説明

半導体装置

【課題】チップ面積を拡大することなく信頼性の高い配線レイアウトを実現する。
【解決手段】信号線S1〜S3と電源線VDD1,VSS1がY方向に延在する下層配線層と、信号線S4〜S6と電源線VDD2,VSS2がX方向に延在する上層配線層と、対応する信号線が重なり合うオーバーラップ領域OL1に設けられたビア導体VE1と、対応する電源線が重なり合うオーバーラップ領域OL2,OL3に設けられたビア導体VE2,VE3とを備える。領域OL1のX方向における幅は、領域OL2,OL3のX方向における幅よりも広く、これにより、領域OL1には複数のビア導体VE1a,VE1bが設けられる。また、電源線VDD1,VSS1は、領域OL1との干渉を避けるようY方向に分断されている。複数の下層配線は、一つのビアを含むミニマムピッチで2つのビアを配置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置及びそのレイアウト方法並びに設計プログラムに関し、特に、異なる配線層に形成された信号線及び電源線がビア導体によって接続された半導体装置及びそのレイアウト方法並びに設計プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の内部には複数の配線層が存在し、各配線層には多数の信号線や電源線が形成されている。そして、互いに異なる配線層に設けられた信号線及び電源線は、これら配線層を貫通して設けられたビア導体によって接続される(特許文献1〜4参照)。例えば特許文献1には、複数の配線がX方向に延在する配線層と、複数の配線がY方向に延在する配線層とが設けられ、各配線層においては信号線と電源線が交互に配置されたレイアウトが開示されている。かかるレイアウトにより電源線がメッシュ状となることから、メッシュ状の電源線が信号線に対するシールドとして機能する。特に、信号線及び電源線のそれぞれは、ビア導体を含む配線幅を有するので、それら配線のラインアンドスペースL/S(第1の配線ピッチ)は、ビア導体を含まない配線のラインアンドスペースL/S(第2の配線ピッチ)よりも大きな値となっている。ビア導体のエッジと配線のエッジ間には、ビア導体が配線から脱落しない様に、ある程度のマージンが必要だからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2005−535118号公報
【特許文献2】特開2005−302756号公報
【特許文献3】特開2006−108406号公報
【特許文献4】特開2001−127162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された半導体装置では、信号線同士を接続するビア導体とシールド機能を含む電源線同士を接続するビア導体とが同一条件で形成されている。このため、仮に各ビア導体の径を形成可能な最小径に設計した場合、ビア導体に不良が発生する確率が高まることから、信号線が接続不良となる可能性が高くなる。一方、このような接続不良を防止すべくビア導体の径を大きめに設計すると、下層の配線層のピッチ及び上層の配線ピッチの両者の配線ピッチを更に拡大せざるを得ないことから、チップ面積が増大する。他方で、最小径のビア導体を2つずつ配置しても、前述と同様に配線ピッチを更に拡大せざるを得ないことから、チップ面積が増大する。つまり、シールド機能を発揮させつつ、ビア導体のコンタクト不良(高抵抗化)による信号線の電気的な断線(高抵抗化)を防止するには、複数の配線パターン領域の占有面積が増大してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面による半導体装置は、第1の層が、第1の方向に延在する複数の第1の配線を含み、前記第1の層に積層する第2の層が、前記第1の方向と異なる第2の方向に延在する複数の第2の配線を含み、前記第1と第2の層の間に挟まれる第3の層が、前記複数の第1の配線と、前記複数の第1の配線にそれぞれ対応して互いに関連する前記複数の第2の配線とを接続する複数のビア導体を含み、前記複数の第1の配線は、前記ビア導体を含む配線の幅及び前記配線の抜きである第1のラインアンドスペースの第1のピッチでレイアウトされ、前記複数の第2の配線は、少なくとも、前記ビア導体を含む配線の幅及び前記配線の抜きである第2のラインアンドスペース以上の第2のピッチでレイアウトされ、前記複数のビア導体の形状は、所定のビア径を有する第1の円、または前記第1の円の面積よりも大きな第2の楕円であり、前記複数の第1及び複数の第2の配線のそれぞれは、それぞれ対応する複数の回路が入力および/または出力する複数の信号線と、前記複数の回路へ電源を供給する複数の電源線を含み、前記複数の信号線と前記複数の電源線にそれぞれ関連する前記複数の第1の配線は、夫々が互いに隣接してレイアウトされ、前記複数の信号線と前記複数の電源線にそれぞれ関連する前記複数の第2の配線は、夫々が互いに隣接してレイアウトされ、前記複数の信号線が含む複数の第1の配線及び前記複数の信号線が含む前記複数の第2の配線がそれぞれ互いに関連する信号同士として交差する複数の第1の領域において、複数の前記第1の円のビア導体が前記第2の方向にレイアウトされるか、少なくとも一つの前記第2の楕円がその長い径の線分を前記第2の方向として前記第2の方向にレイアウトされ、前記複数の信号線にそれぞれ関連する複数の第1の配線の形状は、前記複数の第1の領域のそれぞれにレイアウトされた前記複数のビア導体を前記複数の第1の配線がそれぞれ包含するように前記第2の方向に延在する複数の第2の領域を含み、前記複数の電源線にそれぞれ関連する複数の第1の配線は、前記複数の信号線が含む複数の第1の配線がそれぞれ有する前記複数の第2の領域と電気的に接続しないように分断され、前記複数の信号線にそれぞれ関連する複数の第2の配線の形状は、前記複数の第1の領域のそれぞれにレイアウトされた前記複数のビア導体を前記複数の第2の配線がそれぞれ包含するように前記第2の方向に延在する複数の第3領域を含み、前記複数の電源線にそれぞれ関連する複数の第2の配線は、前記複数の電源線にそれぞれ関連する前記分断された複数の第1の配線と、前記複数のビア導体を介してそれぞれ接続する、ことを特徴とする。
【0006】
本発明の他の側面による半導体装置は、複数の第1の信号線及び複数の第1の電源線が第1の方向にそれぞれ延在する第1の配線層と、複数の第2の信号線及び複数の第2の電源線が前記第1の方向と交差する第2の方向にそれぞれ延在する第2の配線層と、前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に設けられた絶縁層と、前記複数の第1の信号線と前記複数の第2の信号線とが、それぞれ互いに関連する信号同士として平面視で重なり合う交点に関連する第1の領域において、前記絶縁層を貫通して設けられた第1のビア導体と、前記複数の第1の電源線と前記複数の第2の電源線とが、それぞれ互いに関連する電源同士として平面視で重なり合う交点に関連する第2の領域において、前記絶縁層を貫通して設けられた第2のビア導体と、を備え、前記第1の領域の第2の方向における前記複数の第1の信号線の幅は、前記第2の領域の第2の方向における前記複数の第1の信号線の幅よりも広く、前記第1の電源線は、前記第1の領域において前記第1の信号線との干渉を避けるよう前記第1の方向に分断されている、ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明による半導体装置のレイアウト方法は、第1の方向にそれぞれ延在する複数の第1の信号線を第1の配線層に定義する第1のステップと、前記第1の方向と交差する第2の方向にそれぞれ延在する複数の第2の信号線を第2の配線層に定義する第2のステップと、前記複数の第1の信号線と前記複数の第2の信号線のうち、互いに接続すべき第1及び第2の信号線とが平面視で重なり合う第1の領域を特定する第3のステップと、前記第1の領域において前記第1の信号線の前記第2の方向における幅を拡大する第4のステップと、拡大された第1の領域に第1のビア導体を定義する第5のステップと、前記第1の領域において前記第1の信号線と干渉しないよう、前記第1の方向にそれぞれ延在する複数の第1の電源線を前記第1の配線層に定義する第6のステップと、前記第2の方向にそれぞれ延在する複数の第2の電源線を前記第2の配線層に定義する第7のステップと、を含む、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明による半導体装置の設計プログラムは、第1の方向にそれぞれ延在する複数の第1の信号線を第1の配線層に定義する第1の機能と、前記第1の方向と交差する第2の方向にそれぞれ延在する複数の第2の信号線を第2の配線層に定義する第2の機能と、前記複数の第1の信号線と前記複数の第2の信号線のうち、互いに接続すべき第1及び第2の信号線とが平面視で重なり合う第1の領域を特定する第3の機能と、前記第1の領域において前記第1の信号線の前記第2の方向における幅を拡大する第4の機能と、拡大された第1の領域に第1のビア導体を定義する第5の機能と、前記第1の領域において前記第1の信号線と干渉しないよう、前記第1の方向にそれぞれ延在する複数の第1の電源線を前記第1の配線層に定義する第6の機能と、前記第2の方向にそれぞれ延在する複数の第2の電源線を前記第2の配線層に定義する第7の機能と、をコンピュータに発揮させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シールド機能を発揮させつつ、ビア導体のコンタクト不良による信号線の電気的な断線を防止しつつ、一つのビア導体を有する配線のラインアンドスペースL/S(第1の配線ピッチ)を実現している。よって、第1の配線ピッチを拡大することなく、信号線用のビア導体の接続不良(高抵抗化)を防止することができることから、シールド効果を発揮しながらもチップ面積の増大を防止しつつ、更に信号線の信頼性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の原理を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態による半導体装置10の全体を示す略平面図である。
【図3】第1の参考例によるレイアウト図である。
【図4】第2の参考例によるレイアウト図である。
【図5】本発明の好ましい第1の実施形態によるレイアウト図である。
【図6】本発明の好ましい第2の実施形態によるレイアウト図である。
【図7】本発明の好ましい第3の実施形態によるレイアウト図である。
【図8】変形例によるレイアウト図である。
【図9】本発明の好ましい実施形態による半導体装置の設計方法を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の好ましい実施形態による半導体装置の設計装置の構成を示すブロック図である。
【図11】ステップS6が完了した状態におけるレイアウトデータを示す図である。
【図12】オフセット処理を行った場合のレイアウトデータを示す図である。
【図13】領域D,領域Sにそれぞれ電源線VDD1,電源線VSS1を定義した状態におけるレイアウトデータを示す図である。
【図14】ステップS7が完了した状態におけるレイアウトデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の課題を解決する技術思想(コンセプト)の代表的な一例は、以下に示される。但し、本願の請求内容はこの技術思想に限られず、本願の請求項に記載の内容であることは言うまでもない。すなわち、本発明は、交互に設けられた信号線と電源線がY方向に延在する下層配線層と、交互に設けられた信号線と電源線がX方向に延在する上層配線層とを備え、下層配線層の信号線と上層配線層の信号線とが平面視で重なり合う第1のオーバーラップ領域に信号線用の第1の面積を有するビア導体を設け、下層配線層の電源線と上層配線層の電源線とが平面視で重なり合う第2のオーバーラップ領域に電源線用の前記第1の面積よりも小さな第2の面積のビア導体を設け、第1のオーバーラップ領域において下層配線層の信号線の幅をX方向に拡大し、第1のオーバーラップ領域においては、第1のオーバーラップ領域に隣接する下層配線層の電源線をY方向に分断することを技術思想とする。これによって、下層配線層において、本願の信号線に関連する配線は、第2の面積を有するビア導体を含むも、第1の面積を有する一つのビア導体を含む配線のラインアンドスペースL/S(第1の配線ピッチ)を維持しつつ、信号線用のビア導体の信頼性を高める。これにより、下層配線層において信号線及び電源線を前記第1の配線ピッチでレイアウトすることができる。また、第1のオーバーラップ領域に関連する下層配線層の電源線を分断することにより、第1のオーバーラップ領域に配置されるビア導体を、第1の配線ピッチを基準として例えば2倍のラインアンドスペースL/Sに対応して拡大でき、信号線用のビア導体が電気的に断線する(高抵抗化する)可能性が低くなる。異なるビア導体の配置として、前記信号線に前記第2の面積を有するビア導体を2つ配置することもできる。他方、Y方向に分断された電源線については、マクロ的な視点で第1のオーバーラップ領域以外において多数設けられる電源線用の前記第2の面積を有するビア導体を介して電位が供給されるため、分断によるシールド効果の低下は実質的にない。また、電源線用のビア導体については信号線用のビア導体よりも信頼性が低くなるが、電源線用のビア導体は一つの電源電位に対して多数設けられているため、仮にいくつかのビア導体が接続不良(高抵抗化)となったとしても、これによる影響はほとんどない。
【0012】
図1(a)は、本発明の原理を説明するためのブロック図である。
【0013】
本発明による半導体装置は、複数の信号線S1〜S3及びこれら信号線S1〜S3間に交互に配置された電源線VDD1,VSS1が第1の配線ピッチで形成された下層配線層と、複数の信号線S4〜S6及びその両側に配置された電源線VDD2,VSS2が形成された上層配線層とを備える。第1の配線ピッチとは、第2の面積を有するビア導体の形成を含む配線のラインアンドスペースL/Sを示すピッチである。上層配線層の配線ピッチは第1の配線ピッチであっても構わないし、第1の配線ピッチよりも大きなピッチであっても構わない。尚、本明細書において、「ピッチ」は配線のラインアンドスペースを示す。「ラインアンドスペース」は配線の幅と抜きを示す。尚、「ビア導体」を単に「ビア」または「コンタクト」若しくは「ビア導電体」と呼ぶことがある。「信号線」を「信号線幅」又は単に「配線」と呼ぶことがある。「電源線」を「電源線幅」又は単に「配線」と呼ぶことがある。「配線ピッチ」を単に「ピッチ」と呼ぶことがある。更に、ビアを含まない配線のピッチに対して、最小なサイズのビアを含めた配線のピッチを「第1のピッチ」、前記最小なサイズのビアよりも大きなサイズのビアを含めた配線のピッチを「第2のピッチ」と呼ぶことがある。「最小なサイズのビア」を「第2の面積を有するビア」と呼ぶことがある。「大きなサイズのビア」を「第1の面積を有するビア」と呼ぶことがある。複数の配線が展開される領域において、ビアを含まない配線のピッチ、第1のピッチ及び第2のピッチは、互いに相対的なピッチを示す。つまり、それらピッチは、半導体装置を製造する上での所謂最小露光寸法を示す訳ではない。
【0014】
図1(a)において、下層配線層に設けられた複数の第1の配線において、信号線S1〜S3及び電源線VDD1,VSS1はY方向に延在し、上層配線層に設けられた複数の第2の配線において、信号線S4〜S6及び電源線VDD2,VSS2はX方向に延在している。電源線VDD1,VDD2は高位側の電源電位VDDを供給するための配線であり、電源線VSS1,VSS2は低位側の接地電位VSSを供給するための配線である。かかるレイアウトにより電源線がメッシュ状となることから、複数の電源線は信号線S1〜S6それぞれに対するシールドとして機能する。複数の第1の配線は、ビア導体を含む配線の幅及び前記配線の抜きである第1のラインアンドスペースの第1のピッチでレイアウトされる。複数の第2の配線も、第1のピッチでレイアウトされる。これは、例えば2つのビア導体をX方向に展開しても、その領域に関連する隣接した配線の分断によって吸収するので、よってピッチに影響を与えないからである。プロセスの都合(目合わせ精度)から、上層の方が下層の配線のピッチよりも緩いピッチであってもよい。つまり、複数の第2の配線は、少なくとも、前記ビア導体を含む配線の幅及び前記配線の抜きである第2のラインアンドスペース以上の第2のピッチでレイアウトされればよい、ことになる。
【0015】
図1(a)に示す例では、信号線S2を流れる信号Sigが論理回路LCの入力ノードinに供給される。論理回路LCは、電源電位VDD及び接地電位VSS間の電圧によって動作するNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタを含むCMOSインバータ等で構成された論理回路であり、その出力ノードoutは信号線S1に接続される。電源電位VDDは電源線VDD1,VDD2を介して論理回路LCに供給され、接地電位VSSは電源線VSS1,VSS2を介して論理回路LCに供給される。
【0016】
信号Sigは、信号線S5を介して信号線S2に供給される。Y方向に延在する信号線S2とX方向に延在する信号線S5とが平面視で重なり合うオーバーラップ領域OL1にはビア導体VE1が設けられ、これによって信号線S2と信号線S5とが電気的に接続されている。本発明においては、下層配線層の信号線と上層配線層の信号線とが交差する領域を「第1の領域」と呼び、下層配線層の信号線のうちオーバーラップ領域OL1に相当する領域を「第2の領域」と呼び、上層配線層の信号線のうちオーバーラップ領域OL1に相当する領域を「第3の領域」と呼ぶことがある。
【0017】
また、Y方向に延在する電源線VDD1とX方向に延在する電源線VDD2とが平面視で重なり合うオーバーラップ領域OL2にはビア導体VE2が設けられ、これによって電源線VDD1と電源線VDD2とが電気的に接続されている。さらに、Y方向に延在する電源線VSS1とX方向に延在する電源線VSS2とが平面視で重なり合うオーバーラップ領域OL3にはビア導体VE3が設けられ、これによって電源線VSS1と電源線VSS2とが電気的に接続されている。これらビア導体VE1〜VE3は、略断面図である図1(b)に示すように、下層配線層L1と上層配線層L2との間に設けられた絶縁層DLを貫通して設けられている。
【0018】
図1(a)に示すように、オーバーラップ領域OL1においては、信号線S2のX方向における幅が拡大されている。つまり、他の領域における信号線S2のX方向における幅をW1とし、オーバーラップ領域における信号線S2のX方向における幅をW2とした場合、
W1<W2
である。これにより、ビア導体VE1を形成可能な面積が拡大することから、図1(a)に示す例では1個のオーバーラップ領域OL1に2個のビア導体VE1a,VE1bをX方向に並べて配置し、ビア導体VE1の信頼性を高めている。これに対し、オーバーラップ領域OL2,OL3においては、電源線VDD1及びVSS1のX方向における幅が実質的に拡大されておらず、したがって、1個のオーバーラップ領域OL2又はOL3にそれぞれ1個のビア導体VE2又はVE3しか配置できない。尚、オーバーラップ領域OL2,OL3におけるX方向の幅を拡大してはならない訳ではなく、設計上、下層配線層における配線ピッチに影響しない範囲で、僅かに拡大しても構わない。
【0019】
このように、オーバーラップ領域OL1においては信号線S2のX方向における幅が拡大されているため、これに隣接する電源線VDD1,VSS1をそのままY方向に延在させることは第1の配線ピッチを維持する設計上できない。このため、オーバーラップ領域OL1に隣接する電源線VDD1,VSS1をY方向に分断し、これによって信号線S2と電源線VDD1,VSS1との干渉を防止している。
【0020】
分断された電源線VDD1,VSS1は、上層配線層に設けられたX方向に延在する電源線と、下層配線層に設けられたY方向に延在する他の電源線を介し、迂回して接続される。例えば、分断された電源線VDD1aと電源線VDD1bは、図1(a)に示す電源線VDD2a、電源線VDD1c及びVDD2bを経由して電気的に接続される。同様に、分断された電源線VSS1aと電源線VSS1bは、電源線VSS2a、電源線VSS1c及びVSS2bを経由して電気的に接続される。
【0021】
以上により、下層配線層のレイアウトを第1の配線ピッチに確保しつつ、ビア導体VE1の信頼性が高められ、且つ、電源線のメッシュ状態が確保される。
【0022】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
図2は、本発明の好ましい実施形態による半導体装置10の全体を示す略平面図である。
【0024】
特に限定されるものではないが、本実施形態による半導体装置10はDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。半導体装置10は、電源に関連する端子として少なくとも高電位なVDD電位が供給されるVDD端子50、低電位なVSS電位が供給されるVSS端子60、高電位なVDDQ電位が供給されるVDDQ端子51、低電位なVSSQ電位が供給されるVSSQ端子61を有する。半導体装置10は、少なくとも、多数のメモリセルが配置されたセルアレイ領域11と、メモリセルの情報を半導体装置の外部と通信する外部データ端子に接続する出力トランジスタを含むインタフェース回路、デコーダやカウンタなどの各種制御回路が配置された周辺回路領域12とを含んでいる。メモリセルアレイ領域、デコーダ、カウンタ及びインタフェースには、VDD電位及びVSS電位が供給される。また、VDD端子からVDD電位が供給され、半導体装置が含む内部電源生成回路が所定の内部電位を生成し、VDDI電位としてメモリセルアレイ領域、デコーダ、カウンタ及びインタフェースに供給している。VDDI電位で動作するインバータ等の第1の論理回路は、低電位としてVSSI電位が供給される。VSSI電位は、VSS端子に接続する。VDD電位で動作するインバータ等の第2の論理回路は、低電位としてVSS電位が供給される。VSS電位とVSSI電位に夫々関連する複数の電源線は、半導体装置の中でVSS端子を基準として異なる複数のレイアウトパターンで形成されている。VDDQ電位及びVSSQ電位は、出力トランジスタに供給される。セルアレイ領域11においては複数のメモリセルが規則的に配列されていることから、セルアレイ領域11上の配線も規則的なレイアウトを有している。このため、規則的にレイアウトされる信号線をメッシュ状の電源線によって容易にシールドすることができる。これに対し、周辺回路領域12においては、セルアレイ領域11のような回路パターンの繰り返しが少ないため、周辺回路領域12上の配線はランダムとなる。
【0025】
図3は、ランダムな信号線をメッシュ状の電源線によってシールドする例を示すレイアウト図であり、第1の参考例を示している。
【0026】
図3に示す例では、複数の信号線S1〜S4及びこれら信号線S1〜S4間に交互に配置された電源線VDD1,VSS1が第1の配線ピッチで形成された下層配線層と、複数の信号線S5〜S10及びその両側に配置された電源線VDD2,VSS2が形成された上層配線層とを備える。下層配線層に設けられた信号線S1〜S4及び電源線VDD1,VSS1はY方向に延在し、上層配線層に設けられた信号線S5〜S10及び電源線VDD2,VSS2はX方向に延在している。下層配線層においては信号線を介して電源線VDD1,VSS1が交互に配置され、上層配線層においては信号線を介して電源線VDD2,VSS2が2本ずつ交互に配置される。
【0027】
また、信号線S1の一部はY方向に分断され、互いに異なる信号を伝送するための信号線S1a,S1bとして用いられる。同様に、信号線S2の一部もY方向に分断され、互いに異なる信号を伝送するための信号線S2a,S2bとして用いられる。また、信号線S9の一部はX方向に分断され、互いに異なる信号を伝送するための信号線S9a,S9bとして用いられる。同様に、信号線S10の一部もX方向に分断され、互いに異なる信号を伝送するための信号線S10a,S10bとして用いられる。
【0028】
信号線S1a,S6は信号Sig1を伝送するための配線であり、信号線S1b,S2a,S7,S9aは信号Sig2を伝送するための配線であり、信号線S2b,S9bは信号Sig3を伝送するための配線であり、信号線S3,S10aは信号Sig4を伝送するための配線であり、信号線S4,S10bは信号Sig5を伝送するための配線である。
【0029】
同じ信号を伝送するための信号線は、ビア導体VE0を介して電気的に接続されている。ビア導体VE0は、下層配線層に設けられた信号線と上層配線層に設けられた信号線が平面視で重なり合うオーバーラップ領域OL0に配置されている。下層配線層に設けられた各配線は第1の配線ピッチでレイアウトされているため、オーバーラップ領域OL0における信号線S1〜S4のX方向における幅は拡大されないか、或いは、拡大される場合であっても第1の配線ピッチを確保可能な幅に制限される。ビア導体VE0の径も、下層配線層と上層配線層との間に介在する絶縁層に形成可能な最小径となる。図3に示す領域には、配線用のビア導体VE0が7個設けられている。ビア導体を絶縁層DLに形成可能な最小径に設計した場合、実際に作成されるビア導体の形状はほぼ円形となる。
【0030】
また、電源電位VDDを供給するための電源線VDD1とVDD2は、ビア導体VE2を介して電気的に接続される。同様に、接地電位VSSを供給するための電源線VSS1とVSS2は、ビア導体VE3を介して電気的に接続される。ビア導体VE2,VE3は、下層配線層に設けられた電源線と上層配線層に設けられた電源線が平面視で重なり合うオーバーラップ領域OL2,OL3に配置されている。下層配線層に設けられた電源線VDD1、VSS1についても、オーバーラップ領域OL2,OL3においてX方向の幅は拡大されないか、或いは、拡大される場合であっても第1の配線ピッチを確保可能な幅に制限される。また、ビア導体VE2,VE3の径も、下層配線層と上層配線層との間に介在する絶縁層に形成可能な最小径となる。図3に示す領域には、電源用のビア導体VE2,VE3が19個設けられている。
【0031】
図3に示す参考例では、信号線及び電源線に対して最小径のビア導体VE0,VE2,VE3が割り当てられているため、個々のビア導体において接続不良が発生する可能性が高くなる。ビア導体の接続不良は、電源線においては実質的に問題とならない。これは、図3に示すように、電源線VDD1とVDD2、或いは、電源線VSS1とVSS2は複数箇所で接続されているからであり、一部のビア導体VE2,VE3に接続不良が生じていても、他のビア導体VE2,VE3を介して電位が供給されるからである。これに対し、信号線におけるビア導体VE0の接続不良が一つでも発生すると、当該信号パスが不良となるため、チップ全体が不良となってしまう。したがって、図3に示す参考例は、製品の信頼性という観点からはさらなる改良の余地がある。
【0032】
図4は、信頼性を向上させた例を示すレイアウト図であり、第2の参考例を示している。符号が付されない対象物は、図3の符号と同じであり、その説明を省略する。
【0033】
図4に示す例では、信頼性を向上させるべく、1つのオーバーラップ領域OL1に2つのビア導体VE1a,VE1bを割り当てている。これを可能とすべく、図4に示す例では下層配線層の配線ピッチが第1の配線ピッチよりも大きな第3の配線ピッチに拡大されている。具体的には、オーバーラップ領域OL1において各信号線S1〜S4のX方向における幅を拡大するとともに、オーバーラップ領域OL1と隣接する電源線VDD1,VSS1との干渉が生じないよう、あらかじめ下層配線層の配線ピッチが拡大している。その他の構成については、図3に示した参考例と基本的に同一である。
【0034】
図4に示す参考例では、信号線のオーバーラップ領域OL1に対して2個のビア導体VE1a,VE1bを割り当てていることから、仮に一方のビアが接続不良となっても他方のビアによって導通状態が確保されるため、当該信号パスが不良となることはない。したがって、図4に示す参考例によれば、製品の信頼性を高めることが可能となる。しかしながら、第1の配線ピッチよりも大きな第3の配線ピッチへの拡大によりチップ面積が増大するという問題がある。
【0035】
図5は、本発明の好ましい第1の実施形態によるレイアウト図である。符号が付されない対象物は、図3の符号と同じであり、その説明を省略する。
【0036】
図5に示すように、本実施形態においては、オーバーラップ領域OL1において各信号線S1〜S4のX方向における幅を拡大することによって、1つのオーバーラップ領域OL1に2つのビア導体VE1a,VE1bを割り当てるとともに、これによって隣接する電源線VDD1,VSS1との干渉が生じないよう、オーバーラップ領域OL1に隣接する両側の電源線VDD1,VSS1をY方向に分断している。図5において破線で示す領域25が分断された部分である。これにより、下層配線層の配線ピッチを拡大することなく、つまり、下層配線層が規定する第1の配線ピッチで信号線及び電源線をレイアウトしつつ、図4に示した参考例と同様、製品の信頼性を高めることが可能となる。
【0037】
図1(a)を用いて説明したように、分断された電源線VDD1,VSS1は、上層配線層に設けられたX方向に延在する電源線と、下層配線層に設けられたY方向に延在する他の電源線を介し迂回して接続されるため、電源線として正しく機能する。分断箇所がY方向に近接している場合、いずれの電源線にも接続されないフローティング部が生じうるとしても、実用上の問題は生じない。このような電源線の分断が可能であるのは、信号線用のビア導体の数が電源線用のビア導体に比べて十分に少ないからである。例えば、図5に示す例では、信号線用のビア導体の数が7個であるのに対し、電源線用のビア導体の数が19個あり、同じ電位が供給される電源線が多数箇所で接続されているからである。
【0038】
また、上層配線層において信号線が設けられていないエリアについては、電源線VDD2又はVSS2のY方向における幅が拡大されている。例えば、エリア20においては電源線VSS2のY方向における幅が拡大されており、これによって、電源線で覆われるエリアを拡大している。本発明においては、エリア20に設けられた導電パターンを「第6の領域」と呼ぶことがある。その結果、シールド効果を高めることが可能となる。このようなエリアにおいては、電源線VDD1と電源線VDD2とが平面視で重なり合うオーバーラップ領域OL2や、電源線VSS1と電源線VSS2とが平面視で重なり合うオーバーラップ領域OL3のY方向における幅が拡大されることから、図5に示すように、1個のオーバーラップ領域OL2又はOL3に少なくとも2つのビア導体を割り当てることができる。図5では、エリア20のオーバーラップ領域OL3に2つのビア導体VE3a,VE3bを割り当て、電源の強化を図っている。
【0039】
このように、本実施形態によれば、チップ面積を拡大することなく、製品の信頼性を高めることが可能となる。
【0040】
図6は、本発明の好ましい第2の実施形態によるレイアウト図である。符号が付されない対象物は、図3の符号と同じであり、その説明を省略する。
【0041】
図6に示すように、本実施形態においては、X方向に幅が拡大されたオーバーラップ領域OL1を一方向にオフセットさせている。より具体的には、オーバーラップ領域OL1のX方向における位置が、対応する信号線のX方向における中心軸に対してオフセットされており、これによりオーバーラップ領域OL1は中心軸に対してX方向への突出量が相対的に大きい部分と、中心軸に対してX方向への突出量が相対的に小さい部分とを含んでいる。これにより、突出量の大きい部分については隣接する電源線との干渉が生じるためY方向へ分断する必要がある一方で、突出量の小さい部分については隣接する電源線との干渉が生じないためY方向へ分断する必要がない。つまり、1個のオーバーラップ領域OL1に対して分断される領域25が1個となる。これにより、電源線の分断数が半分に削減されるため、電源強度を高めること(メッシュ状の視点において電源線のインピーダンスが高くなることの抑制)が可能となる。
【0042】
図7は、本発明の好ましい第3の実施形態によるレイアウト図である。符号が付されない対象物は、図3の符号と同じであり、その説明を省略する。
【0043】
図7に示すように、本実施形態においては、下層配線層において高位側の電源線VDD1と低位側の電源線VSS1が信号線を介して2本ずつ交互に配置されている。そして、信号線を介して隣接する2本の電源線VDD1又は2本の電源線VSS1のうち、一方を優先的に切断される側として定義している。例えば、信号線S1,S3のオーバーラップ領域OL1については図面の左側にオフセットさせ、信号線S2,S4のオーバーラップ領域OL1については、図面の右側にオフセットさせることにより、2本の電源線VDD1又は2本の電源線VSS1のうち、図面の右側の電源線については切断される一方、図面の左側の電源線については切断されなくなる。尚、高位側の電源線VDD1が信号線を介して3本ずつ交互に配置し、低位側の電源線VSS1が信号線を介して1本ずつ交互に配置されていてもよい。つまり、それらの本数は互いに異なっても良い。また、高位側の電源線及び低位側の電源線と信号線の配置順の関係、並びにそれら高位側の電源線及び低位側の電源線本数は、第3の実施形態同様に上層配線層においても適用できる。
【0044】
これにより、特定の電源線が多数箇所で分断されることによる電源線VDD1と電源線VSS1の電源強度の不均衡(メッシュ状の視点において電源線のインピーダンスが局所で高くなること)を防止することが可能となる。また、下層配線層において信号線が設けられていないエリアについては、電源線VDD2又はVSS2のX方向における幅を拡大することによって、隣接する2本の電源線VDD1又は2本の電源線VSS1を短絡することができる。例えば、エリア30においては電源線VDD1のX方向における幅が拡大され、隣接する電源線VDD1に短絡されている。本発明においては、エリア30に設けられた導電パターンを「第4の領域」または「第5の領域」と呼ぶことがある。これにより、電源線で覆われるエリアが拡大されるため、シールド効果を高めることが可能となる。また、電源線の寄生容量が増大することから、論理回路LCが動作したときの電源線の電位の安定が図られる。図7には2本の電源線VDD1同士が短絡されている場合のみを示しているが、2本の電源線VSS1同士もこのようなエリア30を介して短絡される。そして、エリア30に設けられた短絡部分にもビア導体VE2cが設けられ、これによって電源の強化が図られている。
【0045】
尚、図5〜図7に示した例では、各オーバーラップ領域OL1に2個のビア導体VE1a,VE1bを配置しているが、図8に示すように、ビア導体VE1のX方向における径をビア導体VE2,VE3のX方向における径よりも大きく(長く)設計しても構わない。この場合には、径の拡大によってビア導体VE1の接続不良が生じにくくなる。図8に示すように、ビア導体VE1を長方形に設計した場合、実際に作成されるビア導体VE1の形状は楕円形となる。当然ながら、楕円の面積は、最小径に設計した場合に得られる円形のビア導体の面積よりも大きくなる。
【0046】
次に、本発明の好ましい実施形態による半導体装置の設計方法について説明する。
【0047】
図9は本発明の好ましい実施形態による半導体装置の設計方法を説明するためのフローチャートであり、図10はこれを実行するための設計装置40の構成を示すブロック図である。
【0048】
図10に示す設計装置40は、配線データ及びレイアウトデータを記憶するデータエリア41と、設計プログラムを記憶するプログラムエリア42と、設計プログラムを実行する処理部43と、配線データの入力及びレイアウトデータの出力を行う入出力部44とを含んでいる。このような設計装置40を用いて半導体装置の設計を行う場合、図9に示すように、まず入出力部44を介して設計対象となる半導体装置の配線データを入力し、データエリア41に格納する(ステップS1)。
【0049】
次に、処理部43は、プログラムエリア42に格納された設計プログラムを用いて、配線データに基づきY方向に延在する複数の信号線の位置を下層配線層に定義し(ステップS2)、さらに、X方向に延在する複数の信号線の位置を上層配線層に定義する(ステップS3)。ステップS2においては、複数の信号線を下層配線層に定義可能な配線ピッチの2倍に設定される。これは、2本の信号線間に1本の電源線を配置できるようにするためである。より具体的には、下層配線層に配線可能な最小配線幅をWLとし、下層配線層における配線間隔をWSとした場合、X方向に隣接する信号線の間隔Aは、
A=WL+2WS
に設定される。また、ステップS3においては、複数の信号線を上層配線層に定義可能な配線ピッチの2倍以上に設定される。これも、2本の信号線間に1本の電源線を配置できるようにするためであるが、上層配線層に定義可能な配線ピッチの2倍を超えるピッチに設定しても構わない。
【0050】
次に、処理部43は、プログラムエリア42に格納された設計プログラムを用いて、下層配線層の信号線と上層配線層の信号線のうち互いに接続すべき信号線が平面視で重なり合うオーバーラップ領域OL1を特定する(ステップS4)。次に、オーバーラップ領域OL1における下層配線層の信号線のX方向における幅を拡大し(ステップS5)、拡大されたオーバーラップ領域OL1に複数のビア導体VE1a,VE1bを定義する(ステップS6)。これらビア導体VE1a,VE1bは、それぞれ電源用のビア導体VE2,VE3の径と同じ径に設定される。図11は、ステップS6が完了した状態におけるレイアウトデータを示す図である。ここで、2個のビア導体VE1a,VE1bのX方向における幅をWVとした場合、図11に示すaは、
a=WV/2+WL/2
で定義される。また、図11に示すbは、
b=WL
である。当然ながらbの値は、下層配線層における最小配線間隔よりも広くする必要がある。
【0051】
ステップS5においては、図6及び図7を用いて説明したように、オーバーラップ領域OL1のX方向における位置を、対応する信号線のX方向における中心軸に対してオフセットさせることが好ましい。図12は、オフセット処理を行った場合のレイアウトデータを示す図であり、図7を用いて説明した例に対応する。このため、オフセット方向が交互とされている。尚、オーバーラップ領域OL1に複数のビア導体VE1a,VE1bを定義する代わりに、図8を用いて説明したように、ビア導体VE2,VE3のX方向における径よりもビア導体VE1のX方向における径が大きくなるよう定義しても構わない。
【0052】
次に、処理部43は、オーバーラップ領域OL1における干渉が生じないよう、Y方向に延在する複数の電源線VDD1,VSS1を下層配線層に定義し(ステップS7)、さらに、X方向に延在する複数の電源線VDD2,VSS2を前記上層配線層に定義する(ステップS8)。ステップS7においては、隣接する2本の信号線間にそれぞれ1本の電源線VDD1又はVSS1を定義するとともに、オーバーラップ領域OL1において信号線との干渉が生じる場合、電源線VDD1又はVSS1をY方向に分断することによって干渉を避ける。より具体的には、図13に示すように、3本の信号線に挟まれた領域Dと領域Sを交互に設定し、領域Dに電源線VDD1を定義し、領域Sに電源線VSS1を定義する。そして、図14に示すように、電源線VDD1,VSS1と信号線が干渉しないよう、つまり、下層配線層における最小配線間隔が守られるよう、電源線VDD1,VSS1を切り欠くことにより、電源線VDD1,VSS1のパターンデータを生成する。ステップS8においては、隣接する2本の信号線間にそれぞれ1本の電源線VDD2又はVSS2を定義する。
【0053】
そして、処理部43は、下層配線層の電源線VDD1,VSS1と上層配線層の電源線VDD2,VSS2のうち、互いに接続すべき電源線とが平面視で重なり合うオーバーラップ領域OL2,OL3を特定し(ステップS9)、これらオーバーラップ領域OL2,OL3にそれぞれビア導体VE2,VE3を定義する(ステップS10)。これらビア導体VE2,VE3は、オーバーラップ領域OL2,OL3に定義可能な最小径に設定される。
【0054】
以上の処理により、配線データからレイアウトデータが生成され、データエリア41に格納される。データエリア41に格納されたレイアウトデータは、入出力部44介して外部に出力され(ステップS11)、実際の製造プロセスにおけるマスク設計などに用いられる。つまり、処理部43は、半導体装置のレイアウト方法を実行するための要素である。
【0055】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0056】
例えば、前述の技術思想(コンセプト)に加えて、上層配線層においてもこの技術思想が組み合わせで適用できる。第1の場所における第1のオーバーラップ領域においては、X方向に展開された2つのビア導体及び関連する電源線をY方向に分断し、第2の場所における第1のオーバーラップ領域においては、Y方向に展開された2つのビア導体及び関連する電源線をX方向に分断する。
【0057】
例えば、図1において、VDD1及びVDD2は、VDD電位またはVDDI電位若しくはVDDQ電位である。VSS1及びVSS2は、VSS電位またはVSSI電位若しくはVSSQ電位である。
【0058】
例えば、本発明の技術思想(コンセプト)に従って、VDD電位に関する第1の複数の電源線とVDDI電位に関する第2の複数の電源線とを組み合わせても良い。VSS電位に関する第3の複数の電源線とVSSI電位に関する第4の複数の電源線とを組み合わせても良い。この時、例えば、VDD電位とVDDI電位は当然異なる電位であるから、それらに関する複数の電源線同士にはビア導電体は配置されない、ことは言うまでも無い。更に、VDDQ電位に関する第5の複数の電源線、VSSQ電位に関する第6の複数の電源線を加えても良い。更に、複数の信号線がそれぞれ有する電位に関連する前記第1乃至第6の複数の電源線が隣接することが好ましい。ベストモードとしては、信号線の両側に、その信号線に関連する電位を有する2つの電源線が挟むように隣接することが望ましい。前記2つの電源線は、高電位同士または低電位同士の2つの電源線であっても良いし、高電位と低電位の2つの電源線であっても良い。
【0059】
本願の技術思想は、様々な複数の信号線に関連する配線領域に適用できる。更に、図面で開示したレイアウト形式、信号を生成する回路は、実施例が開示する回路形式限られない。
【0060】
本発明の半導体装置の技術思想は、様々な半導体装置に適用することができる。例えば、CPU(Central Processing Unit)、MCU(Micro Control Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ASSP(Application Specific Standard Product)、メモリ(Memory)等の半導体装置全般に、本発明を適用することができる。このような本発明が適用された半導体装置の製品形態としては、例えば、SOC(システムオンチップ)、MCP(マルチチップパッケージ)やPOP(パッケージオンパッケージ)などが挙げられる。これらの任意の製品形態、パッケージ形態を有する半導体装置に対して本発明を適用することができる。
【0061】
また、トランジスタとして電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor; FET)を用い場合、MOS(Metal Oxide Semiconductor)以外にもMIS(Metal-Insulator Semiconductor)、TFT(Thin Film Transistor)等の様々なFETに適用できる。更に、装置内に一部のバイポーラ型トランジスタを有しても良い。
【0062】
更に、NMOSトランジスタ(N型チャネルMOSトランジスタ)は、第1導電型のトランジスタ、PMOSトランジスタ(P型チャネルMOSトランジスタ)は、第2導電型のトランジスタの代表例である。
【0063】
また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【0064】
以下、本発明のその他の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
第1の方向にそれぞれ延在する複数の第1の信号線を第1の配線層に定義する第1のステップと、
前記第1の方向と交差する第2の方向にそれぞれ延在する複数の第2の信号線を第2の配線層に定義する第2のステップと、
前記複数の第1の信号線と前記複数の第2の信号線のうち、互いに接続すべき第1及び第2の信号線とが平面視で重なり合う第1の領域を特定する第3のステップと、
前記第1の領域において前記第1の信号線の前記第2の方向における幅を拡大する第4のステップと、
拡大された第1の領域に第1のビア導体を定義する第5のステップと、
前記第1の領域において前記第1の信号線と干渉しないよう、前記第1の方向にそれぞれ延在する複数の第1の電源線を前記第1の配線層に定義する第6のステップと、
前記第2の方向にそれぞれ延在する複数の第2の電源線を前記第2の配線層に定義する第7のステップと、を含むことを特徴とする半導体装置のレイアウト方法。
(付記2)
前記複数の第1の電源線と前記複数の第2の電源線のうち、互いに接続すべき第1及び第2の電源線とが平面視で重なり合う第2の領域を特定する第8のステップと、
前記第2の領域に第2のビア導体を定義する第9のステップと、を含むことを特徴とする付記1に記載の半導体装置のレイアウト方法。
(付記3)
前記第9のステップは、前記第2のビア導体を前記第2の領域に定義可能な最小径に設定する、ことを特徴とする付記2に記載の半導体装置のレイアウト方法。
(付記4)
前記第5のステップは、前記第1の領域にそれぞれ前記第2のビア導体と同じ径を持つ複数のビア導体からなる前記第1のビア導体を定義する、ことを特徴とする付記2又は3に記載の半導体装置のレイアウト方法。
(付記5)
前記第5のステップは、前記第2の方向における径が前記第2のビア導体の前記第2の方向における径よりも大きい前記第1のビア導体を定義するステップを含む、ことを特徴とする付記2又は3に記載の半導体装置のレイアウト方法。
(付記6)
前記第1のステップは、複数の第1の信号線を前記第1の配線層に定義可能な配線ピッチの2倍に設定するステップを含む、ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか一項に記載の半導体装置のレイアウト方法。
(付記7)
前記第6のステップは、隣接する前記複数の第1の信号線間にそれぞれ前記第1の電源線を定義するステップを含む、ことを特徴とする付記6に記載の半導体装置のレイアウト方法。
(付記8)
前記第6のステップは、前記第1の領域において前記第1の信号線との干渉を避けるよう前記第1の電源線を前記第1の方向に分断するステップを含む、ことを特徴とする付記7に記載の半導体装置のレイアウト方法。
(付記9)
前記第2のステップは、複数の第2の信号線を前記第2の配線層に定義可能な配線ピッチの2倍以上に設定するステップを含む、ことを特徴とする付記1乃至8のいずれか一項に記載の半導体装置のレイアウト方法。
(付記10)
前記第4のステップは、前記第1の領域の前記第2の方向における位置を、対応する前記第1の信号線の前記第2の方向における中心軸に対してオフセットさせるステップを含む、ことを特徴とする付記1乃至9のいずれか一項に記載の半導体装置のレイアウト方法。
(付記11)
第1の方向にそれぞれ延在する複数の第1の信号線を第1の配線層に定義する第1の機能と、
前記第1の方向と交差する第2の方向にそれぞれ延在する複数の第2の信号線を第2の配線層に定義する第2の機能と、
前記複数の第1の信号線と前記複数の第2の信号線のうち、互いに接続すべき第1及び第2の信号線とが平面視で重なり合う第1の領域を特定する第3の機能と、
前記第1の領域において前記第1の信号線の前記第2の方向における幅を拡大する第4の機能と、
拡大された第1の領域に第1のビア導体を定義する第5の機能と、
前記第1の領域において前記第1の信号線と干渉しないよう、前記第1の方向にそれぞれ延在する複数の第1の電源線を前記第1の配線層に定義する第6の機能と、
前記第2の方向にそれぞれ延在する複数の第2の電源線を前記第2の配線層に定義する第7の機能と、をコンピュータに発揮させる、ことを特徴とする半導体装置の設計プログラム。
(付記12)
前記複数の第1の電源線と前記複数の第2の電源線のうち、互いに接続すべき第1及び第2の電源線とが平面視で重なり合う第2の領域を特定する第8の機能と、
前記第2の領域に第2のビア導体を定義する第9の機能と、をコンピュータにさらに発揮させることを特徴とする付記11に記載の半導体装置の設計プログラム。
(付記13)
前記第9の機能は、前記第2のビア導体を前記第2の領域に定義可能な最小径に設定する機能を含む、ことを特徴とする付記12に記載の半導体装置の設計プログラム。
(付記14)
前記第5の機能は、前記第1の領域にそれぞれ前記第2のビア導体と同じ径を持つ複数のビア導体からなる前記第1のビア導体を定義する機能を含む、ことを特徴とする付記12又は13に記載の半導体装置の設計プログラム。
(付記15)
前記第5の機能は、前記第2の方向における径が前記第2のビア導体の前記第2の方向における径よりも大きい前記第1のビア導体を定義する機能を含む、ことを特徴とする付記12又は13に記載の半導体装置の設計プログラム。
(付記16)
前記第1の機能は、複数の第1の信号線を前記第1の配線層に定義可能な配線ピッチの2倍に設定する機能を含む、ことを特徴とする付記11乃至15のいずれか一項に記載の半導体装置の設計プログラム。
(付記17)
前記第6の機能は、隣接する前記複数の第1の信号線間にそれぞれ前記第1の電源線を定義する機能を含む、ことを特徴とする付記16に記載の半導体装置の設計プログラム。
(付記18)
前記第6の機能は、前記第1の領域において前記第1の信号線との干渉を避けるよう前記第1の電源線を前記第1の方向に分断する機能を含む、ことを特徴とする付記17に記載の半導体装置の設計プログラム。
(付記19)
前記第2の機能は、複数の第2の信号線を前記第2の配線層に定義可能な配線ピッチの2倍以上に設定する機能を含む、ことを特徴とする付記11乃至18のいずれか一項に記載の半導体装置の設計プログラム。
(付記20)
前記第4の機能は、前記第1の領域の前記第2の方向における位置を、対応する前記第1の信号線の前記第2の方向における中心軸に対してオフセットさせる機能を含む、ことを特徴とする付記11乃至19のいずれか一項に記載の半導体装置の設計プログラム。
【符号の説明】
【0065】
10 半導体装置
11 セルアレイ領域
12 周辺回路領域
20 エリア
25 領域
30 エリア
40 設計装置
41 データエリア
42 プログラムエリア
43 処理部
44 入出力部
L 論理回路
L1 下層配線層
L2 上層配線層
DL 絶縁層
OL0〜OL3 オーバーラップ領域
S1〜S10 信号線
VDD1,VDD2 電源線(高位側)
VSS1,VSS2 電源線(低位側)
VE0〜VE3 ビア導体
50 VDD端子
51 VDDQ端子
60 VSS端子
61 VSSQ端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の層が、第1の方向に延在する複数の第1の配線を含み、
前記第1の層に積層する第2の層が、前記第1の方向と異なる第2の方向に延在する複数の第2の配線を含み、
前記第1と第2の層の間に挟まれる第3の層が、前記複数の第1の配線と、前記複数の第1の配線にそれぞれ対応して互いに関連する前記複数の第2の配線とを接続する複数のビア導体を含み、
前記複数の第1の配線は、前記ビア導体を含む配線の幅及び前記配線の抜きである第1のラインアンドスペースの第1のピッチでレイアウトされ、
前記複数の第2の配線は、少なくとも、前記ビア導体を含む配線の幅及び前記配線の抜きである第2のラインアンドスペース以上の第2のピッチでレイアウトされ、
前記複数のビア導体の形状は、所定のビア径を有する第1の円、または前記第1の円の面積よりも大きな第2の楕円であり、
前記複数の第1及び複数の第2の配線のそれぞれは、それぞれ対応する複数の回路が入力および/または出力する複数の信号線と、前記複数の回路へ電源を供給する複数の電源線を含み、
前記複数の信号線と前記複数の電源線にそれぞれ関連する前記複数の第1の配線は、夫々が互いに隣接してレイアウトされ、
前記複数の信号線と前記複数の電源線にそれぞれ関連する前記複数の第2の配線は、夫々が互いに隣接してレイアウトされ、
前記複数の信号線が含む複数の第1の配線及び前記複数の信号線が含む前記複数の第2の配線がそれぞれ互いに関連する信号同士として交差する複数の第1の領域において、複数の前記第1の円のビア導体が前記第2の方向にレイアウトされるか、少なくとも一つの前記第2の楕円がその長い径の線分を前記第2の方向として前記第2の方向にレイアウトされ、
前記複数の信号線にそれぞれ関連する複数の第1の配線の形状は、前記複数の第1の領域のそれぞれにレイアウトされた前記複数のビア導体を前記複数の第1の配線がそれぞれ包含するように前記第2の方向に延在する複数の第2の領域を含み、
前記複数の電源線にそれぞれ関連する複数の第1の配線は、前記複数の信号線が含む複数の第1の配線がそれぞれ有する前記複数の第2の領域と電気的に接続しないように分断され、
前記複数の信号線にそれぞれ関連する複数の第2の配線の形状は、前記複数の第1の領域のそれぞれにレイアウトされた前記複数のビア導体を前記複数の第2の配線がそれぞれ包含するように前記第2の方向に延在する複数の第3領域を含み、
前記複数の電源線にそれぞれ関連する複数の第2の配線は、前記複数の電源線にそれぞれ関連する前記分断された複数の第1の配線と、前記複数のビア導体を介してそれぞれ接続する、半導体装置。
【請求項2】
前記複数の第2の領域の前記第2の方向における中心軸と、それぞれ対応する前記複数の第1の配線の前記第2の方向における中心軸とは、互いにずれている、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記複数の電源線は、第1の電位を有する複数の第1の電源線と、前記第1の電位とは異なる第2の電位を有する複数の第2の電源線とを含み、
少なくとも前記複数の第1の電源線と前記複数の第2の電源線のいずれか一方は、n本(nは自然数)ずつ交互に配置されている、ことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記nは2である、ことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記複数の信号線の一つを介してその両側に隣接する前記複数の第1の電源線のうちの2本の第1の電源線は、一方が前記第1の領域に関連して分断され、他方が前記第1の領域に関連して分断されておらず、
前記複数の信号線の一つを介してその両側に隣接する前記複数の第2の電源線のうちの2本の第2の電源線は、一方が前記第1の領域に関連して分断され、他方が前記第1の領域に関連して分断されていない、ことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記複数の信号線の一つを介してその両側に隣接する前記複数の第1の電源線のうちの2本の第1の電源線は、前記複数の信号線の一つが存在しない第4の領域において互いに接続され、
前記複数の信号線の一つを介してその両側に隣接する前記複数の第2の電源線のうちの2本の第2の電源線は、前記複数の信号線の一つが存在しない第5の領域において互いに接続される、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記複数のビア導体は、前記第4又は第5の領域に配置されたビア導体を含む、ことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記複数の第2の配線に含まれる複数の電源線の少なくとも一つは、その電源線に隣接する前記複数の第2の配線に含まれる信号線が存在しない第6の領域において、前記第1の方向に突出する突出部を含む、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記複数のビア導体は、前記第6の領域に配置されたビア導体を含む、ことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
複数の第1の信号線及び複数の第1の電源線が第1の方向にそれぞれ延在する第1の配線層と、
複数の第2の信号線及び複数の第2の電源線が前記第1の方向と交差する第2の方向にそれぞれ延在する第2の配線層と、
前記第1の配線層と前記第2の配線層との間に設けられた絶縁層と、
前記複数の第1の信号線と前記複数の第2の信号線とが、それぞれ互いに関連する信号同士として平面視で重なり合う交点に関連する第1の領域において、前記絶縁層を貫通して設けられた第1のビア導体と、
前記複数の第1の電源線と前記複数の第2の電源線とが、それぞれ互いに関連する電源同士として平面視で重なり合う交点に関連する第2の領域において、前記絶縁層を貫通して設けられた第2のビア導体と、を備え、
前記第1の領域の第2の方向における前記複数の第1の信号線の幅は、前記第2の領域の第2の方向における前記複数の第1の信号線の幅よりも広く、
前記第1の電源線は、前記第1の領域において前記第1の信号線との干渉を避けるよう前記第1の方向に分断されている、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
前記第1の領域に複数の前記第1のビア導体が設けられ、
前記複数の1のビア導体のそれぞれは、前記第2のビア導体と同じ径である、ことを特徴とする請求項10に記載の半導体装置
【請求項12】
前記第1のビア導体の前記第2の方向における径は、前記第2のビア導体の前記第2の方向における径よりも大きい、ことを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1の領域の前記第2の方向における位置は、対応する前記第1の信号線の前記第2の方向における中心軸に対してオフセットしており、これにより前記第1の領域における前記第1の信号線の幅は、前記中心軸に対して前記第2の方向への突出量が相対的に大きい第1の部分と、前記中心軸に対して前記第2の方向への突出量が相対的に小さい又は突出しない第2の部分とを含み、
前記複数の第1の電源線のうち前記第1の部分に隣接する第3の電源線は、前記第1の部分を避けるよう前記第1の方向に分断されており、
前記複数の第1の電源線のうち前記第2の部分に隣接する第4の電源線は、分断されることなく前記第1の方向に連続して延在する、ことを特徴とする請求項11又は12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記複数の第1の信号線及び複数の第1の電源線が前記第2の方向に展開される第1のピッチを示すラインアンドスペースは、一定である、ことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記複数の第2の信号線及び複数の第2の電源線が前記第1の方向に展開される第2のピッチを示すラインアンドスペースは、前記第1のピッチよりも多きい、ことを特徴とする請求項14に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第1の領域の第1の方向における幅は、前記第2の領域の第1の方向における幅よりも広い、ことを特徴とする請求項15に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第1の配線層においては、前記第1の信号線と前記第1の電源線が交互に配置されており、
前記第2の配線層においては、前記第2の信号線と前記第2の電源線が交互に配置されている、ことを特徴とする請求項11乃至16のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記複数の第1の電源線は、複数の第1の高位側電源線と複数の第1の低位側電源線を含み、
前記複数の第2の電源線は、複数の第2の高位側電源線と複数の第2の低位側電源線を含み、
前記第2のビア導体は、前記第1の高位側電源線と前記第2の高位側電源線とを接続する高位側ビア導体と、前記第1の低位側電源線と前記第2の低位側電源線とを接続する低位側ビア導体とを含む、ことを特徴とする請求項17に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記複数の第1の電源線は、複数の第1の高位側電源線と複数の第1の低位側電源線を含み、
前記複数の第2の電源線は、複数の第2の高位側電源線と複数の第2の低位側電源線を含み、
前記複数の第1の信号線のうちの第3の信号線は、前記複数の第1の高位側電源線に挟まれ、
前記複数の第1の信号線のうちの第4の信号線は、前記複数の第1の低位側電源線に挟まれて配置されている、ことを特徴とする請求項17に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記複数の第1の信号線のうちの第5の信号線を挟んで隣接する前記複数の第1の高位側電源線のうちの2本は、前記第1の配線層における前記第5の信号線が存在しない領域において前記第2の方向に互いに接続され、
前記複数の第1の信号線のうちの第6の信号線を挟んで隣接する前記複数の第1の低位側電源線のうちの2本は、前記第1の配線層において前記第6の信号線が存在しない領域において前記第2の方向に互いに接続されている、ことを特徴とする請求項19に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−109460(P2012−109460A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258144(P2010−258144)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】