説明

経路案内装置および地図情報配信システム

【課題】地図情報の更新に伴い、更新された道路情報や施設情報等を使用者が容易に把握することができる経路案内装置および地図情報更新システムを提供する。
【解決手段】経路案内装置は、地図情報が格納される地図情報格納部と、前記地図情報格納部に格納された地図情報を更新する更新情報が格納される更新情報格納部と、前記更新情報を反映させて前記地図情報を最新の地図情報に更新する地図情報更新部と、前記最新の地図情報に反映された更新情報を前記地図情報と区別して、前記最新の地図情報を表示部に表示する制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路案内に用いられる経路案内装置および地図情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置は、ハードディスクやDVD−ROM等の記憶媒体に記憶された地図情報を読み出して、地図情報の表示や経路案内を行う。しかしながら、現実の地理は、道路の新設、施設の移転等により日々刻々と変化している。そこで、前記記憶媒体に記憶された地図情報に基づいて、目的地の設定や経路検索を行う場合には、新しい道路、施設の情報や移転した施設の情報等を考慮できなかった。つまり、従来のナビゲーション装置では、現状に即した地図情報に基づいた目的地の設定や経路検索ができなかった。そこで、現状に即した地図情報に基づいて目的地の設定や経路検索ができるナビゲーション装置が要望されていた。
【0003】
このような要望から、例えば特許文献1に記載されているような、配信サーバからダウンロードした最新の更新情報を地図情報に反映させて、現状に即した道路情報や施設情報を表示できるナビゲーション装置が提案されている。このようなナビゲーション装置では、現状に即した地図情報に基づいて目的地の設定や経路検索を行うことができる。
【特許文献1】特開2002−243469号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、地図情報は道路の新設、店舗の施設の移り変わり等により日々刻々と変化しているために、このようなナビゲーション装置では、どの道路、施設等が新しく地図情報に反映されたか、把握することが難しいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、地図情報の更新に伴い、更新された道路情報や施設情報等を使用者が容易に把握することができる経路案内装置および地図情報更新システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の経路案内装置は、地図情報が格納される地図情報格納部と、前記地図情報格納部に格納された地図情報を更新する更新情報が格納される更新情報格納部と、前記更新情報を反映させて前記地図情報を最新の地図情報に更新する地図情報更新部と、前記最新の地図情報に反映された更新情報を前記地図情報と区別して、前記最新の地図情報を表示部に表示する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項1記載の経路案内装置によれば、制御部が最新の地図情報に反映された更新情報を前記地図情報と区別して表示する。従って、使用者は、地図情報の更新に伴い、更新された道路情報や施設情報等を容易に把握することができる。
【0008】
請求項2に記載の経路案内装置は、前記制御部は、前記最新の地図情報に反映された更新情報を前記地図情報と区別して、前記最新の地図情報を表示部に表示するとともに、前記最新の地図情報に反映された更新情報と施設に関する種類情報を含んだ更新情報との対応関係が識別可能に、前記表示部に一覧表示することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の経路案内装置によれば、制御部が最新の地図情報に反映された更新情報を地図情報と区別して、最新の地図情報を表示部に表示するとともに、最新の地図情報に反映された更新情報と施設に関する種類情報を含んだ更新情報との対応関係が識別可能に表示部に一覧表示する。従って、表示部に一覧表示された更新情報と、地図情報に反映されて前記地図情報とは区別して表示された施設に関する種類情報の対応関係を容易に識別することができ、更新情報を明確、且つ、容易に把握できる。
【0010】
請求項3に記載の経路案内装置は、使用者の個別情報を登録する登録部を備え、前記制御部は、前記登録部に登録された個別情報に基づいて前記表示部に表示する前記更新情報を選択して前記表示部に表示することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の経路案内装置によれば、経路案内装置は使用者の個別情報が登録された登録部を備えており、制御部は登録された個別情報に基づいて更新情報を選択して表示部に表示するので、使用者が必要とする更新情報が表示部に表示される。従って、使用者は、必要とする更新情報を容易に把握できる。
【0012】
請求項4に記載の経路案内装置は、前記制御部が自車両の現在位置を導き出して、導き出された前記自車両の現在位置から所定距離以内にある前記更新情報を前記表示部に表示することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の経路案内装置によれば、制御部により導き出される自車両の現在位置から所定距離以内にある更新情報を表示部に表示するので、使用者は、所定距離以内にある更新情報を容易に把握でき、所定距離以内にある更新情報を有効に活用することができる。
【0014】
請求項5に記載の経路案内装置は、前記制御部が前記更新情報を所定期間だけ前記表示部に表示することを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の経路案内装置によれば、更新情報が所定期間だけ表示部に表示されるので、所定期間が経過して不要となった更新情報は表示部に表示されなくなり、使用者は必要とする新しい更新情報を容易に把握できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図3を参照しながら説明する。図1は、本発明の地図情報配信システムの概略を示すブロック図である。
【0017】
地図情報配信システムは、地図情報の配信サーバ(配信部に相当)1と車両に搭載されたナビゲーション装置(経路案内装置に相当)2とから構成されている。配信サーバ1は、現状に即した道路情報および施設情報を反映した地図情報(以下、更新情報と称す)を作成する機能を有しており、作成された更新情報を記憶しておく更新情報記憶部3を備えている。
【0018】
ナビゲーション装置2には、携帯電話網4および基地局5からなるネットワーク6を介して、配信サーバ1と無線通信を行う通信部7が設けられている。配信サーバ1は、更新情報記憶部3に記憶された更新情報をナビゲーション装置2に、ネットワーク6を介して配信する構成となっている。なお、図1では配信サーバ1にナビゲーション装置2が1つだけ接続されているが、実際は複数のナビゲーション装置2が接続されている。
【0019】
ナビゲーション装置2は制御部8に、上述した通信部7、GPS受信部9、VICS受信部10、地図情報を記憶するハードディスク(地図情報格納部、更新情報格納部に相当)11、地図情報を映像として出力する表示部12、ナビゲーション装置2に対する各種操作を受け付ける操作部13等が接続されて構成されている。
【0020】
制御部8は、ナビゲーション装置2のシステム全体の制御機能及び各種データ処理機能を有するCPUを主体として、RAM、ROMおよびその他の周辺回路から構成されている。制御部8は、操作部13からの操作信号に基づいてナビゲーション装置2のシステム全体の制御及び各種データ処理を行う構成となっている。
制御部8には、車両に設けられた自車両の進行方向を検出するジャイロセンサ14と自車両の車速を検出する車速センサ15が接続されている。GPS受信部9は、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を受信する機能を有している。VICS受信部10は、ビーコンやFM多重放送により伝達されるVICS情報を受信する機能を有している。
【0021】
ハードディスク(以下、HDDと称す)11は、大容量の地図情報を記憶できる磁気ディスクから構成されており、地図情報を記憶している。また、HDD11は、配信サーバ1からダウンロードした更新情報を書き込むことができる構成となっている。
【0022】
地図情報には、道路情報(種類情報に相当)と、各種施設の名称、住所、施設の用途に応じたジャンル等の施設情報(種類情報に相当)とが含まれている。これらは、施設に関する種類情報を含んだ更新情報であり、上記した道路情報、施設情報に限定されるものではなく、地理に関するものでもよい。施設に関する種類情報を含んだ更新情報を換言すると、更新種類情報ということができる。
【0023】
施設情報に含まれる各種施設は、ジャンル毎にランドマークが設定されており、表示部12には施設情報としてランドマークが表示される。
表示部12は、液晶表示素子により構成される液晶パネル及びバックライトから構成されている。また、表示部12の液晶パネルの表面には透明フィルムスイッチ等により構成されるタッチパネルスイッチ16が設けられている。操作部13は、ナビゲーション装置2に設けられた操作スイッチから構成されている。
【0024】
ナビゲーション装置2に設けられた制御部8は、使用者の要求に応じて配信サーバ1からダウンロードした更新情報を一覧として表示部12に表示する機能を有している。なお、使用者とは、例えば、ナビゲーション装置を使用する人のことであって、ナビゲーション装置を搭載した車両の運転者、同乗者を示す。
【0025】
図2は、更新情報の一覧が表示された表示部12の正面図を示している。なお、制御部8はDVD−ROM等の記憶媒体から更新情報を取得する構成であってもよい。
【0026】
制御部8は図2に示すように表示部12の画面を二分割して、地図情報Aと、配信サーバ1からダウンロードした更新情報Bを表示できる構成となっている。地図情報Aには、道路情報と施設情報とともに、自車両の位置と進行方向を示す車両マーク17が地図情報Aの中心に表示される構成となっている。なお、車両マーク17は、使用者の設定により予め登録されている図柄に変更できる。
【0027】
更新情報Bは、表示部12に一覧として表示される。更新情報Bの一覧には、更新情報Bが作成された年月日、更新情報Bのジャンル情報、更新情報Bの施設名称・自車両位置からみた方角・自車両位置からの直線距離、操作ボタン等が表示される。表示部12に表示された地図情報Aには、更新情報Bの施設情報が、ランドマークCとして点滅して更新情報B以外の地図情報Aとは区別して表示されている。例えば、更新情報Bは、更新情報B以外の地図情報Aと区別されて強調表示されればよく、ランドマークが点滅ではなく、点灯表示される構成でもよい。
【0028】
次に、上記構成の作用について説明する。ナビゲーション装置2に備えられた制御部8には、GPS受信部9で受信したGPS信号が送信される。また、制御部8には、ジャイロセンサ14で検出した進行方向情報と車速センサ15で検出した車速情報が送信される。制御部8は、GPS信号、進行方向情報および車速情報に基づいて自車両の位置と進行方向を検出する。
【0029】
制御部8は、道路情報や施設のジャンル毎に設定されたランドマークCが表示される地図情報Aに自車両の位置および進行方向を対応付けて、自車両の位置および進行方向を示す自車両マーク17を表示部12に表示する。また、制御部8は、VICS受信部10で受信したVICS情報に基づいて、渋滞、道路工事、事故発生等に関する交通情報を地図情報に表示する。使用者は表示部12に表示される地図情報Aを見ることで、どのようなジャンルの施設が地図情報Aにおいて何処に在るのかを容易に把握することができる。
【0030】
表示部12に表示された地図情報Aから目的地を設定する場合、使用者は目的地としたい地図情報Aの場所にタッチする。タッチパネルスイッチ16にタッチ操作が行われると、タッチ操作が行われた地図情報Aの場所が表示部12の中心にくるように地図情報Aが表示される。ここで、使用者が「目的地」と表示部12に表示されたタッチパネルスイッチ16にタッチ操作を行うと、制御部8はタッチ操作が行われた場所または施設を目的地として設定する。
【0031】
一方、名称、住所、電話番号等から特定の場所または施設を目的地として設定する場合、使用者は道路または施設の名称、住所、電話番号等の条件から目的地の検索を行う。使用者が操作部13またはタッチパネルスイッチ16に対する操作を行い、検索条件を絞り込んで目的地を特定すると、制御部8は特定された場所または施設を目的地として設定する。
【0032】
目的地が設定されると、制御部8はHDD11に記憶されている地図情報に基づいて、自車両の現在位置から目的地までの経路検索を行い、表示部12に表示されている地図情報Aに自車両の現在位置から目的地までの経路を表示する。
【0033】
上述したような目的地設定および経路検索において、HDD11に記憶される地図情報のバージョン情報が古い場合に、設定した目的地が存在しないことや、現状に即した地図情報に基づいた経路検索ができないことや、新設された施設情報が表示されないことがあった。このような事態を回避すべく、使用者がHDD11に記憶されている地図情報のバージョン情報が古くて現状に即していないと判断した場合は、使用者は操作部13またはタッチパネルスイッチ16を操作して地図情報の更新要求操作を行う。
【0034】
配信サーバ1は、現状に即した地図情報を作成しており、作成した地図情報(更新情報)を更新情報記憶部3に記憶している。更新情報記憶部3には、新設、移転または存在しなくなった道路情報や施設情報を更新するための更新情報が記憶されており、これらの道路情報や施設情報等の更新情報にはバージョン情報が記憶されている。バージョン情報には、道路情報や施設情報等の更新情報が作成された年月日の情報が含まれている。
【0035】
使用者が地図情報の更新を要求する操作を操作部13またはタッチパネルスイッチ16に対して行うと、ナビゲーション装置2と配信サーバ1において地図情報の更新処理が開始される。地図情報の更新処理について、図3に示すフローチャートを参照して説明を行う。地図情報の更新処理が開始されると、制御部8は表示部12の表示を地図情報Aが表示された画面から更新情報選択画面に切り替える(ステップS1)。
【0036】
ここで、図4も参照しながら更新情報選択画面について説明する。図4は、更新情報選択画面に表示される使用者が選択可能な選択肢の一例を示した図である。
【0037】
更新情報選択画面には、図4に示すような「全地図情報」、「道路情報」、「施設情報」等の選択肢が表示され、使用者は第1選択肢を選択する更新情報選択処理を行う(ステップS2)。更新情報選択処理では、配信サーバ1の更新情報記憶部3に記憶されている更新情報のうち、ナビゲーション装置2にダウンロードする更新情報を使用者が選択する。
【0038】
図4において、使用者は、HDD11に記憶されている地図情報を、現状に即した最新の地図情報に更新したい場合には「全地図情報」、道路情報だけを現状に即した最新の地図情報に更新したい場合には「道路情報」、施設情報だけを現状に即した最新の地図情報に更新したい場合には「施設情報」を、操作部13またはタッチパネルスイッチ16を介して、第1選択肢から選択する。
【0039】
例えば、「施設情報」が選択されると、更新情報選択画面に「全施設」、「ジャンル」等の第2選択肢が表示される。使用者は、施設情報を全て更新したい場合には「全施設」、各種施設のジャンルを選択して、選択したジャンルの施設情報だけを更新したい場合には「ジャンル」を、第2選択肢から選択する。
例えば、第2選択肢の中から「ジャンル」が選択されると、「食事」、「ショッピング」、「スポーツ」、「レジャー」、「公共」等のジャンル別となる第3選択肢が表示され、使用者は更新したいジャンルを第3選択肢から選択する。
なお、「道路情報」が選択された場合においても、「一般道路」、「有料道路」、「高速道路」等のジャンル別に選択できる構成としてもよい。また、更新情報選択画面に表示される選択肢は、製品の仕様または使用者による設定によって、適宜変更できるものとする。
ナビゲーション装置2にダウンロードする更新情報を使用者の要望により選択できるので、使用者が必要とする更新情報だけを入手することができる。これにより、使用者が必要としない更新情報をダウンロードすることなく、更新情報のダウンロードを速やかに行うことができる。
【0040】
図3に戻って、使用者が更新情報選択処理を行うと(ステップS2:YES)、ナビゲーション装置2は通信部7からネットワーク6を介して配信サーバ1に更新要求信号を送信する(ステップS3)。更新要求信号には、更新情報選択処理で選択された更新を要求する地図情報に関する情報、更新を希望する地図情報に対応するHDD11に記憶されている地図情報の作成年月日または最近の更新年月日等を含むバージョン情報等が含まれている。
【0041】
配信サーバ1が更新要求信号を受信すると(ステップS10)、配信サーバ1は更新要求信号に基づいて、ナビゲーション装置2から配信サーバ1に対して更新が要求された地図情報を判別する(ステップS11)。つまり、ステップS11では、更新が要求された地図情報が、全地図情報なのか、道路情報なのか、施設情報の全施設か、ジャンル別なのか、判別を行う。
次に、配信サーバ1は、更新情報記憶部3に記憶されており、更新が要求されている更新情報のバージョン情報が、更新要求信号に含まれるバージョン情報よりも新しいか否かを判定する(ステップS12)。
【0042】
配信サーバ1が、更新要求信号に含まれるバージョン情報と更新情報のバージョン情報を比較して、更新要求信号に含まれるバージョン情報が最新であると判定した場合(ステップS12:NO)、ナビゲーション装置2のHDD11に記憶されている地図情報が最新であることを示す通知情報をナビゲーション装置2に送信することを決定する(ステップS13)。
【0043】
一方、配信サーバ1が、更新要求信号に含まれるバージョン情報が最新でないと判定した場合(ステップS12:YES)、配信サーバ1は、更新要求信号に基づいて更新を要求された更新情報をナビゲーション装置2に送信することを決定する(ステップS14)。
【0044】
ステップS13またはステップS14においてナビゲーション装置2に送信する情報が決定すると、配信サーバ1はナビゲーション装置2に更新情報または通知情報を送信する(ステップS15)。
【0045】
ナビゲーション装置2が配信サーバ1から更新情報または通知情報を受信すると(ステップS4)、ナビゲーション装置2は受信した情報が更新情報か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5において、制御部8が更新情報を受信していないと判定した場合は、制御部8は通知情報を受信したと判定する。
【0046】
制御部8が更新情報を受信していないと判定した場合であって、つまり通知情報を受信したと判別した場合(ステップS5:NO)、制御部8は表示部12に「地図情報は最新です。」とポップアップを表示(ステップS6)して、更新処理を終了する。
【0047】
制御部8が更新情報をダウンロードしたと判定すると(ステップS5:YES)、制御部8はHDD11に記憶された地図情報に更新情報を書き込むとともに(ステップS7)、HDD11に更新情報を記憶して(ステップS8)、更新処理を終了する。
【0048】
制御部8がHDD11に記憶された地図情報に更新情報を書き込んで更新処理が終了すると、次に、更新情報表示処理が開始される。更新情報表示処理について、図5を参照して説明を行う。図5は、更新情報表示処理のフローチャートを示している。
【0049】
ナビゲーション装置2のHDD11に記憶された地図情報に更新情報が書き込まれると、制御部8は更新情報を一覧として表示するか否かの選択を求める確認表示を表示部12にポップアップ表示する(ステップS20)。使用者が操作部13またはタッチパネルスイッチ16に対する操作を行って一覧の非表示を指示すると(ステップS21:NO)、制御部8は更新情報表示処理を終了する。
【0050】
使用者が更新情報の一覧の表示を指示すると(ステップS21:YES)、制御部8はHDD11に記憶されている更新情報を読み出して(ステップS22)、一覧で表示部12に表示する(ステップS23)。
【0051】
前述したように図2には、更新情報の一覧が表示された表示部12の正面図が示されており、図2は、使用者が「施設情報」の「ショッピング」のジャンルを選択して、更新情報をダウンロードして、更新情報を一覧表示させた場合の表示部12を示している。
【0052】
使用者によって更新情報の一覧表示が要求されると、更新情報Bが一覧として表示部12に表示されるとともに、地図情報Aにおいて更新情報Bの施設情報を示すランドマークCが点滅して、更新情報B以外の地図情報Aとは区別して、更新情報B以外の地図情報Aとは区別して強調表示される。
【0053】
また、更新情報Bの一覧には、配信サーバ1で更新情報が作成された年月日、更新情報のジャンル区分、表示頁を切り替える「頁ボタン」、更新情報の一覧表示を終了させる「閉じるボタン」が表示されている。
【0054】
使用者が更新情報Bの個別情報が表示されたタッチパネルスイッチ16にタッチ操作すると、タッチ操作が行われた更新情報Bの個別情報に対応する地図情報Aに表示された施設情報としてのランドマークCが点滅して、更新情報B以外の地図情報Aとは区別して強調表示される。再度、使用者が更新情報Bの個別情報が表示されたタッチパネルスイッチ16にタッチ操作すると、選択された個別情報が目的地として設定されて、制御部8は自車両の現在位置から目的地までの経路検索を実行して、地図情報Aに経路を表示する。更新情報Bの個別情報を目的地として設定して、使用者がこの個別情報の施設に立ち寄ると、この更新情報である個別情報のランドマークCの強調表示は終了する。
【0055】
目的地として設定されて立ち寄った施設以外の更新情報においても、更新情報をダウンロードしてから所定期間が経過したらランドマークCの強調表示が終了する。ランドマークCの強調表示を終了する所定期間は、使用者の設定により適宜変更可能である。
【0056】
以上のような第1の実施形態によれば、制御部8は配信サーバ1からダウンロードした更新情報Bを地図情報AにランドマークCとして、更新情報B以外の地図情報Aとは区別して強調表示することで、更新情報Bを地図情報Aと区別して表示部12に表示するので、使用者は更新情報を容易に把握することができる。
【0057】
制御部8は配信サーバ1からダウンロードした更新情報Bを表示部12に一覧として表示して、更新情報Bを地図情報AにランドマークCとして強調表示するので、使用者は更新された道路情報や施設情報等の更新情報をより一層、容易に把握することができる。
【0058】
表示部12に表示された地図情報A上に更新情報BのランドマークCが強調表示されているので、使用者は、ドライブ中に新しい施設に立ち寄って更新情報を有効に活用して、ドライブを快適に行うことができる。
【0059】
使用者が更新情報Bの個別情報が表示されたタッチパネルスイッチ16にタッチ操作すると、タッチ操作が行われた更新情報Bの個別情報に対応する地図情報Aに表示された施設情報としてのランドマークCが点滅して、更新情報B以外の地図情報Aとは区別して強調表示される。従って、表示部8に一覧表示された更新情報Bと、地図情報Aに反映されて強調表示された施設情報の対応関係を容易に識別することができ、更新情報を明確、且つ、容易に把握できる。
【0060】
更新情報Bの個別情報を目的地として設定して、使用者がこの個別情報の施設に立ち寄ると、この個別情報のランドマークCの強調表示は終了するので、使用者が認知した更新情報Bは表示部12に表示されなくなる。従って、使用者が未だ認知できていない更新情報Bだけが表示部12に表示されるので、使用者は認知していない更新情報Bを容易に把握できる。
また、使用者が目的地として設定された更新情報Bに立ち寄らなくても、更新情報Bがダウンロードされてから所定期間が経過したらランドマークCの強調表示が終了する。これにより、配信サーバ1から更新情報をダウンロードしてから長い期間が経過した更新情報BがランドマークCとして強調表示されることがない。従って、使用者は新しい更新情報Bを優先的に把握することができ、使用者は、ドライブ中に新しい施設に立ち寄って更新情報を有効に活用して、ドライブを快適に行うことができる。
【0061】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図6を参照しながら説明を行う。図6は、表示部12に表示されたドライバ情報設定画面を示している。
【0062】
本発明の第2の実施形態は、使用者が予めドライバ情報をドライバ情報設定画面で設定しておいて、制御部8は設定されたドライバ情報に基づいて表示部12に表示する更新情報Bを変更する構成において第1の実施形態と異なる。第1の実施形態と同一部分については同一符号(同一ステップ番号)を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明を行う。
【0063】
使用者がドライバ情報(個別情報に相当)に基づいて、配信サーバ1から配信された更新情報を表示部12に表示させたい場合、使用者は予めドライバ情報の設定を行っておく。
【0064】
ドライバ情報の設定を行う要求操作が操作部13、タッチパネルスイッチ16を介して行われると、表示部12に図6に示すドライバ情報設定画面が表示される。ドライバ情報設定画面には、「性別」、「年齢」、「趣味」を使用者が選択して設定できるようになっている。「性別」には「男」または「女」、「年齢」には「10代」〜「50代」までと「60代以上」、趣味には「グルメ」、「ショッピング」、「スポーツ」、「歴史・文化」等の選択肢が表示されている。
【0065】
これらの選択肢はタッチパネルスイッチ16となっており、使用者が選択肢にタッチ操作を行うと、タッチ操作が行われた選択肢が設定されるとともに反転表示される。また、設定されている選択肢のタッチパネルスイッチ16に再度タッチ操作を行うと、選択肢の設定と反転表示が解除される。
【0066】
使用者がドライバ情報設定画面において選択肢の設定が完了して設定を登録しておきたい場合は、「完了」のタッチパネルスイッチ16にタッチ操作を行う。「完了」のタッチパネルスイッチ16にタッチ操作が行われると、HDD(登録部に相当)11にドライバ情報が記憶、登録されて、表示部12の表示が、地図情報Aが表示される通常画面に切り替わる。
【0067】
一方、「キャンセル」のタッチパネルスイッチ16に対するタッチ操作が行われると、ドライバ情報設定画面で設定された選択肢の情報は反映されず表示部12の表示が通常画面に切り替わる。
【0068】
なお、使用者は「性別」、「年齢」、「趣味」の全ての設定を行う必要はなく、設定したい選択肢だけを選択すればよい。また、一つの選択肢について複数選択が可能である。さらに、使用者はドライバ情報の設定を随時変更できる。
【0069】
配信サーバ1は、更新情報を作成する際にどのようなドライバ情報に対応した更新情報かを示すドライバ情報を含ませる。更新情報に含ませるドライバ情報は、ナビゲーション装置2のドライバ情報設定画面で表示される選択肢に対応したものである。このドライバ情報を含んだ更新情報は、更新情報記憶部3に記憶される。
【0070】
使用者が更新情報選択処理を行い、配信サーバ1からナビゲーション装置2に更新情報が配信されてくると、制御部8はHDD11に更新情報を記憶する。制御部8は、HDD11に記憶された更新情報に含まれるドライバ情報がHDD11に記憶、登録されたドライバ情報に合致する更新情報Bだけを選択して表示部12に一覧表示する。
【0071】
以上のような第2の実施形態によれば、ドライバ情報を設定して更新情報を配信サーバ1からダウンロードして表示部12に表示させる場合は、予め使用者によって設定されたドライバ情報に対応した更新情報だけが表示部12に一覧表示されることとなる。
【0072】
つまり、使用者のドライバ情報に基づいて、使用者が必要とする更新情報のみが表示部12に表示されるので、表示部12に使用者が必要としない更新情報Bまで表示されることがなくなる。
【0073】
これにより、使用者は必要とする更新情報Bだけを容易に把握することができ、ドライブ中に新しい施設に立ち寄って更新情報を有効に活用して、ドライブを快適に行うことができる。
本発明は上記し且つ図面に記載した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のような変形又は拡張が可能である。
使用者によって更新情報Bの一覧表示が要求されると、更新情報Bが一覧として表示部12に表示されるとしたが、表示部12に表示される更新情報Bは、GPS受信部で受信したGPS信号、ジャイロセンサ14で検出した進行方向情報、車速センサ15で検出した車速情報に基づいて検出された自車両から所定距離以内の更新情報Bのみが表示部12に一覧表示される構成としてもよい。なお、使用者によるナビゲーション装置2の設定変更によって所定距離を変更可能とする。このような構成によると、使用者は自車両の位置から所定距離以内にある更新情報を容易に把握することができるので、自車両周辺の更新情報Bとして表示部12に表示される施設に立ち寄るなど、快適なドライブを行うことができる。
使用者が操作部13またはタッチパネルスイッチ16に対して更新情報を要求する操作を行った場合に、配信サーバ1と通信して更新情報をダウンロードすると記載したが、配信サーバ1とナビゲーション装置2とが所定期間毎に通信をしており、ナビゲーション装置2のHDD11に記憶されている地図情報よりも新しい更新情報が配信サーバ1で作成されて更新情報記憶部3に記憶されている場合に、配信サーバ1からナビゲーション装置2に更新情報が配信される構成としてもよい。この場合の所定期間は、製品の仕様、または、使用者による設定の変更によって変更可能とする。
【0074】
配信サーバ1は、ナビゲーション装置2から現状に即した情報がアップロードされて、このアップロードされた情報に基づいて更新情報を作成する構成であってもよい。
制御部8は、HDD11に記憶されている地図情報に配信サーバ1からダウンロードした更新情報Bを書き込んで、HDD11に更新情報Bを記憶しておくと記載したが、更新情報を記憶しておく記憶部をHDD11とは別途に設ける構成としてもよい。
【0075】
表示部12は液晶パネルで構成されていなくても地図情報Aが視覚的に認識できて把握できる構成であればよく、例えば有機ELディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、冷陰極フラットパネルディスプレイ等のフラットディスプレイ、電子ペーパー等で構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】地図情報配信システムの概略を示すブロック図
【図2】更新情報の一覧が表示された表示部の正面図
【図3】地図情報の更新処理を示すフローチャート
【図4】更新情報選択画面に表示される選択肢の一例を示した図
【図5】更新情報表示処理を示すフローチャート
【図6】ドライバ情報設定画面が表示された表示部の正面図
【符号の説明】
【0077】
図面中、1は配信サーバ(配信部)、2はナビゲーション装置(経路案内装置)、8は制御部、11はハードディスク(地図情報格納部、更新情報格納部、登録部)、12は表示部を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報が格納される地図情報格納部と、
前記地図情報格納部に格納された地図情報を更新する更新情報が格納される更新情報格納部と、
前記更新情報を反映させて前記地図情報を最新の地図情報に更新する地図情報更新部と、
前記最新の地図情報に反映された更新情報を前記地図情報と区別して、前記最新の地図情報を表示部に表示する制御部とを備えたことを特徴とする経路案内装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記最新の地図情報に反映された更新情報を前記地図情報と区別して、前記最新の地図情報を表示部に表示するとともに、前記最新の地図情報に反映された更新情報と施設に関する種類情報を含んだ更新情報との対応関係が識別可能に、前記表示部に一覧表示することを特徴とする請求項1記載の経路案内装置。
【請求項3】
使用者の個別情報を登録する登録部を備え、
前記制御部は、前記登録部に登録された個別情報に基づいて前記表示部に表示する前記更新情報を選択して前記表示部に表示することを特徴とする請求項1または2記載の経路案内装置。
【請求項4】
前記制御部は、自車両の現在位置を導き出して、導き出された前記自車両の現在位置から所定距離以内にある前記更新情報を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の経路案内装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記更新情報を所定期間だけ前記表示部に表示することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の経路案内装置。
【請求項6】
前記地図情報格納部に格納された地図情報を更新する更新情報を配信する配信部と、
前記配信部から配信される前記更新情報を受信する通信部を備えており、前記通信部で受信した前記更新情報が前記更新情報格納部に格納される請求項1ないし5の何れかに記載の経路案内装置とからなることを特徴とする地図情報配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−244221(P2009−244221A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−93889(P2008−93889)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】