説明

情報配信装置

【課題】情報配信装置において、情報提供装置に蓄積されたユーザの過去走行情報を利用して到着地及び走行ルートを推定し、正確な到着地及び走行ルートの推定を可能とすることにある。
【解決手段】情報提供装置は、ユーザから送信された現在走行している現在走行情報と過去に走行したときの過去走行情報とを蓄積する情報蓄積手段と、この情報蓄積手段に蓄積されているユーザの現在走行情報とユーザの過去走行情報とから到着地及び走行ルートを推定する推定手段とを備えている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報配信装置に係り、特に通信を使って車両情報及び外部情報を収集し、その時の状況を考慮して情報をユーザに提示する情報配信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載用の情報配信装置においては、交通情報を運転者等のユーザに提示する場合に、文字による大まかな交通情報又は簡易図形による幹線道路や高速道路に限定されており、この方法では、ユーザの走行しているルートが、配信されている交通情報の場所なのか、あるいは、これから進むルート上なのかわかりづらく、操作をして見つけ出さなければならない。これは、その操作に非常に時間がかかるし、また、運転走行中ではその操作も難しかった。また、配信されている別の方法として、ナビゲーションシステムの地図上に表示されるルートを設定すると、そのルート上にある交通情報を配信しているが、この方法では、ルートが設定されている時だけしか、その情報の配信が有効でなかった。
【0003】
従来、情報配信装置には、車両のナビゲーションシステムが検出した車両位置及び車両目的地を示す情報を情報センタに送信し、車両から情報センタに情報のリクエスト信号を送信するエリアを示す情報として、少なくとも車両周辺の地図の情報及び目的地へのルートの情報を情報センタから受信し、この受信した各情報に従って運転者に走行ルートを案内し、車両位置が情報センタに送信するエリア内に達すると、車両位置を示す情報と情報のリクエスト信号とを、再び情報センタに送信し、これにより、情報センタから得た情報による送信エリアから情報センタに車両位置情報を送信することができ、無駄な発信を避けさせるものがある。
また、情報配信装置には、経路案内用サーバが、複数の利用者が使用する利用者端末から、各利用者が訪問した訪問地の訪問履歴情報を、通信手段を介して収集する訪問履歴情報収集する訪問履歴情報収集手段と、この訪問履歴情報収集手段が収集した訪問履歴情報を集計して、訪問地毎に、訪問地を訪問した利用者層、及び、利用者が訪問地を訪問した際の状況を推定してこの推定結果を示す訪問地推定情報を生成する訪問地推定情報生成手段とを備え、利用者個人の状況や利用者の周囲の状況に応じて、利用者の移動目的に適合した目的地を検索して抽出し、利用者の移動目的に適合した道路案内情報を提供するものがある。
【特許文献1】特開2003−65785号公報
【特許文献2】特開2004−325371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来、情報配信装置においては、ユーザが到達する到着地を推定し、これに合わせた情報(交通情報及び広告情報)を配信する場合に、到着地及び走行ルートの推定の一致確率が低く、正確な到着地の推定が困難であり、ユーザが十分に満足できる情報を提供することができないという不都合があった。
【0005】
そこで、この発明は、通信手段を使用して情報提供装置からデータを受信しこの受信したデータを情報表示装置に表示させる情報配信装置において、情報提供装置に蓄積されたユーザの過去走行情報を利用して到着地及び走行ルートを推定し、到着地及び走行ルートを正確に推定することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、情報を表示する情報表示装置と、ユーザに提供するための情報を蓄積する情報提供装置と、この情報提供装置と通信する通信手段と、この通信手段を介して前記情報提供装置からデータを受信しこの受信したデータを前記情報表示装置に表示させる制御手段とを備えた情報配信装置において、前記情報提供装置は、ユーザから送信された現在走行している現在走行情報と過去に走行したときの過去走行情報とを蓄積する情報蓄積手段と、この情報蓄積手段に蓄積されている前記ユーザの現在走行情報と前記ユーザの過去走行情報とから到着地及び走行ルートを推定する推定手段とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明の情報配信装置は、情報提供装置に蓄積されたユーザの過去走行情報を利用して到着地及び走行ルートを推定するので、正確な到着地及び走行ルートの推定を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
この発明は、到着地及び走行ルートの推定を正確にする目的を、情報提供装置に蓄積されたユーザの過去走行情報を利用して実現するものである。
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的にに説明する。
【実施例】
【0009】
図1〜図12は、この発明の実施例を示すものである。
【0010】
図1において、2は車載用の情報配信装置である。この情報配信装置2は、車両装置4の内部で、情報表示装置(ナビゲーションシステム)6とこの情報表示装置4に接続したGPSアンテナ8及び制御手段10とこの制御手段10に接続した通信手段12とを備え、また、車両装置4の外部で、情報提供装置(情報データサーバ)14を備えている。
【0011】
この情報配信装置2は、主に、車両装置4の内部から車両情報等の各種情報を車両装置4の外部の情報提供装置14に送信し、この情報提供装置14がデータの収集・蓄積や情報の選択を行い、さらに、車両装置4の内部で、データの送信や情報の表示を行う。
【0012】
情報表示装置6は、システムの地図及び配信された情報(交通情報及び広告情報)を表示するものであり、運転者等のユーザが情報を操作することのできるタッチパネル16を備えている。このタッチパネル16には、図2に示すように、情報を表示する情報表示部18と、情報を操作するためのボタン20として、例えば、第1のボタン20−1・第2のボタン20−2・第3のボタン20−3とが表示される。また、この情報表示装置6は、制御手段10に対して車両の現在走行情報としての現在位置情報(緯度・経度)を出力する。
【0013】
GPSアンテナ8は、GPS(Global Positioning System:全地球位置把握システム)での車両の現在位置情報を情報表示装置6に取得させるために用いられる。
【0014】
制御手段10は、通信手段12を介して情報提供装置14からデータを受信しこの受信したデータを情報表示装置6に表示させるものであり、中央演算処理装置22と無線通信機能部24と情報データベース26とを備えている。この制御手段10は、通信手段12を介して車両装置4の外部の情報提供装置14とデータ通信(インターネット:送受信)を行う機能を有するとともに情報提供装置14から得られたデータを選別して情報表示装置6に表示させる機能を有し、また、情報を閲覧・消去した履歴情報を格納するとともにユーザの過去の走行履歴情報(位置情報)を格納する。また、この制御手段10は、情報表示装置6に表示したデータを蓄積したり、ユーザの見た各履歴情報を記憶する。情報表示装置6に表示したデータには、各種属性(有効期限、ジャンル、対象年齢、対象性別、タイプ、位置情報等)が設けられている。
【0015】
通信手段12は、車載情報端末や携帯情報端末等の通信機器からなり、車両装置4の内部の制御手段10と車両装置4の外部の情報提供装置14との間でデータ通信を行う。
【0016】
情報提供装置14は、車両装置4の外部の情報センタとしての機能を有し、ユーザに提供するための情報(交通情報及び広告情報)を蓄積するものであり、ユーザから送信された現在走行している現在走行情報(各車両から来る現在位置)と過去に走行したときのユーザの過去走行情報(走行ルート)とを蓄積する情報蓄積手段(履歴データベース)28と、この情報蓄積手段28に蓄積されている前記ユーザの過去走行情報とユーザの現在走行情報とから到着地及が走行ルートを推定する推定手段(到着地推定アルゴリズム)30と、この推定手段30により推定された走行ルートに沿った情報(交通情報・広告情報)を制御手段10に送信する情報送信手段32とを備えている。また、この情報提供装置14には、情報表示装置6におけるユーザの操作履歴情報が蓄積される。
【0017】
また、推定手段30は、前記ユーザの過去走行情報から、第一に、同じ出発地から走行開始したものを検索し、その頻度から推定走行ルートを数ルートに絞り込み、第二に、この絞り込まれた推定走行ルートを少なくとも走行日時と走行曜日とからなる日程要素頻度を用いて一つに決定する。
【0018】
情報配信装置2におけるユーザの動作・操作にあっては、情報提供装置14において、推定手段30によって選別された情報が情報送信手段32から配信され、この配信された情報が通信手段12及び制御手段10を介して情報表示装置6に表示され、これにより、ユーザは、タッチパネル16の各ボタン20を用い、情報表示部18の「見出し」から見たい情報を選択する。
【0019】
例えば、広告情報であれば、ユーザは、「閲覧」、「保存」、「消去」、「案内」の各ボタン20を選択することができる。この場合、情報表示装置6においては、「閲覧」のボタンが選択操作されると、「見出し」からさらに詳細な広告情報を表示し、「保存」のボタンが選択操作されると、後で直ぐ見られるように広告情報を保存し、「消去」のボタンが選択操作されると、必要ない広告情報を再び表示させないようにし、「案内」のボタンが選択操作されると、選択された広告情報のお店にナビゲーションの目的地の設定を行う。
【0020】
また、情報配信装置2における車両装置4の内部の動作にあっては、所定時間(x秒)毎に車両の現在位置情報(緯度・経度)を情報提供装置14に送信するとともに、ユーザの操作履歴を情報提供装置14に送信し、また、この情報提供装置14で推定された到着地を受信し、さらに、情報提供装置14から交通情報及び広告情報を受信して表示する。
【0021】
更に、情報配信装置2における情報提供装置14の動作にあっては、車両装置4から送信される車両の現在位置情報を受信して情報蓄積手段28に蓄積するとともに、ユーザが操作した履歴情報を受信して情報蓄積手段28に蓄積し、また、車両が出発若しくは車両が予め設定された距離(升目)を移動したら、到着地の推定を行い、更に、推定された到着地及び走行ルートの周辺にある交通情報及び広告情報を送信する。
【0022】
この情報提供装置14には、以下に示す図8〜図12のテーブル1〜5が設定されている。
【0023】
図8のテーブル1は、走行ルートテーブルであり、「渋滞ID」毎で、「日時」、「ユーザID」、「現在位置」からなり、所定時間(x秒)毎に制御手段10から送信される車両の現在位置情報を蓄積する。
図9のテーブル2は、走行記録テーブルであり、「渋滞ID」毎で、「出発日時」、「到着日時」、「走行ルート」、「走行距離」からなり、1回の走行毎に走行ルートを蓄積する。
図10のテーブル3は、交通情報テーブルであり、「渋滞ID」毎で、「日時」、「情報種別」、「渋滞地点緯度・経度」、「渋滞距離」からなり、交通情報を蓄積する。
図11のテーブル4は、広告情報テーブルであり、「広告ID」毎で、「登録日時」、「ジャンル」、「店舗緯度・経度」、「広告データ」からなり、広告情報を蓄積する。
図12のテーブル5は、広告情報閲覧履歴テーブルであり、「ユーザID」毎で、「日時」、「操作」、「広告ID」、「広告ジャンル」からなり、ユーザの操作を蓄積する。
【0024】
次に、この実施例の作用を説明する。
【0025】
情報提供装置14の交通情報は、図3に示すフローチャートに沿って表示される。
【0026】
図3に示すように、プログラムがスタートすると(ステップ102)、制御手段10は、所定時間(X秒)毎に車両の現在位置情報を情報提供装置14に送信し(ステップ104)、この情報提供装置14は、受信した車両の現在位置情報を情報蓄積手段(履歴データベース)28に蓄積し(ステップ106)、さらに、決められた距離(ここでは、升目毎)に到着地及び走行ルートを推定する(ステップ108)。
【0027】
そして、情報提供装置14では、この推定された走行ルート上に交通情報があるか否かを判断し(ステップ110)、このステップ110がNOの場合に、前記ステップ104に戻し、一方、このステップ110がYESの場合には、その交通情報を制御手段10に送信し(ステップ112)、そして、前記ステップ104に戻す。
【0028】
情報提供装置14の広告情報は、図4のフローチャートに沿って表示される。
【0029】
図4に示すように、プログラムがスタートすると(ステップ202)、制御手段10は、所定時間(X秒)毎に車両の現在位置情報を情報提供装置14に送信し(ステップ204)、この情報提供装置14は、受信した車両の現在位置情報を情報蓄積手段(履歴データベース)28に蓄積する(ステップ206)、さらに、決められた距離(ここでは、升目毎)に到着地及び走行ルートを推定する(ステップ208)。
【0030】
そして、情報提供装置14では、この推定された到着地近辺若しくは走行ルート上に広告情報があるか否かを判断し(ステップ210)、このステップ210がNOの場合に、前記ステップ204に戻し、一方、このステップ210がYESの場合には、その広告情報を制御手段10に送信し(ステップ212)、そして、前記ステップ204に戻す。
【0031】
到着地及び走行ルートの推定は、図5のフローチャートに基づいて行われる。
【0032】
この到着地及び走行ルートの推定においては、過去に走行したルートと現在位置までのルートとの一致の割合で、最も一致確率の高いものを選出し、その選ばれた過去の走行ルートの到着地を今回の走行における推定された到着地とする。そして、この実施例においては、走行ルートの他に、頻度、時間や曜日、距離、信頼度、参照数(リンク数)と呼ばれるものを利用して、スコアを出し、最も高いスコアの走行ルートを今回の走行の推定された走行ルート及び到着地とする。ここでは、過去の走行ルートは、現在から2ヶ月前までとした。また、この走行ルート及び到着地の推定は、一升進む毎に行われる。更に、各スコアは、前回算出したスコアに加算されて行く。
【0033】
図5に示すように、プログラムがスタートすると(ステップ302)、先ず、出発地において、過去の走行ルートの中からこの出発地から出たものを挙げ、頻度によってスコアを付け(ステップ304)、そして、過去の走行ルートの中から一致確率を算出し、高得点の推定走行ルートを数ルートに絞って選出する(ステップ306)。
【0034】
以下に、このステップ306における一致確率の算出方法について説明する。
【0035】
車両が走行した緯度・経度は、システムの地図上で表すと、升目として格納される。この升目の作り方は、緯度・経度をY分の1することで作成される。これにより、地図上に緯度・経度の1点が升目となり、GPS位置の誤差が考慮され、又は、連続した一定の間隔となる。
【0036】
図6は、地図上の車両の走行の軌跡を示し、今回、1から順に8に車両が移動したとする。例えば、一致確率を、現在位置から過去の升目5つで算出すると設定していたとすると、同じルートを車両が走行していて、過去の升目5つが全く同じであればいいのだが、GPS等の誤差により同じにならないこともある。このため、この実施例においては、その誤差を考慮して一致確率が出るようにした。
【0037】
つまり、図7に示すように、過去の走行履歴の中に、1→2→4→5→3とあった場合の一致確率を、各ルートから見て以下のように算出する。
ルート1から見ると、一致しているのは、5分の3である。
1→2→○→○→3=5分の3(○は、不一致)
ルート2から見ると、一致しているのは、7分の2である。
○→2→○→○→3→○→○=7分の2(○は、不一致)
ルート3から見ると、一致しているのは、5分の1である。
○→○→3→○→○=5分の1(○は、不一致)
ルート4から見ると、一致しているのは、5分の2である。
○→○→○→4→5=5分の2(○は、不一致)
ルート5から見ると、一致しているのは、5分の1である。
○→○→○→○→5=5分の1(○は、不一致)
従って、一致確率スコアは、
(3/5)+(2/7)+(1/5)+(2/5)+(1/5)=59/35
として算出される。
【0038】
この図5ステップ306の処理後は、日程要素頻度として、例えば、頻度、曜日頻度、時刻頻度を、前記算出された一致確率スコアに加算する(ステップ308)。
【0039】
このステップ308における頻度スコアは、以下に示すように、頻度、曜日頻度、時刻頻度として算出される。
【0040】
前記一致確率スコアで選出されている過去のルートに最大頻度を5回として、
頻度スコア=一致確率スコア*(頻度/10+1.0)
とする。
さらに、同じ曜日の場合、最大頻度を5回として、
曜日頻度スコア=一致確率スコア*(曜日頻度/10+1.0)
とする。
同じ時刻帯で、車両の出発の場合、最大頻度を5回として、
時刻頻度スコア=一致確率スコア*(時刻頻度/10+1.0)
とする。
【0041】
そして、この図5のステップ308の処理後は、距離スコアを加算する(ステップ310)。
【0042】
このステップ310における距離スコアの算出は、以下のように行われる。
【0043】
過去の走行ルートの到着地と現在位置の緯度・経度から、その間の距離を出す。
そして、
その距離が前回の時よりも短くなったら、最大500mとして、
距離スコア=一致確率スコア*(短くなった距離(m)/1000+1.0)
とする。
その距離が前回の時よりも長くなったら、最大500mとして、
距離スコア=一致確率スコア*(1−長くなった距離(m)/1000)
とする。
【0044】
この図5のステップ310の処理後は、参照数(リンク数)スコアを加算する(ステップ312)。
【0045】
このステップ312における参照数スコアは、推定された到着地から、また違う場所に到着地をより多く持つものにスコアを与えるものであり、最大数を5として、
参照数スコア=一致確率スコア*(1+参照数/20)
で算出される。
【0046】
この図5のステップ312の処理後は、信頼度スコアを加算する(ステップ314)。
【0047】
このステップ314における信頼度スコアは、推定された到着地が、どのくらいの信頼度を持っているのかを数値で表すものであり、
信頼度スコア=(一つの過去の走行ルートスコア)/(候補に挙がっている全ての過去の走行ルートスコア)
で算出される。
【0048】
この図5のステップ314の処理後は、ボーナススコアを加算する(ステップ316)。
【0049】
このステップ316におけるボーナススコアは、上述した各スコアの算出で、トップを取ったものが多いものに与えられる。
【0050】
このボーナススコアにおいて、例えば、一致確率スコア、頻度スコア、曜日頻度スコア、時刻頻度スコア、参照数スコア、信頼度スコアの中で、現在のスコアは、トップをとった個数に応じて以下のように算出される。
トップを2個とった場合は、現在のスコア=トップを2個とったスコア*1.10
トップを3個とった場合は、現在のスコア=トップを3個とったスコア*1.20
トップを4個とった場合は、現在のスコア=トップを4個とったスコア*1.40
トップを5個とった場合は、現在のスコア=トップを5個とったスコア*1.80
トップを6個とった場合は、現在のスコア=トップを6個とったスコア*2.0
【0051】
この図5のステップ316の処理後は、最も高得点を取った過去のルートの到着地及び走行ルートとを、今回の走行の推定された一つの到着地及び走行ルートとし(ステップ318)、プログラムを終了する(ステップ320)。
【0052】
この結果、情報提供装置14は、ユーザから送信された現在走行している現在走行情報と過去に走行したときの過去走行情報とを蓄積する情報蓄積手段28と、この情報蓄積手段28に蓄積されている前記ユーザの現在走行情報と前記ユーザの過去走行情報とから到着地及び走行ルートを推定する推定手段30とを備えているので、情報提供装置14に蓄積されたユーザの過去走行情報を利用した推定方法を用いて、正確な到着地及び走行ルートの推定を可能とする。
【0053】
また、推定手段30は、前記ユーザの過去走行情報から、第一に、同じ出発地から走行開始したものを検索し、その頻度から推定走行ルートを数ルートに絞り込み、第二に、この絞り込まれた推定走行ルートを少なくとも走行日時と走行曜日とからなる日程要素頻度を用いて一つに決定するので、過去の走行情報履歴の中で、特に時間環境(日時、曜日)が似ているかどうかを走行ルートの推定の判定要素の一つに用いて、精度の高い走行ルートの推定方法を実現可能とする。
【0054】
更に、情報提供装置14は、ユーザから送信された現在走行している現在走行情報と過去に走行したときの過去走行情報とを蓄積する情報蓄積手段28と、この情報蓄積手段28に蓄積されている前記ユーザの現在走行情報と前記ユーザの過去走行情報とから到着地及が走行ルートを推定する推定手段30と、この推定手段30により推定された走行ルートに沿った交通情報及び広告情報を前記制御手段10に送信する情報送信手段32とを備えているので、推定された走行ルートに沿った情報のみを配信することができ、精度の高い情報表示システムを実現可能とする。
【0055】
即ち、この実施例における到着地及び走行ルートの推定方法は、従来の到着地及び走行ルートの推定方法と比較して、以下の第一から第六の点を改良したことである。
【0056】
第一に、到着地及び走行ルートの推定方法の中で、頻度、曜日頻度、時刻頻度の日程要素を取り入れた。
第二に、到着地及び走行ルートの推定方法の中で、推定される到着地及び走行ルートと現在位置の距離を要素として取り入れた。
第三に、到着地及び走行ルートの推定方法の中で、信頼度を算出し、それを推定の要素として取り入れた。
第四に、到着地及び走行ルートの推定方法の中で、参照数(リンク数)を推定の要素として取り入れた。
第五に、情報処理を、外部の情報提供装置14側で行うことで、車両装置4側の負荷を軽減させた。
第六に、データ処理を、外部の情報提供装置14側で行うことで、全体のデータを一括で集計し、ユーザの傾向や好みを把握することができる。
この場合、データの集計では、ユーザの操作頻度や走行回数、どんな情報を閲覧したのかを集計できる。また、データの傾向では、ユーザの行動範囲やどんな情報が好まれるか等の傾向を、把握することができる。
【0057】
これにより、さらに正確な到着地及び走行ルートの推定を行うことができ、ユーザにとって有効な情報を配信できるようにし、また、外部の情報提供装置14側でデータの集計・処理を行うことで、ユーザの傾向を把握し、ユーザの好む情報を用意することが可能になる。
【0058】
なお、この発明は、上述の実施例に限定されず、種々応用改変が可能であることは勿論である。
【0059】
例えば、情報の種類は、「交通情報」としたが、このアルゴリズムを用いて交通やニュース・天気、テレビジョン(TV)や芸能ニュース等の娯楽情報に応用することが可能である。
【0060】
また、情報配信装置においては、車両情報・車両状況を情報提供装置側に送信し、この情報提供装置が、データを蓄積してその結果を車両装置に送信しているが、これを、履歴情報やユーザ情報等のプライバシーの点を考慮し、全ての情報を車両装置側に蓄積し、結果だけの情報を情報提供装置に受け取らせるようにすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
情報提供装置に蓄積されたユーザの過去走行情報を利用することを、他の情報システムにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】情報配信装置のシステム構成図である。
【図2】情報表示装置のタッチパネルを示す図である。
【図3】交通情報を表示するフローチャートである。
【図4】広告情報を表示するフローチャートである。
【図5】到着地及び走行ルートを推定するフローチャートである。
【図6】一致確率の出し方で車両の移動を説明する図である。
【図7】一致確率の出し方で一致状態を説明する図である。
【図8】テーブル1を説明する図である。
【図9】テーブル2を説明する図である。
【図10】テーブル3を説明する図である。
【図11】テーブル4を説明する図である。
【図12】テーブル5を説明する図である。
【符号の説明】
【0063】
2 情報配信装置
4 車両装置
6 情報表示装置
8 GPSアンテナ
10 制御手段
12 通信手段
14 情報提供装置
18 情報表示部
20 ボタン
22 中央演算処理装置
24 無線通信機能部
26 情報データベース
28 情報蓄積手段
30 推定手段
32 情報送信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する情報表示装置と、ユーザに提供するための情報を蓄積する情報提供装置と、この情報提供装置と通信する通信手段と、この通信手段を介して前記情報提供装置からデータを受信しこの受信したデータを前記情報表示装置に表示させる制御手段とを備えた情報配信装置において、前記情報提供装置は、ユーザから送信された現在走行している現在走行情報と過去に走行したときの過去走行情報とを蓄積する情報蓄積手段と、この情報蓄積手段に蓄積されている前記ユーザの現在走行情報と前記ユーザの過去走行情報とから到着地及び走行ルートを推定する推定手段とを備えていることを特徴とする情報配信装置。
【請求項2】
前記推定手段は、前記ユーザの過去走行情報から、第一に、同じ出発地から走行開始したものを検索し、その頻度から推定走行ルートを数ルートに絞り込み、第二に、この絞り込まれた推定走行ルートを少なくとも走行日時と走行曜日とからなる日程要素頻度を用いて一つに決定することを特徴とする請求項1に記載の情報配信装置。
【請求項3】
情報を表示する情報表示装置と、ユーザに提供するための情報を蓄積する情報提供装置と、この情報提供装置と通信する通信手段と、この通信手段を介して前記情報提供装置からデータを受信しこの受信したデータを前記情報表示装置に表示させる制御手段とを備えた情報配信装置において、前記情報提供装置は、ユーザから送信された現在走行している現在走行情報と過去に走行したときの過去走行情報とを蓄積する情報蓄積手段と、この情報蓄積手段に蓄積されている前記ユーザの現在走行情報と前記ユーザの過去走行情報とから到着地及が走行ルートを推定する推定手段と、この推定手段により推定された走行ルートに沿った交通情報及び広告情報を前記制御手段に送信する情報送信手段とを備えていることを特徴とする情報配信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−93264(P2007−93264A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−279771(P2005−279771)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【出願人】(503065807)
【出願人】(504085613)
【出願人】(504085819)
【出願人】(505363282)
【Fターム(参考)】