説明

新規桂皮酸関連化合物

【課題】医薬として有用な新規桂皮酸関連化合物またはその塩を提供する。
【解決手段】
一般式[I]で表される化合物またはその塩。環Aは炭化水素六員環または複素六員環;Ra1はH、アルキル、アリール;Ra2はH、ハロゲン原子、OH等;Ra3はH、ハロゲン原子、OH、アルコキシ等;Ra4はカルボキシ、アミノ等;Xは−C(=N−Ra5)−、−CRa6a7−、−NRa8−等;Ra5はH、OH、アルコキシ等;Ra6、Ra7は、H、ハロゲン原子等;Ra6、Ra7はシクロヘキサン環を形成してもよく;Ra8はH、OH、アルコキシ等;Yはアルキレン、−O−アルキレン等;破線は単結合または二重結合を示す。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬として有用な新規桂皮酸関連化合物またはその塩に関する。その関連化合物は眼内の房水循環改善作用および眼圧下降作用を有し、眼圧が関与する疾患、例えば、緑内障、高眼圧症等の治療剤として有用である。
【背景技術】
【0002】
眼内における房水循環は眼圧と密接な関係があり、この房水循環が阻害されると大きな眼圧変化がもたらされる。特に房水流出が妨げられると眼圧が上昇し、緑内障、高眼圧症等の眼圧が関与する疾患が引き起こされる。
通常、房水は血漿成分のろ過および能動輸送により産生され、その大部分は線維柱帯流出経路で眼球外に流出する。すなわち、薬剤等により線維柱帯における房水流出抵抗を減弱させることで、房水流出が亢進され、緑内障、高眼圧症等の眼圧が関与する疾患を治療することが可能となる。
例えば、線維柱帯からの房水流出を亢進する薬物として、ラトランキュリンA(latrunculin A)等のアクチン重合阻害剤やH−7等のMLCK (myosin light chain kinase)阻害剤、Y−39983等のRhoキナーゼ阻害剤が知られている(特許文献1、特許文献2)。
一方、桂皮酸から誘導される化学構造を有する化合物を有効成分とする眼圧下降剤が特許文献3、特許文献4、特許文献5および特許文献6に開示されている。
【特許文献1】国際公開WO97/30701号パンフレット
【特許文献2】国際公開WO00/09162号パンフレット
【特許文献3】国際公開WO86/07259号パンフレット
【特許文献4】国際公開WO99/61403号パンフレット
【特許文献5】国際公開WO00/41993号パンフレット
【特許文献6】特開2001−2622号公開公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
【0004】
新規桂皮酸関連化合物の合成研究およびその関連化合物の薬理作用を見出すことは非常に興味深い課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、新たな化学構造を有する桂皮酸関連化合物の合成研究を行い、数多くの新規化合物を創製することに成功した。さらに、その関連化合物の薬理作用を研究した結果、その関連化合物は房水循環改善作用および眼圧下降作用を有し、眼圧が関与する疾患、例えば、緑内障、高眼圧症等の治療剤として有用であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記一般式[I]〜[VI]で表される化合物またはその塩、それらを含む医薬組成物、および下記一般式[VII]〜[X]で表される化合物またはその塩を含む医薬組成物に関する(以下、特記なき限り、「下記一般式[I]〜[X]で表される化合物またはその塩」を「本発明化合物」とする)。また、その医薬用途における好ましい発明は房水循環改善剤に関する発明であり、特に好ましい発明は眼圧下降剤に関する発明である。
【0006】
本発明は次のような特徴を有する。
【0007】
(A)一般式[I]で表される本発明化合物は、Xに、−C(=N−Ra5)−、−CRa6a7、−SO−等の種々の構造を導入したところに化学構造的特徴を有する。
【0008】
【化1】

[式中、環Aは炭化水素六員環または複素六員環を示し;
a1は水素原子、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される1または2個の基を示し;
a2は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、および置換または無置換アルキル基から選択される2または3個の基を示し;
a3は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、置換または無置換アリールオキシ基、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される0、1または複数の基を示し;
a4はカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アミノ基、または置換若しくは無置換複素環基を示し;
は−C(=N−Ra5)−、−CRa6a7−、−NRa8−、−O−、−S−、−SO−または−SO−を示し;
a5は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換アリールカルボニル基、カルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換アリールスルホニル基、または置換若しくは無置換アミノ基を示し;
a6およびRa7は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換低級アルキル基、あるいはカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミドを示し;
a6およびRa7は一緒になってシクロヘキサン環を形成してもよく;
a8は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基を示し;
はアルキレン基、−O−アルキレン基またはアルケニレン基を示し;
破線は単結合または二重結合を示す。以下、同じ。]
【0009】
また、一般式[I]で表される本発明化合物と比較的近い化学構造を有する化合物が、国際公開WO99/61403号パンフレットに開示されている。しかし、その開示化合物は、一般式[I]のXに相当する化学構造が単なるカルボニルであり、本発明化合物のような、Xとして−C(=N−Ra5)−、−CRa6a7−、−SO−等の種々の特殊な化学構造を有する化合物についての開示は全くなされていない。
【0010】
(B)一般式[II]で表される本発明化合物は、Xおよびexo−オレフィンを含む環とB環が縮合した化学構造であるところに化学構造的特徴を有する。
【化2】

[式中、環Bは炭化水素六員環または複素六員環を示し;
b1およびRb2は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、または置換若しくは無置換アルキル基を示し;
b3およびRb4は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、置換または無置換アリールオキシ基、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される0、1または複数の基を示し;
b5はカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アミノ基、または置換若しくは無置換複素環基を示し;
は−CO−、−C(=N−Rb6)−、−CRb7b8−、−NRb9−、−O−、−S−、−SO−または−SO−を示し;
b6は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換アリールカルボニル基、カルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換アリールスルホニル基、または置換若しくは無置換アミノ基を示し;
b7およびRb8は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換低級アルキル基、あるいはカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミドを示し;
b7およびRb8は一緒になってシクロヘキサン環を形成してもよく;
b9は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基を示し;
はアルキレン基、−O−アルキレン基またはアルケニレン基を示し;
nは0または1を示す。以下、同じ。]
【0011】
また、一般式[II]で表される本発明化合物のように、桂皮酸関連構造とexo−オレフィンを有するシクロ環構造を併せもつ化合物は、文献未知の化合物であり、かつ、その用途も知られていない。
【0012】
(C)一般式[III]で表される本発明化合物は、Xを介してオキシラン環を導入したところに化学構造的特徴を有する。
【化3】

[式中、環Cは炭化水素六員環または複素六員環を示し;
c1およびRc2は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、置換または無置換アリールオキシ基、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される0、1または複数の基を示し;
c3はカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アミノ基、または置換若しくは無置換複素環基を示し;
は、−CO−、−C(=N−Rc4)−、−CRc5c6−、−NRc7−、−O−、−S−、−SO−または−SO−を示し;
c4は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換アリールカルボニル基、カルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換アリールスルホニル基、または置換若しくは無置換アミノ基を示し;
c5およびRc6は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換低級アルキル基、あるいはカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミドを示し;
c5およびRc6は一緒になってシクロヘキサン環を形成してもよく;
c7は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基を示し;
はアルキレン基、−O−アルキレン基またはアルケニレン基を示す。以下、同じ。]
【0013】
また、一般式[III]で表される本発明化合物と比較的近い化学構造を有する化合物が、特開平08−501100公開公報に開示されている。しかし、その開示化合物の製造例はなく、また、その用途も除草剤であり、具体的な開示はなされていない。
【0014】
(D)一般式[IV]で表される本発明化合物は、末端のベンゼン環にRd1−カルボニル基を導入した点に化学構造的特徴を有する。
【化4】

[式中、環Dは炭化水素六員環または複素六員環を示し;
d1は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アミノ基、または置換若しくは無置換アリール基を示し;
d2およびRd5は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、置換または無置換アリールオキシ基、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される0、1または複数の基を示し;
d3およびRd4は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、または置換若しくは無置換アルキル基を示し;
d6はカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アミノ基、または置換若しくは無置換複素環基を示し;
はアルキレン基、−O−アルキレン基またはアルケニレン基をを示す。以下、同じ。]
【0015】
また、一般式[IV]で表される本発明化合物と比較的近い化学構造を有する化合物が、国際公開WO99/61403号パンフレットに開示されている。しかし、一般式[IV]の末端のベンゼン環に、置換基としてRd1−カルボニルのような特殊な化学構造を導入した化合物に関する開示は全くなされていない。
【0016】
(E)一般式[V]で表される本発明化合物は、複素六員環であるE環とα,β−不飽和カルボニル構造が同時に存在するところに化学構造的特徴を有する。
【化5】

[式中、環Eは複素六員環を示し;
e1は水素原子、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基を示し;
e2およびRe3は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、または置換若しくは無置換アルキル基を示し;
e4は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、置換または無置換アリールオキシ基、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される0、1または複数の基を示し;
e5はカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アミノ基、または置換若しくは無置換複素環基を示し;
はアルキレン基、−O−アルキレン基またはアルケニレン基を示す。以下、同じ。]
【0017】
また、一般式[V]で表される本発明化合物のように、桂皮酸関連構造のベンゼン環部分(E環部分)をピペリジン環のような複素六員環に変換したような化合物は文献未知の化合物であり、その用途も全く知られていない。
【0018】
(F)一般式[VI]で表される本発明化合物は、複素環基であるRf5とα,β−不飽和カルボニル構造が同時に存在するところに化学構造的特徴を有する。
【化6】

[式中、環Fは炭化水素六員環を示し;
f1は水素原子、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基を示し;
f2およびRf3は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、または置換若しくは無置換アルキル基を示し;
f4は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、および置換若しくは無置換アリール基から選択される1または複数の基を示し;
f5は置換若しくは無置換複素環基を示し;
はアルキレン基、−O−アルキレン基またはアルケニレン基を示す。以下、同じ。]
【0019】
また、一般式[VI]で表される本発明化合物のように、桂皮酸関連構造の末端カルボニル部分(Rf5部分)をモルホリン環のような複素環基に変換したような化合物は文献未知の化合物であり、その用途も全く知られていない。
【0020】
(G)XとZを含む環、と環Gが縮合した化学構造を有する一般式[VII]で表される本発明化合物が、医薬として有用であることを見出したところに本発明の特徴がある。
【化7】

[式中、環Gは炭化水素六員環または複素六員環を示し;
g1およびRg2は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、置換または無置換アリールオキシ基、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される0、1または複数の基を示し;
g3はカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アミノ基、または置換若しくは無置換複素環基を示し;
は−CO−、−C(=N−Rg4)−、−CRg5g6−、−NRg7−、−O−、−S−、−SO−または−SO−を示し;
g4は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換アリールカルボニル基、カルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換アリールスルホニル基、または置換若しくは無置換アミノ基を示し;
g5およびRg6は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換低級アルキル基、、あるいはカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミドを示し;
g5およびR6は一緒になってシクロヘキサン環を形成してもよく;
g7は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基を示し;
はアルキレン基、−O−アルキレン基またはアルケニレン基を示し;
は−S−または−O−を示し;
破線は単結合または二重結合を示す。以下、同じ。]
【0021】
また、一般式[VII]で表される本発明化合物と比較的近い化学構造を有する化合物が、J.Ins.Chem.,(1974),46,Pt.3,61−65に開示されている。しかし、その開示は、イソフラボン構造を有する化合物の合成方法に関するものであり、その医薬用途、房水循環改善作用、および眼圧下降作用については全く開示されていない。
【0022】
(H)Xを介してアミノ基が結合した化学構造を有する一般式[VIII]で表される本発明化合物が、医薬として有用であることを見出したところに本発明の特徴がある。
【化8】

[式中、環Hは炭化水素六員環または複素六員環を示し;
h1およびRh2は同一または異なって、水素原子、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基、または置換若しくは無置換複素環基を示し;
h3は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、置換または無置換アリールオキシ基、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される0、1または複数の基を示し;
h4はカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アミノ基、または置換若しくは無置換複素環基を示し;
は−CO−、−C(=N−Rh5)−、−CRh6h7−、−O−、−S−、−SO−または−SO−を示し;
h5は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換アリールカルボニル基、カルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換アリールスルホニル基、または置換若しくは無置換アミノ基を示し;
h6およびRh7は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換低級アルキル基、あるいはカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミドを示し;
h6およびRh7は一緒になってシクロヘキサン環を形成してもよく;
はアルキレン基、−O−アルキレン基またはアルケニレン基を示す。以下、同じ。]
【0023】
また、一般式[VIII]で表される本発明化合物と比較的近い化学構造を有する化合物が、ヨーロッパ公開特許公報EP560080に開示されている。しかし、その開示は、トナー電化制御剤に関するものであり、その医薬用途、房水循環改善作用、および眼圧下降作用については全く開示されていない。
【0024】
(I)Xを介してベンゼン環と結合した、一般式[IX]で表される本発明化合物が、医薬として有用であることを見出したところに本発明の特徴がある。
【化9】

[式中、環Iは炭化水素六員環または複素六員環を示し;
i1およびRi2は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、置換または無置換アリールオキシ基、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される0、1または複数の基を示し;
i3はカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アミノ基、または置換若しくは無置換複素環基を示し;
は−CO−、−C(=N−Ri4)−、−CRi5i6−、−NRi7−、−O−、−S−、−SO−または−SO−を示し;
i4は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換アリールカルボニル基、カルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換アリールスルホニル基、または置換若しくは無置換アミノ基を示し;
i5およびRi6は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換低級アルキル基、、あるいはカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミドを示し;
i5およびRi6は一緒になってシクロヘキサン環を形成してもよく;
i7は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基を示し;
はアルキレン基、−O−アルキレン基またはアルケニレン基を示す。以下、同じ。]
【0025】
また、一般式[IX]で表される本発明化合物と比較的近い化学構造を有する化合物が、特開2001−278886公開公報に開示されている。しかし、その開示は、ベンゾオキサジン誘導体を合成するための合成中間体としての開示であり、その医薬用途、房水循環改善作用、および眼圧下降作用については全く開示されていない。
【0026】
(J)環Jと、YとZを含む環とが縮合した、一般式[X]で表される本発明化合物が、医薬として有用であることを見出ところに本発明の特徴がある。
【化10】

[式中、環Jは炭化水素六員環または複素六員環を示し;
j1は水素原子、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される1または2個の基を示し;
j2は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、および置換または無置換アルキル基から選択される2または3個の基を示し;
j3は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、置換または無置換アリールオキシ基、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される1または複数の基を示し;
j4はカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミドを示し;
およびYは同一または異なって、−CO−、−C(=N−Rj5)−、−CRj6j7−、−NRj8−、−O−、−S−、−SO−または−SO−を示し;
は−O−または−S−を示し;
j5は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換アリールカルボニル基、カルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換アリールスルホニル基、または置換若しくは無置換アミノ基を示し;
j6およびRj7は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換低級アルキル基、、あるいはカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミドを示し;
j6およびRj7は一緒になってシクロヘキサン環を形成してもよく;
j8は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基を示し;
破線は単結合または二重結合を示す。以下、同じ。]
【0027】
また、一般式[X]で表される本発明化合物と比較的近い化学構造を有する化合物が、国際公開WO98/27080号パンフレットに開示されている。しかし、その用途は、農薬に関するものであり、その医薬用途、房水循環改善作用、および眼圧下降作用については全く開示されていない。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、医薬として有用な桂皮酸関連化合物を提供する。本発明に係る化合物は優れた房水循環改善作用および眼圧下降作用を有し、眼圧が関与する疾患、例えば、緑内障、高眼圧症等の治療剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
前記で規定した各基について、以下に詳しく説明する。
【0030】
炭化水素六員環とは、単環式芳香族炭化水素六員環および単環式非芳香族炭化水素六員環を示す。単環式芳香族炭化水素六員環の具体例としてベンゼン環が、単環式非芳香族炭化水素六員環の具体例としてシクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環、シクロヘキサン環等が挙げられる。
【0031】
複素六員環とは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1から4個のヘテロ原子を環内に有する単環式芳香族複素六員環および単環式非芳香族複素六員環を示す。
【0032】
単環式芳香族複素六員環の具体例として、窒素原子を環内に有するピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、テトラジン環等が挙げられ、単環式非芳香族複素六員環の具体例として、窒素原子を環内に有するピペリジン環、ピペラジン環等が、酸素原子を環内に有するピラン環、テトラヒドロピラン環等が、硫黄原子を環内に有するチオピラン環、テトラヒドロチオピラン環等が、窒素原子と酸素原子を環内に有するモルホリン環等が、窒素原子と硫黄原子を環内に有するチオモルホリン環等が挙げられる。
【0033】
アルキルとは、炭素原子数が1〜6個の直鎖または分枝のアルキルを示す。具体例としてメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル等が挙げられる。
【0034】
アリールとは、炭素原子数が6〜14個の単環式または2環式若しくは3環式の縮合多環式芳香族炭化水素を示す。単環式芳香族炭化水素の具体例としてフェニルが、縮合多環式芳香族炭化水素の具体例としてナフチル、アントリル、フェナントリル等が挙げられる。
【0035】
ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を示す。
【0036】
アルコキシとは、炭素原子数が1〜6個の直鎖または分枝のアルコキシを示す。具体例としてメトキシル、エトキシル、n−プロポキシル、n−ブトキシル、n−ペントキシル、n−ヘキシルオキシル、イソプロポキシル、イソブトキシル、sec−ブトキシル、tert−ブトキシル、イソペントキシル等が挙げられる。
【0037】
アリールオキシとは、炭素原子数が6〜14個の単環式または2環式若しくは3環式の縮合多環式芳香族炭化水素オキシを示す。単環式芳香族炭化水素オキシの具体例としてフェノキシが、縮合多環式芳香族炭化水素の具体例としてナフチルオキシ、アントリルオキシ、フェナントリルオキシ等が挙げられる。
【0038】
複素環とは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を環内に有する飽和あるいは不飽和の単環式または2環式若しくは3環式の縮合多環式複素環を示す。
【0039】
飽和の単環式複素環の具体例として、窒素原子を環内に有するピロリジン、ピペリジン、ホモピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン等が、酸素原子を環内に有するテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等が、硫黄原子を環内に有するテトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン等が、窒素原子と酸素原子を環内に有するオキサゾリジン、モルホリン等が、窒素原子と硫黄原子を環内に有するチアゾリジン、チオモルホリン等が挙げられる。
【0040】
また、それらの飽和の単環式複素環はベンゼン環等と縮合してテトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン等の2環式または3環式の縮合多環式複素環を形成してもよい。
【0041】
不飽和の単環式複素環の具体例としては、窒素原子を環内に有するピリジン、ピリミジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアジン等が、酸素原子を環内に有するフラン等が、硫黄原子を環内に有するチオフェン等が、窒素原子と酸素原子を環内に有するオキサゾール等が、窒素原子と硫黄原子を環内に有するチアゾール等が挙げられる。
【0042】
また、それらの不飽和の単環式複素環はベンゼン環等と縮合してインドール、インダゾール、キノリン、イソキノリン、フェナントリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール等の2環式または3環式の縮合多環式複素環を形成してもよい。
【0043】
アルキレンとは、炭素原子数1〜6個の直鎖または分枝のアルキレンを示す。具体例としてメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、プロピレン、2−メチルトリメチレン等が挙げられる。
【0044】
アルケニレンとは、炭素原子数が2〜6個の直鎖または分枝のアルケニレンを示す。具体例として、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、メチルメチレン、プロピレン、2−メチルトリメチレン等中に2重結合を1個または2個含んだものが挙げられる。
【0045】
カルボキシ基のエステルとは、カルボキシとアルキルアルコール、アリールアルコール等とから形成されるエステルを示す。アルキルアルコールの具体例として、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等が、アリールアルコールの具体例として、フェノール、ナフトール、アントロール、クレゾール、キシレノール等が挙げられる。
【0046】
カルボキシ基のアミドとは、カルボキシとアルキルアミン、アリールアミン等とから形成されるアミドを示す。アルキルアミンの具体例として、メチルアミン、エチルアミン、エチルメチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ベンジルアミン等が、アリールアミンの具体例として、アニリン、ナフチルアミン、ジフェニルアミン、エチルフェニルアミン、アニシジン、トルイジン等が挙げられる。
【0047】
置換アルキルとは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シクロアルキル基およびアリール基から選択される1または複数の基を置換基として有するアルキルを示す。
【0048】
置換アリールとは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基およびアリール基から選択される1または複数の基を置換基として有するアリールを示す。
【0049】
置換アルコキシとは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シクロアルキル基およびアリール基から選択される1または複数の基を置換基として有するアルコキシを示す。
【0050】
置換アリールオキシとは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基およびアリール基から選択される1または複数の基を置換基として有するアリールオキシを示す。
【0051】
置換複素環とは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基およびアリール基から選択される1または複数の基を置換基として有する複素環を示す。
【0052】
置換アミノとは、アルキル基およびアリール基から選択される1または複数の基を置換基として有するアミノを示す。
【0053】
本発明化合物が、遊離のヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基またはアリールアミノ基を置換基として有する場合、それらの置換基は保護基で保護されていてもよい。また、複素環基が窒素原子を有する場合も、該窒素原子は保護基で保護されていてもよい。
【0054】
ヒドロキシ基の保護基とは、メチル基、メトキシメチル基、ベンジル基等の置換若しくは無置換アルキル基;アリル等の無置換アルケニル基;3−ブロモテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等の置換若しくは無置換複素環基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロフェニルオキシカルボニル基等の置換または無置換アルキル、アルケニル若しくはアリールオキシカルボニル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基等の置換シリル基;等の保護基として汎用されるものを示す。
【0055】
アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基または複素環基が窒素原子を環内に有する場合における窒素原子の保護基とは、アリル基等の無置換アルケニル基;ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、ピコリノイル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基等のアシル基;メトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ジフェニルメトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基等の置換または無置換アルキル若しくはアリールオキシカルボニル基;メチルスルホニル基、ベンジルスルホニル基、フェニルスルホニル基、トリルスルホニル基、2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル基等の置換または無置換アルキル若しくはアリールスルホニル基;等の保護基として汎用されるものを示す。
【0056】
本発明化合物における『塩』とは、医薬として許容される塩であれば、特に制限はなく、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、酢酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、乳酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩、ヨウ化メチル等との四級アンモニウム塩、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、アンモニアとの塩、トリエチレンジアミンなどアミンとの塩等が挙げられる。
【0057】
特許請求の範囲および明細書の全体に亘り、「2個の基」とは「同一若しくは異なる2個の原子若しくは基」を、「3個の基」とは「同一若しくは異なる3個の原子若しくは基」を、そして「複数の基」とは「同一若しくは異なる複数の原子若しくは基」をそれぞれ意味する。
【0058】
本発明化合物に幾何異性体または光学異性体が存在する場合は、それらの異性体も本発明の範囲に含まれる。また、本発明化合物は水和物または溶媒和物の形態をとっていてもよい。
【0059】
さらに、本発明化合物にプロトン互変異性が存在する場合には、それらの化合物も本発明に含まれる。
【0060】
以下、(A1)〜(J6)に本発明化合物の好ましい化学構造を記す。
【0061】
(A1)一般式[I]で表される本発明化合物の好ましい例として、下記a(i)またはa(ii)の規定を満足する化合物が挙げられる。
a(i):一般式[I]において環Aがベンゼン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環またはシクロヘキサン環である化合物。環Aがベンゼン環である化合物がより好ましい。
a(ii):一般式[I]において環Aがピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、チオピラン環、テトラヒドロチオピラン環またはチオモルホリン環である化合物。
【0062】
(A2)一般式[I]で表される本発明化合物のより好ましい例として、前記a(i)またはa(ii)の規定を満足し、かつ、下記a(iii)、a(iv)またはa(v)の規定を満足する化合物が挙げられる。
a(iii):一般式[I]においてXが−C(=N−Ra5)−である化合物。該−C(=N−Ra5)−のRa5がヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、または置換若しくは無置換アリールオキシ基である化合物がより好ましく、Ra5がヒドロキシ基、または無置換アルコキシ基である化合物が特に好ましい。
a(iv):一般式[I]においてXが−CRa6a7−である化合物。該−CRa6a7−のRa6およびRa7が同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基である化合物がより好ましく、Ra6およびRa7が同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、無置換アルコキシ基である化合物が特に好ましい。
a(v):一般式[I]においてXが−SO−である化合物。
【0063】
(A3)一般式[I]で表される本発明化合物のさらに好ましい例として、前記a(i)〜a(ii)の規定および前記a(iii)〜a(v)を満足し、かつ、a(vi)またはa(vii)を満足する化合物が挙げられる。
a(vi):破線が単結合である化合物。
a(vii):破線が二重結合である化合物。
【0064】
(A4)一般式[I]で表される本発明化合物における個々の置換基の好ましい例は、下記a(viii)〜a(xii)の規定を満足する化合物が挙げられる。
a(viii):Ra1が水素原子、無置換アルキル基および無置換アリール基から選択される1または同一若しくは異なる2個の基であり;
a(ix):Ra2が水素原子およびヒドロキシ基から選択される同一若しくは異なる2または3個の基であり;
a(x):Ra3が水素原子およびハロゲン原子から選択される1または複数の基であり;
a(xi):Ra4がカルボキシ基若しくはそのエステル、または置換アミノ基であり;
a(xii):Yが−O−アルキレン基またはアルケニレン基である。
無論、上記a(viii)〜a(xii)で定義された選択肢は任意に組み合わせることができる。
【0065】
(A5)一般式[I]で表される本発明化合物における特に好ましい具体的化合物例を以下に示す。
【0066】
・4−(1−メトキシイミノ−2−フェニルアリル)桂皮酸
【化11】

・4−(1−イソプロピルオキシイミノ−2−フェニルアリル)桂皮酸
【化12】

・1−[4−[(E)−3−ジメチルアミノ−1−プロペニル]フェニル]−1−メトキシイミノ−2−フェニル−2−プロペン
【化13】

・4−(1−メトキシイミノ−2−フェニルアリル)桂皮酸メチル
【化14】

・2−[2,3−ジクロロ−4−[2−エチル−1−(メトキシイミノ)アリル]フェノキシ]酢酸メチル
【化15】

・2−[2,3−ジクロロ−4−[2−エチル−1−(ヒドロキシイミノ)アリル]フェノキシ]酢酸
【化16】

・2−[2,3−ジクロロ−4−(1−ヒドロキシイミノ−2−メチルブチル)フェノキシ]酢酸
【化17】

・2−[2,3−ジクロロ−4−[2−エチル−1−(メトキシイミノ)アリル]フェノキシ]酢酸
【化18】

・4−(1−フェニルビニルスルホニル)桂皮酸エチル
【化19】

・4−(1−フェニルビニルスルホニル)桂皮酸tert−ブチル
【化20】

・4−(2−ヒドロキシ−1−フェニルエチルスルホニル)桂皮酸
【化21】

・4−(1−フェニルビニルスルホニル)桂皮酸
【化22】

・4−(1−ヒドロキシ−2−フェニルアリル)桂皮酸
【化23】

・2−[2,3−ジクロロ−4−(2−エチル−1−ヒドロキシアリル)フェノキシ]酢酸
【化24】

・2−[2,3−ジクロロ−4−(2−エチル−1−ヒドロキシアリル)フェノキシ]酢酸エチル
【化25】

・2−[2,3−ジクロロ−4−(2−エチル−1−ヒドロキシアリル)フェノキシ]酢酸メチル
【化26】

・4−(1−アセトキシ−2−フェニルアリル)桂皮酸
【化27】

・4−(1−メトキシ−2−フェニルアリル)桂皮酸
【化28】

・2−[2,3−ジクロロ−4−(1−ヒドロキ−2−メチルブチル)フェノキシ]酢酸メチル
【化29】

・2−[4−(1−クロロ−2−メチルブチル)−2,3−ジクロロフェノキシ]酢酸メチル
【化30】

【0067】
(B1)一般式[II]で表される本発明化合物の好ましい例として、下記b(i)〜b(ii)の規定を満足する化合物が挙げられる。
b(i):一般式[II]において環Bがベンゼン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環またはシクロヘキサン環である化合物。環Bがベンゼン環である化合物がより好ましい。
b(ii):一般式[II]において環Bがピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、チオピラン環、テトラヒドロチオピラン環またはチオモルホリン環である化合物。
【0068】
(B2)一般式[II]で表される本発明化合物のより好ましい例として、前記b(i)またはb(ii)の規定を満足し、かつ、下記b(iii)の規定を満足する化合物が挙げられる。
b(iii):一般式[II]においてXが−CO−である化合物。
【0069】
(B3)一般式[II]で表される本発明化合物における個々の置換基の好ましい例は、下記b(iv)〜b(vi)の規定を満足する化合物が挙げられる。
b(iv):Rb1、Rb2、Rb3およびRb4が水素原子である化合物。
b(v):Rb5がカルボキシ基またはそのエステルである化合物。
b(vi):Yがアルケニレン基である化合物。
無論、上記b(iv)〜b(vi)で定義された選択肢は任意に組み合わせることができる。
【0070】
(B4)一般式[II]で表される本発明化合物における特に好ましい具体的化合物例を以下に示す。
【0071】
・(E)−3−(2−メチレン−1−オキソ−5−インダニル)アクリル酸メチル
【化31】

・(E)−3−(2−メチレン1−オキソ−5−インダニル)アクリル酸
【化32】

・(E)−3−(2−メチレン−1−オキソテトラロン−6−イル)アクリル酸
【化33】

【0072】
(C1)一般式[III]で表される本発明化合物の好ましい例として、下記c(i)〜c(ii)の規定を満足する化合物が挙げられる。
c(i):一般式[III]において環Cがベンゼン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環またはシクロヘキサン環である化合物。環Cがベンゼン環である化合物がより好ましい。
c(ii):一般式[III]において環Cがピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、チオピラン環、テトラヒドロチオピラン環またはチオモルホリン環である化合物。
【0073】
(C2)一般式[III]で表される本発明化合物のより好ましい例として、前記c(i)またはc(ii)の規定を満足し、かつ、下記c(iii)またはc(iv)の規定を満足する化合物が挙げられる。
c(iii):一般式「III]においてXが−CO−である化合物。
a(iv):一般式[III]においてXが−CRc5c6−である化合物。該−CRc5c6−のRc5およびRc6が同一または異なって、水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、または置換若しくは無置換アリールオキシ基である化合物がより好ましく、Rc5およびRc6が同一または異なって水素原子、ヒドロキシ基、無置換アルコキシ基である化合物が特に好ましい。
【0074】
(C3)一般式[III]で表される本発明化合物における個々の置換基の好ましい例は、下記c(v)〜c(viii)の規定を満足する化合物が挙げられる。
c(v):Rc1が無置換アリール基である化合物。
c(vi):Rc2が水素原子である化合物。
c(vii):Rc3がカルボキシ基である化合物。
c(viii):Yアルケニレン基である化合物。
無論、上記c(v)〜c(viii)で定義された選択肢は任意に組み合わせることができる。
【0075】
(C4)一般式[III]で表される本発明化合物における特に好ましい具体的化合物例を以下に示す。
【0076】
・4−(2−フェニル−2−オキシラニルカルボニル)桂皮酸
【化34】

・4−メトキシ(2−フェニル−2−オキシラニル)メチル桂皮酸
【化35】

【0077】
(D1)一般式[IV]で表される本発明化合物の好ましい例として、下記d(i)〜d(ii)の規定を満足する化合物が挙げられる。
d(i):一般式[IV]において環Dがベンゼン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環またはシクロヘキサン環である化合物。環Dがベンゼン環である化合物がより好ましい。
d(ii):一般式[IV]において環Dがピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、チオピラン環、テトラヒドロチオピラン環またはチオモルホリン環である化合物。
【0078】
(D2)一般式[IV]で表される本発明化合物における個々の置換基の好ましい例は、下記d(iii)〜d(vi)の規定を満足する化合物が挙げられる。
d(iii):Rd1がヒドロキシ基または無置換アリール基である化合物。
d(iv):Rd2、Rd3、Rd4およびRd5が水素原子である化合物。
d(v):Rd6がカルボキシ基である化合物。
d(vi):Yがアルケニレン基である化合物。
無論、上記d(iii)〜d(vi)で定義された選択肢は任意に組み合わせることができる
【0079】
(D3)一般式[IV]で表される本発明化合物における特に好ましい具体的化合物例を以下に示す。
【0080】
・4−[2−(4−ベンゾイルフェニル)アクリロイル]桂皮酸
【化36】

・4−[2−(4−カルボキシフェニル)アクリロイル]桂皮酸
【化37】

【0081】
(E1)一般式[V]で表される本発明化合物の好ましい例として、下記e(i)の規定を満足する化合物が挙げられる。
e(i):一般式[V]において環Eがピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、チオピラン環、テトラヒドロチオピラン環またはチオモルホリン環である化合物。環Eがピペリジン環である化合物がより好ましい。
【0082】
(E2)一般式[V]で表される本発明化合物における個々の置換基の好ましい例は、下記d(ii)〜d(v)の規定を満足する化合物が挙げられる。
【0083】
e(ii):Re1が無置換アリール基である化合物。
e(iii):Re2、Re3およびRe4が水素原子である化合物。
e(iv):Re5がカルボキシ基またはそのエステルである化合物。
e(v):Yがアルケニレン基である化合物。
無論、上記d(ii)〜d(v)で定義された選択肢は任意に組み合わせることができる。
【0084】
(E3)一般式[V]で表される本発明化合物における特に好ましい具体的化合物例を以下に示す。
【0085】
・(E)−3−[1−(2−フェニルアクリロイル)−4−ピペリジル]アクリル酸エチル
【化38】

・(E)−3−[1−(2−フェニルアクリロイル)−4−ピペリジル]アクリル酸
【化39】

【0086】
(F1)一般式[VI]で表される本発明化合物の好ましい例として、下記f(i)の規定を満足する化合物が挙げられる。
f(i):一般式[VI]において環Fがベンゼン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環またはシクロヘキサン環である化合物。環Fがベンゼン環である化合物がより好ましい。
【0087】
(F2)一般式[VI]で表される本発明化合物における個々の置換基の好ましい例は、下記f(ii)〜f(v)の規定を満足する化合物が挙げられる。
f(ii):Rf1が無置換アリール基である化合物。
f(iii):Rf2、Rf3およびRf4が水素原子である化合物。
f(iv):Rf5がモルホリン環またはピペラジン環である化合物。
f(v)=Yがアルケニレン基である化合物。
無論、上記f(ii)〜d(v)で定義された選択肢は任意に組み合わせることができる。
【0088】
(F3)一般式[VI]で表される本発明化合物における特に好ましい具体的化合物例を以下に示す。
【0089】
・1−[4−[(E)−3−モルホリノ−1−プロペニル]フェニル]−2−フェニル−2−プロペン−1−オン
【化40】

・1−[4−[(E)−3−(4−メチルピペラジノ)−1−プロペニル]フェニル]2−フェニル−2−プロペン−1−オン
【化41】

【0090】
(G1)一般式[VII]で表される本発明化合物の好ましい例として、下記g(i)〜g(ii)の規定を満足する化合物が挙げられる。
g(i):一般式[VII]において環Gがベンゼン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環またはシクロヘキサン環である化合物。環Gがベンゼン環である化合物がより好ましい。
g(ii):一般式[VII]において環Gがピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、チオピラン環、テトラヒドロチオピラン環またはチオモルホリン環である化合物。
【0091】
(G2)一般式[VII]で表される本発明化合物のより好ましい例として、前記g(i)またはg(ii)の規定を満足し、かつ、下記g(iii)の規定を満足する化合物が挙げられる。
g(iii):一般式[VII]においてXが−CO−である化合物。
【0092】
(G3)一般式[VII]で表される本発明化合物における個々の置換基の好ましい例は、下記g(iv)〜g(vi)の規定を満足する化合物が挙げられる。
g(iv):Rg1およびRg2が同一または異なって、水素原子および無置換アリール基から選択される1または複数の基である化合物。
g(v):Rg3がカルボキシ基またはそのエステルである化合物。
g(vi):Yがアルケニレン基である化合物。
【0093】
無論、上記g(iv)〜g(vi)で定義された選択肢は任意に組み合わせることができる。
【0094】
(G4)一般式[VII]で表される本発明化合物における特に好ましい具体的化合物例を以下に示す。
【0095】
・(E)−3−(3,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−フェニル−2H−チオクロメン−7−イル)アクリル酸
【化42】

・(E)−3−(4−オキソ−3−フェニル−4H−チオクロメン−7−イル)アクリル酸
【化43】

・(E)−3−(4−オキソ−3−フェニル−4H−クロメン−7−イル)アクリル酸
【化44】

・(E)−3−(4−オキソ−3−フェニル−4H−クロメン−7−イル)アクリル酸メチル
【化45】

【0096】
(H1)一般式[VIII]で表される本発明化合物の好ましい例として、下記h(i)〜h(ii)の規定を満足する化合物が挙げられる。
h(i):一般式[VIII]において環Hがベンゼン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環またはシクロヘキサン環である化合物。環Hがベンゼン環である化合物がより好ましい。
h(ii):一般式[VIII]において環Hがピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、チオピラン環、テトラヒドロチオピラン環またはチオモルホリン環である化合物。
【0097】
(H2)一般式[VIII]で表される本発明化合物のより好ましい例として、前記h(i)またはh(ii)の規定を満足し、かつ、下記h(iii)の規定を満足する化合物が挙げられる。
h(iii):一般式[VIII]においてXが−CO−である化合物。
【0098】
(H3)一般式[VIII]で表される本発明化合物における個々の置換基の好ましい例は、下記h(iv)〜h(vii)の規定を満足する化合物が挙げられる。
h(iv):Rh1およびRh2が同一または異なって、水素原子、置換若しくは無置換アルキル基、無置換アリール基または無置換複素環基である化合物。
h(v):Rh3が水素原子である化合物。
h(vi):Rh4がカルボキシ基またはそのエステルである化合物。
h(vii):Yが−O−アルキレン基またはアルケニレン基である化合物。
無論、上記h(iv)〜h(vii)で定義された選択肢は任意に組み合わせることができる。
【0099】
(H4)一般式[VIII]で表される本発明化合物における特に好ましい具体的化合物例を以下に示す。
【0100】
・4−フェニルカルバモイル桂皮酸エチル
【化46】

・4−メチル(フェニル)カルバモイル桂皮酸エチル
【化47】

・4−(4−ピリジル)カルバモイル桂皮酸エチル
【化48】

・4−フェニルカルバモイル桂皮酸
【化49】

・4−メチル(フェニル)カルバモイル桂皮酸
【化50】

・4−(4−ピリジル)カルバモイル桂皮酸
【化51】

・4−ベンジルカルバモイル桂皮酸
【化52】

・4−ベンジルカルバモイル桂皮酸エチル
【化53】

・4−メチル(4−ピリジル)カルバモイル桂皮酸エチル
【化54】

【0101】
(I1)一般式[IX]で表される本発明化合物の好ましい例として、下記i(i)〜i(ii)の規定を満足する化合物が挙げられる。
i(i):一般式[IX]において環Iがベンゼン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環またはシクロヘキサン環である化合物。環Iがベンゼン環である化合物がより好ましい。
i(ii):一般式[IX]において環Iがピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、チオピラン環、テトラヒドロチオピラン環またはチオモルホリン環である化合物。
【0102】
(I2)一般式[IX]で表される本発明化合物のより好ましい例として、前記i(i)またはi(ii)の規定を満足し、かつ、下記i(iii)の規定を満足する化合物が挙げられる。
i(iii):一般式[IX]においてXが−CO−である化合物。
【0103】
(I3)一般式[IX]で表される本発明化合物における個々の置換基の好ましい例は、下記i(iv)〜i(vi)の規定を満足する化合物が挙げられる。
i(iv):Ri1およびRi2が同一または異なって、水素原子およびハロゲン原子から選択される1または複数の基である化合物。
i(v):Ri3がカルボキシ基またはそのエステルである化合物。
i(vi):Yがアルケニレン基である化合物。
無論、上記i(iv)〜i(vi)で定義された選択肢は任意に組み合わせることができる
【0104】
(I4)一般式[IX]で表される本発明化合物における特に好ましい具体的化合物例を以下に示す。
【0105】
・4−(2,6−ジクロロベンゾイル)桂皮酸
【化55】

・4−(2,6−ジクロロベンゾイル)桂皮酸tert−ブチル
【化56】

【0106】
(J1)一般式[X]で表される本発明化合物の好ましい例として、下記j(i)〜j(ii)の規定を満足する化合物が挙げられる。
j(i):一般式[X]において環Jがベンゼン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環またはシクロヘキサン環である化合物。環Jがベンゼン環である化合物がより好ましい。
j(ii):一般式[X]において環Jがピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、チオピラン環、テトラヒドロチオピラン環またはチオモルホリン環である化合物。
【0107】
(J2)一般式[X]で表される本発明化合物のより好ましい例として、前記j(i)またはj(ii)の規定を満足し、かつ、下記j(iii)の規定を満足する化合物が挙げられる。
j(iii):一般式[X]においてXが−CO−である化合物。
【0108】
(J3)一般式[X]で表される本発明化合物のより好ましい例として、前記j(i)またはj(ii)の規定および前記j(iii)の規定を満足し、かつ、下記i(iv)の規定を満足する化合物が挙げられる。
j(iv):一般式[X]においてYが−CO−である化合物。
【0109】
(J4)一般式[X]で表される本発明化合物のより好ましい例として、前記j(i)またはj(ii)の規定、j(iii)の規定およびj(iv)の規定を満足し、かつ、下記i(v)の規定を満足する化合物が挙げられる。
j(v):一般式[X]においてZが−O−である化合物。
【0110】
(J5)一般式[X]で表される本発明化合物における個々の置換基の好ましい例は、下記j(vi)〜j(ix)の規定を満足する化合物が挙げられる。
j(vi):Rj1が無置換アルキル基である化合物。
j(vii):Rj2およびRj3が水素原子である化合物。
j(viii):Rj4がカルボキシ基である化合物。
j(ix):破線が二重結合である化合物。
無論、上記j(vi)〜j(ix)で定義された選択肢は任意に組み合わせることができる。
【0111】
(J6)一般式[X]で表される本発明化合物における特に好ましい具体的化合物例を以下に示す。
【0112】
・6−(2−メチレンブチリル)−4−オキソ−4H−2−クロメンカルボン酸
【化57】

【0113】
本発明化合物の代表的な製造方法を以下に示す。尚、個々の具体的な製造方法については、後述の実施例[製造例の項]で詳細に説明する。また、以下に示す製造方法は本発明をよりよく理解するためのものであり、本発明のすべての製造方法を示すものではない。
【0114】
さらに、下記の製造方法中でHalはハロゲン原子を、OTfはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基を示す。
【0115】
本発明化合物[a−I](X:−C(=N−Ra5)−)は、合成経路1に従い合成することができる。すなわち、ケトン[a−II]とアミン[a−III]を脱水縮合することにより本発明化合物[a−I]を得ることができる。
【0116】
合成経路1
【化58】

本発明化合物[a−I](X:−CRa6a7−)は、合成経路2に従い合成することができる。すなわち、ケトン[a−II]([a−II])を水素化ホウ素ナトリウムなどと反応させることにより本発明化合物[a−I]を得ることができる。
【0117】
合成経路2
【化59】

【0118】
本発明化合物[a−I](X:−SO−、破線:二重結合)は、合成経路3に従い合成することができる。すなわち、チオール[a−II]とハロゲン化アルキル[a−III]からチオエーテル[a−IV]を合成し、m−クロロ過安息酸などの酸化剤により、チオエーテル[a−IV]の硫黄原子を酸化することでスルホン[a−V]を得る。このスルホン[a−V]を炭酸カリウムなどの塩基存在下、アルデヒドなどのカルボニル化合物(例えば、ホルムアルデヒド)と縮合させることにより本発明化合物[a−I]を得ることができる。
【0119】
合成経路3
【化60】

【0120】
本発明化合物[b−I](X:−CO−、Y:−CH=CH−)は、合成経路4に従い合成することができる。すなわち、ハロゲン化物またはトリフルオロメタンスルホン酸エステル[b−II]をパラジウムなどの触媒存在下、オレフィン[b−III]と反応させることで化合物[b−IV]を得る。この化合物[b−IV]をジメチルアミンなどの塩基存在下、アルデヒドなどのカルボニル化合物(例えば、ホルムアルデヒド)と縮合させることにより本発明化合物[b−I]を得ることができる。
【0121】
合成経路4
【化61】

【0122】
本発明化合物[c−I](X:−CO−、Rc1:Xのα位)は、合成経路5に従い合成することができる。すなわち、オレフィン[c−II]を過酸化水素などの酸化剤で酸化することで本発明化合物[c−I]を得ることができる。
【0123】
合成経路5
【化62】

【0124】
本発明化合物[c−I](X:−CRc5c6−、Rc1:Xのα位)は、合成経路6に従い合成することができる。すなわち、α,β−不飽和ケトン[c−II]([c−II])を塩化セリウム存在下の水素化ホウ素ナトリウムによる還元などの方法によりオレフィン[c−III]とし、このオレフィン[c−III]を過酸化水素などの酸化剤で酸化することにより本発明化合物[c−I]を得ることができる。
【0125】
合成経路6
【化63】

【0126】
本発明化合物[d−I]は、合成経路7に従い合成することができる。すなわち、ハロゲン化ベンジル[d−II]を亜鉛およびパラジウム存在下、酸塩化物[d−III]と反応させることによりケトン[d−IV]とし、このケトン[d−IV]をジメチルアミンなどの塩基存在下、アルデヒドなどのカルボニル化合物(例えば、ホルムアルデヒド)と縮合させることにより本発明化合物[d−I]を得ることができる。
【0127】
合成経路7
【化64】

【0128】
本発明化合物[e−I](環E:窒素原子を介してカルボニルと結合)は、合成経路8に従い合成することができる。すなわち、エステル[e−II]を炭酸カリウムなどの塩基存在下、アルデヒドなどのカルボニル化合物(例えば、ホルムアルデヒド)と縮合させることでα,β−不飽和エステル[e−III]とし、このα,β−不飽和エステル[e−III]を水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性水溶液で加水分解することでカルボン酸[e−IV]を得る。このカルボン酸[e−IV]とアミン[e−V]を1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドなどの縮合剤により縮合することにより本発明化合物[e−I]を得ることができる。
【0129】
合成経路8
【化65】

【0130】
本発明化合物[f−I](Rf5:窒素原子を介してYと結合、Y:−CH=CHCH−)は、合成経路9に従い合成することができる。すなわち、カルボン酸[f−II]とアミン[f−III]を1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドなどの縮合剤により縮合しアミド[f−IV]とし、このアミド[f−IV]を水素化ジイソプロピルアルミニウムなどの還元剤で還元しアルコール[f−V]を得る。このアルコール[f−V]を三酸化硫黄などの求電子剤存在下のジメチルスルホキシドによる酸化などの方法によりケトン[f−VI]とし、このケトン[f−VI]をジメチルアミンなどの塩基存在下、アルデヒドなどのカルボニル化合物(例えば、ホルムアルデヒド)と縮合させることにより本発明化合物[f−I]を得ることができる。
【0131】
合成経路9
【化66】

【0132】
本発明化合物[g−I](X:−CO−、Z:−S−、破線:単結合)は、合成経路10に従い合成することができる。すなわち、α,β−不飽和エステル[g−II]にチオール[g−III]を反応させることによりエステル[g−IV]を合成し、このエステル[g−IV]を硫酸などの酸性水溶液で加水分解することでカルボン酸[g−V]を得る。このカルボン酸[g−V]を塩化チオニルなどのハロゲン化剤で酸ハロゲン化物[g−VI]とした後、塩化アルミニウムなどのルイス酸を添加し環化させることで本発明化合物[g−I]を得ることができる。
【0133】
合成経路10
【化67】

【0134】
本発明化合物[g−I](X:−CO−、Z:−S−、破線:二重結合)は、合成経路11に従い合成することができる。すなわち、本発明化合物[g−II]([g−I])を2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンなどの酸化剤で酸化することにより本発明化合物[g−I]を得ることができる。
【0135】
合成経路11
【化68】

【0136】
本発明化合物[g−I](Y:−CH=CH−)は、合成経路12に従い合成することができる。すなわち、ハロゲン化物若しくはトリフルオロメタンスルホン酸エステル[g−II]をパラジウムなどの触媒存在下、オレフィン[g−III]と反応させることにより本発明化合物[g−I]を得ることができる。
【0137】
合成経路12
【化69】

【0138】
本発明化合物[h−I](X:−CO−)は、合成経路13に従い合成することができる。すなわち、アミン[h−II]とカルボン酸[h−III]を1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドなどの縮合剤により縮合することにより本発明化合物[h−I]を得ることができる。
【0139】
合成経路13
【化70】

【0140】
本発明化合物[i−I](Y:−CH=CH−)は、合成経路14に従い合成することができる。すなわち、ハロゲン化物若しくはトリフルオロメタンスルホン酸エステル[i−II]をパラジウムなどの触媒存在下、オレフィン[i−III]と反応させることにより本発明化合物[i−I]を得ることができる。
【0141】
合成経路14
【化71】

【0142】
本発明化合物[j−I](Y:−CO−、Z:−O−、)は、合成経路15に従い合成することができる。すなわち、ヒドロキシ化合物[j−II]を酸ハロゲン化物などのアシル化剤と反応させてエステル[j−III]とし、このエステル[j−III]に塩化アルミニウムなどのルイス酸を作用させることでアシル基を転位させケトン[j−IV]を得る。このケトン[j−IV]をナトリウムなどの塩基存在下、エステル[j−V]と反応させ二環性化合物[j−VI]とし、この二環性化合物[j−VI]を塩酸などの酸で脱水させることにより本発明化合物[j−I]を得ることができる。
【0143】
合成経路15
【化72】

【0144】
前記の合成経路により製造した本発明化合物は、汎用されている技術を使用して、前述した塩、水和物または溶媒和物の形態とすることもできる。
【0145】
本発明化合物の有用性を見出すために、(i)ウシ線維柱帯細胞を用いたフルオレセインイソチオシアネート−デキストランの細胞間隙透過性作用試験を実施し、本発明化合物の房水循環改善作用を確認した。さらに、(ii)正常眼圧サルを用いた、本発明化合物の前房内投与による眼圧下降作用試験、(iii)正常眼圧サルを用いた、本発明化合物の短期頻回点眼による眼圧下降作用試験、(iv)正常眼圧麻酔下ネコを用いた、本発明化合物の前房内投与による眼圧下降作用試験を実施して、本発明化合物の眼圧下降作用を確認した。それらの詳細については、後述の実施例[薬理試験]の項で説明するが、本発明化合物が優れた房水循環改善作用および眼圧下降作用を有することを見出した。
【0146】
したがって、前述したとおり、本発明化合物は、眼圧が関与する疾患、例えば、緑内障、高眼圧症等の治療剤として非常に有用なものである。
尚、眼圧が関与する疾患とは、原発性開放隅角緑内障、正常眼圧緑内障、房水産生過多緑内障、急性閉塞隅角緑内障、慢性閉塞隅角緑内障、混合型緑内障、ステロイド緑内障、アミロイド緑内障、血管新生緑内障、悪性緑内障、水晶体の嚢性緑内障、台地状虹彩シンドロームなどの緑内障、高眼圧症等を示す。
【0147】
本発明化合物は経口でも、非経口でも投与することができる。投与剤型として、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、注射剤、点眼剤等が挙げられ、それらは汎用される技術を使用して製剤化することができる。
【0148】
例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の経口剤は、乳糖、マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム等の賦形剤、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クエン酸カルシウム等の崩壊剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール、シリコーン樹脂等のコーティング剤、パラオキシ安息香酸エチル、ベンジルアルコール等の安定化剤、甘味料、酸味料、香料等の矯味矯臭剤等を必要に応じて使用して、調製することができる。
【0149】
また、注射剤、点眼剤等の非経口剤は、塩化ナトリウム、濃グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、塩化カリウム、ソルビトール、マンニトール等の等張化剤、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸,氷酢酸、トロメタモール等の緩衝化剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ステアリン酸ポリオキシ40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤、クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等の安定化剤、塩化ベンザルコニウム、パラベン、塩化ベンゾトニウム、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、クロロブタノール等の防腐剤、塩酸、クエン酸、リン酸、氷酢酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤、ベンジルアルコール等の無痛化剤等を必要に応じて使用して、調製することができる。
【0150】
本発明化合物の投与量は、症状、年齢、剤型等により適宜選択して使用することができる。例えば、経口剤は通常1日当たり0.01〜1000mg、好ましくは1〜100mgを1回または数回に分けて投与することができる。
また、点眼剤は通常0.0001%〜10%(w/v)、好ましくは0.01%〜5%(w/v)の濃度のものを1回または数回に分けて投与することができる。
【0151】
以下に、本発明化合物の製造例、製剤例および薬理試験の結果を示す。尚、これらの例示は本発明をよりよく理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0152】
[製造例]
参考例1
4−(ベンジルチオ)安息香酸(参考化合物1)
【化73】

氷冷かつ窒素雰囲気下、4−メルカプト安息香酸(4.73g,30.7mmol)のエタノール(80ml)懸濁液に1M水酸化ナトリウム水溶液(76.7ml,76.7mmol)を加え、10分間撹拌した。次いで、反応液に臭化ベンジル(3.65ml,30.7mmol)を加えて、室温で一晩撹拌した。反応液の溶媒を減圧留去し、残留物に酢酸エチル(200ml)、2M塩酸(120ml)、水(80ml)を加えて分液した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(150ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をヘキサン:酢酸エチル=10:1の混合液で濾取し、標的化合物(6.30g,収率84%)を無色固体で得た。
【0153】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ4.34(s,2H),7.24(t,J=7.3Hz,1H),7.31(t,J=7.1Hz,2H),7.40(d,J=8.5Hz,2H),7.41(d,J=6.8Hz,2H),7.81(dd,J=8.5,1.7Hz,2H),12.83(br s,1H)
【0154】
参考例2
4−ベンジルスルホニル安息香酸(参考化合物2)
【化74】

氷冷かつ窒素雰囲気下、4−(ベンジルチオ)安息香酸(0.61g,2.5mmol,参考化合物1)の無水ジクロロメタン(8ml)、無水テトラヒドロフラン(8ml)溶液にm−クロロ過安息香酸(1.54g,6.24mmol)を加えた。反応液を室温まで昇温し、7時間撹拌した。反応液の溶媒を減圧留去した後、残留物をクロロホルムと酢酸エチルの混合溶媒で濾取し、標的化合物(0.60g,収率87%)を無色固体で得た。
【0155】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ4.75(s,2H),7.15(dd,J=7.6,1.5Hz,2H),7.27−7.34(m,3H),7.82(d,J=8.4Hz,2H),8.09(d,J=8.4Hz,2H),13.54(br s,1H)
【0156】
参考例3
4−ベンジルスルホニルベンジルアルコール(参考化合物3)
【化75】

氷冷かつ窒素雰囲気下、4−ベンジルスルホニル安息香酸(0.57g,2.1mmol,参考化合物2)の無水テトラヒドロフラン(18ml)溶液に、1.0Mボラン−テトラヒドロフラン錯体テトラヒドロフラン溶液(6.19ml,6.19mmol)を滴下した。反応溶液を80℃に昇温し、2時間撹拌した。氷冷下、反応液に水(20ml)を加えた後、有機層と水層の二層になるまで炭酸カリウムを加えた。分液後、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(20ml)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧留去した。残留物をジエチルエーテル:ヘキサン=1:1の混合液で濾取し、標的化合物(0.42g,収率78%)を無色固体で得た。
【0157】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ4.59(d,J=5.4Hz,2H),4.63(s,2H),5.44(t,J=5.4Hz,1H),7.14(dd,J=7.6,1.5Hz,2H),7.26−7.31(m,3H),7.50(d,J=8.4Hz,2H),7.65(d,J=8.4Hz,2H)
【0158】
参考例4
4−ベンジルスルホニルベンズアルデヒド(参考化合物4)
【化76】

氷冷下、4−ベンジルスルホニルベンジルアルコール(5.09g,19.4mmol,参考化合物3)、トリエチルアミン(16.2ml,116mmol)のジメチルスルホキシド(40ml)溶液に三酸化硫黄・ピリジン錯体(10.8g,67.9mmol)を少しずつ加えた。窒素雰囲気下とし、反応液を室温で一晩撹拌した。反応液を氷冷し、水(50ml)、1M塩酸(50ml)を加えて、酢酸エチル(150ml)で2回抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(200ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をヘキサンと酢酸エチルの混合液で濾取し、標的化合物(4.75g,94%)を淡黄色固体で得た。
【0159】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ4.79(s,2H),7.16(dd,J=7.6,1.5Hz,2H),7.29−7.32(m,3H),7.93(d,J=8.4Hz,2H),8.41(d,J=8.4Hz,2H),10.11(s,1H)
【0160】
参考例5
4−ベンジルスルホニル桂皮酸エチル(参考化合物5−1)
【化77】

氷冷かつ窒素雰囲気下、4−ベンジルスルホニルベンズアルデヒド(0.34g,1.3mmol,参考化合物4)の無水アセトニトリル(8ml)溶液に塩化リチウム(66mg,1.6mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.23ml,1.3mmol)、ホスホノ酢酸トリエチル(0.31ml,1.6mmol)を順に加え、室温で5時間撹拌した。反応液に塩化リチウム(17mg,0.39mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.070ml,0.39mmol)、ホスホノ酢酸トリエチル(0.080ml,0.39mmol)を追加後、さらに一晩撹拌した。反応液に水(20ml)、1M塩酸(10ml)を加え、酢酸エチル(25ml)で抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(20ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をヘキサンと酢酸エチルの混合液で濾取し、標的化合物(0.359g,83%)を淡黄色固体で得た。
【0161】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ1.27(t,J=7.1Hz,3H),4.21(q,J=7.1Hz,2H),4.72(s,2H),6.82(d,J=15.7Hz,1H),7.15−7.17(m,2H),7.26−7.32(m,3H),7.70(d,J=15.7Hz,1H),7.71(d,J=8.4Hz,2H),7.93(d,J=8.4Hz,2H)
【0162】
以下、参考化合物4および市販化合物を使用し、参考化合物5−1の製造方法に準じた製造方法で、参考化合物5−2を得た。
【0163】
4−ベンジルスルホニル桂皮酸tert−ブチル(参考化合物5−2)
【化78】

【0164】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ1.49(s,9H),4.71(s,2H),6.70(d,J=15.9Hz,1H),7.16(dd,J=7.6,1.5Hz,2H),7.26−7.32(m,3H),7.61(d,J=15.9Hz,1H),7.70(d,J=8.4Hz,2H),7.90(d,J=8.4Hz,2H)
【0165】
参考例6
(E)−3−(1−オキソ−5−インダニル)アクリル酸メチル(参考化合物6−1)
【化79】

窒素雰囲気下、5−ブロモ−1−インダノン(1.11g,5.26mmol)、酢酸パラジウム(177mg,0.788mmol)、トリ(O−トリル)ホスフィン(481mg,1.58mmol)の混合物に、アセトニトリル(18ml)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.11ml,12.1mmol)、アクリル酸メチル(2.37ml,26.3mmol)を加え、80℃で3時間撹拌した。酢酸パラジウム(108mg,0.481mmol)、トリ(O−トリル)ホスフィン(299mg,0.982mmol)を追加し、さらに1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル)で精製し、標的化合物(959mg,84%)を淡黄色固体で得た。
【0166】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ2.72−2.75(m,2H),3.16−3.19(m,2H),3.83(s,3H),6.55(d,J=16.0Hz,1H),7.53(d,J=8.1Hz,1H),7.61(s,1H),7.74(d,J=16.0Hz,1H),7.77(d,J=8.1Hz,1H)
【0167】
以下、参考化合物8−1、参考化合物19および市販化合物から選択される化合物を使用し、参考化合物6−1の製造方法に準じた製造方法で、参考化合物6−2〜3を得た。
【0168】
(E)−3−(1−オキソテトラロン−6−イル)アクリル酸メチル(参考化合物6−2)
【化80】

H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ2.13−2.20(m,2H),2.68(t,J=6.5Hz,2H),2.99(t,J=6.1Hz,2H),3.82(s,3H),6.52(d,J=16.0Hz,1H),7.39(d,J=1.2Hz,1H),7.46(dd,J=8.2,1.2Hz,1H),7.67(d,J=16.0Hz,1H),8.04(d,J=8.2Hz,1H)
【0169】
3−(2−メトキシカルボニル−2−フェニルエチルチオ)桂皮酸tert−ブチル(参考化合物6−3)
【化81】

H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ1,54(s,9H),3.25(dd,J=13.4,5.9Hz,1H),3.62(dd,J=13.4,9.1Hz,1H),3.68(s,3H),3.79(dd,J=9.1,5.9Hz,1H),6.35(d,J=16.0Hz,1H),7.28−7.35(m,8H),7.46(s,1H),7.52(d,J=16.0Hz,1H)
【0170】
参考例7
(E)−3−(1−オキソ−5−インダニル)アクリル酸(参考化合物7−1)
【化82】

(E)−3−(1−オキソ−5−インダニル)アクリル酸メチル(566mg,2.62mmol,参考化合物6−1)の1,4−ジオキサン(28ml)溶液に1M水酸化ナトリウム水溶液(14ml)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に水(150ml)と1M塩酸(16ml)を加え、酢酸エチル(150ml)で抽出した。有機層を水(50ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(50ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去し、標的化合物(523mg,99%)を淡黄色固体で得た。
【0171】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ2.65−2.68(m,2H),3.10−3.13(m,2H),6.69(d,J=16.2Hz,1H),7.64(d,J=8.1Hz,1H),7.67(d,J=16.2Hz,1H),7.74(d,J=8.1Hz,1H),7.90(s,1H),12.59(br s,1H)
【0172】
以下、参考化合物6−2および市販化合物を使用し、参考化合物7−1の製造方法に準じた製造方法で、参考化合物7−2を得た。
【0173】
(E)−3−(1−オキソテトラロン−6−イル)アクリル酸(参考化合物7−2)
【化83】

H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ2.02−2.08(m,2H),2.61(t,J=6.1Hz,2H),2.96(t,J=6.1Hz,2H),6.64(d,J=16.1Hz,1H),7.59(d,J=16.1Hz,1H),7.64−7.68(m,2H),7.86(d,J=8.1Hz,1H),12.55(s,1H)
【0174】
参考例8
6−トリフルオロメチルスルホニルオキシ−1−テトラロン(参考化合物8−1)
【化84】

無水トリフルオロメタンスルホン酸(6.01ml,35.7mmol)のジクロロメタン(100ml)溶液に、窒素雰囲気下、−50℃で6−ヒドロキシ−1−テトラロン(5.02g,31.0mmol)とトリエチルアミン(5.18ml,37.2mmol)の混合物のジクロロメタン(50ml)溶液を滴下した。反応液を室温で2間撹拌した後、水(300ml)を加えた。クロロホルム(150ml)で抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(300ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、標的化合物(7.54g,83%)を橙色油状物で得た。
【0175】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ2.14−2.22(m,2H),2.68−2.72(m,2H),3.02(t,J=6.1Hz,2H),7.15−7.25(m,2H),8.14(d,J=8.5Hz,1H)
【0176】
以下、参考化合物24、参考化合物25および市販化合物から選択される化合物を使用し、参考化合物8−1の製造方法に準じた製造方法で、参考化合物8−2〜3を得た。
【0177】
3−フェニル−7−トリフルオロメチルスルホニルオキシ−4H−クロメン−4−オン(参考化合物8−2)
【化85】

H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ7.35(dd,J=8.9,2.4Hz,1H),7.40−7.49(m,4H),7.52−7.56(m,2H),8.05(s,1H),8.43(d,J=8.9Hz,1H)
【0178】
2,6−ジクロロ−4’−トリフルオロメチルスルホニルオキシベンゾフェノン(参考化合物8−3)
【化86】

H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ7.39−7.42(m,5H),7.93(d,J=8.8Hz,2H)
【0179】
参考例9
N−tert−ブトキシカルボニルイソニペコチン酸エチル(参考化合物9)
【化87】

氷冷下、イソニペコチン酸エチル(8.00g,50.9mmol)の無水ジクロロメタン(35ml)溶液に二炭酸ジ−tert−ブチル(12.2g,56.0mmol)の無水ジクロロメタン(25ml)溶液を滴下し、室温で2時間撹拌した。反応液を氷冷し、10%クエン酸水溶液(60ml)を加えて分液した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した後、溶媒を減圧留去し、標的化合物(12.45g,95%)を無色油状物で得た。
【0180】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ1.26(t,J=7.3Hz,3H),1.46(s,9H),1.57−1.67(m,2H),1.85−1.89(m,2H),2.39−2.47(m,1H),2.81−2.86(m,2H),4.00−4.03(m,2H),4.14(q,J=7.3Hz,2H)
【0181】
参考例10
1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシメチルピペリジン(参考化合物10)
【化88】

氷冷かつ窒素雰囲気下、水素化リチウムアルミニウム(1.65g,43.5mmol)の無水テトラヒドロフラン(25ml)懸濁液にN−tert−ブトキシカルボニルイソニペコチン酸エチル(11.2g,43.5mmol,参考化合物9)の無水テトラヒドロフラン(35ml)溶液を滴下し、1時間撹拌した。酢酸エチル(20ml)、水(35ml)を順次滴下した後、室温で30分間撹拌した。セライトを用いて不溶物を濾去し、濾液に酢酸エチル(30ml)を加え、水(30ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(50ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去し、残留物をヘキサンで固化させた。固体を濾取後、減圧乾燥し、標的化合物(8.30g,86%)を無色固体で得た。
【0182】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ1.10−1.20(m,2H),1.39(t,J=5.6Hz,1H),1.46(s,9H),1.62−1.73(m,3H),2.70−2.78(m,2H),3.50(t,J=5.6Hz,2H),4.05−4.15(m,2H)
【0183】
参考例11
1−tert−ブトキシカルボニル−4−ホルミルピペリジン(参考化合物11)
【化89】

氷冷下かつ窒素雰囲気下、1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシメチルピペリジン(3.00g,13.9mmol,参考化合物10)、トリエチルアミン(11.7ml,83.6mmol)のジメチルスルホキシド(20ml)溶液に、三酸化硫黄・ピリジン錯体(7.76g,48.8mmol)を少しずつ加えた。反応液を4時間撹拌した後、反応液に10%クエン酸水溶液(20ml)を加えて、酢酸エチル(35ml)で抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(30ml)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、標的化合物(2.44g,82%)を無色油状物で得た。
【0184】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ1.46(s,9H),1.50−1.60(m,2H),1.88−1.91(m,2H),2.40−2.44(m,1H),2.90−2.95(m,2H),3.90−4.05(m,2H),9.66(s,1H)
【0185】
参考例12
(E)−3−(1−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル)アクリル酸エチル(参考化合物12)
【化90】

氷冷下、1−tert−ブトキシカルボニル−4−ホルミルピペリジン(2.35g,11.0mmol,参考化合物11)の無水アセトニトリル(9ml)溶液に塩化リチウム(0.56g,13.2mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.92ml,11.0mmol)、ホスホノ酢酸トリエチル(2.62ml,13.2mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。
反応液に水(10ml)、10%クエン酸水溶液(10ml)を加え、酢酸エチル(15ml)で2回抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(20ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、標的化合物(3.00g,96%)を無色油状物で得た。
【0186】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ1.29(t,J=7.3Hz,3H),1.24−1.44(m,2H),1.46(s,9H),1.71−1.74(m,2H),2.25−2.32(m,1H),2.73−2.79(m,2H),4.05−4.15(m,2H),4.19(q,J=7.3Hz,2H),5.80(dd,J=16.0,1.5Hz,1H),6.89(dd,J=16.0,6.6Hz,1H)
【0187】
参考例13
(E)−3−(4−ピペリジル)アクリル酸エチル 塩酸塩(参考化合物13)
【化91】

氷冷下、(E)−3−(1−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル)アクリル酸エチル(2.91g,10.3mmol,参考化合物12)の酢酸エチル(3ml)溶液に4M塩化水素/酢酸エチル(12.8ml,51.3mmol)を滴下し、室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、残留物にヘキサンを加えて濾取し、標的化合物(2.04g,90%)を無色固体で得た。
【0188】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ1.21(t,J=7.3Hz,3H),1.49−1.60(m,2H),1.87−1.89(m,2H),2.49−2.53(m,1H),2.85−2.93(m,2H),3.23−3.27(m,2H),4.12(q,J=7.3Hz,2H),5.86(dd,J=16.1,2.0Hz,1H),6.84(dd,J=16.1,6.3Hz,1H),8.81(br s,1H),9.01(br s,1H)
【0189】
参考例14
2−フェニルアクリル酸メチル(参考化合物14)
【化92】

フェニル酢酸メチル(8.00g,53.3mmol)のトルエン(80ml)溶液に炭酸カリウム(22.1g,0.160mmol)、ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(3.94g,10.7mmol)、パラホルムアルデヒド(4.80g,0.160mmol)を加えて、85℃で2時間撹拌した。室温に戻した後、不溶物を濾去した。濾液を減圧濃縮した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、標的化合物(3.48g,40%)を無色油状物で得た。
【0190】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ3.82(s,3H),5.89(d,J=1.5Hz,1H),6.36(d,J=1.5Hz,1H),7.31−7.43(m,5H)
【0191】
参考例15
2−フェニルアクリル酸(参考化合物15)
【化93】

氷冷下、2−フェニルアクリル酸メチル(1.00g,6.17mmol,参考化合物14)の1,4−ジオキサン(8ml)溶液に、1M水酸化ナトリウム水溶液(12.3ml,12.3mmol)を加え、室温で2時間30分間撹拌した。再び反応液を氷冷とした後、2M塩酸を加えてpHを約1とした。水(5ml)を加えた後酢酸エチル(20ml)で抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(20ml)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物にヘキサンを加えて濾取し、標的化合物(0.63g,69%)を無色固体で得た。
【0192】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ5.95(d,J=1.2Hz,1H),6.23(d,J=1.2Hz,1H),7.30−7.43(m,5H),12.80(s,1H)
【0193】
参考例16
1−[4−[(E)−3−モルホリノ−3−オキソ−1−プロペニル]フェニル]−2−フェニル−1−エタノン(参考化合物16−1)
【化94】

氷冷下、4−フェニルアセチル桂皮酸(700mg,2.63mmol、特開2000−44513公開公報参照)、N−メチルモルホリン(0.870ml,7.89mmol)、モルホリン(0.230ml,2.63mmol)の混合物のN,N−ジメチルホルムアミド(15ml)溶液に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(605mg,3.15mmol)を加えた。反応液を室温で5時間撹拌した後、酢酸エチル(150ml)を加えた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(130ml)、水(100ml)3回、飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物に酢酸エチル加えて濾取し、標的化合物(465mg,52%)を淡黄色固体で得た。
【0194】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ3.55−3.88(br,8H),4.28(s,2H),6.92(d,J=15.4Hz,1H),7.19−7.39(m,5H),7.57−7.60(m,2H),7.70(d,J=15.4Hz,1H),8.00−8.02(m,2H)
【0195】
以下、4−フェニルアセチル桂皮酸および市販化合物を使用し、参考化合物16−1の製造方法に準じた製造方法で、参考化合物16−2を得た。
【0196】
1−[4−[(E)−3−(4−メチルピペラジノ)−3−オキソ−1−プロペニル]フェニル]−2−フェニル−1−エタノン(参考化合物16−2)
【化95】

H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ2.33(s,3H),2.43−2.46(m,4H),3.67(br s,2H),3.76(br s,2H),4.28(s,2H),6.95(d,J=15.6Hz,1H),7.25−7.35(m,5H),7.58(d,J=8.3Hz,2H),7.66(d,J=15.6Hz,1H),8.00(d,J=8.3Hz,2H)
【0197】
参考例17
1−[4−[(E)−3−モルホリノ−1−プロペニル]フェニル]−2−フェニル−1−エタノール(参考化合物17−1)
【化96】

窒素雰囲気下、1−[4−[(E)−3−モルホリノ−3−オキソ−1−プロペニル]フェニル]−2−フェニル−1−エタノン(440mg,1.31mmol,参考化合物16−1)の無水テトラヒドロフラン(10ml)溶液を−78℃とし、1.0M水素化ジイソブチルアルミニウム/テトラヒドロフラン溶液(4ml,4mmol)を滴下した。反応液を室温で4日撹拌した後、1.0M水素化ジイソブチルアルミニウム/テトラヒドロフラン溶液(2ml,2mmol)を追加し、さらに一晩撹拌した。反応液を−78℃に冷却し1M塩酸(5ml)、水(10ml)、酢酸エチル(20ml)を加えた。酢酸エチル(80ml)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、標的化合物(267mg,63%)を黄色油状物で得た。
【0198】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ2.38(s,4H),2.80−2.90(m,2H),3.07(dd,J=6.6,1.1Hz,2H),3.58(t,J=4.5Hz,4H),4.69−4.79(m,1H),5.25(d,J=4.6Hz,1H),6.24(dt,J=15.9,6.6Hz,1H),6.50(d,J=15.9Hz,1H),7.09−7.39(m,9H)
【0199】
以下、参考化合物16−2および市販化合物を使用し、参考化合物17−1の製造方法に準じた製造方法で、参考化合物17−2を得た。
【0200】
1−[4−[(E)−3−(4−メチルピペラジノ)−1−プロペニル]フェニル]−2−フェニル−1−エタノール(参考化合物17−2)
【化97】

H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ2.29(s,3H),2.48(br,8H),2.95−3.10(m,2H),3.16(d J=5.9Hz,2H),4.88(m,1H),6.28(m,1H)6.51(d,J=15.6Hz,1H),7.18−7.36(m,9H)
【0201】
参考例18
1−[4−[(E)−3−モルホリノ−1−プロペニル]フェニル]−2−フェニル−1−エタノン(参考化合物18−1)
【化98】

1−[4−[(E)−3−モルホリノ−1−プロペニル]フェニル]−2−フェニル−1−エタノール(205mg,0.63mmol,参考化合物17−1)とトリエチルアミン(0.44ml,3.2mmol)の混合物のジメチルスルホキシド(2ml)溶液に氷冷下、三酸化硫黄・ピリジン複合体(504mg,3.17mmol)のジメチルスルホキシド(2ml)溶液を加えた。反応液を室温で5時間撹拌した後、再度氷冷し、クロロホルム(5ml)と2M水酸化ナトリウム水溶液(10ml)を加えた。室温で15分間撹拌した後、クロロホルム(50ml)を加えた。有機層を水(50ml)2回、飽和塩化ナトリウム水溶液(50ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、標的化合物(117mg,57%)を黄橙色油状物で得た。
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ2.51−2.53(m,4H),3.18−3.21(m,2H),3.75(d,J=3.9Hz,4H),4.27(s,2H),6.39(dt,J=15.4,6.6Hz,1H),6.58(t,J=15.4Hz,1H),7.21−7.34(m,5H),7.44(d,J=8.5Hz,2H),7.96(d,J=8.5Hz,2H)
【0202】
以下、参考化合物17−2および市販化合物を使用し、参考化合物18−1の製造方法に準じた製造方法で、参考化合物18−2を得た。
【0203】
1−[4−[(E)−3−(4−メチルピペラジノ)−1−プロペニル]フェニル]−2−フェニル−1−エタノン(参考化合物18−2)
【化99】

H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ2.30(s,3H),2.49(br,8H),3.18(d,J=6.3Hz,2H),4.26(s,2H),6.41(m,1H),6.56(d,J=16.1Hz,1H),7.24−7.35(m,5H),7.43(d,J=8.3Hz,2H),7.95(d,J=8.3Hz,2H)
【0204】
参考例19
3−(3−ブロモフェニルチオ)−2−フェニルプロピオン酸メチル(参考化合物19)
【化100】

窒素雰囲気下、2−フェニルアクリル酸メチル(1.00g,6.17mmol,参考化合物14)と3−ブロモベンゼンチオール(1.00ml,9.69mmol)の混合物のメタノール(30ml)溶液に、トリエチルアミン(0.171ml,1.23mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジエチルエーテル)で精製し、標的化合物(1.88g,87%)を無色油状物で得た。
【0205】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ3.24(dd,J=13.4,6.0Hz,1H),3.60(dd,J=13.4,9.3Hz,1H),3.69(s,3H),3.80(dd,J=9.3,6.0Hz,1H),7.15(d,J=7.7Hz,1H),7.24−7.36(m,7H),7.46(t,J=1.7Hz,1H)
【0206】
参考例20
3−(2−カルボキシ−2−フェニルエチルチオ)桂皮酸(参考化合物20)
【化101】

3−(2−メトキシカルボニル−2−フェニルエチルチオ)桂皮酸tert−ブチル(789mg,1.98mmol,参考化合物6−3)を80%硫酸(7.5ml)に溶解し、50℃で3時間撹拌した。反応液を氷水(200ml)に注ぎ、クロロホルム(100ml)で抽出した。有機層を水(100ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、標的化合物(244mg,38%)を無色固体で得た。
【0207】
H−NMR(400MHz,Solv,DMSO−d)δ3.38(dd,J=13.1,6.4Hz,1H),3.60(dd,J=13.1,8.8Hz,1H),3.73(dd,J=8.8,6.4Hz,1H),6.57(d,J=16.0Hz,1H),7.27−7.37(m,7H),7.51−7.54(m,1H),7.57(d,J=16.0Hz,1H),7.65(s,1H),12.55(br s,2H)
【0208】
参考例21
(E)−3−(3,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−フェニル−2H−チオクロメン−7−イル)アクリル酸塩化物(参考化合物21)
【化102】

窒素雰囲気下、3−(2−カルボキシ−2−フェニルエチルチオ)桂皮酸(177mg,0.540mmol,参考化合物20)のジクロロメタン(10ml)懸濁液に、N,N−ジメチルホルムアミド(1滴)を加え、0℃とした後塩化チオニル(0.236ml,3.24mmol)を滴下した。反応液を1時間加熱還流した後、溶媒を減圧留去した。残留物の1,2−ジクロロエタン(15ml)溶液を、塩化アルミニウム(172mg,1.29mmol)の1,2−ジクロロエタン(45ml)懸濁液に、0℃で滴下した。0℃で30分間撹拌した後、反応液を氷水(100ml)に注いだ。ジクロロメタン(50ml)で抽出し、有機層を水(50ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(50ml)で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、標的化合物(159mg,90%)を黄色固体で得た。
【0209】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ3.36(dd,J=13.4,3.9Hz,1H),3.66(dd,J=13.4,11.2Hz,1H),4.14(dd,J=11.2,3.9Hz,1H),6.72(d,J=15.6Hz,1H),7.19−7.21(m,2H),7.31−7.40(m,4H),7.48(d,J=1.7Hz,1H),7.76(d,J=15.6Hz,1H),8.20(d,J=8.3Hz,1H)
【0210】
参考例22
1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2−フェニル−1−エタノン(参考化合物22)
【化103】

塩化アルミニウム(9.41g,70.6mmol)と塩化亜鉛(962mg,7.06mmol)の1,2−ジクロロエタン(85ml)懸濁液に内温を5℃に保ちながら1,3−ジメトキシベンゼン(8.12g,58.8mmol)の1,2−ジクロロエタン(25ml)溶液を滴下した。内温を−7℃以下に保ちながら塩化フェニルアセチル(10.0g,64.7mmol)の1,2−ジクロロエタン(20ml)溶液を1時間かけて滴下した。反応液を室温で1時間撹拌した後、さらに70℃に昇温し1時間撹拌した。反応液を氷冷した6M塩酸(170ml)に注いだ後、クロロホルム(200ml)で3回抽出した。有機層を水(200ml)2回、飽和塩化ナトリウム水溶液(200ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標的化合物(3.76g,28%)を無色固体で得た。
【0211】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ3.83(s,3H),4.22(s,2H),6.42(d,J=2.4Hz,1H),6.44(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.25−7.36(m,5H),7.75(d,J=8.8Hz,1H),12.72(s,1H)
【0212】
参考例23
7−メトキシ−3−フェニル−4H−クロメン−4−オン(参考化合物23)
【化104】

窒素雰囲気かつ氷冷下、1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2−フェニル−1−エタノン(3.33g,13.7mmol,参考化合物22)とギ酸エチル(18.8ml,233mml)の混合物の1,4−ジオキサン(14ml)溶液に、水素化ナトリウム(60%)(1.48g,37.0mmol)を加えた。反応液を40℃で1時間撹拌した後、1M塩酸(100ml)を加えた。クロロホルム(100ml)で2回抽出した後、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物を180℃で1時間減圧乾燥し、固体を酢酸エチル:ヘキサン=1:4の混合液で洗浄し、標的化合物(2.99g,86%)を無色固体で得た。
【0213】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ3.92(s,3H),687(d,J=2.4Hz,1H),7.00(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.36−7.46(m,3H),7.55−7.58(m,2H),7.95(s,1H),8.22(d,J=8.8Hz,1H)
【0214】
参考例24
7−ヒドロキシ−3−フェニル−4H−クロメン−4−オン(参考化合物24)
【化105】

窒素雰囲気下、7−メトキシ−3−フェニル−4H−クロメン−4−オン(2.94g,11.7mmol,参考化合物23)のベンゼン(140ml)溶液に塩化アルミニウム(4.68g,35.1mmol)を加えた。2時間加熱還流した後、反応液を氷水(150ml)に注いだ。酢酸エチル(150mlで2回)で抽出した後、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(150ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物を酢酸エチル:ヘキサン=1:2の混合液から再結晶し、標的化合物(2.48g,89%)を淡茶色結晶で得た。
【0215】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ6.88(d,J=2.2Hz,1H),6.95(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),7.35−7.45(m,3H),7.55−7.57(m,2H),7.98(d,J=8.8Hz,1H),8.39(s,1H),10.80(s,1H)
【0216】
参考例25
2,6−ジクロロ−4’−ヒドロキシベンゾフェノン(参考化合物25)
【化106】

塩化アルミニウム(2.60g,19.5mmol)の1,2−ジクロロエタン(30ml)溶液に、0℃で塩化2,6−ジクロロベンゾイル(2.05ml,14.3mmol)を滴下した。反応液を0℃で15分間撹拌した後、アニソール(1.41ml,13.0mmol)を滴下し、室温で一晩撹拌した。反応液を氷水(100ml)に注ぎ、クロロホルム(200ml)で抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧留去した。残留物にベンゼン(150ml)を加え、さらに塩化アルミニウム(5.20g,39.0mmol)を加えて3時間加熱還流した。反応液を氷水(150ml)に注ぎ、酢酸エチル(100ml)で2回抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物を酢酸エチルとヘキサンの混合液から再結晶し、標的化合物(2.84g,74%)を淡黄色結晶で得た。
【0217】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ5.77(s,1H),6.90(d,J=8.8Hz,2H),7.32−7.39(m,3H),7.76(d,J=8.8Hz,2H)
【0218】
参考例26
1−アセトキシ−4−ブチリルベンゼン(参考化合物26)
【化107】

塩化アルミニウム(3.91g,29.3mmol)の1、2−ジクロロエタン(150ml)懸濁液に、0℃で塩化アセチル(2.00ml,28.1mmol)を滴下した。18分間撹拌した後、4−ブチリルフェノール(4.00g,24.4mmol)の1,2−ジクロロエタン(50ml)溶液を滴下した。室温とした後3時間撹拌し、反応液を氷水(300ml)に注いだ。分液後、有機層を水(100ml)で2回、飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去し、標的化合物(5.26g,定量的)を淡茶色油状物で得た。
【0219】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ1.00(t,J=7.4Hz,3H),1.72−1.82(m,2H),2.33(s,3H),2.93(t,J=7.4Hz,2H),7.19(d,J=8.6Hz,2H),8.00(d,J=8.6Hz,2H)
【0220】
参考例27
2−アセチル−4−ブチリルフェノール(参考化合物27)
【化108】

1−アセトキシ−4−ブチリルベンゼン(4.89g,23.7mmol,参考化合物26)と塩化アルミニウム(11.1g,83.2mmol)を混合させ外温130℃で5時間撹拌した。放冷後反応液を氷水(300ml)と1M塩酸(30ml)の混合液に注いだ。酢酸エチル(200ml)で抽出し、有機層を水(100ml)で2回、飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、標的化合物(3.51g,72%)を淡黄色固体で得た。
【0221】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ1.02(t,J=7.3Hz,3H),1.75−1.81(m,2H),2.72(s,3H),2.92(t,J=7.3Hz,3H),7.03(d,J=8.7Hz,1H),8.08(dd,J=8.7,2.0Hz,1H),8.45(d,J=2.0Hz,1H),12.66(s,1H)
【0222】
参考例28
6−ブチリル−4−オキソ−4H−2−クロメンカルボン酸(参考化合物28)
【化109】

窒素雰囲気下、室温で無水エタノール(7ml)にナトリウム(313mg,13.6mmol)を数回に分けて加えた後、2時間撹拌した。0℃に冷却した後、2−アセチル−4−ブチリルフェノール(800mg,3.88mmol,参考化合物27)とシュウ酸ジエチル(0.527ml,3.88mmol)の無水エタノール(4ml)溶液を滴下した。2時間加熱還流した後、0℃に冷却し、濃塩酸(2.5ml)を加え、さらに1時間加熱還流した。0℃に冷却し、4M水酸化ナトリウム水溶液(10ml)、水(10ml)、エタノール(10ml)を順次加え、室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧留去し、2M塩酸(20ml)を加え、酢酸エチル(150ml)で抽出した。有機層を水(100ml)で2回、飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物に6M塩酸(3ml)、1,4−ジオキサン(10ml)を加え、30分間加熱還流した。反応液に水(50ml)を加え、酢酸エチル(100ml)で抽出した。有機層を水(50ml)で2回、飽和塩化ナトリウム水溶液(50ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物を酢酸エチル:ヘキサン=1:5の混合溶液(30ml)で洗浄し、標的化合物(613mg,61%)を無色固体で得た。
【0223】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ0.96(t,J=7.2Hz,3H),1.62−1.71(m,2H),3.11(t,J=7.2Hz,2H),6.96(s,1H),7.84(d,J=8.8Hz,1H),8.35(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),8.55(d,J=2.2Hz,1H),14.65(br s,1H)
【0224】
参考例29
4−[(E)−2−エトキシカルボニルビニル]安息香酸塩化物(参考化合物29)
【化110】

4−[(E)−2−エトキシカルボニルビニル]安息香酸(5.00g,22.7mmol、特開2000−44513公開公報参照)のクロロホルム(25ml)溶液にN,N−ジメチルホルムアミド(1滴)を加えた。塩化チオニル(6.62ml,90.8mmol)を加えた後、反応液を3時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、標的化合物(5.36g,99%)を無色固体で得た。
【0225】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ1.36(t,J=7.1Hz,3H),4.29(q,J=7.1Hz,2H),6.57(d,J=16.0Hz,1H),7.65(d,J=8.3Hz,2H),7.70(d,J=16.0Hz,1H),8.14(d,J=8.3Hz,2H)
【0226】
実施例1
4−(1−メトキシイミノ−2−フェニルアリル)桂皮酸(化合物1−1)
【化111】

窒素雰囲気下、4−(2−フェニルアクリロイル)桂皮酸(2.50g,8.98mmol、特開2000−44513公開公報)をクロロホルム:エタノール=1:1の混合溶液(100ml)に溶解し、塩化セリウム7水和物(16.7g,44.9mmol)を加え室温で45分攪拌した。さらに酢酸ナトリウム(5.16g,62.9mmol)、O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(3.75g,44.9mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応液に10%クエン酸水溶液(400ml)を加え、酢酸エチル(700ml)で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(300ml)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、標的化合物(563mg,20%)を無色固体として異性体比約3:1で得た。
【0227】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ3.93(s,3H,minor),3.97(s,3H,major),5.24(s,1H,major),5.39(s,1H,minor),5.67(s,1H,minor),6.04(s,1H,major),6.44(d,J=16.1Hz,1H),7.28−7.33(m,3H),7.40−7.42(m,2H),7.49−7.77(m,5H)
【0228】
以下、4−(2−フェニルアクリロイル)桂皮酸、1−[4−[(E)−3−ジメチルアミノ−1−プロペニル]フェニル]−2−フェニル−2−プロペン−1−オン(特開2000−273070公開公報参照)および市販化合物から選択される化合物を使用し、化合物1−1の製造方法に準じた製造方法で、化合物1−2〜3を得た。
【0229】
4−(1−イソプロピルオキシイミノ−2−フェニルアリル)桂皮酸(化合物1−2)
【化112】

【0230】
H−NMR(400MHz,Solv,CDCl)δ1.18(d,J=6.4Hz,6H,major),1.24(d,J=6.3HZ,6H,minor),4.41−4.47(m,1H),5.23(s,1H,major),5.38(s,1H,minor),5.66(s,1H,minor),5.97(s,1H,major),6.44(d,J=15.6Hz,1H,major),6.45(d,J=16.1Hz,1H,minor),7.27−7.33(m,3H),7.37−7,41(m,2H),7.49−7.77(m,5H)
【0231】
1−[4−[(E)−3−ジメチルアミノ−1−プロペニル]フェニル]−1−メトキシイミノ−2−フェニル−2−プロペン(化合物1−3)
【化113】

H−NMR(400MHz,Solv,CDCl)δ2.26(s,6H,major),2.28(s,6H,minor),3.04−3.09(m,2H),3.92(s,3H,minor),3.95(s,3H,major),5.22(s,1H,major),5.40(d,J=1.2Hz,1H,minor),5.66(d,J=1.2Hz,1H,minor),6.01(s,1H,major),6.24−6.31(m,1H),6.46−6.51(m,1H),7.19−7.44(m,7H+(2H,minor)),7.66(d,J=8.3Hz,2H,major)
【0232】
実施例2
4−(1−メトキシイミノ−2−フェニルアリル)桂皮酸メチル(化合物2−1)
【化114】

窒素雰囲気下、4−(1−メトキシイミノ−2−フェニルアリル)桂皮酸(562mg,1.83mmol,化合物1−1)の無水テトラヒドロフラン(6ml)溶液に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(0.72ml,3.7mmol)とヨウ化メチル(0.23ml,3.66mmol)を加え一晩撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、標的化合物(435mg,74%)を無色油状物として異性体比約5:1で得た。
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ3.80(s,3H),3.92(s,3H,minor),3.96(s,3H,major),5.23(s,1H,major),5.38(s,1H,minor),5.66(s,1H,minor),6.04(s,1H,major),6.43(d,J=16.1Hz,1H),7.26−7.53(m,7H+(2H,minor)),7.66(d,J=16.1Hz,1H),7.74(d,J=8.3Hz,2H,major)
【0233】
以下、化合物4および市販化合物を使用し、化合物2−1の製造方法に準じた製造方法で、化合物2−2〜3を得た。
【0234】
(E)−2−[2,3−ジクロロ−4−[2−エチル−1−(メトキシイミノ)アリル]フェノキシ]酢酸メチル(化合物2−2)
【化115】

H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ1.18(t,J=7.3Hz,3H),2.49−2.55(m,2H),3.83(s,3H),3.87(s,3H),4.73(s,1H),4.74(s,2H),5.27(s,1H),6.79(d,J=8.5Hz,1H),6.92(d,J=8.5Hz,1H)
【0235】
2−[2,3−ジクロロ−4−(2−メチレンブチリル)フェノキシ]酢酸エチル(化合物2−3)
【化116】

H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ1.15(t,J=7.8Hz,3H),1.31(t,J=7.1Hz,3H),2.47(q,J=7.8Hz,2H),4.28(q,J=7.1Hz,2H),4.75(s,2H),5.60(s,1H),5.94(s,1H),6.78(d,J=8.3Hz,H),7.14(d,J=8.3Hz,1H)
【0236】
実施例3
(E)−2−[2,3−ジクロロ−4−[2−エチル−1−(ヒドロキシイミノ)アリル]フェノキシ]酢酸(化合物3−1)
【化117】

エタクリン酸(20.5g,67.6mmol)とヒドロキシルアミン塩酸塩(14.1g,203mmol)の混合物のピリジン(80ml)溶液を一晩加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、溶媒を減圧留去した。残留物に1M塩酸(300ml)を加え、酢酸エチル(200ml)で2回抽出した。有機層を1M塩酸(50ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)で6回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、標的化合物(6.34g,29%)を淡黄色固体で得た。
【0237】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ1.13(t,J=7.3Hz,3H),2.45−2.47(m,2H),4.59(s,1H),4.89(s,2H),5.24(s,1H),7.02(d,J=8.4Hz,1H),7.07(d,J=8.4Hz,1H),11.33(s,1H),13.21(br s,1H)
【0238】
以下、化合物5および市販化合物を使用し、化合物3−1の製造方法に準じた製造方法で、化合物3−2を得た。
【0239】
2−[2,3−ジクロロ−4−(1−ヒドロキシイミノ−2−メチルブチル)フェノキシ]酢酸(化合物3−2)
【化118】

【0240】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ0.93(t,J=7.3Hz,1H,minor),0.96(t,J=7.3Hz,3H,major),1.07−1.20(m,3H),1.30−1.47(m,1H),1.65−1.77(m,1H),2.57(br s,1H,major),3.15−3.23(m,1H,minor),4.79(s,2H,major),4.81(s,1H,minor),6.69(d,J=8.8Hz,minor),6.84(d,J=8.8Hz,1H,major),6.98(d,J=8.8Hz,1H,major),6.99(d,J=8.8Hz,minor)
【0241】
実施例4
(E)−2−[2,3−ジクロロ−4−[2−エチル−1−(メトキシイミノ)アリル]フェノキシ]酢酸(化合物4)
【化119】

2−[2,3−ジクロロ−4−[2−エチル−1−(ヒドロキシイミノ)アリル]フェノキシ]酢酸(5.51g,17.3mmol,化合物3−1)のメタノール(70ml)溶液によう化メチル(1.62ml,26.0mmol)とナトリウムメトキシド(1.87g,34.6mmol)を加え、反応液を40℃で5時間攪拌した。反応液を室温に戻し、溶媒を減圧留去した後、残留物に1M塩酸(100ml)を注ぎ、酢酸エチル(150ml)で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(80ml)で6回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製した。得られた固体をイソプロピルエーテルとヘキサンの混合液で洗浄し、標的化合物(2.20g,38%)を無色固体で得た。
【0242】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ1.18(t,J=7.6Hz,3H),2.49−2.55(m,2H),3.88(s,3H),4.73(s,1H),4.79(s,2H),5.27(s,1H),6.83(d,J=8.5Hz,1H),6.95(d,J=8.5Hz,1H),8.60(br s,1H)
【0243】
実施例5
2,3−ジクロロ−4−(2−メチルブチリル)フェノキシ酢酸(化合物5)
【化120】

エタクリン酸(3.0g,10mmol)の2−プロパノール(30ml)溶液にパラジウム−炭素(0.15g)を加え、水素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。パラジウム−炭素をセライト濾過で除去した後、濾液を濃縮した。残留物をヘキサンで洗浄した後、ベンゼンから再結晶し、標的化合物(2.55g,84%)を無色結晶で得た。
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ0.93(t,J=7.3Hz,3H),1.17(d,J=6.8Hz,3H),1.39−1.50(m,1H),1.73−1.86(m,1H),3.15−3.25(m,1H),4.81(s,2H),6.81(d,J=8.5Hz,1H),7.27(d,J=8.5Hz,1H)
【0244】
実施例6
4−(1−フェニルビニルスルホニル)桂皮酸エチル(化合物6−1)
【化121】

4−ベンジルスルホニル桂皮酸エチル(0.10g,0.30mmol,参考化合物5−1)のトルエン(6ml)溶液に炭酸カリウム(0.13g,0.91mmol)、ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(6mg,0.02mmol)、パラホルムアルデヒド(27mg,0.91mmol)を加えて、90℃で2日間撹拌した。室温に戻した後、不溶物を濾去した。濾液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、標的化合物(68mg,68%)を無色油状物で得た。
【0245】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ1.25(t,J=7.1Hz,3H),4.20(q,J=7.1Hz,2H),6.32(s,1H),6.60(d,J=0.7Hz,1H),6.77(d,J=16.1Hz,1H),7.32−7.40(m,5H),7.66(d,J=16.1Hz,1H),7.71(d,J=8.4Hz,2H),7.89(d,J=8.4Hz,2H)
【0246】
以下、参考化合物5−2、参考化合物28および市販化合物から選択される化合物を使用し、化合物6−1の製造方法に準じた製造方法で、化合物6−2〜3を得た。
【0247】
4−(1−フェニルビニルスルホニル)桂皮酸tert−ブチル(化合物6−2)
【化122】

H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ1.47(s,9H),6.32(s,1H),6.59(s,1H),6.65(d,J=16.0Hz,1H),7.32−7.40(m,5H),7.55(d,J=16.0Hz,1H),7.69(d,J=8.4Hz,2H),7.86(d,J=8.4Hz,2H)
【0248】
6−(2−メチレンブチリル)−4−オキソ−4H−2−クロメンカルボン酸(化合物6−3)
【化123】

H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ1.09(t,J=7.4Hz,3H),2.44(q,J=7.4Hz,2H),5.60(s,1H),6.00(s,1H),6.97(s,1H),7.86(d,J=8.8Hz,1H),8.15(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),8.31(d,J=2.2Hz,1H)
【0249】
実施例7
4−(2−ヒドロキシ−1−フェニルエチルスルホニル)桂皮酸(化合物7)
【化124】

4−(1−フェニルビニルスルホニル)桂皮酸エチル(0.146g,0.426mmol,化合物6−1)の1,4−ジオキサン(2ml)溶液に1M水酸化ナトリウム水溶液(0.70ml,0.70mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。反応液に1M塩酸を加え酸性とした後、酢酸エチル(5ml)で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(5ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をヘキサンと酢酸エチルの混合液で濾取し、標的化合物(0.0421g,29%)を無色固体で得た。
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ4.02(m,1H),4.12(m,1H),4.67(t,J=4.9Hz,1H),5.09(br s,1H),6.69(d,J=16.1Hz,1H),7.31(m,5H),7.62(d,J=16.1Hz,1H),7.68(d,J=8.2Hz,2H),7.86(d,J=8.2Hz,2H),12,64(br s,1H)
【0250】
実施例8
4−(1−フェニルビニルスルホニル)桂皮酸(化合物8−1)
【化125】

4−(1−フェニルビニルスルホニル)桂皮酸tert−ブチル(0.10g,0.27mmol,化合物6−2)の1,4−ジオキサン(1ml)溶液に氷冷下、4M塩化水素1,4−ジオキサン溶液(0.70ml,2.7mmol)を加え、室温で2日間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、残留物をジエチルエーテルで濾取し、標的化合物(53mg,62%)を無色固体で得た。
【0251】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ6.32(d,J=0.7Hz,1H),6.59(d,J=0.7Hz,1H),6.66(d,J=16.1Hz,1H)17.32−7.40(m,5H),7.59(d,J=16.1Hz,1H),7.70(d,J=8.5Hz,2H),7.86(d,J=8.5Hz,2H),12.63(br s,1H)
【0252】
以下、化合物24−2および市販化合物を使用し、化合物8−1の製造方法に準じた製造方法で、化合物8−2を得た。
【0253】
4−(2,6−ジクロロベンゾイル)桂皮酸(化合物8−2)
【化126】

H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ6.56(d,J=16.0Hz,1H),7.35−7.43(m,3H),7.66(d,J=8.4Hz,2H),7.81(d,J=16.0Hz,1H),7.86(d,J=8.4Hz,2H)
【0254】
実施例9
4−(1−ヒドロキシ−2−フェニルアリル)桂皮酸(化合物9−1)
【化127】

4−(2−フェニルアクリロイル)桂皮酸(3.0g,11mmol、特開2000−44513公開公報参照)、塩化第一セリウム7水和物(4.0g,11mmol)のメタノール(27ml)溶液に氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(0.41g,11mmol)を数回に分けて加えた。反応液を室温で一晩撹拌した後、メタノール(15ml)、塩化第一セリウム7水和物(4.0g,11mmol)、水素化ホウ素ナトリウム(0.41g,11mmol)を追加し、さらに一晩撹拌した。再度、氷冷し、反応液に酢酸エチル(90ml)、1M塩酸(90ml)を加えた。分液後、有機層を水(100ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、標的化合物(1.7g,57%)を無色固体で得た。
【0255】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ5.47(s,1H),5.51(s,1H),5.73(s,1H),6.41(d,J=15.9Hz,1H),7.20−7.32(m,5H),7.42(d,J=8.3Hz,2H),7.49(d,J=8.3Hz,2H),7.74(d,J=15.9Hz,1H)
【0256】
以下、化合物2−3および市販化合物を使用し、化合物9−1の製造方法に準じた製造方法で、化合物9−2〜4を得た。
【0257】
2−[2,3−ジクロロ−4−(2−エチル−1−ヒドロキシアリル)フェノキシ]酢酸(化合物9−2)
【化128】

H−NMR(400MHz,Solv.pyridine−d)δ1.03(t,J=7.3Hz,3H),2.01−2.14(m,1H),2.14−2.27(m,1H),5.08(s,1H),5.12(s,2H),5.46(s,1H),5.92(s,1H),7.31(d,J=8.8Hz,1H),7.84(d,J=8.8Hz,1H),10.70(br s,2H)
【0258】
2−[2,3−ジクロロ−4−(2−エチル−1−ヒドロキシアリル)フェノキシ]酢酸エチル(化合物9−3)
【化129】

H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ1.03(t,J=7.3Hz,3H),1.29(t,J=7.3Hz,3H),1.90−2.00(m,2H),2.03(d,J=4.4Hz,1H),4.27(q,J=7.3Hz,2H),4.71(s,2H),5.02(s,1H),5.16(s,1H),5.56(d,J=4.4Hz,1H),6.79(d,J=8.8Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H)
【0259】
2−[2,3−ジクロロ−4−(2−エチル−1−ヒドロキシアリル)フェノキシ]酢酸メチル(化合物9−4)
【化130】

【0260】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ1.03(t,J=7.3Hz,3H),1.95−1.99(m,2H),2.02(d,J=4.2Hz,1H),3.81(s,3H),4.71(s,2H),5.03(s,1H),5.16(s,1H),5.56(d,J=4.2Hz,1H),6.79(d,J=8.3Hz,1H),7.38(d,J=8.8Hz,1H)
【0261】
実施例10
4−(1−アセトキシ−2−フェニルアリル)桂皮酸(化合物10)
【化131】

4−(1−ヒドロキシ−2−フェニルアリル)桂皮酸(100mg,0.36mmol,化合物9−1)のピリジン(1ml)溶液に氷冷下、無水酢酸(0.34ml,3.6mmol)を滴下した。反応液を室温で一晩撹拌した後、1M塩酸(25ml)を加えた。酢酸エチル(25ml)で抽出した後、有機層を水(20ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(20ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、標的化合物(115mg,定量的)を固体で得た。
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ2.11(s,3H),5.40(s,1H),5.58(s,1H),6.49(d,J=15.9Hz.1H),6.74(s,1H),7.22−7.32(m,3H),7.32−7.44(m,4H),7.53(d,J=15.9Hz,1H),7.63(d,J=8.3Hz,2H),12.39(s,1H)
【0262】
実施例11
4−(1−メトキシ−2−フェニルアリル)桂皮酸(化合物11)
【化132】

4−(1−ヒドロキシ−2−フェニルアリル)桂皮酸(100mg,0.36mmol,化合物9−1)の無水テトラヒドロフラン(2ml)溶液に氷冷下、ヨウ化メチル(0.066ml,0.43mmol)、水素化ナトリウム(60%)(21mg,0.54mmol)を加えた。反応液を室温で2日間撹拌した後、1M塩酸(30ml)を加えた。酢酸エチル(30ml)で抽出し、有機層を水(30ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(30ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、標的化合物(99mg,94%)を無色固体で得た。
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ3.32(s,3H),5.30(s,1H),5.44(s,1H),5.56(s,1H),6.47(d,J=16.1Hz,1H),7.20−7.30(m,3H),7.30−7.40(m,4H),7.53(d,J=16.1Hz,1H),7.60(d,J=8.1Hz,2H),12.37(s,1H)
【0263】
実施例12
2−[2,3−ジクロロ−4−(1−ヒドロキ−2−メチルブチル)フェノキシ]酢酸メチル(化合物12)
【化133】

氷冷下、2−[2,3−ジクロロ−4−(2−メチルブチリル)フェノキシ]酢酸(2.28g,7.47mmol,化合物5)のイソプロピルアルコール(25ml)溶液に水素化ホウ素ナトリウム(0.311g,8.22mmol)を加えた。反応液を1時間撹拌した後、室温まで昇温し一晩撹拌した。反応液に1N塩酸(20ml)、水(200ml)を加え、酢酸エチル(200ml)で抽出した後、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(250ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をベンゼン(40ml)に溶解させた。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(1.14ml,7.65mmol)とヨウ化メチル(0.476ml,7.65mmol)を加え室温で3時間攪拌した。不溶物を濾去した後、濾液に酢酸エチル(150ml)を加え、10%クエン酸水溶液(100ml)で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)で2回、飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)で2回、順次洗浄した。無水硫酸マグネシウムで脱水した後、溶媒を減圧留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、標的化合物(1.26g,53%)を無色油状物として異性体比約3:2で得た。
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ0.83−0.99(m,6H),1.22−1.80(m,3H),1.79(d,J=3.9Hz,1H,major),1.88(d,J=3.9Hz,1H,minor),3.81(s,3H),4.73(s,2H),4.93(m,1H,major),5.04(m,1H,minor),6.80(d,J=8.7Hz,1H),8.38(d,J=8.7Hz,1H,major),8.39(d,J=8.7Hz,1H,minor)
【0264】
実施例13
2−[−4−(1−クロロ−2−メチルブチル)−2,3−ジクロロフェノキシ]酢酸メチル(化合物13)
【化134】

氷冷かつ窒素雰囲気下、2−[−2,3−ジクロロ−4−(1−ヒドロキ−2−メチルブチル)フェノキシ]酢酸メチル(0.30g,0.93mmol,化合物12)のジクロロメタン(6ml)溶液にトリエチルアミン(0.39ml,2.8mmol)、塩化メタンスルホニル(0.11ml,1.4mmol)を加えた。反応液を室温で3時間撹拌し、さらに1時間加熱還流した。トリエチルアミン(0.19ml,1.4mmol)、塩化メタンスルホニル(0.055ml,0.71mmol)を追加し、さらに4時間加熱還流した。反応液を1M塩酸(20ml)に注ぎ、クロロホルム(20ml)で抽出した。有機層を1M塩酸(20ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(20ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去し、標的化合物(0.31g,98%)を褐色油状物として異性体比約2:1で得た。
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ0.86−0.99(m,6H),1.25−2.03(m,3H),3.82(s,3H),4.74(s,2H),5.26(d,J=7.8Hz,1H,minor),5.40(d,J=5.8Hz,1H,major),6.80(d,J=8.8Hz,1H,major),6.81(d,J=8.8Hz,1H,minor),7.45(d,J=8.8Hz,1H,minor),7.48(d,J=8.8Hz,1H,major)
【0265】
実施例14
(E)−3−(2−メチレン−1−オキソ−5−インダニル)アクリル酸メチル(化合物14−1)
【化135】

1,4−ジオキサン(5ml)に(E)−3−(1−オキソ−5−インダニル)アクリル酸メチル(193mg,0.893mmol,参考化合物6−1)、パラホルムアルデヒド(107mg)、ジメチルアミン塩酸塩(291mg,3.57mmol)、酢酸(1滴)を加え、一晩加熱還流した。反応液に水(50ml)を加え、酢酸エチル(50ml)で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(50ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル)で精製し、標的化合物(107mg,52%)を淡黄色固体で得た。
【0266】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ3.79(s,2H),3.84(s,3H),5.68(m,1H),6.39(m,1H),6.56(d,J=16.1Hz,1H),7.57(d,J=8.1Hz,1H),7.63(s,1H),7.74(d,J=16.1Hz,1H),7.88(d,J=8.1Hz,1H)
【0267】
以下、参考化合物7−1、参考化合物7−2、化合物19−1、化合物19−2、参考化合物18−1、参考化合物18−2および市販化合物から選択される化合物を使用し、化合物14−1の製造方法に準じた製造方法で、化合物14−2〜7を得た。
【0268】
(E)−3−(2−メチレン1−オキソ−5−インダニル)アクリル酸(化合物14−2)
【化136】

H−NMR(400MHz,Solv,DMSO−d)δ3.81(s,2H),5.76(m,1H),6.20(m,1H),6.72(d,J=16.0Hz,1H),7.69(d,J=16.0Hz,1H),7.76(d,J=8.4Hz,1H),7.79(d,J=8.4Hz,1H),7.96(s,1H),12.62(br s,1H)
【0269】
(E)−3−(2−メチレン−1−オキソテトラロン−6−イル)アクリル酸(化合物14−3)
【化137】

H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ2.82−2.88(m,2H),2.97−3.01(m,2H),5.56(d,J=2.0Hz,1H),6.07(d,J=2.0Hz,1H),6.67(d,J=16.0Hz,1H),7.61(d,J=16.0Hz,1H),7.68−7.75(m,2H),7.95(d,J=8.1Hz,1H),12,58(br,1H)
【0270】
4−[2−(4−ベンゾイルフェニル)アクリロイル]桂皮酸(化合物14−4)
【化138】

H−NMR(500MHz,Solv.DMSO−d)δ5.81(s,1H),6.42(s,1H),6.68(d,J=15.9Hz,1H),7.56−7.71(m,6H),7.74−7.77(m,4H),7.86(d,J=8.6Hz,2H),7.89(d,J=8.6Hz,2H),12.60(br s,1H)
【0271】
4−[2−(4−カルボキシフェニル)アクリロイル]桂皮酸(化合物14−5)
【化139】

H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ5.78(s,1H),6.37(s,1H),6.67(d,J=16.1Hz,1H),7.55(d,J=8.7Hz,2H),7.64(d,J=16.1Hz,1H),7.85(s,4H),7.95(d,J=8.7Hz,2H),12.80(br s,2H)
【0272】
1−[4−[(E)−3−モルホリノ−1−プロペニル]フェニル]−2−フェニル−2−プロペン−1−オン マレイン酸塩(化合物14−6)
【化140】

H−NMR(500MHz,Solv.DMSO−d)δ2.90−3.20(br,4H),3.60−4.00(br,6H),5.61(s,1H),6.07(s,2H),6.20(s,1H),6.50(dt,J=15.9,7.3Hz,1H),6.85(d,J=15.9Hz,1H),7.32−7.42(m,5H),7.65(d,J=8.3Hz,2H),7.84(d,J=8.3Hz,2H)
【0273】
1−[4−[(E)−3−(4−メチルピペラジノ)−1−プロペニル]フェニル]−2−フェニル−2−プロペン−1−オン(化合物14−7)
【化141】

H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ2.30(s.3H),2.50(br,8H),3.18(d,J=6.8Hz,2H),5.62(s,1H),6.04(s,1H),6.41(m,1H),6.56(d,J=15.6Hz,1H),7.31−7.43(m,7H),7.86(d,J=8.3Hz,2H)
【0274】
実施例15
1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(E)−3−(2−メチレン1−オキソ−5−インダニル)アクリル酸塩(化合物15)
【化142】

(E)−3−(2−メチレン1−オキソ−5−インダニル)アクリル酸(32.6mg,0.152mmol,化合物14−2)とトリエチレンジアミン(18.7mg,0.167mmol)をエタノール(60ml)に溶解し、エタノールを減圧留去した。残留物を酢酸エチルで洗浄し、標的化合物(28.1mg,57%)を無色固体で得た。
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ2.65(s,12H),3.80(s,2H),5.75(s,1H),6.19(s,1H),6.70(d,J=16.0Hz,1H),7.58(d,J=16.0Hz,1H),7.75(s,2H),7.90(s,1H)
【0275】
実施例16
4−(2−フェニル−2−オキシラニルカルボニル)桂皮酸(化合物16)
【化143】

氷冷下、4−(2−フェニルアクリロイル)桂皮酸(0.15g,0.54mmol、特開2000−44513公開公報参照)のメタノール(3ml)溶液に、1M水酸化ナトリウム水溶液(1.2ml,1.2mmol)、30%過酸化水素水(0.070ml,0.59mmol)を加えた。反応液を0℃で一晩撹拌した後、2M塩酸(15ml)に注いだ。酢酸エチル(20ml)で抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(15ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、標的化合物(82mg,51%)を無色固体で得た。
【0276】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ3.39(d,J=4.9Hz,1H),3.42(d,J=4.9Hz,1H),6.65(d,J=16.0Hz,1H),7.22−7.41(m,5H),7.60(d,J=16.0Hz,1H),7.82(d,J=8.4Hz,2H),7.96(d,J=8.4Hz,2H),12.61(s,1H)
【0277】
実施例17
4−メトキシ(2−フェニル−2−オキシラニル)メチル桂皮酸(化合物17)
【化144】

氷冷下、m−クロロ過安息香酸(71mg,0.41mmol)のクロロホルム(1.6ml)溶液に4−(1−メトキシ−2−フェニルアリル)桂皮酸(94mg,0.32mmol,化合物11)を加えた。反応液を室温で一晩撹拌した後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を数滴加えた。クロロホルム(25ml)と1M塩酸(25ml)を加え、分液した後、有機層を水(25ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(25ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、標的化合物(62mg,63%)を無色固体で得た。
【0278】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ2.74(d,J=5.1Hz,1H),2.90(d,J=5.1Hz,1H),3.28(s,3H),4.66(s,1H),6.49(d,J=16.1Hz,1H),7.21−7.30(m,7H),7.54(d,J=16.1Hz,1H),7.59(d,J=8.1Hz,2H),12.37(br,1H)
【0279】
実施例18
4−[2−(4−ベンゾイルフェニル)アセチル]桂皮酸エチル(化合物18−1)
【化145】

亜鉛粉末(822mg,12.6mmol)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(441mg,0.628mmol)の1,2−ジメトキシエタン(8ml)懸濁液に、氷冷下4−(ブロモメチル)ベンゾフェノン(1.73g,6.29mmol)の1,2−ジメトキシエタン(12ml)溶液を滴下した。さらに4−[(E)−2−エトキシカルボニルビニル]安息香酸塩化物(1.50g、6.28mmol,参考化合物29)を加え、反応液を室温で一晩撹拌した。不溶物をセライト濾過で除去した後、濾液に酢酸エチル(100ml)を加え、1M塩酸(50ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(50ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、標的化合物(621mg,25%)を橙色固体で得た。
【0280】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ1.27(t,J=7.1z,3H),4.21(q,J=7.1Hz,2H),4.58(s,2H),6.81(d,J=16.1Hz,1H),7.46(d,J=8.3Hz,2H),7.55−7.59(m,2H),7.68−7.74(m,6H),7.92(d,J=8.5Hz,2H),8.10(d,J=8.5Hz,2H)
【0281】
以下、4−[(E)−2−エトキシカルボニルビニル]安息香酸塩化物および市販化合物を使用し、化合物18−1の製造方法に準じた製造方法で、化合物18−2を得た。
【0282】
4−[2−(4−メトキシカルボニルフェニル)アセチル]桂皮酸エチル(化合物18−2)
【化146】

H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ1.35(t,J=7.2Hz,3H),3.91(s,3H),4.28(q,J=7.2Hz,2H),4.35(s,2H),6.52(d,J=16.1Hz,1H),7.34(d,J=8.3Hz,2H),7.61(d,J=8.3Hz,2H),7.69(d,J=16.1Hz,1H),8.00−8.03(m,4H)
【0283】
4−[2−(4−ベンゾイルフェニル)アセチル]桂皮酸(化合物19−1)
【化147】

4−[2−(4−ベンゾイルフェニル)アセチル]桂皮酸エチル(428mg,1.07mmol,化合物18−1)の1,4−ジオキサン(20ml)溶液に濃塩酸(10ml)を加え、反応液を3時間加熱還流した。溶媒を減圧留去した後、残留物を酢酸エチル(5ml)で洗浄し、標的化合物(323mg,81%)を淡黄色固体で得た。
【0284】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ4.58(s,2H),6.70(d,J=16.1Hz,1H),7.47(d,J=8.3Hz,2H),7.55−7.59(m,2H),7.62−7.75(m,6H),7.88(d,J=8.5Hz,2H),8.10(d,J=8.3Hz,2H),12.69(br s,1H)
【0285】
以下、化合物18−2および市販化合物を使用し、化合物19−1の製造方法に準じた製造方法で、化合物19−2を得た。
【0286】
4−[2−(4−カルボキシフェニル)アセチル]桂皮酸(化合物19−2)
【化148】

H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ4.53(s,2H),6.68(d,J=16.0Hz,1H),7.39(d,J=8.3Hz,2H),7.65(d,J=16.0Hz,1H),7.86(d,J=8.3Hz,2H),7.89(d,J=8.3Hz,2H),8.07(d,J=8.3Hz,2H),12.71(br s,2H)
【0287】
実施例20
(E)−3−[1−(2−フェニルアクリロイル)−4−ピペリジル]アクリル酸エチル(化合物20−1)
【化149】

氷冷下、2−フェニルアクリル酸(300mg,2.02mmol,参考化合物15)、N−メチルモルホリン(0.61g,6.1mmol)の混合物の無水ジクロロメタン(12ml)溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.47g,2.4mmol)、(E)−3−(4−ピペリジル)アクリル酸エチル塩酸塩(440mg,2.02mmol,参考化合物13)を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応液を濃縮し、酢酸エチル(15ml)を加えた。1M塩酸(15ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(15ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、標的化合物(542mg,86%)を無色油状物で得た。
【0288】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ1.10−1.19(m,1H),1.29(t,J=7.1Hz,3H),1.35−1.48(m,1H),1.60−1.65(m,1H),1.85−1.89(m,1H),2.31−2.41(m,1H),2.80(t,J=12.5Hz,1H),2.97(t,J=12.5Hz,1H),3.81(d,J=13.7Hz,1H),4.19(q,J=7.1Hz,2H),4.73(d,J=13.7Hz,1H),5.36(s,1H),5.73(s,1H),5.78(dd,J=15.9,1.5Hz,1H),6.85(dd,J=15.9,6.6Hz,1H),7.30−7.44(m,5H)
【0289】
以下、4−[(E)−2−エトキシカルボニルビニル]安息香酸(特開2000−44513公開公報参照)および市販化合物を使用し、化合物20−1の製造方法に準じた製造方法で、化合物20−2〜4を得た。
【0290】
4−フェニルカルバモイル桂皮酸エチル(化合物20−2)
【化150】

H−NMR(400Mz,Solv.CDCl)δ1.35(t,J=7.1Hz,3H),4.28(q,J=7.1Hz,2H),6.50(d,J=16.1Hz,1H),7,16(dt,J=8.4,1.1Hz,1H),7.37(t,J=7.7Hz,2H),7.60(d,J=8.4Hz,2H),7.65(dd,J=8.4,0.7Hz,2H),7,68(d,J=16.1Hz,1H),7.88(d,J=8.4Hz,2H),7.95(br s,1H)
【0291】
4−メチル(フェニル)カルバモイル桂皮酸エチル(化合物20−3)
【化151】

H−NMR(400NMz,Solv.CDCl)δ1.31(t,J=7.2Hz,3H),3.11(s,3H),4.24(q,J=7.2Hz,2H),6.36(d,J=16.1Hz,1H),7.04(dd,J=7.3,1.2Hz,2H),7.14−7.29(m,7H),7.55(d,J=16.1Hz,1H)
【0292】
4−(4−ピリジル)カルバモイル桂皮酸エチル(化合物20−4)
【化152】

H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ1.36(t,J=7.1Hz,3H),4.29(q,J=7.1Hz,2H),6.54(d,J=16.1Hz,1H),7.62(d,J=6.3Hz,2H),7.66(d,J=8.3Hz,2H),7.71(d,J=16.1Hz,1H),7.90(d,J=8.3Hz,2H),7.95(s,1H),8.58(d,J=6.3Hz,2H)
【0293】
実施例21
(E)−3−[1−(2−フェニルアクリロイル)−4−ピペリジル]アクリル酸(化合物21−1)
【化153】

(E)−3−[1−(2−フェニルアクリロイル)−4−ピペリジル]アクリル酸エチル(0.47g,1.5mmol,化合物20−1)の1,4−ジオキサン(3ml)溶液に氷冷下、1M水酸化ナトリウム水溶液(2.3ml,2.3mmol)を加え、反応液を室温で3時間撹拌した。氷冷下、2M塩酸を加えてpHを約1とした後、酢酸エチル(15ml)で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製し、標的化合物(0.33g,77%)を無色油状物で得た。
【0294】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ1.05−1.15(m,1H),1.25−1.35(m,1H),1.61(d,J=12.0Hz,1H),1.79(d,J=13.2Hz,1H),2.42−2.50(m,1H),2.78(dd,J=12.7,10.0Hz,1H),3.01(dd,J=12.0,11.0Hz,1H),3.68(d,J=13.7Hz,1H),4.49(d,J=12.5Hz,1H),5.27(s,1H),5.72(dd,J=15.9,1.5Hz,1H),5.81(s,1H),6.76(dd,J=15.9,6.6Hz,1H),7.31−7.44(m,5H)12.20(br s,1H)
【0295】
以下、化合物24−1、化合物20−2、化合物20−3、化合物20−4および市販化合物から選択される化合物を使用し、化合物21−1の製造方法に準じた製造方法で、化合物21−2〜5を得た。
【0296】
(E)−3−(4−オキソ−3−フェニル−4H−クロメン−7−イル)アクリル酸(化合物21−2)
【化154】

H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ6.80(d,J=15.9Hz,1H),7.40−7.47(m,3H),7.60−7.62(m,2H),7.73(d,J=15.9Hz,1H),7.86(d,J=8.4Hz,1H),8.06(s,1H),8.13(d,J=8.4Hz,1H),8.58(s,1H),12.65(br s,1H)
【0297】
4−フェニルカルバモイル桂皮酸(化合物21−3)
【化155】

H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ6.68(d,J=15.9Hz,1H),7.11(t,J=7.6Hz,1H),7.37(t,J=7.6Hz,2H),7.67(d,J=15.9Hz,1H),7.79(d,J=7.6Hz,2H),7.86(d,J=8.3Hz,2H),8.00(d,J=8.3Hz,2H),10.30(s,1H),12.55(s,1H)
【0298】
4−メチル(フェニル)カルバモイル桂皮酸(化合物21−4)
【化156】

H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ3.37(s,3H),6.49(d,J=16.1Hz,1H),7.14−7.19(m,3H),7.25−7.29(m,4H),7.49(d,J=16.1Hz,1H),7.53(d,J=8.3Hz,2H),12.44(s,1H)
【0299】
4−(4−ピリジル)カルバモイル桂皮酸(化合物21−5)
【化157】

H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ6.70(d,J=15.7Hz,1H),7.66(d,J=15.7Hz,1H),7.70−8.05(m,6H),8.40−8.50(m,2H),10.66(s,1H),12.55(br s,1H)
【0300】
実施例22
(E)−3−(3,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−フェニル−2H−チオクロメン−7−イル)アクリル酸(化合物22)
【化158】

(E)−3−(3,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−フェニル−2H−チオクロメン−7−イル)アクリル酸塩化物(107mg,0.324mmol,参考化合物21)の1,4−ジオキサン(8ml)溶液に1M塩酸(3ml)を加え、室温で5時間撹拌した。反応液に水(100ml)を加え、酢酸エチル(100ml)で抽出した。有機層を水(50ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(50ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、標的化合物(63.8mg,64%)を淡黄色固体で得た。
【0301】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ3.42(dd,J=13.4,3.9Hz,1H),3.83(dd,J=13.4,11.1Hz,1H),4.23(dd,J=11.1,3.9Hz,1H),6.69(d,J=16.2Hz,1H),7.24−7.36(m,5H),7.56(d,J=16.2Hz,1H),7.58(d,J=8.3Hz,1H),7.74(s,1H),8.00(d,J=8.3Hz,1H),12.60(br s,1H)
【0302】
実施例23
(E)−3−(4−オキソ−3−フェニル−4H−チオクロメン−7−イル)アクリル酸(化合物23)
【化159】

(E)−3−(3,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−フェニル−2H−チオクロメン−7−イル)アクリル酸(53.9mg,0.174mmol,化合物22)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(172mg,0.758mmol)の混合物の1,4−ジオキサン(3ml)溶液を、窒素雰囲気下7日間加熱還流した。反応溶液を室温に戻し、析出する固体を濾去した。濾液を減圧濃縮し、残留物にクロロホルム(20ml)を加えた。析出する固体を濾取した後、1,4−ジオキサン(2ml)と酢酸エチル(3ml)の混合溶液から再結晶し、標的化合物(12.0mg,22%)を淡黄色結晶得た。
【0303】
H−NMR(400MHz,Solv.DMSO−d)δ6.80(d,J=16.4Hz,1H),7.36−7.46(m,3H),7.51−7.54(m,2H),7.68(d,J=16.4Hz,1H),7.97(d,J=8.4Hz,1H),8.29(s,1H),8.43(d,J=8.4Hz,1H),8.50(s,1H),12.65(br s,1H)
【0304】
実施例24
(E)−3−(4−オキソ−3−フェニル−4H−クロメン−7−イル)アクリル酸メチル(化合物24−1)
【化160】

窒素雰囲気下、3−フェニル−7−トリフルオロメチルスルホニルオキシ−4H−クロメン−4−オン(1.16g,3.13mmol,参考化合物8−2)、酢酸パラジウム(70.2mg,0.313mmol)、トリ(O−トリル)ホスフィン(191mg,0.626mmol)の混合物に、アセトニトリル(11ml)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.25ml,7.20mmol)、アクリル酸メチル(1.41ml,15.7mmol)を加え、80℃で一晩撹拌した。酢酸パラジウム(70.2mg,0.313mmol)、トリ(O−トリル)ホスフィン(191mg,0.626mmol)、アクリル酸メチル(1.41ml,15.7mmol)を追加し、さらに一晩撹拌した。0℃に冷却後、析出する固体を濾取した。固体をクロロホルム(50ml)に溶解し、銀色不溶物を濾去した後、濾液を濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、標的化合物(280mg,29%)を無色固体で得た。
【0305】
H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ3.85(s,3H),6.60(d,J=16.2Hz,1H),7.38−7.48(m,3H),7.55(m,4H),7.76(d,J=16.2Hz,1H),8.04(s,1H),8.32(d,J=8.5Hz,1H)
【0306】
以下、参考化合物8−3および市販化合物を使用し、化合物24−1の製造方法に準じた製造方法で、化合物24−2を得た。
【0307】
4−(2,6−ジクロロベンゾイル)桂皮酸tert−ブチル(化合物24−2)
【化161】

H−NMR(400MHz,Solv.CDCl)δ1.54(s,9H),6.46(d,J=15.9Hz,1H),7.34−7.42(m,3H),7.60(d,J=15.9Hz,1H),7.60(d,J=8.3Hz,2H),7.82(d,J=8.3Hz,2H)
【0308】
[製剤例]
本発明化合物の代表的な製剤例を以下に示す。
【0309】
1)錠剤(100mg中)
本発明化合物 1mg
乳糖 66.4mg
トウモロコシデンプン 20mg
カルボキシメチルセルロースカルシウム 6mg
ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
【0310】
上記処方の錠剤に、コーティング剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール、シリコーン樹脂等の通常のコーティング剤)2mgを用いてコーティングを施し、目的とするコーティング錠を得る。また、本発明化合物ならびに添加物の種類および量を適宜変更することにより、所望の錠剤を得ることができる。
【0311】
2)カプセル剤(150mg中)
本発明化合物 5mg
乳糖 145mg
【0312】
本発明化合物と乳糖の混合比を適宜変更することにより、所望のカプセル剤を得ることができる。
【0313】
3)点眼剤(100ml中)
本発明化合物 100mg
塩化ナトリウム 900mg
ポリソルベート80 200mg
水酸化ナトリウム 適量
塩酸 適量
滅菌精製水 適量
【0314】
本発明化合物ならびに添加剤の種類および量を適宜変更することにより、所望の点眼剤を得ることができる。
【0315】
[薬理試験]
本発明化合物の有用性を調べるため、1.ウシ線維柱帯細胞を用いたフルオレセインイソチオシアネート−デキストラン(Fluorescenin isothiocyanate−dextran、以下、FITC−デキストランという)の細胞間隙透過性作用試験、2.正常眼圧サルを用いた前房内投与による眼圧下降作用試験、3.正常眼圧サルを用いた短期頻回点眼による眼圧下降作用試験、4.正常眼圧麻酔下ネコを用いた前房内投与による眼圧下降作用試験を実施し、本発明化合物の房水循環改善作用および眼圧下降作用について検討した。
【0316】
1.ウシ線維柱帯細胞を用いたFITC−デキストランの細胞間隙透過性作用試験
【0317】
本発明化合物の線維柱帯に対する作用を確認するために、培養ウシ線維柱帯細胞を本発明化合物で処理した時の培養ウシ線維柱帯細胞のFITC−デキストラン透過性亢進作用を検討した。
【0318】
1)被験化合物溶液の調製
被験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解後、アンフォテリシンB(2.5μg/ml)およびゲンタマイシン(50μg/ml)を含むほ乳類細胞培養基本培地D−MEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium,Gibco社製、以下、培地Aとする)を加えて、所定の濃度(1×10−6〜1×10−4M)になるよう100倍希釈し、被験化合物溶液とした。
【0319】
2)試験方法
(1)ウシ胎児血清(15%)を加えた培地A(以下、培地Bとする)で培養した培養ウシ線維柱帯細胞(継代数4〜7)をトリプシン−EDTA溶液(0.25%トリプシン)で処理し、12穴トランズウェル・クリアー(transwell clear)(直径12mm,穴径0.4μm,Corning社製)のインサート側に播種(1×10cell/well)し、アウター側には培地Bを添加し、5%二酸化炭素雰囲気下、37℃で約2〜6日培養した。培地は下記の被験化合物溶液添加の2時間前に培地Aに交換した。
(2)2×10−6MFITC−デキストラン含有の被験化合物溶液をインサート側に、含有しない被験化合物溶液をアウター側に同時に添加し、前記(1)と同様の条件で培養を継続した。添加後1時間毎に3回アウター側から被験化合物溶液をサンプリングし、被験物質溶液のFITC蛍光強度を、蛍光マイクロプレートリーダー(excitation 465nm,emission 530nm)を用いて測定した。
(3)被験化合物によるFITC−デキストラン透過性亢進作用は、各被験化合物における最大FITC蛍光強度の50%を示す被験化合物濃度(EC50値)で表した。
【0320】
3)結果および考察
被験化合物として化合物8−2、化合物14−3、化合物14−4、化合物14−5、化合物14−6、化合物14−2および化合物21−3を使用した場合の試験結果[EC50]を表1に示す。表1から明らかなように本発明化合物は優れたFITC−デキストランの細胞間隙透過性亢進作用を示した。すなわち、本発明化合物は、房水循環改善剤として有用であることが認められる。
【0321】
【表1】

【0322】
2.正常眼圧サルを用いた前房内投与による眼圧下降作用試験
【0323】
1)被験化合物溶液の調製
被験化合物を水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性水溶液に溶解した後、生理食塩水を加えて所定の濃度(10−3Mまたは10−4M)に希釈し、被験化合物溶液とした。
【0324】
2)投与方法および測定方法
(1)塩酸ケタミン(5〜10mg/kg)を実験動物(カニクイザル:雄性)に筋肉内投与し、全身麻酔を施した。
(2)マイクロシリンジおよび30G針により、被験化合物溶液10μlを実験動物の片眼に前房内投与した。尚、もう一方の眼は無処置とした。
(3)被験化合物溶液の投与直前および被験化合物溶液の投与後の所定時間に圧平式眼圧計を用い、実験動物の両眼の眼圧を各々測定した。尚、各眼圧測定の直前に、0.4%塩酸オキシブプロカイン点眼液(商品名:ベノキシール0.4%液)を両眼に各々1滴点眼し、局所麻酔を施した。また、被験化合物溶液の投与直前の眼圧を初期眼圧とした。
【0325】
3)眼圧下降幅の計算式
眼圧下降幅(mmHg)=|IOP(D−t)−IOP(D−0)|
【0326】
IOP(D−t):被験化合物溶液投与t時間後の被験化合物投与眼の眼圧
IOP(D−0):被験化合物投与眼の初期眼圧
【0327】
4)結果と考察
被験化合物として化合物4、化合物8−2、化合物14−4、化合物14−5、化合物14−6、化合物15、化合物17、化合物21−3、化合物21−4および化合物21−5を使用した場合の試験結果[最大眼圧下降幅(mmHg)]を表2に示す。表2から明らかなように本発明化合物は優れた眼圧下降作用を示した。すなわち、本発明化合物は、眼圧下降剤として有用であることが認められる。
【0328】
【表2】

尚、最大眼圧下降幅は、10群2例の平均値を示す。また、化合物8−2および化合物21−3を使用した場合の被験化合物投与濃度は10−4Mとした。
【0329】
3.正常眼圧サルを用いた短期頻回点眼による眼圧下降作用試験
【0330】
1)被験化合物溶液の調製
被験化合物を水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性水溶液に溶解した後、生理食塩水を加えて所定の濃度(3%)に希釈し、被験化合物溶液とした。
【0331】
2)投与方法および測定方法
(1)被験化合物溶液の投与直前に0.4%塩酸オキシブプロカイン点眼液(商品名:ベノキシール0.4%液)を実験動物(カニクイザル:雄性)の両眼に各々1滴点眼し、局所麻酔を施し、眼圧を測定した。また、この眼圧を初期眼圧とした。
(2)ピペットマンにより、被験化合物溶液20μlを実験動物の片眼に、5分間隔で3回点眼投与した。尚、もう一方の眼は無処置とした。
(3)被験化合物溶液の投与後、所定時間に圧平式眼圧計を用い、実験動物の両眼の眼圧を各々測定した。尚、各眼圧測定の直前に、0.4%塩酸オキシブプロカイン点眼液(商品名:ベノキシール0.4%液)を両眼に各々1滴点眼し、局所麻酔を施した。
【0332】
3)眼圧下降幅の計算式
眼圧下降幅(mmHg)=|IOP(D−t)−IOP(D−0)|
【0333】
IOP(D−t):被験化合物溶液投与t時間後の被験化合物投与眼の眼圧
IOP(D−0):被験化合物投与眼の初期眼圧
【0334】
4)結果と考察
被験化合物として化合物1−1を用いた場合の試験結果[最大眼圧下降幅(mmHg)]を表3に示す。表3から明らかなように本発明化合物は優れた眼圧下降作用を示した。すなわち、本発明化合物は、眼圧下降剤として有用であることが認められる。
【0335】
【表3】

尚、最大眼圧下降幅は、1群4例の平均値を示す。
【0336】
4.正常眼圧麻酔下ネコを用いた前房内投与による眼圧下降作用試験
【0337】
1)被験化合物溶液の調製
被験化合物を水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性水溶液に溶解した後、生理食塩水を加えて所定の濃度(10−4M)に希釈し、被験化合物溶液とした。
【0338】
2)投与方法および測定方法
(1)ペントバルビタール・リンゲル混合液(12.5μg/kg/分)を実験動物(ネコ:ヨーロピアン、雄性)に点滴投与(8時間)し、全身麻酔を施した。
(2)マイクロシリンジおよび30G針により、被験化合物溶液20μlを実験動物の片眼に前房内投与した。尚、もう一方の眼は無処置とした。
(3)被験化合物の投与直前および被験化合物溶液の投与後、所定時間に圧平式眼圧計を用い、実験動物の両眼の眼圧を各々測定した。尚、各眼圧測定の直前に、0.1%塩酸オキシブプロカイン点眼液(商品名:ベノキシール0.4%液を希釈して使用)を両眼に各々1滴点眼し、局所麻酔を施した。また、被験化合物溶液の投与直前の眼圧を初期眼圧とした。
【0339】
3)眼圧下降幅の計算式
眼圧下降幅(mmHg)=|[IOP(D−t)−IOP(N−t)]−[IOP(D−0)−IOP(N−0)]|
IOP(D−t):被験化合物溶液投与t時間後の被験化合物投与眼の眼圧
IOP(N−t):被験化合物溶液投与t時間後の無処置眼の眼圧
IOP(D−0):被験化合物溶液投与直前の被験化合物投与眼の初期眼圧
IOP(N−0):被験化合物溶液投与直前の無処置眼の眼圧
【0340】
4)結果と考察
被験化合物として化合物6−3、化合物7、化合物8−1、化合物8−2、化合物16、化合物17、化合物21−2、化合物21−3、化合物22および化合物23を使用した場合の試験結果[最大眼圧下降幅(mmHg)]を表4に示す。表4から明らかなように本発明化合物は優れた眼圧下降作用を示した。すなわち、本発明化合物は、眼圧下降剤として有用であることが認められる。
【0341】
【表4】

尚、最大眼圧下降幅は、10群3〜5例の平均値を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式[I]で表される化合物またはその塩。
【化1】

[式中、環Aは炭化水素六員環または複素六員環を示し;
a1は水素原子、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される1または2個の基を示し;
a2は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、および置換または無置換アルキル基から選択される2または3個の基を示し;
a3は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、置換または無置換アリールオキシ基、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される0、1または複数の基を示し;
a4はカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アミノ基、または置換若しくは無置換複素環基を示し;
は−C(=N−Ra5)−、−CRa6a7−、−NRa8−、−O−、−S−、−SO−または−SO−を示し;
a5は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換アリールカルボニル基、カルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換アリールスルホニル基、または置換若しくは無置換アミノ基を示し;
a6およびRa7は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換低級アルキル基、あるいはカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミドを示し;
a6およびRa7は一緒になってシクロヘキサン環を形成してもよく;
a8は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基を示し;
はアルキレン基、−O−アルキレン基またはアルケニレン基を示し;
破線は単結合または二重結合を示す。]
【請求項2】
環Aがベンゼン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環またはシクロヘキサン環を示す請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
環Aがベンゼン環を示す請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項4】
環Aがピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、チオピラン環、テトラヒドロチオピラン環またはチオモルホリン環を示す請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項5】
が−C(=N−Ra5)−を示す請求項1〜4のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項6】
a5がヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、または置換若しくは無置換アリールオキシ基を示す請求項5記載の化合物またはその塩。
【請求項7】
a5がヒドロキシ基、または無置換アルコキシ基を示す請求項5または6記載の化合物またはその塩。
【請求項8】
が−CRa6a7−を示す請求項1〜4のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項9】
a6およびRa7は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基を示す請求項8記載の化合物またはその塩。
【請求項10】
a6およびRa7は同一または異なって、水素原子、ヒドロキシ基、または無置換アルコキシ基を示す請求項8または9記載の化合物またはその塩。
【請求項11】
が−SO−を示す請求項1〜4のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項12】
破線が単結合を示す請求項1〜11のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項13】
破線が二重結合を示す請求項1〜11のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項14】
a1が水素原子、無置換アルキル基および無置換アリール基から選択される1または2個の基を示し;
a2が水素原子およびヒドロキシ基から選択される2または3個の基を示し;
a3が水素原子およびハロゲン原子から選択される1または複数の基を示し;
a4がカルボキシ基若しくはそのエステル、または置換アミノ基を示し;
が−O−アルキレン基またはアルケニレン基を示す請求項1〜13のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項15】
・4−(1−メトキシイミノ−2−フェニルアリル)桂皮酸、
・4−(1−イソプロピルオキシイミノ−2−フェニルアリル)桂皮酸、
・1−[4−[(E)−3−ジメチルアミノ−1−プロペニル]フェニル]−1−メトキシイミノ−2−フェニル−2−プロペン、
・4−(1−メトキシイミノ−2−フェニルアリル)桂皮酸メチル、
・2−[2,3−ジクロロ−4−「2−エチル−1−(メトキシイミノ)アリル]フェノキシ]酢酸メチル、
・2−[2,3−ジクロロ−4−[2−エチル−1−(ヒドロキシイミノ)アリル]フェノキシ]酢酸、
・2−[2,3−ジクロロ−4−(1−ヒドロキシイミノ−2−メチルブチル)フェノキシ]酢酸、
・2−[2,3−ジクロロ−4−[2−エチル−1−(メトキシイミノ)アリル]フェノキシ]酢酸、
・4−(1−フェニルビニルスルホニル)桂皮酸エチル、
・4−(1−フェニルビニルスルホニル)桂皮酸tert−ブチル、
・4−(2−ヒドロキシ−1−フェニルエチルスルホニル)桂皮酸、
・4−(1−フェニルビニルスルホニル)桂皮酸、
・4−(1−ヒドロキシ−2−フェニルアリル)桂皮酸、
・2−[2,3−ジクロロ−4−(2−エチル−1−ヒドロキシアリル)フェノキシ]酢酸、
・2−[2,3−ジクロロ−4−(2−エチル−1−ヒドロキシアリル)フェノキシ]酢酸エチル、
・2−[2,3−ジクロロ−4−(2−エチル−1−ヒドロキシアリル)フェノキシ]酢酸メチル、
・4−(1−アセトキシ−2−フェニルアリル)桂皮酸、
・4−(1−メトキシ−2−フェニルアリル)桂皮酸、
・2−[2,3−ジクロロ−4−(1−ヒドロキ−2−メチルブチル)フェノキシ]酢酸メチル、および、
・2−[4−(1−クロロ−2−メチルブチル)−2,3−ジクロロフェノキシ]酢酸メチルから選択される化合物またはその塩。
【請求項16】
下記一般式[II]で表される化合物またはその塩。
【化2】

[式中、環Bは炭化水素六員環または複素六員環を示し;
b1およびRb2は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、または置換若しくは無置換アルキル基を示し;
b3およびRb4は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、置換または無置換アリールオキシ基、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される0、1または複数の基を示し;
b5はカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アミノ基、または置換若しくは無置換複素環基を示し;
は−CO−、−C(=N−Rb6)−、−CRb7b8−、−NRb9−、−O−、−S−、−SO−または−SO−を示し;
b6は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換アリールカルボニル基、カルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換アリールスルホニル基、または置換若しくは無置換アミノ基を示し;
b7およびRb8は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換低級アルキル基、あるいはカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミドを示し;
b7およびRb8は一緒になってシクロヘキサン環を形成してもよく;
b9は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基を示し;
はアルキレン基、−O−アルキレン基またはアルケニレン基を示し;
nは0または1を示す。]
【請求項17】
環Bがベンゼン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環またはシクロヘキサン環を示す請求項16記載の化合物またはその塩。
【請求項18】
環Bがベンゼン環を示す請求項16記載の化合物またはその塩。
【請求項19】
環Bがピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、チオピラン環、テトラヒドロチオピラン環またはチオモルホリン環を示す請求項16記載の化合物またはその塩。
【請求項20】
が−CO−を示す請求項16〜19のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項21】
b1、Rb2、Rb3およびRb4が水素原子を示し;
b5がカルボキシ基またはそのエステルを示し;
がアルケニレン基を示す請求項16〜20のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項22】
・(E)−3−(2−メチレン−1−オキソ−5−インダニル)アクリル酸メチル、
・(E)−3−(2−メチレン1−オキソ−5−インダニル)アクリル酸、および、
・(E)−3−(2−メチレン−1−オキソテトラロン−6−イル)アクリル酸から選択される化合物またはその塩。
【請求項23】
下記一般式[III]で表される化合物またはその塩。
【化3】

[式中、環Cは炭化水素六員環または複素六員環を示し;
c1およびRc2は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、置換または無置換アリールオキシ基、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される0、1または複数の基を示し;
c3はカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アミノ基、または置換若しくは無置換複素環基を示し;
は、−CO−、−C(=N−Rc4)−、−CRc5c6−、−NRc7−、−O−、−S−、−SO−または−SO−を示し;
c4は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換アリールカルボニル基、カルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換アリールスルホニル基、または置換若しくは無置換アミノ基を示し;
c5およびRc6は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換低級アルキル基、あるいはカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミドを示し;
c5およびRc6は一緒になってシクロヘキサン環を形成してもよく;
c7は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基を示し;
はアルキレン基、−O−アルキレン基またはアルケニレン基を示す。]
【請求項24】
環Cがベンゼン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環またはシクロヘキサン環を示す請求項23記載の化合物またはその塩。
【請求項25】
環Cがベンゼン環を示す請求項23記載の化合物またはその塩。
【請求項26】
環Cがピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、チオピラン環、テトラヒドロチオピラン環またはチオモルホリン環を示す請求項23記載の化合物またはその塩。
【請求項27】
が−CO−を示す請求項23〜26のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項28】
が−CRc5c6−を示す請求項23〜26のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項29】
c5およびRc6は同一または異なって、水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、または置換若しくは無置換アリールオキシ基を示す請求項28記載の化合物またはその塩。
【請求項30】
c5およびRc6は同一または異なって、水素原子、ヒドロキシ基または無置換アルコキシ基を示す請求項28または29記載の化合物またはその塩。
【請求項31】
c1が無置換アリール基を示し;
c2が水素原子を示し;
c3がカルボキシ基を示し;
がアルケニレン基を示す請求項23〜30のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項32】
・4−(2−フェニル−2−オキシラニルカルボニル)桂皮酸、および、
・4−メトキシ(2−フェニル−2−オキシラニル)メチル桂皮酸から選択される化合物またはその塩。
【請求項33】
下記一般式[IV]で表される化合物またはその塩。
【化4】

[式中、環Dは炭化水素六員環または複素六員環を示し;
d1は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アミノ基、または置換若しくは無置換アリール基を示し;
d2およびRd5は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、置換または無置換アリールオキシ基、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される0、1または複数の基を示し;
d3およびRd4は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、または置換若しくは無置換アルキル基を示し;
d6はカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アミノ基、または置換若しくは無置換複素環基を示し;
はアルキレン基、−O−アルキレン基またはアルケニレン基をを示す。]
【請求項34】
環Dがベンゼン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環またはシクロヘキサン環を示す請求項33記載の化合物またはその塩。
【請求項35】
環Dがベンゼン環を示す請求項33記載の化合物またはその塩。
【請求項36】
環Dがピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、チオピラン環、テトラヒドロチオピラン環またはチオモルホリン環を示す請求項33記載の化合物またはその塩。
【請求項37】
d1がヒドロキシ基または無置換アリール基を示し;
d2、Rd3、Rd4およびRd5が水素原子を示し;
d6がカルボキシ基を示し;
がアルケニレン基を示す請求項33〜36のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項38】
・4−[2−(4−ベンゾイルフェニル)アクリロイル]桂皮酸、および、
・4−「2−(4−カルボキシフェニル)アクリロイル]桂皮酸から選択される化合物またはその塩。
【請求項39】
下記一般式[V]で表される化合物またはその塩。
【化5】

[式中、環Eは複素六員環を示し;
e1は水素原子、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基を示し;
e2およびRe3は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、または置換若しくは無置換アルキル基を示し;
e4は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、置換または無置換アリールオキシ基、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される0、1または複数の基を示し;
e5はカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アミノ基、または置換若しくは無置換複素環基を示し;
はアルキレン基、−O−アルキレン基またはアルケニレン基を示す。]
【請求項40】
環Eがピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、チオピラン環、テトラヒドロチオピラン環またはチオモルホリン環を示す請求項39記載の化合物またはその塩。
【請求項41】
環Eがピペリジン環を示す請求項39記載の化合物またはその塩。
【請求項42】
e1が無置換アリール基を示し;
e2、Re3およびRe4が水素原子を示し;
e5がカルボキシ基またはそのエステルを示し;
がアルケニレン基を示す請求項39〜41のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項43】
・(E)−3−[1−(2−フェニルアクリロイル)−4−ピペリジル]アクリル酸エチル、および、
・(E)−3−[1−(2−フェニルアクリロイル)−4−ピペリジル]アクリル酸から選択される化合物またはその塩。
【請求項44】
下記一般式[VI]で表される化合物またはその塩。
【化6】

[式中、環Fは炭化水素六員環を示し;
f1は水素原子、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基を示し;
f2およびRf3は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、または置換若しくは無置換アルキル基を示し;
f4は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、および置換若しくは無置換アリール基から選択される1または複数の基を示し;
f5は置換若しくは無置換複素環基を示し;
はアルキレン基、−O−アルキレン基またはアルケニレン基を示す。]
【請求項45】
環Fがベンゼン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環またはシクロヘキサン環を示す請求項44記載の化合物またはその塩。
【請求項46】
環Fがベンゼン環を示す請求項44記載の化合物またはその塩。
【請求項47】
f1が無置換アリール基を示し;
f2、Rf3およびRf4が水素原子を示し;
f5がモルホリン環またはピペラジン環を示し;
がアルケニレン基を示す請求項44〜46のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項48】
・1−[4−[(E)−3−モルホリノ−1−プロペニル]フェニル]−2−フェニル−2−プロペン−1−オン、および、
・1−[4−[(E)−3−(4−メチルピペラジノ)−1−プロペニル]フェニル]−2−フェニル−2−プロペン−1−オンから選択される化合物またはその塩。
【請求項49】
請求項1〜48のいずれかに記載の化合物またはその塩を含有する医薬組成物。
【請求項50】
請求項1〜48のいずれかに記載の化合物またはその塩を有効成分とする房水循環改善剤。
【請求項51】
請求項1〜48のいずれかに記載の化合物またはその塩を有効成分とする眼圧下降剤。
【請求項52】
下記一般式[VII]で表される化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【化7】

[式中、環Gは炭化水素六員環または複素六員環を示し;
g1およびRg2は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、置換または無置換アリールオキシ基、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される0、1または複数の基を示し;
g3はカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アミノ基、または置換若しくは無置換複素環基を示し;
は−CO−、−C(=N−Rg4)−、−CRg5g6−、−NRg7−、−O−、−S−、−SO−または−SO−を示し;
g4は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換アリールカルボニル基、カルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換アリールスルホニル基、または置換若しくは無置換アミノ基を示し;
g5およびRg6は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換低級アルキル基、あるいはカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミドを示し;
g5およびR6は一緒になってシクロヘキサン環を形成してもよく;
g7は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基を示し;
はアルキレン基、−O−アルキレン基またはアルケニレン基を示し;
は−S−または−O−を示し;
破線は単結合または二重結合を示す。]
【請求項53】
環Gがベンゼン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環またはシクロヘキサン環を示す請求項52記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項54】
環Gがベンゼン環を示す請求項52記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項55】
環Gがピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、チオピラン環、テトラヒドロチオピラン環またはチオモルホリン環を示す請求項52記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項56】
が−CO−を示す請求項52〜55のいずれかに記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項57】
g1およびRg2が同一または異なって、水素原子および無置換アリール基から選択される1または複数の基を示し;
g3がカルボキシ基またはそのエステルを示し;
がアルケニレン基を示す請求項52〜56のいずれかに記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項58】
・(E)−3−(3,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−フェニル−2H−チオクロメン−7−イル)アクリル酸、
・(E)−3−(4−オキソ−3−フェニル−4H−チオクロメン−7−イル)アクリル酸、
・(E)−3−(4−オキソ−3−フェニル−4H−クロメン−7−イル)アクリル酸、
・(E)−3−(4−オキソ−3−フェニル−4H−クロメン−7−イル)アクリル酸メチルから選択される化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項59】
下記一般式[VIII]で表される化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【化8】

[式中、環Hは炭化水素六員環または複素六員環を示し;
h1およびRh2は同一または異なって、水素原子、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基、または置換若しくは無置換複素環基を示し;
h3は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、置換または無置換アリールオキシ基、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される0、1または複数の基を示し;
h4はカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アミノ基、または置換若しくは無置換複素環基を示し;
は−CO−、−C(=N−Rh5)−、−CRh6h7−、−O−、−S−、−SO−または−SO−を示し;
h5は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換アリールカルボニル基、カルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換アリールスルホニル基、または置換若しくは無置換アミノ基を示し;
h6およびRh7は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換低級アルキル基、あるいはカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミドを示し;
h6およびRh7は一緒になってシクロヘキサン環を形成してもよく;
はアルキレン基、−O−アルキレン基またはアルケニレン基を示す。]
【請求項60】
環Hがベンゼン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環またはシクロヘキサン環を示す請求項59記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項61】
環Hがベンゼン環を示す請求項59記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項62】
環Hがピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、チオピラン環、テトラヒドロチオピラン環またはチオモルホリン環を示す請求項59記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項63】
が−CO−を示す請求項59〜62のいずれかに記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項64】
h1およびRh2が同一または異なって、水素原子、置換若しくは無置換アルキル基、無置換アリール基または無置換複素環基を示し;
h3が水素原子を示し;
h4がカルボキシ基またはそのエステルを示し;
が−O−アルキレン基またはアルケニレン基を示す請求項59〜63のいずれかに記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項65】
・4−フェニルカルバモイル桂皮酸エチル、
・4−メチル(フェニル)カルバモイル桂皮酸エチル、
・4−(4−ピリジル)カルバモイル桂皮酸エチル、
・4−フェニルカルバモイル桂皮酸
・4−メチル(フェニル)カルバモイル桂皮酸
・4−(4−ピリジル)カルバモイル桂皮酸、
・4−ベンジルカルバモイル桂皮酸、
・4−ベンジルカルバモイル桂皮酸エチル、および、
・4−メチル(4−ピリジル)カルバモイル桂皮酸エチルから選択される化合物またはその塩を含む医薬組成物を含む医薬組成物。
【請求項66】
下記一般式[IX]で表される化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【化9】

[式中、環Iは炭化水素六員環または複素六員環を示し;
i1およびRi2は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、置換または無置換アリールオキシ基、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される0、1または複数の基を示し;
i3はカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アミノ基、または置換若しくは無置換複素環基を示し;
は−CO−、−C(=N−Ri4)−、−CRi5i6−、−NRi7−、−O−、−S−、−SO−または−SO−を示し;
i4は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換アリールカルボニル基、カルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換アリールスルホニル基、または置換若しくは無置換アミノ基を示し;
i5およびRi6は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換低級アルキル基、あるいはカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミドを示し;
i5およびRi6は一緒になってシクロヘキサン環を形成してもよく;
i7は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基を示し;
はアルキレン基、−O−アルキレン基またはアルケニレン基を示す。]
【請求項67】
環Iがベンゼン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環またはシクロヘキサン環を示す請求項66記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項68】
環Iがベンゼン環を示す請求項66記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項69】
環Iがピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、チオピラン環、テトラヒドロチオピラン環またはチオモルホリン環を示す請求項66記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項70】
が−CO−を示す請求項66〜69のいずれかに記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項71】
i1およびRi2が同一または異なって、水素原子およびハロゲン原子から選択される1または複数の基を示し;
i3がカルボキシ基またはそのエステルを示し;
がアルケニレン基を示す請求項66〜70のいずれかに記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項72】
・4−(2,6−ジクロロベンゾイル)桂皮酸、および、
・4−(2,6−ジクロロベンゾイル)桂皮酸tert−ブチルから選択される化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項73】
下記一般式[X]で表される化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【化10】

[式中、環Jは炭化水素六員環または複素六員環を示し;
j1は水素原子、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される1または2個の基を示し;
j2は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、および置換または無置換アルキル基から選択される2または3個の基を示し;
j3は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換または無置換アルコキシ基、置換または無置換アリールオキシ基、置換または無置換アルキル基、および置換または無置換アリール基から選択される1または複数の基を示し;
j4はカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミドを示し;
およびYは同一または異なって、−CO−、−C(=N−Rj5)−、−CRj6j7−、−NRj8−、−O−、−S−、−SO−または−SO−を示し;
は−O−または−S−を示し;
j5は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換アリールカルボニル基、カルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミド、置換若しくは無置換アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換アリールスルホニル基、または置換若しくは無置換アミノ基を示し;
j6およびRj7は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換低級アルキル基、あるいはカルボキシ基またはそのエステル若しくはそのアミドを示し;
j6およびRj7は一緒になってシクロヘキサン環を形成してもよく;
j8は水素原子、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換アルコキシ基、置換若しくは無置換アリールオキシ基、置換若しくは無置換アルキル基、または置換若しくは無置換アリール基を示し;
破線は単結合または二重結合を示す。]
【請求項74】
環Jがベンゼン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環またはシクロヘキサン環を示す請求項73記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項75】
環Jがベンゼン環を示す請求項73記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項76】
環Jがピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、チオピラン環、テトラヒドロチオピラン環またはチオモルホリン環を示す請求項73記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項77】
が−CO−を示す請求項73〜76のいずれかに記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項78】
が−CO−を示す請求項73〜76のいずれかに記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項79】
が−O−を示す請求項73〜78のいずれかに記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項80】
j1が無置換アルキル基を示し;
j2およびRj3が水素原子を示し;
j4がカルボキシ基を示し;
破線が二重結合を示す請求項73〜79のいずれかに記載の化合物またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項81】
・6−(2−メチレンブチリル)−4−オキソ−4H−2−クロメンカルボン酸またはその塩を含む医薬組成物。
【請求項82】
請求項52〜81のいずれかに記載の化合物またはその塩を有効成分とする房水循環改善剤。
【請求項83】
請求項52〜81のいずれかに記載の化合物またはその塩を有効成分とする眼圧下降剤。

【公開番号】特開2007−297283(P2007−297283A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−245985(P2004−245985)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000177634)参天製薬株式会社 (177)
【Fターム(参考)】