説明

無線電子機器

【課題】緊急災害速報を十分生かすことが可能な無線電子機器を提供する。
【解決手段】緊急災害速報を受信し(ステップ101)、緊急災害速報が震度を検出し(ステップ102)、震度に応じて緊急災害速報をユーザに報知する。優先順位を決定する(ステップ103、104、105)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緊急災害速報を受信する、携帯電話機等の無線電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、主として気象庁が配信する緊急地震速報などの緊急災害速報を受信して活用するシステムが導入され、地震等の災害の被害を低減するシステムとして期待されている(たとえば特許文献1)。
【0003】
通常地震は、初期微動でのP波と呼ばれる小さな揺れ(縦波)と主要動でのS波と呼ばれる大きな揺れ(横波)が同時に発生する。
P波とS波とは伝搬速度が異なり、P波は毎秒約7km、S波は毎秒約4kmの速さで伝わる。
【0004】
緊急地震速報のシステムは、このようなP波とS波の伝搬速度を利用し、小さな揺れ(P波)を検地した時点で速報し、大きな揺れ(S波)が到達する前に自衛することを目的としている。
なお、緊急地震速報で報知する内容としては、災害の度合いである震度や大きな揺れ(S波)が到達するまでの時間が主として含まれている。
【0005】
緊急災害速報を通知する媒体としては様々なものが検討されているが、その中の一つに無線電子機器たとえば携帯電話機が存在する。無線電子機器は基地局から緊急災害速報を受信すると、アラームや液晶表示装置でユーザに報知するシステムが検討されている。
【特許文献1】特開2007−156766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、地震が発生した場合、緊急災害速報により、無線電子機器に地震等の災害情報が通知されても、従来の無線電子機器端末では災害の度合いである震度等に応じて通話中の電話を切断する等の処理を行っておらず、大規模な地震等の災害が発生しても緊急災害速報を十分に生かせない可能性がある。
【0007】
また、従来の無線電子機器では、災害マップ等の情報が予め保存されており、地震等の災害が発生した場合、無線電子機器を用いて様々な情報を得ることが可能である。
【0008】
しかし、これらの機器も当然無線電子機器のバッテリーがなくなってしまうと動作不可となるが、従来の無線電子機器では緊急災害速報を受信後、バッテリーを長持ちさせるシステムが実施されていない。
【0009】
さらに、緊急災害速報を受信した無線電子機器は自機の位置情報(たとえばGPS(Global Positioning System)情報)を通知するシステムは実装していなかった。
そのため、大規模な地震等の災害が発生した場合、救援活動や家族間の連絡に不都合が生じるといった課題があった。
【0010】
つまり、大規模な地震等の災害が発生した場合、安否の確認をしたい人達が連絡を取り合おうとするため、震源近くの無線電子機器の基地局は混雑する。
それにより、一時的に無線電子機器は使用困難状態となり、安否の確認はおろか、緊急事態であっても無線電子機器を使用することが困難となる。
例えば、ある地区でビルが倒壊し、生き埋めとなる人達がいた場合でも、自分が倒壊現場にいることを連絡する手段がなく、救援活動を待機するだけとなってしまう。
また、幸運にも地震等の災害による被害を受けず、家族間等で連絡を取り合いたい場合でも、家族がどこにいるかも分からず、身動きがとれない状態となってしまう。
【0011】
本発明の目的は、緊急災害速報を十分生かすことが可能な無線電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の観点に係る無線電子機器は、緊急災害速報を受信する受信部と、前記受信した緊急災害速報から災害の度合いを検出する検出部と、前記検出された災害の度合いに応じて前記緊急災害速報を報知する優先順位を決定する決定部とを備える。
【0013】
また、本発明の第2の観点に係る電子機器は、緊急災害速報を受信する受信部と、前記受信した緊急災害速報から災害の度合いを検出する検出部と、前記検出された災害の度合いに応じて自機の設定状態を決定する決定部とを備える。
【0014】
前記設定状態が省電力モード状態あるいは前記設定状態が電源オフモード状態とすることができる。
【0015】
さらに、本発明の第3の観点に係る無線電子機器は、緊急災害速報を受信する受信部と、前記受信した緊急災害速報から災害の度合いを検出する検出部と、前記検出された災害の度合いに応じて自機の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報が取得されたか否かを判定する自機位置取得判定部と、前記位置情報が取得されたと判定されたときに災害マップを表示する災害マップ表示部とを備える。
【0016】
さらに、本発明の第4の観点に係る無線電子機器は、緊急災害速報を受信する受信部と、前記受信した緊急災害速報から災害の度合いを検出する検出部と、前記検出された災害の度合いに応じて位置情報登録可能の建物内か否かを判別する建物内判別部と、前記建物内であると判別されたときに該建物内の避難経路を表示する避難経路表示部とを備える。
【0017】
さらに、前記建物内でないと判別されたときに災害マップを表示する災害マップ表示部を備えてもよい。
【0018】
さらに、本発明の第5の観点に係る無線電子機器は、緊急災害速報を受信する受信部と、前記受信した緊急災害速報から災害の度合いを検出する検出部と、前記検出された災害の度合いに応じてテレビアプリケーションを起動する起動部とを備える。
【0019】
前記起動部は所定のチャンネルを選択して前記テレビアプリケーションを起動してもよい。
【0020】
さらに、本発明の第6の観点に係る無線電子機器は、緊急災害速報を受信する受信部と、前記受信した緊急災害速報から災害の度合いを検出する検出部と、前記検出された災害の度合いに応じて自機の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記取得された位置情報を所定の外部機器に送信する送信部とを備える。
【0021】
さらに、前記取得した前記位置情報を圧縮する圧縮部を備え、前記送信部は前記圧縮された位置情報を所定の外部機器に送信することができる。
【0022】
前記位置情報取得部は、前記位置情報の取得が成功するまで、所定回数、前記取得を行うことができる。
【0023】
前記送信部は、位置情報の送信が成功するまで、所定回数、前記送信処理を行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、緊急災害速報を十分生かすことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、本発明の実施の形態に係る無線電子装置の構成を示すブロック図である。ここでは、無線電子装置として携帯電話機が例示されている。
【0026】
図1に示されるように、携帯電話機は、通信部1と、操作部2と、音声処理部3と、スピーカ(SP)4と、マイクロフォン(MIC)5と、表示部6と、記憶部7と、制御部8と、GPSレシーバ9と、により構成される。
【0027】
通信部1は、複数の通信システムを捕捉し、例えば、ある通信プロトコルにしたがい、不図示の移動通信網に接続される基地局を含む網側装置(緊急呼出センタ)との間で無線通信を行う。
通信部1は、緊急災害速報を受信する受信部として機能、受信した緊急災害速報を制御部に供給する。なお、以下の本実施形態の説明では、この緊急災害も速報は緊急地震速報であるとする。
通信部1は、制御部8の制御の下、制御部8で取得され、たとえば圧縮された位置情報を所定の外部機器に送信する送信部として機能する。
また、通信部1は、制御部8の制御の下、位置情報の送信が成功するまで、所定回数(たとえば5回)、位置情報の送信処理を行う。
このとき、通信部1は、制御部8の制御の下、位置情報の送信を一定の間隔をおいて(たとえば10分)成功するまで所定回数繰り返す。
【0028】
操作部2は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キーなど、各種の機能が割り当てられたキーを有しており、これらのキーがユーザによって操作された場合に、その操作内容に対応する信号を発信し、これをユーザの支持として制御部8に入力する。ここでは、警察(110番)、海上保安庁(118番)、消防(119番)、への緊急通報用のキーとしても用いられる。
【0029】
音声処理部3は、スピーカ4から出力される音声信号やマイクロフォン5において入力される音声信号の処理を行う。
すなわち、音声処理部3は、マイクロフォン5から入力される音声を増幅し、アナログ/デジタル変換を行い、更に符号化等の信号処理を施し、デジタルの音声データに変換して制御部8に出力する。
また、音声処理部3は、制御部8から供給される音声データに復号化、デジタル/アナログ変換、増幅後の信号処理を施し、アナログの音声信号に変換してスピーカ4に出力する。
音声処理部3は、制御部8で緊急災害速報が取得され、その災害の度合い、たとえば震度が検出された場合に緊急災害情報を、アラーム音や音声等により報知する報知部として機能する。
【0030】
表示部6は、例えば、液晶表示パネルや有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどの表示デバイスを用いて構成されており、制御部8から供給される映像信号に応じた面積を表示する。
表示部6は、例えば、発信時における発信先の電話番号、着信時における着信相手の電話番号、受信メールや送信メールの内容、日付、時刻、電池残量、発信成否、待ち受け画面などの各種の情報や画像を表示する。
表示部6は、制御部8で位置情報が取得されたと判別されたときに、制御部8の制御の下、災害マップを表示する災害マップ表示部として機能する。
表示部6は、制御部8において自機が建物内にあると判別されたときに、制御部8の制御部の下、建物内の避難経路を表示する避難経路表示部として機能する。
表示部6は、制御部8において自機が建物内にないと判別されたときに、制御部8の制御部の下、災害マップを表示する災害マップ表示部として機能する。
表示部6は、制御部8で緊急災害速報が取得され、その震度が検出された場合に緊急災害情報を、文字等により報知する報知部として機能する。
【0031】
記憶部7は、制御部8において処理に利用される各種のデータを記憶する。
記憶部7は、例えば、制御部8が実行するアプリケーションプログラム、通信相手の電話番号や電子メールアドレス等の個人情報を管理するアドレス帳、着信音やアラーム音を再生するための音声ファイル、待ち受け画面用の画像ファイル、各種の設定データ、プログラムの処理過程で利用される一時的なデータなどを保持する。
なお、上記した記憶部7は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(フラッシュメモリ)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(SRAM、DRAM)等によって構成される。
【0032】
制御部8は、携帯電話の全体的な動作を統括的に制御する。
すなわち、制御部8は、携帯電話の各種の処理(回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成と送受信、インターネットのWeb(World Wide Web)サイトの閲覧などの制御)が操作部2の操作に応じて適切な手順で実行されるように、上述した各ブロックの動作(通信部1における信号の送受信、音声処理部3における音声の入出力、表示部6における画像の表示など)を制御する。
制御部8は、記憶部7に格納されるプログラム(オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行するコンピュータ(マイクロプロセッサ)を備えており、このプログラムにおいて指示された手順にしたがって上記した処理を実行する。すなわち、記憶部7に格納されるオペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等のプログラムから命令コードを順次読み込んで処理を実行する。
【0033】
制御部8はまた、「110番」や「119番」等の特定番号への緊急発信を行った後、位置情報要求メッセージの受信が緊急発信を行ってから第1の時間内に発生した場合に位置情報の測位を行う機能を有する。
【0034】
GPSレシーバ9は、不図示のGSP衛星から、緯度、経度、時間に関する情報を受信して制御部8へ供給し、このことにより、制御部8が、無線電子機器の現在地を測位演算することが可能になる。
【0035】
図2は、本実施形態に係る制御部の緊急災害速報の受信に対応する処理を行う要部を示す機能ブロック図である。
【0036】
制御部8は、図2に示すように、検出部801、決定部802、自機位置取得部803、災害マップ表示制御部804、建物内判別部805、避難経路判別部806、起動部807、位置情報取得部808、圧縮部809、および送信制御部810を有し、これら各部はバス811により接続されている。
【0037】
検出部801は、通信部1で受信した緊急災害情報から災害の度合い、たとえば地震の震度を検出し、その結果を決定部802、自機位置取得部803、建物内判別部805、起動部807、および位置情報取得部808に供給する。
【0038】
決定部802は、検出部801で検出された災害の度合い、たとえば震度に応じて緊急地震情報をユーザに報知する優先順位を決定する。
このように、自機で自動的に報知する優先順位を決定することから、ユーザへの負担が低減する。
【0039】
また、決定部802は、検出部801で検出された震度に応じて自機の設定状態を決定し、決定した状態となるように制御する。
ここで、設定状態とは電波オフモード等の省電力モード状態あるいは電源オフ状態を例示できる。この場合、決定部802は、決定に応じて図示しない電源部を制御して、省電力状態あるいは電源オフ状態に遷移させる。
これにより、消費電力を低減することができ、電源の確保が困難な地震災害時等の無線電子機器の起動時間の長期化が図れる。
【0040】
自機位置取得判定部803は、検出部801で検出された震度に応じて自機の位置情報が取得されているか否かを判別し、その結果を災害マップ表示制御部804に出力する。
【0041】
災害マップ表示制御部804は、自機位置取得判定部803で自機の位置情報が取得されたと判別されたときに、災害マップを表示するように表示部6を制御する。
また、災害マップ表示制御部804は、建物内判別部805で自機が建物内にあると判別されたときに、建物内の避難経路を表示するように表示部を制御する。
災害マップ表示制御部804は、建物内判別部805で自機が建物内にないと判別されたときに、災害マップを表示する表示するように表示部6を制御する。
【0042】
建物内判別部805は、検出部801で検出された震度に応じて位置情報登録可能の建物内か否かを判別し、その結果を災害マップ表示制御部804および避難経路表示制御部806に出力する。
建物内判別部805は、例えば携帯電話機で受信した、建物の入口等に設置されている無線機からの建物内に入った情報や建物の情報等から建物内か否かを判別しても良いし、ユーザが建物に入ったときにその旨を設定することにより判別するようにしても良い。
【0043】
避難経路表示制御部806は、検出部801で検出された災害の度合い、たとえば震度に応じて位置情報登録可能の建物内であると判別されたときに、この建物内の避難経路を表示するように表示部6を制御する。
なお、避難経路情報は、位置情報が登録されている建物が特定されていれば予め記憶部7に記憶しておくことも可能であり、また、通信部1を通して管理センターからダウンロードする等、種々の態様が可能である。
【0044】
起動部807は、検出部801で検出された震度に応じて、テレビアプリケーションを起動する。
なお、起動部807は、検出部801で検出された震度に応じて所定のチャンネルを選択してテレビアプリケーションを起動するようにしても良い。
【0045】
位置情報取得部808は、検出部801で検出された災害の度合いである震度に応じてGPSレシーバ9を通して緯度、経度、時間に関する情報を受信して自機の現在地を測位演算することにより位置情報を取得し、圧縮部809および送信制御部810に出力する。
【0046】
圧縮部809は、位置情報取得部808で取得された位置情報を圧縮し、圧縮した情報を送信制御部810に出力する。
【0047】
送信制御部810は、圧縮部809で圧縮された位置情報を所定の外部機器に送信するように通信部1を制御する。
また、送信制御部810は、位置情報の送信が成功するまで、所定回数(たとえば5回)、位置情報の送信処理を行うように通信部1を制御する。
【0048】
図3は図1の制御部8の第1の動作を説明するフローチャートである。
【0049】
始めに、地震が発生すると、ステップ101にて、通信部1を通して緊急災害速報を受信する。
【0050】
次に、ステップ102にて、検出部801で緊急災害速報から災害の度合い、たとえば震度を検出する。
【0051】
次に、ステップ103、104、105にて、検出された震度に応じて緊急災害速報の優先順位を決定部802で決定して報知する。
たとえば、震度6以上の場合、ステップ103からステップ105に進み、緊急災害速報を最優先順位で報知する。この最優先順位とは、たとえば地震があった旨の表示を他のアプリケーションに対して優先させて画面に表示したり、その旨の音声を他のアプリケーションに対して優先させて報知したりすることをいう。
他方、震度6未満の場合、ステップ103からステップ105に進み、緊急災害速報をメールと同じレベルの優先順位で報知する。
【0052】
このように、第1の動作によれば、ユーザへの負担が低減する。尚、図3においては、優先順位の決定が震度6以上、震度6未満の2通りであるが、3通り以上にすることもできる。
また、震度の値は一例であり、震度6以外の他の震度の値を用いても良い。
【0053】
図4は図1の制御部8の第2の動作を説明するフローチャートである。
【0054】
始めに、地震等の災害が発生すると、ステップ201にて、通信部1を通して緊急災害速報を受信し、次いで、ステップ202にて、音声処理部3または表示部6を制御して通常の方法でアラーム音声もしくは表示によってユーザに報知する。
【0055】
次に、ステップ203にて、検出部801で緊急災害速報から災害の度合いである震度を検出する。
【0056】
次に、ステップ204、205、206にて、検出された震度に応じて自機の設定状態を決定部802で決定して通知する。
たとえば、震度6以上の場合、ステップ204からステップ205に進み、省電力モード状態を設定する。この省電力モードには、例えばバックライトを暗くしたり、電波の送受信を停止する電波オフモードにしたり、電波の受信間隔を長くする間欠受信モード等がある。もちろん、その他の省電力となるモードであっても良いし、上記各省電力モードのうちの複数を用いて震度に応じて設定を異ならせても良い。
他方、震度6未満の場合、ステップ204からステップ206に進み、電源オフモード状態を設定する。
【0057】
このように、第2の動作によれば、消費電力が低減し、無線電子機器の起動時間の長期化が図れる。尚、図4においても、設定状態の決定が震度6以上、震度6未満の2通りであるが、3通り以上にすることもできる。
また、震度の値は一例であり、震度6以外の他の震度の値を用いても良い。
【0058】
図5は図1の制御部8の第3の動作を説明するフローチャートである。
【0059】
始めに、地震が発生すると、ステップ301にて、通信部1を通して緊急災害速報を受信し、次いで、ステップ302にて、音声処理部3または表示部6を制御して通常の方法でアラーム音声もしくは表示によってユーザに報知する。
【0060】
次に、ステップ303にて、検出部801で緊急災害速報から震度を検出する。
【0061】
次に、ステップ304〜309にて、災害マップ表示制御部804により検出された震度に応じて災害マップの表示し、また、避難経路の表示し、あるいは起動部809によりテレビアプリケーション等の任意のアプリケーションを起動する。
すなわち、ステップ304にて、震度が6以上のときには、ステップ305に進み、他方、震度が6未満のときには、ステップ309に進む。
【0062】
ステップ305では、自機のGPS情報の取得を行い、自機の位置情報たとえばGPS情報を取得できたか否かを判別する。この場合のGPS情報は人工衛星あるいは基地局のいずれからでもよい。
GPS情報が取得されたときにはステップ306に進み、災害マップを表示部6に表示する。他方、GPS情報が取得できなかったときにはステップ307に進む。
【0063】
ステップ307では、建物内判別部805で位置情報が登録される建物内か否かを判別する。当該建物内であればステップ308にて避難経路を表示部6に表示する。他方、当該建物内でなければステップ309に進む。
【0064】
ステップ309では、起動部809により所定のチャンネルを選択してテレビアプリケーション等の任意のアプリケーションを起動する。これにより、所定テレビ情報を表示部6に表示する。
【0065】
このように、第3の動作によれば、災害マップ、避難経路、テレビアプリケーション等による表示を自動的に表示できるので、十分な救援活動、家族間の連絡が可能となる。
また、震度の値は一例であり、震度6以外の他の震度の値を用いても良い。
【0066】
図6は図1の制御部8の第4の動作を説明するフローチャートである。
【0067】
始めに、地震が発生すると、ステップ401にて、通信部1を通して緊急地震速報を受信し、次いで、ステップ402にて、通常の方法でアラーム音声もしくは表示によってユーザに報知する。
【0068】
次に、ステップ403にて、検出部801で緊急地震速報から震度を検出する。
【0069】
次に、ステップ404〜418にて、送信制御部810により検出された震度に応じて自機の位置情報を、通信部1を通して外部のサーバに送信する。
つまり、震度が6以上のときに自機の位置情報を外部のサーバへ送信する。
【0070】
ステップ406〜413は自機位置情報、つまりGPS情報を取得するが、ステップ407〜409はスタンドアローンGPSを搭載している場合であり、ステップ411〜413はスタンドアローンGPSを搭載していない場合である。
【0071】
ステップ407では、人工衛星よりGPSレシーバ9を用いてGPS情報を取得する。このGPS情報取得は成功するまで、ステップ408、409により、所定回数、行われる。
【0072】
ステップ411では、近傍の基地局よりGPS情報を取得する。このGPS情報取得は成功するまで、ステップ412、413により、所定回数、行われる。
【0073】
GPS情報を取得した後、ステップ414にて、圧縮部809で当該GPS情報のデータ圧縮を行い、ステップ416にて、送信制御部810によりデータ圧縮されたGPS情報を、通信部1を通して外部のサーバへ送信する。
この送信は成功するまで、ステップ417、418により、所定回数、行われる。
【0074】
このように、第4の動作によれば、自機の位置情報を自動的に外部のサーバへ送信することができる。また、データ圧縮により、回線の混乱も回避できる。
また、震度の値は一例であり、震度6以外の他の震度の値を用いても良い。
【0075】
以上説明したように、本実施形態によれば、緊急災害速報(緊急地震速報)を受信する受信部としての通信部1と、受信した緊急災害速報から災害の度合い、たとえば地震の震度を検出する検出部801と、検出された災害の度合いに応じて緊急地震速報を報知する優先順位を決定する決定部802とを有することから、緊急災害速報を十分生かし、かつ。ユーザへの負担を低減することができる。
【0076】
また、本実施形態によれば、緊急災害速報を受信する受信部としての通信部1と、受信した災害の度合いから災害の度合い、たとえば地震の震度を検出する検出部801と、検出された災害の度合いに応じて自機の設定状態を決定し、自機を省電力モード状態、あるいは電源オフモード状態に設定する決定部820を有することから、消費電力を低減することができ、電源の確保が困難な地震災害時等の無線電子機器の起動時間の長期化が図れる。
【0077】
また、本実施形態によれば、緊急災害速報を受信する受信部としての通信部1と、受信した緊急地震速報から災害の度合い、たとえば地震の震度を検出する検出部801と、記検出された災害の度合いに応じて自機の位置情報が取得されたか否かを判別する自機位置取得判定部803と、位置情報が取得されたと判別したときに災害マップを表示する災害マップ表示部6,804と、検出された震度に応じて位置情報登録可能の建物内か否かを判別する建物内判別部805と、建物内であると判別されたときに該建物内の避難経路を表示する避難経路表示部6,806と、出された震度に応じてテレビアプリケーションを起動する起動部809と、を有し、災害マップ表示部6,804は、建物内でないと判別されたときに災害マップを表示することから、災害マップ、避難経路、テレビアプリケーション等による表示を自動的に表示できるので、十分な救援活動、家族間の連絡が可能となる。
【0078】
さらに、本実施形態によれば、検出部801で検出された震度に応じて自機の位置情報を取得する位置情報取得部808と、取得した前記位置情報を圧縮する圧縮部809と、圧縮された位置情報を所定の外部機器に送信する送信部1,810と、を有することから、自機の位置情報を自動的に外部のサーバへ送信することができる。また、データ圧縮により、回線の混乱も回避できる。
【0079】
なお、上記実施形態では、災害として地震を想定し、地震時に対応した緊急災害速報としての緊急地震速報を例に挙げて説明した。しかし、本発明は、災害としての地震の場合に限定されるものではなく、災害として地震以外の、たとえば津波、台風、雨、雪などのその他の災害であっても適用することができる。この場合、本発明では、上記実施形態における緊急災害速報として、各災害の度合い(地震の震度に対応するもの)を含む緊急災害速報を受信して上記実施形態と同様に行うようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施の形態に係る無線電子装置を示すブロック回路図である。
【図2】本実施形態に係る制御部の緊急災害速報の受信に対応する処理を行う要部を示す機能ブロック図である。
【図3】図1の制御部の第1の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1の制御部の第2の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1の制御部の第3の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】図1の制御部の第4の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0081】
1・・・通信部、2・・・操作部、3・・・音声処理部、4・・・スピーカ(SP)、5・・・マイクロフォン(MIC)、6・・・表示部、7・・・記憶部、8・・・制御部、801・・・検出部、802・・・決定部、803・・・自機位置取得判定部、804・・・災害マップ表示制御部、805・・・建物内判別部、806・・・避難経路判別部、807・・・起動部、808・・・位置情報取得部、809・・・圧縮部、810・・・送信制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊急災害速報を受信する受信部と、
前記受信した緊急災害速報から災害の度合いを検出する検出部と、
前記検出された災害の度合いに応じて前記緊急災害速報を報知する優先順位を決定する決定部と
を備える無線電子機器。
【請求項2】
緊急災害速報を受信する受信部と、
前記受信した緊急災害速報から災害の度合いを検出する検出部と、
前記検出された災害の度合いに応じて自機の設定状態を決定する決定部と
を備える無線電子機器。
【請求項3】
前記設定状態が省電力モード状態である
請求項2記載の無線電子機器。
【請求項4】
前記設定状態が電源オフモード状態である
請求項2記載の無線電子機器。
【請求項5】
緊急災害速報を受信する受信部と、
前記受信した緊急災害速報から災害の度合いを検出する検出部と、
前記検出された災害の度合いに応じて自機の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報が取得されたか否かを判定する自機位置取得判定部と、
前記位置情報が取得されたと判定されたときに災害マップを表示する災害マップ表示部と
を備える無線電子機器。
【請求項6】
緊急災害速報を受信する受信部と、
前記受信した緊急災害速報から災害の度合いを検出する検出部と、
前記検出された災害の度合いに応じて位置情報登録可能の建物内か否かを判別する建物内判別部と、
前記建物内であると判別されたときに該建物内の避難経路を表示する避難経路表示部と
を備える無線電子機器。
【請求項7】
さらに、前記建物内でないと判別されたときに災害マップを表示する災害マップ表示部を備える
請求項6記載の無線電子機器。
【請求項8】
緊急災害速報を受信する受信部と、
前記受信した緊急災害速報から災害の度合いを検出する検出部と、
前記検出された災害の度合いに応じてテレビアプリケーションを起動する起動部と
を備える無線電子機器。
【請求項9】
前記起動部は所定のチャンネルを選択して前記テレビアプリケーションを起動する
請求項8記載の無線電子機器。
【請求項10】
緊急災害速報を受信する受信部と、
前記受信した緊急災害速報から災害の度合いを検出する検出部と、
前記検出された災害の度合いに応じて自機の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記取得された位置情報を所定の外部機器に送信する送信部と
を備える無線電子機器。
【請求項11】
さらに、前記取得した前記位置情報を圧縮する圧縮部を備え、
前記送信部は前記圧縮された位置情報を所定の外部機器に送信する
請求項10記載の無線電子機器。
【請求項12】
前記位置情報取得部は、前記位置情報の取得が成功するまで、所定回数、前記取得を行う
請求項10または11に記載の無線電子機器。
【請求項13】
前記送信部は、位置情報の送信が成功するまで、所定回数、前記送信処理を行う
請求項10から12のいずれかに記載の無線電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−238135(P2009−238135A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−86387(P2008−86387)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】