説明

半導体素子のパターン形成方法

【課題】2重露光を用いた超微細パターン形成方法を提供する。
【解決手段】基板110の上部に第1のハードマスク層120、第2のハードマスク層130.第3のハードマスク層140、第4のハードマスク層150を形成し、ライン/スペースマスクで第4のハードマスク層150と第3のハードマスク層140とを選択食刻して上部水平幅が下部より狭い第4のハードマスク層パターンと第3のハードマスク層パターンとを形成し、第4のハードマスク層パターン及び第3のハードマスク層パターンを埋め込む絶縁膜を形成し、絶縁膜を食刻マスクに第4のハードマスク層パターン及び下部の第3のハードマスク層パターンを選択食刻して第3のハードマスク層パターンと該下部に第4のハードマスク層パターンとを形成し、絶縁膜と第4のハードマスク層パターンとを除去し、第3のハードマスク層パターンを食刻マスクに半導体基板をパターニングしてパターンを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体素子に関するものである。特に、本発明は自己整合的二重露光技術(Self Aligned Double Exposure Technology)を適用した半導体素子のパターン形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ディーラム(Dynamic Random Access Memory:DRAM)のような半導体素子は多数の微細パターンからなっている。このような微細パターン等はフォトリソグラフィ(Photolithography)工程を介し形成される。フォトリソグラフィ工程を利用してパターンを形成するためには、パターニングしようとする対象層の上部にフォトレジスト(Photoresist:PR)膜をコーティングする。次に、露光工程を行ない感光膜の一部分に対する溶解度を変化させる。以後、現像工程を行ない対象層を露出する感光膜パターンを形成する。したがって、溶解度が変化したか、変化していない部分を除去することにより、感光膜パターンを形成する。以後、感光膜パターンを食刻マスクに露出した対象層を食刻した後、感光膜パターンをストリップ(Strip)することにより対象層パターンを形成する。
このようなフォトリソグラフィ工程において、解像度(Resolution)と焦点深度(Depth of Focus:DOF)は2つの重要な核心要素(issue)である。これらのうち解像度(R)は下記の式(1)のように表わすことができる。
【数1】

ここで、k1が感光膜種類、厚さ等により決定される常数で、lが光源の波長であり、NA(Numerical Aperture)が露光装備の開口数を意味する。
【0003】
式(1)によれば、ウェーハ上に形成されたパターンの微細化は光源の波長(λ)に反比例し、露光装備の開口数(NA)に比例する。しかし、用いる光源の波長(λ)と露光装備の開口数(NA)は、半導体素子の集積度の速やかな上昇を追随することができない。したがって、解像度と焦点深度を向上させようとする解像度増大技術(Resolution Enhancement Technology:RET)が多様な方法と結合して適用されている。例えば、解像度増大技術には位相反転マスク(Phase Shift Mask:PSM)、変形照明計(Off-Axis Illumination:OAI)、光学的近接補正(Optical Proximity Correction:OPC)等が含まれる。さらに、ウェーハ上に非常に小さいパターンを具現することができるようにする二重露光技術(Double Exposure Technique:DET)と呼ばれる技術がある。一方、二重露光技術(DET)においてCD均一性(Uniformity)は、第1の露光マスクと第2の露光マスクのオーバーレイ正確度(Overlay Accuracy)により依存される。
しかし、第1の露光マスクと第2の露光マスクのオーバーレイ(Overlay)を誤差範囲内に調節するのが困難である。さらに、露光装備の向上も技術的な限界により達成し難い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は改良された半導体素子のパターン形成方法に関するものである。一実施形態によれば、半導体素子の微細パターン形成方法は自己整合的二重露光技術を利用する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係る半導体素子の製造方法は、
半導体基板の上部に第1のハードマスク層と前記第1のハードマスク層の上部に第2のハードマスク層を形成する段階と、ライン/スペースマスクで第2のハードマスク層と第1のハードマスク層とを選択食刻して第2のハードマスク層パターンと第1のハードマスク層パターンとを形成するものの、第2のハードマスク層パターンの上部水平幅は下部より狭く形成する段階と、第2のハードマスク層パターン及び第1のハードマスク層パターンを埋め込む絶縁膜を形成する段階と、絶縁膜を食刻マスクに第2のハードマスク層パターン及び該下部の第1のハードマスク層パターンを選択食刻して第3のハードマスク層パターンと該下部に第4のハードマスク層パターンとを形成する段階と、絶縁膜と第3のハードマスク層パターンとを除去する段階と、第4のハードマスク層パターンを食刻マスクに半導体基板をパターニングしてパターンを形成する段階とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る半導体素子の微細パターン形成方法は、露光装備に対するオーバーレイ正確度(Overlay Accuracy)と係わりなく均一なCDを有する微細パターンを形成することができる。したがって、素子の集積度と歩留りを向上させることができるという長所がある。さらに、二重露光技術において1つの露光マスクを利用することにより工程を単純化し、工程コストを低減させることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下では、本発明の実施の形態を図を参照して詳しく説明する。
図1a〜図1kは、本発明の一実施形態に係る半導体素子のパターン形成方法を示す図である。被食刻層(図示省略)を備えた半導体基板110の上部に第1のハードマスク層120、第2のハードマスク層130、第3のハードマスク層(請求項1における第1のハードマスク層)140及び第4のハードマスク層(請求項1における第2のハードマスク層)150を形成する。第4のハードマスク層150の上部に感光膜(図示省略)を形成する。感光膜をライン/スペース露光マスク(図示省略)で露光及び現像して感光膜パターン160を形成する。感光膜パターン160を食刻マスクに第4のハードマスク層150と第3のハードマスク層140とを選択食刻して第4のハードマスク層パターン(請求項1における第2のハードマスク層パターン)152と第3のハードマスク層パターン(請求項1における第1のハードマスク層パターン)142とを形成する。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、第1のハードマスク層120は非晶質炭素(Amorphous Carbon)膜で形成するのが好ましい。第2のハードマスク層130はシリコン窒酸化(SiON)膜で形成するのが好ましい。第3のハードマスク層140は、ポリシリコン層またはシリコン窒化(Si)膜で形成するのが好ましい。第4のハードマスク層150は、酸化(SiO)膜で形成するのが好ましい。他の実施形態によれば、感光膜パターン160の線幅160aと隣接した感光膜パターン160の間に画成されたスペース160bの線幅の比は2.5:1.5〜3.5:0.5であるのが好ましい。さらに、線幅160aとスペース160bの線幅の比は大凡3:1であるのが好ましい。本発明の他の実施形態によれば、第3のハードマスク層140と第4のハードマスク層150に対する選択食刻工程は、異方性乾式食刻方法で行なわれるのが好ましい。
【0009】
図1c〜図1fに示されているように、感光膜パターン160を食刻マスクに第4のハードマスク層パターン152を選択食刻して第5のハードマスク層パターン154を形成する。感光膜パターン160を除去する。半導体基板110の上部に絶縁膜170を形成して第5のハードマスク層パターン154と第3のハードマスク層パターン142とを埋め込む。第5のハードマスク層パターン154の上部表面を露出するまで絶縁膜170を食刻する(図1fを参照)。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、第4のハードマスク層パターン152に対する選択食刻工程は、等方性湿式食刻方法で行なわれるのが好ましい。さらに、等方性湿式食刻工程は第5のハードマスク層パターン154の上部(例えば、154b)水平幅154aが図1bに示した感光膜パターン160の間に画成されたスペース160bの線幅と同じくするよう調節することができる(図1dを参照)。本発明の他の実施形態によれば、第5のハードマスク層パターン154において上部(例えば、154b)水平線幅154aと下部(例えば、154d)水平線幅154cの比は1.5:2.5〜0.5:3.5であるのが好ましい。さらに、線幅154aと線幅154cの比は大凡1:3であるのが好ましい。本発明の他の実施形態によれば、絶縁膜170は上部が下部より広く食刻された第5のハードマスク層パターン154を埋め込むようSOC(Spin-on-Carbon)膜で形成する。さらに、絶縁膜170に対する食刻工程は酸素(O)を含むガスを利用したエッチバック方法で行なわれるのが好ましい。
【0011】
図1g〜図1iに示されているように、絶縁膜170を食刻マスクに露出した第5のハードマスク層パターン154と該下部の第3のハードマスク層パターン142とを選択食刻して第2のハードマスク層130を露出する第7のハードマスク層パターン(請求項1における第3のハードマスク層パターン)156と第6のハードマスク層パターン(請求項1における第4のハードマスク層パターン)144を形成する(図1hを参照)。絶縁膜170を除去する。第7のハードマスク層パターン156を除去する(図1iを参照)。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、第5の半導体素子層パターン154と該下部の第3のハードマスク層パターン142に対する選択食刻工程は、異方性乾式食刻工程で行なわれるのが好ましい。絶縁膜170に対する除去工程は、酸素(O)を含むガスを利用したプラズマ食刻方法で行なわれるのが好ましい。さらに、バッファ層としての第2のハードマスク層130はシリコン窒酸化(SiON)膜で形成され、プラズマ食刻方法に対する食刻防止膜に用いられて第1のハードマスク層120の食刻を防止することができる。
【0013】
本発明の他の実施形態によれば、第7のハードマスク層パターン156に対する除去工程はBOE(Buffer Oxide Etchant)溶液を利用した湿式食刻方法で行なわれるのが好ましい。BOE溶液を利用した湿式食刻方法において、第6のハードマスク層パターン144と第2のハードマスク層130とが食刻されないので、シリコン酸化(SiO)膜で形成された第7のハードマスク層パターン156が選択的に除去され得る。本発明の他の実施形態によれば、第6のハードマスク層パターン144の水平線幅144aと隣接した第6のハードマスク層パターン144の間に画成されたスペース144bの線幅比が大凡1:1であるのが好ましい(図1iを参照)。例えば、各パターン要素の各線幅はそれらの間のスペースの線幅と同じであり得る。
【0014】
図1j及び図1kに示されているように、第6のハードマスク層パターン144を食刻マスクに第2のハードマスク層130を食刻して第8のハードマスク層パターン132を形成する。第8のハードマスク層パターン132を食刻マスクに第1のハードマスク層120を食刻して第9のハードマスク層パターン122を形成する。第9のハードマスク層パターン122を食刻マスクに被食刻層をパターニングして微細パターンを形成する。したがって、1つのマスクで自己整合的二重露光技術を具現した半導体素子の微細パターンを形成することができる。
【0015】
なお、本発明について、好ましい実施の形態を基に説明したが、これらの実施の形態は、例を示すことを目的として開示したものであり、当業者であれば、本発明に係る技術思想の範囲内で、多様な改良、変更、付加等が可能である。このような改良、変更なども、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1a】本発明の一実施形態に係る半導体素子のパターン形成方法を示した断面図である。
【図1b】本発明の一実施形態に係る半導体素子のパターン形成方法を示した断面図である。
【図1c】本発明の一実施形態に係る半導体素子のパターン形成方法を示した断面図である。
【図1d】本発明の一実施形態に係る半導体素子のパターン形成方法を示した断面図である。
【図1e】本発明の一実施形態に係る半導体素子のパターン形成方法を示した断面図である。
【図1f】本発明の一実施形態に係る半導体素子のパターン形成方法を示した断面図である。
【図1g】本発明の一実施形態に係る半導体素子のパターン形成方法を示した断面図である。
【図1h】本発明の一実施形態に係る半導体素子のパターン形成方法を示した断面図である。
【図1i】本発明の一実施形態に係る半導体素子のパターン形成方法を示した断面図である。
【図1j】本発明の一実施形態に係る半導体素子のパターン形成方法を示した断面図である。
【図1k】本発明の一実施形態に係る半導体素子のパターン形成方法を示した断面図である。
【符号の説明】
【0017】
110 半導体基板
120 第1のハードマスク層
122 第9のハードマスク層パターン
130 第2のハードマスク層
132 第8のハードマスク層パターン
140 第3のハードマスク層
142 第3のハードマスク層パターン
144 第6のハードマスク層パターン
144a 水平線幅
144b スペース
150 第4のハードマスク層
152 第4のハードマスク層パターン
154 第5のハードマスク層パターン
154a 水平幅
154b 上部
154c 水平線幅
154d 下部
156 第7のハードマスク層パターン
160 感光膜パターン
160a 線幅
160b スペース
170 絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の上部に第1のハードマスク層と前記第1のハードマスク層の上部に第2のハードマスク層を形成する段階と、
ライン/スペースマスクで前記第2のハードマスク層と前記第1のハードマスク層とを選択食刻して第2のハードマスク層パターンと第1のハードマスク層パターンとを形成するものの、前記第2のハードマスク層パターンの上部水平幅は下部より狭く形成する段階と、
前記第2のハードマスク層パターン及び前記第1のハードマスク層パターンを埋め込む絶縁膜を形成する段階と、
前記絶縁膜を食刻マスクに前記第2のハードマスク層パターン及び該下部の前記第1のハードマスク層パターンを選択食刻して第3のハードマスク層パターンと該下部に第4のハードマスク層パターンとを形成する段階と、
前記絶縁膜と前記第3のハードマスク層パターンとを除去する段階と、
前記第4のハードマスク層パターンを食刻マスクに前記半導体基板をパターニングしてパターンを形成する段階と、
を含むことを特徴とする半導体素子のパターン形成方法。
【請求項2】
前記第2のハードマスク層パターンと前記第1のハードマスク層パターンの形成段階は、
ライン/スペースマスクで前記第2のハードマスク層と前記第1のハードマスク層とを選択食刻して第5のハードマスク層パターンと前記第1のハードマスク層パターンとを形成する段階と、
前記第5のハードマスク層パターンを選択食刻して上部水平幅が下部より狭い前記第2のハードマスク層パターンを形成する段階と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子のパターン形成方法。
【請求項3】
前記第2のハードマスク層と前記第1のハードマスク層に対する前記選択食刻工程は、異方性乾式食刻方法で行なわれることを特徴とする請求項2に記載の半導体素子のパターン形成方法。
【請求項4】
前記第5のハードマスク層パターンに対する前記選択食刻工程は、等方性湿式食刻方法で行なわれることを特徴とする請求項2に記載の半導体素子のパターン形成方法。
【請求項5】
前記第2のハードマスク層パターンにおいて、前記上部水平幅と前記下部水平幅の比は1.5:2.5〜0.5:3.5であることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子のパターン形成方法。
【請求項6】
前記絶縁膜形成段階は、
前記半導体基板の上部にSOC(Spin-on-Carbon)膜を形成して前記第2のハードマスク層パターン及び前記第1のハードマスク層パターンを埋め込む段階と、
前記第2のハードマスク層パターンの上部表面を露出するまで前記SOC膜を食刻する段階と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子のパターン形成方法。
【請求項7】
前記絶縁膜に対する前記食刻工程は、酸素(O)を含むガスを利用したエッチバック(Etch-back)方法で行なわれることを特徴とする請求項6に記載の半導体素子のパターン形成方法。
【請求項8】
前記第2のハードマスク層パターン及び該下部の前記第1のハードマスク層パターンに対する前記選択食刻工程は、異方性乾式食刻方法で行なわれることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子のパターン形成方法。
【請求項9】
前記絶縁膜及び前記第3のハードマスク層パターンの除去段階は、
前記絶縁膜を除去する段階と、
前記第3のハードマスク層パターンを除去する段階と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子のパターン形成方法。
【請求項10】
前記絶縁膜に対する前記除去工程は、酸素(O)を含むガスを利用したプラズマ食刻方法で行なわれることを特徴とする請求項9に記載の半導体素子のパターン形成方法。
【請求項11】
前記第3のハードマスク層パターンに対する前記除去工程は、BOE(Buffer Oxide Etchant)溶液を利用した湿式食刻方法で行なわれることを特徴とする請求項9に記載の半導体素子のパターン形成方法。
【請求項12】
前記パターンの線幅と隣接した前記パターンの間に画成されたスペースの線幅の比は1:1であることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子のパターン形成方法。
【請求項13】
前記第1のハードマスク層と前記半導体基板の間に画成された界面にバッファ層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子のパターン形成方法。
【請求項14】
前記バッファ層は、酸素(O)を含むガスを利用したプラズマ食刻方法に対する食刻静止膜に用いられるようシリコン窒酸化(SiON)膜で形成することを特徴とする請求項13に記載の半導体素子のパターン形成方法。
【請求項15】
前記第2のハードマスク層は、酸化(SiO)膜で形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体素子のパターン形成方法。
【請求項16】
前記第1のハードマスク層は、ポリシリコン層またはシリコン窒化(Si)膜で形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体素子のパターン形成方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図1f】
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【図1g】
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【図1h】
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【図1i】
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【図1j】
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【図1k】
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【公開番号】特開2008−166693(P2008−166693A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−236691(P2007−236691)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(591024111)株式会社ハイニックスセミコンダクター (1,189)
【氏名又は名称原語表記】HYNIX SEMICONDUCTOR INC.
【住所又は居所原語表記】San 136−1,Ami−Ri,Bubal−Eup,Ichon−Shi,Kyoungki−Do,Korea
【Fターム(参考)】