説明

自動車の追従走行システム

【課題】
自車両と前方車両との目標車間距離を維持しながら自車両を前方車両に追従走行させる自動車の追従走行システムにおいて、自車両の走行環境に適合した目標車間距離を迅速・確実に設定することを課題とする。
【解決手段】
追従走行システムは、自車両と前方車両との目標車間距離の設定に用いる補正係数を道路毎及び月日時刻毎の過去の交通情報に基いて生成する生成部22aと、前記補正係数を道路毎及び月日時刻毎に記録する記録部22bと、自車両が走行中の道路を検出するナビゲーションシステム20と、現在の月日時刻を検出するコントロールユニット10とを有し、前記目標車間距離は、前記記録部22bで記録されている補正係数のうちナビゲーションシステム20で検出された道路及びコントロールユニット10で検出された月日時刻に該当する補正係数を用いて設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両と前方車両との目標車間距離を維持しながら自車両を前方車両に追従走行させる自動車の追従走行システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載カメラで自車両の前方車両を認識し、レーダで自車両と前方車両との車間距離を検出して、自車両と前方車両との実車間距離が所定の目標車間距離に維持されるように自車両を前方車両に追従走行させる自動車の追従走行システムが知られている。そして、近年、そのような追従走行システムにおいて、自車両の走行環境により適合した目標車間距離の設定を図る様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1には、自車両が走行中の道路の閑散度合いを判定し、閑散度合いが大きいときは目標車間距離を長い値に設定する技術が開示されている。その場合に、前記閑散度合いは、例えば車車間通信により前方車両から取得し得る前方車両と前々方車両との車間距離や、自車両の後方レーダで検出し得る自車両と後方車両との車間距離、あるいは外部の道路交通情報の提供組織から取得し得る現在の道路交通情報等に基いて判定される。
【特許文献1】特開2004−268644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来技術では、自車両が走行中の道路の閑散度合いを判定するために、その都度、前方車両と車車間通信を行ったり、後方レーダで後方車間距離を検出したり、外部から現在の道路交通情報を取得しなければならず、迅速に目標車間距離を設定することが困難であるという問題がある。また、道路交通情報を提供する側においても、道路交通情報を提供するためにはまず現状の実情報を収集して編集する時間が必要であるから、車両の側から最新情報の要求をしても直ぐには最新情報が提供されないという可能性もあり、その場合は、自車両の走行環境に適合した目標車間距離を設定することができなくなる。
【0004】
本発明は、自動車の追従走行システムにおける前記不具合に対処するもので、自車両の走行環境に適合した目標車間距離を迅速・確実に設定することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、前記課題を解決するため、本願の請求項1に記載の発明は、自車両の前方車両を認識する前方車両認識手段と、自車両と前方車両との目標車間距離を設定する目標車間距離設定手段と、前記前方車両認識手段で認識された前方車両と自車両との車間距離を検出する車間距離検出手段と、該車間距離検出手段で検出された車間距離が前記目標車間距離設定手段で設定された目標車間距離に維持されるように自車両の車速を制御する車速制御手段とを備える自動車の追従走行システムであって、前記目標車間距離設定手段が目標車間距離を設定する際に用いる補正係数を道路毎及び月日時刻毎の過去の交通情報に基いて生成する補正係数生成手段と、該生成手段で生成された補正係数を道路毎及び月日時刻毎に記録する補正係数記録手段と、自車両が走行中の道路を検出する道路検出手段と、現在の月日時刻を検出する月日時刻検出手段とが設けられ、前記目標車間距離設定手段は、前記補正係数記録手段で記録されている補正係数のうち前記道路検出手段で検出された道路及び前記月日時刻検出手段で検出された月日時刻に該当する補正係数を用いて目標車間距離を設定することを特徴とする。
【0006】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の自動車の追従走行システムにおいて、前記目標車間距離設定手段は、自車両の速度が大きくなるに従って値が大きくなる第1の項と、自車両の速度が前方車両の速度よりも小さくなるに従って値が小さくなる第2の項との加算値を、所定の定数で乗算することにより目標車間距離を設定するものであり、前記補正係数生成手段は、前記第1の項の定数を補正するための第1の補正係数と、前記第2の項の定数を補正するための第2の補正係数と、前記所定の定数を補正するための第3の補正係数とを生成することを特徴とする。
【0007】
次に、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の自動車の追従走行システムにおいて、自車両の前々方車両を認識する前々方車両認識手段と、前記前々方車両認識手段で認識された前々方車両と前記前方車両認識手段で認識された前方車両との車間距離を検出する第2の車間距離検出手段とがさらに設けられ、前記目標車間距離設定手段は、前記第2の車間距離検出手段で検出された前方車両と前々方車両との車間距離が所定の判定距離よりも短くなったときは、前記第1の項と、前記第2の項と、前記車間距離が前記判定距離よりも短くなるに従って値が大きくなる第3の項との加算値を、所定の定数で乗算することにより目標車間距離を設定するものであり、前記補正係数生成手段は、前記第3の項の定数を補正するための第4の補正係数も生成することを特徴とする。
【0008】
次に、請求項4に記載の発明は、前記請求項2又は3に記載の自動車の追従走行システムにおいて、前記補正係数生成手段は、過去の交通情報が平均時速の大きいことを示すときは、小さいことを示すときよりも、第1の項の値が大きくなるように前記第1の補正係数を生成し、第2の項の値が小さくなるように前記第2の補正係数を生成し、目標車間距離が長くなるように前記第3の補正係数を生成し、第3の項の値が大きくなるように前記第4の補正係数を生成することを特徴とする。
【0009】
次に、請求項5に記載の発明は、前記請求項2から4のいずれかに記載の自動車の追従走行システムにおいて、前記補正係数生成手段は、過去の交通情報が平均渋滞程度の大きいことを示すときは、小さいことを示すときよりも、第1の項の値が小さくなるように前記第1の補正係数を生成し、第2の項の値が小さくなるように前記第2の補正係数を生成し、目標車間距離が短くなるように前記第3の補正係数を生成し、第3の項の値が小さくなるように前記第4の補正係数を生成することを特徴とする。
【0010】
次に、請求項6に記載の発明は、前記請求項2から5のいずれかに記載の自動車の追従走行システムにおいて、前記補正係数生成手段は、過去の交通情報が平均車間距離の長いことを示すときは、短いことを示すときよりも、第1の項の値が大きくなるように前記第1の補正係数を生成し、第2の項の値が大きくなるように前記第2の補正係数を生成し、目標車間距離が長くなるように前記第3の補正係数を生成し、第3の項の値が大きくなるように前記第4の補正係数を生成することを特徴とする。
【0011】
次に、請求項7に記載の発明は、前記請求項2から6のいずれかに記載の自動車の追従走行システムにおいて、前記補正係数生成手段は、過去の交通情報が渋滞発生頻度の大きいことを示すときは、小さいことを示すときよりも、第1の項の値が小さくなるように前記第1の補正係数を生成し、第2の項の値が小さくなるように前記第2の補正係数を生成し、目標車間距離が短くなるように前記第3の補正係数を生成し、第3の項の値が小さくなるように前記第4の補正係数を生成することを特徴とする。
【0012】
次に、請求項8に記載の発明は、前記請求項1から7のいずれかに記載の自動車の追従走行システムにおいて、自車両が走行中の場所の天候を検出する天候検出手段がさらに設けられ、前記目標車間距離設定手段は、前記補正係数記録手段で記録されている補正係数を用いると共に、前記天候検出手段で検出された天候に応じて目標車間距離を設定することを特徴とする。
【0013】
次に、請求項9に記載の発明は、前記請求項1から8のいずれかに記載の自動車の追従走行システムにおいて、自車両が走行中の場所のイベントを検出するイベント検出手段がさらに設けられ、前記目標車間距離設定手段は、前記補正係数記録手段で記録されている補正係数を用いると共に、前記イベント検出手段で検出されたイベントに応じて目標車間距離を設定することを特徴とする。
【0014】
次に、請求項10に記載の発明は、前記請求項1から9のいずれかに記載の自動車の追従走行システムにおいて、前記補正係数記録手段は、自車両と情報通信可能なサービスセンターに備えられていることを特徴とする。
【0015】
そして、請求項11に記載の発明は、前記請求項1から9のいずれかに記載の自動車の追従走行システムにおいて、前記補正係数記録手段は、自車両に備えられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
まず、請求項1に記載の自動車の追従走行システムによれば、予め、道路毎及び月日時刻毎の過去の交通情報に基いて、目標車間距離を設定する際に用いる補正係数を生成しておき、該補正係数を、道路毎及び月日時刻毎に記録しておくようにしたから、目標車間距離を自車両の走行環境に適合するように設定しようとしたときには、すでに生成されている前記補正係数を用いて目標車間距離を道路毎及び月日時刻毎に迅速かつ確実に設定することが可能となる。
【0017】
その場合に、請求項2に記載の追従走行システムによれば、前記補正係数の具体例が示され、自車両の速度が大きくなるに従って値が大きくなる第1の項の定数(車速依存定数)を補正するための第1の補正係数と、自車両の速度が前方車両の速度よりも小さくなるに従って値が小さくなる第2の項の定数(制御感度定数)を補正するための第2の補正係数と、これら第1の項と第2の項との加算値を乗算するときの所定の定数(車間距離調整定数)を補正するための第3の補正係数とが生成されるから、複合的な観点から緻密に計算された目標車間距離が得られる。
【0018】
また、その場合に、請求項3に記載の追従走行システムによれば、前方車両と前々方車両との車間距離が所定の判定距離よりも短くなった場合に追加される補正係数の具体例が示され、前記車間距離が前記判定距離よりも短くなるに従って値が大きくなる第3の項の定数(延長距離定数)を補正するための第4の補正係数が生成されるから、この場合も、複合的な観点から緻密に計算された目標車間距離が得られる。
【0019】
次に、請求項4に記載の追従走行システムによれば、前記第1ないし第4の補正係数の傾向が具体化され、過去の交通情報が平均時速の大きいことを示すときは、小さいことを示すときよりも、第1の項の値が大きくなり、第2の項の値が小さくなり、目標車間距離が長くなり、第3の項の値が大きくなるように、第1ないし第4の補正係数が生成されるから、過去の交通情報が示す平均時速に適合した目標車間距離が設定される。
【0020】
次に、請求項5に記載の追従走行システムによれば、前記第1ないし第4の補正係数の別の傾向が具体化され、過去の交通情報が平均渋滞程度の大きいことを示すときは、小さいことを示すときよりも、第1の項の値が小さくなり、第2の項の値が小さくなり、目標車間距離が短くなり、第3の項の値が小さくなるように、第1ないし第4の補正係数が生成されるから、過去の交通情報が示す平均渋滞程度に適合した目標車間距離が設定される。
【0021】
次に、請求項6に記載の追従走行システムによれば、前記第1ないし第4の補正係数のさらに別の傾向が具体化され、過去の交通情報が平均車間距離の長いことを示すときは、短いことを示すときよりも、第1の項の値が大きくなり、第2の項の値が大きくなり、目標車間距離が長くなり、第3の項の値が大きくなるように、第1ないし第4の補正係数が生成されるから、過去の交通情報が示す平均車間距離に適合した目標車間距離が設定される。
【0022】
次に、請求項7に記載の追従走行システムによれば、前記第1ないし第4の補正係数のさらにまた別の傾向が具体化され、過去の交通情報が渋滞発生頻度の大きいことを示すときは、小さいことを示すときよりも、第1の項の値が小さくなり、第2の項の値が小さくなり、目標車間距離が短くなり、第3の項の値が小さくなるように、第1ないし第4の補正係数が生成されるから、過去の交通情報が示す渋滞発生頻度に適合した目標車間距離が設定される。
【0023】
一方、請求項8に記載の追従走行システムによれば、道路毎及び月日時刻毎の前記補正係数を用いて目標車間距離を設定すると共に、自車両が走行中の場所の天候に応じて目標車間距離を設定するようにしたから、自車両の走行環境により一層適合した目標車間距離が設定されることとなる。
【0024】
同様に、請求項9に記載の追従走行システムによれば、道路毎及び月日時刻毎の前記補正係数を用いて目標車間距離を設定すると共に、自車両が走行中の場所のイベントに応じて目標車間距離を設定するようにしたから、これによっても、自車両の走行環境により一層適合した目標車間距離が設定されることとなる。
【0025】
次に、請求項10に記載の追従走行システムによれば、道路毎及び月日時刻毎の前記補正係数をサービスセンターの側で記録するようにしたから、より細分化され、より広範囲をカバーする、多くの補正係数を予め生成して記録しておくことができ、汎用性に富むようになる。
【0026】
一方、請求項11に記載の追従走行システムによれば、道路毎及び月日時刻毎の前記補正係数を自車両の側で記録するようにしたから、目標車間距離を自車両の走行環境に適合するように設定しようとしたときに、例えばサービスセンターとの通信障害等を心配することなく、安全・確実に目標車間距離を道路毎及び月日時刻毎に設定することができる。以下、発明の実施形態を通して本発明をさらに詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1は、本実施形態に係る自動車の追従走行システム1の各構成要素のレイアウト図である。この追従走行システム1は、自車両Wに搭載されて、自車両Wと前方車両Wfとの車間距離及び自車両Wと前々方車両Wffとの車間距離を検出するためのレーダ11と、同じく自車両Wに搭載されて、自車両Wの前方空間を撮像して前方車両Wf及び前々方車両Wffを認識するためのカメラ12とを含んでいる。
【0028】
また、この追従走行システム1は、自車両Wに搭載されて、車車間通信により、自車両Wの周囲に存在する他の車両から送信されてくる信号を受信したり、逆に、自車両Wの周囲に存在する他の車両へ信号を発信するための車車間通信用アンテナ13と、同じく自車両Wに搭載されて、路車間通信により、道路側方に設けられたアンテナ(図示せず)と信号の遣り取りを行うための路車間通信用アンテナ14と、同じく自車両Wに搭載されて、自車両Wの前方に存在する前方車両Wfのナンバープレートに内蔵されたIDタグ(このようなナンバープレートをスマートプレートという)から送信されてくる信号を受信するためのスマートプレート信号受信用アンテナ15とを含んでいる。
【0029】
また、この追従走行システム1は、自車両Wに搭載されて、自車両Wの操舵角を検出するための舵角センサ16の他、自車両Wのスロットルアクチュエータ17、ブレーキアクチュエータ18及びステアリングアクチュエータ19を含んでいる。さらに、この追従走行システム1は、自車両Wに搭載されたナビゲーションシステム20及びテレマティクス送受信機21を含むと共に、該テレマティクス送受信機21を介して自車両Wと双方向に情報通信が可能な外部の情報提供組織としてのサービスセンター22を含んでいる。
【0030】
図2は、この追従走行システム1のコントロールユニット10を中心とした制御システム図である。コントロールユニット10は、レーダ11からの信号と、カメラ12からの信号と、車車間通信用アンテナ13からの信号と、路車間通信用アンテナ14からの信号と、スマートプレート信号受信用アンテナ15からの信号と、舵角センサ16からの信号と、ナビゲーションシステム20からの信号と、テレマティクス送受信機21からの信号とを入力し、これらの信号に基いて、スロットルアクチュエータ17、ブレーキアクチュエータ18及びステアリングアクチュエータ19に制御信号を出力する。
【0031】
また、コントロールユニット10は、車車間通信用アンテナ13及び路車間通信用アンテナ14を介して自車両Wに関する情報を周囲に送信する。さらに、コントロールユニット10は、テレマティクス送受信機21を介して自車両Wに関する情報をサービスセンター22に送信し、逆に、後述する補正係数κ1〜κ4に関する情報をテレマティクス送受信機21を介してサービスセンター22から受信する。
【0032】
ここで、コントロールユニット10は、自車両Wと前方車両Wfとの目標車間距離Ltを設定する目標車間距離設定部10aを有し、サービスセンター22は
、該目標車間距離設定部10aが目標車間距離Ltを設定する際に用いる補正係数κ1〜κ4を道路毎及び月日時刻毎の過去の交通情報に基いて生成する補正係数生成部22aと、該生成部22aで生成された補正係数κ1〜κ4を道路毎及び月日時刻毎に記録する補正係数記録部22bとを有している。
【0033】
本実施形態では、図3に示すように、自車両Wと前方車両Wfとの車間距離(第1車間距離)L1、及び前方車両Wfと前々方車両Wffとの車間距離(第2車間距離)L2が重要である。第1車間距離L1は、前述したように、レーダ11で検出できる。第2車間距離L2は、自車両Wと前々方車両Wffとの車間距離から、第1車間距離L1と前方車両Wfの全長Lfとを減算することにより、検出できる(コントロールユニット10の動作)。ここで、自車両Wと前々方車両Wffとの車間距離は、レーダ11としてミリ波レーダを用いると、前述したように、該レーダ11で検出できる。というのは、図示したように、ミリ波は、前方車両Wfのフロアの下の路面で反射して前々方車両Wffに到達し、跳ね返ってくるからである。
【0034】
ここで、前方車両Wfが大型車の場合は、ギクシャクした挙動を起こし難いから、前方車両Wfの全長Lfを一律5m等として計算してもよいが、車車間通信により、前方車両Wfから直接前方車両Wfの全長Lfに関する情報を取得してもよい。あるいは、車車間通信により、前方車両Wfから直接第2車間距離L2に関する情報を取得することもできる。その場合は、レーダ11としてミリ波レーダ以外のレーダ、例えば、光、電波、超音波等を利用した各種レーダも用いることができる。
【0035】
また、図4に示すように、カーブを走行中に前方車両Wfの全長Lfを検出することも可能である。すなわち、舵角センサ16により自車両Wがカーブを走行していることが検出されているときに(図例は、前輪30、30の向きから、左カーブの走行中を示す)、レーダ11を用いて、前方車両Wfの内輪側の前端Fと自車両Wとの距離D2、前方車両Wfの内輪側の後端Rと自車両Wとの距離D1、及び、前方車両Wfの内輪側の前端Fと自車両Wとを結ぶ直線と、前方車両Wfの内輪側の後端Rと自車両Wとを結ぶ直線とで挟まれた角度Θを検出する。点Rから線D2に垂線を下ろし、交点をPとする。すると、前方車両Wfの全長Lfは、数1で表され、ここでFP,PRは、数2、数3で表されるから、結局、前方車両Wfの全長Lfは、数4で表されることとなり、前記距離D1,D2及び前記角度Θに基いて前方車両Wfの全長Lfを検出することが可能となる(コントロールユニット10の動作)。また、これに準じて、前方車両Wfと前々方車両Wffとの第2車間距離L2をカーブを走行中に検出することも可能である。
【0036】
【数1】

【0037】
【数2】

【0038】
【数3】

【0039】
【数4】

【0040】
また、前方車両Wfのナンバープレートに表示されている内容から前方車両Wfの全長Lfを検出することも可能である。すなわち、カメラ12を用いて、前方車両Wfのナンバープレート(図示せず)を撮像し、例えば、ナンバーが「1x」であれば、大型車(大型貨物、トラック)であると判断できるので、前方車両Wfの全長Lfを例えば12m等に設定し、ナンバーが「3x」であれば、普通車であると判断できるので、前方車両Wfの全長Lfを例えば5m等に設定し、ナンバーが「5x」であれば、小型車であると判断できるので、前方車両Wfの全長Lfを例えば4.5m等に設定する。これに準じて、ナンバーが「2x」(大型バス)、「4x」(小型貨物)、「6x」(小型貨物)、「7x」(小型普通車、バス)、「8x」(キャンピングカー等の特殊用途車)、「9x」(大型特殊)、「0x」(大型特殊)のときも、同様に、前方車両Wfの全長Lfを設定することが可能である。また、ナンバーが黄色又は黒色であれば、軽自動車であると判断できるので、前方車両Wfの全長Lfを例えば3.4m等に設定する。
【0041】
さらには、前方車両Wfのナンバープレートに内蔵されたIDタグから送信されてくる信号(スマートプレート信号)に基いて前方車両Wfの全長Lfを検出することも可能である。すなわち、スマートプレート信号受信用アンテナ15を用いて、前記スマートプレート信号を受信し、該信号に含まれるナンバー、全長、全幅、全高等の車両緒元情報から前方車両Wfの全長Lfを取得することができる。
【0042】
コントロールユニット10は、図5に示すように、前方車両Wfと前々方車両Wffとの第2車間距離L2が所定の判定距離Lmよりも長いとき、すなわち前方車両Wfがギクシャク運転をしそうな状況にないとき(通常時)は、自車両Wと前方車両Wfとの目標車間距離Ltとして、数5に従い、第1の目標車間距離Lt(i)を設定する。
【0043】
【数5】

【0044】
ここで、Aは車速依存定数、Bは制御感度定数、Cは車間距離調整定数であり、κ1は前記車速依存定数Aを補正するための第1の補正係数、κ2は前記制御感度定数Bを補正するための第2の補正係数、κ3は前記車間距離調整定数Cを補正するための第3の補正係数である。このとき、各補正係数κ1〜κ3の基準値は「1」である。また、停止車間距離Lxとは、自車両W及び前方車両Wfの停止時にとるべき車間距離のことである。
【0045】
A項(特許請求の範囲における「第1の項」)の関数f(v)は、例えば、k・vとすることができる。その場合に、kは、車両重量に比例する比例定数であり、乗員数や積載量に応じて補正される(より詳しくは、乗員数や積載量が多いほど大きな値に補正される)。
【0046】
また、B項(特許請求の範囲における「第2の項」)の関数g(vf−v)は、例えば、h・(vf−v)とすることができる。その場合に、hは、0(零)未満の負の値の比例定数である。したがって、前方車両速度vfが自車両速度vよりも大きくなるほど(自車両Wが前方車両Wfから離間する傾向にあるほど)、B項の値がマイナス側に大きくなり、第1の目標車間距離Lt(i)は小さい値に設定される。その結果、車間距離偏差ΔL(次に説明するように、実車間距離L1と目標車間距離Ltとの偏差ΔL(=L1−Lt)をいう)が見かけ上大きくされることとなる。逆に、自車両速度vが前方車両速度vfよりも大きくなるほど(自車両Wが前方車両Wfに接近する傾向にあるほど)、B項の値がプラス側に大きくなり、第1の目標車間距離Lt(i)は大きな値に設定される。その結果、車間距離偏差ΔL(=L1−Lt)が見かけ上小さくされることとなる。このことは、いずれにおいても、車間距離偏差ΔLが見かけ上絶対値で大きくされることとなり、自車両Wと前方車両Wfとの相対速度差(vf−v)に応じて目標車間距離Ltへの自車両W位置の収束を早めるように働く。
【0047】
それゆえ、(B・κ2)の値が小さくなるに従い、自車両Wと前方車両Wfとの相対速度差(vf−v)に応じて目標車間距離Ltへの自車両W位置の収束が早まるという前記効果が低減することとなる。換言すれば、自車両Wの車速制御感度が鈍化されることとなる。
【0048】
なお、前記判定距離Lmとしては、例えば、{(A・κ1)・f(v)+Lx)}等とすることができる。
【0049】
また、コントロールユニット10は、通常時は、車速制御特性qとして、図6に示す第1車速制御特性q(i)を用いる。この車速制御特性qは、一般に、実車間距離L1と目標車間距離Ltとの偏差ΔL(=L1−Lt)に対する自車両Wの車速制御量の値を示すもので、原点、すなわち前記車間距離偏差ΔLが0のときは車速制御量は0となる。そして、前記車間距離偏差ΔLがプラス側に大きくなるに従い、つまり自車両Wが前方車両Wfから離間していくに従い、車速制御量はプラス側、つまり加速側に大きくなる。逆に、前記車間距離偏差ΔLがマイナス側に大きくなるに従い、つまり自車両Wが前方車両Wfに接近していくに従い、車速制御量はマイナス側、つまり減速側に大きくなる。なお、この第1車速制御特性q(i)は、後述する第2車速制御特性q(ii)と共に、予め、例えばコントロールユニット10の記録装置(メインメモリ等)に登録・格納されている。
【0050】
その場合に、符号アで示すように、前記車間距離偏差ΔLが離間側にγ1になるまで及び接近側にγ2になるまで車速制御量が0とされる不感帯が設けられている。また、符号イで示すように、前記車間距離偏差ΔLが前記不感帯アを超えて比較的小さい間は車速制御量の増分・減分が比較的小さい緩応答帯が設けられている。そして、符号ウで示すように、前記車間距離偏差ΔLが前記緩応答帯イを超えて比較的大きくなると車速制御量の増分・減分が比較的大きい急応答帯が設けられている。
【0051】
次に、コントロールユニット10は、図7に示すように、前方車両Wfと前々方車両Wffとの第2車間距離L2が所定の判定距離Lmよりも短いとき、すなわち前方車両Wfがギクシャク運転をしそうな状況にあるとき(接近時)は、自車両Wと前方車両Wfとの目標車間距離Ltとして、数6に従い、第2の目標車間距離Lt(ii)を設定する。
【0052】
【数6】

【0053】
明らかなように、第1の目標車間距離Lt(i)に比べて、{(D・κ4)・(Lm−L2)}というD項(特許請求の範囲における「第3の項」)が追加されている。つまり、第2目標車間距離Lt(ii)はD項の分だけ延長されている。ここで、Dは、延長距離定数であり、κ4は該延長距離定数Dを補正するための第4の補正係数である。このとき、補正係数κ4の基準値は「1」である。そして、このD項の値{(D・κ4)・(Lm−L2)}は、第2車間距離L2が判定距離Lmよりも短くなった後、第2車間距離L2が短くなるに従い、徐々に大きくなっていく。換言すれば、第2目標車間距離Lt(ii)が徐々に延長されることとなる。
【0054】
また、コントロールユニット10は、接近時は、車速制御特性qとして、図8に示す第2車速制御特性q(ii)を用いる。この第2車速制御特性q(ii)は、第1車速制御特性q(i)と比べると(図中点線で示す)、車間距離偏差ΔLがプラス側、つまり離間側において、不感帯アがγ3まで拡大されている。すなわち、自車両Wの車速制御の開始がより一層遅延されて、自車両Wの車速制御感度が鈍化されている。併せて、同じく、車間距離偏差ΔLがプラス側、つまり離間側において、緩応答帯イ及び急応答帯ウのいずれも、車速制御量の増分・減分が小さくされている。すなわち、自車両Wの車速制御量が低減されて、自車両Wの車速制御感度が鈍化されている。
【0055】
図9は、サービスセンター22のデータベース(図示せず)に蓄積されている道路毎及び月日時刻毎の過去の交通情報をテーブル形式で編纂したデータである。図例は、道路区間が、「広島市中区の国道2号の△△交差点と□□交差点との間の区間の東行き」の場合であり、過去5年の「1月」の平均データであり、「日」としては、日付けではなく曜日毎のデータであり、「時刻」としては、1日を3時間毎に8つに区切っている。サービスセンター22には、このような交通情報の過去データが道路毎及び月日時刻毎に多数量蓄積されている。
【0056】
図10は、サービスセンター22のデータベースに登録されている補正量一覧(基本)をテーブル形式で編纂したデータである。ここで、補正量が「0」(零)であれば、前記補正係数κ1〜κ4は補正されず、基準値「1」のままとされる。これに対し、補正量が「0.1」等、プラス側にあれば、前記補正係数κ1〜κ4は「1.1」等、プラス側に増大される。その結果、第1補正係数κ1が「1」より大きくなることにより、車速依存定数Aが増大され、A項の値が増加される。また、第2補正係数κ2が「1」より大きくなることにより、制御感度定数Bが増大され、B項の値が、自車両Wが前方車両Wfから離間する傾向にあるときは、マイナス側に増加され、自車両Wが前方車両Wfに接近する傾向にあるときには、プラス側に増加される。このことは、いずれにおいても、自車両Wの車速制御感度の増大をもたらす。また、第3補正係数κ3が「1」より大きくなることにより、車間距離調整定数Cが増大され、目標車間距離Ltの値が増加される。そして、第4補正係数κ4が「1」より大きくなることにより、延長距離定数Dが増大され、D項の値が増加される。一方、補正量が「−0.1」等、マイナス側にあれば、前記補正係数κ1〜κ4は「0.9」等、マイナス側に減少される。その結果、第1補正係数κ1が「1」より小さくなることにより、車速依存定数Aが減少され、A項の値が低減される。また、第2補正係数κ2が「1」より小さくなることにより、制御感度定数Bが減少され、B項の値が、自車両Wが前方車両Wfから離間する傾向にあるときは、マイナス側で低減され、自車両Wが前方車両Wfに接近する傾向にあるときには、プラス側で低減される。このことは、いずれにおいても、自車両Wの車速制御感度の減少をもたらす。また、第3補正係数κ3が「1」より小さくなることにより、車間距離調整定数Cが減少され、目標車間距離Ltの値が低減される。そして、第4補正係数κ4が「1」より小さくなることにより、延長距離定数Dが減少され、D項の値が低減される。
【0057】
過去の交通情報としては、基本的に、平均時速、平均渋滞程度、平均車間距離及び渋滞発生頻度の4種類のデータが含まれている。平均時速は、道路区間の距離と通過所要時間とから求められ、「60km/h以上」、「30〜60km/h」、「30km/h以下」の3ランクに区分されている。平均渋滞程度は、道路や区間の違いに関係なく全国一律条件で評価され、「渋滞」(例えば平均時速が制限速度の2割未満)、「混雑」(同2割以上5割未満)、「渋滞無し」(同5割以上)及び「不明」の4ランクに区分されている。「不明」の場合は補正量は「0」とされている。すなわち補正係数κ1〜κ4は補正されず、基準値「1」のままとされる。平均車間距離は、システム搭載車(プローブ車)からサービスセンター22へ送信される車間距離情報から求められ、「長」(標準の目標車間距離より長い:例えば10m以上)及び「短」(標準の目標車間距離より短い:例えば10m以下)の2ランクに区分されている。渋滞発生頻度は、統計上の単位時間割合で求められ、「高」(例えば渋滞が8割以上の時間を占める)、「中」(同5割以上8割未満の時間を占める)及び「低」(同5割未満の時間を占める)の3ランクに区分されている。これらの各交通情報は、例えば、バンドパス処理やイベント(工事や事故を含む)除外処理をし、近年ほど重み付けを大きくした加重平均処理をしている。
【0058】
そして、図10から明らかなように、過去の交通情報が平均時速の大きいことを示すときは、小さいことを示すときよりも、A項の値が大きくなるように第1の補正係数κ1が生成され、B項の値が小さくなるように(自車両Wが前方車両Wfから離間する傾向にある場合)第2の補正係数κ2が生成され、目標車間距離Ltが長くなるように第3の補正係数κ3が生成され、D項の値が大きくなるように第4の補正係数κ4が生成されるようになっている。
【0059】
また、図10から明らかなように、過去の交通情報が平均渋滞程度の大きいことを示すときは、小さいことを示すときよりも、A項の値が小さくなるように第1の補正係数κ1が生成され、B項の値が小さくなるように(自車両Wが前方車両Wfから離間する傾向にある場合)第2の補正係数κ2が生成され、目標車間距離Ltが短くなるように第3の補正係数κ3が生成され、D項の値が小さくなるように第4の補正係数κ4が生成されるようになっている。
【0060】
同様に、図10から明らかなように、過去の交通情報が平均車間距離の長いことを示すときは、短いことを示すときよりも、A項の値が大きくなるように第1の補正係数κ1が生成され、B項の値が大きくなるように(自車両Wが前方車両Wfから離間する傾向にある場合)第2の補正係数κ2が生成され、目標車間距離Ltが長くなるように第3の補正係数κ3が生成され、D項の値が大きくなるように第4の補正係数κ4が生成されるようになっている。
【0061】
さらに、図10から明らかなように、過去の交通情報が渋滞発生頻度の大きいことを示すときは、小さいことを示すときよりも、A項の値が小さくなるように第1の補正係数κ1が生成され、B項の値が小さくなるように(自車両Wが前方車両Wfから離間する傾向にある場合)第2の補正係数κ2が生成され、目標車間距離Ltが短くなるように第3の補正係数κ3が生成され、D項の値が小さくなるように第4の補正係数κ4が生成されるようになっている。
【0062】
さらに、図10から明らかなように、走行中の道路が高速道のときは、一般道のときよりも、A項の値が大きくなるように第1の補正係数κ1が生成され、B項の値が小さくなるように(自車両Wが前方車両Wfから離間する傾向にある場合)第2の補正係数κ2が生成され、目標車間距離Ltが長くなるように第3の補正係数κ3が生成され、D項の値が大きくなるように第4の補正係数κ4が生成されるようになっている。
【0063】
そして、図11は、サービスセンター22の補正係数記録部22bに記録されている道路毎及び月日時刻毎の補正係数κ1〜κ4をテーブル形式で編纂したデータである。図例は、図9に対応させて、道路区間が、「広島市中区の国道2号の△△交差点と□□交差点との間の区間の東行き」の場合であり、「1月」の各補正係数κ1〜κ4の値であり、「日」としては、日付けではなく曜日毎の値であり、「時刻」としては、1日を3時間毎に8つに区切っている。サービスセンター22には、このような補正係数のデータが道路毎及び月日時刻毎に多数量蓄積されている。なお、ここに記録されている補正係数κ1〜κ4の値は、図10に例示した補正量の総和である。
【0064】
次に、図12のフローチャートに従って、前記コントロールユニット10が行う追従走行制御の具体的動作の1例を説明する。まず、ステップS1で、各種信号を入力した後、ステップS2で、現在走行中の道路をナビゲーションシステム20からの信号に基いて検出し、かつ現在月日時刻を検出して、これらの現在走行中の道路及び現在月日時刻をサービスセンター22に送信し、これらの道路及び月日時刻に該当する補正係数を、前記図11に示すようにサービスセンター22の補正係数記録部22bに記録されているものの中から抽出して、自車両Wに送信することをサービスセンター22に要求する。
【0065】
そして、ステップS3で、サービスセンター22から補正係数が送信されてきたと判定されたときは、ステップS4に進んで、前方車両Wfの有無を判定する。前方車両Wfが無いときは、ステップS5で、目標車間距離Ltの設定を行わず、ステップS6で、目標車速制御量の設定も行わないまま、リターンする。
【0066】
一方、前記ステップS4で前方車両Wfが有るときは、ステップS7で、前々方車両Wffの有無を判定する。また、ステップS8で、前方車両Wfと前々方車両Wffとの第2車間距離L2が判定距離Lmよりも長いか否かを判定する。その結果、前々方車両Wffが無いとき、及び、前々方車両Wffは有るが、第2車間距離L2が判定距離Lmよりも長いとき(図5、図6参照)は、ステップS9で、サービスセンター22から送信されてきた補正係数を用いて、目標車間距離Ltを第1目標車間距離Lt(i)に設定し、ステップS10で、車間距離偏差ΔL(i)を算出し、ステップS11で、目標車速制御量を第1車速制御特性q(i)により設定する(この詳しい動作はさらに後述する)。そして、ステップS15で、設定した目標車速制御量が得られるようにスロットルアクチュエータ17(加速時)及びブレーキアクチュエータ18(減速時)を制御する。これにより、自車両Wと前方車両Wfとの実車間距離L1が所定の目標車間距離Ltに維持されるように自車両Wを前方車両Wfに追従走行させることとなる。
【0067】
一方、前記ステップS7で前々方車両Wffは有るが、前記ステップS8で第2車間距離L2が判定距離Lmよりも短いとき(図7、図8参照)は、ステップS12で、サービスセンター22から送信されてきた補正係数を用いて、目標車間距離Ltを第2目標車間距離Lt(ii)に設定し、ステップS13で、車間距離偏差ΔL(ii)を算出し、ステップS14で、目標車速制御量を第2車速制御特性q(ii)により設定する。そして、ステップS15で、設定した目標車速制御量が得られるようにスロットルアクチュエータ17(加速時)及びブレーキアクチュエータ18(減速時)を制御する。これにより、自車両Wと前方車両Wfとの実車間距離L1が所定の目標車間距離Ltに維持されるように自車両Wを前方車両Wfに追従走行させることとなる。
【0068】
前記ステップS11,S14の目標車速制御量の設定動作は、およそ図13に示すフローチャートに従って行われる。まず、ステップS21で、γ3の設定の有無を判定する。無い場合(通常時又は接近時)は、ステップS22で、車間距離偏差ΔLがγ1より大きいか否かを判定する。大きい場合は、ステップS23で、目標車速制御量を車速制御特性qに従い決定する。一方、ステップS22で車間距離偏差ΔLがγ1より小さい場合は、ステップS24で、車間距離偏差ΔLがγ2より小さいか否かを判定する。小さい場合は、ステップS23で、目標車速制御量を車速制御特性qに従い決定する。しかし、大きい場合は、不感帯アにあるとして、ステップS25で、目標車速制御量を0と決定する。
【0069】
同様に、ステップS21でγ3の設定が有る場合(異常接近時)は、ステップS26で、車間距離偏差ΔLがγ3より大きいか否かを判定する。大きい場合は、ステップS23で、目標車速制御量を車速制御特性qに従い決定する。一方、ステップS26で車間距離偏差ΔLがγ3より小さい場合は、ステップS24で、車間距離偏差ΔLがγ2より小さいか否かを判定する。小さい場合は、ステップS23で、目標車速制御量を車速制御特性qに従い決定する。しかし、大きい場合は、不感帯アにあるとして、ステップS25で、目標車速制御量を0と決定する。
【0070】
以上のように、本実施形態に係る自動車の追従走行システム1によれば、(1)地域や道路あるいは時間帯の交通流に応じた滑らかな追従走行ができる、(2)交通流を予測するための計算やプローブ車両等からの情報収集時間が必要ないので、道路毎・時間帯毎にフィードフォワード的に目標車間距離Lt等を設定でき、現状の道路情報に基いて補正係数を計算する従来のシステムに対して、より軽負荷でより迅速に目標車間距離Ltの補正ができる、(3)目標車間距離Ltの補正のためには、少なくとも道路と時刻や曜日に対する補正係数κ1〜κ4のみを記憶していればよく、車載の記憶装置の容量を抑えられる、(4)したがって、交差点等で進路が不明な場合でも、簡易な装置により、いずれのルートに対しても迅速に対応できる、という種々の効果が得られる。
【0071】
また、本実施形態に係る自動車の追従走行システム1によれば、予め、道路毎及び月日時刻毎の過去の交通情報(図9参照)に基いて、目標車間距離Ltを設定する際に用いる補正係数κ1〜κ4を生成しておき(図11参照)、該補正係数κ1〜κ4を、道路毎及び月日時刻毎に記録しておくようにしたから(サービスセンター22の補正係数記録部22b)、目標車間距離Ltを自車両Wの走行環境に適合するように設定しようとしたときには、すでに生成されている前記補正係数κ1〜κ4を用いて目標車間距離Ltを道路毎及び月日時刻毎に迅速かつ確実に設定することが可能となる(ステップS9,S12)。
【0072】
その場合に、前記数5に示したように、自車両Wの速度vが大きくなるに従って値が大きくなるA項の車速依存定数Aを補正するための第1の補正係数κ1と、自車両Wの速度vが前方車両Wfの速度vfよりも小さくなるに従って値が小さくなるB項の制御感度定数Bを補正するための第2の補正係数κ2と、これらA項とB項との加算値を乗算するときの車間距離調整定数Cを補正するための第3の補正係数κ3とを生成するようにしたから、複合的な観点から緻密に計算された目標車間距離Lt(i)を得ることができる(図5参照)。
【0073】
また、その場合に、前記数6に示したように、前方車両Wfと前々方車両Wffとの車間距離L2が所定の判定距離Lmよりも短くなったときには、前記車間距離L2が前記判定距離Lmよりも短くなるに従って値が大きくなるD項の延長距離定数Dを補正するための第4の補正係数κ4も生成するようにしたから、これにより、より一層複合的な観点から緻密に計算された目標車間距離Lt(ii)を得ることができる(図7)。
【0074】
次に、過去の交通情報が平均時速の大きいことを示すときは、小さいことを示すときよりも、A項の値が大きくなり、B項の値が小さくなり、目標車間距離Ltが長くなり、D項の値が大きくなるように、第1ないし第4の補正係数κ1〜κ4を生成するようにしたから、過去の交通情報が示す平均時速に適合した目標車間距離Ltを設定することができる(図10)。
【0075】
次に、過去の交通情報が平均渋滞程度の大きいことを示すときは、小さいことを示すときよりも、A項の値が小さくなり、B項の値が小さくなり、目標車間距離Ltが短くなり、D項の値が小さくなるように、第1ないし第4の補正係数κ1〜κ4を生成するようにしたから、過去の交通情報が示す平均渋滞程度に適合した目標車間距離Ltを設定することができる(図10)。特に、道路が渋滞気味のときに、目標車間距離Ltを基準値(補正係数κ1〜κ4が「1」のときの値)よりも短くし、車速制御の感度を基準値よりも大きくすることによって、反応遅れのないようにし、これにより、自車両Wの置き去りや、他車両の側方からの割り込み等を防止することができる。
【0076】
次に、過去の交通情報が平均車間距離の長いことを示すときは、短いことを示すときよりも、A項の値が大きくなり、B項の値が大きくなり、目標車間距離Ltが長くなり、D項の値が大きくなるように、第1ないし第4の補正係数κ1〜κ4を生成するようにしたから、過去の交通情報が示す平均車間距離に適合した目標車間距離Ltを設定することができる(図10)。
【0077】
次に、過去の交通情報が渋滞発生頻度の大きいことを示すときは、小さいことを示すときよりも、A項の値が小さくなり、B項の値が小さくなり、目標車間距離Ltが短くなり、D項の値が小さくなるように、第1ないし第4の補正係数κ1〜κ4を生成するようにしたから、過去の交通情報が示す渋滞発生頻度に適合した目標車間距離Ltを設定することができる(図10)。
【0078】
そして、道路毎及び月日時刻毎の前記補正係数κ1〜κ4をサービスセンター22の側で記録するようにしたから、より細分化され、より広範囲をカバーする、多くの補正係数κ1〜κ4を予め生成して記録しておくことができ、汎用性に富むようになる。
【0079】
次に、本発明の第2の実施形態を特徴部分のみ説明し、前記実施形態と同様の部分は説明を省略する。図14は、サービスセンター22のデータベースに登録されている補正量一覧(天候)をテーブル形式で編纂したデータである。自車両Wのコントロールユニット10は、各種信号を入力した後、自車両Wが走行中の場所の現在の天候を検出し、該現在天候を現在走行中の道路及び現在月日時刻と共にサービスセンター22に送信する。サービスセンター22では、図14を参照して、補正係数κ1〜κ4を増減し、補正係数κ1〜κ4の最終的な値を決定する。そして、その補正係数κ1〜κ4の最終的な値を自車両Wに送信する。
【0080】
ここで、天候情報としては、晴・曇、雨、霧及び積雪の4種類のデータが含まれている。特に、積雪に関しては、月毎に設定したが、近接する週の同じ曜日を参照してもよい。なお、積雪は、月や地域によってスタッドレス装着率が異なるため、季節や道路によって交通流への影響の差が出易い。例えば10月や11月、あるいは南の地方は、スタッドレス未装着率が概して高いから、積雪したときの影響は大きく、補正量を大きくする。
【0081】
積雪状況は、(1)レーザー等を路面に照射して路面状況を検出する路面センサを用いる、(2)車両姿勢制御用のトラクションセンサがμ低下を検出し、外気温センサが低温を示すことで判断する、(3)インターネット上の道路交通情報サイトや気象庁サイト等からデータを取得する、のいくつかの方法がある。
【0082】
このように、道路毎及び月日時刻毎の前記図11の補正係数κ1〜κ4を用いて目標車間距離Ltを設定すると共に、自車両Wが走行中の場所の天候に応じて目標車間距離Ltを設定するようにしたから、自車両Wの走行環境により一層適合した目標車間距離Ltが設定されることとなる。
【0083】
次に、本発明の第3の実施形態を特徴部分のみ説明し、前記実施形態と同様の部分は説明を省略する。図15は、サービスセンター22のデータベースに蓄積されているイベント情報をテーブル形式で編纂したデータである。また、図16は、サービスセンター22のデータベースに登録されている補正量一覧(イベント)をテーブル形式で編纂したデータである。自車両Wのコントロールユニット10は、各種信号を入力した後、現在走行中の道路及び現在月日時刻をサービスセンター22に送信する。サービスセンター22では、図16を参照して、補正係数κ1〜κ4を増減し、補正係数κ1〜κ4の最終的な値を決定する。そして、その補正係数κ1〜κ4の最終的な値を自車両Wに送信する。
【0084】
このように、道路毎及び月日時刻毎の前記図11の補正係数κ1〜κ4を用いて目標車間距離Ltを設定すると共に、自車両Wが走行中の場所のイベントに応じて目標車間距離Ltを設定するようにしたから、この場合も、自車両Wの走行環境により一層適合した目標車間距離Ltが設定されることとなる。
【0085】
次に、本発明の第4の実施形態を特徴部分のみ説明し、前記実施形態と同様の部分は説明を省略する。図17は、図2に対応する制御システム図である。サービスセンター22の側で補正係数を生成すると、それを例えばDVD−R等の記録媒体Xに記録して、該記録媒体Xを介して、自車両Wのコントロールユニット10に備えられた補正係数記録部10bに読み取り、記録する。もちろん、記録媒体Xを介さず、通信ネットワークを利用して、ダウンロードしてもよい。
【0086】
このように、道路毎及び月日時刻毎の補正係数を自車両Wの側で記録するようにしたから、目標車間距離Ltを自車両Wの走行環境に適合するように設定しようとしたときに、例えばサービスセンター22との通信障害等を心配することなく、安全・確実に目標車間距離Ltを道路毎及び月日時刻毎に設定することができる。
【0087】
なお、前記各実施形態は、本発明の最良の実施形態ではあるが、特許請求の範囲を逸脱しない限り、なお種々の修正、変更が可能なことはいうまでもない。例えば、前記実施形態では、前方車両Wfと前々方車両Wffとの第2車間距離L2が判定距離Lmよりも長い通常時に用いる第1車速制御特性q(i)と、前記第2車間距離L2が判定距離Lmよりも短い接近時に用いる第2車速制御特性q(ii)とを、予め、例えばコントロールユニット10の記録装置等に登録・格納しておく場合で説明したが、これに代えて、例えば、標準形である前記第1車速制御特性q(i)だけを記録装置等に登録・格納しておき、接近時になれば、該第1車速制御特性q(i)をその都度第2車速制御特性q(ii)に変形・修正して用いるようにすることもできる。また、自車両Wの車速制御感度を鈍化させる手段として、(B・κ2)の値の減少、不感帯アの拡大、緩応答帯イ及び急応答帯ウの変化量の減少の3つを挙げたが、これらを様々に組み合わせて適用することができる。また、車間距離偏差ΔLがマイナス側、つまり接近側においても、自車両Wの車速制御感度を鈍化させてもよい。また、現在の渋滞程度を検出して補正係数を求め、過去データと比べて所定値以上乖離している場合は、現在状況から求めた補正係数を採用してもよい。さらに、前記実施形態では、目標車間距離Ltを設定するための導出式における定数を補正する補正係数を予め生成・記録しておくようにしたが、これに代えて、前記導出式における定数そのものを道路毎及び月日時刻毎の過去の交通情報に基いて予め生成・記録しておくようにしても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0088】
以上、具体例を挙げて詳しく説明したように、本発明は、予め、道路毎及び月日時刻毎に生成した補正係数を用いて自車両の走行環境に適合した目標車間距離を迅速・確実に設定することができるもので、自動車の追従走行システムの技術分野において幅広い産業上の利用可能性が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の最良の実施形態に係る自動車の追従走行システムの各構成要素のレイアウト図である。
【図2】前記追従走行システムのコントロールユニットを中心とした制御システム図である。
【図3】自車両と前々方車両との車間距離を検出する具体的一態様の説明図である。
【図4】前方車両の全長を検出する具体的一態様の説明図である。
【図5】前々方車両と前方車両との車間距離が判定距離よりも長い場合における自車両と前方車両との目標車間距離の説明図である。
【図6】前記場合における車間距離偏差に対する車速制御量の特性(第1特性)を示す説明図である。
【図7】前々方車両と前方車両との車間距離が判定距離よりも短い場合における自車両と前方車両との目標車間距離の説明図である。
【図8】前記場合における車間距離偏差に対する車速制御量の特性(第2特性)を示す説明図である。
【図9】サービスセンターに蓄積されている道路毎及び月日時刻毎の過去の交通情報をテーブル形式で編纂したデータである。
【図10】サービスセンターに登録されている補正量一覧(基本)をテーブル形式で編纂したデータである。
【図11】サービスセンターのデータベースに記録されている道路毎及び月日時刻毎の補正係数をテーブル形式で編纂したデータである。
【図12】前記コントロールユニットが行う追従走行制御の具体的動作の1例を示すフローチャートである。
【図13】前記コントロールユニットが行う目標車速制御量設定動作の1例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施形態に係るサービスセンターに登録されている補正量一覧(天候)をテーブル形式で編纂したデータである。
【図15】本発明の第3の実施形態に係るサービスセンターに蓄積されているイベント情報をテーブル形式で編纂したデータである。
【図16】前記サービスセンターに登録されている補正量一覧(イベント)をテーブル形式で編纂したデータである。
【図17】本発明の第4の実施形態に係る図2に対応する制御システム図である。
【符号の説明】
【0090】
1 追従走行システム
10 コントロールユニット(月日時刻検出手段、第2の車間距離検出手段、天候検出手段)
10a 目標車間距離設定部(目標車間距離設定手段)
11 レーダ(車間距離検出手段)
12 カメラ(前方車両認識手段、前々方車両認識手段)
13 車車間通信用アンテナ
14 路車間通信用アンテナ
15 スマートプレート信号受信用アンテナ
16 舵角センサ
17 スロットルアクチュエータ(車速制御手段)
18 ブレーキアクチュエータ(車速制御手段)
19 ステアリングアクチュエータ
20 ナビゲーションシステム(道路検出手段)
21 テレマティクス送受信装置
22 サービスセンター(イベント検出手段)
22a 補正係数生成部(補正係数生成手段)
22b 補正係数記録部(補正係数記録手段)
30 前輪
A 車速依存定数(第1の項の定数)
B 制御感度定数(第2の項の定数)
C 車間距離調整定数(所定の定数)
D 延長距離定数(第3の項の定数)
L1 第1車間距離
L2 第2車間距離
Lm 判定距離
Lt 目標車間距離
W 自車両
Wf 前方車両
Wff 前々方車両
κ1 第1補正係数
κ2 第2補正係数
κ3 第3補正係数
κ4 第4補正係数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の前方車両を認識する前方車両認識手段と、
自車両と前方車両との目標車間距離を設定する目標車間距離設定手段と、
前記前方車両認識手段で認識された前方車両と自車両との車間距離を検出する車間距離検出手段と、
該車間距離検出手段で検出された車間距離が前記目標車間距離設定手段で設定された目標車間距離に維持されるように自車両の車速を制御する車速制御手段とを備える自動車の追従走行システムであって、
前記目標車間距離設定手段が目標車間距離を設定する際に用いる補正係数を道路毎及び月日時刻毎の過去の交通情報に基いて生成する補正係数生成手段と、
該生成手段で生成された補正係数を道路毎及び月日時刻毎に記録する補正係数記録手段と、
自車両が走行中の道路を検出する道路検出手段と、
現在の月日時刻を検出する月日時刻検出手段とが設けられ、
前記目標車間距離設定手段は、前記補正係数記録手段で記録されている補正係数のうち前記道路検出手段で検出された道路及び前記月日時刻検出手段で検出された月日時刻に該当する補正係数を用いて目標車間距離を設定することを特徴とする自動車の追従走行システム。
【請求項2】
前記請求項1に記載の自動車の追従走行システムにおいて、
前記目標車間距離設定手段は、自車両の速度が大きくなるに従って値が大きくなる第1の項と、自車両の速度が前方車両の速度よりも小さくなるに従って値が小さくなる第2の項との加算値を、所定の定数で乗算することにより目標車間距離を設定するものであり、
前記補正係数生成手段は、前記第1の項の定数を補正するための第1の補正係数と、前記第2の項の定数を補正するための第2の補正係数と、前記所定の定数を補正するための第3の補正係数とを生成することを特徴とする自動車の追従走行システム。
【請求項3】
前記請求項2に記載の自動車の追従走行システムにおいて、
自車両の前々方車両を認識する前々方車両認識手段と、
前記前々方車両認識手段で認識された前々方車両と前記前方車両認識手段で認識された前方車両との車間距離を検出する第2の車間距離検出手段とがさらに設けられ、
前記目標車間距離設定手段は、前記第2の車間距離検出手段で検出された前方車両と前々方車両との車間距離が所定の判定距離よりも短くなったときは、前記第1の項と、前記第2の項と、前記車間距離が前記判定距離よりも短くなるに従って値が大きくなる第3の項との加算値を、所定の定数で乗算することにより目標車間距離を設定するものであり、
前記補正係数生成手段は、前記第3の項の定数を補正するための第4の補正係数も生成することを特徴とする自動車の追従走行システム。
【請求項4】
前記請求項2又は3に記載の自動車の追従走行システムにおいて、
前記補正係数生成手段は、過去の交通情報が平均時速の大きいことを示すときは、小さいことを示すときよりも、第1の項の値が大きくなるように前記第1の補正係数を生成し、第2の項の値が小さくなるように前記第2の補正係数を生成し、目標車間距離が長くなるように前記第3の補正係数を生成し、第3の項の値が大きくなるように前記第4の補正係数を生成することを特徴とする自動車の追従走行システム。
【請求項5】
前記請求項2から4のいずれかに記載の自動車の追従走行システムにおいて、
前記補正係数生成手段は、過去の交通情報が平均渋滞程度の大きいことを示すときは、小さいことを示すときよりも、第1の項の値が小さくなるように前記第1の補正係数を生成し、第2の項の値が小さくなるように前記第2の補正係数を生成し、目標車間距離が短くなるように前記第3の補正係数を生成し、第3の項の値が小さくなるように前記第4の補正係数を生成することを特徴とする自動車の追従走行システム。
【請求項6】
前記請求項2から5のいずれかに記載の自動車の追従走行システムにおいて、
前記補正係数生成手段は、過去の交通情報が平均車間距離の長いことを示すときは、短いことを示すときよりも、第1の項の値が大きくなるように前記第1の補正係数を生成し、第2の項の値が大きくなるように前記第2の補正係数を生成し、目標車間距離が長くなるように前記第3の補正係数を生成し、第3の項の値が大きくなるように前記第4の補正係数を生成することを特徴とする自動車の追従走行システム。
【請求項7】
前記請求項2から6のいずれかに記載の自動車の追従走行システムにおいて、
前記補正係数生成手段は、過去の交通情報が渋滞発生頻度の大きいことを示すときは、小さいことを示すときよりも、第1の項の値が小さくなるように前記第1の補正係数を生成し、第2の項の値が小さくなるように前記第2の補正係数を生成し、目標車間距離が短くなるように前記第3の補正係数を生成し、第3の項の値が小さくなるように前記第4の補正係数を生成することを特徴とする自動車の追従走行システム。
【請求項8】
前記請求項1から7のいずれかに記載の自動車の追従走行システムにおいて、
自車両が走行中の場所の天候を検出する天候検出手段がさらに設けられ、
前記目標車間距離設定手段は、前記補正係数記録手段で記録されている補正係数を用いると共に、前記天候検出手段で検出された天候に応じて目標車間距離を設定することを特徴とする自動車の追従走行システム。
【請求項9】
前記請求項1から8のいずれかに記載の自動車の追従走行システムにおいて、
自車両が走行中の場所のイベントを検出するイベント検出手段がさらに設けられ、
前記目標車間距離設定手段は、前記補正係数記録手段で記録されている補正係数を用いると共に、前記イベント検出手段で検出されたイベントに応じて目標車間距離を設定することを特徴とする自動車の追従走行システム。
【請求項10】
前記請求項1から9のいずれかに記載の自動車の追従走行システムにおいて、
前記補正係数記録手段は、自車両と情報通信可能なサービスセンターに備えられていることを特徴とする自動車の追従走行システム。
【請求項11】
前記請求項1から9のいずれかに記載の自動車の追従走行システムにおいて、
前記補正係数記録手段は、自車両に備えられていることを特徴とする自動車の追従走行システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−69797(P2007−69797A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−260339(P2005−260339)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】