説明

物体の表面プロファイルを測定する方法及び装置

【課題】エッジ(段差)近傍の表面プロファイルの測定結果を正確に取得することができる、物体の表面プロファイルを測定する方法を提供する。
【解決手段】物体の表面プロファイルを測定する方法であって、物体の表面の段差が走査方向に対して延在する第1の方向の情報を取得するステップと、前記情報に応じて、照射ビームに与える位相分布を設定するステップと、前記照射ビームで前記物体を前記走査方向に走査するステップと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の表面プロファイルを測定する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光プローブと走査システムとを備えた表面プロファイラが物体の表面プロファイルの測定に使用されている。
【0003】
光表面プロファイラとしての光プローブシステム1100を図1に示す。光プローブシステムは、焦点スポット(focusing spot)を使用して「共焦点法」と呼ばれる測定を実行する。レーザダイオード1000から射出されたレーザビームは、コリメータレンズ1001によって平行にされ、偏光ビームスプリッタ(PBS)1002、1/4波長板(QWP)1003及びフォーカスシフト装置1004を介し、フォーカスレンズ1005によって物体表面1050の上に焦点を合わせられる。物体表面1050からの反射光は、PBS1002を介し、結像レンズ1006によって焦点を合わせられる。ピンホールを有するピンホール板1007が物体表面1050と共役である場合、検出器1008によって検出される強度は最大となる。フォーカスシフト装置1004を用いて焦点距離を変更しながら、検出器1008において最大強度となる焦点距離によって長さLが算出される。表面プロファイルを取得するために、光プローブシステム1100は、物体1050の表面を走査する。
【0004】
回折格子や回折レンズなどの現在の回折光学素子のピッチは、10ミクロン未満となる。この方法の方位分解能は、焦点スポットサイズによって制限され、光プローブに使用される焦点スポットの典型的なサイズは、約1ミクロンである。従って、エッジ(段差)近傍の表面プロファイルの測定結果は、不正確になる。
【0005】
そこで、エッジ近傍の表面プロファイルの測定結果を正確に取得することができる、物体の表面プロファイルを測定する方法が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としての方法は、物体の表面プロファイルを測定する方法であって、物体の表面の段差が走査方向に対して延在する第1の方向の情報を取得するステップと、前記情報に応じて、照射ビームに与える位相分布を設定するステップと、前記照射ビームで前記物体を前記走査方向に走査するステップと、を有する。
【0007】
本発明の別の側面としての装置は、物体の表面プロファイルを測定する装置であって、光源と、前記光源から照射される光に位相分布を与える空間光変調器と、前記物体を走査する走査部と、前記物体からの反射光を検出する検出器と、前記物体の表面の段差が前記走査部の走査方向に対して延在する第1の方向に応じて、前記空間光変調器を制御する制御部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、光表面プロファイラを示す図。
【図2】図2は、光表面プロファイラを示す図。
【図3】図3は、段差に対するフォーカスレンズの位置を示す図。
【図4】図4は、検出器によって得られた信号強度を示す図。
【図5】図5は、各フォーカス位置での測定距離を示す図。
【図6】図6は、位相分布を示す図。
【図7】図7は、焦点スポットの強度分布を示す図。
【図8】図8は、焦点スポットの断面強度分布を示す図。
【図9】図9は、検出画像を示す図。
【図10A】図10Aは、物体の斜視図を示す図。
【図10B】図10Bは、物体の上面図及び断面図を示す図。
【図11】図11は、物体表面の上面図を示す図。
【図12】図12は、検出画像を示す図。
【図13】図13は、検出器によって得られた信号強度を示す図。
【図14A】図14Aは、位相パターンを示す図。
【図14B】図14Bは、フォーカス面におけるスポット形状を示す図。
【図15A】図15Aは、スポット形状及び物体表面の上面図を示す図。
【図15B】図15Bは、スポット形状及び物体表面の上面図を示す図。
【図15C】図15Cは、スポット形状及び物体表面の上面図を示す図。
【図16】図16は、2つのピーク強度部分である2つの点を結ぶ線を示す図。
【図17】図17は、非接触型の光表面プロファイラを示す図。
【図18】図18は、SLMパターンを示す図。
【図19】図19は、走査スポット(scanning spot)を示す図。
【図20】図20は、検出画像を示す図。
【図21】図21は、エッジ信号を算出する方法を示す図。
【図22】図22は、物体の断面図を示す図。
【図23】図23は、信号強度を示す図。
【図24】図24は、各フォーカス位置での測定距離を示す図。
【図25】図25は、非接触型の光表面プロファイラを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
図2は、光プローブシステム2100を示す。図2に示す光プローブシステムにおいて、照射ビームによって物体表面2050の上に形成されるスポットは、段差のエッジ部分2090に位置する。光プローブシステム2100は、レーザダイオード2000と、コリメータレンズ2001と、PBS2002と、QWP2003と、フォーカスシフト装置2004と、フォーカスレンズ2005と、結像レンズ2006と、ピンホール板2007と、検出器2008とを有する。共焦点法を用いて、物体表面2050の形状が測定される。
【0011】
フォーカスレンズ2005の位置は、図3に示すように、P1からP3に変更することができる。図3に示すように、P1は、フォーカスレンズ2005から物体表面2050までの距離がL1である位置を示し、P2は、スポットが段差のエッジ部分の上に位置する位置を示し、P3は、フォーカスレンズ2005から物体表面2050までの距離がL2である位置を示す。
【0012】
図4は、焦点距離がフォーカスシフト装置2004によって変更された場合において、フォーカスレンズ2005の各位置での検出器2008の信号の変化を示す。実線2061、破線2062及び一点鎖線2063は、それぞれ、位置P3、P2及びP1での信号を示す。焦点スポットが物体表面2050の上に位置するときに、ピンホール板2007を通過する光量が最大になるため、検出器の信号は最大になる。
【0013】
信号が最大になる焦点距離は、フォーカスレンズ2005と物体表面2050との間の距離と等しい。図4に示すように、焦点スポットがP1に位置する場合、信号強度はL1の焦点距離で最大になり、スポットがP3に位置する場合、信号強度はL2の焦点距離で最大になる。但し、焦点スポットがP2に位置する場合、スポットは、焦点距離がL1及びL2である物体表面の両方を含むことができるため、信号強度が最大になる距離を決定することは難しい。図5に示すように、範囲5000の中、特に、段差の位置で焦点距離を正確に測定することは、段差のエッジでの照射ビームの散乱のため、困難である。
【0014】
「Boris Spektor, Alexander Normatov, and Joseph Shamir, “Singular beam microscopy” Appl. Opt. 47, A78−A87 (2008)」に示されているように、特異ビームスポット(singular beam spot)が、困難性を解決するために検討された。
【0015】
図6に示す0及びπ(ラジアン)の位相分布が照射ビームに適用された場合、瞳面における焦点スポットの強度分布を図7に示す。スポットの強度分布の断面は、図8の実線8001によって示される。図8において、横軸は、横方向の位置であり、縦軸は、規格化した強度である。図8の破線8002は、位相分布がない照射ビームの強度分布を示す。
【0016】
位相分布が与えられた照射ビームが物体表面1050を、段差を横切ってy方向に走査される場合に、検出器によって検出される検出画像は、図9に示される。フォーカス位置がP1、P2及びP3に位置している場合、得られる検出画像は、それぞれ、D1、D2及びD3である。検出画像の変化によって、高さなどの物体の表面プロファイルの情報を取得することができる。照射ビームの走査方向が物体表面の段差が延在する方向に垂直である場合において、物体の斜視図を図10Aに示し、物体の上面図及び断面図を図10Bに示す。図10Aの矢印1150は、段差が延在する方向を示す。物体表面2050における焦点スポット2060は、図10Bに示される。
【0017】
しかしながら、図11に示すように、走査方向が物体表面の段差が延在する方向に垂直でない可能性がある。検出画像は、図12に示す2つの検出領域3010及び3020によって検出することができる。検出領域3010及び3020は、それぞれ、照射スポット3050及び3060に対応する光を検出することができる。段差の情報は、検出領域3010によって得られた信号Aと、検出領域3020によって得られた信号Bとの差分信号によって取得される。段差dの高さが102nm、照射ビームの波長が408nm、対物レンズのNAが0.5である場合、差分信号は、図13に示される。
【0018】
図13において、横軸は、スポット位置であり、縦軸は、信号強度であり、αは、図11に示すように、物体表面の段差が延在する方向と、走査方向に垂直な方向との間の角度を示す。α=0(度)は、走査方向が物体表面の段差が延在する方向に垂直であることを意味する。図13に示すように、α=0(度)における信号強度は、α=22.5(度)における信号強度及びα=45(度)における信号強度と異なる。従って、走査方向が段差が延在する方向に垂直でない場合、段差の位置や高さなどの段差の情報を得るための正確な測定が難しくなる。
【0019】
<第1の実施形態:第1の測定方法>
本発明の実施形態によれば、物体の表面プロファイルを測定する方法は、物体の表面の段差が延在する第1の方向の情報を取得することを含む。第1の方向は、図10Aの矢印1150として示される。情報は、位相分布を有する照射ビームを用いることによって取得される。位相分布の1つの例は、空間光変調器によって形成される0から2πの円位相分布である。空間光変調器の位相パターンは、図14Aに示され、位相パターンが照射ビームに与えられた場合のフォーカス面におけるスポット形状は、図14Bに示される。
【0020】
第1の方向が走査方向に垂直である(即ち、α=0(度))場合、物体表面における形状は、図15Aに示される。図15A、図15B及び図15Cにおいて、上図及び下図は、それぞれ、スポット形状(検出画像)及び物体表面の上面図に対応する。図16に示すように、スポットの2つのピーク強度部分である2つの点1650を結ぶ線1660に垂直な方向として定義される第2の方向1550は、第1の方向1150に対応している。図15B及び図15Cに示すように、段差の第1の方向が走査方向に垂直でなく(即ち、α=22.5(度)、α=45(度))、図15B及び図15Cに示す角度βが、それぞれ、22.5(度)及び45(度)である場合、第2の方向は、段差の第1の方向1150に対応する。換言すれば、第2の方向の情報を取得することは、段差が延在する第1の方向1150の情報を取得することを意味する。
【0021】
第1の方向の情報を取得する典型的な装置6100は、図17に示される。
【0022】
非接触型の光表面プロファイラ6100は、第1の光プローブ5010と、第2の光プローブ6010と、第1の光プローブ及び第2の光プローブを移動させる走査部としてのステージ1460とを含む。
【0023】
第1の光プローブ5010において、照射ビームは、第1の光源(レーザダイオード)5000から射出され、光は、第1の空間光変調器(SLM1)5100を照射する。SLM1 5100は、円位相分布として、上述した渦位相パターンを有する。位相パターンは、図14Aに示すように、0から2π(ラジアン)の範囲である。光の光位相は、SLM1 5100によって変調され、光は、ビームスプリッタ(BS1)5002を透過する。透過光は、フォーカスレンズ(L11)5005によって物体表面2050の上に焦点を合わせられる。かかる光は、ステージ1460を用いて物体表面2050を走査する第1の走査スポット(first scanning spot)S1を生成する。
【0024】
図14Bは、第1の走査スポットS1のスポット形状を示す。走査スポットS1の光は、物体表面2050によって反射され、ビームスプリッタ(BS1)5002に向かう。そして、反射光は、ビームスプリッタ(BS1)5002によって再び反射され、結像レンズ(L12)5006に向かう。光は、ビームスプリッタ5009によって2つの方向に分割される。2つに分割された光は、それぞれ、検出器(DET11)5008及び検出器(DET12)5011を照射する。
【0025】
検出器DET11 5008からの信号は、メモリ1410を介して、信号処理部1420に送信される。メモリは、信号処理部1420に含ませることができる。光プローブ5010と物体表面2050との間の距離は、共焦点法を用いた処理信号から導出される。かかる距離は、物体表面の上に焦点スポットを生成する距離の最適化に用いられる。光プローブ5010と物体表面2050との間の距離は、導出された距離を用いて、ダイナミックレンジの中心と等しい距離に調整される。
【0026】
第1の走査スポットS1が物体表面2050における段差1755のエッジに位置する場合、検出器(DET12)5011によって検出される検出画像は、図15A、図15B及び図15Cに示すようになる。図15A、図15B及び図15Cの上図は、それぞれ、焦点スポットが異なる物体表面に位置する場合における検出画像を示す。上述したように、検出画像は、2つのピーク強度を有し、検出画像の2つのピークを結ぶ線は、物体表面の段差が延在する第1の方向に垂直である。段差の第1の方向は、メモリ1410を介して信号処理部1420に送信される、検出器5011からの信号を用いることによって算出することができる。
【0027】
ピンホール板5007及び検出器(DET11)5008は、共焦点法を用いて焦点距離を設定するために使用される。表面プロファイラ6100の目的が第1の方向の情報のみを取得することである場合、以下の処理は省略してもよく、第2の光プローブ6010は不要となる。換言すれば、走査方向に関連する第1の方向の情報を取得したときに、測定処理を終了してもよい。
【0028】
<第2の実施形態:第2の測定方法及び第1の測定装置>
第1の実施形態で説明したように、信号処理部1420によって第1の方向が算出された後、信号処理部1420は、第1の方向の情報に基づいて、最適化SLMパターンを計算することができる。SLMパターンは、典型的には、図18に示され、SLMパターンは、第1の方向に対応する2つの領域に分割することができる。走査方向に垂直な方向に対する2つの領域の境界の傾斜角度は、図18に示すように、αである。SLM制御部1450は、図18に示すパターンにSLM2 6100を制御する。第2の走査スポットS2は、第1の光プローブ5010と同様にして、図17に示す第2の光プローブ6010によって形成される。光源6000、ビームスプリッタ6002、フォーカスレンズ6005及び6006、ビームスプリッタ6009、検出器6011及び6008、及び、ピンホール板6007が示されている。第1の光プローブ5010の光源5000は、第2の光プローブ6010のための光源として使用される。光プローブの両方は、ステージ制御部1440によって移動させることができる。表面プロファイラ6100は、第2の光プローブの位置及びスポット形状の変化の情報に基づいて、物体表面の情報を取得する。信号処理部1420は、物体の表面を推定することができる。
【0029】
第2の走査スポットS2は、図19に示される。この状態において、0次光は、第2の走査スポットを形成し、スポットは、2つのピーク強度を有する。また、検出画像は、図20に示される。検出画像は、図19に示す画像に対応する。第2の方向は、図20に示す検出画像の2つのピークを結ぶ線に垂直な線として導出される。
【0030】
エッジ信号を算出する方法の1つの例は、図21に示される。走査は、y方向に沿って実行される。検出領域3050がy軸に対してαの傾斜角度を有する境界3055で領域Aと領域Bとに分割される場合、エッジ信号は、実質的に、図13のα=0(度)の場合である実線のエッジ信号と同様になる。2つの領域A及びBを備えた検出器が使用される場合、図13の走査位置のスケールは、cosα×(走査位置)となるが、スケールは、信号処理部1420において、係数cosαを取ることによって較正することができる。
【0031】
換言すれば、第1の方向の情報に基づいて検出器を2つの領域に分割し、各領域で検出された信号の差分を得ることで、走査方向(y方向)を維持しながら、走査方向が第1の方向に対して垂直である信号と同様な信号を取得することができる。従って、高さに関する段差や表面プロファイルの正確な測定を実現することができる。
【0032】
図22に示すように、物体1080の段差形状に関して、d及びθが定義される。図23において、実線は、d=200(nm)、且つ、θ=51.3(度)の場合であり、破線は、d=200(nm)、且つ、θ=11.8(度)の場合である。エッジ信号が段差の角度θに応じて変化することが示される。段差の高さdは、最尤推定法などの推定法を用いて、信号のピーク値から推定することができる。最尤推定は、検出画像から、最もありそうな表面プロファイルを推定する方法である。信号処理部1420は、この推定を処理することができる。
【0033】
CCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサは、検出器3050として使用することができる。
【0034】
この方法は、エッジの位置だけではなく、図24に示す段差の角度も測定することができる。従って、表面形状の高解像情報を測定することができる。
【0035】
物体表面の第1の方向がユーザによって既に認識又は入力されている場合、第2の実施形態において、第1の方向を得るための走査処理は省略することができる。照射ビームに与える位相分布を設定した後、物体表面は、設定された照射ビームで走査される。走査において、設定された照射ビームは、物体の表面に対して移動させることができる。
【0036】
<第3の実施形態:第2の測定装置>
図25は、非接触型の光表面プロファイラ7200の図を示す。レーザダイオードなどの光源7000から射出された光は、回折格子7115によって、0次光、+1次光及び−1次光に分割される。+1次光及び0次光は、それぞれ、検出器7201及び7200によって検出される。+1次光及び0次光は、第1の走査スポットS1及び第2の走査スポットS2に対応している。SLM(空間光変調器)7100は、図14Aに示すように、位相が0から2πに変化する渦状位相パターンを有する。
【0037】
物体表面2050におけるスポット形状は、図14Bに示すように、ドーナツ形状パターンになる。+1次光を用いた第1の走査スポットS1が段差のエッジに位置する場合、検出領域7201の検出画像は、図15A、図15B又は図15Cに示す1つになる。図に示すように、検出画像は、2つのピーク強度を有し、検出画像の2つのピークを結ぶ線は、段差が延在する第1の方向に垂直である。
【0038】
信号処理部7420において、検出器7201の検出信号から、検出画像の2つのピークを結ぶ線に垂直である第1の方向が算出された後、信号処理部7420は、最適化SLMパターンを計算する。SLMパターンは、図18に示すパターンとなり、位相領域は、αに対応する第1の方向によって分割される。そして、SLM制御部7450は、図25のSLM7100のSLMパターンを制御する。その後、第2の走査スポットS2は、図19に示すように、αに対応するスポットとなる。この状態において、0次光は、第2の走査スポットS2として使用され、かかるスポットは、2つのピーク強度を有する。また、検出領域の検出画像は、図20に示される。第2の実施形態で説明したように、物体表面の測定は、第2の走査スポットS2を用いて実行される。図25では、PBS7002、QWP7003、フォーカスシフト装置7004、フォーカスレンズ7005及び7006、ピンホール板7007、ビームスプリッタ7009、検出器7008及び7011、メモリ7410、ステージ制御部7440及びステージ7460が示されている。
【0039】
典型的な実施形態を参照して本発明における実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されないことが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲は、そのような変更、並びに、等価の構造及び機能の全てを含むように広範に解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の表面プロファイルを測定する方法であって、
物体の表面の段差が走査方向に対して延在する第1の方向の情報を取得するステップと、
前記情報に応じて、照射ビームに与える位相分布を設定するステップと、
前記照射ビームで前記物体を前記走査方向に走査するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記情報は、位相分布を有する前記照射ビームを用いて取得されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記情報は、0から2πの円位相分布を有する前記照射ビームを用いて取得されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記設定は、空間光変調器を用いて実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記照射ビームは、前記物体の前記表面の前記段差が延在する前記第1の方向に従った位相分布を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記位相分布は、πの位相を与える領域と、位相を与えない領域とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記照射ビームは、前記物体の前記表面の上の強度において2つのピークを形成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記照射ビームは、前記2つのピークの2つの点を結ぶ線に垂直な第2の方向が前記物体の前記表面の前記段差が延在する前記第1の方向と等しくなるように、前記位相分布を有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記走査方法は、前記照射ビームが前記物体の前記表面に対して移動する方向であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
物体の表面プロファイルを測定する装置であって、
光源と、
前記光源から照射される光に位相分布を与える空間光変調器と、
前記物体を走査する走査部と、
前記物体からの反射光を検出する検出器と、
前記物体の表面の段差が前記走査部の走査方向に対して延在する第1の方向に応じて、前記空間光変調器を制御する制御部と、
を有することを特徴とする装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記位相分布が境界を備える2つの領域を有し、前記境界の方向が前記第1の方向に対応するように、前記空間光変調器を制御することを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
2つの光プローブを更に有し、
前記光プローブの1つは、前記光源、前記検出器及び前記制御部を含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図24】
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【図25】
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【図9】
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【図14A】
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【図14B】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−68228(P2012−68228A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−159270(P2011−159270)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】