説明

基板上の金属パターン形成方法

【課題】本発明は、2つの異なる光画像形成膜組成物、特に、基板上に2つの異なるドライフィルム組成物を設ける方法に関する。
【解決手段】2つの光画像形成膜組成物は、現像後、光画像形成膜上層が光画像形成膜下層にオーバーハングするように、異なる現像速度及び/又は硬化速度を有するようにそれぞれ選択される。その後、金属層が基板の表面上に堆積される。オーバーハング形状は基板と光画像形成膜層との界面に沿って金属層が光画像形成膜層との密着を防ぐため、オーバーハング形状が次に配置される金属層に損傷を与えずに、光画像形成膜層の完全な除去が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板表面上に金属パターンを形成する方法に関する。特に、該方法は、基板に金のスパッタ画像を形成する際に特に有用である。
【背景技術】
【0002】
本発明は、基板上で金属画像を所望のパターンに形成する方法に関する。二種の光画像形成(photoimageable)膜層を基板上に設け、化学線に露光後に所望の画像のネガが作製され、続いて現像した後に、光画像形成下層の上に光画像形成上層の「傘」が形成されるようにする。その後、金属層を基板の光画像形成膜パターン上に堆積する。この「傘」によって、その後配置される金属に損傷を与えずに、光画像形成膜層を完全に除去可能となる。
【0003】
本発明は、プリント基板の製造等のプロセスに使用可能である。プリント基板製造の一般的なプロセスは、特許文献1に記載され、この主題は参照することにより全体を本願に援用する。本発明は、また、下記に示す基板上に金属画像を成型するためのプロセスと同様の工程を有する他の様々なプロセスに使用可能である。
【0004】
基板上での金属画像作製は一般的に以下の手順である。
1)ドライフィルム又は他の光画像形成層を、基板に積層又は他の方法で配置する。
2)化学線を使用してネガ画像を、該基板を覆う光画像形成層上に形成する。
3)1%KCO等の弱アルカリ性溶液を使用して未露光光画像形成層を現像除去し、不要物が除去された基板及び露光されたレジストを残す。
4)基板全体を導電性金属で被膜する。好ましくは、金の層を基板上にスパッタコーティングする。
5)工程4の結果として、導電性金属(金)が基板及び光画像形成層の両方を覆う。
6)そして、残留光画像形成層が3%KOH溶液等のアルカリ性溶液を使用して基板から剥離する。
7)最後に、残留光画像形成層を除去し、基板上に金の画像が残る。
【0005】
特許文献2に適切なプロセスが記載され、この主題は参照することにより全体を本願に援用する。
【0006】
上記の手順の主な懸案事項は、金が1つの連続膜で、基板上の光画像形成層(ドライフィルム)パターン(即ち、トレース)上に被膜されることである。ドライフィルムが剥離される場合、金は、基板表面でレジストと金とが接触する縁部で裂ける。結果的に、剥離後に残る金が不規則な線になり、また、好ましくなく基板からレジストパターンがリフトオフする可能性がある。
【0007】
プリント基板を製造する場合、リフトオフが起こると、プリント基板における主要点間に好ましくないメッキが形成される可能性があり、電気的短絡する、又は短絡しそうになる。従って、不規則な分裂線がない、基板上直線のトレースが生じる製造方法を開発することが非常に望ましい。
【0008】
不規則な金属を防ぐために提案されている方法の1つは、基板の表面近くで簡素なくぼみ足部、即ちアンダーカットを有するようにドライフィルムを現像し、その結果、上から堆積されたスパッタ金がドライフィルム/基板界面の端部まで直接被膜しない「傘効果」を得ることである。簡素なくぼみ足部の欠点は連続して再形成するのが困難であり、レジスト不良、即ちレジストのリフトオフになる可能性があることである。このリフトオフは、スパッタ金の短絡を生じうる。また、くぼみ足部は、基板−ドライフィルム界面に沿って不均一となりうる。
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,044,550号明細書(Larson他)
【特許文献2】米国特許第5,733,466号明細書(Benebo他)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
よって、基板からフォトレジスト剥離後に残留する金のトレースが不規則な線とならない、基板表面に金のトレースを形成するための改善された方法が技術的に必要とされている。
【0011】
発明者らは、異なるブレーク時間及び/又は現像時間及び/又は硬化速度を有する2つのフォトレジスト層の使用することで、フォトレジスト下層上のフォトレジスト上層による「傘」効果を有する、該フォトレジスト層2層のサンドイッチ構造が得られることを意外にも見出した。このフォトレジストサンドイッチの「傘」即ちT型構造は、先行技術で一般的である、基板とドライフィルムフォトレジストとの界面に沿った不規則線を有意に排除する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、基板に金属パターンを形成する方法に関し、該方法は以下の工程を含む。
a)第1光画像形成膜を基板上に設ける。
b)第2光画像形成膜を該第1光画像形成膜上に直接設ける。
c)所望の金属パターンのネガ画像を該第2光画像形成膜上に配置し、該第1光画像形成膜及び該第2光画像形成膜を化学線に露光する。
d)該第1光画像形成膜及び該第2光画像形成膜の未硬化領域を現像除去し、該基板上に画像を形成する。
e)該基板上に、好ましくは、該基板のパターン化領域及び非パターン化領域の両領域上に金属を堆積する。
f)該基板から該第1光画像形成膜及び該第2光画像形成膜を剥離し、該基板上に所望の金属パターンを残す。
【0013】
好適な実施形態において、光画像形成膜層は、基板に積層されたドライフィルムフォトレジストである。任意で、しかし、好ましくは、レジスト下層は、上層よりも、ブレークポイントが低く且つ/又は現像時間が速い。
【0014】
他の好適な実施形態において、フォトレジスト下層は、フォトレジスト上層よりも硬化速度が遅い。2層の「サンドイッチ構造」では、フォトレジスト上層がフォトレジスト下層よりも高い架橋密度により速く硬化し、且つ光画像形成上層が光画像形成下層をオーバーハングするように、より遅く現像する。次に、金属が基板表面にスパッタされて、フォトレジストが剥離され、光画像形成層の独特の形状は、基板と光画像形成膜層との界面に沿って金属層が光画像形成膜層と密着するのを防ぎ、よって、基板とドライフィルムフォトレジストとのサンドイッチ構造間の界面に沿って不規則線を生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、所望のパターンを形成するために光画像形成膜を使用して所望のパターンのネガ画像を露光現像する、基板表面上の金属パターンの形成に関する。次に、金属が基板に堆積され、所望の金属パターンを基板に残して光画像形成膜が除去される。改良された本発明のプロセスは、それぞれ異なる現像速度及び/又は硬化速度を有するように選択された2つの異なる光画像形成膜を使用するため、現像後に、光画像形成膜上層が光画像形成膜下層をオーバーハングする。オーバーハング形状は、基板と光画像形成膜層との界面に沿って金属層が光画像形成膜層と密着するのを防ぐため、オーバーハング形状が、次に配置される金属層に損傷を与えずに、光画像形成膜層の完全な除去が可能となる。
【0016】
本発明は、基板に所望の金属パターンを必要とする、例えば、プリント回路基板の製造を含む様々なプロセスに使用可能である。他のプロセスは、また、当業者に公知である。
【0017】
基板に金属パターンを形成する方法は、概して、以下の工程を含む。
a)第1光画像形成膜を基板上に設ける。
b)第2光画像形成膜を該第1光画像形成膜上に直接設ける。
c)所望の金属パターンのネガ画像を該第2光画像形成膜上に配置し、該第1光画像形成膜及び該第2光画像形成膜を化学線に露光する。
d)該第1光画像形成膜及び該第2光画像形成膜の未硬化領域を現像除去し、該基板上に画像を形成する。
e)該基板上に、該基板のパターン化領域及び非パターン化領域の両領域上、又は少なくとも露光基板上に金属を堆積する。
f)該基板から該第1光画像形成膜及び該第2光画像形成膜を剥離し、該基板上に所望の金属パターンを残す。
【0018】
本発明の1つの好適な実施形態において、下層は、上層よりも速く現像可能に配合される。例えば、下層の現像時間は、約40秒〜約60秒に選択され、上層の現像時間は、約80秒〜約120秒に選択される。他の関連する実施形態において、2つの層は、異なる硬化速度を有する。例えば、下層の硬化速度(ミリジュール(mJ))は、約30mJ〜約100mJに選択され、上層の硬化速度は、約5mJ〜約20mJに選択される。下層は、また、上層と異なる、即ち、上層よりも低いブレークポイントを有する。例えば、下層は、ブレークポイントが30%であり、上層は、ブレークポイントが約60%である。
【0019】
第1光画像形成膜及び第2光画像形成膜は、一般的に、ドライフィルム組成物であり、それぞれ、適切な溶媒に1つ以上のバインダー、1つ以上のモノマー、及び光開始剤システムを含む組成物から配合される。他の添加剤は、また、組成物の様々な特性を向上させるために添加され、定着剤、安定化剤、フロー剤、及び界面活性剤が挙げられる。適切な化合物は、概して、当業者に公知である。
【0020】
溶媒は、概して、メチル エチル ケトン、アセトン、トルエン、及びこれらの混合からなる群から選択される。他の同様の化合物もまた使用され、当業者に公知である。
【0021】
バインダーは、フォトレジストの非硬化領域が現像除去されるように弱アルカリ性溶液に溶解可能なものが選択される。バインダーは、概して、アクリル又はメタクリルバインダーであり、概して、1つ以上の、アクリル酸及びメタクリル酸メチル、エチル、プロピル及びブチル誘導体からなる。SS550(R)(Hercules製)等のスチレン/マレイン酸エステルポリマーもまた使用されうる。
【0022】
適切なバインダーは、メタ(アクリル)酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸n−へキシル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、スチレン、置換スチレン、ビニルエステル、及びこれらの混合から選択される。
【0023】
バインダーのガラス転移温度は、概して、80℃〜130℃であり、好ましくは110℃である。バインダーのA#(A#は、バインダー(g)当たり水酸化物(mg)として定義する:OH(mg)/バインダー(g))は、概して、60〜220であり、好ましくは、上層が110、及び下層が145である。バインダーの分子量(Mw)は、好ましくは、50,000〜200,000であり、より好ましくは、90,000である。バインダー比は、溶媒を除外して、概して、40%〜70%、好ましくは55%である。
【0024】
光画像形成組成物のモノマーは、フリーラジカル鎖伸長付加重合により重合可能なα‐及びβ‐エチレン性不飽和化合物である。モノマーは、アクリル若しくはメタクリル酸、酸エステル、若しくはビニルエステル、ポリエステルアクリレート、又はポリウレタンアクリレートの族に属する。適切なモノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸2(2−エトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸カプロラクトン、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、(メタ)アクリル酸エチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセロールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、及びこれらの併用が挙げられる。組成物は、モノマーの併用を含み、少なくとも1つのモノマーが、一官能であり、且つ少なくとも1つのモノマーが多官能であることが好ましい。
【0025】
化学線に露光時に、光重合性モノマー内でのフリーラジカル付加重合及びバインダーポリマーの架橋を開始するために、光画像形成組成物は、フリーラジカル生成性光開始剤システムを含む。適切な光開始剤は、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール、アセトフェノン、及びベンゾフェノンが挙げられ、これらに限定されない。
【0026】
本発明の各ドライフィルムフォトレジストは同じ方法で製造され、概して、紫外線感受性膜「サンドイッチ構造」として作製される光画像形成膜である。光画像形成組成物はキャリアシート上を被覆し、続いて溶剤を除去する。キャリアシートは、概して、ポリエステル又はポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリマーである。除去可能な保護層、例えば、ポリエチレン等は、ロールの裏側に材料が付着するのを防ぐために光画像形成組成物の反対側に塗布する。そして、保護層は、積層前に除去する。
【0027】
第1ドライフィルムの層、即ち、現像時間がより速く及び露光時間がより遅い層が、加圧及び/又は加熱により基板に積層する。そして、ポリエステル保護シートを除去し、そして、第2ドライフィルム層、即ち、現像時間がより遅く及び/又は硬化時間がより速い層を第1ドライフィルム層上に積層する。2層間で異なる現像時間及び/又は硬化速度は、組成物の違いにより達成される。2つの組成物においてバインダー及びモノマーの種類又は量を異ならせることで、この目的が達成可能である。特に、各層で疎水性/親水性度が異なるバインダーを選択するのが効果的である。あるいは、光開始剤の濃度又は種類を組成物間で異ならせてもよい。いずれにせよ、目的は、2つのレジスト組成物間で異なる硬化/現像速度を得ることである。しかしながら、同じ組成物を両方の層に使用しても、第2層に侵入するにつれて化学線が減衰するため、ある程度同じ効果が達成される。
【0028】
第2層にポリエステル保護シートを配置したままで、版画のネガ画像を2つのフォトレジスト層上に配置する。そして、2つのレジスト層を、選択された現像速度に基づき、上層を硬化するのに十分だが、下層を完全に硬化するには十分でない時間で化学線を使用して露光する。例えば、レジスト層は、現像速度が120秒間に15mJで露光する。他の硬化時間及び現像速度の組合せもまた可能である。
【0029】
そして、ポリエステル保護シートをフォトレジスト上層から除去し、未硬化ドライフィルム残留領域を弱アルカリ性溶液を使用して現像除去する。本発明で使用可能な適切なアルカリ性溶液の1つは、1%KCO溶液である。
【0030】
現像後、本発明は、次に塗布される金属層が、基板と第1及び第2光画像形成層との界面に沿って第1及び第2光画像形成膜と密着しないように基板上で第1光画像形成膜をオーバーハングする第2光画像形成膜を得て、第1及び第2光画像形成層は、基板上で基板と金属パターンとの間に規則的な縁部を得るために完全に除去可能である。
【0031】
金属層は、好ましくは、スパッタコーティングにより堆積するが、メッキ等の他の方法でも実施可能である。金が一般的に選択される金属であるが、ニッケル、銅、錫、白金、銀、パラジウム等他の金属もまた基板に塗布してもよい。そして、2層フォトレジストは、苛性アルカリ溶液、又は当業者に周知である独自に開発したアミン系剥離溶剤のいずれかを使用して剥離される。剥離作用は、ドライフィルム層の表面上の金を通過してドライフィルムを剥離するように作用する。
【0032】
図1及び図2は、本発明の2層光画像形成膜を使用する利点を示す。図1に示す第1図は、図2に示すように金が基板/ドライフィルム界面に充填される従来の基板上の単層ドライフィルムフォトレジストを示す。図1に示す第2図は、金が基板/ドライフィルム界面に存在しない本発明の2層ドライフィルムフォトレジストを示す。この結果は、現像後の本発明の2層レジストの走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す図3で更に明確である。
【実施例】
【0033】
本実施例では、フォトレジスト上層は、下層よりもより速い硬化、及びより遅い現像時間を有した。結果は、側壁に沿って殆ど腐食されないレジスト品位を維持した硬い硬化上層を示す。下層は、架橋密度が低く、より速く現像されて側壁形状が腐食された。結果として、基板上のドライフィルム−基板界面において傘効果となる。
【0034】
フォトレジスト下層の一般的な配合は、概して下記を含む:
A#が125〜220であるアクリル酸アルカリ性現像バインダー 40重量%〜60重量%
1つ以上のモノマー(エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート等) 20重量%〜40重量%
1つ以上の光開始剤(ベンゾフェノン等) 1重量%〜10重量%
印刷染料(ロイコクリスタルバイオレット等) 0.2重量%〜2重量%
バックグラウンド染料(クリスタルグリーン等) 0.01重量%〜0.10重量%
ラジカルスカベンジャー及び開始剤(NPAL等) 0.01重量%〜0.05重量%
染料酸化剤(ペンタブロモクロロシクロヘキサン等) 0.3重量%〜1.5重量%
光促進剤(N−フェニルグリシン等) 0重量%〜0.1重量%
【0035】
フォトレジスト上層の一般的な配合は、概して下記を含む:
A#が80〜120であるアクリル酸アルカリ性現像バインダー 40重量%〜60重量%
1つ以上のモノマー(エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート等) 20重量%〜40重量%
1つ以上の光開始剤(ベンゾフェノン等) 1重量%〜10重量%
印刷染料(ロイコクリスタルバイオレット等) 0.2重量%〜2重量%
バックグラウンド染料(クリスタルグリーン等) 0.01重量%〜0.10重量%
ラジカルスカベンジャー及び開始剤(NPAL等) 0.005重量%〜0.02重量%
染料酸化剤(ペンタブロモクロロシクロヘキサン等) 0.3重量%〜1.5重量%
光促進剤(N−フェニルグリシン等) 0.1重量%〜0.6重量%
【0036】
本発明の光画像形成組成物は、一般的に、溶媒中で組成物を構成する成分の全てを空気攪拌機で混合し、そして組成物をドローダウンし、組成物を乾燥して溶媒を除去し、そして更に処理するために所望の基板にフォトレジスト組成物を積層して配合される。
【0037】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、先行技術の単層光画像形成層と本発明の2層光画像形成層との比較である。
【図2】図2は、表面に金属層が堆積した光画像形成層を示す。
【図3】図3は、現像工程後の本発明の2層フォトレジストのSEMを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に金属パターンを形成する方法であって、
a)第1光画像形成膜を基板上に設ける、
b)第2光画像形成膜を前記第1光画像形成膜上に直接設ける、
c)所望の金属パターンのネガ画像を前記第2光画像形成膜上に配置し、前記第1光画像形成膜及び前記第2光画像形成膜を化学線に露光する、
d)前記第1光画像形成膜及び前記第2光画像形成膜の未硬化領域を現像除去し、前記基板上に画像を形成する、
e)前記基板上に金属を堆積する、並びに
f)前記基板から前記第1光画像形成膜及び前記第2光画像形成膜を剥離し、前記基板上に金属パターンを残す
ことを特徴とする基板に金属パターンを形成する方法。
【請求項2】
前記第1光画像形成膜は、前記第2光画像形成膜よりも現像時間がより速い請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1光画像形成膜の現像時間(1%炭酸カリウム内、華氏90度)は、約40秒〜約60秒であり、前記第2光画像形成膜の現像時間は、約80秒〜約120秒である請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1光画像形成膜の硬化エネルギーは、約30mJ〜約100mJであり、前記第2光画像形成膜の露光時間は、約5mJ〜約20mJ(好ましくは15mJ)である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1光画像形成膜及び前記第2光画像形成膜は、それぞれ1つ以上のバインダー、1つ以上のモノマー、光開始剤、及び適切な溶媒を含む組成物から配合される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上のバインダーは、メタ(アクリル)酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸メチル、アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸n−へキシル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸s−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルへキシル、スチレン、メタクリル酸イソブチル、置換スチレン、及びビニルエステルからなる群から選択される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上のモノマーは、アクリル及びメタクリル酸、酸エステル、及びビニルエーテル、ポリエステルアクリレート、並びにポリウレタンアクリレートからなる群から選択される請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上のモノマーは、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸2(2−エトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸カプロラクトン、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化Aジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセロールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、及びこれらの組合せからなる群から選択される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記光開始剤は、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール、アセトフェノン、ベンゾフェノン、及びこれらの組合せからなる群から選択される請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記第1光画像形成膜又は前記第2光画像形成膜を構成する前記組成物は、定着剤、安定化剤、フロー剤、界面活性剤、及び他の添加剤からなる群から選択される1つ以上の添加剤を更に含む請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記組成物は、キャリアシート上を被覆し、続いて前記溶媒が除去される請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記キャリアシートは、ポリエステル及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
除去可能な保護層が前記組成物上に配置される請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1光画像形成膜は、加圧、加熱、又は加熱加圧により積層することで前記基板に配置され、前記保護層が除去される請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第2光画像形成膜が前記第1光画像形成膜上に加圧、加熱、又は加熱加圧により積層され、前記所望の金属パターンのネガ画像が、前記保護層が配置されたままの前記第2光画像形成膜上に配置される請求項15に記載の方法。
【請求項16】
現像後、前記基板上で前記第2光画像形成膜が前記第1光画像形成膜をオーバーハングする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記金属層は、スパッタコーティングにより堆積する請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記金属は金である請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−532945(P2007−532945A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507307(P2007−507307)
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/003260
【国際公開番号】WO2005/103824
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(591069732)マクダーミッド インコーポレーテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】MACDERMID,INCORPORATED
【Fターム(参考)】