説明

欠陥検査方法および欠陥検査装置

【課題】等速自在継手用ブーツ等の成形部品の欠陥を安定して効率的にしかも安価に検出することができる欠陥検出方法及び欠陥検出装置を提供する。
【解決手段】軸方向両端部に開口部を有し、かつこの開口部に外径側に突出する突起部2を設けた弾性材料からなる筒状の成形部品30における欠陥を検査する。軸心廻りに回転している成形部品に対してその突起部2の突起量を検出する。その後、その検出した測定データから成形部品30の回転振れ及び変形に基づく変位を修正した修正データを算出する。次に、設定された欠陥判断基準となる閾値と修正データとの比較と、設定された区間内での修正データの傾きの正常値との比較とを行う。これらの比較に基づいて成形部品の欠陥を検査する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂やゴム材料を用いて成形された薄肉部分を有する部品に発生する穴開き欠陥を検出する方法および検査装置に関し、特に、自動車のエンジンの動力をタイヤに伝える働きをする等速自在継手の稼動部をカバーするブーツの製造工程で、薄肉及び異物混入等が原因となり発生する穴開き欠陥の検出方法及び検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、軸線が一致しないで、ある角度をもった二軸の接続には、ユニバーサルジョイント(自在軸継手)が必要であって、このうち、主動軸の角速度を変化なく常に等しい角速度で従動軸に回転を伝える等速ジョイント(等速自在継手)は、車両の駆動系などに多く使用されている。
【0003】
自動車や産業機械の等速自在継手には、継手内部に封入されるグリースを保持するため、あるいは塵等の進入を防止するためにブーツと称される密封装置が装着される。等速自在継手用ブーツに要求される一般的性質としては、等速自在継手の揺動や摺動の動きに対応する追従性、外界から侵入する粉塵や泥水に対するシール性、及び駆動系から伝達される振動に対する耐衝撃性、さらには、グリースに対する耐油性、耐低温性、耐熱性、耐熱老化性、及び耐摩耗性が要求される。
【0004】
これらの諸性質の中で、追従性、シール性、耐衝撃性、低コスト性の要求を基本的に満たす材料としては、従来ジエン系ゴムの一つとしてクロロプレンゴムが知られている。また、近年になって、耐衝撃性の向上、使用温度範囲の拡大、さらに軽量化の目的から射出成形が可能な熱可塑性エラストマー、特に耐油性、耐熱老化性に優れたポリエステル系またはポリアミド系のエラストマーが使用される。
【0005】
熱可塑性ポリエステルエラストマーを使用するブーツ成形体の製造は、一般に、ダイレクト・ブロー法やインジェクション・ブロー法などの吹き込み成形によって行われている。しかし、これらの吹き込み成形法による場合は、次のような問題がある。たとえば、スクリューなどで押し出された筒状パリソンを金型内で膨張させることにより成形品を得るダイレクト・ブロー法の場合、押出しパリソンの肉厚をコントロールするパリソンコントロールを使用しても、なおこの種のジャバラ成形体の成形においては、山部と谷部の肉厚の不均一が発生する。また、溶融樹脂を射出して管状成形体を作り、これに空気を吹き込んで成形体を得るインジェクション・ブロー法の場合でも、やはり成形品内面の寸法精度を上げることは非常に難しい。ここで、ブーツ成形体の肉厚不均一は、機能面において重要な問題であり、耐久寿命に多大の影響を与えるものである。
【0006】
また、ブーツの肉厚が不均一となることにより、本来充填されるべき箇所へ成形材料が充填されておらず、欠けや欠肉といった成形不良品が発生することになる。
【0007】
ところで、等速自在継手用ブーツが装着される等速自在継手は、図20に示すように、内径面31に複数のトラック溝32が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された外側継手部材33と、外径面34に外側継手部材33のトラック溝32と対をなす複数のトラック溝35が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された内側継手部材36と、外側継手部材33のトラック溝32と内側継手部材36のトラック溝35との間に介在してトルクを伝達する複数のボール37と、外側継手部材33の内径面31と内側継手部材36の外径面34との間に介在してボール37を保持するケージ38とを備えている。ケージ38には、ボール37が収容されるポケット39が周方向に沿って複数配設されている。
【0008】
また、内側継手部材36はシャフト嵌入用孔部40が設けられ、このシャフト嵌入用孔部40の内径面に雌スプライン40aが形成されている。内側継手部材36のシャフト嵌入用孔部40にシャフト41の端部雄スプライン41aが嵌入され、この端部雄スプライン41aが内側継手部材36の雌スプライン40aに嵌合する。
【0009】
そして、等速自在継手用ブーツ50にて継手内部が密封されて、継手内部には、潤滑剤としてグリースが封入されている。等速自在継手用ブーツ50は、大径部50aと、小径部50bと、大径部50aと小径部50bとを連結する蛇腹部50cとからなる。
【0010】
大径部50aの外径面には周方向凹溝51が形成され、大径部50aが外側継手部材33の開口部に外嵌された状態で、前記周方向凹溝51にブーツバンド52が装着され、このブーツバンド52にて大径部50aを締め付けることによって、大径部50aを外側継手部材33の開口部に外嵌固定することができる。また、等速自在継手用ブーツ50の小径部50bの外径面には周方向凹溝53が形成され、小径部50bがシャフト41のブーツ装着部41bに外嵌された状態で、前記周方向凹溝53にブーツバンド52が装着され、このブーツバンド52にて小径部50bを締め付けることによって、小径部50bをシャフト41のブーツ装着部41bに外嵌固定することができる。
【0011】
すなわち、外側継手部材33の開口側においては、開口部外径面とブーツの大径部内径面との幾何公差及びバンド52による締め付けにて固定され、シャフト41のブーツ装着部41b側においては、シャフト41のブーツ装着部41bの外径面とブーツの小径部内径面との幾何公差及びバンド52による締め付けにて固定される。
【0012】
ところが、等速自在継手の回転、可動部の動き等によって、ブーツバンドが外れるおそれがある。ブーツバンドが外れれば、等速自在継手用ブーツが外れ、グリースの継手外部への流出、粉塵や汚水等の継手内部への侵入が発生することになる。このようなことが生じれば、等速自在継手の寿命の低下を招くことになる。そこで、従来においては、このブーツバンドの外れを防止するために、ブーツ開口部、つまり大径部や小径部に、回転軸と直角をなす外径方向に突出する突起部を設けたものがある(特許文献1)。
【0013】
しかしながら、このような突起部を形成しようとした場合、前記したように熱可塑性ポリエラストマーを使用するブーツでは、突起部に欠けや欠肉が生じたりするおそれがある。このように突起部に欠けや欠肉が生じた場合、ブーツバンドの外れを招くことになる。そこで、ブーツ成形後の外観検査が必須となる。
【0014】
ところで、従来には、半導体基板の欠けを検査する検査装置において、レーザ変位センサを用いるものがある(特許文献2)。この特許文献2に記載の検査装置は、円盤状の半導体基板を回転チャックに搭載して、この半導体基板をその中心廻りに回転させる。そして、その状態で、反射型のレーザ変位センサから回転している半導体基板の周端部にレーザ光を照射することによって、半導体基板の周端部に形成された欠けを検出するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2002−213484号公報
【特許文献2】特開平5−206237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
前記したように、等速自在継手用ブーツにおいて突起部を設けたものでは、突起部に欠けや欠肉が生じていないかブーツ成形後の外観検査が必須となる。しかしながら、目視による外観検査では、突起部の欠けや欠肉等を検出することができるが、作業性が悪く検査に掛かるコストが大となっていた。
【0017】
また、前記特許文献2等に記載の検査装置を用いて、突起部を有する等速自在継手用ブーツを検査する場合、回転チャック上に等速自在継手用ブーツを載置し、回転チャックを回転させることによって、等速自在継手用ブーツを回転させることになる。しかしながら、このような検査装置を用いて検査を行えば、この回転しているブーツに対して、レーザ変位センサからレーザ光を照射することになる。
【0018】
しかしながら、このような装置を用いると、回転チャック(回転台)に等速自在継手用ブーツを保持させた状態で、回転チャックをその軸心廻りに回転させるので、回転台および等速自在継手用ブーツの回転振れや等速自在継手用ブーツの変形等により、レーザ変位センサと等速自在継手用ブーツとの距離が一定に維持できない場合がある。このように、レーザ変位センサと等速自在継手用ブーツとの距離が一定でない場合、良品にかかわらず、不良品と判定したり、逆に、不良品にかかわらず、良品と判定したりするおそれがある。
【0019】
そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、等速自在継手用ブーツ等の成形部品の欠陥を安定して効率的にしかも安価に検出することができる欠陥検出方法及び欠陥検出装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の欠陥検出方法は、軸方向両端部に開口部を有し、かつこの開口部に外径側に突出する突起部を設けた弾性材料からなる筒状の成形部品における欠陥を検査する欠陥検査方法であって、軸心廻りに回転している前記成形部品に対してその突起部の突起量を測定した後、その測定した測定データから成形部品の回転振れ及び変形に基づく変位を修正した修正データを算出し、次に、設定された欠陥判断基準となる閾値と前記修正データとを比較する第1良否判断と、設定された区間内での前記修正データの傾きの正常値と比較する第2良否判断とを行い、これらの比較に基づいて成形部品の欠陥を検査するものである。
【0021】
本発明の欠陥検出方法によれば、欠陥判断基準となる閾値と比較するのは、測定データから成形部品の回転振れ及び変形に基づく変位を修正した修正データであるので、この比較に基づく欠陥判断は精度のよいものとなる。
【0022】
ところで、修正データのある範囲においては、正常形状の突起部であれば、修正データの波形における傾きは「正」または「負」で一定となる。しかしながら、突起部の一部に欠肉または欠け欠陥等が生じている場合、この傾きが安定せず、傾きが「正」と「負」が混在する波形を得ることになる。このため、修正データの傾きを正規の傾きと比較することにより、欠肉や欠け欠陥等を検出することができる。
【0023】
修正データを得るには、例えば、前記測定データをFFTした後、定数項及び第1次と第2次の周波数成分の係数を除き、IFFTを行うことにより、成形部品の回転振れ及び変形に基づく変位を修正するようにすればよい。
【0024】
第1良否判断としては、欠陥を有さない正常状態の成形部品における突起部の最小値と突起部の最大値との差に基づいて前記閾値を設定し、検査対象品の成形部品における突起部の最小の測定値と突起部の最大の測定値との差を算出し、この算出値と前記閾値を比較するものであってもよい。
【0025】
第2良否判断としては、設定された区間内での修正データの傾きを検出し、異なった傾きが含まれる場合に欠陥品とすることができる。
【0026】
前記欠陥検査方法を用いて前記等速自在継手用ブーツの欠陥検査を行うことができる。また、等速自在継手用ブーツとして、前記欠陥検査方法を用いて欠陥検査を行ってなるものであってもよい。
【0027】
本発明の欠陥検査装置は、軸方向両端部に開口部を有し、かつこの開口部に外径側に突出する突起部を設けた弾性材料からなる筒状の成形部品における欠陥を検査する欠陥検査装置であって、前記成形部品をその軸心廻りに回転させる回転駆動機構と、前記回転駆動機構にてその軸心廻りに回転している成形部品の突起部の突起量を検出する検出手段と、前記検出手段にて検出された検出値から成形部品の回転振れ及び変形に基づく誤差を修正するデータ解析手段と、設定された欠陥判定基準となる閾値と、前記データ解析手段にて修正された修正データとを比較して良否を判断する第1良否判断手段と、設定された区間内での前記修正データの傾きが正常か否かを判断する第2良否判断手段と、前記第1良否判断手段及び第2良否判断手段の判断に基づいて成形部品の欠陥を検出する欠陥判定手段とを備えたものである。
【0028】
本発明の欠陥検査装置によれば、回転駆動機構にて成形部品をその軸心廻りに回転させることができ、この回転中に、検出手段にて成形部品の開口部の突起部の突起量を検出(測定)することができる。そして、この検出手段にて測定した検出データをデータ解析手段にて修正した修正データを得ることができる。ここで、修正データは、成形部品の回転振及び変形を基づく誤差を修正するものである。
【0029】
第1良品判断手段では、予め設定された欠陥判定基準となる閾値と、前記修正データとを比較して、良否を判断することができる。すなわち、閾値の範囲を越えていれば、不良と判断でき、閾値の範囲内であれば、良品と判断できる。また、第2判断手段では、設定された区間内での修正データの傾きが正常か否かを判定する。すなわち、欠肉や欠け欠陥が形成されている場合、修正データの傾きが「正」と「負」が混在する波形を得ることになる。このため、修正データの傾きを正規の傾きと比較することにより、欠肉や欠け欠陥等を検出することができる。
【0030】
判定手段では、第1良品判断手段の判断と第2良品判断手段の判断とに基づいて、成形部品が製品として否かを判定することができる。この場合、第1良品判断手段及び第2良品判断手段にて良と判断したものを製品として良とすることができる。
【0031】
しかも、第1良品判断手段の判断と第2良品判断手段の判断とは、修正データに基づくものであるので、比較に基づく欠陥判断は精度のよいものとなる。
【0032】
回転駆動機構は、前記成形部品を固定する固定機構を備えたものが好ましい。このように固定機構を備えたものでは、回転駆動機構による成形部品の回転が安定する。
【0033】
固定機構は、各開口端面に接触して成形部品を挟持する一対の押圧面と、各押圧面から突出して各開口部に嵌合される軸部とを備え、各軸部が開口部に嵌合して一対の押圧面にて挟持された状態で、前記検出手段による突起部の検出が可能な位置で成形部品が保持されるもので構成できる。
【0034】
前記回転駆動機構は、前記固定機構にて成形部品を保持した状態で成形部品をその軸心廻りに回転させることができる。
【0035】
前記検出手段に、レーザ光投光部とレーザ光受光部を備え、レーザ光の透過量による変位を測定する透過型レーザ変位計を用いたり、レーザ光投光部からのレーザ光を被検査対象物に投光し、この被検査対象物にて反射されたレーザ光をレーザ光受光部で受けて、反射により変位を測定する反射型レーザ変位計を用いたりできる。
【0036】
前記成形部品が等速自在継手用ブーツであって、前記欠陥検査装置を用いてこの等速自在継手用ブーツの欠陥検査を行うことができる。このため、等速自在継手用ブーツとして、前記欠陥検査装置を用いて欠陥検査を行ってなるものとすることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明では、検査中の回転振れや変形等に影響を受けることなく、定量的に成形部品の両開口部の突起部に発生する欠けや欠肉といった成形不良品の検出が可能となる。
【0038】
修正データとしては、FFT及びIFFTを用いることができ、成形部品の回転振れ及び変形に基づく変位を安定して修正することができ、高精度の判定を行うことができる。特に、第1良品判断手段の判断と第2良品判断手段の判断とに基づいて良否を判定することができ、高精度の判定を行うことができる。
【0039】
回転駆動機構が固定機構を備えたものでは、回転駆動機構による成形部品の回転が安定して、より高精度の判定を行うことができる。また、固定機構が一対の押圧面を備えたものでは、より安定した回転を得ることができ、安定した良否判定を行うことができる。
【0040】
本発明の等速自在継手用ブーツによれば、前記欠陥検査装置にて欠陥の検査が行われたものであり、不良品が出荷されることがない。このため、安定した性能を発揮できる等速自在継手用ブーツとなる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態を示す欠陥検査装置の簡略図である。
【図2】前記欠陥検査装置にて検査される成形部品である等速自在継手用ブーツの簡略正面図である。
【図3】前記図2に示す等速自在継手用ブーツの簡略平面図である。
【図4】前記図2に示す等速自在継手用ブーツの要部拡大断面図である。
【図5】前記図1に示す欠陥検査装置の制御部の簡略ブロック図である。
【図6】前記図1に示す欠陥検査装置を用いた検査方法を示し、(a)は等速自在継手用ブーツ固定直前の状態の簡略図であり、(b)は等速自在継手用ブーツ固定状態の簡略図である。
【図7】透過型レーザ変位計を用いて突起部の突起量を測定している状態の簡略図である。
【図8】本発明の検査方法を示すフローチャート図である。
【図9】透過型レーザ変位計にて測定した突起量のグラフ図である。
【図10】データ解析手段にて修正した修正データのグラフ図である。
【図11】第1良否判断手段にて判断する方法を示すグラフ図である。
【図12】第2良否判断手段にて判断する方法を示すグラフ図である。
【図13】突起部を有さない真円形状の被検査物を偏芯がない状態で透過型レーザ変位計にて測定している状態の簡略図である。
【図14】突起部を有さない真円形状の被検査物を偏芯させた状態で透過型レーザ変位計にて測定している状態の簡略図である。
【図15】真円形状の被検査物が変形した状態で透過型レーザ変位計にて測定している状態の簡略図である。
【図16】前記図13に示す状態での透過型レーザ変位の出力波形図である。
【図17】前記図14に示す状態での透過型レーザ変位の出力波形図である。
【図18】前記図15に示す状態での透過型レーザ変位の出力波形図である。
【図19】反射型レーザ変位計の簡略図である。
【図20】等速自在継手用ブーツが装着されている等速自在継手の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下本発明の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。
【0043】
図1に本発明にかかる欠陥検出装置を示す。この欠陥検出装置は成形部品、例えば、等速自在継手用ブーツ1の欠陥を有するか否かを検出する装置である。等速自在継手用ブーツ1は、例えば、ゴムや樹脂等の弾性部材からなり、大径部1aと、小径部1bと、大径部1aと小径部1bとの間の蛇腹部1cとからなる。
【0044】
大径部1a及び小径部1bには、バンド抜け防止用突起(突起部)2が設けられている。大径部1aの突起部2は、大径部1aの開口端外径部に周方向に沿って90°ピッチで配設され、小径部1bの突起部2は、小径部1bの開口端外径部に周方向に沿って120°ピッチで配設される。また、各突起部2は、図3に示すように、円弧状をなす。
【0045】
欠陥検出装置は、回転台5を有する装置本体10と、この回転台5に対向して回転台5の上方に配置される押付部材6とを備える。押付部材6は図示省略の上下動機構を介して、上下動する。また、この上下動機構による押付部材の上下動のタイミング及び上下動量は、本装置の制御を行う制御部11で制御される。
【0046】
この場合、回転台5の上面に等速自在継手用ブーツ1の大径部1aが載置され、この載置された状態で、この回転台5の上面から突出した嵌合軸部8(図6(a)参照)が大径部1aに嵌入(嵌合)する。
【0047】
また、図6に示すように、押付部材6の下面には押付軸7が垂下されている。この押付軸7は押付部材側のボス部7aと、このボス部7aから突出される小径の嵌合軸部7bとからなる。すなわち、図6(a)に示す状態から、図6(b)に示すように、押付部材6を矢印のように、下降させることによって、回転台5の上面に立設されている等速自在継手用ブーツ1に対してその小径部1bに嵌合軸部7bが嵌入することになる。この場合、嵌合軸部7bが小径部1bに嵌入されることによって、ボス部7aと嵌合軸部7bとの間の段付面が小径部1bの開口端に当接する。このため、この当接した状態からさらに押付部材6を下降させると、ブーツ1を軸方向に圧縮することができる。
【0048】
すなわち、ボス部7aと嵌合軸部7bとの間の段付面がブーツ1の小径部1bの開口端面13を押圧する押圧面3となり、回転台5の上面がブーツ1の大径部1aの開口端面14を押圧する押圧面4となる。
【0049】
ところで、この検出装置は、成形部品である等速自在継手用ブーツ1をその軸心廻りに回転させる回転駆動機構Mを備える。この回転駆動機構Mは、成形部品を載置する回転台5と、この回転台5を回転させてこの回転台5に固定されている等速自在継手用ブーツ1を軸心廻りに回転させる駆動機構(図示省略)とを備える。
【0050】
固定機構15は、各開口端面(大径部1aの開口端面14および小径部1bの開口端面13)に接触して成形部品を挟持する一対の押圧面3,4と、各押圧面3,4から突出して各開口部に嵌合される軸部7b、8等を備え、一方の押圧面3を構成する押付部材6が図示省略の上下動機構にて上下動する。したがって、各軸部7b、8が開口部に嵌合して一対の押圧面3,4にて挟持された状態で、後述する検出手段18による突起部2の検出が可能な位置で成形部品30である等速自在継手用ブーツ1が保持される。なお、上下動機構としては、シリンダ機構やボールナット機構等にて構成できる。
【0051】
また、前記図示省略の駆動機構は、回転駆動源である駆動用モータと、この駆動用モータの回転力を回転台5に伝達する伝達機構等から構成できる。伝達機構としては、ギア機構やベルト機構等にて構成でき、駆動用モータとしてはサーボモータ等を用いることができる。
【0052】
このため、図6(b)に示すように、固定機構15にて等速自在継手用ブーツ1を固定した状態で、駆動機構を駆動させることによって、回転台5が回転して等速自在継手用ブーツ1がその軸心廻りに回転することになる。
【0053】
また、図1と図7に示すように、押付部材6側に、等速自在継手用ブーツ1の突起部2の突起量を検出(測定)する検出手段18が配置される。検出手段18は、例えば、透過型レーザ変位計16にて構成できる。透過型レーザ変位計16は、レーザ光を投光するレーザ光投光器16aと、このレーザ光投光器16aに相対向して配設されるレーザ光受光器16bとを備える。すなわち、レーザ光投光器16aからレーザ光受光器16bに向けて帯状のレーザ光Lを照射し、このレーザ光Lを被検査物(等速自在継手用ブーツ1)がさえぎったことで、突起部2の突出量(突起量)を測定するものである。なお、このレーザ変位計16としては、上下動できるように設定するのが好ましい。
【0054】
ところで、図5に示すように、この検査装置の制御部は、前記検出手段18にて測定された測定データから修正データを算出するデータ解析手段20と、設定された欠陥判定基準となる閾値と、前記データ解析手段にて修正された修正データとを比較して良否を判断する第1良否判断手段21と、設定された区間内での前記修正データの傾きが正常か否かを判定する第2良否判断手段22と、前記第1良否判断手段21及び第2良否判断手段22の判断に基づいて成形部品の欠陥を検出する欠陥判定手段23とを備える。
【0055】
データ解析手段20は、検出手段18にて検出された検出値から成形部品の回転振れ及び変形に基づく誤差を修正するものである。すなわち、検出手段18であるレーザ変位計より出力された値をFFT解析し、その解析結果から、回転振れ(例えば、1サイクル/ブーツ1周の周波数)と変形(2サイクル/ブーツ1周の周波数)の影響を除去し、IFFT処理するものである。
【0056】
第1良否判断手段21は、欠陥を有さない正常状態の成形部品における突起部の最小値と突起部の最大値との差に基づいて前記閾値を設定し、検査対象品の成形部品における突起部の最小の測定値と突起部の最大の測定値との差を算出し、この算出値と前記閾値を比較するものである。また、第2良否判断手段22は、設定された区間内での修正データの傾きを検出し、異なった傾きが含まれる場合に欠陥品とするものである。
【0057】
ところで、データ解析手段20、第1良否判断手段21、第2良否判断手段22、および欠陥判定手段23はマイクロコンピュータ等にて構成できる。また、この制御部11には、前記したように、上下動機構の制御を行うことができるとともに、回転駆動機構Mの回転制御も行うことができる。
【0058】
この装置では、図1に示すように、装置本体10に表示画面12が設けられている。すなわち、欠陥判定手段23による判断結果が表示画面12上に表示される。なお、不良品であると判断した場合、警報機等にて警報音を発生するようにしてもよい。
【0059】
次に、前記のように構成された検出装置にて成形部品である等速自在継手用ブーツ1の検査方法を説明する。まず、第1良否判断手段21において用いる閾値を設定するとともに、第2良否判断手段22において用いる出力波形の傾きを設定する。この場合、装置本体10に設けられる操作盤(キーボード)を介して前記閾値等を制御部11の良否判断手段21、22等に入力することになる。
【0060】
そして、図6(a)に示すように、等速自在継手用ブーツ1を回転台5上に載置する。すなわち、等速自在継手用ブーツ1の大径部1aに軸部8を嵌入させた状態で、等速自在継手用ブーツ1を回転台5上に立設支持する。この場合、押付部材6を上昇させておく。次に、押付部材6を下降させて、押付軸7の嵌合軸部7bを等速自在継手用ブーツ1の小径部1bに嵌入させ、押付軸7の段付面、つまり押付面3にて、等速自在継手用ブーツ1の小径部1bの開口端を下方に押圧して、ブーツ1をその軸心方向に沿って所定寸だけ圧縮する。この状態で、上方側に位置しているレーザ変位計16に小径部1bが対応する位置、つまりレーザ変位計16にて突起部2の突起量を検出可能位置とする。
【0061】
そして、回転台5を回転させてこの回転台5上の等速自在継手用ブーツ1をその軸心廻りに回転させる。この回転中に、透過型レーザ変位計16にて、突起部2の突起量を検出(測定)する。すなわち、図7に示すように、レーザ光投光器16aから投光された帯状のレーザ光内で、突起部2が位置するように等速自在継手用ブーツ1を支持する。この際、等速自在継手用ブーツ1が例えば矢印A方向に回転することにより、突起部2によってレーザ光Lが遮蔽される量が変化する。このため、突起部2の突起量(高さ)を測定することができ、図8のステップS1に示すように、突起部2の突起量(高さ)を測定する。この場合の突起量L1は、レーザ光Lの一方の側縁(側辺)Laから突起部2の外縁までの寸法である。
【0062】
ところで、図13に示すように、真円形状で偏芯がない状態で回転している被検査物Sを、前記透過型レーザ変位計16にて測定値L1を検出した場合、図16に示すように、その出力は一定となる。
【0063】
これに対して、図14に示すように、真円形状で偏芯している状態、つまり矢印C、D方向に変位しつつ回転している被検査物Sを、前記透過型レーザ変位計16にて測定値L1を検出した場合、測定値L1の出力は変化する。その波形は、図17に示すように、曲線(カーブ)を描くことになる。
【0064】
また、図15に示すように、真円形状から変形している状態(楕円形状に変形している状態)で回転している被検査物Sを、前記透過型レーザ変位計16にて測定値L1を検出した場合も、測定値L1の出力は変化する。その波形は、図18に示すように、サイン(コサイン)状カーブを描くことになる。
【0065】
このため、前記検査装置において、回転台5に振れやブーツ1に変形を有する場合、レーザ変位計16より出力された値は、例えば、図9に示すような波形となる。なお、図9において、実線は突起部2に欠け等を有さない良品を示し、1点鎖線は突起部2に欠け等を有する不良品を示している。この場合、回転台5の振れやブーツ1に変形を有しているものであれば、この振れ等によって、欠肉等を有さない良品を不良品と判定したり、逆に欠肉等を有する不良品を良品と判定したりするおそれがある。
【0066】
そこで、本発明では、データ解析手段20にて、検出手段18にて検出された検出値から成形部品の回転振れ及び変形に基づく誤差を修正する。すなわち、修正データを算出すする(ステップS2)。
【0067】
ところで、一般に、あらゆる周期関数は、その整数倍の周期を有するcosとsinの重ね合わせにより表すことができる。lを正の数とするとき、周期2lの周期関数f(x)のフーリエ級数は次の数1のようになる。
【数1】

【0068】
フーリエ係数c0,an、bnは、次の数2、数3、数4である。
【数2】

【0069】
【数3】

【0070】
【数4】

【0071】
そこで、偏芯や変形があるブーツが1周(周期2l=2π)するとき、次の数5及び数6となる周波数成分を除いて(係数an=0及びbn=0とする)、IFFT処理を行う。
【数5】

【0072】
【数6】

【0073】
これによって、図10に示すように、回転振れおよび変形の影響がない波形の修正データを得ることができる。そして、修正データを得た後は、第1良否判断手段21と第2良否判断手段22にて良否を判断することになる(ステップS3)。そして、第1良否判断手段21の判断と第2良否判断手段22の判断とが良か否かを判定する(ステップS4)。そして、第1良否判断手段21の判断と第2良否判断手段22とが良の場合、良品とし(ステップS5)、不良であれば、不良品とする(ステップS6)。
【0074】
すなわち、欠陥の無い正常品では、等速自在継手用ブーツ1の小径部1b側においては、突起部2が周方向に沿って120度ピッチで配設されているので、突起部2の測定値が最小と最大となる周期は120度毎である。このため、正常品で最小となる位置での測定値と、最大となる位置での測定値との差を求め、この差を第1良否判断手段21において用いる。すなわち、図11に示すように、良品である場合(実線で示す波形)、最大出力値と最小出力値との差に対して、不良品である場合(1点鎖線で示す波形)、最大出力値と最小出力値との差が小となっている。例えば、良品である場合の差の60%を下回る場合、欠肉欠陥とすることができる。このため、良品である場合の差の60%が第1良否判断手段21の閾値となって、第1良否判断手段21において、この閾値以下を不良品とし、閾値を越えるものを良品とすることができる。なお、閾値は製品の種類(型番)や検査状況に応じて種々変更することができる。
【0075】
しかしながら、第1良否判断手段21の判断のみでは、各突起部2の最高点に発生する欠肉欠陥の検出が可能であるが、他の部位に発生する欠けや欠肉を検出することが困難である。そこで、突起部2の最高点以外に発生する欠けや欠肉を検出するために、第2良否判断手段22の判断を行うことになる。
【0076】
第2良否判断手段22では、定められた測定値区間内の各測定値の傾きを比較することにより、突起部2の最高点以外に発生する欠けや欠肉を検出することができる。すなわち、正常品(良品)では、図10に示すように、定められた出力区間では、傾きが「正」又は「負」で常に一定である。
【0077】
しかしながら、突起部2の最高点以外に欠けや欠肉が発生していれば、図12の1点鎖線で示すように、定められた測定値区間内での傾きは安定せず、傾きに「正」と「負」とが混在する波形が得られる。このため、第2良否判断手段22においては、定められた測定値区間内の測定値の傾きを比較することになる。すなわち、測定値の最大値と最小値の差値を100%とした場合、定める区間(検査区間)の下限値および上限値は、測定値平均の±40%程度に設定する。
【0078】
欠陥判定手段23による判定結果が表示画面12上、判定が不良であれば、不良品(異常品)として表示され、判定が良であれば、良品(正常品)として表示される。なお、不良品であると判断した場合、警報機等にて警報音を発生するようにしてもよい。
【0079】
本発明では、検査中の回転振れや変形等に影響を受けることなく、定量的に成形部品の両開口部の突起部2に発生する欠けや欠肉といった成形不良品の検出が可能となる。
【0080】
修正データとしては、FFT及びIFFTを用いることができ、成形部品30の回転振れ及び変形に基づく変位を安定して修正することができ、高精度の判定を行うことができる。特に、第1良品判断手段21の判断と第2良品判断手段22の判断とに基づいて良否を判定することができ、高精度の判定を行うことができる。
【0081】
回転駆動機構Mが固定機構15を備えたものでは、回転駆動機構Mによる成形部品30の回転が安定して、より高精度の判定を行うことができる。また、固定機構15が一対の押圧面3,4を備えたものでは、より安定した回転を得ることができ、安定した良否判定を行うことができる。
【0082】
本発明の等速自在継手用ブーツ1によれば、前記欠陥検査装置にて欠陥の検査が行われたものであり、不良品が出荷されることがない。このため、安定した性能を発揮できる等速自在継手用ブーツとなる。
【0083】
ところで、前記実施形態では、小径部1b側の突起部2の検査を行っていたが、大径部1a側の突起部2の検査も行うことができる。この場合、レーザ変位計を、大径部1aの突起部2に対応させればよい。このため、小径部1b側の突起部2の検査と同様にこの検査装置を用いて大径部1a側の突起部2の検査を行うことができる。
【0084】
また、検出手段18としては、透過型レーザ変位計16を用いることなく、図19に示すような反射型レーザ変位計25を用いてもよい。反射型レーザ変位計25は、レーザ光を測定対象物に投光するレーザ投光部26と、測定対象物にて反射されたレーザ光を受けるレーザ光受光部27とを有する投受光器28を備えたものである。レーザ投光部26から照射されたレーザ光が測定対象物に反射されてレーザ受光部27にて受光され、このレーザ受光部27上にスポットを結ぶ。そして、対象物が移動するごとにスポットも移動するので、そのスポットの位置を検出することで、対象物までの変位量を検出するものである。
【0085】
従って、このような反射型レーザ変位計25を用いても透過型レーザ変位計16を用いた場合と同様、突起部2の突起量を測定できる。このため、本発明の検査方法及び検査装置に図19の反射型レーザ変位計25を用いることができる。
【0086】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、突起部2の形状及び数は、前記実施形態のものに限定されず、また、成形部品30としては、等速自在継手用ブーツ1に限るものではなく、カメラ用の遮光ブーツ等の他の部品であってもよい。また、成形部品は、エステル系、オレフィン系、ウレタン系、アミド系、スチレン系等の熱可塑性エラストマーにて形成される樹脂製ブーツであっても、クロロプレンゴム等を使用したゴム製ブーツであってもよい。
【0087】
等速自在継手は、角度変位のみを許容する固定式等速自在継手(バーフィールド型やアンダーカットフリー型等)であっても、等角度変位のみならず軸方向変位も許容する摺動式等速自在継手(クロスグルーブ型やトリポード型やダブルオフセット型等)であってもよい。
【0088】
検査中における成形部品30の回転速度としては、透過型レーザ変位計16等の検出手段18にて突起部2の突起量を測定できる範囲で種々変更できる。なお、前記実施形態では、表示画面を備えたものであったが、このような表示画面を省略して、不良品と判断した場合に警報機によって警報するものであってもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 等速自在継手用ブーツ
2 突起部
3、4 押圧面
7b、8 軸部
10 装置本体
15 固定機構
16 透過型レーザ変位計
16a レーザ光投光器
16b レーザ光受光器
18 検出手段
20 データ解析手段
21 第1良否判断手段
22 第2良否判断手段
23 欠陥判定手段
25 反射型レーザ変位計
26 投光部
27 受光部
30 成形部品
L レーザ光
M 回転駆動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向両端部に開口部を有し、かつこの開口部に外径側に突出する突起部を設けた弾性材料からなる筒状の成形部品における欠陥を検査する欠陥検査方法であって、
軸心廻りに回転している前記成形部品に対してその突起部の突起量を測定した後、その測定した測定データから成形部品の回転振れ及び変形に基づく変位を修正した修正データを算出し、次に、設定された欠陥判断基準となる閾値と前記修正データとを比較する第1良否判断と、設定された区間内での前記修正データの傾きに基づく第2良否判断とを行い、これらの判断に基づいて成形部品の欠陥を検査することを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項2】
前記測定データをFFTした後、定数項及び第1次と第2次の周波数成分の係数を除き、IFFTを行うことにより、成形部品の回転振れ及び変形に基づく変位を修正して前記修正データを算出することを特徴とする請求項1に記載の欠陥検査方法。
【請求項3】
第1良否判断は、欠陥を有さない正常状態の成形部品における突起部の最小値と突起部の最大値との差に基づいて前記閾値を設定し、検査対象品の成形部品における突起部の最小の測定値と突起部の最大の測定値との差を算出し、この算出値と前記閾値を比較することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の欠陥検査方法。
【請求項4】
第2良否判断は、設定された区間内での修正データの傾きを検出し、異なった傾きが含まれる場合に欠陥品とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の欠陥検査方法。
【請求項5】
前記成形部品が等速自在継手用ブーツであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の欠陥検査方法。
【請求項6】
前記請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の欠陥検査方法を用いて欠陥検査を行ってなることを特徴とする等速自在継手用ブーツ。
【請求項7】
軸方向両端部に開口部を有し、かつこの開口部に外径側に突出する突起部を設けた弾性材料からなる筒状の成形部品における欠陥を検査する欠陥検査装置であって、
前記成形部品をその軸心廻りに回転させる回転駆動機構と、
前記回転駆動機構にてその軸心廻りに回転している成形部品の突起部の突起量を測定する検出手段と、
前記検出手段にて測定された測定値から成形部品の回転振れ及び変形に基づく変位を修正するデータ解析手段と、
設定された欠陥判定基準となる閾値と、前記データ解析手段にて修正された修正データとを比較して良否を判断する第1良否判断手段と、
設定された区間内での前記修正データの傾きが正常か否かを判断する第2良否判断手段と、
前記第1良否判断手段及び第2良否判断手段の判断に基づいて成形部品の欠陥を検出する欠陥判定手段とを備えたことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項8】
前記回転駆動機構は、前記成形部品を固定する固定機構を備えたことを特徴とする請求項7に記載の欠陥検査装置。
【請求項9】
固定機構は、各開口端面に接触して成形部品を挟持する一対の押圧面と、各押圧面から突出して各開口部に嵌合される軸部とを備え、各軸部が開口部に嵌合して一対の押圧面にて挟持された状態で、前記検出手段による突起部の検出が可能位置で成形部品が保持されることを特徴とする請求項8に記載の欠陥検査装置。
【請求項10】
前記回転駆動機構は、前記固定機構にて成形部品を保持した状態で成形部品をその軸心廻りに回転させることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の欠陥検査装置。
【請求項11】
前記検出手段に、レーザ光投光部とレーザ光受光部を備え、レーザ光の透過量による変位を測定する透過型レーザ変位計を用いることを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の欠陥検査装置。
【請求項12】
前記検出手段に、レーザ光投光部からのレーザ光を被検査対象物に投光し、この被検査対象物にて反射されたレーザ光をレーザ光受光部で受けて、反射により変位を測定する反射型レーザ変位計を用いることを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の欠陥検査装置。
【請求項13】
前記成形部品が等速自在継手用ブーツであることを特徴とする請求項7〜請求項12のいずれか1項に記載の欠陥検査装置。
【請求項14】
前記請求項7〜請求項12のいずれか1項に記載の欠陥検査装置を用いて欠陥検査を行ってなることを特徴とする等速自在継手用ブーツ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−177662(P2012−177662A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41861(P2011−41861)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】