熱処理装置
【課題】基板上に形成された塗布膜を減圧雰囲気下で熱処理するにあたり、処理室内へのパージガスの供給量が少ない場合でも基板への昇華物の付着を抑制することができる熱処理装置を提供すること。
【解決手段】処理室21の天井の中央部に、基板載置台31と対向するように当該処理室21にパージガスを導入するためのガス供給ノズル51を設けて、処理室21の底部に当該処理室21内を減圧雰囲気とするための排気口64a、64bを設ける。また、処理室21の中央部にウエハWを水平に載置するための基板載置台31を設けると共に、この基板載置台31を加熱するヒータ33を設けて、前記基板載置台31の外縁から外方に突出し、当該基板載置台31の周方向に沿って形成されると共に処理室21の底面との間に空間を形成する整流部34を設ける。
【解決手段】処理室21の天井の中央部に、基板載置台31と対向するように当該処理室21にパージガスを導入するためのガス供給ノズル51を設けて、処理室21の底部に当該処理室21内を減圧雰囲気とするための排気口64a、64bを設ける。また、処理室21の中央部にウエハWを水平に載置するための基板載置台31を設けると共に、この基板載置台31を加熱するヒータ33を設けて、前記基板載置台31の外縁から外方に突出し、当該基板載置台31の周方向に沿って形成されると共に処理室21の底面との間に空間を形成する整流部34を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液が塗布されて塗布膜例えば絶縁膜が形成された基板を減圧雰囲気下で加熱して当該塗布膜を改質する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程の一つとして、例えば半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)上に絶縁膜を形成するSOD(Spin on Dielectric)法がある。この手法では、ウエハの表面に、絶縁膜の形成材料を溶媒に溶解させた塗布液をスピンコーティングにより塗布し、この塗布液を乾燥させた後、当該ウエハを加熱して塗布液を化学反応例えば縮重合させ、次に塗布膜を硬化させるための改質(キュア)処理を行うことで絶縁膜が形成される。
【0003】
前記改質処理は、例えば図18に示すEB(Electron Beam)キュアユニット(EBC)1にて行われる。なお、図の便宜上、EB照射ユニットは省略してある。このEBキュアユニット1は、ウエハWを加熱する気密な処理室10(真空チャンバー)を備えている。この処理室10の底面中央部から上方に突出するように環状体10aが形成され、その上面に、ウエハよりも若干広い円形状の基板載置台11が設けられている。この基板載置台11の内部11には、当該基板載置台11を例えば200℃〜450℃に加熱するヒータ12が埋設されている。また、基板載置台11へウエハWを受け渡すための昇降ピン13が、当該基板載置台11を貫通して設けられている。
【0004】
前記処理室10の天井部には、概ね全面に亘ってガス導入口14が設けられ、当該ガス導入口14から例えば窒素(N2)やヘリウム(He)等のパージガスが処理室10内へ供給される。また環状体10aの外側の底面には、処理室10の中心に対して対称な2箇所に排気口15a、15bが形成されている。
【0005】
そして、ウエハWへ改質処理を行う工程は、先ず昇降ピン13を介して、基板載置台11にウエハWを載置し、前記ヒータ12によりウエハWを例えば300℃に加熱する。次に、ガス導入口14より処理室10内にパージガスを導入し、排気口15a、15bより例えば900Pa(7Torr)で真空排気を行う。このとき処理室10には、矢印で示すように上から下方向へ、環状体10aと処理室10の側壁との環状空間を通って排気口15a、15bから排気される気流が形成される。一方、ウエハWが加熱されることで塗布膜が改質されると共に塗布膜から昇華物が発生する。この昇華物は前記気流に乗って処理室10の外部へ排出される。
【0006】
このようなEBキュアユニット1では減圧雰囲気下において速やかに処理室10の内部からパージガスを排気するために、処理室10の環状空間を大容積とし、前記処理室10を流れるガスの流量を例えば30L/minに設定し、これにより既述のように一方向流が形成される。
【0007】
しかし、環境に与える影響への配慮から、パージガスの流量は少ない方が好ましいが、処理室10内のガスの流量を減らしてゆくと既述の一方向流の流れが弱まり、基板載置台11の熱によって対流が生じ、昇華物が対流に乗ってウエハWの表面に再付着してウエハWが汚染されてしまう問題がある。このような熱処理装置は、例えば特許文献1に開示されているが、既述の問題を解決する手段については述べられていない。また、特許文献2では基板載置台の周縁と処理室の側壁との隙間が狭く構成されているが、既述の問題については何も触れられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−86539
【特許文献2】特開2004−186682(図20参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、基板上に形成された塗布膜を減圧雰囲気下で熱処理するにあたり、処理室内へのパージガスの供給量が少ない場合でも基板への昇華物の付着を抑制することができる熱処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の熱処理装置は、
塗布膜が形成された基板を気密な処理容器内にて減圧雰囲気下で熱処理することにより当該塗布膜を改質する装置において、
前記処理容器内に基板を水平に載置するために設けられ、基板と同じか基板よりも広い基板載置台と、
この基板載置台を加熱するための加熱手段と、
前記処理容器の天井部の中央部に、前記基板載置台と対向するように設けられ、前記処理容器内にパージガスを導入するためのガス導入部と、
前記処理容器の底部に形成された排気口と、
前記基板載置台の外縁側から外方に突出し、当該基板載置台の周方向に沿って設けられると共に処理容器の底面との間に空間を形成する整流部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、熱処理装置は以下の構成を取っても良い。
1. 前記処理容器の底面から上方に伸びるように設けられ、その横断面が前記基板載置台と略同じ大きさである環状体を備え、
前記基板載置台はこの環状体の上面を塞ぐように設けられている構成。
2. 前記整流部の外縁部が下方側に屈曲している構成。
3. 前記整流部と処理容器の天井部との間の空間を、当該整流部の外縁に向かうにつれて狭くした構成。
4. 前記ガス導入部からのガスの導入を補助するために、処理容器の天井部の中央部から外縁側に寄った位置に更にガス導入部を設けた構成。
【発明の効果】
【0012】
処理容器内を減圧した状態で、基板からの昇華物を排出するパージガスの流量を小さくすると、加熱されている基板載置台の熱により処理容器内に対流が生じて昇華物が基板に付着(再付着)しやすくなる。ここで本発明は、処理容器内の基板載置台の外縁から外方に突出する整流部を当該基板載置台の周方向に沿って設け、この整流部により処理容器内の空間を上下に分割し、下方側の空間から減圧排気している。このため上側の空間ではガスが放射状に流れる一方、下側空間では対流が起こりやすくなるが、対流による気流が整流部材によって上側空間に戻りにくくなる。このためパージガスの流量を小さくしながら、基板への昇華物の付着を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る熱処理装置をEBキュアユニットに適用し、当該EBキュアユニットを組み込んだ絶縁膜形成装置を示す上面図である。
【図2】前記絶縁膜形成装置の装置構成を示すレイアウトである。
【図3】前記EBキュアユニットを示す縦断面図である。
【図4】前記EBキュアユニットを示す上面図である。
【図5】前記排気リングを示す上面図及び縦断面図である。
【図6】前記EBキュアユニットの一部を構成する電子線照射装置の上面図である。
【図7】前記EBキュアユニット内に形成されるダウンフローを模式的に説明する模式図である。
【図8】他の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断面図である。
【図9】他の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断面図である。
【図10】他の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断面図である。
【図11】他の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断面図である。
【図12】他の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断面図である。
【図13】他の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断面図である。
【図14】他の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断面図である。
【図15】他の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断面図である。
【図16】他の実施の形態に係る熱処理装置のEB照射ユニットの下面を示す図である。
【図17】他の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断面図である。
【図18】従来の熱処理装置を適用したEBキュアユニットを示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態に係る熱処理装置をEB(Electron Beam)キュアユニット(EBC)に適用し、絶縁膜形成装置に組み込んだ例を説明する。先ず絶縁膜形成装置について図1及び図2を参照しながら簡単に説明する。この絶縁膜形成装置100は、複数枚数のウエハWが収納されたキャリアCが搬出入するためのキャリアブロック110と、第1の処理ブロック120及び第2の処理ブロック130と、を備えている。前記キャリアブロック110は、例えば3個のキャリアC1、C2及びC3を並べて載置することができるキャリア載置台111と、キャリアCと処理ブロックとの間でウエハWを搬送する受け渡しアーム(CRA)113と、を備えている。
【0015】
前記第1の処理ブロック120は、各々複数のユニットを積層した3つの積層部T1、T2及びT3を備えている。各積層部のユニットは次の通りである。TRS121はキャリアブロック110との間でウエハWの搬送を行う受渡ユニット、CPL123は絶縁膜の形成材料を含む薬液の塗布前にウエハWを所定の温度に加熱する温調ユニット、DVT124はウエハWの表面に紫外線照射処理を施すUV照射ユニット、TCP125はウエハWの冷却を行うトランジッションチルプレート、SCT127はウエハW表面に絶縁膜の形成材料を含む薬液を塗布して塗布膜を形成する処理を行う塗布ユニット、HHP128はウエハ表面に形成された塗布膜に含まれる溶剤を熱により蒸発させて塗布膜を乾燥させる高温加熱ユニット、DLB129はウエハWを加熱して塗布膜の化学反応を進行させる処理を行うベークユニットである。また、図1及び図2中の122は各ユニットの間でウエハWを搬送する搬送アーム(PRA)である。
【0016】
第2の処理ブロック130は、PRA122との間でウエハWの搬送を行うための受渡ユニットTRS131と、ウエハWに紫外線を照射し、改質処理を行うUVキュアユニット(UVC)132と、ウエハWをベーク処理温度よりもさらに高い温度に加熱等することによって架橋またはポロジェンの離脱を進行させて塗布膜を硬化(改質)させる、いわゆる、キュア処理(電子線によるEBキュア処理)を行うことで、絶縁膜を形成するEBキュアユニット(EBC)2と、を備えている。また、図1及び図2中の133は各ユニットの間でウエハWを搬送する搬送アーム(PRA)である。
【0017】
キャリアCに収容されているウエハWは、受け渡しアーム(CRA)113→受渡ユニット(TRS)121→搬送アーム(PRA)122→UV照射ユニット(DVT)124→温調ユニット(CPL)123→塗布ユニット(SCT)127→高温加熱ユニット(HHP)128→ベークユニット(DLB)129→UVキュアユニット(UVC)132→EBキュアユニット(EBC)2→トランジッションチルプレート(TCP)125→受け渡しアーム(CRA)113の順に搬送され、各処理ユニットで所定の処理がなされ、キャリアCに戻される。この一連の処理により、ウエハWの表面に絶縁膜が形成される。
【0018】
次に、本発明に係る熱処理装置の実施形態であるEBキュアユニット(EBC)について説明する。図3及び図4に示すように、EBキュアユニット(EBC)2は、ウエハWを熱処理するための円筒状の処理室21と、ロードロック室を兼用する角型のウエハ搬出入室22とがゲートバルブ23を介して連設されている。これら処理室21及びウエハ搬出入室22は気密な容器(真空容器)により構成されている。なお、処理室21、ウエハ搬出入室22は上面が開口した角型のケース体に囲まれている。
【0019】
前記処理室21の底面中央部には、環状体24が起立して設けられ、この環状体24の上面を気密に塞ぐように基板載置台31が設けられている。この基板載置台31はウエハWを載置することができ、ウエハWと同じ大きさあるいはそれよりも若干広く形成されている。前記基板載置台31は熱伝導性に優れた材料例えばセラミックである炭化ケイ素や窒化アルミニウム等が用いられている。前記基板載置台31の内部には、電力供給部32から電力供給される加熱手段である例えばヒータ33が埋設され、例えば200℃〜450℃に基板載置台31を加熱することができる。前記基板載置台31の表面には図示していないがウエハWを基板載置台31の表面に近接させて支持するプロキシミティピンが同心円状に設けられている。
【0020】
基板載置台31の外縁には、外方へ突出し、当該基板載置台31の周方向に沿って(全周に亘って)整流部34、この例では整流板が形成されている。整流部34の上面の高さレベルは、例えばウエハWを基板載置台31に載置したときの当該ウエハWの表面と同じ高さとなるように設定されている。環状体24と処理室21の側周壁との間に形成された環状の空間の底部、即ち処理室21の底面における環状体24の外側部位には、処理室21の中心部を介して互いに対抗する位置に排気口64a、64bが形成されている。また、環状体24の外側周方向に沿って、排気リング61が設けられている。この排気リング61の表面には図5に示すように多数の孔部62が形成され、当該孔部62は排気リング61内に環状に形成された流路63に接続されている。また流路63は、排気口64a、64bに対応する位置で夫々下方へ伸び出して、これら排気口64a、64bに接続している。前記排気口64a、64bの下方より排気管65が接続し、当該排気管65の上流は圧力調整用のバルブ66を介して真空排気手段である真空ポンプ67に接続している。
【0021】
処理室21は、既述のように基板載置台31から横方向に飛び出した整流部34により、上部側のいわばプロセス空間(上側空間21a)と下部側のいわば環状の排気空間(下側空間21b)とに分割されている。整流部34の外縁と処理室21の側周壁との離間距離は例えば45mm程度に設定される。環状体24で囲まれる空間には、電極棒32a、昇降ピン36及び昇降ピン36の昇降機構35が設けられている。前記電極棒32aは処理室21の底面を貫通して外部から給電される。前記昇降ピン36は基板載置台31を貫通し、ウエハWを基板載置台31と後述する搬送アームとの間で受け渡すことができる。
【0022】
処理室21の天井部には、EB照射ユニット41が設けられている。このEB照射ユニット41は、基板載置台31上のウエハWに対向する領域に複数のEB照射チューブ42を配置して構成され、照射制御装置43により制御されている。また、処理室21の天井部における、基板載置台31の中央部に対向する部位には、ガス導入部であるガス供給ノズル51が設けられている。このガス供給ノズル51は下面及び側面に多数のガス吐出口が形成された円筒体により構成され、処理室21内にパージガスである不活性ガス例えば窒素ガス(N2)を供給することが可能である。前記ガス供給ノズル51は、EB照射ユニット41の中央部を貫通した配管52を通じてガス供給源53に接続しており、配設されているバルブ52aによりガスの供給量が制御される。
【0023】
図4に示すように、ウエハ搬出入室22には多関節構造を有する搬送アーム71と、昇降機構72により昇降自在な昇降ピン73が設けられている。ウエハ搬出入室22にはガス供給源53よりバルブを配設した配管54を介して、例えば窒素ガスが供給され、吸引排気部である例えば真空ポンプ67より窒素ガスが吸引排気される。また、ウエハ搬出入室22の側壁には、ゲートバルブ74aにより開閉自在なウエハ搬出入口74が形成されている。
【0024】
図3中の8は制御部である。この制御部8は例えばCPU、プログラム、データバス及びメモリ等を備えたコンピュータである。前記プログラムはプログラム格納部に格納されており、外部の記憶媒体である例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、MD、メモリーカード等によって制御部にインストールされる。そして、制御部8は、ガス供給源53、吸引排気部67、ピン昇降機構35、72、搬送アーム71及び照射制御装置43に接続され、これらの動作を制御する機能を有する。
【0025】
次に、EBキュアユニット(EBC)2におけるウエハWの表面に形成された塗布膜を熱処理により改質する工程を説明する。先ず、ウエハ搬出入室22をN2雰囲気かつ常圧に保持し、シャッター74aを駆動してウエハ搬出入口74を開く。続いて、UVキュア処理が終了したウエハWを保持した搬送アーム(PRA)133をウエハ搬出入口74を通して進入させ、予め上昇させておいた昇降ピン73にウエハWを置くように搬送アームを133下降させる。これにより昇降ピン73にウエハWが支持され、搬送アーム(PRA)133はウエハ搬出入室22より退避させられる。前記昇降ピン73を降下させることにより、ウエハWは搬送アーム71に保持される。一方、ウエハ搬出入室22は、排気口から真空排気され、所定の低酸素減圧雰囲気に保持される。
【0026】
続いて、ゲートバルブ23を開き、予め真空雰囲気にされた処理室21へ搬送アーム71を進入させ、昇降ピン36との協同作用によりウエハW基板載置台31にウエハWを載置する。この載置台31は予めヒータ33により所定の温度に加熱されており、ウエハWは基板載置台31に載置された後、例えば300℃に加熱される。
【0027】
次にガス供給ノズル51より処理室21の天井部とウエハWとの間の空間(上側空間であるプロセス空間)に例えば窒素ガスであるパージガスが供給される。そして、排気リング61が設けられていることから整流部34と処理室21の内周壁との間から全周に亘って高い均一性をもって吸引排気作用が働き、また整流部34が外方に飛び出して処理室21の内周壁との間が狭いことからこの部分で圧損が生じ、これによりガス供給ノズル51から供給されたパージガスは図7の矢印のようにウエハWの中央領域から周縁に向けて均一に放射状に広がり、下側空間21bへ流れて、排気リング61の孔部62及び排気口64a、64bを介して吸引排気される。
【0028】
一方、基板載置台31によるウエハWの加熱と共に、EB照射ユニット41による電子線の照射によりウエハWの塗布膜の改質処理が行われる。前記電子線は透過性に優れているため、絶縁膜の内部まで侵入し、絶縁膜全体で均一な改質処理が行われる。なお、塗布膜の改質処理の際、EB照射チューブ42の冷却やプロセス反応促進を目的として、アルゴンガスやメタンガス等のプロセスガスを導入しても良い。
【0029】
改質処理に伴いウエハWの塗布膜からは昇華物が発生し、パージガスに乗って上側空間21aより下側空間21bへ流れる。このとき上側空間21aでは基板載置台31及びウエハWの熱による気流(対流)が発生しようとするが、上側空間21aの空間の高さが低いことから図7に示すようにガスが勢いよく放射状に流れ、これにより昇華物も上側空間21aから下側空間21bへ流出する。これに対し下側空間21bは容積が広く、処理室21内のパージガスの導入量も少ないことから上記の熱により対流が発生し、気流が乱れるが、下側空間21bの上方側には整流部34が飛び出していることから、乱れた気流がこの整流部34により下方側に押し返され、このため上側空間21aへの逆流が抑えられ、昇華物の流入も抑えられる。
【0030】
塗布膜の改質処理が終了した後、既述の搬入動作と逆の手順でウエハWをウエハ搬出入室22の搬送アーム71を介してに搬送アーム(PRA)133に受け渡し、続いて次に改質処理を行うウエハWをウエハ搬出入室22を介してEBキュアユニット(EBC)2内へ搬送し、塗布膜の改質処理を行う。
【0031】
上述実施の形態は、処理室21内に設けられた基板載置台31の外縁から外方へ突出する板状の整流部34を当該基板載置台31の周方向に沿って設け、処理室21内の空間を上側のプロセス空間(上側空間21a)と下側の排気空間(下側空間21b)とに分割している。パージガスの流量が少ないと基板載置台31の熱により、広い下側空間21bでは対流が発生し易くなるが、整流部34により上側空間21aへの逆流が抑えられることから、ウエハWへの昇華物の再付着を抑制することができる。従って、上述の実施の形態によれば、環境への配慮からパージガスの流量を少なくしながらウエハWのパーティクル汚染を低減できるという効果がある。
【0032】
また、本発明の熱処理装置はEBキュアユニットを用いない装置として構成することもできる。また、上述の実施形態では整流部34は環状体の上端面に固定されているが、環状体の上端部の外周面に固定されていても良いし、あるいは基板載置台31を環状体24の上端よりも上方に突出させ、その突出部分の外周面に固定されていてもよい。即ち本発明において、整流部34は基板載置台31の外縁側から外方に突出しているものであるが、載置台31に直接に固定されている場合に限られるものではない。
【0033】
次に、熱処理装置の他の実施の形態を説明する。上述の実施形態と同じ部位には同一の符号を付してある。図8に示す例では、前記整流部200の外周縁部を全周に亘って下方側に例えばカギ型に屈曲させて屈曲部(垂直壁部)201を形成している。この例では、下側空間21bへ流れてきたガスの一部が熱により対流して上側空間21aへ逆流しようとするが、整流部200の水平部部の下部側まで上昇してきた気流は、屈曲部201に沿って下方へガイドされるため、整流部200と処理室21の内周壁との間の空間を介して上側空間21aに戻りにくくなるため、逆流がより一層抑制される。
【0034】
また、図9に示す例では、整流部210の下面における内周縁部及び外周縁部に各々全周に亘って下方に突出させた突出部211、212を設け、外周縁部及び内周縁部の間に凹部214を形成している。また、図10は図9と同様の構成であるが、整流部220の凹部を湾曲形成としている。図9及び図10の例では、下側空間21bへ流れてきたガス一部が熱により対流して上側空間21aへ逆流しようとするが、凹部内に入り込んだ気流が凹部の内周面にガイドされて下方へ向かうことから、逆流が抑制される効果が大きい。図8から図10に示す3つの例はいずれも整流部の外縁部を下方側へ屈曲した構造という点で共通している。
【0035】
また、他の実施の形態では、図11に示すように処理室21の天井部におけるEB照射ユニット41の外側部位を外方に向かう程低くなるように下方へ傾斜させた傾斜壁230とし、この傾斜壁230と整流部34とで挟まれる上側空間21aが外方へ向かうに従って狭くなるように構成されている。この例では、ガス供給ノズル51より吐出されたパージガスは、上側空間21aの外方へ向かうに従って流速が速くなり、下側空間21bへ流れ、排気口64a、64bより排気される。従って、上側空間21aから下側空間21bへガスが流れる際の流速が大きくなっていることから、下側空間21bから上側空間21aへ戻ろうとする気流を抑制することができ、ウエハWへの昇華物の再付着をより一層低減することができる。
また、図12に示す例では整流部240の上面を外方へ向かうにつれて、上昇するように傾斜させ、整流部240と処理室21の天井部との間隔を狭くするように構成している。さらにまた、図13に示す例では、傾斜壁230と整流部240の両方を備えている。これらの例においても図11の例と同様の作用、効果を得ることができる。
【0036】
図14に示す例では、整流部34の上方に夫々間隔をおいて、2個の環状の整流部251、252が図示しない支持部材により処理室21内に支持されて設けられている。これら整流部251、252は、外方へ向かって縦断面が大きくなるように形成されており、従って処理室21の上面と整流部251との隙間、整流部251と整流部252との隙間及び整流部252と整流部34との隙間が、夫々外方へ向かって狭くなるように構成されている。この例ではガス供給ノズル51より吐出されたガスは、前述の隙間を通過する際に、ガスの流速が大きくなって、下側空間21bへ流れ、排気口64a、64bより排気される。従って、上側空間21aから下側空間21bへガスが流れる際の流速が大きくなっていることから、下側空間21bから上側空間21aへ流れる対流を抑制することができ、ウエハWへのパーティクルの再付着を防ぐことができる。
【0037】
また、他の実施の形態では、図15に示すようにEBユニット41の中心部以外にもガス供給ノズルを設けている。これらノズルは、図16にレイアウトを示すように中央部に設けた主ノズル51を中心とした同心円K1上に周方向に例えば3つの補助ノズル51aが等間隔に設けられ、さらに主ノズル51を中心として補助ノズル51aが配置されている同心円K1よりも大きな直径を有する同心円K2上に例えば5つの補助ノズル51bが等間隔に配置されている。前記主ノズル51は既述のガス供給ノズルと同様に円筒形状で、底面及び側面に吐出口が形成されている。補助ノズル51a、51bは、同心円の外方及び下方へ向けてガスが吐出できるようにガス吐出口が形成されている。なお、補助ノズルは下方側に向かってガスが吐出できるように円筒体の下面にのみガス吐出口を設けたものであってもよい。これらノズル51、51a、51bには夫々配管が接続され、バルブ
を介してガス供給源53に接続されている。
【0038】
この例では、主ノズル51から吐出されたガスは、処理室21の外方へ流れるに従って、流速が小さくなるが、補助ノズル51a、51bより吐出されるガスと合流し、ウエハWの周縁部においても早い流速が維持され、下側空間21bへ流れ、排気口より排出される。補助ノズル51a、51bは、主ノズル51のガスの導入を補償するためのものである。このようにノズル51、51a、51bを中心から外方へ向けて段階的に配置することにより、ガスが段階的に供給されるためガスの流速が処理室21の外側まで大きい状態を維持することができ、ガスが上側空間21aから下側空間21bへ一方向へ流れることから、ウエハWに昇華物が付着するのを防止することができる。なお、既述の整流部の外縁部が下方側に屈曲した実施の形態、整流部と処理室21の天井部との間の空間が、整流部の外縁に向かうにつれて狭くなるように構成した実施の形態及びガス導入部からのガスの導入を補助するために、処理室21の天井部の中央部から外縁側に寄った位置に更にガス導入部を設けた実施の形態のうちいずれか2つを組み合わせてもよいし、いずれか3つを組み合わせてもよい。
【0039】
また、図17は、既述の傾斜壁230とノズル51、51a、51bを備えた装置である。このように装置を構成すれば、EBキュア装置やUVキュア装置のように装置の上面に照射窓がある場合において、上面に十分な傾斜壁230を確保する場所がなく、傾斜壁230よる気流の流速増大効果が十分に得られない場合でも、傾斜壁230とノズル51、51a、51bの相乗効果により、ガスの流速を処理室内の外側でも高い状態を維持できる。従って、ガスが上側空間21aから下側空間21bへ一方向へ流れることから、ウエハWに昇華物が再付着するのを防止することができる。
【符号の説明】
【0040】
W ウエハ
2 EBキュアユニット
21 処理室
21a 上側空間
21b 下側空間
31 基板載置台
33 ヒータ
34 整流部
41 EB照射ユニット
42 EB照射チューブ
43 照射制御装置
51 ガス供給ノズル
52 ガス供給源
61 排気リング
64a、64b 排気口
67 吸引排気部
8 制御部
100 絶縁膜形成装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液が塗布されて塗布膜例えば絶縁膜が形成された基板を減圧雰囲気下で加熱して当該塗布膜を改質する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程の一つとして、例えば半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)上に絶縁膜を形成するSOD(Spin on Dielectric)法がある。この手法では、ウエハの表面に、絶縁膜の形成材料を溶媒に溶解させた塗布液をスピンコーティングにより塗布し、この塗布液を乾燥させた後、当該ウエハを加熱して塗布液を化学反応例えば縮重合させ、次に塗布膜を硬化させるための改質(キュア)処理を行うことで絶縁膜が形成される。
【0003】
前記改質処理は、例えば図18に示すEB(Electron Beam)キュアユニット(EBC)1にて行われる。なお、図の便宜上、EB照射ユニットは省略してある。このEBキュアユニット1は、ウエハWを加熱する気密な処理室10(真空チャンバー)を備えている。この処理室10の底面中央部から上方に突出するように環状体10aが形成され、その上面に、ウエハよりも若干広い円形状の基板載置台11が設けられている。この基板載置台11の内部11には、当該基板載置台11を例えば200℃〜450℃に加熱するヒータ12が埋設されている。また、基板載置台11へウエハWを受け渡すための昇降ピン13が、当該基板載置台11を貫通して設けられている。
【0004】
前記処理室10の天井部には、概ね全面に亘ってガス導入口14が設けられ、当該ガス導入口14から例えば窒素(N2)やヘリウム(He)等のパージガスが処理室10内へ供給される。また環状体10aの外側の底面には、処理室10の中心に対して対称な2箇所に排気口15a、15bが形成されている。
【0005】
そして、ウエハWへ改質処理を行う工程は、先ず昇降ピン13を介して、基板載置台11にウエハWを載置し、前記ヒータ12によりウエハWを例えば300℃に加熱する。次に、ガス導入口14より処理室10内にパージガスを導入し、排気口15a、15bより例えば900Pa(7Torr)で真空排気を行う。このとき処理室10には、矢印で示すように上から下方向へ、環状体10aと処理室10の側壁との環状空間を通って排気口15a、15bから排気される気流が形成される。一方、ウエハWが加熱されることで塗布膜が改質されると共に塗布膜から昇華物が発生する。この昇華物は前記気流に乗って処理室10の外部へ排出される。
【0006】
このようなEBキュアユニット1では減圧雰囲気下において速やかに処理室10の内部からパージガスを排気するために、処理室10の環状空間を大容積とし、前記処理室10を流れるガスの流量を例えば30L/minに設定し、これにより既述のように一方向流が形成される。
【0007】
しかし、環境に与える影響への配慮から、パージガスの流量は少ない方が好ましいが、処理室10内のガスの流量を減らしてゆくと既述の一方向流の流れが弱まり、基板載置台11の熱によって対流が生じ、昇華物が対流に乗ってウエハWの表面に再付着してウエハWが汚染されてしまう問題がある。このような熱処理装置は、例えば特許文献1に開示されているが、既述の問題を解決する手段については述べられていない。また、特許文献2では基板載置台の周縁と処理室の側壁との隙間が狭く構成されているが、既述の問題については何も触れられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−86539
【特許文献2】特開2004−186682(図20参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、基板上に形成された塗布膜を減圧雰囲気下で熱処理するにあたり、処理室内へのパージガスの供給量が少ない場合でも基板への昇華物の付着を抑制することができる熱処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の熱処理装置は、
塗布膜が形成された基板を気密な処理容器内にて減圧雰囲気下で熱処理することにより当該塗布膜を改質する装置において、
前記処理容器内に基板を水平に載置するために設けられ、基板と同じか基板よりも広い基板載置台と、
この基板載置台を加熱するための加熱手段と、
前記処理容器の天井部の中央部に、前記基板載置台と対向するように設けられ、前記処理容器内にパージガスを導入するためのガス導入部と、
前記処理容器の底部に形成された排気口と、
前記基板載置台の外縁側から外方に突出し、当該基板載置台の周方向に沿って設けられると共に処理容器の底面との間に空間を形成する整流部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、熱処理装置は以下の構成を取っても良い。
1. 前記処理容器の底面から上方に伸びるように設けられ、その横断面が前記基板載置台と略同じ大きさである環状体を備え、
前記基板載置台はこの環状体の上面を塞ぐように設けられている構成。
2. 前記整流部の外縁部が下方側に屈曲している構成。
3. 前記整流部と処理容器の天井部との間の空間を、当該整流部の外縁に向かうにつれて狭くした構成。
4. 前記ガス導入部からのガスの導入を補助するために、処理容器の天井部の中央部から外縁側に寄った位置に更にガス導入部を設けた構成。
【発明の効果】
【0012】
処理容器内を減圧した状態で、基板からの昇華物を排出するパージガスの流量を小さくすると、加熱されている基板載置台の熱により処理容器内に対流が生じて昇華物が基板に付着(再付着)しやすくなる。ここで本発明は、処理容器内の基板載置台の外縁から外方に突出する整流部を当該基板載置台の周方向に沿って設け、この整流部により処理容器内の空間を上下に分割し、下方側の空間から減圧排気している。このため上側の空間ではガスが放射状に流れる一方、下側空間では対流が起こりやすくなるが、対流による気流が整流部材によって上側空間に戻りにくくなる。このためパージガスの流量を小さくしながら、基板への昇華物の付着を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る熱処理装置をEBキュアユニットに適用し、当該EBキュアユニットを組み込んだ絶縁膜形成装置を示す上面図である。
【図2】前記絶縁膜形成装置の装置構成を示すレイアウトである。
【図3】前記EBキュアユニットを示す縦断面図である。
【図4】前記EBキュアユニットを示す上面図である。
【図5】前記排気リングを示す上面図及び縦断面図である。
【図6】前記EBキュアユニットの一部を構成する電子線照射装置の上面図である。
【図7】前記EBキュアユニット内に形成されるダウンフローを模式的に説明する模式図である。
【図8】他の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断面図である。
【図9】他の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断面図である。
【図10】他の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断面図である。
【図11】他の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断面図である。
【図12】他の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断面図である。
【図13】他の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断面図である。
【図14】他の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断面図である。
【図15】他の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断面図である。
【図16】他の実施の形態に係る熱処理装置のEB照射ユニットの下面を示す図である。
【図17】他の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断面図である。
【図18】従来の熱処理装置を適用したEBキュアユニットを示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態に係る熱処理装置をEB(Electron Beam)キュアユニット(EBC)に適用し、絶縁膜形成装置に組み込んだ例を説明する。先ず絶縁膜形成装置について図1及び図2を参照しながら簡単に説明する。この絶縁膜形成装置100は、複数枚数のウエハWが収納されたキャリアCが搬出入するためのキャリアブロック110と、第1の処理ブロック120及び第2の処理ブロック130と、を備えている。前記キャリアブロック110は、例えば3個のキャリアC1、C2及びC3を並べて載置することができるキャリア載置台111と、キャリアCと処理ブロックとの間でウエハWを搬送する受け渡しアーム(CRA)113と、を備えている。
【0015】
前記第1の処理ブロック120は、各々複数のユニットを積層した3つの積層部T1、T2及びT3を備えている。各積層部のユニットは次の通りである。TRS121はキャリアブロック110との間でウエハWの搬送を行う受渡ユニット、CPL123は絶縁膜の形成材料を含む薬液の塗布前にウエハWを所定の温度に加熱する温調ユニット、DVT124はウエハWの表面に紫外線照射処理を施すUV照射ユニット、TCP125はウエハWの冷却を行うトランジッションチルプレート、SCT127はウエハW表面に絶縁膜の形成材料を含む薬液を塗布して塗布膜を形成する処理を行う塗布ユニット、HHP128はウエハ表面に形成された塗布膜に含まれる溶剤を熱により蒸発させて塗布膜を乾燥させる高温加熱ユニット、DLB129はウエハWを加熱して塗布膜の化学反応を進行させる処理を行うベークユニットである。また、図1及び図2中の122は各ユニットの間でウエハWを搬送する搬送アーム(PRA)である。
【0016】
第2の処理ブロック130は、PRA122との間でウエハWの搬送を行うための受渡ユニットTRS131と、ウエハWに紫外線を照射し、改質処理を行うUVキュアユニット(UVC)132と、ウエハWをベーク処理温度よりもさらに高い温度に加熱等することによって架橋またはポロジェンの離脱を進行させて塗布膜を硬化(改質)させる、いわゆる、キュア処理(電子線によるEBキュア処理)を行うことで、絶縁膜を形成するEBキュアユニット(EBC)2と、を備えている。また、図1及び図2中の133は各ユニットの間でウエハWを搬送する搬送アーム(PRA)である。
【0017】
キャリアCに収容されているウエハWは、受け渡しアーム(CRA)113→受渡ユニット(TRS)121→搬送アーム(PRA)122→UV照射ユニット(DVT)124→温調ユニット(CPL)123→塗布ユニット(SCT)127→高温加熱ユニット(HHP)128→ベークユニット(DLB)129→UVキュアユニット(UVC)132→EBキュアユニット(EBC)2→トランジッションチルプレート(TCP)125→受け渡しアーム(CRA)113の順に搬送され、各処理ユニットで所定の処理がなされ、キャリアCに戻される。この一連の処理により、ウエハWの表面に絶縁膜が形成される。
【0018】
次に、本発明に係る熱処理装置の実施形態であるEBキュアユニット(EBC)について説明する。図3及び図4に示すように、EBキュアユニット(EBC)2は、ウエハWを熱処理するための円筒状の処理室21と、ロードロック室を兼用する角型のウエハ搬出入室22とがゲートバルブ23を介して連設されている。これら処理室21及びウエハ搬出入室22は気密な容器(真空容器)により構成されている。なお、処理室21、ウエハ搬出入室22は上面が開口した角型のケース体に囲まれている。
【0019】
前記処理室21の底面中央部には、環状体24が起立して設けられ、この環状体24の上面を気密に塞ぐように基板載置台31が設けられている。この基板載置台31はウエハWを載置することができ、ウエハWと同じ大きさあるいはそれよりも若干広く形成されている。前記基板載置台31は熱伝導性に優れた材料例えばセラミックである炭化ケイ素や窒化アルミニウム等が用いられている。前記基板載置台31の内部には、電力供給部32から電力供給される加熱手段である例えばヒータ33が埋設され、例えば200℃〜450℃に基板載置台31を加熱することができる。前記基板載置台31の表面には図示していないがウエハWを基板載置台31の表面に近接させて支持するプロキシミティピンが同心円状に設けられている。
【0020】
基板載置台31の外縁には、外方へ突出し、当該基板載置台31の周方向に沿って(全周に亘って)整流部34、この例では整流板が形成されている。整流部34の上面の高さレベルは、例えばウエハWを基板載置台31に載置したときの当該ウエハWの表面と同じ高さとなるように設定されている。環状体24と処理室21の側周壁との間に形成された環状の空間の底部、即ち処理室21の底面における環状体24の外側部位には、処理室21の中心部を介して互いに対抗する位置に排気口64a、64bが形成されている。また、環状体24の外側周方向に沿って、排気リング61が設けられている。この排気リング61の表面には図5に示すように多数の孔部62が形成され、当該孔部62は排気リング61内に環状に形成された流路63に接続されている。また流路63は、排気口64a、64bに対応する位置で夫々下方へ伸び出して、これら排気口64a、64bに接続している。前記排気口64a、64bの下方より排気管65が接続し、当該排気管65の上流は圧力調整用のバルブ66を介して真空排気手段である真空ポンプ67に接続している。
【0021】
処理室21は、既述のように基板載置台31から横方向に飛び出した整流部34により、上部側のいわばプロセス空間(上側空間21a)と下部側のいわば環状の排気空間(下側空間21b)とに分割されている。整流部34の外縁と処理室21の側周壁との離間距離は例えば45mm程度に設定される。環状体24で囲まれる空間には、電極棒32a、昇降ピン36及び昇降ピン36の昇降機構35が設けられている。前記電極棒32aは処理室21の底面を貫通して外部から給電される。前記昇降ピン36は基板載置台31を貫通し、ウエハWを基板載置台31と後述する搬送アームとの間で受け渡すことができる。
【0022】
処理室21の天井部には、EB照射ユニット41が設けられている。このEB照射ユニット41は、基板載置台31上のウエハWに対向する領域に複数のEB照射チューブ42を配置して構成され、照射制御装置43により制御されている。また、処理室21の天井部における、基板載置台31の中央部に対向する部位には、ガス導入部であるガス供給ノズル51が設けられている。このガス供給ノズル51は下面及び側面に多数のガス吐出口が形成された円筒体により構成され、処理室21内にパージガスである不活性ガス例えば窒素ガス(N2)を供給することが可能である。前記ガス供給ノズル51は、EB照射ユニット41の中央部を貫通した配管52を通じてガス供給源53に接続しており、配設されているバルブ52aによりガスの供給量が制御される。
【0023】
図4に示すように、ウエハ搬出入室22には多関節構造を有する搬送アーム71と、昇降機構72により昇降自在な昇降ピン73が設けられている。ウエハ搬出入室22にはガス供給源53よりバルブを配設した配管54を介して、例えば窒素ガスが供給され、吸引排気部である例えば真空ポンプ67より窒素ガスが吸引排気される。また、ウエハ搬出入室22の側壁には、ゲートバルブ74aにより開閉自在なウエハ搬出入口74が形成されている。
【0024】
図3中の8は制御部である。この制御部8は例えばCPU、プログラム、データバス及びメモリ等を備えたコンピュータである。前記プログラムはプログラム格納部に格納されており、外部の記憶媒体である例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、MD、メモリーカード等によって制御部にインストールされる。そして、制御部8は、ガス供給源53、吸引排気部67、ピン昇降機構35、72、搬送アーム71及び照射制御装置43に接続され、これらの動作を制御する機能を有する。
【0025】
次に、EBキュアユニット(EBC)2におけるウエハWの表面に形成された塗布膜を熱処理により改質する工程を説明する。先ず、ウエハ搬出入室22をN2雰囲気かつ常圧に保持し、シャッター74aを駆動してウエハ搬出入口74を開く。続いて、UVキュア処理が終了したウエハWを保持した搬送アーム(PRA)133をウエハ搬出入口74を通して進入させ、予め上昇させておいた昇降ピン73にウエハWを置くように搬送アームを133下降させる。これにより昇降ピン73にウエハWが支持され、搬送アーム(PRA)133はウエハ搬出入室22より退避させられる。前記昇降ピン73を降下させることにより、ウエハWは搬送アーム71に保持される。一方、ウエハ搬出入室22は、排気口から真空排気され、所定の低酸素減圧雰囲気に保持される。
【0026】
続いて、ゲートバルブ23を開き、予め真空雰囲気にされた処理室21へ搬送アーム71を進入させ、昇降ピン36との協同作用によりウエハW基板載置台31にウエハWを載置する。この載置台31は予めヒータ33により所定の温度に加熱されており、ウエハWは基板載置台31に載置された後、例えば300℃に加熱される。
【0027】
次にガス供給ノズル51より処理室21の天井部とウエハWとの間の空間(上側空間であるプロセス空間)に例えば窒素ガスであるパージガスが供給される。そして、排気リング61が設けられていることから整流部34と処理室21の内周壁との間から全周に亘って高い均一性をもって吸引排気作用が働き、また整流部34が外方に飛び出して処理室21の内周壁との間が狭いことからこの部分で圧損が生じ、これによりガス供給ノズル51から供給されたパージガスは図7の矢印のようにウエハWの中央領域から周縁に向けて均一に放射状に広がり、下側空間21bへ流れて、排気リング61の孔部62及び排気口64a、64bを介して吸引排気される。
【0028】
一方、基板載置台31によるウエハWの加熱と共に、EB照射ユニット41による電子線の照射によりウエハWの塗布膜の改質処理が行われる。前記電子線は透過性に優れているため、絶縁膜の内部まで侵入し、絶縁膜全体で均一な改質処理が行われる。なお、塗布膜の改質処理の際、EB照射チューブ42の冷却やプロセス反応促進を目的として、アルゴンガスやメタンガス等のプロセスガスを導入しても良い。
【0029】
改質処理に伴いウエハWの塗布膜からは昇華物が発生し、パージガスに乗って上側空間21aより下側空間21bへ流れる。このとき上側空間21aでは基板載置台31及びウエハWの熱による気流(対流)が発生しようとするが、上側空間21aの空間の高さが低いことから図7に示すようにガスが勢いよく放射状に流れ、これにより昇華物も上側空間21aから下側空間21bへ流出する。これに対し下側空間21bは容積が広く、処理室21内のパージガスの導入量も少ないことから上記の熱により対流が発生し、気流が乱れるが、下側空間21bの上方側には整流部34が飛び出していることから、乱れた気流がこの整流部34により下方側に押し返され、このため上側空間21aへの逆流が抑えられ、昇華物の流入も抑えられる。
【0030】
塗布膜の改質処理が終了した後、既述の搬入動作と逆の手順でウエハWをウエハ搬出入室22の搬送アーム71を介してに搬送アーム(PRA)133に受け渡し、続いて次に改質処理を行うウエハWをウエハ搬出入室22を介してEBキュアユニット(EBC)2内へ搬送し、塗布膜の改質処理を行う。
【0031】
上述実施の形態は、処理室21内に設けられた基板載置台31の外縁から外方へ突出する板状の整流部34を当該基板載置台31の周方向に沿って設け、処理室21内の空間を上側のプロセス空間(上側空間21a)と下側の排気空間(下側空間21b)とに分割している。パージガスの流量が少ないと基板載置台31の熱により、広い下側空間21bでは対流が発生し易くなるが、整流部34により上側空間21aへの逆流が抑えられることから、ウエハWへの昇華物の再付着を抑制することができる。従って、上述の実施の形態によれば、環境への配慮からパージガスの流量を少なくしながらウエハWのパーティクル汚染を低減できるという効果がある。
【0032】
また、本発明の熱処理装置はEBキュアユニットを用いない装置として構成することもできる。また、上述の実施形態では整流部34は環状体の上端面に固定されているが、環状体の上端部の外周面に固定されていても良いし、あるいは基板載置台31を環状体24の上端よりも上方に突出させ、その突出部分の外周面に固定されていてもよい。即ち本発明において、整流部34は基板載置台31の外縁側から外方に突出しているものであるが、載置台31に直接に固定されている場合に限られるものではない。
【0033】
次に、熱処理装置の他の実施の形態を説明する。上述の実施形態と同じ部位には同一の符号を付してある。図8に示す例では、前記整流部200の外周縁部を全周に亘って下方側に例えばカギ型に屈曲させて屈曲部(垂直壁部)201を形成している。この例では、下側空間21bへ流れてきたガスの一部が熱により対流して上側空間21aへ逆流しようとするが、整流部200の水平部部の下部側まで上昇してきた気流は、屈曲部201に沿って下方へガイドされるため、整流部200と処理室21の内周壁との間の空間を介して上側空間21aに戻りにくくなるため、逆流がより一層抑制される。
【0034】
また、図9に示す例では、整流部210の下面における内周縁部及び外周縁部に各々全周に亘って下方に突出させた突出部211、212を設け、外周縁部及び内周縁部の間に凹部214を形成している。また、図10は図9と同様の構成であるが、整流部220の凹部を湾曲形成としている。図9及び図10の例では、下側空間21bへ流れてきたガス一部が熱により対流して上側空間21aへ逆流しようとするが、凹部内に入り込んだ気流が凹部の内周面にガイドされて下方へ向かうことから、逆流が抑制される効果が大きい。図8から図10に示す3つの例はいずれも整流部の外縁部を下方側へ屈曲した構造という点で共通している。
【0035】
また、他の実施の形態では、図11に示すように処理室21の天井部におけるEB照射ユニット41の外側部位を外方に向かう程低くなるように下方へ傾斜させた傾斜壁230とし、この傾斜壁230と整流部34とで挟まれる上側空間21aが外方へ向かうに従って狭くなるように構成されている。この例では、ガス供給ノズル51より吐出されたパージガスは、上側空間21aの外方へ向かうに従って流速が速くなり、下側空間21bへ流れ、排気口64a、64bより排気される。従って、上側空間21aから下側空間21bへガスが流れる際の流速が大きくなっていることから、下側空間21bから上側空間21aへ戻ろうとする気流を抑制することができ、ウエハWへの昇華物の再付着をより一層低減することができる。
また、図12に示す例では整流部240の上面を外方へ向かうにつれて、上昇するように傾斜させ、整流部240と処理室21の天井部との間隔を狭くするように構成している。さらにまた、図13に示す例では、傾斜壁230と整流部240の両方を備えている。これらの例においても図11の例と同様の作用、効果を得ることができる。
【0036】
図14に示す例では、整流部34の上方に夫々間隔をおいて、2個の環状の整流部251、252が図示しない支持部材により処理室21内に支持されて設けられている。これら整流部251、252は、外方へ向かって縦断面が大きくなるように形成されており、従って処理室21の上面と整流部251との隙間、整流部251と整流部252との隙間及び整流部252と整流部34との隙間が、夫々外方へ向かって狭くなるように構成されている。この例ではガス供給ノズル51より吐出されたガスは、前述の隙間を通過する際に、ガスの流速が大きくなって、下側空間21bへ流れ、排気口64a、64bより排気される。従って、上側空間21aから下側空間21bへガスが流れる際の流速が大きくなっていることから、下側空間21bから上側空間21aへ流れる対流を抑制することができ、ウエハWへのパーティクルの再付着を防ぐことができる。
【0037】
また、他の実施の形態では、図15に示すようにEBユニット41の中心部以外にもガス供給ノズルを設けている。これらノズルは、図16にレイアウトを示すように中央部に設けた主ノズル51を中心とした同心円K1上に周方向に例えば3つの補助ノズル51aが等間隔に設けられ、さらに主ノズル51を中心として補助ノズル51aが配置されている同心円K1よりも大きな直径を有する同心円K2上に例えば5つの補助ノズル51bが等間隔に配置されている。前記主ノズル51は既述のガス供給ノズルと同様に円筒形状で、底面及び側面に吐出口が形成されている。補助ノズル51a、51bは、同心円の外方及び下方へ向けてガスが吐出できるようにガス吐出口が形成されている。なお、補助ノズルは下方側に向かってガスが吐出できるように円筒体の下面にのみガス吐出口を設けたものであってもよい。これらノズル51、51a、51bには夫々配管が接続され、バルブ
を介してガス供給源53に接続されている。
【0038】
この例では、主ノズル51から吐出されたガスは、処理室21の外方へ流れるに従って、流速が小さくなるが、補助ノズル51a、51bより吐出されるガスと合流し、ウエハWの周縁部においても早い流速が維持され、下側空間21bへ流れ、排気口より排出される。補助ノズル51a、51bは、主ノズル51のガスの導入を補償するためのものである。このようにノズル51、51a、51bを中心から外方へ向けて段階的に配置することにより、ガスが段階的に供給されるためガスの流速が処理室21の外側まで大きい状態を維持することができ、ガスが上側空間21aから下側空間21bへ一方向へ流れることから、ウエハWに昇華物が付着するのを防止することができる。なお、既述の整流部の外縁部が下方側に屈曲した実施の形態、整流部と処理室21の天井部との間の空間が、整流部の外縁に向かうにつれて狭くなるように構成した実施の形態及びガス導入部からのガスの導入を補助するために、処理室21の天井部の中央部から外縁側に寄った位置に更にガス導入部を設けた実施の形態のうちいずれか2つを組み合わせてもよいし、いずれか3つを組み合わせてもよい。
【0039】
また、図17は、既述の傾斜壁230とノズル51、51a、51bを備えた装置である。このように装置を構成すれば、EBキュア装置やUVキュア装置のように装置の上面に照射窓がある場合において、上面に十分な傾斜壁230を確保する場所がなく、傾斜壁230よる気流の流速増大効果が十分に得られない場合でも、傾斜壁230とノズル51、51a、51bの相乗効果により、ガスの流速を処理室内の外側でも高い状態を維持できる。従って、ガスが上側空間21aから下側空間21bへ一方向へ流れることから、ウエハWに昇華物が再付着するのを防止することができる。
【符号の説明】
【0040】
W ウエハ
2 EBキュアユニット
21 処理室
21a 上側空間
21b 下側空間
31 基板載置台
33 ヒータ
34 整流部
41 EB照射ユニット
42 EB照射チューブ
43 照射制御装置
51 ガス供給ノズル
52 ガス供給源
61 排気リング
64a、64b 排気口
67 吸引排気部
8 制御部
100 絶縁膜形成装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布膜が形成された基板を気密な処理容器内にて減圧雰囲気下で熱処理することにより当該塗布膜を改質する装置において、
前記処理容器内に基板を水平に載置するために設けられ、基板と同じか基板よりも広い基板載置台と、
この基板載置台を加熱するための加熱手段と、
前記処理容器の天井部の中央部に、前記基板載置台と対向するように設けられ、前記処理容器内にパージガスを導入するためのガス導入部と、
前記処理容器の底部に形成された排気口と、
前記基板載置台の外縁側から外方に突出し、当該基板載置台の周方向に沿って設けられると共に処理容器の底面との間に空間を形成する整流部と、を備えたことを特徴とする熱処理装置。
【請求項2】
前記処理容器の底面から上方に伸びるように設けられ、その横断面が前記基板載置台と略同じ大きさである環状体を備え、
前記基板載置台はこの環状体の上面を塞ぐように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。
【請求項3】
前記整流部の外縁部が下方側に屈曲していることを特徴とする請求項1または2に記載の熱処理装置。
【請求項4】
前記整流部と処理容器の天井部との間の空間は、当該整流部の外縁に向かうにつれて狭くなるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の熱処理装置。
【請求項5】
前記ガス導入部からのガスの導入を補助するために、処理容器の天井部の中央部から外縁側に寄った位置に更にガス導入部を設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の熱処理装置。
【請求項1】
塗布膜が形成された基板を気密な処理容器内にて減圧雰囲気下で熱処理することにより当該塗布膜を改質する装置において、
前記処理容器内に基板を水平に載置するために設けられ、基板と同じか基板よりも広い基板載置台と、
この基板載置台を加熱するための加熱手段と、
前記処理容器の天井部の中央部に、前記基板載置台と対向するように設けられ、前記処理容器内にパージガスを導入するためのガス導入部と、
前記処理容器の底部に形成された排気口と、
前記基板載置台の外縁側から外方に突出し、当該基板載置台の周方向に沿って設けられると共に処理容器の底面との間に空間を形成する整流部と、を備えたことを特徴とする熱処理装置。
【請求項2】
前記処理容器の底面から上方に伸びるように設けられ、その横断面が前記基板載置台と略同じ大きさである環状体を備え、
前記基板載置台はこの環状体の上面を塞ぐように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。
【請求項3】
前記整流部の外縁部が下方側に屈曲していることを特徴とする請求項1または2に記載の熱処理装置。
【請求項4】
前記整流部と処理容器の天井部との間の空間は、当該整流部の外縁に向かうにつれて狭くなるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の熱処理装置。
【請求項5】
前記ガス導入部からのガスの導入を補助するために、処理容器の天井部の中央部から外縁側に寄った位置に更にガス導入部を設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の熱処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−272765(P2010−272765A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−124616(P2009−124616)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
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