説明

置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体

本発明は、置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体, その製造方法、この化合物を含む医薬及び置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体を医薬の製造に使用する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体, その製造方法, この化合物を含む医薬及び置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体を医薬の製造に使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
慢性及び非慢性苦痛状態の治療は、医療において重要な意味を有する。十分に有効な苦痛治療が世界的に要求されている。慢性及び非慢性苦痛状態の患者に合い、かつ目的にかなった治療への研究(但しこの場合これは患者に対して効果があり、そして満足のいく苦痛治療を意味する)が強く要求されており、この研究は適用される鎮痛剤の分野で又は侵害受容に関する基礎研究の分野で最近発行されている多数の科学文献中に提示されている。
【0003】
モルヒネのような古典的μ-オピオイドは強い苦痛ないし極めて強い苦痛の治療に十分に有効である。しかしμ-オピオイドレセプターに加えて、別のオピオイドレセプター, 特にORL1 レセプターも影響を与える場合が, 有利である。というのは純粋なμ-オピオイドが所望されない副作用, たとえば便秘及び呼吸障害も有し、しかもまた依存症に至らしめるからである。オピオイドレセプター δ, κ及びORL1はまた苦痛の状態に関与する (非特許文献1)。
【0004】
セロトニン及び(又は)ノルアドレナリン再取り込みの影響は、オピオイドの作用及び副作用に有益でありうることも公知である (たとえば:トラマドール, 非特許文献2)。
更にORL1−レセプターは、別の生理学的又は病態生理学的プロセスの調節に関与する。これに学習及び記憶形成(非特許文献3)、聴力(非特許文献4)並びに非常に多くの別の過程が含まれる。Calo 等 (非特許文献5)の概要に、ORL1−レセプターがその役割を果たすか又は高い確率でその役割を果たすことができる適応症又は生物学的事象に関する概観が記載されている。特に次のものが挙げられる:痛覚麻痺、食物摂取の刺激及び調節、μ−アゴニスト、例えばモルヒネに影響、炎症現象の治療、モルヒネ中毒の恐れの軽減、抗不安、運動活性の調節、記憶障害、てんかん;神経伝達物質、特にグルタマート、セロトニン及びドパミンの放出の調節、及びそれに伴う神経変性疾患、心臓血環系の影響、勃起の喚起、利尿、抗ナトリウム排泄増加、電解質−調節、動脈血圧、貯水疾患、腸管運動(下痢)、気道の弛緩作用、排尿反射(尿失禁)。さらに、食欲不振薬、鎮痛薬(オピオイドと共に投与することも)又は向知性薬(Nootropika)としてのアゴニスト及びアンタゴニストの使用が議論されている。
【0005】
ORL1 レセプターとの親和性を有する構造上関連する化合物は、先行技術 (特許文献1)から公知である。ノルアドレナリン及びセロトニン再取り込みへの影響は、このような種類の構造に関して以前に開示されなかった。
【特許文献1】国際特許出願公開(WO)第02090317号公報
【非特許文献1】Opioids: Introduction, pp. 127-150, Further Opioid receptors, 455-476 in: Analgesics - From Chemistry and Pharmacology to Clinical Application, Wiley VCH, 2002。
【非特許文献2】Opioids with Clinical Relevance: Tramadol, 228-230 in: Analgesics - From Chemistry and Pharmacology to Clinical Application, Wiley VCH, 2002
【非特許文献3】Manabe等, Nature, 394,1997, p.577-581
【非特許文献4】Nishi等、EMBO J., 16, 1997, p. 1858-1864
【非特許文献5】Br.J. Pharmacol., 129, 2000, 1261 - 1283
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、オピオイドレセプター系に作用し、それにより特に医薬にとって当該技術水準によればこれらの系と関連している多様な疾患の治療に、又は前記の適応症での使用に適する有効物質を提供することである。更にこの化合物は,ノルアドレナリン及びセロトニン再取り込みに影響を与えなければならない。
【0007】
したがって、本発明の対象は、そのラセミ化合物;そのエナンチオマー、そのジアステレオマー, そのエナンチオマー又はそのジアステレオマーの混合物又は個々のエナンチオマー又はジアステレオマーの混合物; その塩基及び(又は)生理学的に許容し得る酸又はカチオンの塩の形にある、一般式 I,
【0008】
【化1】

【0009】
{式中、
R1 及びR2 は、相互に無関係にH; CHO; C1-5 アルキル(それぞれ飽和又は不飽和, 分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない); C3-8 シクロアルキル(それぞれ飽和又は不飽和、 一回以上置換されているか又は置換されていない); 又はC1-3 アルキルを介して結合しているアリール, C3-8 シクロアルキル又はヘテロアリール(それぞれ 一回以上置換されているか又は置換されていない )を示すか、
又は基R1 及びR2 は一緒になってCH2CH2OCH2CH2, CH2CH2NR10CH2CH2又は(CH2)3-6,
[式中、R10 はH; C1-5 アルキル(それぞれ飽和又は不飽和, 分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない); C3-8 シクロアルキル(それぞれ飽和又は不飽和、 一回以上置換されているか又は置換されていない);アリール又はヘテロアリール(それぞれ 一回以上置換されているか又は置換されていない); 又はC1-3 アルキルを介して結合しているアリール, C3-8 シクロアルキル又はヘテロアリール(それぞれ 一回以上置換されているか又は置換されていない)を示す。]
を示し、
R3は、C1-5 アルキル(それぞれ飽和又は不飽和, 分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない); C3-8 シクロアルキル(それぞれ飽和又は不飽和、 一回以上置換されているか又は置換されていない);アリール又はヘテロアリール(それぞれ置換されていないか又は1回以上置換されている); C1-3 アルキル基を介して結合しているアリール, ヘテロアリール又はC3-8 シクロアルキル(それぞれ置換されていないか又は1回以上置換されている); ナフチル, アントラセニル, チオフェニル, ベンゾチオフェニル, フリル, ベンゾフラニル, ベンゾジオキソラニル, インドリル, インダニル, ベンゾジオキサニル, ピロリル, ピリジル, ピリミジル 又はピラジニル(それぞれ置換されていないか又は1回以上置換されている); フェニル, 2-フルオロフェニル, 3-フルオロフェニル, 4-フルオロフェニル, 2-クロロフェニル, 4-クロロフェニル, 3-クロロフェニル, 2-ブロモフェニル, 3-ブロモフェニル, 4-ブロモフェニル, 2-シアノフェニル, 3-シアノフェニル, 4-シアノフェニル, 2-メチルフェニル, 3-メチルフェニル, 4-メチルフェニル, 2-メトキシフェニル, 3-メトキシフェニル, 4- メトキシフェニル, 2-トリフルオロメチルフェニル, 3-トリフルオロメチルフェニル, 4-トリフルオロメチルフェニル, 2-エチルフェニル, 3-エチルフェニル, 4-エチルフェニル, 2-エトキシフェニル, 3-エトキシフェニル, 4-エトキシフェニル, 2-ヒドロキシフェニル, 3-ヒドロキシフェニル, 4-ヒドロキシフェニル, 2,3-ジクロロフェニル, 3,4-ジクロロフェニル, 3,5-ジクロロフェニル, 2,4-ジクロロフェニル, 2,3-ジフルオロフェニル, 3,4-ジフルオロフェニル, 3,5-ジフルオロフェニル, 2,4-ジフルオロフェニル, 2-フルオロ-3-クロロフェニル, 2-クロロ-3-フルオロフェニル, 2-クロロ-4-フルオロフェニル, 2-フルオロ-4-クロロフェニル, 4-フルオロ-3-クロロフェニル, 4-フルオロ-3-メチルフェニル, 4-tert.-ブチルフェニル, 4-フルオロ3-クロロフェニル, 4-ブロモ-3-フルオロフェニル, 3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル, 4-クロロ-2-トリフルオロメチルフェニル, 2-メトキシ-5-メチルフェニル, 5-クロロ-2-メトキシフェニル, 4-フェノキシフェニル, 2-メチルチオフェニル, 3-メチルチオフェニル, 4-メチルチオフェニル, 5-フルオロ-2-メトキシフェニル, 4-クロロ-3-トリフルオロメチル又は 4-ブロモ-2-メチルフェニルを示し、
R4 は-(CR6R7)nR8
[式中、 nは 0, 1, 2, 3, 4, 5 又は 6 を示し、
R6 は、H 又は C1-5-アルキル( 飽和又は不飽和, 分枝状又は非分枝状, 置換されていないか又は一回以上置換されている)を示し、
R7 は、H, C1-5-アルキル( 飽和又は不飽和, 分枝状又は非分枝状, 置換されていないか又は一回以上置換されている), 又は COOR9 を示すか、
又はR6 及びR7 は環 (CH2)kCHR8(CH2)m(式中、 k = 1, 2, 3 及び m = 1, 2)を形成し、
R8 はC3-8-シクロアルキル、アリール又はヘテロアリール(それぞれ置換されていないか又は1回以上置換されている)を示し、
R9 はH 又はC1-5-アルキル( 飽和又は不飽和, 分枝状又は非分枝状, 置換されていないか又は一回以上置換されている)を示す。]
を示し、
R5 は、 H 又は-(CH2)lR8(式中、 l は1, 2 又は3を示す。) を示すか,又は
R4 と一緒になって CH2CH2OCH2CH2又は CH2CH2NR11CH2CH2
[式中、R11 は、H; C1ー5-アルキル(それぞれ飽和又は不飽和, 分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない); C3-8-シクロアルキル(それぞれ飽和又は不飽和, 1回以上置換されているか又は置換されていない); アリール-, 又はヘテロアリール (それぞれ1回以上置換されているか又は置換されていない); 又はC1-3-アルキルを介して結合しているアリール , C3-8-シクロアルキル又はヘテロアリール(それぞれ1回以上置換されているか又は置換されていない)を示す。]
を示す。}
で表わされる置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体である。
【0010】
本発明の化合物は、μ- レセプター 及びORL-1- レセプターへの良好な結合を示すが, その他のオピオイドレセプターにも良好な結合を示す。本発明者は、驚くべきことにこれらの化合物がノルアドレナリン及びセロトニン再取り込みの良好な阻害剤であることも見出した。したがってこれらは鬱病及び(又は) 過食及び(又は) 拒食症及び(又は)カタレプシーの治療に及び(又は)抗不安に及び(又は) 覚醒及び(又は)やる気の増加にも適する。
用語"C1-5-アルキル" 及び "C1-3-アルキル" は、本発明の範囲において非環式の飽和及び不飽和の、1, 2, 3, 4 又は 5 個のC-原子又は1, 2 又は 3 個のC-原子を有する炭化水素残基(分枝状又は非分枝状及び置換されていないか又は1回以上置換されていてよい), すなわちC1-5-アルカニル, C2-5-アルケニル及び C2-5-アルキニル又はC1-3-アルカニル, C2-3-アルケニル及びC2-3-アルキニルを含む。その際、アルケニルは少なくとも1個のC-C-二重結合を、そしてアルキニルは少なくとも1個の C-C-三重結合を有する。アルキルはメチル, エチル, n-プロピル, 2-プロピル, n-ブチル, イソ-ブチル, sec.-ブチル, tert.-ブチル, n-ペンチル, イソ-ペンチル, ネオ-ペンチル, エチレニル (ビニル), エチニル, プロペニル (-CH2CH=CH2, -CH=CH-CH3, -C(=CH2)-CH3), プロピニル (-CH-C≡CH, -C≡C-CH3), 1,1-ジメチルエチル, 1,1-ジメチルプロピル, ブテニル, ブチニル, ペンテニル及びペンチニルを含む群から選ばれるのが好ましい。
【0011】
用語“シクロアルキル“ 又は "C3-8-シクロアルキル" は、本発明の目的に関して3, 4, 5, 6, 7 又は 8 個の炭素原子を有する環状炭化水素を意味し、この際この炭化水素は飽和又は不飽和 (しかし芳香族でない), 置換されていないか又は 1回以上置換されていてよい。シクロアルキルに関して、この概念は飽和又は不飽和 (しかし芳香族でない) シクロアルキルを含み、この基中で1又は2個の炭素原子がヘテロ原子S, N 又は O によって置換されている。C3-8-シクロアルキルは,シクロプロピル, シクロブチル, シクロペンチル, シクロヘキシル, シクロヘプチル, シクロオクチル, シクロペンテニル, シクロヘキセニル, シクロヘプテニル及び シクロオクテニル, しかもまたテトラヒドロピラニル, ジオキサニル, ジオキソラニル, モルホリニル, ピペリジニル, ピペラジニル, ピラゾリノニル及びピロリジニルを含む群から選ばれるのが好ましい。
【0012】
表現(CH2)3-6は、-CH2-CH2-CH2-, -CH2-CH2-CH2-CH2-, -CH2-CH2-CH2-CH2-CH2- 及びCH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2- を意味する。
【0013】
用語 "アリール" は、本発明の範囲において、環系のうちの1つにもヘテロ原子のない、少なくとも1種の芳香族環を有する炭素環状環系、特にフェニル類, ナフチル類及びフェナントレニル類, フルオロアンスレニル類, フルオレニル類, ランダニル類及びテトラリニル類を意味する。アリール-基は、その他の飽和, (一部)不飽和又は芳香族環系として縮合することができる。各アリール-基は置換されていないか又は1回以上置換されていてよく、この際アリール-置換基は同一か又は異なって、アリールの各々の任意の及び可能な位置にあることができる。フェニル- 又はナフチル-基が特に好ましい。
【0014】
用語"ヘテロアリール" は、少なくとも1種, 場合により2, 3, 4 又は 5種のヘテロ原子を含む5-, 6- 又は 7-員の環状芳香族基を意味し、この際ヘテロ原子は同一か又は異なり、そしてヘテロ環は置換されていないか又は1回以上置換されていてよい; ヘテロ環が置換されている場合、置換基は同一か又は異なって、ヘテロアリールの各々の任意の及び可能な位置にあることができる。ヘテロ環は二環状又は多環状系の一部であってもよい。
【0015】
好ましいヘテロ原子は窒素, 酸素及び硫黄である。ピロリル, インドリル, フリル(フラニル), ベンゾフラニル, チエニル(チオフェニル), ベンゾチエニル, ベンゾチアゾジアゾリル, ベンゾチアゾリル, ベンゾトリアゾリル, ベンゾジオキソラニル, ベンゾジオキサニル, フタラジニル, ピラゾリル, イミダゾリル, チアゾリル, オキサゾリル, イソオキサゾリル, ピリジニル, ピリダジニル, ピリミジニル, ピラジニル, ピラニル, インダゾリル, プリニル, インドリジニル, キノリニル, イソキノリニル, イソチアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、キナゾリニル, カルバゾリル, フェナジニル, フェノチアジニル又はオキサジアゾリルを含む群から選ばれるのが好ましい。この際一般構造式Iで表わされる化合物への結合は、ヘテロアリール基の各任意の及び可能な環構成員を介して行うことができる。
【0016】
"アルキル" に関連して、本発明の範囲において“置換された”という用語は、F, CI, Br, I, -CN, =O, =S, NH2, NH-アルキル, NH-アリール, NH-ヘテロアリール, NH-シクロアルキル, NH-アルキル-アリール, NH-アルキル-ヘテロアリール, NH-アルキル-OH, N(アルキル)2, N(アルキル-アリール)2, N(アルキル-ヘテロアリール)2, N(シクロアルキル)2, N(アルキル-OH)2, NH(C=O)アルキル, NH(C=O)アリール, NO2, SH, S-アルキル, S-アリール, S-ヘテロアリール, S-アルキル-アリール, S-アルキル-ヘテロアリール, S-シクロアルキル, S-アルキル-OH, S-アルキル-SH, OH, O-アルキル, O-アリール, O-ヘテロアリール, O-アルキル-アリール, O-アルキル-ヘテロアリール, O-シクロアルキル, O-アルキル-OH, CHO, C(=O)C1-6 アルキル, C(=S)C1-6 アルキル, C(=O)アリール, C(=S)アリール, C(=O)C1-6 アルキル-アリール, C(=S)C1-6-アルキル アリール, C(=O)-ヘテロアリール, C(=S)-ヘテロアリール, C(=O)-シクロアルキル, C(=S)-シクロアルキル, CO2H, CO2-アルキル, CO2-アルキル-アリール, C(=O)NH2, C(=O)NH-アルキル, C(=O)NH-アリール, C(=O)NH-シクロアルキル, C(=O)N(アルキル)2, C(=O)N(アルキル-アリール)2, C(=O)N(アルキル-ヘテロアリール)2, C(=O)N(シクロアルキル)2, SO-アルキル, SO2-アルキル, SO2NH2, SO3H, PO(O-C1-6 アルキル)2,Si(C1-6-アルキル)3, Si(C3-8-シクロアルキル)3, Si(CH2-C3-8-シクロアルキ)3,Si(フェニル)3,-シクロアルキル, アリール 又はヘテロアリールによって1個以上の水素基が置換されることを意味し, この際“多数回置換された”基とは、異なる及び同一の原子に多数回、たとえば2又は3回置換されている基を意味し、たとえば3回、たとえばCF3又は-CH2CF3の場合のように同一のC−原子が置換されている基、あるいは-CH(OH)-CH=CH-CHCl2の場合のように異なる位置で置換されている基を意味する。多数回置換は同一置換基又は異なる置換基によって行うことができる。場合により置換基それ自体が置換されていてもよい;したがって、-Oアルキルは特に-O-CH2-CH2-O-CH2-CH2-OHも含む。
【0017】
"アリール", "ヘテロアリール" 並びに "シクロアルキル" に関して、本発明の範囲において、 "1回以上置換されている" なる用語は環系の水素原子1個以上が、F, CI, Br, I, CN, NH2, NH-アルキル, NH-アリール, NH-ヘテロアリール, NH-アルキル-アリール, NH-アルキル-ヘテロアリール, NH-シクロアルキル, NH-アルキル-OH, N(アルキル)2, N(アルキル-アリール)2, N(アルキル-ヘテロアリール)2, N(シクロアルキル)2, N(アルキル-OH)2, NO2, SH, S-アルキル, S-シクロアルキル, S-アリール, S-ヘテロアリール, S-アルキル-アリール, S-アルキル-ヘテロアリール, S-シクロアルキル, S-アルキル-OH, S-アルキル-SH, OH, O-アルキル, O-シクロアルキル, O-アリール, O-ヘテロアリール, O-アルキル-アリール, O-アルキル-ヘテロアリール, O-シクロアルキル, O-アルキル-OH, CHO, C(=O)C1-6 アルキル, C(=S)C1-6 アルキル, C(=O)アリール, C(=S)アリール, C(=O)-C1-6 アルキル-アリール, C(=S)C1-6 アルキル-アリール, C(=O)-ヘテロアリール, C(=S)-ヘテロアリール, C(=O)-シクロアルキル, C(=S)-シクロアルキル, CO2H, CO2-アルキル, CO2-アルキル-アリール, C(=O)NH2, C(=O)NH-アルキル, C(=O)NH-アリール, C(=O)NH-シクロアルキル, C(=O)N(アルキル)2, C(=O)N(アルキル-アリール)2, C(=O)N(アルキル-ヘテロアリール)2, C(=O)N(シクロアルキル)2, S(O)-アルキル, S(O)-アリール, SO2-アルキル, SO2-アリール, SO2NH2, SO3H, CF3, =O, =S;アルキル, シクロアルキル, アリール及び(又は)ヘテロアリールによって、1種の原子又は場合により種々の原子(この際置換基は場合によりそれ自体置換されていてもよい)で、1回以上, たとえば 2-, 3- 4- 又は5回置換されることを意味する; その際多数回置換は同一か又は異なる置換基によって行われる。
【0018】
“塩”なる用語は、本発明の有効物質のあらゆる形態を意味し、この際これはイオン形をとるか又は荷電されて、対向イオン(カチオン又はアニオン)とカップリングするか又は溶解された状態にある。この用語は有効物質と他の分子及びイオンの錯体、特にイオン交換作用を経て錯化された錯体を含むと解される。この用語(及びこれは本発明の好ましい実施態様でもある)は、生理学的に許容し得る塩、特にカチオン又は塩基との生理学的に許容し得る塩及び、アニオン又は酸との生理学的に許容し得る塩あるいは生理学的に許容し得る酸と又は生理学的に許容し得るカチオンと共に形成される塩を意味する。
【0019】
アニオン又は酸との生理学的に許容し得る塩の概念は、本発明の範囲においてカチオンとして少なくとも1種の本発明の化合物−−−ほとんど、たとえば窒素がプロトン化されている−−−−と少なくとも1種のアニオンとの塩を意味し、これは生理学的に−−特にヒト及び(又は)哺乳類に使用した場合−−−許容し得る。これは本発明の範囲において生理学的に許容し得る酸と共に形成される塩、すなわち各々の有効物質と無機酸又は有機酸との塩を意味し、これは生理学的に−−特にヒト及び(又は)哺乳類に使用した場合−−−許容し得る。特定の酸の生理学的に許容し得る塩の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、マンデル酸、フマル酸、乳酸、クエン酸、グルタミン酸、サッカリン酸、モノメチルセバシン酸、5-オキソ-プロリン, ヘキサン-1-スルホン酸, ニコチン酸, 2-, 3- 又は4-アミノ安息香酸, 2,4,6-トリメチル-安息香酸, α−リポン酸、アセチルグリシン、リン酸、マレイン酸、マロン酸、馬尿酸及び(又は)又はアスパラギン酸の塩である。塩酸塩,クエン酸塩及び半クエン酸塩(ヘミシトラート)が特に好ましい。
【0020】
生理学的に許容し得る酸と共に形成される塩なる用語は、本発明の範囲においてアニオンとしてそれぞれの有効物質と無機酸又は有機酸との塩を意味し、これは生理学的に−−特にヒト及び(又は)哺乳類に使用した場合−−−許容し得る。その塩酸塩及びクエン酸塩が特に好ましい。生理学的に許容し得る酸の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、マンデル酸、フマル酸、乳酸、クエン酸、グルタミン酸、サッカリン酸、モノメチルセバシン酸、5-オキソ-プロリン, ヘキサン-1-スルホン酸, ニコチン酸, 2-, 3- 又は4-アミノ安息香酸, 2,4,6-トリメチル-安息香酸, α−リポン酸、アセチルグリシン、馬尿酸及び(又は)又はアスパラギン酸の塩である。
【0021】
カチオン又は塩基との生理学的に許容し得る塩なる用語は、本発明の範囲においてアニオンとして少なくとも1種の本発明の化合物[大抵(脱プロトン化された)酸]と少なくとも1種のカチオン、好ましくは無機のカチオンとの塩を意味し、これは生理学的に−−特にヒト及び(又は)哺乳類に使用した場合−−−許容し得る。アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩、しかもまた(モノ−)又は(ジ−)ナトリウム塩、(モノ−)又は(ジ−)カリウム塩、マグネシウム塩又はカルシウム塩が特に好ましい。
【0022】
生理学的に許容し得るカチオンと共に形成される塩なる用語は、本発明の範囲においてアニオンとしてそれぞれの化合物の少なくとも1種と少なくとも1種の無機のカチオンとの塩を意味し、これは生理学的に−−特にヒト及び(又は)哺乳類に使用した場合−−−許容し得る。アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩、しかもまたアンモニウム塩、特にしかも(モノ−)又は(ジ−)ナトリウム塩、(モノ−)又は(ジ−)カリウム塩、マグネシウム塩又はカルシウム塩が特に好ましい。
【0023】
本発明の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体の好ましい実施態様に対して、R1及びR2は、相互に無関係にH; C1-5 アルキル(飽和又は不飽和, 分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない)示すか、
又は 基 R1及びR2 は一緒になって環を形成し、そしてCH2CH2OCH2CH2, CH2CH2NR10CH2CH2 又は (CH2)3-6
(式中、R10 は、H; C1ー5-アルキル(飽和又は不飽和, 分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない)示す。)
を示す。
【0024】
置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体(式中、R1 及びR2 が、相互に無関係にCH3又はHを示すが、R1及びR2 は同時にHを示さない。)が特に好ましい。
【0025】
更に、置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体
(式中、
R3が、シクロペンチル, シクロヘキシル, ナフチル, チオフェニル, ベンゾチオフェニル, フリル, ベンゾフラニル, ベンゾジオキソラニル, インドリル, インダニル, ベンゾジオキサニル又は ピリジル(それぞれ置換されていないか又は1回以上置換されている);飽和、非分枝状C1-2-アルキルを介して結合しているC5-6-シクロアルキル, フェニル, ナフチル, アントラセニル, チオフェニル, ベンゾチオフェニル, ピリジル, フリル, ベンゾフラニル, ベンゾジオキソラニル, インドリル, インダニル, ベンゾジオキサニル, ピロリル, ピリミジル又は ピラジニル(それぞれ置換されていないか又は1回以上置換されている); フェニル, 2-フルオロフェニル, 3-フルオロフェニル, 4-フルオロフェニル, 2-クロロフェニル, 4-クロロフェニル, 3-クロロフェニル, 2-ブロモフェニル, 3-ブロモフェニル, 4-ブロモフェニル, 2-シアノフェニル, 3-シアノフェニル, 4-シアノフェニル, 2-メチルフェニル, 3-メチルフェニル, 4-メチルフェニル, 2-メトキシフェニル, 3-メトキシフェニル, 4- メトキシフェニル, 2-トリフルオロメチルフェニル, 3-トリフルオロメチルフェニル, 4-トリフルオロメチルフェニル, 2-エチルフェニル, 3-エチルフェニル, 4-エチルフェニル, 2-エトキシフェニル, 3-エトキシフェニル, 4-エトキシフェニル, 2-ヒドロキシフェニル, 3-ヒドロキシフェニル, 4-ヒドロキシフェニル, 2,3-ジクロロフェニル, 3,4-ジクロロフェニル, 3,5-ジクロロフェニル, 2,4-ジクロロフェニル, 2,3-ジフルオロフェニル, 3,4-ジフルオロフェニル, 3,5-ジフルオロフェニル, 2,4-ジフルオロフェニル, 2-フルオロ-3-クロロフェニル, 2-クロロ-3-フルオロフェニル, 2-クロロ-4-フルオロフェニル, 2-フルオロ-4-クロロフェニル, 4-フルオロ-3-クロロフェニル, 4-フルオロ-3-メチルフェニル, 4-tert.-ブチルフェニル, 4-フルオロ3-クロロフェニル, 4-ブロモ-3-フルオロフェニル, 3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル, 4-クロロ-2-トリフルオロメチルフェニル, 2-メトキシ-5-メチルフェニル, 5-クロロ-2-メトキシフェニル, 4-フェノキシフェニル, 2-メチルチオフェニル, 3-メチルチオフェニル, 4-メチルチオフェニル, 5-フルオロ-2-メトキシフェニル, 4-クロロ-3-トリフルオロメチル又は 4-ブロモ-2-メチルフェニル を示し、
特に
R3 が、ナフチル, チオフェニル 又はピリジル(それぞれ置換されていないか又は1回以上置換されている);飽和、非分枝状C1-2-アルキル基を介して結合しているC5-6-シクロアルキル, フェニル, ナフチル, チオフェニル, ピリジル(それぞれ置換されていないか又は1回以上置換されている); フェニル, 2-フルオロフェニル, 3-フルオロフェニル, 4-フルオロフェニル, 2-クロロフェニル, 4-クロロフェニル, 3-クロロフェニル, 2-シアノフェニル, 3-シアノフェニル, 4-シアノフェニル, 2-メチルフェニル, 3-メチルフェニル, 4-メチルフェニル, 2-メトキシフェニル, 3-メトキシフェニル, 4- メトキシフェニル, 2-トリフルオロメチルフェニル, 3-トリフルオロメチルフェニル, 4-トリフルオロメチルフェニル, 2-エチルフェニル, 3-エチルフェニル, 4-エチルフェニル, 2-エトキシフェニル, 3-エトキシフェニル, 4-エトキシフェニル, 2,3-ジクロロフェニル, 3,4-ジクロロフェニル, 3,5-ジクロロフェニル, 2,4-ジクロロフェニル, 2,3-ジフルオロフェニル, 3,4-ジフルオロフェニル, 3,5-ジフルオロフェニル, 2,4-ジフルオロフェニル, 2-フルオロ-3-クロロフェニル, 2-クロロ-3-フルオロフェニル, 2-クロロ-4-フルオロフェニル, 2-フルオロ-4-クロロフェニル, 4-フルオロ-3-クロロフェニル, 4-フルオロ-3-メチルフェニル, 4-tert.-ブチルフェニル, 4-フルオロ3-クロロフェニル, 3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル, 4-クロロ-2-トリフルオロメチルフェニル, 2-メトキシ-5-メチルフェニル, 5-クロロ-2-メトキシフェニル, 4-フェノキシフェニル, 2-メチルチオフェニル, 3-メチルチオフェニル, 4-メチルチオフェニル又は 4-クロロ-3-トリフルオロメチルを示す、。)
が好ましい。
【0026】
特に好ましくは、置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体(式中、R3 がピリジル(置換されているか又は置換されていない), フェニル, 3-フルオロフェニル 又は 4-フルオロフェニル、特にフェニルを示す。)である。
【0027】
置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体(式中、R6 がHを示し、そしてR7 がH 又はCOOR9 を示す。)も好ましい。
更に、置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体(式中、R5 がHを示す。)が好ましい。
【0028】
更に、置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体
(式中、R8 が、シクロブチル, シクロプロピル, シクロペンチル, シクロヘキシル, シクロヘプチル, シクロオクチル, アントラセニル, インドリル, ナフチル, ベンゾフラニル, ベンゾチオフェニル, インダニル, ベンゾジオキサニル, ベンゾジオキソラニル, アセナフチル, カルバゾリル, フェニル, チオフェニル, フリル, ピリジル, ピロリル, ピラジニル又はピリミジル, フルオレニル, フルオロアンセニル, ベンゾチアゾリル, ベンゾトリアゾリル又は ベンゾ[1,2,5]チアゾリル又は1,2-ジヒドロアセナフテニル, ピリジニル, フラニル, ベンゾフラニル, ピラゾリノニル, オキソピラゾリノニル, ジオキソラニル, アダマンチル, ピリミジニル, キノリニル, イソキノリニル, フタラジニル又はキナゾリニル(それぞれ置換されていないか又は1回以上置換されている)を示し、
特に
R8 がシクロペンチル, シクロヘキシル, シクロヘプチル, シクロオクチル, アントラセニル, インドリル, ナフチル, ベンゾフラニル, ベンゾチオフェニル, インダニル, ベンゾジオキサニル, ベンゾジオキソラニル, アセナフチル, カルバゾリル, フェニル, チオフェニル, フリル, ピリジル, ピロリル, ピラジニル又はピリミジル(それぞれ置換されていないか又は1回以上置換されている)を示す。)
が好ましい。
【0029】
置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体(式中、R8 がフェニル又はインドリル(それぞれ1回以上置換されている)を示す。)が、特に好ましい。
【0030】
そのラセミ化合物;そのエナンチオマー、そのジアステレオマー, そのエナンチオマー又はそのジアステレオマーの混合物又は個々のエナンチオマー又はジアステレオマーの混合物; その塩基及び(又は)生理学的に許容し得る酸又はカチオンの塩の形にある、
2-[(4-ジメチルアミノ-4-フェニル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-3-(1H-インドール-3-イル)-プロパン酸-メチルエステル-塩酸塩; 非極性ジアステレオマー、
2-[(4-ジメチルアミノ-4-フェニル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-3-(1H-インドール-3-イル)-プロパン酸-メチルエステル-塩酸塩; 極性ジアステレオマー、
4-ジメチルアミノ-4-フェニル-シクロヘキサンカルボン酸-(3-フェニル-プロピル)-アミド-塩酸塩; 非極性ジアステレオマー及び
4-ジメチルアミノ-4-フェニル-シクロヘキサンカルボン酸-(3-フェニル-プロピル)-アミド-塩酸塩; 極性ジアステレオマー
を含む群からなる、置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体が最も好ましい。
【0031】
本発明の物質は、たとえば様々な疾患に関連して問題となるORL-1-レセプターに作用し, それゆえこれは医薬中の医薬有効物質として適する。したがって、本発明の別の対象は、少なくとも1種の本発明の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体, 並びに場合により適当な添加物及び(又は)助剤及び(又は)場合によりその他の有効物質を含む医薬である。
【0032】
本発明の医薬は、少なくとも1種の本発明の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体と共に、場合により適当な添加剤及び(又は)助剤、たとえばまた担体材料, 増量剤、溶剤、希釈剤、着色料及び(又は)結合剤を含み、そして液状医薬として注射用溶液、滴剤、又は液剤の形で、半固形医薬として顆粒、錠剤、ペレット、パッチ、カプセル、硬膏剤/スプレープラスター(Spruehpflaster)又はエアゾールの形で投与することができる。助剤の選択及びその使用される量は、その医薬が経口、皮下、腸管外、静脈内、腹腔内、経皮、筋肉内、鼻腔内、バッカル、直腸又は局所に、たとえば皮膚の、粘膜の及び眼の感染媒体に投与されねばならないかどうかに依存する。経口投与に、たとえば錠剤、糖衣錠、カプセル、顆粒、ペレット、滴剤、液剤及びシロップの形の製剤、非経口、外用及び吸入投与に、溶液、懸濁液、容易に再構成可能な乾燥調製物並びにスプレーの形の製剤が最適である。場合により皮膚浸透を促進する剤の添加下に溶解された形でデポ剤としての又は硬膏剤としての本発明のシクロヘキシルカルボン酸誘導体は、適当な経皮適用調合物である。経口又は経皮投与可能な調合物形態は、本発明の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体を遅延された状態で遊離することができる。本発明の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体を非経口長期デポ形態、たとえばインプラント又は埋め込まれたポンプの形でも使用することができる。原則的に本発明の医薬に、当業者に周知のその他の有効物質を更に添加することができる。
【0033】
患者に投与すべき有効物質の量は、患者の体重、投与の種類、症状及び病気の重さに依存して変化する。少なくとも1種の本発明の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体を、通常 0,00005〜50 mg/kg, 好ましくは0,001 〜0,5 mg/kg投与することができる。
【0034】
本発明の医薬の前記形態のすべてに対して、この医薬が少なくとも1種の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体が更に別の有効物質, 特にオピオイド, 好ましくは強いオピオイド, 特にモルヒネ, 又は麻酔薬、好ましくはヘキソバルビタール又はハロタンを含む場合、特に好ましい。
【0035】
医薬の好ましい形態で、 含まれる本発明の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体は純粋なジアステレオマー及び(又は)エナンチオマーとして, ラセミ化合物として又は ジアステレオマー及び(又は) エナンチオマーの非-等モル又は等モル混合物として存在する。
【0036】
ORL-1-レセプター、しかもまたその他のオピオイドレセプターは特に苦痛発生で確認される。したがって本発明の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体を苦痛, 特に急性、神経障害性又は慢性苦痛の治療用医薬の製造に使用することができる。
したがって本発明の別の対象は、本発明の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体を苦痛, 特に急性、神経障害性又は慢性苦痛の治療用医薬の製造に使用する方法である。
【0037】
本発明は、また本発明の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体を不安状態、ストレス及びストレスと関連する症候群、うつ病、カタレプシー、癲癇、アルツハイマー病、老人性痴呆症、全般性認知機能障害(general cognitive dysfunction)、学習及び記憶障害(向知性薬として)、禁断症状、アルコールー及び(又は)麻薬−及び(又は)薬物−乱用及び(又は)依存症、性的機能障害、心臓血環疾患、低血圧症、高血圧症、耳鳴り、掻痒症、偏頭痛、聴力障害、腸運動障害、摂食障害、食欲不振、脂肪過多症、運動障害、下痢、悪液質、尿失禁を治療するための医薬の製造に、又は筋弛緩剤、抗痙攣剤又は麻酔剤としての医薬の製造に、又はオピオイド鎮痛剤又は麻酔剤を用いる治療での併用投与用医薬の製造に、又は利尿薬又は抗ナトリウム排泄増加薬又は抗不安薬の製造に、運動活性モジュレーション用医薬の製造に、神経伝達物質の遊離のモジュレーション及びこれに付随する神経変性疾患の治療用医薬の製造、オピオイドの禁断症状の治療及び(又は) オピオイド中毒の可能性の軽減用医薬の製造に使用する方法に関する。
【0038】
その際、使用される本発明の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体が純粋なジアステレオマー及び(又は)エナンチオマーとして, ラセミ化合物として又は ジアステレオマー及び(又は) エナンチオマーの非-等モル又は等モル混合物として存在する場合、前記使用方法のうちの1つにおいて好ましいといえる。
【0039】
本発明の別の対象は、本発明の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体又は本発明の医薬の治療上有効な薬用量の投与によって苦痛、特に慢性苦痛の治療を必要とする、ヒトでない哺乳類又はヒトを、特に上記適応症の1つで、治療する方法にある。
本発明の別の対象は、次の記載及び実施例に記載されている様に本発明の置換されたシクロヘキシルカルボン酸 誘導体を製造する方法である。
【0040】
一般合成反応式:
【0041】
【化2】

【0042】
基 R01 及びR02 は、R1及びR2に記載の意味を有し, そして更に保護基を示すことができる。
【0043】
式A で表わされる適する4-アミノシクロヘキサノン の製造は、文献から公知である(Lednicer et al., J. Med. Chem., 23, 1980, 424-430; WO 0290317)。
【0044】
アルコキシメチル-ホスホニウム塩, 好ましくはメトキシメチル-トリフェニルホスホニウム-クロライド又はメトキシメチル-トリフェニルホスホニウム-ブロマイドを先ず強塩基, 好ましくはカリウム-tert.ブチラート, 水素化ナトリウム又はブチルリチウムと, ついで式A で表わされる4-アミノシクロヘキサノンと反応させる。その際 式IIで表わされるシクロヘキシルカルボアルデヒドが生じる。
【0045】
シクロヘキシルカルボアルデヒド IIを、適当な酸化剤, 好ましく過マンガン酸カリウム, 酸化クロム(VI)又はその他のクロム(VI)塩で酸化させて, 式 III で表わされる 対応するシクロヘキシル-カルボン酸とする。
【0046】
式 III で表わされるカルボン酸を、そのまま又はその対応する塩酸塩の形で、脱水剤,好ましくはカルボジイミド, 特に好ましくはジシクロヘキシル-カルボジイミドと反応させ、ついで活性化剤, 好ましくは1-ヒドロキシベンゾトリアゾーの存在下に, 式 R4R5NHで表わされるアミンと反応させて、 式Iで表わされる対応するアミドとする。
【0047】
場合により引き続き保護基R01 及びR02を当業者に周知の方法で離脱することができる。
【0048】
【化3】

【0049】
保護基を意味する基S1及びS2(たとえば置換された又は置換されていないアルキル, 特に (CH2)n(n = 2-4))によって保護された、式 Bで表わされるシクロヘキサン-1,4-ジオンを、強塩基, 好ましくはカリウム-tert.ブチラート, 水素化ナトリウム 又はブチルリチウムの存在下にアルコキシメチル-ホスホニウム塩, 好ましくはメトキシメチル-トリフェニルホスホニウム-クロライド 又はメトキシメチル-トリフェニルホスホニウム-ブロマイドと反応させる。この際式 IV で表わされるシクロヘキシルカルボアルデヒドが生じる。
【0050】
シクロヘキシルカルボアルデヒド IV を、適当な酸化剤, 好ましく過マンガン酸カリウム, 酸化クロム(VI)又はその他のクロム(VI)塩で酸化させて, 対応するシクロヘキシル-カルボン酸とする。このカルボン酸をそのまま又はその対応する塩酸塩の形で、脱水剤,好ましくはカルボジイミド, 特に好ましくはジシクロヘキシル-カルボジイミドと反応させ、ついで活性化剤, 好ましくは1-ヒドロキシベンゾトリアゾーの存在下に, 式 R4R5NHで表わされるアミンと反応させて、式 Vで表わされる対応するアミドとする。
【0051】
式 Vで表わされる化合物から、保護基S1 及び S2を離脱して、式 VIで表わされる4-置換されたシクロヘキサノン誘導体を生じさせる。
【0052】
式 VIで表わされる化合物を、式 HNR01R02 で表わされる化合物の存在下にシアニド, 好ましくはシアン化カリウム又はTMSCNと反応させ, 式 VII で表わされる4-置換された1-アミノ-1-シアノ-シクロヘキサン誘導体とする。
【0053】
式 VIIで表わされるアミノニトリルを、式 金属-R3で表わされる有機金属試薬,好ましくはグリニヤール試薬又は有機リチウム試薬と反応させて、本発明の式 Iで表わされる化合物を生じさせる。
【0054】
場合により引き続き保護基R01 及びR02 を当業者に周知の方法で離脱することができる。
【実施例】
【0055】
次の実施例は本発明をさらに詳細に説明するものであって、一般的な発明思想を制限するものではない。
【0056】
製造された化合物の収率は最適化されていない。
【0057】
全ての温度は未修正である。
【0058】
「エーテル」の記載はジエチルエーテルを意味し、「EE」は酢酸エチルを意味し、「DCM」はジクロロメタンを意味する。「当量」の記載は質量当量を意味し、「RT」は室温を意味し、「rac.」はラセミ性を意味し、「Vol.%」は容量%を意味し、 「m%」は質量%を意味し、「M」はモル/lで表わされる濃度を示す。
【0059】
カラムクロマトグラフィーの固定相として、シリカゲル(シリカゲル 60)(0.040〜0.063mm)(E.メルク社、ダルムシュタット)を使用した。
【0060】
薄層クロマトグラフィー試験は、HPTLC−既製プレート(HPTLC−既成プレート,シリカゲル 60 F 254,E.メルク社,ダルムシュタット)を用いて実施した。
【0061】
クロマトグラフィー試験のための溶離剤の混合比は常に容量/容量で表示した。
以下に使用される化合物は市場で入手できるか又はその製造は従来技術から公知であるか又は当業者に自明な方法で従来技術から導かれる。
【0062】
4-ジメチルアミノ-4-フェニル-シクロヘキサンカルボアルデヒド
46 mmol (10,0 g) の 4-ジメチルアミノ-4-フェニルシクロヘキサノン をトルエンに溶解させる。この溶液を、70℃で、 138,1 mmol (47,33 g) のメトキシメチル-トリフェニルホスホニウムクロライド及び138,1 mmol (25,82 g) のカリウム-tert.ブチラートを有する懸濁液に滴下する。 もう2〜3時間70℃で攪拌し、水で加水分解させて、EEを用いて抽出する。一緒にした有機相を飽和NaCl-溶液で洗浄し, 硫酸ナトリウムを介して乾燥させて、濃縮する。この様にして得られた褐色樹脂を、シリカゲル上でクロマトグラフィー分離する。所望のアルデヒドが、シス/トランス-混合物として得られる。
【0063】
4-ジメチルアミノ-4-フェニル-シクロヘキサンカルボン酸-塩酸塩
4-ジメチルアミノ-4-フェニル-シクロヘキサンカルボアルデヒド (2,3 g, 10 mmol) を THF (60 ml) に溶解させる。過マンガン酸カリウム (3 g, 19 mmol)を50℃で50 mlの蒸留水に溶解させ, RTに冷却させ、温度が40℃以下に保たれるようにアルデヒドの溶液に滴下する。更に3時間 RTで攪拌する。沈殿した二酸化マンガンを吸引濾取し、連続してTHF と、水を用いて十分に洗浄する。一緒にした濾液を蒸発させて、エーテル (3 × 15 ml)で抽出する。その後2M 塩酸で pH 1に調整し、再度エーテル (3 × 20 ml)で振出する。水相を蒸発乾固する。残留物をP2O5を介して乾燥させる。固体を イソプロパノール (30 ml)に懸濁させ, 不溶性残留物を吸引濾取し, 母液を蒸発させて、濁るまでエーテルを添加する。16-時間の冷却後、生じた沈殿を吸引濾取し, エーテルで洗浄して、乾燥させる。分別沈殿によって1,5 g (54 %)の4-ジメチルアミノ-4-フェニル-シクロヘキサンカルボン酸-塩酸塩(融点112-130℃)が得られる。
【0064】
2-[(4-ジメチルアミノ-4-フェニル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-3-(1H-インドール-3-イル)-プロピオン酸-メチルエステル-塩酸塩 (例1及び 2)
4-ジメチルアミノ-4-フェニル-シクロヘキサンカルボン酸-塩酸塩 (568 mg, 2 mmol) 及びL-トリプトファン-メチルエステル-塩酸塩 (509 mg, 2 mmol) を、5 mlの乾燥DMFに溶解させ、ついでN-メチルモルホリン (0,88 ml, 8 mmol)を添加する。10 分後、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール (1 g, 8 mmol)を添加し, 0℃に冷却して、ジシクロヘキシルカルボジイミド (1,6 g, 8 mmol) を加える。後処理のために、沈殿を吸引濾取して、冷DMFで洗浄する。ろ液に、 飽和NaCl-溶液(93 ml) 及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液(7 ml)から成る混合物を添加する。エーテルを添加し, 相を分離し, エーテル相を乾燥して、濃縮する。残留物 (1,3 g) から、クロマトグラフィーによって非極性ジアステレオマーの一部 (25 mg, 2,8 %) を単離する。水相をEE で抽出し, 1M NaOH で pH 10に調整して、再度EEで振出する。一緒にした有機相を乾燥させて、濃縮する。残留物 (862 mg)から、クロマトグラフィーによって非極性ジアステレオマー(14 mg, 1,5 %),極性ジアステレオマー(62 mg, 7 %)及び混合分画(75 mg, 8,4 %)を単離する。
【0065】
非極性ジアステレオマー (72 mg, 0,16 mmol)をエタノールに(20 ml)溶解させる。 RTで3,3 M エタノール性HCl (75 μL, 0,24 mmol)を添加し、 2時間攪拌する。溶剤を蒸留して、残留物をエーテルと共に粉砕する。生じた固体を吸引濾取して、エーテルで洗浄する。2-[(4-ジメチルアミノ-4-フェニル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-3-(1H-インドール-3-イル)-プロピオン酸-メチルエステル-塩酸塩の非極性ジアステレオマーが、ベージュ色の固体(70,2 mg, 91 %)(融点138-144 ℃)として得られる(例 1)。
【0066】
同様に極性ジアステレオマー (77 mg, 0,17 mmol)を用いて処理する。極性ジアステレオマーの塩酸塩がベージュ色の固体(83 mg, 99 %) (融点185-195℃)として得られる(例 2)。
【0067】
4-ジメチルアミノ-4-フェニル-シクロヘキサンカルボン酸 (3-フェニル-プロピル)-アミド-塩酸塩 (例3 及び4)
4-ジメチルアミノ-4-フェニル-シクロヘキサンカルボン酸-塩酸塩(357 mg, 1,25 mmol) 及び3-フェニル-プロピルアミン-塩酸塩(170,1 mg, 1,25 mmol)を乾燥DMF (6 ml) に溶解させて、N-メチルモルホリン (0,28 ml, 2,5 mmol)を添加する。10 分後、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール (510 mg, 3,8 mmol)を添加し, 0℃に冷却し, ジシクロヘキシルカルボジイミド (778 mg, 3,8 mmol)を加えて、6日間 RTで攪拌する。後処理のために、反応混合物を2時間攪拌し, 固体を吸引濾取して、冷DMFで洗浄するろ液に、 飽和NaCl-溶液 (46 ml) 及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液(4 ml)から成る混合物を添加する。エーテルを添加し, 相を分離し, エーテル相を乾燥させて、濃縮する。水相をジクロロメタン (4 × 10 ml)で抽出する。ジクロロメタン 抽出物を乾燥させて、濃縮する。抽出残留物を一緒にし、クロマトグラフィーによって精製する。非極性ジアステレオマー (21 mg, 4 %), 混合物(30 mg, 7 %) 及び極性ジアステレオマー(109 mg, 24 %) が得られる。
【0068】
非極性ジアステレオマー (20 mg, 0,05 mmol)を、エタノール (2 ml)及びメチルエチルケトン(2 ml)に溶解させる。RTで、3,3 Mエタノール性 HCl (25 μL, 0,08 mmol) を添加して、2時間攪拌する。溶剤を蒸留して、残留物をエーテルと共に粉砕する。生じた固体を吸引濾取し、エーテル(2×1 ml)で洗浄する。4-ジメチルアミノ-4-フェニル-シクロヘキサンカルボン酸 (3-フェニル-プロピル)-アミド-塩酸塩の非極性ジアステレオマーが、淡黄色固体(19 mg, 88 %)(融点100-105℃)として得られる(例 3)。
【0069】
極性ジアステレオマー(105 mg, 0,29 mmol)を同様に処理する。極性ジアステレオマーの塩酸塩が、無色固体(115 mg, 96 %) (融点112-115℃)として得られる(例 4)。
【0070】
本発明の化合物の有効性試験
ORL1-結合の測定
一般式Iで表わされるシクロヘキサン誘導体を組み換えCHO-ORL1-細胞の膜を用いた3H-ノシセプチン/オルファニンFQとのレセプター結合アッセイで試験する。このテストシステムはArdati等 (Mol. Pharmacol., 51, 1997, p. 816-824)によって提案された方法したがって実施する。3H-ノシセプチン/オルファニンFQの濃度はこの試験の場合に0.5 nMである。この結合アッセイを、50 mM Hepes, pH 7,4, 10 mM MgCl2及び1 mM EDTA中でそれぞれ200μLの仕込み物あたり膜タンパク質それぞれ20μgを用いて実施する。ORL-1-レセプターへの結合は、それぞれ1mgのWGA-SPA Beads (Amersham-Pharmacia, フライブルグ)の使用下に室温でこの仕込み物を1時間インキュベートし、ついでシンチレーションカウンターのTrilux (Wallac, フィンランド)中で測定することによって決定される。この親和性を、表1中にc=1μMでナノモル Ki-値としてか又は%阻害率として記載する。
【0071】
μ-結合の測定
ヒト μ-オピアートレセプターに対するレセプター親和性を、マイクロタイタープレート中の均質な混合物の形で測定する。このためにCHO-K1-細胞-------- これはヒトμ-オピエートレセプターを発現する(RB-HOM-レセプターmembran-Praparation、NEN社, Zaventem, ベルギー)-------- のレセプター膜調製物(250 μlのインキュベーション混合物あたり15-40 μg の蛋白質)を用いて、それぞれ試験すべき置換されたシクロヘキシル-1,4-ジアミン誘導体の系統的希釈物を、1 nmol/l の 放射性リガンド [3H]-ナロキソン (NET719, NEN社, Zaventem, ベルギー) 並びに1 mgのWGA-SPA-Beads (Wheat germ agglutinin SPA Beads、Amersham/Pharmacia社, フライブルグ, ドイツ)の存在下に全容量 250 μLで 90 分間室温でインキュベートする。インキュベーション緩衝液として、0,05 重量%ナトリウムアジド及び 0,06 重量% ウシ血青アルブミンが補充された50 mmol/l のトリス-HClを使用する。非特異性結合の測定のために、更に25 μmol/l のナロキソンを添加する。90分のインキュベート時間の終了後、マイクロタイタープレートを20 分間1000 gで遠心分離し、放射能をβ-カウンター (Microbeta-Trilux, PerkinElmer Wallac社, フライブルグ, ドイツ) で測定する。放射性リガンドの置換率(die prozentuale Verdraengung)をヒトμ-オピアートレセプターへのその結合から1 μmol/l の供試化合物濃度で測定し、特異結合の阻害率 (%阻害) を示す。一部ずつ、百分率変位から出発して一般式Iで表わされる供試化合物の種々の濃度によって、放射性リガンドの50-%置換を生じさせる IC50 阻害濃度を計算する。Cheng-Prusoff-式を用いて換算することによって供試化合物に対するKi-値を得る。
【0072】
セロトニン再取り込みの測定
この試験管内試験を実施するために、シナプトゾームをラット脳領域から再度単離する。それぞれいわゆる“P2 ”-フラクションを使用する。これは正確に(E.G. Gray and V.P. Whittaker (1962) J. Anat. 76, 79-88)にしたがって調製する。NA- 再取り込みに関しては、この小胞性粒子を雄性ラット脳の脊髄+脳橋領域(medulla + pons region)から単離する。
【0073】
詳細な方法の説明は、文献に見出すことができる(M.Ch. Frink, H.-H. Hennies, W. Englberger, M. Haurand and B. Wilffert (1996) Arzneim.-Forsch./Drug Res. 46(III), 11, 1029-1036)。
【0074】
ノルアドレナリン再取り込みの測定
この試験管内試験を実施するために、シナプトゾームをラット脳領域から再度単離する。それぞれいわゆる“P2 ”-フラクションを使用する。これは正確に(E.G. Gray and V.P. Whittaker (1962) J. Anat. 76, 79-88)にしたがって調製する。NA- 再取り込みに関しては、この小胞性粒子を雄性ラット脳の視床下部から単離する。
詳細な方法の説明は、文献に見出すことができる(M.Ch. Frink, H.-H. Hennies, W. Englberger, M. Haurand and B. Wilffert (1996) Arzneim.-Forsch./Drug Res. 46(III), 11, 1029-1036)。
つぎの結合データを例にしたがって測定した:
【0075】
【表1】

【0076】
【表2】

【0077】
【表3】

【0078】
【表4】

【0079】
本発明の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体の非経口溶液
本発明による置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体(この場合例1による)38 g を注射用水1リットルに室温で溶解させ、ついで注射用無水グルコースの添加によって等張条件に調整する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
そのラセミ化合物;そのエナンチオマー、そのジアステレオマー, そのエナンチオマー又はそのジアステレオマーの混合物又は個々のエナンチオマー又はジアステレオマーの混合物; その塩基及び(又は)生理学的に許容し得る酸又はカチオンの塩の形にある、一般式I
【化1】

{式中、
R1及びR2 は、相互に無関係にH; CHO; C1-5 アルキル(それぞれ飽和又は不飽和, 分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない); C3-8 シクロアルキル(それぞれ飽和又は不飽和、 一回以上置換されているか又は置換されていない); 又はC1-3 アルキルを介して結合しているアリール, C3-8 シクロアルキル又はヘテロアリール(それぞれ 一回以上置換されているか又は置換されていない )を示すか、
又は基R1及びR2 は一緒になってCH2CH2OCH2CH2, CH2CH2NR10CH2CH2又は(CH2)3-6,
[式中、R10はH; C1-5 アルキル(それぞれ飽和又は不飽和, 分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない); C3-8 シクロアルキル(それぞれ飽和又は不飽和、 一回以上置換されているか又は置換されていない);アリール 又はヘテロアリール(それぞれ 一回以上置換されているか又は置換されていない); 又はC1-3 アルキルを介して結合しているアリール, C3-8 シクロアルキル又はヘテロアリール(それぞれ 一回以上置換されているか又は置換されていない)を示す。]
を示し、
R3 は、C1-5 アルキル(それぞれ飽和又は不飽和, 分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない); C3-8 シクロアルキル(それぞれ飽和又は不飽和、 一回以上置換されているか又は置換されていない); C1-3 アルキル基を介して結合しているアリール, ヘテロアリール又はC3-8 シクロアルキル(それぞれ置換されていないか又は1回以上置換されている); ナフチル, アントラセニル, チオフェニル, ベンゾチオフェニル, フリル, ベンゾフラニル, ベンゾジオキソラニル, インドリル, インダニル, ベンゾジオキサニル, ピロリル, ピリジル, ピリミジル 又は ピラジニル(それぞれ置換されていないか又は1回以上置換されている); フェニル, 2-フルオロフェニル, 3-フルオロフェニル, 4-フルオロフェニル, 2-クロロフェニル, 4-クロロフェニル, 3-クロロフェニル, 2-ブロモフェニル, 3-ブロモフェニル, 4-ブロモフェニル, 2-シアノフェニル, 3-シアノフェニル, 4-シアノフェニル, 2-メチルフェニル, 3-メチルフェニル, 4-メチルフェニル, 2-メトキシフェニル, 3-メトキシフェニル, 4- メトキシフェニル, 2-トリフルオロメチルフェニル, 3-トリフルオロメチルフェニル, 4-トリフルオロメチルフェニル, 2-エチルフェニル, 3-エチルフェニル, 4-エチルフェニル, 2-エトキシフェニル, 3-エトキシフェニル, 4-エトキシフェニル, 2-ヒドロキシフェニル, 3-ヒドロキシフェニル, 4-ヒドロキシフェニル, 2,3-ジクロロフェニル, 3,4-ジクロロフェニル, 3,5-ジクロロフェニル, 2,4-ジクロロフェニル, 2,3-ジフルオロフェニル, 3,4-ジフルオロフェニル, 3,5-ジフルオロフェニル, 2,4-ジフルオロフェニル, 2-フルオロ-3-クロロフェニル, 2-クロロ-3-フルオロフェニル, 2-クロロ-4-フルオロフェニル, 2-フルオロ-4-クロロフェニル, 4-フルオロ-3-クロロフェニル, 4-フルオロ-3-メチルフェニル, 4-tert.-ブチルフェニル, 4-フルオロ-3-クロロフェニル, 4-ブロモ-3-フルオロフェニル, 3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル, 4-クロロ-2-トリフルオロメチルフェニル, 2-メトキシ-5-メチルフェニル, 5-クロロ-2-メトキシフェニル, 4-フェノキシフェニル, 2-メチルチオフェニル, 3-メチルチオフェニル, 4-メチルチオフェニル, 5-フルオロ-2-メトキシフェニル, 4-クロロ-3-トリフルオロメチル又は 4-ブロモ-2-メチルフェニルを示し、
R4 は-(CR6R7)nR8
[式中、 nは 0, 1, 2, 3, 4, 5 又は 6 を示し、
R6 は、H 又は C1-5-アルキル( 飽和又は不飽和, 分枝状又は非分枝状, 置換されていないか又は一回以上置換されている)を示し、
R7 は、H, C1-5-アルキル( 飽和又は不飽和, 分枝状又は非分枝状, 置換されていないか又は一回以上置換されている), 又は COOR9 を示すか、
又はR6 及びR7 は環 (CH2)kCHR8(CH2)m (式中、 k = 1, 2, 3 及び m = 1, 2)を形成し、
R8 はC3-8-シクロアルキル、アリール又はヘテロアリール(それぞれ置換されていないか又は1回以上置換されている)を示し、
R9 はH 又はC1-5-アルキル( 飽和又は不飽和, 分枝状又は非分枝状, 置換されていないか又は一回以上置換されている)を示す。]
を示し、
R5 は、 H 又は-(CH2)lR8 (式中、 l は1, 2 又は3を示す。) を示すか,又は
R4 と一緒になって CH2CH2OCH2CH2又は CH2CH2NR11CH2CH2
[式中、R11 は、H; C1-5-アルキル(それぞれ飽和又は不飽和, 分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない); C3-8-シクロアルキル(それぞれ飽和又は不飽和, 1回以上置換されているか又は置換されていない); アリール-, 又はヘテロアリール (それぞれ1回以上置換されているか又は置換されていない); 又はC1-3-アルキルを介して結合しているアリール , C3-8-シクロアルキル又はヘテロアリール(それぞれ1回以上置換されているか又は置換されていない)を示す。]
を示す。}
で表わされる置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体。
【請求項2】
R1及びR2が、相互に無関係にH; C1-5 アルキル(飽和又は不飽和, 分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない)示すか、
又は 基 R1及びR2が一緒になって環を形成し、そしてCH2CH2OCH2CH2, CH2CH2NR10CH2CH2又は (CH2)3-6
(式中、R10 が、H; C1-5-アルキル(飽和又は不飽和, 分枝状又は非分枝状, 一回以上置換されているか又は置換されていない)示す。)
を示す、請求項1記載の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体。
【請求項3】
R1及びR2 が、相互に無関係にCH3又はHを示すが、R1及びR2 は同時にHを示さない、請求項1記載の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体。
【請求項4】
R3 が、シクロペンチル, シクロヘキシル, ナフチル, チオフェニル, ベンゾチオフェニル, フリル, ベンゾフラニル, ベンゾジオキソラニル, インドリル, インダニル, ベンゾジオキサニル又は ピリジル(それぞれ置換されていないか又は1回以上置換されている);飽和、非分枝状C1-2-アルキルを介して結合しているC5-6-シクロアルキル, フェニル, ナフチル, アントラセニル, チオフェニル, ベンゾチオフェニル, ピリジル, フリル, ベンゾフラニル, ベンゾジオキソラニル, インドリル, インダニル, ベンゾジオキサニル, ピロリル, ピリミジル 又は ピラジニル(それぞれ置換されていないか又は1回以上置換されている); フェニル, 2-フルオロフェニル, 3-フルオロフェニル, 4-フルオロフェニル, 2-クロロフェニル, 4-クロロフェニル, 3-クロロフェニル, 2-ブロモフェニル, 3-ブロモフェニル, 4-ブロモフェニル, 2-シアノフェニル, 3-シアノフェニル, 4-シアノフェニル, 2-メチルフェニル, 3-メチルフェニル, 4-メチルフェニル, 2-メトキシフェニル, 3-メトキシフェニル, 4- メトキシフェニル, 2-トリフルオロメチルフェニル, 3-トリフルオロメチルフェニル, 4-トリフルオロメチルフェニル, 2-エチルフェニル, 3-エチルフェニル, 4-エチルフェニル, 2-エトキシフェニル, 3-エトキシフェニル, 4-エトキシフェニル, 2-ヒドロキシフェニル, 3-ヒドロキシフェニル, 4-ヒドロキシフェニル, 2,3-ジクロロフェニル, 3,4-ジクロロフェニル, 3,5-ジクロロフェニル, 2,4-ジクロロフェニル, 2,3-ジフルオロフェニル, 3,4-ジフルオロフェニル, 3,5-ジフルオロフェニル, 2,4-ジフルオロフェニル, 2-フルオロ-3-クロロフェニル, 2-クロロ-3-フルオロフェニル, 2-クロロ-4-フルオロフェニル, 2-フルオロ-4-クロロフェニル, 4-フルオロ-3-クロロフェニル, 4-フルオロ-3-メチルフェニル, 4-tert.-ブチルフェニル, 4-フルオロ-3-クロロフェニル, 4-ブロモ-3-フルオロフェニル, 3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル, 4-クロロ-2-トリフルオロメチルフェニル, 2-メトキシ-5-メチルフェニル, 5-クロロ-2-メトキシフェニル, 4-フェノキシフェニル, 2-メチルチオフェニル, 3-メチルチオフェニル, 4-メチルチオフェニル, 5-フルオロ-2-メトキシフェニル, 4-クロロ-3-トリフルオロメチル又は 4-ブロモ-2-メチルフェニル を示し、
特に
R3 が、ナフチル, チオフェニル 又はピリジル(それぞれ置換されていないか又は1回以上置換されている);飽和、非分枝状C1-2-アルキル基を介して結合しているC5-6-シクロアルキル, フェニル, ナフチル, チオフェニル, ピリジル(それぞれ置換されていないか又は1回以上置換されている); フェニル, 2-フルオロフェニル, 3-フルオロフェニル, 4-フルオロフェニル, 2-クロロフェニル, 4-クロロフェニル, 3-クロロフェニル, 2-シアノフェニル, 3-シアノフェニル, 4-シアノフェニル, 2-メチルフェニル, 3-メチルフェニル, 4-メチルフェニル, 2-メトキシフェニル, 3-メトキシフェニル, 4- メトキシフェニル, 2-トリフルオロメチルフェニル, 3-トリフルオロメチルフェニル, 4-トリフルオロメチルフェニル, 2-エチルフェニル, 3-エチルフェニル, 4-エチルフェニル, 2-エトキシフェニル, 3-エトキシフェニル, 4-エトキシフェニル, 2,3-ジクロロフェニル, 3,4-ジクロロフェニル, 3,5-ジクロロフェニル, 2,4-ジクロロフェニル, 2,3-ジフルオロフェニル, 3,4-ジフルオロフェニル, 3,5-ジフルオロフェニル, 2,4-ジフルオロフェニル, 2-フルオロ-3-クロロフェニル, 2-クロロ-3-フルオロフェニル, 2-クロロ-4-フルオロフェニル, 2-フルオロ-4-クロロフェニル, 4-フルオロ-3-クロロフェニル, 4-フルオロ-3-メチルフェニル, 4-tert.-ブチルフェニル, 4-フルオロ-3-クロロフェニル, 3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル, 4-クロロ-2-トリフルオロメチルフェニル, 2-メトキシ-5-メチルフェニル, 5-クロロ-2-メトキシフェニル, 4-フェノキシフェニル, 2-メチルチオフェニル, 3-メチルチオフェニル, 4-メチルチオフェニル又は 4-クロロ-3-トリフルオロメチルを示す、請求項1-3のいずれか1つに記載の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体。
【請求項5】
R3 がピリジル, フェニル, 3-フルオロフェニル 又は 4-フルオロフェニルを示す、請求項1-3のいずれか1つに記載の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体。
【請求項6】
R3 がフェニルを示す、請求項1-3のいずれか1つに記載の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体。
【請求項7】
R6 がHを示し、そしてR7 がH 又はCOOR9を示す、請求項1-6のいずれか1つに記載の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体。
【請求項8】
R5がHを示す、請求項1-7のいずれか1つに記載の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体。
【請求項9】
R8 が、シクロブチル, シクロプロピル, シクロペンチル, シクロヘキシル, シクロヘプチル, シクロオクチル, アントラセニル, インドリル, ナフチル, ベンゾフラニル, ベンゾチオフェニル, インダニル, ベンゾジオキサニル, ベンゾジオキソラニル, アセナフチル, カルバゾリル, フェニル, チオフェニル, フリル, ピリジル, ピロリル, ピラジニル又はピリミジル, フルオレニル, フルオロアンセニル, ベンゾチアゾリル, ベンゾトリアゾリル又は ベンゾ[1,2,5]チアゾリル又は1,2-ジヒドロアセナフテニル, ピリジニル, フラニル, ベンゾフラニル, ピラゾリノニル, オキソピラゾリノニル, ジオキソラニル, アダマンチル, ピリミジニル, キノリニル, イソキノリニル, フタラジニル又はキナゾリニル(それぞれ置換されていないか又は1回以上置換されている)を示し、
特に
R8 がシクロペンチル, シクロヘキシル, シクロヘプチル, シクロオクチル, アントラセニル, インドリル, ナフチル, ベンゾフラニル, ベンゾチオフェニル, インダニル, ベンゾジオキサニル, ベンゾジオキソラニル, アセナフチル, カルバゾリル, フェニル, チオフェニル, フリル, ピリジル, ピロリル, ピラジニル又はピリミジル(それぞれ置換されていないか又は1回以上置換されている)を示す、
請求項1-8のいずれか1つに記載の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体。
【請求項10】
R8 がフェニル又はインドリル(それぞれ1回以上置換されている)を示す、請求項1-8のいずれか1つに記載の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体。
【請求項11】
そのラセミ化合物;そのエナンチオマー、そのジアステレオマー, そのエナンチオマー又はそのジアステレオマーの混合物又は個々のエナンチオマー又はジアステレオマーの混合物; その塩基及び(又は)生理学的に許容し得る酸又はカチオンの塩の形にある、
2-[(4-ジメチルアミノ-4-フェニル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-3-(1H-インドール-3-イル)-プロパン酸-メチルエステル-塩酸塩; 非極性ジアステレオマー、
2-[(4-ジメチルアミノ-4-フェニル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-3-(1H-インドール-3-イル)-プロパン酸-メチルエステル-塩酸塩; 極性ジアステレオマー、
4-ジメチルアミノ-4-フェニル-シクロヘキサンカルボン酸-(3-フェニル-プロピル)-アミド-塩酸塩; 非極性ジアステレオマー及び
4-ジメチルアミノ-4-フェニル-シクロヘキサンカルボン酸-(3-フェニル-プロピル)-アミド-塩酸塩; 極性ジアステレオマー
を含む群からなる、請求項1-10のいずれか1つに記載の置換されたシクロヘキシルカルボン酸-誘導体。
【請求項12】
アルコキシメチル-ホスホニウム塩を、強塩基の存在下に4-アミノシクロヘキサノン と反応させ, ついで適当な酸化剤, 好ましく過マンガン酸カリウム, 酸化クロム(VI) 又はその他のクロム(VI)塩で酸化し、 脱水剤, 好ましくはカルボジイミド, 及び活性化剤, 好ましくは1-ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下に式 R4R5NH で表わされるアミンと反応させる、請求項1-11のいずれか1つに記載の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体の製造方法。
【請求項13】
保護されたシクロヘキサン-1,4-ジオンを、強塩基の存在下にアルコキシメチル-ホスホニウム塩と反応させ, 適当な酸化剤, 好ましくは過マンガン酸カリウム, 酸化クロム(VI)又はその他のクロム(VI)塩で酸化し, 脱水剤, 好ましくはカルボジイミド, 及び活性化剤, 好ましくは1-ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下に式 R4R5NHで表わされるアミンと反応させ, 保護基を離脱し, 式 HNR01R02 で表わされる化合物の存在下にシアニドと反応させ, ついで式 金属-R3で表わされる有機金属試薬, 好ましくはグリニャール試薬又は有機リチウム試薬と反応させる、請求項1-11のいずれか1つに記載の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体の製造方法。
【請求項14】
請求項 1-11のいずれか1つに記載の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体少なくとも1種を含み、並びに場合により適当な添加剤及び(又は)助剤及び(又は)場合によりその他の有効物質を含む医薬。
【請求項15】
請求項 1-11のいずれか1つに記載の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体を苦痛、特に急性, 内臓性、神経障害性又は慢性苦痛の治療用医薬の製造に使用する方法。
【請求項16】
請求項 1-11のいずれか1つに記載の置換されたシクロヘキシルカルボン酸誘導体を、不安状態、ストレス及びストレスと関連する症候群、うつ病、カタレプシー、癲癇、アルツハイマー病、老人性痴呆症、全般性認知機能障害、学習及び記憶障害(向知性薬として)、禁断症状、アルコールー及び(又は)麻薬−及び(又は)薬物−乱用及び(又は)依存症、性的機能障害、心臓血環疾患、低血圧症、高血圧症、耳鳴り、掻痒症、偏頭痛、聴力障害、腸運動障害、摂食障害、食欲不振、脂肪過多症、運動障害、下痢、悪液質、尿失禁を治療するための医薬の製造に、又は筋弛緩剤、抗痙攣剤又は麻酔剤としての医薬の製造に、又はオピオイド鎮痛剤又は麻酔剤を用いる治療での併用投与用医薬の製造に、又は利尿薬又は抗ナトリウム排泄増加薬又は抗不安薬の製造に、運動活性モジュレーション用医薬の製造に、神経伝達物質の遊離のモジュレーション及びこれに付随する神経変性疾患の治療用医薬の製造、オピオイドの禁断症状の治療及び(又は) オピオイド中毒の可能性の軽減用医薬の製造に使用する方法。

【公表番号】特表2007−536318(P2007−536318A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512028(P2007−512028)
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【国際出願番号】PCT/EP2005/004908
【国際公開番号】WO2005/110977
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(390035404)グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (127)
【Fターム(参考)】