説明

液晶表示装置のアレイ基板の製造方法

【課題】TFTチャンネルのオーバーエッチングされる程度が低下され、液晶表示装置の表示機能が確保できる液晶表示装置のアレイ基板の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】液晶表示装置のアレイ基板の製造方法において、ソースドレイン金属層の上部に、スリートーンマスクによりフォトレジストパターン層を形成する工程と、フォトレジストパターン層が露出されたソースドレイン金属層及び第1の透明導電層に対してウェットエッチングを行う工程と、フォトレジストパターン層に対して第1回目のアッシングプロセスを行い、露出されたソースドレイン金属層、第1の透明導電層及び活性層パターンに対してドライエッチングを行う工程と、フォトレジストパターン層に対して第2回目のアッシングプロセスを行い、露出されたソースドレイン金属層に対してウェットエッチングを行う工程と、残されたフォトレジストパターン層を除去する工程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置のアレイ基板の製造方法に関し、特にオーバーエッチングされる程度が低下できる液晶表示装置のアレイ基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置のアレイ基板はフォトリソグラフィープロセスより製造される。フォトリソグラフィープロセスにおいて製造コストが極めて高いマスクが用いられ、液晶表示装置の製造プロセスがさらに進んで行くにつれて、いかにマスクの使用量を低減させるかは、当業分野にとってコストダウンと競争力をアップさせるキーになっている。
【0003】
従来、マスクの使用量を低減させる目的を達成するため、種々の方法が提案された。例えば、1つのデュアルトーンマスク(dual−tone mask)を利用して、透明電極(ITO、IZOなど)、ソース電極、ドレイン電極及び薄膜トランジスタ(TFT)チャンネルを形成する方法が公開された。このような方法は、ツイストネマチックモード(TNモード)液晶表示装置及び横電界駆動方式(FFSモード)液晶表示装置などのアレイ基板の製造プロセスに利用できる。
【0004】
従来の四回のフォトリソグラフィープロセスより、TNモード液晶表示装置のアレイ基板を製造する方法は下記の通りである。
【0005】
(工程1)ゲート金属層を堆積し、第1回目のフォトリソグラフィープロセスにより、第1のマスクを利用してゲートラインを形成し、必要に応じて、ゲートラインと一体になったゲート電極を張り出せて形成することができる。
【0006】
(工程2)工程1が完了した基板に、ゲート絶縁層、活性層(半導体層及びドープ半導体)を堆積し、第2回目のフォトリソグラフィープロセスにより、第2のマスクを利用して活性層(ACTIVE)パターンを形成する。
【0007】
(工程3)工程2が完了した基板に、透明導電層及びソースドレイン金属層を順次堆積し、第3回目のフォトリソグラフィープロセスにより、第3のマスク(デュアルトーンマスク)を利用して画素電極、ソース電極、ドレイン電極及びTFTチャンネルを形成する。
【0008】
(工程4)工程3が完了した基板にパッシベーション層を堆積し、第4回目のフォトリソグラフィープロセスにより、第4のマスクを利用してパッシベーション層パターン及びビアホールを形成する。
【0009】
従来の四回のフォトリソグラフィープロセスより、FFSモード液晶表示装置のアレイ基板を製造する方法は下記の通りである。
【0010】
(工程1)ゲート金属層を堆積し、第1回目のフォトリソグラフィープロセスにより、第1のマスクを利用してゲートラインを形成し、必要に応じて、ゲートラインと一体になったゲート電極を張り出させて形成することができる。
【0011】
(工程2)工程1が完了した基板に、ゲート絶縁層、活性層(半導体層及びドープ半導体)を堆積し、第2回目のフォトリソグラフィープロセスにより、第2のマスクを利用して活性層(ACTIVE)パターンを形成する。
【0012】
(工程3)工程2が完了した基板に、第1の透明導電層及びソースドレイン金属層を順次堆積し、第3回目のフォトリソグラフィープロセスにより、第3のマスク(デュアルトーンマスク)を利用して画素電極、ソース電極、ドレイン電極及びTFTチャンネルを形成する。
【0013】
(工程4)工程3が完了した基板に、パッシベーション層及び第2の透明導電層を堆積し、第4回目のフォトリソグラフィープロセスにより、第4のマスクを利用してパッシベーション層パターン、ビアホール及び共通電極を形成する。
【0014】
上記の二つの液晶表示装置のアレイ基板の製造方法は、一回のフォトリソグラフィープロセスにより、1つのデュアルトーンマスクプレートだけを利用して、画素電極、ソース電極、ドレイン電極及びTFTチャンネルのパターンを完成し、コストが低減されたが、本発明の発明者が実践において、このような従来の方法により、液晶表示装置の表示機能が低減されるという重大な欠陥が生じされてしまうことを発見した。詳しく言うと、図1及び図2A〜図2Fを併せて見ると、図1は従来の液晶表示装置のアレイ基板を表示する構造模式図である。図2Aは従来のゲート電極、ゲート絶縁層、活性層パターンが形成されている基板に、第1の透明導電層及びソースドレイン金属層を堆積した後の基板の断面図であり、図2Bは図2Aの基板に、デュアルトーンマスクを利用して、フォトレジストに対して露光と現像処理を行ってフォトレジストパターン層を形成した後の断面図であり、図2Cは図2Bの基板に対してエッチングした後の断面図であり、図2Dは図2Cの基板上のフォトレジストパターン層に対してアッシングプロセスを行った後の断面図であり、図2Eは図2Dの基板に対してエッチングを行った後の断面図である。図2Fは図2Eのフォトレジストパターン層を除去した後の断面図である。
【0015】
図1に示したように、液晶表示装置のアレイ基板は、画素領域101、非表示領域及びTFT領域102から構成され、前記非表示領域には、画素領域101との間に位置する配線領域及び他の領域が含まれ、該TFT領域102にはTFTチャンネル領域1021、ソース電極領域1022及びドレイン電極領域1023が含まれている。該配線領域にはゲートライン領域103及びデータライン領域104が含まれている。画素領域101は数多くの画素電極141から構成された領域であり、ゲートライン領域103は複数のゲートライン11から構成された領域である。データライン領域104は複数のデータライン16から構成された領域である。
【0016】
以下、図2A〜図2Fによって、従来の液晶表示装置のアレイ基板の製造方法に関して、具体的に説明する。
【0017】
(工程1)図2Aに示したように、ゲートライン11及びそれと一体のゲート電極111、ゲート絶縁層12及び活性層パターン13が形成されている基板10に、第1の透明導電層14とソースドレイン金属層15が順次堆積される。
【0018】
(工程2)図2Bに示したように、一層のフォトレジストを塗布し、フォトレジストパターン層100がデュアルトーンマスクにより露光処理と現像処理を行って形成され、前記画素領域101のフォトレジストパターン層100の厚さは、前記ソース電極領域1022、ドレイン電極領域1023及びデータライン領域104のフォトレジストパターン層100の厚さより薄い。
【0019】
(工程3)図2Cに示したように、基板10の大面積に渡ってウェットエッチングを行い、基板10の上に露出された領域のソースドレイン金属層15、第1の透明導電層14及び活性層の一部に対してエッチングを行って、ソース電極151及びTFTチャンネル131が形成される。
【0020】
(工程4)図2Dに示したように、フォトレジストパターン層100に対してアッシングプロセスを行って、画素領域101のソース・ドレイン金属層15が露出される。
【0021】
(工程5)図2Eに示したように、基板10の大面積に渡ってウェットエッチングを行い、基板の上に露出された領域のソースドレイン金属層15に対してエッチングを行って、画素電極141及びドレイン電極152が形成される。
【0022】
(工程6)図2Fに示したように残ったフォトレジストパターン層100が除去される。
【0023】
上記の工程3及び工程5において、TFTチャンネル、ソース電極、ドレイン電極及び画素電極を形成するため、基板の全般に対して二回の大面積のエッチングを行う必要があり、このような大面積のエッチングにウェットエッチングだけが利用でき、即ち、基板をエッチング液に浸せ、フォトレジストに覆われなく、且つ、該エッチング液に浸食された部分に対してエッチングを行う。上記の方法から分かるように、TFTチャンネル領域は二回ウェットエッチングされ、ウェットエッチングのエッチング程度に対して制御しにくくなるため、TFTチャンネルがオーバーエッチング(Over Etch)される問題が避けられない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明は、TFTチャンネルのオーバーエッチングされる程度が低下され、液晶表示装置の表示機能が確保できる液晶表示装置のアレイ基板の製造方法を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記の目的を達するために、本発明は、
(工程a)ゲートライン、ゲート絶縁層及び活性層パターンが順次形成されている基板を提供する工程と、
(工程b)前記基板に、第1の透明導電層及びソースドレイン金属層を順次堆積する工程と、
(工程c)前記ソースドレイン金属層の上部に、スリートーンマスク(three tone mask)によりフォトレジストパターン層を形成する工程と、
(工程d)前記フォトレジストパターン層が露出されたソースドレイン金属層及び第1の透明導電層に対してウェットエッチングを行う工程と、
(工程e)前記フォトレジストパターン層に対して第1回目のアッシングプロセスを行い、露出されたソースドレイン金属層、第1の透明導電層及び活性層パターンに対してドライエッチングを行う工程と、
(工程f)前記フォトレジストパターン層に対して第2回目のアッシングプロセスを行い、露出されたソースドレイン金属層に対してウェットエッチングを行う工程と、
(工程g)残されたフォトレジストパターン層を除去する工程と、
を含むことを特徴とする、液晶表示装置のアレイ基板の製造方法を提供する。
【0026】
上記の目的を達するために、本発明は、
(工程aa)TFTの領域の上に第1の金属層、第1の絶縁層、半導体層及びドープ半導体層を有する基板を提供し、且つ、該基板が前記第1の絶縁層に覆われ、前記基板は画素領域、TFT領域及び非表示領域を含め、該TFT領域はソース電極領域、ドレイン電極領域及びTFTチャンネル領域を含める工程と、
(工程bb)工程aaが完了した基板に、第1の透明導電層及び第2の金属層を順次堆積する工程と、
(工程cc)前記第2の金属層にフォトレジストパターン層を形成し、且つ、前記TFTチャンネル領域のフォトレジストパターン層は第1の厚さを有し、前記画素領域のフォトレジストパターン層は第2の厚さを有し、前記ソース電極領域及びドレイン電極領域のフォトレジストパターン層は第3の厚さを有し、前記フォトレジストパターン層の第1の厚さは第2の厚さより薄く、第2の厚さは第3の厚さより薄くなる工程と、
(工程dd)前記非表示領域の第2の金属層及び第1の透明導電層に対してエッチングを行う工程と、
(工程ee)前記フォトレジストパターン層に対して第1回目のアッシングプロセスを行い、前記TFTチャンネル領域の第2の金属層を露出させる工程と、
(工程ff)TFTチャンネル領域の第2の金属層、透明導電層及びドープ半導体層に対してエッチングを行う工程と、
(工程gg)前記フォトレジストパターン層に対して第2回目のアッシングプロセスを行い、前記画素領域の第2の金属層を露出させる工程と、
(工程hh)前記画素領域の第2の金属層に対してエッチングを行う工程と、
(工程ii)残されたフォトレジストパターン層を除去する工程と、
をさらに含むことを特徴とする、液晶表示装置のアレイ基板の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0027】
本発明において、第1回目のウェットエッチングを行う時、TFTチャンネル領域がフォトレジストパターン層により保護されるように、スリートーンマスクを利用して、TFTチャンネル領域にもフォトレジストパターン層を形成させ、そして、エッチング程度が高精度に制御できるドライエッチングを利用して、TFTチャンネルをエッチングさせた。このように、従来技術のTFTチャンネルが二回のウェットエッチングを経過するウェットエッチングより、本発明のTFTチャンネルは一回のドライエッチングと一回のウェットエッチングを経過し、TFTチャンネルがウェットエッチングにエッチされる工程数を減少したため、オーバーエッチングされる程度が低減され、TFTチャンネルの幅が広すぎて液晶表示装置の表示機能に影響を与えることが避けられる。
【0028】
以下、本発明の技術案に対して、図面及び実施例により、さらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】従来の液晶表示装置のアレイ基板の構成模式図である。
【図2A】従来のゲート電極、ゲート絶縁層、活性層パターンが形成されている基板に、第1の透明導電層及びソースドレイン金属層が堆積された後の基板の断面図である。
【図2B】図2Aの基板に、デュアルトーンマスクを利用して、フォトレジストに対して露光と現像処理を行ってフォトレジストパターン層を形成した後の断面図である。
【図2C】図2Bの基板に対してエッチングした後の断面図である。
【図2D】図2Cの基板上のフォトレジストパターン層に対してアッシングプロセスを行った後の断面図である。
【図2E】図2Dの基板に対してエッチングを行った後の断面図である。
【図2F】図2Eのフォトレジストパターン層を除去した後の断面図である。
【図3】本発明に係かる液晶表示装置のアレイ基板の製造方法のフローチャートである。
【図4A】ゲートライン及びゲートラインと一体のゲート電極が形成されている基板の断面図である。
【図4B】図4Aの基板にゲート絶縁層及び活性層パターンを形成した後の断面図である。
【図4C】図4Bの基板に第1の透明導電層及びソースドレイン金属層を形成した後の断面図である。
【図4D】図4Cの基板にフォトレジストパターン層を形成した後の断面図である。
【図4E】図4Dの基板に対してウェットエッチングを行った後の断面図である。
【図4F】図4Eのフォトレジストパターン層に対して第1回のアッシングプロセスを行って後の断面図である。
【図4G】図4FのTFTチャンネル領域に対してドライエッチングを行った後の断面図である。
【図4H】図4Gのフォトレジストパターン層に対して第2回のアッシングプロセスを行った後の断面図である。
【図4I】図4Hの基板に対してウェットエッチングを行った後の断面図である。
【図4J】図4Iにおいてフォトレジストパターン層を除去した後の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図3は、本発明の液晶表示装置のアレイ基板の製造方法のフォローチャートであり、本発明の液晶表示装置のアレイ基板の製造方法において、
(工程a)ゲートライン及びゲートラインと一体なゲート電極、ゲート絶縁層及び活性層パターンが順次形成されている基板を提供する工程と、
(工程b)前記基板に、第1の透明導電層及びソースドレイン金属層を順次堆積する工程と、
(工程c)前記ソースドレイン金属層の上部に、スリートーンマスクによりフォトレジストパターン層を形成する工程と、
(工程d)前記フォトレジストパターン層が露出されたソースドレイン金属層及び第1の透明導電層に対してウェットエッチングを行う工程と、
(工程e)前記フォトレジストパターン層に対して第1回目のアッシングプロセスを行い、第1回目のアッシングプロセスにより露出されたソースドレイン金属層、第1の透明導電層及び活性層パターンに対してドライエッチングを行って、TFTチャンネル及びソース電極を形成する工程と、
(工程f)前記フォトレジストパターン層に対して第2回目のアッシングプロセスを行い、露出されたソースドレイン金属層に対してウェットエッチングを行って、画素電極及びドレイン電極を形成する工程と、
(工程g)残されたフォトレジストパターン層を除去する工程と、
を含む。
【0031】
上記の工程cにおいて使われるスリートーンマスクには、透過率が異なる三種類の領域があるため、上記のスリートーンマスクにより形成されたフォトレジストパターンは異なる三種類の厚さを有する。即ち、前記工程eにおいて第1回目のアッシングを経過して露出された領域の厚さは、前記工程fにおいて第2回目のアッシングを経過して露出された領域の厚さより薄く、且つ、前記工程fにおいて第2回目のアッシングを経過して露出された領域の厚さは、前記工程gにおいて残された領域の厚さより薄い。
【0032】
本発明において、第1回目のウェットエッチングを行う時、TFTチャンネル領域がフォトレジストパターン層により保護されるように、スリートーンマスクを利用して、TFTチャンネル領域にもフォトレジストパターン層を形成させ、そして、エッチング程度が高精度に制御できるドライエッチングを利用して、TFTチャンネルをエッチさせた。このように、従来技術のTFTチャンネルが二回のウェットエッチングを経過するウェットエッチングより、本発明のTFTチャンネルは一回のドライエッチングと一回のウェットエッチングを経過し、TFTチャンネルがウェットエッチングにエッチされる工程数を減少したため、オーバーエッチングされる程度が低減され、TFTチャンネルの幅が広すぎて液晶表示装置の表示機能に影響を与えることが避けられる。
【0033】
本発明の液晶表示装置のアレイ基板の製造方法において、さらに以下の工程を含める。
【0034】
(工程h)工程gが完了した基板に絶縁層を堆積し、フォトリソグラフィープロセスによりパッシベーション層パターン及びビアホールを形成する工程。続いて工程iも行ってもいい。即ち、工程hが完了した基板に透明導電層を堆積し、フォトリソグラフィープロセスにより共通電極を形成する。工程hと工程iは、剥離プロセス(lift off)により、一回のフォトリソグラフィープロセスを利用して完了できる。詳しく言うと、
(工程j)工程gが完了した基板に、絶縁層を堆積し、フォトリソグラフィープロセスによりパッシベーション層パターンを形成し、フォトレジストを除去しなくて、前記フォトレジスト及び前記パッシベーション層パターン上に第2の透明導電層を堆積し、パッシベーション層パターンの上部に共通電極が形成されるように、剥離プロセスにより前記フォトレジスト上の第2の透明導電層を除去する。
【0035】
以下、本発明の液晶表示装置のアレイ基板の製造方法の最良の実施例に関して詳しく説明する。
【0036】
図1に示したように、液晶表示装置のアレイ基板は、画素領域101、非表示領域及びTFT領域102から構成され、前記非表示領域には画素領域101との間に位置する配線領域及び他の領域が含まれ、該TFT領域102にはTFTチャンネル領域1021、ソース電極領域1022及びドレイン電極1023が含まれている。該配線領域にはゲートライン領域103及びデータライン領域104が含まれている。画素領域101は数多くの画素電極141から構成された領域であり、ゲートライン領域103は複数のゲートライン11から構成された領域である。データライン領域104は複数のデータライン16から構成された領域である。
【0037】
図1及び図4A〜図4Jを合わせて見ると、図4Aはゲートライン及びゲートラインと一体のゲート電極が形成されている基板の断面図であり、図4Bは図4Aの基板にゲート絶縁層及び活性層パターンを形成した後の断面図であり、図4Cは図4Bの基板に第1の透明導電層及びソースドレイン金属層を形成した後の断面図であり、図4Dは図4Cの基板にフォトレジストパターン層を形成した後の断面図であり、図4Eは図4Dの基板に対してウェットエッチングを行った後の断面図であり、図4Fは図4Eのフォトレジストパターン層に対して第1回のアッシングプロセスを行った後の断面図であり、図4Gは図4FのTFTチャンネル領域に対してドライエッチングを行った後の断面図であり、図4Hは図4Gのフォトレジストパターン層に対して第2回のアッシングプロセスを行った後の断面図であり、図4Iは図4Hの基板に対してウェットエッチングを行った後の断面図であり、図4Jは図4Iにおけるフォトレジストパターン層を除去した後の断面図である。
【0038】
本発明の液晶表示装置のアレイ基板の製造方法において、以下の工程を含む。
【0039】
(工程aa)TFTの領域102の上に第1の金属層、第1の絶縁層、半導体層及びドープ半導体層を有する基板10を提供し、且つ、該基板10が前記第1の絶縁層に覆われ、前記第1の金属層はゲートライン領域103内にも形成されている。第1の金属層はCr、W、Ti、Ta、Mo、Al又はCuの単層膜であり、或いは、Cr、W、Ti、Ta、Mo、Al及びCuのいずれの組合せにより構成した複合膜であり、TFT領域102内に形成された第1の金属層はゲート電極111とし、ゲートライン領域103内に形成された第1の金属層はゲートライン11としている。第1の絶縁層はゲート絶縁層12として、ゲートライン11及びゲート電極111が他の構造と絶縁されるように、ゲートライン11及びゲート電極111の上を覆われている。具体的に、図4Aに示したように、先に基板10の上に、第1の金属層を堆積した後、フォトリソグラフィープロセスにより、TFT領域102内の第1の金属層を保留させてゲート電極111を形成し、ゲートライン領域103内の第1の金属層を保留させてゲートライン11を形成する(図1を参照)。そして、図4Bに示したように、ゲート絶縁層12及び活性層(半導体層及びドープ半導体層)を順次堆積させ、フォトリソグラフィープロセスにより、TFT領域102内の活性層のみを保留させて、活性層パターン13を形成する。
【0040】
(工程bb)工程aaが完了した基板に、第1の透明導電層14及び第2の金属層を順次堆積する。図4Cに示したように、前記第2の金属層はソースドレイン金属層15である。前記ソースドレイン金属層はCr、W、Ti、Ta、Mo、Al又はCuの単層膜であり、或いは、Cr、W、Ti、Ta、Mo、Al及びCuのいずれの組合せにより構成した複合膜である。第1の透明導電層はITO又はIZOである。
【0041】
(工程cc)スリートーンマスクにより、前記第2の金属層にフォトレジストパターン層100を形成し、且つ、TFTチャンネル領域1021のフォトレジストパターン層100は第1の厚さを有し、前記画素領域101のフォトレジストパターン層100は第2の厚さを有し、前記ソース電極領域1022、ドレイン電極領域1023及びデータライン領域104(図1を参照)のフォトレジストパターン層100は第3の厚さを有する。図4Dに示したように、フォトレジストパターン層の第1の厚さが第2の厚さより薄く、第2の厚さが第3の厚さより薄い。
【0042】
(工程dd)図4Eに示したように、前記データライン領域104(図1を参照)の以外の非表示領域の第2の金属層(ソースドレイン金属層15)及び第1の透明導電層14に対してエッチングを行う。基板の全般に対して大面積のエッチングを行う必要があるため、ウェットエッチングにより行う必要がある。この場合、TFTチャンネル領域1021内にフォトレジストパターン層100がやはり存在しているため、TFTチャンネル領域1021はエッチングされない。
【0043】
(工程ee)図4Fに示したように、前記フォトレジストパターン層100に対して第1回のアッシングプロセスを行って、TFTチャンネル領域1021の第2の金属層(ソースドレイン金属層15)を露出させる。この場合、アッシングプロセスにより除去されたフォトレジストパターン層100の厚さが第1の厚さであるため、TFTチャンネル領域1021のフォトレジストパターン層100が除去されて、ソースドレイン金属層15が露出される。その分、残った部分のフォトレジストパターン層100も第1の厚さほどの厚さに相当する厚さが減少される。
【0044】
(工程ff)図4Gに示したように、TFTチャンネル領域1021の第2の金属層(ソースドレイン金属層15)、第1の透明導電層14及び活性層パターン13の一部に対してエッチングを行う。面積が小さいTFTチャンネル領域1021に対してエッチングを行うため、ドライエッチングにより、エッチング程度が高精度に制御されることができ、ソースドレイン金属層15、第1の透明導電層14及び活性層パターン13の一部(ドープ半導体)がエッチングされて、TFTチャンネル131及びソース電極151が形成される。
【0045】
(工程gg)図4Hに示したように、前記フォトレジストパターン層100に対して第2回のアッシングプロセスを行って、画素領域101の第2の金属層(ソースドレイン金属層15)を露出させる。この場合、除去されたフォトレジストパターン層100の厚さは、第2の厚さから第1の厚さを差し引いた値に相当する程度であるため、画素領域101のソースドレイン金属層15が露出される。
【0046】
(工程hh)図4Iに示したように、前記画素領域101の第2の金属層(ソースドレイン金属層15)に対してエッチングを行う。基板の全般に対して大面積のエッチングを行う必要があるため、ウェットエッチングにより行う必要がある。画素領域101のソースドレイン金属層15がエッチされてしまい、ドレイン電極152及び画素電極141が形成される。
【0047】
(工程ii)図4Jに示したように、残ったフォトレジストパターン層が除去される。
【0048】
また、工程iiが完了した基板に第2の絶縁層を堆積し、フォトリソグラフィープロセスによりパッシベーション層パターンが形成される。或いは、続いて第2の透明導電層を堆積し、フォトリソグラフィープロセスにより共通電極が形成される。また、工程iiが完了した基板に、さらに第2の絶縁層を堆積し、フォトリソグラフィープロセスによりパッシベーション層パターンが形成され、フォトレジストを除去せずに、前記フォトレジスト及び前記パッシベーション層パターン上に第2の透明導電層を堆積し、パッシベーション層パターンの上部に共通電極が形成されるように、剥離プロセス(lift off)により前記フォトレジスト上の第2の透明導電層を除去する。
【0049】
本発明は、TFTチャンネル領域の上に一層のフォトレジストパターン層を保留させることにより、第1回目のウェットエッチングを行う時、TFTチャンネル領域が保護される。そして、高精度にエッチング程度が制御可能なドライエッチングを利用して、TFTチャンネルがエッチングされた。このように、従来技術のTFTチャンネルが二回のウェットエッチングを経過するウェットエッチングより、本発明のTFTチャンネルは一回のドライエッチングと一回のウェットエッチングを経過し、TFTチャンネルがウェットエッチングによりエッチされる工程数を減少したため、オーバーエッチングされる程度が低減され、TFTチャンネルの幅が広すぎて液晶表示装置の表示機能に影響を与えることが避けられる。
【0050】
当業者は、上記の製造方法をTNモード又はFFSモードの液晶表示装置の製造方法に適用され、一回のフォトリソグラフィープロセスにより、ソース電極、ドレイン電極、TFTチャンネル及び画素電極パターンを形成すると同時に、TFTチャンネルがオーバーエッチされる問題を解決する。
【0051】
上記の実施例は本発明の技術案に関して説明しただけであり、これらに限ったものではない。上記の実施例を参考しながら本発明に関して詳しく説明したが、当業者は、上記の各実施例に記載の技術案に対して変形することができるし、或は、その中の部分の技術特徴に対して等価的置換ができるし、このような変形と置換は、対応している技術案の実質を本発明の各実施例の技術案の精神と範囲から逸脱させない、とのことに理解すべきである。
【符号の説明】
【0052】
10 基板
11 ゲートライン
111 ゲート電極
12 ゲート絶縁層
13 活性層パターン
14 第1の透明導電層
141 画素電極
15 ソースドレイン金属層
151 ソース電極
152 ドレイン電極
16 データライン
131 TFTチャンネル
100 フォトレジストパターン層
101 画素領域
102 TFT領域
103 ゲートライン領域
104 データライン領域
1021 TFTチャンネル領域
1022 ソース電極領域
1023 ドレイン電極領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(工程a)ゲートライン、ゲート絶縁層及び活性層パターンが順次形成されている基板を提供する工程と、
(工程b)前記基板に、第1の透明導電層及びソースドレイン金属層を順次堆積する工程と、
(工程c)前記ソースドレイン金属層の上部に、スリートーンマスクによりフォトレジストパターン層を形成する工程と、
(工程d)前記フォトレジストパターン層が露出されたソースドレイン金属層及び第1の透明導電層に対してウェットエッチングを行う工程と、
(工程e)前記フォトレジストパターン層に対して第1回目のアッシングプロセスを行い、露出されたソースドレイン金属層、第1の透明導電層及び活性層パターンに対してドライエッチングを行う工程と、
(工程f)前記フォトレジストパターン層に対して第2回目のアッシングプロセスを行い、露出されたソースドレイン金属層に対してウェットエッチングを行う工程と、
(工程g)残されたフォトレジストパターン層を除去する工程と、
を含むことを特徴とする、液晶表示装置のアレイ基板の製造方法。
【請求項2】
前記スリートーンマスクにより形成されたフォトレジストパターン層が、前記工程eにおいて第1回目のアッシングプロセスを経過して露出された領域の厚さは、前記工程fにおいて第2回目のアッシングプロセスを経過して露出された領域の厚さより薄く、且つ、前記工程fにおいて第2回目のアッシングプロセスを経過して露出された領域の厚さは、前記工程gにおいて残された領域の厚さより薄いことを特徴とする、請求項1に記載の液晶表示装置のアレイ基板の製造方法。
【請求項3】
(工程h)工程gが完了した基板に絶縁層を堆積し、フォトリソグラフィープロセスによりパッシベーション層パターン及びビアホールを形成する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の液晶表示装置のアレイ基板の製造方法。
【請求項4】
(工程i)工程hが完了した基板に第2の透明導電層を堆積し、フォトリソグラフィープロセスにより共通電極を形成する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の液晶表示装置のアレイ基板の製造方法。
【請求項5】
(工程j)工程gが完了した基板に絶縁層を堆積し、フォトレジストを利用したフォトリソグラフィープロセスによりパッシベーション層パターン及びビアホールを形成し、該フォトレジストを除去せずに、前記フォトレジスト及び前記パッシベーション層パターン上に第2の透明導電層を堆積し、パッシベーション層パターンの上部に共通電極が形成されるように、剥離プロセスにより前記フォトレジスト上の第2の透明導電層を除去する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の液晶表示装置のアレイ基板の製造方法。
【請求項6】
(工程aa)TFTの領域の上に第1の金属層、第1の絶縁層、半導体層及びドープ半導体層を有する基板を提供し、且つ、該基板が前記第1の絶縁層に覆われ、前記基板は画素領域、TFT領域及び非表示領域を含み、該TFT領域はソース電極領域、ドレイン電極領域及びTFTチャンネル領域を含む工程と、
(工程bb)工程aaが完了した基板に、第1の透明導電層及び第2の金属層を順次堆積する工程と、
(工程cc)前記第2の金属層にフォトレジストパターン層を形成し、且つ、前記TFTチャンネル領域のフォトレジストパターン層は第1の厚さを有し、前記画素領域のフォトレジストパターン層は第2の厚さを有し、前記ソース電極領域及びドレイン電極領域のフォトレジストパターン層は第3の厚さを有し、前記フォトレジストパターン層の第1の厚さは第2の厚さより薄く、第2の厚さは第3の厚さより薄くなる工程と、
(工程dd)前記非表示領域の第2の金属層及び第1の透明導電層に対してエッチングを行う工程と、
(工程ee)前記フォトレジストパターン層に対して第1回目のアッシングプロセスを行い、前記TFTチャンネル領域の第2の金属層を露出させる工程と、
(工程ff)TFTチャンネル領域の第2の金属層、透明導電層及びドープ半導体層に対してエッチングを行う工程と、
(工程gg)前記フォトレジストパターン層に対して第2回目のアッシングプロセスを行い、前記画素領域の第2の金属層を露出させる工程と、
(工程hh)前記画素領域の第2の金属層に対してエッチングを行う工程と、
(工程ii)残されたフォトレジストパターン層を除去する工程と、
を含むことを特徴とする、液晶表示装置のアレイ基板の製造方法。
【請求項7】
前記工程ddにおいてウェットエッチングによりエッチングを行い、前記工程ffにおいてドライエッチングによりエッチングを行い、前記工程hhにおいてウェットエッチングによりエッチングを行うことを特徴とする、請求項6に記載の液晶表示装置のアレイ基板の製造方法。
【請求項8】
(工程jj)工程iiが完了した基板に第2の絶縁層を堆積し、フォトリソグラフィープロセスによりパッシベーション層パターン及びビアホールを形成する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の液晶表示装置のアレイ基板の製造方法。
【請求項9】
(工程kk)工程jjが完了した基板に第2の透明導電層を堆積し、フォトリソグラフィープロセスにより共通電極を形成する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の液晶表示装置のアレイ基板の製造方法。
【請求項10】
(工程ll)工程iiが完了した基板に第2の絶縁層を堆積し、フォトレジストを利用したフォトリソグラフィープロセスによりパッシベーション層パターン及びビアホールを形成し、該フォトレジストを除去せずに、前記フォトレジスト及び前記パッシベーション層パターン上に第2の透明導電層を堆積し、パッシベーション層パターンの上部に共通電極が形成されるように、剥離プロセスにより前記フォトレジスト上の第2の透明導電層を除去する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の液晶表示装置のアレイ基板の製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図4I】
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【図4J】
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【図2B】
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【公開番号】特開2010−79302(P2010−79302A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221180(P2009−221180)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(507134301)北京京東方光電科技有限公司 (90)
【Fターム(参考)】