説明

無限可変変速機、連続可変変速機、方法、組立品、部分組立品、およびそのための構成要素

発明の実施例は、複数の傾けた球状の遊星があるバリエータを持つ無限可変変速機(IVT)用の構成要素、部分組立品、システムおよび/または方法を対象としたものである。一実施例において、バリエータには、複数の遊星アレイがある。別の実施例において、油圧システムはIVTの変速機の比を制御するよう構成される。発明の多様なアイドラー組立品および遊星−ピボットアーム組立品は、IVTの変速機の速度比の調節を促進するために使用できる。変速機ハウジングおよびベルハウジングの実施例は、IVTの構成要素を囲むよう適応させることができ、また、一部の実施例では、IVTのその他の構成要素と連動させてIVTの動作および/または機能性を支援できる。関連する様々な装置には、例えば、制御フィードバック機構、軸力生成および管理メカニズム、入力シャフトと一体の制御弁、および遊星−ピボットアーム組立品を支持するよう構成された回転可能キャリアなどの実施例が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年2月16日提出の米国仮出願第60/890,438号の利益を主張し、その全文を参照することで本書に組み込む。
【0002】
発明の利用範囲は、一般に機械的伝動、またさらに具体的には、連続または無限可変変速機の方法、システム、装置、組立品、部分組立品、および/または構成要素に関連する。
【背景技術】
【0003】
一定のシステムで、動力はトルクおよび回転速度により特性付けられる。さらに具体的に言えば、これらのシステムでの動力は、一般にトルクおよび回転速度の産物として定義される。一般に、変速機は、入力速度での入力トルクを供給する動力入力に連結されている。また、変速機は出力トルクおよび出力速度を要求する荷重に連結されるが、これは入力トルクおよび入力速度とは異なっていてもよい。一般に、また一般化すると、原動機は、変速機に電力入力を供給し、駆動装置または荷重は変速機からの電力出力を受け取る。変速機の主要な機能の1つは、望ましい入力速度の出力速度に対する比率(「速度比」)での駆動装置に電力出力を供給する方法で、電力入力を調節することである。
【0004】
一部の機械的駆動装置には、有段比、離散変速比、または固定比として知られているタイプの変速機が含まれる。これらの変速機は、所定の比の範囲内で離散的または有段の速度比を提供するよう構成されている。例えば、こうした変速機は、1:2、1:1、または2:1といった速度比を供給しうるが、こうした変速機は、例えば1:1.5、1:1.75、1.5:1、または1.75:1といった中間の速度比は供給できない。その他の駆動装置には、一般に連続可変変速機(つまり「CVT」)として知られているタイプの変速機が含まれ、これには、連続可変バリエータが含まれる。有段比変速機とは対照的に、CVTは所定の範囲内であらゆる分数比を提供するよう構成されている。例えば、上記に言及した範囲では、CVTは一般に1:2から2:1の間で希望するいかなる速度比も提供する能力があり、これには、1:1.9、1:1.1、1.3:1、1.7:1などの速度比も含まれる。さらにその他の駆動装置では、無限可変変速機(つまり「IVT」)が採用されている。CVTと同様、IVTは所定の比率範囲内であらゆる速度比を供給する能力がある。ところが、CVTとは対照的に、IVTは、安定した入力速度で出力速度ゼロ(「動力ゼロ」状態)を供給するよう構成されている。それゆえ、速度比の定義を出力速度に対する入力速度の比率とすると、IVTは(少なくとも理論的には)無限の組の速度比を連続的に供給する能力があり、IVTは所定の比の範囲には限定されない。一部の変速機では、他のギアリングおよび/またはクラッチに連結された連続可変バリエータを使用してIVT機能性を作り出していることに注目すべきである。ところが、本書で使用するとおり、用語IVTは、主に必ずしも追加的なギアリングおよび/またはクラッチに連結されることなくIVTの機能性を作り出す無限可変バリエータを含むものとして理解される。
【0005】
機械的伝動の分野では、いくつかのタイプの連続または無限可変バリエータが認識されている。例えば、よく知られた1つのクラスの連続式バリエータは、ベルト−可変半径プーリー(belt-and-variable-radius-pulley)バリエータである。その他の既知のバリエータには、流体静力学型、トロイド型、およびコーン・リング(cone-and-ring)型のバリエータなどがある。一部の場合において、これらのバリエータは、その他のギアリングに連結され、IVT機能性を作り出している。一部の流体機械式バリエータは、追加的なギアリングなしに無限の比の可変性を提供できる。一部のバリエータ、連続可変および/または無限可変は、バリエータ全体でトルクを伝達するのにそれぞれ乾燥摩擦または流体弾性学的牽引に依存するため、摩擦式または牽引式のバリエータとして分類される。牽引バリエータの一例は、球状の要素がトルク伝達要素の間に挟まれ、薄い層の流体弾性力学的流体が、球状の要素とトルク伝達要素との間のトルク伝達の導管としての役割をするボールバリエータである。本書で開示した発明の実施例が最も関連しているのは、この後者のクラスのバリエータである。
【0006】
CVT/IVT業界では、数ある中でも、効率および包装の柔軟性の向上、操作の簡易化、ならびにコスト、サイズ、および複雑さの低減において、変速機およびバリエータの改善に対する持続的なニーズがある。下記に開示したCVTおよび/またはIVTの方法、システム、部分組立品、構成要素などの発明の実施例では、そのニーズの一部またはすべての側面を扱っている。
【発明の概要】
【0007】
本書で説明したシステムおよび方法には、いくつかの機能があるが、そのどれひとつとして単独でその望ましい属性をもたらすことはない。後述の請求項で表現する範囲に限定されることなく、そのさらに顕著な機能についてここで簡単に考察する。この考察を考慮すれば、また特に「発明の一定の実施例に関する詳細な説明」と題したセクションを読めば、誰でもシステムの機能および方法によって、従来的なシステムおよび方法に勝るいくつかの利点が提供されることを理解できるであろう。
【0008】
本発明の一面は、遊星−ピボットアーム組立品を持つ無限可変変速機用のキャリア入力キャップに関連する。一実施例において、キャリア入力キャップは中央に穴のある一般に円形の本体を持つ。一実施例において、キャリア入力キャップには、中央の穴について角度をもたせて配置された一群のキャリアフィンガーが含まれる。キャリアフィンガーは、第一の組の流体流路を持つ。キャリア入力キャップには、キャリアフィンガーに形成された1組の表面が含まれる。表面は、遊星−ピボットアーム組立品に連結するよう構成できる。
【0009】
本発明の別の面は、遊星−ピボットアーム組立品を持つ無限可変変速機用のキャリア中央ブロックに対処する。キャリア中央ブロックには、中央に穴のある一般に円形の本体が含まれ、またキャリア中央ブロックには、円形の本体から軸方向に伸び、中央の穴と同心のネックが含まれる。一実施例において、キャリア中央ブロックには、中央の穴の周りに環状に配置され、かつその中央の穴から半径方向に伸びたいくつかのキャリアフィンガーが含まれる。キャリアフィンガーは、第一の組の流体流路を持つ。キャリア中央ブロックも、キャリアフィンガーに形成された1組の表面を持つ。表面は、遊星−ピボットアーム組立品に連結するよう構成できる。
【0010】
本発明のもう1つの面は、遊星−ピボットアーム組立品を持つ無限可変変速機用のキャリア出力ブロックに関連する。キャリア出力ブロックには、中央に穴のある一般に円形の本体が含まれ、また、円形の本体から延び、中央の穴と同軸のシャフトが含まれる。シャフトは、スプラインのある端を持つ。一実施例において、キャリア出力ブロックは、中央の穴の周りに環状に配置され、かつその中央の穴から半径方向に伸びたいくつかのキャリアフィンガーを持つ。キャリアフィンガーは、第一の組の流体流路を持つ。一実施例において、キャリア出力ブロックは、キャリアフィンガーに形成されるいくつかの表面も持つ。表面は、遊星−ピボットアーム組立品に連結するよう構成できる。
【0011】
本発明のさらに別の面は、無限可変変速機用のピボットアームが関与する。ピボットアームには、第一の軸受穴を持つ第一のアーム延長部、および第一の軸受穴から遠位の位置で第一のアーム延長部の一端に設けられたピボット穴が含まれる。一実施例において、ピボットアームは、ピボット穴の一端に連結された第二のアーム延長部を持つ。第二のアーム延長部は、ピボット穴の遠位の位置で第二のアーム延長部の一端に形成された第二の軸受穴を持つ。第一および第二のアーム延長部の少なくとも1つは、一群の潤滑油通路を持つ。
【0012】
本発明の一面は、シフト機構が遊星軸を持つ、無限可変変速機(IVT)のシフト機構用のピボットアームに関連する。ピボットアームは、中央のピボット穴、中央のピボット穴から延びた第一の延長部を持つ。ピボットアームは、中央のピボット穴から第一の延長部とは反対に延びた第二の延長部を持つ。一実施例において、ピボットアームは、それぞれ第一の延長部および第二の延長部に位置する第一および第二の軸穴を持つ。軸穴は、遊星軸を受けるよう構成できる。
【0013】
本発明の別の面は、バリエータ用の遊星軸に関連する。遊星軸は、実質的に円筒形の中央部分のある細長い本体を持つ。遊星軸は、円筒形中央部分に配置された複数の溝も持つ。溝の少なくとも1つは、エラストマーボールを受けるように構成されている。溝の少なくとも1つは、固定クリップを受けるように構成されている。一実施例において、遊星軸は、細長い本体の一端にある第一のネックを持つ。第一のネックは、細長い本体の縦軸に向かって半径方向に傾けて設けることができる。第一のネックは、円筒形中央部分に向かって半径方向に拡張して設けることもできる。遊星軸は、細長い本体の第一のネックとは別の端の第二のネックを持ちうる。第二のネックは、細長い本体の縦軸に対して半径方向に傾けて構成することができ、第二のネックは、円筒形の中央部分に対して半径方向に拡張させて構成できる。
【0014】
本発明のさらにもう1つの面は、無限可変変速機のピボット−アーム組立品用の遊星軸に対処する。遊星軸は、実質的に円筒形中央部分のある細長い本体を持つ。円筒形中央部分は、偏心の1組の溝を持つ。一実施例において、遊星軸は円筒形中央部分から伸び、それと同軸の第一の円筒形部分を持つ。第一の円筒形部分は、円筒形中央部分より小さい直径を持つ。遊星軸には、第一の円筒形部分から延び、それと同軸の第二の円筒形部分が含まれる。第二の円筒形部分は、第一の円筒形部分より小さい直径を持つ。一実施例において、遊星軸は、第二の円筒形部分から延びそれと同軸の第三の円筒形部分を持ち、第三の円筒形部分は第二の円筒形部分より小さい直径を持つ。
【0015】
別の面において、発明は油圧システムを持つ無限可変変速機用の入力シャフトに関連する。入力シャフトには、中央の穴を持つ実質的な円筒体が含まれる。円筒体は、油圧システムの弁を収容するように構成しうる。一実施例において、入力シャフトには、円筒体の第一の端から延びたマニホールドフランジが含まれる。入力シャフトは、円筒体の第二の端から延びたスプラインのある部分を持ちうる。入力シャフトは、フランジの外面に形成されたいくつかの窪みも持ちうる。窪みは、油圧システムと連携するように構成しうる。一実施例において、入力シャフトは、フランジの外面に配置された多数の流体流路を持つ。
【0016】
本発明の別の面は、外部表面を持つ細長い本体を持つ変速機用の入力シャフトに関連する。入力シャフトには、細長い本体内に形成された中央の空洞が含まれる。入力シャフトは、中央の空洞と外部表面との間の流体連通を提供するよう構成されたいくつかの流体流路を持ちうる。一実施例において、入力シャフトは、中央の空洞内に配置されたバルブスプールを持つ。
【0017】
本発明の一面は、油圧システムを持つ無限可変変速機用の入力シャフトに関連する。入力シャフトには、中央の穴を持つ実質的な円筒体が含まれる。一実施例において、入力シャフトは、円筒体の第一の端から延びたマニホールドフランジを持つ。入力シャフトは、円筒体の第二の端から延びたスプラインのある部分を含みうる。入力シャフトは、円筒体の外部周辺を形成するいくつかのシール溝を持つ。シール溝は、シール溝の間に配置されたいくつかの流体チャンバーを提供するよう構成しうる。一実施例において、入力シャフトは、円筒体の外部周辺に配置されたいくつかの流体ポートを持つ。流体ポートは、シール溝の間に配列しうる。
【0018】
本発明の別の面は、油圧システムを持つ無限可変変速機用の流体マニホールドに対処する。流体マニホールドは、第一の面、第二の面、および中央の穴を持つ実質的に円形の本体を持つ。一実施例において、流体マニホールドは、第一の面の周辺に位置する潤滑油ポートを持つ。流体マニホールドは、潤滑油ポートと流体連通するよう構成されたいくつかの潤滑油流路を持つ。潤滑油流路は、中央の穴の周りにある角度で間隔をおいて配置することができ、潤滑油流路は第二の面に形成しうる。一実施例において、流体マニホールドは、第一の面の周辺に位置するライン圧ポートを持つ。流体マニホールドは、ライン圧ポートと流体連通するよう構成されたライン圧力流体流路を持つ。ライン圧力流体流路は、第二の面に形成されている。流体マニホールドには、第一の面の周辺に位置するパイロット圧力ポートが含まれる。一実施例において、流体マニホールドには、パイロット圧力ポートと流体連通するよう構成されたパイロット圧流路が含まれる。パイロット圧流路は、第二の面に形成されている。
【0019】
本発明のもう1つの面は、無限可変変速機(IVT)用のピボットピンハブに関連する。ピボットピンハブには、中央の穴を持つ実質的な円筒体が含まれる。ピボットピンハブは、中央の穴の周りに環状に配置され、それと同心の多数のフィンガー対を持つ。フィンガー対は、中央の穴から半径方向に延びている。ピボットピンハブには、実質的に平坦な表面を持つ円筒体の第一の面が含まれる。一実施例において、ピボットピンハブは、IVTの止め座金に連結するよう構成されたいくつかのフルートを持つ円筒体の第二の面を持つ。
【0020】
本発明のさらに別の面は、無限可変変速機(IVT)用の制御ピストンに関与する。制御ピストンには、中央の穴を持つ実質的に円筒体が含まれる。一実施例において、制御ピストンは、円筒体の第一の端に位置するフランジを持つ。フランジは、中央の穴から半径方向に延びている。制御ピストンは、円筒体上に形成された溝を持ちうる。溝は円筒体の第二の端に位置させることができ、また溝はIVTの止め座金を受けるように構成しうる。制御ピストンには、フランジの外部周辺に形成されたシール窪みが含まれる。
【0021】
本発明の一面は、無限可変変速機用の牽引リングに関連する。牽引リングには、実質的に環状リングが含まれる。一実施例において、牽引リングは、環状リングの片側に形成された直線面を持つ。牽引リングには、環状リングの内側周辺に向かう直線面から延びた牽引面が含まれる。牽引面は、直線面に対して角度がついている。牽引リングは、環状リングの周辺に形成された1組のスプラインを持つ。
【0022】
本発明の別の面は、無限可変変速機(IVT)用の駆動フランジに関連する。駆動フランジには、第一の端および第二の端を持つ実質的に環状および円筒形の本体が含まれる。第一の端は、第二の端に対して遠位に配置されている。駆動フランジは、第一の端の内径に形成された1組のスプラインを持つ。駆動フランジには、第二の端に形成したキャップが含まれる。キャップは、中央の穴を持つ。
【0023】
本発明のさらにもう1つの面は、無限可変変速機(IVT)用の反応フランジに対処する。反応フランジには、第一の端および第二の端を持つ一般に環状および円筒形の本体が含まれる。一実施例において、反応フランジは、第一の端の内側周辺に形成された1組のスプラインを持つ。反応フランジは、第二の端に形成された実質的に平坦な表面を持つ。平坦な表面は、IVTの動作中に軸力に反応するように構成しうる。平坦な表面は、いくつかのドエル窪みを持つ。
【0024】
別の面において、発明は、無限可変変速機(IVT)用のトルク伝達カプリングに関連する。トルク伝達カプリングには、第一の端、中央部分、および第二の端を持つ実質的に環状の円筒が含まれる。一実施例において、トルク伝達カプリングは、第一の端の内側周辺に形成された第一の組のスプラインを持つ。トルク伝達カプリングは、第二の端の内側周辺に形成された第二の組のスプラインを持つ。トルク伝達カプリングは、中央部分の外部周辺に形成された第三の組のスプラインも持つ。
【0025】
本発明の別の面は、牽引リングを持つ無限可変変速機用の反応フランジに関連する。反応フランジには、第一の端、第二の端、および中央の穴を持つ実質的に円形の本体が含まれる。反応フランジは、第一の端の内側周辺に形成された第一の組のスプラインを持つ。第一の組のスプラインは、牽引リングに連結できるよう構成しうる。反応フランジは、第二の端に形成された端カバーも持つ。端カバーはスプラインのある中央の穴を持つ。
【0026】
本発明の一面は、無限可変変速機用の入力カムフランジに関連する。入力カムフランジには、第一の端および第二の端を持つ実質的に円筒形で管状の本体が含まれる。一実施例において、入力カムフランジは、第一の端の内側周辺に形成された1組のスプラインを持つ。入力カムフランジは、円筒形で管状の本体の周辺から延びたフランジを持つ。入力カムフランジには、フランジに形成された1組のカムランプが含まれる。カムランプは、1組の反時計方向のらせん状のランプおよび1組の時計方向のらせん状のランプを持つ。入力カムフランジは、フランジから延びたネックも持つ。
【0027】
本発明の別の面は、無限可変変速機用のカムベースに対処する。カムベースには、環状リングの1つの面に形成された1組のカムランプを持つ実質的に環状のリングが含まれる。カムランプの組には、1組の反時計方向のらせん状のランプおよび1組の時計方向のらせん状のランプが含まれる。カムベースは、環状リングの外部周辺に形成されたいくつかのドエル窪みも持つ。
【0028】
本発明のもう1つの面は、無限可変変速機(IVT)用のカム荷重ピストンに関連する。カム荷重ピストンには、一方の側に実質的に平坦な表面を持つ実質的に環状のフランジおよび平坦な表面のある側とは反対の側にある窪み部分が含まれる。窪み部分は、IVTの圧縮ばねに連結できるよう構成しうる。カム荷重ピストンは、環状フランジの内側周辺に形成された第一の密封リングの溝を持つ。カム荷重ピストンは、環状フランジの外部周辺に形成された第二の密封リングの溝も持つ。
【0029】
本発明のさらに別の面は、アンローダシリンダーを持つ無限可変変速機(IVT)用のアンローダピストンに関与する。アンローダピストンは、実質的に環状のリングである。一実施例において、アンローダピストンは、環状リングの面上に形成された第一のリムを持つ。第一のリムは、アンローダシリンダーに連結するよう構成しうる。アンローダピストンは、第一のリムのある側と反対の側に形成された第二のリムを持つ。アンローダピストンは、環状リングの外部周辺に形成された第一のシール溝を持つ。アンローダピストンは、環状リングの内側周辺に形成された第二のシール溝も持つ。
【0030】
本発明の一面は、無限可変変速機用の中央カムベースに関連する。中央カムベースには、実質的に環状円筒体が含まれる。一実施例において、中央カムベースには、環状円筒体の外部周辺に形成された1組のスプラインが含まれる。中央カムベースは、環状円筒体の第一の面に形成された第一の組のランプを持つ。中央カムベースは、環状円筒体の第二の面に形成された第二の組のランプも持つ。
【0031】
本発明の別の面は、無限可変変速機用のカムリングに関連する。カムリングには、中央の穴を持つ実質的に円形のフランジが含まれる。カムリングは、中央の穴の内側周辺に形成された1組のスプラインを持つ。一実施例において、カムリングは、円形のフランジの外側周辺に形成されたカムショルダーを持つ。カムショルダーは、カムショルダーから延びたネックを持つ。ネックは、内側周辺に形成されたクリップリングの溝を持つ。カムショルダーは、カムショルダーに形成された1組のカムランプも持つ。
【0032】
本発明のさらにもう1つの面は、無限可変変速機用の出力ディスクに対処する。出力ディスクは、実質的に環状円筒体を持つ。一実施例において、出力ディスクは、環状円筒体の第一の端の内側周辺に形成された第一の組のスプラインを持つ。出力ディスクは、環状円筒体の第二の端の外部周辺に形成された第二の組のスプラインを持つ。出力ディスクは、環状円筒体の第二の端から延びたフランジ延長部も持つ。
【0033】
別の面において、発明は、無限可変変速機(IVT)用のバリエータハウジングに関連する。バリエータハウジングには、第一の端および第二の端を持つ実質的に円筒形の容器が含まれる。バリエータハウジングは、円筒容器から延びたスカートを持つ。スカートは、IVTのオイルパンに連結されるよう構成される。一実施例において、バリエータハウジングは、スカートに配置された1組のピックアップポートを持つ。バリエータハウジングは、円筒容器に配置されたいくつかの計器アクセスポートを持つ。バリエータハウジングは、円筒容器の第一の端に配置された第一の組のドエルピン穴を持つ。バリエータハウジングは、容器の第二の端に配置された第二の組のドエルピン穴も持ち、またバリエータハウジングは、円筒容器の第二の端の周辺表面に配置されたいくつかの潤滑油ポートを持つ。
【0034】
本発明の別の面は、油圧システムを持つ無限可変変速機用のベルハウジングに関連する。ベルハウジングには、中央通路を持つ実質的に円筒の本体が含まれる。一実施例において、ベルハウジングは、円筒体の周囲に形成されたカム荷重ピストンポートを持つ。ベルハウジングは、円筒体の周囲に形成された潤滑油ポートを持ち、またベルハウジングは、円筒体の周囲に形成されたライン圧ポートを持つ。ベルハウジングには、円筒体の周囲に形成されたパイロット圧力ポートが含まれる。カム荷重ピストンポート、潤滑油ポート、ライン圧ポート、およびパイロット圧力ポートは、それぞれ油圧システムと流体連通するよう構成されている。ベルハウジングには、中央通路に形成された窪みも含まれる。窪みは、変速機のカバープレートに連結するよう構成しうる。
【0035】
本発明の一面は、動力源および動力源に連結された無限可変バリエータを持つドライブトレインに関連する。無限可変バリエータには、第一の組の牽引ローラーおよび第二の組の牽引ローラーが含まれる。無限可変バリエータは、第一および第二の組の牽引ローラーに動作可能な形で連結されたキャリアを持つ。キャリアは、無限可変バリエータの縦軸の周りを回転するよう構成しうる。一実施例において、ドライブトレインには、無限可変バリエータの変速機比を制御するよう構成された油圧システムが含まれる。
【0036】
本発明の別の面は、ベルハウジングギアリングを持つトラクター用のドライブトレインおよびベルハウジングギアリングに動作可能な形で連結された無限可変変速機に対処する。無限可変変速機には、無限可変変速機の縦軸の周りに回転するよう構成されたキャリアが含まれる。無限可変変速機は、第一の組の遊星−ピボットアーム組立品を持つ。キャリアは、少なくとも1つの遊星−ピボットアーム組立品に動作可能な形で連結されている。ドライブトレインには、無限可変変速機に連結されたレンジボックスも含まれる。
【0037】
本発明のもう1つの面は、バリエータの縦軸に沿って配置された入力シャフトを持つバリエータに関連する。バリエータには、入力シャフトに動作可能な形で連結されたキャリアが含まれる。一実施例において、バリエータには、キャリアに動作可能な形で連結された一列のピボット−アーム組立品が含まれる。バリエータは、ピボットアーム組立品に連結された1組の牽引ローラーを持つ。バリエータは、牽引ローラーに連結された1組の遊星軸も持つ。牽引ローラーは、遊星軸と実質的に同軸の遊星の軸の周りを回転するよう適応される。
【0038】
本発明のさらに別の面は、入力シャフトを持つバリエータおよび入力シャフトに連結されたキャリアに関与する。バリエータは、キャリアに動作可能な形で連結された第一の組の遊星−ピボットアーム組立品を持つ。一実施例において、バリエータは、第一の組の遊星−ピボットアーム組立品に動作可能な形で連結された第一の非回転式牽引リングを持つ。バリエータは、第一の組の遊星−ピボットアーム組立品に動作可能な形で連結された出力牽引リングを持ち、またバリエータは、出力牽引リングに動作可能な形で連結されたトルク伝達装置を持つ。一実施例において、バリエータは、第一の非回転式牽引リングに動作可能な形で連結された軸力生成機構を持つ。バリエータは、キャリアに連結された第二の組の遊星−ピボットアーム組立品も持つ。第一および第二の組の遊星−ピボットアーム組立品のそれぞれの遊星−ピボットアーム組立品には、遊星および遊星に動作可能な形で連結された遊星軸が含まれる。遊星−ピボットアーム組立品には、遊星軸に連結されたピボットアームも含まれる。ピボットアームは、バリエータの比率シフト機構に動作可能な形で連結できる。
【0039】
本発明の一面は、比率シフト機構を持つ無限可変変速機用の遊星−ピボットアーム組立品に関連する。遊星−ピボットアーム組立品には、遊星および遊星に動作可能な形で連結された遊星軸が含まれる。遊星−ピボットアーム組立品には、遊星軸に連結されたピボットアームも含まれる。ピボットアームは、比率シフト機構に動作可能な形で連結されている。
【0040】
本発明の別の面は、無限可変変速機のバリエータ用の遊星−ピボットアーム組立品に関連する。遊星−ピボットアーム組立品は、中央の穴のある実質的に球状の遊星を持つ。一実施例において、遊星−ピボットアーム組立品は、第一および第二の端を持つ遊星軸を持つ。遊星−ピボットアーム組立品は、遊星軸に取り付けられ、遊星の中央の穴と遊星軸との間の摩擦境界面となるよう構成された1組のエラストマーボールも持つ。
【0041】
本発明のさらにもう1つの面は、無限可変変速機用の遊星−ピボットアーム組立品に対処する。遊星−ピボットアーム組立品には、実質的に球状の遊星および遊星に動作可能な形で連結された遊星軸が含まれる。遊星−ピボットアーム組立品は、遊星軸に連結されたピボットアームを持つ。ピボットアームには、第一の軸受穴を持つ第一のアーム延長部、および第二の軸受穴を持つ第二のアーム延長部が含まれる。ピボットアームには、第一および第二のアーム延長部に連結されたピボット穴も含まれる。ピボット穴は、第一および第二の軸受穴から遠位に配置しうる。遊星−ピボットアーム組立品には、第一および第二のアーム延長部に形成されたいくつかの潤滑油通路が含まれる。
【0042】
別の面において、発明は、牽引リングおよび一列または複数列の遊星を持つ無限可変変速機の構成要素に軸方向荷重をかけるための中央カム組立品に関連する。中央カム組立品には、第一の牽引リングに操作できる形で連結されるように構成された第一のカムリングが含まれる。中央カム組立品は、第二の牽引リングに操作できる形で連結されるように構成された第二のカムリングを持つ。第一および第二のカムリングは、第一および第二の牽引リングを一列または複数列の遊星に押しつける軸力を発生するよう適応されている。中央カム組立品には、それぞれ第一および第二の牽引リングと第一および第二のカムリングとの間に挟まれた多数のトルク伝達リングが含まれる。中央カム組立品には、1組のランプを持つ中央カムベースも含まれる。中央カムベースは、第一および第二のカムリングに動作可能な形で連結されうる。中央カムベースは、第一および第二のカムリングの間に挟まれている。中央カム組立品には、第一および第二のカムリングと連携して軸力を発生するよう構成された多数のカムローラーも含まれる。
【0043】
本発明の別の面は、フランジを持つよう構成された中央カム組立品、センタリング継手および牽引リングに関連する。センタリング継手は、フランジに動作可能な形で連結されている。中央カム組立品には、牽引リングと同軸の駆動出力要素が含まれる。駆動出力要素は、センタリング継手に動作可能な形で連結しうる。中央カム組立品は、駆動出力要素に連結された中央出力伝達要素を持つ。中央カム組立品は、牽引リングと中央出力伝達要素との間に挟まれた多数の軸力生成要素も持つ。
【0044】
本発明の一面は、牽引リングを持つ無限可変変速機用の入力カム組立品に関連する。入力カム組立品には、牽引リングに連結されるよう構成されたカムフランジが含まれる。一実施例において、入力カム組立品には、カムフランジと同軸上に位置するカムベースが含まれる。入力カム組立品は、ローラーリテイナー内で保持された1組のカムローラーを持つ。カムローラーは、カムベースと相互作用をするよう適応しうる。
【0045】
本発明の別の面は、無限可変変速機(IVT)用のキャリアに対処する。キャリアには、第一のキャリア中央ブロックが含まれる。一実施例において、キャリアは、第一のキャリア中央ブロックに連結された第二のキャリア中央ブロックを持つ。作動油チャンバーは、第一および第二のキャリア中央ブロックの境界面に形成されている。キャリアには、第一のキャリア中央ブロックに連結されたキャリア入力キャップが含まれる。キャリアには、第二のキャリア中央ブロックに連結されたキャリア出力キャップも含まれる。
【0046】
本発明のもう1つの面は、遊星軸およびピボットアームに動作可能な形で連結された複数の遊星を持つバリエータ用の油圧変速制御システムに関連する。油圧変速制御システムには、バリエータの少なくとも1つのピボットアームに動作可能な形で連結されたピストンが含まれる。油圧変速制御システムは、ピストンを液圧で作動させて、それによってピボットアームを作動させるよう構成されたレギュレータを持つ。一実施例において、油圧変速制御システムには、レギュレータに動作可能な形で連結された制御信号装置が含まれる。油圧変速制御システムは、ピボットアームに動作可能な形で連結された同期装置機構を持つ。油圧変速制御システムは、同期装置機構とレギュレータとの間に連結されたフィードバックシステムも持つ。
【0047】
本発明のさらに別の面は、入力シャフトおよびキャリアを持つ連続可変変速機用の比率シフト機構に関与する。比率シフト機構には、少なくとも部分的に、入力シャフトと一体となるように適応された油圧弁が含まれる。比率シフト機構には、多数の流路およびチャンバーを通過して制御液がキャリアを流入・流出できるように構成された油圧回路が含まれる。少なくとも流路およびチャンバーの一部は、入力シャフト内に形成されている。
【0048】
本発明の別の面は、連続または無限可変変速機用の位置フィードバック機構に対処する。位置フィードバック機構には、変速機のシフト機構と連動するよう構成された油圧制御弁が含まれる。位置フィードバック機構には、制御弁に動作可能な形で連結された制御ねじが含まれる。一実施例において、位置フィードバック機構には、制御ねじに連結されたフィードバックねじが含まれる。フィードバックねじは、変速機のバリエータに操作できる形で連結されるよう構成されている。
【0049】
本発明のもう1つの面は、連続または無限可変変速機のバリエータ用の同期装置に関連する。同期装置には、制御ねじおよび制御ねじに連結された一群のピボットピンハブが含まれる。制御ねじは、変速機の複数の遊星アレイを同一の傾き角に同期化するよう構成されている。
【0050】
本発明のさらに別の面は、連続または無限可変変速機(C/IVT)用のシフト機構に関与する。シフト機構には、C/IVTの入力シャフトにある空洞に囲まれるよう構成された制御弁が含まれる。シフト機構は、制御弁と流体連通する制御ピストンを持つ。シフト機構には、制御ピストンに動作可能な形で連結されたピボットピンハブも含まれる。ピボットピンハブは、C/IVTのピボットアームに動作可能な形で連結しうる。
【0051】
本発明の一面は、一群のピボットアームを持つ無限可変変速機をシフトする方法に関連する。この方法には、フィードバック機構を1群のピボットアームに動作可能な形で連結する手順、およびレギュレータをフィードバック機構に動作可能な形で連結する手順がある。方法には、フィードバック機構からのピボットアーム群の状態の1つ以上の指標をレギュレータに供給する手順が含まれる。方法には、レギュレータでの制御信号の受信、およびレギュレータによる油圧の調節が含まれる。油圧は、少なくとも部分的に、制御信号の組み合わせおよびピボットアーム群の状態の1つ以上の指標に基づく。方法には、油圧を用いて変速機の比の調節を作動させて複数のピボットアームを動かす手順も含まれる。
【0052】
本発明の別の面は、第一の列の遊星−ピボットアーム組立品を含むバリエータに関連する。遊星−ピボットアーム組立品は、第一の列の牽引ローラーを持つ。バリエータには、第二の列の遊星−ピボットアーム組立品が含まれる。遊星−ピボットアーム組立品は、第二の列の牽引ローラーを持つ。バリエータには、遊星−ピボット組立品の列を受けて保持するように構成されたキャリアが含まれる。第一および第二の列の牽引ローラーはそれぞれ、キャリアの縦軸の周りに角度間隔をもたせて配置され、また第一および第二の列の牽引ローラーはそれぞれ、キャリアの縦軸と同心円上に位置する。バリエータには、第一の列の遊星−ピボットアーム組立品に連結された第一の非回転式牽引リングが含まれる。バリエータにはさらに、第二の列の遊星−ピボットアーム組立品に連結された第二の非回転式牽引リングが含まれる。一実施例において、バリエータは、第一の列の遊星−ピボットアーム組立品に連結された第一の出力牽引リングを持つ。バリエータは、第二の列の遊星−ピボットアーム組立品に接する第二の出力牽引リングも持つ。バリエータには、第一および/または第二の出力牽引リングに動作可能な形で連結された軸力生成機構が含まれる。一実施例において、バリエータは、遊星−ピボットアーム組立品に連結されたシフト機構を持つ。シフト機構は、牽引ローラーの回転軸を傾けるために第一および第二の列の遊星−ピボットアーム組立品を同期的に作動させる。バリエータは、キャリアに連結された入力シャフトも持つ。
【0053】
本発明のさらにもう1つの面は、無限可変変速機(IVT)の縦軸の周りを回転するよう構成されたキャリアを持つIVTに対処する。IVTには、キャリアに動作可能な形で連結された第一の列の遊星−ピボット組立品が含まれる。キャリアは、前記の遊星−ピボット組立品の列を受け、保持するよう適応されている。それぞれの遊星−ピボット組立品は、縦軸の周りに角度間隔をもたせて配置された一群の遊星を持つ。IVTには、キャリアに連結された入力シャフトが含まれる。入力シャフトおよびキャリアは、変速機の中央の軸と同軸となり、その周りを回転するよう構成されている。IVTには、第一の列の遊星−ピボットアーム組立品に連結された第一の非回転式牽引リングが含まれ、IVTには、第一の列の遊星−ピボット組立品と接触する出力牽引リングが含まれる。IVTは、変速機の縦軸と同軸に配置されたアイドラー組立品を持つ。アイドラー組立品は遊星と接触している。IVTは、キャリアおよび/または入力シャフトと流体連通するよう構成された油圧制御システムも持つ。油圧制御システムは、IVTの変速機の比を調節するよう適応させうる。
【0054】
別の面において、発明は、無限可変変速機のバリエータを動作させる方法に関連する。方法には、入力シャフトをバリエータのキャリアに操作できる形で連結し、入力シャフトの動力を受ける手順が含まれる。方法には、入力速度W1での入力トルクT1を入力シャフトを介してキャリアに伝達する手順が含まれる。この方法にはさらに、バリエータの駆動フランジからの第二の速度W2での第二のトルクT2をバリエータから取り出して伝達する手順が含まれる。第二のトルクT2および第二の速度W2は、連続可変となるよう構成しうる。第二のトルクT2および第二の速度W2は、少なくとも部分的に、バリエータの一群の遊星−ピボットアーム組立品の牽引遊星の傾き角に依存する。第二の速度W2は、ゼロの大きさを持ちうる。第二の速度W2は、前方および後方の回転方向を持ちうる。
【0055】
本発明の別の面は、連続可変変速機でのトルクスパイクに対する動的な反応を許容する油圧軸方向装荷を提供する方法に関連する。方法には、トルクスパイクに反応して軸力を発生するように構成された機械的荷重カム組立品を提供する手順が含まれる。方法には、油圧軸方向装荷機構を機械的荷重カム組立品に連結する手順も含まれる。油圧軸方向装荷機構は、少なくとも部分的に変速機の定常状態の動作トルクに基づく軸力を提供するよう構成しうる。
【0056】
本発明の一面は、連続可変または無限可変変速機のバリエータの比を変更する方法に関連する。方法には、油圧制御弁を提供し、油圧制御弁を1組の油圧ピストンに操作できる形で連結する手順が含まれる。方法には、バリエータの一群の遊星軸を油圧ピストンの組のうち少なくとも1つに操作できる形で連結する手順が含まれる。一実施例において、方法には、油圧を油圧制御弁で調節する手順が含まれる。方法には、油圧制御弁からの油圧を油圧ピストンの組のうち少なくとも1つに供給する手順が含まれる。方法には、油圧を介した遊星軸の傾き角の変更を作動させる手順も含まれる。
【0057】
本発明の別の面は、連続または無限可変変速機をシフトする方法に対処する。方法には、制御弁を制御ピストンに油圧で連結し、制御ピストンをフィードバックばねに連結する手順が含まれる。一実施例において、方法には、変速機の遊星軸の制御弁に対する傾き角を示すパイロット圧を提供する手順が含まれる。パイロット圧力範囲は、少なくとも、フィードバックばねのばね率、フィードバックばね合計たわみ範囲、および制御ピストンの面積の関数である。方法には、少なくとも部分的にパイロット圧に基づく遊星軸の傾きを作動させる手順も含まれる。遊星軸の傾きにより変速機がシフトされる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】連続または無限可変バリエータで使用する駆動システムのブロック図である。
【図2】トラクターのベルハウジングおよびレンジボックスに連結してトラクター変速機を提供しうるバリエータの透視図である。
【図3A】一方の端で入力シャフトに、また他方の端でギアセットおよび出力シャフトに連結されたバリエータの等角図である。
【図3B】図3Aのバリエータをベルハウジング、およびギアセットのハウジングに連結したときの立面上面図である。
【図4A】本書で説明した発明の実施例に従ったバリエータの一実施例の回路図である。
【図4B】図4Aのバリエータと併用しうる油圧シフターの回路図である。
【図5A】図3Bのバリエータの一定の構成要素の線A−Aでの断面図である。
【図5B】図5Aに示す断面の詳細図Aである。
【図6A】図5Aに示す断面の詳細図Bである。
【図6B】図6Aに示した一定のバリエータ構成要素の部分的に分解した等角図である。
【図6C】図5Aのバリエータと併用しうる代替的なセンタリング機構および中央カム組立品の断面図である。
【図7A】図5Aに示す断面の詳細図Cである。
【図7B】図7Aで示した一定のバリエータ構成要素の部分的に分解した等角図である。
【図8】図5Aに示す断面の詳細図Dである。
【図8A】図5Aのバリエータで使用しうるキャリア組立品の透視図である。
【図8B】図8Aのキャリア組立品の右側立面図である。
【図8C】図8Aのキャリア組立品の線B−Bでの断面図である。
【図8D】図8Aのキャリア組立品の線C−Cでの断面図である。
【図8E】図8Aのキャリア組立品の第一の端部材の透視図である。
【図8F】図8Eの第一の端部材の第二の透視図である。
【図8G】図8Eの第一の端部材の正面立面図である。
【図8H】図8Gの第一の端部材の線A1−A1での断面図である。
【図8I】図8Gの第一の端部材の線B1−B1での断面図である。
【図8J】図8Gの第一の端部材の線C1−C1での断面図である。
【図8K】図8Aのキャリアの中央部材の透視図である。
【図8L】図8Kの中央部材の第二の透視図である。
【図8M】図8Lの中央部材の右側立面図である。
【図8N】図8Mの中央部材の線A2−A2での断面図である。
【図8O】図8Mの中央部材の線B2−B2での断面図である。
【図8P】図8Mの中央部材の線C2−C2での断面図である。
【図8Q】図8のキャリアの第二の端部材の透視図である。
【図8R】図8Qの第二の端部材の第二の透視図である。
【図8S】図8Rの第二の端部材の右側立面図である。
【図8T】図8Sの第二の端部材の線A3−A3での断面図である。
【図8U】図8Sの第二の端部材の線B3−B3での断面図である。
【図9】図5Aのバリエータと併用しうる遊星−ピボットアーム部分組立品の透視図である。
【図10】図9の遊星−ピボットアーム部分組立品の正面立面図である。
【図11】図9の遊星−ピボットアーム部分組立品の上面立面図である。
【図12】図11の遊星−ピボットアーム部分組立品の線D−Dでの断面図である。
【図13】図12の断面の詳細図Eである。
【図14A】図9の遊星−ピボットアーム部分組立品と併用しうるピボットアームの透視図である。
【図14B】図14Aのピボットアームの右側立面図である。
【図14C】図14Bのピボットアームの線E−Eでの断面図である。
【図15A】図9の遊星−ピボットアーム部分組立品と併用しうる遊星軸の透視図である。
【図15B】図15Aの遊星軸の正面立面図である。
【図15C】図15Bの遊星軸の線F−Fでの断面図である。
【図15D】図9の遊星−ピボットアーム部分組立品と併用しうる案内ホイールの透視図である。
【図15E】図15Dの案内ホイールの第二の透視図である。
【図15F】図15Eの案内ホイールの左側立面図である。
【図15G】図15Fの案内ホイールの線G−Gでの断面図である。
【図16A】図5Aバリエータ用の比率シフト機構の部品としうる部分組立品の透視図である。
【図16B】図16Aの部分組立品の右側立面図である。
【図16C】16Bの部分組立品の線H−Hでの断面図である。
【図16D】16Bの部分組立品の線I−Iでの断面図である。
【図16E】一実施例でのバリエータ310の一定の構成要素の速度を示すグラフである。
【図17A】図16の比率シフト機構と併用しうる入力シャフトの透視図である。
【図17B】図17Aの入力シャフトの別の透視図である。
【図17C】図17Aの入力シャフトの上面立面図である。
【図17D】図17Cの入力シャフトの線J−Jでの断面図である。
【図18A】図16の比率シフト機構と併用しうるマニホールドの透視図である。
【図18B】図18Aのマニホールドの第二の透視図である。
【図18C】図18Aのマニホールドの左側立面図である。
【図18D】図18Cのマニホールドの線K−Kでの断面図である。
【図18E】図18Cのマニホールドの線L−Lでの断面図である。
【図18F】図5Aのバリエータと併用しうるカバープレートの透視図である。
【図18G】図18Fのカバープレートの背面立面図である。
【図18H】図18Fのカバープレートの正面立面図である。
【図18I】図18Hのカバープレートの線M−Mでの断面図である。
【図19】図16の比率シフト機構の一定の構成要素の分解図である。
【図20】図16の比率シフト機構と併用しうる油圧弁システムを示す図16の断面の詳細図Eである。
【図21A】図16の比率シフト機構と併用しうるピボットピンハブの透視図である。
【図21B】図21Aのピボットピンハブの正面立面図である。
【図21C】図21Aのピボットピンハブの右側立面図である。
【図21D】図21CのピボットピンハブのM−Mでの断面図である。
【図22A】図16の比率シフト機構と併用しうる制御ピストンの透視図である。
【図22B】図22Aの制御ピストンの上面立面図である。
【図22C】図22Bの制御ピストンの線N−Nでの断面図である。
【図23A】図5Aのバリエータと連結しうるギアセット・シャフト組立品の透視図である。
【図23B】図23Aのギアセット・シャフト組立品の第二の透視図である。
【図23C】図23Aのギアセット・シャフト組立品の分解図である。
【図23D】図5Aのバリエータと併用しうるギアセットまたはレンジボックスの回路図である。
【図23E】図5Aのバリエータの遊星軸の傾きガンマ角の測定用の組立品の透視図である。
【図23F】図23Eの組立品の立面図である。
【図23G】図23Fの組立品の線A5−A5での断面図である。
【図24A】図5Aのバリエータと併用しうる牽引リングの透視図である。
【図24B】図24Aの牽引リングの断面図である。
【図25A】図5Aのバリエータと併用しうる駆動フランジの透視図である。
【図25B】図25Aの駆動フランジの第二の透視図である。
【図25C】図25Bの駆動フランジの左側立面図である。
【図25D】図25Cの駆動フランジの線P−Pでの断面図である。
【図26A】図5Aのバリエータと併用しうる反応フランジの透視図である。
【図26B】図26Aの反応フランジの断面図である。
【図27A】図5Aのバリエータと併用しうるトルク伝達組立品の透視図である。
【図27B】図27Aのトルク伝達組立品の断面図である。
【図28A】図5Aのバリエータと併用しうる代替的な反応フランジの透視図である。
【図28B】図28Aの反応フランジの断面図である。
【図29A】図5Aに示したバリエータと併用しうるカムフランジの透視図である。
【図29B】図29Bのカムフランジの断面図である。
【図30A】図5Aに示したバリエータと併用しうるカムベースの透視図である。
【図30B】図30Aのカムベースの正面立面図である。
【図30C】図30Aのカムベースの右側立面図である。
【図30D】図30Aのカムベースの背面立面図である。
【図31A】図5Aのバリエータと併用しうるカム荷重ピストンの透視図である。
【図31B】図31Bのカム荷重ピストンの断面図である。
【図32A】図5Aのバリエータと併用しうるアンローダピストンの透視図である。
【図32B】図32Aのピストンの右側立面図である。
【図32C】図32Aのピストンの断面図である。
【図33A】図5Aのバリエータと併用しうるアンローダシリンダーの透視図である。
【図33B】図33Aのアンローダシリンダーの断面図である。
【図34A】図5Aのバリエータと併用しうる中央カムベースの透視図である。
【図34B】図34Aのカムベースの側面立面図である。
【図35A】図5Aのバリエータと併用しうるカムリングの透視図である。
【図35B】図35Aのカムリングの第二の透視図である。
【図35C】図35CAのカムリングの断面図である。
【図36A】図5Aのバリエータと併用しうる出力ディスクの透視図である。
【図36B】図36Bの出力ディスクの断面図である。
【図37A】図5Aのバリエータと併用しうるキャリアパイロットリングの透視図である。
【図37B】図37Aのパイロットリングの断面図である。
【図38A】図5Aのバリエータと併用しうる同期リングの透視図である。
【図38B】図38Aの同期リングの断面図である。
【図39A】図5Aのバリエータと併用しうるアイドラー組立品の分解透視図である。
【図39B】図39Aのアイドラー組立品の断面図である。
【図40A】図5Aのバリエータと併用しうるバリエータハウジングの透視図である。
【図40B】図40Aのバリエータハウジングの第二の透視図である。
【図40C】図40Aのバリエータハウジングの正面立面図である。
【図40D】図40Aのバリエータハウジングの右側立面図である。
【図40E】図40Dのバリエータハウジングの線Q−Qでの断面図である。
【図41A】図5Aのバリエータと連結しうるベルハウジングの透視図である。
【図41B】図41Aのベルハウジングの別の透視図である。
【図41C】図41Aのベルハウジングのまた別の透視図である。
【図41D】図41Aのベルハウジングの正面立面図である。
【図41E】図41Dのベルハウジングの線A8−A8での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
ここで、添付の図面を参照して一定の発明の実施例について説明するが、ここで同様な数字は全体を通して同様な要素を言及している。本書で提示した説明で使用されている術語は、一定の具体的な発明の実施例の詳細な説明に関連して使用されているという理由だけで、何らかの制限的または限定的な方法で解釈されるものとする意図はない。さらに、発明の実施例には、いくつかの新しい特徴が含まれることがあり、そのうちどれか1つが単独でその望ましい属性を担うものであるわけでも、また本書で説明した発明の実施にとって不可欠であるわけでもない。本書で説明したCVT/IVTの実施例は、一般に米国特許第6,241,636号、第6,419,608号、第6,689,012号、および第7,011,600号で開示された変速機およびバリエータに関連する。これらの特許のそれぞれの開示全体を、本書をもって参照し本書に組込む。
【0060】
本書で使用するとき、用語「動作するように接続」、「動作するように連結」、「動作するように連鎖」、「動作可能な形で接続」、「動作可能な形で連結」、「動作可能な形で連鎖」、および同様な用語は、1つの要素の動作が結果として第二の要素の対応する、それに続く、または同時発生的な動作または作動となるという、要素間の関係(機械的、連関、継手など)に言及するものである。発明の実施例を描写するために前記の用語を使用するにあたり、要素の連関または連結を示す具体的な構造または機構を典型的に描写していることが注目される。ただし、別途具体的な記載のない限り、前記の用語のどれか1つを使用するとき、その用語は、実際の連関または結合は一定の事例において、関連する技術の当業者にとって明白となる様々な形態を取りうることを示す。
【0061】
説明の目的で、「半径方向」という用語は、本書では変速機またはバリエータの縦軸に対して垂直な方向または位置を示すために使用している。「軸方向」という用語は、本書では変速機またはバリエータの主軸または縦軸に平行な軸に沿った方向または位置を示すために使用している。明瞭さおよび簡潔さのために、時によっては、類似した表示の構成要素(例えば、制御ピストン582Aと制御ピストン582B)は、単一の表示(例えば、制御ピストン582)により集合的に言及することがある。
【0062】
図1を参照するが、駆動システム100の一実施例では、連続可変変速機(CVT)または無限可変変速機(IVT)CVT/IVT 105を使用する。駆動システム100は、継手160により第一のギアセット120と連結される動力源110を含みうる。継手170は、連続可変(CV)または無限可変(IV)CV/IVバリエータ130を第一のギアセット120に連結し、また継手180はCV/IVバリエータ130を第二のギアセット140に連結する。駆動装置150は、継手190によって第二のギアセット140に連結する。バリエータ130、ギアセット120、140、および継手160、170、180、190を含むものとしてのCVT/IVT 105の説明は、主として便宜上であることが理解されるべきである。用途および前後関係に応じて、バリエータ130それ自体が変速機と考えられ、かつそのあらゆる機能性を提供でき、したがって、バリエータ130が連続可変または無限可変変速機と呼ばれることもある。
【0063】
動力源110は、例えば、電動機(モーター)、内燃機関、または電動機(モーター)と内燃機関を組み合わせたハイブリッド原動機としうる。第一および第二のギアセット120、140は、どのような歯車ボックス配列でもよく、そのそれぞれが1つ以上の遊星ギアセットを含みうる。駆動装置150は、例えば、継手、シャフト、プロペラ、差動駆動スプリットギアボックス、牽引荷重(例えば、オートバイ、自動車、トラック、またはトラクターの移動)、工業荷重(例えば、印刷機など固定または部分固定の設備の駆動)、推進荷重(例えば、船やボートなどの船舶の移動、または飛行機やヘリコプターなどの航空機の移動)、ユーティリティ荷重(例えば、大型ゴミ容器リフト、ゴミ収集車コンパクター、またはターピンプロペラの駆動)、農事の荷重(例えば、トラクターやコンバインに付属したスプレー装置の駆動)、ならびにそれらを組み合わせた牽引と農事の荷重や牽引とユーティリティ荷重などの用途でありえる。そのほかにも、駆動装置150は圧縮機、発電機、ポンプ、例えば、オルタネータ、水ポンプ、冷却ファンなどを含めた補機駆動などでもよい。
【0064】
継手160、170、180、および190は、連結された装置間の動力伝達に適した任意の機構としうる。例えば、継手160、170、180、および190は、スプライン、キー、溶接部、またはフランジ継手から、単一の遊星ギアセット、複数の遊星ギアセットを持つギアボックス、および並列または直列に配置されたその他の歯車まで、どのような種類の継手でもよい。CV/IVバリエータ130は、本書で以降説明するものなど、連続可変または無限可変バリエータの実施例のどれでもよい。
【0065】
一部の実施例において、駆動システム100は、1つまたは0の第一および第二のギアセット120、140を持ちうる。それゆえ、例えば、駆動システム100は、動力源110とCV/IVバリエータ130との間を連結する第一のギアセット120なしに、動力源110が継手160によってCV/IVバリエータ130に連結されるよう構成しうる。その他の実施例において、CV/IVバリエータ130は、CV/IVバリエータ130と駆動装置150と間を連結する第二のギアセット140なしに、駆動装置150に連結しうる。その上、一部の実施例で、追加的なギアセットを、第一のギアセット120、CV/IVバリエータ130、または第二のギアセット140と直列または並列に連結しうる。
【0066】
駆動システム100の一実施例は、例えば、図2に示したとおりトラクター用途で、変速機組立品300と共に実施できる。表示した実施例で、ベルハウジング330は、レンジボックスハウジング325を持つレンジボックスまたはギアセット320と連結されたCV/IVバリエータ310に取り付けられている。一部の実施例において、下記に説明するとおり、ベルハウジング330およびギアセット320は、CV/IVバリエータ310の構成要素と連動するよう特に適応させた特徴で構成される。図3Aは、入力シャフト510が含まれ、かつギアセット320に連結されるCV/IVバリエータ310の一実施例を示すが、これがこの実施例では出力シャフト585に連結される。図3Bは、ギアセット320用のベルハウジング531およびハウジング590と共に構成しうるCV/IVバリエータ310を示す。
【0067】
ここで図4Aを参照すると、駆動システム100の実施例と併用しうるバリエータ200の一実施例の図式的表現が示されている。バリエータ200は、連続可変バリエータまたは無限可変バリエータとしうる。バリエータ200には、キャリア215を囲むバリエータハウジング205が含まれ、これがこの実施例ではその縦軸の周りを回転するように構成され、遊星−ピボットアーム組立品220に動作可能な形で連結されている。一般に、一部の実施例で、遊星−ピボットアーム組立品220には、ピボットアーム252に動作可能な形で連結された遊星軸254に取り付けられた遊星222が含まれるが、遊星222は下記に説明するとおり牽引ローラーとしうる。ピボットアーム252は、遊星軸254を旋回または傾斜させてバリエータ200における比率シフトが生成されるよう構成される。遊星−ピボットアーム組立品220は一般に、バリエータ200の中心縦軸の周りに等角度間隔位置に配置される。図示した実施例で、入力シャフト210はキャリア215に連結されている。本書で使用するとき、「牽引ローラー」は、一部の実施例では球面ローラーまたはボールとしうる。それゆえ、本書で使用するとき、「牽引ローラー」、「球面ローラー」、または「ボール」という用語は、牽引を使用した動力を伝達する転がり要素に言及するときには、置換えが可能である。
【0068】
牽引リング225および227はそれぞれ、遊星−ピボットアーム組立品220の遊星アレイ222Aおよび222Bと接触している。アイドラー組立品(図2Aには示していないが、例として図5Aを参照)は、遊星アレイ222Aおよび222Bに接触し、また半径方向に保持される。一部の実施例において、アイドラー組立品は、バリエータ200の縦軸と同軸に取り付けられる(例として、図5Aを参照)。牽引リング230および233はそれぞれ、遊星アレイ222Aおよび222Bと接触している。牽引リング230、233は、トルク出力要素232と動作可能な形で連結される。一部の実施例において、牽引リング225、277は、接地機構270により接地されるよう連結しうる。本書で使用するとき、「接地」は、例えばバリエータハウジング205などの静止要素をいう。接地機構270は、牽引リング225、227の軸方向および/または回転の運動を実質的に阻止する、例えばキー、スプライン、クリップ、またはその他の締付け手段としうる。一定の実施例では、1つまたは0のリング225、227のみが接地されることに注目すべきである。バリエータ200には、いくつかの軸力生成(「AFG」)機構235も含まれうる。一部の実施例において、バリエータ200には、遊星−ピボットアーム組立品220に動作できるように連結された比率シフト機構240が含まれる。
【0069】
図4Aに示す実施例で、バリエータ200の動作中に、入力シャフト210は、トルクをキャリア215に伝達し、これが次にトルクを遊星−ピボットアーム組立品220に伝達する。一実施例において、牽引リング225および227は回転せず、またそれぞれ遊星アレイ222Aおよび222Bについて転がり表面およびトルク反作用を提供する。ところが、その他の実施例において、牽引リング225および227の一方または両方を回転できるように構成しうる。
【0070】
図4Aに示す実施例で、遊星アレイ222A、222Bは、トルクを牽引リング230および233に伝達するが、これが回転でき、トルク出力要素232と操作できるよう連結され、それによってトルクを伝達するように構成されている。一実施例において、キャリア215は、出力シャフト256に連結することも、それを一体にすることもできる。それゆえ、バリエータ200は、入力シャフト210を介して1つの電力入力を受取り、トルク出力要素232による電力出力およびキャリア215および出力シャフト256による電力出力の2つの電力出力を供給するように構成しうる。もちろん、バリエータ200は、逆の動力経路で動力を伝達するよう構成しうる。つまり、一部の実施例で、バリエータ200はシャフト256および/またはトルク要素232を介して動力を受けることができ、次にバリエータは、シャフト210を介して動力を出力することができる。バリエータ200は、少なくとも2つの動力経路を提供するよう構成しうるため、バリエータ200はトルク分離装置でもよい。
【0071】
キャリア215がバリエータ200の軸の周りを回転するよう構成され、牽引リング225、227が回転しないような実施例では、トルク出力要素232は、速度ゼロの実現および/またはその回転の方向を反対にすることができる。その上、トルク出力要素232の出力を出力シャフト256の出力と組み合わせたとき、バリエータ200の出力をゼロまたは負にすることができる。バリエータ200の一部の実施例は、入力速度を非ゼロのままで出力速度ゼロにすることができ、またトルク比は一般に速度比の逆数であるため、バリエータ200は無限可変バリエータとして説明できる。
【0072】
図4Aに示す実施例では、比率シフト機構240により、キャリア入力に対してかかるトルクの、遊星−ピボットアーム組立品220でのトルク反作用に対する比を制御する。以下で説明するように、バリエータ200の一実施例で、比率シフト機構240には、数ある中で、ピボットアーム252および遊星軸254の作動(例えば、旋回または傾斜)により遊星アレイ222Aおよび222Bの回転軸の角度を変化するよう構成された油圧制御システムが含まれる。関連する技術の当業者であれば、比率シフト機構240に加えて、バリエータ200の比率シフトを達成するために使用しうるその他の装置があることを理解することになる。
【0073】
ここで図4Bを参照すると、バリエータ200と併用できる油圧変速制御システム280(またはシフター280)の一実施例が図示されている。シフター280には、少なくとも1つのピストン294を作動させるために使用できる作動油シフト圧284を制御するためのレギュレータ282が含まれる。ポンプ288は、シフト圧284をレギュレータ282に供給するための制御液を供給するために使用できる。制御信号装置290およびフィードバック機構292はそれぞれ、レギュレータ282に連結しうる。図示のとおり、ピボットアーム296は、同期装置293に連結でき、これを次にフィードバック機構292に連結できる。ところが、その他の実施例では、同期装置は使用されず、その代わりに、ピボットアーム296をフィードバック機構292に直接的に連結できる。一実施例において、ピストン294は、ピボットアーム296に動作可能な形で連結される。レギュレータ298は、流体回収パンまたはタンク298との流体連通があるように適応できる。
【0074】
レギュレータ282は、例えば弁としうる。一実施例において、レギュレータ282は、ピストン294およびタンク298への制御液圧および/または流量を調節するバルブスプールを持つ4方向弁である。制御信号装置290は、制御信号をレギュレータ282に供給するよう適切に構成された任意の機械的、電気的、または電気機械的な装置としうる。一部の実施例において、制御信号は作動油圧(パイロット圧ともいう)である。さらに、その他の実施例では、制御信号装置290は、フィードバック機構292および/または同期装置293からの電気的または機械的な信号を受信し処理するように適応させうる。
【0075】
制御ピストン294は、シフト圧284が制御ピストン294の運動を作動させるように構成・適応させうる。ピボットアーム296は、図4Aに示すピボットアーム252としうる。一部の実施例において、フィードバック機構292は、機械的、電子的および/または電気機械的である。一実施例において、フィードバック機構292には、フィードバックねじおよびフィードバックばねが含まれる(図16Cおよび図20を参照)。同期装置293は、例えば複数の遊星アレイ222A、222Bを、例えばそれぞれの遊星アレイ222A、222Bの遊星軸254が同一の傾き角を持つように同期化する機械的連関とすることができる。一実施例において、例えば、同期装置293には、ターンバックル機能を持つ装置が含まれ、この装置は、追加的な1つ以上の連関によって遊星アレイ222に連結させうる。ポンプ288およびタンク298は、典型的なよく知られた流体ポンピングおよび収集装置としうる。
【0076】
動作中に、制御信号装置290の比をシフトすると、レギュレータ282が作動するが、これはシフト圧284によってピストン294が作動するよう構成されている。一部の実施例において、レギュレータ282は、シフト圧284が供給されるレートを調節するよう構成しうる。制御ピストン294は、ピボットアーム296に連結されているため、ピボットアーム296は制御ピストン294により、その動きに反応して作動する。一部の実施例において、ピボットアーム296は、ピボットアーム296の動きによって縦バリエータ200の軸に対して遊星軸254の角度がシフトまたは傾くように、遊星軸254に動作可能な形で連結されている。遊星軸254の角度のシフトにより、バリエータ200の比がシフトする。
【0077】
上述のとおり、一部の実施例で、ピボットアーム296は、フィードバック機構292に連結することもできる。こうした実施例で、フィードバック機構292は、レギュレータ282にピボットアーム296の状態の1つ以上の指標を供給するように構成することもでき、こうした指標には、例えば、角位置、軸方向位置、角速度、軸方向速度または線速度などが含まれうる。一部の実施例において、指標には、ピストン内の作動油の流量および/または圧力、速度比測定値からの電気的信号、キャリア215の位置、遊星222の角度位置、キャリア215の回転により発生する遠心力またはジャイロ力に起因する牽引リング225、227、230、および/または233の軸力などが含まれうる。ピボットアーム296が制御ピストン294の動きに反応して動くと、フィードバック機構292は、上述の任意の指標をレギュレータ282に伝える。制御信号装置290からの制御信号と、フィードバック機構292により供給された印を組み合わせることにより、レギュレータ282は、シフト圧284をさらに調節し、望ましい比の調節を作動させるかまたは定常状態比率を維持する。
【0078】
バリエータ200の一部の実施例で、AFG機構235は、牽引リング225、227、230および233に軸力をかけて、遊星アレイ222A、222Bと牽引リング230および233との間のトルクの効率的な伝達を促進する。その他の実施例において、AFG機構235は、牽引リング225、227、230および233の全部ではなく一部とのみ連結させることもできる。AFG機構235は、カム表面とローラーとの間の相互作用により軸力(これはカム表面にかけたトルクに比例したものでありうる)が発生する、カムベースにすることができ、あるいは作動油によりピストンおよびシリンダーの組み合わせで軸力が発生する、油圧アクチュエータベースにすることもできる。さらに、その他の実施例で、AFG機構235は、カムおよび油圧軸力生成の両方の方法を組み合わせうる。油圧またはカムベースのAFG機構235が、バリエータ200での適切な軸力を発生する唯一のオプションではないことに注意すべきである。AFG機構235は、過渡的なトルクスパイクに迅速に反応しうる軸力を発生するよう、かつ牽引リング225、227、230、および233のいずれかに存在する最大のトルクレベルに依存するか、少なくとも部分的に対応するよう構成されていることが望ましい。
【0079】
図5A-8を参照すると、一実施例で、図3Aのバリエータ310は、数ある中で、キャリア515を囲むバリエータハウジング505を持つ。入力シャフト510はキャリア515に連結されている。一部の実施例において、入力シャフト510およびキャリア515は、ハウジング510に対して軸方向に厳格には制約されていない。つまり、一部の実施例で、入力シャフト510およびキャリア515は、バリエータハウジング505内で軸方向に、少なくとも部分的に、浮かべることができる。この実施例において、入力シャフト510およびキャリア515は、その中心縦軸の周りを回転するよう構成されている。一実施例において、入力シャフト510およびキャリア515は、回転できるように連結されている。
【0080】
一実施例において、バリエータ310には、遊星−ピボットアーム組立品579が含まれる(詳細図Aおよび図5Bを参照)。遊星−ピボットアーム組立品579には一般的に、保持を提供する遊星軸554および遊星522の回転のための軸が含まれる。この実施例において、ピボットアーム552は、遊星軸554を保持し、またアイドラー562は遊星522のための半径方向の保持および位置を提供する。遊星−ピボットアーム組立品579についての追加的な説明については、図9〜15Gに関連して以下に記載している。
【0081】
一部の実施例において、カバープレート560は、入力シャフト510の周りに同軸に取り付けられ、かつマニホールド565に連結される。カバープレート560は、入力シャフト510について軸受の保持を提供するよう構成しうる。表示した実施例で、ベルハウジング531は、カバープレート560およびマニホールド565を受け、保持し、締付けるように適応される。
【0082】
牽引リング525A、530は、遊星522Aに接触し、一方、牽引リング525B、533は遊星522Bに接触する。描写した実施例で、牽引リング525A、525Bは、実質的にまたは完全に回転できないように構成されている。駆動フランジ532は、中央カム組立品570により牽引リング530、533と連結される(詳細図Bおよび図6A〜6Bを参照)。一実施例において、駆動フランジ532は、下流ギアセット320の太陽歯車2320に連結される(図23A〜23Cを参照)。表示した実施例で、駆動フランジ532は軸方向に固定できるが、その必要があるわけではない。
【0083】
図示した実施例で、入力カム組立品575は牽引リング525Aに連結される(詳細図Cおよび図7A〜7Bを参照)。中央カム組立品570および入力カム組立品575は、部分的に軸力の発生装置として機能する。中央カム組立品570および入力カム組立品575は、それぞれ図6A〜6Bおよび図7A〜7Bに関連して下記にさらに説明する。
【0084】
バリエータ310の動作中に、一実施例で、入力シャフト510はキャリア515にトルクをかけ、これが次に遊星−ピボットアーム組立品579によりトルクを牽引リング530、533に伝達する。次に、牽引リング530、533は、トルクを中央カム組立品570および駆動フランジ532に伝達し、これが剛体として一緒に回転する。それゆえ、バリエータ310の一定の実施例では、動力分離が促進される。つまり、バリエータ310は、入力シャフト510での電力入力を受け、2つの異なる経路を介して動力を供給するよう適応しうる。例えば、入力シャフト510が入力速度w1および入力トルクT1で動力を供給すると想定すると、バリエータ310は、連続可変速度w2および出力トルクT2で駆動フランジ532を介して動力を供給でき、バリエータ310は出力速度w1および出力トルクT3でキャリア515に連結されたスプラインシャフト844に動力を供給できる。表示した実施例で、スプラインシャフト844はキャリア515と一体であるが、ところが、その他の実施例において、スプラインシャフト844は、キー設置、スプライン、ボルト、ドエル、歯車、油圧または電動機(モーター)などを含む適切な任意の手段を介してキャリア515に連結される。
【0085】
一定の実施例で、駆動フランジ532またはキャリアスプラインシャフト844のどちらか1つは駆動装置または動力取出装置として使用しうる。さらに、その他の実施例で、2つのトルク出力T2およびT3は、出力シャフト585で補助ギアセットを介して加え1つのトルク出力T4にすることができる。図42に関連して下記に考察するとおり、逆転を含めた複数のモードを持つ変速機を提供するために、バリエータ310は、レンジボックス4200と連結するよう適応させることができる。遊星軸554の傾き角に応じて、駆動フランジ532はその回転の方向を逆転させることができ、また実質的に回転速度ゼロ、つまり、w2をほぼゼロにすることもできる。一部の実施例において、駆動フランジ532の出力をスプラインシャフト844の出力に加えるとき、バリエータ310は、出力速度ゼロにすることができる。その結果、バリエータ310は、無限可変バリエータまたは変速機として構成しうる。
【0086】
ここで図5A、8、および16A〜20を参照すると、図示した実施例では、バリエータ310は、比率シフト機構577を持たせることができ、ここで入力シャフト510は油圧弁の多様な構成要素を受け、相互作用するよう適応される。比率シフト機構577は、図5Aおよび8の詳細図Dに部分的に表示しているが、比率シフト機構577の実施例に関する追加的な説明については、図16A〜22Cおよび添付テキストを参照のこと。入力シャフト510の実施例については、図17A〜17Dに関連して以下にさらに説明する。一実施例において、比率シフト機構577には、流路814A、814Bおよびチャンバー580A、580Bを通過して制御液がキャリア515を流入・流出できるように構成された油圧回路が含まれる(図8Dおよび16C〜16Dを参照)。
【0087】
一部の実施例において、制御ピストン582は、ピボットピンハブ805に連結される。ピボットピンハブ805内に保持されるピボットピンブロック810は、ピボットアーム552に連結されたピボットピン815を受ける。一実施例において、制御ねじ820は、左制御ねじ820Bと強固に連結された右制御ねじ820Aから成り、ここで右制御ねじ820Aのねじ山のリードが左制御ねじ820Bのねじ山のリードの方向とは逆である。制御ねじ820を一方向に回したとき、右および左の制御ねじ820A、820Bの反対方向のねじ山によりターンバックル機能性が提供される。一部の実施例において、右制御ねじ820Aおよび左制御ねじ820Bは、1つの一体の部品である。一実施例において、右制御ねじナット825Aは、ピボットピンハブ805Aに強固に連結され、一方、左制御ねじナット825Bは、ピボットピンハブ805Bに強固に連結される。それゆえ、制御ねじ820が軸方向に制約があり、かつ回転させたとき、右制御ねじナット825Aおよび左制御ねじナット825Bは、それぞれ軸方向に反対方向に変換するが(図19を参照)、これによって遊星522Aに連結されたピボットアームは、遊星522B連結されたピボットアームの同期的な旋回とは反対方向に旋回する(遊星522Aの中心の周りを)ことになる。
【0088】
さらに、一部の実施例で、右制御ねじ820Aと右制御ねじナット825Aとの間、および左制御ねじ820Bと左制御ねじナット825Bとの間のねじ山リードの絶対値は等しく、そのため、右制御ねじナット825Aおよび左制御ねじナット825Bの軸方向の動きは、実質的に大きさが等しく反対方向となる。一実施例において、等しく反対向きの軸方向の動きは、ピンスライダー機構を介してピボットアーム552A、522Bの等しく反対方向の回転運動に変換される。ピボットアーム552を旋回させると、ピボットアーム552が遊星軸554に操作できる形で連結されているために、遊星522の回転軸の傾き角が調節され、それによって、バリエータ310の個別のバリエータ中空の比での等しい調節が起こる。一部の実施例において、例えば、異なる機構を使用することにより、個別のバリエータ中空の比は、それぞれの制御ねじ820A、820Bや制御ねじナット825A、825Bについて部分的に異なるリードを選択することにより異なる値に設定できる。図19に示した制御ねじ820、制御ねじナット825、ピボットピンハブ805、およびリンクねじエンドストップ870により、遊星522Aの回転軸の傾き角が、遊星522Aおよび522Bの中心間の距離を2分したバリエータ310の中央平面に対して遊星522Aについて鏡像となっていることが確保される。
【0089】
一部の実施例において、制御ねじ820Aは制御ねじナット825Aと連動して、機械的フィードバックを油圧弁に供給する。図5Aに示す実施例で、制御ねじナット825Bは、制御ねじ820Bと連動して機械的フィードバックをセンサーに供給し、遊星軸554の角位置の決定を促進するが、これにより遊星522の回転軸の角位置が与えられる(図19および23D〜23Fを参照)。制御ねじナット825A、825Bは、ピボットピンハブ805に強固に連結される。制御ねじエンドストップ870により、制御ねじ820Aは軸方向に固定される。さらに、油圧比率シフト機構577の動作についての考察は、図16A〜16Dおよび20に関連して以下に記載される。
【0090】
このバリエータ310の実施例で、中央カム組立品570の設定を少なくとも部分的な理由として、構成要素間での牽引の伝達により発生する軸方向荷重を伝達するために、軸スラスト軸受が使用されていないことが注目される。むしろ、牽引リング525A、525Bは回転できるように固定され、バリエータハウジング505に軸力を伝達するよう構成されている。牽引リング525A、525Bでは軸スラスト軸受が使用されていないため、軸方向荷重の伝達用の軸スラスト軸受が使用される場所で通常発生する軸受抵抗損失が回避される。
【0091】
図6Aおよび図6Bを特に参照して、一実施例で、中央カム組立品570には、駆動フランジ532に例えばスプラインを介して連結されるよう構成された中央カムベース605が含まれる。中央カムベース605は、右カムリング610および左カムリング615に操作できるように連結される。一実施例において、カムローラーリテイナー650内で保持されているローラー(非表示)により、中央カムベース605とカムリング610、615との間の動作継手が提供される。右カムリング610は、右トルク伝達リング620に連結され、左カムリング615は左トルク伝達リング625連結されている。右トルク伝達リング620は、牽引リング533に連結され、左トルク伝達リング625は、牽引リング530に連結されている。カムリング610、615およびトルク伝達リング620、625を言及するために本書で使用したとおり、「左」および「右」という用語は、中央カムベース605に対する位置のみを言及し、その他の意味はない。
【0092】
軸受630、635は、それぞれキャリア515と同心のトルク伝達リング620、625を保持する。一部の実施例において、軸受630、635はラジアル軸受であるが、その他の実施例では、軸受630、635は例えば玉軸受でもよい。キャリアパイロットリング640およびキャリア中央軸受シム642は、軸受630、635の間に位置する。同期リング645は、カムリング610、615とトルク伝達リング620、625との間に同軸に嵌め合わされている。同期リング645は、カムリング610、615に連結されている。同期リング645により、軸方向の偏位は許容されるが、カムリング610、615がお互いに対して回転することは許容されず、これにより、中央カムベース605の中心が2つの遊星アレイ522A、522Bの間に来るよう維持されている。図6Bに示すとおり、カムローラーリテイナー650は、中央カムベース605とカムリング610、615の間に位置する。カムローラーリテイナー650は、トルクが中央カム組立品570にかかった時にカムリング610、615を中央カムベース605に連結するローラー(非表示)を保持・分離するよう構成されている。ローラーの形状は、例えば円筒、樽状、または球状としうる。
【0093】
カムリング610は同期リング645を介してカムリング615に連結されているため、カムリング610、615内にあるそれぞれのローラーの上昇分は実質的に等しい。これにより、カムリング610、615に荷重がかかったとき、遊星アレイ522A、522Bに対してカムリング610、615の同期軸方向変位が確保される。動作時に、遊星アレイ522A、522Bの中心と変速機キャリア515の中心との間の距離は、両方の遊星アレイ522A、522Bについて等しいことが望ましい。一部の実施例において、軸力により生成されるたわみによって、キャリア515は軸方向に移動することも望ましい。軸受630、635の内レースは、キャリア515に強固に取り付けられている。軸受630、635の外レースは、例えば滑りばめによりトルク伝達リング620、625に取り付けられている。この実施例において、軸受630、635の外レースは、中央カム組立品570に対して軸方向に移動しうる。キャリア515の中心の遊星アレイ522A、522Bの間での保持を助けるために、波型ばね(非表示)が軸受630、635の外レースの側面655とトルク伝達リング620、625との間に配置される。軸方向の偏位は、軸力生成のために許容されることが望ましいが、キャリア515の中心は、常に遊星アレイ522A、522Bの間にあることが望ましい。一部の実施例において、波型ばねは軸受630、635の外レースにのみ、また軸方向にのみ作用する。ところが、その他の実施例では、軸受630、635の外レースは、トルク伝達リング620、625に例えばプレスばめされ、波型ばねは、軸受630、635の内レースにのみ作用する。
【0094】
ここで図6Cに関しては、バリエータ310と併用しうる中央組立品1000について説明する。中央組立品1000は、センタリング機能を達成する上でばねに依存しない。一実施例において、中央組立品1000には、キャリア515により保持された軸受1002が含まれる。センタリング継手1004は、軸受1002上に乗り、また牽引リング1006のフランジに連結されている。軸力生成要素1008は、牽引リング1006と中央出力伝達要素1010との間に挟まれ、駆動出力要素1012に連結されている。一部の実施例において、軸力生成要素1008には、カムローラー1018を介して動作可能な形で連結される荷重カム1014、1016が含まれる。一実施例において、軸スラスト軸受1020は、センタリング継手と中央出力伝達要素1010の間に挟まれている。一定の用途では、構成要素の最小隙間および/または正確な位置合わせを確保するためにシム1022の使用が望ましいと考えられる。一部の実施例において、スプラインは、センタリング継手1004を牽引リング1006に、また中央出力伝達要素1010を駆動出力要素1012にそれぞれ連結するために使用される。牽引リング1006は回転できるよう固定されているが、センタリング継手1004に対しては軸方向に制約はないことに注目すべきである。
【0095】
図7Aおよび図7Bに関連して、一実施例で、入力カム組立品575には、牽引リング525に連結されたカムフランジ705が含まれ、またローラーリテイナー710内で保持されるカムローラー(非表示)と相互作用するよう適応されている。カムローラーの形状は、例えば球状、樽状、または円筒としうる。図示のとおり、カムベース715は、ローラーリテイナー710とカム荷重ピストン720との間に配置することもできる。カムフランジ705は、アンローダピストン725に操作できる形で連結され、これがアンローダシリンダー730と連動する。この実施例において、入力カム組立品575には、カム荷重ピストン720の片側の間に位置し、かつ部分的にベルハウジング531の穴755内にある多数の圧縮ばね735も含まれうる。描写の目的で、カムフランジ705、ローラーリテイナー710、カムベース715、および関連するローラーは、本書では機械的荷重カム組立品717と呼ぶ。
【0096】
入力カム組立品575は、油圧およびカムベースの両方の軸力生成を組み合わせた軸力機構の一実施例である。カム荷重ピストン720は、油圧を使用して、牽引リング525に機械的荷重カム組立品717を介して軸力をかけることができる。その他の実施例において、機械的荷重カム組立品717は、カムを使用せずに、カム荷重ピストン720からの軸力を牽引リング525に伝達する単一(または複数)の部品要素に改造できる。ところが、一部の実施例において、カム荷重ピストン720は使用されず、また機械的荷重カム組立品717のみがバリエータ310の入力側に軸力を供給する。機械的荷重カム組立品717は、軸力に連続的かつトルクに比例して反応する受動的な軸力発生装置として特徴付けることもできる。
【0097】
油圧軸方向装荷を採用した実施例では、トルクスパイクに対する動的な反応を提供することが望ましい。これは、トルクスパイクに迅速に反応するよう構成されたカムベースの軸方向装荷機構を、油圧軸方向装荷機構と組み合わせることで実行できる。一実施例において、能動的な軸力生成を採用することで、カムにより生成される軸力が油圧により望ましい大きさに調節される。例えば、機械的荷重カム組立品717は、要求される動作時の最大軸力を越える軸力レベルを提供するよう構成することができ、またアンローダピストン725およびアンローダシリンダー730は、機械的荷重入力カム組立品717により発生する軸力を望ましい軸力に調節するための油圧制御を提供する。それゆえ、一実施例では、カム荷重ピストン720は使用されず、その代わりに、軸力生成は、変速機のカム方式の軸力生成が必要以上に大きくなるよう機械的荷重カム組立品717で制御される。図5A、7A、および7Bに示す実施例で、アンローダピストン725は、カムフランジ705の力を牽引リング525から取り、それによって、遊星522の負荷を選択したレベルに下げるよう構成される。カムベースのAFGでトルクスパイクに対処し、一方、油圧ベースのAFGで所定のトルクに対して望ましい定常状態の軸力を制御することができる。油圧アンロードピストンを使用する場合、荷重入力カム組立品717のみの使用が可能であるが、この実施例では、カムリング610、615および中央カム605は、中実の部材に置き換えることができる。
【0098】
一例として、トルクが上昇すると油圧は下がり、入力カム組立品717が取って代わられるようになる。所定の用途で100ポンドの軸力が定常状態で望ましい場合、1000ポンドの軸力を発生するカムが提供される。アンローダピストン725およびアンローダシリンダー730への圧力は、牽引リング525の軸力を100ポンドに低減させるために提供されている。この設定により、トルクスパイクが対処され、通常動作中の抵抗が最小限に抑えられ、また望ましい軸力の要件の計画が促進される。
【0099】
図5Aでは、バリエータ310の入力側で油圧およびカムベースの軸力生成機構の組み合わせを持つ一実施例を描写しているが、実施例によっては、カム荷重ピストン720、入力カム組立品717、およびアンローダピストン725のうちすべてまたはそのいくつか、およびアンローダシリンダー730は、使用すべきではないことが注目される。バリエータ310の入力側でAFG機構を使用しない実施例で、牽引リング525は、バリエータ310の非回転要素に回転できるように固定され、推力要素は、例えば牽引リング525とバリエータハウジング505との間に挟むことができる。
【0100】
中央カム組立品570および入力カム組立品575の実施例により、それぞれのカム組立品570、575全体でトルクに比例した軸力が発生することに注目すべきである。それゆえ、最大トルクを請ける方のカム組立品570、575で最大軸力が発生するため、カム組立品570、575のうち最大トルクを受ける方によって、バリエータ310内の軸力レベルが決定される。
【0101】
ここで図8A〜8Uを参照すると、キャリア515の実施例を表示している。この実施例において、キャリア515には、第一のキャリア中央ブロック804に連結されたキャリア入力キャップ802が含まれる。キャリア515にはさらに、第二のキャリア中央ブロック808に連結されたキャリア出力キャップ806が含まれる。第一のキャリア中央ブロック804および第二のキャリア中央ブロック808は、1つに連結され、作動油チャンバー580を形成する。図8Cおよび8Dに示すとおり、キャリア入力キャップ802、およびキャリア中央ブロック804、808には、潤滑油流路812および油圧流体流路814A、814Bが組み込まれる。この実施例で、キャリア出力キャップ806には、潤滑油流路812のみが含まれる。
【0102】
ここで図8E〜8Hおよび9を参照すると、この実施例では、キャリア入力キャップ802は、キャリア入力キャップ802のキャリア中央ブロック804への連結を促進するいくつかの締付けフィンガー816を持つ。締付けフィンガー816は、ボルトまたはねじ(非表示)を受けるボルト孔821を持つ。この実施例において、締付けフィンガー816は、キャリア入力キャップ802の部品として形成され、潤滑油流路812および作動油流路814A、814Bは、一部が締付けフィンガー816内に形成される。
【0103】
キャリア入力キャップ802には、遊星−ピボットアーム組立品579の軸受920に力を伝えるための表面824を持つキャリアフィンガー822も含まれ(図9を参照)、これが次に遊星522を保持する軸554に力を伝達する。キャリアフィンガー822の表面826は、遊星−ピボットアーム組立品579がシフトしたときに案内ホイール925の保持を提供する。キャリアフィンガー822には、入力シャフト510をキャリア入力キャップ802に締め付けるためのねじ山の付いた穴828も含まれる。
【0104】
この実施例で、キャリアフィンガー822および締付けフィンガー816の付近にあるキャリア入力キャップ802には、潤滑タレット887に供給するために構成された潤滑油ポート885が含まれる。図示した実施例で、潤滑油は、入力シャフト510からキャリア入力キャップ802の流路812に汲み上げられ、潤滑油ポート885に供給される。
【0105】
第一および第二のキャリア中央ブロック804、808は、実質的に類似したもので、それゆえ、第一のキャリア中央ブロック804についての下記の記述は、一般に第二のキャリア中央ブロック808に適用され、またそれについての記述である。図8K〜8Pは、第一のキャリア中央ブロック804の実施例を示す。中央ブロック804の締付けフィンガー830は、一般にキャリア入力キャップ802の締付けフィンガー816に類似している。ボルト孔832により、キャリア入力キャップ802および中央ブロック804の連結が促進される。中央ブロック804の本体には、フィンガー830を含めて、潤滑油流路812および作動油流路814A、814Bが組み込まれる。
【0106】
中央ブロック804には、キャリア入力キャップ802のキャリアフィンガー822と形状および機能が類似したキャリアフィンガー834が含まれる。キャリアフィンガー834の表面836は、軸受920に力を伝達し、表面838は案内ホイール925の保持を提供する。図8Lおよび8Nに図示したとおり、キャリアフィンガー834およびネック延長部843には、中央ブロック804、808をひとまとめにした締め付けを促進するボルト孔840が組み込まれている。一部の実施例において、中央ブロック804には、その他に位置合わせおよび組立の目的用のドエルピン穴842が含まれる。中央ブロック804には、チャンバー580を形成する中央ブロック808の類似した内側円筒部に沿ってネック延長部843を形成する内側円筒部581が含まれる。
【0107】
ここで図8Q〜8Uを参照すると、キャリア出力キャップ806を示している。キャリア出力キャップ806は、実質的にキャリア入力キャップ802に類似している。この実施例において、キャリア出力キャップ806には、キャリア入力キャップ802で組み込まれている、油圧制御流路814は組み込まれていない。この実施例で、キャリア出力キャップ806は、キャリア出力シャフト844が含まれる。この実施例において、キャリア出力シャフト844にあるスプライン846によりトルク伝達ができる。キャリア出力キャップ806には、キャリア入力キャップ802の締付けフィンガー816およびキャリアフィンガー822と実質的に同一の締付けフィンガー848およびキャリアフィンガー850が含まれる。キャリア出力キャップ806の支持面852およびトルク伝達表面854は、キャリア入力キャップ802の支持面826およびトルク伝達表面824と類似している。
【0108】
一部の実施例において、キャリア入力キャップ802、キャリア出力キャップ806、および/または第一および第二のキャリアブロック804、808などには、潤滑油をアイドラー562(図5Bを参照)またはアイドラー3905(図39A〜39Cを参照)およびアイドラー軸受3920に供給する潤滑油ポートを提供しうる。
【0109】
ここで図9〜15Fを参照するが、遊星−ピボットアーム組立品579には、ピボットアーム552で支持される遊星軸554が取り付けられた遊星522が含まれる。一実施例において、遊星522は、約2.5インチの直径を持つ実質的に球状の本体である。遊星522の中央の穴は、遊星軸554を受けるために直径約0.5インチとすることができる。遊星522は、例えば、52100鋼鉄などの軸受用鋼で製造しうる。エラストマーボール907は、遊星軸554の溝1505に嵌め合わされる(図15を参照)。一実施例において、エラストマーボール907は、遊星軸554と遊星522との間の摩擦境界面を提供し、それによって遊星軸554および遊星522が一体として回転する。
【0110】
図示した実施例で、クリップ1305は、遊星522の軸方向位置を遊星軸554上に固定する。遊星軸554の端は、ピボットアーム552の脚内で受けられる。この実施例において、ピボットアーム552のそれぞれの脚は、シェルタイプの針状ころ軸受910およびアンギュラコンタクト玉軸受915を受けるように構成されている。針状ころ軸受910は、ピボットアーム552の穴1410(図14Aを参照)にプレスばめすることができ、プレスばめにより、針状ころ軸受910の軸方向位置が固定される。アンギュラコンタクト玉軸受915は、ピボットアーム552の穴1420に嵌め合わされ、クリップ1310は玉軸受915を穴1420に保持する。一部の実施例において、軸受915を使用するとき、案内ホイール925の使用は省略できる。遊星軸554の端は、軸受910、915に乗る。玉軸受920は、遊星軸554のそれぞれの端に連結される。表示した実施例で、玉軸受920は、クリップ1318および遊星軸554のショルダー1540により保持される。案内ホイール925は、ホイールシャフト930に取り付けられ、これがピボットアーム552の穴1315に挿入される(図13を参照)。案内ホイール925は、シフト力が軸受910、915、920に伝達されないように、ピストン582からのシフト力に反応する。案内ホイール925は、ピボットアーム552の中心を遊星522の周りに保つ。
【0111】
ピボットアーム552の一実施例を図14A〜14Cに図示する。ピボットアーム552には、ピボット穴1435の周りに互いに反対の位置にあるピボットアーム延長部1425および1430が含まれる。表示した実施例で、ピボットアーム延長部1425、1430は、1つの一体の部品を形成し、これにより構造的な強固さが改善される。ところが、その他の実施例では、例えば、組立を簡単にするために、ピボットアーム延長部1425、1430は、ピボット穴1435などの回転軸(pivot point)に操作できる形で連結された個別の部品とすることができる。図8に最もよく図示されているとおり、ピボット穴1435は、ピボットピン815を受けるが、一部の実施例では、これがピボットピンブロック810により保持される。その他の実施例において、ピボットピン815は、ピボットアーム延長部1425、1430と一体にすることができる。
【0112】
この実施例において、それぞれのピボットアーム延長部1425、1430には、軸受910、915を受けるための穴1410および穴1420が含まれる(図13に関連して上記に説明のとおり)。その他の実施例において、穴1410および1420は、単一の穴で置き換えることもできる。その上、軸受910、915は、単一の軸受、または軸受面で置き換えることもでき、これをピボットアーム延長部1425、1430と一体とすることもできる。図示した実施例で、それぞれのピボットアーム延長部1425、1430には、窪み1440および穴1315が含まれる。窪み1440は、案内ホイール925を受け(図10を参照)、また穴1315は、案内ホイール925が取り付けられるシャフト930を受ける。図示した実施例で、ピボットアーム552は、主に軸方向荷重を軸受910で遊星軸554に伝えるよう適応され、これは機構の作動によって曲げ荷重を遊星軸554に伝えて、遊星軸554を傾ける他の方法と対照をなす。図示のとおり、一部の実施例で、ピボットアーム552には、潤滑油の流れを促進させる通路1445および1450が含まれる。
【0113】
ピボットアーム552の一実施例において、穴1315の間の距離は約4インチで、ピボット穴1435の中心と穴1410の中心の距離は約2.5〜3.0インチである。一部の実施例において、ピボットアーム延長部1425、1430は、半径約2.5〜3.0インチ内にあるピボットアーム穴1435から延びているが、約2.75インチであることがさらに望ましい。一部の用途について、穴1410の直径は約0.5〜0.8インチ、また穴1420の直径は約0.8〜1.2インチである。一実施例において、ピボット穴1435は、約0.2〜0.3インチの直径を持つことができ、窪み1440の直径は約0.6〜0.8インチ、また穴1315の直径は約0.2〜0.3インチとしうる。一定の用途では、通路1445、1450は、約0.1〜0.2インチの直径を持ちうる。一実施例において、ピボットアーム552は、例えば4140熱処理鋼により製造される。ところが、キャリア515が回転する実施例で発生する遠心力により、ピボットアーム552は、適切な強度を持つが鋼鉄よりも重量が小さい材質で製造することが望ましいと考えられる。
【0114】
遊星軸554の一実施例を、図15A〜15Cに示す。遊星軸554は、エラストマーボール907を受けるための溝1505を持つ一般に円筒形の中央部分1510から成る(図13を参照)。一部の実施例において、溝1505のうち少なくとも1つは、遊星522と遊星軸554の間の相対的回転がある場合、エラストマーボール907が減少する半径方向の空間に転がり込むように、遊星軸554の中心線に対して偏心している。中央部分1510には、遊星522の軸方向位置を遊星軸554上に固定する固定クリップ(非表示)を受けるための溝1507も含まれる。そのそれぞれの端で、遊星軸554は、遊星軸554の縦軸に向かい半径方向に次第に細くなり、次に円筒形部分1520に入ったときに半径方向にわずかに拡張されるネック1515を持つ。円筒形部分1520は、軸受910(図13を参照)を保持するよう構成され、これが一部の実施例では円筒形部分1520にプレスばめされる。遊星軸554にはさらに、軸受915を保持するよう構成された別の一般に円筒形の部分1525が含まれる(図13を参照)。部分1525には、軸受915を定位置に保持するクリップ1310を受けるための溝1527が含まれる。遊星軸554のショルダー1540は、軸受915の軸方向の保持も促進する。遊星軸554の円筒形部分1530は、軸受920を受けて支持するように構成されている(図13を参照)。部分1530にある溝1532は、軸受920を保持するクリップ1318を受けるよう構成されている。
【0115】
一実施例において、遊星軸544は、約5.5インチの全長を持つ。一定の用途で、中央部分1510は、遊星522の中央の穴に滑りばめまたはプレスばめするための約0.5インチの直径を持つ。一実施例において、中央部分1510は、約2.5インチの長さを持つ。一部の実施例において、円筒形部分1520は、約0.5インチの長さおよび約0.45インチの直径、円筒形部分1525は、約0.4インチの長さおよび約0.40インチの直径、および円筒形部分1530は、約0.3インチの長さおよび約0.27インチの直径を持つ。
【0116】
図15D〜15Gは、案内ホイール925の一実施例を描写したものである。一般に案内ホイール925は、静荷重がかかるか低速運転であるため、案内ホイール925は、軸受である必要はない。ところが、一部の実施例で、案内ホイール925は、例えばラジアル玉軸受とすることができる。案内ホイール925の中央の穴1502は、ピボットアーム552を貫通するピン930を受けるように構成されている(図10を参照)。一部の実施例において、案内ホイールは、ピン930上を転がるよう適応される。案内ホイール925は、ピボットアーム552の窪み1440を占めるよう構成された面取りのあるネック1504を持つ(図14Aを参照)。案内ホイール925のカウンタボア1506は、ピン930の端に延び、ピン930を定位置に保持する固定クリップ(非表示)を受けるように適応される。一部の実施例において、穴1502は、ピン930が案内ホイール925によって、例えば締りばめにより保持されるように構成されるが、こうした実施例では、固定クリップの使用は避けることができる。さらに、その他の実施例において、ピン930は、ピボットアーム552の穴1315の中で転がるよう適応しうる。
【0117】
一実施例において、中央の穴1502の直径は約0.2〜0.3インチ、およびカウンタボア1506の直径は約0.4〜0.5インチである。案内ホイール925の外径は約0.6〜0.8インチでもよく、およびネック1504の直径は約0.4〜0.6インチとしうる。一実施例において、案内ホイール925の幅は約0.25〜0.35インチである。一定の用途では、案内ホイール925は、最小約58 HRCに焼入れ・焼戻ししたAISIまたはSAE 52100鋼鉄で製造しうる。
【0118】
油圧比率シフト機構577(以下「シフター577」とする)の一実施例および動作についてここで説明するが、まず一定の定義を述べておくことが役立つ。図16Dを参照するが、γ角2395は、軸2380と遊星軸554の縦軸2390の間の角として定義される。軸2380は、遊星522の中心を通過し、およびバリエータ310の縦軸2385と平行である。それゆえ、遊星軸554が軸2380に平行であるとき、γ角2395はゼロに等しい。γ角2395は、最大の正値から最大の負値の範囲(例えば+35度〜−35度)を取りうることに注目すべきである。1つの望ましい実施例において、γ角2395の範囲は、約−30度〜約+30度である。バリエータ310の異なる実施例は、γ角2395の範囲がそれぞれの実施例について異なるように構成しうる。その上、一部の実施例で、γ角2395の範囲は0度について対称である必要はない。つまり、一定の実施例で、例えば、正の最大γ角2395は+41度で、負の最大γ角2395は−20度でもよい。一部の実施例では、遊星522Aについてのγ角2395の値は、遊星522Bについてのγ角2395の値と全く同じであることが望ましいことに注目すべきである。
【0119】
牽引リング525A、525Bが回転しない実施例では、軸2390の周りの遊星522の回転速度は、γ角2395に依存する。キャリア515が軸2385の周りを回転する実施例では、遊星522は軸2385の周りの軌道速度を持つ。簡単にするために、軸2390の周りの遊星522の回転速度を、遊星522の回転速度ということにし、また軸2385の周りの遊星522の軌道速度を、遊星522の軌道速度ということにする。遊星522の任意の点での表面速度は、遊星522の回転速度および軌道速度の両方に依存する。出力牽引リング530、533の速度は、遊星522と出力牽引リング530、533との間の接点での遊星522の表面速度に依存する。遊星522と出力牽引リング530、533との間の前記の接点を、「接点」ということにする。接点での前記の表面速度は、「表面速度」ということにする。駆動フランジ532の速度は、出力牽引リング530、533の速度に依存する。
【0120】
手短に言えば、一実施例では、バリエータ310の比を変化させるために、制御弁1605が遊星軸554に動作可能な形で連結されている。弁1605の状態を調節することによって、γ角2395が調節され、これによって遊星522の回転速度の変化がもたらされる。遊星522の回転速度が変化すると、出力牽引リング530、533の速度が変化し、これによって駆動フランジ532の速度が変化する。これ以降で、γ角2395の変化をもたらす、または定常に保つための、装置および方法の多数の実施例について説明する。
【0121】
ここで図16Aに移り、一実施例で、キャリア515は様々な構成要素を保持したり、またはバリエータ310の比をシフトするための機能をするが、それゆえ、キャリア515は、ここでシフター577の一部として含まれる。ところが、関連技術の当業者にとって、キャリア515の機能およびシフター577の機能は、分離して、互いに一体ではない構成要素により提供させることができることは明らかである。ここで図16Cおよび20を参照するが、シフター577には、入力シャフト510の空洞512(図17Dを参照)に囲まれた油圧制御弁1605が含まれる。図16Cおよび図20の詳細図Eに一般的に表示した弁1605について、以下に詳しく説明する。一実施例で、制御液を弁1605に供給するために、シフター577には、カバープレート560に連結された流体マニホールド565が含まれる。外部ポンプ(非表示)は、制御液をマニホールド565に供給する。その他の実施例において、ポンプは、マニホールド565、カバープレート560、またはバリエータ310のその他の領域内に位置しうる。この実施例において、マニホールド565およびカバープレート560は、入力シャフト510の周りに同軸的に取り付けられている。入力シャフト510、マニホールド565、およびカバープレート560の一定の実施例の詳細な説明については、それぞれ図17A〜17D、図18A〜18E、および図18F〜18Iを参照。
【0122】
図8Dおよび16Cを参照するが、制御弁1605は、入力シャフト510内およびキャリア515内に形成された流路814A、814Bを介してチャンバー580と流体連通する。制御ピストン582A、582Bは、チャンバー580をチャンバー580A、580Bに分割する。上述のとおり、チャンバー580は、キャリア中央ブロック804、808が1つになったものとして形成される。図16Dを参照するが、制御ピストン582A、582Bは、ピボットピンハブ805A、805Bにそれぞれ動作可能な形で連結されている。一実施例において、制御ピストン582A、582Bは、締りばめ、キー、溶接部、ねじ切り、またはその他の締付け方法を介してピボットピンハブ805A、805Bに連結されている。ピボットアーム552は、動作可能な形でピボットピンハブ805、805Bに連結されている。ピボットアーム552は、動作可能な形で遊星軸554に連結されている。遊星−遊星軸部分組立品579の例については、図5Bの説明を参照のこと。詳細な説明については、ピボットピンハブ805は図21A〜21D、制御ピストン582は図22A〜22C、ピボットアーム552は図14A〜14C、または遊星軸554は図15A〜15Cを参照のこと。
【0123】
図20に示す実施例で、制御弁1605には、その他の弁構成要素を囲み、油圧制御液を受け取り、配分するよう構成されるスプールブッシュ1610が含まれる。一実施例において、スプールブッシュ1610は、入力シャフト510のクリップ溝2003(図17Dを参照)に配置されたクリップ(非表示)により、軸方向に制約されている。スプールブッシュ1610および入力シャフト510を連結するよう適切に構成されたキー(非表示)により、スプールブッシュ1610は入力シャフト510に対して回転できる形で固定される。関連技術の当業者であれば、軸方向および回転について入力シャフト510に対してスプールブッシュ1610を制約するその他の方法を簡単に認識できる。
【0124】
スプールブッシュ1610により部分的に囲まれた、圧縮ばね1615は、入力シャフト510の窪みに対して押しつける一方の端、およびパイロット制御ピストン1620と噛み合う他方の端を持つ。パイロット制御シリンダー1625は、パイロット制御ピストン1620を受ける。この実施例において、パイロット制御シリンダー1625のフランジは、スプールブッシュ1610と噛み合う。圧縮ばね1615は、パイロット制御ピストン1620がバルブスプール1630を連続的に押しつけるように構成されていることが望ましい。フィードバックばね1635の一方の端は、バルブスプール1630に連結され、フィードバックばね1635の他方の端はフィードバックねじ1640に連結される。
【0125】
一定の実施例で、制御弁1605は、例えば、フィードバックばね1635に対してなど、パイロット制御ピストン1620のピストン領域にかかるパイロット圧の均衡がとれるように適応される。感度または最小変位の制御は、本書では、γ角2395の動作範囲により分割されたパイロット圧力範囲の動作として定義される。パイロット圧力範囲は、最大および最小のパイロット圧の差異である。一部の用途で、所定のγ角2395の範囲についてできる限り広い幅のパイロット圧力範囲を使用することが望ましい。例えば一事例で、最小変位は、γ角2395の変化1度につき、20psiのパイロット圧の変化としうる。圧力範囲は、パイロット制御ピストン1620の面積およびフィードバックばね1635の特性の選択により調節ができる。それゆえ、パイロット圧力範囲は、pressure_range = k*d/Aで与えられ、この式でkはばね率、dはフィードバックばね1635の合計たわみ範囲、およびAはパイロット制御ピストン1620の面積である。一般に、所定のAについて、フィードバックばね1635の剛性が高い(つまり、kの値が大きい)と、パイロット圧力範囲は広くなる。同様に、フィードバックばね1635のdの値が所定のγ角2395の範囲よりも大きい場合、パイロット圧力範囲は大きくなる。最後に、Aが減少すると、全体的なパイロット圧力範囲は増加する。
【0126】
さらに、パイロット圧力範囲が確立されると、その範囲の中心点は、フィードバックばね1635にかかる初期予加重を設定することで調整できる。高めのパイロット圧が望ましい場合には、フィードバックばねに大き目の予加重たわみを与えることができる。低めのパイロット圧が望ましい場合には、フィードバックばね1635に小さめの初期たわみを与えることができる。例えば、フィードバックばね1635の初期たわみが0.020インチであるとき、またγ角2395の範囲−20〜20度に対してパイロット圧力範囲が50〜250psiであるとき、初期たわみを大きくすると圧力範囲は広くなる。それゆえ、フィードバックばねの初期たわみが0.04インチであるとき、パイロット圧力範囲は、例えば約100psi〜300psiで変化しうる。一部の実施例において、フィードバックばね1635がフィードバックばね1635の線形範囲を超えて偏位していない限り、パイロット圧力範囲の中点は、パイロット圧力範囲に影響することなく上下しうる。
【0127】
一実施例において、パイロット制御ピストン1620は長さ約1.0インチで、約0.2〜0.3インチの直径を持つ中央の空洞があり、また約0.3〜0.4インチの外径を持つ。一部の実施例において、パイロット制御シリンダー1625は、パイロット制御ピストン1620を受けるよう適応された直径約0.3〜0.4インチの貫通した中央の穴を持つ。パイロット制御シリンダー1625の外径は、約0.5〜0.6インチとすることができ、また図20に示すとおり、スプールブッシュ1610の空洞内に嵌め合うように適応される。さらに、その他の実施例において、パイロット制御ピストン1620の面積を増やすには、パイロット制御シリンダー1625は使用されず、むしろ、スプールブッシュ1610の空洞内に嵌まり合うようパイロット制御ピストン1620の空洞および外径を増加させる。こうした実施例で、制御感度の設定における柔軟性の追加は、実際に、A(パイロットピストン1620の面積)を変化させる方法を提供することで得られる。一部の用途で、パイロット制御ピストン1620および/またはパイロット制御シリンダー1625は、例えば52100または440C鋼鉄で製造される。
【0128】
一実施例において、スプールブッシュ1610は、約4.5〜5インチの全長を持つ。スプールブッシュ1610の中央の空洞は、直径約0.4〜0.6インチとしうる。スプールブッシュの外径は、その一方の端での約0.7インチから他方の端での約1.1インチの範囲としうる。スプールブッシュ1610の一方の端には、フィードバックねじ1640の対応するねじ山と対の1組のクラス4アクメねじを提供しうる。1組のアクメねじは、呼び径0.75インチ、リード0.25インチ、ピッチ0.125インチとしうる。スプールブッシュ1610には、スプールブッシュ1610の外側と内側を接続する多数のポート(図20を参照)を提供しうる。一定の用途では、ポートは、一般的な約0.125インチの直径を持つ。一部の実施例で、バルブスプール1630は、長さ約2.0インチで、直径約0.25インチの中央の空洞を持ち、また約0.5〜0.7インチの外径を持つ。バルブスプール1630は、スプールブッシュ1610に嵌め合い、それと連動するよう適応されることが望ましい。一実施例において、バルブスプール1630は、例えば、52100または440C鋼鉄で製造される。スプールブッシュ1610は、例えば440C鋼鉄で製造しうる。
【0129】
図19を参照すると、制御弁1605へのフィードバックを供給するために、制御ねじ820は、動作できるように制御弁1605に連結されている。さらに具体的に言えば、一実施例で、制御ねじ820は、フィードバックねじ1640に連結されている。制御ねじ820は、フィードバックねじ1640にキー、スプライン、またはその他の方法で適切に連結することができる。一部の実施例において、制御ねじ820は、回転方向には強固に連結されているが、フィードバックねじ1640に対して軸方向には制約されていない。この実施例において、制御ねじ820は、互いにピン(非表示)により連結された左巻きねじ820Aおよび右巻きねじ820Bから成る。こうして、制御ねじ820は、機械的フィードバックが制御弁1605に供給されるよう構成しうる。後述するとおり、一部の実施例で、制御ねじ820はさらに、γ角2395の外部の測定値についてのフィードバックが提供されるように構成しうる(図23D〜23Fおよび添付テキストを参照)。
【0130】
ここで図19〜20を参照すると、リンクねじエンドストップ870A、870Bは、キャリア515内部で半径方向および軸方向に制約があり、また制御ねじ820のショルダーと境界を成し、制御ねじ820について正の軸方向のストップを提供するよう構成される。一部の実施例において、リンクねじエンドストップ870Aと入力シャフト510の間にスラスト軸受2065が配置される。その他の実施例において、スラスト軸受2065と入力シャフト510の間にスラスト座金2060を使用しうる。リンクねじエンドストップ870Bは、キャリア515により軸方向に制約がある。一部の実施例において、スラスト軸受またはスラスト座金(非表示)は、キャリア515とリンクねじエンドストップ870Bの間に配置しうる。図示した実施例で、軸受2070は、キャリア入力キャップ802およびキャリア出力キャップ806内の窪みにより半径方向に配置される。リンクねじエンドストップ870A、870Bもまた、軸受2070の半径方向に、またはその内側に配置される。リンクねじエンドストップにより、制御ねじ820のための半径方向の支持が提供される。図20に示すとおり、軸受2070は、リンクねじエンドストップ870A上に取り付けられ、キャリア515を半径方向に支持する。一実施例において、中央スリーブ1615は、制御ねじ820の中央部分を覆い、またチャンバー580の部品を形成するためのシーリング内スリーブとして機能する。
【0131】
一実施例において、制御ねじ820は、制御ねじナット825A、825Bを介してピボットピンハブ805A、805Bに連結される。それゆえ、制御ねじ820は、制御ねじ820が、遊星軸554が遊星アレイ522Aおよび522Bのそれぞれについて同一のγ角2395であるよう確保するという点で、同期用の装置または同期装置として機能する。
【0132】
一部の実施例において、制御ねじ820は約19インチの全長を持つ。一実施例において、ねじ820A、820Bは、約3インチのリードを持ち、ここでねじ820Aは左巻きねじ山、またねじ820Bは右巻きねじ山を持つ。一定の用途では、制御ねじ820の呼び径は約1.0インチとしうる。一実施例において、中央スリーブ1615は約6.5〜7.0インチの全長を持つ。一部の実施例において、中央スリーブ1615は、約1.5インチの外径および約1.0インチの内径を持つ。一実施例において、フィードバックねじ1640は、約0.8〜0.9インチの全長、約0.75インチの呼び径を持つアクメねじ、および六角形形状の直径約0.3インチの穴を持つ。
【0133】
図17A〜17Dおよび20を追加的に参照すると、γ角2395を変化させるために、パイロット圧は、入力シャフト510のポート2005および流路1725(図17Dに部分的に表示)を介してパイロット圧チャンバー2010に供給され、ここでパイロット圧が、パイロット制御ピストン1620にかかる。パイロット制御ピストン1620にかかるパイロット圧が増大すると、パイロット制御ピストン1620は、フィードバックばね1635に向かいバルブスプール1630を軸方向に移動させ、それによってそれを偏向させる。ライン圧は、ラインポート2015から、入力シャフト510の流路1730(図17Dに部分的に表示)を経由して、スプールブッシュ1610のポート2020に供給される。バルブスプール1630がフィードバックばね1635を偏位させると(それによって図20で右の方向に移動)、制御液はポート2020からポート2025に流れることができる。次に、制御液が流体ポート2025から流路814Aに流れ、それがチャンバー580Aに供給される(図16Cを参照)。チャンバー580Aが充填されると、制御ピストン582A、582Bは、チャンバー580の中心から離れる方向に移動する。
【0134】
チャンバー580Bの制御液は、流路814Bに連結されたポート2030が、通気ポート1650と流体連通するようになると、バルブスプール1630の通気ポート1650により換気される。制御液の通気に関する詳細な説明については、下記の図17A〜17Dに関する入力シャフト510の説明を参照のこと。パイロット圧チャンバー2010のパイロット圧が下がると、制御ばね1635により、バルブスプール1630が作動して左に移動し、それによって、流体ポート2020と2030の間の流体連通が許容される。次に、制御液は流路814Bおよびチャンバー580Bに流入し、それによって制御ピストン582A、582Bがチャンバー580の中心に向けて移動する。次に、チャンバー580Aの制御液は、流路814Aおよびポート2025により排出される。
【0135】
上述のとおり、パイロット圧を高くすると、制御液は、チャンバー580Aに注入され、またチャンバー580Bから排出されるようになる。チャンバー580Aが注入されると、チャンバー580Aの制御液は制御ピストン582をチャンバー580の中心から外方向に押し出す。ピボットピンハブ805は、制御ピストン582に連結されているため、ピボットピンハブ805はチャンバー580の中心から離れる方向に軸方向に移動する。つまり、ピボットピンハブ805Aは左方向に移動し、一方で同時に、ピボットピンハブ805Bは右方向に移動する(ここで「左」および「右」は、図16C〜16Dの平面上で見たとき)。ピボットピンハブ805の軸方向の移動により、ピボットアーム552はピボットピン815の周りを回転する。ピボットピンハブ805のピボットアーム552に対する作用は、ピボットアーム552の遊星522の中心の周りの回転にもつながることに注意すべきである。
【0136】
こうして、チャンバー580A、580Bの注入または排出により、制御ピストン582が作動する。制御ピストン582の軸方向の移動により、ピボットピンハブ805の軸方向の移動が発生し、これが今度はピボットアーム552の回転運動を発生させる。ピボットアーム552は、遊星軸554に連結されているため、ピボットアーム552が回転すると遊星軸554が傾き、それによってγ角2395が変化する。
【0137】
前述のとおり、一実施例で、ピボットピンハブ805は、制御ねじナット825に強固に接続され、これが制御ねじ820にねじ込まれる。制御ねじ820には、反対のねじ山がありピン(非表示)により連結されている2本のねじ820A、820Bが組み込まれているため、制御ねじ820は、ターンバックルのような働きをする。制御ねじ820にある反対のねじ山により、制御ピストン582が反対の方向に移動すると、制御ねじ820は一定した1つの回転で駆動される。制御ねじ820は回転するが軸方向には移動しない。例えば、ピボットピンハブ805Aが左に移動すると、制御ねじナット825Aにより、左巻きねじ山を持つ制御ねじ820Aの回転が起こる。制御ねじ820Aは、フィードバックねじ1640に回転するように連結されているため、制御ねじ820Aにより、フィードバックねじ1640も回転するようになる。スプールブッシュ1610のねじ山でのフィードバックねじ1640の回転により、フィードバックねじ1640が軸方向に移動し、それによって、制御ばね1635に対して反応し、制御ばね1635のたわみを変化させる。バルブスプール1630は、荷重ピストン1620および制御ばね1635にかかる圧力からの力により均衡が保たれる。制御ばね1635の力がパイロット圧を上回ると、バルブスプール1630が制御ばね1635により作動する。バリエータ310の比は、バルブスプール1630がポート2030および2025を閉じ(図20に示すとおり)、それによってチャンバー580A、580Bの注入や排出のためのポート2020(ライン圧)とポート2030または2025のいずれかの間の流体連通が阻止されるように、バルブスプール1630が位置したときに安定に保たれる。バルブスプール1630は、弁荷重ピストン1620と制御ばね1635との間のバルブスプール1630による相互作用により生成される力の均衡によって、その定常比の位置(steady-ratio position)が達成される。(¶21)制御ピストン582がチャンバー580の中心から離れて移動すると、制御ばね1635のたわみは、制御ばね1635の力とパイロットピストン1620のバルブスプール1630に対する力との間の均衡が達成されるまで変化する。この様に、フィードバックねじ1640の位置制御、およびそれによるγ角2393の制御が達成される。
【0138】
以下に、γ角2395が変化したときのバリエータ310の一定の動作を描写する。描写の目的で、入力シャフト510は時計方向の方向に回転し、ここで観察者は入力シャフト510をキャリア入力キャップ802と接触する入力シャフトフランジ1715の側で観察しているものと想定する。下記の考察において、角度方向の言及はすべて、入力シャフト510の角速度の方向に関連して行われる。
【0139】
図示した実施例で、キャリア515は入力シャフト510に直接的に連結されているため、キャリア515は、入力シャフト510と同じ方向に回転する。それゆえ、入力シャフト510は時計方向に回転すると想定されているため、キャリア515も時計方向に回転する。キャリア515は、遊星軸554に連結された軸受920を押す。牽引リング525A、525Bは、回転するように固定されているため、また遊星522は牽引リング525A、525Bおよびアイドラー562上を転がるため、遊星522は、軸2390の周りを反時計方向に回転する。この実施例において、遊星522の軸2390の周りの回転は、常にキャリア515の回転方向とは逆の方向である。さらに、キャリア515も、遊星522が軸2385の周りを時計方向に周回する原因となる。この実施例において、遊星522は、常にキャリア515の回転と同じ角度方向に周回する。遊星522の周回速度は、それがキャリア515の回転速度により決定されるという意味では「固定」されているが、軸2390の周りの遊星522の回転速度は、γ角2395を変化させることで変化しうる。
【0140】
図16Dに関連して、説明の便宜を図り、局所的な座標系592A、592B、592C、および592D(集合的に、座標系592)は、バリエータ310の中央の縦軸から離れる方向を指すy軸の正の方向と、チャンバー580Aにより代表されるバリエータ310の中央部分を向かう方向を指すx軸の正の方向を持つ座標系として定義される。本書で使用するとき、遊星522の「極」は正反対で、遊星軸554の端により定義される軸上に位置する遊星522の表面上の点を意味する。本書で使用するとき、「赤道」は、遊星522の中央を通過する平面上に位置し、遊星軸554の端により定義される軸と直行する、遊星522の表面上の点を意味する。
【0141】
さらに図16Eを参照すると、バリエータ310の一実施例の一定の構成要素の回転速度を示している。遊星522、キャリア515、出力牽引リング530、533の速度は、それぞれP、C、およびTとして示している。チャンバー580の中心で制御ピストン582がその極端な位置になると、γ角2395はその最大正値となり、また遊星522の速度Pはその最低の反時計方向の値となる。最大正γ角2395で、接点は極に最も近く、また牽引リング530、533の時計方向の回転速度Tはその最大値である。逆に、制御ピストン582A、582Bがチャンバー580の中心から最も遠いその極端な位置になると、γ角2395はその最大負値になり、また遊星522の速度Pは、その最大の反時計方向の値となる。最大負γ角2395で、接点は、赤道に最も近く、また牽引リング530、533の反時計方向の回転速度Tはその最大値である。γ角2395がゼロに等しくなると、遊星522の回転速度および軌道速度Pは組み合わさり、接点での表面速度はゼロになる。それゆえ、牽引リング530、533(したがって、駆動フランジ532の回転速度)の速度Tもゼロである。
【0142】
この例において、γ角2395の初期値がゼロに等しいと仮定して、弁1605でのパイロット圧が上ると、制御ピストンがチャンバー805Aの中心から離れる方向に移動し、これによって、ピボットアーム552A、552Bは、遊星522の周りを回転することになり、それによって負のγ角2395が増加する方向に遊星軸554が作動させられる。その結果、接点は赤道方向に移動し、反時計方向の遊星522の回転速度は増加し、また牽引リング530、533の反時計方向の速度は増加する。それゆえ、この実施例で、駆動フランジ532の速度は牽引リング530、533の速度と等しいため、γ角2395がゼロに等しいところからパイロット圧を上げると、駆動フランジ532の反時計方向の速度が増加することになる。
【0143】
プロセスを逆にすると(つまり、γ角2395がゼロに等しいときのパイロット圧を下げると)、チャンバー580Bは拡張し、チャンバー580Aは収縮する。これにより、制御ピストン582およびピボットピンハブ805は、チャンバー580の中心の方向に移動するようになる。ピボットピンハブ805により作動させられて、ピボットアーム552A、552Bは遊星522の周りを回転し、それによって遊星軸554は正のγ角2395が増加する方向に作動させられる。接点は極に向かって移動し、遊星522の反時計方向の速度は減少し、結果的に牽引リング530、533の時計方向の速度は増加し、これにより最終的に駆動フランジ532の時計方向の速度が増加することになる。それゆえ、この実施例で、弁1605でのパイロット圧を下げると、駆動フランジ532の時計方向の速度が増加することになる。
【0144】
牽引リング530、533の速度、またしたがって駆動フランジ532の速度は、接点での遊星522の表面速度の関数である。遊星軸554は、制御ピストン582の作動によりγ角2395が変化し、これにより遊星522の回転速度が変化するように、制御ピストン582に動作可能な形で連結されている。つまり、遊星522の回転速度は、γ角2395の関数である。ところが、表面速度は、遊星522の回転速度および軌道速度の両方の関数である。反時計方向の遊星522の回転速度の表面速度に対する効果が、時計方向の遊星522の軌道速度の効果を上回ると、またはその逆になると、牽引リング530、533の速度の方向は反転し、これが実際に駆動フランジ532の速度の反転になる。
【0145】
遊星522の表面速度は、一定の速度範囲全体で滑らかに変化しうるため、バリエータ310は連続可変速度比を提供する。つまり、バリエータ310の一定の実施例は、連続可変変速機を提供するために使用できる。さらに、一定の実施例で、遊星522の速度は反時計回りであり、またキャリア515の速度は時計回りであるため、牽引リング530、533の速度(またそれによって、駆動フランジ532の速度)は、時計回りの方向の一定の値から、減少してゼロになり、反時計回りの方向の一定の値に増大しうる。その結果、バリエータ310の一定の実施例は、動力ゼロ状態を持つことが可能で、バリエータ310の前記の実施例は、無限可変変速機となりうる、またはそれに導入しうる無限可変装置となりうる。
【0146】
ここで図17A〜17Dを参照すると、入力シャフト510の一実施例を示している。シャフト510は、原動機または動力源の駆動シャフト、またはその他のトルク伝達装置への連結のための駆動スプライン1705を持つ。一実施例において、駆動スプライン1705は、例えば弁1605などの油圧制御弁を受け、それを囲むように構成された弁ハウジング1710に連結される。弁ハウジング1710は、示した実施例において、キャリア515にトルクを伝達し、またキャリア515の流路812、814A、および814Bへの流体の通過を許容するよう適応されているマニホールドフランジ1715に連結される。マニホールドフランジ1715は、ボルト孔1720に配置されたボルト(非表示)でキャリア515に取り付けることができる。ドリル穴1724、1726は、パイロット圧流体ポート2005をチャンバー2010と流体連通させる流路1725(部分的に図示)の作成を促進する(図20も参照)。ドリル穴817、1781は、弁1605とチャンバー580Aの間の流体連通のための流路814Aの作成を促進し、またドリル穴818、819は、弁1605とチャンバー580Bの間の流体連通のための流路814Bの作成を促進する。
【0147】
マニホールドフランジ1715の窪み1765は、特に、油圧制御液が弁1605からバリエータハウジング505の空洞に排出されるよう構成される。上記の説明のとおり、弁1605の動作時、チャンバー580Aまたは580Bからの作動油の排出は、弁1605の通気ポート1650による。排出された流体は、バルブスプール1630の空洞1655に入り、制御ばね1635の方向に流れる。次に、排出された流体は、入力シャフト510の流路1752、1754(部分的に図示)を通過し、マニホールドフランジ1715に入り、窪み1765を横切り、フランジ通気ポート1770を経由してマニホールドフランジ1715に出る。排出された流体は、バリエータハウジング505に集まる。外部ポンプ(非表示)は、制御液を集め、マニホールドフランジ1715へのライン圧として再循環する。
【0148】
一実施例において、弁ハウジング1710は、シール溝1756による境界のある3つの流体チャンバーを持つ。第一のチャンバーには、ライン圧力流体流路1730と連通するライン圧力流体ポート2015が含まれる。第二のチャンバーは、パイロット圧流路1725と連通するパイロット圧力ポート2005を持つ。第三のチャンバーは、数ある中でも、潤滑油流路1763と連通するいくつかの潤滑油ポート1758を持つ。図20に、弁ハウジング1710に埋め込まれた多様な流体流路の追加的な詳細を示す。
【0149】
一実施例において、入力シャフト510は、約7.5〜8.0インチの全長を持ち、ここで弁ハウジング1710の外部の長さは約5〜6インチとし、駆動スプラインの長さは約2〜3インチとしうる。一部の実施例において、弁ハウジング1710の外径は、約2〜3インチとしうる。一実施例において、マニホールドフランジ1715は、約7〜8インチの外径および約0.5〜1.0インチの幅を持つ。一定の用途では、空洞512は、直径が約0.75インチ〜約1.25インチで異なるいくつかの部分で形成され、同様にこれらの部分の長さは、約0.5インチ〜約2.0インチで異なりうる。入力シャフト510内に形成される様々なポートおよび流路は、一般に約0.125〜0.30インチの直径を持つ。一実施例において、入力シャフト510は、例えば、SAE 8620またはSAE 1060鋼鉄で製造される。
【0150】
図18A〜18Eは、図16A〜16Dの油圧システムと併用しうるマニホールド565の一実施例を描写したものである。マニホールド565は、ベルハウジング531とカバープレート560の間に強固に連結される。マニホールド565は、潤滑油ポート1802および潤滑油流路1804を持つマニホールドとして部分的に機能する。一実施例において、潤滑油流路1804は、マニホールド656の中心に対して約90度の間隔で配置された4つの分岐を持つ。マニホールド656の本体内での潤滑油流路1804の形成を促進するドリル穴1880は、バリエータ310の動作中に適切に塞がれる。マニホールド565にはさらに、油圧弁1605に作動油を供給するためのライン圧ポート1806およびパイロット圧力ポート1808が含まれる。ポート1806および1808は、それぞれ対応した作動油流路1810および1812を持つ。ドリル穴1882および1884は、バリエータ310の動作中に適切に塞がれるが、それぞれ作動油流路1810および1812の形成を促進する。一実施例において、ライン圧流路1810は、少なくとも2つの分岐を持つ。
【0151】
この実施例において、マニホールド565は、マニホールド565のカバー560への連結を促進するボルト孔1814を持つ。図18A〜18Bで図示したとおり、この実施例では、マニホールド565は、流路1804、1810、および1812が形成される中実の材料の部分を持つ。マニホールド565は、入力シャフト510を受けてそれを取り付ける中央の穴1818を持つ。重量を減らすために、この実施例では、材料はマニホールド565から除去され、窪み1816が残っている。
【0152】
一実施例において、マニホールド565の外径は、約11.0〜11.5インチとしうる。一定の用途では、中央の穴1818は、約2.0〜3.0インチ、より望ましくは2.25〜2.75インチ、さらに最も望ましくは約2.5インチの直径を持ちうる。図18D〜18Eに図示した実施例で、マニホールド565は、最も広い地点で約2.5インチの断面の幅を持つ。一部の実施例において、潤滑油ポート1802、ライン圧ポート1806、およびパイロット圧力ポート1808は、約0.7〜0.9インチの直径を持つ。潤滑油流路1804、ライン圧流路1810、およびパイロット圧流路1812の直径は、約0.2〜0.3インチとしうる。
【0153】
図18F〜18Iは、入力マニホールド565およびベルハウジング531への連結のための多数のボルト孔4205を持つカバープレート560の一実施例を示す。カバープレート560には、針状ころ軸受(非表示)などの軸受要素を受けるよう適応された中央の穴4210が含まれる。カバープレート560はさらに、入力マニホールドフランジ565を受けるように構成されたカウンタボア4215を持つ。溝4220は、Oリング(非表示)などの密封要素を受けるために、カバープレート560の外径上に形成される。一実施例において、カバープレート560は、約12インチの外径を持つ。カウンタボア4215の直径は、約11.2〜11.5インチとしうる。中央の穴4210は、約3.0インチの直径を持ちうる。
【0154】
ピボットピンハブ805は、図21A〜21Dに図示されている。ピボットピンハブ805は、中央の穴2105および円筒体の外径に沿って配置されたいくつかのフィンガー対2110を持つ一般に円筒の本体である。表示した実施例で、それぞれのフィンガー対2110は、ピボットピンブロック810(図8を参照)を受けるように構成された2つの向かい合うフィンガーから成る。ピボットピンハブ805の一方の端は、ピボットピンハブ805に接し、制御ねじナット825への締付けを促進するボルト孔2120のある平坦面2115を持つ。ピボットピンハブ805の他方の端は、ピボットピンハブ805を制御ピストン582に回転できるように連結する止め座金にあるタブと噛み合わせるための、その上に形成されたフルート2125を持つ。穴2105は、制御ねじナット825および制御ピストン582を受けるように適応される。
【0155】
一実施例において、中央の穴2105は、約1.5〜2インチの直径を持つことができ、ここで中央の穴2105の直径は、制御ねじナット825および/または制御ピストン5832と連動するように適切に選択される。一部の実施例において、フィンガー対2110は、中央の穴2105の中心から約1.5〜2インチの半径に半径方向に延びている。一定の用途では、フィンガー対2110にあるそれぞれのフィンガーの幅は約0.5〜1.0インチ、またフィンガー対2110のフィンガーの間の間隔は約0.3〜0.5インチである。一部の実施例において、ピボットピンハブ805は、例えば、SAE 4140、または4150、熱処理鋼で製造される。
【0156】
図22A〜22Cの実施例に示すとおり、フランジ2210に連結された制御ピストン582は、一般に円筒体2205から成る。中央の穴2215は、円筒体2205およびフランジ2210を貫通する。その外周上、フランジ2210は、シール(非表示)を受けるための窪み2220を持つ。本体2205の一端は、外径が小さく、溝2225が見える。溝2225は、制御ピストン582をピボットピンハブ805に回転できるように固定する止め座金タブ(非表示)を受けるように構成されている。一実施例において、制御ピストン582は約5インチの全長を持つ。中央の穴2215は、約1.5インチの直径を持ちうる。フランジ2210の外周での制御ピストン582の外径は、約4.0〜4.5インチとしうる。円筒体2205の表面での外径は、約2.0〜2.5インチとすることができ、さらに望ましくは約2.25インチである。
【0157】
ここまでの開示で、バリエータ310用の潤滑システムに何回か言及してきた。一実施例では、1カ所にまとめるために、バリエータ310には、ポンプ(非表示)、マニホールド565、入力シャフト510、およびキャリア515が含まれる潤滑システムを提供しうる。一部の実施例において、制御液用に使用したものと同じタイプの流体を、潤滑システム用に使用する。一実施例において、マニホールド565は潤滑油を受け取り配分するように適応しうる。例として図18A〜18Eおよび添付テキストを参照のこと。入力シャフト510およびキャリア515には、キャリア515の潤滑油ポート885およびタレット887に供給するためのポートおよび流路(例えば図17Bおよび8Cに図示したポート1758および流路812)を提供できる。この様に、潤滑油は、遊星−ピボットアーム組立品579に吹きかけまたは注入することができる。
【0158】
バリエータ310の一定の実施例で、キャリア515が、バリエータ310の縦軸の周りを回転するよう構成されているとき、キャリア515は、別個の潤滑油ポンプの補助なしに、遠心ポンプとして振る舞い、また潤滑油を循環させる傾向があることが観察された。この効果は、潤滑油の遠心力に起因するタレット887およびその他の潤滑油ポートでの圧力の増加によるものと理論付けられる。潤滑油入口ポートの位置よりも大きな半径方向の直径にある潤滑油出口ポートがある一実施例で、遠心力による圧力の増加は、P_exit = P_inlet + ρ*r*ω2であり、この式でP_exitは出口ポートの圧力、P_inletは入口ポートの圧力、ρは流体の密度、rは入口ポートから出口ポートまでの半径方向の距離、およびωはキャリア515の回転速度である。出口ポートが、固定された大きさのオリフィスおよび/または流体の制限を持つものである場合には、P_exitが増加すると、出口ポートを通過する流量が増加することになる。流量の増大により、より多くの流体がシステムを通過しP_inletが一定に保持されている限り、システムの流量はωといくらかの比例関係で増加する。この遠心ポンプ作用により、外部ポンプなしにシステム全体に潤滑油が循環される傾向にある。
【0159】
一実施例において、駆動フランジ532およびキャリアスプラインシャフト844からの出力は、ギアセット320により合計されるが、これには、複合遊星ギアセットを含みうる。図23A〜23Cは、連続式バリエータ310に連結しうるギアセット320の一実施例を描写したものである。一般に、ギアセット320は、遊星キャリア2305、遊星軸2310、遊星歯車2315、太陽歯車2320、およびリングギア2325を持つ遊星ギアセットを含みうる。軸受、座金など、遊星ギアセットで一般的な共通した一定の構成要素は、表示されていない。太陽歯車2320は、1組の遊星歯車2315によってリングギア2325に操作できる形で連結されている。図示した実施例で、ギアセット320には、リングギア2325に連結されている駆動プレート2330が含まれる。一定の実施例で、駆動プレート2330は、出力シャフト585に連結され、それにトルクを伝達する。ハウジング590(図5Aを参照)内にシャフト585を保持するために、軸受2335はシャフト585の周りに同軸で取り付けられ、およびハウジング590と境界面を持つよう適応された軸受スリーブ2340を通されている。囲いを完成するために、軸受ナット2345、シール2347、およびシールキャップ2349が提供されうる。
【0160】
一部の実施例において、例えば図5Aで示した実施例において、牽引リング525Bは、トルク反作用リング525Cを介して接地された遊星キャリア2305に動作可能な形で連結される。前記の実施例で、遊星キャリア2305は、バリエータハウジング505にボルト締めされ、駆動フランジ532の中心を通り、カムまたはスラスト軸受なしにトルク反作用リング525Cでの軸力に反応する。一実施例において、駆動フランジ532は、太陽歯車2320に連結されている。この実施例において、軸力に反応する固定部材があり、駆動フランジ532は、出力トルクを固定部材を通り過ぎて供給するよう構成されている。回転するように固定された遊星キャリア2305がそのタスクを促進する。遊星ギアセット320の太陽歯車2320は、例えば、締りばめにより駆動フランジ532に強固に取り付けられている。太陽歯車2320および駆動フランジ532は、ここでは2つの別個の部品として表示されているが、太陽歯車2320および駆動フランジ532は単一の部品としうる。
【0161】
一実施例において、遊星キャリア2305は、約3.0〜3.5インチのスプラインピッチ径を持ちうるスプライン延長部2307に連結される。図23Cの実施例に示すとおり、スプライン延長部2307は、遊星キャリア2305と一体とすることができる。一部の実施例において、遊星軸2310を支持するための遊星キャリア2305のシャフト直径は約6.5〜7.0インチで、約6.75インチであることが望ましい。遊星キャリア2305は、例えば、4140熱処理鋼で製造しうる。
【0162】
ここで図23Dを参照するが、バリエータ310に連結しうるギアボックス2382の一実施例には、複数の範囲またはモードを持つ連続または無限可変変速機を提供する複数の遊星ギアセットを含めることができる。図示した実施例で、ギアボックス2382には、駆動フランジ532に連結しうる太陽歯車S1が含まれる。太陽歯車S1は、キャリアC1により保持されている、連結された一組の遊星歯車P1、P2に連結され、これがハウジングH1に接地される。一実施例において、キャリアC1の延長部C1Eは、反応リング525Cに連結される(図5Aを参照)。遊星歯車P2はリングギアR1に連結される。それゆえ、駆動フランジ532は太陽歯車S1を駆動し、今度はそれがP1を経由してP2を駆動するため、リングギアR1は、バリエータ310からの電力入力要素の役割をする。
【0163】
リングギアR1は、連結された1組の遊星歯車P3、P4に連結するよう適応される。キャリアC2は遊星歯車P3、P4を保持する。遊星歯車P4は、太陽歯車S2に連結され、また遊星歯車P3は太陽歯車S3に連結される。シャフト844(図5Aを参照)、またはその延長部は、太陽歯車S2に連結されうる。キャリアC2はさらに、遊星歯車P5およびP6を保持する。遊星歯車P6は、シャフト2387に連結され、これは駆動フランジ532の入力およびシャフト844の入力から得られた合計出力を供給できる。キャリアC2は、遊星歯車P5およびP6も保持し、これはリングギアR2に連結される。
【0164】
2つのクラッチ、低レンジクラッチCLおよび高レンジクラッチCHは、ギアボックス2382の要素をシャフト2387に選択的に連結する。低レンジクラッチCLは、低速フォワードレンジでキャリアC2をシャフト2387に連結させるよう噛み合わせうる。高レンジクラッチCHは、高速フォワードレンジで太陽歯車S3をシャフト2387に連結させるよう噛み合わせうる。逆転モードを提供するためのリバースクラッチCRは、遊星歯車P5およびP6を介してリングギアR2に連結される太陽歯車S4を介して、キャリアC2をシャフト2387に連結させるよう噛み合わせうる。こうして、一実施例で、バリエータ310を、ギアボックス2382に連結して、低速および高速の範囲で(2つの前進モード、2つの前進クラッチ)、また逆転モードでも、連続的な速度の変化を提供することができる。
【0165】
図23D〜23Fは、試験中または日常的なバリエータ310の運転中に、γ角2395の値の指標を提供するために使用しうるγ角試験組立品2350(「γテスター2350」)を示す。γテスター2350は、制御ねじ820Bのキャリア515に対する相対的な回転を測定する。制御ねじ820の回転は、遊星軸の傾き554に運動学的に連結されているため、制御ねじ820の回転量の指標の1つは、γ角2395の値の直接的な表示を提供する。表示した実施例で、γテスター2350には、例えば遊星キャリア2305に連結するよう構成されたプレート2354を取り付けることにより支持される近接プローブ2352が含まれる。固定プレート2356は、取付け用プレート2354に突き合わされ、それに固定される。一部の実施例において、近接プローブ2352は、ホール効果センサー、渦電流センサー、無接点近接センサー、または接点のある線形可変容量トランスデューサ(LVDT)としうる。近接プローブ2352は、γセンサーキャップ2358から適切な距離に配置され、これがγねじリンク2360の一端を覆っている。一定の実施例で、ケーブル2351は、近接プローブ2352から適切な信号受信装置(非表示)に信号を伝送するために、近接プローブ2352に連結される。
【0166】
γインサート2364は、片方の端にあるγエンドキャップ2362に突き合わされた一般に円筒形のチューブで、他方の端に、γねじ2366にねじ込むためのねじ山を持つ。一部の実施例において、γインサート2364は、キャリア515に固定される。γインサート2364の穴は、γねじリンク2360およびγねじ2366を囲い、これがγインサート2364内にねじ込まれる。γインサート2364内に囲まれたばね2365は、γねじリンク2360の周りに同軸に配置され、およびγエンドキャップ2362に突き合わされる。γ六角リンク2363は、制御ねじ820Bに強固に取り付けられ、またγねじ2366に連結される。
【0167】
動作中、制御ねじ820Bの回転により、γねじ2366が回転し、それによって、γインサート2364のねじ山を軸方向に移動する。γねじ2366が軸方向に移動すると、γねじ2366は、γばね2365に反応するフランジ2361を持つγねじリンク2360を駆動する。ばね2365は、バックラッシを予防し、γねじリンク2360がγねじ2366に接触した状態を保つための予荷重を提供する。一実施例において、γエンドキャップ2358は、遊星522のシフトの全範囲(例えば、+/−30度)に対して、軸方向に約0.150インチ移動する。エンドキャップ2358の変位量は、γねじ2366のリードおよびその他の空間的考慮事項に基づく。より高い最小変位は、所定の範囲のγ角2395についてγエンドキャップ2358の軸方向の移動をより大きくすることで達成が可能である。
【0168】
牽引リング2400の一実施例を図24A〜24Bに示す。牽引リング2400は、牽引リング525A、525B、530、または533のいずれかとして使用しうる。牽引リング2400は、牽引面2405を持つ一般に環状のリングである。牽引面2405は、牽引面2405と遊星522の表面の地点との間で運ばれる流体弾性力学的流体層を介して、トルク伝達を促進するよう適応することが望ましい。表示した実施例で、牽引リング2400はさらに、その外径に1組のスプライン2410を持つ。ところが、その他の実施例において、牽引リング2400は、例えば、キーを介して駆動フランジ532に連結されるよう適応することもできる。
【0169】
一定の用途で、牽引リング2400は、約12〜13インチの外径、および9.5〜10.5インチの内径を持つ。牽引リング2400の厚みは、1.0〜1.5インチとしうる。牽引面2405は、牽引リング2400の直線面2407に対して、約10〜70度、望ましくは20〜60度の間、さらに望ましくは30〜50度の間、そして最も望ましくは約35〜45度で角度をつけることができる。一実施例において、牽引リング2400は、SAE 8630HまたはSAE 8640鋼鉄で製造され、これは浸炭硬化および/または熱処理をすることができる。牽引面2405には、実質的に介在物がないことが望ましい。
【0170】
図25A〜25Dは、バリエータ310からトルクを取り出し伝達するために使用しうる駆動フランジ532の一実施例を示す。駆動フランジ532は、その端の一方に内歯スプライン2510を持ち、また他方の端にキャップ2515を持つ環状の円筒体2505から成る。キャップ2515は、シャフト、歯車、またはギアセット320の太陽歯車2320などその他のトルク伝達要素に連結されるよう適応された中央の穴2520を持つ一般に円形のプレートである。図示のとおり、一部の実施例で、円筒体2505およびキャップ2515は、2つの個別の部品を1つに連結したものではなく、1つの一体の部品とすることもできる。駆動フランジ532は、その大きなカーブのため、最大のトルク容量を持つ。さらに、一部の実施例で、駆動フランジ532は、その重量を減らすために切り抜き2525を持ちうる。速度増加のために、駆動フランジ532には、穿孔またはオリフィス2530をさらに含めることができる。
【0171】
一実施例において、駆動フランジ532の外径は約14〜14.5インチである。一部の実施例において、スプライン2510のピッチ径は約13〜13.5インチである。一定の用途では、駆動フランジ532の全長は、約13インチとしうる。中央の穴2520は、約4〜5インチの直径を持ちうるが、ここで一部の実施例については、中央の穴2520は、駆動フランジ532を遊星ギアセット320の太陽歯車230に適切に連結するよう適応されていることが望ましい。
【0172】
図26A〜26Bは、バリエータ310の一部の実施例でカムフランジ705、ローラーリテイナー710、およびカムベース715を置き換えるために使用しうる、反応フランジ2600を示す。一実施例において、反応フランジ2600には、カム荷重ピストン720に対する軸力に反応する表面2602が含まれる。反応フランジ2600の内歯スプライン2604は、例えば牽引リング525Aの対応するスプラインと対になるよう適切に適応されている。一群の窪み2606により、反応フランジ2600の回転を阻止するためのドエル(非表示)の使用が促進される。それゆえ、反応フランジ2600は、軸力の反作用および牽引リング525Aの回転防止の両方が提供されるよう適応される。
【0173】
一実施例において、反応フランジ2600は、約13.5〜14インチの外径を持ちうる。内歯スプライン2604のピッチ径は、約12.5インチとしうる。一部の実施例において、反応フランジ2600は、約2.5〜3.0インチの幅を持ち、また直径約10.5〜11インチの中央の穴を持ちうる。一実施例において、反応フランジ2600は、例えば4140熱処理鋼で製造しうる。
【0174】
図27A〜27Bは、中央カム組立品570の代用としてバリエータ310と併用しうるトルク伝達カプリング2700を図示したものである。継手2700は、その端付近に内歯スプライン2705を持つ一般に環状の円筒である。継手2700はさらに、その外径上に、その中央部分付近に1組の外歯スプライン2710を持つ。内歯スプライン2705は、バリエータ310の牽引リング533および530に噛み合うよう適応されている。外歯スプライン2170は、駆動フランジ532に噛み合うよう構成されている。図示した実施例で、継手2700は、重量を減らし、かつバリエータ310内での潤滑油の流れを促進するために1つ以上の切り抜き2715を持ちうる。一実施例において、外歯スプライン2710は、約13.0〜13.5インチのピッチ径を持ち、また内歯スプライン2705は約12.5〜13インチの直径を持つ。一定の用途では、トルク伝達カプリング2700の幅は、約5〜6インチとしうる。一部の実施例において、トルク伝達カプリングは、4140熱処理鋼で製造しうる。
【0175】
反応フランジ2800を、図28A〜28Bに示す。この実施例におけるフランジ2800は、特に、牽引リング525Bがバリエータ310の縦軸の周りを回転することを防止する回転防止用のトルク反作用要素として機能する。表示した実施例で、フランジ2800は、片方の端にある1組の内歯スプライン2810と、他方の端にあるカバー2815を持つ円形の本体2805である。カバー2815は、1組のスプライン2825を持つ中央の穴2820を持つ。スプライン2810は、牽引リング525Bの対応する組の歯車スプライン2410に連結するよう適応されている。スプライン2825は、遊星キャリア2305の対応する組のスプライン2307に噛み合い、これが一部の実施例では、バリエータハウジング505に強固に取り付けられている。材料の切り抜き2830は、フランジ2800の重量を減らすために、また、バリエータ310全体での潤滑油の動きを促進するために提供されている。一部の実施例において、反応フランジ2800には、本体2805内に形成された多数の潤滑油流路(非表示)が提供される。一実施例において、反応フランジ2800は、約13インチの外径を持つ。一部の実施例において、スプライン2810のピッチ径は約12.5インチで、一方、スプライン2825のピッチ径は約3〜3.5インチである。一実施例において、反応フランジ2800の全幅は約4インチである。一定の用途では、反応フランジ2800は、例えば、4140熱処理鋼で製造しうる。
【0176】
入力カムフランジ2900の一実施例を図29A〜29Bに示す。入力カムフランジ2900は、1組の内歯スプライン2910を持つ一般に円筒形の管状の本体2905から成る。一部の実施例において、入力カムフランジ2900は、一群のカムランプ2920を提示するフランジ2915を持つ。入力カムフランジ2900のネック2925は、転がり要素保持器710およびカムベース715を受けるよう構成されている(図7Aを参照)。フランジ2915と内歯スプライン2910の間に、入力カムフランジ2900は、アンローダピストン725(図7Aを参照)に反応するよう適応された窪み部分2930を持つが、これは、フランジ形状2915をカムランプ2920とは反対の側に押しつけるよう構成されている。
【0177】
一実施例において、フランジ2915での入力カムフランジ2900の直径は約12.5〜13.5インチである。内歯スプライン2910の直径は、約11.5〜12.5インチとしうる。ネック2925の外径は、約10.8〜11.2インチ、ネック2925の内径は、約10.1〜10.7インチとしうる。ランプ2920は、入力カムフランジ2900の中心の周りに角度間隔をもたせたパターンで配置された1セット8個のランプ2922、2924としうる。一実施例において、ランプ2920は、適切に配置され、カムベース710のランプ3002、3003と連動するようになっている(図30A〜30Dを参照)。一部の用途について、ランプ2922、2924は、約1.25〜2.0の幅を持つ。一実施例において、ランプ2922、2924のリードは約1.1〜1.5インチ、望ましくは1.2〜1.4インチ、またさらに望ましくは約1.3インチである。ランプ2922は、反時計回りらせん状ランプ表面を持ち、一方、ランプ2924は、時計回りらせん状ランプ表面を持つ。一実施例において、入力カムフランジ2900は、例えば、1065鋼鉄などの金属材料で製造しうる。ランプ2920のランプ表面は、約0.03インチの最小値有効浸炭硬化層深さで58〜62 HRCに炎焼入れまたは高周波焼入れされることが望ましい。
【0178】
カムベース710の一実施例を図30A〜30Dに図示する。カムベース710は、その側面の1つに1組のカムランプ3005を持つ一般に環状のリングである。カムベース710の外側のリムには、トルク反作用ドエルピン(非表示)を受けるいくつかの窪み3010があり、これがバリエータハウジング505に対するカムベース710のトルクに反応し、カムベース710を回転しないように保つ。カムベース710はさらに、組立時にカムベース710をベルハウジング531に連結するための一群のボルト孔3015を持つ。バリエータ310の組立が終わると、カムベース710は、ボルトを外すことにより、ベルハウジング531から取り外される。これにより、カム荷重ピストン720は軸方向にカムベース710を作動させることができる。次に、ボルト孔3015はパイプ栓(非表示)で塞がれる。カムランプ3005とは反対の側には、カムベース710に、ベルハウジング531と突き合い、カム荷重ピストン720と噛み合うよう適応された平坦面3020が提示される(図7Aを参照)。
【0179】
一実施例において、カムベース710は、約13.7インチの外径、約11.0インチの内径、および約0.5〜0.6インチの厚みを持つ。図30Bを特に参照して、実施例では、カムベース710には、カムベース710の中心の周りに角度間隔をもたせたパターンで配置された8組のランプ3002、3003が含まれる。ランプ3002、3003は、約1.25〜2.0の幅を持つ。一実施例において、ランプ3002、3003のリードは約1.1〜1.5インチ、望ましくは1.2〜1.4インチ、またさらに望ましくは約1.3インチである。ランプ3002は、反時計回りらせん状ランプ表面を持ち、一方、ランプ3003は時計回りらせん状ランプ表面を持つ。一実施例において、カムベース710は、例えば、1065鋼鉄などの金属材料で製造しうる。ランプ3005のランプ表面は、約0.03インチの最小値有効浸炭硬化層深さで58〜62 HRCに炎焼入れまたは高周波焼入れされることが望ましい。
【0180】
図31A〜31Bは、カム荷重ピストン720の実施例を示し、これには、平坦面3105および平坦面3105の反対側にある窪み部分3110を持つ一般に環状のフランジがある。窪み部分3110は、一群の圧縮ばね735を受けるように構成されている(図7Aを参照)。表示した実施例で、カム荷重ピストン720には、密封リング溝3115および3120が含まれる。カム荷重ピストン720は、図7Aに示すとおり、ベルハウジング531の窪み4104に嵌め合うよう適応される。
【0181】
一部の実施例において、カム荷重ピストン720は、カム荷重ピストン720と、ベルハウジング531の穴735が漏れのない流体タンクとなるように流体容積が密封されることよる加圧によって牽引リング525Aにかかる軸力のセンサーとして作動するよう構成しうる。カム荷重ピストン720にかかる軸力が増えると、ピストン空洞の圧力が比例的に増える。
【0182】
アンローダピストン725の一実施例を図32A〜32Cに示す。アンローダピストン725は、入力カムフランジ2900に噛み合うよう適応されたリム3205を持つ一般に環状のフランジである。アンローダピストン725にはさらに、第一のリム3205の反対側にあり、アンローダシリンダー730に噛み合うよう適応された第二のリム3210が含まれる(図7Aを参照)。図32Dに示すとおり、アンローダピストン725には、密封リング(非表示)を受けるシール溝3215および3220を提供しうる。図33A〜33Bは、アンローダシリンダー730の一実施例を描写したものであるが、これは、アンローダピストン725のリム3210を受けるように適応された窪み3305を持つ一般に環状の円筒体である。アンローダシリンダー730のポート3310には、窪み3305内に作動油を受けるように提供しうる。
【0183】
図34Aおよび34Bは、中央カムベース605の一実施例を図示しているが、これは、その外側リム上に1組の外歯スプライン3405を持つ一般に環状の円筒体である。スプライン3405は、駆動フランジ532の対応するスプライン2510と噛み合うよう適応される(図6Aを参照)。中央カムベース605のそれぞれの側は、転がり要素(非表示)とカムリング610および615にある対応するカムランプに連動するよう構成されたカムランプ3410を持つ(図6Aおよびそれに付随する考察を参照)。一実施例において、中央カムベース605は、スプライン3405の根元に約11インチの内径および約12.5〜13インチの外径を持つ。一部の実施例において、スプライン3405のピッチ径は約13.0〜13.5インチである。中央カムベース605の幅(ランプ3410の高さは含まれない)は、約1.5〜1.7インチとしうる。
【0184】
実施例で、中央カムベース605には、中央カムベース605の中心の周りに角度間隔をもたせたパターンで配置された8組のランプ3412、3414(中央カムベース605の各側面)が含まれる。ランプ3412、3414は、約1.25〜2.0インチの幅を持つ。一実施例において、ランプ3412、3414のリードは約1.1〜1.5インチ、望ましくは1.2〜1.4インチ、またさらに望ましくは約1.3インチである。ランプ3412は、反時計回りらせん状ランプ表面を持ち、一方、ランプ3414は時計回りらせん状ランプ表面を持つ。一実施例において、中央カムベース605は、例えば、1065鋼鉄などの金属材料で製造しうる。ランプ3005のランプ表面は、約0.03インチの最小値有効浸炭硬化層深さで58〜62 HRCに炎焼入れまたは高周波焼入れされることが望ましい。
【0185】
カムリング610、615の一実施例を図35A〜35Cに示す。便宜上、下記の考察では、カムリング610についてのみ言及するが、この考察は、カムリング615にも同じく適用しうる。カムリング610は、一般に1組の内歯スプライン3505を持つフランジを持つ。一部の実施例において、カムリング610には、1組のカムランプ3520を持つカムネック3510およびカムショルダー3515が含まれる。この実施例において、カムリング610には、特にカムリング610の回転を同期リング645に固定するキー(非表示)を受けるキー座3525が提供されている(図6Aを参照)。カムリング610は、同期リング645の軸方向の制約を助けるクリップリング(非表示)を受けるクリップリング溝3527を含みうる。
【0186】
一実施例において、カムリング610の最大外径は約13インチである。スプライン3505のピッチ径は、例えば、約12.5インチである。一部の実施例において、カムネック3510は、約11インチの外径および約10.5インチの内径を持つ。一部の実施例において、カムリング610の断面の幅は約2〜2.5インチである。カムランプ3520は、中央カムベース605のランプ3410と連動するよう作成することが望ましい。実施例で、カムリング610には、カムリング610の中心の周りに角度間隔をもたせたパターンで配置された8組のランプ3522、3524が含まれる。ランプ3522、3524は、約1.25〜2.0インチの幅を持つ。一実施例において、ランプ3522、3524のリードは約1.1〜1.5インチ、望ましくは1.2〜1.4インチ、またさらに望ましくは約1.3インチである。ランプ3522は、反時計回りらせん状ランプ表面を持ち、一方、ランプ3524は、時計回りらせん状ランプ表面を持つ。一実施例において、カムリング610は、例えば、1065鋼鉄などの金属材料で製造しうる。ランプ3005のランプ表面は、約0.03インチの最小値有効浸炭硬化層深さで58〜62 HRCに炎焼入れまたは高周波焼入れされることが望ましい。
【0187】
図36A〜36Bは、出力ディスク620(出力ディスク625と同一としうる)の一実施例を描写したものである。出力ディスク620は、1組の内歯スプライン3605および1組の外歯スプライン3610を持つ一般に環状の円筒体である。この実施例において、内歯スプライン3605は、牽引リング2400の1組の対応するスプライン2410と噛み合うよう構成されている(図6Aおよび24A〜24Cを参照)。外歯スプライン3610は、カムリング610の対応する1組のスプライン3505に噛み合うように適応される。出力ディスク620はさらに、軸受630、キャリアパイロットリング640、および中央軸受シム642を受けるフランジ延長部3615を持つ(図6Aを参照)。出力ディスク620のショルダー3625は、軸力を伝達するためにカムリング610に接するように適応されている。その重量を減らし、潤滑油の流れを促進するために、切り抜き3620を、出力ディスク620本体に設けることができる。
【0188】
一実施例において、出力ディスク620は、約12.5〜13.5インチの外径を持ちうる。内歯スプライン3605または外歯スプライン3610のピッチ径は、約12〜13インチとしうる。出力ディスク620の全長は、一部の実施例で、約4.5〜5.5インチとしうる。一定の用途では、フランジ延長部3615は、約1.5〜3インチの長さおよび約7.5〜8.5インチの内径を持ちうる。一実施例において、出力ディスク620は、4140熱処理鋼で製造しうる。
【0189】
キャリアパイロットリング640の一実施例を図37A〜37Bに示す。キャリアパイロットリング640は、潤滑の分配のための内部の溝3705を持つ一般に環状および円筒状の本体である。パイロットリング640にはさらに、潤滑の分配のためのオリフィス3710が含まれる。一実施例において、キャリアパイロットリング640は、約6.5インチの外径および約6インチの内径を持つ。図37Bに示したキャリアパイロットリング640の断面の厚みは、約0.6〜0.8インチとしうる。一実施例において、溝3705は約0.1インチで、またオリフィス3710は直径約0.25インチである。図38A〜38Bは、同期リング645の一実施例を図示したものであるが、これはキー座3805を持つ一般に環状の円筒体である。一実施例において、同期リング645は、約10インチの内径および約10.5インチの外径を持つ。一部の実施例において、同期リング645の長さは、約2〜2.5インチとしうる。一部の用途について、キー座3805は、幅約0.25インチおよび深さ約0.125インチとしうる。一部の実施例において、同期リングは軟鋼で製造しうる。
【0190】
アイドラー組立品3900の一実施例を図39A〜39Cに示す。アイドラー組立品3900にはアイドラー3905を含めることができるが、これはフランジ延長部3910およびショルダー3915を持つ一般に環状のリングである。フランジ延長部3910は、遊星522のための転がり表面を提供するよう適応される。ショルダー3915は、軸受要素3920を保持するよう構成されており、これはこの実施例では典型的なラジアル玉軸受で表示されているが、その他の実施例では、軸受要素3920は、例えばアンギュラコンタクト軸受としうる。軸受要素3920は、アイドラー3905の半径および軸方向の保持を提供する。一実施例において、アイドラー3905は、約4.0インチの内径を持つ。一部の実施例において、ショルダー3915の直径は約4.5インチとしうる。フランジ延長部3910でのアイドラー3905の直径は、一定の用途では約5.25〜5.75インチとしうる。アイドラー3905は、例えば、8620鋼鉄などの金属材料で製造しうる。一実施例において、アイドラー3905は、表面での最小値HRC 60で浸炭硬化深さ約0.60インチに浸炭硬化される。軸受要素3920は、例えば、Kaydon KD045AH6軸受としうる。
【0191】
図40A〜40Eは、バリエータ310と併用しうるバリエータハウジング505の一実施例を示すものである。バリエータハウジング505は、スカート4010に連結された一般に円筒形の容器4005であり、これは、ボルト、溶接、接着剤など適切な何らかの締付け方法によってオイルパン(非表示)に連結されている。ところが、その他の実施例において、容器4005は、円筒形以外の形状を持ちうる。例えば、容器4005は、直方体の箱でもよい。スカート4010およびオイルパンは、油タンク(油受け)またはタンクを形成し、前述のとおり、そこからポンプ(非表示)は、流体を回収して、弁1605へのライン圧を供給できる。一実施例において、スカート4010には、ポンプとの流体連通のためのピックアップポート4020が含まれる。さらに、スカート4010には、多数のアクセサリポート4025を提供でき、その一部は、例えば、熱伝対を受けるために使用できる。一定の実施例で、スカート4010または、一般にバリエータハウジング505には、様々な構成要素へのアクセス用、あるいはギアボックス320またはギアボックス2382などの補助ギアボックスの処理用に1つ以上のユーティリティポート4030を含めることができる。一実施例において、スカート4010には、流体レベル覗き窓用のポート4035が提供されている。
【0192】
容器4005は、容器4005に囲まれた構成要素の観察ができるよう、例えば、Plexiglas(商標)窓で覆うことができる多数の切り抜き4015を持ちうる。一実施例において、容器4005には、アンローダピストン725に流体を供給するよう適応されたアンローダピストンポート4040が含まれる(図7Aおよび添付テキストを参照)。容器4005には、多数の計器またはアクセスポート4045も提供できる。例えば、一実施例で、アクセスポート4045の1つは、速度センサーを受けて囲むために使用することができる。補助ギアボックス320、2382の一定の構成要素のための潤滑油を供給するために、容器4005は、1つ以上の潤滑油ポート4050を持ちうる。容器4005には、遊星522への追加的な潤滑油を供給するための多数の補助潤滑油ポート4055を提供しうる。バリエータハウジング505(それに組み込まれているあらゆる構成要素も含めて)の取扱いを促進するために、容器4005には、適切な吊り上げまたは操作用のツールまたは機械に連結するよう適応された1つ以上の接続用の穴4060が含まれうる。バリエータハウジング505および/またはバリエータ310の重心の周りに回転軸を提供するために、接続用の穴4060は容器4005内で適切に配置されていることが望ましい。容器4005は、バリエータハウジング505のベルハウジング531および/またはギアボックス320、2382との位置合わせや組立を促進する位置合わせ用ドエル(非表示)を受けるドエルピン穴4065を持ちうる。一部の実施例において、容器4005には、バリエータ310の一定の構成要素を受け、保持し、軸方向に制約するよう適応された窪み4091を提供することができるが、例えば、一実施例では、窪み4091は、アンローダシリンダー730を軸方向に制約するよう適応される(例として図7Aを参照)。
【0193】
一部の実施例において、容器4005は、例えばギアボックス320の遊星軸2310を受けて保持するための穴4070を持つエンドプレート4063を提供しうる(図23Cを参照)。プレート4063には、遊星キャリア2305を容器4005に締め付けるためのボルトを受ける多数のキャリアボルト孔4075も提供しうる。プレート4063は、バリエータ310の一定の構成要素(例えば、駆動フランジ532)と、ギアボックス320、2382のその他の一定の構成要素(例えば、太陽歯車2320)の通過を許容し、その間の境界面となるよう適応された中央の穴4085を持つ。位置合わせおよび組立を促進するために、プレート4063は、ドエルピン(非表示)を受けるための1つ以上のドエルピン穴4080を持ちうる。一部の実施例では、プレート4063には、例えば、バリエータハウジング505とギアセット320のハウジング590との間のシールを提供するOリング(非表示)を受けるためのシール溝4095を提供しうる。バリエータハウジング505には、ギアセットハウジング590からバリエータハウジング505に潤滑油を排出して戻し、ハウジング590が過剰に潤滑油で充填されないようにするため、潤滑油ポート4090を提供しうる。一実施例で、バリエータハウジングには、バリエータハウジング505からギアセットハウジング590に、そのクラッチおよび歯車を潤滑するための潤滑油を運ぶ1つ以上の潤滑油ポート4087が含まれる。
【0194】
一実施例において、バリエータハウジング505は、約21〜22インチの全長、および約16.5〜17.5インチの全高または外径を持つ。円筒容器4005は、約15.5〜16.5インチの外径および約14.5〜15.5インチの内径を持ちうる。一実施例において、スカート4010は、一般に寸法約14×13×6インチを持つ体積を取り囲む。一定の用途では、バリエータハウジング505は、例えば、軟鋼で製造しうる。
【0195】
バリエータハウジング505に連結するよう適応したベルハウジング531の一実施例を図41A〜41Eに描写している。ベルハウジング531は、中央通路4103を持つ一般に円筒の本体4101である。さらに図7Aを参照すると、一実施例で、ベルハウジング531は、バリエータ310の一定の構成要素を受けて保持するよう適応されている。ベルハウジング531には、カム荷重ピストン720を受けるよう適応された窪み4104が含まれる。ベルハウジング531にはさらに、圧縮ばね735を囲み保持する多数の穴755が含まれうる。ベルハウジング531の窪み4107は、カムベース715、ローラーリテイナー710、および/またはカムフランジ705などを受けて保持するために設けることができる。ベルハウジング531の窪み4108は、カバープレート560およびマニホールド565を受けて保持するよう適切に適応しうる(例として、図5Aを参照)。ベルハウジング531には、カムベース715の位置合わせと、回転防止機能の提供のために、ドエルピン(非表示)を受けるための多数のドエルピン穴4118を提供しうる(図7Bを参照)。ベルハウジング531内でのカムベース715の組立を促進するために、カム荷重ピストン720および/または圧縮ばね720を使用するときには、ベルハウジング531には、入力カム組立品575の一定の構成要素の組立中に、カムベース715を適所に保持するボルト(非表示)を受けるための多数のボルト孔4126を含めうる。
【0196】
一定の用途では、ベルハウジング531には、マニホールド565との流体連通のための多数のポートを提供しうる。一実施例において、ベルハウジング531には、マニホールド565に潤滑油を供給するよう適応された潤滑油ポート4112が含まれる。ベルハウジング531には、カム荷重ピストン720に流体圧力を供給するためのカム荷重ピストン圧力ポート4114を提供しうる。パイロット制御ピストン1620を作動させるための流体圧力をマニホールド565に供給するために、パイロット圧力ポート4122をベルハウジング531に含めうる(図20および添付テキストを参照)。一部の実施例において、ベルハウジング531には、油圧制御弁1605に供給するための流体圧力をマニホールド565に供給するライン圧ポート4124を提供しうるが、これは最終的に制御ピストン582を作動するためにライン圧流体が使用される。ベルハウジング531のバリエータハウジング505および/またはエンジンハウジング(非表示)との位置合わせおよび組立を促進するために、ベルハウジング531には、それぞれドエルピン穴4102、4110を提供しうる。一部の実施例において、始動モーター(非表示)を受ける、および/または保持するための窪み4106のあるベルハウジング531の提供が望ましいことがある。
【0197】
一実施例において、ベルハウジング531は、約17インチの全径および約8.5インチの長さを持つ。窪み4107は、約14インチの直径および約2インチの長さを持つ。窪み4104は、約12.5インチの外径、約10.5インチの内径、および約0.75〜1.0インチの深さを持つ。窪み4108は、約12インチの直径および約1.5〜2.0インチの深さを持ちうる。一部の実施例において、中央通路4103は約9インチの直径を持つ。一実施例において、穴755は約0.6インチの直径および約0.6〜1.0インチの深さを持つ。一実施例において、ベルハウジング531は、例えばダクタイル鉄80-55-06で製造しうる。
【0198】
本書で説明した実施例は、法律の記述的要件を満たすため、また例を挙げるために提供された例である。これらの例は、任意の当事者により採用しうる単なる実施例であり、いかなる方法でも制限する意図はない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊星−ピボットアーム組立品を持つ無限可変変速機用のキャリア入力キャップであって、
中央に穴のある略円形の本体と、
前記中央の穴について角度をもたせて配置され、第一の複数の流体流路を有する複数のキャリアフィンガーと、
前記キャリアフィンガー上に形成され、遊星−ピボットアーム組立品に連結するよう構成されている複数の面と、
を備えている、キャリア入力キャップ。
【請求項2】
前記中央の穴について角度をもたせて配置された複数の締付けフィンガーを備え、当該締付けフィンガーは第二の複数の流体流路を有する、請求項1に記載のキャリア入力キャップで、
【請求項3】
前記第一の複数の流体流路が潤滑油流路を有し、前記第二の複数の流体流路が作動油流路を有する、請求項2に記載のキャリア入力キャップ。
【請求項4】
遊星−ピボットアーム組立品を持つ無限可変変速機用のキャリア中央ブロックであって、
中央に穴のある略円形の本体と、
前記円形の本体から軸方向に延び、前記中央の穴と同心のネックと、
前記中央の穴の周りに環状に配置され、かつその中央の穴から半径方向に延び、第一の複数の流体流路を有する複数のキャリアフィンガーと、
前記キャリアフィンガー上に形成され、前記遊星−ピボットアーム組立品に連結するよう構成されている複数の面と、
を備えている、キャリア中央ブロック。
【請求項5】
前記中央の穴の周りに環状に配置され、かつ当該中央の穴から半径方向に延び、第二の複数の流体流路を有する、複数の締付けフィンガーをさらに備えている、請求項4に記載のキャリア中央ブロック。
【請求項6】
前記第一の複数の流体流路が潤滑油流路を有し、前記第二の複数の流体流路が作動油流路を有する、請求項5に記載のキャリア中央ブロック。
【請求項7】
遊星−ピボットアーム組立品を持つ無限可変変速機用のキャリア出力ブロックであって、
中央に穴のある略円形の本体と、
前記円形の本体から延び、かつ中央の穴と同軸であり、スプラインのある端部を有するシャフトと、
前記中央の穴の周りに環状に配置され、かつその中央の穴から半径方向に延び、第一の複数の流体流路を有する、複数のキャリアフィンガーと、
前記キャリアフィンガー上に形成され、前記遊星−ピボットアーム組立品に連結するよう構成されている、複数の面と、
を備えている、キャリア出力ブロック
【請求項8】
前記中央の穴の周りに環状に配置され、かつその中央の穴から半径方向に延び、第二の複数の流体流路を有する複数の締付けフィンガーを備えている、請求項7に記載のキャリア出力ブロック。
【請求項9】
前記第一の複数の流体流路が潤滑油流路を有し、前記第二の複数の流体流路が作動油流路を有する、請求項8に記載のキャリア出力ブロック。
【請求項10】
無限可変変速機用のピボットアームであって、
第一の軸受穴を有する第一のアーム延長部と、
前記第一のアーム延長部の一端に、前記第一の軸受穴から遠位の位置で設けられたピボット穴と、
前記ピボット穴の一端に連結された第二のアーム延長部であって、第二の軸受穴を有し、前記ピボット穴から遠位の位置にある当該第二のアーム延長部の端に形成されている、
前記ピボット穴の一端に連結された第二のアーム延長部であって、前記ピボット穴から遠位の位置にある当該第二のアーム延長部の端部に第二の軸受穴が形成されている、第二のアーム延長部と、を備え、
前記第一および第二のアーム延長部のうち少なくとも1つが、複数の潤滑油の通路を有する、ピボットアーム。
【請求項11】
前記第一のアーム延長部が、約2.5〜3.0インチのカーブにあるピボット穴から延びている、請求項10に記載のピボットアーム。
【請求項12】
前記ピボット穴の直径が、約0.2〜0.3インチの範囲である、請求項10に記載のピボットアーム。
【請求項13】
無限可変変速機(IVT)のシフト機構用のピボットアームであり、前記シフト機構は遊星軸を有する、ピボットアームであって、
中央のピボット穴と、
前記中央のピボット穴から延びた第一の延長部と、
前記中央のピボット穴から第一の延長部とは反対に延びた第二の延長部と、
前記第一の延長部および第二の延長部にそれぞれ位置し、前記遊星軸を受けるよう構成された、第一および第二の軸穴と、
を備えている、ピボットアーム。
【請求項14】
潤滑油の流れを方向付けるよう構成された複数の通路をさらに備えている、請求項13に記載のピボットアーム。
【請求項15】
前記シフト機構の案内ホイールを受けるよう構成された複数の窪みをさらに備えている、請求項13に記載のピボットアーム。
【請求項16】
バリエータ用の遊星軸であって、
実質的に円筒形の中央部分を持つ細長い本体と、
円筒形中央部分に配置された複数の溝であって、当該複数の溝の少なくとも1つがエラストマーボールを受けるよう構成されており、当該複数の溝の少なくとも1つが固定クリップを受けるよう構成されている、複数の溝と、
前記細長い本体の一端にある第一のネックであって、前記細長い本体の縦軸に対して半径方向に次第に細くなるよう構成されるとともに、さらに前記円筒形中央部分に対して半径方向に拡張させて構成されている、第一のネックと、
前記細長い本体の第一のネックとは別の端の第二のネックであって、前記細長い本体の縦軸に対して半径方向に次第に細くなるよう構成されるとともに、前記円筒形の中央部分に対して半径方向に拡張させて構成されている、第二のネックと、
を備えている、遊星軸。
【請求項17】
前記中央部分がバリエータの軸受を保持するよう構成されている、請求項16に記載の遊星軸。
【請求項18】
前記細長い本体上に位置する少なくとも1つのショルダーをさらに備え、前記ショルダーはバリエータの軸受を保持するよう構成されている、請求項16に記載の遊星軸。
【請求項19】
前記エラストマーボールを受けるように適応された溝が、前記遊星軸の中央線に対して偏心している請求項16に記載の遊星軸。
【請求項20】
無限可変変速機のピボット−アーム組立品用の遊星軸であって、
実質的に円筒形の中央部分を有し、当該円筒形の中央部分が複数の偏心した溝を有する細長い本体と、
前記円筒形の中央部分から延び、それと同軸であり、前記円筒形中央部分より小さい直径を有する、第一の円筒形部分と、
前記第一の円筒形部分から延び、それと同軸であり、前記第一の円筒形部分より小さい直径を有する、第二の円筒形部分と、
前記第二の円筒形部分から延び、それと同軸であり、前記第二の円筒形部分より小さい直径を有する、第三の円筒形部分と、
を備えている、遊星軸。
【請求項21】
前記円筒体の全長が、約5.5インチである、請求項20に記載の遊星軸。
【請求項22】
前記円筒形の中央部分の直径が、約0.5インチである、請求項20に記載の遊星軸。
【請求項23】
油圧システムを持つ無限可変変速機用の入力シャフトであって、
中央の穴を有し、油圧システムの弁を囲むように構成されている、実質的な円筒体と、
前記円筒体の第一の端から延びたマニホールドフランジと、
前記円筒体の第二の端から延びたスプラインのある部分と、
前記フランジの外面上に形成され、前記油圧システムと連動するよう構成されている複数の窪みと、
前記フランジの外面に配置された複数の流体流路と、
を備えている、入力シャフト。
【請求項24】
前記円筒体の全長が、約7.5〜8インチの範囲である、請求項23に記載の入力シャフト。
【請求項25】
前記スプラインのある部分の長さが、約2〜3インチの範囲である、請求項23に記載の入力シャフト。
【請求項26】
変速機用の入力シャフトであって、
外部表面を持つ細長い本体と、
前記細長い本体内に形成された中央の空洞と、
前記中央の空洞と外部表面との間に流体連通を提供するよう構成された複数の流体流路と、
前記中央の空洞内に配置されたバルブスプールと、
を備えている、入力シャフト。
【請求項27】
前記流体流路およびバルブスプールが、4方向弁の機能性を提供するよう構成されている、請求項26に記載の入力シャフト。
【請求項28】
前記バルブスプールを受けるよう構成されているスプールブッシュをさらに備え、前記流体流路、バルブスプール、およびスプールブッシュは、4方向弁の機能性を提供するよう構成されている、請求項26に記載の入力シャフト。
【請求項29】
油圧システムを持つ無限可変変速機用の入力シャフトであって、
中央の穴を持つ実質的に円筒形の本体と、
前記円筒体の第一の端から延びたマニホールドフランジと、
前記円筒体の第二の端から延びたスプラインのある部分と、
前記円筒体の外部周辺に形成された複数のシール溝であって、当該シール溝の間に複数の流体チャンバーを提供するよう構成されている、複数のシール溝と、
前記円筒体の外部周辺に配置され、前記複数のシール溝の間に配列されている、複数の流体ポートと、
を備えている、入力シャフト。
【請求項30】
前記フランジの外面上に形成された複数の窪みをさらに備え、当該窪みは油圧システムと連動するよう構成されている、請求項29の入力シャフト。
【請求項31】
前記円筒体の全長が、約7.5〜8インチの範囲である、請求項29に記載の入力シャフト。
【請求項32】
油圧システムを持つ無限可変変速機用の流体マニホールドであって、
第一の面、第二の面、および中央の穴を有する、実質的に円形の本体と、
前記第一の面の周辺に位置する潤滑油ポートと、
前記潤滑油ポートと流体連通するよう構成された複数の潤滑油流路であって、前記中央の穴の周りに角度間隔をもたせて配置され、前記第二の面に形成されている、潤滑油流路と、
前記第一の面の周辺に位置するライン圧ポートと、
前記ライン圧ポートと流体連通するよう構成され、前記第二の面に形成されている、ライン圧力流体流路と、
前記第一の面の周辺に位置するパイロット圧力ポートと、
前記パイロット圧力ポートと流体連通するよう構成され、前記第二の面に形成されている、パイロット圧流路と、
を備えている、流体マニホールド。
【請求項33】
前記円形の本体が、約11〜11.5インチの範囲の外径を有する、請求項32に記載の流体マニホールド。
【請求項34】
前記円形の本体が、約2.5インチの断面の幅を有する、請求項32に記載の流体マニホールド。
【請求項35】
無限可変変速機(IVT)用のピボットピンハブであって、
中央の穴を有する実質的に円筒形の本体と、
前記中央の穴の周りに環状に配置され、当該中央の穴と同心であり、前記中央の穴から半径方向に延びている、複数のフィンガー対と、
実質的に平坦な面を有する前記円筒体の第一の面と、
IVTの止め座金に連結するよう構成された複数のフルートを有する前記円筒体の第二の面と、
を備えている、ピボットピンハブ。
【請求項36】
前記中央の穴が、約1.5〜2インチの範囲の直径を有する、請求項35に記載のピボットピンハブ。
【請求項37】
前記円筒体が、約0.5〜1インチの範囲の幅を有する、請求項35に記載のピボットピンハブ。
【請求項38】
無限可変変速機(IVT)用の制御ピストンであって、
中央の穴を持つ実質的に円筒形の本体と、
前記円筒体の第一の端に位置し、前記中央の穴から半径方向に延びている、フランジと、
前記円筒体上に形成され、前記円筒体の第二の端に位置し、IVTの止め座金を受けるよう構成されている溝と、
前記フランジの外部周辺に形成されたシール窪みと、
を備えている、制御ピストン。
【請求項39】
本体の全長が約5インチである請求項38の制御ピストン。
【請求項40】
無限可変変速機用の牽引リングであって、
実質的に環状のリングと、
前記環状リングの片側に形成された直線面と、
前記環状リングの内側周辺に向かう前記直線面から延びた牽引面であって、当該直線面に対して角度がついている、牽引面と、
前記環状リングの周辺に形成された複数のスプラインと、
を備えている、牽引リング。
【請求項41】
前記環状リングの外径が、約12インチ〜13インチの範囲である、請求項18に記載の牽引リング。
【請求項42】
無限可変変速機用の駆動フランジであって、
第一の端および第二の端を有し、前記第一の端が前記の第二の端から遠位の位置に配置されている、実質的に環状および円筒形の本体と、
前記第一の端の内径に形成された複数のスプラインと、
前記第二の端に形成され、中央の穴を有するキャップと、
を備えている、駆動フランジ。
【請求項43】
前記円筒体が約14〜14.5インチの範囲の外径を有する、請求項42に記載の駆動フランジ。
【請求項44】
前記円筒体が、約13インチの全長を有する、請求項42に記載の駆動フランジ。
【請求項45】
前記キャップおよび円筒体が、1つの一体の部品を形成する、請求項42に記載の駆動フランジ。
【請求項46】
無限可変変速機(IVT)用の反応フランジであって、
第一の端および第二の端を有する、略環状および円筒形の本体と、
前記第一の端の内側周辺に形成されている、複数のスプラインと、
前記第二の端に形成され、IVTの動作中に軸力に反応するよう構成され、複数のドエル窪みを有する、実質的に平坦な面と、
を備えている、反応フランジ。
【請求項47】
前記円筒体が、約13.5〜14インチの範囲の外径を有する、請求項46に記載の反応フランジ。
【請求項48】
前記円筒体が、約2.5〜3インチの範囲の幅を有する、請求項46に記載の反応フランジ。
【請求項49】
前記中央の穴が、約10.5〜11インチの範囲の直径を有する、請求項46に記載の反応フランジ。
【請求項50】
無限可変変速機(IVT)用のトルク伝達カプリングであって、
第一の端、中央部分、および第二の端を有する実質的に環状の円筒と、
前記第一の端の内側周辺に形成された第一の複数のスプラインと、
前記第二の端の内側周辺に形成された第二の複数のスプラインと、
前記中央部分の外部周辺に形成された第三の複数のスプラインと、
を備えている、トルク伝達カプリング。
【請求項51】
環状円筒が約5〜6インチの幅を持つ請求項50のトルク伝達カプリング。
【請求項52】
第一の複数のスプラインのピッチ径が約12.5〜13インチである請求項50のトルク伝達カプリング。
【請求項53】
第三の複数のスプラインのピッチ径が約13〜13.5インチである請求項50のトルク伝達カプリング。
【請求項54】
牽引リングを持つ無限可変変速機用の反応フランジで、反応フランジは以下で構成される。
第一の端、第二の端、および中央の穴を持つ実質的に円形の本体、
第一の端の内側周辺に形成され、牽引リングに連結されるよう形成された第一の複数のスプライン、
第二の端に形成された端カバーで、この端カバーはスプラインのある中央の穴を持つ。
【請求項55】
円形の本体の外径が約13インチである請求項54の反応フランジ。
【請求項56】
第一の複数のスプラインのピッチ径が約3〜3.5インチである請求項54の反応フランジ。
【請求項57】
無限可変変速機用の入力カムフランジで、入力カムフランジは以下で構成される。
第一の端および第二の端を持つ実質的に円筒形で管状の本体、
第一の端の内側周辺に形成する複数のスプライン、
円筒形で管状の本体の周辺から延びたフランジ、
フランジに形成された複数のカムランプで、カムランプは複数の反時計方向のらせん状のランプおよび複数の時計方向のらせん状のランプを持つ、
フランジから延びたネック。
【請求項58】
ネックが約10.8〜11.2インチの外径を持つ請求項57の入力カムフランジ。
【請求項59】
複数のスプラインの直径が約11.5〜12.5インチである請求項57の入力カムフランジ。
【請求項60】
無限可変変速機用のカムベース、このカムベースは以下で構成される。
実質的に環状のリング、
環状リングの1つの面に形成された複数のカムランプ、ここで複数のカムランプには、複数の反時計方向のらせん状のランプおよび複数の時計方向のらせん状のランプが含まれる、
環状リングの外部周辺に形成された複数のドエル窪み。
【請求項61】
環状リングの外径が約13.7インチである請求項60のカムベース。
【請求項62】
環状リングが約0.5〜0.6インチの厚みを持つ請求項60のカムベース。
【請求項63】
それぞれのカムランプの幅が約1.25〜2インチである請求項60のカムベース。
【請求項64】
無限可変変速機(IVT)用のカム荷重ピストンで、カム荷重ピストンは以下で構成される。
一方の側に実質的に平坦な表面を持つ実質的に環状のフランジおよび平坦な表面のある側とは反対の側にある窪み部分で、窪み部分はIVTの圧縮ばねに連結されるよう構成されている、
環状フランジの内側周辺に形成された第一の密封リング溝、
環状フランジの外部周辺に形成された第二の密封リング溝。
【請求項65】
アンローダシリンダーを持つ無限可変変速機(IVT)用のアンローダピストンで、アンローダピストンは以下で構成される。
実質的に環状のリング、
環状リングの面上に形成された第一のリムで、第一のリムは、アンローダシリンダーに連結するよう構成されている、
第一のリムのある側と反対の側に形成された第二のリム、
環状リングの外部周辺に形成された第一のシール溝、
環状リングの内側周辺に形成された第二のシール溝。
【請求項66】
無限可変変速機用の中央カムベースで、中央カムベースは以下で構成される。
実質的に環状の円筒体、
環状円筒体の外部周辺に形成された複数のスプライン、
環状円筒体の第一の面に形成された第一の複数のランプ、
環状円筒体の第二の面に形成された第二の複数のランプ。
【請求項67】
円筒体の外径が12.5〜13インチの範囲である請求項66の中央カムベース。
【請求項68】
円筒体の内径が約11インチである請求項66の中央カムベース。
【請求項69】
無限可変変速機用のカムリングで、カムリングは以下で構成される。
中央の穴を持つ実質的に円形のフランジ、
中央の穴の内側周辺に形成された複数のスプライン、
円形のフランジの外側周辺に形成されたカムショルダー、
カムショルダーから延びたネックで、ネックは内側周辺に形成されたクリップリングの溝を持つ、
カムショルダーに形成された複数のカムランプ。
【請求項70】
カムショルダーが約13インチの外径を持つ請求項69のカムリング。
【請求項71】
複数のスプラインが約12.5インチのピッチ径を持つ請求項69のカムリング。
【請求項72】
円形のフランジが約2〜2.5インチの断面の幅を持つ請求項69のカムリング。
【請求項73】
無限可変変速機用の出力ディスクで、出力ディスクは以下で構成される。
実質的に環状の円筒体、
環状円筒体の第一の端の内側周辺に形成された第一の複数のスプライン、
環状円筒体の第二の端の外部周辺に形成された第二の複数のスプライン、
環状円筒体の第二の端から延びたフランジ延長部。
【請求項74】
環状円筒体が12.5〜13.5インチの範囲の直径を持つ請求項73の出力ディスク。
【請求項75】
第一の複数のスプラインが約12〜13インチのピッチ径を持つ請求項73の出力ディスク。
【請求項76】
環状円筒体が約4.5インチの全長を持つ請求項73の出力ディスク。
【請求項77】
無限可変変速機(IVT)用のバリエータハウジングで、バリエータハウジングは以下で構成される。
第一の端および第二の端を持つ実質的に円筒形の容器、
円筒容器から延びたスカートで、このスカートはIVTのオイルパンに連結するよう構成されている、
スカート上に配列された複数のピックアップポート、
円筒容器に配列された複数の計器アクセスポート、
円筒容器の第一の端に配列された第一の複数のドエルピン穴、
容器の第二の端に配列された第二の複数のドエルピン穴、
円筒容器の第二の端の周辺表面に配列された複数の潤滑油ポート。
【請求項78】
実質的に円筒形の容器が16.5〜17.5インチの直径を持つ請求項77のバリエータハウジング。
【請求項79】
実質的に円筒体の全長が21〜22インチである請求項78のバリエータハウジング。
【請求項80】
油圧システムを持つ無限可変変速機用のベルハウジングで、ベルハウジングは以下で構成される。
中央通路を持つ実質的に円筒の本体、
円筒体の周囲に形成されたカム荷重ピストンポート、
円筒体の周囲に形成された潤滑油ポート、
円筒体の周囲に形成されたライン圧ポート、
円筒体の周囲に形成されたパイロット圧力ポート、
ここで、カム荷重ピストンポート、潤滑油ポート、ライン圧ポート、およびパイロット圧力ポートは、それぞれ油圧システムと流体連通するよう構成されている、
中央通路に形成された窪みで、この窪みは変速機のカバープレートに連結されるよう構成されている。
【請求項81】
円筒体の外径が約17インチである請求項80のベルハウジング。
【請求項82】
以下で構成されるドライブトレイン。
動力源、
動力源に連結された無限可変バリエータで、この無限可変バリエータは以下で構成される。
第一の複数の牽引ローラー、
第二の複数の牽引ローラー、
第一および第二の複数の牽引ローラーに動作可能な形で連結されたキャリア、
ここで、キャリアは、無限可変バリエータの縦軸の周りで回転するよう構成されている、
無限可変バリエータの変速機比を制御するよう構成された油圧システム。
【請求項83】
油圧システムがキャリアと流体連通するよう構成された請求項82のドライブトレイン。
【請求項84】
トラクター用のドライブトレインは以下で構成される。
ベルハウジングギアリング、
ベルハウジングギアリングに動作可能な形で連結された無限可変変速機で、無限可変変速機は以下で構成される、
無限可変変速機の縦軸の周りに回転するよう構成されたキャリア、
第一の複数の遊星−ピボットアーム組立品で、キャリアは遊星−ピボットアーム組立品の少なくとも1つに動作可能な形で連結されている、
無限可変変速機に連結されたレンジボックス。
【請求項85】
さらに、キャリアに動作可能な形で連結された第二の複数の遊星−ピボットアーム組立品で構成される請求項84のドライブトレイン。
【請求項86】
レンジボックスが遊星ギアセットから成る請求項85のドライブトレイン。
【請求項87】
キャリアが電力入力を受け取るように適応された請求項86のドライブトレイン。
【請求項88】
バリエータは以下で構成される。
バリエータの縦軸に沿って配置された入力シャフト、
入力シャフトに動作可能な形で連結されたキャリア、
キャリアに動作可能な形で連結された一列のピボット−アーム組立品、
ピボットアーム組立品に連結された複数の牽引ローラー、
牽引ローラーに連結された複数の遊星軸、ここで牽引ローラーは、遊星軸と実質的に同軸の遊星の軸の周りを回転するよう適応される。
【請求項89】
遊星および遊星軸が強固に連結された請求項88のバリエータ。
【請求項90】
牽引ローラーが、前記の縦軸の周りを周回するよう構成されている請求項89のバリエータ。
【請求項91】
牽引ローラーがキャリアに動作可能な形で連結され、牽引ローラーが前記の縦軸の周りを周回するよう構成された請求項90のバリエータ。
【請求項92】
バリエータは以下で構成される。
入力シャフト、
入力シャフトに連結されたキャリア、
キャリアに動作可能な形で連結された第一の複数の遊星−ピボットアーム組立品、
第一の複数の遊星−ピボットアーム組立品に動作可能な形で連結された第一の非回転式牽引リング、
第一の複数の遊星−ピボットアーム組立品に動作可能な形で連結された出力牽引リング、
出力牽引リングに動作可能な形で連結されたトルク伝達装置、
第一の非回転式牽引リングに動作可能な形で連結された軸力生成機構、
キャリアに連結された第二の複数の遊星−ピボットアーム組立品、
ここで第一および第二の複数の遊星−ピボットアーム組立品のそれぞれの遊星−ピボットアーム組立品は、以下で構成される。
遊星、
遊星に動作可能な形で連結された遊星軸、
遊星軸に連結されたピボットアームで、ピボットアームはバリエータの比率シフト機構に動作可能な形で連結されている。
【請求項93】
出力牽引リングに動作可能な形で連結された第二の軸力生成機構から成る請求項92のバリエータ。
【請求項94】
キャリアが油圧システムと流体連通するよう構成された請求項92のバリエータ。
【請求項95】
キャリアが遊星−ピボットアーム組立品に潤滑油を供給するよう適応された請求項94のバリエータ。
【請求項96】
比率シフト機構を持つ無限可変変速機用の遊星−ピボットアーム組立品で、遊星−ピボットアーム組立品は以下で構成される。
遊星、
遊星に動作可能な形で連結された遊星軸、
遊星軸に連結されたピボットアームで、ピボットアームは比率シフト機構に動作可能な形で連結されている。
【請求項97】
遊星が実質的に球状で約2.5インチの直径を持つ請求項96の遊星−ピボットアーム組立品。
【請求項98】
遊星軸が約5.5インチの全長を持つ請求項96の遊星−ピボットアーム組立品。
【請求項99】
ピボットアームが潤滑油を遊星に供給するように適応された請求項96の遊星−ピボットアーム組立品。
【請求項100】
無限可変変速機のバリエータ用の遊星−ピボットアーム組立品で、遊星−ピボットアーム組立品は以下で構成される。
中央に穴のある実質的に球状の遊星、
第一および第二の端を持つ遊星軸、
遊星軸に取り付けられ、遊星の中央の穴と遊星軸との間の摩擦境界面となるよう構成された複数のエラストマーボール。
【請求項101】
さらに、遊星軸の第一の端に連結された少なくとも1つのピボットアームで構成される請求項100の遊星−ピボットアーム組立品。
【請求項102】
さらに、ピボットアームの一端に連結された案内ホイールで構成される請求項101の遊星−ピボットアーム組立品。
【請求項103】
無限可変変速機用の遊星−ピボットアーム組立品で、遊星−ピボットアーム組立品は以下で構成される。
実質的に球状の遊星、
遊星に動作可能な形で連結された遊星軸、
遊星軸に連結されたピボットアームで、ピボットアームは以下で構成される。
第一の軸受穴を持つ第一のアーム延長部、
第二の軸受穴を持つ第二のアーム延長部、
第一および第二のアーム延長部に連結されたピボット穴で、前記のピボット穴が第一および第二の軸受穴から遠位に配置されている、
第一および第二のアーム延長部内に形成された複数の潤滑油通路。
【請求項104】
球状の遊星が遊星軸を回転するよう、球状の遊星が遊星軸に強固に連結された請求項103の遊星−ピボットアーム組立品。
【請求項105】
遊星軸の全長が約5.5インチである請求項103の遊星−ピボットアーム組立品。
【請求項106】
球状の遊星の直径が約2.5インチである請求項103の遊星−ピボットアーム組立品。
【請求項107】
牽引リングおよび一列または複数列の遊星を持つ無限可変変速機の構成要素に軸方向荷重をかけるための中央カム組立品で、中央カム組立品は以下で構成される。
第一の牽引リングに操作できる形で連結されるように構成された第一のカムリング、
第二の牽引リングに操作できる形で連結されるように構成された第二のカムリング、
ここで第一および第二のカムリングは、第一および第二の牽引リングを一列または複数列の遊星に押しつける軸力を発生するように適応されている、
第一および第二の牽引リングと第一および第二のカムリングとの間にそれぞれ挟まれた複数のトルク伝達リング、
複数のランプを持つ中央カムベースで、その中央カムベースは、第一および第二のカムリングに動作可能な形で連結され、ここで中央カムベースは、第一および第二のカムリングの間に挟まれている、
第一および第二のカムリングと連動して軸力を発生するよう構成された複数のカムローラー。
【請求項108】
中央カムベース、カムリング、およびトルク伝達リングが変速機の縦軸と同軸に配置されている請求項107の中央カム組立品。
【請求項109】
トルク伝達リングが1つ以上の軸受により変速機のキャリアに取り付けられた請求項107の中央カム組立品。
【請求項110】
さらに、カムリングとトルク伝達リングとの間に取り付けられた同期リングで構成される請求項107の中央カム組立品。
【請求項111】
トルク伝達リングの表面とトルク伝達リングを保持する軸受の外レースの側面との間に配置された複数のばねから成る請求項107の中央カム組立品。
【請求項112】
以下で構成される中央カム組立品。
センタリング継手、
フランジを持つよう構成された牽引リングで、センタリング継手はフランジに動作可能な形で連結されている、
牽引リングと同軸の駆動出力要素で、駆動出力要素はセンタリング継手に動作可能な形で連結されている、
駆動出力要素に連結された中央出力伝達要素、
牽引リングと中央出力伝達要素との間に挟まれた複数の軸力生成要素。
【請求項113】
軸力生成要素がカムローラーに動作可能な形で連結された複数のカムローラーおよび複数の荷重カムを持つ請求項112の中央カム組立品。
【請求項114】
さらに、センタリング継手と中央出力伝達要素との間に挟まれた複数の軸スラスト軸受で構成される請求項112の中央カム組立品。
【請求項115】
さらに、軸スラスト軸受、センタリング継手および/または中央出力伝達要素の最小値隙間および/または正確な位置合わせを生む手段で構成される請求項112の中央カム組立品。
【請求項116】
さらに、センタリング継手を牽引リングに、また中央出力伝達要素を駆動出力要素にそれぞれ連結する複数のスプラインで構成される請求項112の中央カム組立品。
【請求項117】
牽引リングを持つ無限可変変速機用の入力カム組立品で、入力カム組立品は以下で構成される。
牽引リングに連結されるよう構成されたカムフランジ、
カムフランジと同軸上に位置するカムベース、
ローラーリテイナー内で保持される複数のカムローラーで、カムローラーは、カムベースと相互作用できるよう適応されている。
【請求項118】
さらに、カムフランジに動作可能な形で連結されたアンローダピストンで構成される請求項117の入力カム組立品。
【請求項119】
さらに、カムベースに動作可能な形で連結されたカム荷重ピストンで構成される請求項117の入力カム組立品。
【請求項120】
さらに、カム荷重ピストンの側面に動作可能な形で連結された複数のばねで構成される請求項119の入力カム組立品。
【請求項121】
無限可変変速機(IVT)用のキャリアで、キャリアは以下で構成される。
第一のキャリア中央ブロック、
第一のキャリア中央ブロックに連結された第二のキャリア中央ブロック、ここで作動油チャンバーは第一および第二のキャリア中央ブロックの間の境界面に形成されている、
第一のキャリア中央ブロックに連結されたキャリア入力キャップ、
第二のキャリア中央ブロックに連結されたキャリア出力キャップ。
【請求項122】
キャリア入力キャップおよび第一および第二のキャリア中央ブロックに、複数の作動油流路がある請求項121のキャリア。
【請求項123】
さらに、キャリア入力キャップの第一のキャリア中央ブロックへの連結を促進するよう適応された複数の締付けフィンガーで構成される請求項122のキャリア。
【請求項124】
締付けフィンガーがキャリア入力キャップと一体であり、また作動油流路が少なくとも部分的に、締付けフィンガー内で一体である請求項123のキャリア。
【請求項125】
さらに、キャリアに連結された複数のキャリアフィンガーで構成され、ここでキャリアフィンガーがIVTの複数の遊星−ピボットアーム組立品に連結するよう構成された表面を持つ請求項121のキャリア。
【請求項126】
入力キャリアキャップがIVTの入力シャフトに動作可能な形で連結されている請求項125のキャリア。
【請求項127】
締付けフィンガーおよび中央ブロックに複数の作動油流路がある請求項126のキャリア。
【請求項128】
さらに、出力キャリアキャップに連結されたキャリア出力シャフトで構成される請求項121のキャリア。
【請求項129】
遊星軸およびピボットアームに動作可能な形で連結された複数の遊星を持つバリエータ用の油圧変速制御システムで、油圧変速制御システムは以下で構成される。
バリエータの少なくとも1つのピボットアームに動作可能な形で連結されたピストン、
ピストンを油圧で作動させて、それによってピボットアームを作動させるよう構成されたレギュレータ、
レギュレータに動作可能な形で連結された制御信号装置、
ピボットアームに動作可能な形で連結された同期装置機構、
同期装置機構とレギュレータとの間に連結されたフィードバックシステム。
【請求項130】
レギュレータが4方向弁から成る請求項129の制御システム。
【請求項131】
同期装置が遊星アレイの各遊星の傾き角の同期を促進する機械的連関から成る請求項129の制御システム。
【請求項132】
入力シャフトおよびキャリアを持つ連続可変変速機用の比率シフト機構で、比率シフト機構は以下で構成される。
少なくとも部分的に、入力シャフトと一体となるよう適応された油圧弁、
多数の流路およびチャンバーを通過して制御液がキャリアを流入・流出できるように構成された油圧回路で、ここで少なくともいくつかの流路およびチャンバーが入力シャフト内に形成される。
【請求項133】
少なくとも一部の流路およびチャンバーがキャリア内に形成される請求項132の比率シフト機構。
【請求項134】
さらに、油圧弁に動作可能な形で連結された制御ねじで構成される請求項132の比率シフト機構。
【請求項135】
さらに、制御ねじと連動するよう構成された少なくとも1つの制御ねじナットで構成される請求項134の比率シフト機構。
【請求項136】
さらに、制御ねじナットに連結されたピボットピンハブで構成される請求項135の比率シフト機構。
【請求項137】
さらに、油圧弁と連動するよう適応された制御ピストンで構成される請求項136の比率シフト機構。
【請求項138】
ピボットピンハブが制御ピストンに連結された請求項137の比率シフト機構。
【請求項139】
連続または無限可変変速機用の位置フィードバック機構で、位置フィードバック機構は以下で構成される。
変速機のシフト機構と連動するよう構成された油圧制御弁、
制御弁に動作可能な形で連結された制御ねじ、
制御ねじに連結されたフィードバックねじ、ここでフィードバックねじは変速機のバリエータに操作できる形で連結されるよう構成されている。
【請求項140】
制御ねじおよびフィードバックねじが強固に連結されている請求項139の位置フィードバック機構。
【請求項141】
フィードバックねじが、実質的に軸方向に自由に変換できる請求項140の位置フィードバック機構。
【請求項142】
制御ねじが、ピンにより右巻きねじに連結されている左巻きねじから成る請求項139の位置フィードバック機構。
【請求項143】
制御ねじが変速機のバリエータ内の遊星軸の傾き角の外部測定のフィードバックを供給するように構成された請求項139の位置フィードバック機構。
【請求項144】
連続または無限可変変速機のバリエータ用の同期装置で、同期装置は以下で構成される。
制御ねじ、
制御ねじに連結された複数のピボットピンハブ、
ここで、制御ねじは、変速機の複数の遊星アレイを同一の傾き角に同期化するよう構成されている。
【請求項145】
制御ねじが、左制御ねじに強固に連結された右制御ねじから成り、右制御ねじのねじ山のリードが左制御ねじのねじ山のリードの方向とは逆である請求項144の同期装置。
【請求項146】
右制御ねじおよび左制御ねじが1つの一体の部品である請求項145の同期装置。
【請求項147】
複数のピボットピンハブのうち少なくとも1つに強固に連結された制御ねじナットから成る請求項146の同期装置。
【請求項148】
連続または無限可変変速機(C/IVT)用のシフト機構で、シフト機構は以下で構成される。
C/IVTの入力シャフトにある空洞に囲まれるよう構成された制御弁、
制御弁と流体連通する制御ピストン、
制御ピストンに動作可能な形で連結されたピボットピンハブで、ピボットピンハブは、C/IVTのピボットアームに動作可能な形で連結されている。
【請求項149】
制御ピストンがピボットピンハブを軸方向に変換するよう適応されている請求項148のシフト機構。
【請求項150】
ピボットピンハブの軸方向の動きがピボットアームの傾きに対応する請求項149のシフト機構。
【請求項151】
ピボットアームの傾きによりC/IVTをシフトする請求項150のシフト機構。
【請求項152】
複数のピボットアームを有する無限可変変速機をシフトする方法であって、
フィードバック機構を、前記複数のピボットアームに動作可能に連結するステップと、
レギュレータを、前記フィードバック機構に動作可能に連結するステップと、
前記複数のピボットアームの状態の1つ以上の指標を、前記フィードバック機構から前記レギュレータに供給するステップと、
前記レギュレータにおいて制御信号を受信するステップと、
前記レギュレータにおいて油圧の調節を行うステップであって、当該油圧は、前記制御信号と複数のピボットアームの状態についての1つ以上の指標との組み合わせに、少なくとも部分的に基づいている、ステップと、
前記複数のピボットアームを移動させるために前記油圧を使用することにより、変速比を調整するステップと、
を備えている方法。
【請求項153】
同期装置を前記複数のピボットアームに動作可能に連結すること、をさらに備え、前記同期装置は、前記フィードバック機構に動作可能に連結するように構成されている、請求項152に記載の方法。
【請求項154】
前記制御信号を受信するステップは、望ましい変速機の比を示すように構成されたパイロット圧を供給すること、を備えている、請求項152に記載の方法。
【請求項155】
前記ピボットアームに動作可能に連結された複数の遊星軸を提供することをさらに備えている、請求項152に記載の方法。
【請求項156】
バリエータは以下で構成される。
第一の列の遊星−ピボットアーム組立品で、前記の遊星−ピボットアーム組立品は第一の列の牽引ローラーを持つ、
第二の列の遊星−ピボットアーム組立品で、前記の遊星−ピボットアーム組立品は第二の列の牽引ローラーを持つ、
遊星−ピボット組立品の列を受けて保持するように構成されたキャリアで、ここで第一および第二それぞれの列の牽引ローラーキャリアの縦軸の周りに角度間隔をもたせて配置され、また第一および第二の列の牽引ローラーはそれぞれ、キャリアの縦軸と同心円上に位置する。
第一の列の遊星−ピボットアーム組立品に連結された第一の非回転式牽引リング、
第二の列の遊星−ピボットアーム組立品に連結された第二の非回転式牽引リング、
第一の列の遊星−ピボットアーム組立品に連結された第一の出力牽引リング、
第二の列の遊星−ピボットアーム組立品に接する第二の出力牽引リング、
第一および/または第二の出力牽引リングに動作可能な形で連結された軸力生成機構、
遊星−ピボットアーム組立品に連結されたシフト機構で、シフト機構は、牽引ローラーの回転軸を傾けるために、第一および第二の列の遊星−ピボットアーム組立品を同期的に作動させる、
キャリアに連結された入力シャフト。
【請求項157】
第一の非回転式牽引に連結された第二の軸力生成機構から成る請求項156のバリエータ。
【請求項158】
第一および第二の出力牽引リングに連結されたトルク出力装置から成る請求項156のバリエータ。
【請求項159】
それぞれ、第一および第二の列の牽引ローラーに連結された第一および第二のアイドラー組立品から成る請求項156のバリエータ。
【請求項160】
以下から構成される無限可変変速機(IVT)。
IVTの縦軸の周りを回転するよう構成されたキャリア、
キャリアに動作可能な形で連結された第一の列の遊星−ピボット組立品で、キャリアは前記の列の遊星−ピボット組立品を受けて保持するよう適応され、それぞれの遊星−ピボット組立品は縦軸の周りに角度間隔をもたせて配置された複数の遊星を持つ。
キャリアに連結された入力シャフトで、入力シャフトおよびキャリアは、変速機の中央の軸と同軸となり、その周りを回転するよう構成されている、
第一の列の遊星−ピボットアーム組立品に連結された第一の非回転式牽引リング、
第一の列の遊星−ピボット組立品と接触する出力牽引リング、
変速機の縦軸と同軸に配置されたアイドラー組立品で、アイドラー組立品は遊星と接触している、
キャリアおよび/または入力シャフトと流体連通するよう構成された油圧制御システムで、油圧制御システムはIVTの変速機の比を調節するよう適応されている。
【請求項161】
キャリアに連結された第二の列の遊星−ピボットアーム組立品から成る請求項160のIVT。
【請求項162】
第二の列の遊星−ピボットアーム組立品に連結された第二の非回転式牽引リングから成る請求項161のIVT。
【請求項163】
油圧システムと流体連通するように適応されたピストンから成り、ピストンが少なくとも1つの列の遊星−ピボットアーム組立品を作動させるよう構成されている請求項160のIVT。
【請求項164】
無限可変変速機のバリエータを動作させる方法で、この方法は以下の手順から構成される。
入力シャフトをバリエータのキャリアに操作できる形で連結する、
入力シャフトの動力を受ける、
入力速度W1での入力トルクT1を、入力シャフトを介してキャリアに伝達する、
バリエータの駆動フランジからの第二の速度W2での第二のトルクT2をバリエータから取り出して伝達する手順で、第二のトルクT2および第二の速度W2は連続可変となるよう構成され、第二のトルクT2および第二の速度W2はバリエータの複数の遊星−ピボットアーム組立品の牽引遊星の傾き角に少なくとも部分的に依存し、ここで第二の速度W2はゼロの大きさを持つことができ、第二の速度W2はまた前方および後方の回転方向を持ちうる。
【請求項165】
さらに、キャリアからバリエータの外に第三のトルクT3での入力速度W1を伝達することで構成される請求項164の方法。
【請求項166】
さらに、出力シャフトでの第二のトルクT2および第三のトルクT3を補助ギアセットによって組み合わせることで構成される請求項165の方法。
【請求項167】
さらに、バリエータをレンジボックスに操作できる形で連結することで構成される請求項165の方法。
【請求項168】
連続可変変速機でのトルクスパイクに対する動的な反応を許容する油圧軸方向装荷を提供する方法で、この方法は以下の手順から構成される。
トルクスパイクに反応して軸力を発生するように構成された機械的荷重カム組立品を提供する、
油圧軸方向装荷機構を機械的荷重カム組立品に連結する手順で、油圧軸方向装荷機構は少なくとも部分的に変速機の定常状態の動作トルクに基づく軸力を供給するよう構成される。
【請求項169】
さらに、機械的荷重カム組立品が要求される最大値の動作軸力を超える軸力を供給するよう構成することから成る請求項168の方法。
【請求項170】
ここで、油圧軸方向装荷機構の連結が、アンローダピストンおよびアンローダシリンダーを提供し、アンローダピストンおよびアンローダシリンダーが機械的荷重カム組立品により生成される軸力を望ましい軸力に調節するよう構成することから成る請求項168の方法。
【請求項171】
さらに、IVTの動作中に実質的に一定の軸力を提供することから成る請求項168の方法。
【請求項172】
連続可変または無限可変変速機のバリエータの比を変更する方法であって、
油圧制御弁を提供するステップと、
前記油圧制御弁を、複数の油圧ピストンに、動作可能に連結するステップと、
前記バリエータの複数の遊星軸を、前記複数の油圧ピストンの少なくとも1つに、動作可能に連結するステップと、
油圧を前記油圧制御弁で調節するステップと、
前記油圧制御弁からの油圧を、前記複数の油圧ピストンのうち少なくとも1つに供給するステップと、
前記油圧を介して、前記遊星軸の傾き角を変更するステップと、
を備えている、方法。
【請求項173】
前記遊星軸の傾き角を変更するステップは、前記複数の油圧ピストンの少なくとも1つを軸方向に変換すること、を備えている、請求項172に記載の方法。
【請求項174】
前記油圧制御弁にパイロット圧を供給するステップをさらに備え、当該パイロット圧は前記遊星軸の望ましい傾き角を示すよう構成されている、請求項172に記載の方法。
【請求項175】
前記パイロット圧を供給するステップは、傾き角1度について約20psiとなるパイロット圧の最小変位を設定するように構成されている、請求項174に記載の方法。
【請求項176】
連続または無限可変変速機をシフトする方法であって
制御弁を、油圧によって制御ピストンに連結するステップと、
前記制御ピストンを、フィードバックばねに連結するステップと、
前記変速機の遊星軸の制御弁に対する傾き角を示すパイロット圧を提供するステップであって、前記パイロット圧の圧力範囲は、少なくとも、前記フィードバックばねのばね率、前記フィードバックばねの合計たわみ範囲、及び前記制御ピストンの面積の関数である、ステップと、
少なくとも部分的にパイロット圧に基づいて前記遊星軸を傾かせ、それにより当該遊星軸の傾きが前記変速機をシフトさせる、ステップと、
を備えている、方法。
【請求項177】
前記制御ピストンをフィードバックばねに連結するステップは、前記フィードバックばねの予加重を調節する手段の提供を備え、当該フィードバックばねの予荷重は、前記パイロット圧の大きさを確立するように構成される、請求項176に記載の方法。
【請求項178】
油圧による制御弁の制御ピストンへの連結が、制御弁を使用して油圧を制御ピストンに制御・供給することから成る請求項177の方法。
【請求項179】
遊星軸の傾きの作動が制御ピストンを軸方向に変換することから成る請求項178の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図8H】
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【図8I】
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【図8J】
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【図8K】
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【図8L】
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【図8M】
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【図8N】
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【図8O】
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【図8P】
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【図8Q】
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【図8R】
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【図8S】
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【図8T】
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【図8U】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図15E】
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【図15F】
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【図15G】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図16E】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図18E】
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【図18F】
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【図18G】
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【図18H】
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【図18I】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図21D】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図23D】
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【図23E】
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【図23F】
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【図23G】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図25D】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28A】
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【図28B】
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【図29A】
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【図29B】
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【図30A】
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【図30B】
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【図30C】
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【図30D】
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【図31A】
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【図31B】
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【図32A】
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【図32B】
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【図32C】
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【図33A】
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【図33B】
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【図34A】
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【図34B】
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【図35A】
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【図35B】
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【図35C】
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【図36A】
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【図36B】
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【図37A】
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【図37B】
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【図38A】
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【図38B】
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【図39A】
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【図39B】
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【図40A】
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【図40B】
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【図40C】
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【図40D】
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【図40E】
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【図41A】
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【図41B】
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【図41C】
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【図41D】
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【図41E】
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【公表番号】特表2010−519467(P2010−519467A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549718(P2009−549718)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2008/053951
【国際公開番号】WO2008/101070
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(502252415)フォールブルック テクノロジーズ インコーポレイテッド (19)
【Fターム(参考)】