説明

気相成長装置及び気相成長方法

【課題】混合室の大きさを調整して、様々な条件の成膜に対応する。
【解決手段】気相成長装置1は、反応炉14内の被処理基板15を載置するための基板保持部材16に対向して配置されて被処理基板15に向かって第1ガスを供給するために設けられたシャワープレート2と、シャワープレート2に対して基板保持部材16の反対側に配置されて被処理基板15に向かって第2ガスを供給するために設けられたシャワープレート3とを備え、シャワープレート2には、被処理基板15に向かって第1ガスが流れるガス流路4aが形成されており、シャワープレート3は、被処理基板15に向かって第2ガスを流すために設けられてシャワープレート3から突出してガス流路4aの内部に挿入されたガス導管5を有しており、ガス導管5は、シャワープレート3に着脱可能に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応炉内の被処理基板を載置するための基板保持部材に対向して配置されて被処理基板に向かってガスを供給するために設けられたシャワープレートを備えた気相成長装置及び気相成長方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、発光ダイオードおよび半導体レーザの製造においては、トリメチルガリウム(TMG)またはトリメチルアルミニウム(TMA)などの有機金属ガスと、アンモニア(NH)、ホスフィン(PH)またはアルシン(AsH)などの水素化合物ガスと、を成膜に寄与する原料ガスとして成長室に導入して化合物半導体結晶を成長させるMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法及びMOCVD装置が用いられている。
【0003】
MOCVD法は、上記の原料ガスを不活性ガスとともに成長室内に導入して加熱し、所定の被処理基板上で気相反応させることにより、その被処理基板上に化合物半導体結晶を成長させる方法である。MOCVD法を用いた化合物半導体結晶の製造においては、成長する化合物半導体結晶の品質を向上させながら、コストを抑えて、歩留まりと生産能力とをどのように最大限確保するかということが常に高く要求されている。
【0004】
図11に、MOCVD法に用いられる従来の縦型シャワーヘッド型MOCVD装置の一例の模式的な構成を示す。このMOCVD装置においては、ガス供給源92から、反応炉91の内部の成長室に反応ガスおよび不活性ガスを導入するためのガス配管93が接続されており、反応炉91の内部の成長室81の上部には成長室に反応ガスおよび不活性ガスを導入するための複数のガス吐出孔を有するシャワープレート90がガス導入部として設置されている。また、反応炉91の成長室81の下部中央にはアクチュエータ(図示せず)によって回転自在の回転軸82が設置され、回転軸82の先端にはシャワープレート90と対向するようにしてサセプタ98が取り付けられており、サセプタ98の下部にはサセプタ98を加熱するためのヒータ99が取り付けられている。また、反応炉91の下部には反応炉91の内部の成長室81内のガスを外部に排気するためのガス排気部94が設置されており、ガス排気部94は、パージライン95を介して、排気されたガスを無害化するための排ガス処理装置96に接続されている。
【0005】
上記のような構成の縦型シャワーヘッド型MOCVD装置において、化合物半導体結晶の成長の際には、サセプタ98に基板97が設置され、その後、回転軸82の回転によりサセプタ98が回転させられる。そして、ヒータ99の加熱によりサセプタ98を介して基板97が所定の温度に加熱され、シャワープレート90に形成されている複数のガス吐出孔から反応炉91の内部の成長室81に反応ガスおよび不活性ガスが導入される。
【0006】
複数の反応ガスを供給して被処理基板上で反応せしめ、薄膜を形成する方法として、従来はシャワーヘッドの中で複数のガスを混合し、シャワープレートに多数設けられているガス吐出口から被処理基板に反応ガスを吹き出させる方法がとられていた。しかし、上記方法によると、シャワーヘッド内で混合したガスの気相反応が生じてしまい、シャワープレート内部の汚染や、目詰まりが発生する問題が生じる。
【0007】
この問題を解決するため特開平5−144753号公報(特許文献1)では、ガス導入口に多くの通し穴を有する整流板を設け、複数種類のガスを別々にこれらの通し穴に通して、原料ガスを別々に整流板から下方に吹き出す方法が示されている。反応ガスが分離した状態で供給されるため、シャワーヘッド内で気相反応が生じることはない。
【0008】
また、別の方法として、特開平5−152208号公報(特許文献2)では、複数の供給ガスそれぞれにバッファエリアを設け、このバッファエリアからそれぞれの反応ガスをシャワープレートのガス吐出孔を通して、分離した状態で成長室へ供給する方法が示されている。反応ガスが分離した状態で供給されるため、シャワーヘッド内で気相反応が生ずることはない。
【0009】
MOCVD法によって所望の薄膜を被処理基板上へ形成する際、反応性を有する原料ガスによって被処理基板表面で生起される表面反応は、極めて複雑なメカニズムを有することが知られている。すなわち、被処理基板の温度、原料ガスの温度、流速、圧力、原料ガスに含まれる活性化学種の種類、反応系における残留ガス成分等、多数のパラメータが、前記表面反応に寄与するため、MOCVD法でこれらのパラメータを制御して所望の薄膜を形成させることは極めて難しいとされる。上記の従来技術は、被処理基板から遠く離れて反応ガスを混合することを伴い、反応ガスが被処理基板に到達する前に反応し、被処理基板表面反応の制御が困難となり、成長膜の品質低下を招く場合がある。
【0010】
この問題を解決するために特開平8−91989号広報(特許文献3)では、複数の反応ガスを個別のシャワープレート導管によって分離した状態で成長室へ供給し、それぞれのシャワープレート導管を冷却する冷却チャンバが成長室側に設けられる方法が示されている。シャワープレート表面を冷却チャンバによって冷却することが可能となるため、シャワーヘッドと被処理基板間の距離を近づけることが可能となり、加熱された被処理基板に近接した位置で気相反応を生じさせることができ、被処理基板表面反応の制御性、原料利用効率を向上させることができる。
【0011】
また、特開2006−216830号公報(特許文献4)では、円盤体のガス供給部上部にガス導入口とガス分配空間を設け、下面に全域に亙って複数のガス噴出口を設け、ガス分配空間とガス噴出口を連通するガス通路を基板保持台の軸線Yと平行に設け、円盤体の外周に冷媒ジャケットを形成し、円盤体の中心部から半径方向に延びる冷媒集合通路を設けて、冷媒ジャケットから冷媒集合通路へ連通する冷媒通路を、上下段に、且つガス通路を四囲から冷却するよう配設している。ガス通路が冷媒通路によって四囲から冷却されるので原料ガス及びキャリアガスが充分に冷却される。ガス噴出口から噴出した各種原料ガスは基板保持台上に供給され、原料ガス同士が基板到達前に混合し附加化合物が発生するのを防ぐことができ、原料利用効率が向上し、成長膜の品質の低下を防止することができる。
【0012】
また、反応炉内の被処理基板を載置するための基板保持部材に対向して配置されて被処理基板に向かって第1ガスを供給するために設けられた第1シャワープレートと、第1シャワープレートに対して基板保持部材の反対側に配置されて被処理基板に向かって第2ガスを供給するために設けられた第2シャワープレートとを備えた気相成長装置が知られている(特許文献5及び特許文献6)。
【特許文献1】特開平5−144753号公報(平成5年6月11日公開)
【特許文献2】特開平5−152208号公報(平成5年6月18日公開)
【特許文献3】特開平8−91989号広報(特許第3442536号明細書)(平成8年4月9日公開)
【特許文献4】特開2006−216830号広報(平成18年8月17日公開)
【特許文献5】特開2000−144432号公報(平成12年5月26日公開)
【特許文献6】特開2004−158499号公報(平成16年6月3日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
被処理基板上に均一な膜厚分布の薄膜を再現性よく成長させるには、基板上で均等な濃度分布で反応ガスを気相反応させることが必要である。また、原料ガス同士が基板到達前に混合し附加化合物が発生するのを防ぎ、被処理基板表面反応の制御性、原料利用効率の向上が必要である。
【0014】
特許文献1、2のように反応ガスを分離した状態で成長室へ供給すると、シャワーヘッド内で気相反応が生ずることは無くなるが、被処理基板から遠く離れて反応ガスを混合することを伴い、反応ガスが被処理基板に到達する前に反応し、被処理基板表面反応の制御が困難となり、成長膜の品質低下を招く場合があるという問題がある。
【0015】
特許文献3では、シャワープレート表面を冷却チャンバによって冷却することが可能となるため、シャワーヘッドと被処理基板との間の距離を近づけることが可能となり、加熱された被処理基板に近接した位置で気相反応を生じさせることができ、被処理基板表面反応の制御性、原料利用効率を向上させることができる。しかし、特許文献3のシャワーヘッド構造においては、各反応ガスの流出口は、分離されており、成長室へ導入された後、混合するため、各ガスの混合性に限界があり、特に、シャワーヘッドと被処理基板との間の距離が小さくなるほど、混合領域が十分でなく、原料ガスに濃度分布が生じる可能性がある。その為、被処理基板上の成長膜に、膜厚分布や組成分布が生じる可能性や、原料利用効率の向上に限界があるという問題がある。
【0016】
特許文献4では、ガス通路を四囲から冷却されるため、シャワーヘッドと被処理基板との間の距離を近づけることが可能となり、加熱された被処理基板に近接した位置で気相反応を生じさせることができ、被処理基板表面反応の制御性、原料利用効率を向上させることができる。しかし、特許文献4のシャワーヘッド構造においては、キャリアガスは、ほぼ全面に渡りシャワー状に供給することが可能であるが、各原料ガス及びドーパントガスは、スペーサブロックから径方向に直線状に供給することになる。各ガスの混合性に限界があり、特に、シャワーヘッドと被処理基板との間の距離が小さくなるほど、混合領域が十分でなく、原料ガスに濃度分布が生じる可能性がある。その為、被処理基板上の成長膜に、膜厚分布や組成分布が生じる可能性や、原料利用効率の向上に限界があるという問題がある。
【0017】
特許文献5及び特許文献6に記載の構成では、ガス導管の先端とガス流路とによって形成されて第1ガスと第2ガスとが混合される混合室の容積を調整するためには、ガス導管が設けられた第2シャワープレートの本体毎に再び製作する必要が生じ、作業が煩雑であり、コストが増大するという問題がある。
【0018】
また特許文献5に記載の構成では、ガス導管は、成長室の反対側から着脱する必要があるが、成長室の反対側からガス導管を着脱しようとすると、メンテナンスしにくくなるという問題が生じる。成長室は、通常のメンテナンスで開放することはあるが、反対側のガス分配空間は、基本的に開放する機会がないので、ガス導管をガス分配空間側から着脱しようとすると、わざわざ開放する必要が生じ、稼働率が低下するという問題がある。また、ガス導管をガス分配空間側から着脱しようとすると、ガス供給室にノズルが突出するため乱流が発生するという問題が生じる。
【0019】
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、基板到達前に附加化合物が発生するのを防ぎ、シャワープレートより成長室へ供給する反応ガスの混合性を向上させ、被処理基板面上のガス濃度分布を均一化することができ、被処理基板表面反応の制御性を向上させ、つまり、成膜厚や組成比を向上させると共に、原料利用効率を向上させることができる気相成長装置及び気相成長方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に係る気相成長装置は、反応炉内の被処理基板を載置する基板保持部材に対向して配置されて前記被処理基板に向かって第1ガスを供給する第1シャワープレートと、前記第1シャワープレートに対して前記基板保持部材の反対側に配置されて前記被処理基板に向かって第2ガスを供給する第2シャワープレートとを備えた気相成長装置であって、前記第1シャワープレートには、前記被処理基板に向かって前記第1ガスが流れるガス流路が形成されており、前記第2シャワープレートは、前記第2シャワープレートから突出して前記ガス流路の内部に挿入されて前記被処理基板に向かって前記第2ガスを流すガス導管を有しており、前記ガス導管は、前記第2シャワープレートに着脱可能に設けられていることを特徴とする。
【0021】
この特徴により、ガス導管は、前記第2シャワープレートに着脱可能に設けられるので、ガス導管を第2シャワープレートから取り外すことができ、ガス導管の長さを変えることによって、混合室の大きさを変えることが可能である。ガス導管を取外し可能な構成としていることで、本体毎再製作する必要なく、第2ガスの流路となるガス導管の変更のみで混合室の大きさを調整することが可能となり、様々な条件の成膜に対応した装置とすることができる。
【0022】
本発明に係る気相成長装置では、前記ガス導管の出口には、複数の孔が形成されていることが好ましい。
【0023】
上記構成によれば、第2ガスの流路となるガス導管の出口に、複数孔を設けたことによって、第2ガスの噴出しをより広げることが可能となるため、(パイプ形状の場合、直線状に噴出すのみである)より、第1ガスと第2ガスとの混合性が向上し、被処理基板面上のガス濃度分布を均一化することができ、被処理基板表面反応の制御性を向上させ、つまり、成膜厚や組成比を向上させると共に、原料利用効率を向上させることができる。
【0024】
本発明に係る気相成長装置では、前記第1シャワープレートと前記第2シャワープレートとの間に前記第1ガスを前記ガス流路に供給する第1ガス分配空間が形成され、前記第2シャワープレートは、前記第1ガス分配空間が露出するように前記第1シャワープレートから取り外し可能に設けられていることが好ましい。
【0025】
上記構成によれば、第1ガス分配空間が露出可能となる構成であるため、メンテナンス性が向上し、特に、シャワープレート内部に附加化合物が発生した場合や、異物混入があった場合においても、洗浄性が飛躍的に向上し、内部汚染を完全に除去できる(従来の構造によると、ロウ付等により接合しているため、内部の完全な洗浄は不可能である。穴が小さく(φ0.6mm)、洗浄液が十分に流れ難く、よどみができるため、異物がたまる可能性が高い。)。
【0026】
本発明に係る気相成長装置では、前記第2シャワープレートは、ベースとカバープレートとを有し、前記ベースと前記カバープレートとの間に第2ガス分配空間が形成され、前記カバープレートは、前記第2ガス分配空間が露出するように前記ベースから取り外し可能に設けられていることが好ましい。
【0027】
上記構成によれば、第2ガス分配空間が露出可能となる構成であるため、メンテナンス性が向上し、特に、シャワープレート内部に附加化合物が発生した場合や、異物混入があった場合においても、洗浄性が飛躍的に向上し、内部汚染を完全に除去できる。
【0028】
本発明に係る気相成長装置では、前記ガス導管の温度を調整する冷媒を流す冷媒流路が前記第2シャワープレートに形成されていることが好ましい。
【0029】
上記構成によれば、第2ガス流路を温度調整する冷媒流路が構成されることで、第2ガス流路の温度を可変することが可能となり、第2ガス温度をコントロールすることが可能となる。つまり、第1ガスと第2ガスとを個別に温度調整することができる。これによって、被処理基板表面反応の制御性を向上させ、つまり、成膜厚や組成比を向上させると共に、原料利用効率を向上させることができる。
【0030】
本発明に係る気相成長装置では、前記第1ガスは、III族ガスを含み、前記第2ガスは、V族ガスを含むことが好ましい。
【0031】
上記構成によれば、第2ガスの流路となるガス導管の出口は、ヒータからの熱を直接受け、冷媒流路によって温度調整される第1ガス流路に比べ、温度上昇しやすい構造である。V族系ガスは有機ガスが用いられ、高温にしないと分子が分解して成長膜にドープされない、あるいは分子のままドープされてホールを形成してしまい、膜質や成長レートの劣化に繋がる。そのため、第2ガスの流路となるガス導管をV族系ガスとすることで、予め反応室以外で加熱し、活性化されたガスを反応室に供給することにより、基板温度をIII族系ガスが熱分解しない程度の温度を保ったまま、気相反応を進行させことが可能となる。
【0032】
本発明に係る気相成長装置では、前記ガス導管の長手方向に沿って前記ガス導管と前記ガス流路とを相対的に昇降させる昇降機構を設けることが好ましい。
【0033】
上記構成によれば、第1ガスと第2ガスとの混合室の大きさを可変することが可能となり、原料ガス混合性が向上し、被処理基板面上のガス濃度分布を均一化することができ、被処理基板表面反応の制御性を向上させ、つまり、成膜厚や組成比を向上させると共に、原料利用効率を向上させることができる。また、成膜中に混合室の大きさを可変することが可能となり、1回の成膜で反応ガス流量や、被処理基板温度が変わる複数の膜を成長させる場合においても、それぞれの条件に最適な混合室の大きさを設定できるため、最適な単膜を積層することが可能となり、高品質の多層膜を成膜することが可能となる。
【0034】
さらに、相対位置移動により、ガス導管の流路からの突出程度、被処理基板へのガス導管先端からの距離、第1流路出口からの距離が変わりうるので、膜質や成長速度の変更が可能となる。
【0035】
本発明に係る気相成長装置では、前記昇降機構は、前記第1シャワープレートと前記第2シャワープレートとを前記ガス導管の長手方向に沿って相対的に昇降させることが好ましい。
【0036】
上記構成によれば、簡単な構成によって第1ガスと第2ガスとの混合室の大きさを可変することができる。
【0037】
本発明に係る気相成長装置では、前記昇降機構は、前記ガス導管と前記第2シャワープレートとを前記ガス導管の長手方向に沿って相対的に昇降させることが好ましい。
【0038】
上記構成によれば、簡単な構成によって第1ガスと第2ガスとの混合室の大きさを可変することができる。
【0039】
本発明に係る気相成長装置では、前記ガス導管は、前記第2シャワープレートと嵌合するフランジを有し、前記ガス導管の前記フランジの外径は、前記ガス流路の内径よりも小さいことが好ましい。
【0040】
上記構成によれば、反応炉側からガス導管を交換することができる。
【0041】
本発明に係る気相成長装置では、前記ガス導管の先端には、前記ガス導管の交換冶具と嵌合する溝または突起が形成されていることが好ましい。
【0042】
上記構成によれば、ガス導管を容易に回転させて交換することができる。
【0043】
本発明に係る気相成長装置では、前記第1シャワープレートは、前記ガス導管の先端の前方において前記ガス流路の内壁により形成されて前記第1ガスと前記第2ガスとを混合する混合室を有していることが好ましい。
【0044】
上記構成によれば、混合室により、原料ガス混合性が向上し、被処理基板面上のガス濃度分布を均一化することができ、被処理基板表面反応の制御性を向上させ、つまり、成膜厚や組成比を向上させると共に、原料利用効率を向上させることができる。
【0045】
本発明に係る気相成長方法は、反応炉内の被処理基板を載置する基板保持部材に対向して配置された第1シャワープレートであって、前記被処理基板に向かって第1ガスが流れるガス流路が形成された第1シャワープレートによって、前記被処理基板に向かって第1ガスを供給し、前記第1シャワープレートに対して前記基板保持部材の反対側に配置された第2シャワープレートであって、第2シャワープレートから突出して前記ガス流路の内部に挿入されて前記被処理基板に向かって前記第2ガスを流すガス導管を有する第2シャワープレートによって、前記被処理基板に向かって第2ガスを供給する気相成長方法であって、前記ガス導管は、前記第2シャワープレートに着脱可能に設けられていることを特徴とする。
【0046】
この特徴により、ガス導管は、前記第2シャワープレートに着脱可能に設けられるので、ガス導管を第2シャワープレートから取り外すことができ、ガス導管の長さを変えることによって、混合室の大きさを変えることが可能である。ガス導管を取外し可能な構成としていることで、本体毎再製作する必要なく、第2ガスの流路となるガス導管の変更のみで混合室の大きさを調整することが可能となり、様々な条件の成膜に対応した方法とすることができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明に係る気相成長装置は、以上のように、ガス導管は、前記第2シャワープレートに着脱可能に設けられているので、本体毎再製作する必要なく、第2ガスの流路となるガス導管の変更のみで混合室の大きさを調整することが可能となり、様々な条件の成膜に対応した装置とすることができるという効果を奏する。
【0048】
本発明に係る気相成長方法は、以上のように、ガス導管は、前記第2シャワープレートに着脱可能に設けられているので、本体毎再製作する必要なく、第2ガスの流路となるガス導管の変更のみで混合室の大きさを調整することが可能となり、様々な条件の成膜に対応した装置とすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
本発明の一実施形態について図1ないし図8に基づいて説明すると以下の通りである。
【0050】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る気相成長装置1の構成を示す断面図である。気相成長装置1は、縦型シャワーヘッド型MOCVD装置によって構成されている。気相成長装置1は、反応炉14を備えている。反応炉14の中には、被処理基板15を載置した円盤状の基板保持部材16が設けられている。基板保持部材16の下側には、軸状の回転伝達部材20が結合されており、図示しない駆動機構により、被処理基板15の表面に垂直な回転伝達部材20の周りに回転可能に基板保持部材16が設けられている。基板保持部材16の下側には、基板保持部材16を加熱する加熱ヒータ17がさらに設けられている。
【0051】
反応炉14の上側には、略円筒形状をしたガス供給部18が設けられている。ガス供給部18は、シャワープレート2とシャワープレート3とを有している。シャワープレート2は、反応炉14内の被処理基板15を載置する基板保持部材16に対向して配置されて被処理基板15に向かって第1ガスを供給するために設けられている。シャワープレート3は、シャワープレート2に対して基板保持部材16の反対側に配置されて被処理基板15に向かって第2ガスを供給するために設けられている。
【0052】
図2は気相成長装置1に設けられたガス供給部18の詳細な構造を示す断面図であり、図3は図2に示すA部の拡大断面図である。図4は、気相成長装置1に設けられたガス供給部18を被処理基板15側から見た平面図である。
【0053】
シャワープレート2には、被処理基板15に向かって第1ガスが流れる複数個のガス流路4aが、所定の間隔を空けて配置されて形成されている。シャワープレート2は、基板保持部材16に対向する壁面26を有しており、壁面26には各ガス流路4aの流路出口25が形成されている。壁面26と反応炉14の内壁とによって反応室19が形成されている。反応炉14の側壁の基板保持部材16よりも低い位置には、ガス排出口21が形成されている。反応炉14とシャワープレート2との間には、反応室19を封止するためのOリング22aが設けられている。
【0054】
第1ガスをガス流路4aに供給するためにシャワープレート2とシャワープレート3との間にガス分配空間9が形成されている。シャワープレート3は、ガス分配空間9が露出するようにシャワープレート2から取り外し可能に設けられている。シャワープレート2とシャワープレート3との間に、ガス分配空間9を封止するためのOリング22bが設けられている。シャワープレート2の周縁には、ガス分配空間9に第1ガスを供給するための複数のガス導入口23が設けられている。
【0055】
シャワープレート3は、被処理基板15に向かって第2ガスを流すために設けられてシャワープレート3から突出して各ガス流路4aの内部に挿入された複数のガス導管5を有している。ガス導管5には、第2ガスが流れるガス流路4bが形成されている。
【0056】
シャワープレート3は、ベース7と上方プレート8とを有している。ベース7と上方プレート8との間にガス分配空間10が形成されている。上方プレート8は、ガス分配空間10が露出するようにベース7から取り外し可能に設けられている。ベース7と上方プレート8との間には、ガス分配空間10を封止するためのOリング22cが設けられている。上方プレート8には、ガス分配空間10に第2ガスを供給するための第2ガス導入口24が形成されている。
【0057】
シャワープレート2には、ガス導管5の温度を調整する冷媒を流すための冷媒流路11が、ガス流路4aの周りを通って形成されている。
【0058】
シャワープレート2には、第1ガスと第2ガスとが混合される混合室12が、ガス導管5の先端の前方においてガス流路4aの内壁により形成されている。
【0059】
シャワープレート2は、基板保持部材16に対向して設けられた下方プレート29と、下方プレート29と所定の間隔を空けて基板保持部材16の反対側に設けられた上方プレート28と、下方プレート29及び上方プレート28を貫通して設けられてガス流路4aを形成するガス導管30とを有している。
【0060】
シャワープレート2には、第1ガスを導入する第1ガス導入口23と、第1ガスをガス分配空間9に導く導入経路31とが形成されたフランジ部32が設けられている。ベース7と上方プレート8とは、その周縁において固定ネジ39によってフランジ部32に固定されている。
【0061】
冷媒流路11には、冷媒を各ガス流路4aの周りに均等に供給するための冷媒調整リング33が設けられている。ガス分配空間9には、第1ガスを各ガス流路4aに均等に供給するための第1ガス調整リング36が設けられている。ガス分配空間10には、第2ガスを各ガス導管5に均等に供給可能とするための第2ガス調整リング35が設けられている。
【0062】
このように、気相成長装置1においては、内部を大気側と隔離し、気密状態を保持する反応炉14と、被処理基板15を載置する基板保持部材16と、被処理基板15を加熱する基板加熱ヒータ17と、基板保持部材16と対向する位置に設けられて被処理基板15に向けて複数の原料ガスを供給する複数のガス流路出口を有するガス供給部18とによって、反応室19を構成している。
【0063】
基板保持部材16は、回転伝達部材20の一端に備え付けられており、回転伝達部材20は、図示しない回転機構によって、自転可能となっている。
【0064】
被処理基板15の主表面に薄膜を形成するときは、原料ガス(以下単にガスと称する)をガス供給部18から反応室19へ導入する。このとき加熱ヒータ17により、基板保持部材16を介して被処理基板15が加熱され、被処理基板15上での成膜化学反応が促進されることにより、被処理基板15上に薄膜が形成される。被処理基板15上を通過したガスは、ガス排出口21より排出される。
【0065】
次に、ガス供給部18の構造を、より具体的に説明する。図1において、ガス供給部18は、反応炉14と、Oリング22aによって、気密状態を保持するよう封止されており、ガス供給部18と反応炉14とは取り外し可能なように構成されている。
【0066】
ガス供給部18には、第1ガス導入口23と第2ガス導入口24とが設置されており、それぞれ異なる原料ガスが供給される。
【0067】
第1ガス、及び第2ガスが分離され、ガス分配空間9とガス分配空間10とに、各ガスを独立に吐出するシャワープレート形状の複数のガス流路(第1ガス流路4a、第2ガス流路4b)によって構成され、個々の第1ガス流路4a内に第2ガス流路4bが(同芯状に)内包されて配設され、第1ガス流路出口25は、反応炉壁面26に形成され、第2ガス流路出口27は、第1ガス流路出口25よりも、ガス供給源側、(つまり、被処理基板15より遠い側)に構成され、配置されることにより、個々の第1ガスと第2ガスとの混合室12を構成し、第1ガス流路4aと反応炉壁面26との間に、第1ガス流路4aを温度調整する冷媒流路11が構成される。
【0068】
第1ガス流路の上方プレート28と第1ガス流路の下方プレート29とは、多数の貫通穴が形成され、距離Aを保って配設されており、ガス流路4aとなるガス導管30が、気密を保つよう、真空ロウ付や電子ビーム溶接、TIG溶接、拡散接合等によって貫通穴に接合されている。図3中には、ガス導管30の両端を、それぞれ第1ガス流路の上方プレート28と第1ガス流路の下方プレート29とに接合する形状を示しているが、本発明はこれに限定されない。上方プレート28、もしくは下方プレート29に直接、ガス導管30を切削加工等により形成してもよい。
【0069】
上記のように構成することで、ガス流路4aを温度調整することが可能な冷媒流路11が形成される。
【0070】
更に、第1ガス流路の上方プレート28、下方プレート29、及びガス導管30によって構成された部材に、第1ガス導入流路31、冷媒流路11を形成した第1ガス流路のフランジ部32が接合される。フランジ部32は、ここでは別体としているが、上方プレート28、下方プレート29のいずれか、もしくは両方に形成しても良い。また、接合方法は、真空ロウ付や電子ビーム溶接、TIG溶接、拡散接合等いずれの方法を用いても良い。
【0071】
また、冷媒流路11には、冷媒調整リング33が配設されており、冷媒を均等に供給することを可能としている。冷媒調整リング33には、冷媒を均等に供給可能とするための、穴が複数個形成されている。各穴の径は、冷媒を均等に供給できるよう適宜調整されている。形状も、円形状でも良いし、矩形、多角形いずれでもよい。
【0072】
以上のように、構成された部材をシャワープレート2と呼ぶ。
【0073】
第2ガス流路の下方プレート(ベース7)には、多数の貫通穴が設置され、複数のガス導管5が、気密を保つよう、真空ロウ付や電子ビーム溶接、TIG溶接、拡散接合等によって接合されている。図3中には、第2ガス流路下方プレート(ベース7)へガス導管5を接合する形状を示しているが、本発明はこれに限定されない。第2ガス流路下方プレート(ベース7)に直接、ガス導管5を切削加工等により形成してもよい。
【0074】
下方プレート29(ベース7)と上方プレート8とは、距離Bを保って配設されており、Oリング22cにより、取り外し可能状態で固定ネジ39にて封止されている。以上のように構成することで、ガス分配空間10が形成される。また、ガス分配空間10には、調整リング35が配設され、調整リング35は、第2ガスを均等に供給可能とするための穴が複数形成されている。各穴の径は、第2ガスを均等に供給できるよう適宜調整されている。形状も、円形状でも良いし、矩形、多角形いずれでもよい。
【0075】
以上のように、構成された部材をシャワープレート3と呼ぶ。
【0076】
シャワープレート2上に、シャワープレート3を設置し、距離cのガス分配空間9を形成する。シャワープレート2と、シャワープレート3は、Oリング22cによって気密を保つように固定される。
【0077】
ガス分配空間9には、調整リング36が配設され、調整リング36は、第1ガスを均等に供給可能とするための、穴が複数形成されている。各穴の径は、第1ガスを均等に供給できるよう適宜調整されている。形状も、円形状でも良いし、矩形、多角形いずれでもよい。
【0078】
ガス流路4a内に同芯状に内包されたガス流路4bのガス流路出口27は、ガス流路出口25と距離Lの位置に形成される。このように構成することで、ガス流路4a内に、第1ガスと第2ガスとの混合室12が形成される。
【0079】
上記のように構成することで、反応ガスの混合性が向上し、被処理基板面上のガス濃度分布を均一化することができ、被処理基板表面反応の制御性を向上させ、つまり、成膜厚や組成比を向上させると共に、原料利用効率を向上させることができる。
【0080】
また、冷媒流路11が構成されることによって、被処理基板に到達する前に附加化合物が発生するのを防ぐことができる。
【0081】
また、本実施の形態においては、シャワープレート3はOリング22bによって封止されており、取り外しが可能であるため、第1ガス分配空間9が露出可能となる構成となっている。上記構成により、メンテナンス性が向上し、特に、ガスシャワープレート2内部に附加化合物が発生した場合や、異物混入があった場合においても、洗浄性が飛躍的に向上し、内部汚染を完全に除去できる。従来の特許文献3に記載の構造によると、ロウ付等により接合しているため、内部の完全な洗浄は不可能である。穴が小さく(φ0.6mm)、洗浄液が十分に流れ難い、よどみができるため、異物がたまる可能性が高い。
【0082】
なお、本実施の形態では、シャワープレート3がOリング22bによって封止されて取り外し可能な構成例を示したが、本発明はこれに限定されない。他の機構によって、シャワープレート3をシャワープレート2から取り外し可能に構成してもよい。
【0083】
他の構成としては、『ナイフエッジ型メタルシールフランジ』(ICFフランジ、コンフラットフランジとも言われる)によって、シャワープレート3をシャワープレート2から取り外し可能に構成することができる。一般的に真空封止可能なフランジ型式により、取り外し可能に構成することができる。
【0084】
『ナイフエッジ型メタルシールフランジ』は、バリアン社が超高真空用のフランジとして開発し、超高真空の標準フランジのように使われている。日本では日本真空協会が日本真空協会規格のJVIS003「真空装置用ベーカブルフランジの形状・寸法」に名称を「ナイフエッジ型メタルシールフランジ」と称して寸法図を参考図面として記述している。一方、ISO規格は現在規格制定中であり、ISO/CD3669ベーカブルフランジとしてドラフト段階で検討が進んでいる。
【0085】
なお、ISOで規格化しようとしているベーカブルフランジはナイフエッジ型、中空メタル"O"リング型、メタル"C"リングなど他のタイプのシール機構も含め、外形寸法、ボルト数、シール機構部の寸法などを規格化しようとしている。
【0086】
ナイフエッジ型メタルシールフランジは、内側に先の尖ったエッジが付いており、通常は銅製のガスケットを挟んで塑性変形させることによってシールする、全金属製の継手である。このようなナイフエッジ型メタルシールフランジの構成は、例えば、特開2003−294146号公報に開示されている。
【0087】
また、シャワープレート3の上方プレート8は、Oリング22cによって封止されており、取り外しが可能であるため、ガス分配空間10が露出可能となる構成となっている。上記構成によれば、ガス分配空間10が露出可能となる構成であるため、メンテナンス性が向上し、特に、ガス分配空間10、ガス流路4b内部に附加化合物が発生した場合や、異物混入があった場合においても、洗浄性が飛躍的に向上し、内部汚染を完全に除去できる。
【0088】
なお、本実施の形態では、シャワープレート3の上方プレート8がOリング22cによって封止されて取り外し可能な構成例を示したが、本発明はこれに限定されない。他の機構によって、上方プレート8をベース7から取り外し可能に構成してもよい。例えば、上述した『ナイフエッジ型メタルシールフランジ』により、上方プレート8をベース7から取り外し可能に構成することができる。
【0089】
また本実施の形態では、ガス分配空間9、10が反応室19の上側に設けられた構成を示したが、本発明はこれに限定されない。逆に、反応室が上方にあり、下方にあるガス分配空間側からシャワーを吹き上げるように、装置をさかさまに構成してもよい。後述する他の実施の形態においても同様である。
【0090】
また、本実施の形態では、ガス導管5の先端が、ガス流路4aの途中まで挿入されて、ガス導管5の先端の前方においてガス流路4aの内壁により混合室12が形成されている例を示したが、本発明はこれに限定されない。ガス導管5の先端と壁面26とが同一平面上にあるように構成しても良いし、ガス導管5の先端が壁面26から被処理基板15に向かって突出するように構成してもよく、これらの場合は混合室12は形成されない。後述する他の実施の形態においても同様である。
【0091】
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2に係る気相成長装置1aの構成を示す断面図である。前述した構成要素と同一の構成要素には、同一の参照符号を付している。従って、これらの構成要素の詳細な説明は省略する。
【0092】
前述した実施の形態1の気相成長装置1と異なる点は、シャワープレート2とシャワープレート3との間に昇降機構13を設けた点である。昇降機構13は、ベローズによって構成されている。「ベローズ(Bellows)」とは、金属で製作した筒状のものにひだを設け、伸縮性・気密性・バネ性を持たせたもの言う。つまり、「ベローズ」は「伸縮管」であるということができる。
【0093】
昇降機構13は、ガス導管5の先端とガス流路4aとによって形成されて第1ガスと第2ガスとが混合される混合室12の容積を調整するために、ガス導管5の長手方向に沿ってガス導管5とガス流路4aとを相対的に昇降させるように構成されている。昇降機構13がシャワープレート2とシャワープレート3とをガス導管5の長手方向に沿って相対的に昇降させる例を図5は示しているが、本発明はこれに限定されない。昇降機構13は、ガス導管5とシャワープレート3とをガス導管5の長手方向に沿って相対的に昇降させるように構成してもよい。
【0094】
このように、シャワープレート2とシャワープレート3との接合を、昇降機構13を介して行うことができる。上記構成によると、シャワープレート3の位置を昇降機構13のベローズの屈曲を利用し、可変することが可能となる。また、図示しない駆動機構によって、自動駆動させることも可能である。
【0095】
上記構成によれば、混合室12の大きさを変化させることが可能となり、原料ガス混合性が向上し、被処理基板15の面上のガス濃度分布を均一化することができ、被処理基板15の表面反応の制御性を向上させることができる。つまり、成膜厚や組成比を向上させると共に、原料利用効率を向上させることができる。また、成膜中に混合室12の大きさを可変することが可能となる。このため、1回の成膜で、反応ガス流量や、被処理基板15の温度が変わる複数の膜を成長させる場合においても、それぞれの条件に最適な混合室12の大きさを設定できる。その結果、最適な単膜を積層することが可能となり、高品質の多層膜を成膜することが可能となる。
【0096】
さらに、ガス導管5とガス流路4aとの相対位置移動により、ガス導管5のガス流路4aからの突出程度、被処理基板15へのガス導管5の先端からの距離、ガス流路4aの出口からの距離が変わりうるので、膜質や成長速度の変更が可能となる。
【0097】
シャワープレート2の天面とシャワープレート3の底面との間に、ベローズ(昇降機構13)を溶接もしくはフランジ接続にて設置することで、ガス分配空間9は、外部(大気)から隔離され、内部を気密に保つことが可能となり、かつ、シャワープレート3の高さ位置は、ベローズ(昇降機構13)の屈曲を利用して調整可能に構成できる。シャワープレート3の高さ位置の駆動は、ボールネジ、エアシリンダ、高さ調整ボルトなど様々な方法で駆動可能である。
【0098】
(実施の形態3)
図6は、実施の形態3に係る気相成長装置に設けられたガス供給部の構成を示す拡大断面図である。ガス導管5aの流路出口27aの反対端の外周には、雄ネジ加工が施してある。ガス導管5aに形成された雄ネジの流路出口27a側には、フランジ40が形成されている。
【0099】
下方プレート34aに形成された貫通穴41には、ガス導管5aの雄ネジに対応する雌ネジ加工が施してあり、更に、ザグリ穴42が、フランジ40に対応するように形成されている。このように、ガス導管5aは、ネジ構造によって、下方プレート34aに固定することが可能となる。更に、フランジ40を設けることによって、ガス導管5aの突出長さDを正確に規定することが可能である(フランジ40が無いと、ネジの締め込み具合に応じて突出長さDが変化してしまう)。更に、下方プレート34aのザグリ穴42に、前記フランジ40を挿入することで、ガス分配空間9に余分な突起を生じることが無く、ガス分配空間9内の流れを乱すことが無い。また、ネジ部を通じて、第1ガスと第2ガスとが拡散し混合する可能性もあるため、ネジ部には、グラファイトシートを挟み、封止構造をとることもできる。また、グラファイトシート以外に、白金薄膜シート等の原料ガスに対して耐食性を有する金属薄膜シートも使用可能である。
【0100】
但し、フランジ40の高さが、ガス分配空間9内の流れを乱さない程度の突起であれば、ザグリ穴42を設けることは必須では無い。
【0101】
上記構成によれば、ガス導管5aは、下方プレート34aから取り外し(着脱)可能な構成になっており、ガス導管5aの突出長さDを変えることによって、混合室12の大きさを変えることが可能である。実施の形態2に記載の方法によっても、ガス導管5aの位置を変えることが可能であるが、ガス分配空間9の大きさも可変となるため、条件によっては、均一なシャワープレートからの反応ガス供給が出来ない場合がある(ガス分配空間9が極端に狭くなるような条件のとき)。そのような場合、ガス導管5aを取り外し可能な構成としていることで、本体毎に再製作する必要がなく、ガス導管5aの変更のみで調整することが可能となり、様々な条件の成膜に対応した装置とすることができる。
【0102】
また上記構成によれば、第二ガス流路出口27aの直径の変更が容易となる。例えば、基板保持部材16上に設置された複数の被処理基板15の内、外周側の被処理基板15の膜厚が中央部と比べて異なった場合、通常は、基板保持部材16上の温度分布を変化させ(外周側に配置された被処理基板15の温度を上げるもしくは下げる)、気相の温度を変えることで、均一な膜を成膜する。しかし、温度を変えると、成膜組成も変わってしまう。そこで、被処理基板15に供給される反応ガスの流速を変化させて調整することが考えられるが、シャワープレート方式の場合、流量を変更することによって、全体の流速が変化してしまうため、エリア毎の流速調整は、穴径を変化させたシャワープレートを作り直す必要があった。
【0103】
しかし、ガス導管5aを取り外して交換可能とすることで、様々な穴径を有するガス流路4bを容易に形成することが可能である。また、ガス流路出口27aの外径、つまり、ガス導管5aの外径を変更することで、ガス流路4aの断面積も変えることが可能であり、エリア毎に細かな流速調整が可能である。以上のことから、様々な条件の成膜に対応した気相成長装置とすることができる。
【0104】
また、ガス流路4bの一部において、附加化合物が発生し、ガス流路4b内の壁面に附加化合物が付着し、流路出口27aが詰まった場合でも、全体を洗浄することなく、詰まった箇所のガス流路4b(ガス導管5a)のみを交換することが可能である。そのため、装置のメンテナンス時間も大幅に短縮することが可能であり、装置の稼働率向上を図ることも可能である。
【0105】
本実施の形態では、ガス導管5aにネジを形成することによって、下方プレート34aから取り外し(着脱)可能に構成する例を示した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。他の機構によってガス導管5aを下方プレート34aから取り外し(着脱)可能に構成してもよい。
他の機構としては、図7(a)及び図7(b)に示すように、ガス導入管5aの上部に、フランジ40を設け、すきまばめ、中間ばめ、しまりばめ等の『はめあい』によって、取り外し(着脱)可能に構成することができる。しかし、すきまばめ、中間ばめの場合は、取り外しが容易である点で好ましい。しまりばめの場合は、ガス圧力等によって、予期できない外れや位置ズレが発生するおそれが無い点で好ましい。
更に、第1ガス流路4aの直径をd1、フランジ40の直径をd2とすると、その関係は、d1>d2となるように構成されている。d1<d2であった場合、シャワープレート2と、シャワープレート3を分離しなければ、ガス導管5aを交換することは不可能であるが、d1>d2であるため、シャワープレート2と、シャワープレート3を組付けた状態で、反応室19側より、ガス導管5aを第一ガス流路出口25を通じて、ネジ部を外し、取り出し、再度、締結することができる。
上記構成により、Oリング等の真空封止部の取外しが不要で、メンテナンス性が向上する。また、真空封止部を取外すと、リークの危険性が増し、必ずリークチェックを行う必要があり、稼働率低下を招くが、その心配がなくなる。
また、ガス導管5aの外径は、ネジ部より大きくしても、小さくしてもよく、第1ガス流路4aの直径d1以下であれば、自由に設定することができるため、流速や流量等の成長条件が広くなり、成長レートや効率、膜厚均一性の高い成長条件が可能となる。
図7(a)に示すように、ガス導管5aの先端部(反応室19側)には、凹部51が形成されている。また、図7(b)に示すように、凸部52を形成しても良い。このように、凹部51や凸部52を形成することで、反応室19側より、治具を挿入して、ガス導管5aの回転拘束が可能となるので、容易にガス導管5aの交換が可能となる。
また、図8(b)にガス導管5aの交換治具53を示す。交換治具53には、ガス導管5aのガス流路4bへ挿入される円柱状の治具挿入部54が設置され、ガス導管5aの先端部(反応室19側)の凹部51と嵌合する治具突起部55が治具挿入部54の根元に設置されている。上記構成によると、ガス導管5aを交換する際、ガス導管5aのガス流路4bへ挿入される治具挿入部54によって、ガス導管5aが落下する恐れが無くなる。また、凹部51と治具突起部55が勘合することによって、回転拘束を行い、ネジ部の回転を行うことができる。また、交換治具53の外径d3を第1ガス流路4aの直径をd1と略等しく設定することで、ガス導管5aに対して平行に挿入することが容易となり、ガス導管5aに余分な力をかけることなく取外しができる(ガス導管5aは非常に細くなるため、曲がりが発生する可能性がある。また、ネジ部に応力がかかると、かじりの原因となり、取外しが困難となる。かじりやすいのは、真空部品であり、また反応ガスが流れる箇所であるため、不純物の混入を防止するため、油(グリース)は使用することができず、非常にクリーンに洗浄されているためである)。
また、凹部51と治具凸部55の凹凸関係は逆でも良いし、回転拘束ができれば、1箇所でも2箇所でもそれ以上でも良い。
【0106】
ガス導管5aをガス分配空間10側から着脱しようとすると、メンテナンスしにくくなる。反応室19は、通常のメンテナンスで開放することはあるが、ガス分配空間10は、基本的に開放する機会がないので、ガス導管5aをガス分配空間10側から着脱しようとすると、わざわざ開放する必要があり、稼働率が低下する。
【0107】
ガス導管5aをガス分配空間10側から着脱しようとすると、ガス導管5aのノズル径もガス導管5aのネジ径以下に制限される為、流速や流量等の成長条件が制限され、成長レートや効率、膜厚均一性の高い成長条件の最適化が難しくなる。また、ガス導管5aをガス分配空間10側から着脱しようとすると、ガス供給室にノズルが突出するため乱流が発生するという問題が生じる。
【0108】
ガス導管5aの反応室側からの着脱が可能になると、Oリング等の真空封止部の取外しが不要になり、メンテナンス性が向上する(真空封止部を取外すと、必ずリークチェックを行う必要があり、稼働率低下を招く。また、リークの危険性が増す)。
【0109】
ガス導管5aの外径がネジ径以下に制限されると、ガス流路4aに制限ができる。そのため、流速や流量等の成長条件が制限され、成長レートや効率、膜厚均一性の高い成長条件の最適化が難しくなる。
【0110】
ガス導管5aを交換して変更することができると、混合室12の形成の有無にかかわらず、ガス導管5aを交換するだけで、被処理基板15に到達するガスの状態を調整することが可能になる。調整可能になるガスの状態は、被処理基板15近傍におけるガス混合比率とガス混合程度とガス反応程度とガス反応速度とガス量とガス主流方向と乱流の有無及び程度とを含む。
【0111】
また、混合室12が形成される場合は、混合室12の大きさを調整することができるばかりでなく、下記の調整が可能になる。例えば、長さが同じガス導管5aであれば、その先端から前方の空間(混合室12)の大きさは同じになるが、図6に示す先端全面開口の寸胴型ガス導管(ガス導管5a)であっても、その内径の違いに応じて、ガスが混合された状態(混合程度、出口から流出する速度、流出方向等)を様々に調整することができる。また、図9(a)に示すような先端の閉面に開口があるタイプでは、その開口の配置、大きさ及び数に応じて、ガスが混合された状態(混合程度、出口から流出する速度、流出方向等)を様々に調整することができる。また、ガス導管の噴出しの方向が、図9(a)に示すように端面から噴出す方向であるか、図9(b)に示すように側面から噴出す方向であるかに応じて、ガスが混合された状態(混合程度、出口から流出する速度、流出方向等)を様々に調整することができる。さらに、図9(a)に示す先端の閉面に開口が形成されているタイプのガス導管であっても、先端の閉面に対して垂直に開口するのか、斜めに開口するのかに応じて、ガスが混合された状態(混合程度、出口から流出する速度、流出方向等)を様々に調整することができる。
図9(a)は上記気相成長装置のガス供給部に設けられたガス導管5aの構成を示す斜視図であり、(b)は他のガス導管5bの構成を示す斜視図である。図9(a)に示す構成によると、ガス導管5aの流路出口に複数個の孔6を形成することによって、第2ガスの噴出しをより広げることが可能となり(パイプ形状の場合、直線状に噴出すのみである)、各孔6からの第二ガス流出速度は、従来よりも増加し、かつ、狭ピッチの細かな噴出しが実現できる。このため、流出した第二ガスの乱れが増加し、より、第一ガスとの混合性が向上する。また、被処理基板面上のガス濃度分布を均一化することができ、被処理基板表面反応の制御性を向上させ、つまり、成膜厚や組成比を向上させると共に、原料利用効率を向上させることができる。
【0112】
図9(b)の構成によると、ガス導管5bの側面に複数個の孔6を形成することによって、第2ガスを側面方向の第1ガス流路へ噴出させる。各孔6からの第2ガス流出速度は従来よりも増加し、かつ、第1ガス流路へ噴出させるため、流出した第2ガスと第1ガスとの混合性がより向上する。
【0113】
(実施の形態4)
図10は、実施の形態4に係る気相成長装置1bの構成を示す断面図である。気相成長装置1bは、MOCVD装置の第4の実施形態である縦型シャワーヘッド型MOCVD装置である。
【0114】
シャワープレート3の中間プレート43と下方プレート34とは、多数の貫通穴が形成されている。中間プレート43と下方プレート34とは、距離Eを保って配設されており、各貫通穴には、ガス流路4bとなるガス導管5が、気密を保つように、真空ロウ付や電子ビーム溶接、TIG溶接、拡散接合等によって接合されている。また、中間プレート43もしくは下方プレート34に直接、ガス導管5を切削加工等により形成してもよい。
【0115】
上記のように構成することで、ガス流路4bを温度調整することが可能な、冷媒流路44が形成される。
【0116】
上記構成によって、加熱ヒータ17(図1)からの加熱によるガス流路出口27の温度上昇に関わらず、所望の温度に調整することができる。
【0117】
また、上記構成の場合、ガス流路出口27と冷媒流路44とが離れているため、ガス流路4bの温度制御性を向上させるために、熱伝導率の高い材料を用いて、ガス導管5を構成することが望ましい。
【0118】
例えば、通常は、SUS304(熱伝導率16W/(m・K))、SUS316L等が用いられるが、モリブデン(熱伝導率138W/(m・K))、タングステン(熱伝導率178W/(m・K))、白金(熱伝導率71.4W/(m・K))、ニッケル(熱伝導率90.5W/(m・K))などを用いることができる。
【0119】
また、本発明においては、MOCVD装置を構成する反応炉、シャワープレートおよびその他の部材の形状が図1に示す形状に限定されないことは言うまでもない。
【0120】
上述の実施の形態1〜4において、第一ガスとして、III族ガス、第二ガスとしてV族ガスを原料ガスとすることができる。
【0121】
なお、本発明において、III族元素としては、たとえば、Ga(ガリウム)、Al(アルミニウム)またはIn(インジウム)などがあり、III族元素を含むIII族系ガスとしては、たとえば、トリメチルガリウム(TMG)またはトリメチルアルミニウム(TMA)などの有機金属ガスの1種類以上を用いることができる。
【0122】
V族元素としては、たとえば、N(窒素)、P(リン)またはAs(ヒ素)などがあり、V族元素を含むV族系ガスとしては、たとえば、アンモニア(NH)、ホスフィン(PH)またはアルシン(AsH)などの水素化合物ガスの1種類以上を用いることができる。
【0123】
上記構成によれば、第二ガス流路出口27は、加熱ヒータからの熱を直接受け、冷媒流路11によって温度調整される第一ガス流路4aに比べ、温度上昇しやすい構造である。V族系ガスは有機ガスが用いられ、高温にしないと、分子が分解して成長膜にドープされない、あるいは分子のままドープされてホールを形成してしまい、膜質や成長レートの劣化に繋がる。そのため、第二ガス流路4bをV族系ガスとすることで、予め反応炉14以外で加熱し、活性化されたガスを反応炉14に供給することにより、被処理基板15の温度が、III族系ガスが熱分解しない程度の温度を保ったまま、気相反応を進行させることが可能となる。
【0124】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、反応炉内の被処理基板を載置するための基板保持部材に対向して配置されて被処理基板に向かってガスを供給するために設けられたシャワープレートを備えた気相成長装置及び気相成長方法に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】実施の形態1に係る気相成長装置の構成を示す断面図である。
【図2】上記ガス供給部の詳細な構造を示す断面図である。
【図3】図2に示すA部の拡大断面図である。
【図4】上記気相成長装置に設けられたガス供給部を被処理基板側から見た平面図である。
【図5】実施の形態2に係る気相成長装置の構成を示す断面図である。
【図6】実施の形態3に係る気相成長装置のガス供給部の構成を示す拡大断面図である。
【図7】(a)は上記気相成長装置のガス供給部に設けられた他のガス導管の構成を示す斜視図であり、(b)はさらに他のガス導管の構成を示す斜視図である。
【図8】(a)及び(b)は、上記ガス導管の交換冶具の構成を説明するための斜視図である。
【図9】(a)は上記気相成長装置のガス供給部に設けられたガス導管の構成を示す斜視図であり、(b)は他のガス導管の構成を示す斜視図である。
【図10】実施の形態4に係る気相成長装置の構成を示す断面図である。
【図11】従来の気相成長装置の構成を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0127】
1 気相成長装置
2 シャワープレート(第1シャワープレート)
3 シャワープレート(第2シャワープレート)
4a、4b ガス流路
5 ガス導管
6 孔
7 ベース
8 上方プレート(カバープレート)
9 ガス分配空間(第1ガス分配空間)
10 ガス分配空間(第2ガス分配空間)
11 冷媒流路
12 混合室
13 昇降機構
14 反応炉
15 被処理基板
16 基板保持部材
51 凹部
52 凸部
53 交換治具
54 治具挿入部
55 治具突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応炉内の被処理基板を載置する基板保持部材に対向して配置されて前記被処理基板に向かって第1ガスを供給する第1シャワープレートと、
前記第1シャワープレートに対して前記基板保持部材の反対側に配置されて前記被処理基板に向かって第2ガスを供給する第2シャワープレートとを備えた気相成長装置であって、
前記第1シャワープレートには、前記被処理基板に向かって前記第1ガスが流れるガス流路が形成されており、
前記第2シャワープレートは、前記第2シャワープレートから突出して前記ガス流路の内部に挿入されて前記被処理基板に向かって前記第2ガスを流すガス導管を有しており、
前記ガス導管は、前記第2シャワープレートに着脱可能に設けられていることを特徴とする気相成長装置。
【請求項2】
前記ガス導管の出口には、複数の孔が形成されている請求項1記載の気相成長装置。
【請求項3】
前記第1シャワープレートと前記第2シャワープレートとの間に前記第1ガスを前記ガス流路に供給する第1ガス分配空間が形成され、
前記第2シャワープレートは、前記第1ガス分配空間が露出するように前記第1シャワープレートから取り外し可能に設けられている請求項1記載の気相成長装置。
【請求項4】
前記第2シャワープレートは、ベースとカバープレートとを有し、
前記ベースと前記カバープレートとの間に第2ガス分配空間が形成され、
前記カバープレートは、前記第2ガス分配空間が露出するように前記ベースから取り外し可能に設けられている請求項1記載の気相成長装置。
【請求項5】
前記ガス導管の温度を調整する冷媒を流す冷媒流路が前記第2シャワープレートに形成されている請求項1記載の気相成長装置。
【請求項6】
前記第1ガスは、III族ガスを含み、
前記第2ガスは、V族ガスを含む請求項1記載の気相成長装置。
【請求項7】
前記ガス導管の長手方向に沿って前記ガス導管と前記ガス流路とを相対的に昇降させる昇降機構を設けた請求項1記載の気相成長装置。
【請求項8】
前記昇降機構は、前記第1シャワープレートと前記第2シャワープレートとを前記ガス導管の長手方向に沿って相対的に昇降させる請求項7記載の気相成長装置。
【請求項9】
前記昇降機構は、前記ガス導管と前記第2シャワープレートとを前記ガス導管の長手方向に沿って相対的に昇降させる請求項7記載の気相成長装置。
【請求項10】
前記ガス導管は、前記第2シャワープレートと嵌合するフランジを有し、
前記ガス導管の前記フランジの外径は、前記ガス流路の内径よりも小さい請求項1記載の気相成長装置。
【請求項11】
前記ガス導管の先端には、前記ガス導管の交換冶具と嵌合する溝または突起が形成されている請求項1記載の気相成長装置。
【請求項12】
前記第1シャワープレートは、前記ガス導管の先端の前方において前記ガス流路の内壁により形成されて前記第1ガスと前記第2ガスとを混合する混合室を有している請求項1記載の気相成長装置。
【請求項13】
反応炉内の被処理基板を載置する基板保持部材に対向して配置された第1シャワープレートであって、前記被処理基板に向かって第1ガスが流れるガス流路が形成された第1シャワープレートによって、前記被処理基板に向かって第1ガスを供給し、
前記第1シャワープレートに対して前記基板保持部材の反対側に配置された第2シャワープレートであって、第2シャワープレートから突出して前記ガス流路の内部に挿入されて前記被処理基板に向かって第2ガスを流すガス導管を有する第2シャワープレートによって、前記被処理基板に向かって前記第2ガスを供給する気相成長方法であって、
前記ガス導管は、前記第2シャワープレートに着脱可能に設けられていることを特徴とする気相成長方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2010−62382(P2010−62382A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−227328(P2008−227328)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】