説明

薄膜塗布装置および薄膜塗布方法ならびに液侵露光装置および液侵露光方法

【課題】欠陥を含まない品質の良いレジストパターンをウエーハに形成する。
【解決手段】液体供給源からパーティクルろ過装置9を経て供給される薬液3を吐出ノズル6より吐出してウェーハの表面に吐出する。このパーティクルろ過装置9と吐出ノズル6との間の管路に、薬液3中に含まれる気泡やパーティクルなどの粒子状物質の量を測定する微粒子測定装置13を介装する。さらに、配管の開閉を行う電磁制御弁10の制御電圧値および微粒子測定装置13の測定値を常時収集するデータ収集ユニット15と、微粒子測定装置13の測定結果の演算を行う演算装置16とを設ける。演算装置16では、ウェハ1枚あたりに塗布される薬液中に含まれる粒子状物質の数を算出し、その粒子状物質の数を規格値と比較することにより、薄膜塗布装置を停止するか否かの判定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハを製造する際にレジストパターンをウェーハ上に形成する薄膜塗布装置および液浸露光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウェーハを製造するためのフォトリソグラフィー工程では、1)ウェーハ表面にホトレジストを塗布して均一な厚さのレジスト膜を形成するレジスト塗布工程と、2)ホトレジストに混合されていた溶剤を蒸発させてレジスト膜を固化させ、下地との密着性を向上させるとともに、光化学反応性を高めるプリベーク工程と、3)フォトマスクを介してウェーハに紫外線を照射してレジスト上にデバイスパターンを焼き付ける露光工程と、4)未露光部分のホトレジストを現像液により溶解させてホトレジストのパターンを形成する現像工程と、5)現像により膨潤したホトレジストを硬化させて下地との密着をよくするポストベーク工程とを行っている。近年では、パターンの微細化に伴って、6)ホトレジスト上にさらに反射防止膜を形成するための塗布工程を行っている。一般に、レジスト膜・反射防止膜等の薬液を塗布するにあたっては、ウェーハを回転させながら薬液を滴下する方法がとられている(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
図10は、従来の薄膜塗布装置の構造を模式的に示す図である。図10に示すように、従来の薄膜塗布装置は、ウェーハ101を水平に保持し回転させるウェーハ回転機構102と、薬液103を搬送し滴下する薬液塗布機構104とを備えている。ウェーハ回転機構102はウェーハチャック105とモーターフランジ106とを有している。薬液塗布機構104では、ウェーハ101に薬液103を滴下する吐出ノズル107と、薬液103の供給源である薬液瓶108とが配管109により連通されている。そして、配管109の管路途中には、薬液瓶108側から順にバッファータンク110とポンプ111とパーティクルろ過装置112と電磁制御弁113と薬液液面高さ調整装置114とが介装されている。制御装置118は、薬液塗布機構104を制御する。
【0004】
この薄膜塗布装置の運転開始時には、薬液103が入った薬液瓶108を所定位置に設置し、この薬液瓶108に配管109とN2加圧配管115とを密閉状態で連結する。そして、N2加圧配管115よりN2加圧するとともに、バッファータンクドレイン116の弁を開放することにより、バッファータンク110まで薬液103で満たす。その後にバッファータンクドレイン116の弁を閉じ、パーティクルろ過装置ドレイン117の弁を開放することにより、ポンプ111およびパーティクルろ過装置112まで薬液103で満たす。そしてこの状態でポンプ111を駆動させることにより、薬液103を、薬液液面高さ調整装置114を経て吐出ノズル107に到達させる。吐出ノズル107に到達した薬液103は、回転しているウェーハ101上に滴下され、遠心力により均一な膜厚にて塗布される。この一連の処理を行っている間、薬液103中に含まれる気泡や微小なごみ(パーティクル)などの粒子状物質(以下、微粒子と言う)の量を微粒子測定装置119で測定する。前記微粒子は、ウェーハ101にフォトマスクを介して紫外線を照射してレジスト上にデバイスパターンを焼き付ける露光工程で、露光時に照射する紫外線を乱反射したり散乱させる。このような乱反射や錯乱が生じると、ウェーハ101上のデバイスパターンに欠陥が発生し、歩留りが低下するおそれがある。これを防止するために、微粒子測定装置119の測定結果から薄膜塗布装置の装置状態を確認し、前記測定結果を基に塗布運転の稼動または停止を判定し、判定結果にしたがった制御を行う。前記の技術を用いると機器トラブル等の外乱によって微粒子が混入した場合に、オペレーターにアラーム等の信号を送ったり、塗布運転を自動的に停止させることが可能となるため、歩留り低下による重大な損害を回避することができる(たとえば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平7−320999号公報
【特許文献2】特開平10−240897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような薄膜塗布装置では次のような2つの課題がある。
【0006】
通常、1枚のウェーハ101の処理を行う時には、回転しているウェーハ101の上に一定の薬液量を1回吐出・滴下し、薬液103の吐出を停止した後も薬液103が均一な膜厚になるまでウェーハ101の回転が続行される。このため、前記一連の処理中における実際の薬液103の吐出は不連続となる。一方、常時測定を行う微粒子測定装置119は、薬液103の吐出状態に関わらず、ある一定の時間(例えば1秒毎)に微粒子測定装置119を通過する薬液103に含まれる微粒子数を積算して測定値としている。そのため実際に1枚のウェーハ101の上に吐出・滴下される薬液103中の微粒子の総数はウェーハ101の上に薬液103が吐出されている間の微粒子測定装置119の測定数の積算値になる。薬液103が何時吐出されて何時止まったのかがわからないと、前記積算値を求めることができないため、1枚のウェーハ101の上に吐出・滴下される薬液103中の微粒子の総数を得ることができない。
【0007】
また、装置の構造または機構によっては、微粒子測定装置119を吐出ノズル107に設置することは難しく、ラインの途中に設置しなければならない。このため、ウェーハ101の上に滴下される直前の薬液103中の微粒子を測定することができない。具体的には、図10に示すように微粒子測定装置119により検出された微粒子を含む薬液103は微粒子測定装置119から電磁制御弁113、薬液液面高さ調整装置114および吐出ノズル107と、それらを繋ぐ配管109とを通過した後にウェーハ101の上に滴下される。そのため、微粒子測定装置119にて検出されている薬液103は、その時に処理されているウェーハ101の上には吐出されず、数回の吐出の後にウェーハ101上に吐出される。このように、微粒子測定装置119と吐出ノズル107との間の容量分だけ遅延が存在する。従って、各ウェーハ101の上に吐出される薬液103中に含まれる微粒子数は、微粒子測定装置119と吐出ノズル107の間の容量分の遅延を考慮して算出する必要がある。
【0008】
本発明は、より正確に薬液または液体中に含まれる微粒子の数を把握する手段を講ずることおよび気泡をより確実に除去する手段を講ずることにより、欠陥を含まない品質の良いレジストパターンをウエーハに形成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明における薄膜塗布装置は、薬液供給源からパーティクルろ過装置を経て供給される薬液を吐出ノズルより吐出してウェーハ表面に塗布し、薄膜を形成する薄膜塗布装置であって、前記パーティクルろ過装置と前記吐出ノズルとの間をつなぐ配管と、前記配管の開閉を行う電磁制御弁と、前記配管中における前記薬液中に含まれる粒子状物質(パーティクルおよび気泡)の数を測定する微粒子測定装置と、前記電磁制御弁の制御電圧値および前記微粒子測定装置の測定値を収集するデータ収集ユニットと、前記データ収集ユニットに収集される前記制御電圧値および前記測定値から、前記ウェーハ1枚あたりに塗布される前記薬液中に含まれる前記粒子状物質の数を算出する演算回路とを備えることを特徴とする。
【0010】
なお、本発明の薄膜塗布装置において、電磁制御弁の制御電圧値は、検査すべき薬液の流れの状態がわかるような電圧値が変化する情報であればよい。また、演算装置とは電磁制御弁の制御電圧値から薬液の流れの状態を判断し、薬液が流れている間の微粒子測定装置の測定値と時間から薬液の吐出1回分の微粒子の総数を算出する処理を行う機能を有する。
【0011】
本発明の薄膜塗布装置では、ウェーハ1枚あたりに塗布される薬液中に含まれる粒子状物質の数を算出するため、その値を元にして、薄膜塗布装置を停止するか否かを判断することができる。つまり、機器トラブル等の外乱によって突発的に微粒子や気泡が多く含まれた薬液が薬液ラインを流れた場合には、薄膜塗布装置を自動的に停止することができる。そのため、レジストのパターン不良の発生を未然に防ぐことができる。
【0012】
さらに、製品を処理している間、薬液中の粒子状物質をリアルタイムに測定することが可能であるため、常に自動的に装置の正常・異常の判断を行うことができる。この装置を用いた場合には、モニターウェーハ上に薄膜を成膜してから表面欠陥検査装置等で膜中の粒子状物質を測定していた従来方法と比較して、作業者の作業時間の短縮および歩留まりの向上が可能となる。さらに、装置の稼動を止めることなく薬液中の粒子状物質の測定が可能なため、装置の稼働率を向上させることもできる。
【0013】
前記演算回路では、前記ウェーハ1枚あたりに塗布される前記薬液中に含まれる前記粒子状物質の数を、あらかじめ定められた規格値と比較することが好ましい。
【0014】
本発明の薄膜塗布方法は、薬液供給源からパーティクルろ過装置を経て供給される薬液を吐出ノズルより吐出してウェーハ表面に塗布し、薄膜を形成する薄膜塗布装置を用いた薄膜塗布方法であって、前記パーティクルろ過装置と前記吐出ノズルとの間をつなぐ配管に設けられた電磁制御弁の制御電圧値を収集し、前記薬液が前記ウェーハ表面に塗布されているか否かを判断する工程(a)と、前記配管を流れる前記薬液に含まれる粒子状物質の数を測定する工程(b)と、前記工程(a)および前記工程(b)の結果に基づいて、前記ウェーハ1枚あたりに塗布される前記薬液中に含まれる前記粒子状物質の数を算出する工程(c)と、前記工程(c)の結果に基づいて、前記薄膜塗布装置を停止するかどうかを判断する工程(d)とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の薄膜塗布方法では、機器トラブル等の外乱によって突発的に粒子状物質が多く含まれた薬液が薬液ラインを流れた場合には、薄膜塗布装置を自動的に停止することができる。そのため、レジストのパターン不良の発生を未然に防ぐことができる。
【0016】
さらに、製品処理時の薬液中の粒子状物質をリアルタイムに測定することが可能であるため、常に自動的に装置の正常・異常の判断を行うことができる。したがって、モニターウェーハ上に薄膜を成膜してから表面欠陥検査装置等で膜中の粒子状物質を測定していた従来方法と比較して、作業者の作業時間の短縮と歩留まりの向上とが可能となる。さらに、装置の稼動を止めることなく薬液中の粒子状物質の測定が可能なため、装置の稼働率を向上させることもできる。
【0017】
なお、ウェーハ1枚あたりに塗布される薬液中の粒子状物質の数を算出するためには、微粒子測定装置で測定の対象となった薬液が実際に吐出ノズルから放出されるまでの遅延を把握しておくことが好ましい。より具体的には、微粒子測定装置で測定の対象となった薬液が、そのとき処理されているウェハから何枚後のウェハに塗布されるのかを把握しておけばよい。
【0018】
本発明の薬液塗布方法において、前記工程(d)では、前記ウェーハ1枚あたりに塗布される前記薬液中に含まれる前記粒子状物質の数とあらかじめ設定された規格値とを比較することにより前記判断を行い、前記薄膜塗布装置を停止すると判断した後にも、前記ウェーハ1枚あたりに塗布される前記薬液中に含まれる前記粒子状物質の数と前記規格値との比較を継続し、前記粒子状物質の数が正常な範囲になったと判断されるまで前記薄膜塗布装置を停止することが好ましい。この場合には、粒子状物質数が少ない元の正常な状態になるまで自動的に排液を継続することができるため、作業者の作業負担を軽減することができる。また、作業者の操作により一定量の排液を行っていた従来と比較して、薬液がより適切な量だけ廃液されるようになる。これにより、排液を実施する時間を必要最小限にすることができ、稼働率を向上させることができる。
【0019】
本発明の液浸露光装置は、投影光学系における光学素子の先端部とウェーハ表面との間を液体(純水等)で満たした状態で、前記光学素子の先端部からマスクパターンを前記ウェーハ上に転写する液浸露光装置であって、前記液体を前記ウェハ表面に供給する液体排出ノズルと、前記液体の供給源と前記液体排出ノズルとの間をつなぐ配管と、前記配管の開閉を行う電磁制御弁と、前記配管の途中に介在するパーティクルろ過装置と、前記配管のうち前記パーティクルろ過装置と液体排出ノズルとの間に介在し、前記液体中の気泡を除去する気泡除去装置とを備えることを特徴とする。
【0020】
一般に、ウェーハ上の液体中に気泡等の粒子状物質が存在すると、露光光が粒子状物質によって散乱されて、レチクルパターン通りにパターン形成が成されず、歩留まりが低下するようなパターン欠陥が発生する。本発明の液侵露光装置では、気泡を気泡除去装置で除去しているため、パターン欠陥の発生をより確実に防止することができる。なお、気泡除去装置ではガス状の分子のみが選択的に除去されるので、液体の組成・流量の変化が起こることもない。
【0021】
また、本発明の液侵露光装置は、前記配管のうち前記気泡除去装置と前記液体排出ノズルとの間に介在し、前記液体中に含まれる粒子状物質の量を測定する微粒子測定装置と、前記電磁制御弁の制御電圧値および前記微粒子測定装置の測定値を収集するデータ収集ユニットと、前記データ収集ユニットに収集される前記制御電圧値および前記測定値から、前記ウェーハ1枚あたりに供給される前記液体中に含まれる前記粒子状物質の数を算出する演算回路とを備えていてもよい。この場合には、もし機器トラブル等の外乱による突発的な液体中への気泡の混入があった場合に、液侵露光装置を停止することができる。さらに、製品処理時の液体中の粒子状物質をリアルタイムに測定することが可能であるため、常時自動的に装置の正常・異常の判断を行うことができる。この装置を用いた場合には、モニターウェーハ上にレジスト塗布、露光および現像といった一連の処理を行った後に表面欠陥検査装置等でパターン欠陥を測定していた従来方法と比較して、作業者の作業時間と歩留まりの向上とが可能となる。さらに、装置の稼動を止めることなく液体中の粒子状物質の測定が可能なため、装置の稼働率を向上させることもできる。
【0022】
本発明の液侵露光装置を用いた具体的な露光方法は、前記電磁制御弁の制御電圧値を収集することにより、前記液体が前記ウェーハ表面に供給されているか否かを判断する工程(a)と、前記配管を流れる前記液体に含まれる粒子状物質の数を測定する工程(b)と、前記工程(a)および前記工程(b)の結果に基づいて、前記ウェーハ1枚あたりに供給される前記液体中に含まれる前記粒子状物質の数を算出する工程(c)と、前記工程(c)の結果に基づいて、前記液侵露光装置を停止するかどうかを判断する工程(d)とを備えていることが好ましい。
【0023】
また、本発明の露光方法において、前記工程(d)では、前記ウェーハ1枚あたりに供給される前記液体中に含まれる前記粒子状物質の数とあらかじめ設定された規格値とを比較することにより前記判断を行い、前記液侵露光装置を停止すると判断した後にも、前記ウェーハ1枚あたりに供給される前記液体中に含まれる前記粒子状物質の数と前記規格値との比較を継続し、前記粒子状物質の数が正常な範囲になったと判断されるまで前記液侵露光装置を停止することが好ましい。この場合には、粒子状物質数が少ない元の正常な状態になるまで自動的に排液を継続することができるため、作業者の作業負担を軽減することができる。また、作業者の操作により一定量の排液を行っていた従来と比較して、液体がより適切な量だけ廃液されるようになる。これにより、排液を実施する時間を必要最小限にすることができ、稼働率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る薄膜塗布装置および液浸露光装置によると、欠陥を含まない品質の良いレジストパターンをウェーハに形成することができ、歩留まりの向上を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(第1の実施形態)
以下では、本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態における薄膜塗布装置の構成を示す概略図である。本実施形態の薄膜塗布装置は、ウェーハ1を水平に保持し回転させるウェーハ回転機構2と、薬液3を搬送し滴下する薬液塗布機構20とを備えている。ウェーハ回転機構2は、ウェーハ1を保持するウェーハチャック4と、ウェーハチャック4を回転させるモーターフランジ5とを有している。薬液塗布機構20は、ウェーハ1に薬液3を滴下する吐出ノズル6と、吐出ノズル6と薬液3の供給源(図示せず)とをつなぐ配管7と、配管7の管路途中に設けられたポンプ8、パーティクルろ過装置9、薬液3中の微粒子を測定する微粒子測定装置13、電磁制御弁10および薬液液面高さ調整装置11とを備えている。薬液液面高さ調整装置11は、吐出ノズル6における薬液液面高さを調整するもので、所定量吐出後の吐出ノズル6の先端からの垂れ落ちを防止するために負圧をかけて吸引するサックバック機能を有している。制御装置12は後述するように薬液塗布機構20を制御する装置であり、制御ライン12aは簡便のために一部のみ示している。微粒子測定装置13は、ある一定の時間に微粒子測定装置13を通過する薬液3に含まれる微粒子を検出して、その検出した数と時間との積算を行いデータを出力する。
【0026】
この薄膜塗布装置が従来のものと相違するのは、配管7の開閉を行う電磁制御弁10の制御電圧値および前記微粒子測定装置13の測定値を常時収集するデータ収集ユニット15と、電磁制御弁10の制御電圧を電圧変換させる電圧変換回路14と、測定値の演算を行う演算装置16とが備えられている点である。
【0027】
図2(a)〜(c)は、第1の実施形態において、ウェーハ処理時の配管中の薬液流量、電磁制御弁の開閉状態および制御電圧値の時間変動を示すタイムチャート図である。電磁制御弁10は装置の停止時や待機時には通常閉じているが、ウェーハ処理時の薬液3を流す際には開いてポンプ8を駆動させることで薬液3を吐出する。そのため、図2(b)に示すように電磁制御弁10が開いた時のみ、図2(a)に示すように薬液3の流量がある一定の値になり、図2(c)に示すように電磁制御弁10の開閉動作を制御している制御電圧値も0vから20vに変位する。また、薬液3が停止した時には電磁制御弁10は閉じられるため、制御電圧値は20vから0vに変位する。このことから電磁制御弁10の制御電圧値を常時監視することにより、不連続な薬液3の吐出状態を把握することができる。なお、ここでは電磁制御弁10の制御電圧値が0から20vに変化する場合について述べたが、この電圧値は吐出状態が把握できれば任意の値で構わない。また、20vといった大きい電圧値をデータ収集ユニット15等に直接入力することは入力側の仕様(データ収集ユニット15等の保証値)によっては不可能な場合がある。その場合には、電圧変換回路14を通して、必要とする電磁制御弁10の制御電圧を所望の電圧値に低下させることによって、前記データ収集ユニット15等に入力させることができる。
【0028】
次に、本実施形態における薬液3中の微粒子の測定方法について説明する。図3(a)、(b)は、第1の実施形態において、電磁制御弁の開閉状態と、ウェーハ1枚あたりに塗布される薬液中の微粒子の総数との関係を示す図である。図3(a)に示すように、1枚のウェーハを処理する間において、薬液3の吐出は不連続であり、電磁制御弁10は開閉動作を繰り返す。電磁制御弁10が開いている間に微粒子測定装置13の測定数をデータ収集ユニット15で取り込み、演算装置16で積算すると、図3(b)に示すように、吐出1回あたり、すなわちウェーハ1枚あたりに吐出・滴下される薬液3中の微粒子の総数を求めることができる。演算の方法についての詳細は後述する。
【0029】
図4は、第1の実施形態において、ウェーハ1枚あたりに塗布される薬液中の微粒子の総数と、ウェーハ上のパターン欠陥数との変化を示すグラフ図である。図4に示すように、微粒子数の増減とパター欠陥数とは、ウェーハ5枚分の処理回数の差をもって、同じような増減の推移をたどっている。これは、微粒子測定装置13と吐出ノズル6との間に、電磁制御弁10、薬液液面高さ調整装置11および吐出ノズル6と、それらを繋ぐ配管7とがあるためである。つまり、微粒子測定装置13で測定された微粒子は、ウェーハ5枚分を処理するだけの時間をかけて、前記電磁制御弁10、薬液液面高さ調整装置11および吐出ノズル6とそれらを繋ぐ配管7とを通過し、ウェーハ上に滴下されるからである。
【0030】
なお、図4に示すデータは、微粒子測定装置13と吐出ノズル6との間において保持する薬液3の容量、つまり、電磁制御弁10、薬液液面高さ調整装置11および吐出ノズル6とそれらを繋ぐ配管7における容量が15mlである装置を用い、一回の薬液3の吐出量を3mlとして測定した結果である。この場合には、ウェーハ5枚分の処理によって微粒子測定装置13で測定された微粒子が微粒子測定装置13と吐出ノズル6と間を通過するので、吐出ノズル6における遅れが処理5回分となる。このように、微粒子測定装置13で測定された微粒子がどれだけ遅れて吐出ノズル6に到達するのかは、微粒子測定装置13から吐出ノズル6までの間の容量と、一回の薬液3の吐出量がわかれば推定できる。
【0031】
この知見をもとに、処理5回分の遅れを考慮して図5に示す相関関係を得ることができる。図5は、第1の実施形態において、微粒子測定装置での測定値とウェーハ上のパターン欠陥数との相関を示すグラフ図である。
【0032】
図5に示す相関に基づいて、ウェーハ上におけるパターン欠陥数の任意の許容値に対応する微粒子数を求め、規格値として決定する。なお、「微粒子数」とは、気泡の数とパーティクルの数とを合わせた値である。両者ともウェーハ上のパターン欠陥の原因となるので同列に扱うこととする。図5では、ウェーハ上パターン欠陥数150に対応する微粒子数90を規格値としている。
【0033】
このような規定値を用いた制御について、図6を参照しながら説明する。図6は、第1の実施形態において、規格値を用いて薄膜塗布装置を制御するステップを示すフローチャート図である。本実施形態の方法では、まずステップS1において、薬液3中の微粒子の数が微粒子測定装置13で測定され、ステップS2において、電磁制御弁10の制御電圧値を取り込んでいるデータ収集ユニット15で電磁制御弁10の制御電圧値から薬液3が塗布されているかの判断を行う。薬液3が塗布されていると判断されると、ステップS3において、薬液3が塗布されている間の微粒子測定装置13の測定結果をデータ収集ユニット15に取り込んだ後に演算装置16で積算させる。
【0034】
次に、ステップS4において、演算装置16で積算された測定値、すなわちウェーハ1枚(吐出1回)あたりに塗布される薬液3中に含まれる微粒子数を規格値に対して比較する判定が演算装置16で行われる。微粒子数が規格値未満であればステップS5において通常稼動命令が出力され、薄膜塗布装置は通常稼動される。一方、ステップS4において、微粒子数が規格値以上であると判断されると、ステップS6において、異常停止命令が演算装置16から制御装置12へ出力され、薄膜塗布装置は異常停止され、吐出ノズル6から他の領域に薬液3が排出させる。このとき、薬液3と共に微粒子を排出させる。ここで、ステップS7では、排出される薬液3に対して、塗布装置の正常稼動時と同様に、微粒子数を規格値に対して比較する判定が常時行われ、規格値未満であれば薄膜塗布装置を正常稼動させ、規格値以上であれば排液を継続させる。
【0035】
本実施形態では、機器トラブル等の外乱によって突発的に微粒子や気泡が多く含まれた薬液3が薬液ラインを流れると、薄膜塗布装置を自動的に停止することができる。そのため、レジストのパターン不良の発生を未然に防ぐことができる。
【0036】
さらに、ウェーハ1を処理している間、薬液3中の微粒子をリアルタイムに測定することが可能であるため、常に自動的に装置の正常・異常の判断を行うことができる。したがって、モニターウェーハ上に薄膜を成膜してから表面欠陥検査装置等で膜中の微粒子を測定していた従来と比較して、作業者の作業時間の短縮および歩留まりの向上が可能となる。さらに、装置の稼動を止めることなく薬液3中の微粒子の測定が可能なため、装置の稼働率を向上させることもできる。
【0037】
また、異常時には、微粒子が規格値以下になるまで薬液3が自動的に排液される。そのため、従来において作業者の操作により一定量の排液を行っていた場合と比較して、薬液3がより適切な量だけ廃液されるようになる。さらに、排液しながら薬液3中の微粒子数の確認ができるため時間の短縮が可能である。
【0038】
図7は、第1の実施形態において、薬液中の微粒子数とウェーハ1枚あたりのキラー欠陥数との関係を示すグラフ図である。ここでのキラー欠陥数とは、ゲート長サイズが0.15μmでパターン占有率が54.4%のデバイスにおいて、薬液3中の微粒子によって発生するパターン欠陥のうちデバイスの歩留りを低下させるもののみをカウントしたものである。図7から、微粒子数と歩留りを低下させるキラー欠陥数との関係がわかるため、微粒子数についてある任意の規格値を設定すると、許容できるキラー欠陥数以下で製品の処理を実施することができる。
【0039】
(第2の実施形態)
以下では、本発明の第2の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0040】
図8は、第2の実施形態において、液浸露光法を用いた露光装置の構成を示す概略図である。図8に示す露光装置では、照明光学系31は、ArFエキシマレーザーやKrFエキシマレーザ等からなる露光光源、オプティカル・インテグレータ、視野絞りおよびコンデンサレンズ等を含む。照明光学系31から照射された露光光32はレチクル33に設けられたパターンを照明する。レチクル33はレチクルステージ34によって保持され、レチクル33のパターンは鏡筒35および投影光学系レンズ36を介して、フォトレジストが塗布されたウェーハ38上に縮小投影される。
【0041】
ウェーハ38はウェーハステージ39上に設置され、ウェーハ38と投影光学系レンズ36との間は、純水等の液体37で満たされている。両者の間が液体37で満たされることにより、露光波長を実質的に短くして解像度を向上することができると共に焦点深度を実質的に広くすることができる。液体37は、液体37の供給源(図示せず)から配管53を通じて供給される。この配管53には、液体37の供給源に近い方から順に、ポンプ47、パーティクルろ過装置46、液体37中の気泡を選択的に除去する気泡除去装置44、液体37中の気泡等の微粒子を測定する微粒子測定装置45、電磁制御弁43および液体排出ノズル40が介装されている。
【0042】
気泡除去装置44は、図示を省略するが、ガス高選択透過性のある特殊な膜で内部を2つの空間に仕切った構造を有する。そして、2つの空間のうちの一方は配管53に直接接続され、他方は真空ポンプ52に接続されている。この気泡除去装置44では、2つの空間のうち配管53に接続されている方に液体37を通過させた状態で、他方の空間を真空ポンプ52によって排気する。これにより、液体37中に含まれる気泡が、ガス高選択性のある膜を通過して他方の空間に移動し、さらに真空ポンプ52によって外部に排気される。
【0043】
ウェーハ38上に満たされた液体37は露光終了後に液体流入ノズル41を介して液体回収装置42により回収される。また、本露光装置は、配管53の開閉を行う電磁制御弁43の制御電圧値および前記微粒子測定装置45の測定値を常時収集するデータ収集ユニット49と、電磁制御弁43の制御電圧を電圧変換させる電圧変換回路48と、微粒子測定装置45の測定値の演算を行う演算装置50と、液体37の吐出、停止を制御する制御装置51とを具備している。
【0044】
液浸露光装置においてウェーハ38上の液体37中に気泡等の微粒子が存在すると、露光光32が微粒子によって散乱されるため、レチクルパターン通りにパターン形成が成されない。この場合には、歩留まりを低下させるようなパターン欠陥が発生してしまう。本実施形態では、パーティクルや気泡の大部分をパーティクルろ過装置46でろ過し、このパーティクルろ過装置46の通過後も存在する気泡を気泡除去装置44で除去している。これにより、パターン欠陥の発生をより確実に抑制することが可能となる。なお、気泡除去装置44では前記したようにガス状の分子のみが選択的に除去されるので、液体37の組成・流量の変化は起こらない。
【0045】
さらに、機器トラブル等の外乱によって突発的に液体37中へ多量の気泡が混入しても、第1の実施形態で説明したのと同様の微粒子の測定方法および制御方法を用いれば、装置を停止し自動的排液を行うことができる。その具体的な方法について以下に説明する。まず、データ収集ユニット49で電磁制御弁43の制御電圧値から液体37が供給されているかの判断を行う。液体37が供給されていると判断されると、液体37が供給されている間の微粒子測定装置45の測定結果をデータ収集ユニット49に取り込んだ後に演算装置50で測定結果と時間とを積算させる。
【0046】
次に、演算装置50で積算された測定値、すなわちウェーハ1枚(吐出1回)あたりに供給される液体37中に含まれる微粒子数を規格値に対して比較する判定が演算装置50で行われる。微粒子数が規格値未満であれば通常稼動命令が出力され、液侵露光装置は通常稼動される。一方、微粒子数が規格値以上であると判断されると、異常停止命令が演算装置50から制御装置51へ出力され、液侵露光装置は異常停止され、吐出ノズル6より他の領域に液体37が排出される。このとき、液体37と共に微粒子を排出させる。このとき、排出される液体37に対して、露光装置の正常稼動時と同様に、微粒子数を規格値に対して比較する判定が常時行われ、規格値未満であれば液侵露光装置を正常稼動させ、規格値以上であれば排液を継続させる。
【0047】
図9は、図8に示す露光装置において、気泡除去装置の使用時間の合計と、微粒子測定装置において、気泡除去装置を通過した後の液体中に含まれる粒子状物質の数を測定した結果との関係を示すグラフ図を示す。気泡除去装置44の合計の使用時間が長くなると、気泡除去能力が低下し、気泡除去装置44を通過した後の液体37中の気泡数が増加してくるので、所望の気泡除去能力を有した新たな気泡除去装置へと交換する必要がある。しかし、液体37の製造時や搬送時の状態によって、液体37中の気泡量や溶存気体量にはバラツキが見られるため、交換時期を一定にするのは望ましくない。図9から、ある時期より徐々に気泡除去装置の気泡除去能力が低下しているのがわかる。そこで、徐々に気泡除去能力が低下してくるある時期の測定値を規格値とすることにより、気泡除去装置の交換時期を除去能力が低下する前に予想すれば、液体37中の気泡量や溶存気体量にばらつきがあっても適切な時期に交換を行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は欠陥を含まない品質の良いレジストパターンをウェーハ上に形成するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施形態における薄膜塗布装置の構成を示す概略図である。
【図2】(a)〜(c)は、第1の実施形態において、ウェーハ処理時の配管中の薬液流量、電磁制御弁の開閉状態および制御電圧値の時間変動を示すタイムチャート図である。
【図3】(a)、(b)は、第1の実施形態において、電磁制御弁の開閉状態と、ウェーハ1枚あたりに塗布される薬液中の微粒子の総数との関係を示す図である。
【図4】第1の実施形態において、ウェーハ1枚あたりに塗布される薬液中の微粒子の総数と、ウェーハ上のパターン欠陥数との変化を示すグラフ図である。
【図5】第1の実施形態において、微粒子測定装置での測定値とウェーハ上のパターン欠陥数との相関を示すグラフ図である。
【図6】第1の実施形態において、規格値を用いて薄膜塗布装置を制御するステップを示すフローチャート図である。
【図7】第1の実施形態において、薬液中の微粒子数とウェーハ1枚あたりのキラー欠陥数との関係を示すグラフ図である。
【図8】第2の実施形態において、液浸露光法を用いた露光装置の構成を示す概略図である。
【図9】図8に示す露光装置において、気泡除去装置の使用時間の合計と、微粒子測定装置において、気泡除去装置を通過した後の液体中に含まれる粒子状物質の数を測定した結果ととの関係を示すグラフ図を示す。
【図10】従来の薄膜塗布装置の構造を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1 ウェーハ
2 ウェーハ回転機構
3 薬液
4 ウェーハチャック
5 モーターフランジ
6 吐出ノズル
7 配管
8 ポンプ
9 パーティクルろ過装置過装置
10 電磁制御弁
11 薬液液面高さ調整装置
12 制御装置
12a 制御ライン
13 微粒子測定装置
14 電圧変換回路
15 データ収集ユニット
16 演算装置
20 薬液塗布機構
31 照明光学系
32 露光光
33 レチクル
34 レチクルステージ
35 鏡筒
36 投影光学系レンズ
37 液体
38 ウェーハ
39 ウェーハステージ
40 液体排出ノズル
41 液体流入ノズル
42 液体回収装置
43 電磁制御弁
44 気泡除去装置
45 微粒子測定装置
46 パーティクルろ過装置
47 ポンプ
48 電圧変換回路
49 データ収集ユニット
50 演算装置
51 制御装置
52 真空ポンプ
53 配管


【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液供給源からパーティクルろ過装置を経て供給される薬液を吐出ノズルより吐出してウェーハ表面に塗布し、薄膜を形成する薄膜塗布装置であって、
前記パーティクルろ過装置と前記吐出ノズルとの間をつなぐ配管と、
前記配管の開閉を行う電磁制御弁と、
前記配管中における前記薬液中に含まれる粒子状物質の数を測定する微粒子測定装置と、
前記電磁制御弁の制御電圧値および前記微粒子測定装置の測定値を収集するデータ収集ユニットと、
前記データ収集ユニットに収集される前記制御電圧値および前記測定値から、前記ウェーハ1枚あたりに塗布される前記薬液中に含まれる前記粒子状物質の数を算出する演算回路とを備えることを特徴とする薄膜塗布装置。
【請求項2】
前記演算回路では、前記ウェーハ1枚あたりに塗布される前記薬液中に含まれる前記粒子状物質の数を、あらかじめ定められた規格値と比較することを特徴とする請求項1に記載の薄膜塗布装置。
【請求項3】
薬液供給源からパーティクルろ過装置を経て供給される薬液を吐出ノズルより吐出してウェーハ表面に塗布し、薄膜を形成する薄膜塗布装置を用いた薄膜塗布方法であって、
前記パーティクルろ過装置と前記吐出ノズルとの間をつなぐ配管に設けられた電磁制御弁の制御電圧値を収集し、前記薬液が前記ウェーハ表面に塗布されているか否かを判断する工程(a)と、
前記配管を流れる前記薬液に含まれる粒子状物質の数を測定する工程(b)と、
前記工程(a)および前記工程(b)の結果に基づいて、前記ウェーハ1枚あたりに塗布される前記薬液中に含まれる前記粒子状物質の数を算出する工程(c)と、
前記工程(c)の結果に基づいて、前記薄膜塗布装置を停止するかどうかを判断する工程(d)とを備えることを特徴とする薄膜塗布方法。
【請求項4】
前記工程(d)では、前記ウェーハ1枚あたりに塗布される前記薬液中に含まれる前記粒子状物質の数とあらかじめ設定された規格値とを比較することにより前記判断を行い、
前記薄膜塗布装置を停止すると判断した後にも、前記ウェーハ1枚あたりに塗布される前記薬液中に含まれる前記粒子状物質の数と前記規格値との比較を継続し、前記粒子状物質の数が正常な範囲になったと判断されるまで前記薄膜塗布装置を停止することを特徴とする請求項3に記載の薄膜塗布方法。
【請求項5】
投影光学系における光学素子の先端部とウェーハ表面との間を液体で満たした状態で、前記光学素子の先端部からマスクパターンを前記ウェーハ上に転写する液浸露光装置であって、
前記液体を前記ウェハ表面に供給する液体排出ノズルと、
前記液体の供給源と前記液体排出ノズルとの間をつなぐ配管と、
前記配管の開閉を行う電磁制御弁と、
前記配管の途中に介在するパーティクルろ過装置と、
前記配管のうち前記パーティクルろ過装置と液体排出ノズルとの間に介在し、前記液体中の気泡を除去する気泡除去装置とを備えることを特徴とする液浸露光装置。
【請求項6】
前記配管のうち前記気泡除去装置と前記液体排出ノズルとの間に介在し、前記液体中に含まれる粒子状物質の量を測定する微粒子測定装置と、
前記電磁制御弁の制御電圧値および前記微粒子測定装置の測定値を収集するデータ収集ユニットと、
前記データ収集ユニットに収集される前記制御電圧値および前記測定値から、前記ウェーハ1枚あたりに供給される前記液体中に含まれる前記粒子状物質の数を算出する演算回路とを備えることを特徴とする液侵露光装置。
【請求項7】
請求項5に記載の液侵露光装置を用いた液侵露光方法であって、
前記電磁制御弁の制御電圧値を収集することにより、前記液体が前記ウェーハ表面に供給されているか否かを判断する工程(a)と、
前記配管を流れる前記液体に含まれる粒子状物質の数を測定する工程(b)と、
前記工程(a)および前記工程(b)の結果に基づいて、前記ウェーハ1枚あたりに供給される前記液体中に含まれる前記粒子状物質の数を算出する工程(c)と、
前記工程(c)の結果に基づいて、前記液侵露光装置を停止するかどうかを判断する工程(d)とを備えることを特徴とする液侵露光方法。
【請求項8】
前記工程(d)では、前記ウェーハ1枚あたりに供給される前記液体中に含まれる前記粒子状物質の数とあらかじめ設定された規格値とを比較することにより前記判断を行い、
前記液侵露光装置を停止すると判断した後にも、前記ウェーハ1枚あたりに供給される前記液体中に含まれる前記粒子状物質の数と前記規格値との比較を継続し、前記粒子状物質の数が正常な範囲になったと判断されるまで前記液侵露光装置を停止することを特徴とする請求項7記載の液侵露光方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−24882(P2006−24882A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−15180(P2005−15180)
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】