説明

置換4−アミノ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン

本発明は、式(I)の置換4−アミノ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン、そのプロドラッグ、および該化合物および該プロドラッグの薬学的に許容できる塩に関するものであり、式中、R、R、R、およびRは、本明細書で定義されており、この組成物は、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK−3)の阻害薬であり、それらは、特に、糖尿病、痴呆、アルツハイマー病、双極性障害、脳卒中、精神分裂症(統合失調症)、抑うつ症、脱毛症、がんなどの状態、疾病、および症状に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK−3)の阻害薬であり、状態、疾病、症状、特に、糖尿病、痴呆、アルツハイマー病、双極性障害、脳卒中、精神分裂症(統合失調症)、抑うつ症、脱毛症、がんなどの治療に有用な、置換4−アミノ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プロリンに向けられたセリン/スレオニンキナーゼであるグリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK−3)には、2つのイソ型のGSK−3αおよびGSK−3βが確認されているが、それはグリコーゲン合成の律速酵素である、グリコーゲンシンターゼ(GS)をリン酸化する。例えば、Embiら、Eur. J. Biochem., 107, 519-527 (1980)を参照されたい。GSK−3αおよびGSK−3βはともに体内で高頻度に発現されている。例えば、Woodgettら、EMBO,
9, 2431-2438 (1990)、および、Loyら、J. Peptide Res., 54, 85-91 (1999)を参照されたい。GS以外に、多くの代謝性、シグナリング、および構造タンパク質を含む、多数のGSK−3基質が確認されている。GSK−3によって制御される複数のシグナルタンパク質の間で顕著なのは、活性化プロテイン−1、環状AMP応答エレメント結合タンパク質(CREB)、活性T細胞の核因子(NF)、熱ショック因子−1、β−カテニン、c−Jun、c−Myc、およびNF−KBを含む多くの転写因子である。例えば、C.
A. Grimesら、Prog. Neurobiol., 65, 391-426 (2001)、H. Eldar - Finkelman,
Trends in Molecular Medicine, 8, 126-132 (2002)、およびP. Cohenら、Nature, 2,
1-8, (2001)を参照されたい。したがって、GSK−3の活性を標的とすることは、多くの異種の病理および状態治療における、重要な治療可能性をもっている。そのような病理及び疾患としては例えば、アルツハイマー病(A.
Castroら、Exp. Opin. Ther. Pat., 10, 1519-1527 (2000))、喘息(P. J. Barnes,
Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol., 42, 81-98 (2002))、がん(Bealsら、Science, 275,
1930-1933 (1997)、L. Kimら、Curr. Opin. Genet. Dev., 10, 508-514 (2000)、および、Q.
Eastmanら、Curr. Opin. Cell Biol., 11, 233 (1999))、糖尿病およびそれに関係する続発症、例えば、シンドロームXおよび肥満(S.
E. Nikoulinaら、Diabetes, 51, 2190-2198 (2002)、Orenaら、JBC, 15765-15772
(2000)、およびSummersら、J. Biol. Chem., 274, 17934-17940 (1999))、脱毛症(S. E.
Millarら、Dev. Biol., 207,133-149 (1999)、およびE. Fuchsら、Dev. Cell, 1.
13-25 (2001))、炎症(P. Cohen, Eur. J. Biochem., 268, 5001-5010 (2001))、気分障害、例えば、抑うつ症(A.
Adnanら、Chem. Rev., 101, 2527-2540 (2001)、およびR. S. B. Williamsら、Trends
Phamacol. Sci., 21, 61-64 (2000))、神経系細胞死および脳卒中(D. A. E. Crossら、J.
Neurochem., 77, 94-102 (2001)、およびC. Sasakiら、Neurol. Res., 23, 588-592
(2001))、双極性障害(Kleinら、PNAS, 93, 8455-8459 (1996))、骨格筋の萎縮(G. J. Brunnら、Science,
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Baarら、A. J. Physiol., 276, C120-C127 (1999))、精子の運動性低下(Vijayaraghavanら、Biol.
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(2002)、S. Haqら、J. Cell Biol., 151, 117-129 (2000)、およびH. Tongら、Circulation
Res., 90, 377-379 (2002))が挙げられる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、式(I)
【化2】

の化合物、そのプロドラッグ、およびその化合物およびプロドラッグの薬学的に許容できる塩、その医薬組成物、およびその使用を提供する[式中、R、R、RおよびRは、本明細書の中で定義される]。
【0004】
本発明は、式(I)
【化3】

の化合物およびそのプロドラッグ、ならびにその化合物およびプロドラッグの薬学的に許容できる塩に関する[式中、
およびRはそれぞれ、
(i)水素、
(ii)アセチル基、
(iii)−(C−C)アルキル基{独立して1〜3の(a)ハロゲン基、(b)−NR、(c)−COR、(d)−OR、(e)アリール基(独立して1〜3のハロゲン基、−(C−C)アルキル基、または−(C−C)アルコキシ基で置換されていてもよい)、(f)ヘテロアリール基(1〜3のトリフルオロメチル基、または、−(C−C)アルキル基で置換されていてもよい)、(g)−(C−C11)シクロアルキル基、または、(h)−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基(独立して1〜3の−(C−C)アルキル基、または、−(C−C)アルコキシ基で置換されていてもよい)で置換されていてもよい}、
{式中、
およびRはそれぞれ、
(j)水素、(k)アミジノ基、(l)アリール基(独立して1〜3のハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、−(C−C)アルキル基、−(C−C)アルコキシ基、または、−COR基で置換されていてもよい)、(m)−(C−C)アルキル基(独立して1〜3の−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基、−(C−C11)シクロアルキル基、−(C−C)アルコキシ基、アリール基、または、ヘテロアリール基で置換されていてもよい)、(n)ヘテロアリール基(独立して1〜3のハロゲン基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、−COR、−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基で置換されていてもよい−(C−C)アルキル基(、または、−(C−C)アルコキシ基で置換されていてもよい)、(o)−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基(1〜3の−(C−C)アルキル基で置換されていてもよい)、または(p)−CORであり、
は、(q)水酸基、(r)−(C−C)アルキル基(独立して1〜3の−(C−C)アルコキシ基、または、アリール基で置換されていてもよい)、(s)−(C−C)アルコキシ基、(t)ヘテロアリール基、または、(u)−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基(1〜3の−(C−C)アルキル基で置換されていてもよい)であり、および、
は、(v)−(C−C)アルキル基(独立して1〜3の−(C−C)アルコキシ基、または、アリール基で置換されていてもよい)、(w)ヘテロアリール基、または、(x)−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基(1〜3の−(C−C)アルキル基で置換されていてもよい)である}、
(iv)−(C−C11)シクロアルキル基、または、
(v)−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基(独立して1〜3のハロゲン基、−COR、−(C−C)アルキル基、および−(C−C)アルコキシ基で置換されていてもよい)であるか、または、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と共に、五員または六員ヘテロシクロアルキル環(独立して、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選ばれる1〜3の付加的なヘテロ原子を有していてもよい)を形成しており、、ここで、該五員または六員ヘテロシクロアルキル環は、独立して、1〜3のハロゲン基、−(C−C)アルキル基、またはヘテロアリール基(独立して1〜3のハロゲン基、トリフルオロメチル基、およびシアノ基で置換されていてもよい)で置換されていてもよく、
およびRは、独立して、アミノ基、ハロゲン基、水素、トリフルオロメチル基、ニトロ基、−COR、−NR、−CONR、および−(C−C)アルキル基(独立して1〜3の−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基、−NR、アリール基、ヘテロアリール基、または水酸基で置換されていてもよい)、からなる群から選ばれる。但し、Rが水素でありRが水素またはイソプロピル基の場合、Rはフルオロ基ではない。]
【0005】
式(I)の化合物の一般的に好ましいサブグループは、
が水素、
が、(iii)−(C−C)アルキル基{(b)−NR(Rは水素であり、Rはヘテロアリール基(独立して1〜3のトリフルオロメチル基、シアノ基、−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基で置換されていてもよい−(C−C)アルキル基(、−(C−C)アルコキシ基、または、−CORで置換されていてもよい)である)、(e)アリール基(1〜3のハロゲン原子で置換されていてもよい)、(f)ヘテロアリール基、(h)−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基、で置換されていてもよい}、(iv)−(C−C11)シクロアルキル基、または、(v)−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基、からなる群から選ばれるものであり、
が、水素、ハロゲン基、−COR、−CONR、または、−(C−C)アルキル基(独立して1〜3の−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基、または、−NRで置換されていてもよい)であり、
が、水素、−CONR、または−(C−C)アルキル基(独立して1〜3の−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基、または、−NRで置換されていてもよい)である化合物である。
【0006】
他の、式(I)の化合物の一般的に好ましいサブグループは、
が水素、
が、(iii)−(C−C)アルキル基{(b)−NR(Rは水素であり、Rはヘテロアリール基で(独立して1〜3のトリフルオロメチル基、シアノ基、−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基で置換されていてもよい−(C−C)アルキル基(、または、−(C−C)アルコキシ基で置換されていてもよい)である)、(e)アリール基、(f)ヘテロアリール基、(h)−(C−C)ヘテロシクロアルキル基、で置換されていてもよい}、(iv)−(C−C)シクロアルキル基、または、(v)−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基であり、
が、水素、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、−COR(ここで、Rは、水酸基、または、−(C−C)アルコキシ基である)、または、−CONR(ここで、Rは、水素、または、−(C−C)アルキル基であり、Rは、−(C−C)アルキル基(−(C−C)アルコキシで置換されていてもよい)である)であり、
は、水素、または、−CONR{ここで、Rは、−(C−C)アルキル基であり、Rは、−(C−C)アルキル基(−(C−C)アルコキシ基で置換されていてもよい)である}である。
【0007】
本発明の化合物および中間体は、IUPAC(国際純正応用化学連合)またはCAS(ケミカルアブストラクトサービス、コロンブス、オハイオ州)の命名体系に従って命名されることがある。
【0008】
様々な炭化水素基含有部分からなる炭素原子含量は、その部分の炭素原子の最小数および最大数を示す接頭語によって示されてもよく、換言すれば、接頭語−(C−C)アルキル基は、整数「a」から「b」の炭素原子(aおよびbを含む)を含むアルキル部分を示している。したがって、例えば、−(C−C)アルキル基は、1から6の炭素原子を含む(1および6を含む)アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基など、および、これらすべてのレジオ異性体、およびそれらの直鎖および分枝鎖を含む。
【0009】
用語「アルコキシ基」は、直鎖または分枝鎖であり、一価で、酸素原子に結合した炭素原子の飽和脂肪族鎖を意味しており、ここで、アルコキシ基は、1つ以上の二重または三重結合、または二重結合と三重結合との組み合わせを含んでいてもよい。アルコキシ基は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などを含む。
【0010】
用語「アルキル基」は、直鎖または分枝鎖であり、一価の炭素原子鎖を意味しており、ここで、アルキル基は、1つ以上の二重または三重結合、または二重結合と三重結合との組み合わせを含んでいてもよい。アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ビニル基、アリル基、2−メチルプロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、エチニル基、プロパルギル基などを含む。
【0011】
用語「アリール基」は、単環または多環、芳香族炭化水素を意味している。アリール基は、例えば、アントラセニル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、フェニル基、ナフチル基などを含む。
【0012】
用語「シクロアルキル基」は、アリール基に結合していてもよい飽和単環または多環、環状アルキル基を意味しており、ここでシクロアルキル基は、1つ以上の二重または三重結合、または二重結合と三重結合との組み合わせを含んでいてもよいが、芳香族ではない。シクロアルキル基は、例えば、アダマンタニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、デカヒドロナフタリニル基、ノルボルナリル基などを含む。
【0013】
用語「ハロゲン基」は、クロロ基、フルオロ基、ブロモ基、およびヨード基を示している。
【0014】
用語「ヘテロアリール基」は、単環または多環、芳香族炭化水素基を意味しており、ここで、1またはそれ以上の炭素原子が、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選ばれるヘテロ原子によって置き換えられている。ヘテロアリール基がヘテロ原子を2つ以上含む場合には、ヘテロ原子は同じであっても異なっていてもよい。ヘテロアリール基は、例えば、アクリジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、クロメニル基、シノリニル基、フリル基、イミダゾリル基、インダゾリル基、インドリジニル基、インドリル基、イソベンゾフラニル基、イソインドリル基、イソキノリル基、イソチアゾリル基、イソキサゾリル基、ナフチリジニル基、オキサジアゾリル基、オキサジニル基、オキサゾリル基、フェナジニル基、フタラジニル基、プテリジニル基、プリニル基、ピラニル基、ピラジニル基、ピラゾリル基、ピリダジニル基、ピリド[3,4−b]インドリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピロリル基、キノリジニル基、キノリル基、キノキサリニル基、チアジアゾリル基、チアトリアゾリル基、チアゾリル基、チエニル基、トリアジニル基、トリアゾリル基、キサンテニル基などである。
【0015】
用語「ヘテロシクロアルキル基」は、飽和単環または多環のシクロアルキル基を意味しており、芳香族またはヘテロ芳香族炭化水素基に縮合していてもよく、ここで炭素原子の少なくとも1つは、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選ばれるヘテロ原子によって置換されている。ヘテロシクロアルキル基がヘテロ原子を2つ以上含む場合には、ヘテロ原子は同じであっても異なっていてもよい。ヘテロシクロアルキル基は、例えば、アザビシクロヘプタニル基、アゼチジニル基、ベンザゼピニル基、1,3−ジヒドロイソインドリル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基、カルバゾリル基、ジオキソラニル基、ジチアニル基、インドリニル基、イミダゾリジニル基、モルホリニル基、キヌクリジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基、ピペラジニル基、ピペリジル基、ピラゾリジニル基、ピロリジニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロインドリル基、テトラヒドロイソキノリニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロキノリニル基、テトラヒドロキノキサリニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロ−2H−1,4−チアジニル基、チアゾリジニル基、チオモルホリニル基、チオキサンセニル基、チオキサニル基、トリチアニル基などである。
【0016】
環状基は、2つ以上の方法でもう1つの基に結合されていてもよい。特別な結合の配置が特定されていない場合には、すべての可能な配列を意味している。例えば、用語「ピリジル基」は、2−、3−、または4−ピリジル基を含み、用語「チエニル」は、2−または3−チエニル基を含む。
【0017】
用語「哺乳類」は、例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ウマおよびヒトを含む動物を意味している。哺乳類として、いづれかの性のヒトを含むことが好ましい。
【0018】
表現「薬学的に許容できる」は、指定された担体、賦形剤、希釈剤、添加薬、および/または塩が、化学的および/または物理的に、製剤を構成する他の成分と親和性でなければならず、そのレシピエントと生理学的に適合しなければならないことを意味している。
【0019】
用語「プロドラッグ」は、投与した後に、薬物を化学的または生理的過程(例えば、生理的なpHに持ち込まれることによって、または酵素活性によって)を経由して、in vivoで薬物を放出する薬物前駆物質を表している。プロドラッグの調製およびその使用の考察については、T.
HiguchiおよびW. Stella、"Prodrugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the
ACS Symposium Series、および、Bioreverible Carriers in Drug Design, ed. Edward B.
Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987"に示されている。
【0020】
用語「ラジカル」は、化学反応中に、単一原子として挙動する原子群を意味しており、例えば、有機ラジカルは、この有機ラジカルを含む化合物に特性を与えるか、または一連の反応または変換の間に変化しない原子群である。
【0021】
用語「塩」は、式(I)の化合物、またはそのプロドラッグの有機および無機塩を表している。これらの塩は、化合物の最終単離および精製の間に、in situで、または、式(I)の化合物またはそのプロドラッグを適切な有機または無機の酸または塩基と別々に反応させ、形成された塩を単離することで調製できる。代表的な塩に、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、アセテート、オキサレート、ベシレート、パルミテート、ステアレート、ラウレート、ボレート、ベンゾエート、ラクテート、ホスフェート、トシレート、シトレート、マレート、フマレート、サクシネート、タルトレート、ナフチレート、メシレート、グルコヘプトネート、ラクトビオネート、およびラウリルスルホン酸塩などが含まれる。これらはまた、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムのようなアルカリおよびアルカリ土類金属に基づくカチオン、および非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、および、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどのアミンカチオンが含まれるが、これらに限定されるものではない。さらなる例については、例えば、Bergeら、J. Pharm. Sci., 66, 1-19 (1977)を参照されたい。
【0022】
用語「置換された」とは、分子上の水素原子が異なる原子または分子によって置き換えられたことを意味している。水素原子を置き換える原子または分子は「置換基」として表される。
【0023】
記号「−」は共有結合を表す。
【0024】
表現「反応・不活性溶媒」または「不活性溶媒」は、出発物質、反応物、中間体または生成物とそれらの特性に悪影響を与えるような仕方で相互作用しない溶媒または溶媒の混合物を表している。
【0025】
ここで使用される用語「治療する」、「治療された」、または「治療」は、防止剤(例えば予防薬)、緩和剤、または治療薬としての使用または結果を含む。
【0026】
式(I)の化合物は、非対称またはキラル中心を含んでいてもよく、したがって、異なる立体異性体として存在していてもよい。式(I)の化合物およびプロドラッグのすべての立体異性体、ならびにラセミ体混合物を含むその立体異性体の混合物は、本発明の一部である。さらに、本発明は、すべての幾何異性体および位置異性体を含んでいる。例えば、式(I)の化合物またはプロドラッグが二重結合を含む場合には、cis−およびtrans−形、ならびにその混合物も本発明の範囲に含まれている。
【0027】
ジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別晶出などの当業者によく知られている方法によって物理的、化学的差異に基づいて、個々のジアステレオマーに分離することができる。適切な光学活性化合物(例えばアルコール)によって鏡像異性体混合物をジアステレオマー混合物に転換させ、このジアステレオマーを分離し、個々のジアステレオマーを対応する純粋な鏡像異性体に転換(例えば加水分解)することで、鏡像異性体を分離することができる。また、式(I)の化合物の一部は、アトロプ異性体(例えば置換ビアリール)であってもよく、これらもまた本発明の一部分に含まれる。
【0028】
式(I)の化合物およびプロドラッグは、水、エタノールなどの薬学的に許容できる溶媒と溶媒和した状態および溶媒和していない状態で存在してもよく、本発明は、溶解和および非溶媒和の2つの形を含んでいる。
【0029】
式(I)の化合物およびプロドラッグは、互変異性体として平衡状態にあってもよく、そのような形は本発明の範囲内に含まれる。
【0030】
本発明は、式(I)の同位体標識化合物も含み、これは本明細書で説明したのと同じであるが、1またはそれ以上の原子が、通常自然界で見出されるものと原子質量または質量数が異なる原子で置換されている。式(I)の化合物に組み入れられていてもよい同位体は、例えば、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素であり、それぞれ、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Clなどである。前記の同位体および/または他の原子の異なる同位体を含む式(I)の化合物、そのプロドラッグ、およびその化合物およびプロドラッグの薬学的に許容できる塩は、本発明の範囲内である。
【0031】
例えばHおよび14Cなどが組み込まれているある種の同位体ラベル化された式(I)の化合物は、化合物および/または基質の組織の分布アッセイに有用である。トリチウム化した、すなわちH、および炭素−14、すなわち14C同位体は調製が比較的簡単で、容易に検出できることから好ましい。さらに、重同位体、例えば重水素、すなわちHは、例えば、in vivo半減期を増大、あるいは必要とされる投与量の減少のように、代謝安定性に優れていることから、ある種の治療的な利点があり、それゆえにある環境において好ましい。式(I)の同位体ラベル化された化合物は、スキームおよび/または例で開示する手順と同様にして、同位体ラベル化された試薬をラベル化されていない試薬の代わりに用いることで調製してもよい。
【0032】
他の態様において、本発明は、哺乳類における、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3が介在する状態、疾病、または症状を治療する方法を提供するものであり、この方法は、哺乳類に、治療的に有効な量の式(I)の化合物、そのプロドラッグ、またはこの化合物またはこのプロドラッグの薬学的に許容できる塩、あるいは、式(I)の化合物、そのプロドラッグ、またはこの化合物またはプロドラッグの薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物、および、薬学的に許容できる担体、賦形剤、または希釈剤を投与すること、またはある量の式(I)の化合物、そのプロドラッグ、またはその化合物またはプロドラッグの薬学的に許容できる塩と、ある量の1またはそれ以上の(i)抗血管新生剤、(ii)シグナル伝達阻害薬、(iii)抗増殖剤、(iv)NK−1受容体拮抗薬、(v)5HT1D受容体拮抗薬、(vi)選択性セロトニン再取込阻害薬(SSRI)、(vii)抗精神病薬、(viii)アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、(ix)神経保護剤、(x)組織プラスミノーゲン活性化剤(TPA)、(xi)好中球阻害因子(NIF)、および(xii)カリウムチャネル調節剤、または、前記の組み合わせを含む医薬組成物を投与することを含む。
【0033】
本方法に従って治療可能な状態、疾病、または症状は、アルツハイマー病、喘息、アテローム性動脈硬化症、不安障害、双極性障害、がん、糖尿病、痴呆、うつ病、脆弱化、脱毛症、心不全、本態性高血圧症、高血糖症、高脂血症、低血糖症、炎症、虚血、男性の繁殖可能性および精子の運動性、気分障害、神経細胞死、肥満、強迫神経症、多嚢性卵巣異常、精神分裂症(統合失調症)、脳卒中、X症候群、および外傷性脳損傷からなる群から選ばれるのが好ましい。本方法にかかる、治療可能な最も好ましい疾患は糖尿病である。
【0034】
脆弱化には、連続的に絶え間なく骨格筋が萎縮し、その結果、転倒して負傷する危険性が高く、病気からの回復が困難になり、入院期間が延長され、長期間の障害により日常生活に介護が必要になるという特徴がある。筋肉量および体力が減少することで、主に、生活の質の低下、自活力の低下、および死に至る。脆弱化は通常加齢と関係しているが、例えば疾病によって誘発されるカヘキシー、固定化、または薬物によって誘発されるサルコペニアなどの他の因子によって筋肉損失および体力の低下が生じる場合もある。脆弱化を表すのに使用される他の用語はサルコペニアであり、これは骨格筋量または筋肉の質の低下を総称する用語である。骨格筋の性質すべてに寄与する特徴には、例えば、収縮、繊維サイズとタイプ、疲れやすさ、ホルモン反応性、グルコース摂取/代謝、および毛細血管密度が含まれる。
【0035】
一般的に、好ましい抗血管新生剤は、例えばマトリックスメタロプロテイナーゼ−2(MMP−2)阻害薬、マトリックスメタロプロテイナーゼ−9(MMP−9)阻害薬、およびシクロオキシゲナーゼ−II(COX−II)阻害薬を含んでいてもよい。有用なMMP−2阻害薬、および、MMP−9阻害薬の例は、例えばPCT国際公開番号WO 98/34915号および国際公開番号WO 98/34918号、および米国特許出願第5240958号、第5310763号、第5455258号、第5506242号、第5530161号、第5552419号、第5672615号、第5861510号、第5863949号、第5932595号、第5994351号、第6077864号、第6087392号、第6090852号、第6110964号、第6147061号、第6147074号、第6303636号、第6380219号、および第6387931号に開示されている。本組み合わせおよび方法で有用なCOX−II阻害薬の例は、CELEBREX(登録商標)(セレコキシブ(celecoxib)、米国特許第5466823号)、バルデコキシブ(valdecoxib)(米国特許第5633272号)、およびロフェコキシブ(rofecoxib)(米国特許第5474995号)である。一般的に、MMP−2阻害薬、および、MMP−9阻害薬は、MMP−1の阻害をほとんど、または、全く示さないことが好ましい。特に好ましいMMP−2阻害薬およびMMP−9阻害薬は、他のMMP阻害薬、すなわち、MMP−1、MMP−3、MMP−4、MMP−5、MMP−6、MMP−7、MMP−8、MMP−10、MMP−11、MMP−12、およびMMP−13と比較して、MMP−2および/またはMMP−9を選択的に阻害するものである。本組み合わせおよび方法において有用なMMP阻害薬には、具体的には、例えば、AG−3340、RO32−3555、RS13−0830、および以下の化合物、
3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−シクロペンチル)−アミノ]−プロピオン酸、
3−エキソ−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル−アミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド、
(2R,3R)1−[4−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド、
4−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒロドキシアミド、
3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−シクロブチル)−アミノ]−プロピオン酸、
4−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒロドキシアミド、
(R)−3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−3−カルボン酸ヒロドキシアミド、
(2R,3R)1−[4−(4−フルオロ−2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒロドキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド、
3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−1−メチル−エチル)−アミノ]−プロピオン酸、
3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(4−ヒドロキシカルバモイル−テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アミノ]−プロピオン酸、
3−エキソ−3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル−アミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド、
3−エンド−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル−アミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒロドキシアミド、および、
(R)−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル−アミノ]−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド、および、薬学的に許容できる塩およびその溶媒和物が含まれる。
【0036】
一般的に好ましいシグナル伝達阻害薬は、例えば、EGFR抗体、EGF抗体、およびEGFR阻害薬である分子などの表皮成長因子受容体(EGFR)反応阻害薬、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)阻害薬、および、例えば、HERCEPTIN(登録商標)(Genentech Inc.;South San Fransisco,CA)など、erbB2受容体に結合する分子または抗体などのerbB2受容体阻害薬を含んでいてもよい。EGFR阻害薬は、例えば、PCT国際公開番号WO 98/14451号、および、米国特許第5679683号、第5747498号、および第6391874号に説明されている。EGFR阻害薬は、例えば、モノクローナル抗体C225および抗EGFR 22Mab(Imclone Systems,Inc)、ZD−1839、BIBX−1382、MDX−103、VRCTC−310、およびEGF融解毒素(Seragen Inc.;Hopkinton,MA)を含んでいてもよい。VEGF阻害薬は、例えば、PCT国際公開番号WO 99/24440号、および米国特許第5792783号、第5834504号、第5851999号、第5883113号、第5886020号、第6051593号、第6114371号、第6133305号、第6162804号、第6174889号、第6207669号、第6235741号、第6291455号、第6294532号、第6310238号、第6380203号、および第6395734号に開示されている。特異的VEGF阻害薬は、例えば、Su−5416、IM862、抗VEGFモノクローナル抗体(Cytran Inc.;Kirkland,WA)、およびアンギオザイム(angiozyme)(Ribozyme;Boulder,CO)を含んでいてもよい。ErbB2受容体阻害薬は、例えば、PCT国際公開番号WO 97/13760、WO 99/35132、およびWO 99/35146、および米国特許第5679683号、第5587458号、第5877305号、第6207669号、および第6391874号に開示されている。特異的erbB2受容体阻害薬は、例えば、GW−282974(Glaxo Wellcome plc.)、およびモノクローナル抗体AR−209(Aronex Pharmaceuticals Inc.;The Woodlands,TX)を含んでいてもよい。
【0037】
一般的に好ましい抗増殖剤は、例えば、細胞毒性リンパ球抗原4(CTLA4)抗体を含んでいてもよく、CTLA4を遮断できる他の物質、およびファルネシルトランスフェラーゼ阻害薬を含んでいてもよい。
【0038】
NK−1受容体拮抗薬の例は、例えば、米国特許第5122525号、第5162339号、第5232929号、第5332817号、第5703240号、第5716965号、第5719147号、第5744480号、第5763699号、第5773450号、第5807867号、第5843966号、第5852038号、第5886009号、および第5939433号に開示されている。
【0039】
本組み合わせよび方法に有用な5HT1D受容体拮抗薬は、例えば、PCT国際公開番号WO 94/21619号、および米国特許第5358948号、第5510350号、第6380186号、第6403592号、第6423708号、および第6462048号に開示されている。
【0040】
本組み合わせおよび方法に有用なSSRIの例は、例えば、フルオキセチン(米国特許第4314081号)、パロキセチン(米国特許第4007196号)、セルトラリン(米国特許第4536518号)、フルボキサミン(米国特許第4085225号)、塩酸ベンラファキシン(EFFEXOR(登録商標)、米国特許第4535186号)、塩酸ネファゾドン(SERZONE(登録商標)米国特許第4338317号、および塩酸ブプロピオン(WELLBUTRIN(登録商標)米国特許第3819706号および第3885046号)を含んでいてもよい。
【0041】
一般的に好ましい、本組み合わせおよび方法で有用な抗精神病薬は、例えば、ジプラシドン(GEODON(登録商標)、米国特許第5312925号)、オランザピン(米国特許第5229382号)、リスペリドン(米国特許第4804663号)、L−745870、ソネピプラゾール、RP−62203(ファナンセリン(fananserin))、NGD−941、バラペリドン、フレシノキサン(米国特許第4833142号)、およびゲピロン(米国特許第4423049号)を含んでいてもよい。
【0042】
一般的に好ましい、本組み合わせおよび方法で有用なアセチルコリンエステラーゼ阻害薬は、例えば、ドネペジル(ARICEPT(登録商標)、米国特許第4895841号)、リバスチグミン(EXELON(登録商標)、米国特許第4948807号)、メトリホナート(米国特許第2701225号)、ガランタミン、フィゾスチグミン、タクリン、ヒューペルジン、およびイコペジル(米国特許第5538984号)を含んでいてもよい。
【0043】
一般的に好ましい、本組み合わせおよび方法に有用な神経保護剤は、例えば、NMDA受容体拮抗薬を含んでいてもよい。特異的NMDA受容体拮抗薬は、例えば、(1S,2S)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−1−イル)−1−プロパノール(米国特許第5272160号);エリプロディル(米国特許第4690931号)、および、ガベステネル(米国特許第5373018号)を含んでいてもよい。さらなるNMDA拮抗薬の例は、例えば、米国特許第4690931号、第5185343号、第5272160号、第5356905号、第5373018号、第5744483号、第5962472号、第6046213号、第6124317号、第6124323号、第6130234号、第6218404号、第6333036号、および6448270号、およびPCT国際公開番号WO 97/23202号およびWO 98/18793号に開示されている。
【0044】
一般的に好ましいカリウムチャネル調節剤は、例えば、BMS−204352(flindokaliner、米国特許第5602169号)を含む。
【0045】
上記の米国特許すべての開示は、本明細書では専ら参考として編入されている。
【0046】
もう一つの態様において、本発明は、哺乳類でグリコーゲンシンターゼキナーゼ−3活性の阻害が必要な場合に、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3活性を阻害する方法を提供し、この方法は、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3を阻害する量の式(I)の化合物、そのプロドラッグ、または該化合物またはプロドラッグの薬学的に許容できる塩、あるいは、式(I)の化合物、そのプロドラッグ、または該化合物またはプロドラッグの薬学的に許容できる塩、および、薬学的に許容できる担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物を投与する方法を含む。
【0047】
式(I)の化合物、そのプロドラッグ、およびその化合物およびプロドラッグの薬学的に許容できる塩を、哺乳類に対して、一日当たり、約0.0001mgから約1000mgの範囲内の投与量で投与してもよい。体重が約70kgの標準の成人のヒトに対しては、体重1kg当たり、約0.01mgから約500mgの範囲内の1日投与量であれば一般的には十分である。しかしながら、年齢や治療される患者の体重、計画された投与方法、投与される特殊な化合物などに応じて、一般的な投与量の範囲を変える必要がある。特殊な哺乳類を対象にした投与量の範囲および至適な投与量の決定については、本開示による利益をもつ、当業者の技術範囲内である。
【0048】
本発明の方法によれば、式(I)の化合物、そのプロドラッグ、およびその化合物およびプロドラッグの薬学的に許容できる塩、または前記の組み合わせと、ある量の1またはそれ以上の(i)抗血管新生剤、(ii)シグナル伝達阻害薬、(iii)抗増殖剤、(iv)NK−1受容体拮抗薬(v)5HT1D受容体拮抗薬、(vi)選択的セロトニン再取込阻害薬(SSRI)、(vii)抗精神病薬、(viii)アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、(ix)神経保護剤、(x)組織プラスミノーゲン活性化剤(TPA)、(xi)好中球阻害因子(NIF)、および(xii)カリウムチャネル調節剤と共に、薬学的に許容できる担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物の形で投与することが好ましい。従って、式(I)の化合物、そのプロドラッグ、またはその化合物またはプロドラッグの薬学的に許容できる塩、または前記の組み合わせは、患者に対して個別に、または一緒に、従来の経口、直腸、経皮的、非経口的(例えば、静脈内、筋肉内、または皮下)、大槽内、膣内、腹膜内、膀胱内、局部的(例えば、粉末、軟膏、ドロップ)または口腔内、または鼻腔内投与形式で投与されてもよい。
【0049】
非経口注入するのに適した医薬組成物は、薬学的に許容できる無菌の水溶性または非水溶性溶液、分散液、懸濁液、または乳濁液、および即座に再溶解して注入可能な無菌溶液または分散液になる無菌粉末を含んでいてもよい。適切な水溶性および非水溶性担体、賦形剤、および希釈剤には、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールなど)、それらの適切な混合物、植物油(オリーブ油など)、および注入可能なエチルオレートのような有機エステルが含まれる。適当な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング、分散液の場合での所望の粒子サイズの維持、および表面活性剤の使用によって維持すればよい。
【0050】
本発明の医薬組成物はさらに、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤のような佐薬を含んでいてもよい。様々な抗バクテリア剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などによって、本組成の微生物汚染を防ぐことができる。また、等張剤、例えばショ糖、塩化ナトリウムなどを含むことが望ましい。吸収を遅延できる薬剤、例えばアルミニウムモノステアレートおよびゼラチンを使用することで、注入可能な医薬組成物の吸収が延長される。
【0051】
経口投与のための固体剤形は、カプセル、錠剤、粉末、および顆粒剤を含む。そのような固体剤形では、活性成分が、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸ジカルシウムなどの少なくとも1種の不活性な従来の薬学的添加剤(または担体)、または、(a)例えば、デンプン、ラクトース、ショ糖、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤または増量剤、(b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアラビアゴムなどの接合剤、(c)例えば、グリセロールなどの湿潤剤、(d)例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩複合体、および炭酸ナトリウムなどの分解剤、(e)例えば、パラフィンなどの溶液凝固遅延剤、(f)例えば、第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(g)例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤、(h)例えば、カオリンおよびベントナイトなどの吸収剤、(i)例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの潤滑剤、またはその混合物と混合される。カプセルおよび錠剤の場合、剤形はさらに緩衝剤を含んでいてもよい。
【0052】
ラクトースまたは乳糖などの補形剤、ならびに高分子量のポリエチレングリコースなどを用いることで、同じ種類の固体組成を、柔らかくまたは硬く充填されたゼラチンカプセルの充填剤として使用してもよい。
【0053】
錠剤、糖衣錠、カプセル、および顆粒などの固体剤形を、例えば、腸溶性コーティングおよび当業者に公知の技術によって、コーティングおよびシェル(shell)で調製してもよい。これらの固体剤形はまた不透明化剤を含んでいてもよく、また、活性成分の放出を遅延し、維持し、または抑制する組成であってもよい。用いられる埋め込み組成物は、例えば、高分子物質および蝋である。この活性成分はまた、微細なカプセルに入れられた形でもよく、1またはそれ以上の上述した補形薬を含むことができる。
【0054】
経口投与に対する液体剤形は、薬学的に許容できる乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ剤、およびエリキシル剤を含む。この活性成分に加えて、液体剤形は、当技術分野で通常使用される水または他の溶媒、可溶化剤、および、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカルボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミドなどの乳化剤、油、特に綿実油、落花生油、トウモロコシ胚油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ種油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタン脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などを含んでいてもよい。
【0055】
そのような薬学的に許容できる不活性希釈剤以外に、医薬品組成物は湿潤剤のような佐剤、乳化剤および懸濁剤、甘味料、調味料、および香料を含んでいてもよい。
【0056】
懸濁液には、活性成分に加えて、さらに、例えば、エトキシ化イソステアリールアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタ水酸化物、ベントナイト、寒天、およびトラガカントなどの懸濁剤、または前記の物質の混合物などを含んでいてもよい。
【0057】
経直腸または経膣投与の組成物は、好ましくは座薬を含み、この座薬は、活性成分と例えば、カカオ脂、ポリエチレングリコールまたは座薬ワックスなどの通常の室温で固体であるが体温で液体になり、これにより腸または膣腔内で活性成分を放出する適切な非刺激性補形剤または担体を混合することで調製される。
【0058】
局部投与に対する剤形は、軟膏、粉末、スプレーおよび吸入薬を含んでいてもよい。活性剤は無菌の条件下で薬学的に許容できる担体、賦形剤、または希釈剤、および所望の他の保存剤、緩衝剤、または推進剤と混合される。
【0059】
式(I)の化合物、そのプロドラッグ、およびその化合物およびプロドラッグの薬学的に許容できる塩は、以下に示すスキームおよび実施例に示す模範的な合成経路に従って調製してもよく、また、他の従来公知の、または、本開示に照らして関連する分野の当業者に明らかな有機調製方法で調製してもよい。これらのスキームに示す方法は、本発明を例証するために示すものであり、如何なる点でも、それを限定するものと解釈すべきでない。
【0060】
式(I)の化合物を調製する一般的な方法を以下のスキーム1に示す。式(I)の化合物を調製するための別の合成経路(R、R、Rおよび/またはRは、特別に列挙された機能基を含む)を、以下、スキーム2から5に示す。
【化4】

【0061】
スキーム1中、適切に置換された1,2−ジアミノフェニル誘導体(1)は、ジエチルシュウ酸塩で環縮合されており、得られたキノキサリン−2,3−ジオンは、純オキシリン酸、または、塩化チオニルおよび触媒量のジメチルホルムアミド(DMF)の存在下で加熱され、置換2,3−ジクロロキノキサリン(2)を生じる。一般的に、環縮合は高温度、好ましくは180℃、または約180℃で行われる。プロトン性溶媒、好ましくはエタノール中でキノキサリン(2)をヒドラジンで処理し、ついでトルエンのような反応不活性溶媒中でテトラメチルオルト炭酸塩を用いて加熱することで、置換4−クロロ−1−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン誘導体(3)が生じる。DMF中で、(3)の塩素原子を適切に置換されたアミンRNHで置換し、ついで高温でHBr/AcOHで処理することで(I)が生じる。あるいは、化合物(3)中のイミノエーテル基を、金属触媒、好ましくはPdの存在下で、例えばクロロへキセンのような水素源によって、プロトン性溶媒、好ましくはメタノール中で、あるいは有機酸または無機酸、好ましくはジオキサン中のHClに暴露することで開裂してもよい。
【0062】
あるいは、式(I)の化合物(式中、Rは水素を示し、Rは−NRで置換された−(C−C)アルキルを示し、ここで、Rは水素であり、Rは、例えばヘテロアリールである)は、以下のスキーム2で述べる典型的方法にしたがって、適切に調製される。
【化5】

【0063】
スキーム2中、モノ保護された(好ましくはtert−ブトキシカルボニル;t−BOC)アルキレンジアミンは、先ず4−クロロ−1−メトキシキノキサリン誘導体(3)と反応することで、保護されたジアミノキノキサリン誘導体が生じる。通常、この反応は、トリエチルアミンなどの有機塩基の存在下、アセトニトリルなどの反応不活性溶媒中、周囲温度以上で引き起こされる。ついで、この生成物を高温でHBr/AcOHに暴露すると、中間体エーテルおよび保護基が除去され、ジアミノキノキサリン(4)が得られる。(4)をR−Xと反応させる(ここで、Rは、例えば、ピリジル基またはピリミジニル基などのヘテロアリール部分であり、Xは、適切な脱離基、例えば塩素または臭素などのハロゲンを示す)ことによって(Ia)が生じる。通常、この反応は、n−ブタノールなどの高沸点プロトン性溶媒中、炭酸ナトリウムなどの無機塩の存在下で行われる。あるいは、(4)の官能基化が引き起こされてもよい(ここで、Rはカルボニル基を含み、Xは塩素原子を示す)。
【0064】
あるいは、式(I)、(式中、Rは−CONRおよび−CHNRを示し、Rは水素を示す)の化合物は、スキーム3に示す典型的方法にしたがって適切に調製される。
【化6】

【0065】
上のスキーム3において、8−ブロモ−4−アミノ−1−メトキシキノキサリン誘導体(5)は、ヘック反応の状態下で、対応する8−カルボメトキシ誘導体に転換される。一般的に、トリエチルアミンのような有機塩基、Pd源、好ましくはPd(II)アセテート、および、bis−ジフェニルホスフィノプロパン(dppp)のような可溶性配位子、および極性溶媒中、好ましくはDMSO(ジメチルスルホキシド)中に所望のエステル生成物に対するアルコール前駆体を含む(5)の溶液は、一酸化炭素ガスの雰囲気下で、高温で、通常は45(3.16kgf/cm)psiで加熱される。これらの条件は、一般的に、メチルエーテルを開裂し、所望の生成物中に、対応するカルボニル基を生ずるのに十分である。得られたエステルを、水酸化ナトリウムなどの無機塩基と極性のプロトン性溶媒混合物中、好ましくはテトラヒドロフラン(THF)/メタノール中で加水分解すると、対応するカルボン酸が得られ、このカルボン酸は、従来のカップリング法を利用して、適切に置換されたアミンRNHをもつアミド(Ib)に変換される。通常、カルボン酸溶液およびエチルアセテートなどの有機溶媒中のアミンRNH、およびトリエチルアミンなどの有機塩基は、カップリング試薬、好ましくは、1−プロパンホスホン酸環状無水物(TP)によって処理される。あるいは、ジメチルホルムアミドのような極性溶媒中の試薬1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(EDC)を用いてもよい。必要な場合、または適切な場合には、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、または、1−ヒドロキシ−7−アザ−ベンゾトリアゾール(HABT)のようなアシル転移触媒を加えてもよい。反応不活性溶媒、好ましくはTHF中、高温でアミド(I)を水素化物還元剤、好ましくは水素化アルミニウムリチウム(LAH)で処理することで、対応するアリールメチルアミン誘導体(Ic)が生じる。
【0066】
あるいは、式(I)の化合物(式中、Rは水素で、Rは、−COR、−CONR、−CHNRなどを示す)は、スキーム4に示す典型的な方法にしたがって適切に調製される。
【化7】

【0067】
スキーム4において、4−アミノ−7−カルボキシメチル−1−メトキシキノキサリン誘導体(6)は、通常、塩基、例えば水酸化ナトリウムによってけん化されることで、対応するナトリウム塩(7)が得られる。このけん化反応は、メタノール/THF混合物中で好適に行われる。このカルボン酸塩を酸性水溶液で処理すると遊離酸が発生し、イミデート基を加水分解することでトリアゾロンカルボン酸が生じる。この酸はついで、スキーム3に記載した方法に従って、対応するアミド(Id)、および/またはアミン(Ie)に変換してもよい。あるいは、アミド(Id)の還元は、水素化ホウ素ナトリウムおよびルイス酸、好ましくは三フッ化ホウ素エテレートを添加し、THFのような反応不活性溶媒中で行うことで引き起こされる。
【0068】
あるいは、カップリング試薬、好ましくはEDCを用いて、HOBTの存在下、DMFなどの極性、非プロトン性溶媒中で、(7)を対応するN−メチル−N−メトキシアミドに転換してもよい。得られた付加化合物を、ついで水素化物還元剤、好ましくはLAHを用いて、反応不活性溶媒、通常THF中で、周囲温度以下、一般的に−78℃で処理することで、アルデヒド(8)が形成される。ついで、アミン官能基を還元的アミノ化によって付加してもよい。その際、還元試薬、好ましくはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムの存在下で、反応不活性溶媒、好ましくは1,2−ジクロロエタン中で、アルデヒド(8)を適切に置換されたアミンRNHと混合させる。ついで、高温でHBr/AcOHに暴露することで、(8)のイミデートエーテルは除去され(Ie)が生じる。
【0069】
あるいは、スキーム4に示した式(Ib)の化合物は、スキーム5に示す典型的な方法にしたがって好適に調製されてもよい。
【化8】

【0070】
スキーム5中、キノキサリンナトリウム塩(7)は、エチルアセテートなどの有機溶媒中、カップリング試薬、好ましくはTP、およびトリエチルアミンなどの有機塩基の存在下で、適切に置換されたアミンRNHによって処理されることでアミド(9)が生じる。(9)を水素化還元剤、好ましくはLAHを用いて、反応不活性溶媒、好ましくはTHF中で(9)を処理することで中間体アミンが生じ、ついで、この中間体アミンを高温でHBr/AcOHで処理してイミデートエーテルを開裂すると、(Ie)が得られる。
【実施例】
【0071】
予備実験
特に注記しない限り、用いた試薬すべては商業的に得られたものである。特に注記しない限り、以下の実験上の省略形は次の意味を示している。
AcOH − 酢酸
DMF − ジメチルホルムアミド
DMSO − ジメチルスルホキシド
EDC − 1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
equiv. − 当量
EtOAc − エチルアセテート
EtOH − エタノール
HPLC − 高速液体クロマトグラフィ
HOBT − 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
hr(s) − 時間
MeOH − メタノール
min(s) − 分
IPE − ジイソプロピルエーテル
IPA − イソプロパノール
LAH − 水素化アルミニウムリチウム
mL − ミリリットル
mmol − ミリモル
MS− 質量分析法
NMR − 核磁気共鳴
THF − テトラヒドロフラン
TLC− 薄層クロマトグラフィー
TFA − トリフルオロ酢酸
【0072】
式RNHのアミン出発物質は、従来の合成方法に従って調合してもよく、あるいは商業的に入手してもよい。2−アルキルアミノベンズイミダゾールの一般的な調製手順は、K. C. Nicolaouら、Bioorg. Med. Chem., 6,1185-1208 (1998)に開示されている。ある種のヘテロ環状エタン−およびプロパン−ジアミン誘導体の典型的な調製手順(方法AおよびB)を、以下の調製例1〜32に示す。
【0073】
様々な、4−クロロ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン出発物質を、R. Sargesら、J. Med. Chem., 33, 2240 (1990)にしたがって調製した。
【0074】
調製例1
方法A
−(7−トリフルオロメチル−キノリン−4−イル)−エタン−1,2−ジアミン
4−クロロ−7−トリフルオロメチルキノリン120mg、および、tert−ブチル−N−(2−アミノエチル)カルバミン酸塩250mgの混合物を、125℃で2時間加熱した。この混合物を室温に冷却し、10% IPA/クロロホルムおよび飽和重炭酸ナトリウムの間で分液した。水溶液層を10% IPA/クロロホルムで逆抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮した。残留物をEtOAc中で溶解し、水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して濃縮した。生成物をMeOH(0.5mL)に溶解し、5当量の4.0M HClと、ジオキサン中で18時間攪拌した。反応混合物を濃縮して、残留物をMeOHから再結晶化すると表題の化合物が生じた。MS(M+H)=256.1。
【0075】
適切な出発物質を用いて、調製例1で記載した方法に類似した方法で、以下の1,2−および1,3−ジアミンを調製した。
【表1】

【0076】
調製例13
方法B
−メチル−N−ピリミジン−2−イル−エタン−1,2−ジアミン
N−メチルエチレンジアミン100mg、2−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン245mg、およびジイソプロピルエチルアミン261mgの溶液をトルエン中で、110℃で18時間加熱した。反応混合物を濃縮し、水に注ぎ、10% IPA/クロロホルムで抽出した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して、<3%のbis−置換二量体を含む所望の表題の化合物を得るために、濃縮した。MS(M+H)=220.2。
【0077】
適切な出発物質を用いて、調製例13で記載した方法に類似した方法で、以下の1,2−ジアミンを調製した。
【表2】

【0078】
調製例20
−(ピリジン−3−イル)−エタン−1,2−ジアミン
エチレンジアミン1.32g、3−クロロピリジン250mg、およびtert−ブトキシドカリウム740mgの混合物を、密閉管の中で、118℃で18時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水で希釈し、クロロホルムで抽出した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮して表題の化合物を赤色の油として得た。MS(M+H)=137.9。
【0079】
調製例21
−トリアジン−2−イル−エタン−1,2−ジアミン
段階A
tert−ブチル−N−(2−アミノエチル)カルバミン酸塩434mgおよび炭酸ナトリウム576mgの溶液を、DMF(9.0mL)中、0℃で攪拌し、DMF(2.0mL)中の塩化シアヌル500mgの溶液を加えた。反応混合物を0℃で2時間、室温で3時間攪拌してから、水に注いで白濁液を形成した。固体を収集し、ろ液をEtOAcで抽出し、濃縮して粗製試料を得た。固体を併せて、シリカゲルクロマトグラフィーで分離し、モノエチルアミン付加化合物を得た。
【0080】
段階B
段階Aからの生成物を純EtOH(7.6mL)中に溶解し、10%Pd/C50mgを加え、ついでギ酸アンモニウム480mgを加えた。混合物を1時間加熱還流し、珪藻土を通してろ過をすることで固体を除去し、過により固体を取り除き、高温のEtOHで洗浄した。ろ液を濃縮して白色固体を得た。
【0081】
段階C
段階Bからの生成物をMeOH(1.9mL)に溶解し、5当量の4.0M HClを加え、ジオキサン中で2時間攪拌した。形成された白色固体を収集して乾燥させて、表題の化合物を塩酸塩として得た。MS(M+H)=140.1。
【0082】
調製例22
−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−エタン−1,2−ジアミン
段階A
塩化メチレン(6.0mL)中のN−メチル−4−ピペリドン220mgおよびtert−ブチル−(2−アミノ−エチル)カルバミン酸塩283mgの溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム563mgおよび酢酸212mgを加えた。混合物を室温で12日間攪拌し、1Nの水酸化ナトリウムを加えて反応を停止し、ついで塩化メチレンで抽出した(4回)。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮して黄色の油状生成物を得た。
【0083】
段階B
段階Aからの生成物をMeOH(3.0mL)に溶解し、5当量の4.0 M HClを加え、ジオキサン(3.0mL)中で18時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、表題の化合物を薄黄色の固体として得た。MS(M+H)=158.1。
【0084】
調製例23
2−ベンゾチアゾール−2−イル−エチルアミン
3−アミノプロピオニトリル50mgおよび2−アミノチオフェノール596mgの溶液をEtOH(15mL)中で6時間加熱還流した。溶液を室温に冷却した後、反応物を濃縮し、残留物をシリカゲルクトマトグラフィーを用いて精製することで、表題の化合物が赤色の油として生じた。MS(M+H)=179.1。
【0085】
調製例24
−(6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,6]ナフチリジン−2−イル)−エタン−1,2−ジアミン
段階A
塩化メチレン(6.1mL)中の、2−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,6]ナフチリジン(米国特許第6169093号)250mgの溶液を、37%ホルマリン溶液0.148mL、ついでトリアセトキシフッ化水素ナトリウム0.388gで処理した。反応混合物を室温で60時間攪拌し、2Nの水酸化ナトリウム(6mL)を加えて反応を停止した。1時間攪拌した後、混合物を水で希釈し、塩化メチレンで抽出した(2回)。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製して、N−メチルクロロナフチリジンを得た。
【0086】
段階B
段階Aからの生成物を10当量のエチレンジアミン中で溶解し、138℃で、密閉管の中で18時間加熱した。過剰のエチレンジアミンを蒸留により取り除き、表題の化合物を茶色の油として得た。MS(M+H)=207.0。
【0087】
調製例25
2−(ピリジン−2−イルオキシ)−エチルアミン
2−アミノエタノール500mgおよび60%水素化ナトリウム−鉱油分散液328mgの混合物をジオキサン(27mL)中で30分間加熱還流した。室温に冷却してから、2−クロロピリジン930mgを加え、混合物を還流するまで加熱し、この温度で18時間保持した。反応混合物を濃縮し、水で希釈し、クロロホルムで抽出した(3回)。有機抽出物を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題の生成物を黄色の油状物質として得た。MS(M+H)=138.9。
【0088】
調製例26
2−アミノ−1−(7,8−ジヒドロ−5H−[1,6]ナフチリジン−6−イル)−エタノン
段階A
DMF(2.7mL)中の、2−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,6]ナフチリジン塩酸塩(米国特許第6169093号)90mg、N−カルボベンジルオキシグリシン0.134g、トリエチルアミン0.130g、および1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール0.087gの溶液を、0℃で攪拌し、EDC 0.123g(0.640mmol)を加えた。2時間後、反応混合物を4%硫酸マグネシウム溶液中に注ぎ、得られた溶液をEtOAc、ついで塩化メチレンで抽出した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮し、静置して、凝固した油が得られた。MeOHとともに粉砕し、固形体を収集することで所望のアミド中間体を得た。
【0089】
段階B
3:2THF/MeOH混合液中の段階Aからの生成物93mg(0.260mmol)に、10%Pd/C100mgおよびシクロへキセン300mgを加えた。この混合物を16時間加熱還流し、室温に冷却し、珪藻土の短いパッドを通してろ過した。固形体を塩化メチレンで洗浄し、ろ液を濃縮して表題の化合物を得た。MS(M+H)=192.1。
【0090】
調製例27
2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エチルアミン
段階A
4−メチルピペラジン0.90g、クロロアセトニトリル0.830g、および炭酸カリウム6.0gの溶液を、アセトニトリル(9mL)中で72時間攪拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮して黄色の固体を得た。
【0091】
段階B
段階Aからの生成物をエーテル/THFの1:1混合物中に溶解し、0℃のエーテル(10mL)中のLAH330mgの懸濁液に加えた。反応物を室温で24時間攪拌し、0℃に冷却し、6.0N 水酸化ナトリウム溶液5mLを加え、20分間攪拌した。固体をろ過により取り除き、ろ液を濃縮して、エーテル中に溶解し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮することで、表題の化合物を薄黄色の油として得た。MS(M+H)=144.1。
【0092】
調製例28
2−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−エチルアミン
段階A
DMF(3.0mL)中の、メタンスルホン酸2−ベンジルオキシカルボニルアミノエチルエステル273mg、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン133mg、および炭酸ナトリウム212mgの溶液を、6時間、90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、水と飽和塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、黄色の油状生成物が生じた。
【0093】
段階B
MeOH(3.0mL)中の、段階Aからの生成物255mgの溶液に、酢酸99mg、10%Pd/C102mg、およびギ酸アンモニウム518mgを加えた。混合物を2時間還流し、室温に冷却し、珪藻土のパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮し、表題の化合物を黄色の油として得た。MS(M+H)=177.2。
【0094】
適切な出発物質を用いて、調製例28に記載した方法に類似した方法で、以下の1,2−ジアミンを調製した。
【表3】

【0095】
調製例31
−(4−モルホリン−4−イルメチル−ピリジン−2−イル)−エタン−1,2−ジアミン
段階A
2−クロロイソニコチン酸315mgおよびモルホリン209mgの溶液をEtOAc(4.0mL)中で攪拌し、1−プロパンホスホン酸環状無水物の50%溶液1.27gを加えた。この混合物を室温で6時間攪拌し、さらに無水物1.27gを加えてから、さらに18時間攪拌した。反応物を飽和重炭酸ナトリウムに注ぎ、EtOAcで抽出した(3回)。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮してモルホリンアミドを得た。
【0096】
段階B
段階Aからの生成物220gの混合物を、tert−ブチル−N−(2−アミノエチル)カルバミン酸塩と125℃で18時間加熱した。ジイソプロピルエチルアミン(371mg)を加え、48時間加熱し続けた。反応混合物を室温に冷却し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、所望の中間体を得た。
【0097】
段階C
THF(1.5mL)中の段階Bからの生成物155mg、および、THF中のLAH 1.0M溶液0.66mLを5時間加熱還流した。0℃に冷却し、水25μL、3.0N水酸化ナトリウム25μL、水75μL、および固体硫酸塩の順に加えてクエンチングした。固形体をろ過により取り除き、ろ液を濃縮して、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、油状生成物を得た。
【0098】
段階D
段階Cからの生成物50mgの溶液を、ジオキサン中の10当量の4.0M HCl溶液中に溶解した。この混合物を90分間攪拌し、ついで濃縮して表題の化合物を塩酸塩として得た。MS(M+H)=237.3。
【0099】
適切な出発物質を用いて、調製例31で記載した方法に類似した方法で、以下の1,2−ジアミンを調製した。
【表4】

【0100】
前記のスキーム1〜5による式(I)の化合物の典型的な調製手順は、以下の例の通りである。
【0101】
実施例1
8−フルオロ−4−フェネチルアミノ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
DMF(1.3mL)中の4−クロロ−8−フルオロ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン0.10gの溶液に、2−フェニルエチルアミン0.144gを加えた。この溶液を室温で72時間攪拌し、ついで冷水中に注いだ。固体を塩化メチレン中に溶解し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮し、薄黄色の固体0.102gを得た。固体を48%HBr/AcOHの1:1.5混合物中に溶解し、2時間還流した。反応物を濃縮して残留物をMeOHから再結晶化し、表題の化合物の臭化水素酸塩を黄色固体として得た。MS(M+H)=322.1。
【0102】
適切な出発物質を用いて、実施例1で記載した方法に類似した方法で、以下の式(I)の化合物を調製した。
【表5】


【表6】


【表7】


【表8】

【0103】
実施例49
4−ベンジルアミノ−8−フルオロ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
DMF(6.0mL)中の4−クロロ−8−フルオロ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン500mgの溶液に、ベンジルアミン637mgを加えた。この溶液を室温で18時間攪拌し、ついででEtOAcで希釈し、水で洗浄し、塩化リチウムで飽和させた。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで分離し、黄色の固体を得た。この物質を、48% HBr/AcOHの1:1.5混合物中に溶解し、12時間還流した。反応混合物を濃縮し、残留物をMeOHから再結晶化し、表題の化合物が黄色の固体として生じた。MS(M+H)=310.0。
【0104】
実施例50
8−ブロモ−4−[2−(1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
DMF(1.0mL)中の4−クロロ−8−ブロモ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン50mgの溶液に、トリプタミン51mgを加えた。この溶液を室温で18時間攪拌し、ついでEtOAcで希釈し、水および飽和食塩水で洗浄した。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮し、固体を得た。この固体を、48% HBr/AcOHの1:1.5混合物中に溶解し、2時間還流した。反応混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで分離し、表題の化合物が黄色の固体として生じた。MS(M+H)=423.3。
【0105】
脱保護段階をジオキサン中、4.0 M HClで行った以外は、実施例50で記載した方法に類似した方法により、適切な出発物質を用いて以下の式(I)の化合物を調製した。
【表9】

【0106】
実施例52
8−クロロ−4−フェネチルアミノ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
DMF(2.0mL)中の4,8−ジクロロ−1−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン100mgの溶液に、2−フェネチルアミン112mgを加えた。この溶液を室温で18時間攪拌し、ついでEtOAcで希釈し、水と、飽和塩化リチウムで洗浄した。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで分離し、黄色の固体を得た。固体を48% HBr/AcOHの1:1.5混合物中に溶解し、12時間還流した。反応物を濃縮して、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで分離し、表題の化合物を白色固体として得た。MS(M+H)=340.0。
【0107】
実施例53
4−(2−ピリジン−4−イル−エチルアミノ)−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
4−クロロ−1−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン70mg、4−(2−アミノエチル)ピリジン47mg、および重炭酸ナトリウム49mgの溶液を、DMF(3.0mL)中、50℃で7時間攪拌した。反応混合物を水に注いでからEtOAcで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮した。残留物を1%MeOH/塩化メチレンとともに粉砕し、明るいオレンジ色の固体を収集して乾燥させた。固体を48%HBr/AcOHの1:1.5混合物に溶解し、室温で90分間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を粉砕し、表題の化合物を固体として得た。MS(M+H)=307.0。
【0108】
適切な出発物質を用いて、実施例53で記載した方法に類似した方法で、以下の式(I)の化合物を調製した。
【表10】

【0109】
実施例57
8−フルオロ−4−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
DMF(12.0mL)中の4−クロロ−8−フルオロ−1−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン1.0gに、4−メトキシベンジルアミン1.36gを加えた。この溶液を室温で18時間攪拌し、ついでEtOAcで希釈し、水と飽和塩化リチウムで洗浄した。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで分離し、黄色固体を得た。固体をMeOH(15mL)中に溶解し、10%Pd/C 160mgおよびシクロヘキセン0.96gを加えた。混合物を18時間加熱還流し、珪藻土のパッドを通してろ過し、濃縮して、オフホワイト色固体を得た。MS(M+H)=340.0。
【0110】
実施例58
4−イソプロピルアミノ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
8−ブロモ−4−イソプロピルアミノ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン40mgおよび1:1のMeOH/EtOH中の10%Pd/C 40mgの混合物にシクロヘキセン81mgを加えた。この混合物を3.5時間加熱還流し、ついで室温で18時間攪拌した。反応混合物をクロロホルムで希釈し、珪藻土のパッドを通してろ過し、濃縮した。残留物をIPEで粉砕し、オレンジ色の固体を得た。MS(M+H)=244.0。
【0111】
実施例59
(8−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−4−イルアミノ)−酢酸エチルエステル
DMF(4.0mL)中の4−クロロ−8−フルオロ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン152mg、グリシンエチルエステル塩酸塩127mg、およびトリエチルアミン602mgの溶液を、室温で41時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、25%IPA/塩化メチレン中に溶解し、50%飽和重炭酸ナトリウム、水、の順で洗浄した。有機乳濁液を収集して濃縮し、黄色固体を得た。トリフルオロエタノール(10mL)中のこの固体の溶液を、5当量の4.0 N HClでジオキサン中、15分間処理し、混合物を濃縮した。この残留物20%IPA/塩化メチレン中に溶解し、50%飽和重炭酸ナトリウム、水、の順に洗浄した。有機乳濁液を収集して濃縮し、黄色固体を得て、この固体を粉砕した。得られたオフホワイト色の固体を収集して乾燥させ、エーテルで洗浄し、乾燥させることで、表題の化合物を得た。MS(M+H)=306.0。
【0112】
適切な出発物質を用いて、実施例59で記載した方法に類似した方法で、以下の式(I)の化合物を調製した。
【表11】

【0113】
実施例65
4−[2−(ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−8−クロロ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
DMF(2.0mL)中の4,8−ジクロロ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン100mgおよびトリエチルアミン109mgの溶液に、N−ベンゾチアゾール−2−イル−エタン−1,2−ジアミン86mgを加えた。溶液を室温で18時間攪拌し、ついで、10% IPA/塩化メチレンで希釈し、水および食塩水で洗浄した。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで分離し、黄色固体を得た。固体を、1:1.5の48%HBr/AcOHの混合物中に溶解し、2時間還流した。反応混合物を濃縮し、残留物をIPEで粉砕して、表題の化合物の臭化水素酸塩を黄色固体として得た。MS(M+H)=412.2。
【0114】
適切な出発物質を用いて、実施例65で記載した方法に類似した方法で、以下の式(I)の化合物を調製した。
【表12】

【0115】
実施例67
8−フルオロ−4−ピペラジン−1−イル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
アセトニトリル(4.0mL)中の、4−クロロ−8−フルオロ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン300mg、tert−ブチル−N−(ピペラジン)カルバミン酸塩221mg、およびトリエチルアミン360mgの溶液を室温で攪拌した。16時間後、溶媒を取り除き、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで分離し、黄色の発泡体280mgを得た。発泡体を48%1:1.5のHBr/AcOHの混合物中に溶解し、この混合物を2時間加熱還流した。この反応混合物を濃縮し、黄色固体97mgを得た。MS(M−H)=287.1。
【0116】
実施例68
8−フルオロ−4−[4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
n−ブタノール(1mL)中の8−フルオロ−4−ピペラジン−1−イル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン40mg、2−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン48mg、および炭酸ナトリウム47mgの溶液を24時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、珪藻土のプラグを通してろ過し、蒸発乾固した。残留物をシリカゲルクトマトグラフィーで分離し、白色固体を得た。MS(M+H)=434.0。
【0117】
実施例69
8−フルオロ−4−[4−(5−シアノ−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
n−ブタノール(1mL)中の8−フルオロ−4−ピペラジン−1−イル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン40mg、2−クロロ−5−シアノピリジン36.8mg、および炭酸ナトリウム47mgの溶液を24時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、珪藻土のプラグを通してろ過し、蒸発乾固した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで分離し、白色固体を得た。MS(M−H)=389.0。
【0118】
実施例70
4−(2−アミノ−エチルアミノ)−8−フルオロ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
段階A
アセトニトリル(50mL)中の4−クロロ−8−フルオロ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン3.29g、tert−ブチル−N−(2−アミノエチル)カルバミン酸塩2.30g、およびトリエチルアミン3.96gの溶液を、50℃で9時間加熱した。反応混合物を冷却し、溶媒を取り除き、残留物を10%IPA/クロロホルム中に溶解し、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮した。残留物をMeOHから再結晶化させて黄色固体を得た。
【0119】
段階B
段階Aからの生成物(139mg)を1:1.5の48%HBr/AcOH(4.6mL)混合物中に溶解し、100℃で1時間加熱した。反応混合物を濃縮し、残留物をMeOHから再結晶化させて、表題の化合物を薄黄色固体として得た。MS(M+H)=263.0。
【0120】
実施例71
8−フルオロ−4−[2−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
n−ブタノール(1mL)中の4−(2−アミノ−エチルアミノ)−8−フルオロ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン259mg、2−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン422mg、および炭酸ナトリウム411mgの溶液を48時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、珪藻土を通してろ過し、ろ液を濃縮して固体残留物を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィーで分離して、表題の化合物を得た。MS(M+H)=407.9。
【0121】
適切な出発物質を用いて、実施例71で記載した方法に類似した方法で、以下の式(I)の化合物を調製した。
【表13】

【0122】
tert−ブチル−(2−アミノプロピル)カルバミン酸塩を用いて、実施例70および71で記載した方法に類似した方法で、以下の式(I)の化合物を調製した。
【表14】

【0123】
実施例77
ピリジン−2−カルボン酸−[2−(8−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−4−イルアミノ)−エチル]−アミド
0℃のピリジン(0.38mL)中の4−(2−アミノ−エチルアミノ)−8−フルオロ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン30mgの溶液に、ピコリニルクロリド塩酸塩20mgを加え、混合物を30分間攪拌した。混合物を濃縮し、この残留物をシリカゲルクトマトグラフィーで分離して、表題の化合物を得た。MS(M−H)=366.2。
【0124】
実施例78
8−フルオロ−4−[2−(ピリミジン−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
DMSO(0.5mL)中の4−(2−アミノ−エチルアミノ)−8−フルオロ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン50mg、2−クロロピリミジン13.5mg、およびジイソプロピルエチルアミン76mgの混合物を、18時間加熱した。さらに、2−クロロピリミジン13.5mgを加えて、さらに18時間加熱を続けた。反応物をEtOAcで希釈し、水で洗浄し、濃縮する前に硫酸ナトリウムで乾燥させた。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで分離し、単離された残留物をMeOHから再結晶化し、表題の化合物を得た。MS(M−H)=339.0。
【0125】
実施例79
[2−(8−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−4−イルアミノ)−エチル]−カルバミン酸,tert−ブチルエステル
アセトニトリル(6.6mL)中の4−クロロ−8−フルオロ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン500mg、tert−ブチル−N−(2−アミノエチル)カルバミン酸塩350mg、およびトリエチルアミン600mgの溶液を、18時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、この溶媒を除去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー、予備的なTLCの順に分離し、黄色固体260mgを得た。MS(M+H)=363.1。
【0126】
実施例80
8−フルオロ−4−[1−(6−メチル−ピリジン−2−カルボニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
DMF(1.4mL)中の、8−フルオロ−4−(ピペリジン−4−イルアミノ)−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン98mg、6−メチル−ピコリン酸33mg、およびHOBT32mgの懸濁液にトリエチルアミン109mg、EDC47mgの順に加えて、混合物を18時間攪拌した。混合物に6−メチル−ピコリン酸15mgおよびベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩57mgを加え、30分間攪拌を続けた。反応混合物を水で希釈し、塩化メチレンで抽出し、有機抽出物を50%飽和重炭酸ナトリウムと水で洗浄し、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで分離して得られた物質を10% MeOH/EtOAc中に溶解し、水で洗浄した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮し、表題の化合物を白色固体として得た。MS(M+H)=422.0。
【0127】
実施例81
N−(8−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−4−イル)−アセタミド
段階A
DMF(10mL)中の4−クロロ−8−フルオロ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン496mg、4−メトキシベンジルアミン420mg、およびトリエチルアミン1.02gの溶液を、室温で72時間攪拌した。反応混合物を塩化メチレンで希釈し、水で洗浄した。有機乳濁液を収集して濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで分離して白色固体を得た。
【0128】
段階B
段階Aからの生成物を、1:1のMeOH/クロロホルム(10mL)に懸濁し、33当量のトリフルオロ酢酸を加えた。黄色溶液を18時間加熱還流し、濃縮して黄色固体とした。残留物をAcOH(6.5等量)に溶解し、30当量の48%HBr水溶液を加え、4時間加熱還流した。反応物を室温に冷却し、ろ過により茶色固体を収集した。茶色固体を10%MeOH/EtOAc中に溶解し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮することで、白色固体を残した。
【0129】
段階C
クロロホルム(0.5mL)中の段階Bの生成物17mgのスラリーを攪拌し、トリエチルアミン73mgおよび塩化アセチル55mgを加えた。24時間攪拌した後、反応物を濃縮し、この残留物を10%IPA/EtOAcに懸濁させ、水で洗浄した。この有機乳濁液を黄色固体に濃縮し、これを粉砕することで、bis−アセチル化した生成物がオフホワイト色の固体として生じた。
【0130】
段階D
1:5のクロロホルム/MeOH混合物中の段階Cの生成物9mgの溶液を、室温で24時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、表題の化合物をオフホワイト色の固体として得た。MS(M+H)=262.0。
【0131】
実施例82
4−(イソプロピルアミノ)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]−トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸
段階A
ジエチルシュウ酸塩(50mL)中のメチル−3,4−ジアミノベンゾエート(4.5g)混合物を、3時間加熱還流した。23℃に冷却した後、固体をろ過により単離することで、2,3−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノキサリン−6−カルボン酸メチルエステルが薄黄色固体として生じた。MS(M−H)=219.1。
【0132】
段階B
23℃の塩化チオニル(6.7mL)中の2,3−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノキサリン−6−カルボン酸メチルエステル(650mg)の懸濁液に、DMF(5滴)を加えた。ついで反応混合物を18時間加熱還流した。23℃に冷却し濃縮してから、残留物をクロロホルム中に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で数回、ついで食塩水の順に洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮することで、2,3−ジクロロ−キノキサリン−6−カルボン酸メチルエステルが白色固体として生じた。MS(M+H)=257.1。
【0133】
段階C
−10℃のメタノール(10mL)中の2,3−ジクロロ−キノキサリン−6−カルボン酸メチルエステル(1.2g)の懸濁液に、ヒドラジン一水和物(0.26mL)を滴下した。この温度で3時間保持した後、さらにヒドラジン一水和物(0.26mL)を加え、得られた混合物を0℃で3時間攪拌し、ついで23℃で1時間攪拌した。懸濁液をろ過し、固体をMeOHで洗浄した。フラッシュカラムクトマトグラフィーによって得られた残留物をMeOHから再結晶化して、3−クロロ−2−ヒドラジノ−キノキサリン−6−カルボン酸メチルエステルを黄色固体として得た。MS(M+H)=253.2。
【0134】
段階D
テトラメチルオルト炭酸塩(10mL)中の3−クロロ−2−ヒドラジノ−キノキサリン−6−カルボン酸メチルエステル(890mg)溶液を、100℃で3時間加熱した。23℃に冷却した後、沈殿した固体をろ過により単離し、EtOAcでリンスし、4−クロロ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸メチルエステルを、オレンジ色固体として得た。MS(M+H)=293.2。
【0135】
段階E
DMF(2mL)中の4−クロロ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸メチルエステル(80mg)、イソプロピルアミン(24mg)、および重炭酸ナトリウム(45mg)の混合物を、23℃で17時間攪拌した。ついでこの混合物を水とEtOAcとの間で分配した。この有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。EtOAc/ヘキサンで粉砕することで、4−イソプロピルアミノ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸メチルエステルが薄黄色固体として生じた。MS(M+H)=316.3。
【0136】
段階F
AcOH(1.0mL)中の4−イソプロピルアミノ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸メチルエステル(25mg)および臭化水素酸(0.5mL)の溶液を、100℃で90分間加熱した。溶液を23℃に冷却し濃縮した。得られた残留物を粉砕して精製することで、表題の化合物が薄黄色固体として生じた。MS(M+H)=288.3。
【0137】
実施例83
4−イソプロピルアミノ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−8−カルボン酸メチルエステル
段階A
DMF(50mL)中の8−ブロモ−4−クロロ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン(2.0g)溶液に、固体の重炭酸ナトリウム(1.1g)およびイソプロピルアミン(0.82mL)を加えた。得られた混合物を23℃で18時間攪拌し、ついでEtOAcで希釈した。混合物を水、食塩水の順で洗浄し、ついで硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮することで(8−ブロモ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−4−イル)−イソプロピル−アミンが薄黄色固体として生じた。MS(M+H)=337.3。
【0138】
段階B
1.1/1.0のMeOH/DMSOの混合物中の(8−ブロモ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−4−イル)−イソプロピル−アミン2.0g、Pd(II)アセテート0.54g、1,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)プロパン0.66g、およびトリエチルアミン(21mL)の溶液を、CO(45psi)の環境下、75℃で96時間激しく攪拌した。23℃に冷却した後、溶液を水および塩化メチレンで希釈し、得られた混合物を珪藻土を通してろ過した。ろ液を濃縮し、残留物を塩化メチレン中に溶解し、食塩水で洗浄した(2回)。静置して、表題の化合物を有機相から沈殿させ、ろ過することで単離した。MS(M+H)=302.3。
【0139】
実施例84
4−イソプロピルアミノ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−8−カルボン酸,ナトリウム塩
2:1のTHF/MeOH(150mL)混合物中の4−イソプロピルアミノ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−8−カルボン酸メチルエステル(1.35g)懸濁液に、水酸化ナトリウム水溶液(1N、8.96mL)を加えた。得られた溶液をオイルバス中で、85℃で36時間加熱し、ついで冷却し濃縮した。残留物をEtOAcを用いて粉砕し、ろ過して乾燥させることで、表題の化合物をオフホワイト色の固体として単離した。MS(M−H)=286.3。
【0140】
実施例85
4−イソプロピルアミノ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[]キノキサリン−8−カルボン酸−(2−メトキシ−エチル)−メチル−アミド
23℃のEtOAc(5mL)中の4−イソプロピルアミノ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−8−カルボン酸、ナトリウム塩(130mg)、N−(2−メトキシエチル)メチルアミン(104mg)、およびトリエチルアミン(0.12mL)の溶液に、1−プロパンホスホン酸環状無水物(0.18mLのエチルアセテート中50重量%)を加えた。24時間後、溶液をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム(2回)、および飽和塩化ナトリウム水溶液(2回)の順に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。残留物を粉砕することで薄黄色固体が生じた。MS(M+H)=359.4。
【0141】
適切な出発物質を用いて、実施例85で記載した方法に類似した方法で、以下の式(I)の化合物を調製した。
【表15】


【表16】

【0142】
4−イソプロピルアミノ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸を用いて、実施例85で記載した方法に類似した方法で、以下の式(I)の化合物を調製した。
【表17】

【0143】
実施例111
4−イソプロピルアミノ−8−モルホリン−4−イルメチル−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
固体LAH(21mg)を、23℃のTHF(3.0mL)中4−イソプロピルアミノ−8−(モルホリン−1−カルボニル)−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン(98mg)に加えた。45分間攪拌した後、混合物を60分間、50℃に加熱した。23℃に冷却した後、水で数回(100μL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(100μL)、および水(300μL)を順に加えた。得られた懸濁液を珪素土のパッドを通してろ過し、EtOAcでリンスした。ろ液を硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。得られた残留物をEtOAc/ヘキサンで粉砕することで、固体が生じた。MeOHに溶解することでこの表題の化合物を塩酸塩に変換し、ついで過剰のHClエーテル溶液で処理した。ろ過により黄色固体が生じた。MS(M+H)=343.4。
【0144】
適切な出発物質を用いて、実施例111で記載した方法に類似した方法で、以下の式(I)の化合物を調製した。
【表18】

【0145】
実施例114
1−オキソ−4−(2−ピリジン−4−イル−エチルアミノ)−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸
段階A
DMF(2mL)中の4−クロロ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸メチルエステル(80mg)、2−(4−ピリジル)エチルアミン(50mg)、および重炭酸ナトリウム(45mg)の混合物を、50℃で15時間攪拌した。混合物を23℃に冷却し、ついで水およびEtOAcで希釈した。形成された沈殿をろ過により単離することで、1−メトキシ−4−(2−ピリジン−4−イルエチルアミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸メチルエステルが生じた。MS(M+H)=379.3。
【0146】
段階B
酢酸(3mL)中の1−メトキシ−4−(2−ピリジン−4−イルエチルアミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸メチルエステル(47mg)の懸濁液および臭化水素酸(1mL)を、23℃で60分間攪拌し、ついで90分間、100℃に加熱した。23℃に冷却した後、溶液を濃縮し、得られた残留物をMeOH/塩化メチレンで粉砕した。ろ過により表題の化合物が白色固体として生じた。MS(M+H)=351.3。
【0147】
実施例115
1−オキソ−4−(2−ピリジン−4−イル−エチルアミノ)−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸メチルエステル
1−メトキシ−4−(2−ピリジン−4−イルエチルアミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸メチルエステル(32mg)溶液を、23℃のAcOH(6mL)中の48%HBr(4mL)で処理した。2時間後、溶液を濃縮した。残留物をMeOH/塩化メチレンで粉砕し、ついでろ過することで、薄黄色固体が生じた。MS(M+H)=365.3。
【0148】
適切な出発物質を用いて、実施例115で記載した方法に類似した方法で、以下の式(I)の化合物を調製した。
【表19】

【0149】
実施例120
8−ヒドロキシメチル−4−イソプロピルアミノ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
LAH(76mg)を加えながら、THF(5.0mL)中の4−イソプロピルアミノ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−8−カルボン酸メチルエステル(200mg)の溶液を攪拌した。この混合物を2時間、65℃に加熱し、水(100μL)、15%水酸化ナトリウム(100mL)、および水(300μL)でクエンチングする前に、23℃に冷却した。珪藻土を通したろ過により固体を除去し、ろ液を濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、表題の化合物を白色固体として得た。MS(M+H)=329.0。
【0150】
実施例121
4−イソプロピルアミノ−8−メチル−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
EtOH(15mL)中の8−ヒドロキシメチル−4−イソプロピルアミノ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン(20mg)の溶液を、10% Pd/C(10mg)で処理し、混合物を45psi水素雰囲気下で68時間激しく攪拌した。この反応混合物を珪藻土を通してろ過し、ろ液を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することで、表題の化合物を固体として得た。MS(M+H)=258.0。
【0151】
実施例112
4−イソプロピルアミノ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸−メトキシ−メチル−アミド
DMF(4.0mL)中の4−イソプロピルアミノ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸(130mg)、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(39mg)、HOBT(54mg)、およびEDC(77mg)の混合物を、23℃で20時間攪拌した。ついで、溶液をEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液の順に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を濃縮することで、表題の化合物が薄黄色固体として生じた。MS(M+H)=331.6。
【0152】
実施例123
4−イソプロピルアミノ−7−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
段階A
固体LAH(7mg)を、23℃のTHF(2.0mL)中の(4−イソプロピルアミノ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−イル)−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン(45mg)溶液に加えた。60分後に、水(40μL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(40μL)、および水(120mL)を順に加えて、混合物を硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。この残留物をシリカゲルクトマトグラフィーで精製することで、アミン生成物が黄色残留物として生じた。MS(M+H)=370.4。
【0153】
段階B
AcOH(1mL)中のイソプロピル−[1−メトキシ−7−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−4−イル]アミン(12mg)および48%HBr(0.5mL)溶液を23℃で90分間攪拌し、ついでに、100分間90℃に加熱した。23℃に冷却した後、この溶液を濃縮した。得られた残留物をトルエンから濃縮した。残留物をMeOH/EtOAcで粉砕することで、表題の化合物が薄黄色固体として生じた。MS(M+H)=356.4。
【0154】
実施例124
4−イソプロピルアミノ−7−{[(2−メトキシ−エチル)−メチル−アミノ]−メチル}−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
固体LAH(9mg)を、23℃のTHF(10mL)中の4−イソプロピルアミノ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸−(2−メトキシ−エチル)−メチル−アミド(65mg)に加えた。得られた溶液を75分間、23℃で攪拌した後に、60分間65℃で攪拌した。さらにLAHの一部(6mg)を加え、反応物を65℃でさらに120分間加熱した。23℃に冷却した後、水を一部(60μL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(60μL)、および水(120μL)を順に加えた。混合物を珪藻土のパッドを通してろ過し、このろ液を硫酸ナトリウムで乾燥させ濃縮した。残留物をMeOH中に溶解し、過剰のHCl(エーテル中1N)で処理することで、メチルエーテルを開裂させた。MS(M−H)=343.3。
【0155】
実施例125
4−イソプロピルアミノ−7−モルホリン−4−イルメチル−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
段階A
水酸化ナトリウム水溶液(1N、0.40mL)を、THF(3mL)およびMeOH(1.5mL)中の4−イソプロピルアミノ−1−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸メチルエステル(126mg)に加えた。反応溶液を23℃で2時間攪拌し、ついで50℃で3時間攪拌した。溶液を23℃に冷却し、この温度でさらに16時間保持した。濃縮することで、EtOAc/ヘキサンで粉砕された残留物は、4−イソプロピルアミノ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸のナトリウム塩を薄黄色固体として生じた。MS(M+H)=302.4。
【0156】
段階B
DMF(2.0mL)中の4−イソプロピルアミノ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸(127mg)、N,O−ジメチルヒドロキシアミン塩酸塩(41mg)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(57mg)、およびEDC(81mg)の混合物を、23℃で12時間攪拌した。溶液をついでEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、飽和塩化ナトリウム水溶液の順に洗浄した(2回)。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製することで、4−イソプロピルアミノ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸−メトキシ−メチル−アミドが生じた。MS(M+H)=345.7。
【0157】
段階C
固体LAH(8mg)を、−78℃のTHF中、4−イソプロピルアミノ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸−メトキシ−メチル−アミド(50mg)溶液に加えた。80分後、溶液を23℃に加温した。水の一部(40μL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(40μL)、および水(180μL)を順に加えた。得られた混合物をEtOAcで希釈し、ついで硫酸ナトリウムで乾燥させてろ過した。濃縮することで、4−イソプロピルアミノ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルバルデヒドが白色固体として生じた。MS(M+H)=286.4。
【0158】
段階D
固体トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(59mg)およびモルホリン(15μL)を、1,2−ジクロロエタン(1.0mL)中の4−イソプロピルアミノ−1−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルバルデヒド(50mg)の溶液に加えた。得られた懸濁液を23℃で2.5時間攪拌し、ついでAcOHの一部(10μL)を加えた。さらに2.5時間後に、反応混合物を濃縮した。残留物を塩化メチレンおよび飽和重炭酸ナトリウムの間で分配した。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーによりイソプロピル−(1−メトキシ−7−モルホリン−4−イルメチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−4−イル)−アミンが白色固体として生じた。MS(M+H)=357.5。
【0159】
段階E
AcOH(0.5mL)中のイソプロピル−(1−メトキシ−7−モルホリン−4−イルメチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−4−イル)−アミン(32mg)および48%HBr(0.5mL)の溶液を、50℃で2.5時間加熱した。23℃に冷却した後、溶液を濃縮した。得られた残留物をトルエンから濃縮し、ついでMeOH/EtOAcで粉砕した。得られた固体をろ過により単離し、MeOHから濃縮することで薄黄色固体が生じた。MS(M+H)=341.3。
【0160】
適切な出発物質を用いて、実施例125で記載した方法に類似した方法で、以下の式(I)の化合物を調製した。
【表20】

【0161】
実施例127
8−[(2−イソプロポキシ−エチルアミノ)−メチル]−4−イソプロピルアミノ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン
水素化ホウ素ナトリウム(30mg)を加えながら、THF(5.0mL)中の4−イソプロピルアミノ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−8−カルボン酸−(2−イソプロポキシ−エチル)−アミドの懸濁液を攪拌した。この混合物を加熱還流し、ついで三フッ化ホウ素エテレート(0.15mL)を滴下して加えた。混合物を2時間還流し、ついで23℃に冷却し、3N HClでpH3.0に酸性化した。30分間攪拌した後、この反応物を塩化メチレンで希釈し、6N水酸化ナトリウムでpH14に塩基性化した。層を分離し、水溶液層を塩化メチレンで抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することで、生成物を白色固体として得た。MS(M+H)=359.0。
【0162】
適切な出発物質を用いて、実施例127で記載した方法に類似した方法で、以下の式(I)の化合物を調製した。
【表21】

【0163】
生物学的方法
GSK−3阻害
式(I)の化合物のGSK−3阻害の特異的活性は、セルフリーアッセイおよびセルベースアッセイの両方で決定でき、これら両方とも、関連技術中に既に記載されている。(例えば、米国特許第6417185号および第6489344号、を参照されたい。これらの開示内容は、全体として参照され本明細書に編入される。
【0164】
セルフリーテストアッセイは、一般に、ペプチド基質、放射性同位元素標識ATP(例えば、γ33P−またはγ32P−ATP、これらは両方とも、Amersham;Arlington Heights,ILから入手可能)、マグネシウムイオン、およびアッセイされる化合物でGSK−3をインキュベートすることで行われる。放射性同位元素標識リン酸塩がGSK−3活性によってペプチド基質内に含まれるように、混合物はしばらくの間インキュベートされる。反応混合物はついで、未反応の放射性同位元素標識ATPを除去するために、通常、酵素反応混合物のすべてまたは一部分を、ペプチド基質に結合可能なリガンドの一定量を含むウェルに最初に移された後に洗浄される。ついで、ペプチド基質に組み込まれた放射性同位元素標識リン酸塩の量を決定するために、洗浄後にそれぞれのウェルに残っているγ33Pまたはγ32P量が測定される。阻害は、コントロールに対する、ペプチド基質へ放射性同位元素標識リン酸塩の取り込みの減少として観察される。アッセイに適切なGSK−3ペプチド基質は、Wangら、Anal. Biochem., 220, 397402 (1994)に記載されている、SGSGが結合したCREBペプチド配列である。テストアッセイのための精製されたGSK−3は、例えば、Stambolicら、Current
Biology, 6, 1664-1668 (1996)に記載されているように、ヒトGSK−3β発現プラスミドを移入した細胞から得てもよい。
【0165】
GSK−3テストアッセイのもうひとつの例は、先に説明したのと類似しているが、次の通りである:酵素活性は、33P−ATP(Amersham;Arlington Heights,IL;カタログ番号AH−9968)のγリン酸塩からビオチン化ペプチド基質PKTP−KKAKKLへの33Pの組み込みとして測定される。この反応は、50mM Tris−HCl、pH8.0;10mM MgCl、0.1mM NaVO、および1mM DTTを含む緩衝液中で行われる。ATPの最終濃度は0.5μM(4μCi/nmolの最終比放射能)であり、基質の最終濃度は0.75μMである。酵素の添加により開始するこの反応は、室温で約60分間行われる。この反応は、(最終濃度):2.5mM EDTA、0.05% Triton−X 100、100μM ATP、および1.25mg/mlのストレプトアビジンがコーティングされたSPAビーズ(Amersham;Arlington Heights,IL;カタログ番号RPNQ0007)を含む緩衝液0.6倍の体積を添加することにより停止する。ついで、このビーズの放射能は、標準のシンチレーション計測法によって定量化される。
【0166】
ここで、以上に記載されたものと類似しており、一般的に好ましいGSK−3テストアッセイは次の通りである:酵素活性は、33P‐ATPのγリン酸塩(Amersham;Arlington Heights,IL; カタログ番号AH−9968)から、ビオチン化ペプチド基質Biotin−SRHSSPHQpSEDEEE−OH(AnaSpec Inc.,San Jose,CA)への33Pの取り込みとして測定される。この反応は、8mM MOPS;10mM Mg(OAc)、0.2mM EDTA(pH7.0)、および1mM DTTを含む緩衝液中で行われる。ATPの最終濃度は2.0μM(4μCi/nmolの最終比放射能)であり、基質の最終濃度は、1.0μMである。酵素の添加により開始するこの反応は、室温で約75分間行われる。この反応は、(最終濃度):0.05mM EDTA、0.1%Triton−X100、100μM ATP、および2.5mg/mlのストレプトアビジンがコーティングされたSPAビーズを含む緩衝液の0.6倍の体積を添加することにより停止する。ついで、このビーズの放射能は、標準のシンチレーション計測法によって定量化される。
【0167】
式(I)の化合物は、一般に、GSK−3に対して、IC50として表される阻害活性を示し、それらは、<10,000nMである。一般に、好ましい化合物は、IC50<200nMである。例えば、8−フルオロ−4−[2−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オンのIC50は6nMである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、
【化1】

そのプロドラッグ、または該化合物および該プロドラッグの薬学的に許容できる塩。
[式中、
およびRは独立して、
(i)水素、
(ii)アセチル基、
(iii)−(C−C)アルキル基{独立して1〜3の(a)ハロゲン基、(b)−NR、(c)−COR、(d)−OR、(e)アリール基(独立して1〜3のハロゲン基、−(C−C)アルキル基、または−(C−C)アルコキシ基で置換されていてもよい)、(f)ヘテロアリール基(独立して1〜3のトリフルオロメチル基、または、−(C−C)アルキル基で置換されていてもよい)、(g)−(C−C11)シクロアルキル基、または、(h)−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基(独立して1〜3の−(C−C)アルキル基、または、−(C−C)アルコキシ基で置換されていてもよい)で置換されていてもよい}、
{ここで、RおよびRは独立して、
(j)水素、(k)アミジノ基、(l)アリール基(独立して1〜3のハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、−(C−C)アルキル基、−(C−C)アルコキシ基、または、−COR基で置換されていてもよい)、(m)−(C−C)アルキル基(独立して1〜3の−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基、−(C−C11)シクロアルキル基、−(C−C)アルコキシ基、アリール基、または、ヘテロアリール基で置換されていてもよい)、(n)ヘテロアリール基(独立して1〜3のハロゲン基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、−COR、−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基で置換されていてもよい−(C−C)アルキル基、または、−(C−C)アルコキシ基で置換されていてもよい)、(o)−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基(1〜3の−(C−C)アルキル基で置換されていてもよい)、または、(p)−CORであり、
は、(q)ヒドロキシ、(r)−(C−C)アルキル基(独立して1〜3の−(C−C)アルコキシ基、または、アリール基で置換されていてもよい)、(s)−(C−C)アルコキシ基、(t)ヘテロアリール基、または、(u)−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基(1〜3の−(C−C)アルキル基で置換されていてもよい)であり、および、
は、(v)−(C−C)アルキル基(独立して1〜3の−(C−C)アルコキシ基、または、アリール基で置換されていてもよい)、(w)ヘテロアリール基、または、(x)−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基(1〜3の−(C−C)アルキル基で置換されていてもよい)である}、
(iv)−(C−C11)シクロアルキル基、または、
(v)−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基(独立して1〜3のハロゲン基、−COR、−(C−C)アルキル基、および−(C−C)アルコキシ基で置換されていてもよい)であるか、
または、RおよびRは、それらが結合している窒素原子に共に、五員または六員ヘテロシクロアルキル環(独立して、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選ばれる1〜3の付加的なヘテロ原子を有していてもよい)を形成しており、、ここで、該五員または六員ヘテロシクロアルキル環は、独立して、1〜3のハロゲン基、−(C−C)アルキル基、またはヘテロアリール基(独立して1〜3のハロゲン基、トリフルオロメチル基、およびシアノ基で置換されていてもよい)で置換されていてもよく、
およびRは、独立して、アミノ基、ハロゲン基、水素、トリフルオロメチル基、ニトロ基、−COR、−NR、−CONR、および−(C−C)アルキル基(独立して1〜3の−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基、−NR、アリール基、ヘテロアリール基、または水酸基で置換されていてもよい)、からなる群から選ばれるものである。
但し、Rが水素でありRが水素またはイソプロピル基の場合、Rはフルオロ基ではない]。
【請求項2】
が水素、
が、(iii)−(C−C)アルキル基{(b)−NR(Rは水素であり、Rはヘテロアリール基(独立して1〜3のトリフルオロメチル基、シアノ基、−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基で置換されていてもよい−(C−C)アルキル基、−(C−C)アルコキシ基、または、−CORで置換されていてもよい)である)、(e)アリール基(1〜3のハロゲン原子で置換されていてもよい)、(f)ヘテロアリール基、(h)−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基、で置換されていてもよい}、(iv)−(C−C11)シクロアルキル基、または、(v)−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基、からなる群から選ばれるものであり、
が、水素、ハロゲン基、−COR、−CONR、または、−(C−C)アルキル基(独立して1〜3の−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基、または、−NRで置換されていてもよい)であり、
が、水素、−CONR、または−(C−C)アルキル基(独立して1〜3の−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基、または、−NRで置換されていてもよい)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が水素、
が、(iii)−(C−C)アルキル基{(b)−NR(Rは水素であり、Rはヘテロアリール基(独立して、1〜3のトリフルオロメチル基、シアノ基、−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基で置換されていてもよい−(C−C)アルキル基、または、−(C−C)アルコキシ基で置換されていてもよい)である)、(e)アリール基、(f)ヘテロアリール基、(h)−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基で置換されていてもよい}、(iv)−(C−C)シクロアルキル基、または、(v)−(C−C11)ヘテロシクロアルキル基であり、
が、水素、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、−COR(ここで、Rは、水酸基、または、−(C−C)アルコキシ基である)、または、−CONR(ここで、Rは、水素、または、−(C−C)アルキル基であり、Rは、−(C−C)アルキル基(−(C−C)アルコキシ基で置換されていてもよい)である)であり、
が、水素、または、−CONR{ここで、Rは、−(C−C)アルキル基であり、Rは、−(C−C)アルキル基(−(C−C)アルコキシ基で置換されていてもよい)である}である請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
8−ブロモ−4−イソプロピルアミノ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−シクロヘキシルアミノ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−イソプロピル−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−(ピペリジン−4−イルアミノ)−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−(4−フェニル−プロピルアミノ)−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
4−イソプロピルアミノ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−8−カルボン酸−(2−メトキシ−エチル)−アミド、
4−イソプロピルアミノ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−8−カルボン酸−ジメチルアミド、
4−イソプロピルアミノ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸−メチルアミド、
4−イソプロピルアミノ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−8−カルボン酸−イソブチルアミド、
4−イソプロピルアミノ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸−(2−メトキシ−エチル)−メチルアミド、
4−イソプロピルアミノ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−8−カルボン酸,ナトリウム塩、
4−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ブチルアミノ]−8−フルオロ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
4−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−エチルアミノ]−8−フルオロ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
4−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−8−フルオロ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
4−[2−(ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−8−クロロ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
4−[2−(ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−8−ブロモ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
4−[2−(ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−8−クロロ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
4−[2−(1H−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−8−フルオロ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
4−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロピルアミノ]−8−フルオロ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
2−[2−(8−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−4−イルアミノ)−エチルアミノ]−イソニコチン酸、
4−[2−(6−メトキシ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−ブロモ−4−[2−(1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−[2−(1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−[2−(ピリジン−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−[2−(ピリミジン−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−[2−(キノリン−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−[2−(2−トリフルオロメチル−キノリン−4−イルアミノ)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−[2−(3−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−[2−(4−モルホリン−4−イルメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−[2−(4−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−[2−(4−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−[2−(4−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−プロピルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−[2−(5−シアノ−ピリジン−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−[2−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−[2−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−プロピルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−[2−(6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,6]ナフチリジン−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−[2−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−エチル]−アミノ−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−[2−(7−トリフルオロメチル−キノリン−4−イルアミノ)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−[2−(8−トリフルオロメチル−キノリン−4−イルアミノ)−エチルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、
8−フルオロ−4−[3−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−プロピルアミノ]−2H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン、または、
1−オキソ−4−[2−(4−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−1,2−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]キノキサリン−7−カルボン酸メチルエステル、
からなる群から選ばれる、請求項1に記載の化合物、そのプロドラッグ、または、該化合物または該プロドラッグの薬学的に許容できる塩。
【請求項5】
請求項1の化合物、そのプロドラッグ、または該化合物または該プロドラッグの薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容できる担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項6】
哺乳類における、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3が介在する状態、疾病、または症状を治療する方法において、そのような治療を要する哺乳類に、治療的に有効な量の請求項1の化合物、そのプロドラッグ、または該化合物または該プロドラッグの薬学的に許容できる塩、あるいは、式(I)の化合物、そのプロドラッグ、または該化合物またはプロドラッグの薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物、および、薬学的に許容できる担体、賦形剤、または希釈剤を投与することを含む方法。
【請求項7】
前記状態、疾病、または症状が、アルツハイマー病、喘息、アテローム性動脈硬化症、不安障害、双極性障害、がん、糖尿病、痴呆、抑うつ症、脆弱化、脱毛症、心不全、本態性高血圧症、高血糖症、高脂血症、低血糖症、炎症、虚血、および男性の繁殖可能性および精子の運動性、気分障害、神経細胞死、肥満、強迫神経症、多嚢性卵巣異常、精神分裂症(統合失調症)、脳卒中、シンドロームX、または外傷性脳損傷である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記状態、疾病、または症状が、糖尿病である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3活性を抑制するある量の請求項1の化合物、そのプロドラッグ、または該化合物または該プロドラッグの薬学的に許容できる塩、または、式(I)の化合物、そのプロドラッグ、または該化合物またはプロドラッグの薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容できる担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物を投与することを含む、そのような治療を要する哺乳類におけるグリコーゲンシンターゼキナーゼ−3活性の抑制方法。
【請求項10】
ある量の請求項1の化合物、ある量の1つまたはそれ以上の(i)抗血管新生剤、(ii)シグナル伝達阻害薬、(iii)抗増殖剤、(iv)NK−1受容体拮抗薬、(v)5HT1D受容体拮抗薬、(vi)選択性セロトニン再取込阻害薬、(vii)抗精神病薬、(viii)アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、(ix)神経保護剤、(x)組織プラスミノーゲン活性化剤、(xi)好中球阻害因子、または(xii)カリウムチャネル調節剤、および、薬学的に許容できる担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項11】
(i)前記抗血管新生剤が、セレコキシブ(celecoxib)、バルデコキシブ(valdecoxib)、またはロフェコキシブ(rofecoxib)であり、(ii)前記シグナル伝達阻害薬が、表皮成長因子受容体反応阻害薬、血管内皮細胞増殖因子阻害薬、またはerbB2受容体阻害薬であり、(iii)前記選択性セロトニン再取込阻害薬が、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、フルボキサミン、ベンラファキシン、ネファゾドン、または、ブプロピオンであり、(iv)前記抗精神病薬は、ジプラシドン、オランザピン、リスペリドン、ソネピプラゾール、または、ゲピロン(gepirone)であり、(v)前記アセチルコリンエステラーゼ阻害薬が、ドネペジル、リバスチグミン、メトリホナート、フィソスチグミン、または、タクリンであり、(vi)前記神経保護剤は、NMDA受容体拮抗薬である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
哺乳類における、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3が介在する状態、疾病、または症状を治療する方法において、そのような治療を要する哺乳類に、請求項10の組成物の治療的に有効な量を投与することを含む方法。
【請求項13】
前記状態、疾病、または症状が、アルツハイマー病、喘息、アテローム性動脈硬化症、不安障害、双極性障害、がん、糖尿病、痴呆、抑うつ症、脆弱化、脱毛症、心不全、本態性高血圧症、高血糖症、高脂血症、低血糖症、炎症、虚血、男性の繁殖可能性および精子の運動性、気分障害、神経細胞死、肥満、強迫神経症、多嚢性卵巣異常、精神分裂症(統合失調症)、脳卒中、シンドロームX、および外傷性脳損傷である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記状態、疾病、または症状は、糖尿病である、請求項13に記載の方法。

【公表番号】特表2006−521343(P2006−521343A)
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506368(P2006−506368)
【出願日】平成16年3月15日(2004.3.15)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000835
【国際公開番号】WO2004/085439
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】