説明

圧電発振器

【課題】 寄生容量を小さくし、負性抵抗を減少させない圧電発振器を提供する。
【解決手段】 圧電発振器(100)は、一対の励振電極を有する圧電振動片(10)と、圧電振動片を発振させる発振回路(20)を収容するキャビティ底面と該キャビティ底面の法線方向にキャビティ底面から形成されたキャビティ壁とを有するセラミックパッケージ(30)と、キャビティ壁の上面に配置されたグランド電位のシールリング(41)と、シールリングで溶接される金属製リッド(5)と、キャビティの底面に形成され圧電振動片と発振回路とを電気的に接続する一対の配線電極(36b)と、を備える。そして、圧電発振器(100)は、キャビティ底面の法線方向から見て、一対の配線電極(36b)とシーリング(43)とが重なる領域のセラミック壁はその内部に空洞(43)が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IC等の電子部品を搭載した表面実装用の圧電発振器に関する。特に負性抵抗が減少することを防止したセラミックパッケージを有する圧電発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
表面実装用の水晶振動子は、セラミックパッケージとこのセラミックパッケージを封止する金属製蓋体とを溶接して形成される。一般に、金属製蓋体のシールリング材は金属材料であり、シールリング材はグランド電位に短絡されている。特許文献1の従来例として挙げられた水晶振動子では、入出力電極パッドが、ビアホール導体ではなく、セラミックパッケージの側面を経由して配線されている。つまり、セラミックパッケージに形成される水晶発振素子の入出力電極パッドと金属製蓋体のシールリングとの間にセラミック層が形成されている。このため、水晶発振素子の入出力端子とシールリングとの間に寄生容量が発生している。そこで、特許文献1の発明として開示された水晶振動子は、シーリングはグランドに接地し、入出力電極パッドは、水晶振動子の底面に配置された外部端子電極にビアホール導体で電気的に接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−133887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1は発振回路を有するICを備えた水晶発振器について開示していない。水晶発振器の出荷前に水晶振動片単体での振動状態を確認するために、セラミックパッケージの側面に測定用端子が設けられる。この測定用端子は、水晶発振器の製品出荷後には使用されないため、電源端子又はグランド端子などの端子のように、水晶発振器の底面に設けない。したがって、水晶発振器は、特許文献1に開示されるようにビアホール導体を形成して、測定用端子と水晶振動片用の入出力電極パッドとを導通させることができないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明は、寄生容量を小さくし、負性抵抗を減少させない圧電発振器を提供する。
【0006】
第1の観点の圧電発振器は、一対の励振電極を有する圧電振動片と、圧電振動片を発振させる発振回路を収容するキャビティ底面と該キャビティ底面の法線方向にキャビティ底面から形成されたキャビティ壁とを有するセラミックパッケージと、キャビティ壁の上面に配置されたグランド電位のシールリングと、シールリングで溶接される金属製リッドと、キャビティの底面に形成され、圧電振動片と発振回路とを電気的に接続する一対の配線電極と、を備える。そして、圧電発振器は、キャビティ底面の法線方向から見て、一対の配線電極とシーリングとが重なる領域のセラミック壁はその内部に空洞が形成される。
【0007】
第2の観点の圧電発振器は、空洞の側面に配線電極の一部が形成される。
第3の観点の圧電発振器は、圧電振動片と発振回路とが同じキャビティ内に配置される。
第4の観点の圧電発振器は、圧電振動片と発振回路とが別のキャビティ内に配置される。
第5の観点の圧電発振器は、一対の配線電極はともにそれらの一部がセラミックパッケージの外壁にも形成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の圧電発振器によれば、パッケージのセラミック壁内に空間部を設け、入出力端子とシールリングとの間にコンデンサを形成させないことにより、回路の負性抵抗を水晶振動子の等価抵抗より大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)は、第1水晶発振器100のA−A’断面図である。 (b)は、水晶振動片10及び電子回路素子20の接続関係を示したパッケージ30の平面図である。
【図2】外部電極と電子回路素子20との接続関係を示したベースセラミック層30aの平面図である。
【図3】(a)は、水晶振動片10の平面図である。 (b)は、電子回路素子20の平面図である。
【図4】水晶振動子に及ぼす出入力端子とシールリング間の容量を示す発振回路図である。
【図5】(a)は、第2水晶発振器200のB−B’断面図である。 (b)は、水晶振動片10及び電子回路素子20との接続関係を示したパッケージ230の第2層230bの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
<第1水晶発振器100の全体構成>
第1水晶発振器100の全体構成について、図1〜図3を参照しながら説明する。
図1(a)は、第1水晶発振器100のA−A’断面図であり、(b)は、パッケージ30の平面図である。但し、図1(b)は、理解を助けるため、リッド5が取り外されて描かれている。また図1(b)は、理解を助けるため、水晶振動片10が二点鎖線で、電子回路素子20が点線で描かれている。
【0011】
図2は、水晶振動片10とIC等の電子回路素子20との接続関係を示したベースセラミック層30aの平面図である。台座セラミック層30b及び枠部セラミック層30cは描かれていない。図3(a)は、水晶振動片10の平面図であり、(b)は、電子回路素子20の上から見た平面図である。
【0012】
ここで、水晶振動片としてATカットの水晶振動片10が使われている。つまり、ATカットの水晶振動片は、主面(YZ面)が結晶軸(XYZ)のY軸に対して、X軸を中心としてZ軸からY軸方向に35度15分傾斜されている。このため、第1実施形態ではATカットの水晶振動片の軸方向を基準とし、傾斜された新たな軸をy’軸及びz’軸として用いる。すなわち、第1実施形態において第1水晶発振器100の長手方向をx軸方向、第1水晶発振器100の高さ方向をy’軸方向、x及びy’軸方向に垂直な方向をz’として説明する。以下、第2実施形態において同様である。
【0013】
図1(a)に示されるように、第1水晶発振器100は、表面実装型の圧電発振器であり、プリント基板等に実装されて使用される。第1水晶発振器100は、主に、水晶振動片10と、電子回路素子20と、パッケージ30と、リッド5とにより構成されている。
【0014】
水晶振動片10は、図3(a)に示されるように、ATカットされた水晶片101により構成され、その水晶片101の中央付近の両主面に一対の励振電極15a、15bが対向して配置されている。また、励振電極15aには水晶片101の底面(−y’側)の−x側まで伸びた引出電極12及び電極パッド14が接続され、励振電極15bには水晶片101の底面(−y’側)の−x側まで伸びた引出電極11及び電極パッド13が接続されている。励振電極15a、15b、引出電極11,12及び電極パッド13,14は例えば下地としてのクロム層が用いられ、クロム層の上面に金層が用いられる。水晶振動片10の各電極パッド13,14は、導電性接着剤60を介して、水晶振動片載置部35の第2配線電極36bに接合される。
【0015】
ICである電子回路素子20は、図3(b)に示されるように、−y’軸側の面に6つの端子を有している。6つの端子は、水晶振動片10に電気的に接続される2つの水晶端子22及び4つの回路端子21である。
【0016】
パッケージ30は、セラミック等の絶縁体からなる。パッケージ30は、パッケージ30の底面を形成するベースセラミック層30aと、ベースセラミック層30aの+y’軸側に配置される台座セラミック層30bと、台座セラミック層30bの+y’軸側に配置される枠部セラミック層30cとの3つの層により形成されている。パッケージ30は、ベースセラミック層30a、台座セラミック層30b及び枠部セラミック層30cでキャビティCTを形成する。キャビティCTは、水晶振動片10及び電子回路素子20を収納する。台座セラミック層30b及び枠部セラミック層30cには、図1(a)及び(b)に示されるように、矩形形状のパッケージ30の短辺にそれぞれ空洞43が形成されている。
【0017】
ベースセラミック層30aの−y’軸側の面である実装面M1には、4つの外部電極51,52が形成されている。外部電極51,52は、タングステン(W)等に金(Au)メッキ等を施すことにより形成される。図2に示されるように、実装面M1の4つの角に外部電極51a,51b,52a,52bが形成されている。4箇所に形成されている第1配線電極36aは、それぞれ外部電極51a,51b,52a,52bに電気的に接続されている。外部電極51aは、電源が供給される電源端子(XT、Xtbar)であり、外部電極52bは、アースされたグランド端子(GND)であり、外部電極51bは、発振周波数を出力する取出し端子であり、外部電極52aは、出力端子からの出力をオンオフするスタンバイ端子又は周波数を制御する周波数制御端子である。
【0018】
またベースセラミック層30aの実装面M1の反対面には、第1配線電極36aが形成されている。図1(b)に示されるように、第1配線電極36aは、ベースセラミック層30aの+y’軸側の面に電子回路素子20が載置される端子載置部33a及び貫通部37を有している。端子載置部33aは、図1(a)に示された金属バンプ53を介して電子回路素子20の回路端子21と電気的に接続する。第1配線電極36aは、ベースセラミック層30aを貫通する貫通部37を通り、ベースセラミック層30aの+y’軸側の面から外部電極51,52に電気的に接続されている。
【0019】
台座セラミック層30bには第2配線電極36bが形成されている。第2配線電極36bは、その一部がベースセラミック層30aの+y’軸側の面に形成されている。その電極は電子回路素子20が載置される端子載置部33bとつながっている。端子載置部33bも、金属バンプ53を介して電子回路素子20の回路端子21と電気的に接続する。
【0020】
第2配線電極36bは、台座セラミック層30bの+y’軸側の面から、台座セラミック層30bを貫通する空洞43の側面内に配線されている。この第2配線電極36bは、台座セラミック層30bの+y’軸側の面に形成された水晶振動片載置部35まで電気的に接続されている。つまり、第2配線電極36bは、台座セラミック層30bの水晶振動片載置部35に形成される第2配線電極36bと電気的に接続されている。つまり、第2配線電極36bは空洞43の側面内に配線されることで、わざわざ水晶振動片載置部35用にビアホール等が形成されていない。水晶振動片10は、導電性接着剤60を介して水晶振動片載置部35に載置される。
【0021】
第2配線電極36bは、さらに台座セラミック層30bの外周にまで伸びている。そこに第2配線電極36bと電気的に接続する測定電極38が形成されている。測定端子38は、ベースセラミック層30aの実装面M1に形成されない。第1水晶発振器100が、プリント基板等に実装された際に、測定電極38はハンダ等で接続されないからである。そのため、測定電極38は台座セラミック層30bの外周に形成されている。つまり測定電極38につながる第2配線電極36bは、後述するシールリング41の下を必ず通過しなければならない。
【0022】
図1(b)に示されるように、電子回路素子20は、点線で示されたように、第1配線電極36aの端子載置部33a及び第2配線電極36bの端子載置部33bに載置される。水晶振動片10は、二点鎖線で示されたように、導電性接着剤60を介して第2配線電極36bの水晶振動片載置部35に載置される。
【0023】
パッケージ30に形成されるキャビティCTは、リッド5により密封されている。リッド5はシールリング41を介してパッケージ30の+y’軸側の面と接合されている。
【0024】
リッド5は、キャビティCTを密封するようにシールリング41を介してパッケージ30の+y’軸側の面に溶接されている。シールリング41は銀ろう又は金錫等からなる金属層である。シールリング41は、図1(b)に示されるように、キャビティCTの全周囲に配置されている。リッド5は、コバール合金(Fe54%,Co29%,Ni17%合金)等からなる。図1等では描かれていないが、シールリング41及びリッド5は、接地(アース)されている。
【0025】
さて、図1(b)に示されるように、y’軸方向から見て、シールリング41と第2配線電極36bとが重なる領域がある。この領域に、台座セラミック層30b及び枠部セラミック層30cの空洞43が形成される。この空洞43が形成される理由について図4を使って説明する。
【0026】
図4は、水晶振動子に及ぼす出入力端子とシールリング間の容量を示す発振回路図であり、水晶振動子10と発振回路との関係を示す図である。
【0027】
図4に示されるように、点線で囲った発振回路である電子回路素子20は、帰還抵抗Rf、インバータ回路、ドレイン容量C及びゲート容量Cを有している。また、第1水晶発振器100の測定電極38が台座セラミック層30bの外周に形成されているため、第1水晶発振器100は、第2配線電極36bと金属層であるシールリング41との間に寄生容量Csを有している。
【0028】
この寄生容量Csは、第2配線電極36bとシールリング41との間に誘電体があることによって発生する。この寄生容量Csがドレイン容量C及びゲート容量Cに並列に配置される。寄生容量Csが大きいと、水晶振動片10の負性抵抗が減少する。水晶振動子10が安定して発振するためには、発振回路の負性抵抗値が水晶振動子の実効抵抗値より大きくなければならない。このため寄生容量Csができるだけ小さい方が好ましい。
【0029】
本実施形態では、図1に示されたように、シールリング41と第2配線電極36bとの間に、空洞43が形成されている。つまり、寄生容量Csは、シールリング41(図1(a)を参照)と第1電極36b(図1(b)を参照)との間のセラミック層が空気層(空洞43)に代わることにより、減少させることができる。
【0030】
シールリング41と第1電極36bとの間のセラミック層が空気層に代わると静電容量Cは、1/9に減少する。アルミナセラミックの誘電率は「9×10−12」、空気の誘電率は「1×10−12」である。例えば、誘電率をε、セラミック層の厚さをd「mm」、電極の面積をS「mm」とした場合、寄生容量Cs(静電容量pF)は次の数式1が成り立つ。
Cs[pF] = ε × S/d … 数式1
ここで、ε :比誘電率×真空中の誘電率
S : 平板の面積(mm
d : 平板間の距離 (mm)
【0031】
シールリング41と第1配線電極36aとの間のセラミック層が空気層に代わると寄生容量Csが小さくなり、負性抵抗値は増加する。
セラミック層の負性抵抗値をR,空気層の負性抵抗値をR’とすると次の数式2が成り立つ。
R =−gm/(ω×(C+9C’)×(C+9C’)
R’=−gm/(ω×(C+C’)×(C+C’)
∴ R’≫ R …数式2
【0032】
(第2実施形態)
<第2水晶発振器200の全体構成>
第2水晶発振器200の全体構成について、図5を参照しながら説明する。
第2実施形態として、2つのキャビティにそれぞれ水晶振動片10と電子回路素子20とが載置される第2水晶発振器200を説明する。第2水晶発振器200の水晶振動片10はリッド5で封止され、電子回路素子20は不図示の樹脂等で封止される。下の説明において、第1水晶発振器100とその構成が同じ部分は第1水晶発振器100と同じ番号を付してその説明を省略する。
【0033】
図5(a)は、第2水晶発振器200のB−B’断面図であり、(b)は、水晶振動片10及び電子回路素子20との接続関係を示したパッケージ230の第2層230bの平面図である。但し、図5(b)では、理解を助けるため、リッド5が取り外され、また、水晶振動片10が二点鎖線で、電子回路素子20が点線で描かれている。第2水晶発振器200は、主に水晶振動片10、電子回路素子20、パッケージ230及びリッド5により構成されている。
【0034】
パッケージ230は、第1層枠部230aと、第1層枠部230aの+y’軸側に配置される第2層ベース部230bと、第2層ベース部230bの+y’軸側に配置される第3層枠部230cとにより形成されている。第1層枠部230aは、パッケージ230の底面を形成しており、第1層枠部230aの−y’軸側の面には外部電極251,252が形成されている。また、第1層枠部230aと第2層ベース部230bとは、第2キャビティCT2を形成する。第2キャビティCT2には電子回路素子20が載置されており、不図示の樹脂は電子回路素子20を封止する。また、第2層ベース部230bと第3層枠部230cとは、第1キャビティCT1を形成する。第1キャビティCT1には水晶振動片10が載置され、また第1キャビティCT1はリッド5で密封される。
【0035】
第2層ベース部230bは2層からなる。第1層の底部セラミック層231は台座セラミック層232を形成する。台座セラミック層232には水晶振動片載置部235が形成される。
【0036】
底部セラミック層231の−y’軸側の面に、第1電極236a及び第2電極236bの一部(図5(b)を参照)が形成される。第1電極236aは、第2層ベース部230bの−y’軸側の面及び貫通部237aに形成される。貫通部237aは、第1層枠部230aを貫通する。第1電極236aは、さらに電子回路素子20が載置される端子載置部233aを有している。
【0037】
第2電極236bは、第2層ベース部230bの−y’軸側の面に、及び台座セラミック層232の+y’軸側の面に形成される。さらに第2配線電極236bは、底部セラミック層231及び台座セラミック層232を貫通する空洞243の側面内に配線されている。図5(b)に示されるように、第2実施形態の空洞243は、図1(b)に示された空洞43よりも面積が大きい。このため2本の第2電極236bが空洞243の側面内に配線されている。第2電極236bの台座セラミック層232は、水晶振動片10が載置される水晶振動片載置部235を有しており、水晶振動片10の電極パッド13,14(図3(a)参照)は導電性接着剤60を介して水晶振動片載置部235と電気的に接続される。つまり、第2配線電極236bは空洞243の側面内に配線されることで、わざわざ水晶振動片載置部235用にビアホール等が形成されていない。さらに第2電極236bは、電子回路素子20が載置される端子載置部233bを有している。
【0038】
電子回路素子20は、端子載置部233a及び端子載置部233bに金属バンプ53を介して回路端子22に電気的に接続される。
【0039】
図5(a)及び(b)に示されるように、第2配線電極236bは、さらに底部セラミック層231の外周にまで伸びている。そこに第2配線電極236bと電気的に接続する測定電極38が形成されている。測定端子38は、第1層枠部230aに形成されない。第2水晶発振器200が、プリント基板等に実装された際に、測定電極38はハンダ等で接続されないからである。測定電極38につながる第2配線電極36bは、シールリング41の下を必ず通過する。
【0040】
空洞243が、第2層ベース部230bと第3層枠部セラミック層230cとの短辺壁部に形成される。空洞243は、第2配線電極36bの上部に形成される。y’軸方向から見て、シールリング41と第2配線電極236bとが重なる領域がある。第2水晶発振器200は、第2配線電極36bと金属層であるシールリング41との間に寄生容量Csを有している。空洞243が形成されるため、寄生容量Csは、シールリング41と第1電極36bとの間のセラミック層が空気層(空洞43)に代わることにより、減少する。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
【0042】
例えば、水晶振動片はATカットの水晶振動片である場合を示したが、同じように厚みすべりモードで振動するBTカットなどであっても同様に適用できる。また、音叉型水晶振動片についても適用できる。さらに水晶振動片は水晶材料のみならず、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムあるいは圧電セラミックを含む圧電材料に基本的に適用できる。
【符号の説明】
【0043】
5 … リッド
10 … 水晶振動片
11、12 … 引出電極
13,14 … 電極パッド
15a、15b … 励振電極
20 … 電子回路素子
21 … 水晶端子
22 … 回路端子
30、230 … パッケージ
30a … ベースセラミック層、30b … 台座セラミック層
30c … 枠部セラミック層
33a、33b、233a、233b … 端子載置部
35、235 … 水晶振動片載置部
36a、236a … 第1配線電極
36b、236b … 第2配線電極
37a、37b、237a … 貫通部
38 … 測定電極
41 … シールリング
43 … 空間
51a … 外部電極(VDD端子)、 51b … 外部電極(周波数取出し端子)
52a … 外部電極(スタンバイ端子)、 52b … 外部電極(グランド端子)
53 … 金属バンプ
60 … 導電性接着剤
100、200… 水晶発振器
101 … ATカット水晶板
230a … パッケージ230の第1層枠部
230b … パッケージ230の第2層ベース部
230c … パッケージ230の第3層枠部
231 … ベース部230bの第1層
232 … ベース部230bの第2層台座部
Cs … 寄生容量、C … ドレイン容量、 C … ゲート容量
CT、CT1,CT2 … キャビティ
M1 … 実装面
… ドレイン抵抗、 Rf … 帰還抵抗



【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の励振電極を有する圧電振動片と、
前記圧電振動片を発振させる発振回路を収容するキャビティ底面と該キャビティ底面の法線方向に前記キャビティ底面から形成されたキャビティ壁とを有するセラミックパッケージと、
前記キャビティ壁の上面に配置されたグランド電位のシールリングと、
前記シールリングで溶接される金属製リッドと、
前記キャビティの底面に形成され、前記圧電振動片と前記発振回路とを電気的に接続する一対の配線電極と、を備え、
前記法線方向から見て、前記一対の配線電極と前記シーリングとが重なる領域の前記セラミック壁はその内部に空洞が形成される圧電発振器。
【請求項2】
前記空洞の側面に前記配線電極の一部が形成される請求項1に記載の圧電発振器。
【請求項3】
前記圧電振動片と前記発振回路とが同じキャビティ内に配置される請求項1又は請求項2に記載の圧電発振器。
【請求項4】
前記圧電振動片と前記発振回路とが別のキャビティ内に配置される請求項1又は請求項2に記載の圧電発振器。
【請求項5】
前記一対の配線電極は、それらの一部が前記圧電振動片の測定用に前記セラミックパッケージの外壁にも形成される請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の圧電発振器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−38672(P2013−38672A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174595(P2011−174595)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】