性材料103を成膜する。導電性材料として、Ti、W、Cu、Cr、Au、Al、Ag、Ni等の金属材料やTiN等の金属化合物、ポリシリコン等のSi系材料、あるいは上記材料の混合物であってもよい。また、成膜構造として、単層だけでなく2層以上の多層膜でも構わない。
【0048】
図2(g)では、導電性材料103の膜の上にフォトレジスト104を塗布し、フォトリソグラフィ工法によりパターニングする。フォトレジストはスピンコーティングにより形成する。その後、ドライエッチング工法等でエッチングして図2(h)に示すように第1配線層3を得る。
【0049】
図2(i)では、フォトレジスト104をアッシングや有機溶剤によって除去する。
なお、第1配線層3を形成する加工方法として、ドライエッチング法のほかに、酢酸や硝酸等の酸性薬液やNaOH等のアルカリ性薬液、H等を用いたウェットエッチング法でもよい。エッチング加工用のマスクとしてフォトレジストを使用する説明をしたが、マスク材料としてSiOやSiN等のハードマスクやAlやNi等のメタルマスクでもよい。
【0050】
図3(a)では、半導体基板1の他方の面1bにスピンコーティングによりフォトレジスト105を塗布し、フォトリソグラフィ工法により開口部106を形成する。一般的に、半導体基板に回路素子を作製してから貫通孔を形成し貫通電極を形成する場合(ビアラストと呼ばれる)、回路素子を形成されている方の半導体基板表面(この実施例では一方の面1a)にあるアライメントマークや貫通孔位置を認識した上で、半導体基板裏面(この実施例では他方の面1b)のマスク合わせを行う両面露光法が使われている。従来の方法では、半導体基板に貫通孔を形成後、第1絶縁層2を開口するため、貫通孔とAlパッド等の第1配線との位置合わせ精度が求められる。しかし、この実施例のように、先に第1絶縁層2に第3配線層103aを形成するため、貫通孔は第3配線層103aの上に形成すればよい。つまり、第3配線層103aが小さければ貫通孔位置合わせ精度が低くても貫通電極が形成できる。
【0051】
図3(b)では、フォトレジスト106をマスクにして半導体基板1をドライエッチングすることにより、大径部4aを形成する。エッチングガスとしてはSF6ガス(50〜500sccm)に同程度以下のOガスを混合することによりSF6への分圧を低下させ、半導体基板エッチングに作用するFラジカルの発生を抑制することによって、イオン性の高いプラズマを生成した。さらに、圧力を1〜20Paと高真空条件にし、基板バイアスを20〜200W程度印加することにより、そのイオンを半導体基板1に引き込むことが可能になるため、異方性ドライエッチができる。エッチングは第3配線層103aが露出されるまで行う。F系ガスを使用している場合、第3配線層103aにAl膜等を使用しているとほとんどエッチングされず、第3配線層103aが薄膜化しない。さらに、第3配線層103aの材料にW等を使用するなど、ドライエッチングが困難な材料を選択することで、第3配線層103aの薄膜化を防止できる。
【0052】
また、図4に示したように、半導体基板1の他方の面1bでの貫通孔径D41は半導体基板の一方の面1aでの貫通孔径D42(=大径部4a)の底部の孔径より大きいことが望ましい。理由は後工程で絶縁膜や金属膜等の成膜を実施する際に、貫通孔側壁や底部まで十分に成膜させることを可能にするためである。例えば、貫通孔4の側壁部が逆テーパ形状や垂直形状をしている場合、スパッタリング法により金属膜を成膜しようとしても貫通孔開口部が障害物となり、貫通孔底部や貫通孔側壁の底部近傍に金属粒子が飛んでいかないため成膜ができない。
【0053】
その後、アッシングや有機溶剤によってフォトレジスト105を除去することによって図3(c)の状態になる。
図3(d)では、CVD法により第2絶縁層7を大径部4aの内壁や底部、半導体基板の他方の面1bに形成する。絶縁膜材料としてはSiN、SiO、BPSG、熱酸化膜等のSi酸化物やAl等の金属酸化物、またはポリイミド樹脂等のカーボン系ポリマーなどでもよい。また、第2絶縁層7は単層または2層以上の多層膜でも構わない。絶縁膜形成方法として、スパッタや熱酸化、ゾルゲル法により形成してもよい。
【0054】
図3(e)では、大径部4aの底部の第2絶縁層7をドライエッチング法により除去する。この場合も大径部4aの形成時と同様、異方性ドライエッチングを用いるため、大径部4aの側壁部に形成された第2絶縁層7は、ほとんどエッチングされないため残る。
【0055】
また、図3(d)において、一般的なCVD法を用いて第2絶縁層7を形成する場合、半導体基板1の他方の面1bの絶縁層膜厚は大径部4aの底部での膜厚よりもかなり厚くなる。よって、大径部4aの底部がエッチングされた時には半導体基板1の他方の面1bの第2絶縁層7は残っていることになる。
【0056】
図3(f)では、スパッタ法やメッキ法により大径部4aの底部と、半導体基板1の他方の面1bから大径部4aの内周にかけて配線層を形成し、この配線層をパターニングして第2配線層5を形成する。
【0057】
図3(g)では、大径部4aの内周に形成されている第2配線層5の内側に絶縁体15を充填させる。その第2配線層5を保護するための保護層8を第2配線層5の上に形成する。その後、その保護層8もパターニングして第2配線層5の一部を露出させ、その部分に外部回路と電気的に接続するための半田ボール等の導電部材9を形成する。
【0058】
なお、図3(f)での第2配線層5の形成方法は、スパッタ法やめっき法の他に印刷法やインクジェットによる塗布等でもよい。さらに、第2配線層5材料はTi、W、Cu、Cr、Au、Al、Ag、Ni等の金属材料やTiN等の金属化合物、ポリシリコン等のSi系材料、又はそれらを含有した導電性材料でもよい。また、前記第2配線層5は単層又は2層以上の多層膜でも構わない。さらに錫、錫を含む合金やインジウム、インジウムを含む合金からなる低融点金属でもよい。
【0059】
銅等のシード層と第2絶縁層7との間には、チタンやチタンタングステン、チタンナイトライド、タンタルナイトライドからなる拡散防止膜(図示せず)が形成されていてもよいし、形成されていなくてもよい。
【0060】
この構成によれば半導体基板1に形成された貫通孔4において、貫通孔4の形成前に、第1絶縁層に第3配線層103aを形成することにより、第3配線層103aの変形や破損、或いは完全除去を防止でき、さらに半導体基板1と第1配線層3の間の絶縁性を向上させ、その後に形成される貫通電極およびそれを設けた半導体や半導体パッケージの信頼性を向上させることができる。
【0061】
なお、この実施の形態1において、大径部4aの内側に絶縁体15を完全に充填したが、一部のみ充填しても構わないし無くてもよい。さらに、この実施の形態では、絶縁体15と保護層8は別々だが、同一材料を用いて、絶縁体充填と保護層形成を同時に実施しても構わない。
【0062】
また、図2(e)のように、小径部4bを導電性材料により完全に充填し、第3配線層103aを形成しているが、一部のみ充填しても構わない。
(実施の形態2)
図5と図6は本発明の実施の形態2の半導体基板を示している。
【0063】
実施の形態1の半導体基板では小径部4bは単一であったが、この実施の形態2では複数の小径部4bが半導体基板1に形成されている。その他は実施の形態1と同じである。
図5(a)に示すように、半導体基板1の厚さ方向にドライエッチングによって形成された大径部4aは開口径が5μmから200μm程度で孔深さは10μmから400μm程度の大きさであり、第1絶縁層2に大径部4aの面積より小さな面積の開口径を有する小径部4b,4bを形成し、第3配線層103aが形成されている。小径部4b,4bの水平断面は図5(b)のように円弧でなくても、図5(c)のように四角形等の多角形でもいい。
【0064】
実施の形態1の場合、第3配線層103aが1ヵ所しか形成されないため、例えば、大径部4aの形成後にパーティクル等が底部に堆積してしまうと、第3配線層103aと第2配線層の密着性が低下し、配線抵抗が大きくなり、最悪膜剥がれが発生してしまう等、貫通電極としての信頼性が低くなることが予想される。そこで、複数の小径部4bを形成して図5(a)のように第3配線層103aを複数形成することにより、仮に1か所の第3配線層103aにおいて上記のような不具合が発生しても、他の導電端子により導通経路を確保することができる。さらに、複数開口部を形成することにより、貫通孔底部の凸凹構造を形成できるため、第2配線層5と第3配線層103aとの密着力が向上すると思われる。
【0065】
なお、図5(a)では単一の第1配線層3について2つの第3配線層103aを形成したが、図6に示すようにそれぞれの第3配線層103aに対して独立した第1配線層3が接続されていてもよい。
【0066】
この構成によれば半導体基板に形成された貫通孔において、貫通孔形成前に、第1絶縁層に第3配線層103aを形成することにより、第3配線層103a(従来例では第1配線層)の変形や破損、或いは完全除去を防止でき、さらに半導体基板と第1配線層間の絶縁性を向上させ、その後に形成される貫通電極およびそれを設けた半導体や半導体パッケージの信頼性を向上させることができる。
【0067】
(実施の形態3)
図7と図8はそれぞれ本発明の実施の形態3の半導体基板を示している。
実施の形態1との違いは、図7の場合には第1配線層3を形成しないことと、第3配線層103aが第1絶縁層2の端面より突出した形にある。それ以外は実施の形態1と同じである。
【0068】
更に、図8の場合には、第1配線層3を形成せずに、第3配線層103aが第1絶縁層2の端面より突出した形状であるとともに、大径部4aの内側に絶縁体15を充填するのではなくて第2配線層5となる導電材料を充填して、この大径部4aの内側に充填された第2配線層5の上に、半導体パッケージの回路素子を外部回路との接続に使用される導電部材9が設けられている。
【0069】
この図7と図8のように構成した半導体基板では、第3配線層103aが外部回路等と直接接続することになる。図8の場合には、大径部4aの内側に充填された第2配線層5の上に導電部材9を設けているため、貫通孔ピッチを短縮することができるようになる。
【0070】
第1絶縁層2の端面より突出した形状の第3配線層103aの具体的な形成方法は、CMP等により、図2(e)のように第3配線層103aを第1絶縁層2内部に形成した後、CHF3やCF4ガスを用いたドライエッチング工法を適用し、第1絶縁層2のみを除去することにより形成できる。また、先に第3配線層103aを形成したあと、第1絶縁層2を第3配線層103aの周りに形成してもよい。具体的には、半導体基板1の上に導電膜層を形成し、その後パターニングにより第3配線層103aを形成し、その後、全面に第1絶縁層2を形成し、その後、全面エッチングして第3配線層103aを露出させる。
【0071】
この構成によれば、大径部4aの形成前に、第1絶縁層2に第3配線層103aを形成することにより、第3配線層103a(従来例では第1配線層)の変形や破損、或いは完全除去を防止でき、さらに半導体基板と第1配線層間の絶縁性を向上させ、その後に形成される貫通電極およびそれを設けた半導体や半導体パッケージの信頼性を向上させることができる。
【0072】
(実施の形態4)
図9は本発明の実施の形態4を示す。
これは図8に示した半導体基板を2層に積層したものであって、実施の形態1との違いは、大径部4aの内部もメッキ等の導電材料により埋め込み、孔全体で第2配線層を形成しており、その貫通孔の直上に導電部材9が形成され、さらに半導体基板1を半導体基板1の上に積層した形にある。それ以外は実施の形態1と同じである。
【0073】
この実施の形態4では半導体基板1,1を2層に積層する場合を示しているが、3層以上積層する場合もある。導電部材9は半田ボールや半田バンプ等で形成され、形状はこの実施の形態では直方体になっているが、柱状や球状であってもよい。しかし、複数の半導体基板の積層時に、あるいは積層基板を他の回路基板(図11の基板17を参照)へ実装する時に貫通電極に衝撃が加わり、大径部4aの内部に形成された第2配線層5を介して第3配線層103aに物理的ダメージが加わることによって、貫通電極の信頼性が低下するという新たな課題が想定されるが、この構成によれば半導体基板に形成された貫通孔において、第1絶縁層に貫通孔底部の面積より小さな開口径を有する小径部4bの中に第3配線層103aを形成し、第1絶縁層2のエッチング時に発生する第1配線層3の薄膜化を防ぐことにより積層時の衝撃に対する耐久性が高くなるため、第3配線層103a(従来例では第2配線層)の変形や破損を防止でき、その後に形成される貫通電極およびそれを設けた半導体パッケージの信頼性を向上させることができる。
【0074】
(実施の形態5)
図10は本発明の実施の形態5を示す。
実施の形態1との違いは、第1配線層3が存在せず、第3配線層103aが小径部4bの中だけでなく第1絶縁層2上にも形成され、第1配線層3も兼ねていることである。この実施の形態5の第3配線層103aの形成方法としては、CVD法やスパッタリング工法、蒸着法などにより小径部4bの中と第1絶縁層2上に同時に導電性材料を成膜する。導電性材料として、Ti、W、Cu、Cr、Au、Al、Ag、Ni等の金属材料やTiN等の金属化合物、ポリシリコン等のSi系材料、あるいは上記材料の混合物であってもよい。また、その構造は単層だけでなく2層以上の多層膜でも構わない。次に、配線回路を形成するために、フォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ工法によりパターニングする。フォトレジストはスピンコーティングにより形成した。その後、ドライエッチング工法等で、配線回路を形成し、フォトレジストをアッシングや有機溶剤によって除去する。
【0075】
配線回路を形成する方法として、ドライエッチング法のほかに、酢酸や硝酸等の酸性薬液やNaOH等のアルカリ性薬液、H等を用いたウェットエッチング法でもよい。エッチング加工用のマスクとしてフォトレジストを使用する説明をしたが、マスク材料としてSiOやSiN等のハードマスクやAlやNi等のメタルマスクでもよい。
【0076】
また、この実施の形態では、小径部4bに充填されている導電性材料103の一部に窪み103bが形成されているが、完全に充填されていてもよい。しかし、第3配線層103aをスパッタリング等で成膜する場合、小径部4bと第1絶縁層2上に同時に成膜するためその成膜される面積が広くなり、後工程でかかる熱ストレス等によって、導電性材料103と第1絶縁層2の材料の熱膨張係数が異なるため、導電性材料103と第1絶縁層2との密着力が減少し、最悪、膜剥がれが発生するという新たな課題が想定される。その場合は、ドライエッチング法等で、小径部4bの側壁部に凸凹部を形成するか、第1絶縁層2としてエッチングレートの異なる複数の絶縁層を積層させておくことにより、上と同様に小径部4bの側壁部に凸凹部を形成して膜密着力を向上させるとよい。また、第3配線層103aと第1配線層3を同時に形成することにより、第3配線層103aと第1配線層3との膜密着性の問題がなくなる。また、第3配線層103aを形成する工程や第1配線層3を形成する工程の一部が省略できるため、製造リードタイムを短縮することができる。
【0077】
この構成によれば半導体基板に形成された第1貫通孔において、第1絶縁層に貫通孔底部の面積より小さな開口径を有する小径部4bの中に第3配線層103aを備え、第3配線層103aが第1配線層の機能を同時に果たすことにより、第3配線層103aと第1配線層との密着性の問題がなくなるため、その後に形成される貫通電極およびそれを設けた半導体パッケージの信頼性を向上させることができる。さらに、第3配線層103aを形成する工程や第1配線層を形成する工程の一部が省略できるため、製造リードタイムを短縮することができる。
【0078】
(実施の形態6)
図11は本発明の実施の形態6における半導体パッケージの貫通電極部分の断面図である。
【0079】
実施の形態1との違いは、実施の形態1は半導体基板自身の構造についての実施例だが、実施の形態6はその半導体基板を樹脂成型した半導体パッケージの実施例である。
図11に示すように、半導体基板1の厚さ方向にドライエッチングによって形成された貫通孔1は開口径が5μmから200μm程度で孔深さは10μmから400μm程度の大きさであり、第1絶縁層に大径部4aの底部の面積より小さな開口径を有する小径部4bの中に第3配線層103aを形成し、その半導体基板がダイボンド材等で2層に積層されている。
【0080】
そのあと、基板17にフリップチップ接合し、アンダーフィル材18で接続部を保護した後、基板全体を樹脂19で覆い、最後に半田ボール等の導電部材20を搭載することにより半導体パッケージが形成される。
【0081】
この実施の形態6では2層の半導体基板1,1を積層する場合を示しているが、単層の場合もあるし、3層以上積層する場合もある。また、1つの半導体パッケージ内に積層された基板が1対形成されているが、2対以上形成されていてもよい。しかし、樹脂モールド形成時や本半導体パッケージを別のプリント基板等にリフロー等で接続する場合、パッケージ全体が高温にさらされ、貫通電極部分に多くの熱エネルギーがかかることが予想されるが、この構成によれば半導体基板に形成された貫通孔4において、第1絶縁層に貫通孔底部の面積より小さな面積の開口径を有する第3配線層103aを形成することにより、第3配線層103a(従来例では第1配線層)の強度を向上させることができるため、半導体パッケージの信頼性を向上させることができる。
【0082】
なお、実施の形態1〜6で用いた半導体基板1の材質はシリコン、シリカゲルマニウム等のシリコン系半導体、あるいはガリウムヒ素 ガリウムナイトライド、インジウムリン等の化合物半導体である。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、貫通電極を用いたデバイスの小型化、多段チップ積層技術の用途などに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施の形態1における半導体基板の断面図と第3の配線層の水平断面図、第3の配線層の別の例の水平断面図
【図2】本発明の実施の形態1における半導体の貫通電極部分の形成工程図
【図3】同実施の形態1における半導体の貫通電極部分の形成工程図
【図4】同実施の形態の貫通孔の寸法を説明する断面図
【図5】本発明の実施の形態2における半導体の貫通電極部分の断面図
【図6】同実施の形態の第1配線層の別の例を示す断面図
【図7】本発明の実施の形態3における半導体の貫通電極部分の断面図
【図8】同実施の形態の第2配線層の別の例の断面図
【図9】本発明の実施の形態4における半導体の貫通電極部分の断面図
【図10】本発明の実施の形態5における半導体の貫通電極部分の断面図
【図11】本発明の実施の形態6における半導体パッケージの貫通電極部分の断面図
【図12】貫通電極を有する半導体基板をパッケージした半導体パッケージの断面図
【図13】特許文献1の貫通電極形成の工程図
【図14】特許文献2の貫通電極形成の工程図
【符号の説明】
【0085】
1 半導体基板
1a 半導体基板1の一方の面
1b 半導体基板1の他方の面
2 第1絶縁層
3 第1配線層
4 貫通孔
4a 大径部(第1の開口部)
4b 小径部(=小径部4b)
5 第2配線層
7 第2絶縁層
8 保護膜
9 導電部材
15 絶縁体
18 アンダーフィル材
19 樹脂
20 導電部材
101 フォトレジスト
103 導電性材料
103a 第3配線層
104 フォトレジスト
105 フォトレジスト
106 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の一方の面に第1絶縁層を介して第1配線層が形成され、前記半導体基板を貫通する貫通孔の内周に第2配線層を形成した貫通電極を有する半導体基板であって、
前記貫通孔は、 前記半導体基板の他方の面から前記第1絶縁層に向かって形成された第1の開口部と、
前記第1の開口部よりも開口面積が小さく前記第1の開口部の底部から前記第1絶縁層を貫通して前記第1の配線層に達する第2の開口部とで形成され、
前記第2の開口部に第3配線層を設け、前記半導体基板の他方の面に達している前記第2配線層が、第3配線層を経て前記第1の配線層に電気接続されている
半導体基板。
【請求項2】
前記貫通孔の前記第1の開口部の周面にわたって第2絶縁層が形成され、
前記第2配線層と前記半導体基板の間に前記第2絶縁層が介在している
請求項1記載の半導体基板。
【請求項3】
半導体基板の一方の面に第1絶縁層が形成され、前記半導体基板を貫通する貫通孔の内周に第2配線層を形成した貫通電極を有する半導体基板であって、
前記貫通孔は、前記半導体基板の他方の面から前記第1絶縁層に向かって形成された第1の開口部と、
前記第1の開口部よりも開口面積が小さく前記第1の開口部の底部から前記第1絶縁層を貫通する第2の開口部と、
前記第2の開口部に形成されて一端が前記第1絶縁層から突出した第3配線層とを有しており、前記半導体基板の他方の面に達している前記第2配線層が、第3配線層に電気接続されている
半導体基板。
【請求項4】
前記第2の開口部に導電材料を充填して前記第2配線層が形成され、前記第2の開口部に充填された前記第2配線層の上に外部回路と電気的に接続するための導電部材を備えた
請求項3記載の半導体基板。
【請求項5】
前記第2配線層は、Ti、W、Cu、Cr、Au、Al、Ag、Ni等の金属材料やTiN等の金属化合物、またはそれらを含有した導電性材料、ポリシリコン等のSi系材料であり、前記第2配線層は単層または2層以上の多層膜である
請求項1または請求項3記載の半導体基板。
【請求項6】
前記第2絶縁層は、SiN、SiO、BPSG、熱酸化膜等のSi化合物やAl等の金属化合物、またはポリイミド樹脂等の有機化合物であり、また前記第2絶縁層は単層または2層以上の多層膜である
請求項2記載の半導体基板。
【請求項7】
前記第2配線層上にその表面の一部を露出するように形成された保護膜と、
前記第2配線層上に外部回路と電気的に接続するための導電部材とを備える
請求項1記載の半導体基板。
【請求項8】
前記貫通孔の内部に形成された空隙部の一部、または全体に絶縁材料が充填されている
請求項1記載の半導体基板。
【請求項9】
前記第1の開口部の半導体基板1の他方の面1bの孔径は、前記第1の開口部の底部の孔径より大きい
請求項1または請求項3記載の半導体基板。
【請求項10】
前記半導体基板が、シリコン、シリカゲルマニウム等のシリコン系半導体、あるいはガリウムヒ素、ガリウムナイトライド、インジウムリン等の化合物半導体である
請求項1または請求項3記載の半導体基板。
【請求項11】
前記第3配線層は、Ti、W、Cu、Cr、Au、Al、Ag、Ni等の金属材料やTiN等の金属化合物、ポリシリコン等のSi系材料、あるいは上記材料の混合物であり、また前記第3配線層は単層又は2層以上の多層膜である
請求項1または請求項3記載の半導体基板。
【請求項12】
前記第3配線層と前記第1配線層は同一材料で構成されている
請求項1または請求項3記載の半導体基板。
【請求項13】
前記第1絶縁層は、SiN、SiO、BPSG、熱酸化膜等のSi化合物やAl2O3等の金属化合物であり、また前記絶縁層は単層または2層以上の多層膜である
請求項1または請求項3記載の半導体基板。
【請求項14】
請求項1から請求項13の何れかに記載の半導体基板を内蔵した半導体パッケージ。
【請求項15】
半導体基板の一方の面に第1絶縁層を形成する工程と、
第1絶縁層に形成されたレジストをマスクとして第1絶縁層をエッチングして第1絶縁層を貫通する第2の開口部を形成する工程と、
前記第2の開口部に第3配線層を形成する工程と、
前記第1絶縁層の上に前記第3配線層に導通する第1配線層を形成する工程と、
前記半導体基板の他方の面に形成されたレジストをマスクとして前記半導体基板をエッチングして前記半導体基板の他方の面から前記第3配線層が露出するように第2の開口部よりも開口面積が大きい第1の開口部を形成する工程と、
前記半導体基板の他方の面と前記第1の開口部の内側に第2絶縁層を形成する工程と、
前記第1の開口部の底部に形成された前記第2絶縁層を除去して前記第3配線層を露出させる工程と、
前記第1の開口部の内側に前記第3配線層に導通すると共に前記半導体基板の他方の面に達する第2配線層を形成する工程と
を有する半導体基板の製造方法。
【請求項16】
前記第2の開口部を形成する工程はドライエッチング工法やウェットエッチング工法により形成する
請求項15記載の半導体基板の製造方法。
【請求項17】
前記第3配線層を形成する工程はCVD法やスパッタリング法、蒸着法等により形成する
請求項15記載の半導体基板の製造方法。
【請求項18】
前記第3配線層と前記第1配線層を同時に形成する
請求項15記載の半導体基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−232400(P2010−232400A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77897(P2009−77897)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】