説明

帯状部材の外観形状検査方向及びその装置

【課題】帯状部材の外観形状が帯状部材の長さ方向にどのように変化しているかを知ることのできる帯状部材の外観形状検査方法及びその装置を提供する。
【解決手段】この帯状部材の外観形状検査装置は、検出された二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向に並べて検査用データを作成し、該検査用データから、各二次元輪郭データが示す帯状部材の外観形状の輪郭が帯状部材の長さ方向にどの様に変化するかを示す帯状部材の外観形状の特徴データを抽出する。このため、検査用データから抽出された前記各特徴データは帯状部材の厚さや、帯状部材の幅方向端部位置等が、帯状部材の長さ方向にどの様に変化するかを示すことになるので、帯状部材の外観形状が帯状部材の長さ方向にどの様に変化しているかを知ることができ、タイヤ特性の向上を図る上で極めて有利である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車用タイヤの製造工程において、成形ドラムに巻付けられたベルト部材等の帯状部材やコンベア上に載置された帯状部材の外観形状の検査を行うための帯状部材の外観形状検査方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の帯状部材の検査装置としては、成形ドラムに巻付けられた帯状部材の幅方向端部にスリット光を照射する照射装置と、照射装置によって帯状部材上に形成される照射線を撮像する撮像装置とを備え、成形ドラムを回転させながらドラム周方向の複数位置で撮像装置によって照射線を撮像し、撮像装置によって撮像された各照射線についてそれぞれ、予め登録されている形状パターンに対する位置ずれ量を求めるとともに、各位置ずれ量を加算し、加算した値に基づいて帯状部材の幅方向への位置ずれ量の適否を判定するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−351810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記検査装置では、ドラム周方向の各位置で撮像された照射線の形状の予め登録されている形状パターンに対する位置ずれ量を求め、各位置ずれ量を加算した値に基づいて帯状部材の幅方向への位置ずれ量の適否を判定するようにしている。このため、例えば、成形ドラム上で帯状部材が長さ方向一方から他方に向かうにつれて幅方向一方から他方に斜めに巻付けられている場合の各位置ずれ量を加算した値と、成形ドラム上で帯状部材が長さ方向一方から他方に向かって真直ぐに巻付けられ且つ幅方向一方に偏って貼り付けられている場合の各位置ずれ量を加算した値と、成形ドラム上で帯状部材が幅方向に蛇行して巻付けられている場合の各位置ずれ量を加算した値とが同一になる可能性がある。即ち、前記検査装置では、成形ドラム上で帯状部材の幅方向位置が帯状部材の長さ方向のどの様に変化するかを検知することができない。
【0005】
ここで、帯状部材の幅方向位置が長さ方向にどのように変化するか、帯状部材の厚さ方向の位置が長さ方向にどのように変化するか等は、成形されたタイヤの特性、例えばラジアルフォースバリエーション(RFV)や、ラテラルフォースバリエーション(LFV)や、コニシティフォース(COF)等のラテラルフォースデビエーション(LFD)に影響を与えるので、成形ドラム上における帯状部材の幅方向位置や厚さ方向の位置等の外観形状が帯状部材の長さ方向にどの様に変化しているかを知ることは、タイヤ特性の向上を図る上で有利である。
【0006】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、帯状部材の外観形状が帯状部材の長さ方向にどのように変化しているかを知ることのできる帯状部材の外観形状検査方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記目的を達成するために、帯状部材の外観形状を検査する帯状部材の外観形状検査方法において、帯状部材の外観形状の輪郭を帯状部材の幅方向複数位置における帯状部材の厚さ方向の二次元輪郭データとして抽出可能な抽出手段を用い、帯状部材の外観形状の二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向の複数個所で抽出する検出工程と、検出工程によって検出された二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向に並べて検査用データを作成する検査用データ作成工程と、検査用データ作成工程で作成された検査用データから、各二次元輪郭データが示す帯状部材の外観形状の輪郭が帯状部材の長さ方向にどの様に変化するかを示す帯状部材の外観形状の特徴データを抽出する特徴データ抽出工程とを含んでいる。
【0008】
また、本発明は、帯状部材の外観形状を検査する帯状部材の外観形状検査装置において、帯状部材の外観形状の輪郭を帯状部材の幅方向複数位置における帯状部材の厚さ方向の二次元輪郭データとして検出する検出手段と、検出手段によって検出された二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向に並べて検査用データを作成する検査用データ作成手段と、検査用データ作成手段で作成された検査用データから、各二次元輪郭データが示す帯状部材の外観形状の輪郭が帯状部材の長さ方向にどの様に変化するかを示す帯状部材の外観形状の特徴データを抽出する特徴データ抽出手段とを備えている。
【0009】
このように、検出された二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向に並べて検査用データを作成し、該検査用データから、各二次元輪郭データが示す帯状部材の外観形状の輪郭が帯状部材の長さ方向にどの様に変化するかを示す帯状部材の外観形状の特徴データを抽出することから、特徴データとして、前記検査用データから、例えば帯状部材の幅方向の所定位置における帯状部材の厚さ方向のデータを帯状部材の長さ方向に連続する所定範囲で抽出すると、抽出されたデータは帯状部材の厚さが帯状部材の長さ方向にどの様に変化するかを示すことになる。また、特徴データとして、前記検査用データから、例えば帯状部材の幅方向端部位置のデータを帯状部材の長さ方向に連続する所定範囲で抽出すると、抽出されたデータは帯状部材の幅方向端部位置が帯状部材の長さ方向にどの様に変化するかを示すことになる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、検査用データから抽出された特徴データは帯状部材の厚さや帯状部材の幅方向端部位置が帯状部材の長さ方向にどの様に変化するかを示すことになるので、帯状部材の外観形状が帯状部材の長さ方向にどのように変化しているかを容易且つ確実に知ることができ、タイヤ特性の向上を図る上で極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態を示す帯状部材の外観形状検査装置の平面図
【図2】帯状部材の外観形状検査装置の側面図
【図3】帯状部材の外観形状検査装置のブロック図
【図4】二次元輪郭データの例
【図5】制御装置の動作を示すフローチャート
【図6】帯状部材雄の長さ方向に並べられた複数の二次元輪郭データ
【図7】検査用データの例
【図8】表示装置に表示された検査用データの例
【図9】制御装置の動作を示すフローチャート
【図10】特徴データの例
【図11】図10の輝度データを厚さ単位に変化したデータの例
【図12】制御装置の動作を示すフローチャート
【図13】制御装置の動作を示すフローチャート
【図14】検査用データの例
【図15】検査用データの加工例
【図16】検査用データの加工例
【図17】検査用データの加工例
【図18】検査用データの加工例
【図19】特徴データの例
【図20】制御装置の動作を示すフローチャート
【図21】帯状部材の断面図
【図22】検査用データの例
【図23】検査用データの加工例
【図24】検査用データの加工例
【図25】検査用データの加工例
【図26】検査用データの加工例
【図27】特徴データの例
【図28】制御装置の動作を示すフローチャート
【図29】検査用データの例
【図30】検査用データの加工例
【図31】検査用データの加工例
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態の帯状部材の外観形状検査装置及び方法を図1乃至図31を参照しながら説明する。
【0013】
この帯状部材の外観形状検査装置は、それぞれ成形ドラム1の外周面と所定の距離をおいて配置された一対の検出装置10と、各検出装置10をそれぞれ支持するセンサブラケット20と、各センサブラケット20を成形ドラム1の軸方向に移動自在に支持する第1ベース30と、第1ベース30を成形ドラム1の径方向に移動可能に支持する第2ベース40とを備えている。各検出装置10はレーザー等の光を用いた周知の二次元変位計であり、本実施形態では成形ドラム1の径方向に光が照射され、成形ドラム1の外周面に巻付けられている帯状部材の幅方向複数位置における帯状部材の厚さ方向の二次元輪郭データを検出可能である。
【0014】
また、この外観形状検査装置は、成形ドラム1の回転方向の位置を検出する回転方向位置検出装置としての周知のロータリーエンコーダ50及びカウンタ51と、成形ドラム1の回転方向の0°の位置を検出する原点検出装置60とを備えている。
【0015】
成形ドラム1は径方向に拡縮可能な周知の構成を有し、帯状部材としてのベルト部材、エッジテープ、トレッド部材等が複数巻付けられて円環ベルト部材が成形され、または、一対のサイドウォール部材、インナーライナー部材、カーカス部材等の帯状部材が順次巻付けられて円環状バンド部材が成形されるようになっている。図1及び図2では、成形ドラム1に第1ベルト部材B1及び第2ベルト部材B2が巻付けられている。また、第2ベルト部材B2は第1ベルト部材B1の径方向外側に巻付けられ、第1ベルト部材1Bよりも幅寸法が小さい。
【0016】
各検出装置10は検査対象物との距離を線状の検出範囲DA内で検出するようになっており、本実施形態では、前述のように、成形ドラム1の外周面に巻付けられている帯状部材の幅方向複数位置における帯状部材の厚さ方向の二次元輪郭データを検出可能である。各ブラケット20はそれぞれ第1ベース30に成形ドラム1の軸方向(成形ドラム1に巻付けられた帯状部材の幅方向)に移動可能に支持され、第1ベース30の内部に設けられたボールネジ30a及びボールネジ30aを駆動するベース用モータ30bによって成形ドラム1の軸方向に移動するようになっている。第2ベース40は周知のエアーシリンダやメカニカルシリンダから成る一対のシリンダ41を介して第1ベース30を成形ドラム1の径方向に移動可能に支持している。
【0017】
ロータリーエンコーダ50は成形ドラム1の回転に伴ってパルス波を出力するように構成されている。また、カウンタ51はロータリーエンコーダ50に接続され、カウンタ51によってロータリーエンコーダ50のパルス波をカウントすることにより、成形ドラム1の回転方向位置が検出されるようになっている。
【0018】
原点検出装置60は周知の近接スイッチ等から成り、成形ドラム1の回転方向0°の位置に設けられた例えば凹部を検出するようになっている。
【0019】
各検出装置10、カウンタ51及び原点検出装置60は周知のコンピュータから成る制御装置70に接続されている。また、制御装置70は、周知のハードディスク等から成る記憶装置71、周知の液晶画面を有する表示装置72、及び周知のキーボード等から成る入力装置73に接続されている。一方、成形ドラム1は回転駆動のためのモータ1a及びモータ1aを制御する成形ドラム制御装置1bを有し、成形ドラム制御装置1bは制御装置70に接続されている。また、第1ベース30のベース用モータ30b及び第2ベース40の各シリンダ41も制御装置70に接続されている。また、成形ドラム制御装置1bは円環ベルト部材を成形する際にモータ1aを制御するようになっている。
【0020】
以上のように構成された帯状部材の外観形状検査装置では、拡径した状態の成形ドラム1に例えば第1ベルト部材B1、第2ベルト部材B2、エッジテープ、トレッド部材等の帯状部材が順次巻付けられて円環状ベルト部材が成形される際や、成形ドラム1に例えば一対のサイドウォール部材、インナーライナー部材、カーカス部材等の帯状部材が順次巻付けられて円環状バンド部材が成形される際に、各帯状部材について外観形状を検査するようになっている。先ず、第1ベルト部材B1の外観形状を検査する場合の制御装置70の動作を図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0021】
先ず、成形ドラム1bから例えば第1ベルト部材B1等の帯状部材の巻付完了の信号を受信すると(S1)、ベース用モータ30a及び各シリンダ41により、各検出装置10の位置をタイヤ種類毎且つ帯状部材の種類毎に記憶装置71に格納されている所定位置に移動させる(S2)。これにより、例えば、各検出装置10が成形ドラム1の軸方向中央から所定距離LDだけ離れた位置に配置される。また、制御装置70は、成形ドラム制御装置1bによってモータ1aを回転させる(S3)。これにより、成形ドラム1が所定の速度で回転し始める。
【0022】
続いて、原点検出装置60によって成形ドラム1の回転方向0°の位置に設けられた凹部が検出されると(S4)、各検出装置10により、第1ベルト部材B1の幅方向両端部における厚さ方向の二次元輪郭データを成形ドラム1が360°回転するまで連続的に検出させ(S5)、各二次元輪郭データをロータリーエンコーダ50及びカウンタ51によって検出される成形ドラム1の回転方向位置データと対応するように記憶装置71に記憶させる(S6)。
【0023】
ここで、連続的とは、例えば成形ドラム1が0°、2°、4°、…360°の回転方向位置になった時にそれぞれ二次元輪郭データを検出することを言う。尚、所定時間おきに二次元輪郭データを検出する場合でも連続的であり、その他の方法によって回転方向の複数位置において輪郭データを検出する場合も連続的である。また、各検出装置10によって検出される第1ベルト部材B1の幅方向端部における厚さ方向の二次元輪郭データの例を図4に示す。図4における位置Mは、成形ドラム1の軸方向中央から前記所定距離LDだけ離れた位置である。また、図4に示すように、各二次元輪郭データは帯状部材の幅方向複数位置における帯状部材の厚さ方向のデータである。
【0024】
ステップS6による検出が終了すると(S7)、成形ドラム制御装置1bによってモータ1bの回転を停止させる(S8)。
【0025】
次に、各二次元輪郭データを撮像順に帯状部材の長さ方向に並べて検査用データを作成する(S9)。本実施形態では、例えば図6に示すように、各二次元輪郭データを撮像順に帯状部材の長さ方向に並べた後、例えば図7に示すように、並べられた二次元輪郭データの各厚さ方向のデータを所定の色調基準に基づいて例えば256諧調に輝度諧調処理することにより、前記検査用データを作成する。ここで、図4及び図6の帯状部材厚さ方向のデータの数値は、実際の厚さ(mm)であっても良く、その他をあらわすものであっても良いが、本実施形態では実際の厚さと等しい。また、図7で256階調に諧調処理する際に、図4の厚さ方向の0を256諧調の0とし、厚さ方向の30を256諧調の255とすることも可能であるが、本実施形態では、第1ベルト部材B1の上端部の位置(本実施形態では略10.5の位置)に対して±2.5mmの範囲(帯状部材の厚さTに対して±T/3以上±T以下の範囲が好ましい)を256階調に諧調処理している。尚、前記第1ベルト部材B1の上端部の位置(例えば10.5)は、タイヤ種類毎且つ帯状部材の種類毎に記憶装置71に格納されている。
【0026】
ステップS9による検査用データの作成が終了すると、図7のように諧調処理された各二次元輪郭データを撮像順に並べ、図8のように表示装置72に表示させる(S10)。図8において、横方向は帯状部材の長さ方向(成形ドラムの回転方向)であり、縦方向は帯状部材の幅方向である。
【0027】
続いて、帯状部材(第1ベルト部材B1)の厚さ方向の振れ量の判定(S11)、帯状部材の有無の判定(S12)、帯状部材の幅方向への蛇行量の判定1(S13)、帯状部材の幅方向への蛇行量の判定2(S14)、帯状部材の長さ方向端部同士のスプライス量の判定(S15)をスタートさせる。尚、ステップS11〜S15の判定は帯状部材の種類毎に実施の有無を設定することができ、例えば、各ベルト部材B1,B2の場合は、ステップS11、ステップS12、ステップS13及びステップS15の判定を行い、トレッド部材の場合は、ステップS11、ステップS12、ステップS14及びステップS15の判定を行い、カーカス部材の場合はステップS11、ステップS12、ステップS13及びステップS15の判定を行うように設定する。
【0028】
また、本実施形態では、成形ドラム1に帯状部材が巻付けられる度に前記ステップS1からの処理が行われるようになっている。このため、全ての帯状部材の外観形状の検査が行われることになり、タイヤ特性の向上を図る上で極めて有利である。
【0029】
続いて、帯状部材の厚さ方向の振れ量の判定を行う場合の制御装置70の動作を図9のフローチャートを参照しながら説明する。
【0030】
先ず、前記ステップS9によって作成された検査用データ(256階調に輝度諧調処理された画像データ)において、図8に示すように、一方の検出装置10によって検出された二次元輪郭データでは、帯状部材の幅方向所定位置P1(例えば40mmの位置)において、他方の検出装置10によって検出された二次元輪郭データでは、帯状部材の幅方向所定位置P2(例えば20mmの位置)において、輝度データ(帯状部材の厚さ方向のデータ)を帯状部材の長さ方向の連続する所定範囲(例えば成形ドラム回転方向の360°の範囲)で抽出する(S101)。抽出されたデータは例えば図10に示すようなデータとなり、このデータを特徴データとして扱う。
【0031】
続いて、図10に示すような抽出された特徴データにおいて、輝度の最大値と最小値を求め(S102)、輝度の最大値と最小値との差を、前記ステップS9の逆を行うことにより実際の厚さ単位(mm)に変換し(S103)、ステップS103での変換後の値と所定の閾値とを比較し(S104)、変換後の値が所定の閾値以下である場合は正常と判定し(S105)、変換後の値が所定の閾値を超える場合は異常と判断し(S106)、異常の場合は例えば表示装置72によって所定の表示を行う(S107)。この場合、ステップS103で求めた値が帯状部材の厚さ方向の振れ量となる。尚、本実施形態では、ステップS103で求めた値と所定の閾値とを比較したものを示したが、輝度の最大値と最小値との差を閾値と比較することも可能である。
【0032】
尚、図11に示すように、図10の全ての輝度データを実際の厚さ単位(mm)に変換し、特徴データの全体を帯状部材の厚さ方向の振れ量として扱うことも可能である。この場合、帯状部材の厚さ方向の振れ量が帯状部材の長さ方向に亘ってどの様に変化するかを特徴データによって容易且つ確実に把握することができるので、帯状部材の外観形状が帯状部材の長さ方向にどの様に変化しているかを知る上で極めて有効である。また、帯状部材の振れ量や、振れ量が帯状部材の長さ方向(成形ドラム周方向)にどの様に変化しているかは、タイヤ特性のRVF等に影響を与える。
【0033】
続いて、帯状部材の有無の判定を行う場合の制御装置70の動作を図12のフローチャートを参照しながら説明する。
【0034】
先ず、前記ステップS9によって作成された検査用データ(256階調に輝度諧調処理された画像データ)において、図8に示すように、一方の検出装置10によって検出された二次元輪郭データでは、帯状部材の幅方向所定位置P1(例えば40mmの位置)において、他方の検出装置10によって検出された二次元輪郭データでは、帯状部材の幅方向所定位置P2(例えば20mmの位置)において、輝度データ(帯状部材の厚さ方向のデータ)を帯状部材の長さ方向の連続する所定範囲(例えば成形ドラム回転方向の360°の範囲)で抽出する(S111)。抽出されたデータは例えば図10に示すようなデータとなり、このデータを特徴データとして扱う。
【0035】
続いて、図10に示すような抽出された特徴データにおいて、輝度の平均値を求め(S112)、ステップS112で求めた平均値を、前記ステップS9の逆を行うことにより実際の厚さ単位(mm)に変換し(S113)、ステップS113での変換後の値と所定の閾値とを比較し(S114)、変換後の値が所定の閾値以上である場合は正常と判定し(S115)、変換後の値が所定の閾値未満の場合は異常と判断し(S116)、異常の場合は例えば表示装置72によって所定の表示を行う(S117)。これにより、帯状部材の巻付け忘れを特徴データによって容易且つ確実に検知することができる。
【0036】
続いて、帯状部材の幅方向への蛇行量の判定1を行う場合の制御装置70の動作を図13のフローチャートを参照しながら説明する。
【0037】
先ず、前記ステップS9によって作成された検査用データ(256階調に輝度諧調処理された画像データ)、例えば図14に示すような検査用データにおいて、PrewittフィルタやSobelフィルタ等を用いて周知のエッジ強調処理を行い、または、所定の輝度以上(例えば輝度25以上)の範囲を抽出することにより、図15に示すように、検査用データ上で帯状部材があらわれている領域ARを抽出する(S121)。この時、帯状部材以外の領域AR1もノイズとして抽出される可能性があるので、領域を一定程度小さくする領域縮小処理を行い、または、所定の面積以下の領域を削除する処理を行うことにより、図16に示すように、帯状部材の領域AR以外の領域AR1を削除する(S122)。また、図16のAR2に示すように、帯状部材の長さ方向端部同士のスプライス部において、帯状部材の幅方向端部の一部が鋭角状になっている場合や、AR3に示すように、帯状部材の領域内のデータが欠けている場合があるので、領域を一定程度大きくする領域拡大処理を行い、または、領域AR内の各ピクセルの大きさをそれぞれ一定程度大きくする領域拡大処理を行うことにより、図17に示すように、鋭角状の部分やデータが欠けている部分を削除する(S123)。
【0038】
続いて、図18に示すように、帯状部材の領域ARから境界線ALのみを抽出する(S124)。ここで、境界線ALは帯状部材の幅方向端部位置をあらわす。また、成形ドラム1の各回転方向位置で帯状部材の半幅を求める(S125)。帯状部材の半幅は、図18の位置Mが成形ドラム1の軸方向中央から前記所定距離LDだけ離れた位置であることから、計算で求めることが可能である。求められた帯状部材の幅は例えば図19のようなデータとなり、このデータを特徴データとして扱う。
【0039】
続いて、各検出装置10について求められた成形ドラム1の各回転方向位置のそれぞれで半幅を加算することにより、成形ドラム1の各回転方向位置における帯状部材の全幅を求める(S126)。
【0040】
続いて、図19に示すような抽出された特徴データにおいて、帯状部材の全幅の最大値と最小値との差を求め(S127)、ステップS127で求めた値と所定の閾値とを比較し(S128)、閾値以下である場合は正常と判定し(S129)、閾値を超える場合は異常と判断し(S130)、異常の場合は例えば表示装置72によって所定の表示を行う(S131)。この場合、ステップS127で求めた値が帯状部材の幅方向への蛇行量となる。
【0041】
尚、図19に示されるような特徴データの全体を帯状部材の幅方向への蛇行量として扱うことも可能であり、また、ステップS126で求めたように、成形ドラム1の各回転方向位置でそれぞれ求めた帯状部材の全幅を帯状部材の幅方向への蛇行量として扱うことも可能であり、これらの場合、帯状部材の幅方向への蛇行量が帯状部材の長さ方向に亘ってどの様に変化するかを特徴データによって容易且つ確実に把握することができるので、帯状部材の外観形状が帯状部材の長さ方向にどの様に変化しているかを知る上で極めて有効である。また、ステップS127で求められた値や、帯状部材の幅方向への蛇行量が帯状部材の長さ方向(成形ドラム周方向)にどの様に変化しているかは、タイヤ特性のLFD等に影響を与える。
【0042】
続いて、帯状部材の幅方向への蛇行量の判定2を行う場合の制御装置70の動作を図20のフローチャートを参照しながら説明する。尚、帯状部材の幅方向への蛇行量の判定2は、例えばトレッド部材等の帯状部材について行われ、この判定が行われる帯状部材の厚さ方向一方の面の幅方向所定位置には、帯状部材の長さ方向に亘って延びる溝GRが設けられている(図21参照)。また、この溝GRは、該帯状部材を押出成形する際の口金に設けられた突起によって成形される。また、口金によって帯状部材の厚さ方向一方の面に溝GRが形成されると、溝GRの幅方向両側が帯状部材の厚さ方向一方の面から厚さ方向に少し盛り上がり、帯状部材の長さ方向に亘って延びる幅方向一対の凸状部CVが成形される。
【0043】
この帯状部材の幅方向への蛇行量の判定2を行う場合は、先ず、前記ステップS2〜ステップS6で、各検出装置10のうち一方を用いて、帯状部材の厚さ方向一方の面の溝GRの位置の二次元輪郭データを検出するようにする。
【0044】
続いて、帯状部材の幅方向への蛇行量の判定2が開始されると、先ず、前記ステップS9によって作成された検査用データ(256階調に輝度諧調処理された画像データ)、例えば図22に示すような検査用データにおいて、動的二値化処理を行う(S141)。動的二値化処理は、例えば、成形ドラム回転方向のそれぞれの位置で帯状部材厚さ方向データの平均値を求めるとともに、検査用データ上の各帯状部材の厚さデータと前記平均値との差を求めることにより行う。これにより、帯状部材の厚さ方向一方の面に発生している凹凸が前記平均値との差となってあらわれる。
【0045】
続いて、検査用データ上の各帯状部材の厚さデータについて求めた各平均値の差のデータのうち所定の大きさ以上の範囲を抽出することにより、図23に示すように、検査用データ上で各凸状部CVの領域ARを抽出する(S142)。この場合、各凸状部CVの領域AR以外の領域AR1もノイズとして抽出される可能性があり、また、各凸状部CVの領域ARが成形ドラム1の回転方向に分断される可能性もあるので、先ず、領域を一定程度成形ドラム1の回転方向に大きくする領域拡大処理を行い(S143)、図24に示すように、各凸状部CVの領域ARを成形ドラム1の回転方向に連続させ、また、領域を一定程度小さくする領域縮小処理を行い、または、所定の面積以下の領域を削除する処理を行うことにより、図25に示すように、各凸状部CVの領域AR以外の領域AR1を削除する(S144)。
【0046】
次に、図26に示すように、領域AR以外の領域RARを抽出するとともに(S145)、図27に示すように、領域RARのうち所定の面積以下の領域RARを抽出するとともにその領域を帯状部材の幅方向に縮小する縮小処理を行い、縮小線ALを抽出する(S146)。このように求められた縮小線ALの帯状部材幅方向の位置データ(図27)を特徴データとして扱う。
【0047】
続いて、図27に示すような抽出された特徴データにおいて、帯状部材幅方向の最大値と最小値との差を求め(S147)、ステップS147で求めた値と所定の閾値とを比較し(S148)、閾値以下である場合は正常と判定し(S149)、閾値を超える場合は異常と判断し(S150)、異常の場合は例えば表示装置72によって所定の表示を行う(S151)。この場合、ステップS147で求めた値が帯状部材の幅方向への蛇行量となる。
【0048】
尚、図27に示されるような特徴データの全体を帯状部材の幅方向への蛇行量として扱うことも可能であり、この場合、帯状部材の幅方向への蛇行量が帯状部材の長さ方向に亘ってどの様に変化するかを特徴データによって容易且つ確実に把握することができるので、帯状部材の外観形状が帯状部材の長さ方向にどの様に変化しているかを知る上で極めて有効である。また、ステップS147で求められた値や、帯状部材の幅方向への蛇行量が帯状部材の長さ方向(成形ドラム周方向)にどの様に変化しているかは、タイヤ特性のLFD等に影響を与える。
【0049】
以上のように、本実施形態によれば、検査用データから抽出された前記各特徴データは帯状部材の厚さや、帯状部材の幅方向端部位置等が、帯状部材の長さ方向にどの様に変化するかを示すことになるので、帯状部材の外観形状が帯状部材の長さ方向にどの様に変化しているかを知ることができ、タイヤ特性の向上を図る上で極めて有利である。
【0050】
続いて、帯状部材の長さ方向端部同士のスプライス量の判定を行う場合の制御装置70の動作を図28のフローチャートを参照しながら説明する。尚、帯状部材の長さ方向端部同士のスプライス量の判定は例えばカーカス部材等の帯状部材について行われる。
【0051】
この帯状部材の長さ方向端部同士のスプライス量の判定を行う場合は、先ず、前記ステップS9によって作成された検査用データ(256階調に輝度諧調処理された画像データ)、例えば図29に示すような検査用データにおいて、帯状部材の幅方向所定位置P3(例えば40mmの位置)で、帯状部材の厚さ方向のデータを帯状部材の長さ方向の連続する所定範囲(例えば成形ドラム回転方向の360°の範囲)で平均することにより、輝度データの平均値を求める(S161)。尚、図29は成形ドラム回転方向の20°の範囲を表示したものである。また、ステップ161で求めた平均値に対して例えば±2mmの範囲(帯状部材の厚さTに対して±T/3以上±T以下の範囲が好ましい)を256階調に諧調処理する(S162)。これにより、他の部分に比べて厚くなっているスプライス部とその他の部分との輝度の差が大きくなる。
【0052】
続いて、PrewittフィルタやSobelフィルタ等を用いて周知のエッジ強調処理を行い、または、所定の輝度以上(例えば輝度25以上)の範囲を抽出することにより、図30に示すように、検査用データ上でスプライス部の領域ARを抽出する(S163)。この時、スプライス部以外の領域AR1もノイズとして抽出される可能性があるので、領域を一定程度小さくする領域縮小処理を行い、または、所定の面積以下の領域を削除する処理を行うことにより、図31に示すように、帯状部材の領域AR以外の領域AR1を削除する(S164)。
【0053】
続いて、帯状部材の幅方向所定位置(例えば前記P3の位置)において領域ARの帯状部材長さ方向の画素数を求め(S165)、帯状部材長さ方向の画素数、成形ドラム1の回転方向の角度、及び成形ドラム1の半径から、前記幅方向所定位置における領域ARの帯状部材長さ方向の寸法を求め(S166)、ステップS166で求めた値と所定の閾値とを比較し(S167)、閾値以下である場合は正常と判定し(S168)、閾値を超える場合は異常と判断し(S169)、異常の場合は例えば表示装置72によって所定の表示を行う(S170)。この場合、ステップS166で求めた値が帯状部材の長さ方向端部同士のスプライス量となる。
【0054】
このように、本実施形態によれば、スプライス量を容易且つ確実に確認することができ、タイヤ特性の向上を図る上で極めて有利である。即ち、従来はスプライス量を自動的に容易且つ確実に確認する手段が無かったので、作業者が目視等によって確認しており、確認に手間がかかるとともに、確認精度の向上を図ることが難しかったが、本実施形態によれば、スプライス量の確認に手間がかからず、また、確認精度の向上を図ることも可能となる。
【0055】
尚、本実施形態では、成形ドラム1に巻付けられた帯状部材において、二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向に連続して検出したものを示した。これに対し、例えば、タイヤを成形するための帯状部材が成形ドラム1に巻付けられる前にプレート上に載置されている段階で、その帯状部材から二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向に連続して検出し、その検出結果に対して前述と同様の処理を行うことも可能である。
【0056】
また、本実施形態では、各検出装置10を二次元変位計から構成したものを示したが、二次元変位計の代わりに、スリット光を照射する光源と、スリット光が帯状部材に照射されて成る照射線を撮像する撮像装置とを設け、周知の光切断法によって帯状部材から二次元輪郭データを検出することも可能である。
【符号の説明】
【0057】
1…成形ドラム、10…二次元変位計、20…センサブラケット、30…第1ベース、30a…ボールネジ、30b…ベース用モータ、40…第2ベース、41…シリンダ、50…ロータリーエンコーダ、51…カウンタ、60…原点検出装置、70…制御装置、71…記憶装置、72…表示装置、73…入力装置、B1…第1ベルト部材、B2…第2ベルト部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状部材の外観形状を検査する帯状部材の外観形状検査方法において、
帯状部材の外観形状の輪郭を帯状部材の幅方向複数位置における帯状部材の厚さ方向の二次元輪郭データとして抽出可能な抽出手段を用い、帯状部材の外観形状の二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向の複数個所で抽出する検出工程と、
検出工程によって検出された二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向に並べて検査用データを作成する検査用データ作成工程と、
検査用データ作成工程で作成された検査用データから、各二次元輪郭データが示す帯状部材の外観形状の輪郭が帯状部材の長さ方向にどの様に変化するかを示す帯状部材の外観形状の特徴データを抽出する特徴データ抽出工程とを含む
ことを特徴とする帯状部材の外観形状検査方法。
【請求項2】
前記検出工程を、厚さ方向一方の面の幅方向所定位置に長さ方向に延びる溝または凸部が形成された帯状部材の厚さ方向一方の面の二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向の複数個所で抽出するように構成し、
前記特徴データ抽出工程を、前記検査用データ作成工程で作成された検査用データから帯状部材の溝または突部の幅方向位置を帯状部材の長さ方向に連続する所定範囲で抽出するとともに、該抽出したデータを前記特徴データとするように構成し、
特徴データに基づき、帯状部材の幅方向への蛇行量を求め、求めた振れ量と所定の閾値とを比較する比較工程をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の帯状部材の外観形状検査方法。
【請求項3】
前記検出工程を、厚さ方向一方の面の幅方向所定位置に長さ方向に延びる溝または凸部が形成された帯状部材の厚さ方向一方の面の二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向の複数個所で抽出するように構成し、
前記検査用データ作成工程を、検出工程によって検出された二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向に並べた後、並べられた二次元輪郭データの各厚さ方向のデータを所定の色調基準に基づいて諧調処理し、諧調処理された各厚さ方向のデータから成る画像データを前記検査用データとするように構成し、
前記特徴データ抽出工程を、前記検査用データ作成工程で作成された検査用データから帯状部材の溝または突部の幅方向位置を帯状部材の長さ方向に連続する所定範囲で抽出するとともに、該抽出したデータを前記特徴データとするように構成し、
特徴データに基づき、帯状部材の幅方向への蛇行量を求め、求めた振れ量と所定の閾値とを比較する比較工程をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の帯状部材の外観形状検査方法。
【請求項4】
前記特徴データ抽出工程を、前記検査用データ作成工程で作成された検査用データから帯状部材の幅方向端部の位置、半幅、または全幅のデータを帯状部材の長さ方向の連続する所定範囲で抽出するとともに、該抽出したデータを前記特徴データとするように構成し、
特徴データに基づき、帯状部材の幅方向への蛇行量を求め、求めた振れ量と所定の閾値とを比較する比較工程をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の帯状部材の外観形状検査方法。
【請求項5】
前記検査用データ作成工程を、検出工程によって検出された二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向に並べた後、並べられた二次元輪郭データの各厚さ方向のデータを所定の色調基準に基づいて諧調処理し、諧調処理された各厚さ方向のデータから成る画像データを前記検査用データとするように構成し、
前記特徴データ抽出工程を、前記検査用データ作成工程で作成された検査用データから帯状部材の幅方向端部の位置、半幅、または全幅のデータを帯状部材の長さ方向の連続する所定範囲で抽出するとともに、該抽出したデータを前記特徴データとするように構成し、
特徴データに基づき、帯状部材の幅方向への蛇行量を求め、求めた振れ量と所定の閾値とを比較する比較工程をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の帯状部材の外観検査方法。
【請求項6】
前記特徴データ抽出工程を、前記検査用データ作成工程で作成された検査用データから帯状部材の幅方向の所定位置における帯状部材の厚さ方向のデータを帯状部材の長さ方向の連続する所定範囲で抽出するとともに、該抽出したデータを前記特徴データとするように構成し、
特徴データに基づき、帯状部材の厚さ方向への振れ量を求め、求めた振れ量と所定の閾値とを比較する比較工程をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の帯状部材の外観形状検査方法。
【請求項7】
前記検査用データ作成工程を、検出工程によって検出された二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向に並べた後、並べられた二次元輪郭データの各厚さ方向のデータを所定の色調基準に基づいて諧調処理し、諧調処理された各厚さ方向のデータから成る画像データを前記検査用データとするように構成し、
前記特徴データ抽出工程を、前記検査用データ作成工程で作成された検査用データから帯状部材の幅方向の所定位置における帯状部材の厚さ方向のデータを帯状部材の長さ方向の連続する所定範囲で抽出して、該抽出したデータを前記特徴データとするように構成し、
特徴データに基づき、帯状部材の厚さ方向への振れ量を求め、求めた振れ量と所定の閾値とを比較する比較工程をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の帯状部材の外観検査方法。
【請求項8】
特徴データの各厚さ方向のデータの平均値を所定の閾値と比較することにより帯状部材の有無を判定する判定工程を備えた
ことを特徴とする請求項4、5、6または7の何れかに記載の帯状部材の外観検査方法。
【請求項9】
前記特徴データ抽出工程によって抽出された特徴データに基づき、帯状部材の厚さ方向の振れ量及び/または帯状部材の幅方向への蛇行量を求め、求めた量と所定の閾値とを比較する比較工程をさらに含む
ことを特徴とする請求項1記載の帯状部材の外観形状検査方法。
【請求項10】
帯状部材の外観形状を検査する帯状部材の外観形状検査装置において、
帯状部材の外観形状の輪郭を帯状部材の幅方向複数位置における帯状部材の厚さ方向の二次元輪郭データとして検出する検出手段と、
検出手段によって検出された二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向に並べて検査用データを作成する検査用データ作成手段と、
検査用データ作成手段で作成された検査用データから、各二次元輪郭データが示す帯状部材の外観形状の輪郭が帯状部材の長さ方向にどの様に変化するかを示す帯状部材の外観形状の特徴データを抽出する特徴データ抽出手段とを備えた
ことを特徴とする帯状部材の外観形状検査装置。
【請求項11】
前記検出手段を、厚さ方向一方の面の幅方向所定位置に長さ方向に延びる溝または凸部が形成された帯状部材の厚さ方向一方の面の二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向の複数個所で抽出するように構成し、
前記特徴データ抽出手段を、前記検査用データ作成手段で作成された検査用データから帯状部材の溝または突部の幅方向位置を帯状部材の長さ方向に連続する所定範囲で抽出するとともに、該抽出したデータを前記特徴データとするように構成し、
特徴データに基づき、帯状部材の幅方向への蛇行量を求め、求めた振れ量と所定の閾値とを比較する比較手段をさらに含む
ことを特徴とする請求項10に記載の帯状部材の外観形状検査装置。
【請求項12】
前記検出手段を、厚さ方向一方の面の幅方向所定位置に長さ方向に延びる溝または凸部が形成された帯状部材の厚さ方向一方の面の二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向の複数個所で抽出するように構成し、
前記検査用データ作成手段を、検出手段によって検出された二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向に並べた後、並べられた二次元輪郭データの各厚さ方向のデータを所定の色調基準に基づいて諧調処理し、諧調処理された各厚さ方向のデータから成る画像データを前記検査用データとするように構成し、
前記特徴データ抽出手段を、前記検査用データ作成手段で作成された検査用データから帯状部材の溝または突部の幅方向位置を帯状部材の長さ方向に連続する所定範囲で抽出するとともに、該抽出したデータを前記特徴データとするように構成し、
特徴データに基づき、帯状部材の幅方向への蛇行量を求め、求めた振れ量と所定の閾値とを比較する比較手段をさらに含む
ことを特徴とする請求項10に記載の帯状部材の外観形状検査装置。
【請求項13】
前記特徴データ抽出手段を、前記検査用データ作成手段で作成された検査用データから帯状部材の幅方向端部の位置、半幅、または全幅のデータを帯状部材の長さ方向の連続する所定範囲で抽出するとともに、該抽出したデータを前記特徴データとするように構成し、
特徴データに基づき、帯状部材の幅方向への蛇行量を求め、求めた振れ量と所定の閾値とを比較する比較手段をさらに含む
ことを特徴とする請求項10に記載の帯状部材の外観形状検査装置。
【請求項14】
前記検査用データ作成手段を、検出手段によって検出された二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向に並べた後、並べられた二次元輪郭データの各厚さ方向のデータを所定の色調基準に基づいて諧調処理し、諧調処理された各厚さ方向のデータから成る画像データを前記検査用データとするように構成し、
前記特徴データ抽出手段を、前記検査用データ作成手段で作成された検査用データから帯状部材の幅方向端部の位置、半幅、または全幅のデータを帯状部材の長さ方向の連続する所定範囲で抽出するとともに、該抽出したデータを前記特徴データとするように構成し、
特徴データに基づき、帯状部材の幅方向への蛇行量を求め、求めた振れ量と所定の閾値とを比較する比較手段をさらに含む
ことを特徴とする請求項10に記載の帯状部材の外観検査装置。
【請求項15】
前記特徴データ抽出手段を、前記検査用データ作成手段で作成された検査用データから帯状部材の幅方向の所定位置における帯状部材の厚さ方向のデータを帯状部材の長さ方向の連続する所定範囲で抽出するとともに、該抽出したデータを前記特徴データとするように構成し、
特徴データに基づき、帯状部材の厚さ方向への振れ量を求め、求めた振れ量と所定の閾値とを比較する比較手段をさらに含む
ことを特徴とする請求項10に記載の帯状部材の外観形状検査装置。
【請求項16】
前記検査用データ作成手段を、検出手段によって検出された二次元輪郭データを帯状部材の長さ方向に並べた後、並べられた二次元輪郭データの各厚さ方向のデータを所定の色調基準に基づいて諧調処理し、諧調処理された各厚さ方向のデータから成る画像データを前記検査用データとするように構成し、
前記特徴データ抽出手段を、前記検査用データ作成手段で作成された検査用データから帯状部材の幅方向の所定位置における帯状部材の厚さ方向のデータを帯状部材の長さ方向の連続する所定範囲で抽出して、該抽出したデータを前記特徴データとするように構成し、
特徴データに基づき、帯状部材の厚さ方向への振れ量を求め、求めた振れ量と所定の閾値とを比較する比較手段をさらに含む
ことを特徴とする請求項10に記載の帯状部材の外観検査装置。
【請求項17】
特徴データの各厚さ方向のデータの平均値を所定の閾値と比較することにより帯状部材の有無を判定する判定手段を備えた
ことを特徴とする請求項13、14、15または16の何れかに記載の帯状部材の外観検査装置。
【請求項18】
前記特徴データ抽出手段によって抽出された特徴データに基づき、帯状部材の厚さ方向の振れ量及び/または帯状部材の幅方向への蛇行量を求め、求めた量と所定の閾値とを比較する比較手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項10記載の帯状部材の外観形状検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図30】
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【図31】
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【図8】
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【図14】
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【図21】
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【図22】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−2522(P2012−2522A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134879(P2010−134879)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】