説明

情報処理装置、及びハイブリッド車両

【課題】 データ精度の低下を抑制しつつ、効率よく走行データを圧縮すること。
【解決手段】 走行データ処理部11は、車両が稼動している間、所定のサンプリングレート(例えば、100[msec]、500[msec]、・・・など)で走行データ(車速、位置情報、時刻など)をサンプリングして一時記憶装置に記憶する。走行終了時に、収集した走行データを分析し、車両が発進してから停止するまでの間の走行データを圧縮の単位とする。走行データの圧縮は、サンプリングした走行データのうち、一定車速に到達した時点(地点)、及び車速の変化が変曲点となる時点で取得した走行データを抽出することにより行う。そして、走行データ処理部11は、抽出した走行データを出力し走行データ記憶部15に記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びハイブリッド車両に関し、例えば、ハイブリッド車両や、ハイブリッド車両と接続された情報処理センタに搭載され、当該ハイブリッド車両の車速に関連した走行データを得ることに関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンとモータを搭載したハイブリッド車両が普及してきている。このハイブリッド車両では、例えば、エンジン効率が高い領域でエンジンを駆動することで発電を行ったり、あるいは制動時の回生エネルギーを回収することにより蓄電装置(以下、バッテリ)を蓄電することで燃費を向上させている。
また、エンジンの駆動力の一部又は全部を車両の駆動と発電の双方に使用するハイブリッド車両の場合には、低速走行時にエンジンを駆動用に使用すると効率が低くなるので停止、又は発電に使用し、モータの駆動力で走行することで全体の燃費を向上させている。
【0003】
また、最近では更に燃費を高めるために、予めこれから走行する経路における走行状態を予測し、エンジンとモータの運転スケジュールを設定することも行われるようになっている。
この運転スケジュールは、例えば、停発進を繰り返したり低速での走行が続くことが予想されるす区間が前方に存在する場合、事前にエンジンを効率のよい点で駆動しながら発電してバッテリを充電しておき、その区間ではモータで走行をするように設定することができる。
また、走行経路に標高差の大きい下り区間がある場合、その下り区間に到達する前にバッテリをモータ走行に活用する等により放電させておき、下り区間で可能な限り多くの回生エネルギーを回収するといったような管理を行うことができる。
【0004】
このように、エンジンとモータの制御をより計画的に管理するためには、車両走行時に走行データを収集し、それを解析することが重要になってくる。
過去の走行データを統計的に分析することにより、例えば、通勤路など運転者が頻繁に利用する経路(以下、頻発経路)での走行速度パターンを得ることができ、この走行速度パターンにおいて、最も燃料消費量が小さくなるようなエンジンとモータの運転スケジュールを設定することができる。
過去の走行データを用いて運転スケジュールを設定することによりエンジンの燃料消費量を低減する技術が特許文献1で提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−333305公報
【0006】
この特許文献1記載の技術では、目的地までの走行経路を、交差点等の発進と停止が予測される地点で複数の区間に分割し、ナビゲーション装置から道路データと走行履歴とを取得して各区間ごとの走行速度パターンを推定し、推定した走行速度パターンとエンジンの燃料消費特性とに基づいて、目的地までの燃料消費量が最少となるように、エンジン及びモータの運転スケジュールを設定するようになっている。
また、車両が走行する際に走行データを収集し、これを蓄積しておくと、運転スケジュール設定の他にも様々な情報処理に利用することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、走行データを記憶させていく場合、所定のサンプリング周期で現在位置の位置情報(座標値)、車速(車両の速度)、走行する道路の種別などをサンプリングし、これらを対応させて記憶させていくのが一般的である。
ところが、このようにして長期間に渡って走行データを収集・蓄積すると膨大なデータ量となってしまうという問題があった。
【0008】
また、蓄積した大量の走行データを解析して走行速度パターンの予測などを行うためには、多大の計算能力が要求される。
そして、一般の自動車の車載装置にその機能を持たせることはコスト的、記憶容量的に困難であった。
一方、サンプリング周期を長くすれば走行データ量を小さくすることが可能であるが、データ精度が低下するという新たな問題が生じる。
【0009】
そこで本発明は、データ精度の低下を抑制しつつ、効率よく走行データを圧縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明では、車両の車速を取得する車速取得手段と、前記車両の位置情報及び現在時刻のうち少なくとも一方からなる車速関連情報を取得する車速関連情報取得手段と、前記取得した車速が予め設定した設定車速に等しくなる時点、及び、前記車速の変化が変曲点となる時点の各時点において、前記車速関連情報取得手段が取得した車速関連情報を、前記車速と対応させて出力する出力手段と、を情報処理装置に具備させて前記目的を達成する。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の情報処理装置において、所定の取得間隔にて前記車速取得手段から車速を取得し、更に、前記車速を取得した時点における車速関連情報を前記車速関連情報取得手段から取得し、前記取得した車速と車速関連情報を対応させて記憶する記憶手段を具備し、前記出力手段は、前記記憶した車速と車速関連情報から、前記設定車速に等しい車速、及び変曲点となっている車速に対応付けられている車速関連情報を車速と共に出力することを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の情報処理装置において、前記出力手段は、前記記憶した車速と車速関連情報から、前記車両が発進してから停止するまでの区間を単位区間として抽出し、前記抽出した単位区間において、車速と車速関連情報を抽出することを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の情報処理装置において、前記車速取得手段と前記車速関連情報取得手段は、前記車両が所定の特定場所を通過する際の車速と車速関連情報を取得し、前記出力手段は、前記取得した車速と車速関連情報を、前記特定場所を識別する識別情報と共に出力することを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項1から請求項4までのうちの何れか1の請求項に記載の情報処理装置において、前記出力手段が出力した車速と車速関連情報を用いて、前記車両が走行した車速の推移を再現する再現手段と、前記再現した車速の推移を所定の解析手順により解析する解析手段と、前記解析手段による解析結果を出力する解析結果出力手段と、を具備したことを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、駆動力の一部又は全部が車両の駆動又は発電に使用されるエンジンと、車両の駆動力を発生させるモータとを備え、前記エンジンとモータの少なくとも一方の駆動力により走行するハイブリッド車両であって、走行経路を特定する走行経路特定手段と、請求項5に記載の情報処理装置と、前記情報処理装置の解析結果出力手段から出力された解析結果を用いて前記特定した走行経路における燃料消費量が最少となるように、前記エンジンと前記モータの運転スケジュールを設定する運転スケジュール設定手段と、をハイブリッド車両に具備させて前記目的を達成する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、データ精度の低下を抑制しつつ、走行データを効率よく圧縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(1)実施形態の概要
走行データ処理部11(図1)は、車両が稼動している間、所定のサンプリングレート(例えば、100[msec]、500[msec]など)で走行データをサンプリングして一時記憶装置に記憶する。
ここで、走行データとは、例えば、車速、位置情報、時刻など、車両が走行に関連して各種センサや検出装置から取得した情報である。
そして、走行データ処理部11は、走行終了時に収集した走行データを分析し、走行データが再現可能なように圧縮して記憶する。
【0013】
なお、走行開始時から走行修了時までの走行データを圧縮してもよいが、本実施形態では、全走行データから車両が発進してから停止するまでの区間を単位区間として特定し、単位区間内の走行データを抽出してこれを圧縮の単位とする。
このように、車両が発進してから停止するまでの走行データを抽出することにより、車両が赤信号などで停止している間の走行データ(本実施形態での解析目的に不要なデータ)を記憶せずに済み、記憶するデータ量をより小さくすることができる。
なお、解析目的により停止期間中のデータも必要な場合は、この期間での走行データも圧縮するように構成する。
【0014】
走行データの圧縮は、サンプリングした走行データのうち、所定の設定車速に到達した時点(地点)、及び車速の変化が変曲点となる時点で取得した走行データを抽出することにより行う。ここで、変曲点となる時点とは、車速が加速から減速へ、及び減速から加速へ変更した地点である。
そして、走行データ処理部11は、抽出した走行データを出力し走行データ記憶部15に記憶する。
【0015】
本実施形態では、図3に示したように、発進時点a1、停止時点a2、車速が10、20、30、…[Km/h]に達する時点C1、C2、C3、…、及び車速の変化が変曲点(即ち、グラフ上の山や谷)となる時点b1、b2、b3、…における走行データを抽出する。
そして、抽出した時点ごとに、その時点における車速、位置情報、時刻などの走行データを記憶・蓄積し、その後元の走行データは消去する。
【0016】
図5は、この抽出した走行データを用いて車速の推移を再現したものであり、図6(a)は、元の走行データによる車速の推移(実線51)と抽出した走行データから再現した車速の推移(点線53)を比較した図である。
図に示したように両者はよく一致し、車速の解析で重要な変曲点付近の形状もよく再現されている。
【0017】
図3に示した例では、従来であれば、発進時点a1から停止時点a2に至るまで、例えば、サンプリング周期100[msec]程度でサンプリングしていたとすると約80秒の走行時間に対して約800点のデータ数となる。これに対し本発明では、図3に示したC1〜C16,b1〜b7,a1、a2の数十点程度の走行データを記憶するだけで、元の走行データを精度よく再現することができる。
このように、本実施形態は、設定速度と変曲点での走行データから元の走行データが精度よく再現できるという「走行データ」の特性に適したデータ圧縮方法を提供することができ、走行データを必要最小限に簡略化(圧縮)することができる。
蓄積した走行データは利用時に再現され、例えば、ハイブリッド車両で頻発経路を走行する際に、燃費効率のよいモータとエンジンの駆動力配分を決定する際の有用なデータとなる。
【0018】
(2)実施の形態の詳細
本実施形態では、説明を簡単にするために一例として走行データを、車速、位置情報、時刻の各項目から構成されているものとし、これらの各項目を、車両走行中に所定のサンプリング周期(所定の時間間隔)で、更に同じタイミングでサンプリングする。
そのため、走行データは、データ1(車速1、位置情報1、時刻1)、データ2(車速2、位置情報2、時刻2)、…といった一連の情報から構成されている。
但し、実施形態としては走行データを車速と位置情報、又は車速と時刻情報から構成することも可能である。また、走行データには加速度を含めても良い。
【0019】
ここで、位置情報、時刻は、車速に関連した車速関連情報を構成している。即ち、走行データは、車速と車速関連情報から構成されていることになる。
このように所定のサンプリング周期でこれらデータを取り込むことで、車両の走行した軌跡やその時々の車速を収集することができる。
【0020】
本実施形態における走行データ解析の目的は、例えば、頻発経路走行時の車速の変化パターン(走行速度パターン)を抽出することであり、この場合、車速と、位置情報及び時刻の少なくとも一方は、この解析目的に最低限必要な情報となっている。
走行速度パターンは、先の走行を予測し(頻発経路の場合、過去の走行データから予測可能)、ハイブリッド車両において、燃料消費量が最低となるようなエンジンとモータの運転スケジュールを設定するのに利用することができる。
【0021】
なお、この走行データの構成は一例であって、解析目的に応じて走行データを構成する項目を設定することができる。例えば、後述するように走行データの項目としてアクセルやブレーキのオンオフ状態や、シフトレバーの位置などを含ませ、走行データから運転状態を把握できるように構成することもできる。
また、後述するように、走行データは走行環境データと関連づけられており、走行時の気象情報や渋滞情報などと対応できる様になっている。
【0022】
図1は本発明の実施形態における駆動制御装置、及び車両が適用されるハイブリッド車両の駆動制御システム10の構成を示す概念図である。
駆動制御システム10は、車両の動力を発生する駆動装置20、発生した動力を伝達する駆動力伝達装置25、及び経路探索や走行データの取得や経路の解析などのナビゲーション関係の情報処理を行う走行データ処理部11を備えている。
【0023】
駆動装置20は、メイン制御装置26、エンジン21、発電機22、バッテリ23、モータ24を備えている。
エンジン21は、ガソリン、軽油等の燃料によって駆動される内燃機関によるエンジンであり、図示しないECU等のエンジン制御装置を備え、車両の動力源として使用される。
【0024】
エンジン21の駆動力は、図示しない変速機(多段変速機または無段変速機)、駆動軸、駆動輪等を備える駆動力伝達装置25に伝達される。そして、伝達された駆動力により駆動輪が回転し、車両が駆動される。
なお、駆動力伝達装置25にはドラムブレーキ、ディスクブレーキ等の制動装置を配設することもできる。
【0025】
モータ24は、例えば、交流モータ、DCブラシレスモータなどのモータ装置により構成され、エンジン21と共に車両の動力源として利用される。モータ24が発生した駆動力は、駆動力伝達装置25を介して伝達される。
また、モータ24は交流モータであることが望ましく、この場合、図示しないインバータを備える。
なお、本実施形態では、後述するように発電機22を用いて回生を行うように構成されているが、モータ24で回生することも可能である。この場合、モータ24は、発電装置として作用し、バッテリ23を充電する。
【0026】
バッテリ23は、モータ24を駆動するための電気エネルギーを蓄える蓄電手段であり、充電と放電を繰り返すことができる2次電池などにより構成されている。
バッテリ23には、蓄電量(SOC)を検出するためのSOCセンサ(蓄電量検出手段)が取り付けられており、メイン制御装置26がバッテリ23のSOCを監視できるようになっている。
バッテリ23としては、例えば、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池などの2次電池が一般的であるが、電気自動車等に使用される高性能鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ナトリウム硫黄電池などを用いることもできる。
【0027】
なお、蓄電手段としては、必ずしもバッテリ23でなくてもよく、電気二重層コンデンサのようなコンデンサ(キャパシタ)、フライホイール、超伝導コイル、蓄圧器等のように、エネルギーを電気的に蓄積し放電する機能を有するものを使用することができる。
更に、これらの中の何れかを単独で使用してもよいし、複数のものを組み合わせて使用してもよい。例えば、バッテリ23と電気二重層コンデンサとを組み合わせて、蓄電手段として使用することもできる。
【0028】
発電機22は、機械的なエネルギーを電気エネルギーに変換することにより電力を発生する装置であり、発生した電力によりバッテリ23を充電する。
発電機22は、交流発電機であることが望ましく、この場合、図示しないインバータを備える。
【0029】
発電機22は、エンジン21の駆動力を用いて発電を行うことかできるほか、車両制動時に駆動力伝達装置25から車両の運動エネルギーを取得して電気エネルギーを発生する回生により電力を発生することができる。
このように、駆動制御システム10では、従来の内燃機関による車両であれば、車両制動時にブレーキ装置にて摩擦熱として消散してしまう運動エネルギーを電気エネルギーとして回収することができるため、燃費を向上させることができる。
【0030】
なお、本実施形態では、発電機22とモータ24を別物として構成したが、発電機22とモータ24を一体的に構成することも可能である。
この場合、モータ24は、バッテリ23から電力が供給されるときは駆動力を発生して動力源として機能し、車両の制動時等のように駆動力伝達装置25によって回転させられるときは回生電流を発生する発電機22として機能する。
【0031】
また、発電機22はエンジン21の駆動力による発電を行い、車両の減速運転時における回生エネルギーによる電力の発生をモータ24で行うようにしてもよい。
また、エンジン21の駆動力の一部を駆動用に出力し、駆動力の残りで発電機22の駆動に使用して発電する場合、例えば、プラネタリギヤを使用し、エンジン21、発電機22、モータ24の各軸を連結することで実現される。
【0032】
メイン制御装置26は、図示しないCPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、走行データ処理部11との通信インターフェース等を備える一種のコンピュータであり、エンジン21、エンジン制御装置、モータ24、発電機22及びインバータの動作を制御する。
【0033】
メイン制御装置26は、車両の走行状況によってエンジン21とモータ24との使用割合を制御する。例えば、所定速度以上での走行時のようにエンジン21の効率の高い走行では主にエンジン21で駆動し、低速走行時のようにエンジン21の効率の低い走行ではモータ24で駆動力を発生させ、また、急加速時のように高出力が要求される場合にはエンジンとモータを併用して駆動するように制御される。
このように、エンジン21とモータ24を相補的に動作させることにより燃費を向上させることができる。
このような制御は、記憶手段で記憶している所定の制御プログラムを演算手段で実行することにより実現することができる。
【0034】
また、メイン制御装置26は、走行データ処理部11が提供するナビ制御情報(後述する走行速度パターンやその他の情報)を用いて、先の経路状況を見越したナビ制御も行う。
ナビ制御は、例えば、これから走行する経路の状態や走行状態を予測し、SOC管理幅の範囲内で燃料効率が最大となるようにエンジン21とモータ24の運転スケジュールを設定し、これに基づいて駆動装置20を制御したり、あるいは、先に下り区間がある場合、下り区間に到達する前にSOCを低下させて回生による蓄電量を増やしたりなどする。
【0035】
走行データ処理部11には、ナビゲーションデータベース12、走行データ取得部13、走行環境データ取得部14、走行データ記憶部15などの各機能部が接続されている。
走行データ処理部11は、これらの機能部を利用することにより、運転者に目的地までの経路を案内するナビゲーションサービスを提供したり、メイン制御装置26がエンジン21とモータ24の運転スケジュールを設定しナビ制御を行うためのナビ制御情報の提供を行う。
また、走行データ処理部11は、メイン制御装置26にナビ制御情報を生成して提供するために、車両が走行する際に走行データを収集・蓄積し、これを解析する。
【0036】
ナビゲーションデータベース12は、地図データ、音声データ、道路データ、探索データなど、運転者にナビゲーションサービスを提供したり、走行データ処理部11にナビゲーション関連の情報を提供するための各種情報を格納している。
ナビゲーションデータベース12は、磁気テープ、磁気ディスク、磁気ドラム、フラッシュメモリ、CD−ROM、MD、DVD−ROM、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード等、あらゆる形態の記憶媒体のいずれかで構成されている。また、取り外し可能な外部記憶媒体を使用することもできる。
【0037】
地図データは、緯度経度で規定される座標を用いて、ナビゲーションサービスの対象となる地域の地理的な情報や、地所、建造物、構造物などの案内対象の分布を表した地図情報であり、道路の配置、道路案内上のポイントとなる各地点の写真画像、施設や建造物の所在地や形状、及び地形や河川などの地勢に関する情報、その他の情報を含んでいる。
地図上の道路は、各地点の緯度経度が特定されると共に、道路データ、探索データと対応付けられている。
【0038】
地図データは、道路やそのほかの対象の緯度経度を特定するのに用いるほか、走行データ処理部11が備える表示部に探索された経路に沿って案内図を表示したり、交差点または経路における特徴的な写真、コマ図等を表示したり、次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向等を表示したり、他の案内情報を表示するのに用いられる。
音声データは、道路案内や、ユーザに対する問いかけ(目的地の名前は何かなど)を行うためのデータであり、音声出力部によって再生出力される。
【0039】
道路データは、地図データ上のそれぞれの道路に関する情報を、各道路を識別するための道路識別情報と共に格納している。
道路に関する情報としては、例えば、道路種別(国道、県道、主要地方道、一般道、高速道路等の行政道路属性)、道路の長さ、走行に要する時間、幅員、勾配、カント、標高、バンク、路面の状態、中央分離帯の有無、車線数、該車線数の減少する地点、幅員の狭くなる地点などがある。
【0040】
探索データには、運転者が目的地を指定した場合に、出発地から目的地までの経路探索を行うための情報が含まれている。
例えば、探索データに含まれる交差点データには、データが格納されている交差点の数に加え、それぞれの交差点に関するデータが交差点データとして、識別するための交差点識別情報が付与されて格納されている。
【0041】
走行データ取得部13は、車両が始動してから停止するまでの間、即ち、駆動装置20が始動してから停止するまでの間、所定間隔で車両の現在位置(位置情報)、車速などの走行データを取得する。
本実施形態における走行データは、時刻及びその時刻における車速と位置情報から構成されているが、このほかに、アクセル開度、ブレーキスイッチの状態、ステアリング角度、ウィンカ動作状況、シフトレバーの位置、SOCなどの、車両の状態に関する車両情報を含めることもできる。
【0042】
走行データ取得部13は、これらの情報を所定のサンプリング周期(例えば、100[msec]、500[msec]などの所定の時間間隔ごと)、または、所定の走行距離間隔(例えば、100[m]、500[m]等の所定距離ごと)でサンプリングし、走行データ処理部11に提供する。
なお、本実施形態では、所定のサンプリング周期でサンプリングを行う場合について説明する。
【0043】
走行データ取得部13は、車両走行時に各種の走行データを収集するために、GPS(Global Positioning System)センサ、車両の向いている方位を検出する方位センサ、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ、運転者が操作するブレーキペダルの動きを検出するブレーキスイッチ、運転者が操作するステアリングの舵角を検出するステアリングセンサ、運転者が操作するウィンカスイッチの動きを検出するウィンカセンサ、運転者が操作する変速機のシフトレバーの動きを検出するシフトレバーセンサ、車両の車速を検出する車速センサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、車両の向いている方位の変化を示すヨーレイトを検出するヨーレイトセンサなど、各種のセンサ・検出装置を備えている。
なお、GPSセンサは、GPS衛星からのGPS情報を受信して解析することにより現在位置の座標値(緯度と経度)を算出するものである。
【0044】
走行環境データ取得部14は、時刻、日付、曜日、車両が出発した日時、天気、気象情報、渋滞情報、交通規制情報、道路工事情報、イベント情報など、車両走行時における車両周辺の走行環境に関する情報を取得して走行データ処理部11に提供する。
走行環境データ取得部14は、時計、カレンダーなどを備えており、これによって現在の時刻、日付、曜日、車両が出発した日時等の日時情報を取得する。
【0045】
また、走行環境データ取得部14は、例えば、VICS(R)(Vehicle Information & Communication System)と称される道路交通情報通信システムを利用して、警察、日本道路公団等の交通管制システムの情報を収集して作成した道路の渋滞等に関する情報、交通規制情報、道路工事等に関する工事情報等の道路交通情報を取得する。
【0046】
更に、走行環境データ取得部14は、祭り、パレード、花火大会等のイベントの開催予定場所、予定日時等のイベント情報、例えば、駅周辺や大型商業施設周辺の道路には週末を除く毎日の特定時刻に渋滞が発生するとか、海水浴場周辺の道路には夏期休暇時期に渋滞が発生する等の統計的渋滞情報、気象庁が作成する天気予報等の気象情報なども取得する。
【0047】
加えて、走行環境データ取得部14は、ワイパー、ヘッドライト、エアコン、デフロスタなどの車両搭載機器の作動状況のデータ、及び、雨滴センサ、気温センサ等の車両搭載センサのセンシングデータを取得する。車両搭載機器の作動状況のデータ及びセンシングデータは、走行データ処理部11において、そのときの天候を推定するために利用することができる。
【0048】
走行データ記憶部15は、走行データ取得部13が取得した走行データを走行データ処理部11が圧縮した圧縮走行データと、走行環境データ取得部14で取得した走行環境データを記憶する記憶手段である。
この場合、車両の1回の走行における圧縮走行データと走行環境データとは、相互に対応付けられて記憶される。
これにより、圧縮走行データをから元の走行データを再現することにより走行状態の推移を把握することができ、その走行を行ったときの走行環境は走行環境データから把握することができる。
これらのデータは、走行データ処理部11が解析して、例えば、運転者が日常よく利用する経路を推測するほか、頻発経路における気象状況や曜日、走行時間帯などによる走行データの差異を分析するのに利用することができる。
【0049】
走行データ処理部11は、図示しないCPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ(ROM、RAM等)、磁気ディスク等の記憶手段、通信インターフェース等を備えている。
走行データ処理部11は、ナビゲーションデータベース12、及び走行データ記憶部15に格納されているデータ、及び、走行データ取得部13、走行環境データ取得部14から取得する情報を用いて、各種の情報処理を行う。
また、走行データ処理部11は、走行データ取得部13から取得した走行データを圧縮して走行データ記憶部15に記憶し、走行環境データ取得部14から取得した走行環境データを走行データ記憶部15に格納する。
【0050】
走行データ処理部11は、ユーザインターフェースとして、操作キー、押しボタン、ジョグダイヤル、十字キー、リモートコントローラ等を備える入力部、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロントガラスのホログラムを投影するホログラム装置等を備える表示部、マイクロホン等によって構成される音声入力部、音声合成装置、スピーカ等を備える音声出力部を備えるほか、FM送信装置、電話回線網、インターネット、携帯電話網等との間で各種データの送受信を行う通信部を備えている。
【0051】
走行データ処理部11が行う情報処理には、運転者に対する経路案内の提供、メイン制御装置26がナビ制御を行うのに用いるナビ制御情報を生成・提供、及びナビ制御情報を生成するのに用いる走行データ・走行環境データの収集・分析などがある。
【0052】
経路案内の提供は、ユーザインターフェースを用いて現在地から目的地までの経路探索を行って運転者に提示し、現在位置を取得しながら運転者を目的地まで誘導する処理である。
目的地は、運転者に入力してもらってもよいし、あるいは、運転者の過去の運転パターンから予測するなどして自動的に設定してもよい。
このように、メイン制御装置26は、走行経路特定手段としての機能を有している。
【0053】
ナビ制御情報は、メイン制御装置26がエンジン21やモータ24の運転スケジュールを設定したり、あるいは、運転スケジュールに従ってエンジン21やモータ24を制御するのに使用する情報である。
ナビ制御情報としては、各種のものが考えられるが、例えば、後述するような過去の走行データから推測した、出発地から目的地までの走行速度パターンがある。そして、メイン制御装置26は、予測される走行速度パターンから燃料消費量が最小となるような運転スケジュールを設定することができる。
このように、メイン制御装置26は、運転スケジュール設定手段としての機能を有している。
【0054】
また、現在位置の位置情報もナビ制御情報として利用することができる。即ち、メイン制御装置26は、現在位置を把握しながら、運転スケジュールに応じた制御を行うため、走行データ処理部11が位置情報をメイン制御装置26に提供するように構成することができる。
これにより、メイン制御装置26は、例えば、バッテリ23の充電開始位置や放電位置に到達したことを知ることができ、バッテリ23のSOCを計画的に管理することができる。
【0055】
走行データの収集に関しては、車両の走行中に、所定のサンプリングレートで車速、位置情報、時刻などを同じタイミングで刻々と取得し、これを圧縮して圧縮走行データとした後、走行データ記憶部15に出力して格納・蓄積する。
そして、走行データの解析に関しては、圧縮走行データから走行データを再現した後、これを解析し、出力する。
なお、詳細は後述するが、圧縮は、走行データから車速が設定速度に到達した時点、変曲点となる時点などにおけるものを抽出することにより行う。
【0056】
このように、走行データ処理部11は、車速を取得する車速取得手段と、車速関連情報(位置情報、時刻)を取得する車速関連情報取得手段、設定速度及び変曲点における車速と車速関連情報を対応させて出力する出力手段としての機能を有している。
更に、走行データ処理部11は、所定の取得間隔(時間間隔、又は走行距離による間隔)にて車速、位置情報、時刻を取得して走行データ記憶部15に記憶する記憶手段としての機能も有している。
加えて、走行データ処理部11は、圧縮走行データから元の走行データを再現する再現手段、再現した走行データを解析する解析手段、解析結果をメイン制御装置26に出力する解析結果出力手段としての機能を有している。
【0057】
図2は、走行データ処理部11が実現する機能のうち、走行データの処理に関するものを説明するための機能ブロック図である。
走行データ圧縮部41、及びデータ利用部47は、何れも走行データ処理部11(図1)で実現される機能部である。
【0058】
これは走行データ処理部11のCPUにおいて、走行データ圧縮プログラム、及びデータ利用プログラムを実行することにより、ソフトウェア的に実現してもよいし、あるいは、予めこのような機能部をハードウェアで実現し、走行データ処理部11に実装してもよい。
【0059】
走行データ記憶部15は、位置情報取得部32と車両情報取得部33を備えている。
位置情報取得部32は、軌道上を周回している複数のGPS衛星31からGPS信号を受信し、車両の現在位置の座標値(緯度・経度)、即ち位置情報を算出する。そして、位置情報取得部32は、算出した現在位置を走行データ圧縮部41に提供する。
車両情報取得部33は、車速センサから車速を取得し、走行データ圧縮部41に提供する。
なお、建造物の密集地など、GPS信号が到達しない場所で位置情報を取得するため、ジャイロなどを用いた慣性誘導式のシステムを併用してもよい。
【0060】
走行データ圧縮部41は、走行データ記憶部15から走行データ(現在位置、車速、時刻)を取得して圧縮し、蓄積する機能部であり、走行データ収集部42、圧縮処理部43、圧縮走行データ記憶部44から構成されている。
走行データ収集部42は、所定のサンプリング周期で位置情報取得部32からは現在位置を取得し、車両情報取得部33は車速を取得し、これを現在時刻に対応付けてRAMやハードディスクなどで構成された一時記憶装置に記憶する。
【0061】
圧縮処理部43は、一時記憶装置に記憶された走行データを圧縮し、圧縮走行データを生成する。圧縮方法としては、次のような方法を採用する。
まず、圧縮処理部43は、一時記憶装置に記憶された走行データを発進時点から停止時点までの区間からなる単位区間に分割する。
本実施形態では、走行速度パターンの分類を目的とするため、停止時点から発進時点までの間の走行データの圧縮・記憶は行わない。
これは、車両が停止していた間の走行データは、停止時点の走行データと発進時点の走行データから復元できるためである。これにより圧縮後のデータ量を少なくすることができる。
【0062】
次に、各単位区間に対して、車速が予め設定した値に等しくなった時点での走行データを特定し、これを抽出する。
更に、車速の変化から、車速の変化が変曲点となる時点を特定し、この時点での走行データを抽出する。
このように、圧縮処理部43は、走行データ収集部42が収集した走行データのうち、解析を行う際に重要な時点(特に、車速の変化が変曲点となる点の付近)での走行データを漏らさずに抽出し、走行データを圧縮することができる。
そのため、走行データの特徴を失わないように走行データを圧縮することができる。
【0063】
圧縮走行データ記憶部44は、圧縮処理部43が抽出した走行データ(圧縮走行データ)をデータファイルとして走行データ記憶部15に記憶する。
ファイル名としては、圧縮前の走行データを特定する情報(例えば、データ取得日時)、及び走行データを単位区間に分割した際の何れの区間を圧縮したものか特定する情報(例えば、分割した際の先頭から数えて何番目の区間か)などが含まれ、ファイル名から各圧縮走行データがいつの走行に関するものであるか特定できるようになっている。
【0064】
このようにファイル名を設定すると、各圧縮走行データに対して一意的にファイル名を設定することができるほか、後に走行データを解析して統計的な処理を施す場合にも便利である。
なお、一時記憶された圧縮元の走行データは圧縮処理後消去され、一時記憶装置の記憶エリアは、次回に走行する際に走行データを収集するのに再利用される。
【0065】
データ利用部47は、圧縮走行データを用いて解析処理を行う機能部である。走行データ処理部11は、この解析結果を、メイン制御装置26(図1)がエンジン21とモータ24の運転スケジュールを設定するためのナビ制御情報を生成するのに利用することができる。
【0066】
データ利用部47は、走行データ再現部48と走行データ解析部49を備えている。
走行データ再現部48は、走行データ記憶部15(図1)から圧縮走行データを読み出し、これから圧縮元の走行データを再現する(以下、再現走行データ)。
走行データ解析部49は、再現走行データを用いて各種の解析を行う。本実施形態では、例えば、過去の走行経路から頻発経路を特定し、更に、頻発経路での車速の変化パターンを抽出することができる。
【0067】
次に、図3を用いて、圧縮処理部43(図2)が行う圧縮処理について説明する。
図3は、走行時間に対する車速の変化の推移をグラフにより表したものであり、横軸に走行時間、縦軸に車速をとっている。なお、図3は、実際の走行データを模式的に表したものである。
実線51は、走行データ収集部42が収集した走行データの各点をプロットしたものである。サンプリング周期は100[msec]である。
また、実線51を構成するのに用いたデータ個数、即ち、プロットに用いた(車速、位置情報、時刻)かなる情報の組の個数の実際の値は約800個であった。
【0068】
まず、圧縮処理部43は、走行データを取得した全行程から発進時点a1から停止時点a2までの区間を単位区間として特定し、この単位区間を圧縮対象とする。
次に、圧縮処理部43は、単位区間において、車速が予め設定した設定車速に等しくなる時点での走行データを特定する。
本実施形態では、設定車速を、10、20、30、…[Km/h]といったように10[Km/h]ごとの値とした。その結果、時点C1〜C16が特定される。
【0069】
なお、これらの設定速度は、一例であって、設定速度を限定するものではない。設定速度は、設定間隔を小さくするほど再生走行データの精度が高まるが、その分圧縮後のデータ量が大きくなる。そのため、解析の目的に最低限必要な精度が得られるような設定速度の間隔を設定すればよい。
また、設定速度の間隔も等分とする必要なく、解析に重要な箇所では設定間隔を小さく設定してその箇所での再現走行データの精度を高め、解析に重要でない箇所では設定間隔を大きくしてその箇所でのデータ量を少なくするように設定することもできる。
【0070】
次に、圧縮処理部43は、車速の変化が変曲点となる時点での走行データを特定する。その結果、時点b1〜b7が特定される。
変曲点の特定は、例えば、車速を時間で微分し、微分係数の符号が反転する時点を特定することにより行うことができる。または、隣接する走行データ間で差分をとり、その符号が反転する点を特定するようにしてもよい。
また、変曲点となる時点での走行データの前後にある走行データも(例えば、変曲点の前後1秒程度に含まれる走行データ)圧縮に用いると、変曲点付近の車速の変化がより正確に再現することができる。
【0071】
以上のようにして圧縮処理部43は、発進時点a1、停止時点a2、時点C1〜C16、及び時点b1〜b7を特定し、これらの時点での走行データを元の走行データから抽出する。これら抽出された走行データが圧縮走行データとして走行データ記憶部15に記憶される。
なお、以上の例では、横軸に時間をとり、車速の経時変化を表したが、横軸に位置座標をとり、車速の走行場所による変化を表すことも可能である。
この場合も同様に、車速が所定の設定値となる地点、及び車速の変化が変曲点となる地点を特定し、その地点に関する走行データを抽出するように構成することもできる。
【0072】
図4は、走行データ圧縮部41が行う圧縮処理の手順を説明するためのフローチャートである。
まず、走行データ収集部42が位置情報と車両情報(ここでは車速)をサンプリングして収集し、時刻と共に走行データとして一時記憶装置に記憶する。
走行データの記憶は、車両の駆動装置20が駆動してから停止するまで、即ち車両が稼動している間行う。
【0073】
次に、走行データの収集が修了した後、圧縮処理部43が、一時記憶装置に記憶されている走行データを読み込む(ステップ5)。
【0074】
次に、圧縮処理部43は、読み込んだ走行データで発進時点、及び停止時点となる時点を特定し、これによって、走行データを圧縮の単位となる単位区間に区分する(ステップ10)。
次に、圧縮処理部43は、各走行データの車速を調べ、車速が所定の設定値となる時点での走行データを特定し、これらを抽出する(ステップ15)。
【0075】
次に、圧縮処理部43は、各走行データの車速から、時間の経過と共に車速がどのように推移するか調べて、車速の変化が変曲点となる時点での走行データを特定し、これらを抽出する(ステップ20)。
そして、圧縮走行データ記憶部44が、抽出した走行データを圧縮走行データとして走行データ記憶部15に記憶し、格納する(ステップ25)。
そして、走行データ収集部42は、一時記憶装置に記憶している走行データを消去する。
【0076】
図3は模式図のため、圧縮走行データは、発進時点a1、停止時点a2、時点C1〜C16、及び時点b1〜b7における25個のデータから成っている。
このため、走行データ(約800個)は圧縮前の約3%に圧縮されたことになる。
【0077】
図5は、図3の実線51の走行データを圧縮した圧縮データを用いて走行データ再現部48が再現した車速の推移の一例を示した図であり横軸に時間、縦軸に車速をとっている。
図の点線53に示したように、走行データ再現部48は、発進時点a1、停止時点a2、時点C1〜C16、及び時点b1〜b7を座標系上に布置し、時間的に隣接する時点間を直線にて補完することにより車速の時間推移を再現している。
【0078】
図で示したように、元の走行データによるものとほぼ同じデータが再現されており、車速の変化が変曲点となる点も表現されている。
なお、本実施形態では、隣接する走行データを直線で補完することにより元の走行データを再現したが、この他に、例えば、最小自乗法などを用いて曲線にて走行データを再現したり、あるいは、変曲点は曲線でなめらかに補完し、他の部分は直線で補完するなど、解析目的に合った方法で補完することもできる。さらに、記憶する走行データとして、各地点(時点)での加速度データを加え、この加速度データを用いて補間すれば、より精度よく元のデータを再現することができる。
【0079】
図6(a)は、圧縮前の走行データ(図3の実線51)と再現走行データとを、車速の推移を用いて比較した図である。
この図は、横軸に時間、縦軸に車速をとった座標系上で圧縮前の走行データを用いた車速の推移を実線51で表し、再生走行データを用いた車速の推移を点線53で表したものである。
図で示したように両者はほぼ一致し、時点b1〜時点b7の変曲点においても車速の時間推移が再現されている。
【0080】
図6(b)は、圧縮前の走行データ(図3の実線51)と、サンプリング周期を3[sec]に低減した走行データ(以下、低周期走行データ)とを車速の推移を用いて比較した図である。
後述するように、サンプリング周期を3[sec]とするとデータ量が26個となり、圧縮走行データと同程度となるため、両者を比較することにより、本実施形態による圧縮方法の優れている点をより明確に表すことができる。
【0081】
この図も横軸に時間、縦軸に車速をとった座標系上で圧縮前の走行データによる車速の推移を実線51で表し、サンプリング周期を低減した場合の走行データによる車速の推移を点線55で表したものである。
サンプリング周期を低減することによっても走行データのデータ量を少なくすることができる。
【0082】
しかし、時点b1、b5、b6においては、車速の変化が変曲点となる時点が偶然サンプリング周期と重なっていたため再現されているが、時点b2、b3、b4、b7では、車速の変化が変曲点となる時点がサンプリングの合間に発生したためサンプリングされず再現されていない。
【0083】
図7は、図6の各図で説明した、圧縮前の走行データ、低周期走行データ、及び圧縮走行データの特徴を比較した表である。
図に示したように、データ個数に関しては、圧縮前の走行データの場合約800個であり、低周期走行データの26個、圧縮走行データの25個であり、低周期走行データ、及び圧縮走行データのデータ量はほぼ等しく、圧縮前の走行データの約3%程度である。
このため、これらデータを記憶装置に記憶する場合、低周期走行データと圧縮走行データを用いると記憶領域を大幅に節約することができる。
【0084】
精度に関しては、圧縮前の走行データは、全てのサンプリング時点に対して正確な情報を再現できる。また、サンプリング周期が100[msec]と非常に短いため、車速の変化が変曲点となる時点や停発進時においても正確に走行データをサンプリングすることができる。より詳細には、変曲点から50[msec]以内の時点においてサンプリングを行うことができる。
【0085】
一方、低周期走行データは、サンプリング周波数が3[sec]であるため、サンプリング時点が偶然変曲点付近にある場合は、変曲点での走行データを取得することができるが、変曲点から離れた時点でサンプリングした場合は、変曲点での走行データを取得することができない。より詳細には、サンプリング時点が変曲点から最大1.5[sec]はずれる可能性がある。
そのため、低周期走行データでは、車速の変化が変曲点となる時点や停発進時での走行データを取得し損ねる可能性が高くなり、精度のよいデータ収集は困難である。
【0086】
圧縮走行データは、車速が一定な区間、及び車速が直線的に変化する区間では、走行データ間を直線で補完するため、これらの区間でのデータ量が少なく、更に元のデータの特徴を簡易的に再現する再現性が高いことに加え、車速が変曲点となる時点、及び停発進時における走行データを選択的に取得するため、これらの時点でのデータの再現性もよい。
【0087】
以上の考察から、これらのデータの概要をまとめると次のようになる。
圧縮前の走行データは、精度は高いという長所があるが、記憶するデータ量が多くなってしまうという短所がある。
また、低周期走行データは、データ量は圧縮前走行データの3%程度まで少なくすることができるという長所があるが、細部に至って走行データを再現することは困難であり、特に車速の変化が変曲点となる時点や停発進時での値が不正確になりうるという短所がある。
【0088】
そして、圧縮走行データは、圧縮前の走行データには及ばないものの、全区間に渡って走行データの再現性がよく、更に、車速の変化が変曲点となる時点や停発進時といった細部でのデータも正確であり、元の走行データの特徴をよく表している。
以上を総合して判断すると、データ記憶量を減らし、かつ、変曲点での走行データを正確に記憶するためには、圧縮走行データが最も優れているといえる。
【0089】
以上では、設定速度や変曲点での走行データを取得したが、取得時点はこれに限らず走行データの利用目的に応じて設定することができる。
例えば、特定の地点を通過する際に、その時点での走行データを取得するように構成することで、走行経路の地域的特徴を繁栄した走行データを取得することができる。
また、その特定の地点を識別する識別情報を走行データに付加しておくと、より高度な解析を行うことができる。
【0090】
特に、走行速度パターンの分類を目的とする場合、交差点通行時における走行データが重要になってくる。
このため、例えば、図8に示したように、交差点通過時点d1、d2における車速を圧縮走行データに付加することもできる。
これは、ナビゲーションデータベース12のナビゲーション用の地図データを利用することにより、車両が交差点を通過した際の走行データを取得したものである。
このように、車両が交差点などを通過する時点での車速を加えることで、走行した経路の特徴も合わせて記憶することができる。
【0091】
走行データ圧縮部41は、位置情報取得部32からの情報により走行経路の状態(交差点、踏切、信号機設置箇所、高速道路のインターチェンジなど)も収集できるため、これによってこれらの箇所を通過した際の車速を抽出し、圧縮走行データとして記憶することができる。
なお、交差点での走行データには、そのデータが何れの交差点におけるものであるかを識別できる識別情報を付加しておく。
交差点情報は、ハイブリッド車両のエンジン21とモータ24の駆動力配分(運転スケジュール)を決定するために蓄積した走行データを解析する(走行速度パターン分類)際に有用なデータになる。
【0092】
詳細は後述するが、例えば、運転スケジュールの設定は、過去にその経路を走行した際の走行データを蓄積しておいて、その経路での走行速度パターンを分析することにより行う。
ここで走行速度パターンの分析は、例えば、交差点を基準として経路を区間に分割して区間ごとに走行速度パターンを分析し、分析結果を全行程に対して接続することにより行うことができる。
走行速度パターン分類を行う場合、交差点における停止や渋滞が順調な走行の阻害要因となる場合が多いため、主に交差点付近での走行速度パターンの分類が重要になる。
【0093】
例えば、図8に示した再現走行データから以下のような情報を読み取ることができる。
車両は、交差点通過時点d1の直前(時点a1)で停止している。ことから、この停止地点では、車両は信号待ちで停止していることが容易に推定することができる。
また交差点通過時点d1から次の交差点通過時点d2まで停止せずに走行していることから、これら交差点間はスムーズに走行できたことがわかる。
このような知見は、後に将来の車両の今後の走行を予測するときに有用である。
【0094】
また、走行データにブレーキのオンオフを行った時点を加えることもできる。この際、ナビゲーションデータベース12の地図データを用いて、ブレーキをオンオフした地点を特定することができる。
これにより、運転者がどの地点でブレーキをオンオフしたか知ることができ、運転者の操作状況も合わせて記憶することができる。
このように、走行データに含まれる項目としてブレーキ情報を採用し、走行データ記憶部15に記憶することで車速変化に現れないブレーキの操作も記憶することができる。これにより、混雑度合いを認知することができ、ハイブリッド車両の制御(エンジン21とモータ24の駆動配分)に用いることができる。
【0095】
次に、以上のようにして走行データ記憶部15に蓄積した圧縮走行データの利用方法について説明する。ここでは、圧縮データに交差点通過時点での走行データも含まれているものとする。
走行データ処理部11(走行データ再現部48と走行データ解析部49を構成する)は、以下のようにしてエンジン21とモータ24の運転スケジュールを設定することができる。
【0096】
まず、運転者がこれらから走行しようとする経路を予測する。
この予測は、例えば、運転者が発進前に目的地を設定した場合、走行データ取得部13から現在位置を取得し、ナビゲーションデータベース12を用いて、目的地とこの現在位置から最適経路を検索することにより行うことができる。
または、通勤経路のように毎日定時刻に同じ経路を通行する頻発経路である場合、発車時刻からこれから通行する経路が頻発経路であることを予測することができる。
【0097】
次に、走行データ処理部11は、予測した経路を交差点を基準として複数の区間に分割する。
そして、走行データ処理部11は、これら区間を含む圧縮走行データを走行データ記憶部15から読み出し、走行データ再現部48によって、これらから再現走行データを生成する。当該区間を含む圧縮走行データが複数ある場合は、統計処理を行うため、これらの全てを用いる。または、走行環境データを用いて、走行当日の走行環境に適合するものを選択してもよい。あるいは、最近のものを採用し、古い走行データは採用しないように構成することもできる。
これにより、当該区間での過去の再現走行データが複数得られる。
【0098】
次に、走行データ処理部11は、走行データ解析部49により再現走行データの解析を行う。
まず、走行データ解析部49は、各区間ごとにその区間での過去の走行速度パターンを分類する。
この走行速度パターン分類により、例えば、ある交差点ではいつも渋滞し、低速での停発進を繰り返す傾向があるだとか、また、ある交差点の信号機は、手前の交差点での信号機と連動しており、停止することなく通常走行で通過できる傾向があるだとかいったような傾向を統計的に抽出することができる。
【0099】
次に、走行データ解析部49は、その当日最も可能性の高い走行速度パターンを各区間ごとに選択する。
これは、例えば、各走行速度パターンのうち、最も頻度の大きいものを選択することにより行うことができる。
次に、走行データ解析部49は、各区間ごとに選択した走行速度パターンを隣接する区間ごとに接続し、これによって全区間に渡る走行速度パターンの予測を得る。
【0100】
以上の例に示したようにして、走行データ処理部11は、走行データ記憶部15に記憶された圧縮走行データから、これらか走行する経路での走行速度パターンを予測することができる。
なお、このようにして生成された走行速度パターンは、走行データ処理部11からメイン制御装置26にナビ制御情報として送られ、走行データ処理部11がエンジン21とモータ24の運転スケジュールを設定するのに利用される。
【0101】
一般にエンジン21は、低速走行時の効率が低いので、例えば、低速走行時の駆動力をモータ24で補うことにより燃費を高めることができる。
そのため、走行速度パターンより、例えば、走行が順調と予測される区間の後、低速での停発進が続くと予測される区間が存在する場合、走行が順調と予測される区間走行時に発電機22を駆動してバッテリ23を蓄電しておき、低速での停発進が続くと予測される区間でこれを放電するように運転スケジュールを設定することができる。
メイン制御装置26は、最適な運転スケジュールを設定することにより燃料消費量を最小限に抑えることができる。
【0102】
(3)実施形態の変形例
以上、本実施形態の一例について説明したが、この他に各種の変形例が可能である。
例えば、本実施形態では、一旦、所定周期で詳細な走行データを収集した後、これらの中から、所定の車速となる時点や車速の変化が変曲点となる時点などの特定のものを抽出したが、この他に例えば、走行データをサンプリングしながら、所定の車速となる時点や車速が変曲点を構成する時点をリアルタイムで判断し、条件を満たすデータを記憶し、他のデータを捨てるようなリアルタイム処理にて行うように構成することもできる。
【0103】
また、本実施形態では、圧縮走行データを走行データ記憶部15に格納したが、無線通信によりネットワーク接続された情報センタ(サーバ装置)に送信し、サーバ装置にて記憶するように構成することも可能である。
この場合、データ利用部47は、データ利用時にサーバ装置から過去の走行データをダウンロードして解析することができる。
このように構成すると、走行データを車両側で管理する必要がないのでコスト低減を図ることができる。
【0104】
更に、走行データ圧縮部41の機能やデータ利用部47の機能をサーバ装置側で実現することも可能である。
この場合、車両では走行データ記憶部15で走行データを取得した後、これを無線にてサーバ装置に送信する。
サーバ装置では、走行データを圧縮して記憶し、また、車両側からの要求によって走行データを再現する。
更に、サーバ装置は、走行データの解析を行い、解析結果を車両側に送信する。
【0105】
なお、本実施形態では、走行データから所定の設定速度となる時点での走行データを抽出したが、このほかに、例えば、C1点からC16点までの継続時間をC1点のデータに附帯するように構成することもできる。
このように構成すると、C16の走行データがいらなくなり、C1の走行データで対応可能となる。
【0106】
説明した本実施形態では、走行データをサンプリングする変曲点として、車速が加速から減速へ、及び減速から加速へ変更した地点としたが、加速又は減速から定速に変化した地点、及び定速から加速又は減速に変化地点も変曲点に含めるようにしてもよい。
また、車両の加速度α[m/s2]の変化率が所定以上である点を変曲点としてサンプリング対象とすることも可能である。
【0107】
以上に説明した本実施形態により以下のような効果を得ることができる。
(1)走行データから解析目的に必要な部分を抽出することにより、必要最低限な情報を記憶し、不要な情報を捨てることができる。これにより、解析に必要な部分の精度を落とさずに走行データを圧縮することができる
例えば、走行速度パターン分類を行う場合、走行データの「走行」という特性に着目したデータ圧縮を行うことができる。
即ち、走行データの特徴をとらえることで(加速から減速、減速から加速という変極点)、圧縮したデータを再生したときの精度の低下を抑えることができ、少ない情報量でもとのデータを正確に表現することができる。
【0108】
(2)走行データを従来の数%程度まで圧縮することができ、多くの走行データを記憶させる場合に、記憶容量を少なくすることができる。
これにより、走行データの蓄積を一般の自動車の車載装置で行う場合、コスト的、記憶容量的に少なくすることができる。
(3)記憶させた走行データを使用する場合にも、データ量が少ないためメモリや記憶装置への読込速度と書き込み速度を短縮することができ、情報処理を迅速に行うことができる。
(4)走行データに交差点などの特定場所での走行データを加えることで、走行した経路の特徴も合わせて記憶することができる。
(5)アクセルやブレーキのオンオフ地点などの運転者の操作点での情報を加えることで、運転者の操作の状況も合わせて記憶することができる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の実施形態における駆動制御装置、及び車両が適用されるハイブリッド車両の駆動制御システムの構成を示す概念図である。
【図2】走行データ処理部が実現する機能を説明するための機能ブロック図である。
【図3】走行時間に対する車速の変化の推移をグラフにより表したものである。
【図4】走行データ圧縮部が行う圧縮処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図5】走行データ再現部が再現した車速の推移の一例を示した図である。
【図6】(a)は、圧縮前の走行データと再現走行データとを比較したグラフであり、(b)は、圧縮前の走行データと、低周期走行データとを比較したグラフである。
【図7】圧縮前の走行データ、低周期走行データ、及び圧縮走行データの特徴を比較した表である。
【図8】交差点通過時点における車速を圧縮走行データに付加した場合を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
【0110】
10 駆動制御システム
11 走行データ処理部
12 ナビゲーションデータベース
13 走行データ取得部
14 走行環境データ取得部
15 走行データ記憶部
20 駆動装置
21 エンジン
22 発電機
23 バッテリ
24 モータ
25 駆動力伝達装置
26 メイン制御装置
32 位置情報取得部
33 車両情報取得部
41 走行データ圧縮部
42 走行データ収集部
43 圧縮処理部
44 圧縮走行データ記憶部
47 データ利用部
48 走行データ再現部
49 走行データ解析部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車速を取得する車速取得手段と、
前記車両の位置情報及び現在時刻のうち少なくとも一方からなる車速関連情報を取得する車速関連情報取得手段と、
前記取得した車速が予め設定した設定車速に等しくなる時点、及び、前記車速の変化が変曲点となる時点の各時点において、前記車速関連情報取得手段が取得した車速関連情報を、前記車速と対応させて出力する出力手段と、
を具備したことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
所定の取得間隔にて前記車速取得手段から車速を取得し、更に、前記車速を取得した時点における車速関連情報を前記車速関連情報取得手段から取得し、前記取得した車速と車速関連情報を対応させて記憶する記憶手段を具備し、
前記出力手段は、前記記憶した車速と車速関連情報から、前記設定車速に等しい車速、及び変曲点となっている車速に対応付けられている車速関連情報を車速と共に出力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記記憶した車速と車速関連情報から、前記車両が発進してから停止するまでの区間を単位区間として抽出し、前記抽出した単位区間において、車速と車速関連情報を抽出することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記車速取得手段と前記車速関連情報取得手段は、前記車両が所定の特定場所を通過する際の車速と車速関連情報を取得し、
前記出力手段は、前記取得した車速と車速関連情報を、前記特定場所を識別する識別情報と共に出力することを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力手段が出力した車速と車速関連情報を用いて、前記車両が走行した車速の推移を再現する再現手段と、
前記再現した車速の推移を所定の解析手順により解析する解析手段と、
前記解析手段による解析結果を出力する解析結果出力手段と、
を具備したことを特徴とする請求項1から請求項4までのうちの何れか1の請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
駆動力の一部又は全部が車両の駆動又は発電に使用されるエンジンと、車両の駆動力を発生させるモータとを備え、前記エンジンとモータの少なくとも一方の駆動力により走行するハイブリッド車両であって、
走行経路を特定する走行経路特定手段と、
請求項5に記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置の解析結果出力手段から出力された解析結果を用いて前記特定した走行経路における燃料消費量が最少となるように、前記エンジンと前記モータの運転スケジュールを設定する運転スケジュール設定手段と、
を具備することを特徴とするハイブリッド車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2005−168174(P2005−168174A)
【公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−403406(P2003−403406)
【出願日】平成15年12月2日(2003.12.2)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】