説明

半導体装置

【課題】しきい値電圧のばらつきの影響を低減する。
【解決手段】トランジスタのゲート・ソース間に設けられた容量素子に電荷を充電し、その後容量素子に充電された電荷を放電することで該トランジスタのしきい値電圧を取得し、その後負荷に電流を流す半導体装置において、容量素子の一方の端子の電位は、ソース線の電位より大きく設定し、ソース線の電位は電源線の電位及び負荷のカソード側の電位よりも小さい電位に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置、表示装置、発光装置、それらの作製方法、及びそれらの駆動方法に関する。特に、本発明は、電流によって輝度が変化する電流駆動型の発光素子を具備する表示装置に関する。または、該表示装置を具備する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイ(LCD)などのフラットパネルディスプレイが広く普及してきている。LCD以外のディスプレイとして、電流によって輝度が変化する電流駆動型の発光素子である、有機EL素子(エレクトロルミネッセンス素子、有機発光ダイオード、オーレッドなどとも言う)を有するディスプレイ(OELD)の研究が活発に行われている(特許文献1)。例えば、トランジスタのしきい値電圧のバラツキを補正する方法が検討されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−195810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一態様は、トランジスタのしきい値電圧のばらつきの影響を低減することができる構成を提案することを課題とする。または、本発明の一態様は、トランジスタの移動度のばらつきの影響を低減することができる新規な構成を提案することを課題とする。または、本発明の一態様は、トランジスタの劣化の影響を低減することができる新規な構成を提案することを課題とする。または、本発明の一態様は、表示素子の劣化の影響を低減することができる新規な構成を提案することを課題とする。または、本発明の一態様は、表示ムラを低減することができる新規な構成を提案することを課題とする。または、本発明の一態様は、質の良い表示を行うことができる新規な構成を提案することを課題とする。または、本発明の一態様は、少ないトランジスタ数で、所望の回路を実現できる新規な構成を提案することを課題とする。または、本発明の一態様は、少ない配線数で、所望の回路を実現できる新規な構成を提案することを課題とする。
【0005】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、ゲートが第1のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が第2のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、該ソース及びドレインの一方が第3のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が第1のスイッチの他方の端子に電気的に接続され、該ソース及びドレインの他方が第4のスイッチの一方の端子に電気的に接続されたトランジスタと、一方の電極がトランジスタのゲートに電気的に接続され、他方の電極が第3のスイッチの他方の端子に電気的に接続され、該他方の電極が第5のスイッチの一方の端子に電気的に接続された容量素子と、一方の電極がトランジスタのソース及びドレインの一方に電気的に接続された負荷と、第2のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第1の配線と、第4のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第2の配線と、負荷の他方の電極に電気的に接続された第3の配線と、第5のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第4の配線と、を有し、第1の配線は第1の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、第2の配線は第2の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、第3の配線は第3の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、第4の配線は第4の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、第1の電位は、第3の電位より小さい電位であり、第2の電位は、第3の電位より大きい電位であり、第4の電位は、第1の電位より大きい電位である、半導体装置である。
【0007】
本発明の一態様は、ゲートが第1のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が第2のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、該ソース及びドレインの一方が第3のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が第1のスイッチの他方の端子に電気的に接続され、該ソース及びドレインの他方が第4のスイッチの一方の端子に電気的に接続されたトランジスタと、一方の電極がトランジスタのゲートに電気的に接続され、他方の電極が第3のスイッチの他方の端子に電気的に接続され、該他方の電極が第5のスイッチの一方の端子に電気的に接続された容量素子と、一方の電極がトランジスタのソース及びドレインの一方に電気的に接続された負荷と、第2のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第1の配線と、第4のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第2の配線と、負荷の他方の電極に電気的に接続され、第5のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第3の配線と、を有し、第1の配線は第1の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、第2の配線は第2の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、第3の配線は第3の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、第1の電位は、第3の電位より小さい電位であり、第2の電位は、第3の電位より大きい電位である、半導体装置である。
【0008】
本発明の一態様は、ゲートが第1のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が第2のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、該ソース及びドレインの一方が第3のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が第1のスイッチの他方の端子に電気的に接続され、該ソース及びドレインの他方が第4のスイッチの一方の端子に電気的に接続されたトランジスタと、一方の電極がトランジスタのゲートに電気的に接続され、他方の電極が第3のスイッチの他方の端子に電気的に接続され、該他方の電極が第5のスイッチの一方の端子に電気的に接続された容量素子と、第2のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第1の配線と、第4のスイッチの他方の端子に電気的に接続され、第5のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第2の配線と、一方の電極がトランジスタのソース及びドレインの一方に電気的に接続された負荷と、負荷の他方の電極に電気的に接続された第3の配線と、を有し、第1の配線は第1の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、第2の配線は第2の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、第3の配線は第3の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、第1の電位は、第3の電位より小さい電位であり、第2の電位は、第3の電位より大きい電位である、半導体装置である。
【0009】
本発明の一態様は、ゲートが第1のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が第2のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、該ソース及びドレインの一方が第3のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が第1のスイッチの他方の端子に電気的に接続され、該ソース及びドレインの他方が第4のスイッチの一方の端子に電気的に接続されたトランジスタと、一方の電極がトランジスタのゲートに電気的に接続され、他方の電極が第3のスイッチの他方の端子に電気的に接続され、該他方の電極が第5のスイッチの一方の端子に電気的に接続された容量素子と、一方の電極がトランジスタのソース及びドレインの一方に電気的に接続された負荷と、第2のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第1の配線と、第4のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第2の配線と、負荷の他方の電極に電気的に接続された第3の配線と、第5のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第4の配線と、を有し、第1の配線は第1の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、第2の配線は第2の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、第3の配線は第3の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、第4の配線は、第1のスイッチ乃至第4のスイッチを制御することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、第1の電位は、第3の電位より小さい電位であり、第2の電位は、第3の電位より大きい電位である、半導体装置である。
【0010】
本発明の一態様において、第1のスイッチ乃至第5のスイッチはトランジスタである半導体装置が好ましい。
【0011】
本発明の一態様において、トランジスタは同じ導電型である半導体装置が好ましい。
【0012】
本発明の一態様において、一方の端子がトランジスタのソース及びドレインの一方に電気的に接続され、他方の端子が負荷の一方の電極に電気的に接続された第6のスイッチを有する、半導体装置が好ましい。
【0013】
本発明の一態様において、トランジスタのソース及びドレインの他方には第7のスイッチの一方の端子が電気的に接続され、第7のスイッチの他方の端子は第5の配線に電気的に接続され、第5の配線は第5の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、第5の電位は、第3の電位より大きい電位である、半導体装置が好ましい。
【0014】
本発明の一態様において、負荷は整流特性を有する表示素子である半導体装置が好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様は、トランジスタのしきい値電圧のばらつきの影響を低減することができる。または、本発明の一態様は、トランジスタの移動度のばらつきの影響を低減することができる。または、本発明の一態様は、トランジスタの劣化の影響を低減することができる。または、本発明の一態様は、表示素子の劣化の影響を低減することができる。または、本発明の一態様は、表示ムラを低減することができる。または、本発明の一態様は、質の良い表示を行うことができる。または、本発明の一態様は、少ないトランジスタ数で、所望の回路を実現できる。または、本発明の一態様は、少ない配線数で、所望の回路を実現できる。または、本発明の一態様は、少ない工程数で製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図2】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図3】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図4】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図5】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図6】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図7】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図8】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図9】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図10】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図11】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図12】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図13】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図14】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図15】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図16】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図17】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図18】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図19】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図20】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図21】本発明の一態様の回路の一例を表すブロック図。
【図22】本発明の一態様の回路の一例を表すブロック図。
【図23】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図24】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図25】本発明の一態様の画素の一例を表す回路図。
【図26】本発明の一態様の画素の一例を表す断面図。
【図27】本発明の一態様の画素の一例を表す断面図。
【図28】本発明の一態様の画素の一例を表す回路図。
【図29】本発明の一態様の画素の一例を表すブロック図。
【図30】本発明の一態様の画素の一例を表す回路図。
【図31】本発明の一態様の画素の一例を表す回路図。
【図32】本発明の一態様の画素の一例を表す回路図。
【図33】本発明の一態様の画素の一例を表す回路図。
【図34】本発明の一態様の画素の一例を表す回路図。
【図35】本発明の一態様の画素の一例を表す回路図。
【図36】本発明の一態様の画素の一例を表す回路図。
【図37】本発明の一態様の画素の一例を表す上面図。
【図38】本発明の一態様の画素の一例を表す上面図。
【図39】本発明の一態様の画素の一例を表す上面図。
【図40】本発明の一態様の画素の一例を表す上面図。
【図41】本発明の一態様の画素の一例を表す上面図。
【図42】本発明の一態様の画素の一例を表す上面図。
【図43】本発明の一態様の画素の一例を表す上面図。
【図44】本発明の一態様の画素の一例を表す上面図。
【図45】本発明の一態様の画素の一例を表す回路図。
【図46】本発明の一態様の画素の一例を表す回路図。
【図47】本発明の一態様の画素の一例を表す回路図。
【図48】本発明の一態様の画素の一例を表す回路図。
【図49】本発明の一態様の画素の一例を表す回路図。
【図50】本発明の一態様の画素の一例を表す回路図。
【図51】本発明の一態様に係る酸化物材料の構造を説明する図。
【図52】本発明の一態様に係る酸化物材料の構造を説明する図。
【図53】本発明の一態様に係る酸化物材料の構造を説明する図。
【図54】本発明の一態様に係る酸化物材料の構造を説明する図。
【図55】本発明の一態様の表示パネルセルの一例を表す上面図及び断面図。
【図56】本発明の一態様の表示装置が適用可能な電子機器を説明する図。
【図57】本発明の一態様の表示装置が適用可能な電子機器を説明する図。
【図58】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図59】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図60】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図61】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図62】本発明の一態様の画素の一例を表す回路図。
【図63】本発明の一態様の画素の一例を表す回路図。
【図64】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図65】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図66】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図67】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図68】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図69】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図70】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図71】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図72】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図73】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図74】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図75】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図76】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図77】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図78】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図79】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図80】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図81】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図82】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図83】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図84】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図85】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図86】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図87】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図88】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図89】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図90】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図91】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図92】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図93】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図94】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図95】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図96】本発明の一態様の回路の一例を表す回路図。
【図97】本発明の一態様の表示モジュールの一例を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分については同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0018】
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを行うことができる。
【0019】
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)の構成は、その図の別の部分の構成、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)の構成、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)の構成と組み合わせることができる。
【0020】
なお、図において、大きさ、厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、本発明の実施形態の一態様は、必ずしもそのスケールに限定されない。または、図は、理想的な例を模式的に示したものである。よって、本発明の実施形態の一態様は、図に示す形状などに限定されない。例えば、製造技術による形状のばらつき、誤差による形状のばらつきなどを含むことが可能である。
【0021】
なお、XとYとが接続されている、と明示的に記載する場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とを含むものとする。ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも含むものとする。
【0022】
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、スイッチは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。または、スイッチは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有し、例えば、経路1に電流を流すことが出来るようにするか、経路2に電流を流すことができるようにするかを選択して切り替える機能を有している。
【0023】
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅または電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。
【0024】
なお、XとYとが接続されている、と明示的に記載する場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とを含むものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同じであるとする。
【0025】
なお、回路図上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されている場合であっても、実際には、例えば配線の一部が電極としても機能する場合など、一の導電層が、配線及び電極のような複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。本明細書において電気的に接続とは、このような、一の導電層が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
【0026】
なお、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、受動素子(容量素子、抵抗素子など)などが有するすべての端子について、その接続先を特定しなくても、当業者であれば、発明の一態様を構成することは可能な場合がある。特に、端子の接続先が複数のケース考えられる場合には、その端子の接続先を特定の箇所に限定する必要はない。したがって、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、受動素子(容量素子、抵抗素子など)などが有する一部の端子についてのみ、その接続先を特定することによって、発明の一態様を構成することが可能な場合がある。
【0027】
なお、ある回路について、少なくとも接続先を特定すれば、当業者であれば、発明を特定することが可能な場合がある。または、ある回路について、少なくとも機能を特定すれば、当業者であれば、発明を特定することが可能な場合がある。したがって、ある回路について、機能を特定しなくても、接続先を特定すれば、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。または、ある回路について、接続先を特定しなくても、機能を特定すれば、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。
【0028】
なお、本明細書等において記載されている発明は、さまざまな人が実施することが出来る。しかしながら、その実施は、複数の人にまたがって実施される場合がある。例えば、送受信システムの場合において、A社が送信機を製造および販売し、B社が受信機を製造および販売する場合がある。別の例としては、TFTおよび発光素子を有する発光装置の場合において、TFTが形成された半導体装置は、A社が製造および販売する。そして、B社がその半導体装置を購入して、その半導体装置に発光素子を成膜して、発光装置として完成させる、という場合がある。
【0029】
このような場合、A社またはB社のいずれに対しても、特許侵害を主張できるような発明の一態様を、構成することが出来る。従って、A社またはB社に対して、特許侵害を主張できるような発明の一態様は、明確であり、本明細書等に記載されていると判断する事が出来る。例えば、送受信システムの場合において、送信機のみで発明の一態様を構成することができ、受信機のみで発明の一態様を構成することができ、それらの発明の一態様は、明確であり、本明細書等に記載されていると判断することが出来る。別の例としては、TFTおよび発光素子を有する発光装置の場合において、TFTが形成された半導体装置のみで発明の一態様を構成することができ、TFTおよび発光素子を有する発光装置で発明の一態様を構成することができ、それらの発明の一態様は、明確であり、本明細書等に記載されていると判断することが出来る。
【0030】
なお、明細書の中の図面や文章において規定されていない内容について、その内容を除くことを規定した発明とすることが出来る。または、ある値について、上限値と下限値などで示される数値範囲が記載されている場合、その範囲を任意に狭めることで、または、その範囲の中の一点を除くことで、その範囲を一部除いて発明を規定することができる。これらにより、例えば、従来技術が本発明の技術的範囲内に入らないことを規定することができる。
【0031】
具体例としては、ある回路において、第1乃至第5のトランジスタを用いている回路図が記載されているとする。その場合、その回路が、第6のトランジスタを有していないことを発明として規定することが可能である。または、その回路が、容量素子を有していないことを規定することが可能である。さらに、その回路が、ある特定の接続構造を有している第6のトランジスタを有していない、と規定して発明とすることができる。または、その回路が、ある特定の接続構造を有している容量素子を有していない、と規定して発明を構成することができる。例えば、ゲートが第3のトランジスタのゲートと接続されている第6のトランジスタを有していない、と発明を規定することが可能である。または、例えば、第1の電極が第3のトランジスタのゲートと接続されている容量素子を有していない、と発明を規定することが可能である。
【0032】
別の具体例としては、ある値について、例えば、「ある電圧が、3V以上10V以下であることが好適である」と記載されているとする。その場合、例えば、ある電圧が、−2V以上1V以下である場合を除く、と発明を規定することが可能である。または、例えば、ある電圧が、13V以上である場合を除く、と発明を規定することが可能である。なお、例えば、その電圧が、5V以上8V以下であると発明を規定することも可能である。なお、例えば、その電圧が、概略9Vであると発明を規定することも可能である。なお、例えば、その電圧が、3V以上10V以下であるが、9Vである場合を除くと発明を規定することも可能である。
【0033】
別の具体例としては、例えば、「ある電圧が、10Vであることが好適である」と記載されているとする。その場合、例えば、ある電圧が、−2V以上1V以下である場合を除く、と発明を規定することが可能である。または、例えば、ある電圧が、13V以上である場合を除く、と発明を規定することが可能である。
【0034】
別の具体例としては、例えば、「ある膜は、絶縁膜である」と記載されているとする。その場合、例えば、その絶縁膜が、有機絶縁膜である場合を除く、と発明を規定することが可能である。または、例えば、その絶縁膜が、無機絶縁膜である場合を除く、と発明を規定することが可能である。
【0035】
別の具体例としては、ある積層構造について、例えば、「AとBとの間に、ある膜が設けられている」と記載されているとする。その場合、例えば、その膜が、4層以上の積層膜である場合を除く、と発明を規定することが可能である。または、例えば、Aとその膜との間に、導電膜が設けられている場合を除く、と発明を規定することが可能である。
【0036】
(実施の形態1)
本発明の一態様で説明する回路、半導体装置、表示装置、または発光装置は、一例としては、発光素子を有する画素回路として用いることができる。ただし、画素回路だけでなく、負荷に電流を流すための電流源として機能する回路としても用いることができる。そこで、本実施の形態では、負荷に電流を流す回路の一例について述べ、次いで負荷を発光素子とした際の画素の回路構成の一例について説明する。
【0037】
まず図1(A)に、本発明の一態様となる回路構成を示す。回路10は、一例としては、少なくとも電流源としての機能を有している。したがって、例えば、回路10は、回路10の両端に加わる電圧の大きさが変化しても、一定の電流を供給する機能を有している。または、例えば、回路10は、負荷17の電位が変化しても、負荷17に一定の電流を供給する機能を有している。
【0038】
なお、電流源とは別の電源として、電圧源がある。電圧源は、それに接続された回路に流れる電流が変化しても、一定の電圧を供給する機能を有している。したがって、電圧源も電流源も、同様の機能を有しているが、何が変化しても、一定の何を供給する機能を有しているのか、という点で、異なった機能を有するものである。電流源は、両端の電圧が変化しても、一定の電流を供給する機能を有し、電圧源は、電流が変化しても、一定の電圧を供給する機能を有している。
【0039】
図1(A)に示す回路構成は、トランジスタのしきい値電圧のばらつき等に起因した電流特性のばらつきを補正するために、トランジスタのゲートに保持されている電荷を放電するための回路を有している。実際には、本回路は、配線間に設けられる複数のスイッチのスイッチングを制御することによって、トランジスタの電流特性のばらつきを補正することが出来るような、回路の接続関係を有している。
【0040】
図1(A)において、回路10は、一例としては、スイッチ12、スイッチ13、スイッチ14、スイッチ15、スイッチ16、容量素子18、トランジスタ11を有する。トランジスタ11は、回路10を電流源として機能させることができる。また回路10は、負荷17、配線19、配線21及び配線22に接続され、負荷17には配線20が接続される。なお本実施の形態において、回路10を電流源として機能させることができるトランジスタ11は、一例として、nチャネル型のトランジスタとして説明を行う。
【0041】
なお図1(A)では、回路10に接続される負荷17、配線19、配線20、配線21及び配線22について、回路10の外側に設けるように図示している。しかしながら、実際には配線及び負荷と、回路10との境界は配線を介して電気的に接続されており、回路10が各配線、及び/又は、負荷を含むものとして説明することも可能である。
【0042】
次いで回路10の各構成要素の接続構造について説明する。
【0043】
トランジスタ11は、ゲートが容量素子18の一方の電極(端子)及びスイッチ13の一方の端子に接続される。トランジスタ11は、第1端子(ソース又はドレイン。一例としてはソース)がスイッチ12の一方の端子及びスイッチ15の一方の端子に接続される。トランジスタ11は、第2端子(ソース又はドレイン。一例としてはドレイン)がスイッチ13の他方の端子及びスイッチ16の一方の端子に接続される。
【0044】
容量素子18は、一方の電極がスイッチ13の一方の端子及びトランジスタ11のゲートに接続される。容量素子18は、他方の電極がスイッチ15の他方の端子及びスイッチ14の一方の端子に接続される。
【0045】
負荷17の一方の端子は、トランジスタ11の第1端子、スイッチ15の一方の端子、及びスイッチ12の一方の端子に接続される。負荷17の他方の端子は、配線20に接続される。
【0046】
スイッチ12の他方の端子は、配線19に接続される。
【0047】
スイッチ16の他方の端子は配線21に接続される。
【0048】
スイッチ14の他方の端子は配線22に接続される。
【0049】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、発光装置、表示装置、半導体回路および電子機器は、半導体装置の一例として当てはまる場合がある。
【0050】
なお、本明細書中において負荷とは、例えば、整流性を有するものや、容量性を有するものや、抵抗性を有するもの、スイッチを有する回路、画素回路などがある。例えば、整流性を有するものは、印加するバイアス方向により抵抗値が異なる電流電圧特性を有し、一方向のみにほとんど電流が流れる電気的特性を有するものであるとする。図1(A)の回路構成においては、例えば、負荷17はトランジスタ11から配線20に向けて電流が流れるように設けられているものとする。
【0051】
または、負荷17の別の例としては、表示素子(液晶素子)、発光素子(EL素子など)、または、表示素子や発光素子の一部(例えば、画素電極、陽極電極、陰極電極)などがある。
【0052】
なお図1(A)において負荷17が発光素子の場合には、回路10は画素に相当するものとなる。図1(A)の負荷17を発光素子とし、回路10を画素とした場合の回路図を図28に示す。図28において、画素100は、スイッチ102、スイッチ103、スイッチ104、スイッチ105、スイッチ106、発光素子107、容量素子108、トランジスタ101を有する。トランジスタ101は、回路を電流源として機能させることができる。また画素100は、配線109、配線110、配線111及び配線112に接続される。
【0053】
なお図28に示すスイッチ102、スイッチ103、スイッチ104、スイッチ105、スイッチ106は、図1(A)に示すスイッチ12、スイッチ13、スイッチ14、スイッチ15、スイッチ16に相当する。また図28に示す容量素子108、トランジスタ101、配線109、配線110、配線111及び配線112は、図1(A)に示す容量素子18、トランジスタ11、配線19、配線20、配線21及び配線22に相当する。
【0054】
なお本明細書において画素は、一つの色要素(例えばR(赤)G(緑)B(青)のいずれか1つ)の明るさを制御できる表示単位に相当するものとする。従って、カラー表示装置の場合には、カラー画像の最小表示単位は、Rの画素とGの画素とBの画素との三画素から構成されるものとする。ただし、カラー画像を表示するための色要素は、三色に限定されず、三色以上を用いても良いし、RGB以外の色を用いても良い。
【0055】
なおトランジスタは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域またはドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域またはソース電極)の間にチャネル領域を有しており、ドレインとチャネル領域とソースとを介して電流を流すことができる。ここで、ソースとドレインとは、トランジスタの構造や動作条件等によって変わるため、いずれがソースまたはドレインであるかを限定することが困難である。そこで、本書類(明細書、特許請求の範囲又は図面など)においては、ソース及びドレインとして機能する領域を、ソースもしくはドレインと呼ばない場合がある。その場合、一例としては、それぞれを第1端子、第2端子と表記する場合がある。あるいは、それぞれを第1の電極、第2の電極と表記する場合がある。あるいは、それぞれを第1の領域、第2の領域と表記する場合がある。あるいは、ソース領域、ドレイン領域と表記する場合がある。
【0056】
なお、第1、第2、第3などの語句は、様々な要素、部材、領域、層、区域を他のものと区別して記述するために用いられる。よって、第1、第2、第3などの語句は、要素、部材、領域、層、区域などの数を限定するものではない。さらに、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと置き換えることが可能である。
【0057】
なおスイッチは、端子間の導通状態(ON)と非導通状態(OFF)を切り替えて動作する機能を有しており、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している素子である。スイッチは、一例として、電気的スイッチ又は機械的なスイッチなどを用いることが出来る。例えば、トランジスタ、ダイオード、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)のように、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いたスイッチなどで構成すればよい。また、スイッチはトランジスタを組み合わせた論理回路でもよい。スイッチとしてトランジスタを用いる場合、該トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。ただし、オフ電流が少ないトランジスタを用いることが望ましく、入力電位に応じて、トランジスタの極性を使い分ける構成が好適である。
【0058】
なおオフ電流が少ないトランジスタとしては、LDD領域を有するトランジスタ、マルチゲート構造を有するトランジスタ、または半導体層として酸化物半導体を用いるトランジスタ等がある。また、トランジスタを組み合わせてスイッチとして動作させる場合、nチャネル型とpチャネル型の両方を用いた相補型のスイッチにしてもよい。相補型のスイッチにすることで、スイッチに入力する電位が、出力電位と比べて相対的に変化しても、適切に動作させることが出来る。
【0059】
なお、スイッチとしてトランジスタを用いる場合、スイッチは、入力端子(ソースまたはドレインの一方)と、出力端子(ソースまたはドレインの他方)と、導通を制御する端子(ゲート)とを有している場合がある。一方、スイッチとしてダイオードを用いる場合、スイッチは、導通を制御する端子を有していない場合がある。したがって、トランジスタよりもダイオードをスイッチとして用いた方が、端子を制御するための配線を少なくすることが出来る。
【0060】
なお、トランジスタの一例としては、チャネルの上下にゲート電極が配置されている構造のトランジスタを適用することができる。チャネルの上下にゲート電極が配置される構造にすることにより、複数のトランジスタが並列に接続されたような回路構成となる。よって、チャネル領域が増えるため、電流値の増加を図ることができる。または、チャネルの上下にゲート電極が配置されている構造にすることにより、空乏層ができやすくなるため、S値の改善を図ることができる。
【0061】
なお、トランジスタの一例としては、チャネル領域(もしくはその一部)にソース電極やドレイン電極が重なっている構造のトランジスタを用いることができる。チャネル領域(もしくはその一部)にソース電極やドレイン電極が重なる構造にすることによって、チャネル領域の一部に電荷が溜まることにより動作が不安定になることを防ぐことができる。
【0062】
なお、容量素子18は、一例としては、配線、半導体層、または電極等で絶縁膜を挟んだ構成とすればよい。容量素子18は、トランジスタ11の特性に応じた電圧(例えば、しきい値電圧に応じた電圧、移動度に応じた電圧など)を保持することが出来る機能を有している。または、容量素子18は、負荷17に供給される電流の大きさに応じた電圧(例えば、Vsig、映像信号など)を保持することが出来る機能を有している。
【0063】
なお配線19は、一例としては、図1(B)に示すように、少なくとも、Vsigを供給する機能を有する回路23に接続される。回路23の例としては、ソースドライバ(信号線駆動回路)などがある。したがって、配線19は、Vsigを、伝えることが出来る機能、または、供給することが出来る機能を有している。または、配線19には、一例として、プリチャージ信号などが供給される場合もある。
【0064】
Vsigは、一例としては、負荷17に流す電流の大きさを制御するための信号である。例えば、映像信号に相当する。そのため、負荷17に供給したい電流の大きさに応じて供給する電位が異なる。例えば負荷17に供給する電流が一定値であれば、Vsigは一定の電位の信号であり、一定値でなければVsigは、時間と共に、負荷17に供給する電流の大きさに応じて変化する電位の信号となる。
【0065】
なお配線20は、一例としては、図1(B)に示すように、少なくとも、Vcatを供給する機能を有する回路24に接続される。回路24の例としては、電源回路などがある。したがって、配線20は、Vcatを、伝えることが出来る機能、または、供給することが出来る機能を有している。なお、配線20には、一定の電位が供給されることが好適である。ただし、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されず、一定ではない電位、例えば、パルス信号が供給されてもよい。
【0066】
Vcatは、負荷17に電流を流す期間において、例えば、負荷17の第1の電極側から第2の電極側に向けて電流が流れるように、設定される電位である。
【0067】
なお配線21は、一例としては、図1(B)に示すように、少なくとも、電位VDDを供給する回路25に接続される。回路25の例としては、電源回路などがある。したがって、配線21は、電位VDDを、伝えることが出来る機能、または、供給することが出来る機能を有している。または、配線21は、トランジスタ11に電流を供給することが出来る機能を有している。または、配線21は、負荷17に電流を供給することが出来る機能を有している。または、配線21には、一例として、負荷17を逆バイアス状態にするための電位が供給される場合、または、容量素子18に供給するための電位が供給される場合もある。なお、配線21には、一定の電位が供給されることが好適である。ただし、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されず、一定ではない電位、例えば、パルス信号が供給されてもよい。
【0068】
電位VDDは、トランジスタ11を介して、負荷17の第1の電極側より第2の電極側に向けて電流が流れるように設定される電位である。そのため、一例としては、電位VDDはVcatより高い電位となる。
【0069】
なお配線22は、一例としては、図1(B)に示すように、少なくとも、電位V1を供給する回路26に接続される。回路26の例としては、電源回路などがある。したがって、配線22は、電位V1を、伝えることが出来る機能、または、供給することが出来る機能を有している。または、配線22は、容量素子18の他方の電極に電荷を供給することが出来る機能を有している。または、配線22は、容量素子18の他方の電極の電位を電位V1に固定することができる機能を有している。なお、配線22には、一定の電位が供給されることが好適である。ただし、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されず、一定ではない電位、例えば、パルス信号が供給されてもよい。
【0070】
電位V1は、負荷17に電流を流す際、トランジスタ11が正常に動作するように設定される電位である。例えば、トランジスタ11が飽和領域で動作することが好適である。そのため、電位V1はVsigより高い電位とすることが好適であるが、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されない。一例としては、電位V1は、Vcatでもよいし、電位VDDでもよい。電位V1の値を、Vcatまたは電位VDDとすることにより、必要となる電位の数を低減できるため、電源回路の数を低減することが出来る。
【0071】
なお、トランジスタ11に電流が流れているときには、トランジスタ11は、電流源としての動作を正確にするために、飽和領域で動作することが望ましい。ただし、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されず、トランジスタ11に電流が流れているときに、トランジスタ11を線形領域で動作させることが可能である。
【0072】
なお図1(A)におけるスイッチ12、スイッチ13、スイッチ14、スイッチ15及びスイッチ16には、例えば、トランジスタを適用することができる。よって、スイッチ12、スイッチ13、スイッチ14、スイッチ15及びスイッチ16に、一例として、nチャネル型のトランジスタを適用した場合について図2(A)に示す。なお、図1(A)の構成と共通するところは共通の符号を用いてその説明を省略する。図2(A)のように、全て同じ極性のトランジスタを用いることによって、少ない工程数で製造できる。そのため、製造コストを低減することが出来る。なお、スイッチ12、スイッチ13、スイッチ14、スイッチ15及びスイッチ16の、少なくとも一つに、pチャネル型のトランジスタを適用することも可能である。例えば、トランジスタ16Tは、高い電位で動作するので、pチャネル型のトランジスタを適用することは好適である。または、走査線の数を減らすために、pチャネル型トランジスタを適用することは好適である。
【0073】
図2(A)において、トランジスタ12Tがスイッチ12に相当する。トランジスタ13Tがスイッチ13に相当する。トランジスタ14Tがスイッチ14に相当する。トランジスタ15Tがスイッチ15に相当する。トランジスタ16Tがスイッチ16に相当する。
【0074】
トランジスタ12Tはゲートが配線31に接続され、第1端子がトランジスタ11の第1端子、トランジスタ15Tの第1端子及び負荷17の一方の電極に接続され、第2端子が配線19に接続されている。よって、配線31の電位がHレベルのときにトランジスタ12Tは導通状態となり、配線31の電位がLレベルのときにトランジスタ12Tは非導通状態となる。
【0075】
また、トランジスタ13Tはゲートが配線32に接続され、第1端子がトランジスタ11のゲート及び容量素子18の一方の電極に接続され、第2端子がトランジスタ16Tの第1端子及びトランジスタ11の第2端子に接続されている。よって、配線32の電位がHレベルのときにトランジスタ13Tは導通状態となり、配線32の電位がLレベルのときにトランジスタ13Tは非導通状態となる。
【0076】
また、トランジスタ14Tはゲートが配線33に接続され、第1端子がトランジスタ15Tの第2端子及び容量素子18の他方の電極に接続され、第2端子が配線22に接続されている。よって、配線33の電位がHレベルのときにトランジスタ14Tは導通状態となり、配線33の電位がLレベルのときにトランジスタ14Tは非導通状態となる。
【0077】
また、トランジスタ15Tはゲートが配線34に接続され、第1端子がトランジスタ11の第1端子、トランジスタ12Tの第1端子及び負荷17の第1の電極に接続され、第2端子がトランジスタ14Tの第1端子及び容量素子18の他方の電極に接続されている。よって、配線34の電位がHレベルのときにトランジスタ15Tは導通状態となり、配線34の電位がLレベルのときにトランジスタ15Tは非導通状態となる。
【0078】
また、トランジスタ16Tはゲートが配線35に接続され、第1端子がトランジスタ11の第2端子及びトランジスタ13Tの第2端子に接続され、第2端子が配線21に接続されている。よって、配線35の電位がHレベルのときにトランジスタ16Tは導通状態となり、配線35の電位がLレベルのときにトランジスタ16Tは非導通状態となる。
【0079】
なお、一例として、配線31は、回路27Aに接続され、配線32は、回路27Bに接続され、配線33は、回路27Cに接続され、配線34は、回路27Dに接続され、配線35は、回路27Eに接続される。回路27A乃至回路27Eは、一例としては、少なくとも、HレベルまたはLレベルの信号を供給する機能を有している。なお、回路27A乃至回路27Eは、それぞれ、別々の回路でもよいし、幾つかがまとまって1つの回路となっていてもよい。回路27A乃至回路27Eの例としては、ゲートドライバ(走査線駆動回路)などがある。したがって、配線31は、HレベルまたはLレベルの信号を、伝えることが出来る機能、または、供給することが出来る機能を有している。または、配線31は、スイッチ12又はトランジスタ12Tの導通状態を制御することが出来る機能を有している。配線32は、スイッチ13又はトランジスタ13Tの導通状態を制御することが出来る機能を有している。配線33は、スイッチ14又はトランジスタ14Tの導通状態を制御することが出来る機能を有している。配線34は、スイッチ15又はトランジスタ15Tの導通状態を制御することが出来る機能を有している。配線35は、スイッチ16又はトランジスタ16Tの導通状態を制御することが出来る機能を有している。
【0080】
なお、配線31、配線32、配線33、配線34、配線35は、それぞれ、別々の配線として構成させることが出来る。ただし、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されず、複数本の配線を1本の配線にまとめることが可能である。そのため、少ない配線数で回路を構成することが出来る。
【0081】
例えば、配線31と配線32とは、1本の配線にまとめることが可能である。したがって、配線31と配線32とを接続して、1本の配線にすることが可能である。このとき、トランジスタ12Tとトランジスタ13Tとは、同じ極性であることが望ましい。その場合の回路図を図58に示す。
【0082】
例えば、配線32と配線33とは、1本の配線にまとめることが可能である。したがって、配線32と配線33とを接続して、1本の配線にすることが可能である。このとき、トランジスタ13Tとトランジスタ14Tとは、同じ極性であることが望ましい。その場合の回路図を図59に示す。
【0083】
なお、配線31と配線33とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ12Tとトランジスタ14Tとは、同じ極性であることが望ましい。その場合の回路図を図60に示す。
【0084】
なお、配線31と配線32と配線33とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ12Tとトランジスタ13Tとトランジスタ14Tとは、同じ極性であることが望ましい。その場合の回路図を図61に示す。
【0085】
なお、配線34と配線31とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ15Tとトランジスタ12Tとは、逆の極性であることが望ましい。その場合の回路図を図64に示す。
【0086】
なお、配線34と配線32とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ15Tとトランジスタ13Tとは、逆の極性であることが望ましい。その場合の回路図を図65に示す。
【0087】
なお、配線34と配線33とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ15Tとトランジスタ14Tとは、逆の極性であることが望ましい。その場合の回路図を図66に示す。
【0088】
なお、配線34の1本と、配線31及び配線32の2本とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ15Tと、トランジスタ12T及びトランジスタ13Tとは、逆の極性であることが望ましい。配線34の1本と、配線31及び配線32の2本とを、1本の配線にまとめた場合の回路図を図67に示す。
【0089】
なお、配線34の1本と、配線31及び配線33の2本とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ15Tと、トランジスタ12T及びトランジスタ14Tとは、逆の極性であることが望ましい。配線34の1本と、配線31及び配線33の2本とを、1本の配線にまとめた場合の回路図を図68に示す。
【0090】
なお、配線34の1本と、配線32及び配線33の2本とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ15Tと、トランジスタ13T及びトランジスタ14Tとは、逆の極性であることが望ましい。配線34の1本と、配線32及び配線33の2本とを、1本の配線にまとめた場合の回路図を図69に示す。
【0091】
なお、配線34の1本と、配線31、配線32及び配線33の3本とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ15Tと、トランジスタ12T、トランジスタ13T及びトランジスタ14Tとは、逆の極性であることが望ましい。配線34の1本と、配線31、配線32及び配線33の3本とを、1本の配線にまとめた場合の回路図を図70に示す。
【0092】
なお、トランジスタ11は、電流を流すときには、飽和領域で動作する場合が多い。よって、チャネル長またはゲート長を、トランジスタ12T、トランジスタ13T、トランジスタ14T、トランジスタ15T、トランジスタ16Tよりも長くすることが望ましい。チャネル長またはゲート長を長くすることにより、飽和領域での特性がフラットになり、キンク効果を低減することが出来る。ただし、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されない。
【0093】
なお、トランジスタ11は、電流を流すときには、飽和領域で動作する場合が多い。よって、チャネル幅またはゲート幅を、トランジスタ12T、トランジスタ13T、トランジスタ14T、トランジスタ15T、トランジスタ16Tよりも長くすることが望ましい。チャネル幅またはゲート幅を長くすることにより、飽和領域においても、多くの電流を流すことが出来る。ただし、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されない。
【0094】
なお図28で示したように回路10を画素100として用いる場合に、当該画素100を有する表示装置のブロック図の一例について図29に示す。
【0095】
表示装置は、例えば、信号線駆動回路201、走査線駆動回路202A、走査線駆動回路202B、走査線駆動回路202C、走査線駆動回路202D、走査線駆動回路202E、及び画素領域203を有する。画素領域203には、信号線駆動回路201から列方向に伸張して配置された複数の信号線S1〜Snが設けられている。また画素領域203には、走査線駆動回路202Aから行方向に伸張して配置された複数の走査線Ga1〜Gamが設けられている。また画素領域203には、走査線駆動回路202Bから行方向に伸張して配置された複数の走査線Gb1〜Gbmが設けられている。また画素領域203には、走査線駆動回路202Cから行方向に伸張して配置された複数の走査線Gc1〜Gcmが設けられている。また画素領域203には、走査線駆動回路202Dから行方向に伸張して配置された複数の走査線Gd1〜Gdmが設けられている。また画素領域203には、走査線駆動回路202Eから行方向に伸張して配置された複数の走査線Ge1〜Gemが設けられている。また画素領域203には、マトリクスに配置された複数の画素100が設けられている。また、信号線S1〜Snと平行に電源線P1〜Pn、L1〜Lnを有している。そして、各画素100は、それぞれ、信号線Sj(信号線S1〜Snのうちいずれか一)、走査線Gai(走査線Ga1〜Gamのうちいずれか一)、走査線Gbi(走査線Gb1〜Gbmのうちいずれか一)、走査線Gci(走査線Gc1〜Gcmのうちいずれか一)、走査線Gdi(走査線Gd1〜Gdmのうちいずれか一)、走査線Gei(走査線Ge1〜Gemのうちいずれか一)、電源線Pj(電源線P1〜Pnのうちいずれか一)、及び電源線Lj(電源線L1〜Lnのうちいずれか一)と接続されている。
【0096】
なお、走査線Gaiは図2(A)の配線31に相当する。走査線Gbjは図2(A)の配線32に相当する。走査線Gcjは図2(A)の配線33に相当する。走査線Gdjは図2(A)の配線34に相当する。走査線Gejは図2(A)の配線35に相当する。信号線Sjは図2(A)の配線19に相当する。電源線Pjは図2(A)の配線21に相当する。電源線Ljは図2(A)の配線22に相当する。なお図29では図示していないが各画素には各画素共通のカソード線が設けられており、当該カソード線が図2(A)の配線20に相当する。
【0097】
なお、電源線Pjは、左右の画素でまとめて、例えば、2画素につき1本にして、本数を減らすことも可能である。または、電源線Ljは、左右の画素でまとめて、例えば、2画素につき1本にして、本数を減らすことも可能である。
【0098】
なお、電源線Pjは、行方向に伸張して、走査線Gaiなどと平行に配置することも可能である。その場合、電源線Pjは、上下の画素でまとめて、例えば、2画素につき1本にして、本数を減らすことも可能である。または、電源線Ljは、行方向に伸張して、走査線Gaiなどと平行に配置することも可能である。その場合、電源線Ljは、上下の画素でまとめて、例えば、2画素につき1本にして、本数を減らすことも可能である。
【0099】
なお図2(A)において負荷17が発光素子の場合には、回路10は画素に相当するものとなる。図2(A)の負荷17を発光素子とし、回路10を画素とした場合の回路図を図25に示す。図25において、画素100は、トランジスタ102T、トランジスタ103T、トランジスタ104T、トランジスタ105T、トランジスタ106T、発光素子107、容量素子108、トランジスタ101を有する。トランジスタ101は、回路を電流源として機能させることができる。また画素100は、配線109、配線110、配線111及び配線112に接続される。またトランジスタ102T乃至トランジスタ106Tのゲートには、Hレベルの電位またはLレベルの電位が供給されることで導通状態または非導通状態を制御し、走査線としての機能を有する配線131乃至配線135が接続される。
【0100】
なお図25に示すトランジスタ102T、トランジスタ103T、トランジスタ104T、トランジスタ105T、トランジスタ106Tは、図2(A)に示すトランジスタ12T、トランジスタ13T、トランジスタ14T、トランジスタ15T、トランジスタ16Tに相当する。また図25に示す容量素子108、トランジスタ101、配線109、配線110、配線111及び配線112は、図2(A)に示す容量素子18、トランジスタ11、配線19、配線20、配線21及び配線22に相当する。また図25に示す配線131乃至配線135は、図2(A)に示す配線31乃至配線35に相当する。
【0101】
なお上記した図58乃至図61、図64乃至図70で示した複数本の配線を一本の配線にまとめる構成では、画素に接続する走査線としての機能を有する配線を削減することができる。
【0102】
具体的な一例を挙げて説明すると、図60で示す配線31と配線33とを一本の配線にまとめる構成において、負荷17を発光素子とする場合を図25と同様に図示すると、図62(A)のような回路構成となる。図62(A)では、図25における配線131と配線135とを一本の配線131にまとめる構成を表している。
【0103】
なお図62(B)では、図25で示した画素の構成を簡略化した図を示している。図62(B)では、画素100に接続される配線と画素の各端子の対応関係を表している。
【0104】
ここで図62(A)のような回路構成を、画素100をマトリクス状にした場合、図62(B)に示した各配線と画素の対応関係と同様に表すことができ、図63(A)のような回路構成として表すことができる。図63(A)の回路構成の場合、配線135が削減された分だけ、画素が設けられる領域での配線が占める面積を削減することができる。なお図63(A)に示す回路127Aは、図2(A)で説明した回路27Aと同様の機能を有する回路である。
【0105】
また、画素が設けられる領域の外で、図63(A)で説明した配線を共通化する構成とすることも可能である。具体的には、図63(B)に示すように、回路127Aに接続される配線を画素に引き回す前に分離し、各画素にそれぞれ該配線を接続する構成とすることもできる。当該構成とすることで、回路127Aの出力端子の数を削減することができる。
【0106】
次いで図1(A)に示す回路10の動作について説明する。図1(A)に示す回路10の動作は、主に第1の動作、第2の動作、第3の動作に分けることができる。ただし、これに限定されず、さらに動作が追加されたり、一部の動作が削除されることも可能である。
【0107】
なお回路10の動作を上述した図29の表示装置における画素100でいえば、第1の動作は、走査線駆動回路202A乃至202Eから出力される信号により各走査線を選択し、そして、選択された走査線に接続されている画素100の各ノードの電位の初期化(第1の動作)を行う動作である。また第2の動作は、初期化を終えた画素100にビデオ信号を書き込み、トランジスタのしきい値電圧を取得する動作である。また第3の動作は、ビデオ信号の書き込みによるトランジスタのしきい値電圧の取得を終えて発光動作に移り、その画素へ書き込まれたビデオ信号にしたがって発光する動作である。
【0108】
なお、図1(A)に示す回路構成の動作を説明するため、図2(B)には各素子の間のノード(節点)の電位及び各配線の電位を説明するための符号を付して示している。また図2(B)にはトランジスタ11の主にソースとなる一方の端子とゲートとの間の電圧Vgs、容量素子18の電極間の電圧Vcにも符号を付して示している。
【0109】
図2(B)に示す各ノード及び各配線にあたるのは、nodeA、nodeB、nodeC、nodeD、nodeE、nodeF、nodeG及びnodeHである。ノードnodeAの電位は、配線19の電位に相当する。またノードnodeBの電位は、トランジスタ11の第1端子、スイッチ12の第1端子、スイッチ15の第1端子、及び負荷17の一方の電極を接続する配線の電位に相当する。またノードnodeCの電位は、配線20の電位に相当する。またノードnodeDの電位は、容量素子18の他方の電極及びスイッチ14の第1端子及びスイッチ15の第2端子を接続する配線の電位に相当する。またノードnodeEの電位は、トランジスタ11のゲート、容量素子18の一方の電極及びスイッチ13の第1端子を接続する配線の電位に相当する。またノードnodeFの電位は、トランジスタ11の第2端子、スイッチ13の第2端子及びスイッチ16の第1端子を接続する配線の電位に相当する。またノードnodeGの電位は、配線21の電位に相当する。またノードnodeHの電位は、配線22の電位に相当する。
【0110】
まず第1の動作について図3(A)に示し説明する。なお図3(A)の図中の各素子の符号については省略し、各スイッチの導通状態及び非導通状態をON及びOFFで表している。また図2(B)で説明した電圧Vgs、電圧Vc、nodeA、nodeB、nodeC、nodeD、nodeE、nodeF、nodeG及びnodeHの印加状態について示している。
【0111】
第1の動作は、各ノードの電位を初期化する動作である。具体的にはnodeAをVsig、nodeCをVcat、nodeGをVDD、nodeHをV1にする。そしてスイッチ12、スイッチ13、スイッチ14及びスイッチ16を導通状態にし、スイッチ15を非導通状態にする。すると、nodeBがVsig、nodeDがV1、nodeEがVDD、nodeFがVDDとなる。そしてVgsは(VDD−Vsig)となり、Vcは(VDD−V1)となる。
【0112】
前述したようにnodeAのVsigは、第3の動作において配線21と配線20との間を流れる電流量をトランジスタ11で制御するための電位である。加えてnodeAのVsigは、一例としては、nodeCのVcatと等しい、または、それより小さくしておく。当該構成により第1の動作時において、負荷17に流れる電流をなくすことができる。したがって、負荷17に電流が流れてしまうことによる問題を低減することが出来る。さらに、VsigがVcatより小さい場合、負荷17を逆バイアス状態とすることが可能である。その場合、負荷17の劣化低減やリペアなどを行うことが可能となる。
【0113】
なお前述したように第1の動作において、nodeDの電位V1は、一例としては、nodeAのVsigより高い電位としておく。当該構成により負荷17に電流を流す第3の動作の際、トランジスタ11が飽和領域で動作させることができる。
【0114】
また第1の動作において、nodeE及びnodeFの電位VDDは、一例としては、nodeCのVcatより大きい。当該構成により第1の動作時において、Vgsをトランジスタ11のしきい値電圧より大きい電圧にしておくことが出来る。または、容量素子18に電荷を充電することが出来る。
【0115】
次いで第2の動作について図3(B)に示し、図3(A)と同様にして説明する。
【0116】
第2の動作は、トランジスタ11のゲートの電位(または容量素子18に充電された電荷)を放電することで、トランジスタ11のしきい値電圧をVgsで取得させる動作である。具体的にはnodeAをVsig、nodeCをVcat、nodeGをVDD、nodeHをV1にする。そしてスイッチ12、スイッチ13及びスイッチ14を導通状態にし、スイッチ15及びスイッチ16を非導通状態にする。すると、nodeBがVsig、nodeDがV1、nodeEが(Vsig+Vth)、nodeFが(Vsig+Vth)となる。そしてVgsはVthとなり、Vcは(Vsig+Vth−V1)となる。
【0117】
なお前述したように第2の動作において、nodeBのVsigは、第3の動作において配線21と配線20との間を流れる電流量をトランジスタ11で制御するための電位である。第2の動作により、トランジスタ11のゲートの電位にあたるnodeEは、(Vsig+Vth)というようにトランジスタ11のしきい値電圧を取得した値とすることができる。
【0118】
また第1の動作時におけるnodeE及びnodeFの電位VDDは、第2の動作により放電される。当該放電により、Vgsはトランジスタ11のしきい値電圧Vthまで低下して定常状態となる。そのため、前述の放電によりnodeE及びnodeFは、(Vsig+Vth)で定常状態となる。そして、第2の動作終了時にVcは、(Vsig+Vth−V1)が保持された状態となる。
【0119】
なお、Vgsはトランジスタ11のしきい値電圧Vthに等しくなるまでには、非常に長い時間が必要となる場合がある。したがって、Vgsは、しきい値電圧Vthまで完全に低下させずに、動作させる場合も多い。つまり、Vgsは、しきい値電圧Vthよりも、わずかに大きい値となった状態で、第2の動作が終了する場合も多い。つまり、第2の動作が終了した時点では、しきい値電圧に応じた大きさの電圧になっている、ということも出来る。
【0120】
次いで第3の動作について図3(C)に示し、図3(A)及び図3(B)と同様にして説明する。
【0121】
第3の動作は、トランジスタ11を電流源の一部として用いて、負荷17に電流を出力する動作である。具体的にはnodeAは任意であるが例えばVsig、nodeCをVcat、nodeGをVDD、nodeHは任意であるが例えばV1にする。そしてスイッチ15及びスイッチ16を導通状態にし、スイッチ12、スイッチ13及びスイッチ14を非導通状態にする。すると、nodeB及びnodeDがVel、nodeEが(Vsig+Vth−V1+Vel)、nodeFがVDDとなる。そしてVgsは(Vsig+Vth−V1)となり、Vcは(Vsig+Vth−V1)となる。
【0122】
なお第3の動作において、nodeB、nodeD及びnodeFの電位は、nodeEを電気的に浮遊状態とした状態のままで、上昇する。従ってVcの(Vsig+Vth−V1)を保持した状態で、容量結合によりnodeEの電位は上昇し、(Vsig+Vth−V1+Vel)となる。つまり、nodeB及びnodeDの電位が上昇することによって、ブートストラップ動作により、nodeEの電位も上昇する。
【0123】
このように、nodeB及びnodeDの電位が上昇しても、動作できるため、負荷(例えば、表示素子、発光素子)の電圧電流特性が劣化しても、その影響を低減することができる。
【0124】
なおnodeB及びnodeDの電位であるVelは、nodeFがVDDに上昇し、第3の動作により回路を電流源として機能させることができるトランジスタ11を介して、負荷17に電流を流す際に設定される電位である。具体的には、VDDとVcatとの間の電位に設定されることとなる。
【0125】
第3の動作においてトランジスタ11のVgsは、(Vsig+Vth−V1)となり、トランジスタ11のしきい値電圧を加味した値に設定することができる。トランジスタ11の電流の大きさは、Vgs−Vthに応じて変化する。従って、本実施の形態の構成により、負荷に供給する電流値への、トランジスタのしきい値電圧のばらつきの影響を低減することができる。または、トランジスタが劣化して、しきい値電圧が変化していっても、その影響を低減することができる。そのため、表示素子の場合、表示ムラを低減でき、質の良い表示を行うことができる。
【0126】
なお、第1の動作を行う前に、負荷17または容量素子18を事前に充電または放電するような動作を行うことが可能である。つまり、初期化動作のためのプリチャージ動作を行うことが可能である。その場合の動作について、図3(D)に示す。
【0127】
具体的にはnodeAは、任意の値であり、nodeCをVcat、nodeGをVDD、nodeHをV1にする。そしてスイッチ12を非導通状態にする。スイッチ14とスイッチ15を導通状態にする。その結果、nodeBがV1となり、負荷17を事前に充電または放電することが可能となる。このとき、スイッチ13とスイッチ16は、非導通状態でもよい。ただし、スイッチ13とスイッチ16を導通状態にすることによって、容量素子18の電荷も事前に充電または放電することが可能となる。
【0128】
この動作では、スイッチ12が非導通状態であるため、nodeAは任意の値でよい。したがって、別の画素に、配線19から信号を供給しながら、本画素でプリチャージ動作を行うことが出来る。そのため、動作させるための時間を長くとることが出来る。また、本プリチャージ動作を行うことにより、動作1の初期化動作を素早く完了させることが出来る。
【0129】
なお、このプリチャージ動作を行うときに、負荷17に電流が流れないようにしたい場合には、電位V1は、Vcatと同じか、それ以下の電位にすることが好適である。ただし、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されない。
【0130】
なお、本プリチャージ動作は、行わないことも可能である。
【0131】
なお、本実施の形態の回路構成を図1(A)で示したが、本発明の一態様はこれに限定されない。図3(A)乃至(C)で説明したトランジスタのしきい値電圧を補正する動作と同様の動作となるように、スイッチの配置や数を変更することや、適切な電圧を供給することにより、様々な回路を用いて構成することが出来る。
【0132】
例えば、具体的にはスイッチ12、スイッチ13、スイッチ14、スイッチ15及びスイッチ16は、ノード間の導通状態と非導通状態とを制御できるなら、場所または数はどのように配置しても良い。上記図3(A)での第1の動作でいえば、第1の動作時には図4(A)に示すように接続されていればよい。また上記図3(B)での第2の動作の説明でいえば、第2の動作時には図4(B)に示すように接続されていればよい。また上記図3(C)での第3の動作の説明でいえば、第3の動作時には図4(C)に示すように接続されていればよい。また上記図3(D)での動作の説明でいえば、その動作時には図4(D)に示すように接続されていればよい。各ノードの電位についても、各動作に影響を与えないようなノードについて、任意の大きさの電位にすることが可能である。
【0133】
なおトランジスタのしきい値電圧を補正する動作について図3(A)乃至(C)などで示したが、本発明の一態様はこれに限定されない。例えば、上記図3(B)での第2の動作と上記図3(C)での第3の動作との間にトランジスタ11の移動度のばらつきを補正するための期間を設けても良い。図3(A)乃至(C)で説明した第1の動作乃至第3の動作に、トランジスタ11の移動度の補正をする期間を追加した動作を図5(A)乃至(D)に示す。
【0134】
なお図5(A)に示す第1の動作は、図3(A)で説明した第1の動作と同じであり、説明を省略する。また図5(B)に示す第2の動作は、図3(B)で説明した第2の動作と同じであり、説明を省略する。
【0135】
次いで第3の動作について図5(C)に示し、図3(A)及び図3(B)と同様にして説明する。
【0136】
第3の動作は、トランジスタ11のゲートに保持された電位(容量素子18に保存された電荷)を利用してトランジスタ11を導通状態にし、流れる電流量の大きさを利用してトランジスタ11の移動度の補正を行う動作である。具体的にはnodeAは任意であるが例えばVsig、nodeCをVcat、nodeGは任意であるが例えばVDD、nodeHは任意であるが例えばV1にする。そしてスイッチ13及びスイッチ15を導通状態にし、スイッチ12、スイッチ14及びスイッチ16を非導通状態にする。すると、nodeB及びnodeDがVsig、nodeE及びnodeFが(2×Vsig+Vth−V1−ΔVel)となる。そしてVgsは(Vsig+Vth−V1−ΔVel)となり、Vcは(Vsig+Vth−V1−ΔVel)となる。
【0137】
なお第3の動作において、スイッチ13及びスイッチ15を導通状態にし、スイッチ12、スイッチ14及びスイッチ16を非導通状態にした直後では、Vgsは(Vsig+Vth−V1)となりしきい値電圧Vthより大きくなる。そのため、容量素子18に保存された電荷は、トランジスタ11を介して流れ出す。トランジスタ11に電流が流れると、nodeE及びnodeFが(2×Vsig+Vth−V1−ΔVel)に低下し、VcおよびVgsは(Vsig+Vth−V1−ΔVel)となる。つまり、容量素子18に保存された電荷が、トランジスタ11を介して流れることによって、ΔVelだけ電圧が小さくなる。
【0138】
前述のトランジスタ11の電圧の変化量(ΔVel)は、トランジスタの移動度に応じて変化する。従ってトランジスタ11の移動度に応じた電位の変動分を予めトランジスタのゲートの電位に相当するnodeEに、加味した値で設定することができる。
【0139】
第3の動作においてトランジスタ11のVgsは、(Vsig+Vth−V1−ΔVel)となり、トランジスタ11の移動度を加味した値に設定することができる。従って、本実施の形態の構成により、負荷に供給する電流値への、トランジスタの移動度のばらつきの影響を低減することができる。または、トランジスタが劣化して、移動度が変化していっても、その影響を低減することができる。
【0140】
次いで第4の動作について図5(D)に示し、図3(A)及び図3(B)と同様にして説明する。なお図5(D)に示す第4の動作は、図3(C)で説明した第3の動作と同じであり、異なる点のみ説明する。
【0141】
第4の動作によって、nodeB及びnodeDがVel、nodeEが(Vsig+Vth−V1+Vel−ΔVel)、nodeFがVDDとなる。そしてVgsは(Vsig+Vth−V1−ΔVel)となり、Vcは(Vsig+Vth−V1−ΔVel)となる。
【0142】
第4の動作においてトランジスタ11のVgsは、(Vsig+Vth−V1−ΔVel)となり、トランジスタ11のしきい値電圧及び移動度を加味した値に設定することができる。従って、本実施の形態の構成により、負荷に供給する電流値への、トランジスタのしきい値電圧及び移動度のばらつきの影響を低減することができる。
【0143】
なお図5(A)乃至(D)で説明したトランジスタのしきい値電圧を補正する動作と同様の動作となるように、スイッチの配置や数を変更することや、適切な電圧を供給することにより、様々な回路を用いて構成することが出来る。
【0144】
例えば、具体的にはスイッチ12、スイッチ13、スイッチ14、スイッチ15及びスイッチ16は、ノード間の導通状態と非導通状態とを制御できるなら、場所または数はどのように配置しても良い。上記図5(A)での第1の動作でいえば、第1の動作時には図6(A)に示すように接続されていればよい。また上記図5(B)での第2の動作の説明でいえば、第2の動作時には図6(B)に示すように接続されていればよい。また上記図5(C)での第3の動作の説明でいえば、第3の動作時には図6(C)に示すように接続されていればよい。また上記図5(D)での第4の動作の説明でいえば、第4の動作時には図6(D)に示すように接続されていればよい。各ノードの電位についても、各動作に影響を与えないようなノードについて、任意の大きさの電位にすることが可能である。
【0145】
なお、本実施の形態の回路構成を図1(A)で示したが、本発明の一態様はこれに限定されない。トランジスタ11の数や配置を変更することにより、様々な回路を用いて構成することが出来る。
【0146】
なお、図5及び図6のように、トランジスタ11の移動度の補正をする動作を行った場合でも、図3(D)および図4(D)と同様に、プリチャージ動作を行うことが可能である。
【0147】
例えば、図7に示す回路10Aのように、回路を電流源として機能させることができるトランジスタとしてトランジスタ11Aとトランジスタ11Bとをゲートを共通化して直列接続した構成とすることもできる。なお、図1(A)の構成と共通するところは共通の符号を用いてその説明を省略する。これにより、飽和領域での特性がフラットになり、キンク効果を低減することが出来る。
【0148】
また別の構成として例えば、図8に示す回路10Bのように、回路を電流源として機能させることができるトランジスタとしてトランジスタ11Aとトランジスタ11Bとをゲートを共通化して並列接続した構成とすることもできる。なお、図1(A)の構成と共通するところは共通の符号を用いてその説明を省略する。これにより、飽和領域においても、多くの電流を流すことが出来る。これにより、飽和領域での特性がフラットになり、キンク効果を低減することが出来る。
【0149】
また別の構成として例えば、図9に示す回路10Cのように、回路を電流源として機能させることができるトランジスタとしてトランジスタ11A、トランジスタ11B、トランジスタ11C、トランジスタ11Dをゲートを共通化して直列接続及び並列接続した構成とすることもできる。なお、図1(A)の構成と共通するところは共通の符号を用いてその説明を省略する。
【0150】
図7乃至図9の構成を適用することで、トランジスタ11のチャネル幅及び/またはチャネル長を可変することができる。図7乃至図9の構成に示すように複数のトランジスタを組み合わせてチャネル幅及び/またはチャネル長を可変する構成とすることにより、最初からチャネル幅及び/またはチャネル長の大きいトランジスタを設ける構成に比べ、トランジスタ特性のばらつきの影響を小さくすることができる。
【0151】
なお、本実施の形態において、トランジスタのしきい値電圧などのばらつきを補正するような動作を行ったが、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されない。例えば、しきい値電圧のばらつきを補正するような動作を行わずに、負荷17に電流を供給させて動作させることも可能である。
【0152】
なお、図1(A)などは、回路構成の一例であるため、さらに、トランジスタを追加して設けることが可能である。逆に、図1(A)などの各ノードにおいて、追加してトランジスタ、スイッチ、受動素子などを設けないようにすることも可能である。例えば、nodeA、nodeB、nodeC、nodeD、nodeE、nodeF、nodeGまたは/および、nodeHにおいて、直接的に接続されたトランジスタを、これ以上は設けないようにすることが可能である。
【0153】
本実施の形態は、基本原理の一例について述べたものである。したがって、本実施の形態の一部または全部について、他の実施の形態の一部また全部と、自由に組み合わせたり、適用することや、置き換えて実施することができる。
【0154】
(実施の形態2)
本実施の形態においては実施の形態1で述べた回路構成とは、一部が別の構成となっている場合の例について説明する。したがって、実施の形態1で述べた内容は、本実施の形態で述べる内容に対しても、適用することが可能である。
【0155】
図10(A)には、図1(A)の回路10と類似した回路構成を有する回路10pを示す。図10(A)に示す回路10pが図1(A)に示す回路10と異なる点は、電位V1を供給する配線22を省略し、スイッチ14の第2端子を配線20に接続する回路構成とする点にある。なお、図1(A)の構成と共通するところは共通の符号を用いてその説明を省略する。
【0156】
なお図10(A)において負荷17が発光素子の場合には、回路10pは画素に相当するものとなる。図10(A)の負荷17を発光素子とし、回路10pを画素とした場合の回路図を図30に示す。図30において、画素100pは、スイッチ102、スイッチ103、スイッチ104、スイッチ105、スイッチ106、発光素子107、容量素子108、回路を電流源として機能させることができるトランジスタ101を有する。また画素100pは、配線109、配線110及び配線111に接続される。
【0157】
なお図30に示すスイッチ102、スイッチ103、スイッチ104、スイッチ105、スイッチ106は、図10(A)に示すスイッチ12、スイッチ13、スイッチ14、スイッチ15、スイッチ16に相当する。また図30に示す容量素子108、トランジスタ101、配線109、配線110及び配線111は、図10(A)に示す容量素子18、トランジスタ11、配線19、配線20及び配線21に相当する。
【0158】
次いで図10(A)に示す回路10pの動作について説明する。図10(A)に示す回路10pの動作は、主に第1の動作、第2の動作、第3の動作に分けることができる。
【0159】
なお、図10(A)に示す回路構成の動作を説明するため、図10(B)には各素子の間のノード(節点)の電位及び各配線の電位を説明するための符号を付して示している。また図10(B)にはトランジスタ11の主にソースとなる一方の端子とゲートとの間の電圧Vgs、容量素子18の電極間の電圧Vcにも符号を付して示している。
【0160】
図10(B)に示す各ノード及び各配線にあたるのは、nodeA、nodeB、nodeC、nodeD、nodeE、nodeF、及びnodeGである。nodeAの電位は、配線19の電位に相当する。またノードnodeBの電位は、トランジスタ11の第1端子、スイッチ12の第1端子、スイッチ15の第1端子及び負荷17の一方の電極を接続する配線の電位に相当する。またnodeCの電位は、配線20の電位に相当する。またnodeDの電位は、スイッチ14の第1端子、スイッチ15の第2端子及び容量素子18の他方の電極を接続する配線の電位に相当する。またnodeEの電位は、トランジスタ11のゲート、容量素子18の一方の電極及びスイッチ13の第1端子を接続する配線の電位に相当する。またノードnodeFの電位は、トランジスタ11の第2端子、スイッチ13の第2端子及びスイッチ16の第1端子を接続する配線の電位に相当する。またノードnodeGの電位は、配線21の電位に相当する。
【0161】
まず第1の動作について図11(A)に示し説明する。なお図10(B)の図中の各素子の符号については省略し、各スイッチの導通状態及び非導通状態をON及びOFFで表している。また図10(B)で説明した電圧Vgs、電圧Vc、nodeA、nodeB、nodeC、nodeD、nodeE、nodeF、及びnodeGの印加状態について示している。
【0162】
第1の動作は、各ノードの電位を初期化する動作である。具体的にはnodeAをVsig、nodeCをVcat、nodeGをVDDにする。そしてスイッチ12、スイッチ13、スイッチ14及びスイッチ16を導通状態にし、スイッチ15を非導通状態にする。すると、nodeBがVsig、nodeDがVcat、nodeEがVDD、nodeFがVDDとなる。そしてVgsは(VDD−Vsig)となり、Vcは(VDD−Vcat)となる。
【0163】
図11(A)に示す第1の動作が実施の形態1の図3(A)と異なる点は、nodeDに供給される電位V1をVcatに置き換える点にある。第1の動作でnodeDに保持する電位は、Vsigより大きい電位であればよいため、Vsigより大きいVcatを第1の動作でnodeDに保持する構成とすることができる。当該構成とすることにより、配線数を増やすことなく、負荷17に電流を流す第3の動作の際、トランジスタ11が飽和領域で動作するように動作させることができる。
【0164】
次いで第2の動作について図11(B)に示し、図11(A)と同様にして説明する。
【0165】
第2の動作は、トランジスタ11のゲートの電位(または容量素子18に充電された電荷)を放電することで、トランジスタ11のしきい値電圧をVgsで取得させる動作である。具体的にはnodeAをVsig、nodeCをVcat、nodeGをVDDにする。そしてスイッチ12、スイッチ13及びスイッチ14を導通状態にし、スイッチ15及びスイッチ16を非導通状態にする。すると、nodeBがVsig、nodeDがVcat、nodeEが(Vsig+Vth)、nodeFが(Vsig+Vth)となる。そしてVgsはVthとなり、Vcは(Vsig+Vth−Vcat)となる。
【0166】
図11(B)に示す第2の動作では、実施の形態1の図3(B)と同様にして、トランジスタ11のゲートの電位にあたるnodeEを(Vsig+Vth)というようにトランジスタ11のしきい値電圧を取得した値とすることができる。また第2の動作により、Vgsはトランジスタ11のしきい値電圧Vthまで低下して定常状態となる。そのため、前述の放電によりnodeE及びnodeFは、(Vsig+Vth)で定常状態となる。そして、第2の動作終了時にVcは、(Vsig+Vth−Vcat)が保持された状態となる。
【0167】
次いで第3の動作について図11(C)に示し、図11(A)及び図11(B)と同様にして説明する。
【0168】
第3の動作は、トランジスタ11を電流源の一部として用いて、負荷17に電流を出力する動作である。具体的にはnodeAは任意であるが例えばVsig、nodeCをVcat、nodeGをVDDにする。そしてスイッチ15及びスイッチ16を導通状態にし、スイッチ12、スイッチ13及びスイッチ14を非導通状態にする。すると、nodeB及びnodeDがVel、nodeEが(Vsig+Vth−Vcat+Vel)、nodeFがVDDとなる。そしてVgsは(Vsig+Vth−Vcat)となり、Vcは(Vsig+Vth−Vcat)となる。
【0169】
図11(C)に示す第3の動作では、実施の形態1の図3(C)と同様にして、nodeB、nodeD及びnodeFの電位が、nodeEを電気的に浮遊状態とした状態のままで、上昇する。従ってVcの(Vsig+Vth−Vcat)を保持した状態で、容量結合によりnodeEの電位は上昇し、(Vsig+Vth−Vcat+Vel)となる。つまり、nodeB及びnodeDの電位が上昇することによって、ブートストラップ動作により、nodeEの電位も上昇する。
【0170】
このように、nodeB及びnodeDの電位が上昇しても、動作できるため、負荷(例えば、表示素子、発光素子)の電圧電流特性が劣化しても、その影響を低減することができる。
【0171】
なお、図3(D)と同様に、第1の動作を行う前に、負荷17または容量素子18を事前に充電または放電するようなプリチャージ動作を行うことが可能である。その場合の動作について、図11(D)に示す。
【0172】
具体的にはnodeAは、任意の値であり、nodeCをVcat、nodeGをVDDにする。そしてスイッチ12を非導通状態にする。スイッチ14とスイッチ15を導通状態にする。その結果、nodeBがVcatとなり、負荷17を事前に充電または放電することが可能となる。このとき、スイッチ13とスイッチ16は、非導通状態でもよい。ただし、スイッチ13とスイッチ16を導通状態にすることによって、容量素子18の電荷も事前に充電または放電することが可能となる。
【0173】
なお、このプリチャージ動作を行うときに、負荷17の両端の電圧は同じになるため、負荷17には、電流が流れないようにすることが出来る。
【0174】
なお、本プリチャージ動作は、行わないことも可能である。
【0175】
なお、本実施の形態の回路構成を図10(A)で示したが、本発明の一態様はこれに限定されない。図11(A)乃至(C)で説明したトランジスタのしきい値電圧を補正する動作と同様の動作となるように、スイッチの配置や数を変更することや、適切な電圧を供給することにより、様々な回路を用いて構成することが出来る。
【0176】
例えば、具体的にはスイッチ12、スイッチ13、スイッチ14、スイッチ15及びスイッチ16は、ノード間の導通状態と非導通状態とを制御できるなら、場所または数はどのように配置しても良い。上記図11(A)での第1の動作でいえば、第1の動作時には図12(A)に示すように接続されていればよい。また上記図11(B)での第2の動作の説明でいえば、第2の動作時には図12(B)に示すように接続されていればよい。また上記図11(C)での第3の動作の説明でいえば、第3の動作時には図12(C)に示すように接続されていればよい。また上記図11(D)での動作の説明でいえば、その動作時には図12(D)に示すように接続されていればよい。各ノードの電位についても、各動作に影響を与えないようなノードについて、任意の大きさの電位にすることが可能である。
【0177】
以上説明したように、本実施の形態で示す回路構成では、上記実施の形態1の構成における配線22を削減しても、上記実施の形態1と同様の動作を行うことができる。従って回路に接続する配線数を削減して、回路の小型化を図ることができる。
【0178】
なお、上記実施の形態1の図5(C)、図6(C)と同様に、図10(A)の回路を用いて、移動度を補正する動作を行うことは可能である。
【0179】
なお、図10(A)などは、回路構成の一例であるため、さらに、トランジスタを追加して設けることが可能である。逆に、図10(A)などの各ノードにおいて、追加してトランジスタ、スイッチ、受動素子などを設けないようにすることも可能である。例えば、nodeA、nodeB、nodeC、nodeD、nodeE、nodeF、または/および、nodeGにおいて、直接的に接続されたトランジスタを、これ以上は設けないようにすることが可能である。
【0180】
本実施の形態は、他の実施の形態の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、本実施の形態の一部または全部について、他の実施の形態の一部または全部と自由に組み合わせたり、適用することや、置き換えて実施することができる。
【0181】
(実施の形態3)
本実施の形態においては実施の形態1及び実施の形態2で述べた回路構成とは、一部が別の構成となっている場合の例について説明する。したがって、実施の形態1及び実施の形態2で述べた内容は、本実施の形態で述べる内容に対しても、適用することが可能である。
【0182】
図13(A)には、図1(A)の回路10と類似した回路構成を有する回路10qを示す。図13(A)に示す回路10qが図1(A)に示す回路10と異なる点は、電位V1を供給する配線22を省略し、スイッチ14の第2端子を配線21に接続する回路構成とする点にある。なお、図1(A)の構成と共通するところは共通の符号を用いてその説明を省略する。
【0183】
なお図13(A)において負荷17が発光素子の場合には、回路10qは画素に相当するものとなる。図13(A)の負荷17を発光素子とし、回路10qを画素とした場合の回路図を図31に示す。図31において、画素100qは、スイッチ102、スイッチ103、スイッチ104、スイッチ105、スイッチ106、発光素子107、容量素子108、トランジスタ101を有する。トランジスタ101は、回路を電流源として機能させることができる。また画素100qは、配線109、配線110及び配線111に接続される。
【0184】
なお図31に示すスイッチ102、スイッチ103、スイッチ104、スイッチ105、スイッチ106は、図13(A)に示すスイッチ12、スイッチ13、スイッチ14、スイッチ15、スイッチ16に相当する。また図31に示す容量素子108、トランジスタ101、配線109、配線110及び配線111は、図13(A)に示す容量素子18、トランジスタ11、配線19、配線20及び配線21に相当する。
【0185】
次いで図13(A)に示す回路10qの動作について説明する。図13(A)に示す回路10qの動作は、主に第1の動作、第2の動作、第3の動作に分けることができる。
【0186】
なお、図13(A)に示す回路構成の動作を説明するため、図13(B)には各素子の間のノード(節点)の電位及び各配線の電位を説明するための符号を付して示している。また図13(B)にはトランジスタ11の主にソースとなる一方の端子とゲートとの間の電圧Vgs、容量素子18の電極間の電圧Vcにも符号を付して示している。
【0187】
図13(B)に示す各ノード及び各配線にあたるのは、nodeA、nodeB、nodeC、nodeD、nodeE、nodeF、及びnodeGである。nodeAの電位は、配線19の電位に相当する。またノードnodeBの電位は、トランジスタ11の第1端子、スイッチ12の第1端子、スイッチ15の第1端子及び負荷17の一方の電極を接続する配線の電位に相当する。またnodeCの電位は、配線20の電位に相当する。またnodeDの電位は、スイッチ14の第1端子、スイッチ15の第2端子及び容量素子18の他方の電極を接続する配線の電位に相当する。またnodeEの電位は、トランジスタ11のゲート、容量素子18の一方の電極及びスイッチ13の第1端子を接続する配線の電位に相当する。またノードnodeFの電位は、トランジスタ11の第2端子、スイッチ13の第2端子及びスイッチ16の第1端子を接続する配線の電位に相当する。またノードnodeGの電位は、配線21の電位に相当する。
【0188】
まず第1の動作について図14(A)に示し説明する。なお図13(B)の図中の各素子の符号については省略し、各スイッチの導通状態及び非導通状態をON及びOFFで表している。また図13(B)で説明した電圧Vgs、電圧Vc、nodeA、nodeB、nodeC、nodeD、nodeE、nodeF、及びnodeGの印加状態について示している。
【0189】
第1の動作は、各ノードの電位を初期化する動作である。具体的にはnodeAをVsig、nodeCをVcat、nodeGをVDDにする。そしてスイッチ12、スイッチ13、スイッチ14及びスイッチ16を導通状態にし、スイッチ15を非導通状態にする。すると、nodeBがVsig、nodeDがVDD、nodeEがVDD、nodeFがVDDとなる。そしてVgsは(VDD−Vsig)となり、容量素子18の電極間の電圧が0となる。
【0190】
図14(A)に示す第1の動作が実施の形態1の図3(A)と異なる点は、nodeDに供給される電位V1を電位VDDに置き換える点にある。第1の動作でnodeDに保持する電位は、Vsigより大きい電位であればよいため、Vsigより大きいVDDを第1の動作でnodeDに保持する構成とすることができる。当該構成とすることにより、配線数を増やすことなく、負荷17に電流を流す第3の動作の際、トランジスタ11が飽和領域で動作するように動作させることができる。
【0191】
次いで第2の動作について図14(B)に示し、図14(A)と同様にして説明する。
【0192】
第2の動作は、トランジスタ11のゲートの電位(または容量素子18に充電された電荷)を放電することで、トランジスタ11のしきい値電圧をVgsで取得させる動作である。具体的にはnodeAをVsig、nodeCをVcat、nodeGをVDDにする。そしてスイッチ12、スイッチ13及びスイッチ14を導通状態にし、スイッチ15及びスイッチ16を非導通状態にする。すると、nodeBがVsig、nodeDがVDD、nodeEが(Vsig+Vth)、nodeFが(Vsig+Vth)となる。そしてVgsはVthとなり、Vcは(Vsig+Vth−VDD)となる。
【0193】
図14(B)に示す第2の動作では、実施の形態1の図3(B)と同様にして、トランジスタ11のゲートの電位にあたるnodeEを(Vsig+Vth)というようにトランジスタ11のしきい値電圧を取得した値とすることができる。また第2の動作により、Vgsはトランジスタ11のしきい値電圧Vthまで低下して定常状態となる。そのため、前述の放電によりnodeE及びnodeFは、(Vsig+Vth)で定常状態となる。そして、第2の動作終了時にVcは、(Vsig+Vth−VDD)が保持された状態となる。
【0194】
次いで第3の動作について図14(C)に示し、図14(A)及び図14(B)と同様にして説明する。
【0195】
第3の動作は、トランジスタ11を電流源の一部として用いて、負荷17に電流を出力する動作である。具体的にはnodeAは任意であるが例えばVsig、nodeCをVcat、nodeGをVDDにする。そしてスイッチ15及びスイッチ16を導通状態にし、スイッチ12、スイッチ13及びスイッチ14を非導通状態にする。すると、nodeB及びnodeDがVel、nodeEが(Vsig+Vth−VDD+Vel)、nodeFがVDDとなる。そしてVgsは(Vsig+Vth−VDD)となり、Vcは(Vsig+Vth−VDD)となる。
【0196】
図14(C)に示す第3の動作では、実施の形態1の図3(C)と同様にして、nodeB、nodeD及びnodeFの電位が、nodeEを電気的に浮遊状態とした状態のままで、上昇する。従ってVcの(Vsig+Vth−VDD)を保持した状態で、容量結合によりnodeEの電位は上昇し、(Vsig+Vth−VDD+Vel)となる。つまり、nodeB及びnodeDの電位が上昇することによって、ブートストラップ動作により、nodeEの電位も上昇する。
【0197】
このように、nodeB及びnodeDの電位が上昇しても、動作できるため、負荷(例えば、表示素子、発光素子)の電圧電流特性が劣化しても、その影響を低減することができる。
【0198】
なお、本実施の形態の回路構成を図13(A)で示したが、本発明の一態様はこれに限定されない。図14(A)乃至(C)で説明したトランジスタのしきい値電圧を補正する動作と同様の動作となるように、スイッチの配置や数を変更することや、適切な電圧を供給することにより、様々な回路を用いて構成することが出来る。
【0199】
例えば、具体的にはスイッチ12、スイッチ13、スイッチ14、スイッチ15及びスイッチ16は、ノード間の導通状態と非導通状態とを制御できるなら、場所または数はどのように配置しても良い。上記図14(A)での第1の動作でいえば、第1の動作時には図15(A)に示すように接続されていればよい。また上記図14(B)での第2の動作の説明でいえば、第2の動作時には図15(B)に示すように接続されていればよい。また上記図14(C)での第3の動作の説明でいえば、第3の動作時には図15(C)に示すように接続されていればよい。各ノードの電位についても、各動作に影響を与えないようなノードについて、任意の大きさの電位にすることが可能である。
【0200】
以上説明したように、本実施の形態で示す回路構成では、上記実施の形態1の構成における配線22を削減しても、上記実施の形態1と同様の動作を行うことができる。従って回路に接続する配線数を削減して、回路の小型化を図ることができる。
【0201】
なお、上記実施の形態1の図5(C)、図6(C)と同様に、図13(A)の回路を用いて、移動度を補正する動作を行うことは可能である。
【0202】
なお、図13(A)などは、回路構成の一例であるため、さらに、トランジスタを追加して設けることが可能である。逆に、図13(A)などの各ノードにおいて、追加してトランジスタ、スイッチ、受動素子などを設けないようにすることも可能である。例えば、nodeA、nodeB、nodeC、nodeD、nodeE、nodeF、または/および、nodeGにおいて、直接的に接続されたトランジスタを、これ以上は設けないようにすることが可能である。
【0203】
本実施の形態は、他の実施の形態の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、本実施の形態の一部または全部について、他の実施の形態の一部または全部と自由に組み合わせたり、適用することや、置き換えて実施することができる。
【0204】
(実施の形態4)
本実施の形態においては実施の形態1乃至実施の形態3で述べた回路構成とは、一部が別の構成となっている場合の例について説明する。したがって、実施の形態1乃至実施の形態3で述べた内容は、本実施の形態で述べる内容に対しても、適用することが可能である。
【0205】
図16には、図2(A)の回路10と類似した回路構成を有する回路10rを示す。図16に示す回路10rが図2(A)に示す回路10と異なる点は、電位V1を供給する配線22を省略し、スイッチ14の第2端子を配線34に接続する回路構成とする点、及びトランジスタ12T乃至トランジスタ16Tをスイッチ12乃至スイッチ16とした点にある。なお、図2(A)の構成と共通するところは共通の符号を用いてその説明を省略する。
【0206】
なお図16において負荷17が発光素子の場合には、回路10rは画素に相当するものとなる。図16の負荷17を発光素子とし、回路10rを画素とした場合の回路図を図32に示す。図32において、画素100rは、スイッチ102、スイッチ103、スイッチ104、スイッチ105、スイッチ106、発光素子107、容量素子108、トランジスタ101を有する。トランジスタ101は、回路を電流源として機能させることができる。また画素100rは、配線109、配線110及び配線111に接続される。またスイッチ102乃至スイッチ106は、Hレベルの電位またはLレベルの電位が供給されることで導通状態または非導通状態を制御する配線131乃至配線135に接続される。
【0207】
なお図32に示すスイッチ102、スイッチ103、スイッチ104、スイッチ105、スイッチ106は、図16に示すスイッチ12、スイッチ13、スイッチ14、スイッチ15、スイッチ16に相当する。また図32に示す容量素子108、トランジスタ101、配線109、配線110及び配線111は、図16に示す容量素子18、トランジスタ11、配線19、配線20及び配線21に相当する。また図32に示す配線131乃至配線135は、配線31乃至配線35に相当する。
【0208】
図16に示す回路10rの動作は、上記実施の形態1乃至3で説明した動作と同様に、主に第1の動作、第2の動作、第3の動作に分けることができる。
【0209】
なお図16に示す回路10rの構成では、実施の形態1の図3と異なる点として、nodeDに供給する電位V1を、スイッチ15の導通状態または非導通状態を制御する配線のLレベルの電位に置き換えて用いる点にある。この場合、図16に示す回路10rの動作における第1の動作でnodeDに保持する電位は、Vsigより大きい電位であればよいため、スイッチ15の導通状態または非導通状態を制御する配線のLレベルの電位を、Vsigより大きい電位に設定しておけばよい。当該構成とすることにより、配線数を増やすことなく、負荷17に電流を流す第3の動作の際、トランジスタ11が飽和領域で動作するように動作させることができる。
【0210】
以上説明したように、本実施の形態で示す回路構成では、上記実施の形態1の構成における配線22を削減しても、上記実施の形態1と同様の動作を行うことができる。従って回路に接続する配線数を削減して、回路の小型化を図ることができる。
【0211】
なお、上記実施の形態1の図5(C)、図6(C)と同様に、図16の回路を用いて、移動度を補正する動作を行うことは可能である。
【0212】
なお、上記実施の形態1の図3(D)、図4(D)と同様に、図16の回路を用いて、プリチャージ動作を行うことは可能である。
【0213】
なお、図16などは、回路構成の一例であるため、さらに、トランジスタを追加して設けることが可能である。逆に、図16などの各ノードにおいて、追加してトランジスタ、スイッチ、受動素子などを設けないようにすることも可能である。例えば、nodeA、nodeB、nodeC、nodeD、nodeE、nodeF、または/および、nodeGにおいて、直接的に接続されたトランジスタを、これ以上は設けないようにすることが可能である。
【0214】
本実施の形態は、他の実施の形態の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、本実施の形態の一部または全部について、他の実施の形態の一部または全部と自由に組み合わせたり、適用することや、置き換えて実施することができる。
【0215】
(実施の形態5)
本実施の形態においては実施の形態1乃至実施の形態4で述べた回路構成に対して、一部が追加された構成となっている場合の例について説明する。したがって、実施の形態1乃至実施の形態4で述べた内容は、本実施の形態で述べる内容に対しても、適用することが可能である。
【0216】
図17(A)には、図1(A)の回路10にスイッチが追加された回路構成を有する回路10sを示す。図17(A)に示す回路10sが図1(A)に示す回路10と異なる点は、負荷17の一方の電極と、トランジスタ11の第1端子、スイッチ12の第1端子及びスイッチ15の第1端子との間に新たにスイッチ41を設ける回路構成とする点にある。なお、図1(A)の構成と共通するところは共通の符号を用いてその説明を省略する。
【0217】
なお図17(A)において負荷17が発光素子の場合には、回路10sは画素に相当するものとなる。図17(A)の負荷17を発光素子とし、回路10sを画素とした場合の回路図を図33に示す。図33において、画素100sは、スイッチ102、スイッチ103、スイッチ104、スイッチ105、スイッチ106、スイッチ141、発光素子107、容量素子108、トランジスタ101を有する。トランジスタ101は、回路を電流源として機能させることができる。また画素100sは、配線109、配線110、配線111及び配線112に接続される。
【0218】
なお図33に示すスイッチ102、スイッチ103、スイッチ104、スイッチ105、スイッチ106、スイッチ141は、図17(A)に示すスイッチ12、スイッチ13、スイッチ14、スイッチ15、スイッチ16、スイッチ41に相当する。また図33に示す容量素子108、トランジスタ101、配線109、配線110、配線111及び配線112は、図17(A)に示す容量素子18、トランジスタ11、配線19、配線20、配線21及び配線22に相当する。
【0219】
なお、図2(A)と同様に、図17(A)に対して、スイッチ41をトランジスタ41Tで実現し、そのゲートに、配線36を介して、回路27Fが接続された例を図17(B)に示す。
【0220】
なお、配線36と配線34を、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ41Tとトランジスタ15Tとは、同じ極性であることが望ましい。その場合の回路図を図71に示す。
【0221】
なお、配線36と配線31とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ41Tとトランジスタ12Tとは、逆の極性であることが望ましい。その場合の回路図を図72に示す。
【0222】
なお、配線36と配線32とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ41Tとトランジスタ13Tとは、逆の極性であることが望ましい。その場合の回路図を図73に示す。
【0223】
なお、配線36と配線33とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ41Tとトランジスタ14Tとは、逆の極性であることが望ましい。その場合の回路図を図74に示す。
【0224】
なお、配線36と配線34の2本と、配線31及び配線32の2本とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ41T及びトランジスタ15Tと、トランジスタ12T及びトランジスタ13Tとは、逆の極性であることが望ましい。配線36と配線34の2本と、配線31及び配線32の2本とを、1本の配線にまとめた場合の回路図を図75に示す。
【0225】
なお、配線36と配線34の2本と、配線31及び配線33の2本とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ41T及びトランジスタ15Tと、トランジスタ12T及びトランジスタ14Tとは、逆の極性であることが望ましい。配線36と配線34の2本と、配線31及び配線33の2本とを、1本の配線にまとめた場合の回路図を図76に示す。
【0226】
なお、配線36と配線34の2本と、配線32及び配線33の2本とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ41T及びトランジスタ15Tと、トランジスタ13T及びトランジスタ14Tとは、逆の極性であることが望ましい。配線36と配線34の2本と、配線32及び配線33の2本とを、1本の配線にまとめた場合の回路図を図77に示す。
【0227】
なお、配線36と配線34の2本と、配線31、配線32及び配線33のうちの1本、2本または3本とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ41T及びトランジスタ15Tと、トランジスタ12T、トランジスタ13T及びトランジスタ14Tとは、逆の極性であることが望ましい。配線36と配線34の2本と、配線31、配線32及び配線33の3本とを、1本の配線にまとめた場合の回路図を図78に示す。
【0228】
なお、図10(A)と同様に、図17(A)に対して、配線22を配線20にまとめた場合の例を、図79(A)に示す。図13(A)と同様に、図17(A)に対して、配線22を配線21にまとめた場合の例を、図79(B)に示す。
【0229】
なお、図71から図78で示したように、画素の中で配線をまとめるのではなく、図63(B)に示すように、画素領域の外で、配線を接続させ、画素領域の中では、別々の配線として配置することも可能である。
【0230】
図17(A)に示す回路10sの動作は、上記実施の形態1乃至4で説明した動作と同様に、主に第1の動作、第2の動作、第3の動作に分けることができる。
【0231】
なお図17(A)に示す回路10sの構成では、実施の形態1の図3と異なる点として、第1の動作及び第2の動作時にスイッチ41を非導通状態とし、第3の動作時にスイッチ41を導通状態とする点にある。この場合、第1の動作時及び第2の動作時に負荷17に流れる電流をより確実に低減するとともに、第3の動作時に負荷17に電流を流すことができる。当該構成とすることにより、負荷17に電流がより確実に流れないように動作させることができる。そのため、Vsigは、Vcatよりも低くしなくても、負荷17に電流が流れないようにすることが可能となる。または、スイッチ41によって、負荷17とトランジスタ11とが非導通状態とすることができるため、第1の動作または第2の動作において、負荷17を充電または放電する必要がないため、素早く定常状態にすることができ、信号の入力を早く完了させることが出来る。
【0232】
なお、スイッチ41は、図3(D)および図4(D)のようなプリチャージ動作のときには、負荷17を充電または放電する必要がないため、非導通状態であることが好適である。ただし、負荷17を充電または放電したい場合には、導通状態であることが好適である。
【0233】
なお、上記実施の形態1の図5(C)、図6(C)と同様に、図17(A)の回路を用いて、移動度を補正する動作を行うことは可能である。その場合、スイッチ41は、導通状態でもよいし、非導通状態でもよい。
【0234】
なお図17(A)に示すスイッチ41を設ける構成とは、別の構成について図18(A)に示す。
【0235】
図18(A)には、図1(A)の回路10にスイッチが追加された回路構成を有する回路10tを示す。図18(A)に示す回路10tが図17(A)に示す回路10sと異なる点は、負荷17の一方の電極及びスイッチ15の第1端子と、トランジスタ11の第1端子及びスイッチ12の第1端子との間にスイッチ42を設ける回路構成とする点にある。なお、図1(A)の構成と共通するところは共通の符号を用いてその説明を省略する。
【0236】
なお図18(A)において負荷17が発光素子の場合には、回路10tは画素に相当するものとなる。図18(A)の負荷17を発光素子とし、回路10tを画素とした場合の回路図を図34に示す。図34において、画素100tは、スイッチ102、スイッチ103、スイッチ104、スイッチ105、スイッチ106、スイッチ142、発光素子107、容量素子108、トランジスタ101を有する。トランジスタ101は、回路を電流源として機能させることができる。また画素100tは、配線109、配線110、配線111及び配線112に接続される。
【0237】
なお図34に示すスイッチ102、スイッチ103、スイッチ104、スイッチ105、スイッチ106、スイッチ142は、図18(A)に示すスイッチ12、スイッチ13、スイッチ14、スイッチ15、スイッチ16、スイッチ42に相当する。また図34に示す容量素子108、トランジスタ101、配線109、配線110、配線111及び配線112は、図18(A)に示す容量素子18、トランジスタ11、配線19、配線20、配線21及び配線22に相当する。
【0238】
なお、図2(A)と同様に、図18(A)に対して、スイッチ42をトランジスタ42Tで実現し、そのゲートに、配線37を介して、回路27Gが接続された例を図18(B)に示す。
【0239】
なお、配線37と配線34を、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ42Tとトランジスタ15Tとは、同じ極性であることが望ましい。その場合の回路図を図80に示す。
【0240】
なお、配線37と配線31とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ42Tとトランジスタ12Tとは、逆の極性であることが望ましい。その場合の回路図を図81に示す。
【0241】
なお、配線37と配線32とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ42Tとトランジスタ13Tとは、逆の極性であることが望ましい。その場合の回路図を図82に示す。
【0242】
なお、配線37と配線33とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ42Tとトランジスタ14Tとは、逆の極性であることが望ましい。その場合の回路図を図83に示す。
【0243】
なお、配線37と配線34の2本と、配線31及び配線32の2本とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ42T及びトランジスタ15Tと、トランジスタ12T及びトランジスタ13Tとは、逆の極性であることが望ましい。配線37と配線34の2本と、配線31及び配線32の2本とを、1本の配線にまとめた場合の回路図を図84に示す。
【0244】
なお、配線37と配線34の2本と、配線31及び配線33の2本とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ42T及びトランジスタ15Tと、トランジスタ12T及びトランジスタ14Tとは、逆の極性であることが望ましい。配線37と配線34の2本と、配線31及び配線33の2本とを、1本の配線にまとめた場合の回路図を図85に示す。
【0245】
なお、配線37と配線34の2本と、配線32及び配線33の2本とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ42T及びトランジスタ15Tと、トランジスタ13T及びトランジスタ14Tとは、逆の極性であることが望ましい。配線37と配線34の2本と、配線32及び配線33の2本とを、1本の配線にまとめた場合の回路図を図86に示す。
【0246】
なお、配線37と配線34の2本と、配線31、配線32及び配線33のうちの1本、2本または3本とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ42T及びトランジスタ15Tと、トランジスタ12T、トランジスタ13T及びトランジスタ14Tとは、逆の極性であることが望ましい。配線37と配線34の2本と、配線31、配線32及び配線33の3本とを、1本の配線にまとめた場合の回路図を図87に示す。
【0247】
なお、図10(A)と同様に、図18(A)に対して、配線22を配線20にまとめた場合の例を、図88(A)に示す。図13(A)と同様に、図18(A)に対して、配線22を配線21にまとめた場合の例を、図88(B)に示す。
【0248】
なお、図80から図87で示したように、画素の中で配線をまとめるのではなく、図63(B)に示すように、画素領域の外で、配線を接続させ、画素領域の中では、別々の配線として配置することも可能である。
【0249】
なお図18(A)に示す回路10tの構成では、実施の形態1の図3と異なる点として、第1の動作及び第2の動作時にスイッチ42を非導通状態とし、第3の動作時にスイッチ42を導通状態とする点にある。この場合、第1の動作時及び第2の動作時に負荷17に流れる電流をより確実に低減するとともに、第3の動作時に負荷17に電流を流すことができる。当該構成とすることにより、負荷17に電流がより確実に流れないように動作させることができる。そのため、電位Vsigは、電位Vcatよりも低くしなくても、負荷17に電流が流れないようにすることが可能となる。または、スイッチ42によって、負荷17とトランジスタ11とが非導通状態とすることができるため、第1の動作または第2の動作において、負荷17を充電または放電する必要がないため、素早く定常状態にすることができ、信号の入力を早く完了させることが出来る。
【0250】
なお、スイッチ42およびスイッチ15は、図3(D)および図4(D)のようなプリチャージ動作のときには、負荷17を充電または放電する必要がないため、非導通状態であることが好適である。ただし、負荷17を充電または放電したい場合には、導通状態であることが好適である。
【0251】
なお、上記実施の形態1の図5(C)、図6(C)と同様に、図18(A)の回路を用いて、移動度を補正する動作を行うことは可能である。その場合、スイッチ42は、電流を流すために、導通状態であることが好適である。
【0252】
なお、図17及び図18などは、回路構成の一例であるため、さらに、トランジスタを追加して設けることが可能である。逆に、図17及び図18などの各ノードにおいて、追加してトランジスタ、スイッチ、受動素子などを設けないようにすることも可能である。例えば、nodeA、nodeB、nodeC、nodeD、nodeE、nodeF、nodeG、または/および、nodeHにおいて、直接的に接続されたトランジスタを、これ以上は設けないようにすることが可能である。
【0253】
本実施の形態は、他の実施の形態の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、本実施の形態の一部または全部について、他の実施の形態の一部または全部と自由に組み合わせたり、適用することや、置き換えて実施することができる。
【0254】
(実施の形態6)
本実施の形態においては実施の形態1乃至実施の形態5で述べた回路構成に対して、一部が追加された構成となっている場合について説明する。したがって、実施の形態1乃至実施の形態5で述べた内容は、本実施の形態で述べる内容に対しても、適用することが可能である。
【0255】
図19(A)には、図1(A)の回路10と類似した回路構成を有する回路10vを示す。図19(A)に示す回路10vが図1(A)に示す回路10と異なる点は、配線44、及び第1端子がトランジスタ11の第2端子に接続され、第2端子が配線44に接続されたスイッチ43を設ける点にある。なお、図1(A)の構成と共通するところは共通の符号を用いてその説明を省略する。
【0256】
なお図19(A)において負荷17が発光素子の場合には、回路10vは画素に相当するものとなる。図19(A)の負荷17を発光素子とし、回路10vを画素とした場合の回路図を図35に示す。図35において、画素100vは、スイッチ102、スイッチ103、スイッチ104、スイッチ105、スイッチ106、スイッチ143、発光素子107、容量素子108、トランジスタ101を有する。トランジスタ101は、回路を電流源として機能させることができる。また画素100vは、配線109、配線110、配線111、配線112及び配線144に接続される。
【0257】
なお図35に示すスイッチ102、スイッチ103、スイッチ104、スイッチ105、スイッチ106、スイッチ143は、図19(A)に示すスイッチ12、スイッチ13、スイッチ14、スイッチ15、スイッチ16、スイッチ43に相当する。また図35に示す容量素子108、トランジスタ101、配線109、配線110、配線111、配線112及び配線144は、図19(A)に示す容量素子18、トランジスタ11、配線19、配線20、配線21、配線22及び配線44に相当する。
【0258】
なお配線44は、一例としては、図19(B)に示すように、少なくとも、電位Vinitを供給する機能を有する回路28に接続される。回路28の例としては、電源回路などがある。したがって、配線44は、電位Vinitを、伝えることが出来る機能、または、供給することが出来る機能を有している。
【0259】
電位Vinitは、各ノードの電位の初期化を行う際に容量素子18に電荷を充電するために、設定される電位である。なお配線44に供給する電位は、電位Vinitに限らず、一例としてはVDDであってもよい。
【0260】
なお、配線44は、左右の画素、または、上下の画素でまとめて、例えば、2画素につき1本にして、本数を減らすことも可能である。
【0261】
なお、図2(A)と同様に、図19(A)に対して、スイッチ43をトランジスタ43Tで実現し、そのゲートに、配線38を介して、回路27Hが接続された例を図89に示す。
【0262】
なお、配線38と、別の回路10vの配線31、配線32、及び/又は、配線33とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ43Tと、別の回路10vのトランジスタ12T、トランジスタ13T、及び/又は、トランジスタ14Tとは、同じ極性であることが望ましい。一例として、配線38と、別の回路10vの配線31とを、1本の配線にまとめる場合の回路図を図90に示す。
【0263】
なお、配線38と、別の回路10vの配線34、及び/又は、配線35とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ43Tと、別の回路10vのトランジスタ15T、及び/又は、トランジスタ16Tとは、逆の極性であることが望ましい。一例として、配線38と、別の回路10vの配線34とを、1本の配線にまとめる場合の回路図を図91に示す。
【0264】
なお、配線38と、別の回路10vの配線31、配線32、及び/又は、配線33と、別の回路10vの配線34、及び/又は、配線35とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ43Tと、別の回路10vのトランジスタ12T、トランジスタ13T、及び/又は、トランジスタ14Tとは、同じ極性であり、トランジスタ43Tと、別の回路10vのトランジスタ15T、及び/又は、トランジスタ16Tとは、逆の極性であることが望ましい。一例として、配線38と、別の回路10vの配線31及び配線34とを、1本の配線にまとめる場合の回路図を図92に示す。
【0265】
なお、図90から図92で示したように、画素の中で配線をまとめるのではなく、図63(B)に示すように、画素領域の外で、配線を接続させ、画素領域の中では、別々の配線として配置することも可能である。
【0266】
図19(A)に示す回路10vの動作は、上記実施の形態1乃至5で説明した動作と同様に、主に第1の動作、第2の動作、第3の動作に分けることができる。
【0267】
なお図19(A)に示す回路10vの構成では、実施の形態1の図1(A)と異なる点として、第1の動作乃至第3の動作とは別の期間、一例としては第1の動作時の前においてスイッチ43とスイッチ14とを導通状態とし、容量素子18への電荷の充電を行う構成とする点にある。この場合、第1の動作に要する時間を短くすることができる。当該構成とすることにより、負荷17に電流を流す時間を多くとることができる。なお、このとき、スイッチ15を導通状態にすることにより、負荷17を充電または放電することが可能となるため、好適である。しかし、負荷17を充電または放電する必要がない場合には、スイッチ15は、非導通状態にすることが好適である。
【0268】
なお図19(A)に示す構成とは、接続の一部が別の構成となっている場合について図20(A)に示す。
【0269】
図20(A)には、図1(A)の回路10と類似した回路構成を有する回路10wを示す。図20(A)に示す回路10wが図1(A)に示す回路10と異なる点は、配線46、及び第1端子がトランジスタ11のゲートに接続され、第2端子が配線46に接続されたスイッチ45を設ける点にある。なお、図1(A)の構成と共通するところは共通の符号を用いてその説明を省略する。
【0270】
なお図20(A)において負荷17が発光素子の場合には、回路10wは画素に相当するものとなる。図20(A)の負荷17を発光素子とし、回路10wを画素とした場合の回路図を図36に示す。図36において、画素100wは、スイッチ102、スイッチ103、スイッチ104、スイッチ105、スイッチ106、スイッチ145、発光素子107、容量素子108、トランジスタ101を有する。トランジスタ101は、回路を電流源として機能させることができる。また画素100wは、配線109、配線110、配線111、配線112及び配線146に接続される。
【0271】
なお図36に示すスイッチ102、スイッチ103、スイッチ104、スイッチ105、スイッチ106、スイッチ145は、図20(A)に示すスイッチ12、スイッチ13、スイッチ14、スイッチ15、スイッチ16、スイッチ45に相当する。また図36に示す容量素子108、トランジスタ101、配線109、配線110、配線111、配線112及び配線146は、図20(A)に示す容量素子18、トランジスタ11、配線19、配線20、配線21、配線22及び配線46に相当する。
【0272】
なお図20(A)に示す回路10wの構成では、実施の形態1の図1(A)と異なる点として、第1の動作乃至第3の動作とは別の期間、一例としては第1の動作時の前においてスイッチ45を導通状態とし、容量素子18への電荷の充電を行う構成とする点にある。この場合、第1の動作に要する時間を短くすることができる。当該構成とすることにより、負荷17に電流を流す時間を多くとることができる。
【0273】
なお、配線46は、左右の画素、または、上下の画素でまとめて、例えば、2画素につき1本にして、本数を減らすことも可能である。
【0274】
なお、図2(A)と同様に、図20(A)に対して、スイッチ45をトランジスタ45Tで実現し、そのゲートに、配線39を介して、回路27Iが接続された例を図93に示す。
【0275】
なお、配線39と、別の回路10wの配線31、配線32、及び/又は、配線33とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ45Tと、別の回路10wのトランジスタ12T、トランジスタ13T、及び/又は、トランジスタ14Tとは、同じ極性であることが望ましい。一例として、配線39と、別の回路10wの配線31とを、1本の配線にまとめる場合の回路図を図94に示す。
【0276】
なお、配線39と、別の回路10wの配線34、及び/又は、配線35とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ45Tと、別の回路10wのトランジスタ15T、及び/又は、トランジスタ16Tとは、逆の極性であることが望ましい。一例として、配線39と、別の回路10wの配線34とを、1本の配線にまとめる場合の回路図を図95に示す。
【0277】
なお、配線39と、別の回路10wの配線31、配線32、及び/又は、配線33と、別の回路10wの配線34、及び/又は、配線35とを、1本の配線にまとめることも可能である。このとき、トランジスタ45Tと、別の回路10wのトランジスタ12T、トランジスタ13T、及び/又は、トランジスタ14Tとは、同じ極性であり、トランジスタ45Tと、別の回路10wのトランジスタ15T、及び/又は、トランジスタ16Tとは、逆の極性であることが望ましい。一例として、配線39と、別の回路10wの配線31及び配線34とを、1本の配線にまとめる場合の回路図を図96に示す。
【0278】
なお、図94から図96で示したように、画素の中で配線をまとめるのではなく、図63(B)に示すように、画素領域の外で、配線を接続させ、画素領域の中では、別々の配線として配置することも可能である。
【0279】
なお、上記実施の形態1の図5(C)、図6(C)と同様に、図19(A)及び図20(A)の回路を用いて、移動度を補正する動作を行うことは可能である。その場合、スイッチ43、スイッチ45は、非導通状態となっていることが好適である。
【0280】
なお、図19または図20に記した回路に対して、図17(A)のようにスイッチ41を追加して設けることは、可能である。同様に、図19または図20に記した回路に対して、図18(A)のようにスイッチ42を追加して設けることは、可能である。
【0281】
なお、図19(A)及び図20(A)などは、回路構成の一例であるため、さらに、トランジスタを追加して設けることが可能である。逆に、図19(A)及び図20(A)などの各ノードにおいて、追加してトランジスタ、スイッチ、受動素子などを設けないようにすることも可能である。例えば、nodeA、nodeB、nodeC、nodeD、nodeE、nodeF、nodeG、または/および、nodeHにおいて、直接的に接続されたトランジスタを、これ以上は設けないようにすることが可能である。
【0282】
本実施の形態は、他の実施の形態の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、本実施の形態の一部または全部について、他の実施の形態の一部または全部と自由に組み合わせたり、適用することや、置き換えて実施することができる。
【0283】
(実施の形態7)
本実施の形態においては、上記実施の形態で説明した回路を具備する表示装置の信号線駆動回路の一部に用いる構成の一例について、説明する。
【0284】
上記実施の形態で説明した回路が適用される表示装置51は、図21に示すように、画素領域52、ゲート線駆動回路53、信号線駆動回路54を有している。ゲート線駆動回路53は、画素領域52に選択信号を順次出力する。信号線駆動回路54は、画素領域52にビデオ信号を順次出力する。画素領域52では、ビデオ信号に従って、光の状態を制御することにより、画像を表示する。信号線駆動回路54から画素領域52へ入力するビデオ信号は、電流である。つまり、各画素に配置された表示素子や表示素子を制御する素子は、信号線駆動回路54から入力されるビデオ信号(電流)によって、状態を変化させる。画素に配置する表示素子の例としては、EL素子、FED(フィールドエミッションディスプレイ)で用いる素子、液晶素子、電子インク、電気泳動素子、グレーティングライトバルブ(GLV)などがあげられる。液晶素子を用いた表示装置の一例としては、液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ)などがある。電子インク又は電気泳動素子を用いた表示装置の一例としては、電子ペーパーなどがある。
【0285】
なお、ゲート線駆動回路53や信号線駆動回路54は、複数配置されていてもよい。
【0286】
信号線駆動回路54は、構成を複数の部分に分けられる。大まかには、一例として、シフトレジスタ55、第1ラッチ回路56(LAT1)、第2ラッチ回路57(LAT2)、デジタル・アナログ変換回路58に分けられる。デジタル・アナログ変換回路58には、電圧を電流に変換する機能も有しており、ガンマ補正を行う機能も有していてもよい。つまり、デジタル・アナログ変換回路58には、画素に電流(ビデオ信号)を出力する回路、すなわち、電流源回路を有しており、そこに上記実施の形態で説明した回路を適用することが出来る。
【0287】
また、画素は、EL素子などの表示素子を有している。その表示素子に電流(ビデオ信号)を出力する回路、すなわち、電流源回路を有しており、そこにも、上記実施の形態で説明した回路を適用することが出来る。
【0288】
そこで、信号線駆動回路54の動作を簡単に説明する。シフトレジスタ55は、フリップフロップ回路(FF)等を複数列用いて構成され、クロック信号(S−CLK)、スタートパルス(SP)、クロック反転信号(S−CLKb)が入力される、これらの信号のタイミングに従って、順次サンプリングパルスが出力される。
【0289】
シフトレジスタ55より出力されたサンプリングパルスは、第1ラッチ回路56(LAT1)に入力される。第1ラッチ回路56(LAT1)には、ビデオ信号線より、ビデオ信号VSが入力されており、サンプリングパルスが入力されるタイミングに従って、各列でビデオ信号を保持していく。なお、デジタル・アナログ変換回路58を配置している場合は、ビデオ信号はデジタル値である。また、この段階でのビデオ信号は、電圧であることが多い。
【0290】
ただし、第1ラッチ回路56や第2ラッチ回路57が、アナログ値を保存できる回路である場合は、デジタル・アナログ変換回路58は省略できる場合が多い。その場合、ビデオ信号は、電流であることも多い。また、画素領域52に出力するデータが2値、つまり、デジタル値である場合は、デジタル・アナログ変換回路58は省略できる場合が多い。
【0291】
第1ラッチ回路56(LAT1)において、最終列までビデオ信号の保持が完了すると、水平帰線期間中に、ラッチ制御線よりラッチパルスLP(Latch Pulse)が入力され、第1ラッチ回路56(LAT1)に保持されていたビデオ信号は、一斉に第2ラッチ回路57(LAT2)に転送される。その後、第2ラッチ回路57(LAT2)に保持されたビデオ信号は、1行分が同時に、デジタル・アナログ変換回路58へと入力される。そして、デジタル・アナログ変換回路58から出力される信号は、画素領域52へ入力される。
【0292】
第2ラッチ回路57(LAT2)に保持されたビデオ信号がデジタル・アナログ変換回路58に入力され、そして、画素領域52に入力されている間、シフトレジスタ55においては再びサンプリングパルスが出力される。つまり、同時に2つの動作が行われる。これにより、線順次駆動が可能となる。以後、この動作を繰り返す。
【0293】
なお、デジタル・アナログ変換回路58が有している電流源回路が、設定動作と出力動作とを行うような回路である場合、電流源回路に、電流を流す回路が必要となる。そのような場合、リファレンス用電流源回路59が配置されている。
【0294】
なお、信号線駆動回路やその一部は、画素領域52と同一基板上に存在せず、例えば、外付けのICチップを用いて構成されることもある。その場合、ICチップと基板にはCOG(Chip On Glass)やTAB(Tape Automated Bonding)やプリント基板などを用いて接続される。
【0295】
なお、信号線駆動回路などの構成は、図21に限定されない。
【0296】
例えば、第1ラッチ回路56や第2ラッチ回路57が、アナログ値を保存できる回路である場合、図22に示すように、リファレンス用電流源回路60から第1ラッチ回路56(LAT1)に、ビデオ信号VS(アナログ電流)が入力されることもある。また、図22において、第2ラッチ回路57が存在しない場合もある。
【0297】
次いで信号線駆動回路54に上記実施の形態で説明した回路を適用する際の具体的な構成について説明する。
【0298】
まず、信号線駆動回路に適用する上記実施の形態で説明した回路の回路構成の例を図23に示す。図23に示す回路10_1は、実施の形態1の図1(A)で説明した回路10の構成である。なお、図1(A)の構成と共通するところは共通の符号を用いてその説明を省略する。図23に示す回路10_1は、回路23のVsigに応じて、トランジスタ11のしきい値電圧のばらつきが低減された電流を出力することができる。
【0299】
なお回路10_1で設定されるしきい値電圧のばらつきが低減された電流は、負荷17との間に設けられるスイッチ70_1による導通状態または非導通状態の制御により、供給が制御される構成とする。この場合、例えば複数の回路10_1を配置し、スイッチ70_1による制御により負荷に流す電流量を制御することが可能である。
【0300】
例えば、図24に示すように、複数の回路として回路10_1乃至回路10_3を設け、スイッチ70_1乃至スイッチ70_3による制御により負荷17に流す電流量を切り替える構成とすることができる。そして回路10_1乃至回路10_3で流す電流量を異ならせるまたは同じにするように回路23により設定し、スイッチの導通状態に応じて負荷17に流れる電流量を制御する構成とすればよい。
【0301】
本実施の形態は、他の実施の形態の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、本実施の形態の一部または全部について、他の実施の形態の一部または全部と自由に組み合わせたり、適用することや、置き換えて実施することができる。
【0302】
(実施の形態8)
本実施の形態では、上記実施の形態1の図25で示した画素の回路構成に対応する上面図及び断面図の構成の一例について説明する。
【0303】
図37に示す上面図では、上記実施の形態1の図25で説明した構成を表したものである。なお図37に示す上面図では、各トランジスタを逆スタガ型のトランジスタとして示したものである。
【0304】
図37に示す表示装置に適用しうる画素の上面図では、図25に対応する構成として、トランジスタ101、トランジスタ102T、トランジスタ103T、トランジスタ104T、トランジスタ105T、トランジスタ106T、発光素子107(一方の電極のみ図示)、容量素子108、配線109、配線111、配線112、配線131、配線132、配線133、配線134、及び配線135を示している。
【0305】
図37に示す各構成は、導電層851、半導体層852、導電層853、導電層854、導電層855、コンタクトホール856、コンタクトホール857及びコンタクトホール858によって構成される。なお各層にある絶縁層は、ここでは図示していない。
【0306】
導電層851は、ゲート電極、又は走査線として機能する領域を有する。なお導電層851はトランジスタ等の各素子を形成する基板上に設けられる。なお基板と導電層851との間に下地となる絶縁層を設ける構成としてもよい。
【0307】
なお基板に使用することができる基板に大きな制限はないが、ガラス基板を用いることが好ましい。なお下地となる絶縁層は、基板からの不純物元素の拡散を防止する機能があり、窒化シリコン層、酸化シリコン層、窒化酸化シリコン層、又は酸化窒化シリコン層から選ばれた一又は複数の層による単層または積層構造により形成することができる。
【0308】
基板の例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板の一例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチック、又はアクリル等の可撓性を有する合成樹脂などがある。貼り合わせフィルムの一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。基材フィルムの一例としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。特に、半導体基板、単結晶基板、又はSOI基板などを用いてトランジスタを製造することによって、特性、サイズ、又は形状などのばらつきが少なく、電流能力が高く、サイズの小さいトランジスタを製造することができる。このようなトランジスタによって回路を構成すると、回路の低消費電力化、又は回路の高集積化を図ることができる。
【0309】
なお、ある基板を用いてトランジスタを形成し、その後、別の基板にトランジスタを転置し、別の基板上にトランジスタを配置してもよい。トランジスタが転置される基板の一例としては、上述したトランジスタを形成することが可能な基板に加え、紙基板、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、特性のよいトランジスタの形成、消費電力の小さいトランジスタの形成、壊れにくい装置の製造、耐熱性の付与、軽量化、又は薄型化を図ることができる。
【0310】
導電層851の材料は、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ネオジム(Nd)、スカンジウム(Sc)等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて、単層でまたは積層して形成することができる。
【0311】
半導体層852は、トランジスタの半導体層として機能する領域を有する。
【0312】
半導体層852は、非晶質(アモルファス)シリコンを含んでいてもよい。半導体層852は、多結晶シリコンを含んでいてもよい。または、半導体層852は、有機半導体、酸化物半導体などを含んでいてもよい。
【0313】
導電層853は、配線、トランジスタのソース又はドレインとして機能する領域を有する。
【0314】
導電層853としては、例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素、または上述した元素を成分とする合金か、上述した元素を組み合わせた合金膜等を用いることができる。また、Al、Cuなどの金属層の下側又は上側の一方または双方にTi、Mo、Wなどの高融点金属層を積層させた構成としても良い。また、Al膜に生ずるヒロックやウィスカーの発生を防止する元素(Si、Nd、Scなど)が添加されているAl材料を用いることで耐熱性を向上させることが可能となる。
【0315】
また、導電層853としては導電性の金属酸化物で形成しても良い。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウムスズ酸化物(In―SnO、ITOと略記する)、インジウム亜鉛酸化物(In―ZnO)またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。
【0316】
導電層854は、配線として機能する領域を有する。なお導電層854は、後に形成する透明導電層に接する絶縁層の平坦性を高めるための設ける構成であり、なくすことも可能である。
【0317】
導電層855は、発光素子の一方の電極として機能する領域を有する。導電層855は、発光素子が発する光を対向基板側より取り出す場合には光を反射する機能を有し、発光素子が発する光を素子基板側より取り出す場合には光を透過する機能を有する。
【0318】
コンタクトホール856は、導電層851と導電層853とを接続する機能を有する。導電層851と導電層853との間にはゲート絶縁層として機能する絶縁層を有する。ゲート絶縁層として機能する絶縁層は、プラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層、酸化アルミニウム層、窒化アルミニウム層、酸化窒化アルミニウム層、窒化酸化アルミニウム層、又は酸化ハフニウム層を単層で又は積層して形成することができる。
【0319】
コンタクトホール857は、導電層853と導電層854とを接続する機能を有する。導電層853と導電層854との間にはパッシベーション層として機能する絶縁層を有する。パッシベーション層は、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、窒化酸化シリコン膜、窒化酸化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。
【0320】
コンタクトホール858は、導電層854と導電層855とを接続する機能を有する。導電層854と導電層855との間には表面の平坦性を付与する絶縁層を有する。表面の平坦性を付与する絶縁層としては、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン系樹脂、等の有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)等を用いることができる。
【0321】
次に図26(A)、(B)に、図37で説明した上面図におけるトランジスタ106T(図37中、2点鎖線A−A’間)と容量素子108(図37中、2点鎖線B−B’間)の断面図の構成について説明する。
【0322】
図26(A)に示すトランジスタ106Tは、一例として、ボトムゲート構造のトランジスタの一つであり、逆スタガ型トランジスタともいう。なおトランジスタの構造は特に限定されず、例えばトップゲート構造、又はボトムゲート構造のスタガ型及びプレーナ型などを用いることができる。また、トランジスタはチャネル形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造でも、二つ形成されるダブルゲート構造もしくは三つ形成されるトリプルゲート構造であっても良い。また、チャネル領域の上下にゲート絶縁層を介して配置された2つのゲート電極層を有する、デュアルゲート型でもよい。
【0323】
図26(A)に示すトランジスタ106Tの断面図は、基板400上に、ゲートとなる導電層851、ゲート絶縁層として機能する絶縁層401、半導体層852、ソース及びドレインとなる導電層853を含む。また、トランジスタ106Tを覆い、パッシベーション層として絶縁層402が設けられている。また絶縁層402上に、表面の平坦性を付与する絶縁層403が設けられている。
【0324】
また図26(B)に示す容量素子108の断面図は、基板400上に、一方の電極となる導電層851、絶縁層401、半導体層852、他方の電極となる導電層853を含む。また、容量素子108を覆い、パッシベーション層として絶縁層402が設けられている。また絶縁層402上に、表面の平坦性を付与する絶縁層403が設けられている。
【0325】
なお図37に示す表示装置に適用しうる画素の上面図は、当該上面図に限定されず、他の構成とすることも可能である。
【0326】
また別の上面図の構成として、図38に示す上面図のようにすることができる。図38が図37と異なる点として、回路を電流源として機能させることができるトランジスタ101のトランジスタサイズをスイッチとして機能するトランジスタのトランジスタサイズより大きくする点にある。当該構成とすることにより、回路を電流源として機能させることができるトランジスタ101が流すことのできる電流量を増やすことができる。
【0327】
また別の上面図の構成として、図39に示す上面図のようにすることができる。図39が図37と異なる点として、回路を電流源として機能させることができるトランジスタ101の一方の端子となる電極を環囲するように、他方の端子となる電極の形状をU字状にする点にある。当該構成とすることにより、回路を電流源として機能させることができるトランジスタ101が流すことのできる電流量を増やすことができる。
【0328】
また別の上面図の構成として、図40に示す上面図のようにすることができる。図40が図37と異なる点として、回路を電流源として機能させることができるトランジスタ101の他方の端子となる電極を環囲するように、一方の端子となる電極の形状をU字状にする点にある。当該構成とすることにより、回路を電流源として機能させることができるトランジスタ101が流すことのできる電流量を増やすことができ、且つトランジスタ101のゲートの電位を容量結合により上昇させる際の寄生容量を大きくすることができる。
【0329】
なお、上述の図25で説明した画素の上面図は、異なる色を発光する発光素子の画素を並置した場合において、各色で回路を電流源として機能させることができるトランジスタ101または容量素子108の大きさを異ならせる構成としてもよい。各色で回路を電流源として機能させることができるトランジスタ101の大きさを異ならせた、上面図の構成を図41に示す。図41において、トランジスタ101Rは、赤色の発光を行う発光素子を有する画素における、回路を電流源として機能させることができるトランジスタである。また図41において、トランジスタ101Gは、緑色の発光を行う発光素子を有する画素における、回路を電流源として機能させることができるトランジスタである。また図41において、トランジスタ101Bは、青色の発光を行う発光素子を有する画素における、回路を電流源として機能させることができるトランジスタである。また図41において、容量素子108Rは、赤色の発光を行う発光素子を有する画素における、容量素子である。また図41において、容量素子108Gは、緑色の発光を行う発光素子を有する画素における、容量素子である。また図41において、容量素子108Bは、青色の発光を行う発光素子を有する画素における、容量素子である。当該構成とすることにより、各色の発光素子に適切な量の電流を供給することができる。
【0330】
なお、上述の図25で説明した画素の上面図は、異なる色を発光する発光素子の画素を並置した場合において、各色で電源線として機能する配線111の太さを異ならせる構成としてもよい。各色で電源線として機能する配線111の太さを異ならせた、上面図の構成を図42に示す。図42において、配線111Rは、赤色の発光を行う発光素子に電流を供給するための配線に対応する。また図42において、配線111Gは、緑色の発光を行う発光素子に電流を供給するための配線に対応する。また図42において、配線111Bは、青色の発光を行う発光素子に電流を供給するための配線に対応する。当該構成とすることにより、各色の発光素子に適切な量の電流を供給することができる。
【0331】
また上述の図25で説明した画素の上面図は、異なる色を発光する発光素子の画素を並置した場合において、各色で発光素子107の電極の大きさを異ならせる構成としてもよい。各色で発光素子107の電極の大きさを異ならせた、上面図の構成を図42に併せて示す。図42において、発光素子107Rは、赤色の発光を行う発光素子の電極に対応する。また図42において、発光素子107Gは、緑色の発光を行う発光素子の電極に対応する。また図42において、発光素子107Bは、青色の発光を行う発光素子の電極に対応する。当該構成とすることにより、各色の輝度のバランスを調整することができる。
【0332】
なお上述した上面図では、各トランジスタを逆スタガ型のトランジスタとして示したが、トップゲート型のトランジスタとしてもよい。画素を構成する各トランジスタをトップゲート型とした場合の上面図について図43に示す。なおトップゲート型のトランジスタとする場合に図37で示した上面図と比較して、コンタクトホール859が増える構成となる。
【0333】
コンタクトホール859は、半導体層852と導電層853とを接続する機能を有する。
【0334】
なお図43に示すように画素を構成するトランジスタをトップゲート型とした場合、半導体層を非晶質シリコンまたは多結晶シリコンとする構成とすることが好ましい。当該構成とすることにより半導体層にリンまたはボロン等の不純物元素を導入して導電性を高めることでトランジスタ間の配線として用いることができる。
【0335】
ここで図43で説明した上面図におけるトランジスタ106T(図43中、2点鎖線A−A’間)と容量素子108(図43中、2点鎖線B−B’間)の断面図の構成について図27(A)、(B)を用いて説明する。
【0336】
図27(A)に示すトランジスタ106Tは、一例として、トップゲート構造のトランジスタの一つである。また、トランジスタはチャネル形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造でも、二つ形成されるダブルゲート構造もしくは三つ形成されるトリプルゲート構造であっても良い。また、チャネル領域の上下にゲート絶縁層を介して配置された2つのゲート電極層を有する、デュアルゲート型でもよい。
【0337】
図27(A)に示すトランジスタ106Tの断面図は、基板410上に、不純物が導入され導電性が向上された不純物領域852_nを有する半導体層852、ゲート絶縁層として機能する絶縁層411、ゲートとなる導電層851、層間絶縁層として機能する絶縁層412、ソース及びドレインとなる導電層853を含む。また、絶縁層412及び導電層853を覆い、表面の平坦性を付与する絶縁層413が設けられている。
【0338】
また図27(B)に示す容量素子108の断面図は、基板410上に、絶縁層411、一方の電極となる導電層851、絶縁層412、他方の電極となる導電層853を含む。また、絶縁層412及び導電層853を覆い、表面の平坦性を付与する絶縁層413が設けられている。
【0339】
図44に半導体層を非晶質シリコンまたは多結晶シリコンとし、半導体層にリンまたはボロン等の不純物元素を導入して導電性を高めることでトランジスタ間の配線として利用する上面図の構成について示す。なお図44においては、不純物元素を導入して導電性を高めた半導体層を半導体層860で表している。
【0340】
本実施の形態は、他の実施の形態の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、本実施の形態の一部または全部について、他の実施の形態の一部または全部と自由に組み合わせたり、適用することや、置き換えて実施することができる。
【0341】
(実施の形態9)
実施の形態1の図25では、表示装置の画素を構成する各トランジスタをnチャネル型のトランジスタを用いるとして回路構成を説明している。これに対して本実施の形態では、表示装置の画素の回路構成にpチャネル型のトランジスタを用いる際の回路構成について述べる。
【0342】
図25において画素100のトランジスタ101はnチャネル型トランジスタとして説明したが、図45に示す画素500のようにpチャネル型トランジスタ501とすることもできる。
【0343】
図25と図45を比較すると分かるように、発光素子107を流れる電流の向きが逆方向となるように発光素子の接続を変更する。具体的には図45の発光素子507のように接続する回路構成とすればよい。
【0344】
また図45では配線110に供給するVcat、及び配線111に供給する電位VDDを入れ替える構成とすればよい。具体的には図45では配線110に供給する電位VDD、及び配線111に供給するVcatとすればよい。そして、電位V1はVsigより低い電位とすればよい。
【0345】
このように、回路を電流源として機能させることができるトランジスタにpチャネル型トランジスタを適用することができる。
【0346】
なお図25において画素100を構成する各スイッチをpチャネル型トランジスタで構成することも可能である。具体的には図46に示すように、各スイッチとしてpチャネル型トランジスタであるトランジスタ502T、トランジスタ503T、トランジスタ504T、トランジスタ505T、トランジスタ506Tを用いて、導通状態及び非導通状態を切り替えて制御すればよい。なお配線131乃至配線135に供給する導通状態及び非導通状態を切り替える信号は、図3(A)乃至(D)と同じ動作となるよう適宜動作させればよい。
【0347】
なお図25と同様にして画素100を構成する各スイッチをnチャネル型トランジスタで構成し、回路を電流源として機能させることができるトランジスタのみpチャネル型トランジスタとすることも可能である。具体的には図47に示すように、各スイッチとしてnチャネル型トランジスタで構成すればよい。
【0348】
なお画素を構成する各スイッチの導電型を異ならせるように設ける構成とすることも可能である。具体的には、図48に示すように、画素500を構成するスイッチをpチャネル型トランジスタであるトランジスタ502T、nチャネル型トランジスタであるトランジスタ103T、pチャネル型トランジスタであるトランジスタ504T、nチャネル型トランジスタであるトランジスタ105T、pチャネル型トランジスタであるトランジスタ506Tとすることも可能である。
【0349】
本実施の形態は、他の実施の形態の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、本実施の形態の一部または全部について、他の実施の形態の一部または全部と自由に組み合わせたり、適用することや、置き換えて実施することができる。
【0350】
(実施の形態10)
実施の形態1の図25では、表示装置の画素を構成する各トランジスタをnチャネル型のトランジスタを用いるとして回路構成を説明している。特に本実施の形態では、表示装置の画素の回路構成に酸化物半導体層にチャネル形成領域を形成されるトランジスタを用いる際の回路構成について述べる。
【0351】
図25において画素100のトランジスタ101は単にnチャネル型トランジスタとして説明したが、図49に示す画素600のように、酸化物半導体層にチャネル形成領域が形成されるトランジスタ601とすることもできる。なお図面において、図49に示すように、トランジスタ601には、酸化物半導体層にチャネル形成領域が形成されるトランジスタであることを示すために、OSの符号を付している。
【0352】
図49の構成では、トランジスタ601として、酸化物半導体層にチャネル形成領域が形成されるトランジスタを用いるため、トランジスタのオフ電流を低減することできる。従って誤動作の少ない画素の回路構成とすることができる。
【0353】
なお画素600を構成する各スイッチを酸化物半導体層にチャネル形成領域が形成されるトランジスタで構成することも可能である。具体的には図50に示すように、各スイッチとして酸化物半導体層にチャネル形成領域が形成されるトランジスタ602乃至トランジスタ606で構成すればよい。
【0354】
なお本明細書で説明するオフ電流とは、トランジスタが非導通状態のときに、ソースとドレインの間に流れる電流をいう。nチャネル型のトランジスタ(例えば、閾値電圧が0乃至2V程度)では、ゲートとソースとの間に印加される電圧が負の電圧の場合に、ソースとドレインとの間を流れる電流のことをいう。
【0355】
次いでチャネル形成領域が形成される酸化物半導体層の材料について以下に説明する。前述したように本実施の形態の構成では、一例として、酸化物半導体でなる層(酸化物半導体層)を含んでいてもよい。
【0356】
酸化物半導体としては、例えば、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn−O系酸化物半導体や、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体、In−Sn−Zn−O系酸化物半導体、In−Al−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Ga−Zn−O系酸化物半導体、Al−Ga−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Al−Zn−O系酸化物半導体、Hf−In−Zn−O系酸化物半導体や、二元系金属の酸化物であるIn−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Zn−O系酸化物半導体、Al−Zn−O系酸化物半導体、Zn−Mg−O系酸化物半導体、Sn−Mg−O系酸化物半導体、In−Mg−O系酸化物半導体や、In−Ga−O系酸化物半導体、一元系金属の酸化物であるIn−O系酸化物半導体、Sn−O系酸化物半導体、Zn−O系酸化物半導体などを用いることができる。また、上記酸化物半導体にInとGaとSnとZn以外の元素、例えばSiOを含ませてもよい。
【0357】
例えば、In−Sn−Zn−O系酸化物半導体とは、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)を有する酸化物半導体、という意味であり、その組成は問わない。また例えば、In−Ga−Zn−O系酸化物半導体とは、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)を有する酸化物半導体、という意味であり、その組成は問わない。In−Ga−Zn−O系酸化物半導体は、IGZOと呼ぶことができる。
【0358】
また、酸化物半導体層は、酸化物半導体膜を用いて形成することができる。In−Sn−Zn−O系酸化物半導体膜をスパッタリング法によって形成する場合、ターゲット中の金属元素の原子数比は、In:Sn:Znが、1:2:2、2:1:3、1:1:1、または20:45:35などを用いる。
【0359】
また、In−Zn−O系酸化物半導体膜をスパッタリング法によって形成する場合、ターゲット中の金属元素の原子数比は、In:Zn=50:1〜1:2(モル数比に換算するとIn:ZnO=25:1〜1:4)、好ましくはIn:Zn=20:1〜1:1(モル数比に換算するとIn:ZnO=10:1〜1:2)、さらに好ましくはIn:Zn=1.5:1〜15:1(モル数比に換算するとIn:ZnO=3:4〜15:2)とする。例えば、ターゲットは、原子数比がIn:Zn:O=X:Y:Zのとき、Z>1.5X+Yとする。
【0360】
また、In−Ga−Zn−O系酸化物半導体膜をスパッタリング法によって形成する場合、ターゲット中の金属元素の原子数比は、In:Ga:Zn=1:1:0.5、In:Ga:Zn=1:1:1、又はIn:Ga:Zn=1:1:2とすることができる。
【0361】
また、ターゲットの純度を、99.99%以上とすることで、酸化物半導体膜に混入するアルカリ金属、水素原子、水素分子、水、水酸基、または水素化物等を低減することができる。また、当該ターゲットを用いることで、酸化物半導体膜において、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の濃度を低減することができる。
【0362】
なお、酸化物半導体は不純物に対して鈍感であり、膜中にはかなりの金属不純物が含まれていても問題がなく、ナトリウム(Na)のようなアルカリ金属が多量に含まれる廉価なソーダ石灰ガラスも使えると指摘されている(神谷、野村、細野、「アモルファス酸化物半導体の物性とデバイス開発の現状」、固体物理、2009年9月号、Vol.44、pp.621−633.)。しかし、このような指摘は適切でない。アルカリ金属は酸化物半導体を構成する元素ではないため、不純物である。アルカリ土類金属も、酸化物半導体を構成する元素ではない場合において、不純物となる。特に、アルカリ金属のうちNaは、酸化物半導体層に接する絶縁膜が酸化物である場合、当該絶縁膜中に拡散してNaとなる。また、Naは、酸化物半導体層内において、酸化物半導体を構成する金属と酸素の結合を分断する、或いは、その結合中に割り込む。その結果、例えば、閾値電圧がマイナス方向にシフトすることによるノーマリオン化、移動度の低下等の、トランジスタの特性の劣化が起こり、加えて、特性のばらつきも生じる。この不純物によりもたらされるトランジスタの特性の劣化と、特性のばらつきは、酸化物半導体層中の水素濃度が十分に低い場合において顕著に現れる。従って、酸化物半導体層中の水素濃度が1×1018/cm以下、より好ましくは1×1017/cm以下である場合には、上記不純物の濃度を低減することが望ましい。具体的に、二次イオン質量分析法によるNa濃度の測定値は、5×1016/cm以下、好ましくは1×1016/cm以下、更に好ましくは1×1015/cm以下とするとよい。同様に、Li濃度の測定値は、5×1015/cm以下、好ましくは1×1015/cm以下とするとよい。同様に、K濃度の測定値は、5×1015/cm以下、好ましくは1×1015/cm以下とするとよい。
【0363】
なお、酸化物半導体膜は、単結晶、多結晶(ポリクリスタルともいう。)または非晶質などの状態をとる。
【0364】
好ましくは、酸化物半導体膜は、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜とする。
【0365】
CAAC−OS膜は、完全な単結晶ではなく、完全な非晶質でもない。CAAC−OS膜は、非晶質相に結晶部および非晶質部を有する結晶−非晶質混相構造の酸化物半導体膜である。なお、当該結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさであることが多い。また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による観察像では、CAAC−OS膜に含まれる非晶質部と結晶部との境界は明確ではない。また、TEMによってCAAC−OS膜には粒界(グレインバウンダリーともいう。)は確認できない。そのため、CAAC−OS膜は、粒界に起因する電子移動度の低下が抑制される。
【0366】
CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、c軸がCAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃い、かつab面に垂直な方向から見て三角形状または六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状または金属原子と酸素原子とが層状に配列している。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸およびb軸の向きが異なっていてもよい。本明細書において、単に垂直と記載する場合、85°以上95°以下の範囲も含まれることとする。また、単に平行と記載する場合、−5°以上5°以下の範囲も含まれることとする。
【0367】
なお、CAAC−OS膜において、結晶部の分布が一様でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の形成過程において、酸化物半導体膜の表面側から結晶成長させる場合、被形成面の近傍に対し表面の近傍では結晶部の占める割合が高くなることがある。また、CAAC−OS膜へ不純物を添加することにより、当該不純物添加領域において結晶部が非晶質化することもある。
【0368】
CAAC−OS膜に含まれる結晶部のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃うため、CAAC−OS膜の形状(被形成面の断面形状または表面の断面形状)によっては互いに異なる方向を向くことがある。なお、結晶部のc軸の方向は、CAAC−OS膜が形成されたときの被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向となる。結晶部は、成膜することにより、または成膜後に加熱処理などの結晶化処理を行うことにより形成される。
【0369】
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動を低減することが可能である。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
【0370】
CAAC−OS膜に含まれる結晶構造の一例について図51乃至図54を用いて詳細に説明する。なお、特に断りがない限り、図51乃至図54は上方向をc軸方向とし、c軸方向と直交する面をab面とする。なお、単に上半分、下半分という場合、ab面を境にした場合の上半分、下半分をいう。また、図51において丸で囲まれたOは4配位のOを示し、二重丸で囲まれたOは3配位のOを示す。
【0371】
図51(A)に、1個の6配位のInと、Inに近接の6個の4配位の酸素原子(以下4配位のO)と、を有する構造を示す。ここでは、金属原子が1個に対して、近接の酸素原子のみ示した構造を小グループと呼ぶ。図51(A)の構造は、八面体構造をとるが、簡単のため平面構造で示している。なお、図51(A)の上半分および下半分にはそれぞれ3個ずつ4配位のOがある。図51(A)に示す小グループは電荷が0である。
【0372】
図51(B)に、1個の5配位のGaと、Gaに近接の3個の3配位の酸素原子(以下3配位のO)と、Gaに近接の2個の4配位のOと、を有する構造を示す。3配位のOは、いずれもab面に存在する。図51(B)の上半分および下半分にはそれぞれ1個ずつ4配位のOがある。また、Inも5配位をとるため、図51(B)に示す構造をとりうる。図51(B)に示す小グループは電荷が0である。
【0373】
図51(C)に、1個の4配位のZnと、Znに近接の4個の4配位のOと、を有する構造を示す。図51(C)の上半分には1個の4配位のOがあり、下半分には3個の4配位のOがある。または、図51(C)の上半分に3個の4配位のOがあり、下半分に1個の4配位のOがあってもよい。図51(C)に示す小グループは電荷が0である。
【0374】
図51(D)に、1個の6配位のSnと、Snに近接の6個の4配位のOと、を有する構造を示す。図51(D)の上半分には3個の4配位のOがあり、下半分には3個の4配位のOがある。図51(D)に示す小グループは電荷が+1となる。
【0375】
図51(E)に、2個のZnを含む小グループを示す。図51(E)の上半分には1個の4配位のOがあり、下半分には1個の4配位のOがある。図51(E)に示す小グループは電荷が−1となる。
【0376】
ここでは、複数の小グループの集合体を中グループと呼び、複数の中グループの集合体を大グループと呼ぶ。
【0377】
ここで、これらの小グループ同士が結合する規則について説明する。図51(A)に示す6配位のInの上半分の3個のOは、下方向にそれぞれ3個の近接Inを有し、下半分の3個のOは、上方向にそれぞれ3個の近接Inを有する。図51(B)に示す5配位のGaの上半分の1個のOは下方向に1個の近接Gaを有し、下半分の1個のOは上方向に1個の近接Gaを有する。図51(C)に示す4配位のZnの上半分の1個のOは、下方向に1個の近接Znを有し、下半分の3個のOは、上方向にそれぞれ3個の近接Znを有する。この様に、金属原子の上方向の4配位のOの数と、そのOの下方向にある近接金属原子の数は等しく、同様に金属原子の下方向の4配位のOの数と、そのOの上方向にある近接金属原子の数は等しい。Oは4配位なので、下方向にある近接金属原子の数と、上方向にある近接金属原子の数の和は4になる。従って、金属原子の上方向にある4配位のOの数と、別の金属原子の下方向にある4配位のOの数との和が4個のとき、金属原子を有する二種の小グループ同士は結合することができる。その理由を以下に示す。例えば、6配位の金属原子(InまたはSn)が下半分の4配位のOを介して結合する場合、4配位のOが3個であるため、5配位の金属原子(GaまたはIn)、または4配位の金属原子(Zn)のいずれかと結合することになる。
【0378】
これらの配位数を有する金属原子は、c軸方向において、4配位のOを介して結合する。また、このほかにも、層構造の合計の電荷が0となるように複数の小グループが結合して中グループを構成する。
【0379】
図52(A)に、In−Sn−Zn系酸化物の層構造を構成する中グループのモデル図を示す。図52(B)に、3つの中グループで構成される大グループを示す。なお、図52(C)は、図52(B)の層構造をc軸方向から観察した場合の原子配列を示す。
【0380】
図52(A)においては、簡単のため、3配位のOは省略し、4配位のOは個数のみ示し、例えば、Snの上半分および下半分にはそれぞれ3個ずつ4配位のOがあることを丸枠の3として示している。同様に、図52(A)において、Inの上半分および下半分にはそれぞれ1個ずつ4配位のOがあり、丸枠の1として示している。また、同様に、図52(A)において、下半分には1個の4配位のOがあり、上半分には3個の4配位のOがあるZnと、上半分には1個の4配位のOがあり、下半分には3個の4配位のOがあるZnとを示している。
【0381】
図52(A)において、In−Sn−Zn系酸化物の層構造を構成する中グループは、上から順に4配位のOが3個ずつ上半分および下半分にあるSnが、4配位のOが1個ずつ上半分および下半分にあるInと結合し、そのInが、上半分に3個の4配位のOがあるZnと結合し、そのZnの下半分の1個の4配位のOを介して4配位のOが3個ずつ上半分および下半分にあるInと結合し、そのInが、上半分に1個の4配位のOがあるZn2個からなる小グループと結合し、この小グループの下半分の1個の4配位のOを介して4配位のOが3個ずつ上半分および下半分にあるSnと結合している構成である。この中グループが複数結合して大グループを構成する。
【0382】
ここで、3配位のOおよび4配位のOの場合、結合1本当たりの電荷はそれぞれ−0.667、−0.5と考えることができる。例えば、In(6配位または5配位)、Zn(4配位)、Sn(5配位または6配位)の電荷は、それぞれ+3、+2、+4である。従って、Snを含む小グループは電荷が+1となる。そのため、Snを含む層構造を形成するためには、電荷+1を打ち消す電荷−1が必要となる。電荷−1をとる構造として、図51(E)に示すように、2個のZnを含む小グループが挙げられる。例えば、Snを含む小グループが1個に対し、2個のZnを含む小グループが1個あれば、電荷が打ち消されるため、層構造の合計の電荷を0とすることができる。
【0383】
具体的には、図52(B)に示した大グループが繰り返されることで、In−Sn−Zn−O系の結晶(InSnZn)を得ることができる。なお、得られるIn−Sn−Zn−O系の層構造は、InSnZn(ZnO)(mは0または自然数。)とする組成式で表すことができる。
【0384】
また、このほかにも、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn系酸化物や、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する。)、In−Al−Zn系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物や、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物や、二元系金属の酸化物であるIn−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物や、In−Ga系酸化物などを用いた場合も同様である。
【0385】
例えば、図53(A)に、In−Ga−Zn−O系の層構造を構成する中グループのモデル図を示す。
【0386】
図53(A)において、In−Ga−Zn−O系の層構造を構成する中グループは、上から順に4配位のOが3個ずつ上半分および下半分にあるInが、4配位のOが1個上半分にあるZnと結合し、そのZnの下半分の3個の4配位のOを介して、4配位のOが1個ずつ上半分および下半分にあるGaと結合し、そのGaの下半分の1個の4配位のOを介して、4配位のOが3個ずつ上半分および下半分にあるInと結合している構成である。この中グループが複数結合して大グループを構成する。
【0387】
図53(B)に3つの中グループで構成される大グループを示す。なお、図53(C)は、図53(B)の層構造をc軸方向から観察した場合の原子配列を示している。
【0388】
ここで、In(6配位または5配位)、Zn(4配位)、Ga(5配位)の電荷は、それぞれ+3、+2、+3であるため、In、ZnおよびGaのいずれかを含む小グループは、電荷が0となる。そのため、これらの小グループの組み合わせであれば中グループの合計の電荷は常に0となる。
【0389】
また、In−Ga−Zn−O系の層構造を構成する中グループは、図53(A)に示した中グループに限定されず、In、Ga、Znの配列が異なる中グループを組み合わせた大グループも取りうる。
【0390】
具体的には、図53(B)に示した大グループが繰り返されることで、In−Ga−Zn−O系の結晶を得ることができる。なお、得られるIn−Ga−Zn−O系の層構造は、InGaO(ZnO)(nは自然数。)とする組成式で表すことができる。
【0391】
n=1(InGaZnO)の場合は、例えば、図54(A)に示す結晶構造を取りうる。なお、図54(A)に示す結晶構造において、図51(B)で説明したように、Ga及びInは5配位をとるため、GaがInに置き換わった構造も取りうる。
【0392】
また、n=2(InGaZn)の場合は、例えば、図54(B)に示す結晶構造を取りうる。なお、図54(B)に示す結晶構造において、図51(B)で説明したように、Ga及びInは5配位をとるため、GaがInに置き換わった構造も取りうる。
【0393】
CAAC−OS膜は、スパッタリング法によって作製することができる。ターゲット材料は上述のとおりの材料を用いることができる。スパッタリング法を用いてCAAC−OS膜を成膜する場合には、雰囲気中の酸素ガス比が高い方が好ましい。例えば、アルゴン及び酸素の混合ガス雰囲気中でスパッタリング法を行う場合には、酸素ガス比を30%以上とすることが好ましく、40%以上とすることがより好ましい。雰囲気中からの酸素の補充によって、CAAC−OS膜の結晶化が促進されるからである。
【0394】
また、スパッタリング法を用いてCAAC−OS膜を成膜する場合には、CAAC−OS膜が成膜される基板を150℃以上に加熱しておくことが好ましく、170℃以上に加熱しておくことがより好ましい。基板温度の上昇に伴って、CAAC−OS膜の結晶化が促進されるからである。
【0395】
また、CAAC−OS膜に対して、窒素雰囲気中又は真空中において熱処理を行った後には、酸素雰囲気中又は酸素と他のガスとの混合雰囲気中において熱処理を行うことが好ましい。先の熱処理で生じる酸素欠損を後の熱処理における雰囲気中からの酸素供給によって復元することができるからである。
【0396】
また、CAAC−OS膜が成膜される膜表面(被成膜面)は平坦であることが好ましい。CAAC−OS膜は、当該被成膜面に概略垂直となるc軸を有するため、当該被成膜面に存在する凹凸は、CAAC−OS膜における結晶粒界の発生を誘発することになるからである。よって、CAAC−OS膜が成膜される前に当該被成膜表面に対して化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)などの平坦化処理を行うことが好ましい。また、当該被成膜面の平均ラフネスは、0.5nm以下であることが好ましく、0.3nm以下であることがより好ましい。
【0397】
なお、スパッタリング等で成膜された酸化物半導体膜中には、不純物としての水分又は水素(水酸基を含む)が含まれていることがある。本発明の一態様では、酸化物半導体膜(または、酸化物半導体膜によって形成された酸化物半導体層)中の水分又は水素などの不純物を低減(脱水化または脱水素化)するために、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に対して、減圧雰囲気下、窒素や希ガスなどの不活性ガス雰囲気下、酸素ガス雰囲気下、又は超乾燥エア(CRDS(キャビティリングダウンレーザー分光法)方式の露点計を用いて測定した場合の水分量が20ppm(露点換算で−55℃)以下、好ましくは1ppm以下、好ましくは10ppb以下の空気)雰囲気下で、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に加熱処理を施す。
【0398】
酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に加熱処理を施すことで、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)中の水分又は水素を脱離させることができる。具体的には、250℃以上750℃以下、好ましくは400℃以上基板の歪み点未満の温度で加熱処理を行えば良い。例えば、500℃、3分間以上6分間以下で行えばよい。加熱処理にRTA法を用いれば、短時間に脱水化又は脱水素化が行えるため、ガラス基板の歪点を超える温度でも処理することができる。
【0399】
こうして酸化物半導体膜(酸化物半導体層)中の水分又は水素を脱離させた後、酸素を添加する。こうして、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)中等における酸素欠陥を低減し、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)をi型化又はi型に限りなく近くすることができる。
【0400】
酸素の添加は、例えば、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に接して化学量論的組成より酸素が多い領域を有する絶縁膜を形成し、その後加熱することによって行うことができる。こうして、絶縁膜中の過剰な酸素を酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に供給することができる。こうして、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)を酸素を過剰に含む状態とすることができる。過剰に含まれる酸素は、例えば、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)を構成する結晶の格子間に存在する。
【0401】
なお、化学量論的組成より酸素が多い領域を有する絶縁膜は、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に接する絶縁膜のうち、上層に位置する絶縁膜又は下層に位置する絶縁膜のうち、どちらか一方のみに用いても良いが、両方の絶縁膜に用いる方が好ましい。化学量論的組成より酸素が多い領域を有する絶縁膜を、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に接する絶縁膜の、上層及び下層に位置する絶縁膜に用い、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)を挟む構成とすることで、上記効果をより高めることができる。
【0402】
ここで、化学量論的組成より酸素が多い領域を有する絶縁膜は、単層の絶縁膜であっても良いし、積層された複数の絶縁膜で構成されていても良い。なお、当該絶縁膜は、水分や、水素などの不純物を極力含まないことが望ましい。絶縁膜に水素が含まれると、その水素が酸化物半導体膜(酸化物半導体層)へ侵入し、又は水素が酸化物半導体膜(酸化物半導体層)中の酸素を引き抜き、酸化物半導体膜が低抵抗化(n型化)してしまい、寄生チャネルが形成されるおそれがある。よって、絶縁膜はできるだけ水素を含まない膜になるように、成膜方法に水素を用いないことが重要である。また、絶縁膜には、バリア性の高い材料を用いるのが望ましい。例えば、バリア性の高い絶縁膜として、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、窒化アルミニウム膜、酸化アルミニウム膜、又は窒化酸化アルミニウム膜などを用いることができる。複数の積層された絶縁膜を用いる場合、窒素の含有比率が低い酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜などの絶縁膜を、上記バリア性の高い絶縁膜よりも、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に近い側に形成する。そして、窒素の含有比率が低い絶縁膜を間に挟んで、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)と重なるように、バリア性の高い絶縁膜を形成する。バリア性の高い絶縁膜を用いることで、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)内や他の絶縁膜の界面とその近傍に、水分又は水素などの不純物が入り込むのを防ぐことができる。また、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に接するように窒素の比率が低い酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜などの絶縁膜を形成することで、バリア性の高い材料を用いた絶縁膜が直接酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に接するのを防ぐことができる。
【0403】
また、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)中の水分又は水素を脱離させた後の酸素添加は、酸素雰囲気下で酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に加熱処理を施すことによっておこなってもよい。加熱処理の温度は、例えば100℃以上350℃未満、好ましくは150℃以上250℃未満で行う。上記酸素雰囲気下の加熱処理に用いられる酸素ガスには、水、水素などが含まれないことが好ましい。又は、加熱処理装置に導入する酸素ガスの純度を、6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上、(即ち酸素中の不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
【0404】
或いは、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)中の水分又は水素を脱離させた後の酸素添加は、イオン注入法又はイオンドーピング法などを用い行ってもよい。例えば、2.45GHzのマイクロ波でプラズマ化した酸素を酸化物半導体膜(酸化物半導体層)に添加すれば良い。
【0405】
このように形成した酸化物半導体層をトランジスタ601の半導体層として用いることができる。こうして、オフ電流を著しく低減したトランジスタ601が得られる。
【0406】
またはトランジスタ601の半導体層は、微結晶シリコンを含んでいてもよい。微結晶シリコンとは、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造の半導体である。微結晶シリコンは、結晶粒径が2nm以上200nm以下、好ましくは10nm以上80nm以下、より好ましくは20nm以上50nm以下、さらに好ましくは25nm以上33nm以下の柱状結晶または針状結晶が基板表面に対して法線方向に成長している。このため、柱状結晶または針状結晶の界面には、粒界が形成される場合もある。
【0407】
またはトランジスタ601の半導体層は、非晶質(アモルファス)シリコンを含んでいてもよい。またはトランジスタ601の半導体層は、多結晶シリコンを含んでいてもよい。またはトランジスタ601の半導体層は、有機半導体、カーボンナノチューブなどを含んでいてもよい。
【0408】
本実施の形態は、他の実施の形態の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、本実施の形態の一部または全部について、他の実施の形態の一部または全部と自由に組み合わせたり、適用することや、置き換えて実施することができる。
【0409】
(実施の形態11)
本実施の形態では、上記実施の形態で示した画素構成を有する表示パネルセルの構成について図55(A)、(B)を用いて説明する。
【0410】
なお、図55(A)は、表示パネルセルを示す上面図、図55(B)は図55(A)をA−A’で切断した断面図である。点線で示された信号線駆動回路6701、画素部6702、第1の走査線駆動回路6703、第2の走査線駆動回路6706を有する。また、封止基板6704、シール材6705を有し、シール材6705で囲まれた内側は、空間6707になっている。
【0411】
なお、配線6708は第1の走査線駆動回路6703、第2の走査線駆動回路6706及び信号線駆動回路6701に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC6709(フレキシブルプリントサーキット)からビデオ信号、クロック信号、スタート信号等を受け取る。FPC6709と表示パネルセルとの接続部上にはICチップ6719(メモリ回路や、バッファ回路などが形成された半導体チップ)がCOG(Chip On Glass)等で実装されている。なお、ここではFPC6709しか図示されていないが、このFPC6709にはプリント配線基盤(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における表示装置とは、表示パネルセル本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。また、ICチップなどが実装されたものを含むものとする。
【0412】
次に、断面構造について図55(B)を用いて説明する。基板6710上には画素部6702とその周辺駆動回路(第1の走査線駆動回路6703、第2の走査線駆動回路6706及び信号線駆動回路6701)が形成されているが、ここでは、信号線駆動回路6701と、画素部6702が示されている。
【0413】
なお、信号線駆動回路6701はnチャネル型トランジスタ6720やnチャネル型トランジスタ6721のように単極性のトランジスタで構成されている。なお、画素構成には図25の画素構成を適用することにより単極性のトランジスタで画素を構成することができる。よって、周辺駆動回路をnチャネル型トランジスタで構成すれば単極性表示パネルセルを作製することができる。もちろん、単極性のトランジスタだけでなくpチャネル型トランジスタも用いてCMOS回路を形成しても良い。また、本実施の形態では、基板上に周辺駆動回路を一体形成した表示パネルセルを示すが、必ずしもその必要はなく、周辺駆動回路の全部若しくは一部をICチップなどに形成し、COGなどで実装しても良い。その場合には駆動回路は単極性にする必要がなくpチャネル型トランジスタを組み合わせて用いることができる。
【0414】
また、画素部6702はトランジスタ6711と、トランジスタ6712とを有している。なお、トランジスタ6712のソース電極は第1の電極6713(画素電極)と接続されている。また、第1の電極6713の端部を覆って絶縁物6714が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。
【0415】
また、カバレッジを良好なものとするため、絶縁物6714の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるように絶縁物6714を形成する。例えば、絶縁物6714の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物6714の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物6714として、ネガ型の感光性樹脂、或いはポジ型の感光性樹脂のいずれも使用することができる。
【0416】
第1の電極6713上には、有機化合物を含む層6716、および第2の電極6717(対向電極)がそれぞれ形成されている。ここで、陽極として機能する第1の電極6713に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、インジウムスズ酸化物膜、インジウム亜鉛酸化物膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
【0417】
また、有機化合物を含む層6716は、蒸着マスクを用いた蒸着法、またはインクジェット法によって形成される。有機化合物を含む層6716には、元素周期表第4族金属錯体をその一部に用いることとし、その他、組み合わせて用いることのできる材料としては、低分子系材料であっても高分子系材料であっても良い。また、有機化合物を含む層に用いる材料としては、通常、有機化合物を単層もしくは積層で用いる場合が多いが、本実施の形態においては、有機化合物からなる膜の一部に無機化合物を用いる構成も含めることとする。さらに、公知の三重項材料を用いることも可能である。
【0418】
さらに、有機化合物を含む層6716上に形成される、陰極として機能する第2の電極6717に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Ag、Li、Ca、またはこれらの合金MgAg、MgIn、AlLi、CaF、またはCa)を用いればよい。なお、有機化合物を含む層6716で生じた光が第2の電極6717を透過させる場合には、第2の電極6717(陰極)として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(インジウムスズ酸化物、酸化インジウム酸化亜鉛(In―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのが良い。
【0419】
さらにシール材6705で封止基板6704を基板6710と貼り合わせることにより、基板6710、封止基板6704、およびシール材6705で囲まれた空間6707に発光素子6718が備えられた構造になっている。なお、空間6707には、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材6705で充填される構成も含むものとする。
【0420】
なお、シール材6705にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板6704に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
【0421】
以上のようにして、上記実施の形態1乃至実施の形態10の画素構成を有する表示パネルセルを得ることができる。
【0422】
次に、図97を参照して、図55(A)、(B)で説明した表示パネルセルを具備する表示モジュールの構成例について説明する。
【0423】
表示モジュール8000は、上部カバー8001と下部カバー8002との間に、FPC8003に接続されたタッチパネルセル8004、FPC8005に接続された表示パネルセル8006、フレーム8007、プリント基板8008を有する。
【0424】
上部カバー8001及び下部カバー8002は、タッチパネルセル8004及び表示パネルセル8006のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
【0425】
タッチパネルセル8004は、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを表示パネルセル8006に重畳して用いることができる。また、表示パネルセル8006の対向基板(封止基板)に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。また、表示パネルセル8006の各画素内に光センサを設け、光学式のタッチパネルとすることも可能である。
【0426】
表示パネルセル8006については、図55(A)、(B)の表示パネルセルを用いることができる。すなわち、画素構成には実施の形態1乃至実施の形態10の画素構成を適用することにより単極性のトランジスタで画素を構成することができる。また、周辺駆動回路をnチャネル型トランジスタで構成すれば単極性表示パネルセルを作製することができる。
【0427】
フレーム8007は、表示パネルセル8006の保護機能の他、プリント基板8008の動作により発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム8007は、放熱板としての機能を有していてもよい。
【0428】
プリント基板8008は、電源回路、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であっても良いし、別途設けたバッテリーによる電源であってもよい。
【0429】
また、表示モジュール8000は、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
【0430】
本実施の形態は、他の実施の形態の一部または全部について、変更、追加、修正、削除、応用、上位概念化、又は、下位概念化したものに相当する。したがって、本実施の形態の一部または全部について、他の実施の形態の一部または全部と自由に組み合わせたり、適用することや、置き換えて実施することができる。
【0431】
(実施の形態12)
本実施の形態においては、電子機器の例について説明する。
【0432】
図56(A)乃至図56(H)、図57(A)乃至図57(D)は、電子機器を示す図である。これらの電子機器は、筐体5000、表示部5001、スピーカ5003、LEDランプ5004、操作キー5005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子5006、センサ5007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン5008、等を有することができる。
【0433】
図56(A)はモバイルコンピュータであり、上述したものの他に、スイッチ5009、赤外線ポート5010、等を有することができる。図56(B)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(たとえば、DVD再生装置)であり、上述したものの他に、第2表示部5002、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図56(C)はゴーグル型ディスプレイであり、上述したものの他に、第2表示部5002、支持部5012、イヤホン5013、等を有することができる。図56(D)は携帯型遊技機であり、上述したものの他に、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図56(E)はテレビ受像機能付きデジタルカメラであり、上述したものの他に、アンテナ5014、シャッターボタン5015、受像部5016、等を有することができる。図56(F)は携帯型遊技機であり、上述したものの他に、第2表示部5002、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図56(G)はテレビ受像器であり、上述したものの他に、チューナ、画像処理部、等を有することができる。図56(H)は持ち運び型テレビ受像器であり、上述したものの他に、信号の送受信が可能な充電器5017、等を有することができる。図57(A)はディスプレイであり、上述したものの他に、支持台5018、等を有することができる。図57(B)はカメラであり、上述したものの他に、外部接続ポート5019、シャッターボタン5015、受像部5016、等を有することができる。図57(C)はコンピュータであり、上述したものの他に、ポインティングデバイス5020、外部接続ポート5019、リーダ/ライタ5021、等を有することができる。図57(D)は携帯電話機であり、上述したものの他に、送信部、受信部、携帯電話・移動端末向けの1セグメント部分受信サービス用チューナ、等を有することができる。
【0434】
図56(A)乃至図56(H)、図57(A)乃至図57(D)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。さらに、複数の表示部を有する電子機器においては、一つの表示部を主として画像情報を表示し、別の一つの表示部を主として文字情報を表示する機能、または、複数の表示部に視差を考慮した画像を表示することで立体的な画像を表示する機能、等を有することができる。さらに、受像部を有する電子機器においては、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を自動または手動で補正する機能、撮影した画像を記録媒体(外部又はカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図56(A)乃至図56(H)、図57(A)乃至図57(D)に示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0435】
本実施の形態において述べた電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有することを特徴とする。
【0436】
次に、半導体装置の応用例を説明する。
【0437】
図57(E)に、半導体装置を、建造物と一体にして設けた例について示す。図57(E)は、筐体5022、表示部5023、操作部であるリモコン装置5024、スピーカ5025等を含む。半導体装置は、壁かけ型として建物と一体となっており、設置するスペースを広く必要とすることなく設置可能である。
【0438】
図57(F)に、建造物内に半導体装置を、建造物と一体にして設けた別の例について示す。表示モジュール5026は、ユニットバス5027と一体に取り付けられており、入浴者は表示モジュール5026の視聴が可能になる。
【0439】
なお、本実施の形態において、建造物として壁、ユニットバスを例としたが、本実施の形態はこれに限定されず、様々な建造物に半導体装置を設置することができる。
【0440】
次に、半導体装置を、移動体と一体にして設けた例について示す。
【0441】
図57(G)は、半導体装置を、自動車に設けた例について示した図である。表示モジュール5028は、自動車の車体5029に取り付けられており、車体の動作又は車体内外から入力される情報をオンデマンドに表示することができる。なお、ナビゲーション機能を有していてもよい。
【0442】
図57(H)は、半導体装置を、旅客用飛行機と一体にして設けた例について示した図である。図57(H)は、旅客用飛行機の座席上部の天井5030に表示モジュール5031を設けたときの、使用時の形状について示した図である。表示モジュール5031は、天井5030とヒンジ部5032を介して一体に取り付けられており、ヒンジ部5032の伸縮により乗客は表示モジュール5031の視聴が可能になる。表示モジュール5031は乗客が操作することで情報を表示する機能を有する。
【0443】
なお、本実施の形態において、移動体としては自動車車体、飛行機機体について例示したがこれに限定されず、自動二輪車、自動四輪車(自動車、バス等を含む)、電車(モノレール、鉄道等を含む)、船舶等、様々なものに設置することができる。
【0444】
なお、本明細書等においては、ある一つの実施の形態において述べる図または文章において、その一部分を取り出して、発明の一態様を構成することは可能である。したがって、ある部分を述べる図または文章が記載されている場合、その一部分の図または文章を取り出した内容も、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能であるものとする。そのため、例えば、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、配線、受動素子(容量素子、抵抗素子など)、導電層、絶縁層、半導体層、有機材料、無機材料、部品、装置、動作方法、製造方法などが単数又は複数記載された図面または文章において、その一部分を取り出して、発明の一態様を構成することが可能であるものとする。例えば、N個(Nは整数)の回路素子(トランジスタ、容量素子等)を有して構成される回路図から、M個(Mは整数で、M<N)の回路素子(トランジスタ、容量素子等)を抜き出して、発明の一態様を構成することは可能である。別の例としては、N個(Nは整数)の層を有して構成される断面図から、M個(Mは整数で、M<N)の層を抜き出して、発明の一態様を構成することは可能である。さらに別の例としては、N個(Nは整数)の要素を有して構成されるフローチャートから、M個(Mは整数で、M<N)の要素を抜き出して、発明の一態様を構成することは可能である。
【0445】
なお、本明細書等においては、ある一つの実施の形態において述べる図または文章において、少なくとも一つの具体例が記載される場合、その具体例の上位概念を導き出すことは、当業者であれば容易に理解される。したがって、ある一つの実施の形態において述べる図または文章において、少なくとも一つの具体例が記載される場合、その具体例の上位概念も、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。
【0446】
なお、本明細書等においては、少なくとも図に記載した内容(図の中の一部でもよい)は、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。したがって、ある内容について、図に記載されていれば、文章を用いて述べていなくても、その内容は、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。同様に、図の一部を取り出した図についても、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。
【符号の説明】
【0447】
10 回路
10_1 回路
10_2 回路
10_3 回路
10A 回路
10B 回路
10C 回路
10p 回路
10q 回路
10r 回路
10s 回路
10t 回路
10v 回路
10w 回路
11 トランジスタ
11A トランジスタ
11B トランジスタ
11C トランジスタ
11D トランジスタ
12 スイッチ
12T トランジスタ
13 スイッチ
13T トランジスタ
14 スイッチ
14T トランジスタ
15 スイッチ
15T トランジスタ
16 スイッチ
16T トランジスタ
17 負荷
18 容量素子
19 配線
20 配線
21 配線
22 配線
23 回路
24 回路
25 回路
26 回路
27A 回路
27B 回路
27C 回路
27D 回路
27E 回路
27F 回路
27G 回路
27H 回路
27I 回路
28 回路
29 回路
31 配線
32 配線
33 配線
34 配線
35 配線
36 配線
37 配線
38 配線
39 配線
41 スイッチ
41T トランジスタ
42 スイッチ
42T トランジスタ
43 スイッチ
43T トランジスタ
44 配線
45 スイッチ
45T トランジスタ
46 配線
51 表示装置
52 画素領域
53 ゲート線駆動回路
54 信号線駆動回路
55 シフトレジスタ
56 ラッチ回路
57 ラッチ回路
58 デジタル・アナログ変換回路
59 リファレンス用電流源回路
60 リファレンス用電流源回路
70_1 スイッチ
70_2 スイッチ
70_3 スイッチ
100 画素
100p 画素
100q 画素
100r 画素
100s 画素
100t 画素
100v 画素
100w 画素
101 トランジスタ
101B トランジスタ
101G トランジスタ
101R トランジスタ
102 スイッチ
102T トランジスタ
103 スイッチ
103T トランジスタ
104 スイッチ
104T トランジスタ
105 スイッチ
105T トランジスタ
106 スイッチ
106T トランジスタ
107 発光素子
107B 発光素子
107G 発光素子
107R 発光素子
108 容量素子
108B 容量素子
108G 容量素子
108R 容量素子
109 配線
110 配線
111 配線
111B 配線
111G 配線
111R 配線
112 配線
127A 回路
131 配線
132 配線
133 配線
134 配線
135 配線
141 スイッチ
142 スイッチ
143 スイッチ
144 配線
145 スイッチ
146 配線
201 信号線駆動回路
202A 走査線駆動回路
202B 走査線駆動回路
202C 走査線駆動回路
202D 走査線駆動回路
202E 走査線駆動回路
203 画素領域
400 基板
401 絶縁層
402 絶縁層
403 絶縁層
410 基板
411 絶縁層
412 絶縁層
413 絶縁層
500 画素
501 pチャネル型トランジスタ
502T トランジスタ
503T トランジスタ
504T トランジスタ
505T トランジスタ
506T トランジスタ
507 発光素子
600 画素
601 トランジスタ
602 トランジスタ
605 トランジスタ
851 導電層
852 半導体層
852_n 不純物領域
853 導電層
854 導電層
855 導電層
856 コンタクトホール
857 コンタクトホール
858 コンタクトホール
859 コンタクトホール
860 半導体層
5000 筐体
5001 表示部
5002 表示部
5003 スピーカ
5004 LEDランプ
5005 操作キー
5006 接続端子
5007 センサ
5008 マイクロフォン
5009 スイッチ
5010 赤外線ポート
5011 記録媒体読込部
5012 支持部
5013 イヤホン
5014 アンテナ
5015 シャッターボタン
5016 受像部
5017 充電器
5018 支持台
5019 外部接続ポート
5020 ポインティングデバイス
5021 リーダ/ライタ
5022 筐体
5023 表示部
5024 リモコン装置
5025 スピーカ
5026 表示モジュール
5027 ユニットバス
5028 表示モジュール
5029 車体
5030 天井
5031 表示モジュール
5032 ヒンジ部
6701 信号線駆動回路
6702 画素部
6703 走査線駆動回路
6704 封止基板
6705 シール材
6706 走査線駆動回路
6707 空間
6708 配線
6710 基板
6711 トランジスタ
6712 トランジスタ
6713 電極
6714 絶縁物
6717 電極
6718 発光素子
6719 ICチップ
6720 nチャネル型トランジスタ
6721 nチャネル型トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲートが第1のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が第2のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、該ソース及びドレインの一方が第3のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が前記第1のスイッチの他方の端子に電気的に接続され、該ソース及びドレインの他方が第4のスイッチの一方の端子に電気的に接続されたトランジスタと、
一方の電極が前記トランジスタのゲートに電気的に接続され、他方の電極が前記第3のスイッチの他方の端子に電気的に接続され、該他方の電極が第5のスイッチの一方の端子に電気的に接続された容量素子と、
一方の電極が前記トランジスタのソース及びドレインの一方に電気的に接続された負荷と、
前記第2のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第1の配線と、
前記第4のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第2の配線と、
前記負荷の他方の電極に電気的に接続された第3の配線と、
前記第5のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第4の配線と、を有し、
前記第1の配線は第1の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、
前記第2の配線は第2の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、
前記第3の配線は第3の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、
前記第4の配線は第4の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、
前記第1の電位は、前記第3の電位より小さい電位であり、
前記第2の電位は、前記第3の電位より大きい電位であり、
前記第4の電位は、前記第1の電位より大きい電位である、半導体装置。
【請求項2】
ゲートが第1のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が第2のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、該ソース及びドレインの一方が第3のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が前記第1のスイッチの他方の端子に電気的に接続され、該ソース及びドレインの他方が第4のスイッチの一方の端子に電気的に接続されたトランジスタと、
一方の電極が前記トランジスタのゲートに電気的に接続され、他方の電極が前記第3のスイッチの他方の端子に電気的に接続され、該他方の電極が第5のスイッチの一方の端子に電気的に接続された容量素子と、
一方の電極が前記トランジスタのソース及びドレインの一方に電気的に接続された負荷と、
前記第2のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第1の配線と、
前記第4のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第2の配線と、
前記負荷の他方の電極に電気的に接続され、前記第5のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第3の配線と、を有し、
前記第1の配線は第1の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、
前記第2の配線は第2の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、
前記第3の配線は第3の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、
前記第1の電位は、前記第3の電位より小さい電位であり、
前記第2の電位は、前記第3の電位より大きい電位である、半導体装置。
【請求項3】
ゲートが第1のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が第2のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、該ソース及びドレインの一方が第3のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が前記第1のスイッチの他方の端子に電気的に接続され、該ソース及びドレインの他方が第4のスイッチの一方の端子に電気的に接続されたトランジスタと、
一方の電極が前記トランジスタのゲートに電気的に接続され、他方の電極が前記第3のスイッチの他方の端子に電気的に接続され、該他方の電極が第5のスイッチの一方の端子に電気的に接続された容量素子と、
前記第2のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第1の配線と、
前記第4のスイッチの他方の端子に電気的に接続され、前記第5のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第2の配線と、
一方の電極が前記トランジスタのソース及びドレインの一方に電気的に接続された負荷と、
前記負荷の他方の電極に電気的に接続された第3の配線と、を有し、
前記第1の配線は第1の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、
前記第2の配線は第2の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、
前記第3の配線は第3の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、
前記第1の電位は、前記第3の電位より小さい電位であり、
前記第2の電位は、前記第3の電位より大きい電位である、半導体装置。
【請求項4】
ゲートが第1のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が第2のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、該ソース及びドレインの一方が第3のスイッチの一方の端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が前記第1のスイッチの他方の端子に電気的に接続され、該ソース及びドレインの他方が第4のスイッチの一方の端子に電気的に接続されたトランジスタと、
一方の電極が前記トランジスタのゲートに電気的に接続され、他方の電極が前記第3のスイッチの他方の端子に電気的に接続され、該他方の電極が第5のスイッチの一方の端子に電気的に接続された容量素子と、
一方の電極が前記トランジスタのソース及びドレインの一方に電気的に接続された負荷と、
前記第2のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第1の配線と、
前記第4のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第2の配線と、
前記負荷の他方の電極に電気的に接続された第3の配線と、
前記第5のスイッチの他方の端子に電気的に接続された第4の配線と、を有し、
前記第1の配線は第1の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、
前記第2の配線は第2の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、
前記第3の配線は第3の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、
前記第4の配線は、第4の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、
前記第1の電位は、前記第3の電位より小さい電位であり、
前記第2の電位は、前記第3の電位より大きい電位である、半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一において、前記第1のスイッチ乃至前記第5のスイッチはトランジスタである半導体装置。
【請求項6】
請求項5において、前記トランジスタは同じ導電型である半導体装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
一方の端子が前記トランジスタのソース及びドレインの一方に電気的に接続され、他方の端子が前記負荷の一方の電極に電気的に接続された第6のスイッチを有する、半導体装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一において、
前記トランジスタのソース及びドレインの他方には第7のスイッチの一方の端子が電気的に接続され、前記第7のスイッチの他方の端子は第5の配線に電気的に接続され、
前記第5の配線は第5の電位を供給することができる機能を有する回路に電気的に接続されており、
前記第5の電位は、前記第3の電位より大きい電位である、半導体装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一において、前記負荷は整流特性を有する表示素子である半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図86】
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【図87】
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【図88】
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【図89】
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【図90】
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【図91】
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【図92】
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【図93】
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【図94】
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【図95】
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【図96】
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【図97】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【公開番号】特開2013−54346(P2013−54346A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−165398(P2012−165398)
【出願日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】