説明

端末装置、コンテンツ記録再生装置

【課題】ユーザが指定する放送チャンネルを、良好に受信できる経路を設定する、または推薦する機能を備える装置を提供する。
【解決手段】 端末装置に、走行中の放送受信レベルを記録する手段を設ける。また、方送受信レベルと共に、コンテンツが難視聴状態になる道路の区間情報と、受信しているチャンネルの情報を保存する。さらには、これらの保存情報を、端末装置間での共有したり、サーバや携帯端末からのダウンロードしたりする。
ユーザが端末装置に目的地を設定し、走行中に視聴したいコンテンツを選択すると、端末装置は、保存している放送受信レベルに関するデータを用いて、該コンテンツの難視聴状態が最も短くなる経路を探索する。もしくは、目的地までの経路を放送受信レベル等の情報を用いずに探索し、該経路における難視聴状態が短いチャンネルを放送受信が良好なチャンネルとしてユーザに提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路探索を行って走行経路を案内する端末装置に関し、特に、映像、音楽などのコンテンツの受信と経路探索に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の端末装置は、記録媒体に道路データを蓄積しており、GPS(Global Positioning System)などを利用して検出した車の現在地から、ユーザが設定する目的地までの経路を探索することができる。ユーザは、端末装置において、目的地までの走行時間が最も短くなる経路や、目的地までの走行距離が最も短くなる経路などを探索することができる。走行時間の算出には、道路の渋滞情報や渋滞予測情報などを取得する技術を用いている。
【0003】
従来の端末装置では、ユーザが経路を設定すると、画面上に設定された経路と周辺の道路や建物などを表示し、走行する車の位置を検出しながら、ユーザに対して目的地までの経路を音声や画面表示により案内する。
【0004】
一般的な端末装置では、アナログ放送やデジタル放送などを受信する機能を備える。しかしながら、山間部などの電波状況が悪い地域では、放送の受信レベルが低下することで、コンテンツが難視聴状態になることがある。コンテンツが視聴可能な受信レベルを維持するために、例えば、特開2005−269181号公報(以下「特許文献1」という)では、複数の異なる指向性をもつアンテナを車に装備し、受信レベルが高いアンテナに切替える技術が提案されている。
【0005】
受信レベルが低下して難視聴になったときに、自動的に受信良好なチャンネル選択を行えるように、特開2001−168684号公報(以下「特許文献2」という)では、各地域によって良好に受信できると予想される放送電波の周波数やその周波数に対応する放送局名を予めデータベースとして端末装置に登録しておき、車の位置を検出して、その位置と対応する地域の情報を用いて、受信良好な放送局を自動的に選択する技術が提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−269181号公報
【特許文献2】特開2001−168684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のカーナビゲーション装置では、受信良好なアンテナに切替えることで、受信レベルを維持できる可能性が向上する。しかしながら、山間部やトンネル内など放送電波の劣化が大きい地域では、受信レベルを維持できない可能性が高く、視聴を継続できない。
【0008】
特許文献2では、郵便番号を境にする地域ごとに受信良好なチャンネルをデータベースとして登録しておき、検出した車の位置に対応する地域情報を割り出すことで、その地域で受信良好なチャンネルの自動選択を可能にしている。しかしながら、放送電波の劣化は、建物や山などの受信機の周辺環境による影響が高く、受信レベルの違いは、地域ごとではなく、車の位置ごとに生じる。
【0009】
本発明の目的は、ユーザが選択するチャンネルに関し放送信号の劣化が少ない経路を推薦すること。または、ユーザが選択する経路における放送信号の劣化が少ないチャンネルを推薦することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施の態様は、例えば、特許請求の範囲のように構成する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、カーナビゲーション装置、及び、それに類する端末装置に関し、ユーザによって設定された目的地までの経路探索において、ユーザ指定のチャンネルの放送受信が良好な経路を探索することが可能になる。また、目的地までの経路を設定した上で、経路中に放送受信が良好なチャンネルをユーザに推薦することが可能になる。
【0012】
走行する道路の受信レベルが予測できるため、コンテンツを録画する端末装置では、放送受信のレベルが低下してコンテンツの録画が不可能と予測される区間を通る際、他の記録再生装置に録画を指示することで、たん舞う装置で録画不可能であった区間中のコンテンツデータを、他の記録再生装置に録画されたコンテンツデータで補うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係わる車載装置の全体構成を表すブロック図である。車載装置1は、放送受信部2、データ管理部3、放送受信レベル評価部4、コンテンツ録画部5、位置検出部6、操作入力部7、経路探索部8、通信部9、画面表示部10、制御部11で構成されている。
【0015】
放送受信部2は、チューナから放送信号を受信する部分である。本実施例における放送信号とは、アナログ信号、もしくはデジタル信号で放送される、テレビやラジオなどのコンテンツに関する信号である。
【0016】
データ管理部3は、メモリカードやHDD(Hard Disk Drive)などの記録媒体にデータを読書きする部分である。記録媒体には、道路地図データベース、受信情報データベース、コンテンツデータベースを保存している。各データベースについて下記に説明する。
【0017】
道路地図データベースは、道路の位置や交差、合流に関するデータの集まりである。複数の道路が交差、合流、分岐する結節点のことをノードと呼び、ノード同士を結ぶ道路のことをリンクと呼ぶ。道路地図におけるノード、及びリンクの位置は、二次元座標として表すことができる。
【0018】
ノードを表すデータの集まりをノードデータベースと呼び、ノードデータベースは、図2に示すようなデータ(ノードID、ノード座標、ノード名、接続する全リンクID)で構成されている。ノードIDは、ノードを一意に表すIDであり、ノード座標は、道路地図中のノードの位置を表す二次元座標である。また、ノード名とは、例えば交差点の名前である。接続する全リンクIDは、該ノードに接続するリンクのリンクIDを表す。
【0019】
リンクを表すデータの集まりをリンクデータベースと呼び、図3に示すようなデータ(リンクID、リンク長、始点座標、終点座標、道路種別、受信可能チャンネル、受信不可能チャンネル)で構成されている。リンクIDは、リンクを一意に表すユニークなIDであり、リンク長は、リンクの始点から終点までの距離を表す。
【0020】
始点座標と終点座標は、それぞれ道路地図におけるリンクの始点、終点の座標を表す。道路種別は、高速道路や一般道路などの道路の種類を表す。受信可能チャンネルは、該リンクで放送受信が良好なチャンネルを表す。
【0021】
受信情報データベースとは、良好に放送を受信できるチャンネルや経路を探索するために使用されるデータの集まりであり、例えば、放送受信レベルデータベースや難視聴区間データベースなどのことである。
【0022】
放送受信が良好か否かの判別は、放送受信レベルを用いて行う。放送受信レベルは、放送受信部2で受信する放送信号のC/N比(Carrier to Noise Ratio)を基にして放送受信レベル評価部4で算出する。C/N比が一定の値より低い場合、再生するコンテンツに多くのノイズが載るため難視聴状態となる。また、放送波が車載装置の放送受信部2に届かない状態も難視聴状態とする。
【0023】
放送受信レベルデータベースとは、道路地図データと放送受信レベルを対応付けて蓄積したものである。一つの放送受信レベルデータは、図4に示すようなデータ(測定年月日、座標、受信レベル、チャンネル、対象リンクID)で構成されている。測定年月日は、受信レベルを評価したときを表し、座標は、道路地図データにおける位置を表す。受信レベルは、前述の放送受信レベルのことである。チャンネルは、車載装置で受信して評価した放送のチャンネルであり。対象リンクIDは、前述の座標が属しているリンクのIDと対応する。
【0024】
難視聴区間データベースは、車載機器の放送受信レベルが低下して難視聴状態になるリンク中の座標区間を表すデータの集まりである。一つの難視聴区間データは、図4に示すようなデータ(区間ID、測定年月日、チャンネル、対象リンクID、始点座標、終点座標)で構成されている。区間IDは、区間情報を一意に表すユニークなIDであり、測定年月日は、車載装置で放送受信レベルを測定した年月日の情報を保存する。
【0025】
チャンネルは、車載装置で受信していた放送の局番のことを表す。対象リンクIDは、放送受信レベルが低下して難視聴状態になったリンクのIDに対応しており、始点座標と終点座標は、前述の道路地図に対応した座標であり、難視聴状態になり始めた位置を始点、放送受信レベルが改善されて難視聴状態が終わった位置を終点として、区間情報を保存する。
【0026】
放送受信レベルデータベース、または、難視聴区間データベースのどちらかを車載装置に蓄積しておくことで、目的地までの走行において、良好に放送を受信できるチャンネルや経路の探索を行う。
【0027】
コンテンツデータベースは、コンテンツ録画部5が録画したコンテンツに関するデータの集まりである。一つのコンテンツに対して、図5に示すようなデータ(コンテンツID、放送日、放送時間、チャンネル、番組名、ファイル名)で構成される。コンテンツIDはコンテンツデータを一意に表すユニークなIDであり、放送日と放送時間は、コンテンツが放送された日付と時間であり、コンテンツ録画部5で録画した日付、時間でもある。チャンネルは、録画したコンテンツの放送チャンネルであり、コンテンツのタイトルを表す番組名と保存場所やデータを表すファイル名も保存する。
【0028】
位置検出部6は、車の位置を検出するためのGPS(Global Positioning System)機能を備えている。
【0029】
また、車の速度を計測する機能も備えており、カーナビゲーション装置に表示される道路地図上で、どこを車が走行しているのか即座に位置を算出して画面表示部10で表示することができる。
【0030】
操作入力部7は、リモコンやキーボードなど操作用インタフェースによる制御情報を受信する。
【0031】
経路探索部8は、ユーザが操作入力部7で入力する目的地及び、経路探索の条件に基づき、データ管理部3に保存されている道路地図データを用いて、位置検出部6が検出する車の現在位置から、目的地までの経路候補を探索する。
【0032】
通信部9は、有線、または、無線で他の機器と接続して、動画、音楽、静止画、テキストなどの情報を送受信する部分である。画面表示部10は、道路地図やナビゲーション用の経路、または、他の動画、音楽、静止画などのコンテンツを表示する部分である。操作用のボタンを表示しても良い。
【0033】
制御部11は、CPU、RAM、ROMなどで構成しており、前述の放送受信部2〜画面表示部10が接続されており、装置全体を制御する。
【0034】
受信情報データベースへのデータの蓄積方法には、車を走行させているときに車載装置で放送受信レベルを評価して評価情報を蓄積していく方法と、装置間でデータを共有して蓄積する方法がある。
【0035】
以下に、車の走行中に評価情報を蓄積する方法について説明する。
【0036】
図7は、前述の放送受信レベルデータベースに評価情報を蓄積していく流れを示した図である。走行中の車が道路地図の新たな座標に対応する位置に進入すると(ST101)、車載装置では、その位置における放送受信レベルを評価して、放送受信レベルデータベースに測定年月日、座標、受信レベルと、受信していたチャンネルと該座標が属するリンクのIDを登録する。
【0037】
新たな座標に移動するたびに、これらの操作を繰り返し実行して放送受信レベルデータベースにデータを蓄積していく(ST103)。
【0038】
図8は、前述の難視聴区間データベースに評価情報を登録していく流れを示した図である。車載装置で放送を受信しながら走行している途中で(ST105)、放送受信レベルが一定値以下に低下して難視聴状態になったとする(ST106)。このとき、難視聴状態で移動した区間に関する情報を難視聴区間データベースに登録する(ST107)。難視聴区間の登録は、リンクごとに行い、走行中のリンクが変更されたときは、変更前後のリンクごとで難視聴区間のデータを登録する。放送を受信しながら走行している間は、ST105〜ST107を繰り返し行い、車の走行が終了する、または、車載装置での放送受信を終了するときに、該データベースへの評価情報の登録を終了する。
【0039】
受信情報データベースへのデータの蓄積において、各リンクで難視聴状態にならなかったチャンネルがあった場合は、リンクデータベースの該リンク情報に関し、受信良好であったチャンネルの情報を登録しておく。
【0040】
良好に放送受信できる経路やチャンネルの探索精度を向上させるために、放送受信レベルを評価したときの、天気や走行の向き、走行速度などを前述のデータベースに対応付けて保存しておき、経路、チャンネルの探索に用いても良い。また、地形的条件によって放送信号の受信が困難と予測されるトンネルや山陰などの場所を、予め難視聴区間データベースに登録してもよい。
【0041】
図9は装置間での受信情報データベースの共有方法を示す図である。複数の車載装置で相互に受信情報データを共有することで、チャンネル毎の難視聴区間の予測精度を向上させる。例えば、車載装置20は、通信部で遠隔のサーバ21に接続して、受信情報データをダウンロードする。このとき、車載装置20が蓄積している受信情報データをサーバ21にアップロードすることで、装置間でのデータ補間を行う。
【0042】
サーバ21からダウンロードするデータは、全てのデータではなく、例えば、車載装置を搭載する車が頻繁に利用する地域内に限っても良い。また、サーバ21に加え、PDAや携帯電話などの放送を受信できる携帯端末22や車載装置23とも、受信情報データベースを共有する。車載装置20に無線の通信機能が無い場合でも、例えば、ガソリンスタンドや車ディーラーにおいて、機器と有線で接続して、サーバ21や他の装置と接続して共有しても良い。
【0043】
図10は、ノードとリンクで構成されている道路マップ上に、車載装置を搭載する車の現在地と目的地を表し、さらに、目的地までの経路と難視聴状態になる区間の始点、終点を示した図である。区間P1−P2、区間P3−P4がそれぞれ難視聴区間である。このような難視聴区間に関するデータが蓄積されている車載装置で、現在地から目的地に向かって経路探索を行った場合、距離を優先するとL102、L103を経由する経路が優先される。
【0044】
しかし、もしユーザが7チャンネルの放送をなるべく欠かさず視聴、または録画したい場合、単純に道路の距離が走行時間と比例するものであるならば、L105とL106を経由した経路の方が、7チャンネルの難視聴状態が短くなるため、従来の経路よりは、ユーザの要求を満たす経路を探索することができる。もし、渋滞などによってL105における走行が遅くなり、放送受信レベルが低い難視聴状態の時間がL102経由よりも長くなる場合は、L102、L103を経由する経路を探索する。
【0045】
図11は、走行中に車載装置で放送を視聴したいユーザが、受信情報データベースを備える車載装置で経路探索を行う流れを表す図である。
【0046】
まず、ユーザは車載装置の操作入力部7を介して目的地を設定する(ST120)。そして、視聴したいチャンネルが既定であるか否かを設定する(ST121)。このとき、視聴ではなく、録画でも良い。もし、チャンネルが既定である場合は、該当するチャンネルの難視聴状態が短い経路を探索する(ST122)。
【0047】
この難視聴状態が短いとは、難視聴区間の長さが短いことではなく、渋滞などの走行速度に関する条件も含めて難視聴状態での走行時間が短くなることを意味する。また、受信レベルが低下することはないが、迂回することによって、目的地までの走行距離や時間が従来の経路探索による経路候補より大きく外れることがないことも経路探索の条件とする。経路の探索が完了すると、難視聴状態が短い経路から順に、経路候補をユーザに表示する(ST123)。ユーザは、候補の中から経路を選択して、目的地までの経路を設定する(ST124)。
【0048】
目的地を設定したユーザが、予め視聴するチャンネルを決めていない場合(ST121のNo)は、従来の経路探索方法を用いて経路を探索する(ST125)。従来の経路探索方法とは、例えば、走行距離が短い経路を探す方法や、渋滞などを考慮して目的地までに要する時間が最も短くなる経路を探す方法のことをいう。
【0049】
そして、ユーザは、経路候補から経路を選択すると(ST126)、その経路中で、難視聴状態が短くなるチャンネルを探し、短いものから順にチャンネルの候補をユーザに表示する(ST127)。ユーザは、そのチャンネル候補の中から、走行中に視聴、または、録画するチャンネルを選択する(ST118)。
【0050】
図12は、ユーザによって視聴対象に設定されたコンテンツが受信良好である経路の探索を行うときの操作画面イメージである。従来の時間を優先した時間優先や距離優先に加え、コンテンツの視聴を優先する視聴優先を設定する。視聴優先を選択すると、視聴するコンテンツの種類(テレビ、ラジオ)を選択する。そして、コンテンツの種類を決めると、テレビのチャンネルのようなより詳細の設定を行い、経路探索の条件を設定する。もしここで1chを選択した場合、受信情報データベースからコンテンツ1chが難視聴になる時間の短い経路を探し出し、短い順に候補を表示する。
【0051】
走行中に車載装置で録画したいコンテンツが、受信信号の劣化によって、部分的に録画できないとき、例えば、図13に示すように、車載装置30から、例えば自宅にある遠隔の記録再生装置31に、録画の指示を出し、車載装置30で録画できない部分を、記録再生装置31で録画する。記録再生装置31で録画する該コンテンツの部分は、一部ではなく、例えば一つの番組全体でも良い。
【0052】
図14は、車載装置が放送受信できず録画できないコンテンツの部分を遠隔の記録再生装置Aによって録画する流れを表す図である。
【0053】
まず、車載装置には、目的地までの経路と、走行中に録画するチャンネルが設定されている。経路中に、放送受信レベルが低下し、部分的に録画できない、もしくは、録画してもコンテンツに多くのノイズが載ってしまうことが予測されると、車載装置は、録画するチャンネルを装置Aでも即座に録画できるように、装置Aに対して録画するチャンネルを設定する(ST130)。そして、装置Aでは、車載装置から設定を受けたチャンネルを録画できるように待機しておく(ST131)。
【0054】
車載装置を搭載する車が走行開始すると(ST132)、途中、難視聴になり始めるポイントに接近する(ST133)。ポイントを通過すると難視聴状態になるため、通過する前の接近したときに、車載装置は装置Aに対して録画開始の指示を送る(ST134)。録画の支持を受けた装置Aは、該チャンネルの録画を開始する(ST135)。
【0055】
そして、車載装置が放送受信できるポイントを通過して、同チャンネルを録画できる状態になると(ST136)、装置Aに対して録画停止を指示する(ST137)。装置Aは、録画停止の指示を受け、停止すると、即座に録画を再開できるよう待機状態に戻る(ST138)。車載装置では、受信レベルが低下し始めるポイントへの接近(ST133)から、装置Aへの録画停止指示(ST137)までを繰り返す(ST139)。
【0056】
一方、装置Aでは、録画待機状態(ST131)から録画開始して停止し再度待機状態に入る(ST138)までを繰り返す(ST140)。車載装置を搭載する車が目的地に到着すると(ST141)、装置Aの録画待機状態を解除する(ST142)。このようにして得られた部分的な録画データを用いることで、車載装置で録画したコンテンツの欠損部分を補充することができる。
【0057】
図15は、走行中の車が難視聴区間に進入する直前に、ユーザに対し、視聴しているコンテンツが難視聴になることを通知する画面のイメージである。難視聴区間と予測されている位置に、近づくと、車載装置では、図15に示すような画面や音声などにより、ユーザに対して視聴できなくなる、または、視聴しづらくなることを通知する。
【0058】
通知する情報は、例えば、難視聴状態の継続が予測される時間や距離などである。予測時間を通知することで、ユーザは、他のコンテンツを一時的に視聴して、予測時間が経過した後に、元のコンテンツを視聴するといった、コンテンツを切替えるタイミングを計ることが可能になる。また、車載装置で、前述の予測時間に適したコンテンツの切替え、及び選択を自動的に行っても良い。
【0059】
なお、本実施形態は、車載装置を例に説明したものであり、車載装置にかかわらず、それに類する携帯端末装置やコンテンツ記録再生装置においても同実施形態で本発明を実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本実施形態に係わる車載装置の全体構成を表すブロック図。
【図2】道路地図データベースのうち、複数の道路が交差、合流、分岐する結節点を示すノードを表すデータの集まりを説明するための図。
【図3】道路地図データベースのうち、ノード間を結ぶ道路を示すリンクを表すデータの集まりを説明するための図。
【図4】道路地図データの座標ごとに対応付けて放送受信レベルを保存する放送受信レベルデータベースのデータ構成を説明するための図。
【図5】リンク中でコンテンツが難視聴状態になる区間情報を保存する難視聴区間データベースのデータ構成を説明するための図。
【図6】車載装置で録画するコンテンツに関する情報を保存するコンテンツデータベースのデータ構成を説明するための図。
【図7】道路地図中の座標毎に放送受信レベルデータを登録する流れを表すフローチャート。
【図8】走行中、難視聴状態になったときに、難視聴区間データベースにデータを登録する流れを表すフローチャート。
【図9】受信情報データの共有方法を説明するための構成図。
【図10】現在地から目的地までの経路探索を行う流れを説明するための図。
【図11】走行中に放送を受信したいユーザが、受信情報データベースを備える車載装置で経路探索を行う流れを表すフローチャート。
【図12】コンテンツの視聴を優先した経路探索を行うときの操作画面図。
【図13】走行中に車載装置で録画したいコンテンツが、受信信号の劣化によって部分的に録画できないとき、遠隔の記録再生装置で記録する方法を説明するための構成図。
【図14】車載装置が放送受信できず録画できないコンテンツの部分を、遠隔の記録再生装置Aで録画する流れを表すフローチャート。
【図15】走行中の車が難視聴区間に進入する直前に、ユーザに対し、視聴しているコンテンツが難視聴になることを通知する画面のイメージ。
【符号の説明】
【0061】
1…車載装置、2…放送受信部、3…データ管理部、4…放送受信レベル評価部、5…コンテンツ録画部、6…位置検出部、7…操作入力部、8…経路探索部、9…通信部、10…画面表示部、11…制御部、20…車載装置、21…サーバ、22…携帯端末、23…車載装置、30…車載装置、31…記録再生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信チャンネルを設定するチャンネル設定手段と、
目的地を設定する目的地設定手段と、
前記目的地設定手段で指示した目的地までの経路上において、前記チャンネル設定手段で指定されたチャンネルの良好な受信状態を得られるように、経路上の複数の箇所で予め測定された前記受信状態を経路情報にマッピングした放送受信レベルデータを用いて、走行経路を探索する経路探索手段を備えることを特徴とする車両に搭載された端末装置。
【請求項2】
ユーザの指示を入力するための操作入力手段を備え、
前記経路探索手段は、良好な受信状態が得られる複数の経路候補を探索し、前記操作入力手段の入力に応じて、前記経路候補の中から経路を選択することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
目的地を設定する目的地設定手段と、
目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記放送受信レベルデータを用いて、目的地までの経路上で受信状態が良好なチャンネルを探索するチャンネル探索手段と、
を備えることを特徴とする車両に搭載された端末装置。
【請求項4】
前記経路上で受信状態が良好な複数のチャンネルをユーザに提示する画像表示手段と、
ユーザの指示を入力するための操作入力手段と、を備え、
前記画像表示手段に表示された前記受信状態が良好な複数のチャンネルのうち所望のチャンネルを前記操作入力手段により選択可能であることを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
車両の位置を検出する位置検出手段と、
アナログ信号又はデジタル信号で送信されるコンテンツを受信するコンテンツ受信手段と、
前記コンテンツ受信手段が受信したコンテンツの信号レベルを、信号に対するノイズの比率を基に算出して評価する受信レベル評価手段と、
記録媒体と、
を備え、
前記受信レベル評価手段において評価した受信レベルと、前記位置検出手段によって検出された車の位置情報が対応付けられて前記記録媒体に記録されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項6】
車両の位置を検出する位置検出手段と、
アナログ信号又はデジタル信号で送信されるコンテンツを受信するコンテンツ受信手段と、
前記コンテンツ受信手段で受信されたコンテンツの信号レベルを、信号に対するノイズの比率を基に算出して評価する受信レベル評価手段と、
記録媒体と、
を備え、
前記受信レベル評価手段において評価した受信レベルと記位置検出手段によって検出された車の位置情報から導き出される受信レベルが低くコンテンツが難視聴状態になる道路上の区間情報を難視聴区間情報として前記記録媒体に記録されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項7】
前記受信レベル評価手段において、コンテンツの受信レベルに影響を与える可能性がある要素に関するデータをコンテンツの受信レベルに対応付けられて前記記録媒体に記録されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の端末装置。
【請求項8】
前記記録媒体に蓄積されているコンテンツの受信レベルのデータを他の機器に送出する送出手段を備えることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の端末装置。
【請求項9】
他の機器に制御信号を送出する送出手段より送出させる制御手段を備え、
前記車両の走行中に受信するコンテンツ信号の劣化によって録画するコンテンツにノイズが発生した場合、前記制御手段は、劣化したコンテンツ信号の部分に対応するコンテンツ信号の部分のコンテンツ信号を他の機器に記録させる制御信号を前記送出手段より送出させることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の端末装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記他の機器に前記送出部より制御信号を送出し、前記他の機器より良好な受信状態で受信したコンテンツ信号を受信手段において受信させ、難視聴状態のため良好に記録できなかったコンテンツ信号の部分データ又はノイズが載っているコンテンツ信号の部分を前記他の機器に良好な受信状態で記録されたコンテンツ信号で補間又は前記他の機器に良好な受信状態で記録されたコンテンツ信号に置換することを特徴とする請求項9に記載の端末装置。
【請求項11】
前記難視聴区間に近接した場合に難視聴状態になることを画面表示や音声によりユーザに通知する難視聴通知手段を備え、前記通知手段で通知する情報は、難視聴状態が継続する時間や走行距離であることを特徴とする請求項1から請求項9に記載のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項12】
車両に搭載された端末装置において受信されたコンテンツ信号と同一のコンテンツ信号の記録を行なう記録媒体と、前記端末装置から送出される制御信号を受信する受信手段と、を備えるコンテンツ記録再生装置であって、
前記端末装置は、前記受信したコンテンツ信号の受信レベルの評価を行なう受信レベル評価手段を備え、
前記受信レベル評価部において前記車両の走行中に受信されたコンテンツ信号の受信レベルが所定以下であると判断された場合に前記端末装置において受信されるコンテンツ信号と同一のコンテンツ信号を前記記録媒体に記録することを特徴とする、コンテンツ記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−74881(P2009−74881A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243222(P2007−243222)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】