説明

半導体装置および半導体装置の製造方法

【課題】半導体装置の検査特性を向上させる。
【解決手段】本発明の半導体装置の製造方法は、(a)基板の上方にアルミニウムを含有する導電性膜(アルミニウム膜10b)を形成する工程と、(b)上記導電性膜をパターニングすることにより配線を形成する工程と、(c)上記配線の上部に第1絶縁膜(第1保護膜)を形成する工程と、を有する。さらに、(d)上記第1絶縁膜をエッチングすることにより、上記配線のパッド領域(Pd)を露出する工程と(e)上記パッド領域(Pd)に、窒素系のプラズマガスを用いたプラズマ処理を行う工程と、(f)上記(e)工程の後、上記パッド領域(Pd)にプローブ針を当接し、上記パッド領域(Pd)に通電する工程と、を有する。上記(e)工程により、上記パッド領域(Pd)に窒化アルミニウム層(15)が形成され、パッド領域(Pd)とプローブ針(N)との接触抵抗を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関し、特に、パッドを有する半導体装置の構成、およびパッドを有する半導体装置の製造方法に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、半導体基板上に形成されたMISFETなどの半導体素子と、この半導体素子の上方に形成された多層の配線を有する。そして、最上層の配線は、保護膜で覆われ、この保護膜の開口部が、ボンディングパッドとなっている。このボンディングパッドは、外部端子との電気的接続を測るための領域である。
【0003】
上記ボンディングパッドを利用することにより、針(プローブ針)を介して通電し、半導体装置の電気的特性を調べることができる。このような検査をプローブテストと言う。
【0004】
例えば、下記特許文献1(特開2002−75996号公報)には、所望の素子領域および配線層の形成された半導体基板表面にパッシベーション膜を形成する工程と、外部接続を行うべきパッド領域を露呈せしめるべく、パッシベーション膜をエッチングするエッチング加工工程と、が開示されている。さらに、エッチング加工工程後、弗化アンモニウム含有液を用いて配線層表面をエッチングする工程と、エッチングする工程後、配線層表面に酸素プラズマ処理又はアッシング処理を行う処理工程により、パッドの接触不良を防止し、信頼性の高い半導体装置を提供する技術が開示されている。
【0005】
また、下記特許文献2(特開平10−163280号公報)には、被検査体の電極に接触子を接触させて被検査体の電気的特性検査を行う検査方法が開示されている。具体的に、プラズマ処理室において被検査体をプラズマ処理して電極表面の酸化膜を除去した後、この被検査体を検査室へ搬送し、検査室においてプラズマ処理後の被検査体の電極と接触子とを接触させて被検査体の電気的特性検査を行うことにより、針先への酸化アルミニウムの削り屑の付着を防止する技術が開示されている。
【0006】
また、下記特許文献3(特開平4−186838号公報)には、Al又はAl合金からなる配線を形成した後に、配線の少なくとも上表面の汚染層を除去する除去処理を行い、その後大気にさらすことなく配線の表面の改質処理を行う技術が開示されている。
【0007】
また、下記特許文献4(特開平2−140923号公報)には、アルミニウム合金膜パターンを大気中にさらすことなく、アンモニアを主としたガスを用いてプラズマ処理することにより、アルミニウム合金膜のエッチング後の基板表面に付着した塩素および塩化物を効率よく除去し、配線の腐食を防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−75996号公報
【特許文献2】特開平10−163280号公報
【特許文献3】特開平4−186838号公報
【特許文献4】特開平2−140923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者の検討によれば、上記のようなパッドを有する半導体装置の製造工程のうち、上記プローブテストにおいて、追って詳細に説明するように、パッドとプローブとの接触抵抗が上昇し、効率よく検査が行えない状況が生じた。
【0010】
そこで、本発明の目的は、半導体装置の検査特性を向上させることができる半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、半導体装置の検査特性を向上させることができる半導体装置の構成を提供することにある。
【0012】
本発明の上記目的およびその他の目的と新規な特徴は、本願明細書の記載および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0014】
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態に示される半導体装置の製造方法は、(a)基板の上方にアルミニウムを含有する導電性膜を形成する工程と、(b)前記導電性膜をパターニングすることにより配線を形成する工程と、(c)前記配線の上部に第1絶縁膜を形成する工程と、を有する。そして、さらに、(d)前記第1絶縁膜をエッチングすることにより、前記配線のパッド領域を露出する工程と、(e)前記パッド領域に、窒素系のプラズマガスを用いたプラズマ処理を行う工程と、(f)前記(e)工程の後、前記パッド領域にプローブ針を当接し、前記パッド領域に通電する工程と、を有する。
【0015】
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態に示される半導体装置は、(a)半導体基板の上方に形成されたアルミニウムを含有する配線と、(b)前記配線上に形成された窒素化合物を含有する反射防止膜と、(c)前記反射防止膜上に形成された第1絶縁膜と、を有する。そして、さらに、(d)前記反射防止膜および前記第1絶縁膜に設けられた開口部であって、前記配線のパッド領域を露出する開口部と、(e)前記配線の前記パッド領域に形成された窒化アルミニウム膜と、を有し、(f)前記窒化アルミニウム膜は、前記反射防止膜と前記第1絶縁膜との間に形成された自然窒化アルミニウム膜よりその膜厚が大きい。
【発明の効果】
【0016】
本願において開示される発明のうち、以下に示す代表的な実施の形態に示される半導体装置の製造方法によれば、半導体装置の検査特性を向上させることができる。
【0017】
本願において開示される発明のうち、以下に示す代表的な実施の形態に示される半導体装置によれば、半導体装置の検査特性を向上させることができ、また、半導体装置の特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態1の半導体装置の製造工程を示す要部断面図である。
【図2】実施の形態1の半導体装置の製造工程を示す要部断面図である。
【図3】実施の形態1の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図2に続く工程を示す要部断面図である。
【図4】実施の形態1の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図3に続く工程を示す要部断面図である。
【図5】実施の形態1の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図4に続く工程を示す要部断面図である。
【図6】実施の形態1の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図5に続く工程を示す要部断面図である。
【図7】実施の形態1の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図6に続く工程を示す要部断面図である。
【図8】実施の形態1の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図7に続く工程を示す要部断面図である。
【図9】実施の形態1の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図8に続く工程を示す要部断面図である。
【図10】実施の形態1の半導体装置の効果を説明するための図であって、実施の形態1の半導体装置のパッド領域に対するプローブ針の当接状態を示す要部断面図である。
【図11】実施の形態1の半導体装置の効果を説明するための図であって、比較例の半導体装置のパッド領域に対するプローブ針の当接状態を示す要部断面図である。
【図12】実施の形態1の半導体装置の効果を説明するための図であって、実施の形態1のNHプラズマ処理を施したパッド領域の抵抗値と、比較例の場合のパッド領域の抵抗値を示すグラフである。
【図13】実施の形態1の半導体装置の効果を説明するための図であって、実施の形態1におけるパッド領域の抵抗値と、比較例におけるパッド領域の抵抗値を示すグラフである。
【図14】実施の形態1の半導体装置の製造工程(実装工程)を示す平面図であって、ダイシング後の半導体チップの一例を示す平面図である。
【図15】実施の形態1の半導体装置の製造工程(実装工程)を示す要部断面図である。
【図16】実施の形態1の半導体装置の製造工程(実装工程)を示す要部断面図である。
【図17】実施の形態1の半導体装置の製造工程(実装工程)を示す要部断面図であって、図15に続く工程を示す要部断面図である。
【図18】実施の形態2(応用例1)の半導体装置の効果を説明するための図であって、Nプラズマ処理を施したパッド領域の抵抗値と、比較例の場合のパッド領域の抵抗値を示すグラフである。
【図19】実施の形態2(応用例2)の半導体装置の効果を説明するための図であって、NOプラズマ処理を施したパッド領域の抵抗値と、比較例の場合のパッド領域の抵抗値を示すグラフである。
【図20】実施の形態2(応用例3)の半導体装置の効果を説明するための図であって、NおよびOの混合プラズマ処理を施したパッド領域の抵抗値を示すグラフである。
【図21】実施の形態3の半導体装置の製造工程を示す要部断面図である。
【図22】実施の形態3の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図21に続く工程を示す要部断面図である。
【図23】実施の形態3の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図22に続く工程を示す要部断面図である。
【図24】実施の形態3の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図23に続く工程を示す要部断面図である。
【図25】実施の形態3の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図24に続く工程を示す要部断面図である。
【図26】実施の形態3の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図25に続く工程を示す要部断面図である。
【図27】実施の形態3の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図26に続く工程を示す要部断面図である。
【図28】実施の形態3の半導体装置の製造工程を示す要部断面図であって、図27に続く工程を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、応用例、詳細説明、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0020】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数等(個数、数値、量、範囲等を含む)についても同様である。
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一または関連する符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0022】
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
【0023】
(実施の形態1)
以下、図面を参照しながら本実施の形態の半導体装置の構成と製造方法について詳細に説明する。図1〜図9は、本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す要部断面図である。図10〜図13は、本実施の形態の半導体装置の効果を説明するための図である。図14〜図17は、本実施の形態の半導体装置の製造工程(実装工程)を示す平面図または断面図である。
【0024】
[構造説明]
まず、本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す要部断面図の一つである図1およびその部分拡大図である図16を参照しながら、本実施の形態の半導体装置の特徴的な構成について説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施の形態の半導体装置は、半導体基板(基板)1上に形成された半導体素子として、例えばpチャネル型MISFETQpおよびnチャネル型MISFETQnを有する。かかるMISFETの他、他の素子、例えば、抵抗素子やメモリセルなど、種々の素子を有していてもよい。
【0026】
これらMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor、電界効果トランジスタ)上には、層間絶縁膜TH1(TH1a、TH1b)が形成されている。また、上記MISFETのソース、ドレイン領域(3n、3p)上には、プラグP1を介して第1層配線M1が形成されている。さらに、第1層配線M1上には、複数の配線層(第2層配線M2〜第4層配線M4)が形成されている。各配線層間は、プラグP2〜プラグP4により電気的に接続され、それ以外の領域は層間絶縁膜TH2〜TH4により電気的に絶縁されている。
【0027】
第1層配線M1〜第4層配線M4は、いわゆる銅(Cu)などの金属よりなるダマシン(damascene)配線である。最上層配線である第5層配線M5は、アルミニウム(アルミニウムを含有する導電性膜)よりなる配線である。第5層配線M5と第4層配線M4との間は、プラグP5により電気的に接続され、それ以外の領域は層間絶縁膜TH5により電気的に絶縁されている。
【0028】
なお、第1層配線M1〜第4層配線M4をアルミニウム(Al)配線としてもよい。但し、最上層配線(ここでは、第5層配線M5)には、パッド領域Pdが設けられるため、耐食性の高いアルミニウム配線を用いて好適である。
【0029】
この第5層配線M5上には第1保護膜(12、13)および第2保護膜(感光性ポリイミド膜16)が形成され、これらの膜の開口部OAから第5層配線(アルミニウム膜10b)M5が露出している。この露出部がパッド領域Pdとなる。
【0030】
ここで、本実施の形態の半導体装置の特徴的な構成として、図1に示すように、パッド領域Pdの表面にプラズマ窒化処理により形成された膜である窒化アルミニウム層15が配置されている。
【0031】
追って詳細に説明するように、パッド領域Pdを利用してプローブテストが行われる。よって、パッド領域Pdには、プローブ痕(図1においては図示せず、図10参照)が生じる。
【0032】
また、パッド領域Pd上には、後述する配線基板(WB)との電気的接続を図るためのワイヤWが配置されている。なお、上記窒化アルミニウム層15は、導電性の低い膜であるが、追って詳細に説明するように、割れやすく、割れ目(図示せず)を介してワイヤWと第5層配線(アルミニウム膜10b)M5との電気的接続を図ることができる。
【0033】
[製造方法説明]
次いで、図1〜図17を参照しながら、本実施の形態の半導体装置の製造工程を説明するとともに、当該半導体装置の構成をより明確にする。
【0034】
まず、図1に示すような半導体素子(nチャネル型MISFETQnおよびpチャネル型MISFETQp)の上方に複数の配線(M1〜M4)が形成された半導体基板1を準備する。
【0035】
半導体素子(nチャネル型MISFETQnおよびpチャネル型MISFETQp)および複数の配線(M1〜M4)の形成方法に制限はないが、例えば、以下に示す工程により、これらを形成することができる。
【0036】
[Qn、Qp形成工程]
例えばp型の単結晶シリコンからなる半導体基板1をエッチングすることにより溝を形成し、溝の内部に絶縁膜として例えば酸化シリコン膜を埋め込むことにより素子分離領域2を形成する。この素子分離領域2により、nチャネル型MISFETQnが形成される活性領域およびpチャネル型MISFETQpが形成される活性領域が区画される。
【0037】
次いで、半導体基板1のnチャネル型MISFETQnが形成される活性領域にp型不純物をイオン打ち込みした後、熱処理により不純物を拡散させることにより、p型ウエルを形成する。また、半導体基板1のpチャネル型MISFETQpが形成される活性領域にn型不純物をイオン打ち込みした後、熱処理により不純物を拡散させることにより、n型ウエルを形成する。次いで、例えば、半導体基板1(p型ウエルおよびn型ウエル)の表面を熱酸化することにより、ゲート絶縁膜を形成する。
【0038】
次いで、ゲート絶縁膜上に、例えば導電性膜として、不純物をドープした多結晶シリコン膜を堆積し、さらに、その上部に、絶縁膜として例えば窒化シリコン膜を堆積する。次いで、窒化シリコン膜をエッチングした後、この窒化シリコン膜をマスクとして多結晶シリコン膜をエッチングすることにより、ゲート電極Gを形成する。
【0039】
次いで、ゲート電極Gの両側のp型ウエルにn型不純物をイオン打ち込みすることによってn型半導体領域を形成し、ゲート電極Gの両側のn型ウエルにp型不純物をイオン打ち込みすることによってp型半導体領域を形成する。
【0040】
次いで、半導体基板1の全面上に絶縁膜として例えば窒化シリコン膜を堆積した後、異方的にエッチングすることによって、ゲート電極Gの側壁にサイドウォールスペーサを形成する。
【0041】
次いで、ゲート電極Gおよびサイドウォールスペーサをマスクにp型ウエルにn型不純物をイオン打ち込みすることによってn型半導体領域よりも不純物濃度の高いn型半導体領域を形成し、ゲート電極Gおよびサイドウォールスペーサをマスクにn型ウエルにp型不純物をイオン打ち込みすることによってp型半導体領域よりも不純物濃度の高いp型半導体領域を形成する。
【0042】
以上の工程により、n型半導体領域およびn型半導体領域よりなるLDD(Lightly Doped Drain)構造のソース、ドレイン領域3nを備えたnチャネル型MISFETQn、およびp型半導体領域およびp型半導体領域よりなるLDD構造のソース、ドレイン領域3pを備えたpチャネル型MISFETQpが形成される。
【0043】
[M1〜M3形成工程]
次いで、nチャネル型MISFETQnおよびpチャネル型MISFETQpの上方に多層配線を形成する。以下、この多層配線のうち、第1層配線M1〜第3層配線M3の形成工程について説明する。
【0044】
まず、前述の図1に示すようにnチャネル型MISFETQnおよびpチャネル型MISFETQp上に、絶縁膜として例えば酸化シリコン膜をCVD(Chemical Vapor deposition)法で堆積する。その後、必要に応じて、酸化シリコン膜の表面を化学的機械研磨(CMP;Chemical Mechanical Polishing)法で研磨してその表面を平坦化することによって層間絶縁膜TH1aを形成する。
【0045】
次いで、層間絶縁膜TH1aをエッチングすることにより、ソース、ドレイン領域3n、3p上に、それぞれコンタクトホール(接続孔)を形成する。次いで、コンタクトホール内を含む層間絶縁膜TH1a上に、導電性膜として例えば、タングステン(W)膜をCVD法で堆積し、このタングステン膜を層間絶縁膜TH1aが露出するまでCMP法により研磨することによって、コンタクトホール内に導電性膜を埋め込む。この工程により、プラグ(コンタクトプラグ)P1が形成される。なお、タングステン膜の下層に、例えば窒化チタン(TiN)膜、チタン(Ti)膜等の単層膜又はこれらの積層膜からなるバリア膜を設けてもよい。
【0046】
次いで、層間絶縁膜TH1aおよびプラグP1上に、絶縁膜として例えば窒化シリコン膜および酸化シリコン膜をCVD法により順次堆積し、これらの積層膜から成る配線溝用絶縁膜TH1bを形成する。なお、窒化シリコン膜は、エッチングストッパー膜となる。また、上記層間絶縁膜TH1aと配線溝用絶縁膜TH1bとを併せて層間絶縁膜TH1と言うことがある。
【0047】
次いで、配線溝用絶縁膜TH1bをエッチングすることにより配線溝を形成する。次いで、配線溝内を含む配線溝用絶縁膜TH1b上に、例えば窒化チタンからなるバリア膜(図示せず)をスパッタ法により堆積し、さらに、バリア膜上に、電界メッキ用のシード膜(図示せず)として例えば銅の薄膜をスパッタ法もしくはCVD法で形成する。次いで、シード膜上に、導電性膜として例えば銅膜を電解メッキ法により形成する。
【0048】
次いで、銅膜に熱処理を施した後、配線溝以外の銅膜およびバリア膜をCMP法により除去することにより第1層配線M1を形成する。このように、配線溝の内部に導電性膜を埋め込む方法をダマシン法といい、特に、プラグと配線とを別工程で形成する方法をシングルダマシン法と言う。また、後述する第2層配線M2〜第4層配線M4のように、コンタクトホールおよび配線溝内に同時に導電性膜を埋め込むことにより、一度にプラグと配線とを形成する方法をデュアルダマシン法と言う。
【0049】
次いで、デュアルダマシン法を用いて第2層配線M2および第3層配線M3を形成する。まず、第1層配線M1および配線溝用絶縁膜TH1b上に、例えば絶縁膜として窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜および酸化シリコン膜を順次CVD法により堆積することにより層間絶縁膜TH2を形成する。これらの膜のうち、下層の窒化シリコン膜は、第1層配線M1を構成する銅の拡散を防止する機能を有する。また、下層の窒化シリコン膜は、後述するコンタクトホールを形成する際のエッチングストッパーとして、また、上層の窒化シリコン膜は、後述する配線溝を形成する際のエッチングストッパーとして利用される。
【0050】
次いで、層間絶縁膜TH2のうち、上から2層の絶縁膜である酸化シリコン膜および窒化シリコン膜をエッチングすることにより、配線溝を形成する。次いで、配線溝内を含む層間絶縁膜TH2上に、第1フォトレジスト膜(図示せず)を堆積し、エッチバックすることにより配線溝を第1フォトレジスト膜で埋め込む。さらに、第1フォトレジスト膜上に後述するプラグP2の形成領域が開口した第2フォトレジスト膜(図示せず)を形成し、この第2フォトレジスト膜をマスクに、第1フォトレジスト膜、下から2層の酸化シリコン膜および窒化シリコン膜を、エッチングすることにより、コンタクトホールを形成する。
【0051】
なお、ここでは、配線溝を形成した後、コンタクトホールを形成したが、プラグP2の形成領域の層間絶縁膜TH2(4層の膜)をエッチングすることによりコンタクトホールを形成した後、上から2層の絶縁膜である酸化シリコン膜および窒化シリコン膜をエッチングすることにより、配線溝を形成してもよい。
【0052】
次いで、上記コンタクトホールおよび配線溝内を含む層間絶縁膜TH2上に、例えば窒化チタンからなるバリア膜(図示せず)をスパッタ法により堆積し、さらに、バリア膜上に、電界メッキ用のシード膜(図示せず)として例えば銅の薄膜をスパッタ法もしくはCVD法で形成する。次いで、シード膜上に、導電性膜として例えば銅膜を電解メッキ法により形成する。
【0053】
次いで、銅膜に熱処理を施した後、配線溝以外の銅膜およびバリア膜をCMP法により除去することによりプラグP2および第2層配線M2を形成する。
【0054】
次いで、層間絶縁膜TH2、プラグP2および第2層配線M2と同様に、層間絶縁膜TH3、プラグP3および第3層配線M3を形成する。なお、層間絶縁膜TH1〜TH3(後述のTH4も同様)中の窒化シリコン膜に変えて、炭窒化シリコン膜(SiCN膜)を用いてもよい。炭窒化シリコン膜は、銅(Cu)の拡散バリア性が高く、好適である。
【0055】
[M4、M5、Pd形成工程]
次いで、第4層配線M4を形成した後、第4層配線M4の上方に最上層配線となる第5層配線(アルミニウム配線)M5を形成し、その上部を保護膜(12、13,16)で覆った後、その一部を露出させ、パッド領域(Alパッド、パッド、ボンディングパッド、開口部)Pdを形成する。その工程を図2〜図9を参照しながら詳細に説明する。なお、図2〜図9の断面部は、例えば、図1のA−A部に対応する。
【0056】
第4層配線M4については、例えば、次のように形成する。まず、図2に示すように、第3層配線(M3)および層間絶縁膜(TH3)上に、例えば絶縁膜としてSiCN膜TH4aを形成した後、絶縁膜として例えば、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)膜TH4bをプラズマCVD法により形成する。次いで、TEOS膜TH4b上に、絶縁膜として例えばSiCN膜TH4cをCVD法で形成する。さらに、SiCN膜TH4c上に、絶縁膜として例えば、TEOS膜TH4dをプラズマCVD法により形成する。次いで、TEOS膜TH4d上に、絶縁膜として例えばSiCN膜TH4eをCVD法で形成する。これにより、5つの絶縁膜(TH4a〜TH4e)よりなる層間絶縁膜TH4が形成される。これらの膜のうち、下層のSiCN膜TH4aは、第3層配線M3を構成する銅の拡散を防止する機能を有する。また、SiCN膜TH4a、TH4cは、後述するコンタクトホールや配線溝を形成する際のエッチングストッパーとして利用される。
【0057】
次いで、層間絶縁膜TH4のうち、上から2層の絶縁膜であるSiCN膜TH4eおよびTEOS膜TH4dをエッチングすることにより、配線溝を形成する。次いで、配線溝内を含む層間絶縁膜TH4上に、第1フォトレジスト膜(図示せず)を堆積し、エッチバックすることにより配線溝を第1フォトレジスト膜で埋め込む。さらに、第1フォトレジスト膜上に後述するプラグP4の形成領域が開口した第2フォトレジスト膜(図示せず)を形成し、この第2フォトレジスト膜をマスクに、第1フォトレジスト膜、下から3層のTEOS膜TH4bおよびSiCN膜TH4a、TH4cを、エッチングすることにより、コンタクトホールを形成する。
【0058】
なお、図2においては、1つの第4層配線M4と第3層配線(M3、図2においては図示せず)との接続を、2つのプラグP4で接続しているが、これらを1つのプラグP4で接続してもよい。但し、コンタクト領域に複数のプラグを設けることにより、接続不良を低減することができる。
【0059】
また、ここでは、配線溝を形成した後、コンタクトホールを形成したが、プラグP4の形成領域の層間絶縁膜TH4(4層の膜TH4a〜TH4e)をエッチングすることによりコンタクトホールを形成した後、上から2層のSiCN膜TH4eおよびTEOS膜TH4dをエッチングすることにより、配線溝を形成してもよい。
【0060】
次いで、上記コンタクトホールおよび配線溝内を含む層間絶縁膜TH4上に、例えば窒化チタンからなるバリア膜(図示せず)をスパッタ法により堆積し、さらに、バリア膜上に、電界メッキ用のシード膜(図示せず)として例えば銅の薄膜をスパッタ法もしくはCVD法で形成する。次いで、シード膜上に、導電性膜として例えば銅膜を電解メッキ法などにより形成する。
【0061】
次いで、銅膜に熱処理を施した後、配線溝以外の銅膜およびバリア膜をCMP法により除去することによりプラグP4および第4層配線M4を形成する。
【0062】
なお、層間絶縁膜TH4を層間絶縁膜TH2と同様の構成とし、第4層配線M4を上記第2層配線M2と同様に形成してもよい。また、層間絶縁膜TH2を層間絶縁膜TH4と同様の構成とし、第2層配線M2を上記第4層配線M4と同様に形成してもよい。また、層間絶縁膜TH3を層間絶縁膜TH4と同様の構成とし、第3層配線M3を上記第4層配線M4と同様に形成してもよい。
【0063】
次いで、第4層配線M4上に、絶縁膜として例えばSiCN(炭窒化シリコン)膜TH5aおよび酸化シリコン膜TH5bを順次CVD法により堆積することにより層間絶縁膜TH5を形成する。このSiCN膜TH5aは、銅の拡散に対するバリア性や絶縁性に優れており、第4層配線(Cuダマシン配線)M4上に用いて好適である。
【0064】
次いで、層間絶縁膜TH5をエッチングすることにより、第4層配線M4上にコンタクトホールを形成する。次いで、例えばコンタクトホール内を含む層間絶縁膜TH5上に、バリア膜10aとして例えば窒化チタン(TiN)膜をスパッタリング法により形成する。
【0065】
次いで、バリア膜10a上に、アルミニウム膜10bをスパッタリング法により形成する。次いで、アルミニウム膜10b上に、反射防止膜として窒化チタン(TiN)膜10cをスパッタリング法により形成する。例えば、上記アルミニウム膜(10b)および窒化チタン膜(10c)は、同一のスパッタ装置内においてターゲットを変えながら連続成膜することが可能である。このように、連続成膜を行うことで、膜界面に異物や酸化物の少ない良好な積層膜(10bおよび10c)を形成することができる。なお、ここで言うアルミニウム膜10bは、他の金属を含有していてもよい。例えば、Cuを数%程度含有する合金であってもよい。
【0066】
次いで、バリア膜10a、アルミニウム膜10bおよび窒化チタン膜(反射防止膜)10cの積層膜の上部に図示しないフォトレジスト膜を塗布し、露光・現像(フォトリソグラフィ)することにより第5層配線M5の形成領域にフォトレジスト膜を残存させる。このように、アルミニウム膜10b上に反射防止膜(窒化チタン膜10c)を形成することにより、パターン精度の向上を図ることができる。即ち、フォトレジスト膜内において、露光時に照射光がアルミニウム膜10bから反射し、照射光と反射光とが干渉することによる解像不良を防止することができる。
【0067】
次いで、このフォトレジスト膜をマスクに上記積層膜をエッチング(パターニング)することにより、第5層配線(アルミニウム配線)M5を形成するとともに、プラグP5を形成する。このプラグP5は、コンタクトホール内に埋め込まれたバリア膜10aとアルミニウム膜10bよりなり、第5層配線M5は、層間絶縁膜TH5上のバリア膜10aおよびアルミニウム膜10bよりなる。また、この第5層配線M5上には、窒化チタン膜(反射防止膜)10cが配置される。なお、窒化チタン膜10cは、導電性を有するため、第5層配線(アルミニウム配線)M5の一部として扱ってもよい。
【0068】
次いで、図3に示すように、第5層配線M5上に第1保護膜(第1絶縁膜)として、例えば、酸化シリコン膜12および窒化シリコン膜13の積層膜を形成する。これらの膜は、それぞれプラズマCVD法により形成することができる。
【0069】
次いで、図4に示すように、窒化シリコン膜13上にフォトレジスト膜Rを塗布する。次いで、図5に示すように、フォトレジスト膜Rを、露光・現像することにより開口部OAのフォトレジスト膜Rを除去する。この開口部OAは、後述のパッド領域Pdと対応する。この工程により、第1保護膜の表面(窒化シリコン膜13の表面)が露出する。
【0070】
次いで、図6に示すように、フォトレジスト膜Rをマスクに第1保護膜(酸化シリコン膜12および窒化シリコン膜13の積層膜)をエッチングすることにより、第1保護膜に開口部(OA)を形成する。さらに、続けて、窒化チタン膜(反射防止膜)10cをエッチングする。これにより、開口部OAからアルミニウム膜10b(第5層配線(アルミニウム配線)M5)が露出する。この露出領域がパッド領域Pdとなる。
【0071】
ここで、図6においては、1つのパッド領域Pdしか示していないが、半導体装置(半導体チップ)の内部には、複数のパッド領域Pdが形成され(図14参照)、これら複数のパッド領域Pdを一度に形成する。
【0072】
よって、パッド領域Pdの非開口を防止するため、オーバーエッチングを行うことが好ましい。即ち、窒化チタン膜(反射防止膜)10cがエッチングされ、アルミニウム膜10bの表面が露出した後も、エッチングを続け、パッド領域Pdのアルミニウム膜10b(第5層配線(アルミニウム配線)M5)の表面を後退させる。言い換えれば、アルミニウム膜10b(第5層配線(アルミニウム配線)M5)において、パッド領域Pdに対応する凹部を形成する。ここで、オーバーエッチング量(後退量、凹部深さ)をDとする。
【0073】
このように、オーバーエッチングを行うことで、パッド領域Pdの非開口、言い換えれば、パッド領域Pdにおけるアルミニウム膜10b(第5層配線(アルミニウム配線)M5)の非露出を防止することができる。
【0074】
特に、比較的膜厚の大きい第1保護膜(酸化シリコン膜12および窒化シリコン膜13の積層膜)と上記窒化チタン膜(反射防止膜)10cを同時にエッチングする場合には、上記オーバーエッチングを行うことで、エッチングの制御性が容易となり、好ましい。
【0075】
次いで、半導体基板(1)全体に洗浄処理を施し、残存するパーティクルなどを除去し、パッド領域Pdを清浄化する。この洗浄液としては、例えば、フッ化アンモニウム、ホルムアルデヒドおよび水よりなる洗浄液を用いる。
【0076】
次いで、図7に示すように、フォトレジスト膜Rをアッシング(灰化処理)などにより除去する。アッシング処理時間は、例えば、70秒程度である。このアッシング処理は、アルミニウム膜10b(パッド領域Pd)の耐腐食性向上の役割も果たす。
【0077】
次いで、パッド領域Pdに対し、窒素系のプラズマガスを用いたプラズマ処理を施す。即ち、窒素または窒素化合物ガス(窒化系ガス)をプラズマ化した雰囲気にパッド領域Pdを晒す。窒化系のプラズマガスとしては、NH(アンモニア)のプラズマガスを用いる。このNHのプラズマガスにパッド領域Pdを晒すこと(NHプラズマ処理)により、パッド領域Pdから露出したアルミニウム膜10b(第5層配線(アルミニウム配線)M5)が窒化され、窒化アルミニウム層(表面処理層、プラズマ処理層、硬質層)15が形成される。
【0078】
この窒化アルミニウム層15は、窒素系のプラズマガスを用いたプラズマ処理により形成される層(膜)で、意図せず形成される自然窒化アルミニウム層より厚い層(膜)となる。
【0079】
例えば、アルミニウム膜10b上に、窒素化合物系の膜(例えば、窒化チタン膜10cや実施の形態2で説明するSiON膜11のような窒素化合物を含有する反射防止膜)を成膜する際には、アルミニウムと窒素化合物とが反応し、窒化アルミニウムが形成され得る。このように意図せず形成される層(膜)をここでは、自然窒化アルミニウム層(膜)と言う。この自然窒化アルミニウム層は、上記工程においては、アルミニウム膜10bと反射防止膜(窒化チタン膜10c)との境界に形成され得る。前述の窒化アルミニウム層15は、この自然窒化アルミニウム層より厚く形成されるものである。
【0080】
また、前述の窒化アルミニウム層15の膜厚(平均膜厚)は、パッド領域Pdの保護ができ、また、後述のプローブ針の応力やワイヤボンディング時の圧力により割れ、電気的接続が可能となる程度の膜厚が好ましく、好ましい膜厚の範囲は、10nm以上30nm以下である。
【0081】
[刻印およびプローブテスト工程]
この後、必要に応じて、半導体基板(ウエハ)1のナンバリング(刻印)を行う。上記工程で形成される半導体素子(MISFET)、配線およびパッド領域Pdなどは、略円状のウエハ上に矩形状に区画された複数のチップ領域に形成される。さらに、半導体装置の製造工程においては、複数枚のウエハを連続して処理することが多い。そこで、ウエハ毎に、ロット番号やウエハ番号等のウエハ情報をウエハの所定の領域に記載しておく。例えば、レーザーなどにより、ウエハの端部(チップとして用いない領域)に、ナンバー(記号)状に複数のドット状の凹部を形成する(レーザーネーミング)。
【0082】
このナンバリング工程は、半導体装置の製造工程中のどの段階で行ってもよいが、あまり下層の領域に形成すると、その上に膜が何層も積層することとなり、各膜の干渉縞によってナンバー(記号)の認識し難くなる。また、この後の成膜工程は、後述する第2保護膜(16)のみであり、後述するように、パッド領域Pdの第2保護膜(16)の除去工程と同時に、ナンバー上の第2保護膜(16)を除去することもできる。よって、かかる段階において、ナンバリングを行うことが好ましい。
【0083】
次いで、半導体基板(1)全体に洗浄処理を施し、レーザーネーミングにより生じたパーティクルやフォトレジスト膜の残渣等を除去する。この洗浄液としては、例えば、フッ化アンモニウム、ホルムアルデヒドおよび水よりなる洗浄液を用いる。次いで、純粋を用いたスクラブジェットにより、上記洗浄処理後に残存するパーティクルなどを除去する。
【0084】
次いで、パッド領域Pdに対し、アッシング(灰化処理)を施し、アルミニウム膜10b(パッド領域Pd)の耐腐食性を向上させるとともに、後述する第2保護膜(16)の濡れ性を向上させる。これにより、アルミニウム膜10b(パッド領域Pd)と第2保護膜(16)の密着性が向上し、第2保護膜(感光性ポリイミド膜16)の露光・現像工程において、その解像が良好となる。上記アッシング処理時間は、例えば、120秒程度である。
【0085】
次いで、リフレクション検査により、パッド領域Pd(アルミニウム膜10b)上の窒化チタン膜(反射防止膜)10cの残渣の有無を調べる。
【0086】
次いで、図8に示すように、パッド領域Pdを含む第1保護膜上(窒化シリコン膜13上)に、第2保護膜として、例えば、感光性ポリイミド膜(PIQ膜:Polyimide- isoindoloquinazolinedion膜)16を塗布する。次いで、図9に示すように、感光性ポリイミド膜16を、露光・現像することにより開口部OAの感光性ポリイミド膜16を除去する。この工程により、開口部OAからアルミニウム膜10b(パッド領域Pd)が再び露出する。この感光性ポリイミド膜16の現像液としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ガンマーブチロラクトンおよび水よりなる現像液を用いる。なお、図9においては、第1保護膜(酸化シリコン膜12、窒化シリコン膜13)の開口部OAと第2保護膜(感光性ポリイミド膜16)の開口部OAとを同じ大きさとしたが、第2保護膜の開口部を第1保護膜の開口部OAより大きくしてもよい。
【0087】
次いで、熱処理(キュア処理)を施すことにより、感光性ポリイミド膜(第2保護膜)16を硬化させる。次いで、感光性ポリイミド膜16に対しアッシング(灰化処理)を施し、パッド領域Pd上のポリイミドの残渣や感光性ポリイミド膜の表面上の異物などを除去する。
【0088】
次いで、パッド領域Pdを利用して、半導体装置の動作テストを行う。このように、半導体装置の製造工程の前工程(ダイシング前、ウエハ状態)において、半導体装置(集積回路)などの良否を判定することを「ウエハテスト」と言う。
【0089】
このウエハテストとして、例えば、複数のパッド領域Pd(図14参照)に対応したプローブ針(N)が設けられたプローブカードを用いて行う、「プローブテスト」がある。このプローブ針(N)を介してパッド領域Pdに電気的信号を印加し、また、パッド領域Pdから得られる信号を検知することにより、半導体装置の電気的特性を確認することができる。このテスト結果により、半導体装置(集積回路)の良否を判断することができる。
【0090】
テスト内容に制限はないが、テストの種類としては、例えば、直流テスト、交流テスト、ファンクションテストなどがある。直流テストにより、例えば、断線やショートの有無の確認や、出力電圧(電流)の確認などを行うことができる。また、交流テストにより、例えば、出力信号の波形の確認などを行うことができる。また、ファンクションテストにより、データ書込みの可否やデータ保持時間の確認などを行うことができる。
【0091】
ここで、本実施の形態においては、パッド領域Pdに、窒素系のプラズマガスを用いたプラズマ処理を施し、その表面に、窒化アルミニウム層(表面処理層、プラズマ処理層、硬質層)15を形成したので、パッド領域Pdとプローブ針(N)との接触抵抗を低減することができる。その結果、プローブテスト特性(検査特性)を向上させることができる。
【0092】
即ち、パッド領域Pdにプラズマにより強固に結合した処理膜である窒化アルミニウム層15が形成されることで、プローブテストまでの工程の間に、パッド領域Pdに自然酸化膜が形成されることを防止することができる。
【0093】
また、図10に示すように、プローブ針Nが、当接することにより、パッド領域Pd上の窒化アルミニウム層15が割れ、その割れ目を介してパッド領域Pd(アルミニウム膜10b、第5層配線(アルミニウム配線)M5)とプローブ針(N)とを低抵抗で接触させることができる。図10は、本実施の形態の半導体装置の効果を説明するための図であって、本実施の形態の半導体装置のパッド領域に対するプローブ針の当接状態を示す要部断面図である。図11は、本実施の形態の半導体装置の効果を説明するための図であって、比較例の半導体装置のパッド領域に対するプローブ針の当接状態を示す要部断面図である。
【0094】
これに対し、図11に示すように、上記窒素系のプラズマガスを用いたプラズマ処理を施していない比較例の場合には、パッド領域Pd表面に自然酸化膜25が形成される。この自然酸化膜25は、その結合が強固ではなく、軟らかい。さらに、アルミニウム膜10b(第5層配線(アルミニウム配線)M5)も比較的軟らかい性質を有するため、自然酸化膜25に追従して下層のアルミニウム膜10bも窪んでしまう。その結果、アルミニウム膜10bとプローブ針Nが自然酸化膜25を介して接触することとなり、接触抵抗が大きくなってしまう。このような現象は、プローブ圧力(後述のオーバードライブ量)を大きくしても改善が困難であることが本発明者らの検討により判明している。
【0095】
したがって、図11に示す比較例の場合においては、パッド領域Pdに所望の電気的信号を印加することができず、また、パッド領域Pdから得られる信号を正確に検知することができなくなる。よって、半導体装置(集積回路)の不良であるのか、また、パッド領域Pdとプローブ針Nとの高抵抗化による不具合であるのかの判断ができず、正確なテスト(検査)を行うことができない。
【0096】
図12に、本実施の形態のNHプラズマ処理を施したパッド領域Pdとプローブ針との抵抗値と、比較例の場合のパッド領域Pdとプローブ針との抵抗値を示す。グラフの横軸はコンタクト回数(回)、縦軸は抵抗値(PAD抵抗値:Ω(ohm))を示す。
【0097】
図12に示すように、本実施の形態の場合は、比較例(Ref)に比べ、パッド領域Pdとプローブ針との抵抗値(PAD抵抗値)が低下している。ここで、プローブ針は、例えば、パッド領域Pdの表面からの押し込み量(針先の食い込み量、オーバードライブ量)が65μm程度となるように、オーバードライブしている。
【0098】
図13は、本実施の形態におけるパッド領域Pdの抵抗値と、比較例の場合のパッド領域Pdの抵抗値を示すグラフであるが、ここでは、横軸に抵抗値(Ω(ohm))を、縦軸にコンタクト回数のパーセント(%)、即ち、コンタクト回数の全数に対する測定対象のコンタクト回数の割合を示す。測定対象のコンタクト回数とは、何回目の接触であるか、即ち、プローブ針の当接回数の累積を示す。
【0099】
図13において、グラフ(a)および(b)は、比較例(リファレンス、Ref)の場合を示し、グラフ(c)および(d)が本実施の形態の場合を示す。グラフ(c)の処理に対するリファレンスがグラフ(a)であり、グラフ(d)の処理に対するリファレンスがグラフ(b)である。図13に示すように、グラフ(c)および(d)ともに、リファレンス((a)(b))より抵抗値が下がっている。
【0100】
このように、本実施の形態においては、パッド領域Pdとプローブ針(N)との接触抵抗の低抵抗化を図ることができることが確認できた。その結果、プローブテストの検査精度の向上を図ることができる。また、検査時間の短縮化を図ることができる。よって、半導体装置の製造歩留まりの向上、半導体装置の製造のスループットの向上を図ることができる。また、半導体装置の信頼性を高めることができる。
【0101】
なお、上記窒素系プラズマ処理に変えて、酸化系(酸素系)プラズマ処理を行うことも考えられる。例えば、酸素(O)プラズマ処理により、パッド領域Pdにプラズマにより強固に結合した処理膜である酸化アルミニウム層を形成しても類似の効果が想定される。
【0102】
しかしながら、プラズマ処理工程とプローブテスト工程との間には、種々のエッチング工程(現像工程も含む)や洗浄工程が生じ得る。これらの工程においては、酸化膜を溶かす薬剤を用いていることが多い。また、多くのパーティクルや膜残渣などは酸化系の膜であることが多いため、上記酸化膜を溶かす薬剤(酸化膜除去剤)が好適に用いられることも多い。
【0103】
例えば、上記製造工程においても、プラズマ処理工程とプローブテスト工程との間には、<1>レーザーネーミングにより生じたパーティクル等を除去するための洗浄工程や、<2>感光性ポリイミド膜16の現像工程などがある。よって、これらの工程により、パッド領域Pdは、洗浄液や現像液に晒されることとなる。前述したように、上記洗浄液は、例えば、フッ化アンモニウムおよびホルムアルデヒドを含有し、また、上記現像液は、例えば、ジメチルスルホキシドおよびガンマーブチロラクトンを含有する。これらの薬剤は、酸化アルミニウム膜を溶かし得るものである。
【0104】
したがって、酸化系プラズマ処理によりパッド領域Pdに酸化アルミニウム層を形成した場合、エッチング液(現像液も含む)や洗浄液によって酸化アルミニウム層が溶けてしまう。その結果、プローブテスト工程前には、自然酸化膜がつくこととなり、結果として図11に示す状態と同様の構成となってしまう。
【0105】
これに対し、本実施の形態のように、窒化アルミニウム層15を形成しておけば、上記エッチング工程(現像工程も含む)や洗浄工程で溶けることがなく、また、自然酸化膜の形成を防止する保護膜ともなる。
【0106】
さらに、プローブテスト工程においては、前述したように、上記窒化アルミニウム層15の硬質性を利用して、プローブ針を割り入れることにより、容易に下層のアルミニウム膜10b(パッド領域Pd)との接触を図ることができる。
【0107】
[実装工程]
上記プローブテスト工程後においては、半導体基板(ウエハ)1を切断(ダイシング)して複数の半導体チップCHPに分離(個片化)する。なお、ダイシングの前に、半導体基板(ウエハ)1の裏面研削を行い、半導体基板1を薄膜化してもよい。図14に、ダイシング後の半導体チップの一例を示す。図示するように、略矩形の形状に切断された半導体チップCHPにおいては、素子形成領域EAの周囲に、複数のパッド領域Pdが配置される。
【0108】
次いで、図15に示すように、配線基板WB上に半導体チップCHPを搭載(接着)する(ダイボンディング)。この配線基板WBのチップ搭載面側には端子(外部端子)TEが形成されている。次いで、半導体チップCHPに形成されているパッド領域Pdと、配線基板WBに形成されている端子TEとを、金線などからなるワイヤ(導電性部材)Wで接続する(ワイヤボンディング)。具体的には、図16に示すように、第1保護膜(12、13)および第2保護膜(16)の開口部(OA)から露出しているパッド領域PdにワイヤWが接続される。このとき、パッド領域Pd表面の窒化アルミニウム層15は薄膜であるため容易に砕け(割け)、下層のアルミニウム膜10b(第5層配線(アルミニウム配線)M5)とワイヤWとの電気的導通に支障はない。即ち、窒化アルミニウム層15の複数の割れ目(図示せず)を介してパッド領域Pd(アルミニウム膜10b、第5層配線(アルミニウム配線)M5)とワイヤWとの電気的接続を図ることができる。
【0109】
その後、図17に示すように、半導体チップCHPおよびワイヤWを覆うように樹脂MRで封止する。この樹脂MRは、外部からの衝撃や不純物の浸入から半導体チップCHPを保護するために設けられるものである。続いて、配線基板WBの裏面(チップ搭載面とは反対側の面)に外部接続端子となる半田ボールSBを形成する。
【0110】
以上の工程により、半導体装置を製造することができる。なお、本実施の形態においては、ワイヤボンディングを例に説明したが、フェイスダウンボンディングを行っても良い。
【0111】
例えば、上記プローブテストを行った後、パッド領域Pd上にバンプ電極を形成し、配線基板上に、バンプ電極形成側(フェース側)を下にして搭載し、樹脂封止してもよい。
【0112】
また、上記工程においては、第1〜第4層配線をダマシン配線としたが、これに限られるものではなく、例えば、導電性膜(金属膜)のパターニングにより各配線を形成してもよい。
【0113】
また、上記工程においては、半導体素子としてMISFETを例示したが、これに限られるものではなく、他の素子、例えば、抵抗素子やメモリなど、種々の素子を形成することができる。
【0114】
(実施の形態2)
上記実施の形態1においては、パッド領域Pdに対し、窒素系のプラズマガスを用いたプラズマ処理を施す際、NHのプラズマガスを用いたが、この他の窒素系のプラズマガスを用いてもよい。図18〜図20は、本実施の形態の半導体装置の効果を説明するための図である。
【0115】
(応用例1)
応用例1として、N(窒素)のプラズマガスを用いてもよい。なお、プラズマガス種以外は、実施の形態1と同じであるため、半導体装置の構成および製造工程についての説明は省略する。
【0116】
図18に、本実施の形態の応用例1である、Nプラズマ処理を施したパッド領域Pdとプローブ針との抵抗値と、比較例(Ref)の場合のパッド領域Pdとプローブ針との抵抗値を示す。グラフの横軸はコンタクト回数(回)、縦軸は抵抗値(PAD抵抗値:Ω(ohm))を示す。
【0117】
図18に示すように、本応用例1においても、比較例に比べ、PAD抵抗値が低下している。また、プローブ針(N)は、例えば、パッド領域Pdの表面からの押し込み量が65μm程度となるように、オーバードライブしている。
【0118】
このように、Nプラズマ処理を施した場合も、パッド領域Pdとプローブ針(N)との接触抵抗の低抵抗化が確認できた。
【0119】
(応用例2)
応用例2として、NO(亜酸化窒素)のプラズマガスを用いてもよい。なお、プラズマガス種以外は、実施の形態1と同じであるため、半導体装置の構成および製造工程についての説明は省略する。
【0120】
図19に、本実施の形態の応用例2である、NOプラズマ処理を施したパッド領域Pdとプローブ針との抵抗値と、比較例(Ref)の場合のパッド領域Pdとプローブ針との抵抗値を示す。グラフの横軸はコンタクト回数(回)、縦軸は抵抗値(PAD抵抗値:Ω(ohm))を示す。
【0121】
図19に示すように、本応用例2においても、比較例に比べ、PAD抵抗値が低下している。また、プローブ針(N)は、例えば、パッド領域Pdの表面からの押し込み量が65μm程度となるように、オーバードライブしている。
【0122】
このように、NOプラズマ処理を施した場合も、パッド領域Pdとプローブ針(N)との接触抵抗の低抵抗化が確認できた。
【0123】
(応用例3)
応用例3として、N(窒素)およびO(酸素)の混合ガスをプラズマ化したガスを用いてもよい。なお、プラズマガス種以外は、実施の形態1と同じであるため、半導体装置の構成および製造工程についての説明は省略する。
【0124】
図20は、本実施の形態の応用例3であるNおよびOの混合プラズマ処理を施したパッド領域Pdの抵抗値を示すグラフである。横軸は抵抗値(Ω(ohm))、縦軸はコンタクト回数のパーセント(%)を示す。Oの含有率は、例えば50Vol%程度である。
【0125】
グラフ(e)がNおよびOの混合プラズマ処理のグラフであり、グラフ(f)は、上記応用例1で説明したNプラズマ処理のグラフである。
【0126】
図20に示すように、本応用例3においても、PAD抵抗値が低下している。なお、プローブ針(N)は、例えば、パッド領域Pdの表面からの押し込み量が65μm程度となるように、オーバードライブしている。
【0127】
このように、NおよびOの混合プラズマ処理を施した場合も、パッド領域Pdとプローブ針(N)との接触抵抗の低抵抗化を図ることができることが確認できた。
【0128】
以上詳細に説明したように、窒素系のプラズマガスを用いたプラズマ処理としては、NHの他、NおよびNOのいずれかをプラズマ化したガスを用いることができる。また、Nについては、Oを含有させてもよい。
【0129】
なお、上記実施の形態1および実施の形態2(応用例1〜3)においては、オーバードライブ量を65μmに設定したが、かかる数値に限定されるものではない。但し、接触抵抗の低下を図るためには、オーバードライブを行うことが好ましく、前述の窒化アルミニウム層の好適な膜厚に対応して設定することが好ましい。オーバードライブ量の範囲は、好ましくは50μm以上、より好ましくは60μm以上70μm以下である。このオーバードライブにより、パッド領域Pdに、プローブ痕(プローブ針が接触した痕跡)が形成される。
【0130】
(実施の形態3)
上記実施の形態1においては、反射防止膜として、窒化チタン膜10cを用いたが、本実施の形態においては、反射防止膜としてSiON(酸窒化シリコン)膜11を用いる。なお、窒化チタン膜10cは導電性膜であるが、SiON膜11は、絶縁膜である。図21〜図28は、本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す要部断面図である。
【0131】
なお、反射防止膜(11)以外の構成は、実施の形態1と同様であるため、半導体装置の構成の詳細な説明は省略する(図1、図16等参照)。
【0132】
また、第3層配線M3の形成工程までは、実施の形態1と同様であるため、その詳細な説明を省略する(図1および[M1〜M3形成工程]の欄を参照)。
【0133】
図21〜図28を参照しながら、第4層配線M4の形成工程以降の工程について説明する。
【0134】
図21に示すように、第4層配線M4およびプラグP4を、実施の形態1と同様に、層間絶縁膜TH4中に形成する。この層間絶縁膜TH4は、SiCN膜TH4a、TEOS膜TH4b、SiCN膜TH4c、TEOS膜TH4dおよびSiCN膜TH4eが下から順次積層された5つの絶縁膜よりなる。なお、図21においては、1つの第4層配線M4と第3層配線(M3、図21においては図示せず)との接続を、2つのプラグP4で接続しているが、これらを1つのプラグP4で接続してもよい。但し、コンタクト領域に複数のプラグを設けることにより、接続不良を低減することができる。
【0135】
次いで、第4層配線M4上に、絶縁膜として例えばSiCN(炭窒化シリコン)膜TH5aおよび酸化シリコン膜TH5bを順次CVD法により堆積することにより層間絶縁膜TH5を形成する。このSiCN膜TH5aは、銅の拡散に対するバリア性や絶縁性に優れており、第4層配線(Cuダマシン配線)M4上に用いて好適である。
【0136】
次いで、層間絶縁膜TH5をエッチングすることにより、第4層配線M4上にコンタクトホールを形成する。次いで、例えばコンタクトホール内を含む層間絶縁膜TH5上に、バリア膜10aとして例えば窒化チタン(TiN)膜をスパッタリング法により形成する。
【0137】
次いで、バリア膜10a上に、アルミニウム膜10bをスパッタリング法により形成する。次いで、アルミニウム膜10b上に、反射防止膜としてSiON(酸窒化シリコン)膜11をCVD法により形成する。なお、ここで言うアルミニウム膜は、他の金属を含有していてもよい。例えば、Cuを数%程度含有していてもよい。
【0138】
次いで、バリア膜10a、アルミニウム膜10bおよびSiON膜(反射防止膜)11の積層膜の上部に図示しないフォトレジスト膜を塗布し、露光・現像(フォトリソグラフィ)することにより第5層配線M5の形成領域にフォトレジスト膜を残存させる。このように、アルミニウム膜10b上に反射防止膜(SiON膜11)を形成することにより、パターン精度の向上を図ることができる。即ち、フォトレジスト膜内において、露光時に照射光がアルミニウム膜10bから反射し、照射光と反射光とが干渉することによる解像不良を防止することができる。
【0139】
次いで、このフォトレジスト膜をマスクに上記積層膜をエッチング(パターニング)することにより、第5層配線(アルミニウム配線)M5を形成するとともに、プラグP5を形成する。このプラグP5は、コンタクトホール内に埋め込まれたバリア膜10aとアルミニウム膜10bよりなり、第5層配線M5は、層間絶縁膜TH5上のバリア膜10aおよびアルミニウム膜10bよりなる。また、この第5層配線M5上には、SiON膜(反射防止膜)11が配置される。
【0140】
次いで、図22に示すように、第5層配線M5上に第1保護膜(第1絶縁膜)として、例えば、酸化シリコン膜12および窒化シリコン膜13の積層膜を形成する。これらの膜は、それぞれプラズマCVD法により形成することができ、酸化シリコン膜12の膜厚は、例えば、50nm程度で、窒化シリコン膜13の膜厚は、例えば、600nm程度である。
【0141】
次いで、図23に示すように、窒化シリコン膜13上にフォトレジスト膜Rを塗布する。次いで、図24に示すように、フォトレジスト膜Rを、露光・現像することにより開口部OAのフォトレジスト膜Rを除去する。この開口部OAは、後述のパッド領域Pdと対応する。この工程により、第1保護膜の表面(酸化シリコン膜12の表面)が露出する。
【0142】
次いで、図25に示すように、フォトレジスト膜Rをマスクに第1保護膜(酸化シリコン膜12および窒化シリコン膜13の積層膜)をエッチングすることにより、第1保護膜に開口部(OA)を形成する。さらに、続けて、SiON膜(反射防止膜)11をエッチングする。これにより、開口部OAからアルミニウム膜10b(第5層配線(アルミニウム配線)M5)が露出する。この露出領域がパッド領域Pdとなる。
【0143】
ここで、図25においては、1つのパッド領域Pdしか示していないが、半導体装置(半導体チップ)の内部には、複数のパッド領域Pdが形成され(図14参照)、これら複数のパッド領域Pdを一度に形成する。
【0144】
よって、パッド領域Pdの非開口を防止するため、オーバーエッチングを行うことが好ましい。即ち、SiON膜(反射防止膜)11がエッチングされ、アルミニウム膜10bの表面が露出した後も、エッチングを続け、パッド領域Pdのアルミニウム膜10b(第5層配線(アルミニウム配線)M5)の表面を後退させる。言い換えれば、アルミニウム膜10b(第5層配線(アルミニウム配線)M5)において、パッド領域Pdに対応する凹部を形成する。ここで、オーバーエッチング量(後退量、凹部深さ)をDとする。
【0145】
このように、オーバーエッチングを行うことで、パッド領域Pdの非開口、言い換えれば、パッド領域Pdにおけるアルミニウム膜10b(第5層配線(アルミニウム配線)M5)の非露出を防止することができる。なお、実施の形態1と異なり、SiON膜(絶縁膜)11とアルミニウム膜10bとのエッチング選択比は、窒化チタン膜10cとアルミニウム膜10bとのエッチング選択比より大きいため、オーバーエッチング量Dを小さくすることができる。
【0146】
次いで、半導体基板(1)全体に洗浄処理を施し、残存するパーティクルなどを除去し、パッド領域Pdを清浄化する。この洗浄液としては、例えば、フッ化アンモニウム、ホルムアルデヒドおよび水よりなる洗浄液を用いる。
【0147】
次いで、図26に示すように、フォトレジスト膜Rをアッシング(灰化処理)などにより除去する。このアッシング処理は、アルミニウム膜10b(パッド領域Pd)の耐腐食性向上の役割も果たす。
【0148】
次いで、パッド領域Pdに対し、窒素系のプラズマガスを用いたプラズマ処理を施す。即ち、窒素または窒素化合物ガス(窒化系ガス)をプラズマ化した雰囲気にパッド領域Pdを晒す。窒化系のプラズマガスとしては、NHのプラズマガスを用いる。このNHのプラズマガスにパッド領域Pdを晒すこと(NHプラズマ処理)により、パッド領域Pdから露出したアルミニウム膜10b(第5層配線(アルミニウム配線)M5)が窒化され、窒化アルミニウム層(表面処理層、プラズマ処理層、硬質層)15が形成される。
【0149】
この窒化アルミニウム層15は、窒素系のプラズマガスを用いたプラズマ処理により形成される層(膜)で、意図せず形成される自然窒化アルミニウム層より厚い層(膜)となる。
【0150】
例えば、アルミニウム膜10b上に、窒素化合物系の膜(例えば、SiON膜11)を成膜する際には、アルミニウムと窒素化合物とが反応し、窒化アルミニウムが形成され得る。特に、SiON膜11をプラズマCVDで成膜する場合には、窒素とアルミニウムとの反応が生じやすい。このように意図せず形成される層(膜)をここでは、自然窒化アルミニウム層(膜)と言う。この自然窒化アルミニウム層は、上記工程においては、アルミニウム膜10bと反射防止膜(SiON膜11)との境界に形成され得る。前述の窒化アルミニウム層15は、この自然窒化アルミニウム層より厚く形成されるものである。
【0151】
また、前述の窒化アルミニウム層15の膜厚(平均膜厚)は、パッド領域Pdの保護ができ、また、後述のプローブ針の応力やワイヤボンディング時の圧力により割れ、電気的接続が可能となる程度の膜厚が好ましく、好ましい膜厚の範囲は、10nm以上30nm以下である。
【0152】
[刻印およびプローブテスト工程]
この後、必要に応じて、半導体基板(ウエハ)1のナンバリング(刻印)を行う。上記工程で形成される半導体素子(MISFET)、配線およびパッド領域Pdなどは、略円状のウエハ上に矩形状に区画された複数のチップ領域に形成される。さらに、半導体装置の製造工程においては、複数枚のウエハを連続して処理することが多い。そこで、ウエハ毎に、ロット番号やウエハ番号等のウエハ情報をウエハの所定の領域に記載しておく。例えば、レーザーなどにより、ウエハの端部(チップとして用いない領域)に、ナンバー(記号)状に複数のドット状の凹部を形成する(レーザーネーミング)。
【0153】
このナンバリング工程は、半導体装置の製造工程中のどの段階で行ってもよいが、あまり下層の領域に形成すると、その上に膜が何層も積層することとなり、各膜の干渉縞によってナンバー(記号)が認識し難くなる。また、この後の成膜工程は、後述する第2保護膜(16)のみであり、後述するように、パッド領域Pdの第2保護膜(16)の除去工程と同時に、ナンバー上の第2保護膜(16)を除去することもできる。よって、かかる段階において、ナンバリングを行うことが好ましい。
【0154】
次いで、半導体基板(1)全体に洗浄処理を施し、レーザーネーミングにより生じたパーティクルやフォトレジスト膜の残渣等を除去する。この洗浄液としては、例えば、フッ化アンモニウム、ホルムアルデヒドおよび水よりなる洗浄液を用いる。次いで、純粋を用いたスクラブジェットにより、上記洗浄処理後に残存するパーティクルなどを除去する。
【0155】
次いで、パッド領域Pdに対し、アッシング(灰化処理)を施し、アルミニウム膜10b(パッド領域Pd)の耐腐食性を向上させるとともに、後述する第2保護膜(16)の濡れ性を向上させる。これにより、アルミニウム膜10b(パッド領域Pd)と第2保護膜(16)の密着性が向上し、第2保護膜(感光性ポリイミド膜16)の露光・現像工程において、その解像が良好となる。
【0156】
次いで、リフレクション検査により、パッド領域Pd(アルミニウム膜10b)上のSiON膜(反射防止膜)11の残渣の有無を調べる。SiON膜(反射防止膜)11が残存している場合には、再度エッチングを行う。
【0157】
次いで、図27に示すように、パッド領域Pdを含む第1保護膜上(窒化シリコン膜13上)に、第2保護膜として、例えば、感光性ポリイミド膜(PIQ膜:Polyimide- isoindoloquinazolinedion膜)16を塗布する。次いで、図28に示すように、感光性ポリイミド膜16を、露光・現像することにより開口部OAの感光性ポリイミド膜16を除去する。この工程により、開口部OAからアルミニウム膜10b(パッド領域Pd)が再び露出する。この感光性ポリイミド膜16の現像液としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ガンマーブチロラクトンおよび水よりなる現像液を用いる。なお、図28においては、第1保護膜(酸化シリコン膜12、窒化シリコン膜13)の開口部OAと第2保護膜(感光性ポリイミド膜16)の開口部OAとを同じ大きさとしたが、第2保護膜の開口部を第1保護膜の開口部OAより大きくしてもよい。
【0158】
次いで、熱処理(キュア処理)を施すことにより、感光性ポリイミド膜(第2保護膜)16を硬化させる。次いで、感光性ポリイミド膜16に対しアッシング(灰化処理)を施し、パッド領域Pd上のポリイミドの残渣や感光性ポリイミド膜の表面上の異物などを除去する。
【0159】
次いで、パッド領域Pdを利用して、半導体装置の動作テストを行う。このように、半導体装置の製造工程の前工程(ダイシング前、ウエハ状態)において、半導体装置(集積回路)などの良否を判定することを「ウエハテスト」と言う。
【0160】
このウエハテストとして、例えば、複数のパッド領域Pd(図14参照)に対応したプローブ針(N)が設けられたプローブカードを用いて行う、「プローブテスト」がある。このプローブ針(N)を介してパッド領域Pdに電気的信号を印加し、また、パッド領域Pdから得られる信号を検知することにより、半導体装置の電気的特性を確認することができる。このテスト結果により、半導体装置(集積回路)の良否を判断することができる。
【0161】
テスト内容に制限はないが、テストの種類としては、例えば、直流テスト、交流テスト、ファンクションテストなどがある。直流テストにより、例えば、断線やショートの有無の確認や、出力電圧(電流)の確認などを行うことができる。また、交流テストにより、例えば、出力信号の波形の確認などを行うことができる。また、ファンクションテストにより、データ書込みの可否やデータ保持時間の確認などを行うことができる。
【0162】
ここで、本実施の形態においては、パッド領域Pdに、窒素系のプラズマガスを用いたプラズマ処理を施し、その表面に、窒化アルミニウム層(表面処理層、プラズマ処理層、硬質層)15を形成したので、パッド領域Pdとプローブ針(N)との接触抵抗を低減することができる。その結果、プローブテスト特性(検査特性)を向上させることができる。
【0163】
即ち、パッド領域Pdにプラズマにより強固に結合した処理膜である窒化アルミニウム層15が形成されることで、プローブテストまでの工程の間に、パッド領域Pdに自然酸化膜が形成されることを防止することができる。
【0164】
なお、実施の形態1においても説明したが、上記窒素系プラズマ処理に変えて、酸化系(酸素系)プラズマ処理を行うことも考えられる。例えば、酸素(O)プラズマ処理により、パッド領域Pdにプラズマにより強固に結合した処理膜である酸化アルミニウム層を形成しても類似の効果が想定される。
【0165】
しかしながら、プラズマ処理工程とプローブテスト工程との間には、種々のエッチング工程(現像工程も含む)や洗浄工程が生じ得る。これらの工程においては、酸化膜を溶かす薬剤を用いていることが多い。また、多くのパーティクルや膜残渣などは酸化系の膜であることが多いため、上記酸化膜を溶かす薬剤(酸化膜除去剤)が好適に用いられることも多い。
【0166】
例えば、上記製造工程においても、プラズマ処理工程とプローブテスト工程との間には、<1>レーザーネーミングにより生じたパーティクル等を除去するための洗浄工程や、<2>感光性ポリイミド膜16の現像工程などがある。よって、これらの工程により、パッド領域Pdは、洗浄液や現像液に晒されることとなる。前述したように、上記洗浄液は、例えば、フッ化アンモニウムおよびホルムアルデヒドを含有し、また、上記現像液は、例えば、ジメチルスルホキシドおよびガンマーブチロラクトンを含有する。これらの薬剤は、酸化アルミニウム膜を溶かし得るものである。
【0167】
したがって、酸化系プラズマ処理によりパッド領域Pdに酸化アルミニウム層を形成した場合、エッチング液(現像液も含む)や洗浄液によって酸化アルミニウム層が溶けてしまう。その結果、プローブテスト工程前には、自然酸化膜がつくこととなり、結果としてプローブ針との接触抵抗が大きくなってしまう(図11参照)。
【0168】
これに対し、本実施の形態のように、窒化アルミニウム層15を形成しておけば、上記エッチング工程(現像工程も含む)や洗浄工程で溶けることがなく、また、自然酸化膜の形成を防止する保護膜ともなる。
【0169】
さらに、プローブテスト工程においては、前述したように、上記窒化アルミニウム層15の硬質性を利用して、プローブ針を割り入れることにより、容易に下層のアルミニウム膜(パッド領域Pd)との接触を図ることができる。
【0170】
上記プローブテストの後は、上記実施の形態1と同様に、半導体基板(ウエハ)1を切断(ダイシング)して各半導体チップCHPに分離(個片化)した後、配線基板WB上に半導体チップCHPを搭載(接着)する(ダイボンディング)。さらに、この後、パッド領域Pdと、配線基板WBに形成されている端子TEとを、金線などからなるワイヤWで接続する(ワイヤボンディング)した後、半導体チップCHPおよびワイヤWを覆うように樹脂MRで封止する(図14〜図17参照)。続いて、配線基板WBの裏面(チップ搭載面とは反対側の面)に外部接続端子となる半田ボールSBを形成する。
【0171】
以上の工程により、半導体装置を製造することができる。なお、本実施の形態においては、ワイヤボンディングを例に説明したが、フェイスダウンボンディングを行っても良い。
【0172】
例えば、上記プローブテストを行った後、パッド領域Pd上にバンプ電極を形成し、配線基板上に、バンフ電極形成側(フェース側)を下にして搭載し、樹脂封止してもよい。
【0173】
また、本実施の形態においても、第1〜第4層配線(ダマシン配線)を、導電性膜(金属膜)のパターニングにより各配線を形成してもよい。
【0174】
また、本実施の形態においても、半導体素子として、MISFET以外に、他の素子、例えば、抵抗素子やメモリなど、種々の素子を形成してもよい。
【0175】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態1〜3に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態1〜3に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0176】
本発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法、特に、パッドを有する半導体装置の構成、およびパッドを有する半導体装置の製造方法に適用して好適なものである。
【符号の説明】
【0177】
1 半導体基板
2 素子分離領域
3n ソース、ドレイン領域
3p ソース、ドレイン領域
10a バリア膜
10b アルミニウム膜
10c 窒化チタン膜
11 SiON膜
12 酸化シリコン膜
13 窒化シリコン膜
15 窒化アルミニウム層
16 感光性ポリイミド膜
25 自然酸化膜
CHP 半導体チップ
D オーバーエッチング量
EA 素子形成領域
G ゲート電極
M1 第1層配線
M2 第2層配線
M3 第3層配線
M4 第4層配線
M5 第5層配線
MR 樹脂
N プローブ針
OA 開口部
P1 プラグ
P2 プラグ
P3 プラグ
P4 プラグ
P5 プラグ
Pd パッド領域
Qn nチャネル型MISFET
Qp pチャネル型MISFET
R フォトレジスト膜
SB 半田ボール
TE 端子
TH1 層間絶縁膜
TH1a 層間絶縁膜
TH1b 配線溝用絶縁膜
TH2 層間絶縁膜
TH3 層間絶縁膜
TH4 層間絶縁膜
TH4a SiCN膜
TH4b TEOS膜
TH4c SiCN膜
TH4d TEOS膜
TH4e SiCN膜
TH5 層間絶縁膜
TH5a SiCN膜
TH5b 酸化シリコン膜
W ワイヤ
WB 配線基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)基板の上方にアルミニウムを含有する導電性膜を形成する工程と、
(b)前記導電性膜をパターニングすることにより配線を形成する工程と、
(c)前記配線の上部に第1絶縁膜を形成する工程と、
(d)前記第1絶縁膜をエッチングすることにより、前記配線のパッド領域を露出する工程と、
(e)前記パッド領域に、窒素系のプラズマガスを用いたプラズマ処理を行う工程と、
(f)前記(e)工程の後、前記パッド領域にプローブ針を当接し、前記パッド領域に通電する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記(e)工程により、前記パッド領域に窒化アルミニウム膜が形成されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記(f)工程は、前記プローブ針により前記窒化アルミニウム膜を割り、前記窒化アルミニウム膜の割れ目を介して前記プローブ針を前記パッド領域の前記配線に当接し、通電する工程であることを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記(a)工程と前記(b)工程との間に、
(g)前記導電性膜上に反射防止膜を形成する工程を有し、
前記(c)工程は、前記導電性膜および前記反射防止膜をパターニングする工程であることを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記反射防止膜は、窒化チタン膜であることを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記反射防止膜は、酸窒化シリコン膜であることを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記(g)工程において、前記導電性膜と前記反射防止膜との境界に自然窒化アルミニウム膜が形成され、
前記窒化アルミニウム膜の膜厚は、前記自然窒化アルミニウム膜の膜厚より大きいことを特徴とする請求項5または6記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記窒化アルミニウム膜の膜厚は、10nm以上30nm以下であることを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記窒素系のプラズマガスは、窒素または窒素化合物を含有するガスをプラズマ化したものであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記窒素系のプラズマガスは、N、アンモニア(NH)およびNOのいずれかをプラズマ化したガスを有することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記窒素系のプラズマガスは、NおよびOの混合ガスをプラズマ化したガスを有することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記(e)工程と前記(f)工程との間に、
(h)酸化膜除去剤を含む洗浄液を用いた洗浄工程を有することを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記洗浄液は、フッ化アンモニウムおよびホルムアミドを含有することを特徴とする請求項12記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記(e)工程と前記(f)工程との間に、
(i)前記第1絶縁膜および前記パッド領域上に、第2絶縁膜を形成し、前記パッド領域上の前記第2絶縁膜を除去する工程を有することを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記第2絶縁膜は感光性ポリイミド膜であり、前記第2絶縁膜の除去は、露光工程および現像工程により行われることを特徴とする請求項14記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記現像工程においては、ジメチルスルホキシドおよびガンマーブチロラクトンを含有する現像液を用いて行われることを特徴とする請求項15記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記(d)工程は、前記第1絶縁膜をエッチングした後、前記配線をオーバーエッチングすることにより、前記配線に凹部を形成し、前記凹部を前期パッド領域とする工程であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記(a)工程と前記(b)工程との間に、
(j)前記導電性膜上に反射防止膜を形成する工程を有し、
前記(b)工程は、前記導電性膜および前記反射防止膜をパターニングする工程であり、
前記(d)工程は、前記第1絶縁膜および前記反射防止膜をエッチングした後、前記導電性膜をオーバーエッチングすることにより、前記導電性膜に凹部を形成し、前記凹部を前期パッド領域とする工程であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記(f)工程の後、
(k)前記パッド領域と外部端子とを導電性部材を介して接続する工程、を有することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
(a)半導体基板の上方に形成されたアルミニウムを含有する配線と、
(b)前記配線上に形成された窒素化合物を含有する反射防止膜と、
(c)前記反射防止膜上に形成された第1絶縁膜と、
(d)前記反射防止膜および前記第1絶縁膜に設けられた開口部であって、前記配線のパッド領域を露出する開口部と、
(e)前記配線の前記パッド領域に形成された窒化アルミニウム膜と、を有し、
(f)前記窒化アルミニウム膜は、前記反射防止膜と前記第1絶縁膜との間に形成された自然窒化アルミニウム膜よりその膜厚が大きいことを特徴とする半導体装置。
【請求項21】
前記窒化アルミニウム膜の膜厚は、10nm以上30nm以下であることを特徴とする請求項20記載の半導体装置。
【請求項22】
前記反射防止膜は、窒化チタン膜または酸窒化シリコン膜であることを特徴とする請求項20記載の半導体装置。
【請求項23】
前記第1絶縁膜上に形成され、前記パッド領域を開口する感光性ポリイミド膜を有することを特徴とする請求項20記載の半導体装置。
【請求項24】
前記配線の表面は前記パッド領域において後退していることを特徴とする請求項20記載の半導体装置。
【請求項25】
前記パッド領域においてプローブ針の接触痕を有することを特徴とする請求項20記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−94593(P2012−94593A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238652(P2010−238652)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】