説明

液体流量制御装置、液体流量制御方法、基板処理装置および記憶媒体

【課題】液体流量制御装置の制御可能総流量範囲を広くすること。
【解決手段】第1の流量制御ユニット21Aは、小流量の第1の制御可能流量範囲を有する第1の流量制御弁23Aを有しており、第2の流量制御ユニット21Bは、大流量の第2の制御流量範囲を有する第2の流量制御弁23Bを有しており、第1および第2の制御流量範囲には重複範囲がある。総流量の要求値の変化に応じて、第1および第2の流量制御ユニットの一方または両方に液体が流れる。第1および第2の流量制御ユニットを流れる液体の合計流量を増大させてゆく過程においては、第1および第2の流量制御ユニットの一方を流れる流量を固定しつつ他方を流れる流量を増大させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体流量の制御に関するものであり、詳細には、制御可能流量範囲の異なる複数の流量制御ユニットを協働させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造おいては、拡散/CVD処理前洗浄、エッチング後洗浄、ウエットエッチング等を行うために洗浄システムが用いられる。洗浄システムは、小フットプリント、高スループットなどの要求に応えるため、近年一段と高集積化され、多数台の洗浄ユニットが1つの洗浄処理システムに組み込まれている。
【0003】
各洗浄ユニットにそれぞれ専用の洗浄液供給ユニットを設けることもできるが、通常は、多数台の洗浄ユニットに対して共通の洗浄液供給ユニットが設けられる。洗浄液は、一般的に、一種類または複数種類の濃い薬液とDIW(純水)とを混合することにより生成される。洗浄液を予め生成してタンクに貯留しておき必要に応じてタンクから供給することもできる。しかしながら、近年では処理液供給時点に上記混合を行う方式がある。多数台の洗浄ユニットは、予め定められたプロセススケジュールに従い運転され、洗浄液を使用している洗浄ユニットの台数は時々刻々と変化し、唯一台の洗浄ユニットしか洗浄液を使用していない場合、全ての洗浄ユニットが洗浄液を使用している場合も考え得る。特に薬液は高腐食性であるため、少なくとも接液部分が耐薬品性樹脂材料からなる流量制御装置を用いる必要があり、その流量調整幅は一般的にはかなり狭い。従って、1つの洗浄処理システムに含まれる洗浄ユニットの数が多くなると、狭い流量調整幅の薬液用の流量制御装置が必要薬液流量の変動に対応することが困難となる。
【0004】
また、ユーザー要求により、1つの洗浄液供給ユニットが比較的薄い洗浄液(例えばHF:DIW=1:200のDHF)と比較的濃い洗浄液(例えばHF:DIW=1:10のDHF)を供給できるように構成することが求められる場合もある。さらに、1つの洗浄液供給ユニットが異なる種類の洗浄液(例えばDHF、SC1、SC2)を供給できるように構成することが求められる場合もある。このような場合、狭い流量調整幅の薬液用の流量制御装置が必要薬液流量の変動に対応することが益々困難となる。一例として、薬液用の流量制御装置が約10ml/min〜2800ml/minという広範囲の薬液流量に対応できなければならない場合もありうる。
【0005】
特許文献1は、CVD装置において液体原料を供給するために制御可能流量範囲の異なる並列に設けられた2つの流量制御器を用いることを開示している。しかし、引用文献1では、要求流量の変化に対応しうる2つの流量制御器の制御については全く記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−158122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、広範囲の要求流量に対応しうる液体流量制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点によれば、液体流量を制御するための液体流量制御装置において、並列に設けられた複数の流量制御ユニットと、前記複数の流量制御ユニットを流れる液体の合計流量が前記複数の流量制御ユニットにより実現すべき総流量の要求値と同じになるように前記複数の流量制御ユニットを制御するように構成されたコントローラと、を備え、前記複数の流量制御ユニットには、少なくとも第1の流量制御ユニットと第2の流量制御ユニットとが含まれており、前記第1の流量制御ユニットは、第1の制御流量範囲を有する第1の流量制御弁を有しており、前記第2の流量制御ユニットは、第2の制御流量範囲を有する第2の流量制御弁を有しており、前記第1の制御流量範囲は前記第2の制御流量範囲よりも小流量側にあり、かつ、前記第1の制御流量範囲と前記第2の制御流量範囲に重複範囲があり、前記コントローラは、前記総流量の要求値の変化に応じて、前記第1および第2の流量制御ユニットの一方または両方に液体が流れるように前記第1および第2の流量制御ユニットを制御するように構成され、前記コントローラは、前記第1および第2の流量制御ユニットを流れる液体の合計流量を増大させてゆく過程において、前記第1および第2の流量制御ユニットの一方を流れる流量を固定しつつ他方を流れる流量が増大するように前記第1および第2の流量制御ユニットを制御するように構成されていることを特徴とする液体流量制御装置。
【0009】
上記第1の観点の第1の有利な態様においては、前記コントローラは、第2の流量制御ユニットに液体が流れないで前記第1の流量制御ユニットに液体が流れている第1の状態から前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量を増大させてゆく過程において、前記第1の流量制御ユニットの流量すなわち前記合計流量が前記重複範囲内の第1の値まで増大したときに、前記第1の状態から前記第1および第2の流量制御ユニットに液体が流れている第2の状態に移行させ、このとき、前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量が変化しないように前記第1の流量制御ユニットの流量を減少させるとともに前記第2の流量制御ユニットへの液体の通流が開始されるように、前記第1および第2の流量制御ユニットを制御するように構成されている。
【0010】
上記第1の観点の第2の有利な態様においては、前記コントローラは、前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量を増大させてゆく過程において前記第1の状態から前記第2の状態に移行させるときに、前記第2の制御流量範囲の下限値に対応する量だけ前記第1の流量制御ユニットの流量を減少させるように、前記第1および第2の流量制御ユニットを制御するように構成されている。
【0011】
上記第1の観点の第3の有利な態様においては、前記コントローラは、前記第1の状態から前記第2の状態に移行させた後にさらに前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量を増大させてゆく過程において、前記第1の流量制御ユニットの流量を前記第1の制御流量範囲の上限値に対応する値に増大させた後に、前記第2の流量制御ユニットの流量を増大させてゆくように、前記第1および第2の流量制御ユニットを制御するように構成されている。
【0012】
上記第1の観点の第4の有利な態様においては、前記コントローラは、前記第2の状態から前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量を減少させてゆく過程において、前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量が前記第1の値より小さい前記重複範囲内の第2の値まで減少したときに、前記第2の状態から前記第1の状態に移行させ、このとき、前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量が変化しないように、前記第1の流量制御ユニットの流量を増大させるとともに前記第2の流量制御ユニットへの液体の通流が停止されるように、前記第1および第2の流量制御ユニットを制御するように構成されている。
【0013】
上記第1の観点の第5の有利な態様においては、前記コントローラは、前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量を減少させてゆく過程において前記第2の状態から前記第1の状態に移行させるときに、前記第2の流量制御ユニットの流量が前記第2の制御流量範囲の下限値に対応する値まで減少しており、かつ、前記第2の制御流量範囲の下限値に対応する量だけ前記第1の流量制御ユニットの流量が増大するように、前記第1および第2の流量制御ユニットを制御するように構成されている。
【0014】
上記第1の観点の第6の有利な態様においては、前記第2の制御流量範囲の下限値が前記第1の制御流量範囲の上限値の2分の1に等しい。
【0015】
上記第1の観点の第7の有利な態様においては、前記複数の流量制御ユニットには、さらに第3の流量制御ユニットが含まれており、前記第3の流量制御ユニットは、第3の制御流量範囲を有する第3の流量制御弁を有しており、前記第3の制御流量範囲は、前記第2の制御流量範囲よりも大流量側にあって前記第2の制御流量範囲と重複範囲を有しているか、或いは、前記第1の制御流量範囲よりも小流量側にあって前記第1の制御流量範囲と重複範囲を有している。
【0016】
本発明の第2の観点によれば、各々が処理液を用いて基板を処理するように構成された複数の液処理ユニットと、前記複数の液処理ユニットに処理液を供給する共通の処理液供給装置と、を備え、前記処理液供給装置は、希釈液供給源と前記複数の液処理ユニットとを接続する管路と、前記管路に接続された上記第1の観点に係る液体流量制御装置と、を有して、希釈液と前記液体流量制御装置により流量制御された薬液との混合液を処理液として前記複数の液処理ユニットで液処理を行うように構成された基板処理装置が提供される。
【0017】
本発明の第3の観点によれば、少なくとも第1の流量制御ユニットと第2の流量制御ユニットとを含む並列に設けられた複数の流量制御ユニットを用いて、液体流量を制御する方法であって、前記複数の流量制御ユニットを流れる液体の合計流量が前記複数の流量制御ユニットにより実現すべき総流量の要求値と同じになるように液体流量を制御する方法において、前記第1の流量制御ユニットは、第1の制御流量範囲を有する第1の流量制御弁を有しており、前記第2の流量制御ユニットは、第2の制御流量範囲を有する第2の流量制御弁を有しており、前記第1の制御流量範囲は前記第2の制御流量範囲よりも小流量側にあり、かつ、前記第1の制御流量範囲と前記第2の制御流量範囲に重複範囲があり、前記複数の流量制御ユニットにより実現すべき総流量の要求値の要求値の変化に応じて、前記第1および第2の流量制御ユニットの一方または両方に液体が流れるようにし、前記第1および第2の流量制御ユニットを流れる液体の合計流量を増大させてゆく過程において、前記第1および第2の流量制御ユニットの一方を流れる流量を固定しつつ他方を流れる流量を増大させることを特徴とする方法が提供される。
【0018】
本発明の第4の観点によれば、少なくとも第1の流量制御ユニットと第2の流量制御ユニットとを含む並列に設けられた複数の流量制御ユニットを備えた液体流量制御装置であって、前記第1の流量制御ユニットは、第1の制御流量範囲を有する第1の流量制御弁を有しており、前記第2の流量制御ユニットは、第2の制御流量範囲を有する第2の流量制御弁を有しており、前記第1の制御流量範囲は前記第2の制御流量範囲よりも小流量側にあり、かつ、前記第1の制御流量範囲と前記第2の制御流量範囲に重複範囲がある液体流量制御装置において当該液体流量制御装置を制御するためのプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラムを前記液体流量制御装置の制御コンピュータが実行したときに、前記制御コンピュータが、前記複数の流量制御ユニットを流れる液体の合計流量が前記複数の流量制御ユニットにより実現すべき総流量の要求値と同じになり、前記複数の流量制御ユニットにより実現すべき総流量の要求値の要求値の変化に応じて、前記第1および第2の流量制御ユニットの一方または両方に液体が流れ、かつ、前記第1および第2の流量制御ユニットを流れる液体の合計流量を増大させてゆく過程において、前記第1および第2の流量制御ユニットの一方を流れる流量を固定しつつ他方を流れる流量を増大させるように前記複数の流量制御ユニットを制御することを特徴とする記憶媒体が提供される。
【0019】
上記第2、第3、第4の観点には、上記第1の観点における第1〜第7の有利な態様を適用することができる。また、上記の第1〜第7の有利な態様は適宜組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、制御流量範囲の異なる複数の流量制御ユニットを組み合わせて使うことにより、液体流量制御装置全体としての制御可能流量範囲を広くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による液体流量制御装置を含む洗浄液供給ブロックを備えた洗浄処理システムの構成を示す図。
【図2】液体流量制御装置の作用を説明するチャート図。
【図3】液体流量制御装置の作用を説明するグラフ。
【図4】液体流量制御装置の作用を説明するグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、添付図面を参照して好適な実施形態について説明する。図1に示すように、洗浄処理システムは、洗浄液供給ブロック1と、洗浄処理ブロック100とを有している。
【0023】
洗浄処理ブロック100は、複数台、図示例では10台の洗浄ユニットP1〜P10を有している。洗浄ユニットP1〜P10の仕様は互いに同一である。洗浄ユニットP1は、ケーシング101と、ケーシング101内に設けられて基板例えば半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と呼ぶ)Wを保持するスピンチャック102と、ウエハ表面に洗浄液(本例では希釈薬液)を供給する洗浄液ノズル103と、ウエハ裏面に洗浄液を供給する洗浄液ノズル105とを有している。洗浄液ノズル103への洗浄液の供給は、開閉弁104と、その下流側にある流量計108aおよび流量制御弁108bからなる流量制御機構とによって制御される。洗浄液ノズル105への洗浄液の供給は開閉弁106と、その下流側にある流量計109aおよび流量制御弁109bからなる流量制御機構とによって制御される。各洗浄ユニットP1〜P10への処理液供給管路107−1〜107−10は、後述する洗浄液供給ブロック1の管路31に並列に接続されている。なお、洗浄ユニットP1〜P10のような半導体装置製造用の洗浄装置は当業者に周知であるため、詳細な説明は省略する。洗浄ユニットP1〜P10は、予め定められた処理スケジュールに従い互いに時間差をもって動作する。すなわち、洗浄処理ブロック100は、時間の経過とともに処理液の消費量が(場合によっては処理液の濃度も)変化する処理液消費構造物である。
【0024】
洗浄液供給ブロック1は、薬液供給部10と、薬液流量制御部(流量制御装置)20と、希釈液供給部30とを有している。
【0025】
薬液供給部10は、並列に設けられた薬液を貯留する2つのタンク11A、11Bを有している。ポンプ送り用の加圧ガス源12、本例ではNガス源に管路13が接続され、管路13は途中で分岐して分岐管路13A、13Bとなり、各分岐管路13A、13Bにタンク11A、11Bがそれぞれ介設されている。各分岐管路13A、13Bのタンク11A、11Bの上流側および下流側にはそれぞれ開閉弁14A、15Aおよび14B、15Bがそれぞれ介設されている。また、大容量の薬液供給原16、本例ではHF(フッ酸)供給源に管路17が接続され、管路17は途中で分岐して分岐管路17A、17Bとなり、各分岐管路17A、17Bはそれぞれタンク11A、11Bの下部に接続されている。分岐管路17A、17Bにはそれぞれ開閉弁18A、18Bが介設されている。タンク11A、11Bの上部にはそれぞれ管路17C、17Dが接続されており、管路17C、17Dにはそれぞれ開閉弁19A、19Bが介設されている。
【0026】
なお、通常運転時には、薬液供給部10は、開閉弁14A、15Aおよび14B、15Bのうちのどちらか一組のみを開き、2つのタンク11A、11Bのうちいずれか一方のタンク(例えば11A)の上部空間に加圧ガスを供給することにより当該タンク内に貯留された薬液を下方から押し出し(圧送し)て、流量制御部20に薬液を供給する。当該一方のタンク内の薬液の残量が少なくなってきたら、別のタンク(例えば11B)から流量制御部20に薬液が供給されるように、開閉弁14A、15A、14B、15Bを適宜切り換える。そして前記一方のタンクには、開閉弁18A、19Aおよび18B、19Bのうちのどちらか一組のみ(例えば開閉弁18A、19A)を開き、大容量の薬液供給原16から前記一方のタンクに薬液が補充されるようにする。タンク内への薬液補充時には、タンク内のガス抜きのため、対応する管路(17Cまたは17D)の開閉弁(19Aまたは19B)を開くことにより、タンクを大気解放可能、または工場排気系(EXH)に解放可能である。
【0027】
上記の通り、いずれか一方のタンク(11Aまたは11B)から対応する分岐管路(13Aまたは13B)を通って、流量制御部20に加圧された薬液が供給されるようになっている。
【0028】
流量制御部20には、複数、本例では3つの流量制御ユニット21(21A、21B、21C)が設けられている。各制御ユニット21(21A、21B、21C)は、管路27(27A、27B、27C)を有しており、管路27(27A、27B、27C)には上流側から順に、流量計22(22A、22B、22C)、電空レギュレータ(EV)25(25A、25B、25C)により開度制御される流量制御弁23(23A、23B、23C)、エアーオペレーションバルブからなる開閉弁24(24A、24B、24C)が順次開設されている。例示された実施形態においては、流量制御弁23は、少なくともその接液部分が全てフッ素系樹脂等の高耐薬品性材料から形成されたニードルバルブからなる。なお、ニードルバルブの通過流量を完全に0にすることが困難なため、各流量制御ユニット21A、21B、21Cの流量を完全に0にする際には開閉弁24が閉じられる。管路27を流れる薬液の流量は流量計22により検出され、検出値がコントローラ(CNTL)26(26A、26B、26C)に送られ、コントローラ26は上位コントローラ(MGR)28から受け取った目標流量が達成されるように電空レギュレータ25に制御信号を送り、流量制御弁23の開度を制御する。すなわち、上位コントローラ28が3つの流量制御ユニット21A、21B、21Cに対してそれぞれ設定する目標流量を達成するように流量制御弁23の開度を制御するフィードバックループが3つの流量制御ユニット21A、21B、21Cの各々に設定されている。
【0029】
3つの流量制御ユニット21A、21B、21Cは、それぞれに属する流量制御弁23(23A、23B、23C)の仕様、具体的には制御可能流量範囲が互いに異なる。制御可能流量範囲とは、所定誤差範囲、例えば誤差±1%で目標流量を達成することが可能な流量範囲を意味する。なお、上記樹脂製のニードルバルブの一般的な制御可能流量範囲の下限値は、上限値の1/10程度である。例示された実施形態においては、小流量用の流量制御弁23Aの制御可能流量範囲が10〜100ml/min、中流量用の流量制御弁23Bの制御可能流量範囲が50〜500ml/min、大流量用の流量制御弁23Cの制御可能流量範囲が250〜2500ml/minである。すなわち、小流量用の流量制御弁23Aと中流量用の流量制御弁23Bの制御可能流量範囲は重複範囲を有しており、また、中流量用の流量制御弁23Bと大流量用の流量制御弁23Cの制御可能流量範囲は重複範囲を有している。
【0030】
各流量制御弁23(23A、23B、23C)に制御流量範囲が設定されている。「制御流量範囲」は、各流量制御弁23の「制御可能流量範囲」のうち運転時に実際に利用される流量範囲を意味し、制御流量範囲は装置の設計者ないし使用者により定められる。例えば、制御可能流量範囲が10〜100ml/minの小流量用の流量制御弁23Aに対して、15〜95ml/minの制御流量範囲を設定することもできる。また例えば、制御可能流量範囲が8〜120ml/minの小流量用の流量制御弁23Aに対して10〜100ml/minの制御流量範囲を設定することもできる。なお、以下に例示する実施形態においては、制御流量範囲が制御可能流量範囲と同じに設定されている。従って、小流量用の流量制御弁23Aの制御流量範囲が10〜100ml/min、中流量用の流量制御弁23Bの制御流量範囲が50〜500ml/min、大流量用の流量制御弁23Cの制御流量範囲が250〜2500ml/minである。すなわち、小流量用の流量制御弁23Aと中流量用の流量制御弁23Bの制御流量範囲は重複範囲を有しており、また、中流量用の流量制御弁23Bと大流量用の流量制御弁23Cの制御流量範囲は重複範囲を有している。
【0031】
また、例示された実施形態においては、小流量用の流量制御弁23Aの制御流量範囲の上限値の1/2が、中流量用の流量制御弁23Bの制御流量範囲の下限値となっている。また、中流量用の流量制御弁23Aの制御流量範囲の上限値の1/2が、大流量用の流量制御弁23Bの制御流量範囲の下限値となっている。この関係は、シンプルな制御を行う上で非常に好都合である(詳細は後述する)。
【0032】
希釈液供給部30は、その上流側端がDIW(純水)供給源32に接続された管路31を有しており、管路31には、上流側から順に、開閉弁33、流量計34が介設されている。管路31の領域36に3つの流量制御ユニット21A、21B、21Cの管路27の下流側端が接続されている。
【0033】
洗浄処理システムは、その全体の動作を統括制御するシステムコントローラ50を有している。システムコントローラ50は、洗浄液供給ブロック1の全ての機能部品(薬液供給部10と、流量制御部(流量制御装置)20と、希釈液供給部30の各種バルブ等)と、処理ブロック100の全ての機能部品(例えばスピンチャック102、処理液供給制御用のバルブ104,105等、各洗浄ユニットP1〜P10にウエハWを搬入する図示しない搬送アーム等)の動作を制御する。システムコントローラ50は、洗浄液供給ブロック1の流量制御部(流量制御装置)20のコントローラ28の上位コントローラとしても機能する。システムコントローラ50は、ハードウエアとして例えば汎用コンピュータと、ソフトウエアとして当該コンピュータを動作させるためのプログラム(装置制御プログラムおよび処理レシピ等)とにより実現することができる。ソフトウエアは、コンピュータに固定的に設けられたハードディスクドライブ等の記憶媒体に格納されるか、或いはCDROM、DVD、フラッシュメモリ等の着脱可能にコンピュータにセットされる記憶媒体に格納される。このような記憶媒体が参照符号51で示されている。プロセッサ52は、必要に応じて、ユーザーインターフェース53からの指示等に基づいて所定の処理レシピを記憶媒体51から呼び出して実行させることで、制御下で、システムコントローラ50の制御の下で所定の処理が行われる。
【0034】
次に作用について説明する。システムコントローラ50は、予め定められた洗浄ユニットP1〜P10の処理スケジュールに基づいて、各洗浄ユニットP1〜P10に洗浄処理を行わせる。すなわち各洗浄ユニットP1〜P10に、図示しない搬送アームによりウエハWが搬入されて、スピンチャック102により水平に保持される。スピンチャック102が保持したウエハWを鉛直軸線周りに回転させる。回転するウエハWに洗浄液ノズル104、105から洗浄液(本例では、薬液をDIW等の希釈液で希釈した液からなる洗浄液)が供給され、この洗浄液によりウエハWに所定の洗浄処理が施される。洗浄処理の終了後、各洗浄ユニットP1〜P10から図示しない搬送アームによりウエハWが搬出される。
【0035】
システムコントローラ50は、洗浄ユニットP1〜P10の予め定められた処理スケジュールに基づいて、或いは洗浄ユニットP1〜P10の実際の稼働状況に基づいて、洗浄液供給ブロック1が処理ブロック100に供給すべき洗浄液の配合比(薬液量/DIW量)の情報を流量制御部20の上位コントローラ28に与え、上位コントローラ28は、流量計34により測定された管路31を流れるDIW流量に基づいて、所定の配合比を得るために必要な薬液供給量(流量制御部20を介して管路31の領域36に供給される薬液の量)を算出し、その算出値に基づいて流量制御部20を制御する。すなわち、上位コントローラ28は、システムコントローラ50から与えられた薬液(HF)の総流量の要求値に基づいて、以下に説明する作用が実現されるように、3つの流量制御ユニット21A、21B、21Cの各々の下位のコントローラ26(26A、26B、26C)に流量制御弁23A、23B、23Cの各々を通過する薬液流量の要求値を与える。なお、システムコントローラ50が3つの流量制御ユニット21A、21B、21Cの各々の下位のコントローラ26に直接指令を送るような構成にしても構わない。
【0036】
図2、図3および図4には、薬液の総流量を3つの流量制御ユニット21A、21B、21Cがどのように分担するかが示されている。先に述べたように、例示された実施形態においては、小流量用の流量制御弁23Aの制御流量範囲が10〜100ml/min、中流量用の流量制御弁23Bの制御流量範囲が50〜500ml/min、大流量用の流量制御弁23Cの制御流量範囲が250〜2500ml/minである。
【0037】
なお、図2のチャートにおいて、白抜きの部分は、該当する流量制御ユニット21に液体を流さない状態(具体的には、例えば、該当する流量制御弁23の開度が制御流量範囲の下限値以下の流量(例えば制御流量範囲が50〜500ml/minの場合、例えば30ml/min)に対応する一定の値となっており、かつ、その下流の開閉弁24が閉じられている状態)であることを示している。
ドット付きの部分は、該当する流量制御ユニット21に設定された一定流量の液体を流している状態(具体的には、例えば、該当する流量制御弁23を流れる薬液の流量が制御流量範囲の下限値に維持されるように流量制御弁23の開度が制御されており、かつその下流の開閉弁24が開いている状態)であることを示している。
単ハッチングの部分は、該当する流量制御ユニット21に要求された流量に基づいて流量を変更している状態(具体的には、例えば、該当する流量制御弁23の開度が制御流量範囲に対応する値に制御されて変化しており、かつその下流の開閉弁24が開いている状態)であることを示している。
クロスハッチングの部分は、該当する流量制御ユニット21に設定された一定流量の液体を流している状態(具体的には、例えば、該当する流量制御弁23を流れる薬液の流量が制御流量範囲の上限値に維持されるように流量制御弁23の開度が制御されており、かつその下流の開閉弁24が開いている状態)であることを示している。
【0038】
また、図3および図4のグラフは、流量制御ユニット21A、流量制御ユニット21Bおよび流量制御ユニット21Cが受け持つ薬液流量の時間変化を実線A、一点鎖線Bおよび二点鎖線Cでそれぞれ示し、かつ総流量の時間変化を破線Tで示している。なお、図3および図4のグラフにおいて、図面の分かりやすさを重視して、線同士が重ならないようにするために一部の線は正しい位置から若干ずらした位置に表示されている。
【0039】
薬液の総流量を流量制御部20により実現できる最小流量10ml/minから最大流量3100ml/minに増大させてゆくときには、図2(a)および図3に示すような制御がなされる。まず、中流量用の流量制御弁23Bおよび大流量用の流量制御弁23Cの下流の開閉弁24Bおよび24Cが閉じた状態で、小流量用の流量制御弁23Aがその制御流量範囲内の要求された流量に対応する開度で開かれるとともにその下流の開閉弁24Aが開かれる。その後、総流量が100ml/minに達するまで流量制御弁23Aの開度が要求流量に応じて増大させられる。
【0040】
総流量が100ml/minに達すると(図3の時点t1)、コントローラ26Aに要求流量(目標値)50ml/minが与えられ、これにより流量制御弁23Aの開度が減少し、流量制御弁23Aを通過する薬液の流量が50ml/minに減少する。これと平行して、制御流量範囲の下限値以下の流量に対応する所定の開度に開かれた状態で待機していた中流量用の流量制御弁23Bの下流の開閉弁24Bが開かれるとともに、コントローラ26Bに要求流量50ml/minが与えられ、これにより流量制御弁23Bの開度が増大し、流量制御弁23Bを通過する薬液の流量が50ml/minに増加する。すなわち、総流量が100ml/minに実質的に維持されたまま、薬液供給を担当する流量制御弁が23Aの1つだけの状態から23Aおよび23Bの2つの状態に移行する。なお、このとき、中流量用の流量制御弁23Bを制御流量範囲の下限値に相当する開度で開いて待機させた状態で開閉弁24Bを開くことも可能である。しかしながら、上述のように、中流量用の流量制御弁23Bを制御流量範囲の下限値以下の流量に対応する所定の開度とした状態で開閉弁24Bを開き、コントローラ26Bに制御流量範囲の下限値に対応する値を要求流量として与える方が好ましい。このようにした方が、流量制御弁23Aを流れる薬液の流量の減少速度と流量制御弁23Bを流れる薬液の流量の増大速度が近づくため、総流量が安定するからである。
その後要求総流量の増大に応じて直ちにコントローラ26Aに与えられる要求流量が増大し、これによって流量制御弁23Aの開度が増大に再び転じ、総流量が100ml/minを超えて増大してゆく(このときコントローラ26Bに与えられる要求流量は50ml/minに固定され、流量制御弁23Bを通過する薬液の流量が50ml/minに維持されるように制御されている)。
【0041】
小流量用の流量制御弁23Aを流れる薬液の流量が流量制御弁23Aの制御流量範囲の上限値である100ml/minに達すると(図3の時点t2)、総流量は150ml/minに達する。引き続き総流量を150ml/minを超えて増大させてゆくときには、コントローラ26Aに与える要求流量を小流量用の流量制御弁23Aの制御流量範囲の上限値に対応する値である100ml/minに固定して流量制御弁23Aを流れる薬液の流量が100ml/minに維持されるように制御する一方で、コントローラ26Bに与える要求流量を増大させてゆき、これによって中流量用の流量制御弁23Bの開度を増大させて中流量用の流量制御弁23Bを流れる薬液の流量を増大させてゆく。
【0042】
総流量が600ml/minに達すると(このとき、流量制御弁23Aの分担が100ml/min、流量制御弁23Bの分担が500ml/minである。)、コントローラ26Bに要求流量(目標値)250ml/minが与えられ、これにより流量制御弁23Bの開度が減少し、流量制御弁23Bを通過する薬液の流量が250ml/minに減少する(図3の時点t3)。これと平行して、制御流量範囲の下限値以下の流量に対応する所定の開度で待機していた大流量用の流量制御弁23Cの下流の開閉弁24Cが開かれるとともに、コントローラ26Cに要求流量(目標値)250ml/minが与えられ、これにより流量制御弁23Cの開度が増加し、流量制御弁23Cを通過する薬液の流量が250ml/minに増加する。すなわち、総流量が600ml/minに実質的に維持されたまま、薬液供給を担当する流量制御弁が23Aおよび23Bの2つの状態から23A、23B、23Cの3つの状態に移行する。その後要求総流量の増大に応じて直ちにコントローラ26Bに与えられる要求流量が増大し、これによって流量制御弁23Bの開度が増大に再び転じ、総流量が600ml/minを超えて増大してゆく(このときコントローラ26Cに与えられる要求流量は250ml/minに固定され、流量制御弁23Cを通過する薬液の流量が250ml/minに維持されるように制御されている)。
【0043】
中流量用の流量制御弁23Bを流れる薬液の流量が制御流量範囲の上限値まで到達すると、総流量が850ml/minに達する(図3の時点t4)。このとき、流量制御弁23Aの分担が100ml/min、流量制御弁23Bの分担が500ml/min、流量制御弁23Cの分担が250ml/minである。引き続き総流量を850ml/minを超えて増大させてゆくときには、コントローラ26Bに与える要求流量を小流量用の流量制御弁23Bの制御流量範囲の上限値に対応する値である500ml/minに固定して流量制御弁23Bを流れる薬液の流量が500ml/minに維持されるように制御する一方で、コントローラ26Cに与える要求流量を増大させてゆき、これによって大流量用の流量制御弁23Cの開度を増大させて大流量用の流量制御弁23Cを流れる薬液の流量を増大させてゆく。大流量用の流量制御弁23Cを流れる薬液の流量が制御流量範囲の上限値である2500ml/minに達すると総流量は3100ml/minに達する。
【0044】
薬液の総流量を流量制御部20により実現できる最大流量3100ml/minから最小流量10ml/minに減少させてゆくときには、図2(b)および図4に示すような制御がなされる。まず、コントローラ26A、26Bに与える要求流量を小流量用の流量制御弁23Aおよび中流量用の流量制御弁23Bの各々の制御流量範囲の上限値に対応する値に固定して、流量制御弁23A、23Bを流れる薬液の量を各々の制御流量範囲の上限値に維持するように制御する一方で、コントローラ26Cに与える要求流量を減少させてゆき、これにより大流量用の流量制御弁23Cの開度を減少させて流量制御弁23Cを流れる薬液の流量を減少させてゆく。大流量用の流量制御弁23Cを流れる薬液の流量が制御流量範囲の下限値である250ml/minまで減少し、総流量が850ml/minまで減少したら(図4の時点t5)、コントローラ26Cに与える要求流量を大流量用の流量制御弁23Cの下限値に対応する値に固定して流量制御弁23Cを流れる薬液の流量が250ml/minに維持されるように制御する一方で、コントローラ26Bに与える要求流量を制御流量範囲の上限値に対応する値から減少させてゆき、これにより中流量用の流量制御弁23Bの開度を減少させて流量制御弁23Bを流れる薬液の流量を減少させてゆく。
【0045】
中流量用の流量制御弁23Bを流れる薬液の流量が制御流量範囲の下限値である50ml/minまで減少して総流量が400ml/minまで減少したら(このとき、流量制御弁23Aの分担が100ml/min、流量制御弁23Bの分担が50ml/min、流量制御弁23Cの分担が250ml/minである。)、大流量用の流量制御弁23Cの下流側の開閉弁24Cを閉じ、これと同時若しくはやや先行してコントローラ26Bに要求流量300ml/minを与えて、これにより中流量用の流量制御弁23Bの開度を増大させて、流量制御弁23Bを通過する薬液の流量を300ml/minまで増大させる(図4の時点t6)。これにより総流量が400ml/minに実質的に維持されたまま、薬液供給を担当する流量制御弁が23A、23B、23Cの3つの状態から23Aおよび23Bの2つの状態に移行する。その後要求流量の減少に応じて直ちにコントローラ26Bに与えられる要求流量が減少され、これにより流量制御弁23Bの開度が減少に再び転じ、総流量が400ml/min未満に減少してゆく。なお、引き続き総流量を減少させてゆく過程において、大流量用の流量制御弁23Cの下流側の開閉弁24Cはずっと閉じたままである。
【0046】
中流量用の流量制御弁23Bを流れる薬液の流量が制御流量範囲の下限値に対応する値に達して総流量が150ml/minまで減少したら(このとき、流量制御弁23Aの分担が100ml/min、流量制御弁23Bの分担が50ml/minである)、コントローラ26Bに与える要求流量を中流量用の流量制御弁23Bの制御流量範囲の下限値に固定して、流量制御弁23Bを流れる薬液の流量が制御流量範囲の下限値に維持されるように制御する一方で、コントローラ26Aに与える要求流量を小流量用の流量制御弁23Aの制御流量範囲の上限値に対応する値から減少させてゆき、これにより流量制御弁23Aの開度を減少させて流量制御弁23Aを流れる薬液の流量を減少させてゆく。(図4の時点t7)。
【0047】
総流量が60ml/minまで減少したら(このとき、流量制御弁23Aの分担が10ml/min、流量制御弁23Bの分担が50ml/minである。)、中流量用の流量制御弁23Bの下流側の開閉弁24を閉じ、これと同時にコントローラ26Aに与える要求流量を増大させて、これによって小流量用の流量制御弁23Aの開度を増大させて、流量制御弁23Aを通過する薬液の流量を60ml/minまで増大させる。これにより総流量が60ml/minに実質的に維持されたまま、薬液供給を担当する流量制御弁が23A、23Bの2つの状態から23Aの1つだけの状態に移行する。その後要求総流量の減少に応じて直ちにコントローラ26Aに与える要求流量が減少され、これにより流量制御弁23Aの開度が減少に再び転じ、総流量が60ml/min未満に減少してゆく。なお、引き続き総流量を減少させてゆく過程において、中流量用の流量制御弁23Bの下流側の開閉弁24Bはずっと閉じたままである。その後、コントローラ26Aに与える要求流量を減少させて小流量用の流量制御弁23Aの開度を絞ってゆくことにより、総流量が10ml/minまで減少する。
【0048】
上記実施形態によれば、制御流量範囲の異なる複数の流量制御ユニット23(23A、23B、23C)を組み合わせて使うことにより、液体流量制御装置全体としての制御流量範囲を広くすることができる。また、制御流量範囲の異なる複数の流量制御ユニットの動作を関連づけて制御することにより、液体流量制御装置の流量を高精度かつ滑らかに変化させることができる。
【0049】
上記実施形態においては、第2の流量制御ユニット21Bに液体が流れないで第1の流量制御ユニット21Aに液体が流れている第1の状態から第1および第2の流量制御ユニット21A、21Bの合計流量を増大させてゆく過程において、第1の流量制御ユニット21Aの流量(すなわち第1の状態における合計流量)が、第1の流量制御弁23Aの制御流量範囲(10〜100ml/min)と第2の流量制御弁23Bの制御流量範囲(50〜500ml/min)との重複範囲(50〜100ml/min)内の第1の値(100ml/min)まで増大したときに、第1の状態から第1および第2の流量制御ユニット21A、21Bに液体が流れている第2の状態に移行させ、このとき、第1および第2の流量制御ユニット21A、21Bの合計流量が変化しないように(100ml/minのまま維持されるように)第1の流量制御ユニット21Aの流量を減少させる(100→50ml/min)とともに第2の流量制御ユニット21Bへの液体の通流が開始されるようにしている。このため、第1の状態から第2の状態への切換前後(合計流量100前後)において合計流量を滑らかに変化させることができる。すなわち、第1および第2の流量制御弁23A、23Bの制御流量範囲に重複範囲を設定し、合計流量が重複範囲内にあるときに切換を行うため、切換の直後において第1および第2の流量制御弁23A、23Bが達成すべき流量はいずれも各々の制御流量範囲内にある(これは勿論、各流量制御弁の制御可能流量範囲内である)。このため、第1の状態から第2の状態への切換前後において合計流量の精度も高い。
【0050】
また、上記実施形態においては、第2の状態から第1および第2の流量制御ユニット21A、21Bの合計流量を減少させてゆく過程において、第1および第2の流量制御ユニット21A、21Bの合計流量が第1の値(100ml/min)より小さい重複範囲(60〜100ml/min)内の第2の値(60ml/min)まで減少したときに、第2の状態から第1の状態に移行させ、このとき、第1および第2の流量制御ユニット21A、21Bの合計流量が変化しないように(60ml/minのまま維持)、第1の流量制御ユニットの流量21Aを増大(例えば10→60ml/min)させるとともに第2の流量制御ユニット21Bへの液体の通流が停止されるようにしている。このため、上記と同様の理由により、第2の状態から第1の状態への切換前後(合計流量60前後)において合計流量を滑らかに変化させることができ、また、合計流量の精度も高い。
【0051】
また、第1の状態と第2の状態との切換は、第1および第2の流量制御ユニット21A、21Bの合計流量を増大させてゆく過程においては合計流量100ml/minを閾値(第1の閾値)として行われているのに対して、第1および第2の流量制御ユニット21A、21Bの合計流量を減少させてゆく過程においては合計流量60ml/minを閾値(第1の閾値より小さい第2の閾値)として行われている。すなわち、所謂ヒステリシス制御が行われている。流量制御弁の稼働個数の変更時に行われる1つの流量制御弁の制御流量の急変は、流量制御弁に大きな負担がかかるため好ましくない。総流量が増大してゆく過程と総流量が増大してゆく過程とで切換えのトリガとなる閾値が同一、例えば総流量100ml/minであるとすると、目標総流量が100ml/min付近を頻繁に上下した場合、1つの流量制御弁への負担が過大となるが、上記実施形態の制御によれば、そのような問題はない。
【0052】
なお、第2の流量制御ユニット21Bと第3の流量制御ユニット21Cの関係においても上記と同じことが言えることは勿論である。
【0053】
上述の実施形態は、現状考え得る最適の実施形態であるが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
【0054】
上記実施形態においては、小流量用の流量制御弁23Aの制御流量範囲が10〜100ml/min、中流量用の流量制御弁23Bの制御流量範囲が50〜500ml/min、大流量用の流量制御弁23Cの制御流量範囲が250〜2500ml/minである。すなわち、相対的に大流量の制御流量範囲を有する流量制御弁の制御流量範囲の下限値が、相対的に小流量の制御流量範囲を有する流量制御弁の制御流量範囲の上限値の2分の1に等しくなっている。このことは、上述した第1の状態(流量制御ユニット21Aのみが開)から第2の状態(流量制御ユニット21A、21Bの両方が開)への切り換え時の操作が非常にシンプルになるという利点がある。すなわち、相対的に小流量の制御流量範囲を有する流量制御弁の流量を上限値まで上昇させた後に当該流量制御弁のコントローラに制御流量範囲の上限値の1/2の目標値を与えるとともに、それと同時に相対的に大流量の制御流量範囲を有する流量制御弁のコントローラに制御流量範囲の下限値に対応する目標値を与えた状態で当該流量制御弁に液体を流し始めるようにすることにより、シンプルな切り換えが実現できる。上述した第2の状態から第1の状態への切り換え時の操作も同様に非常にシンプルになるということも明らかである。しかしながら、上記の制御流量範囲の関係が成立していなかったとしても、例えば小流量用の流量制御弁23Aの制御流量範囲が10〜100ml/min、中流量用の流量制御弁23Bの制御流量範囲が40〜500ml/minであったとしても、第1の状態から第2の状態への切り換え(またはその逆の切り換え)の前後においても高い合計流量の精度が得られ、かつ合計流量を滑らかに変化させることができることに変わりはないことは明らかである。また、上記については、流量制御ユニット21Bと流量制御ユニット21Cとの関係においても同じことが言える。
【0055】
上記実施形態においては、上述した第1の状態(流量制御ユニット21Aのみが開)から第2の状態(流量制御ユニット21A、21Bの両方が開)の状態に切り換えるとき、流量制御弁23Aを流れる薬液の流量を制御流量範囲の上限値(100ml/min)まで増大させた後に、流量制御弁23Aを流れる薬液の流量を減少させた(100→50ml/min)。しかしながら、流量制御弁23Aを流れる薬液の流量が制御流量範囲の上限値より小さい値(例えば90ml/min)に対応する開度に開いた後に、流量制御弁23Aの開度を減少させてもよい(例えば90→40ml/min)。この場合も、第1の状態から第2の状態への切り換えの前後においても高い合計流量の精度が得られ、かつ合計流量を滑らかに変化させることができることに変わりはないことは明らかである。また、第2の状態から第1の状態への切り換えにおいても同様のことが言える。また、上記については、流量制御ユニット21Bと流量制御ユニット21Cとの関係においても同じことが言える。
【0056】
上記実施形態においては、上述した第1の状態(流量制御ユニット21Aのみが開)から第2の状態(流量制御ユニット21A、21Bの両方が開)の状態に切り換えるとき、流量制御ユニット21Bの流量制御弁23Bのコントローラ26Bに与えられる初期要求流量は、制御流量範囲の下限値(50ml/min)に対応するものであった。また、上述した第2の状態から第1の状態に切り換えるとき、流量制御ユニット21Bの流量制御弁23Bのコントローラ26Bに与えられる最終要求流量(開閉弁24を閉じる時点での開度)も制御流量範囲の下限値(50ml/min)に対応するものであった。このことは第1の状態と第2の状態との間での切り換え操作が非常にシンプルになるという利点はある。しかしながら、上記の流量制御弁23Bのコントローラ26Bに与えられる初期要求流量および最終要求流量は流量制御弁23Bの制御流量範囲の下限値より高い値(60ml/min)であってもかまわない。この場合も、第1の状態から第2の状態への切り換えの前後においても高い合計流量の精度が得られ、かつ合計流量を滑らかに変化させることができることに変わりはないことは明らかである。また、第2の状態から第1の状態への切り換えにおいても同様のことが言える。また、上記については、流量制御ユニット21Bと流量制御ユニット21Cとの関係においても同じことが言える。
【0057】
なお、上記の実施形態においては、各流量制御弁23において実際に利用される「制御流量範囲」が各流量制御弁23の「制御可能流量範囲」と同じに設定されていたが、前述したように「制御流量範囲」が「制御可能流量範囲」内に設定されるならば、「制御流量範囲」は「制御可能流量範囲」は一致していなくてもかまわない。
【0058】
上記実施形態においては、一つの流量制御ユニット(21A、21B、21C)が流量制御弁23と開閉弁24とを有しているが、流量制御弁23それ自体が流量を完全に0に絞る機能(シャットオフ機能)を有しているのなら開閉弁24を省略することが可能である。
【0059】
上記実施形態においては、流量制御部(流量制御装置)20において流量調整された液体(薬液)が、希釈液供給部30から供給される液体(DIW)と混合されて処理ブロック1に送られているが、これに限定されるものではなく、流量制御部20において流量調整された液体を他の液体と混合することなく、処理ブロック1に送ってもよい。
【0060】
なお、流量制御部20は、ワイドレンジの流量調節が求められる様々な局面においてそれ自体有益なものである。従って流量制御対象は薬液に限定されるものではなく、様々な液体が考えられる。例えば特許文献1に記載されていたようにCVD装置の液体原料の流量調整に開示された技術を適用することも可能である。また、洗浄液供給ブロック1が供給する液体はDHFに限らずSC1、SC2等であってもよい。また、基板処理システムは、洗浄液以外の処理液を使用して基板を処理するものであってもよく、この場合においても、前述した流量制御部20を洗浄液以外の処理液の流量の調節に用いることができる。
【0061】
また、処理システムに含まれる処理ユニットの数は任意であり、例えは液体供給量を広範囲に変化させる必要がある唯1台の処理ユニットを処理システムが有していてもよい。
【0062】
また、基板は、半導体ウエハに限定されず、例えばLCD用のガラス基板等、他の種類の基板であってもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 処理液供給装置(洗浄液供給ブロック)
10 液体供給部
20 液体流量制御装置(流量制御部)
21(21A、21B、21C) 流量制御ユニット
22 流量計
23(23A、23B、23C) 流量制御弁
24 開閉弁
26 制御器
27 管路
28 コントローラ
31 管路
32 希釈液供給源
50 制御コンピュータ(システムコントローラ)
51 記憶媒体
P1〜P10 液処理ユニット(洗浄ユニット)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体流量を制御するための液体流量制御装置において、
並列に設けられた複数の流量制御ユニットと、前記複数の流量制御ユニットを流れる液体の合計流量が前記複数の流量制御ユニットにより実現すべき総流量の要求値と同じになるように前記複数の流量制御ユニットを制御するように構成されたコントローラと、を備え、
前記複数の流量制御ユニットには、少なくとも第1の流量制御ユニットと第2の流量制御ユニットとが含まれており、
前記第1の流量制御ユニットは、第1の制御流量範囲を有する第1の流量制御弁を有しており、前記第2の流量制御ユニットは、第2の制御流量範囲を有する第2の流量制御弁を有しており、前記第1の制御流量範囲は前記第2の制御流量範囲よりも小流量側にあり、かつ、前記第1の制御流量範囲と前記第2の制御流量範囲に重複範囲があり、
前記コントローラは、前記総流量の要求値の変化に応じて、前記第1および第2の流量制御ユニットの一方または両方に液体が流れるように前記第1および第2の流量制御ユニットを制御するように構成され、
前記コントローラは、前記第1および第2の流量制御ユニットを流れる液体の合計流量を増大させてゆく過程において、前記第1および第2の流量制御ユニットの一方を流れる流量を固定しつつ他方を流れる流量が増大するように前記第1および第2の流量制御ユニットを制御するように構成されていることを特徴とする液体流量制御装置。
【請求項2】
前記コントローラは、第2の流量制御ユニットに液体が流れないで前記第1の流量制御ユニットに液体が流れている第1の状態から前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量を増大させてゆく過程において、前記第1の流量制御ユニットの流量すなわち前記合計流量が前記重複範囲内の第1の値まで増大したときに、前記第1の状態から前記第1および第2の流量制御ユニットに液体が流れている第2の状態に移行させ、このとき、前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量が変化しないように前記第1の流量制御ユニットの流量を減少させるとともに前記第2の流量制御ユニットへの液体の通流が開始されるように、前記第1および第2の流量制御ユニットを制御するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体流量制御装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量を増大させてゆく過程において前記第1の状態から前記第2の状態に移行させるときに、前記第2の制御流量範囲の下限値に対応する量だけ前記第1の流量制御ユニットの流量を減少させるように、前記第1および第2の流量制御ユニットを制御するように構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の液体流量制御装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記第1の状態から前記第2の状態に移行させた後にさらに前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量を増大させてゆく過程において、前記第1の流量制御ユニットの流量を前記第1の制御流量範囲の上限値に対応する値に増大させた後に、前記第2の流量制御ユニットの流量を増大させてゆくように、前記第1および第2の流量制御ユニットを制御するように構成されていることを特徴とする、請求項2または3に記載の液体流量制御装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記第2の状態から前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量を減少させてゆく過程において、前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量が前記第1の値より小さい前記重複範囲内の第2の値まで減少したときに、前記第2の状態から前記第1の状態に移行させ、このとき、前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量が変化しないように、前記第1の流量制御ユニットの流量を増大させるとともに前記第2の流量制御ユニットへの液体の通流が停止されるように、前記第1および第2の流量制御ユニットを制御するように構成されていることを特徴とする、請求項2から4のうちのいずれか一項に記載の液体流量制御装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量を減少させてゆく過程において前記第2の状態から前記第1の状態に移行させるときに、前記第2の流量制御ユニットの流量が前記第2の制御流量範囲の下限値に対応する値まで減少しており、かつ、前記第2の制御流量範囲の下限値に対応する量だけ前記第1の流量制御ユニットの流量が増大するように、前記第1および第2の流量制御ユニットを制御するように構成されていることを特徴とする、請求項5に記載の液体流量制御装置。
【請求項7】
前記第2の制御流量範囲の下限値が前記第1の制御流量範囲の上限値の2分の1に等しいことを特徴とする、請求項1から6のうちのいずれか一項に記載の液体流量制御装置。
【請求項8】
前記複数の流量制御ユニットには、さらに第3の流量制御ユニットが含まれており、前記第3の流量制御ユニットは、第3の制御流量範囲を有する第3の流量制御弁を有しており、前記第3の制御流量範囲は、前記第2の制御流量範囲よりも大流量側にあって前記第2の制御流量範囲と重複範囲を有しているか、或いは、前記第1の制御流量範囲よりも小流量側にあって前記第1の制御流量範囲と重複範囲を有していることを特徴とする、請求項1から7のうちのいずれか一項に記載の液体流量制御装置。
【請求項9】
並列に設けられた前記複数の流量制御ユニットに液体を供給する共通の液体供給部をさらに備え、
前記各流量制御ユニットは、管路と、前記管路に介設された流量計および前記流量制御弁と、前記コントローラにより与えられた前記目標流量と前記流量計の測定値との偏差に基づいて前記目標流量が達成されるように前記流量制御弁の開度を制御する制御器とを有している、請求項1から8のうちのいずれか一項に記載の液体流量制御装置。
【請求項10】
前記各流量制御ユニットは、前記管路に介設された開閉弁をさらに有しており、前記流量制御弁はニードルバルブである、請求項9に記載の液体流量制御装置。
【請求項11】
少なくとも第1の流量制御ユニットと第2の流量制御ユニットとを含む並列に設けられた複数の流量制御ユニットを用いて、液体流量を制御する方法であって、前記複数の流量制御ユニットを流れる液体の合計流量が前記複数の流量制御ユニットにより実現すべき総流量の要求値と同じになるように液体流量を制御する方法において、
前記第1の流量制御ユニットは、第1の制御流量範囲を有する第1の流量制御弁を有しており、前記第2の流量制御ユニットは、第2の制御流量範囲を有する第2の流量制御弁を有しており、前記第1の制御流量範囲は前記第2の制御流量範囲よりも小流量側にあり、かつ、前記第1の制御流量範囲と前記第2の制御流量範囲に重複範囲があり、
前記複数の流量制御ユニットにより実現すべき総流量の要求値の要求値の変化に応じて、前記第1および第2の流量制御ユニットの一方または両方に液体が流れるようにし、
前記第1および第2の流量制御ユニットを流れる液体の合計流量を増大させてゆく過程において、前記第1および第2の流量制御ユニットの一方を流れる流量を固定しつつ他方を流れる流量を増大させる
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
第2の流量制御ユニットに液体が流れないで前記第1の流量制御ユニットに液体が流れている第1の状態から前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量を増大させてゆく過程において、前記第1の流量制御ユニットの流量すなわち前記合計流量が前記重複範囲内の第1の値まで増大したときに、前記第1の状態から前記第1および第2の流量制御ユニットに液体が流れている第2の状態に移行させ、このとき、前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量が変化しないように前記第1の流量制御ユニットの流量を減少させるとともに前記第2の流量制御ユニットへの液体の通流を開始することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量を増大させてゆく過程において前記第1の状態から前記第2の状態に移行させるときに、前記第2の制御流量範囲の下限値に対応する量だけ前記第1の流量制御ユニットの流量を減少させることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の状態から前記第2の状態に移行させた後にさらに前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量を増大させてゆく過程において、前記第1の流量制御ユニットの流量を前記第1の制御流量範囲の上限値に対応する値に増大させた後に、前記第2の流量制御ユニットの流量を増大させることを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の状態から前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量を減少させてゆく過程において、前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量が前記第1の値より小さい前記重複範囲内の第2の値まで減少したときに、前記第2の状態から前記第1の状態に移行させ、このとき、前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量が変化しないように、前記第1の流量制御ユニットの流量を増大させるとともに前記第2の流量制御ユニットへの液体の通流を停止させることを特徴とする、請求項12から14のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1および第2の流量制御ユニットの合計流量を減少させてゆく過程において前記第2の状態から前記第1の状態に移行させるときに、前記第2の流量制御ユニットの流量が前記第2の制御流量範囲の下限値に対応する値まで減少したときに、前記第2の制御流量範囲の下限値に対応する量だけ前記第1の流量制御ユニットの流量を増大させることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の制御流量範囲の下限値が前記第1の制御流量範囲の上限値の2分の1に等しいことを特徴とする、請求項11から16のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記方法に用いられる前記複数の流量制御ユニットには、さらに第3の流量制御ユニットが含まれており、前記第3の流量制御ユニットは、第3の制御流量範囲を有する第3の流量制御弁を有しており、前記第3の制御流量範囲は、前記第2の制御流量範囲よりも大流量側にあって前記第2の制御流量範囲と重複範囲を有しているか、或いは、前記第1の制御流量範囲よりも小流量側にあって前記第1の制御流量範囲と重複範囲を有していることを特徴とする、請求項11から17のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも第1の流量制御ユニットと第2の流量制御ユニットとを含む並列に設けられた複数の流量制御ユニットを備えた液体流量制御装置であって、前記第1の流量制御ユニットは、第1の制御流量範囲を有する第1の流量制御弁を有しており、前記第2の流量制御ユニットは、第2の制御流量範囲を有する第2の流量制御弁を有しており、前記第1の制御流量範囲は前記第2の制御流量範囲よりも小流量側にあり、かつ、前記第1の制御流量範囲と前記第2の制御流量範囲に重複範囲がある液体流量制御装置において当該液体流量制御装置を制御するためのプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラムを前記液体流量制御装置の制御コンピュータが実行したときに、前記制御コンピュータが、
前記複数の流量制御ユニットを流れる液体の合計流量が前記複数の流量制御ユニットにより実現すべき総流量の要求値と同じになり、
前記複数の流量制御ユニットにより実現すべき総流量の要求値の要求値の変化に応じて、前記第1および第2の流量制御ユニットの一方または両方に液体が流れ、かつ、
前記第1および第2の流量制御ユニットを流れる液体の合計流量を増大させてゆく過程において、前記第1および第2の流量制御ユニットの一方を流れる流量を固定しつつ他方を流れる流量を増大させる
ように前記複数の流量制御ユニットを制御することを特徴とする記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−99730(P2012−99730A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247705(P2010−247705)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】