説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】相異なる動作電圧の第1,第2,第3のMISトランジスタを有する半導体装置において、第1,第2,第3のチャネル拡散層の不純物プロファイルの変動を抑制する。
【解決手段】半導体装置は、第1,第2,第3の活性領域上に第1,第2,第3のゲート絶縁膜13A,13B,14Cを介して形成された第1,第2,第3のゲート電極を有する第1導電型の第1,第2,第3のMISトランジスタを備えている。第1のゲート絶縁膜13Aは、第1のシリコン酸化膜13aと第1の高誘電率絶縁膜15aとからなる。第2のゲート絶縁膜13Bは、第2のシリコン酸化膜13bと第2の高誘電率絶縁膜15bとからなる。第3のゲート絶縁膜14Cは、第3のシリコン酸化膜14cと第3の高誘電率絶縁膜15cとからなる。第2のシリコン酸化膜13bは、第1のシリコン酸化膜13aと同じ膜厚を有し、且つ、第3のシリコン酸化膜14cよりも厚い膜厚を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、相異なる動作電圧のMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路装置の高集積化、高機能化及び高速化に伴い、MISFET(以下、「MISトランジスタ」と称す)の微細化及び高駆動能力化が求められている。
【0003】
一方、エネルギー消費の削減及び携帯機器の長時間使用を目的に、半導体集積回路装置の低消費電力化が求められている。そのため、内部回路用MISトランジスタは、動作電圧の低減が進められている。これに対し、IO(Input Output)用MISトランジスタは、外部機器と接続する必要があるため、内部回路用MISトランジスタの動作電圧よりも高い動作電圧が必要とされる。
【0004】
そこで、相異なる動作電圧の第1,第2,第3のMISトランジスタを有する半導体装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。以下に、従来の半導体装置の製造方法について、図3(a) 〜(c) 及び図4(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図3(a) 〜図4(b) は、従来の半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。図3(a) 〜図4(b) に示す「第1,第2,第3のMIS領域」とは、第1,第2,第3のMISトランジスタが形成される領域をいう。第2のMISトランジスタの動作電圧は、第1のMISトランジスタの動作電圧よりも低く、且つ、第3のMISトランジスタの動作電圧よりも高い。
【0005】
まず、図3(a) に示すように、半導体基板100の上部に、素子分離領域101を選択的に形成する。これにより、半導体基板100における第1,第2,第3のMIS領域に、素子分離領域101に囲まれた第1,第2,第3の活性領域100a,100b,100cが形成される。その後、第1,第2,第3の活性領域100a,100b,100cの上部領域に、第1,第2,第3のチャネル拡散層102a,102b,102cを形成する。その後、ゲート絶縁膜形成のための1回目の熱酸化を行い、第1,第2,第3の活性領域100a,100b,100c上に、第1のシリコン酸化膜形成膜103を形成する。
【0006】
次に、図3(b) に示すように、フォトリソグラフィ法により、第1のシリコン酸化膜形成膜103上に、第1,第3のMIS領域を覆い第2のMIS領域を開口するレジストパターンRe1を形成する。その後、レジストパターンRe1をマスクにして、エッチング法により、第1のシリコン酸化膜形成膜103における第2のMIS領域に形成された部分を除去する。これにより、第2の活性領域100bの表面を露出させる。その後、レジストパターンRe1を除去する。
【0007】
次に、図3(c) に示すように、ゲート絶縁膜形成のための2回目の熱酸化を行い、第2の活性領域100b上に、第1のシリコン酸化膜形成膜103よりも薄い膜厚を有する第2のシリコン酸化膜形成膜104を形成する。
【0008】
次に、図4(a) に示すように、第1,第2のシリコン酸化膜形成膜103,104上に、第1,第2のMIS領域を覆い第3のMIS領域を開口するレジストパターンRe2を形成する。その後、レジストパターンRe2をマスクにして、エッチング法により、第1のシリコン酸化膜形成膜103における第3のMIS領域に形成された部分を除去する。これにより、第3の活性領域100cの表面を露出させる。その後、レジストパターンRe2を除去する。
【0009】
次に、図4(b) に示すように、ゲート絶縁膜形成のための3回目の熱酸化を行い、第3の活性領域100c上に、第2のシリコン酸化膜形成膜104よりも薄い膜厚を有する第3のシリコン酸化膜形成膜105を形成する。
【0010】
その後、図示を省略するが、第1,第2,第3のシリコン酸化膜形成膜103,104,105上に、ゲート電極形成膜(図示せず)を形成する。その後、ゲート電極形成膜及び第1,第2,第3のシリコン酸化膜形成膜103,104,105を順次パターニングする。これにより、第1の活性領域100a上に、第1のシリコン酸化膜形成膜からなる第1のゲート絶縁膜(図示せず)、及びゲート電極形成膜からなる第1のゲート電極(図示せず)を順次形成する。第2の活性領域100b上に、第2のシリコン酸化膜形成膜からなる第2のゲート絶縁膜(図示せず)、及びゲート電極形成膜からなる第2のゲート電極(図示せず)を順次形成する。第3の活性領域100c上に、第3のシリコン酸化膜形成膜からなる第3のゲート絶縁膜(図示せず)、及びゲート電極形成膜からなる第3のゲート電極(図示せず)を順次形成する。このとき、既述の通り、第2のシリコン酸化膜形成膜104の膜厚は、第1のシリコン酸化膜形成膜103の膜厚よりも薄く、且つ、第3のシリコン酸化膜形成膜105の膜厚よりも厚いため、第2のゲート絶縁膜の膜厚は、第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも薄く、且つ、第3のゲート絶縁膜の膜厚よりも厚い。
【0011】
以上のようにして、従来の半導体装置を製造する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2002−343879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来の半導体装置では、以下に示す問題がある。
【0014】
従来の半導体装置の製造方法では、図3(a) に示すように、第1,第2,第3のチャネル拡散層102a,102b,102cを形成した後、1回目の熱酸化を行い、第1のシリコン酸化膜形成膜103を形成する。その後、図3(c) に示すように、2回目の熱酸化を行い、第2のシリコン酸化膜形成膜104を形成する。その後、図4(b) に示すように、3回目の熱酸化を行い、第3のシリコン酸化膜形成膜105を形成する。このように、第1,第2,第3のチャネル拡散層102a,102b,102cの形成後に、3回の熱酸化を行う。そのため、3回の熱酸化の各時に、第1,第2,第3のチャネル拡散層102a,102b,102cに含まれる導電型不純物が拡散されて、第1,第2,第3のチャネル拡散層102a,102b,102cの不純物プロファイルが変動するという問題がある。
【0015】
特に、第1,第2,第3のチャネル拡散層102a,102b,102cに含まれる導電型不純物が拡散される拡散量は、1回目の熱酸化時が最も多く、2回目の熱酸化時、3回目の熱酸化時と順に少なくなる。その理由は、次に示す通りである。一般に、厚い酸化膜を形成するためには、薄い酸化膜の形成に比べて熱酸化時間を長くする、又は、酸化温度を高くする必要がある。この場合、熱酸化時間が短い場合、又は、酸化温度が低い場合に比べて、チャネル拡散層に含まれる導電型不純物が拡散され易い。第1のシリコン酸化膜形成膜103は、第2のシリコン酸化膜形成膜104よりも膜厚が厚いため、1回目の熱酸化は、2回目の熱酸化よりも長い時間が必要とされる。また、第2のシリコン酸化膜形成膜104は、第3のシリコン酸化膜形成膜105よりも膜厚が厚いため、2回目の熱酸化は、3回目の熱酸化よりも長い時間が必要とされる。そのため、1回目の熱酸化時間が最も長く、2回目の熱酸化時間、3回目の熱酸化時間と順に短くなる。
【0016】
また、図3(a) に示すように、第1,第2,第3の活性領域100a,100b,100cにおける酸化された部分が、第1のシリコン酸化膜形成膜として消費される。そのため、第1,第2,第3のチャネル拡散層102a,102b,102cの上部が、第1のシリコン酸化膜形成膜として消費される。その後、図3(b) に示すように、第1のシリコン酸化膜形成膜103における第2のMIS領域に形成された部分が除去される。そのため、第2のチャネル拡散層102bにおける第1のシリコン酸化膜形成膜として消費された部分が除去される。その後、図3(c) に示すように、第2の活性領域100bにおける酸化された部分が、第2のシリコン酸化膜形成膜として消費される。そのため、第2のチャネル拡散層102bの上部が、第2のシリコン酸化膜形成膜として消費される。その後、図4(a) に示すように、第1のシリコン酸化膜形成膜103における第3のMIS領域に形成された部分が除去される。そのため、第3のチャネル拡散層102cにおける第1のシリコン酸化膜形成膜として消費された部分が除去される。その後、図4(b) に示すように、第3の活性領域100cにおける酸化された部分が、第3のシリコン酸化膜形成膜として消費される。そのため、第3のチャネル拡散層102cの上部が、第3のシリコン酸化膜形成膜として消費される。そのため、第1,第2,第3のチャネル拡散層102a,102b,102cの表面高さは、形成直後の第1,第2,第3のチャネル拡散層102a,102b,102cの表面高さよりも低く(言い換えれば、第1,第2,第3のチャネル拡散層102a,102b,102cの深さは、形成直後の第1,第2,第3のチャネル拡散層102a,102b,102cの深さよりも浅く)、第1,第2,第3のチャネル拡散層102a,102b,102cの不純物プロファイルが変動するという問題がある。
【0017】
以上のように、3回の熱酸化の各時に、第1,第2,第3のチャネル拡散層102a,102b,102cの不純物プロファイルが変動すると共に、上部がシリコン酸化膜形成膜として消費されることに起因して、第1,第2,第3のチャネル拡散層102a,102b,102cの不純物プロファイルが変動するという問題がある。従って、所望の特性を有する第1,第2,第3のMISトランジスタを実現することができない。
【0018】
前記に鑑み、本発明の目的は、相異なる動作電圧の第1,第2,第3のMISトランジスタを有する半導体装置において、第1,第2,第3のチャネル拡散層の不純物プロファイルの変動を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記の目的を達成するために、本発明に係る半導体装置は、半導体基板における第1の活性領域上に第1のゲート絶縁膜を介して形成された第1のゲート電極を有する第1導電型の第1のMISトランジスタと、半導体基板における第2の活性領域上に第2のゲート絶縁膜を介して形成された第1のゲート電極よりもゲート長の短い第2のゲート電極を有する第1導電型の第2のMISトランジスタと、半導体基板における第3の活性領域上に第3のゲート絶縁膜を介して形成された第2のゲート電極よりもゲート長の短い第3のゲート電極を有する第1導電型の第3のMISトランジスタとを備え、第1のゲート絶縁膜は、第1のシリコン酸化膜と第1のシリコン酸化膜上に形成された第1の高誘電率絶縁膜とからなり、第2のゲート絶縁膜は、第2のシリコン酸化膜と第2のシリコン酸化膜上に形成された第2の高誘電率絶縁膜とからなり、第3のゲート絶縁膜は、第3のシリコン酸化膜と第3のシリコン酸化膜上に形成された第3の高誘電率絶縁膜とからなり、第2のシリコン酸化膜は、第1のシリコン酸化膜と同じ膜厚を有し、且つ、第3のシリコン酸化膜よりも厚い膜厚を有していることを特徴とし、第1の活性領域における第1のゲート絶縁膜の下の領域に形成された第2導電型の第1のチャネル拡散層と、第2の活性領域における第2のゲート絶縁膜の下の領域に形成された第2導電型の第2のチャネル拡散層と、第3の活性領域における第3のゲート絶縁膜の下の領域に形成された第2導電型の第3のチャネル拡散層とをさらに備え、第2のチャネル拡散層は、第1のチャネル拡散層よりも高い不純物濃度を有し、且つ、第3のチャネル拡散層よりも低い不純物濃度を有していることが好ましい。
【0020】
本発明に係る半導体装置によると、第1,第2のゲート絶縁膜の構成を、第1,第2のシリコン酸化膜と第1,第2の高誘電率絶縁膜との積層構成とする。これにより、第1のシリコン酸化膜の膜厚と第2のシリコン酸化膜の膜厚とを同じにすることができる。そのため、第1,第2,第3のチャネル拡散層の形成後に行う熱処理の回数を、第1,第2のシリコン酸化膜を形成する為の熱処理と、第3のシリコン酸化膜を形成する為の熱処理との計2回とし、従来に比べて、熱処理の回数を低減することができる。そのため、第1,第2,第3のチャネル拡散層に含まれる第2導電型不純物が拡散される回数を低減することができる。そのため、第1,第2,第3のチャネル拡散層の不純物プロファイルが変動することを抑制することができる。
【0021】
加えて、第1,第2,第3のゲート絶縁膜の構成を、第1,第2,第3のシリコン酸化膜と第1,第2,第3の高誘電率絶縁膜との積層構成とし、従来に比べて、第1,第2,第3のシリコン酸化膜の膜厚を薄くすることができる。そのため、第1,第2のシリコン酸化膜を形成する為の熱処理に必要とされる時間を短くすると共に、第3のシリコン酸化膜を形成する為の熱処理に必要とされる時間を短くすることができる。そのため、2回の熱処理の各時に、第1,第2,第3のチャネル拡散層に含まれる第2導電型不純物が拡散される量を抑制し、第1,第2,第3のチャネル拡散層の不純物プロファイルが変動することを抑制することができる。
【0022】
さらに、既述の通り、従来に比べて、第1,第2,第3のシリコン酸化膜の膜厚を薄くすることができる。そのため、第1,第2のシリコン酸化膜を形成する為の熱処理時に、第1,第2,第3のチャネル拡散層におけるシリコン酸化膜として消費される量を低減することができる。それと共に、第3のシリコン酸化膜を形成する為の熱処理時に、第3のチャネル拡散層におけるシリコン酸化膜として消費される量を低減することができる。そのため、第1,第2,第3のチャネル拡散層の表面高さが、形成直後の第1,第2,第3のチャネル拡散層の表面高さよりも低くなることを抑制し、第1,第2,第3のチャネル拡散層の不純物プロファイルが変動することを抑制することができる。
【0023】
以上のように、熱処理回数の低減、及びシリコン酸化膜の薄膜化による熱処理時間の短縮により、第1,第2,第3のチャネル拡散層の不純物プロファイルが変動することを効果的に抑制することができる。従って、所望の特性を有する第1,第2,第3のMISトランジスタを実現することができる。
【0024】
本発明に係る半導体装置において、第2のMISトランジスタの動作電圧は、第1のMISトランジスタの動作電圧よりも低く、且つ、第3のMISトランジスタの動作電圧よりも高いことが好ましい。
【0025】
本発明に係る半導体装置において、第1の高誘電率絶縁膜、第2の高誘電率絶縁膜及び第3の高誘電率絶縁膜は、互いに同じ膜厚を有していることが好ましい。
【0026】
本発明に係る半導体装置において、第1のゲート電極は、第1の金属膜と第1の金属膜上に形成された第1のシリコン膜とからなり、第2のゲート電極は、第2の金属膜と第2の金属膜上に形成された第2のシリコン膜とからなり、第3のゲート電極は、第3の金属膜と第3の金属膜上に形成された第3のシリコン膜とからなることが好ましい。
【0027】
本発明に係る半導体装置において、第1の活性領域における第1のゲート電極の側方下の領域に形成された第1導電型の第1のエクステンション領域と、第2の活性領域における第2のゲート電極の側方下の領域に形成された第1導電型の第2のエクステンション領域と、第3の活性領域における第3のゲート電極の側方下の領域に形成された第1導電型の第3のエクステンション領域とをさらに備え、第2のエクステンション領域は、第1のエクステンション領域と同じ又はそれよりも高い不純物濃度を有し、且つ、第3のエクステンション領域よりも低い不純物濃度を有していることが好ましい。
【0028】
このようにすると、第1,第2のエクステンション領域の不純物濃度が低いため、動作電圧の高い第1,第2のMISトランジスタにおいて、過剰なホットエレクトロンが発生することを抑制することができる。そのため、過剰なホットエレクトロンが第1,第2のゲート絶縁膜に入り込み、第1,第2のMISトランジスタの閾値電圧を変化させて、第1,第2のMISトランジスタの信頼性が低下することを抑制することができる。
【0029】
一方、第3のエクステンション領域の不純物濃度が高いため、動作電圧の低い第3のMISトランジスタの駆動能力を向上させることができる。
【0030】
本発明に係る半導体装置において、第1の高誘電率絶縁膜、第2の高誘電率絶縁膜及び第3の高誘電率絶縁膜は、比誘電率が10以上の金属酸化物からなることが好ましい。
【0031】
本発明に係る半導体装置において、第1のシリコン酸化膜及び第2のシリコン酸化膜は、膜厚が3nm以上であって且つ6nm以下であり、第3のシリコン酸化膜は、膜厚が0.8nm以上であって且つ1.2nm以下であることが好ましい。
【0032】
前記の目的を達成するために、本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板における第1の活性領域上に、第1のシリコン酸化膜形成膜を形成すると共に、半導体基板における第2の活性領域上に、第1のシリコン酸化膜形成膜を形成する工程(a)と、工程(a)の後に、半導体基板における第3の活性領域上に、第1のシリコン酸化膜形成膜よりも薄い膜厚を有する第2のシリコン酸化膜形成膜を形成する工程(b)と、第1のシリコン酸化膜形成膜及び第2のシリコン酸化膜形成膜上に、高誘電率絶縁膜形成膜を形成する工程(c)と、高誘電率絶縁膜形成膜上にゲート電極形成膜を形成する工程(d)と、ゲート電極形成膜、高誘電率絶縁膜形成膜、並びに第1のシリコン酸化膜形成膜及び第2のシリコン酸化膜形成膜を順次パターニングして、第1の活性領域上に、第1のシリコン酸化膜形成膜からなる第1のシリコン酸化膜と高誘電率絶縁膜形成膜からなる第1の高誘電率絶縁膜とを有する第1のゲート絶縁膜、及びゲート電極形成膜からなる第1のゲート電極を形成し、第2の活性領域上に、第1のシリコン酸化膜形成膜からなる第2のシリコン酸化膜と高誘電率絶縁膜形成膜からなる第2の高誘電率絶縁膜とを有する第2のゲート絶縁膜、及びゲート電極形成膜からなる第2のゲート電極を形成し、且つ、第3の活性領域上に、第2のシリコン酸化膜形成膜からなる第3のシリコン酸化膜と高誘電率絶縁膜形成膜からなる第3の高誘電率絶縁膜とを有する第3のゲート絶縁膜、及びゲート電極形成膜からなる第3のゲート電極を形成する工程(e)とを備え、第2のゲート電極のゲート長は、第1のゲート電極のゲート長よりも短く、且つ、第3のゲート電極のゲート長よりも長いことを特徴とし、工程(a)の前に、第1のイオン注入により、第1の活性領域の上部領域に第2導電型の第1のチャネル拡散層を形成する工程(f)と、工程(a)の前に、第2のイオン注入により、第2の活性領域の上部領域に第2導電型の第2のチャネル拡散層を形成する工程(g)と、工程(a)の前に、第3のイオン注入により、第3の活性領域の上部領域に第2導電型の第3のチャネル拡散層を形成する工程(h)とをさらに備え、第2のイオン注入におけるドーズ量は、第1のイオン注入におけるドーズ量よりも多く、且つ、第3のイオン注入におけるドーズ量よりも少ないことが好ましい。
【0033】
本発明に係る半導体装置の製造方法によると、第1,第2のゲート絶縁膜の構成を、第1,第2のシリコン酸化膜と第1,第2の高誘電率絶縁膜との積層構成とする。これにより、第1のシリコン酸化膜の膜厚と第2のシリコン酸化膜の膜厚とを同じにすることができる。そのため、第1,第2,第3のチャネル拡散層の形成後に行う熱処理の回数を、第1,第2のシリコン酸化膜を形成する為の熱処理(言い換えれば、第1のシリコン酸化膜形成膜を形成する為の熱処理)と、第3のシリコン酸化膜を形成する為の熱処理(言い換えれば、第2のシリコン酸化膜形成膜を形成する為の熱処理)との計2回とし、従来に比べて、熱処理の回数を低減することができる。そのため、第1,第2,第3のチャネル拡散層に含まれる第2導電型不純物が拡散される回数を低減することができる。そのため、第1,第2,第3のチャネル拡散層の不純物プロファイルが変動することを抑制することができる。
【0034】
加えて、第1,第2,第3のゲート絶縁膜の構成を、第1,第2,第3のシリコン酸化膜と第1,第2,第3の高誘電率絶縁膜との積層構成とし、従来に比べて、第1,第2,第3のシリコン酸化膜の膜厚を薄くすることができるため、第1,第2のシリコン酸化膜形成膜の膜厚を薄くすることができる。そのため、第1のシリコン酸化膜形成膜を形成する為の熱処理に必要とされる時間を短くすると共に、第2のシリコン酸化膜形成膜を形成する為の熱処理に必要とされる時間を短くすることができる。そのため、2回の熱処理の各時に、第1,第2,第3のチャネル拡散層に含まれる第2導電型不純物が拡散される量を抑制し、第1,第2,第3のチャネル拡散層の不純物プロファイルが変動することを抑制することができる。
【0035】
さらに、既述の通り、従来に比べて、第1,第2,第3のシリコン酸化膜の膜厚を薄くすることができるため、第1,第2のシリコン酸化膜形成膜の膜厚を薄くすることができる。そのため、第1のシリコン酸化膜形成膜を形成する為の熱処理時に、第1,第2,第3のチャネル拡散層における第1のシリコン酸化膜形成膜として消費される量を低減することができる。それと共に、第2のシリコン酸化膜形成膜を形成する為の熱処理時に、第3のチャネル拡散層における第2のシリコン酸化膜形成膜として消費される量を低減することができる。そのため、第1,第2,第3のチャネル拡散層の表面高さが、形成直後の第1,第2,第3のチャネル拡散層の表面高さよりも低くなることを抑制し、第1,第2,第3のチャネル拡散層の不純物プロファイルが変動することを抑制することができる。
【0036】
以上のように、熱処理回数の低減、及びシリコン酸化膜形成膜の薄膜化による熱処理時間の短縮により、第1,第2,第3のチャネル拡散層の不純物プロファイルが変動することを効果的に抑制することができる。従って、所望の特性を有する第1,第2,第3のMISトランジスタを実現することができる。
【0037】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、工程(d)は、高誘電率絶縁膜形成膜上に、金属膜形成膜及びシリコン膜形成膜が順次積層されてなるゲート電極形成膜を形成する工程であり、工程(e)は、シリコン膜形成膜、金属膜形成膜、高誘電率絶縁膜形成膜、並びに第1のシリコン酸化膜形成膜及び第2のシリコン酸化膜形成膜を順次パターニングして、第1の活性領域上に、第1のゲート絶縁膜、及び金属膜形成膜からなる第1の金属膜とシリコン膜形成膜からなる第1のシリコン膜とを有する第1のゲート電極を形成し、第2の活性領域上に、第2のゲート絶縁膜、及び金属膜形成膜からなる第2の金属膜とシリコン膜形成膜からなる第2のシリコン膜とを有する第2のゲート電極を形成し、且つ、第3の活性領域上に、第3のゲート絶縁膜、及び金属膜形成膜からなる第3の金属膜とシリコン膜形成膜からなる第3のシリコン膜とを有する第3のゲート電極を形成する工程であることが好ましい。
【0038】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、工程(e)の後に、第4のイオン注入により、第1の活性領域における第1のゲート電極の側方下の領域に第1導電型の第1のエクステンション領域を形成する工程(i)と、工程(e)の後に、第5のイオン注入により、第2の活性領域における第2のゲート電極の側方下の領域に第1導電型の第2のエクステンション領域を形成する工程(j)と、工程(e)の後に、第6のイオン注入により、第3の活性領域における第3のゲート電極の側方下の領域に第1導電型の第3のエクステンション領域を形成する工程(k)とをさらに備え、第5のイオン注入におけるドーズ量は、第4のイオン注入におけるドーズ量と同じ又はそれよりも多く、且つ、第6のイオン注入におけるドーズ量よりも少ないことが好ましい。
【0039】
このようにすると、第2のエクステンション領域の不純物濃度を、第1のエクステンション領域の不純物濃度と同じ又はそれよりも高くし、且つ、第3のエクステンション領域の不純物濃度よりも低くすることができる。
【0040】
これにより、動作電圧の高い第1,第2のMISトランジスタにおいて、過剰なホットエレクトロンが発生することを抑制することができる。そのため、過剰なホットエレクトロンが第1,第2のゲート絶縁膜に入り込み、第1,第2のMISトランジスタの閾値電圧を変化させて、第1,第2のMISトランジスタの信頼性が低下することを抑制することができる。
【0041】
一方、動作電圧の低い第3のMISトランジスタの駆動能力を向上させることができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法によると、熱処理回数の低減、及びシリコン酸化膜の薄膜化による熱処理時間の短縮により、第1,第2,第3のチャネル拡散層の不純物プロファイルが変動することを効果的に抑制することができる。従って、所望の特性を有する第1,第2,第3のMISトランジスタを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】(a) 〜(c) は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。
【図2】(a) 〜(c) は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。
【図3】(a) 〜(c) は、従来の半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。
【図4】(a) 〜(b) は、従来の半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0045】
(一実施形態)
以下に、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図1(a) 〜(c) 及び図2(a) 〜(c) を参照しながら説明する。図1(a) 〜図2(c) は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。図1(a) 〜図2(c) において、左側に示す「第1のMIS領域」とは、第1のMISトランジスタが形成される領域を示し、中央に示す「第2のMIS領域」とは、第2のMISトランジスタが形成される領域を示し、右側に示す「第3のMIS領域」とは、第3のMISトランジスタが形成される領域を示す。第2のMISトランジスタの動作電圧Vdd2は、第1のMISトランジスタの動作電圧Vdd1よりも低く、且つ、第3のMISトランジスタの動作電圧Vdd3よりも高い(Vdd1>Vdd2>Vdd3)。第1,第2のMISトランジスタとしては、例えばIO(Input Output)用MISトランジスタが挙げられる。第3のMISトランジスタとしては、例えば内部回路用MISトランジスタが挙げられる。
【0046】
まず、図1(a) に示すように、例えば埋め込み素子分離(Shallow Trench Isolation:STI)法により、例えばシリコンからなる半導体基板10の上部に、トレンチ内に絶縁膜が埋め込まれた素子分離領域11を選択的に形成する。これにより、半導体基板10における第1,第2,第3のMIS領域に、素子分離領域11に囲まれた第1,第2,第3の活性領域10a,10b,10cが形成される。その後、イオン注入法により、半導体基板10における第1,第2,第3のMIS領域に、例えばボロン(B)等のp型不純物を注入した後、半導体基板10に対して熱処理を行う。これにより、半導体基板10における第1,第2,第3のMIS領域に、p型の第1,第2,第3のウェル領域(図示せず)を形成する。
【0047】
その後、第1のVt注入(第1のイオン注入)により、例えばエネルギーが10keV〜15keV,ドーズ量が3×1012/cm2〜1×1013/cm2の条件で、第1の活性領域10aに、例えばボロン(B)等のp型不純物を注入する。これにより、第1の活性領域10aの上部領域に、p型の第1のチャネル拡散層12aを形成する。その後、第2のVt注入(第2のイオン注入)により、例えばエネルギーが10keV〜15keV,ドーズ量が5×1012/cm2〜2×1013/cm2の条件で、第2の活性領域10bに、例えばB等のp型不純物を注入する。これにより、第2の活性領域10bの上部領域に、p型の第2のチャネル拡散層12bを形成する。その後、第3のVt注入(第3のイオン注入)により、例えばエネルギーが5keV〜10keV,ドーズ量が6×1012/cm2〜3×1013/cm2の条件で、第3の活性領域10cに、例えばB等のp型不純物を注入する。これにより、第3の活性領域10cの上部領域に、p型の第3のチャネル拡散層12cを形成する。ここで、「第1,第2,第3のVt注入」とは、第1,第2,第3のチャネル拡散層を形成する為のイオン注入をいう。第1,第2,第3のVt注入を行う順序は、上記の順序に限定されるものではなく、順不同である。
【0048】
第1,第2,第3のVt注入におけるドーズ量の多少関係は、次に示す通りである。第2のVt注入におけるドーズ量Dvt2は、第1のVt注入におけるドーズ量Dvt1よりも多く、且つ、第3のVt注入におけるドーズ量Dvt3よりも少ない(Dvt1<Dvt2<Dvt3)。
【0049】
このように、ドーズ量がDvt1<Dvt2<Dvt3の関係を満たすため、第2のチャネル拡散層12bは、第1のチャネル拡散層12aよりも高い不純物濃度を有し、且つ、第3のチャネル拡散層12cよりも低い不純物濃度を有する。
【0050】
その後、例えばウェット酸化法により、例えば900℃の下、第1,第2,第3の活性領域10a,10b,10c上に、例えば膜厚が3.3nmのシリコン酸化膜からなる第1のシリコン酸化膜形成膜13を形成する。第1のシリコン酸化膜形成膜13の膜厚は、例えば3nm以上であって且つ6nm以下であることが好ましい。
【0051】
次に、図1(b) に示すように、リソグラフィ法により、第1のシリコン酸化膜形成膜13上に、第1,第2のMIS領域を覆い第3のMIS領域を開口するレジストパターンReを形成する。その後、レジストパターンReをマスクにして、第1のシリコン酸化膜形成膜13における第3のMIS領域に形成された部分を除去し、第3の活性領域10cの表面を露出させる。その後、レジストパターンReを除去する。
【0052】
このようにして、第1,第2の活性領域10a,10b上に、第1のシリコン酸化膜形成膜13を形成する。
【0053】
次に、図1(c) に示すように、例えばISSG(In-Situ Steam Generation)酸化法により、例えば900℃の下、第3の活性領域10c上に、例えば膜厚が1.0nmのシリコン酸化膜からなる第2のシリコン酸化膜形成膜14を形成する。第2のシリコン酸化膜形成膜14の膜厚は、例えば0.8nm以上であって且つ1.2nm以下であることが好ましい。
【0054】
次に、図2(a) に示すように、例えば有機金属化学気相堆積(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)法、又はALD(Atomic Layer Deposition)法等により、第1のシリコン酸化膜形成膜13及び第2のシリコン酸化膜形成膜14上に、例えば膜厚が2.5nmのHfO2又はHfSiON等からなる高誘電率絶縁膜形成膜15を形成する。高誘電率絶縁膜形成膜15は、比誘電率が例えば10以上の金属酸化物からなることが好ましい。
【0055】
その後、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD法又はスパッタ法等により、高誘電率絶縁膜形成膜15上に、例えば膜厚が10nm〜15nmの窒化チタン(TiN)からなる金属膜形成膜16を形成する。
【0056】
その後、例えばCVD法により、金属膜形成膜16上に、例えば膜厚が30nm〜100nmのポリシリコン膜からなるシリコン膜形成膜17を形成する。
【0057】
このようにして、高誘電率絶縁膜形成膜15上に、金属膜形成膜16とシリコン膜形成膜17とからなるゲート電極形成膜17Xを形成する。
【0058】
次に、図2(b) に示すように、フォトリソグラフィ法により、シリコン膜形成膜17上に、第1,第2,第3のゲートパターン形状を有するレジストパターン(図示せず)を形成する。このとき、第2のゲートパターン形状のゲート長方向の幅W2が、第1のゲートパターン形状のゲート長方向の幅W1よりも短く、且つ、第3のゲートパターン形状のゲート長方向の幅W3よりも長くなる(W1>W2>W3)ように、レジストパターンを形成する。
【0059】
その後、レジストパターンをマスクにして、エッチング法により、シリコン膜形成膜17、金属膜形成膜16、高誘電率絶縁膜形成膜15、並びに第1のシリコン酸化膜形成膜13及び第2のシリコン酸化膜形成膜14を順次パターニングする。これにより、第1の活性領域10a上に、第1のシリコン酸化膜13a、第1の高誘電率絶縁膜15a、第1の金属膜16a、及び第1のシリコン膜17aを順次形成する。第2の活性領域10b上に、第2のシリコン酸化膜13b、第2の高誘電率絶縁膜15b、第2の金属膜16b、及び第2のシリコン膜17bを順次形成する。第3の活性領域10c上に、第3のシリコン酸化膜14c、第3の高誘電率絶縁膜15c、第3の金属膜16c、及び第3のシリコン膜17cを順次形成する。その後、レジストパターンを除去する。
【0060】
このようにして、第1の活性領域10a上に、第1のシリコン酸化膜13aと第1の高誘電率絶縁膜15aとからなる第1のゲート絶縁膜13A、及び第1の金属膜16aと第1のシリコン膜17aとからなる第1のゲート電極17Aを形成する。第2の活性領域10b上に、第2のシリコン酸化膜13bと第2の高誘電率絶縁膜15bとからなる第2のゲート絶縁膜13B、及び第2の金属膜16bと第2のシリコン膜17bとからなる第2のゲート電極17Bを形成する。第3の活性領域10c上に、第3のシリコン酸化膜14cと第3の高誘電率絶縁膜15cとからなる第3のゲート絶縁膜14C、及び第3の金属膜16cと第3のシリコン膜17cとからなる第3のゲート電極17Cを形成する。
【0061】
ここで、既述の通り、第1,第2,第3のゲートパターン形状のゲート長方向の幅がW1>W2>W3の関係を満たすため、第2のゲート電極17Bのゲート長Lg2は、第1のゲート電極17Aのゲート長Lg1よりも短く、且つ、第3のゲート電極17Cのゲート長Lg3よりも長い(Lg1>Lg2>Lg3)。具体的には例えば、ゲート長Lg1=250nm,ゲート長Lg2=150nm,ゲート長Lg3=30nmである。
【0062】
その後、第1のゲート電極17Aをマスクにして、第1のEx注入(第4のイオン注入)により、例えばエネルギーが20keV〜45keV,ドーズ量が3×1013/cm2〜3×1014/cm2の条件で、第1の活性領域10aに、例えばヒ素(As)等のn型不純物を注入する。これにより、第1の活性領域10aにおける第1のゲート電極17Aの側方下の領域にn型の第1のエクステンション領域18aを自己整合的に形成する。その後、第2のゲート電極17Bをマスクにして、第2のEx注入(第5のイオン注入)により、例えばエネルギーが10keV〜30keV,ドーズ量が3×1013/cm2〜3×1014/cm2の条件で、第2の活性領域10bに、例えばAs等のn型不純物を注入する。これにより、第2の活性領域10bにおける第2のゲート電極17Bの側方下の領域にn型の第2のエクステンション領域18bを自己整合的に形成する。その後、第3のゲート電極17Cをマスクにして、第3のEx注入(第6のイオン注入)により、例えばエネルギーが1keV〜3keV,ドーズ量が5×1014/cm2〜3×1015/cm2の条件で、第3の活性領域10cに、例えばAs等のn型不純物を注入する。これにより、第3の活性領域10cにおける第3のゲート電極17Cの側方下の領域にn型の第3のエクステンション領域18cを自己整合的に形成する。ここで、「第1,第2,第3のEx注入」とは、第1,第2,第3のエクステンション領域を形成する為のイオン注入をいう。第1,第2,第3のEx注入を行う順序は、上記の順序に限定されるものではなく、順不同である。
【0063】
第1,第2,第3のEx注入におけるエネルギーの大小関係は、次に示す通りである。第2のEx注入におけるエネルギーEex2は、第1のEx注入におけるエネルギーEex1よりも小さく、且つ、第3のEx注入におけるエネルギーEex3よりも大きい(Eex1>Eex2>Eex3)。
【0064】
このように、エネルギーがEex1>Eex2>Eex3の関係を満たすため、第2のエクステンション領域18bの深さは、第1のエクステンション領域18aの深さよりも浅く、且つ、第3のエクステンション領域18cの深さよりも深い。
【0065】
第1,第2,第3のEx注入におけるドーズ量の多少関係は、次に示す通りである。第2のEx注入におけるドーズ量Dex2は、第1のEx注入におけるドーズ量Dex1と同じ又はそれよりも多く、且つ、第3のEx注入におけるドーズ量Dex3よりも少ない(Dex1≦Dex2<Dex3)。
【0066】
このように、ドーズ量がDex1≦Dex2<Dex3の関係を満たすため、第2のエクステンション領域18bは、第1のエクステンション領域18aと同じ又はそれよりも高い不純物濃度を有し、且つ、第3のエクステンション領域18cよりも低い不純物濃度を有する。
【0067】
次に、図2(c) に示すように、例えばCVD法により、半導体基板10上の全面に、例えば膜厚が30nm〜40nmのシリコン酸化膜からなるサイドウォール用絶縁膜を形成する。その後、サイドウォール用絶縁膜に対して異方性エッチングを行う。これにより、第1,第2,第3のゲート電極17A,17B,17Cの側面上に、第1,第2,第3のサイドウォール19a,19b,19cを形成する。
【0068】
その後、第1,第2,第3のゲート電極17A,17B,17C、及び第1,第2,第3のサイドウォール19a,19b,19cをマスクにして、S/D注入により、例えばエネルギーが10keV〜20keV,ドーズ量が1×1015/cm2〜7×1015/cm2の条件で、第1,第2,第3の活性領域10a,10b,10cに、例えばAs等のn型不純物を注入する。これにより、第1,第2,第3の活性領域10a,10b,10cにおける第1,第2,第3のサイドウォール19a,19b,19cの外側方下の領域にn型の第1,第2,第3のソースドレイン領域20a,20b,20cを自己整合的に形成する。ここで、「S/D注入」とは、第1,第2,第3のソースドレイン領域を形成する為のイオン注入をいう。その後、熱処理により、第1,第2,第3のソースドレイン領域20a,20b,20cに含まれるn型不純物を活性化させる。
【0069】
以上のようにして、本実施形態に係る半導体装置、即ち、動作電圧が例えば2.5Vのn型の第1のMISトランジスタTr1、動作電圧が例えば1.8Vのn型の第2のMISトランジスタTr2、及び動作電圧が例えば1.0Vのn型の第3のMISトランジスタTr3を備えた半導体装置を製造することができる。
【0070】
以下に、本発明の一実施形態に係る半導体装置の構成について、図2(c) を参照しながら説明する。
【0071】
図2(c) に示すように、半導体基板10における第1のMIS領域に、n型の第1のMISトランジスタTr1が設けられている。半導体基板10における第2のMIS領域に、n型の第2のMISトランジスタTr2が設けられている。半導体基板10における第3のMIS領域に、n型の第3のMISトランジスタTr3が設けられている。
【0072】
第2のMISトランジスタTr2の動作電圧Vdd2は、第1のMISトランジスタTr1の動作電圧Vdd1よりも低く、且つ、第3のMISトランジスタTr3の動作電圧Vdd3よりも高い(Vdd1>Vdd2>Vdd3)。
【0073】
第1のMISトランジスタTr1は、図2(c) に示すように、第1の活性領域10a上に形成された第1のシリコン酸化膜13a及び第1の高誘電率絶縁膜15aからなる第1のゲート絶縁膜13Aと、第1のゲート絶縁膜13A上に形成された第1の金属膜16a及び第1のシリコン膜17aからなる第1のゲート電極17Aと、第1の活性領域10aにおける第1のゲート絶縁膜13Aの下の領域に形成されたp型の第1のチャネル拡散層12aと、第1の活性領域10aにおける第1のゲート電極17Aの側方下の領域に形成されたn型の第1のエクステンション領域18aと、第1のゲート電極17Aの側面上に形成された第1のサイドウォール19aと、第1の活性領域10aにおける第1のサイドウォール19aの外側方下の領域に形成されたn型の第1のソースドレイン領域20aとを備えている。
【0074】
第2のMISトランジスタTr2は、図2(c) に示すように、第2の活性領域10b上に形成された第2のシリコン酸化膜13b及び第2の高誘電率絶縁膜15bからなる第2のゲート絶縁膜13Bと、第2のゲート絶縁膜13B上に形成された第2の金属膜16b及び第2のシリコン膜17bからなる第2のゲート電極17Bと、第2の活性領域10bにおける第2のゲート絶縁膜13Bの下の領域に形成されたp型の第2のチャネル拡散層12bと、第2の活性領域10bにおける第2のゲート電極17Bの側方下の領域に形成されたn型の第2のエクステンション領域18bと、第2のゲート電極17Bの側面上に形成された第2のサイドウォール19bと、第2の活性領域10bにおける第2のサイドウォール19bの外側方下の領域に形成されたn型の第2のソースドレイン領域20bとを備えている。
【0075】
第3のMISトランジスタTr3は、図2(c) に示すように、第3の活性領域10c上に形成された第3のシリコン酸化膜14c及び第3の高誘電率絶縁膜15cからなる第3のゲート絶縁膜14Cと、第3のゲート絶縁膜14C上に形成された第3の金属膜16c及び第3のシリコン膜17cからなる第3のゲート電極17Cと、第3の活性領域10cにおける第3のゲート絶縁膜14Cの下の領域に形成されたp型の第3のチャネル拡散層12cと、第3の活性領域10cにおける第3のゲート電極17Cの側方下の領域に形成されたn型の第3のエクステンション領域18cと、第3のゲート電極17Cの側面上に形成された第3のサイドウォール19cと、第3の活性領域10cにおける第3のサイドウォール19cの外側方下の領域に形成されたn型の第3のソースドレイン領域20cとを備えている。
【0076】
第2のシリコン酸化膜13bは、第1のシリコン酸化膜13aと同じ膜厚を有し、且つ、第3のシリコン酸化膜14cよりも厚い膜厚を有している。第1,第2のシリコン酸化膜13a,13bの膜厚は、例えば3nm以上であって且つ6nm以下であることが好ましい。第3のシリコン酸化膜14cの膜厚は、例えば0.8nm以上であって且つ1.2nm以下であることが好ましい。
【0077】
第1,第2,第3の高誘電率絶縁膜15a,15b,15cは、互いに同じ材料からなり、且つ、互いに同じ膜厚を有している。
【0078】
具体的には例えば、第1,第2のシリコン酸化膜13a,13bの膜厚が3.3nmであり、第1,第2の高誘電率絶縁膜15a,15bの膜厚が2.5nmである場合、第1,第2のゲート絶縁膜13A,13Bの物理的膜厚は、5.8nm(=3.3nm+2.5nm)であり、第1,第2のゲート絶縁膜13A,13Bの電気的膜厚は、3.5nmである。第3のシリコン酸化膜14cの膜厚が1.0nmであり、第3の高誘電率絶縁膜15cの膜厚が2.5nmである場合、第3のゲート絶縁膜14Cの物理的膜厚は、3.5nm(=1.0nm+2.5nm)であり、第3のゲート絶縁膜14Cの電気的膜厚は、1.3nmである。
【0079】
第2のゲート電極17Bのゲート長Lg2は、第1のゲート電極17Aのゲート長Lg1よりも短く、且つ、第3のゲート電極17Cのゲート長Lg3よりも長い(Lg1>Lg2>Lg3)。
【0080】
第1,第2,第3の金属膜16a,16b,16cは、互いに同じ材料からなり、且つ、互いに同じ膜厚を有している。
【0081】
第1,第2,第3のシリコン膜17a,17b,17cは、互いに同じ材料からなり、且つ、互いに同じ膜厚を有している。
【0082】
第2のチャネル拡散層12bは、第1のチャネル拡散層12aよりも高い不純物濃度を有し、且つ、第3のチャネル拡散層12cよりも低い不純物濃度を有している。
【0083】
第2のエクステンション領域18bは、第1のエクステンション領域18aよりも浅い深さを有し、且つ、第3のエクステンション領域18cよりも深い深さを有している。第2のエクステンション領域18bは、第1のエクステンション領域18aと同じ又はそれよりも高い不純物濃度を有し、且つ、第3のエクステンション領域18cよりも低い不純物濃度を有している。
【0084】
以下に示す構成を採用することにより、相異なる動作電圧Vdd1,Vdd2,Vdd3の第1,第2,第3のMISトランジスタTr1,Tr2,Tr3を実現する。
【0085】
−第1のMISトランジスタTr1−
第1のMISトランジスタTr1と第2のMISトランジスタTr2との構成上の相違点は、次に示す点である。第1のゲート電極17Aのゲート長Lg1は、第2のゲート電極17Bのゲート長Lg2よりも長い(Lg1>Lg2)。
【0086】
第1のMISトランジスタTr1に印加される動作電圧Vdd1は、第2のMISトランジスタTr2に印加される動作電圧Vdd2よりも高い(Vdd1>Vdd2)ため、第1のゲート電極13Aのゲート長Lg1を、第2のゲート電極13Bのゲート長Lg2よりも長くする(Lg1>Lg2)必要がある。その理由は、次に示す通りである。第1のゲート電極のゲート長が短いと、ホットキャリア(大きなエネルギーを持つキャリア)が発生し、ホットキャリアが第1のゲート絶縁膜に入り込み、第1のMISトランジスタの閾値電圧を変化させるため、第1のMISトランジスタの信頼性が低下するという不具合が生じる。
【0087】
そこで、ゲート長Lg1を、ゲート長Lg2よりも長くする(Lg1>Lg2)。これにより、第1のMISトランジスタTr1の信頼性の低下を招くことなく、第1のMISトランジスタTr1に、動作電圧Vdd2よりも高い動作電圧Vdd1(Vdd1>Vdd2)を印加することができる。
【0088】
加えて、動作電圧Vdd1は最も高いため、第1のゲート絶縁膜13Aの破壊を招くことのないように、第1のゲート絶縁膜13Aの物理的膜厚を厚くする必要がある。
【0089】
そこで、第1のゲート絶縁膜13Aの構成を、第1のシリコン酸化膜13aと第1の高誘電率絶縁膜15aとの積層構成とする。これにより、第1のゲート絶縁膜13Aの物理的膜厚を厚くすることができる。そのため、第1のゲート絶縁膜13Aの耐圧を高くすることができるので、第1のMISトランジスタTr1に動作電圧Vdd1が印加されることがあっても、第1のゲート絶縁膜13aが破壊されることを抑制することができる。
【0090】
−第2のMISトランジスタTr2−
動作電圧Vdd2は高いものの動作電圧Vdd1よりも低いため、第2のMISトランジスタTr2の駆動能力の低下を招くことのないように、第2のゲート絶縁膜13Bの電気的膜厚を薄くする必要がある。
【0091】
そこで、第2のゲート絶縁膜13Bの構成を、第2のシリコン酸化膜13bと第2の高誘電率絶縁膜15bとの積層構成とする。これにより、第2のゲート絶縁膜13Bの電気的膜厚を薄くすることができる。そのため、第2のMISトランジスタTr2の駆動能力が低下することを抑制することができる。
【0092】
なお、従来の半導体装置において、
・第1のシリコン酸化膜からなる第1のゲート絶縁膜の膜厚を、第2のシリコン酸化膜からなる第2のゲート絶縁膜の膜厚と同じにし、且つ、
・第1のゲート電極のゲート長を、第2のゲート電極のゲート長よりも長くした場合、以下に示す不具合が生じる。
【0093】
第1に例えば、第1,第2のゲート絶縁膜の膜厚を、第1のMISトランジスタに適した膜厚にした場合(即ち、第2のゲート絶縁膜の膜厚が、第2のMISトランジスタに適した膜厚ではなく、第2のゲート絶縁膜の膜厚が厚い場合)、以下に示す不具合が生じる。
【0094】
第2のゲート絶縁膜が厚い(即ち、第2のシリコン酸化膜が厚い)と、第2のMISトランジスタの駆動能力が低下するという不具合が生じる。
【0095】
そのため、第1,第2のゲート絶縁膜の構成が第1,第2のシリコン酸化膜の単層構成の場合、第2のゲート絶縁膜の膜厚を、第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも薄くせざるを得ず、第2のゲート絶縁膜の膜厚を、第1のゲート絶縁膜の膜厚と同じにすることができない。
【0096】
第2に例えば、第1,第2のゲート絶縁膜の膜厚を、第2のMISトランジスタに適した膜厚にした場合(即ち、第1のゲート絶縁膜の膜厚が、第1のMISトランジスタに適した膜厚ではなく、第1のゲート絶縁膜の膜厚が薄い場合)、以下に示す不具合が生じる。
【0097】
第1のゲート絶縁膜が薄い(即ち、第1のシリコン酸化膜が薄い)と、第1のゲート絶縁膜の耐圧が低下し、第1のゲート絶縁膜が破壊されるという不具合が生じる。
【0098】
そのため、第1,第2のゲート絶縁膜の構成が第1,第2のシリコン酸化膜の単層構成の場合、第1のゲート絶縁膜の膜厚を、第2のゲート絶縁膜の膜厚よりも厚くせざるを得ず、第1のゲート絶縁膜の膜厚を、第2のゲート絶縁膜の膜厚と同じにすることができない。
【0099】
−第3のMISトランジスタTr3−
動作電圧Vdd3は最も低いため、第3のMISトランジスタTr3の駆動能力の低下を招くことのないように、第3のゲート絶縁膜14Cの電気的膜厚を最も薄くする必要がある。一方、第3のゲート絶縁膜14Cの薄膜化によるリーク電流の発生を招くことのないように、第3のゲート絶縁膜14Cの物理的膜厚を厚くする必要がある。即ち、第3のゲート絶縁膜14Cは、電気的膜厚を薄くする一方、物理的膜厚を厚くする必要がある。
【0100】
そこで、第3のゲート絶縁膜14Cの構成を、第1,第2のシリコン酸化膜13a,13bよりも膜厚の薄い第3のシリコン酸化膜14cと、第3の高誘電率絶縁膜15cとの積層構成とする。これにより、第3のゲート絶縁膜14Cの電気的膜厚を薄くし、第3のMISトランジスタTr3の駆動能力が低下することを抑制することができる。それと共に、第3のゲート絶縁膜14Cの物理的膜厚を厚くし、リーク電流が発生することを抑制することができる。
【0101】
−第1,第2,第3のエクステンション領域−
第1,第2のエクステンション領域18a,18bは、第3のエクステンション領域18cよりも、低い不純物濃度を有し、且つ、深い深さを有する。
【0102】
仮に、第1,第2のエクステンション領域の不純物濃度・深さを、第3のエクステンション領域の不純物濃度・深さと同じにする(即ち、第1,第2のエクステンション領域の不純物濃度を高く・深さを浅くする)と、次に示す不具合が生じる。動作電圧Vdd1,Vdd2は動作電圧Vdd3よりも高いため、過剰なホットエレクトロンが発生し、過剰なホットエレクトロンが第1,第2のゲート絶縁膜に入り込み、第1,第2のMISトランジスタの閾値電圧を変化させるので、第1,第2のMISトランジスタの信頼性が低下するという不具合が生じる。
【0103】
そこで、第1,第2のエクステンション領域18a,18bの不純物濃度を、第3のエクステンション領域18cの不純物濃度よりも低くする。これにより、過剰なホットエレクトロンが発生し、過剰なホットエレクトロンが第1,第2のゲート絶縁膜13a,13bに入り込み、第1,第2のMISトランジスタTr1,Tr2の閾値電圧を変化させて、第1,第2のMISトランジスタTr1,Tr2の信頼性が低下することを抑制することができる。
【0104】
一方、動作電圧Vdd3は、動作電圧Vdd1,Vdd2よりも低いため、上記の不具合(即ち、ホットエレクトロンによるMISトランジスタの信頼性の低下)を考慮する必要がない。そのため、第3のエクステンション領域18cの不純物濃度を、第1,第2のエクステンション領域18a,18bの不純物濃度よりも高くすることができる。これにより、第3のMISトランジスタTr3の駆動能力を向上させることができる。
【0105】
本実施形態によると、第1,第2のゲート絶縁膜13A,13Bの構成を、第1,第2のシリコン酸化膜13a,13bと第1,第2の高誘電率絶縁膜15a,15bとの積層構成とする。これにより、第1のシリコン酸化膜13aの膜厚と第2のシリコン酸化膜13bの膜厚とを同じにすることができる。そのため、第1,第2,第3のチャネル拡散層12a,12b,12cの形成後に行う熱処理の回数を2回(図1(a),図1(c) 参照)とし、従来に比べて、熱処理の回数を低減することができる。そのため、第1,第2,第3のチャネル拡散層12a,12b,12cに含まれるp型不純物が拡散される回数を低減することができる。そのため、第1,第2,第3のチャネル拡散層12a,12b,12cの不純物プロファイルが変動することを抑制することができる。
【0106】
加えて、第1,第2,第3のゲート絶縁膜13A,13B,14Cの構成を、第1,第2,第3のシリコン酸化膜13a,13b,14cと第1,第2,第3の高誘電率絶縁膜15a,15b,15cとの積層構成とし、従来に比べて、第1,第2,第3のシリコン酸化膜13a,13b,14cの膜厚を薄くすることができるため、第1,第2のシリコン酸化膜形成膜13,14の膜厚を薄くすることができる。そのため、1回目の熱処理(即ち、第1のシリコン酸化膜形成膜を形成する為の熱処理)に必要とされる時間を短くすると共に、2回目の熱処理(即ち、第2のシリコン酸化膜形成膜を形成する為の熱処理)に必要とされる時間を短くすることができる。そのため、2回の熱処理の各時に、第1,第2,第3のチャネル拡散層12a,12b,12cに含まれるp型不純物が拡散される量を抑制し、第1,第2,第3のチャネル拡散層12a,12b,12cの不純物プロファイルが変動することを抑制することができる。
【0107】
さらに、既述の通り、従来に比べて、第1,第2,第3のシリコン酸化膜13a,13b,14cの膜厚を薄くすることができるため、第1,第2のシリコン酸化膜形成膜13,14の膜厚を薄くすることができる。そのため、1回目の熱処理時に、第1,第2,第3のチャネル拡散層12a,12b,12cにおける第1のシリコン酸化膜形成膜として消費される量を低減することができる。それと共に、2回目の熱処理時に、第3のチャネル拡散層12cにおける第2のシリコン酸化膜形成膜として消費される量を低減することができる。そのため、第1,第2,第3のチャネル拡散層12a,12b,12cの表面高さが、形成直後の第1,第2,第3のチャネル拡散層12a,12b,12cの表面高さよりも低くなることを抑制し(言い換えれば、第1,第2,第3のチャネル拡散層12a,12b,12cの深さが、形成直後の第1,第2,第3のチャネル拡散層12a,12b,12cの深さよりも浅くなることを抑制し)、第1,第2,第3のチャネル拡散層12a,12b,12cの不純物プロファイルが変動することを抑制することができる。
【0108】
以上のように、熱処理回数の低減、及びシリコン酸化膜形成膜の薄膜化による熱処理時間の短縮により、第1,第2,第3のチャネル拡散層12a,12b,12cの不純物プロファイルが変動することを効果的に抑制することができる。従って、所望の特性を有する第1,第2,第3のMISトランジスタTr1,Tr2,Tr3を実現することができる。
【0109】
本実施形態では、簡略的に図示する為に、図1(a) 〜図2(c) において、半導体装置に含まれる動作電圧Vdd1の複数のMISトランジスタのうち、最も短いゲート長Lg1の第1のゲート電極17Aを有する第1のMISトランジスタ(言い換えれば、最も高い駆動能力が必要とされる第1のMISトランジスタ)Tr1のみを図示する。即ち、本実施形態に係る半導体装置は、動作電圧Vdd1のMISトランジスタを複数含み、動作電圧Vdd1のMISトランジスタを構成するゲート電極の中には、ゲート長Lg1よりも長いゲート長(>Lg1)を有するゲート電極が存在する。
【0110】
同様に、図1(a) 〜図2(c) において、半導体装置に含まれる動作電圧Vdd2の複数のMISトランジスタのうち、最も短いゲート長Lg2の第2のゲート電極17Bを有する第2のMISトランジスタ(言い換えれば、最も高い駆動能力が必要とされる第2のMISトランジスタ)Tr2のみを図示する。
【0111】
同様に、図1(a) 〜図2(c) において、半導体装置に含まれる動作電圧Vdd3の複数のMISトランジスタのうち、最も短いゲート長Lg3の第3のゲート電極17Cを有する第3のMISトランジスタ(言い換えれば、最も高い駆動能力が必要とされる第3のMISトランジスタ)Tr3のみを図示する。
【0112】
なお、本実施形態では、図2(b) に示すように、第1の活性領域10aにAsのみを注入することにより、第1のエクステンション領域18aを形成する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電界集中を緩和することを目的に、第1の活性領域にAsを注入した後、第1の活性領域にリン(P)を注入することにより、第1のエクステンション領域を形成してもよい。このとき、第1の活性領域へのPの注入は、例えばエネルギーが20keV〜50keV,ドーズ量が1×1013/cm2〜5×1013/cm2の条件で行う。この場合、Asのみを注入した場合に比べて、第1のエクステンション領域の不純物プロファイルのテール部分を緩やかにすることができる。
【0113】
また、本実施形態では、第2のエクステンション領域の形成前又は形成後、第2の活性領域に、例えばBを注入することにより、第2の活性領域における第2のエクステンション領域の下の領域にp型の第1のポケット領域を形成してもよい。また、第3のエクステンション領域の形成前又は形成後、第3の活性領域に、例えばBを注入することにより、第3の活性領域における第3のエクステンション領域の下の領域にp型の第2のポケット領域を形成してもよい。
【0114】
また、本実施形態では、動作電圧Vdd1が2.5Vの第1のMISトランジスタTr1、動作電圧Vdd2が1.8Vの第2のMISトランジスタTr2、及び動作電圧Vdd3が1.0Vの第3のMISトランジスタTr3を有する半導体装置の場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0115】
例えば、動作電圧が3.3Vの第1のMISトランジスタ、動作電圧が2.5Vの第2のMISトランジスタ、及び動作電圧が1.0Vの第3のMISトランジスタを有する半導体装置でもよい。
【0116】
この場合、第1のゲート電極のゲート長は、例えば380nmである。第1のゲート絶縁膜の物理的膜厚は、例えば7.5nm(第1のシリコン酸化膜の膜厚:5.5nm,第1の高誘電率絶縁膜の膜厚:2.0nm)である。第2のゲート電極のゲート長は、例えば250nmである。第2のゲート絶縁膜の物理的膜厚は、例えば7.5nm(第2のシリコン酸化膜の膜厚:5.5nm,第2の高誘電率絶縁膜の膜厚:2.0nm)である。第3のゲート電極のゲート長は、例えば30nmである。第3のゲート絶縁膜の物理的膜厚は、例えば3.0nm(第3のシリコン酸化膜の膜厚:1.0nm,第3の高誘電率絶縁膜の膜厚:2.0nm)である。
【0117】
また、この場合、第1,第2,第3のVt注入におけるドーズ量Dvt1,Dvt2,Dvt3の多少関係は、第1の実施形態と同様の関係(Dvt1<Dvt2<Dvt3)を満たす。第1,第2,第3のEx注入におけるエネルギーEex1,Eex2,Eex3の大小関係及びドーズ量Dex1,Dex2,Dex3の多少関係は、第1の実施形態と同様の関係(Eex1>Eex2>Eex3,Dex1≦Dex2<Dex3)を満たす。
【0118】
また、本実施形態では、第3のMISトランジスタTr3の動作電圧が、例えば1.0Vの場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、第3のMISトランジスタの動作電圧は、例えば1.1V〜0.9Vであることが好ましい。
【0119】
また、本実施形態では、図2(b) に示すように、第1,第2,第3のゲート電極17A,17B,17Cの形成後に、第1,第2,第3のエクステンション領域18a,18b,18cを形成する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1,第2,第3のゲート電極の形成後に、第1,第2,第3のゲート電極の側面上に、例えば幅が数nm〜10nmのシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜からなる第1,第2,第3のオフセットスペーサを形成し、その後、第1,第2,第3のエクステンション領域を形成してもよい。
【0120】
また、本実施形態では、図2(c) に示すように、第1,第2,第3のゲート電極17A,17B,17Cが、第1,第2,第3の金属膜16a,16b,16cと第1,第2,第3のシリコン膜17a,17b,17cとからなる場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1,第2,第3のゲート電極が、第1,第2,第3の金属膜のみからなる場合でもよい。
【0121】
また、本実施形態では、図2(c) に示すように、第1,第2,第3のゲート電極17A,17B,17Cの側面上に、シリコン酸化膜からなる第1,第2,第3のサイドウォール(即ち、単層構造の第1,第2,第3のサイドウォール)19a,19b,19cを形成する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1,第2,第3のゲート電極の側面上に、断面形状がL字状のシリコン酸化膜からなる第1,第2,第3の内側サイドウォール、及び第1,第2,第3の内側サイドウォール上に形成されたシリコン窒化膜からなる第1,第2,第3の外側サイドウォールを有する第1,第2,第3のサイドウォール(即ち、積層構造の第1,第2,第3のサイドウォール)を形成してもよい。
【0122】
また、本実施形態では、相異なる動作電圧Vdd1,Vdd2,Vdd3のn型の第1,第2,第3のMISトランジスタTr1,Tr2,Tr3有する半導体装置の場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、相異なる動作電圧のp型の第1,第2,第3のMISトランジスタを有する半導体装置でもよい。
【0123】
この場合、第1,第2,第3のVt注入、第1,第2,第3のEx注入、及びS/D注入における導電型不純物として、一実施形態における導電型と反対の導電型を持つ導電型不純物を用いる。
【0124】
また、この場合、第1,第2,第3のVt注入におけるドーズ量Dvt1,Dvt2,Dvt3の多少関係、並びに第1,第2,第3のEx注入におけるエネルギーEex1,Eex2,Eex3の大小関係及びドーズ量Dex1,Dex2,Dex3の多少関係は、第1の実施形態と同様の関係(Dvt1<Dvt2<Dvt3,Eex1>Eex2>Eex3,Dex1≦Dex2<Dex3)を満たす。
【産業上の利用可能性】
【0125】
以上説明したように、本発明は、第1,第2,第3のチャネル拡散層の不純物プロファイルが変動することを抑制することができるため、相異なる動作電圧の第1,第2,第3のMISトランジスタを有する半導体装置及びその製造方法に有用である。
【符号の説明】
【0126】
10 半導体基板
11 素子分離領域
12a 第1のチャネル拡散層
12b 第2のチャネル拡散層
12c 第3のチャネル拡散層
13 第1のシリコン酸化膜形成膜
13a 第1のシリコン酸化膜
13b 第2のシリコン酸化膜
14 第2のシリコン酸化膜形成膜
14c 第3のシリコン酸化膜
15 高誘電率絶縁膜形成膜
15a 第1の高誘電率絶縁膜
15b 第2の高誘電率絶縁膜
15c 第3の高誘電率絶縁膜
13A 第1のゲート絶縁膜
13B 第2のゲート絶縁膜
14C 第3のゲート絶縁膜
16 金属膜形成膜
16a 第1の金属膜
16b 第2の金属膜
16c 第3の金属膜
17 シリコン膜形成膜
17a 第1のシリコン膜
17b 第2のシリコン膜
17c 第3のシリコン膜
17A 第1のゲート電極
17B 第2のゲート電極
17C 第3のゲート電極
18a 第1のエクステンション領域
18b 第2のエクステンション領域
18c 第3のエクステンション領域
19a 第1のサイドウォール
19b 第2のサイドウォール
19c 第3のサイドウォール
20a 第1のソースドレイン領域
20b 第2のソースドレイン領域
20c 第3のソースドレイン領域
Re レジストパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板における第1の活性領域上に第1のゲート絶縁膜を介して形成された第1のゲート電極を有する第1導電型の第1のMISトランジスタと、
前記半導体基板における第2の活性領域上に第2のゲート絶縁膜を介して形成された前記第1のゲート電極よりもゲート長の短い第2のゲート電極を有する第1導電型の第2のMISトランジスタと、
前記半導体基板における第3の活性領域上に第3のゲート絶縁膜を介して形成された前記第2のゲート電極よりもゲート長の短い第3のゲート電極を有する第1導電型の第3のMISトランジスタとを備え、
前記第1のゲート絶縁膜は、第1のシリコン酸化膜と前記第1のシリコン酸化膜上に形成された第1の高誘電率絶縁膜とからなり、
前記第2のゲート絶縁膜は、第2のシリコン酸化膜と前記第2のシリコン酸化膜上に形成された第2の高誘電率絶縁膜とからなり、
前記第3のゲート絶縁膜は、第3のシリコン酸化膜と前記第3のシリコン酸化膜上に形成された第3の高誘電率絶縁膜とからなり、
前記第2のシリコン酸化膜は、前記第1のシリコン酸化膜と同じ膜厚を有し、且つ、前記第3のシリコン酸化膜よりも厚い膜厚を有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記第1の活性領域における前記第1のゲート絶縁膜の下の領域に形成された第2導電型の第1のチャネル拡散層と、
前記第2の活性領域における前記第2のゲート絶縁膜の下の領域に形成された第2導電型の第2のチャネル拡散層と、
前記第3の活性領域における前記第3のゲート絶縁膜の下の領域に形成された第2導電型の第3のチャネル拡散層とをさらに備え、
前記第2のチャネル拡散層は、前記第1のチャネル拡散層よりも高い不純物濃度を有し、且つ、前記第3のチャネル拡散層よりも低い不純物濃度を有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の半導体装置において、
前記第2のMISトランジスタの動作電圧は、前記第1のMISトランジスタの動作電圧よりも低く、且つ、前記第3のMISトランジスタの動作電圧よりも高いことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1の高誘電率絶縁膜、前記第2の高誘電率絶縁膜及び前記第3の高誘電率絶縁膜は、互いに同じ膜厚を有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート電極は、第1の金属膜と前記第1の金属膜上に形成された第1のシリコン膜とからなり、
前記第2のゲート電極は、第2の金属膜と前記第2の金属膜上に形成された第2のシリコン膜とからなり、
前記第3のゲート電極は、第3の金属膜と前記第3の金属膜上に形成された第3のシリコン膜とからなることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1の活性領域における前記第1のゲート電極の側方下の領域に形成された第1導電型の第1のエクステンション領域と、
前記第2の活性領域における前記第2のゲート電極の側方下の領域に形成された第1導電型の第2のエクステンション領域と、
前記第3の活性領域における前記第3のゲート電極の側方下の領域に形成された第1導電型の第3のエクステンション領域とをさらに備え、
前記第2のエクステンション領域は、前記第1のエクステンション領域と同じ又はそれよりも高い不純物濃度を有し、且つ、前記第3のエクステンション領域よりも低い不純物濃度を有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1の高誘電率絶縁膜、前記第2の高誘電率絶縁膜及び前記第3の高誘電率絶縁膜は、比誘電率が10以上の金属酸化物からなることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のシリコン酸化膜及び前記第2のシリコン酸化膜は、膜厚が3nm以上であって且つ6nm以下であり、
前記第3のシリコン酸化膜は、膜厚が0.8nm以上であって且つ1.2nm以下であることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
半導体基板における第1の活性領域上に、第1のシリコン酸化膜形成膜を形成すると共に、前記半導体基板における第2の活性領域上に、前記第1のシリコン酸化膜形成膜を形成する工程(a)と、
前記工程(a)の後に、前記半導体基板における第3の活性領域上に、前記第1のシリコン酸化膜形成膜よりも薄い膜厚を有する第2のシリコン酸化膜形成膜を形成する工程(b)と、
前記第1のシリコン酸化膜形成膜及び前記第2のシリコン酸化膜形成膜上に、高誘電率絶縁膜形成膜を形成する工程(c)と、
前記高誘電率絶縁膜形成膜上にゲート電極形成膜を形成する工程(d)と、
前記ゲート電極形成膜、前記高誘電率絶縁膜形成膜、並びに前記第1のシリコン酸化膜形成膜及び前記第2のシリコン酸化膜形成膜を順次パターニングして、前記第1の活性領域上に、前記第1のシリコン酸化膜形成膜からなる第1のシリコン酸化膜と前記高誘電率絶縁膜形成膜からなる第1の高誘電率絶縁膜とを有する第1のゲート絶縁膜、及び前記ゲート電極形成膜からなる第1のゲート電極を形成し、前記第2の活性領域上に、前記第1のシリコン酸化膜形成膜からなる第2のシリコン酸化膜と前記高誘電率絶縁膜形成膜からなる第2の高誘電率絶縁膜とを有する第2のゲート絶縁膜、及び前記ゲート電極形成膜からなる第2のゲート電極を形成し、且つ、前記第3の活性領域上に、前記第2のシリコン酸化膜形成膜からなる第3のシリコン酸化膜と前記高誘電率絶縁膜形成膜からなる第3の高誘電率絶縁膜とを有する第3のゲート絶縁膜、及び前記ゲート電極形成膜からなる第3のゲート電極を形成する工程(e)とを備え、
前記第2のゲート電極のゲート長は、前記第1のゲート電極のゲート長よりも短く、且つ、前記第3のゲート電極のゲート長よりも長いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(a)の前に、第1のイオン注入により、前記第1の活性領域の上部領域に第2導電型の第1のチャネル拡散層を形成する工程(f)と、
前記工程(a)の前に、第2のイオン注入により、前記第2の活性領域の上部領域に第2導電型の第2のチャネル拡散層を形成する工程(g)と、
前記工程(a)の前に、第3のイオン注入により、前記第3の活性領域の上部領域に第2導電型の第3のチャネル拡散層を形成する工程(h)とをさらに備え、
前記第2のイオン注入におけるドーズ量は、前記第1のイオン注入におけるドーズ量よりも多く、且つ、前記第3のイオン注入におけるドーズ量よりも少ないことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(d)は、前記高誘電率絶縁膜形成膜上に、金属膜形成膜及びシリコン膜形成膜が順次積層されてなる前記ゲート電極形成膜を形成する工程であり、
前記工程(e)は、前記シリコン膜形成膜、前記金属膜形成膜、前記高誘電率絶縁膜形成膜、並びに前記第1のシリコン酸化膜形成膜及び前記第2のシリコン酸化膜形成膜を順次パターニングして、前記第1の活性領域上に、前記第1のゲート絶縁膜、及び前記金属膜形成膜からなる第1の金属膜と前記シリコン膜形成膜からなる第1のシリコン膜とを有する前記第1のゲート電極を形成し、前記第2の活性領域上に、前記第2のゲート絶縁膜、及び前記金属膜形成膜からなる第2の金属膜と前記シリコン膜形成膜からなる第2のシリコン膜とを有する前記第2のゲート電極を形成し、且つ、前記第3の活性領域上に、前記第3のゲート絶縁膜、及び前記金属膜形成膜からなる第3の金属膜と前記シリコン膜形成膜からなる第3のシリコン膜とを有する前記第3のゲート電極を形成する工程であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項9〜11のうちいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(e)の後に、第4のイオン注入により、前記第1の活性領域における前記第1のゲート電極の側方下の領域に第1導電型の第1のエクステンション領域を形成する工程(i)と、
前記工程(e)の後に、第5のイオン注入により、前記第2の活性領域における前記第2のゲート電極の側方下の領域に第1導電型の第2のエクステンション領域を形成する工程(j)と、
前記工程(e)の後に、第6のイオン注入により、前記第3の活性領域における前記第3のゲート電極の側方下の領域に第1導電型の第3のエクステンション領域を形成する工程(k)とをさらに備え、
前記第5のイオン注入におけるドーズ量は、前記第4のイオン注入におけるドーズ量と同じ又はそれよりも多く、且つ、前記第6のイオン注入におけるドーズ量よりも少ないことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−287782(P2010−287782A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141320(P2009−141320)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】