説明

車両用ドア制御システム、車載用ドア制御装置、携帯端末、車載用ドア制御装置用プログラム、携帯端末用プログラム、充電状態通知システム、充電状態監視装置、および、充電状態監視装置用プログラム

【課題】二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて当該二次電池を充電することができるプラグイン充電車両において、車両から携帯端末に二次電池の充電量を示す信号を送信する場合に、送信のための電力消費を抑え、かつ、充電量を示す情報が確実に受信されるようにする。
【解決手段】車両用ドア制御システムにおいて、携帯端末がドアロック操作を受け付け(ステップ460)、且つ、携帯端末からのドアロック信号を車載用ドア制御装置が受信した場合に(ステップ470)、車載用ドア制御装置が、車両のドアを施錠すべきであると判定し、その判定を行ったドアロックタイミングにおいて、その時点における二次電池の充電量を携帯端末へ送信させ(480)、その後、ドアを施錠する(ステップ490)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドア制御システム、車載用ドア制御装置、携帯端末、車載用ドア制御装置用プログラム、携帯端末用プログラム、充電状態通知システム、充電状態監視装置、および、充電状態監視装置用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、二次電池が蓄える電気エネルギーを動力源として走行する車両のうち、自車外の電源を用いて当該二次電池を充電することができる車両(以下、プラグイン充電車両という)が知られている。このようなプラグイン充電車両の例としては、例えば、EV(電気自動車)、PHV(プラグインハイブリッド自動車)が知られている。
【0003】
プラグイン充電車両の二次電池に充電する際の技術としては、例えば特許文献1、2に記載のものがある。この技術では、車外の電源を用いて二次電池を充電する際、車両から携帯端末に、二次電池の充電量を示す信号が無線送信され、携帯端末では、充電量の情報が表示部に表示されるようになっている。
【0004】
より詳しくは、特許文献1では、車両側が携帯端末に充電量の情報を送信し、場合によっては、携帯端末が車両側から情報を受信せずに充電量を推定するようになっている。また、特許文献2では、車両側が携帯端末からの問い合わせを受けたときに、車両側が携帯端末に充電量の情報を送信するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−247080号公報
【特許文献2】特開2004−048090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明者は、このような技術を、車両と携帯端末とが近距離通信(赤外線通信、Bluetooth、キーレスエントリーシステムで使用されているLF帯、UHF帯の微弱無線通信等)を行う場合に応用することを検討した。その検討の結果、以下のような問題点を見いだした
近距離通信の場合、携帯端末を持つユーザが降車した後に車両から遠く離れてしまうと、携帯端末が充電量を示す信号を受信できなくなってしまう。そこで、携帯端末を持つユーザが車両から遠く離れてしまった後でも、携帯端末側で充電量を推定することが望ましい。
【0007】
ただし、充電量を推定するために携帯端末は、少なくとも1回は車両から充電量の信号を受信する必要がある。しかし、確実に受信するためとは言え、携帯端末が車両と通信可能な範囲内にいるとき、ずっと車両が充電量の信号を送信し続けるようになっていては、通信のために消費する電力量が過大になってしまう。
【0008】
本発明は上記点に鑑み、二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて当該二次電池を充電することができるプラグイン充電車両において、車両から携帯端末に二次電池の充電量を示す信号を送信する場合に、送信のための電力消費を抑え、かつ、充電量を示す信号が確実に受信されるようにすることを第1の目的とする。
【0009】
また、プラグイン充電車両においては、二次電池と車外の電源とを接続する電力供給線の外し忘れという問題がある。つまり、車両のユーザは、通常なら二次電池と車外の電源とを接続する電力供給線を手作業で外し、その後車両に搭乗して車両を発進させるべきなのに、電力供給線を外す作業を忘れて車両を発進させてしまう可能性がある。
【0010】
本願発明者は、近距離通信の場合、携帯端末を携帯するユーザが遠隔地から車両に戻って来て車両に搭乗しようとする場合に、携帯端末と車両との通信が再度可能となる点に着目した。そして、通信が再度可能となったときに、車両から携帯端末に対して、二次電池と車外の電源とを接続する電力供給線の装着状況を示す信号を送信し、携帯端末は、その信号に基づいて電力供給線が外れていないと判定した場合に、警告のための報知をユーザに行うことを着想した。しかし、発明者の検討によれば、携帯端末と車両との通信が再度可能となってから車両が走行し出すまでの期間のうち、どの期間であっても報知が有効であるとは限らない。
【0011】
本発明は上記点に鑑み、走行のためのエネルギー源を蓄える二次電池を搭載すると共に自車外の電源を用いて当該二次電池を充電することができるプラグイン充電車両において、二次電池と車外の電源とを接続する電力供給線の外し忘れを防止するために、車両から携帯端末に電力供給線の装着状況を示す信号を送信する際、その送信のタイミングを適切に制御することを第2の目的とする。
【0012】
また、本願発明者が、携帯端末が車両の充電量を推定する点について検討したところ、特許文献1、2では、車両の充電状況とは無関係なタイミングで充電量の通知を行うので、携帯端末側で充電量を推定するための充電量通知としては、必ずしも適切ではないという問題点を見いだした。例えば、充電量が一定の上昇率で推移しており、充電量の推定が容易であるにも関わらず、携帯端末から車両に頻繁に問い合わせを行ってしまう可能性があり、その場合は、無駄な通信が発生してしまう。また、場合によっては、車両に電力供給する充電器の電力供給能力に大きな変化があったとしても、充電量の通知が為されず、携帯端末側の推定が現実と大きく異なってしまう可能性がる。
【0013】
本発明は上記点に鑑み、プラグイン充電車両のバッテリの充電状態(例えば充電量)を充電監視装置から携帯端末に通知し、携帯端末は受信した充電状態に基づいて充電量の推定を行う充電状態通知システムにおいて、携帯端末における充電状態の推定に適したタイミングで充電量の通知を行うことを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記第1の目的を達成するための請求項1に記載の発明は、二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、に搭載されるための車載用ドア制御装置と、前記車載用ドア制御装置と通信するための携帯端末と、を備えた車両用ドア制御システムであって、前記携帯端末または前記車両は、ユーザのドアロック操作を受け付けるドア操作部を備え、前記携帯端末は、前記車載用ドア制御装置との通信を行いその通信のために信号の増幅および周波数変換を行う携帯側無線部と、ユーザに報知を行うための携帯側報知部と、前記携帯側無線部および前記携帯側報知部を制御するための携帯側制御部と、を備え、前記車載用ドア制御装置は、前記車両のユーザが携帯する携帯端末と通信するための車載側無線部と、前記車載側無線部を制御する車載側制御部と、を備え、前記携帯側制御部は、前記携帯側無線部を制御して所定のドアロック信号を前記車載用ドア制御装置へ無線送信させ、前記車載側制御部は、前記ドア操作部が前記ドアロック操作を受け付け且つ前記ドアロック信号を前記車載側無線部が受信した場合に前記車両のドアを施錠すべきであると判定するドアロック判定手段と、前記ドアロック判定手段が前記ドアを施錠すべきであると判定したドアロックタイミングにおいて、前記ドアを施錠すると共に前記車載側無線部を制御して前記二次電池の前記ドアロックタイミングにおける充電量を示す信号を前記携帯端末へ送信させる送信制御手段と、を有し、前記携帯側制御部は更に、前記携帯側無線部が前記二次電池の充電量を示す信号を受信した後の所定の表示タイミングにおいて、受信した前記信号が示す充電量に対して前記ドアロックタイミングから前記表示タイミングまでの経過時間に応じた加算量を加算することで前記表示タイミングにおける前記二次電池の推定充電量を算出し、算出した推定充電量に関連する量を前記携帯側報知部に表示させることを特徴とする車両用ドア制御システムである。
【0015】
このようになっていることで、車両用ドア制御システムにおいて、ドア操作部がドアロック操作を受け付け、且つ、ドアロック信号を車載側無線部が受信した場合に、車載側制御部が、車両のドアを施錠すべきであると判定し、その判定を行ったドアロックタイミングにおいて、ドアを施錠すると共に、その時点における二次電池の充電量を示す信号を携帯端末へ送信させる。
【0016】
このようになっていると、ユーザがドア操作部に対してドアロック操作をし、それに応じてドアが施錠された場合は、車載用ドア制御装置から送信された充電量を示す信号が携帯端末にて受信される可能性が非常に高い。これは、ドアが施錠されるのは、ドアロック操作があると共にドアロック信号を車載側無線部が受信した場合となっているからである。つまり、ドアロック操作があったときにドアが施錠されたということは、携帯端末から送信された所定のドアロック信号が車載用ドア制御装置にて受信されたということを意味している。そして、ドアロック信号が車載用ドア制御装置にて受信されたということは、携帯端末と車載用ドア制御装置との間の無線通信路の通信環境が良好であることを意味しており、その場合は、車載用ドア制御装置から送信された充電量を示す信号が携帯端末にて受信される可能性も非常に高いことになる。
【0017】
したがって、ユーザがドア操作部に対してドアロック操作をし、ドアが実際に施錠されたことを、視覚または聴覚にて確認した場合は、充電量を示す信号が携帯端末にて受信されている可能性が非常に高い。
【0018】
一方、ユーザがドア操作部に対してドアロック操作をしたにも関わらず、ドアが実際に施錠されなかった場合は、携帯端末から送信された所定のドアロック信号が車載用ドア制御装置にて受信されなかったということになる。したがってこの場合は、携帯端末と車載用ドア制御装置との間の無線通信路の通信環境が悪いことを意味しており、その場合は、車載用ドア制御装置から送信された充電量を示す信号が携帯端末にて受信されなかった可能性が高い。
【0019】
しかしこの場合、ユーザは車両のドアが施錠されなかったことに気付くので、ドア操作部に対してドアロック操作を繰り返し、確実にドアの施錠を実現しようとする。そして、最終的にドアの施錠が実現したときには、上述の通り、充電量を示す信号が携帯端末にて受信される可能性が非常に高い。
【0020】
このように、ユーザが車両のドアの施錠は確実に行おうとする傾向が極めて強いという事実を利用して、車両のドアの施錠の成功・失敗と、充電量を示す信号の受信の成功・失敗とを連動させることで、充電量を示す信号をほぼ確実に携帯端末に受信させることができる。
【0021】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用ドア制御システムにおいて、前記車載側制御部は、前記ドアロックタイミングにおいて、車両が車両外の電源に接続されていることに基づいて、前記車載側無線部を制御して、車両が車両外の電源に接続されている旨を示すプラグ状態信号を、前記携帯端末へ送信させ、前記携帯側制御部は、前記携帯側無線部が前記プラグ状態信号を受信したことに基づいて、車両が車両外の電源に接続されている旨の情報を前記携帯側報知部に表示させることを特徴とする。
【0022】
このように、ドアロックタイミングにおいて、車両が車両外の接続されている旨を示すプラグ状態信号を、携帯端末へ送信させるようになっていることで、充電量を示す信号と同様、プラグ状態信号も、携帯端末でほぼ確実に受信できるようになる。したがって、ユーザは車両から遠く離れた場所(例えば家の中)においても、車両が電源に接続されたことを確認することができる。したがって、車両から遠く離れてしまった後で、自分が電力供給線を介して車両を電源に接続したかどうか不安になり、それを確認するためだけに車両に戻ってしまうという無駄をなくすことができる。
【0023】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両用ドア制御システムにおいて、前記二次電池が自車外の電源を用いて充電されていることに基づいて、前記車載側無線部を制御して、前記二次電池が自車外の電源を用いて充電されている旨を示す充電状態信号を、前記携帯端末へ送信させ、前記携帯側制御部は、前記携帯側無線部が前記充電状態信号を受信したことに基づいて、前記二次電池が自車外の電源を用いて充電されている旨の情報を前記携帯側報知部に表示させることを特徴とする。
【0024】
このように、ドアロックタイミングにおいて、二次電池が自車外の電源を用いて充電されている旨を示す充電状態信号を、携帯端末へ送信させるようになっていることで、充電量を示す信号と同様、充電状態信号も、携帯端末でほぼ確実に受信できるようになる。したがって、ユーザは車両から遠く離れた場所(例えば家の中)においても、二次電池が充電されていることを確認することができる。したがって、車両から遠く離れてしまった後で、二次電池が充電されているかどうか不安になり、それを確認するためだけに車両に戻ってしまうという無駄をなくすことができる。
【0025】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3に記載の車両用ドア制御システムにおいて、前記携帯側制御部は、前記表示タイミングにおいて算出した前記推定充電量で、自車外の電源から前記二次電池に充電せずに走行可能な距離の予想値を算出し、前記推定充電量に関連する量として、前記走行可能な距離の予想値を前記携帯側報知部に表示させることを特徴とする。
【0026】
このように、携帯端末が、表示タイミングにおいて算出した推定充電量に基づいて、その推定充電量で走行可能な距離の予想値を算出して表示することで、ユーザは、自車両の二次電池が現在どれぐらい走行できる程度に充電されたかを直感的に把握することができる。
【0027】
また、請求項5に記載の発明は、前記携帯側制御部は、請求項4に記載の車両用ドア制御システムにおいて、前記推定充電量を、単位走行距離当たりに前記車両が消費する電力量(以下、電力消費率という)で除算した結果の値を、前記走行可能な距離の予想値とし、前記電力消費率については、過去に前記車両が走行したときの単位走行距離当たりの前記二次電池の充電量の減少量に基づいて決定することを特徴とする。
【0028】
このようになっていることで、過去の車両の走行履歴に基づいて走行可能な距離の予想値を算出することができるので、走行可能な距離の予想値が車両の特性および使用状況を反映してより正確な値となる。
【0029】
また、請求項6に記載の発明は、前記携帯端末は、請求項4に記載の車両用ドア制御システムにおいて、ユーザが数値を入力するための数値入力操作部を備え、前記携帯側制御部は、前記推定充電量を、単位走行距離当たりに前記車両が消費する電力量(以下、電力消費率という)で除算した結果の値を、前記走行可能な距離の予想値とし、前記電力消費率については、前記数値入力操作部を用いてユーザが入力した数値に基づいて決定することを特徴とする。
【0030】
このようになっていることで、ユーザの入力した電力消費率を用いて走行可能な距離の予想値を算出することができるので、車両の電力消費率を最も正しく知っている者の情報を利用して正しい走行可能な距離の予想値を算出することができる。
【0031】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1つに記載のドア制御装置において、前記車載側制御部の前記送信制御手段は、前記ドアロック判定手段が前記ドアロック信号の受信を検出した後、最初に前記車載無線部に送信させる信号として、前記二次電池の充電量を示す信号を直ちに前記携帯端末へ送信させることを特徴とする。
【0032】
このように、車載用ドア制御装置は、ドアロック信号の受信を検出した後で最初に送信する信号として、二次電池の充電量を示す信号を直ちに携帯端末へ送信する。すなわち、ドアロック信号を受信した後、ドアロック信号を受信した旨の確認応答等の送信を間に挟むことなく、二次電池の充電量を示す信号を送信できるので、ドアロック信号の受信と二次電池の充電量を示す信号の送信との同時性を高めることができる。ひいては、二次電池の充電量を示す信号を携帯端末がより確実に受信できるようになる。
【0033】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用ドア制御システムにおいて、前記ドア操作部は、前記携帯端末に備えられ、前記携帯側制御部は、前記ドア操作部に対して前記ドアロック操作が行われたことに起因して、前記携帯側無線部を制御して前記ドアロック信号を前記車載用ドア制御装置に無線送信させ、前記ドアロック判定手段は、前記ドアロック操作に起因して送信された前記ドアロック信号を前記車載側無線部が受信したことに基づいて、前記車両のドアを施錠すべきであると判定することを特徴とする。このように、本発明の車両用ドア制御システムをいわゆるキーレスエントリーシステムに応用することができる。
【0034】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用ドア制御システムにおいて、前記ドア操作部は、前記車両に備えられ、前記ドアロック判定手段は、前記ドアロック信号を前記車載側無線部が受信したこと、および、前記ドア操作部に対して前記ドアロック操作があったことに基づいて、前記車両のドアを施錠すべきであると判定することを特徴とする。このように、本発明の車両用ドア制御システムを、スマートエントリシステム、インテリジェントキーシステム等とよばれるシステムに応用することができる。
【0035】
また、上記第1の目的を達成するための請求項10に記載の発明は、二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、に搭載されるための車載用ドア制御装置であって、前記車両のユーザが携帯する携帯端末と通信するための車載側無線部と、前記車載側無線部を制御する車載側制御部と、を備え、前記車載側制御部は、前記携帯端末または前記車両に備えられたドア操作部がユーザのドアロック操作を受け付け且つ前記携帯端末から送信された所定のドアロック信号を前記車載側無線部が受信した場合に、前記車両のドアを施錠すべきであると判定するドアロック判定手段と、前記ドアロック判定手段が前記ドアを施錠すべきであると判定したドアロックタイミングにおいて、前記ドアを施錠すると共に前記車載側無線部を制御して前記二次電池の前記ドアロックタイミングにおける充電量を示す信号を前記携帯端末へ送信させる送信制御手段と、を有していることを特徴とする車載用ドア制御装置である。このように、本発明は、上述の車両用ドア制御システムのみならず、車両用ドア制御システムの一部としての車載用ドア制御装置としても捉えることができる。
【0036】
また、上記第1の目的を達成するための請求項11に記載の発明は、二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、と通信するための携帯端末であって、前記車両との通信を行いその通信のために信号の増幅および周波数変換を行う携帯側無線部と、ユーザに報知を行うための携帯側報知部と、前記携帯側無線部および前記携帯側報知部を制御するための携帯側制御部と、を備え、前記携帯側制御部は、ユーザのドアロック操作を受け付けるために当該携帯端末または車両に備えられたドア操作部が前記ドアロック操作を受け付けたことに起因して、前記携帯側無線部への電力供給を開始させ、その後に、前記携帯側無線部を制御して所定のドアロック信号を前記車両へ送信させ、その後に、前記車両が前記所定のドアロック信号を受信したことに起因して前記二次電池の充電量を示す信号を送信し、前記二次電池の充電量を示す信号を前記携帯側無線部が受信するまで、前記携帯側無線部への電力供給を続け、前記充電量を示す信号を受信したことに起因して、前記携帯側無線部への電力供給をオフにし、前記携帯側制御部は更に、前記携帯側無線部が前記二次電池の充電量を示す信号を受信した後の所定の表示タイミングにおいて、受信した前記信号が示す充電量に対して前記ドアロックタイミングから前記表示タイミングまでの経過時間に応じた加算量を加算することで前記表示タイミングにおける前記二次電池の推定充電量を算出し、算出した推定充電量に関連する量を前記携帯側報知部に表示させることを特徴とする携帯端末である。このように、本発明は、上述の車両用ドア制御システムのみならず、車両用ドア制御システムの一部としての携帯端末としても捉えることができる。
【0037】
そして、この携帯端末は、ドア操作部がドアロック操作を受け付けたことに起因して、携帯側無線部への電力供給を開始させ、その後に、所定のドアロック信号を車両へ送信させ、その後に、二次電池の充電量を示す信号を携帯側無線部が受信するまで、携帯側無線部への電力供給を続け、充電量を示す信号を受信したことに起因して、携帯側無線部への電力供給をオフにする。
【0038】
無線通信のための電力消費を節約するために、必要なときにのみ携帯側無線部への電力供給をオンとしたいという要請は一般的なものである。しかし、本発明における携帯端末は、単にドアの施錠のための信号(ドアロック信号等)を送受信するのみならず、車両から二次電池の充電量を示す信号を受信する必要がある。そのような前提において、本発明の携帯端末は、ドアロック信号を送信したタイミングとほぼ同じタイミングで、車両から二次電池の充電量を示す信号を受信するので、ドアロック信号の送信タイミングと二次電池の充電量を示す信号の受信タイミングの両方を含む期間において、上述のように携帯側無線部への電力供給を続けても、消費電力の増大は抑えられる。
【0039】
仮に、ドアロック信号を送信するタイミングと、二次電池の充電量を示す信号を受信するタイミングとが大きくずれていれば、消費電力を低減するためには、ドアロック信号を送信するタイミングの前後で携帯側無線部への電力供給をオン、オフし、更に、二次電池の充電量を示す信号を受信するタイミングの前後で携帯側無線部への電力供給を再度オン、オフする必要があり、二度手間になってしまい、そのための処理負荷が増大する。
【0040】
また、本発明では、二次電池の充電量を示す信号を受信するタイミングが、ドアロック信号を送信するタイミングとほぼ同じであるので、二次電池の充電量を示す信号を受信するタイミングがある程度限定されている。もしこのようになっておらず、二次電池の充電量を示す信号を受信するタイミングがいつになるのかわからない場合は、充電量を示す信号を待つために、携帯側無線部への電力供給を常時オンとしなければならず、消費電力の無駄な増大を招いてしまう。
【0041】
また、上記第1の目的を達成するための請求項12に記載の発明は、二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、に搭載されるための車載用ドア制御装置に用いる車載用ドア制御装置用プログラムであって、前記車載用ドア制御装置は、前記車両のユーザが携帯する携帯端末と通信するための車載側無線部と、前記車載側無線部を制御する車載側制御部と、を備え、当該車載用ドア制御装置用プログラムは、前記車載側制御部を、前記携帯端末または前記車両に備えられたドア操作部がユーザのドアロック操作を受け付け且つ前記携帯端末から送信された所定のドアロック信号を前記車載側無線部が受信した場合に、前記車両のドアを施錠すべきであると判定するドアロック判定手段、および、前記ドアロック判定手段が前記ドアを施錠すべきであると判定したドアロックタイミングにおいて、前記ドアを施錠すると共に前記車載側無線部を制御して前記二次電池の前記ドアロックタイミングにおける充電量を示す信号を前記携帯端末へ送信させる送信制御手段、として機能させることを特徴とする車載用ドア制御装置用プログラムである。このように、車載用ドア制御装置の発明を、車載用ドア制御装置用プログラムの発明として捉えることもできる。
【0042】
また、上記第1の目的を達成するための請求項13に記載の発明は、二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、と通信するための携帯端末に用いる携帯端末用プログラムであって、前記携帯端末用は、前記車両との通信を行いその通信のために信号の増幅および周波数変換を行う携帯側無線部と、ユーザに報知を行うための携帯側報知部と、前記携帯側無線部および前記携帯側報知部を制御するための携帯側制御部と、を備え、当該携帯端末用プログラムは、ユーザのドアロック操作を受け付けるために当該携帯端末または車両に備えられたドア操作部が前記ドアロック操作を受け付けたことに起因して、前記携帯側無線部への電力供給を開始させ、その後に、前記携帯側無線部を制御して所定のドアロック信号を前記車両へ送信させ、その後に、前記車両が前記所定のドアロック信号を受信したことに起因して前記二次電池の充電量を示す信号を送信し、前記二次電池の充電量を示す信号を前記携帯側無線部が受信するまで、前記携帯側無線部への電力供給を続け、前記充電量を示す信号を受信したことに起因して、前記携帯側無線部への電力供給をオフにする機能、および、前記携帯側制御部は更に、前記携帯側無線部が前記二次電池の充電量を示す信号を受信した後の所定の表示タイミングにおいて、受信した前記信号が示す充電量に対して前記ドアロックタイミングから前記表示タイミングまでの経過時間に応じた加算量を加算することで前記表示タイミングにおける前記二次電池の推定充電量を算出し、算出した推定充電量に関連する量を前記携帯側報知部に表示させる機能を、前記携帯側制御部に実現させることを特徴とする携帯端末用プログラムである。このように、上述の携帯端末の発明を、携帯端末用のプログラムの発明として捉えることもできる。
【0043】
また、上記第2の目的を達成するための請求項14に記載の発明は、二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、に搭載されるための車載用ドア制御装置と、前記車載用ドア制御装置と通信するための携帯端末と、を備えた車両用ドア制御システムであって、
前記携帯端末または前記車載用ドア制御装置は、ユーザのドアアンロック操作を受け付けるドア操作部を備え、前記携帯端末は、前記車載用ドア制御装置との通信を行いその通信のために信号の増幅および周波数変換を行う携帯側無線部と、ユーザに報知を行うための携帯側報知部と、前記携帯側無線部および前記携帯側報知部を制御するための携帯側制御部と、を備え、前記車載用ドア制御装置は、前記車両のユーザが携帯する携帯端末と通信するための車載側無線部と、前記車載側無線部を制御する車載側制御部と、を備え、
前記携帯側制御部は、前記携帯側無線部を制御して所定のドアアンロック信号を前記車載用ドア制御装置に無線送信させ、前記車載側制御部は、前記ドア操作部が前記ドアアンロック操作を受け付け且つ前記ドアアンロック信号を前記車載側無線部が受信した場合に前記車両のドアを解錠すべきであると判定するドアアンロック判定手段と、前記ドアアンロック判定手段が前記ドアを解錠すべきであると判定したドアアンロックタイミングにおいて、前記ドアを解錠する解錠手段と、を備え、前記解錠手段は、前記ドアアンロックタイミングにおいて、前記ドアを解錠すると共に、前記車両が電力供給線を介して前記車両外の電源に接続されているか否かを検出し、検出結果に基づいて、前記車載側無線部を制御して、前記前記車両と前記車両外の電源との電力供給線を介した接続の有無の状態を示すプラグ状態信号を、前記携帯端末へ送信させ、前記携帯側制御部は、前記ドアアンロックタイミングにおいて前記携帯側無線部が前記プラグ状態信号を受信したことに基づいて、前記プラグ状態信号に基づいて、前記車両が前記車両外の電源に接続されているか否かを判定し、接続されていると判定したことに基づいて、前記携帯側報知部を制御して、前記車両が前記車両外の電源に接続されている旨を警告するための報知を行わせることを特徴とする車両用ドア制御システムである。
【0044】
このようになっているので、携帯端末を携帯したユーザが車両に戻ってきたときにプラグ状態信号が車載用ドア制御装置から携帯端末に送信され、携帯端末は、受信したプラグ状態信号に基づいて、車両が車両外の電源に接続されているか否かを判定し、接続されていると判定したことに基づいて、警告のための報知を行うことができる。
【0045】
さらに、携帯端末から車載用ドア制御装置に所定のドアアンロック信号が送信されたときに、車載用ドア制御装置は、ドア操作部がドアアンロック操作を受け付け且つドアアンロック信号を受信したと判定し、その判定のあったドアアンロックタイミングにおいて、ドアを解錠すると共に、プラグ状態信号を送信するようになっている。したがって、警告のための報知の実行タイミングは、ドアアンロックタイミングとほぼ同じである。
【0046】
このドアアンロックタイミングは、ユーザが車両に乗り込む直前のタイミングある。このタイミングは、電力供給線の外し忘れを警告するための報知の実行タイミングとしては、最適である。なぜなら、充電が完了したプラグイン充電車両を使用するときの通常の手順は、ユーザがまず電力供給線を外し、その上でドアを解錠し、車両に搭乗するというものだからである。
【0047】
例えば、本発明と異なり、ユーザが車両に戻ってきて携帯端末と車載用ドア制御装置とが通信可能となってすぐに警告のための報知を行った場合、ユーザはこれから電力供給線を外そうと思っていた矢先に警告を受けてしまう可能性が高い。この場合、ユーザは警告を邪魔だと感じてしまう恐れがある。
【0048】
また例えば、本発明と異なり、ユーザが車両に搭乗して更に車両の駆動動力源(エンジン、モータ等)を起動した時に警告のための報知を行った場合、ユーザは、電力供給線を外すために車両を降り、電力供給線を外した後再度車両に搭乗しなくてはならない。
【0049】
これらの例に比べ、本発明は、ドアの解錠時という、ユーザが次の動作として車両に搭乗しようとする時であり、かつ、車両内にまだ乗り込んでいない時に、警告のための報知を行うので、電力供給線の外し忘れを警告するには最適のタイミングである。
【0050】
また、上記第2の目的を達成するための請求項15に記載の発明は、二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、に搭載されるための車載用ドア制御装置であって、前記車両のユーザが携帯する携帯端末と通信するための車載側無線部と、前記車載側無線部を制御する車載側制御部と、を備え、前記車載側制御部は、前記携帯端末または前記車両に備えられたドア操作部がユーザのドアアンロック操作を受け付け且つ前記携帯端末から送信されたドアアンロック信号を前記車載側無線部が受信した場合に、前記車両のドアを解錠すべきであると判定するドアアンロック判定手段と、前記ドアアンロック判定手段が前記ドアを解錠すべきであると判定したドアアンロックタイミングにおいて、前記ドアを解錠する解錠手段と、を備え、前記解錠手段は、前記ドアアンロックタイミングにおいて、前記ドアを解錠すると共に、前記車両が電力供給線を介して前記車両外の電源に接続されているか否かを検出し、検出結果に基づいて、前記車載側無線部を制御して、前記車両と前記車両外の電源との電力供給線を介した接続の有無の状態を示すプラグ状態信号を、前記携帯端末へ送信させることを特徴とする。このように、本発明は、上述の車両用ドア制御システムのみならず、車両用ドア制御システムの一部としての車載用ドア制御装置としても捉えることができる。
【0051】
また、上記第2の目的を達成するための請求項16に記載の発明は、二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、と通信するための携帯端末であって、前記車両との通信を行いその通信のために信号の増幅および周波数変換を行う携帯側無線部と、ユーザのドアアンロック操作を受け付けるドア操作部と、ユーザに報知を行うための携帯側報知部と、前記携帯側無線部および前記携帯側報知部を制御するための携帯側制御部と、を備え、前記ドア操作部が前記ドアアンロック操作を受け付けたことに基づいて、前記携帯側無線部への電力供給を開始させ、その後に、前記携帯側無線部を制御して所定のドアアンロック信号を前記車両へ送信させ、その後に、電力供給線を介した前記車両と前記車両外の電源との接続の有無の状態を示すプラグ状態信号を前記携帯側無線部が受信するまで、前記携帯側無線部への電力供給を続け、前記プラグ状態信号を受信したことに起因して、前記携帯側無線部への電力供給をオフにすることを特徴とする。このように、本発明は、上述の車両用ドア制御システムのみならず、車両用ドア制御システムの一部としての携帯端末としても捉えることができる。
【0052】
そして、この携帯端末は、ドア操作部がドアアンロック操作を受け付けたことに起因して、携帯側無線部への電力供給を開始させ、その後に、所定のドアアンロック信号を車両へ送信させ、その後に、プラグ状態信号を携帯側無線部が受信するまで、携帯側無線部への電力供給を続け、充電量を示す信号を受信したことに起因して、携帯側無線部への電力供給をオフにする。
【0053】
無線通信のための電力消費を節約するために、必要なときにのみ携帯側無線部への電力供給をオンとしたいという要請は一般的なものである。しかし、本発明における携帯端末は、単にドアの解錠のための信号(ドアアンロック信号等)を送受信するのみならず、車両からプラグ状態信号を受信する必要がある。そのような前提において、本発明の携帯端末は、ドアアンロック信号を送信したタイミングとほぼ同じタイミングで、車両からプラグ状態信号を受信するので、ドアアンロック信号の送信タイミングとプラグ状態信号の受信タイミングの両方を含む期間において、上述のように携帯側無線部への電力供給を続けても、消費電力の増大は抑えられる。
【0054】
仮に、ドアアンロック信号を送信するタイミングと、プラグ状態信号を受信するタイミングとが大きくずれていれば、消費電力を低減するためには、ドアアンロック信号を送信するタイミングの前後で携帯側無線部への電力供給をオン、オフし、更に、プラグ状態信号を受信するタイミングの前後で携帯側無線部への電力供給を再度オン、オフする必要があり、二度手間になってしまい、そのための処理負荷が増大する。
【0055】
また、本発明では、プラグ状態信号を受信するタイミングが、ドアアンロック信号を送信するタイミングとほぼ同じであるので、プラグ状態信号を受信するタイミングがある程度限定されている。もしこのようになっておらず、プラグ状態信号を受信するタイミングがいつになるのかわからない場合は、充電量を示す信号を待つために、携帯側無線部への電力供給を常時オンとしなければならず、消費電力の無駄な増大を招いてしまう。
【0056】
また、上記第2の目的を達成するための請求項17に記載の発明は、二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、に搭載されるための車載用ドア制御装置に用いる車載用ドア制御装置用プログラムであって、前記車載用ドア制御装置は、前記車両のユーザが携帯する携帯端末と通信するための車載側無線部と、前記車載側無線部を制御する車載側制御部と、を備え、前記車載用ドア制御装置用プログラムは、前記車載側制御部を、前記携帯端末または前記車両に備えられたドア操作部がユーザのドアアンロック操作を受け付け且つ前記携帯端末から送信されたドアアンロック信号を前記車載側無線部が受信した場合に、前記車両のドアを解錠すべきであると判定するドアアンロック判定手段、および、前記ドアアンロック判定手段が前記ドアを解錠すべきであると判定したドアアンロックタイミングにおいて、前記ドアを解錠する解錠手段、として機能させ、前記解錠手段は、前記ドアアンロックタイミングにおいて、前記ドアを解錠すると共に、前記車両が前記車両外の電源に電力供給線を介して接続されているか否かを検出し、検出結果に基づいて、前記車載側無線部を制御して、前記車両と前記車両外の電源との電力供給線を介した接続の有無の状態を示すプラグ状態信号を、前記携帯端末へ送信させることを特徴とする。このように、上記車載用ドア制御装置の発明は車載用ドア制御装置用のプログラムの発明としても捉えることができる。
【0057】
また、上記第2の目的を達成するための請求項18に記載の発明は、二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、と通信するための携帯端末に用いる携帯端末用プログラムであって、前記携帯端末は、前記車両との通信を行いその通信のために信号の増幅および周波数変換を行う携帯側無線部と、ユーザのドアアンロック操作を受け付けるドア操作部と、ユーザに報知を行うための携帯側報知部と、前記携帯側無線部および前記携帯側報知部を制御するための携帯側制御部と、を備え、前記携帯端末用プログラムは、前記ドア操作部が前記ドアアンロック操作を受け付けたことに基づいて、前記携帯側無線部への電力供給を開始させ、その後に、前記携帯側無線部を制御して所定のドアアンロック信号を前記車両へ送信させ、その後に、前記車両と前記車両外の電源との電力供給線を介した接続の有無の状態を示すプラグ状態信号を前記携帯側無線部が受信するまで、前記携帯側無線部への電力供給を続け、前記プラグ状態信号を受信したことに起因して、前記携帯側無線部への電力供給をオフにするよう、前記携帯側報知部を機能させることを特徴とする。このように、上記車載用ドア制御装置の発明は、携帯端末用のプログラムの発明としても捉えることができる。
【0058】
また、上記第3の目的を達成するための請求項19に記載の発明は、二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の充電器(30)のプラグ差し込み口(31)と接続して電力供給を受けて前記二次電池(2)を充電可能な車両(1)と、前記二次電池(2)の充電状態を検出して送信する充電状態監視装置(14、37)と、前記充電状態監視装置(14、37)が送信した前記充電状態を受信する携帯端末(20)と、を備えた充電状態通知システムであって、前記携帯端末(20)は、受信した前記充電状態に基づいて前記二次電池(2)の現在の推定充電量を算出し、算出した推定充電量に関連する量を表示し、前記充電状態監視装置(14、37)は、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があるか否かを判定する判定手段(910)と、前記判定手段(910)が通知を行う必要があると判定した前記携帯端末(20)に、前記充電状態を送信する送信手段(915)と、を備え、前記判定手段(910)は、前記プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eが変化したことに基づいて、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定し、前記プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eは、当該プラグ差し込み口(31)に接続されている前記車両(1)の前記二次電池(2)に対して前記充電器(30)の現時点の能力として供給することが可能な最大電力であり、前記二次電池(2)の充電量が変化しても、それを起因として変化することはないことを特徴とする充電状態通知システムである。
【0059】
このように、充電状態通知システムにおいて、充電状態監視装置(14、37)は、プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eが変化したことに基づいて、携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定する。
【0060】
プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eが変化した場合は、それ以降の二次電池(2)の充電量の推移が、変化前の予想と大きく異なる可能性があるので、この変化後の充電状態を携帯端末(20)に通知することで、携帯端末(20)側では、この受信した充電状態に基づいて、より正確な推定充電量を算出することができる。
【0061】
また、請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の充電状態通知システムにおいて、前記判定手段(910)は、前記プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eが変化し、かつ、実際に前記プラグ差し込み口(31)から前記二次電池(2)に供給される電力(以下、ライン電力Pという)と前記供給可能電力Eとが等しいことに基づいて、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定することを特徴とする。
【0062】
このように、充電状態監視装置(14、37)は、プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eが変化し、かつ、実際に前記プラグ差し込み口(31)から前記二次電池(2)に供給されるライン電力Pと供給可能電力Eとが等しいことに基づいて、携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定する。
【0063】
プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eが変化した場合であっても、ライン電力Pに変化がない場合がある。例えば、供給可能電力Eが変化する段階で、すでにライン電力Pが供給可能電力Eよりも大幅に低下している場合がそれに該当する。そこで、上記のように、ライン電力Pと供給可能電力Eとが等しいという加重条件を設けることで、携帯端末(20)に必要性の低い充電状態の送信を行ってしまう可能性が低下する。
【0064】
また、請求項21に記載の発明は、請求項20に記載の充電状態通知システムにおいて、前記判定手段(910)は、前記プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eが変化し、かつ、ライン電力Pと前記供給可能電力Eとが等しく、かつ、前記二次電池(2)の充電完了予想時刻が、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を最後に行ったときの充電完了予想時刻に対して所定時間以上変化したことに基づいて、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定することを特徴とする。
【0065】
このように、充電状態監視装置(14、37)は、プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eが変化し、かつ、実際に前記プラグ差し込み口(31)から前記二次電池(2)に供給されるライン電力Pと供給可能電力Eとが等しく、かつ、二次電池(2)の充電完了予想時刻が、携帯端末(20)に充電状態の通知を最後に行ったときの充電完了予想時刻に対して所定時間以上変化したことに基づいて、携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定する。
【0066】
プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eが変化し、それと同じ値にライン電力Pが変化した場合であっても、充電完了予想時刻が充電状態の通知を最後に行ったときの充電完了予想時刻よりもあまり変化していない場合もある。したがって、そのような場合には通知しないことで、携帯端末(20)に必要性の低い充電状態の送信を行ってしまう可能性が低下する。
【0067】
また、請求項22に記載の発明は、請求項21に記載の充電状態通知システムにおいて、前記判定手段は、あらかじめ複数タイミングにおける前記供給可能電力Eの変化の予定を充電計画として取得し、取得した充電計画に基づいて前記充電完了予想時刻を算出することを特徴とする。
【0068】
このようになっていることで、それら複数タイミングのそれぞれで、いちいち充電状況を携帯端末(20)に通知する必要がなくなり、通信コストも低減する。
【0069】
また、請求項23に記載の発明は、請求項19ないし22のいずれか1つに記載の充電状態通知システムに用いられる充電状態監視装置であって、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があるか否かを判定する判定手段(910)と、前記判定手段(910)が通知を行う必要があると判定した前記携帯端末(20)に、前記充電状態を送信する送信手段(915)と、を備え、前記判定手段(910)は、前記プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eが変化したことに基づいて、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定し、前記プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eは、当該プラグ差し込み口(31)に接続されている前記車両(1)の前記二次電池(2)に対して前記充電器(30)の現時点の能力として供給することが可能な最大電力であり、前記二次電池(2)の充電量が変化しても、それを起因として変化することはないことを特徴とする充電状態監視装置である。
【0070】
このように、充電状態通知システムの発明の特徴は、充電状態監視装置の発明の特徴としても捉えることができる。
【0071】
また、請求項24に記載の発明は、請求項19ないし22のいずれか1つに記載の充電状態通知システムに用いられる充電状態監視装置に実行させるプログラムであって、
前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があるか否かを判定する判定手段(910)、および、前記判定手段(910)が通知を行う必要があると判定した前記携帯端末(20)に、前記充電状態を送信する送信手段(915)として、前記充電状態監視装置を機能させ、前記判定手段(910)は、前記プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eが変化したことに基づいて、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定し、前記プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eは、当該プラグ差し込み口(31)に接続されている前記車両(1)の前記二次電池(2)に対して前記充電器(30)の現時点の能力として供給することが可能な最大電力であり、前記二次電池(2)の充電量が変化しても、それを起因として変化することはないことを特徴とするプログラムである。
【0072】
このように、充電状態通知システムの発明の特徴は、充電状態監視装置用のプログラムの発明の特徴としても捉えることができる。
【0073】
また、上記第3の目的を達成するための請求項25に記載の発明は、二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の充電器(30)の複数のプラグ差し込み口(31〜33)のいずれか1つ(31)と接続して電力供給を受けて前記二次電池(2)を充電可能な車両(1)と、前記二次電池(2)の充電状態を検出して送信する充電状態監視装置(14、37)と、前記充電状態監視装置(14、37)が送信した前記充電状態を受信する携帯端末(20)と、を備えた充電状態通知システムであって、
前記携帯端末(20)は、受信した前記充電状態に基づいて前記二次電池(2)の現在の推定充電量を算出し、算出した推定充電量に関連する量を表示し、前記充電状態監視装置(14、37)は、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があるか否かを判定する判定手段(910)と、前記判定手段(910)が通知を行う必要があると判定した前記携帯端末(20)に、前記充電状態を送信する送信手段(915)と、を備え、前記判定手段(910)は、前記複数のプラグ差し込み口(31〜33)に接続される車両の数が変化したことに基づいて、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定することを特徴とする充電状態通知システムである。
【0074】
このように、充電状態通知システムにおいて、充電状態監視装置(14、37)は、複数のプラグ差し込み口(31〜33)に接続される車両の数が変化したことに基づいて、携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定する。
【0075】
複数のプラグ差し込み口(31〜33)に接続される車両の数が変化した場合は、自車両(1)の接続先のプラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eが変化する可能性が高く、それ故、それ以降の二次電池(2)の充電量の推移が、変化前の予想と大きく異なる可能性がある。したがって、この変化後の充電状態を携帯端末(20)に通知することで、携帯端末(20)側では、この受信した充電状態に基づいて、より正確な推定充電量を算出することができる。
【0076】
また、請求項26に記載の発明は、請求項25に記載の充電状態通知システムに用いられる充電状態監視装置であって、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があるか否かを判定する判定手段(910)と、前記判定手段(910)が通知を行う必要があると判定した前記携帯端末(20)に、前記充電状態を送信する送信手段(915)と、を備え、前記判定手段(910)は、前記複数のプラグ差し込み口(31〜33)に接続される車両の数が変化したことに基づいて、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定することを特徴とする充電状態監視装置である。
【0077】
このように、充電状態通知システムの発明の特徴は、充電状態監視装置の発明の特徴としても捉えることができる。
【0078】
また、請求項27に記載の発明は、請求項25に記載の充電状態通知システムに用いられる充電状態監視装置に実行させるプログラムであって、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があるか否かを判定する判定手段(910)、および、前記判定手段(910)が通知を行う必要があると判定した前記携帯端末(20)に、前記充電状態を送信する送信手段(915)として、前記充電状態監視装置を機能させ、前記判定手段(910)は、前記複数のプラグ差し込み口(31〜33)に接続される車両の数が変化したことに基づいて、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定することを特徴とするプログラムである。
【0079】
このように、充電状態通知システムの発明の特徴は、充電状態監視装置用のプログラムの発明の特徴としても捉えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第1実施形態における車両用ドア制御システムの構成図である。
【図2】ドアが解錠された直後に車載側制御部が実行するプログラム100のフローチャートである。
【図3】バッテリ2を充電するために車載側制御部14が常時繰り返し実行するプログラム200のフローチャートである。
【図4】携帯側制御部がドアロック操作を受け付けるために常時繰り返し実行するプログラム300のフローチャートである。
【図5】ユーザが車両から降りて施錠をし、その後に車両から離れるまでの場面における手順の流れを示すフローチャートである。
【図6】ユーザが車両から離れている間、携帯側制御部が繰り返し実行するプログラム500のフローチャートである。
【図7】携帯端末20の表示部における表示例を示す図である。
【図8】車両のドアが施錠された直後に車載側制御部が実行するプログラム600のフローチャートである。
【図9】携帯側制御部がドアアンロック操作を受け付けるために常時繰り返し実行するプログラム700のフローチャートである。
【図10】ユーザが車両に接近して解錠し、その後に車両に搭乗するまでの場面における通常の手順の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2実施形態における車両用ドア制御システムの構成図である。
【図12】充電器30の構成図である。
【図13】充電器の制御部が実行する通知処理のフローチャートである。
【図14】携帯端末の携帯側制御部が実行する表示処理のフローチャートである。
【図15】第1、第2の判定方法を用いた充電状態通知を行う必要性の有無の判定例を説明するための図である。
【図16】第1、第2の判定方法を用いた充電状態通知を行う必要性の有無の判定例を説明するための図である。
【図17】第1、第2の判定方法を用いた充電状態通知を行う必要性の有無の判定例を説明するための図である。
【図18】第1、第2の判定方法を用いた充電状態通知を行う必要性の有無の判定例を説明するための図である。
【図19】第1、第2の判定方法を用いた充電状態通知を行う必要性の有無の判定例を説明するための図である。
【図20】第1、第2の判定方法を用いた充電状態通知を行う必要性の有無の判定例を説明するための図である。
【図21】第3、第4の判定方法を用いた充電状態通知を行う必要性の有無の判定例を説明するための図である。
【図22】第3、第4の判定方法を用いた充電状態通知を行う必要性の有無の判定例を説明するための図である。
【図23】第5の判定方法を用いた充電状態通知を行う必要性の有無の判定例を説明するための図である。
【図24】携帯端末20の表示部における表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0081】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1に、本発明の実施形態における車両用ドア制御システムの構成を示す。本実施形態における車両1は、車載システムの構成要素として、バッテリ2、充電制御部3、プラグ脱着検出部4、充電モニタ5、コネクタ6、ケーブル7、および車載用ドア制御装置10を搭載するようになっており、車両1の外部の充電器30から電力の供給を受けることができるようになっている。充電器30は、一軒家、集合住宅等の近隣の駐車場に設置された電力源である。
【0082】
ケーブル7は、車両1に備えられ、車両1のコネクタ6と接続しており、コネクタ6を充電器30に接続させるためのケーブルである。このケーブルは、不使用時には、車両1の内部に巻き取られた状態となっており、使用時には引き出されるようになっている。このケーブル7は、電力供給線8と接続検出線9とを含んでいる。
【0083】
電力供給線8は、ケーブル7のプラグが充電器30のプラグ差し込み口31に差し込まれているときに、充電器30から供給される電力を車両1のコネクタ6に伝える電力線である。
【0084】
接続検出線9は、ケーブル7のプラグが充電器30のプラグ差し込み口31に差し込まれたことを検出するための2本の導線9a、9bから成る。これら2本の導線9a、9bのそれぞれは、一方の端部がコネクタ6に接続しており、他方の端部はケーブル7のプラグがプラグ差し込み口31に差し込まれたときに、充電器30側の端子と接続する。そして、導線9aの端部が接続する充電器30側の端子と、導線9bの端部が接続する充電器30側の端子とは、常に導通している。したがって、ケーブル7のプラグがプラグ差し込み口31に差し込まれていないときには、導線9aと導線9bとは互いに導通せず、プラグがプラグ差し込み口31に差し込まれたときに、導線9aと導線9bとは互いに導通した状態になる。
【0085】
コネクタ6は、電力供給線8のコネクタ6側端部を電気的にプラグ脱着検出部4と接続させると共に、接続検出線9の導線9aと導線9bのコネクタ6側端部を電気的にプラグ脱着検出部4と接続させるインターフェース回路である。
【0086】
バッテリ2は、繰り返し充電可能な二次電池である。車両1は、このバッテリ2に蓄積された電力を走行エネルギーとして利用する。具体的には、車両1は、バッテリ2の電力をエネルギーとして図示しないモータを駆動させ、このモータの駆動力で車両1を走行させる。このように、バッテリ2に蓄えられた電力をエネルギー源として走行する車両としては、電気自動車(EV自動車)およびハイブリッド自動車(HV自動車)が知られている。電気自動車の場合は、バッテリ2に蓄えられた電力で駆動するモータの駆動力のみで自車両を走行させ、ハイブリッド自動車の場合は、バッテリ2に蓄えられた電力で駆動するモータの駆動力と内燃機関の駆動力で自車両を走行させる。
【0087】
充電制御部3は、プラグ脱着検出部4から受けた電力を最適に制御してバッテリ2に供給することで、バッテリ2に充電を行う装置である。この充電制御部3からバッテリ2への電力の供給の実行・非実行は、車載用ドア制御装置10によって制御可能である。
【0088】
プラグ脱着検出部4は、電力供給線8を介してコネクタ6と充電器30とが接続しているか否かを繰り返し判定し、その判定結果を車載側制御部14に出力する装置である。具体的には、接続検出線9の導線9aと導線9bとが導通しているか否かを、周知の方法で検出し、導通していれば、すなわち、ケーブル7のプラグがプラグ差し込み口31に差し込まれていれば、電力供給線8を介してコネクタ6と充電器30とが接続していると判定し、導通していなければ、すなわち、ケーブル7のプラグがプラグ差し込み口31に差し込まれていれば、電力供給線8を介してコネクタ6と充電器30とが接続していると判定する。
【0089】
また、プラグ脱着検出部4は、コネクタ6および電力供給線8を介して車両外部の充電器30から電力供給を受けた場合、受けた電力をそのまま充電制御部3に供給する。
【0090】
充電モニタ5は、バッテリ2の電圧、温度、SOC(充電状態)、充電回数、放電回数等を繰り返し(例えば定期的に1分周期で)検出し、その検出結果の信号を車載側制御部14に出力する。また、充電モニタ5は、車載側制御部14からの要求に応じて、その要求があった時点のSOC(充電状態)を示す信号を車載側制御部14に出力する。ここで、SOCとは、バッテリ2に蓄積されている電力量(または電力量に相当するパラメーター値)および、バッテリ2が満充電となるまでに充電されうる電力量(またはそれに相当するパラメーター値)を示す情報である。以下では、バッテリ2に蓄積されている電力量(または電力量に相当するパラメーター値)を、バッテリ2の充電量という。
【0091】
このように、車両1は、電力供給線8、コネクタ6、プラグ脱着検出部4、充電制御部3をこの順に介して充電器30からバッテリ2に電力供給することができる。したがって、車両1は、走行のためのエネルギー源を蓄えるバッテリ2を搭載すると共に自車外の充電器30を用いてバッテリ2を充電可能なプラグイン充電車両である。
【0092】
車載用ドア制御装置10は、携帯端末20と近距離無線通信を行うことによって車両1の図示しないドアの施錠および解錠を行う装置である。近距離無線通信とは、通信可能範囲が数十センチメートル〜数十メートルに限られる通信をいい、例えば、赤外線通信、Bluetooth、多くのキーレスエントリーシステムで使用されているLF帯、UHF帯の微弱無線通信等がある。
【0093】
この車載用ドア制御装置10は、車載側無線部11、車載側アンテナ12、ドア制御部13、および車載側制御部14を含んでいる。
【0094】
車載側無線部11は、携帯端末20との近距離無線通信のために、ベースバンド処理、周波数変換、変調、復調、増幅等の信号処理を行う装置であり、車載側制御部14によって制御される。具体的には、車載側無線部11は、車載側アンテナ12から受けた無線信号に対して増幅、周波数変換、復調、ベースバンド処理等を施し、その結果、当該無線信号を車載側制御部14が扱えるような信号に変換し、変換後の信号を車載側制御部14に出力する。また車載側無線部11は、車載側制御部14から出力された信号に対してベースバンド処理、変調、周波数変換、増幅等の処理を施し、その結果の無線信号を車載側アンテナ12を用いて車両1の外部に送出する。
【0095】
ドア制御部13は、車載側制御部14の制御を受けてドアの施錠、解錠を行う。ドアの施錠および解錠は、図示しないロック機構をドア制御部13が制御することで実現する。ロック機構は、電磁的な手段または機械的な手段を用いて、ロック部材を施錠時には解錠位置から施錠位置へ、解錠時には施錠位置から解錠位置に移動させる機構である。
【0096】
ドアロック機構としては、例えば、ドアの下部内壁に固着したストライカと、このストライカと係脱可能なラッチと、このラッチと係脱可能なロッキングプレート(ロック部材に相当する)と、このロッキングプレートを駆動するアクチュエータとを備えたものでもよい。この例のドアロック機構では、当該アクチュエータは、施錠時には、直流モータMを回転させることでロッキングプレートをその施錠位置の方向に移動させ、上記ラッチと上記ストライカとを系合させる。また、当該アクチュエータは、解錠時には、直流モータMを回転させることでロッキングプレートをその解錠位置の方向に移動させ、上記ラッチと上記ストライカとの系合を解除する。
【0097】
このように、ドアの施錠時、解錠時には、ロック部材が変位するので、ユーザ(例えばドライバ)が車両1の近傍にいる場合は、ロック部材の変位に伴った音を検知することで、またはロック部材の変位そのものを視認することで、施錠および解錠があったことを認識できる。あるいは、車載側制御部14は、ドアを施錠したときに、図示しない車両1のヘッドライト、ハザードランプ等を所定時間だけ点灯させることで、ユーザに施錠があったことおよび解錠があったことを報知するようになっていてもよい。
【0098】
車載側制御部14は、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等を備えたマイクロコンピュータを含む装置である。CPUは、ROMに記録されたプログラムをRAMに展開して実行し、その実行の際に、必要に応じてRAM、ROM、フラッシュメモリからデータを読み出し、RAM、フラッシュメモリにデータを書き込み、車載側無線部11、充電制御部3、プラグ脱着検出部4、充電モニタ5から信号を取得し、車載側無線部11、ドア制御部13、車載側制御部14を制御する。車載側制御部14の作動の詳細については後述する。
【0099】
携帯端末20は、ユーザに携帯され、車載用ドア制御装置10と近距離無線通信を行うための装置である。本実施形態においては、携帯端末20は、キーレスエントリーシステムの無線キーとして用いられる。この携帯端末20は、携帯側無線部21、携帯側アンテナ22、操作部23(ドア操作部の一例に相当する)、携帯側報知部24、時計部25、電源制御部26、および携帯側制御部27を有している。
【0100】
携帯側無線部21は、車載用ドア制御装置10との近距離無線通信のために、ベースバンド処理、周波数変換、変調、復調、増幅等の信号処理を行う装置であり、携帯側制御部27によって制御される。具体的には、携帯側無線部21は、携帯側アンテナ22から受けた無線信号に対して増幅、周波数変換、復調、ベースバンド処理等を施し、その結果、当該無線信号を携帯側制御部27が扱えるような信号に変換し、変換後の信号を携帯側制御部27に出力する。また携帯側無線部21は、携帯側制御部27から出力された信号に対してベースバンド処理、変調、周波数変換、増幅等の処理を施し、その結果の無線信号を携帯側アンテナ22を用いて携帯端末20の外部に送出する。
【0101】
なお、携帯側無線部21に電力が供給されている場合は、ベースバンド処理、周波数変換、変調、復調、および増幅のために常時電力が消費されているが、携帯側無線部21に電力が供給されていない場合は、ベースバンド処理、周波数変換、変調、復調、および増幅のために電力が消費されることはない。
【0102】
操作部23は、ユーザが直接操作可能な押しボタン等の操作部材が備えられている。本実施形態においては、操作部23には、少なくとも2つの押しボタンが備えられている。それら2つの押しボタンのうち一方は、車両1のドアを施錠させるためのドアロックボタンであり、他方の押しボタンは、車両1のドアを解錠させるためのドアアンロックボタンである。ドアロックボタンを押下する操作は、ドアロック操作の一例に相当し、ドアアンロックボタンを押下する操作は、ドアアンロック操作の一例に相当する。操作部材がユーザによって操作された場合、操作部23は、その操作内容を特定する信号を携帯側制御部27に出力する。
【0103】
携帯側報知部24は、携帯側制御部27の制御に従ってユーザに文字、画像、振動、音等で各種の報知を行うための装置であり、表示部24a、バイブレータ24b、スピーカ24cを含んでいる。表示部24aは、ユーザに文字、画像を表示させる液晶ディスプレイ等の文字・画像表示デバイスである。バイブレータ24bは、自ら振動することで、ユーザに振動を伝える装置である。スピーカ24cは、音をユーザに伝える装置である。
【0104】
時計部25は、現在の日付および時刻を計測し、計測結果を携帯側制御部27に出力する装置である。
【0105】
電源制御部26は、携帯端末20の各部21〜25、27に作動用の電力を供給する装置である。この電源制御部26は、携帯側制御部27の制御に従って、携帯側無線部21への電力供給の有無を切り替えることができる。
【0106】
携帯側制御部27は、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等を備えたマイクロコンピュータを含む装置である。CPUは、ROMに記録されたプログラムをRAMに展開して実行し、その実行の際に、必要に応じてRAM、ROM、フラッシュメモリからデータを読み出し、RAM、フラッシュメモリにデータを書き込み、携帯側無線部21、操作部23、時計部25から信号を取得し、携帯側無線部21、携帯側報知部24、電源制御部26を制御する。携帯側制御部27の作動の詳細については後述する。
【0107】
次に、本実施形態における車両用ドア制御システムの作動内容について詳細に説明する。本実施形態においては、ユーザが車両1から降り、携帯端末20を操作してドアを施錠したタイミングで、車載用ドア制御装置10から携帯端末20に対してバッテリ2の充電量等を示す信号が送信される。そしてその後、ユーザに携帯されて車両1から離れた携帯端末20は、繰り返し訪れる表示タイミングにおいて、上述の施錠のタイミングで受信した充電量、経過時間、および充電レートに基づいて、現在のバッテリ2の推定充電量を算出し、算出した推定充電量に基づいて、その充電量で車両1が走行可能な距離の予想値を表示する。これによって、ユーザは、車両1から離れても、車両1の走行可能な距離の予想値を確認することができる。
【0108】
また、ユーザが車両1に戻ってきて、携帯端末20を操作してドアを解錠したタイミングで、車載用ドア制御装置10が、車両1と充電器30との電力供給線8を介した接続の有無を検出し、その検出結果を示すプラグ状態信号を携帯端末20に送信する。そして携帯端末20は、プラグ状態信号の受信後直ちに、受信したプラグ状態信号に基づいて、車両1と充電器30との電力供給線8を介した接続の有無を判定し、接続していれば、バイブレータ24b、スピーカ24cを用いて、警告のための報知をユーザに対して行う。
【0109】
まず、ユーザが車両1から降りて施錠をし、その後に車両1から離れるまでの場面における、車両用ドア制御システムの作動について説明する。図2に、車両1のドアが解錠された直後に車載側制御部14が実行するプログラム100のフローチャートを示す。このプログラム100は、後述するように、ドアを施錠した後に終了するので、ドアが解錠された状態において実行され続けているプログラムである。また、図3に、バッテリ2を充電するために車載側制御部14が常時繰り返し実行するプログラム200のフローチャートを示し、図4に、携帯側制御部27がドアロック操作を受け付けるために常時繰り返し実行するプログラム300のフローチャートを示し、図5に、ユーザが車両1から降りて施錠をし、その後に車両1から離れるまでの場面における通常の手順の流れを示す。
【0110】
まず、携帯端末20を携帯するユーザが車両1を停止させて降車する(図5のステップ410)。続いてユーザは、ケーブル7を車両1から引き出して充電器30のプラグ差し込み口31に差し込む(ステップ420)。すると車両1のプラグ脱着検出部4は、それまでコネクタ6と充電器30が接続されていない旨の判定結果を車載用ドア制御装置10の車載側制御部14に出力していたのが、接続検出線9の導線9aと9bが導通したことに起因して、電力供給線8を介してコネクタ6と充電器30が接続されていると判定し(ステップ430)、電力供給線8を介してコネクタ6と充電器30が接続されている旨の判定結果(図5中ではプラグイン信号と記す)を、車載用ドア制御装置10の車載側制御部14に出力する(ステップ440)。
【0111】
このとき車載側制御部14は、図3のステップ210で、プラグ脱着検出部4からの信号が、電力供給線8を介してコネクタ6と充電器30が接続されている旨を示す信号に変わったことに基づいて、電力供給線8を介してコネクタ6と充電器30が接続した(すなわち、プラグインされた)と判定し、ステップ220に処理を進める。そしてステップ220では、RAMまたはフラッシュメモリ中の充電フラグの値をオンに設定し、続いてステップ230で、充電制御部3を制御して、充電器30を用いたバッテリ2への充電を開始させる。これによって、バッテリ2の充電が開始される(ステップ450)。なお、充電制御部3は、充電を開始した後、充電を開始した旨を示す確認信号を車載側制御部14に出力するようになっていてもよい。なお、このようにして始まったバッテリ2の充電は、ステップ230に続いてステップ240でバッテリ2が満充電状態になったと判定するまで続けられる。
【0112】
その後ユーザは、ドアを施錠するため、車両1の近傍で、携帯端末20の操作部23に対してドアロック操作を行う(ステップ460)。すると携帯側制御部27は、図4のステップ305で、ドアロック操作が行われたと判定し、続いて処理をステップ310に進める。そしてステップ310で、電源制御部26を制御して、それまでオフにしていた携帯側無線部21への電力供給をオンに切り替える。これによって、携帯側無線部21を用いて近距離無線通信が可能となる。
【0113】
続いて携帯側制御部27は、ステップ315で、携帯側無線部21を制御して、あらかじめ内容が定められているドアロック信号を車載用ドア制御装置10へと送信させ、続いてステップ320で、車載用ドア制御装置10から送信されることになるSOC等の情報の受信を待つ。
【0114】
携帯端末20から送信されたドアロック信号を車載側無線部11が受信すると(ステップ470)、車載側制御部14は図2のステップ110で、ドアロック信号を受信したと判定し、続いてステップ120に処理を進める。そしてステップ120で、車載側無線部11を制御して、現時点のバッテリ2のSOCを示す信号、現在日時を示す信号、プラグ状態信号、および充電状態信号を携帯端末20へと送信する(ステップ480)。
【0115】
なお、現時点のSOCは、充電モニタ5に要求することで取得し、現在日時は、時計部25から取得する。また、プラグ状態信号は、プラグ脱着検出部4から出力された最新の判定結果に従い、コネクタ6と充電器30が電力供給線8を介して接続していれば「オン」の値を示し、そうでなければ「オフ」の値を示す。本例においては、ケーブル7がプラグ差し込み口31に差し込まれているので、プラグ状態信号は「オン」の値を示す。また、充電状態信号は、上述の充電フラグの値と同じ値を示す。本例においては、既に充電が始まっているので、充電状態信号は「オン」の値を示す。
【0116】
続いてステップ130では、ドア制御部13を制御してドアを施錠させ、その後プログラム100の実行を終了する。このステップ130における制御によって、車両1のドアが施錠される(ステップ490)。
【0117】
なお、携帯端末20は、操作部23に対してドアロック操作が行われたことに起因して、ドアロック信号を送信するようになっている。したがって、ステップ110でドアロック信号を受信したと判定することは、ドアロック操作に起因して送信されたドアロック信号を受信したと判定することに等しい。そして、ステップ110でドアロック信号を受信したと判定したことに基づいて、その後にステップ130でドアを施錠するので、ステップ110でドアロック信号を受信したと判定することは、車両1のドアを施錠すべきであると判定することに等しい。
【0118】
そして、図5のステップ460で操作部23に対してドアロック操作があってから、ステップ490でドアが施錠されるまでの作動は、ユーザの時間感覚としてはほぼ同時に起こる事象である。したがって、ステップ460からステップ490までの期間、および、ステップ490の直後のしばらく(例えば1秒)の期間は、車両1のドアを施錠すべきであると判定したタイミング(以下、ドアロックタイミング)である。
【0119】
なお、ステップ480で送信されたSOCを示す信号、現在日時を示す信号、プラグ状態信号、および充電状態信号を、携帯端末20の携帯側無線部21が受信すると、携帯側制御部27は、図4のステップ320で、受信したそれら信号が示す情報をRAMまたはフラッシュメモリに記録し、続いてステップ325で電源制御部26を制御して携帯側無線部21への電力供給をオフとする。
【0120】
続いて携帯側制御部27は、ステップ330でプラグイン確認表示を行う。すなわち、直前に受信したプラグ状態信号がオンを示していれば、電力供給線8を介して充電器30がコネクタ6に接続している旨の表示を、表示部24aに行わせる。例えば「Plugin オン」という文字を表示部24aに表示させる。また、直前に受信したプラグ状態信号がオフを示していれば、電力供給線8を介して充電器30がコネクタ6に接続していない旨の表示を、表示部24aに行わせる。例えば「Plugin オフ」という文字を表示部24aに表示させる。なお、電力供給線8を介して充電器30がコネクタ6と接続すれば、その後に必ずバッテリ2の充電が始まるので、この電力供給線8を介して充電器30がコネクタ6に接続している旨の表示は、実質的に充電が行われている旨の表示である。
【0121】
また、このステップ330では、プラグイン確認表示に代えて、充電確認表示を行ってもよい。すなわち、直前に受信した充電状態信号がオンを示していれば、バッテリ2の充電が開始された旨の表示を、表示部24aに行わせてもよい。例えば「充電 オン」という文字を表示部24aに表示させてもよい。また、直前に受信した充電状態信号がオフを示していれば、バッテリ2の充電が開始されていない旨の表示を、表示部24aに行わせてもよい。例えば「充電 オフ」という文字を表示部24aに表示させる。ステップ330の後、処理はステップ305に戻り、次のドアロック操作があるまで待つ。
【0122】
図5のステップ490でドアが施錠された後、ユーザは、車両1を離れ、それに伴い、携帯端末20は車載用ドア制御装置10と通信可能な範囲から外に出る(ステップ495)。
【0123】
このようになっていることで、車両用ドア制御システムにおいて、携帯端末20の操作部23がドアロック操作を受け付け、且つ、携帯端末20からのドアロック信号を車載側無線部11が受信した場合に、車載側制御部14が、車両1のドアを施錠すべきであると判定し(図2のステップ110参照)、その判定を行ったドアロックタイミングにおいて、ドアを施錠すると共に、その時点におけるSOC、日時等を示す信号を携帯端末20へ送信させる。より具体的には、その時点(ドアロックタイミング)におけるSOC、日時等を示す信号を携帯端末20へ送信させ(ステップ120参照)、その直後、ドアを施錠する(ステップ130参照)。
【0124】
なお、ドアロックタイミングは、バッテリ2を空の状態から満充電の状態にまで充電するのにかかる時間のスケールから見れば、充電開始の時点と実質的に同じである。したがって、ドアの施錠のタイミングで、車載用ドア制御装置10から携帯端末2へ、充電開始時のSOC、日時等の信号が送信されることになる。
【0125】
このようになっていると、ユーザが操作部23に対してドアロック操作をし、それに応じてドアが施錠された場合は、車載用ドア制御装置10から送信されたSOCを示す信号が携帯端末20にて受信される可能性が非常に高い。これは、ドアが施錠されるのは、ドアロック操作があると共にドアロック信号を車載側無線部11が受信した場合となっているからである。つまり、ドアロック操作があったときにドアが施錠されたということは、携帯端末20から送信された所定のドアロック信号が車載用ドア制御装置10にて受信されたということを意味している。そして、ドアロック信号が車載用ドア制御装置10にて受信されたということは、携帯端末20と車載用ドア制御装置10との間の無線通信路の通信環境が良好であることを意味しており、その場合は、車載用ドア制御装置10から送信されたSOCを示す信号が携帯端末20にて受信される可能性も非常に高いことになる。
【0126】
したがって、ユーザが操作部23に対してドアロック操作をし、ドアが実際に施錠されたことを、車両1の施錠音(ロック部材の作動音)を聞くことで、または施錠動作(ロック部材の移動)を見ることで確認した場合は、SOCを示す信号が携帯端末にて受信されている可能性が非常に高い。
【0127】
一方、ユーザが操作部23に対してドアロック操作をしたにも関わらず、ドアが実際に施錠されなかった場合は、携帯端末20から送信された所定のドアロック信号が車載用ドア制御装置10にて受信さなかったということになる。したがってこの場合は、携帯端末20と車載用ドア制御装置10との間の無線通信路の通信環境が悪いことを意味しており、その場合は、車載用ドア制御装置10から送信されたSOCを示す信号が携帯端末20にて受信されなかった可能性が高い。
【0128】
しかしこの場合、ユーザは車両1のドアが施錠されなかったことに気付くので、操作部23に対してドアロック操作を繰り返し、確実にドアの施錠を実現しようとする。そして、最終的にドアの施錠が実現したときには、上述の通り、SOCを示す信号が携帯端末にて受信される可能性が非常に高い。
【0129】
このように、ユーザが車両1のドアの施錠は確実に行おうとする傾向が極めて強いという事実を利用して、車両1のドアの施錠の成功・失敗と、SOCを示す信号の受信の成功・失敗とを連動させることで、SOCを示す信号をほぼ確実に携帯端末20に受信させることができる。
【0130】
また、ドアロックタイミングにおいては、SOCを示す情報に加えて、プラグ状態信号を携帯端末20に送信するようになっている。このプラグ状態信号が「オン」の値を示している場合は、自車両1が自車外の充電器30に接続されていることになる。
【0131】
このように、ドアロックタイミングにおいて、バッテリ2が自車1外の電源に接続されている旨を示すプラグ状態信号を、携帯端末20へ送信させるようになっていることで、SOCを示す信号と同様、プラグ状態信号も、携帯端末20でほぼ確実に受信できるようになる。したがって、ユーザは車両1から遠く離れた場所(例えば家の中)においても、後述するように、バッテリ2が電源に接続されたことを確認することができる。したがって、車両1から遠く離れてしまった後で、自分が電力供給線を介して車両1を充電器30に接続したかどうか不安になり、それを確認するためだけに車両に戻ってしまうという無駄をなくすことができる。
【0132】
また、ドアロックタイミングにおいては、SOCを示す情報に加えて、充電状態信号を携帯端末20に送信するようになっている。この充電状態信号が「オン」の値を示している場合は、バッテリ2が充電器30を用いて充電されていることになる。
【0133】
このように、ドアロックタイミングにおいて、バッテリ2が自車1外の電源を用いて充電されている旨を示す充電状態信号を、携帯端末20へ送信させるようになっていることで、SOCを示す信号と同様、充電状態信号も、携帯端末20でほぼ確実に受信できるようになる。したがって、ユーザは車両1から遠く離れた場所(例えば家の中)においても、バッテリ2が充電されていることを確認することができる。したがって、車両1から遠く離れてしまった後で、バッテリ2が充電されているかどうか不安になり、それを確認するためだけに車両1に戻ってしまうという無駄をなくすことができる。
【0134】
また、車載側制御部14は、図2のステップ110でドアロック信号の受信を検出したとき、当該ドアロック信号を受信して以降最初に車載側無線部11に送信させる信号として、ステップ120で、バッテリ2のSOCを示す信号を直ちに携帯端末20へ送信させる。つまり、ステップ110と120との間に、確認応答等の信号を一切送信しない。
【0135】
このように、車載用ドア制御装置10は、ドアロック信号の受信を検出した後で最初に送信する信号として、バッテリ2のSOCを示す信号を直ちに携帯端末20へ送信する。すなわち、ドアロック信号を受信した後、ドアロック信号を受信した旨の確認応答等の送信を間に挟むことなく、携帯端末20のSOCを示す信号を送信できるので、ドアロック信号の受信とバッテリ2のSOCを示す信号の送信との同時性を高めることができる。ひいては、バッテリ2のSOCを示す信号を携帯端末20がより確実に受信できるようになる。
【0136】
また、携帯端末20の携帯側制御部27は、操作部23がドアロック操作を受け付けたことに起因して(ステップ305参照)、携帯側無線部21への電力供給を開始させ(ステップ310参照)、その後に、所定のドアロック信号を車両1へ送信させ(ステップ315)、その後に、バッテリ2のSOCを示す信号を携帯側無線部21が受信するまで(ステップ320参照)、携帯側無線部21への電力供給を続け、SOCを示す信号を受信したことに起因して、携帯側無線部21への電力供給をオフにする(ステップ325参照)。
【0137】
無線通信のための電力消費を節約するために、必要なときにのみ携帯側無線部21への電力供給をオンとしたいという要請は一般的なものである。しかし、本実施形態における携帯端末20は、単にドアロック信号を送受信するのみならず、車両1からバッテリ2のSOCを示す信号を受信する必要がある。そのような前提において、本実施形態の携帯端末20は、ドアロック信号を送信したタイミングとほぼ同じタイミングで、車両1からバッテリ2の充電量を示す信号を受信するので、ドアロック信号の送信タイミングとバッテリ2の充電量を示す信号の受信タイミングの両方を含む期間において、上述のように携帯側無線部21への電力供給を続けても、携帯端末20の消費電力の増大は抑えられる。
【0138】
仮に、ドアロック信号を送信するタイミングと、バッテリ2のSOCを示す信号を受信するタイミングとが大きくずれていれば、消費電力を低減するためには、ドアロック信号を送信するタイミングの前後で携帯側無線部21への電力供給をオン、オフし、更に、SOCを示す信号を受信するタイミングの前後で携帯側無線部21への電力供給を再度オン、オフする必要があり、二度手間になってしまい、そのための処理負荷が増大する。
【0139】
また、本実施形態では、SOCを示す信号を受信するタイミングが、ドアロック信号を送信するタイミングとほぼ同じであるので、SOCを示す信号を受信するタイミングがある程度限定されている。もしこのようになっておらず、SOCを示す信号を受信するタイミングがいつになるのかわからない場合は、SOCを示す信号を待つために、携帯側無線部21への電力供給を常時オンとしなければならず、消費電力の無駄な増大を招いてしまう。
【0140】
次に、ユーザが車両1を離れてから車両1に再び戻る前までの車両用ドア制御システムの作動について説明する。図6は、図4のステップ330が実行されてから、ドアアンロック操作が操作部23に対して行われるまで、携帯側制御部27が繰り返し(例えば定期的に1分周期で)実行するプログラム500のフローチャートである。すなわち、ユーザが車両1から離れている間、携帯側制御部27が繰り返し実行する表示処理のフローチャートである。
【0141】
このプログラム500の1回分の実行に要する時間は、1秒未満なので、ユーザから見ればほぼ同時である。このプログラム500の1回分が実行される期間が、1個の表示タイミングとなる。
【0142】
このプログラム500の実行において、携帯側制御部27は、まずステップ510で、経過時間T1を算出する。経過時間T1とは、図4のステップ320で受信して記録した日時から、現在日時までの経過時間である。
【0143】
続いてステップ520では、現時点(すなわち表示タイミング)におけるバッテリ2の推定増加充電量Q1を算出する。つまり、経過時間T1の間に増えたと推定されるバッテリ2の充電量を算出する。具体的には、経過時間T1に充電レベルを乗算した結果の値を、推定増加充電量Q1とする。ここで、充電レベルとは、充電器30から電力供給を受けているときにバッテリ2の充電量が単位時間当たりに増加する量である。
【0144】
この充電レベルは、ユーザが操作部23を操作して入力した数値を用いるようになっていてもよい。この場合、操作部23は、ドアロックボタン、ドアアンロックボタン以外にも、数値入力のための数値入力操作部(例えばテンキー)を備えていればよい。
【0145】
あるいは、充電開始時に充電モニタ5が充電器30からバッテリ2に入力される電力(単位はkW)を検出して車載側制御部14に出力し、車載側制御部14が図2のステップ120でこの入力電力を示す信号をSOC等の信号と共に送信し、携帯側制御部27が図4のステップ320でこの入力電力を受信および記録し、この記録した入力電力を、ステップ520で充電レベルとして用いてもよい。すなわち、充電器30から充電時供給される電力量を実際にセンシングした値を充電レベルとして用いてもよい。
【0146】
続いてステップ530では、現時点におけるバッテリ2の推定総充電量Q2(特許請求の範囲の推定充電量に相当する)を算出する。つまり、現時点のバッテリ2の充電量の推定値を算出する。具体的には、初期充電量Qに推定増加充電量Q1を加えた結果の値を、推定総充電量Q2とする。ここで、初期充電量Qは、図4のステップ320で受信して記録したSOC中の充電量を用いる。すなわち、初期充電量Qはドアロックタイミングにおけるバッテリ2の充電量であり、実質的に、充電開始時におけるバッテリ2の充電量である。
【0147】
続いてステップ540では、現時点における予想航続距離Lを算出する。予想航続距離Lとは、バッテリ2の充電量が推定総充電量Q2の状態で走行開始した車両1が、バッテリ2を更に充電しないまま走行した場合に、バッテリ2の充電量がゼロになるまでに走行できる総距離の予想値である。予想航続距離Lには、具体的には、推定総充電量Q2を電力消費率で除算した結果を用いる。
【0148】
電力消費率とは、単位走行距離を車両1が走行したときに車両1が消費するバッテリ2の電力量である。
【0149】
この電力消費率については、ユーザが操作部23を操作して入力した数値を用いるようになっていてもよい。この場合、操作部23は、ドアロックボタン、ドアアンロックボタン以外にも、数値入力のための数値入力操作部(例えばテンキー)を備えていればよい。このようになっていれば、ユーザの入力した電力消費率を用いて予想航続距離L(走行可能な距離の予想値)を算出することができるので、車両1の電力消費率を最も正しく知っている者の情報を利用して正しい予想航続距離Lを算出することができる。
【0150】
あるいは、電力消費率については、過去に車両1が走行したときの単位走行距離当たりのバッテリ2の充電量の減少量を走行距離で平均したものを用いてもよい。車両1の過去の走行時のバッテリ2の充電量の推移の情報は、充電モニタ5が車載側制御部14に繰り返し出力したSOCの情報を車載側制御部14がフラッシュメモリに記録し、電力消費率の算出時にフラッシュメモリから読み出すことで取得することができる。また、車載側制御部14は、車両1の図示しない走行距離センサからの情報に基づいて、繰り返し充電モニタ5から取得したSOCに、その時点の走行距離の情報を関連付けて、フラッシュメモリに記録する。このようにすることで、車載側制御部14は、電力消費率の算出時に、フラッシュメモリから走行距離毎のSOCの情報を読み出し、それに基づいて、単位走行距離当たりのバッテリ2の充電量の減少量の平均値を算出し、それを電力消費率とすることができる。そして車載側制御部14は、図2のステップ120でこの電力消費率を示す信号をSOC等の信号と共に送信し、携帯側制御部27が図4のステップ320でこの電力消費率を受信および記録し、この記録した電力消費率を、ステップ520で用いてもよい。
【0151】
このようになっていれば、過去の車両1の走行履歴に基づいて予想航続距離L(走行可能な距離の予想値)を算出することができるので、予想航続距離Lが車両1の特性および使用状況を反映してより正確な値となる。
【0152】
続いてステップ550では、携帯側制御部27は、ステップ540で算出した予想航続距離Lを、表示部24aに表示させる。
【0153】
図7に、ステップ550における表示部24aの表示例を示す。この図に示すように、表示部24aには、予想航続距離Lと共に、現在日時、および経過時間T1(Plugin時間)を表示させるようになっていてもよい。さらに、これらの表示と共に、ステップ330の表示時と同じ情報、すなわち、電力供給線8を介して充電器30がコネクタ6に接続している旨の表示(Plugin オン)を表示させるようになっていてもよい。ステップ550の後、プログラム500の1回分の実行が終了する。
【0154】
このように、携帯端末20が、繰り返し訪れる表示タイミングにおいて算出した推定総充電量Q2に基づいて、その推定総充電量Q2で走行可能な距離の予想値、すなわち予想航続距離Lを算出して表示することで、ユーザは、自車両1のバッテリ2が現在どれぐらい走行できる程度に充電されたかを直感的に把握することができる。なお、この推定総充電量Q2は、推定充電量(推定総充電量Q2)に関連する量の一例に相当する。
【0155】
なお、通常は、ユーザが車両1から離れている間に、バッテリ2が充電器30から十分な電力供給を受け、バッテリ2が満充電状態になる。車載側制御部14は、図3のステップ240で、バッテリ2が満充電状態になったことを、充電モニタ5からのSOCの信号に基づいて判定すると、続いてステップ250で、上述の充電フラグの値をオフに設定し、続いてステップ260で、充電制御部3を制御して、充電器30からバッテリ2への充電を終了させ、その後は、再度プログラム200を最初から実行し、ケーブル7のプラグがプラグ差し込み口31に差し込まれるまで待つ。このようにすることで、バッテリ2が満充電になると、自動的に充電が終了する。
【0156】
次に、ユーザが車両1に搭乗するために再度車両1の近傍に戻ってきた場合の車両用ドア制御システムの作動について説明する。図8に、車両1のドアが施錠された直後に車載側制御部14が実行するプログラム600のフローチャートを示す。このプログラム600は、後述するように、ドアを解錠した後に終了するので、ドアが施錠された状態において実行され続けているプログラムである。また、図9に、携帯側制御部27がドアアンロック操作を受け付けるために常時繰り返し実行するプログラム700のフローチャートを示し、図10に、ユーザが車両1に接近して解錠し、その後に車両1に搭乗するまでの場面における通常の手順の流れを示す。
【0157】
まず、携帯端末20を携帯するユーザが車両1に近づき、携帯端末20が車載用ドア制御装置10と通信可能な範囲に入る(図10のステップ810)。続いてユーザは、ケーブル7のプラグをプラグ差し込み口31から抜き取る(ステップ820)。仮にプラグを抜き取らないまま車両1を走行させてしまうと、車両1、ケーブル7、充電器30の破損の恐れがある。
【0158】
この時点で満充電であれば、すでにバッテリ2の充電は終了している。この時点で満充電でなくバッテリ2の充電が続いていれば、車載側制御部14は、プラグ脱着検出部4からの信号に基づいてプラグが外れたことを検出し、その検出に基づいて充電制御部3を制御して充電を停止し、図3のプログラム200の実行を終了し、さらにプログラム200の実行を最初から再開するようになっていてもよい。
【0159】
続いてユーザは、携帯端末20の操作部23に対してドアアンロック操作を行う(ステップ830)。すると携帯側制御部27は、図9のステップ710で、ドアアンロック操作があったと判定し、続いてステップ720に進む。
【0160】
そしてステップ720で、電源制御部26を制御して、それまでオフにしていた携帯側無線部21への電力供給をオンに切り替える。これによって、携帯側無線部21を用いて近距離無線通信が可能となる。
【0161】
続いて携帯側制御部27は、ステップ730で、携帯側無線部21を制御して、あらかじめ内容が定められているドアアンロック信号を車載用ドア制御装置10へと送信させる。本実施形態においては、このドアアンロック信号の内容は、上述のドアアンロック信号の内容と異なっている。続いてステップ740で、車載用ドア制御装置10から送信されることになるプラグ状態信号の受信を待つ。
【0162】
携帯端末20から送信されたドアアンロック信号を車載側無線部11が受信すると(ステップ840)、車載側制御部14は図8のステップ610で、ドアアンロック信号を受信したと判定し、続いてステップ620に処理を進める。そしてステップ620で、プラグ脱着検出部4からの信号に基づいて、接続状態を検出する(ステップ850)。接続状態とは、ケーブル7のプラグがプラグ差し込み口31に差し込まれているか否かの状態、すなわち、電力供給線8を介してコネクタ6と充電器30とが接続しているか否かの状態である。
【0163】
本例では、ユーザがドアアンロック操作をする前にケーブル7のプラグを抜いているので、接続状態は、電力供給線8を介してコネクタ6と充電器30とが接続していない状態となる。しかし、ユーザがドアアンロック操作をする前にケーブル7のプラグを抜くのを忘れていた場合、接続状態は、電力供給線8を介してコネクタ6と充電器30とが接続している状態となる。
【0164】
続いてステップ630では、携帯側無線部21を制御して、ステップ620で検出した接続状態を示す信号(以下、プラグ状態信号という)を、車載用ドア制御装置10へと送信させる。これによって携帯側無線部21はプラグ状態信号を送信する(ステップ860)。
【0165】
続いてステップ640では、ドア制御部13を制御してドアを解錠させ、その後プログム600の実行を終了する。このステップ130における制御によって、車両1のドアが施錠される(ステップ870)。ドアが解錠された後、ユーザはドアを開いて車両に搭乗する(ステップ880)。
【0166】
なお、携帯端末20は、操作部23に対してドアアンロック操作が行われたことに起因して、ドアアンロック信号を送信するようになっている。したがって、ステップ610でドアアンロック信号を受信したと判定することは、ドアアンロック操作に起因して送信されたドアアンロック信号を受信したと判定することに等しい。そして、ステップ610でドアアンロック信号を受信したと判定したことに基づいて、その後にステップ640でドアを解錠するので、ステップ610でドアアンロック信号を受信したと判定することは、車両1のドアを解錠すべきであると判定することに等しい。
【0167】
そして、図10のステップ830で操作部23に対してドアアンロック操作があってから、ステップ870でドアが解錠されるまでの作動は、ユーザの時間感覚としてはほぼ同時に起こる事象である。したがって、ステップ830からステップ870までの期間、および、ステップ870の直後のしばらく(例えば1秒)の期間は、車両1のドアを解錠すべきであると判定したタイミング(以下、ドアアンロックタイミング)である。
【0168】
なお、ステップ860で送信されたプラグ状態信号を、携帯端末20の携帯側無線部21が受信すると、携帯側制御部27は、図9のステップ740で、受信したそれらプラグ状態信号の内容をRAMまたはフラッシュメモリに記録し、続いてステップ750で電源制御部26を制御して携帯側無線部21への電力供給をオフとする。
【0169】
続いて携帯側制御部27は、ステップ760で、直前のステップ740で受信し記録したプラグ状態信号の内容に基づいて、ケーブル7のプラグが外れているか否か、すなわち、コネクタ6が自車1外の充電器30に接続されているか否かを判定する。
【0170】
本例においては、コネクタ6が自車1外の充電器30に接続されていない旨を示すプラグ状態信号を受信しているので、ステップ760では肯定判定がされ、そのままプログラム700の今回の実行を終了し、再度新たなプログラム700の実行を開始し、ステップ710でドアアンロック操作を待つ。
【0171】
しかし、ユーザがドアアンロック操作の前にプラグを抜き取ることを忘れていた場合は、ステップ740で携帯側制御部27が受信するプラグ状態信号は、コネクタ6が自車1外の充電器30に接続されている旨を示すことになる。この場合は、ステップ760で否定判定がされ、続いてステップ770で、ユーザにプラグの抜き忘れを警告するための報知を行う。報知の方法としては、例えばバイブレータ24bを振動させることで振動をユーザに伝える方法でもよいし、スピーカ24cに音(例えばビープ音)を発生させる方法でもよい。
【0172】
ステップ770の後は、そのままプログラム700の今回の実行を終了し、再度新たなプログラム700の実行を開始し、ステップ710でドアアンロック操作を待つ。
【0173】
このように、携帯端末20を携帯したユーザが車両1に戻ってきたときに(ステップ810参照)プラグ状態信号が車載用ドア制御装置10から携帯端末20に送信され(ステップ860参照)、携帯端末20は、受信したプラグ状態信号に基づいて、バッテリ2が自車1外の電源に接続されているか否かを判定し(ステップ760参照)、接続されていると判定したことに基づいて、警告のための報知を行うことができる(ステップ770参照)。
【0174】
さらに、携帯端末20から車載用ドア制御装置10に所定のドアアンロック信号が送信されたときに、車載用ドア制御装置10は、操作部23がドアアンロック操作を受け付け且つドアアンロック信号を受信したと判定し(ステップ610参照)、その判定のあったドアアンロックタイミングにおいて、ドアを解錠する(ステップ640参照)と共に、プラグ状態信号を送信する(ステップ630参照)ようになっている。より具体的には、プラグ状態信号を送信した直後にドアを解錠するようになっている。したがって、警告のための報知の実行タイミングは、ドアアンロックタイミングとほぼ同じである。
【0175】
このドアアンロックタイミングは、ユーザが車両1に乗り込む直前のタイミングである。このタイミングは、電力供給線8の外し忘れを警告するための報知の実行タイミングとしては、最適である。なぜなら、充電が完了した車両1を使用するときの通常の手順は、図10に示した通り、ユーザがまず電力供給線8を外し、その上でドアを解錠し、車両1に搭乗するというものだからである。
【0176】
例えば、本実施形態と異なり、ドライバが車両1に戻ってきて携帯端末20と車載用ドア制御装置10とが通信可能となってすぐに警告のための報知を行った場合、ユーザはこれから電力供給線8を外そうと思っていた矢先に警告を受けてしまう可能性が高い。この場合、ユーザは警告を邪魔だと感じてしまう恐れがある。
【0177】
また例えば、本発明と異なり、ドライバが車両1に搭乗して更に車両1の駆動動力源(エンジン、モータ等)を起動した時に警告のための報知を行った場合、ユーザは、電力供給線8を外すために車両1を降り、電力供給線8を外した後再度車両1に搭乗しなくてはならない。
【0178】
これらの例に比べ、本実施形態は、ドアの解錠時という、ユーザが次の動作として車両1に搭乗しようとする時であり、かつ、車両1内にまだ乗り込んでいない時に、警告のための報知を行うので、電力供給線8の外し忘れを警告するには最適のタイミングである。
【0179】
また、車載側制御部14は、図8のステップ610でドアアンロック信号の受信を検出したとき、当該ドアアンロック信号を受信して以降最初に車載側無線部11に送信させる信号として、ステップ630で、プラグ状態信号を直ちに携帯端末20へ送信させる。つまり、ステップ610と630との間に、確認応答等の信号を一切送信しない。
【0180】
このように、車載用ドア制御装置10は、ドアアンロック信号の受信を検出した後で最初に送信する信号として、プラグ状態信号を直ちに携帯端末20へ送信する。すなわち、ドアアンロック信号を受信した後、ドアアンロック信号を受信した旨の確認応答等の送信を間に挟むことなく、プラグ状態信号を送信できるので、ドアアンロック信号の受信とプラグ状態信号の送信との同時性を高めることができる。ひいては、より適切なタイミングで電力供給線8の外し忘れの警告のための報知を行うことができる。
【0181】
また、携帯端末20の携帯側制御部27は、操作部23がドアアンロック操作を受け付けたことに起因して(ステップ710参照)、携帯側無線部21への電力供給を開始させ(ステップ720参照)、その後に、所定のドアアンロック信号を車両1へ送信させ(ステップ730)、その後に、プラグ状態信号を携帯側無線部21が受信するまで(ステップ740参照)、携帯側無線部21への電力供給を続け、プラグ状態信号を受信したことに起因して、携帯側無線部21への電力供給をオフにする(ステップ750参照)。
【0182】
無線通信のための電力消費を節約するために、必要なときにのみ携帯側無線部21への電力供給をオンとしたいという要請は一般的なものである。しかし、本実施形態における携帯端末20は、単にドアアンロック信号を送受信するのみならず、車両1からプラグ状態信号を受信する必要がある。そのような前提において、本実施形態の携帯端末20は、ドアアンロック信号を送信したタイミングとほぼ同じタイミングで、車両1からプラグ状態信号を受信するので、ドアアンロック信号の送信タイミングとプラグ状態信号の受信タイミングの両方を含む期間において、上述のように携帯側無線部21への電力供給を続けても、携帯端末20の消費電力の増大は抑えられる。
【0183】
仮に、ドアアンロック信号を送信するタイミングと、プラグ状態信号を受信するタイミングとが大きくずれていれば、消費電力を低減するためには、ドアアンロック信号を送信するタイミングの前後で携帯側無線部21への電力供給をオン、オフし、更に、プラグ状態信号を受信するタイミングの前後で携帯側無線部21への電力供給を再度オン、オフする必要があり、二度手間になってしまい、そのための処理負荷が増大する。
【0184】
また、本実施形態では、プラグ状態信号を受信するタイミングが、ドアアンロック信号を送信するタイミングとほぼ同じであるので、プラグ状態信号を受信するタイミングがある程度限定されている。もしこのようになっておらず、プラグ状態信号を受信するタイミングがいつになるのかわからない場合は、プラグ状態信号を待つために、携帯側無線部21への電力供給を常時オンとしなければならず、消費電力の無駄な増大を招いてしまう。
【0185】
なお、上記実施形態において、車載側制御部14が、図2のステップ110を実行することで、ドアロック判定手段の一例として機能し、ステップ120、130を実行することで、送信制御手段の一例として機能し、図8のステップ610を実行することでドアアンロック判定手段の一例として機能し、ステップ620、630、640を実行することで解錠手段の一例として機能する。
【0186】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態が第1実施形態と異なるのは、車両1のドアが施錠され(図5のステップ490参照)、ユーザが車両1を離れた後で(ステップ495参照)、充電器30が必要に応じて携帯端末20(例えばキーレスエントリーシステムの無線キーの機能を兼ね備えた携帯電話機)に車両1のバッテリ2の充電状態の情報を送信するようになっている点である。
【0187】
図11に、本実施形態における車両用ドア制御システム(充電状態通知システムでもある)の構成を示す。本実施形態の車両用ドア制御システムが第1実施形態と異なる点は、以下の通りである。まず、充電器30は、プラグ差し込み口31以外にもプラグ差し込み口32、33を有し、これら複数のプラグ差し込み口31〜33を介して同時に複数台の車両1、41、42にバッテリ充電用の電力を供給可能となっている。
【0188】
また、車載用ドア制御装置10の車載側無線部11は、携帯端末20との近距離無線通信を行う機能に加え、充電器30と近距離無線通信を行う機能を有している。近距離通信としては、例えば、W−LAN、Zigbee、Bluetoothによる通信を採用してもよい。
【0189】
また、携帯端末20の携帯側無線部21は、車載用ドア制御装置10との近距離無線通信を行う機能に加え、充電器30と近距離無線通信および遠距離通信を行う機能を有している。近距離通信としては、例えば、W−LAN、Zigbee、Bluetoothによる通信を採用してもよい。また、遠距離通信としては、無線LAN、携帯電話通信等によって無線基地局43と無線接続し、この無線基地局43に繋がった広域ネットワーク44(例えばインターネット)を介して、充電器30と通信する方法を採用する。なお、充電器30は、広域ネットワーク44に繋がった無線基地局45と無線接続することで、または、直接有線で広域ネットワーク44に接続することで、広域ネットワーク44を介した通信が可能となる。
【0190】
図12に、本実施形態における充電器30の構成を示す。充電器30は、プラグ差し込み口31〜33に加え、給電部34、検出部35、通信部36、および制御部37を備えている。
【0191】
給電部34は、外部の電源(例えば、電力会社の提供する送電線に接続された変圧器)から引き込まれた電力供給線に接続され、当該電力供給線からの交流を直流に変換し、変換された直流をプラグ差し込み口31〜33のそれぞれに供給する回路である。このようになっていることで、プラグ差し込み口31〜33に車両からのケーブルが接続されると、当該プラグ差し込み口31〜33を介して給電部34から車両に充電用の電力が供給される。
【0192】
検出部35は、給電部34からプラグ差し込み口31〜33のそれぞれに供給される直流の電流値を検出し、検出結果の信号を制御部37に出力する回路である。
【0193】
通信部36は、携帯端末20との近距離無線通信および遠距離通信を行う機能を有する装置であり、そのような機能のために、制御部37の制御に従って、ベースバンド処理、周波数変換、変調、復調、増幅等の信号処理を行うようになっている。近距離無線通信時には、携帯端末20と直接通信し、遠距離無線通信時には、図11に示したように、広域ネットワーク44に繋がった無線基地局45と無線接続することで、または、直接有線で広域ネットワーク44に接続することで、広域ネットワーク44を介して、携帯端末20と通信する。
【0194】
また、通信部36は、携帯端末20と通信を行う機能に加え、車載用ドア制御装置10と近距離無線通信を行う機能を有している。近距離通信としては、例えば、W−LAN、Zigbee、Bluetoothによる通信を採用してもよい。
【0195】
制御部37(充電状態監視装置の一例に相当する)は、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等を備えたマイクロコンピュータを含む装置である。CPUは、ROMに記録されたプログラムをRAMに展開して実行し、その実行の際に、必要に応じてRAM、ROM、フラッシュメモリからデータを読み出し、RAM、フラッシュメモリにデータを書き込み、検出部35からの信号を取得し、通信部36を制御して車載用ドア制御装置10および携帯端末20と通信を行う。制御部37の作動の詳細については後述する。
【0196】
次に、本実施形態における車両用ドア制御システムの作動について、第1実施形態に追加される部分を中心に説明する。まず、車載用ドア制御装置10の車載側制御部14は、充電器30からバッテリ2の充電用の電力供給を受けている間、定期的に(例えば30秒周期で)、車載側無線部11を制御して、現時点のバッテリ2の充電量を示す信号、車両側ID信号、および携帯連絡先ID信号を充電器30に対して送信する。
【0197】
ここで、車両側ID信号とは、車両1を一意に特定するための識別情報(すなわち車両側ID)を含む信号をいう。車両側IDとしては、例えば、車載側制御部14のROM等にあらかじめ記憶されている車載機IDを用いてもよい。また、携帯連絡先ID信号とは、車両1のユーザが携帯する携帯端末20に情報を送信するための連絡先(すなわち、携帯連絡先ID)を含む信号をいう。携帯連絡先IDとしては、例えば携帯端末20が受信可能な電子メールアドレスを採用してもよい。
【0198】
そして充電器30の制御部37は、この充電量を示す信号、車両側ID信号、携帯連絡先ID信号を通信部36を介して受信し、車両側ID信号中の車両側ID毎に、受信した充電量と受信時刻の組をRAM等に記録する。このようにすることで、制御部37は、車両1に搭載されたバッテリ2の充電量の時間推移を検出して記録することができる。
【0199】
なお、制御部37は、どの車両がどのプラグ差し込み口31〜33から充電を受けているかについては、通信開始タイミングとプラグ差し込み口31〜33からの充電開始タイミングの一致を利用して判別する。つまり、制御部37は、検出部35からの信号に基づいて、プラグ差し込み口31〜33のそれぞれから電力供給が始まったか否かを常に監視しており、また、通信部36を介して新たな車両側IDの車両側ID信号と充電量を示す信号を受信した場合、その受信の前後の所定期間内(例えば10秒)において電力供給が始まった1つのプラグ差し込み口を、その車両側IDおよび携帯連作先IDと対応付ける。
【0200】
また、充電器30の制御部37は、常時図13に示す通知処理を実行するようになっている。したがって、第1実施形態と同様に、車両1のドアが施錠され(図5のステップ490参照)、ユーザが車両1を離れた後においても(ステップ495参照)、この通知処理を実行し続ける。
【0201】
そして、通知処理において制御部37は、ステップ905で検出部35からの信号に基づいて、給電部34からプラグ差し込み口31〜33のそれぞれに流れる電流の電流値を取得する。
【0202】
続いてステップ910では、プラグ差し込み口31〜33のそれぞれについて、当該プラグ差し込み口に接続された車両に対応する携帯端末に充電状態の通知を行う必要があるか否かを判定する。プラグ差し込み口31を例に取ると、ステップ905で取得したプラグ差し込み口31に流れる電流の電流値等に基づいて、プラグ差し込み口31に接続された車両1に対応する携帯端末20に当該車両1のバッテリ2の充電状態を通知する必要があるか否かを判定する。
【0203】
それぞれの判定の結果、通知を行う必要がある携帯端末がなければ、処理をステップ905に戻し、通知を行う必要がある携帯端末が存在する場合は、続いてステップ915で、充電状態を通知する必要がある携帯端末の携帯連絡先IDを宛先として、当該バッテリ(車両1の場合はバッテリ2)の充電状態を含む信号を送信し、その後、処理をステップ905に戻す。この充電状態には、当該バッテリの充電量、および、充電器30のプラグ差し込み口31から当該車両1への供給可能電力Eの情報を含める。
【0204】
ここで、供給可能電力Eとは、充電器30の能力として(あるいは、各プラグ差し込み口31〜33の能力として)、当該プラグ差し込み口に接続されている車両のバッテリ2に対して供給することが可能な最大電力である。この供給可能電力Eは、充電器30に接続された車両の数が変化すると変化する。より具体的には、プラグ差し込み口31に1台の車両1が接続されており、他のプラグ差し込み口32、33に車両が接続されていない場合には、プラグ差し込み口31の供給可能電力Eは最大値である。また、プラグ差し込み口31、32にそれぞれ車両1、41が接続されており、プラグ差し込み口33に車両が接続されていない場合には、プラグ差し込み口31の供給可能電力Eも、プラグ差し込み口32の供給可能電力Eも、最大値の1/2にまで減少する。また、プラグ差し込み口31〜33にそれぞれ車両1、41、42が接続されている場合には、プラグ差し込み口31〜33のそれぞれの供給可能電力Eは、最大値の1/3にまで減少する。また、この供給可能電力Eは、充電制御部3が他の電気負荷(例えば照明機器、モータ等)に多くの電力を供給し始めた場合にも、減少する場合がある。
【0205】
しかしながら、この供給可能電力Eは、電力供給先のバッテリ2の充電量とは無関係である。実際、供給可能電力Eが一定のままバッテリ2に対して充電が行われた場合でも、バッテリ2の充電量の単位時間当たりの増加量は、バッテリの特性上、一般的に時間と共に減少する。つまり、バッテリ2の充電量が変化しても、それを起因として供給可能電力Eが変化することはない。
【0206】
このような通知処理を行うことで、制御部37は、携帯端末20等にバッテリ2の充電状態の通知を行う必要があるか否かを判定し、通知を行う必要があると判定したタイミングで、通知を行う必要があると判定した携帯端末(例えば、携帯端末20)に、当該充電状態を送信する。
【0207】
また、ユーザが車両1から離れている間、携帯端末20の携帯側制御部27は、図6の表示処理に変えて、図14の表示処理を実行するようになっている。なお、図14のステップ540、550の処理内容は、図6の同じ符号のステップの処理内容と同じであり、ここではそれらの説明は省略する。
【0208】
車載側制御部14は、ステップ550に続くステップ560で、充電器30から充電状態を含む信号を受信したか否かを判定し、受信していなければ、図14の表示処理の1回分の実行が終了する。受信していれば、ステップ570で、受信した上記信号中の充電状態の情報を、後に実行するステップ510’、520’、530’の処理に反映する。
【0209】
具体的には、ステップ510’、520’、530’の処理内容は、充電器30が送信した充電状態を含む信号を車載側制御部14が一度も受信していなければ、第1実施形態と同じとなる。
【0210】
しかし、一度でも充電状態を含む信号を受信していれば、以下のようになる。まずステップ510’では、経過時間T1を算出するが、ただしこの経過時間T1は、充電状態を含む信号を最後に受信した日時(すなわち最新の受信日時)から現在日時までの経過時間となる。
【0211】
また、ステップ520’では、最後に受信した(すなわち最新の)充電状態中の供給可能電力Eに基づいて、現時点(すなわち表示タイミング)におけるバッテリ2の推定増加充電量Q1を算出する。具体的には、経過時間T1に充電レベルを乗算した結果の値を、推定増加充電量Q1とするのは同じであるが、充電レベルとしては、最後に受信した充電状態中の供給可能電力Eを用いる。あるいは、最後に受信した充電状態中の供給可能電力Eに、最後に受信した充電状態中の充電量に応じた係数K(Kは1以下の正数)を乗算した結果の値を充電レベルとしてもよい。なお、係数Kは、充電状態の充電量が所定値(例えば70%)以下の場合は1とし、所定値より大きい場合は、当該充電量が大きくなるほど小さくなっていてもよい。このようにするのは、供給可能電力Eが一定であっても、バッテリ2の充電量によっては、実際にバッテリ2に蓄積される電力が変化するからである。
【0212】
また、ステップ530’では、現時点におけるバッテリ2の推定総充電量Q2を算出する。具体的には、初期充電量Qに推定増加充電量Q1を加えた結果の値を、推定総充電量Q2とする。ただし、初期充電量Qは、第1実施形態と異なり、最後に受信した充電状態中の充電量である。
【0213】
このようになっていることで、携帯側制御部27は、受信した充電状態中の充電量および供給可能電力Eの変化を、バッテリ2の推定総充電量Q2の算出に反映することができる。
【0214】
ここで、図13のステップ910における、1つのプラグ差し込み口について、充電状態通知を行う必要があるか否かをどのように判定するかについて、詳細に説明する。以下では、車両1が接続されたプラグ差し込み口31を例に取って説明するが、他のプラグ差し込み口32、33についても判定方法は同じである。
【0215】
[0]判定のための前提
本実施形態では、この判定のために、給電部34からプラグ差し込み口31に流れる電流値に加え、プラグ差し込み口31の供給可能電力Eを検出する。これは、あらかじめ制御部37のROM等に記録された最大値(例えば30kW)を、充電器30に接続している車両の台数Nで除算したものを採用する。なお、プラグ差し込み口31〜33のそれぞれに車両が接続されているか否かは、給電部34から当該プラグ差し込み口31〜33に電流が流れているか否かで判別する。
【0216】
以下では、プラグ差し込み口の供給可能電力Eと区別するために、実際にプラグ差し込み口からバッテリに供給される電力を、ライン電力Pという。このライン電力Pは、給電部34から当該プラグ差し込み口に流れる電流と、給電部34から当該プラグ差し込み口に印加される電圧(あらかじめ決められた値)と、に基づいて算出することができる。
【0217】
[1]第1の判定方法(供給可能電力Eの増大・減少ならびにライン電力の追従)
第1の判定方法では、以下の条件(A)、(B)が満たされたときに、プラグ差し込み口31に接続されたバッテリ2に対応する携帯端末20にバッテリ2の充電状態を通知する必要があると判定し、条件(A)、(B)のいずれかが満たされないときに、通知する必要がないと判定する。
【0218】
(A)プラグ差し込み口31の供給可能電力Eがある閾値ε以上増大または減少した。
【0219】
(B)現在のプラグ差し込み口31の供給可能電力Eとライン電力Pとが同じである。
【0220】
具体的には、制御部37は、最後のステップ905で検出したプラグ差し込み口31〜33の最新の電流値に基づいて、最新の供給可能電力Eおよび最新のライン電力Pを算出し、また、最後よりも1回前のステップ905で検出したプラグ差し込み口31〜33の1回前の電流値に基づいて、1回前の供給可能電力Ei―1および1回前のライン電力Pi―1を算出する(添字iは整数)。
【0221】
そして、条件(A)が満たされるか否かは、|E−Ei―1|>εという式が満たされるか否かで判定する。なお、閾値εは例えば0であるが、0より大きい正数であってもよい。また、条件(B)が満たされるか否かは、E=Pという式が満たされるか否かで判定してもよいし、|E−P|<δという式が満たされるか否かで判定してもよい。後者の場合、閾値δはEの値よりも十分小さい正値(例えばEの1/100以下の値)とする。
【0222】
このような第1の判定方法を用いた場合の、充電状態通知を行う必要があると判定するタイミングの例について、図15〜図20を用いて説明する。
【0223】
これら各図において、実線51は、プラグ差し込み口31の供給可能電力Eの時間推移を表し、破線52は、プラグ差し込み口31からバッテリ2に実際に供給されるライン電力Pの時間推移を表し、一点鎖線53は、バッテリ2の充電量の時間推移を表す。
【0224】
図15は、車両1がプラグ差し込み口31に接続されて充電が行われている間、プラグ差し込み口31以外のプラグ差し込み口32、33には車両が接続されることがない場合の時間推移例である。
【0225】
この例では、バッテリ2の充電期間中は常にプラグ差し込み口31のみから電力供給が行われるので、供給可能電力51は一定のままである。このような場合であっても、バッテリ2の特性上、充電量53の増大と共にライン電力52は減少していく。この例では、供給可能電力51が一定のままなので、条件(A)が満たされることはない。したがって充電状態通知を行う必要があると判定するタイミングは訪れない。
【0226】
図16は、車両1がプラグ差し込み口31に接続されて充電が行われている間、充電序盤の時刻ti1において他のプラグ差し込み口32、33のいずれかに車両が接続されて充電が始まった場合の時間推移例である。
【0227】
この例では、時刻ti1が充電の序盤であるため、時刻ti1の直前においてはライン電力52が供給可能電力51とほぼ同じとなっている。そのため、時刻ti1においてプラグ差し込み口31の供給可能電力51がライン電力52よりも低い値にまで減少し、その結果ライン電力52も供給可能電力51と同じ値にまで減少する。
【0228】
この時刻ti1のタイミングでは、条件(A)、(B)のいずれもが満たされるので、制御部37は、充電状態通知を行う必要があると判定する。時刻ti1の後は、供給可能電力51は変化しないが、充電量53が徐々に増大していき、その結果、時刻ti2においてライン電力52が減少し始める。なお、図16の例では、時刻ti1において供給可能電力51の低下に起因してライン電力52が低下したので、充電完了時刻te2は図15の充電完了時刻te1に比べて遅れる。つまり、供給可能電力51の低下に起因して、充電開始当初よりも充電完了の予想時刻が遅くなる。
【0229】
図17は、車両1がプラグ差し込み口31に接続されて充電が行われている間、充電中盤の時刻ti3において他のプラグ差し込み口32、33のいずれかに車両が接続されて充電が始まった場合の時間推移例である。
【0230】
この例では、時刻ti3が充電の中盤であるため、時刻ti3の直前においてはライン電力52が供給可能電力51を大きく下回っている。そのため、時刻ti3においてプラグ差し込み口31の供給可能電力51が低下しても、依然としてライン電力52を上回っている。
【0231】
この時刻ti3のタイミングでは、条件(A)は満たされているが、条件(B)が満たされていないので、制御部37は、充電状態通知を行う必要があると判定しない。したがって、図17の例では、充電状態通知を行う必要があると判定するタイミングは訪れない。なお、図17の例では、時刻ti3において供給可能電力51が低下しても、それに起因してライン電力52が低下することがないので、充電完了時刻te3は図15の充電完了時刻te1と同じになる。
【0232】
図18は、車両1がプラグ差し込み口31に接続されて充電が行われている間、充電序盤の時刻ti4において他のプラグ差し込み口32、33のいずれか1つに車両が接続されて充電が始まり、その後の時刻ti5において当該他の1つのプラグ差し込み口と車両との接続が解除された場合の時間推移例である。
【0233】
この例では、時刻ti4においてプラグ差し込み口31の供給可能電力51がライン電力52よりも低い値にまで減少し、その結果ライン電力52も供給可能電力51と同じ値にまで減少する。このタイミングti4で条件(A)、(B)のいずれもが満たされるので、制御部37は、充電状態通知を行う必要があると判定する。
【0234】
また、時刻ti5において、プラグ差し込み口31の供給可能電力51が増大し、それに伴い、供給可能電力51によって上限を抑えられていたライン電力52も、ライン供給可能電力51と同じ値にまで上昇する。このタイミングti5で条件(A)、(B)のいずれもが満たされるので、制御部37は、充電状態通知を行う必要があると判定する。このように、図18の例では、制御部37は2つのタイミングti4、ti5で、充電状態通知を行う必要があると判定する。
【0235】
なお、図18の例では、時刻ti4において供給可能電力51の低下に起因してライン電力52が低下したので、その時点の充電完了予想時刻は、充電開始当初の充電完了予想時刻よりも遅くなる。また、時刻ti5において供給可能電力51の上昇に起因してライン電力52が上昇したので、その時点の充電完了予想時刻te4は、時刻ti4の時点における充電完了予想時刻よりも早くなる。
【0236】
図19は、車両1がプラグ差し込み口31に接続されて充電が行われている間、充電序盤の時刻ti6において他のプラグ差し込み口32、33の両方に車両が接続されて充電が始まり、その後の時刻ti7において当該他のプラグ差し込み口32、33のうち1つと車両との接続が解除された場合の時間推移例である。
【0237】
この例では、時刻ti6においてプラグ差し込み口31の供給可能電力51がライン電力52よりも低い値にまで減少し、その結果ライン電力52も供給可能電力51と同じ値にまで減少する。このタイミングti4で条件(A)、(B)のいずれもが満たされるので、制御部37は、充電状態通知を行う必要があると判定する。
【0238】
また、時刻ti6と時刻ti7の間の時刻ti8において、充電量53の増大に伴い、ライン電力52が供給可能電力51よりも低下し始める。そして、時刻ti7において、プラグ差し込み口31の供給可能電力51が増大するものの、ライン電力52はそれに伴って上昇するということがない。したがって、このタイミングti7においては、条件(A)は満たされるものの、条件(B)が満たされないので、制御部37は、充電状態通知を行う必要がないと判定する。
【0239】
このように、図19の例では、制御部37は1つのタイミングti6のみで、充電状態通知を行う必要があると判定する。なお、図19の例では、時刻ti6において供給可能電力51の低下に起因してライン電力52が低下したので、その時点の充電完了予想時刻te5は、充電開始当初の充電完了予想時刻よりも遅くなる。また、時刻ti7において供給可能電力51が上昇してもライン電力52に変化はないので、その時点の充電完了予想時刻は、時刻ti6の時点における充電完了予想時刻te5から変わらない。
【0240】
図20は、他のプラグ差し込み口32、33のいずれか1つに他車両が接続されて充電されている状態で、時刻ti9で車両1がプラグ差し込み口31に接続されてバッテリ2への充電が始まり、その後の時刻ti10において当該他の1つのプラグ差し込み口と他車両との接続が解除された場合の時間推移例である。
【0241】
この例では、時刻ti10において、プラグ差し込み口31の供給可能電力51が増大し、それに伴い、供給可能電力51によって上限を抑えられていたライン電力52も、ライン供給可能電力51と同じ値にまで上昇する。このタイミングti10で条件(A)、(B)のいずれもが満たされるので、制御部37は、充電状態通知を行う必要があると判定する。
【0242】
なお、図20の例では、時刻ti10において供給可能電力51の上昇に起因してライン電力52が上昇したので、その時点の充電完了予想時刻te6は、時刻ti9の時点における充電完了予想時刻te7よりも早くなる。
【0243】
以上説明したような第1の判定方法を用いることで、制御部37は、充電完了時刻が充電開始時の予定よりも遅れる場合または早まる場合に、充電状態を含む信号を携帯端末20に送信することができる。
【0244】
[2]第2の判定方法(供給可能電力Eの減少およびライン電力の追従)
第2の判定方法では、以下の条件(C)および上記の条件(B)が満たされたときに、プラグ差し込み口31に接続されたバッテリ2に対応する携帯端末20にバッテリ2の充電状態を通知する必要があると判定し、(C)、(B)のいずれかが満たされないときに、通知する必要がないと判定する。
【0245】
(C)プラグ差し込み口31の供給可能電力Eがある閾値ε以上減少した。
【0246】
この条件(C)は、条件(A)から「閾値ε以上増大した」場合を除外した条件である。(A)の条件が満たされるか否かは、E−Ei―1<−ε(εはゼロまたは正)という式が満たされるか否かで判定する。
【0247】
このような第2の判定方法を用いた場合の、充電状態通知を行う必要があると判定するタイミングは、上述の図15〜図17、図19の例では、第1の判定方法を用いた場合と同じである。しかし、図18の例では、第1の判定方法を用いた場合は時刻ti4、ti5の両方で通知が必要であると判定していたが、第2の判定方法を用いた場合では、供給可能電力51が減少する時刻ti4のみでしか通知を行わない。また、図20の例では、第1の判定方法を用いた場合は時刻ti10で通知が必要であると判定していたが、第2の判定方法を用いた場合では、必要であると判定する場合はない。
【0248】
このような第2の判定方法を用いることで、制御部37は、充電完了時刻が充電開始時の予定よりも遅れる場合に、充電状態を含む信号を携帯端末20に送信するが、充電完了時刻が充電開始時の予定よりも早まる場合は、充電状態を含む信号を携帯端末20に送信しない。多くの場合、充電完了時刻が早まることよりも遅れることの方が、車両1のユーザに与える悪影響が大きい。したがって、第2の判定方法を用いれば、特に重大な変化があったときに絞って、携帯端末20に充電状態を通知することができる。
【0249】
[3]第3の判定方法(第1の判定方法+充電完了予想時刻の所定時間以上の変化)
第3の判定方法では、第1の判定方法で示した条件(A)、(B)と、以下の条件(D)のすべてが見たされたときに、プラグ差し込み口31に接続されたバッテリ2に対応する携帯端末20にバッテリ2の充電状態を通知する必要があると判定し、条件(A)、(B)、(D)のいずれかが満たされないときに、通知する必要がないと判定する。
【0250】
(D)プラグ差し込み口31からバッテリ2への充電完了予想時刻が所定時間以上増大または減少した。
条件(D)が満たされるか否かは、|Tf−Tf0|>Txであるか否かに基づいて判定する。ここで、時間Txは、充電器30のユーザが任意に設定可能な所定の閾値(例えば15分〜30分の間の特定の時間)であり、Tfは、プラグ差し込み口31の最新の供給可能電力Eおよびバッテリ2の最新の充電量S(車載側無線部11から受信する)に基づいて、制御部37が算出した最新の充電完了予想時刻である。
【0251】
充電完了予想時刻を算出するため、制御部37は、あらかじめROM等に、充電カーブ情報を記憶している。この充電カーブ情報は、バッテリ2の充電量と、その充電量のときにバッテリ2が充電で受け入れることのできる最大電力(すなわち、最大受け入れ電力)との関係を表すマップである。このような充電カーブ情報と現時点の最新の充電量Sを用いれば、プラグ差し込み口31の供給可能電力Eが、現時点における最新の供給可能電力Eから変化しないと仮定すれば、現時点以降の各時刻におけるバッテリ2へのライン電力Pおよびバッテリ2の充電量を推定することができる。
【0252】
具体的には、充電カーブ情報を用いて、現時点の最新の充電量Sに対応する最大受け入れ電力を算出し、算出した最大受け入れ電力と現時点の最新の供給可能電力Eのうち低い方を、現時点tのライン電力Pとし、現時点のライン電力Pと上記充電量Sから、微少時間後t+Δtの充電量を算出し、算出した充電量に対応する最大受け入れ電力を充電カーブ情報を用いて算出し、算出した最大受け入れ電力と現時点の最新の供給可能電力Eのうち低い方を、時刻t+Δtのライン電力Pi+1とし、当該ライン電力Pi+1と上記時刻t+Δtの充電量に基づいて、さらに微少時間後時刻t+2Δtの充電量を算出する、という処理を繰り返すことで、現時点以降の各時刻におけるバッテリ2へのライン電力Pおよびバッテリ2の充電量を推定することができる。
【0253】
また、比較用の値Tf0には、最後に条件(A)、(B)、(D)が満たされた時点における、最新の充電完了予想時刻Tfが代入される。すなわち、Tf0は、最後に充電完了予想時刻が所定時間以上変化すると判定された時点における、充電完了予想時刻である。ただし、Tf0の初期値は、バッテリ2に対する充電開始時における、最新の充電完了予想時刻Tfである。
【0254】
つまり、比較用充電完了予想時刻Tf0には、最初は充電開始時点における充電完了予想時刻が代入され、その後、充電完了予想時刻が所定時間以上変化すると判定されるまで、充電完了予想時刻Tf0は変化せず、所定時間以上変化すると判定された時点で、その時点における最新の充電完了予想時刻Tfが代入される。
【0255】
このような第3判定方法を用いた場合の、充電状態通知を行う必要があると判定するタイミングの例について、図21(a)〜(c)、図22(a)〜(d)を用いて説明する。
【0256】
これら各図において、実線51は、プラグ差し込み口31の供給可能電力Eの時間推移を表し、破線52は、プラグ差し込み口31からバッテリ2に実際に供給されるライン電力Pの時間推移を表し、一点鎖線53は、バッテリ2の充電量の時間推移を表す。
【0257】
ただし、線51〜53は、図21(a)においては、充電開始時刻ti11の時点における後の時刻の時間推移の予測を表しており、図21(b)においては、時刻ti12の時点における、過去の時刻の時間推移の結果および後の時刻の時間推移の予測を表しており、図21(c)においては、時刻ti13の時点における、過去の時刻の時間推移の結果および後の時刻の時間推移の予測を表しており、図22(a)においては、充電開始時刻ti14の時点における後の時刻の時間推移の予測を表しており、図22(b)においては、時刻ti15の時点における、過去の時刻の時間推移の結果および後の時刻の時間推移の予測を表しており、図22(c)においては、時刻ti16の時点における、過去の時刻の時間推移の結果および後の時刻の時間推移の予測を表しており、図22(d)においては、時刻ti17の時点における、過去の時刻の時間推移の結果および後の時刻の時間推移の予測を表している。
【0258】
図21(a)は、時刻ti11において車両1がプラグ差し込み口31に接続されて充電が開始された場合の、時刻ti11の時点における時間推移予測である。この時点において、プラグ差し込み口31以外のプラグ差し込み口32、33には車両が接続されておらず、制御部37は、後の時刻においてもプラグ差し込み口32、33には車両が接続されないと仮定する。したがって、制御部37は、供給可能電力Eは直線51のように推移すると予測し、その供給可能電力51に基づいて、各時刻のライン電力52を算出し、算出したライン電力52に基づいて、各時刻の充電量53を算出する。なお、ライン電力52は、バッテリ2の充電カーブ情報から、各時刻においてバッテリ2が充電で受け入れることのできる最大電力を算出し、算出した最大電力と供給可能電力Eのうち小さい方を、ライン電力52として採用する。
【0259】
そして制御部37は、算出した充電量53の推移の予測に基づいて、バッテリ2が満充電となる時刻(すなわち充電完了予想時刻)Tfi11を算出する。そして、この充電開始時における最新の充電完了予想時刻Tfi11を、比較用充電完了予想時刻Tf0に代入する。
【0260】
その後、車両1がプラグ差し込み口31に接続され、他のプラグ差し込み口32、33に車両が接続されていない状態が継続している間は、プラグ差し込み口31の供給可能電力Eが変化しないので、各時点における最新の充電完了予想時刻も、時刻ti11の時点に算出した充電完了予想時刻Tfi11と同じになるので、比較用充電完了予想時刻Tf0に新しい値が代入されることはない。
【0261】
その後、時間が経過し、図21(b)に示すように、車両1がプラグ差し込み口31に接続された状態で、供給可能電力Eと同じライン電力量Pで充電が行われている充電序盤の時刻ti12の時点で、他のプラグ差し込み口32、33のいずれかに車両が接続されて充電が始まったとする。
【0262】
この場合、プラグ差し込み口31の供給可能電力Eが低下し、それと同じだけライン電力Pも低下する。したがって、上記条件(A)、(B)が満たされる。またこの時点で、制御部37が算出する最新の充電完了予想時刻Tfi12は、低下後の供給可能電力Eが以降も続くと仮定して算出するので、時刻ti11の時点に算出した充電完了予想時刻Tfi11よりも遅い時刻となる。
【0263】
そして、図21(b)の場合は、比較用充電完了予想時刻Tf0(=Tfi11)と充電完了予想時刻Tfi12との差の絶対値が閾値時間Txよりも大きくなる。したがって、条件(D)も満たされるので、制御部37は、充電状態通知を行う必要があると判定する。また、制御部37は、この時点における充電完了予想時刻Tfi12を、比較用充電完了予想時刻Tf0に代入する。
【0264】
また、図21(b)の場合と異なり、図21(a)の時点の後、時間が経過し、図21(c)に示すように、ライン電力Pが供給可能電力Eよりもある程度下回った充電中盤の時刻ti13の時点で、他のプラグ差し込み口32、33のいずれかに車両が接続されて充電が始まったとする。
【0265】
この場合、プラグ差し込み口31の供給可能電力Eが低下し、それに伴いライン電力Pも供給可能電力Eと同じ値にまで低下する。したがって、上記条件(A)、(B)が満たされる。またこの時点で、制御部37が算出する最新の充電完了予想時刻Tfi13は、低下後の供給可能電力Eが以降も続くと仮定して算出するので、時刻ti11の時点に算出した充電完了予想時刻Tfi11よりも遅い時刻となる。
【0266】
しかし、図21(c)の場合は、比較用充電完了予想時刻Tf0(=Tfi11)と充電完了予想時刻Tfi13との差の絶対値が閾値時間Txよりも小さい。したがって、条件(D)は満たされないので、制御部37は、充電状態通知を行う必要がないと判定する。したがって、制御部37は、この時点における充電完了予想時刻Tfi13を、比較用充電完了予想時刻Tf0に代入することはない。
【0267】
次に、図22(a)は、時刻ti14において車両1がプラグ差し込み口31に接続されて充電が開始された場合の、時刻ti14の時点における時間推移予測である。この時点において、プラグ差し込み口31以外のプラグ差し込み口32、33のいずれか1つのみに車両が接続されて充電が行われており、制御部37は、後の時刻においてもプラグ差し込み口31〜33からの充電の有無には変化がないと仮定する。したがって、制御部37は、供給可能電力Eは直線51のように推移すると予測し、その供給可能電力51に基づいて、各時刻のライン電力52を算出し、算出したライン電力52に基づいて、各時刻の充電量53を算出し、算出した充電量53の推移の予測に基づいて、充電完了予想時刻Tfi14を算出する。そして、この充電開始時における最新の充電完了予想時刻Tfi14を、比較用充電完了予想時刻Tf0に代入する。
【0268】
その後、車両1がプラグ差し込み口31に接続され、他のプラグ差し込み口32、33のいずれか1つのみに車両が接続されている状態が継続している間は、プラグ差し込み口31の供給可能電力Eが変化しないので、各時点における最新の充電完了予想時刻も、時刻ti14の時点に算出した充電完了予想時刻Tfi14と同じになるので、比較用充電完了予想時刻Tf0に新しい値が代入されることはない。
【0269】
その後、時間が経過し、図22(b)に示すように、車両1がプラグ差し込み口31に接続された状態で、供給可能電力Eと同じライン電力量Pで充電が行われている充電序盤の時刻ti15の時点で、プラグ差し込み口32または33に接続された車両の充電が完了し、当該車両がプラグ差し込み口32または33から切り離されたとする。
【0270】
この場合、プラグ差し込み口31の供給可能電力Eが上昇し、それと同じだけライン電力Pも上昇する。したがって、上記条件(A)、(B)が満たされる。またこの時点で、制御部37が算出する最新の充電完了予想時刻Tfi15は、上昇後の供給可能電力Eが以降も続くと仮定して算出するので、時刻ti14の時点に算出した充電完了予想時刻Tfi14よりも早い時刻となる。
【0271】
そして、図22(b)の場合は、比較用充電完了予想時刻Tf0(=Tfi14)と充電完了予想時刻Tfi15との差の絶対値が閾値時間Txよりも大きくなる。したがって、条件(D)も満たされるので、制御部37は、充電状態通知を行う必要があると判定する。また、制御部37は、この時点における充電完了予想時刻Tfi15を、比較用充電完了予想時刻Tf0に代入する。
【0272】
その後、時間が経過し、図22(c)に示すように、車両1がプラグ差し込み口31に接続された状態で供給可能電力Eと同じライン電力量Pで充電が行われている充電序盤の時刻ti16において、他のプラグ差し込み口32、33のいずれか1つのみに車両が接続されて充電が始まったとする。
【0273】
この場合、プラグ差し込み口31の供給可能電力Eが低下し、それと同じだけライン電力Pも低下する。したがって、上記条件(A)、(B)が満たされる。またこの時点で、制御部37が算出する最新の充電完了予想時刻Tfi16は、低下後の供給可能電力Eが以降も続くと仮定して算出するので、時刻ti15の時点に算出した充電完了予想時刻Tfi15よりも遅い時刻となる。
【0274】
しかし、図22(c)の場合は、比較用充電完了予想時刻Tf0(=Tfi15)と充電完了予想時刻Tfi16との差の絶対値が閾値時間Txよりも小さい。したがって、条件(D)は満たされないので、制御部37は、充電状態通知を行う必要がないと判定する。したがって、制御部37は、この時点における充電完了予想時刻Tfi16を、比較用充電完了予想時刻Tf0に代入することはない。
【0275】
その後、時間が経過し、図22(d)に示すように、車両1がプラグ差し込み口31に接続された状態で、ライン電力52が供給可能電力51を下回るようになり、さらに時刻ti17において、他のプラグ差し込み口32、33のうち、残りの1つにも車両が接続されて充電が始まったとする。この時点で、プラグ差し込み口31〜33のすべてに車両が接続されて充電が行われていることになる。この時刻ti7のタイミングでは、条件(A)は満たされているが、条件(B)が満たされていないので、制御部37は、充電状態通知を行う必要があると判定しない。
【0276】
[4]第4の判定方法(第2の判定方法+充電完了予想時刻の所定時間以上の変化)
第4の判定方法では、上述の条件(B)、(C)、(D)が満たされたときに、プラグ差し込み口31に接続されたバッテリ2に対応する携帯端末20にバッテリ2の充電状態を通知する必要があると判定し、(B)、(C)、(D)のいずれかが満たされないときに、通知する必要がないと判定する。
【0277】
このような第4の判定方法を用いた場合の、充電状態通知を行う必要があると判定するタイミングは、上述の図21の例では、第3の判定方法を用いた場合と同じである。しかし、図22の例では、第3の判定方法を用いた場合は時刻ti15で通知が必要であると判定していたが、第4の判定方法を用いた場合では、時刻ti15で条件(C)が満たされないので、通知を行わない。
【0278】
このような第4の判定方法を用いることで、制御部37は、充電完了時刻が充電開始時の予定よりも所定時刻Txを超えて遅れる場合に、充電状態を含む信号を携帯端末20に送信するが、充電完了時刻が充電開始時の予定よりも早まる場合は、充電状態を含む信号を携帯端末20に送信しない。多くの場合、充電完了時刻が早まることよりも遅れることの方が、車両1のユーザに与える悪影響が大きい。したがって、第4の判定方法を用いれば、特に重大な変化があったときに絞って、携帯端末20に充電状態を通知することができる。
【0279】
[5]第5の判定方法(充電計画に基づいた判定)
第5の判定方法では、上記第1〜第4判定方法において、使用する条件は変えずに、充電完了予想時刻の算出方法を変更する。具体的には、上記第1〜第4判定方法においては、充電完了予想時刻は、現時点以降はプラグ差し込み口31の供給可能電力Eに変化が生じないという仮定の上で計算されている。しかし、この第5の判定方法では、充電計画に基づいて、後の時刻の供給可能電力Eを、時間的に変化可能に計算するようになっている。
【0280】
ここで、充電計画とは、未来の各時刻において、充電器30に車両が何台接続して充電を受けることになるかについての予測情報をいう。例えば、あらかじめ予約等によって、特定の車両が時刻Xから時刻Yまで充電を行うことが分かっている場合等に、作業者がその予約を反映するように充電計画のデータを作成し、充電器30に対して当該充電計画のデータを入力すれば、制御部37は、当該充電計画をRAMに記録する。
【0281】
このような充電計画を用いて充電完了予想時刻を算出する場合の、充電状態通知を行う必要性の有無の判定例を、図23を用いて説明する。
【0282】
図23(a)は、時刻ti18において車両1がプラグ差し込み口31に接続されて充電が開始された場合の、時刻ti18の時点における時間推移予測である。この時点においては、プラグ差し込み口31以外では、プラグ差し込み口32のみに車両が接続されて充電が行われている。また、充電器30中の充電計画において、他の車両が充電器30から充電を受ける予定も、現在充電器30に接続されている車両が充電を終了する予定もない。したがって、制御部37は、後の時刻においてもプラグ差し込み口31〜33からの充電の有無には変化がないと仮定し、供給可能電力Eは直線51のように推移すると予測し、その供給可能電力51に基づいて、充電完了予想時刻Tfi14を算出する。そして、この充電開始時における最新の充電完了予想時刻Tfi18を、比較用充電完了予想時刻Tf0に代入する。
【0283】
その後、プラグ差し込み口31〜33の接続状況に変化がないまま、時刻ti19において、充電器30の作業者が、新たな充電計画を入力したとする。入力される充電計画は、時刻ti20においてプラグ差し込み口32の車両が充電を終了して接続を切り、さらに後の時刻ti21において他の2台の車両がプラグ差し込み口32、33に接続して充電を開始するというものである。
【0284】
この時点で、制御部37は、この更新された充電計画に基づいて、新たな充電完了予想時刻Tfi19を算出し、比較用充電完了予想時刻Tf0に代入する。このとき、充電完了予想時刻Tfi19と、代入前の比較用充電完了予想時刻Tf0との差の絶対値が閾値時間Txよりも大きい場合、通知する必要があると判定するようになっていてもよい。
【0285】
その後、時刻ti20が訪れ、予定通りプラグ差し込み口32から車両が切り離されると、供給可能電力51が上昇し、それに伴ってライン電力52も同じ値に上昇するので、条件(A)、(B)が満たされる。しかし、比較用充電完了予想時刻Tf0は、この供給可能電力51の変化を予測した上で算出されているので、最新の充電完了予想時刻Ti20は比較用充電完了予想時刻Tf0と同じになる。したがって、条件(D)が満たされず、制御部37は通知する必要がないと判定する。
【0286】
その後、時刻ti21が訪れ、予定通りプラグ差し込み口32、33に新たな車両が接続された充電が始まると、供給可能電力51が低下し、それに伴ってライン電力52も同じ値に低下するので、条件(A)、(B)、(C)が満たされる。しかし、比較用充電完了予想時刻Tf0は、この供給可能電力51の変化を予測した上で算出されているので、最新の充電完了予想時刻Ti21は比較用充電完了予想時刻Tf0と同じになる。したがって、条件(D)が満たされず、制御部37は通知する必要がないと判定する。
【0287】
このように、あらかじめ1つまたは複数のタイミングTi20、Ti21における供給可能電力51の変化の予定を充電計画としてまとめて取得し、取得した充電計画に基づいて充電完了予想時刻を算出し、充電状況を携帯端末20に通知するので、それら複数タイミングTi20、Ti21のそれぞれで、いちいち充電状況を携帯端末20に通知する必要がなくなり、通信コストも低減する。
【0288】
以上説明した通り、本実施形態の充電状態通知システムにおいて、制御部37は、プラグ差し込み口31の供給可能電力Eが変化したことに基づいて、携帯端末20に充電状態の通知を行う必要があると判定する。
【0289】
プラグ差し込み口31の供給可能電力Eが変化した場合は、それ以降のバッテリ2の充電量の推移が、変化前の予想と大きく異なる可能性があるので、この変化後の充電状態を携帯端末20に通知することで、携帯端末20側では、この受信した充電状態に基づいて、より正確な推定充電量を算出することができる。
【0290】
より詳しくは、制御部37は、プラグ差し込み口31の供給可能電力Eが変化し、かつ、実際に前記プラグ差し込み口31からバッテリ2に供給されるライン電力Pと供給可能電力Eとが等しいことに基づいて、携帯端末20に充電状態の通知を行う必要があると判定する。
【0291】
プラグ差し込み口31の供給可能電力Eが変化した場合であっても、ライン電力Pに変化がない場合がある。例えば、供給可能電力Eが変化する段階で、すでにライン電力Pが供給可能電力Eよりも大幅に低下している場合がそれに該当する(例えば、図17参照)。そこで、上記のように、ライン電力Pと供給可能電力Eとが等しいという加重条件を設けることで、携帯端末20に必要性の低い充電状態の送信を行ってしまう可能性が低下する。
【0292】
また、制御部37は、プラグ差し込み口31の供給可能電力Eが変化し、かつ、実際に前記プラグ差し込み口31から前記バッテリ2に供給されるライン電力Pと供給可能電力Eとが等しく、かつ、バッテリ2の充電完了予想時刻Tfが、携帯端末20に充電状態の通知を最後に行ったときの充電完了予想時刻Tf0に対して所定時間以上変化したことに基づいて、携帯端末20に前記充電状態の通知を行う必要があると判定する。
【0293】
プラグ差し込み口31の供給可能電力Eが変化し、それと同じ値にライン電力Pが変化した場合であっても、充電完了予想時刻が充電状態の通知を最後に行ったときの充電完了予想時刻よりもあまり変化していない場合もある。したがって、そのような場合には通知しないことで、携帯端末20に必要性の低い充電状態の送信を行ってしまう可能性が低下する。
【0294】
なお、本実施形態においては、制御部37が、図13のステップ910を実行することで判定手段の一例として機能し、また、ステップ915を実行することで送信手段の一例として機能する。
【0295】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
【0296】
例えば、上記実施形態においては、図13のステップ915で充電器30から携帯端末20に送信する充電状態には、当該バッテリの充電量、および、充電器30のプラグ差し込み口31から当該車両1への供給可能電力Eの情報を含めるようになっているが、必ずしもこのようになっておらずともよい。例えば、制御部37は、現時点以降の各時刻におけるバッテリ2の充電量の予測値を、当該バッテリの充電量に含めるようになっていてもよい。この場合、この現時点以降の各時刻におけるバッテリ2の充電量の予測値を受信した携帯側制御部27は、再度充電制御部3から充電状態の情報を受けるまでは、この予測値を用いて、バッテリ2の現在の推定充電量を算出し、その算出した推定充電量に関連する量(例えば、現在の推定充電量そのもの)を表示するようになっていてもよい。
【0297】
また、上記第2実施形態においては、充電器30の制御部37が、図13の通知処理を実行するようになっているが、車載用ドア制御装置10の車載側制御部14がこの通知処理を実行するようになっていてもよい。この場合、車載側制御部14は、通知処理のために必要な情報を、制御部37から無線通信で受信するようになっていてもよい。この場合は、車載側制御部14が、充電状態監視装置の一例に相当する。
【0298】
また、上記第2実施形態においては、充電器30の制御部37が、充電状態の通知が必要か否かを判定し、必要ならば携帯端末20に充電状態の通知を行っていた。すなわち、充電器30側が、充電状態を能動的にプッシュ配信していた。しかし、必ずしもこのようになっておらずともよく、例えば、擬似プッシュ配信を行うようになっていてもよい。すなわち、携帯端末20の携帯側制御部27が定期的に(例えば数分おきに)充電器30に問い合わせ信号を送信し、充電器30の制御部37は、この問い合わせを受けたときに、携帯端末20に充電状態の通知を行うようになっていてもよい。なお、擬似プッシュ配信の場合は、携帯端末20から充電器30に問い合わせ信号を送信した瞬間に充電完了予想時刻の変化が起こっているとは限らないので、過去に変化があった時刻の情報を、携帯端末20に送信するようになっていてもよい。
【0299】
また例えば、上記実施形態においては、車両用ドア制御システムは、いわゆるキーレスエントリーシステムである。つまり、ドアの施錠および解錠のためのドア操作部(操作部23)が、携帯端末20に備えられており、携帯端末20は、ドア操作部に対してドアロック操作が行われたことに起因して、ドアロック信号を車載用ドア制御装置に無線送信し、ドア操作部に対してドアアンロック操作が行われたことに起因して、ドアアンロック信号を車載用ドア制御装置に無線送信している。そして車載用ドア制御装置10は、ドアロック操作に起因して送信されたドアロック信号を受信したことに基づいて、車両のドアを施錠すべきであると判定し、ドアアンロック操作に起因して送信されたドアアンロック信号を受信したことに基づいて、車両のドアを解錠すべきであると判定する。
【0300】
しかし、車両用ドア制御システムは、いわゆるキーレスエントリーシステムのみならず、スマートエントリシステム、インテリジェントキーシステム等と呼ばれるシステム(以下、改良型キーレスエントリーシステムという)であってもよい。
【0301】
この改良型キーレスエントリーシステムの場合、ドアの施錠および解錠のためのドア操作部は、車両1に取り付けられている。具体的には、車両1の外部から触れることができる位置、例えば、ドアのノブにドア操作部が取り付けられていてもよい。より詳しくは、例えば、ドアノブの車両1の外を向いている側に、ドアロック操作を行うためのドアロックスイッチ(例えば、押しボタンまたはタッチセンサ)を設け、ドアノブの車両1を向いている側に、ドアアンロック操作を行うためのドアアンロックスイッチ(例えば、押しボタンまたはタッチセンサ)を設けてもよい。この場合、ドアロックスイッチを操作することがドアロック操作に相当し、ドアアンロックスイッチを操作することがドアアンロック操作に相当する。
【0302】
そして、この改良型キーレスエントリーシステムにおいて、車載側制御部14は、ドアロックスイッチが操作されたことに基づいて、車載側無線部11を制御して、キー要求信号を携帯端末20へと送信させる。携帯側制御部27は、携帯側無線部21がこのキー要求信号を受信したことに基づいて、携帯側無線部21を制御し、あらかじめ定められた内容のキー信号を車載用ドア制御装置10へと送信させる。そして車載側制御部14は、図2のステップ110で、車載側無線部11がこのキー信号を受信したと判定したことに基づいて、車両1のドアを施錠すべきであると判定する。つまり、車載側制御部14は、キー信号を車載側無線部11が受信したこと、および、車両1のドア操作部に対してドアロック操作があったことに基づいて、車両1のドアを施錠すべきであると判定する。この場合、上記のキー信号がドアロック信号の一例に相当する。
【0303】
また、この改良型キーレスエントリーシステムにおいて、車載側制御部14は、ドアアンロックスイッチが操作されたことに基づいて、車載側無線部11を制御して、キー要求信号を携帯端末20へと送信させる。携帯側制御部27は、携帯側無線部21がこのキー要求信号を受信したことに基づいて、携帯側無線部21を制御し、上記キー信号を車載用ドア制御装置10へと送信させる。そして車載側制御部14は、図8のステップ610で車載側無線部11がこのキー信号を受信したと判定したことに基づいて、車両1のドアを解錠すべきであると判定する。つまり、車載側制御部14は、キー信号を車載側無線部11が受信したこと、および、車両1のドア操作部に対してドアアンロック操作があったことに基づいて、車両1のドアを解錠すべきであると判定する。この場合、上記のキー信号がドアアンロック信号の一例にも相当する。
【0304】
また、上記キーレスエントリーシステムおよび改良型キーレスエントリーシステムにおいては、ドアアンロック操作とドアロック操作は互いに異なる操作であるが、ドアアンロック操作とドアロック操作はドア操作部の同じボタンまたはスイッチに対する同じ態様の操作であってもよい。すなわち、ドアロック操作とドアアンロック操作は、同じ操作(以下、共通操作という)であってもよい。
【0305】
この場合、携帯側制御部27は、車両1のドアが施錠された状態であるか解錠された状態であるかを示すロックフラグをRAMまたはフラッシュメモリに記憶するようになっていてもよい。そして、図4のステップ305では、ロックフラグが解錠された状態を示しているときに共通操作が操作部23に対して行われたときにのみ、ドアロック操作があったと判定するようになっていればよい。また、図9のステップ710では、ロックフラグが施錠された状態を示しているときに共通操作が操作部23に対して行われたときにのみ、ドアアンロック操作があったと判定するようになっていればよい。
【0306】
なお、携帯側制御部27は、このロックフラグの値を、車載用ドア制御装置10から送信されたドアのロック状態の情報に基づいて、実際のドアのロックの状態に合わせて変化させるようになっていればよい。
【0307】
すなわち、車載側制御部14は、図1のステップ130で、ドアを施錠すると共に、車載側無線部11を制御して、ドアが施錠された旨を示すロック状態信号を、携帯端末20へ送信させ、携帯側制御部27は、図4のステップ320で、SOCを示す信号等に加え、このロック状態信号を受信するまで待ち、受信した時点でロックフラグの値を、施錠された状態である旨の値に変更するようになっていればよい。また、すなわち、車載側制御部14は、図8のステップ640で、ドアを解錠すると共に、車載側無線部11を制御して、ドアが解錠された旨を示すロック状態信号を、携帯端末20へ送信させ、携帯側制御部27は、図9のステップ740で、プラグ状態信号に加え、このロック状態信号を受信するまで待ち、受信した時点でロックフラグの値を、解錠された状態である旨の値に変更するようになっていればよい。
【0308】
また、ドアアンロック操作とドアロック操作がドア操作部の同じボタンまたはスイッチに対する同じ態様の操作である場合、ドアロック信号とドアアンロック信号とは同じ内容の信号(以下、共通信号という)であってもよい。
【0309】
このようになっていても、車載側制御部14は、図2のステップ110に示したように、ドアが解錠された状態で共通信号を受信したことに基づいて、車両1のドアを施錠すべきであると判定する。つまり、ドアが解錠された状態では、共通信号はドアロック信号として機能する。また、車載側制御部14は、図8のステップ610に示したように、ドアが施錠された状態で共通信号を受信したことに基づいて、車両1のドアを解錠すべきであると判定する。つまり、ドアが施錠された状態では、共通信号はドアアンロック信号として機能する。
【0310】
また、携帯端末20は、携帯電話機の機能を有していてもよい。
【0311】
また、ドアアンロック信号、プラグ状態信号、SOCを示す信号、充電状態信号の送受信時においては、受信側は、それらの信号を受信するための確認応答(ACK)を送信元に返送するようになっていてもよい。つまり、一般的な通信手順で使われる確認応答信号をやりとりするようになっていてもよい。
【0312】
また、上記実施形態においては、推定充電量(推定総充電量Q2)に関連する量の一例として推定総充電量Q2が示されている。しかし、推定充電量(推定総充電量Q2)に関連する量としては、推定充電量(推定総充電量Q2)を用いて算出できるものであれば、他のものであってもよい。例えば推定充電量(推定総充電量Q2)自体も、推定充電量(推定総充電量Q2)に関連する量の一例である。
【0313】
また、プラグ脱着検出部4は、上記実施形態で示した方法以外の方法で、電力供給線8を介して車両1のコネクタ6と充電器30とが接続しているか否かを検出するようになっていてもよい。例えば、プラグ脱着検出部4と充電器30とが通信し、ケーブル7のプラグがプラグ差し込み口31に差し込まれたか否かの情報が、充電器30からプラグ脱着検出部4に送信されることで、プラグ脱着検出部4が接続の有無を検出できるようになっていてもよい。このとき、プラグ脱着検出部4と充電器30との通信方式は、シリアル通信線を用いた通信であってもよいし、無線LAN等の無線通信であってもよいし、電力供給線8を利用したPLC(電力線搬送通信)であってもよい。
【0314】
また、図6のステップ550では、図7のように文字で予想航続距離Lの数値を用いるようになっておらずともよい。例えば、図11に示すように、予想航続距離Lに比例した長さで横方向に延びる棒グラフ50を用いて、予想航続距離Lを表示部24aに表示させるようになっていてもよい。この予想航続距離Lは、完全に正確なものではないので、数値を用いて細かい値で表すよりも、このような棒グラフ50の形式で大まかに表した方が、よりユーザの直感に訴えることができる場合もある。
【0315】
また上記実施携帯では、ケーブル7は、車両1に搭載され、充電時に充電器30に接続されるようになっている。しかし、かならずしもこのようになっておらずともよく、例えば、ケーブル7は充電器30に備えられ、充電時に車両1のコネクタ6に接続されるようになっていてもよい。
【0316】
また、上記の実施形態において、車載側制御部14、携帯側制御部27がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0317】
1、41、42 車両
2 バッテリ
3 充電制御部
4 プラグ脱着検出部
5 充電モニタ
6 コネクタ
7 ケーブル
8 電力供給線
9 接続検出線
10 車載用ドア制御装置
11 車載側無線部
13 ドア制御部
14 車載側制御部
20 携帯端末
21 携帯側無線部
23 操作部
24 携帯側報知部
26 電源制御部
27 携帯側制御部
30 充電器
31〜33 プラグ差し込み口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、に搭載されるための車載用ドア制御装置と、前記車載用ドア制御装置と通信するための携帯端末と、を備えた車両用ドア制御システムであって、
前記携帯端末または前記車両は、ユーザのドアロック操作を受け付けるドア操作部を備え、
前記携帯端末は、前記車載用ドア制御装置との通信を行いその通信のために信号の増幅および周波数変換を行う携帯側無線部と、ユーザに報知を行うための携帯側報知部と、前記携帯側無線部および前記携帯側報知部を制御するための携帯側制御部と、を備え、
前記車載用ドア制御装置は、前記車両のユーザが携帯する携帯端末と通信するための車載側無線部と、前記車載側無線部を制御する車載側制御部と、を備え、
前記携帯側制御部は、前記携帯側無線部を制御して所定のドアロック信号を前記車載用ドア制御装置へ無線送信させ、
前記車載側制御部は、前記ドア操作部が前記ドアロック操作を受け付け且つ前記ドアロック信号を前記車載側無線部が受信した場合に前記車両のドアを施錠すべきであると判定するドアロック判定手段と、前記ドアロック判定手段が前記ドアを施錠すべきであると判定したドアロックタイミングにおいて、前記ドアを施錠すると共に前記車載側無線部を制御して前記二次電池の前記ドアロックタイミングにおける充電量を示す信号を前記携帯端末へ送信させる送信制御手段と、を有し、
前記携帯側制御部は更に、前記携帯側無線部が前記二次電池の充電量を示す信号を受信した後の所定の表示タイミングにおいて、受信した前記信号が示す充電量に対して前記ドアロックタイミングから前記表示タイミングまでの経過時間に応じた加算量を加算することで前記表示タイミングにおける前記二次電池の推定充電量を算出し、算出した推定充電量に関連する量を前記携帯側報知部に表示させることを特徴とする車両用ドア制御システム。
【請求項2】
前記車載側制御部は、前記ドアロックタイミングにおいて、前記車両が前記車両外の電源に電力供給線を介して接続されていることに基づいて、前記車載側無線部を制御して、前記車両が前記車両外の電源に電力供給線を介して接続されている旨を示すプラグ状態信号を、前記携帯端末へ送信させ、
前記携帯側制御部は、前記携帯側無線部が前記プラグ状態信号を受信したことに基づいて、前記車両が前記車両外の電源に接続されている旨の情報を前記携帯側報知部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア制御システム。
【請求項3】
前記車載側制御部は、前記ドアロックタイミングにおいて、前記二次電池が自車外の電源を用いて充電されていることに基づいて、前記車載側無線部を制御して、前記二次電池が自車外の電源を用いて充電されている旨を示す充電状態信号を、前記携帯端末へ送信させ、
前記携帯側制御部は、前記携帯側無線部が前記充電状態信号を受信したことに基づいて、前記二次電池が自車外の電源を用いて充電されている旨の情報を前記携帯側報知部に表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用ドア制御システム。
【請求項4】
前記携帯側制御部は、前記表示タイミングにおいて算出した前記推定充電量で、自車外の電源から前記二次電池に充電せずに走行可能な距離の予想値を算出し、前記推定充電量に関連する量として、前記走行可能な距離の予想値を前記携帯側報知部に表示させることを特徴とする請求項1ないし3に記載の車両用ドア制御システム。
【請求項5】
前記携帯側制御部は、前記推定充電量を、単位走行距離当たりに前記車両が消費する電力量(以下、電力消費率という)で除算した結果の値を、前記走行可能な距離の予想値とし、前記電力消費率については、過去に前記車両が走行したときの単位走行距離当たりの前記二次電池の充電量の減少量に基づいて決定することを特徴とする請求項4に記載の車両用ドア制御システム。
【請求項6】
前記携帯端末は、ユーザが数値を入力するための数値入力操作部を備え、
前記携帯側制御部は、前記推定充電量を、単位走行距離当たりに前記車両が消費する電力量(以下、電力消費率という)で除算した結果の値を、前記走行可能な距離の予想値とし、前記電力消費率については、前記数値入力操作部を用いてユーザが入力した数値に基づいて決定することを特徴とする請求項4に記載の車両用ドア制御システム。
【請求項7】
前記車載側制御部の前記送信制御手段は、前記ドアロック判定手段が前記ドアロック信号の受信を検出した後、最初に前記車載無線部に送信させる信号として、前記二次電池の充電量を示す信号を直ちに前記携帯端末へ送信させることを特徴とする請求項1ないし6に記載のドア制御システム。
【請求項8】
前記ドア操作部は、前記携帯端末に備えられ、
前記携帯側制御部は、前記ドア操作部に対して前記ドアロック操作が行われたことに起因して、前記携帯側無線部を制御して前記ドアロック信号を前記車載用ドア制御装置に無線送信させ、
前記ドアロック判定手段は、前記ドアロック操作に起因して送信された前記ドアロック信号を前記車載側無線部が受信したことに基づいて、前記車両のドアを施錠すべきであると判定することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用ドア制御システム。
【請求項9】
前記ドア操作部は、前記車両に備えられ、
前記ドアロック判定手段は、前記ドアロック信号を前記車載側無線部が受信したこと、および、前記ドア操作部に対して前記ドアロック操作があったことに基づいて、前記車両のドアを施錠すべきであると判定することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用ドア制御システム。
【請求項10】
二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、に搭載されるための車載用ドア制御装置であって、
前記車両のユーザが携帯する携帯端末と通信するための車載側無線部と、前記車載側無線部を制御する車載側制御部と、を備え、
前記車載側制御部は、
前記携帯端末または前記車両に備えられたドア操作部がユーザのドアロック操作を受け付け且つ前記携帯端末から送信された所定のドアロック信号を前記車載側無線部が受信した場合に、前記車両のドアを施錠すべきであると判定するドアロック判定手段と、
前記ドアロック判定手段が前記ドアを施錠すべきであると判定したドアロックタイミングにおいて、前記ドアを施錠すると共に前記車載側無線部を制御して前記二次電池の前記ドアロックタイミングにおける充電量を示す信号を前記携帯端末へ送信させる送信制御手段と、を有していることを特徴とする車載用ドア制御装置。
【請求項11】
二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、と通信するための携帯端末であって、
前記車両との通信を行いその通信のために信号の増幅および周波数変換を行う携帯側無線部と、ユーザに報知を行うための携帯側報知部と、前記携帯側無線部および前記携帯側報知部を制御するための携帯側制御部と、を備え、
前記携帯側制御部は、ユーザのドアロック操作を受け付けるために当該携帯端末または車両に備えられたドア操作部が前記ドアロック操作を受け付けたことに起因して、前記携帯側無線部への電力供給を開始させ、その後に、前記携帯側無線部を制御して所定のドアロック信号を前記車両へ送信させ、その後に、前記車両が前記所定のドアロック信号を受信したことに起因して前記二次電池の充電量を示す信号を送信し、前記二次電池の充電量を示す信号を前記携帯側無線部が受信するまで、前記携帯側無線部への電力供給を続け、前記充電量を示す信号を受信したことに起因して、前記携帯側無線部への電力供給をオフにし、
前記携帯側制御部は更に、前記携帯側無線部が前記二次電池の充電量を示す信号を受信した後の所定の表示タイミングにおいて、受信した前記信号が示す充電量に対して前記ドアロックタイミングから前記表示タイミングまでの経過時間に応じた加算量を加算することで前記表示タイミングにおける前記二次電池の推定充電量を算出し、算出した推定充電量に関連する量を前記携帯側報知部に表示させることを特徴とする携帯端末。
【請求項12】
二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、に搭載されるための車載用ドア制御装置に用いる車載用ドア制御装置用プログラムであって、
前記車載用ドア制御装置は、前記車両のユーザが携帯する携帯端末と通信するための車載側無線部と、前記車載側無線部を制御する車載側制御部と、を備え、
当該車載用ドア制御装置用プログラムは、前記車載側制御部を、
前記携帯端末または前記車両に備えられたドア操作部がユーザのドアロック操作を受け付け且つ前記携帯端末から送信された所定のドアロック信号を前記車載側無線部が受信した場合に、前記車両のドアを施錠すべきであると判定するドアロック判定手段、および
前記ドアロック判定手段が前記ドアを施錠すべきであると判定したドアロックタイミングにおいて、前記ドアを施錠すると共に前記車載側無線部を制御して前記二次電池の前記ドアロックタイミングにおける充電量を示す信号を前記携帯端末へ送信させる送信制御手段、
として機能させることを特徴とする車載用ドア制御装置用プログラム。
【請求項13】
二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、と通信するための携帯端末に用いる携帯端末用プログラムであって、
前記携帯端末用は、前記車両との通信を行いその通信のために信号の増幅および周波数変換を行う携帯側無線部と、ユーザに報知を行うための携帯側報知部と、前記携帯側無線部および前記携帯側報知部を制御するための携帯側制御部と、を備え、
当該携帯端末用プログラムは、
ユーザのドアロック操作を受け付けるために当該携帯端末または車両に備えられたドア操作部が前記ドアロック操作を受け付けたことに起因して、前記携帯側無線部への電力供給を開始させ、その後に、前記携帯側無線部を制御して所定のドアロック信号を前記車両へ送信させ、その後に、前記車両が前記所定のドアロック信号を受信したことに起因して前記二次電池の充電量を示す信号を送信し、前記二次電池の充電量を示す信号を前記携帯側無線部が受信するまで、前記携帯側無線部への電力供給を続け、前記充電量を示す信号を受信したことに起因して、前記携帯側無線部への電力供給をオフにする機能、および
前記携帯側制御部は更に、前記携帯側無線部が前記二次電池の充電量を示す信号を受信した後の所定の表示タイミングにおいて、受信した前記信号が示す充電量に対して前記ドアロックタイミングから前記表示タイミングまでの経過時間に応じた加算量を加算することで前記表示タイミングにおける前記二次電池の推定充電量を算出し、算出した推定充電量に関連する量を前記携帯側報知部に表示させる機能を、
前記携帯側制御部に実現させることを特徴とする携帯端末用プログラム。
【請求項14】
二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、に搭載されるための車載用ドア制御装置と、前記車載用ドア制御装置と通信するための携帯端末と、を備えた車両用ドア制御システムであって、
前記携帯端末または前記車載用ドア制御装置は、ユーザのドアアンロック操作を受け付
けるドア操作部を備え、
前記携帯端末は、前記車載用ドア制御装置との通信を行いその通信のために信号の増幅および周波数変換を行う携帯側無線部と、ユーザに報知を行うための携帯側報知部と、前記携帯側無線部および前記携帯側報知部を制御するための携帯側制御部と、を備え、
前記車載用ドア制御装置は、前記車両のユーザが携帯する携帯端末と通信するための車載側無線部と、前記車載側無線部を制御する車載側制御部と、を備え、
前記携帯側制御部は、前記携帯側無線部を制御して所定のドアアンロック信号を前記車載用ドア制御装置に無線送信させ、
前記車載側制御部は、前記ドア操作部が前記ドアアンロック操作を受け付け且つ前記ドアアンロック信号を前記車載側無線部が受信した場合に前記車両のドアを解錠すべきであると判定するドアアンロック判定手段と、前記ドアアンロック判定手段が前記ドアを解錠すべきであると判定したドアアンロックタイミングにおいて、前記ドアを解錠する解錠手段と、を備え、
前記解錠手段は、前記ドアアンロックタイミングにおいて、前記ドアを解錠すると共に、前記車両が電力供給線を介して前記車両外の電源に接続されているか否かを検出し、検出結果に基づいて、前記車載側無線部を制御して、前記車両と前記車両外の電源との電力供給線を介した接続の有無の状態を示すプラグ状態信号を、前記携帯端末へ送信させ、
前記携帯側制御部は、前記ドアアンロックタイミングにおいて前記携帯側無線部が前記プラグ状態信号を受信したことに基づいて、前記プラグ状態信号に基づいて、前記車両が前記車両外の電源に接続されているか否かを判定し、接続されていると判定したことに基づいて、前記携帯側報知部を制御して、前記車両が前記車両外の電源に接続されている旨を警告するための報知を行わせることを特徴とする車両用ドア制御システム。
【請求項15】
二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、に搭載されるための車載用ドア制御装置であって、
前記車両のユーザが携帯する携帯端末と通信するための車載側無線部と、前記車載側無線部を制御する車載側制御部と、を備え、
前記車載側制御部は、
前記携帯端末または前記車両に備えられたドア操作部がユーザのドアアンロック操作を受け付け且つ前記携帯端末から送信されたドアアンロック信号を前記車載側無線部が受信した場合に、前記車両のドアを解錠すべきであると判定するドアアンロック判定手段と、
前記ドアアンロック判定手段が前記ドアを解錠すべきであると判定したドアアンロック
タイミングにおいて、前記ドアを解錠する解錠手段と、を備え、
前記解錠手段は、前記ドアアンロックタイミングにおいて、前記ドアを解錠すると共に、前記車両が電力供給線を介して前記車両外の電源に接続されているか否かを検出し、検出結果に基づいて、前記車載側無線部を制御して、前記車両と前記車両外の電源との電力供給線を介した接続の有無の状態を示すプラグ状態信号を、前記携帯端末へ送信させることを特徴とする車載用ドア制御装置。
【請求項16】
二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、と通信するための携帯端末であって、
前記車両との通信を行いその通信のために信号の増幅および周波数変換を行う携帯側無線部と、ユーザのドアアンロック操作を受け付けるドア操作部と、ユーザに報知を行うための携帯側報知部と、前記携帯側無線部および前記携帯側報知部を制御するための携帯側制御部と、を備え、
前記ドア操作部が前記ドアアンロック操作を受け付けたことに基づいて、前記携帯側無線部への電力供給を開始させ、その後に、前記携帯側無線部を制御して所定のドアアンロック信号を前記車両へ送信させ、その後に、電力供給線を介した前記車両と前記車両外の電源との接続の有無の状態を示すプラグ状態信号を前記携帯側無線部が受信するまで、前記携帯側無線部への電力供給を続け、前記プラグ状態信号を受信したことに起因して、前記携帯側無線部への電力供給をオフにすることを特徴とする携帯端末。
【請求項17】
二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、に搭載されるための車載用ドア制御装置に用いる車載用ドア制御装置用プログラムであって、
前記車載用ドア制御装置は、前記車両のユーザが携帯する携帯端末と通信するための車載側無線部と、前記車載側無線部を制御する車載側制御部と、を備え、
前記車載用ドア制御装置用プログラムは、前記車載側制御部を、
前記携帯端末または前記車両に備えられたドア操作部がユーザのドアアンロック操作を受け付け且つ前記携帯端末から送信されたドアアンロック信号を前記車載側無線部が受信した場合に、前記車両のドアを解錠すべきであると判定するドアアンロック判定手段、および
前記ドアアンロック判定手段が前記ドアを解錠すべきであると判定したドアアンロックタイミングにおいて、前記ドアを解錠する解錠手段、として機能させ、
前記解錠手段は、前記ドアアンロックタイミングにおいて、前記ドアを解錠すると共に、前記車両が前記車両外の電源に電力供給線を介して接続されているか否かを検出し、検出結果に基づいて、前記車載側無線部を制御して、前記車両と前記車両外の電源との電力供給線を介した接続の有無の状態を示すプラグ状態信号を、前記携帯端末へ送信させることを特徴とする車載用ドア制御装置用プログラム。
【請求項18】
二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の電源を用いて前記二次電池を充電可能な車両、と通信するための携帯端末に用いる携帯端末用プログラムであって、
前記携帯端末は、前記車両との通信を行いその通信のために信号の増幅および周波数変換を行う携帯側無線部と、ユーザのドアアンロック操作を受け付けるドア操作部と、ユーザに報知を行うための携帯側報知部と、前記携帯側無線部および前記携帯側報知部を制御するための携帯側制御部と、を備え、
前記携帯端末用プログラムは、前記ドア操作部が前記ドアアンロック操作を受け付けたことに基づいて、前記携帯側無線部への電力供給を開始させ、その後に、前記携帯側無線部を制御して所定のドアアンロック信号を前記車両へ送信させ、その後に、前記車両と前記車両外の電源との電力供給線を介した接続の有無の状態を示すプラグ状態信号を前記携帯側無線部が受信するまで、前記携帯側無線部への電力供給を続け、前記プラグ状態信号を受信したことに起因して、前記携帯側無線部への電力供給をオフにするよう、前記携帯側報知部を機能させることを特徴とする携帯端末用プログラム。
【請求項19】
二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の充電器(30)のプラグ差し込み口(31)と接続して電力供給を受けて前記二次電池(2)を充電可能な車両(1)と、前記二次電池(2)の充電状態を検出して送信する充電状態監視装置(14、37)と、前記充電状態監視装置(14、37)が送信した前記充電状態を受信する携帯端末(20)と、を備えた充電状態通知システムであって、
前記携帯端末(20)は、受信した前記充電状態に基づいて前記二次電池(2)の現在の推定充電量を算出し、算出した推定充電量に関連する量を表示し、
前記充電状態監視装置(14、37)は、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があるか否かを判定する判定手段(910)と、前記判定手段(910)が通知を行う必要があると判定した前記携帯端末(20)に、前記充電状態を送信する送信手段(915)と、を備え、
前記判定手段(910)は、前記プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eが変化したことに基づいて、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定し、
前記プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eは、当該プラグ差し込み口(31)に接続されている前記車両(1)の前記二次電池(2)に対して前記充電器(30)の現時点の能力として供給することが可能な最大電力であり、前記二次電池(2)の充電量が変化しても、それを起因として変化することはないことを特徴とする充電状態通知システム。
【請求項20】
前記判定手段(910)は、前記プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eが変化し、かつ、実際に前記プラグ差し込み口(31)から前記二次電池(2)に供給される電力(以下、ライン電力Pという)と前記供給可能電力Eとが等しいことに基づいて、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定することを特徴とする請求項19に記載の充電状態通知システム。
【請求項21】
前記判定手段(910)は、前記プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eが変化し、かつ、前記ライン電力Pと前記供給可能電力Eとが等しく、かつ、前記二次電池(2)の充電完了予想時刻が、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を最後に行ったときの充電完了予想時刻に対して所定時間以上変化したことに基づいて、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定することを特徴とする請求項20に記載の充電状態通知システム。
【請求項22】
前記判定手段は、あらかじめ複数タイミングにおける前記供給可能電力Eの変化の予定を充電計画として取得し、取得した充電計画に基づいて前記充電完了予想時刻を算出することを特徴とする請求項21に記載の充電状態通知システム。
【請求項23】
請求項18ないし22のいずれか1つに記載の充電状態通知システムに用いられる充電状態監視装置であって、
前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があるか否かを判定する判定手段(910)と、
前記判定手段(910)が通知を行う必要があると判定した前記携帯端末(20)に、前記充電状態を送信する送信手段(915)と、を備え、
前記判定手段(910)は、前記プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eが変化したことに基づいて、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定し、前記プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eは、当該プラグ差し込み口(31)に接続されている前記車両(1)の前記二次電池(2)に対して前記充電器(30)の現時点の能力として供給することが可能な最大電力であり、前記二次電池(2)の充電量が変化しても、それを起因として変化することはないことを特徴とする充電状態監視装置。
【請求項24】
請求項18ないし22のいずれか1つに記載の充電状態通知システムに用いられる充電状態監視装置に実行させるプログラムであって、
前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があるか否かを判定する判定手段(910)、および、
前記判定手段(910)が通知を行う必要があると判定した前記携帯端末(20)に、前記充電状態を送信する送信手段(915)として、前記充電状態監視装置を機能させ、
前記判定手段(910)は、前記プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eが変化したことに基づいて、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定し、前記プラグ差し込み口(31)の供給可能電力Eは、当該プラグ差し込み口(31)に接続されている前記車両(1)の前記二次電池(2)に対して前記充電器(30)の現時点の能力として供給することが可能な最大電力であり、前記二次電池(2)の充電量が変化しても、それを起因として変化することはないことを特徴とするプログラム。
【請求項25】
二次電池の蓄える電気エネルギーを動力源として走行すると共に自車外の充電器(30)の複数のプラグ差し込み口(31〜33)のいずれか1つ(31)と接続して電力供給を受けて前記二次電池(2)を充電可能な車両(1)と、前記二次電池(2)の充電状態を検出して送信する充電状態監視装置(14、37)と、前記充電状態監視装置(14、37)が送信した前記充電状態を受信する携帯端末(20)と、を備えた充電状態通知システムであって、
前記携帯端末(20)は、受信した前記充電状態に基づいて前記二次電池(2)の現在の推定充電量を算出し、算出した推定充電量に関連する量を表示し、
前記充電状態監視装置(14、37)は、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があるか否かを判定する判定手段(910)と、前記判定手段(910)が通知を行う必要があると判定した前記携帯端末(20)に、前記充電状態を送信する送信手段(915)と、を備え、
前記判定手段(910)は、前記複数のプラグ差し込み口(31〜33)に接続される車両の数が変化したことに基づいて、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定することを特徴とする充電状態通知システム。
【請求項26】
請求項25に記載の充電状態通知システムに用いられる充電状態監視装置であって、
前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があるか否かを判定する判定手段(910)と、
前記判定手段(910)が通知を行う必要があると判定した前記携帯端末(20)に、前記充電状態を送信する送信手段(915)と、を備え、
前記判定手段(910)は、前記複数のプラグ差し込み口(31〜33)に接続される車両の数が変化したことに基づいて、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定することを特徴とする充電状態監視装置。
【請求項27】
請求項25に記載の充電状態通知システムに用いられる充電状態監視装置に実行させるプログラムであって、
前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があるか否かを判定する判定手段(910)、および、
前記判定手段(910)が通知を行う必要があると判定した前記携帯端末(20)に、前記充電状態を送信する送信手段(915)として、前記充電状態監視装置を機能させ、
前記判定手段(910)は、前記複数のプラグ差し込み口(31〜33)に接続される車両の数が変化したことに基づいて、前記携帯端末(20)に前記充電状態の通知を行う必要があると判定することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−45231(P2011−45231A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2191(P2010−2191)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】