説明

車両用周囲監視装置、車両用周囲監視装置の表示制御方法及び車両用周囲監視装置に実行させる表示制御プログラム

【課題】車両フロント部の撮像カメラによる画像が必要な状況を的確に判断し、自動的に撮像画像を表示可能な車両用周囲監視装置とする。
【解決手段】車両が現在走行する道路の地図情報を有する車両用ナビゲーションシステムと、車両の周囲の画像を表示する表示部とを備える車両用周囲監視装置であって、前記車両用ナビゲーションシステムからの入力情報に基づき、車両が現在走行する道路と、車両が現在走行する道路の前方で交差する道路との優先度を判断する優先度判断部を備え、優先度判断部が、車両が現在走行する道路の優先度は、前方で交差する道路の優先度よりも低いと判断すると、表示部に車両のフロント部に備えられたカメラが撮像した車両の周囲の画像を表示させる表示制御部を備える車両用周囲監視装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用周囲監視装置、車両用周囲監視装置の表示制御方法及びその表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、見通しの悪い交差点などにおいて、交差点に進入するまでは、運転席から死角となるような交差道路の状況を確認できるフロントカメラシステムが知られている。
【0003】
従来のフロントカメラシステムは、車両のフロントバンパー上部などの車両の前方部に、広角カメラや左用・右用計2つのカメラ等を備える。そして、広角カメラ等は、運転者からの指示操作に基づき車両の左右方向を撮像する。広角カメラ等で撮像する画像は、運転席から視認可能なように、液晶ディスプレイ等の表示装置に表示される。
【0004】
車両の運転者は、交差点に進入する際や、見通しの悪い狭い道路から広い道路に進入する際等に、広角カメラ等が搭載される車両のフロント部分のみ、車両の一部分を交差点に進入させる。これにより、運転席部分や車両本体は、まだ交差点に進入していなくても、広角カメラ等が交差点内を撮像可能となる。そして、広角カメラで撮像する画像を通して、交差点内や左右進行方向の安全を確認可能となる。
【0005】
また、従来のナビゲーションシステムを搭載する車両では、交差点に近づくと、運転者の手動操作により、広角カメラ等の電源をオンとする。また、運転者の手動操作により、ナビゲーションシステムの地図を表示する液晶ディスプレイは、地図画像から広角カメラ等の撮像画像へと切り替わる。
【0006】
運転者は、切り替わった撮像画像をディスプレイ上で視認することにより、運転者からは未だ目視できない交差点内の安全を確認可能となる。
【0007】
上述のように、従来の車両用周囲監視装置においては、運転者が、車両フロント部に装着する撮像カメラの画像を確認する必要があるのかないのかを自ら判断する必要があった。また、画像を確認する必要があると判断する場合には、運転者が、撮像カメラの画像を液晶ディスプレイに表示させる為の指示操作を、自ら行う必要があった。
【0008】
しかし、撮像カメラのオンオフ等電源操作や液晶ディスプレイへの表示指示操作を行う操作ボタン等は、車室内のインパネ周辺やステアリング部周辺に設けられる。一方で、交差点に進入する車両の運転者は、車室外へ最も注意を払う必要がある状況に置かれており、車両周囲にも格段の注意を払う必要がある。このため、交差点に近づいて車両を交差点に進入させる運転者は、車室内の指示操作ボタンの操作と、車室外への注意配慮との両方を同時に要することとなる。
【0009】
上述する車両用周囲監視装置の一例として、交差点で撮像カメラ画像を表示させた後に、カメラアングルの自動調整が可能なフロントカメラシステムがある。
【0010】
これは、交差点で撮像カメラ画像を表示させた後に、交差点での道路の交差角に応じて左右二つの撮像カメラの撮像方向を、運転者が操作することなく各々自動的に調整可能なフロントカメラシステムである。このような技術は、例えば下記特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開平5−278522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、従来開示される技術においては、交差点に進入する車両の運転者は、車両周辺に格段の注意を払いながら、撮像カメラによる画像の必要性を判断する必要があった。
【0012】
また、従来開示される技術においては、交差点に進入する車両の運転者は、車両周辺に格段の注意を払いながら、車室内の操作ボタン等を操作して、液晶ディスプレイに撮像画像を表示させる必要があった。すなわち、運転者には高度な注意義務と、迅速な判断操作等との負担がかかっていた。
【0013】
このため、運転者の判断や操作を支援して、運転者の負担を軽減できるような車両用周囲監視装置とすることが望まれるところである。
【0014】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、車両フロント部の撮像カメラによる画像が必要な状況を的確に判断し、自動的に撮像画像を表示可能な車両用周囲監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明にかかる車両用周囲監視装置は、車両が現在走行する道路の地図情報を有する車両用ナビゲーションシステムと、車両用ナビゲーションシステムから供給される地図情報を表示する表示部と、を備える車両用周囲監視装置であって、表示部へ車両のフロント部に備えられるカメラにより撮像された車両の周囲の画像を表示させるか否かを制御する表示制御部を備え、表示制御部は、車両用ナビゲーションシステムからの入力情報に基づき、車両が現在走行する道路と、車両が現在走行する道路の前方で交差する道路との優先度を判断する優先度判断部を備え、優先度判断部が、車両が現在走行する道路の優先度は、前方で交差する道路の優先度よりも低いと判断すると、この判断を表示条件として、表示部に、カメラにより撮像された車両の周囲の画像を表示させる表示制御部であることを特徴とする。
【0016】
本発明にかかる車両用周囲監視装置は、好ましくは車両用ナビゲーションシステムが有する地図情報に含まれる道路に対応して、予め定められた道路の優先度を記憶する記憶部を備え、優先度判断部は、記憶部から読み出した道路の優先度を用いて車両が現在走行する道路と、車両が現在走行する道路の前方で交差する道路との優先度を判断し、優先度判断部が、車両が現在走行する道路の優先度は、前方で交差する道路の優先度よりも低いと判断すると、この判断を表示条件として、表示制御部は、表示部にカメラにより撮像された車両の周囲の画像を表示させることを特徴とする。
【0017】
本発明にかかる車両用周囲監視装置は、さらに好ましくは優先度判断部が、車両が現在走行する道路の優先度が所定の閾値以下であって、車両が現在走行する道路の優先度が、車両が現在走行する道路の前方で交差する道路の優先度よりも低いと判断すると、この判断を表示条件として、表示制御部は、表示部にカメラにより撮像された車両の周囲の画像を表示させることを特徴とする。
【0018】
本発明にかかる車両用周囲監視装置は、さらに好ましくは表示制御部が、車両用ナビゲーションシステムが有する信号機設置情報に基づき、車両が現在走行する道路と前方で交差する道路との交差点に、信号機が設置されているか否かを確認する信号機有無確認部を備え、表示制御部は、表示部にカメラにより撮像された車両の周囲の画像を表示させる表示条件として、さらに信号機有無確認部による交差点に信号機が設置されていないことの確認を表示条件として加えて表示制御を行うことを特徴とする。
【0019】
本発明にかかる車両用周囲監視装置は、さらに好ましくは前方で交差する道路との交差点と現在の車両との距離を算出する距離算出部と、車両の速度を検出する速度検出部とを備え、表示制御部は、表示部にカメラにより撮像された車両の周囲の画像を表示させる表示条件として、さらに距離算出部が算出する距離が所定の距離以下であり、かつ速度検出部が検出する速度が所定の速度以下であることを表示条件として加えて表示制御を行うことを特徴とする。
【0020】
本発明にかかる車両用周囲監視装置の表示制御方法は、車両が現在走行する道路の優先度を含む地図情報を有する車両用ナビゲーションシステムと、車両用ナビゲーションシステムから供給される地図情報を表示する表示部と、を備える車両用周囲監視装置の表示制御方法において、車両が現在走行する道路の優先度と、予め設定する所定の閾値とを比較する閾値比較工程と、閾値比較工程で、車両が現在走行する道路の優先度が、予め設定する所定の閾値より小さい場合に、車両が現在走行する道路の優先度と、車両の前方で交差する道路の優先度とを比較する優先度比較工程と、優先度比較工程で、車両が現在走行する道路の優先度が、車両の前方で交差する道路の優先度よりも低い場合であって、車両が現在走行する道路と車両の前方で交差する道路との交差点と、車両との距離が所定の距離以下であり、かつ車両の速度が所定の速度以下である場合に、表示部に、車両のフロント部に備えられるカメラにより撮像された車両の周囲の画像を表示する表示工程とを有することを特徴とする。
【0021】
本発明にかかる車両用周囲監視装置の表示制御方法は、車両が現在走行する道路の優先度を含む地図情報を有する車両用ナビゲーションシステムと、車両用ナビゲーションシステムから供給される地図情報を表示する表示部と、を備える車両用周囲監視装置の表示制御方法において、車両用ナビゲーションシステムが有する信号機設置情報に基づき、車両が現在走行する道路と車両の前方で交差する道路との交差点に、信号機が設置されているか否かを確認する信号機有無確認工程と、車両が現在走行する道路の優先度と、予め設定する所定の閾値とを比較する閾値比較工程と、閾値比較工程で、車両が現在走行する道路の優先度が、予め設定する所定の閾値より小さい場合に、信号機有無確認工程が、交差点に信号機が設置されていないことを確認すると、車両が現在走行する道路の優先度と、車両の前方で交差する道路の優先度とを比較する優先度比較工程と、優先度比較工程で、車両が現在走行する道路の優先度が、車両の前方で交差する道路の優先度よりも低い場合であって、車両が現在走行する道路と車両の前方で交差する道路との交差点と、車両との距離が所定の距離以下であり、かつ車両の速度が所定の速度以下である場合に、表示部に、車両のフロント部に備えられたカメラが撮像した車両の周囲の画像を表示する表示工程とを有することを特徴とする。
【0022】
本発明にかかる車両用周囲監視装置に実行させる表示制御プログラムは、車両が現在走行する道路の優先度を含む地図情報を有する車両用ナビゲーションシステムと、車両用ナビゲーションシステムから供給される地図情報を表示する表示部と、を備える車両用周囲監視装置に実行させる表示制御プログラムであって、車両が現在走行する道路の優先度と、予め設定する所定の閾値とを比較する閾値比較工程と、閾値比較工程で、車両が現在走行する道路の優先度が、予め設定する所定の閾値より小さい場合に、車両が現在走行する道路の優先度と、車両の前方で交差する道路の優先度とを比較する優先度比較工程と、優先度比較工程で、車両が現在走行する道路の優先度が、車両の前方で交差する道路の優先度よりも低い場合であって、車両が現在走行する道路と車両の前方で交差する道路との交差点と、車両との距離が所定の距離以下であり、かつ車両の速度が所定の速度以下である場合に、表示部に、車両のフロント部に備えられたカメラが撮像した車両の周囲の画像を表示する表示工程とを車両用周囲監視装置に実行させることを特徴とする。
【0023】
本発明にかかる車両用周囲監視装置に実行させる表示制御プログラムは、車両が現在走行する道路の優先度を含む地図情報を有する車両用ナビゲーションシステムと、車両用ナビゲーションシステムから供給される地図情報を表示する表示部と、を備える車両用周囲監視装置に実行させる表示制御プログラムであって、車両用ナビゲーションシステムが有する信号機設置情報に基づき、車両が現在走行する道路と車両の前方で交差する道路との交差点に、信号機が設置されているか否かを確認する信号機有無確認工程と、車両が現在走行する道路の優先度と、予め設定する所定の閾値とを比較する閾値比較工程と、閾値比較工程で、車両が現在走行する道路の優先度が、予め設定する所定の閾値より小さい場合に、信号機有無確認工程が、信号機が設置されていないことを確認すると、車両が現在走行する道路の優先度と、車両の前方で交差する道路の優先度とを比較する優先度比較工程と、優先度比較工程で、車両が現在走行する道路の優先度が、車両の前方で交差する道路の優先度よりも低い場合であって、車両が現在走行する道路と車両の前方で交差する道路との交差点と、車両との距離が所定の距離以下であり、かつ車両の速度が所定の速度以下である場合に、表示部に、車両のフロント部に備えられたカメラが撮像した車両の周囲の画像を表示する表示工程とを車両用周囲監視装置に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
車両のフロント部に搭載した撮像カメラによる画像が必要な状況を適切に判断し、必要であれば自動的に撮像した画像を表示可能な車両用周囲監視装置とできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面に基づいて、本発明の車両用周囲監視装置の実施形態について説明する。
【0026】
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる車両用周囲監視装置100の構成概念図を示すものである。図1において、車両用周囲監視装置100は、フロントグリルなどの車両フロント部に撮像部1を備える。撮像部1は、例えばCCDやCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子を用いて構成する。撮像部1は、単一の広角カメラとして構成してもよいし、左右各方向ごとにカメラを備えて計二個のカメラとして構成してもよい。
【0027】
また、車両用周囲監視装置100は、車両が交差点に進入する時に車両前方や車両進行方向を照射する照明部3を備える。照明部3は、いわゆるヘッドライトや、不図示の方向指示器に連動して点灯するコーナーリングランプ等である。
【0028】
照明部3が車両前方や車両進行方向を照射することにより、運転者は夜間等においても車両前方や車両進行方向の視認が可能となる。また、照明部3が車両前方や車両進行方向を照射することにより、撮像部1は、より鮮明に車両前方や車両進行方向を撮像することが可能となる。
【0029】
車両用周囲監視装置100は、撮像部1で撮像する撮像画像を表示部8に表示する。また、車両用周囲監視装置100は、撮像部1で撮像する画像をA/D変換部2でディジタル信号に変換した後、画像処理部4で所望の画像処理を行う。
【0030】
画像処理部4は、例えばホワイトバランス処理やガンマ補正、階調補正等を行い、撮像画像を連続的にバランス良く正確に視認できるように、種々の画像処理を行う。画像処理部4は、ASIC等により構成することができる。
【0031】
また、車両用周囲監視装置100は、撮像部1で撮像する画像を表示部8にリアルタイム表示することから、画像処理部4での画像処理を迅速に行う必要がある。このため、画像処理部4における画像処理による処理遅延時間は、短い方がより好ましい。従って、画像処理部4でどのような画像処理を行うかについては、ASIC等の処理能力と画像処理の種類や処理所要時間との関係で決めることとできる。
【0032】
また、車両用周囲監視装置100は、フラッシュメモリ6に格納される処理プログラムに基づいて動作するCPU10を備える。CPU10は、車両用周囲監視装置100全体を制御する構成とできる。また、CPU10は、マルチプロセッサシステム等として構成してもよい。
【0033】
また、車両用周囲監視装置100は、必要に応じてフラッシュメモリ6にバージョンアッププログラム等を書き換えることが可能であり、いわゆるファームアップやメンテナンスに対応してプログラムを更新することが可能である。
【0034】
また、車両用周囲監視装置100は、車載用ナビゲーションシステム20を有する。車載用ナビゲーションシステム20は、交差点での信号機有無や道路幅、道路接続状況等を含めた地図情報を有する。
【0035】
なお、車載用ナビゲーションシステム20は、不図示のGPSやジャイロ等の位置情報と地図情報とを整合させて、車両の現在の位置や方位、走行道路を認識する。また、車載用ナビゲーションシステム20は、運転者が目的地を設定することで、目的地までの経路を探索し、目的地までの経路や所要時間等の各種誘導情報を運転者に告知できるものとする。
【0036】
また、車両用周囲監視装置100は、車載用ナビゲーションシステム20が有する地図情報に含まれる道路に対応して、各道路の優先度情報を予め記憶する記憶部5を備える。 記憶部5は、例えば車載用ナビゲーションシステム20が有する道路幅情報に基づいて、各道路幅に対応する道路のランク付けを定義する道路ランクテーブル等を優先度情報として記憶している。また、記憶部5は、不揮発性メモリを用いることとでき、ROM、EEPROM、RAM等で構成してもよい。
【0037】
また、CPU10は、車載用ナビゲーションシステム20が有する信号機情報に基づき、車両進行方向前方の交差点に信号機があるのかないのかを判断する信号機有無確認部11を有する。
【0038】
また、CPU10は、車載用ナビゲーションシステム20が有する道路幅等の道路情報に基づき、車両前方で交差する道路と現在の車両の走行道路との優先度合いを比較判断する優先度判断部12を備える。
【0039】
優先度判断部12は、記憶部5に予め記憶する道路ランクに基づき、車両前方で交差する道路の道路ランクと現在の車両の走行道路の道路ランクとを比較判断してもよい。また、優先度判断部12は、車載用ナビゲーションシステム20が有する種々の道路情報に基づき、車両前方で交差する道路と、現在の車両の走行道路と、の優先度合いを算出して比較判断してもよい。
【0040】
例えば、優先度判断部12は、車両前方で交差する道路の方が優先度が高ければ、撮像部1による画像の表示が必要であると判断する。優先度判断部12が撮像部1による画像が必要であると判断した後、交差点に所定距離まで近づいたかどうか等他の必要条件を具備すると、CPU10は、撮像部1で撮像する画像を表示部8に表示させる。
【0041】
また、音声出力部7は、撮像部1で撮像する車両周囲の画像が、表示部8に表示されていることを運転者に告知する。例えば、音声出力部7は、CPU10の指示により、予め記憶部5に格納される案内音声を出力する。音声出力部7が出力する案内音声は、例えば「フロントカメラ映像の表示を開始します」等とできる。
【0042】
なお、車載用ナビゲーションシステム20は、地図情報として、国道・県道等道路種別や道路の規格、道路の幅・長さ、立体交差等交差の種類、信号機有無等交差点の状況、一方通行や車線数の状況などの各種道路情報を有する。車両用周囲監視装置100は、車載用ナビゲーションシステム20が有する上述の地図情報のいずれかを用いて、撮像部1で撮像する画像を、表示部8に表示するかしないかを決定する。
【0043】
典型的には、車両用周囲監視装置100は、車載用ナビゲーションシステム20から得る現走行道路の道幅と、車両前方で交差する道路の道幅とを比較して、どちらが優先度が高い道路であるのかを決定する。
【0044】
また、車両用周囲監視装置100は、車載用ナビゲーションシステム20から得る現走行道路の道幅と、車両前方で交差する道路の道幅とに基づき、記憶部5に予め格納される道路ランクテーブルから道幅に対応する道路ランクを読み出す。そして、優先度判断部12は、読み出した道路ランクを比較することで、どちらが優先度が高い道路であるかを判断する。
【0045】
上述するように車両用周囲監視装置100は、車両前方にフロントカメラによる画像が必要な交差点があれば、特別な設定をしなくても、自動的にフロントカメラの画像を取得して運転者に提示することができる。
【0046】
次に、車両用周囲監視装置100の動作と処理について図2を用いて説明する。図2は、第一の実施形態に示す車両用周囲監視装置100の動作フローを示す概念図である。
【0047】
(ステップS21)
車両のエンジンが始動されているかどうかを判断する。ここで、車両のエンジンの始動とは、車両を走行させる準備が整っていることを意味する典型例として示すものである。従って、ハイブリッドカーや電気自動車のようにエンジンを始動していなくても走行可能な車両は、走行待機状態であればよい。エンジンが始動されていればステップS22へと進み、エンジンが始動されていなければステップS21で待機する。
【0048】
(ステップS22)
CPU10は、車載用ナビゲーションシステム20から現在の車両位置情報を得る。車載用ナビゲーションシステム20は、GPS等により車両の位置と方位を常に演算して把握している。従って、車両用周囲監視装置100は、車載用ナビゲーションシステム20により現車位置情報を認識できる。
【0049】
(ステップS23)
CPU10は、車載用ナビゲーションシステム20から、ステップS22で得た現在の車両位置情報に対応する地図情報を得る。車載用ナビゲーションシステム20は、GPS等により車両の位置と方位を常に演算し、地図情報と整合している。従って、車両用周囲監視装置100は、車載用ナビゲーションシステム20により現車位置情報に対応する周囲の地図情報を取得できる。
【0050】
(ステップS24)
CPU10は、車両の前方で最初に交差する道路を検出する。車載用ナビゲーションシステム20は、目的地への経路探索等において、前方で交差する道路や交差点の位置等を認識可能である。従って、CPU10は、車載用ナビゲーションシステム20から交差道路に関する地図情報を取得することができる。
【0051】
ここで、CPU10が車載用ナビゲーションシステム20から得る地図情報とは、現車両が走行する道路の種類・規格や道路の幅等である。また、CPU10が車載用ナビゲーションシステム20から得る地図情報とは、前方の交差点で交差する道路の種類・規格や道路の幅、前方交差点での信号機の有無等である。
【0052】
(ステップS25)
優先度判断部12は、車両が現在走行する道路と、前方で交差する道路とを比較し、車両が現在走行する道路のほうが優先度が低いのかどうかを判断する。優先度判断部12は、例えば車載用ナビゲーションシステム20が有する道路幅情報を基に、幅が狭い道路のほうが優先度がより低いと判断してもよい。
【0053】
この場合、優先度判断部12は、車両が現在走行する道路の道幅が、前方で交差する道路の道幅よりも狭ければ、車両が現在走行する道路の優先度は低いと判断する。また、優先度判断部12は、車両が現在走行する道路の道幅が、前方で交差する道路の道幅よりも広ければ、車両が現在走行する道路の優先度は低くないと判断する。
【0054】
また、優先度判断部12は、道幅との関係で予め記憶部5に格納されている道路ランクテーブルを参照してもよい。優先度判断部12は、車両が現在走行する道路の道幅に対応する道路ランクと、前方で交差する道路の道幅に対応する道路ランクとを比較する。優先度判断部12は、車両が現在走行する道路の道路ランクが、前方で交差する道路の道路ランクよりも小さければ、車両が現在走行する道路は優先度が低いと判断する。なお、車両の現在位置が道路ではない場合には、例えば現車両の位置に対応する道路ランクを零とする。
【0055】
例えば、駐車場から道路ランク2の道路に出る場合であれば、道路ランクゼロから道路ランクが2の道路に出ることとなるので、車両が現在走行する道路の優先度は低いと判断できる。なお、記憶部5に記憶する道路ランクは、道路幅以外の種々の道路情報等との関係で対応付けして設定してもよい。
【0056】
車両が現在走行する道路の優先度が低ければステップS26へと進み、車両が現在走行する道路の優先度が低くなければステップS22へと戻る。
【0057】
(ステップS26)
CPU10は、撮像部1の電源をオンにする。また、CPU10は、照明部3の電源を撮像部1と共にオンにしてもよい。撮像部1の電源をオンにするとは、典型的には撮像カメラの電源をオンにすることである。しかし、撮像カメラは常に画像を撮像することとし、撮像部1の電源オンにより、撮像カメラで撮像する画像をリアルタイム出力する構成としてもよい。
【0058】
(ステップS27)
CPU10は、撮像部1で撮像する画像を取り込む。この際、CPU10は、画像処理部4に、輝度補正や色調補正等所望の画像処理を行わせてもよい。
【0059】
(ステップS28)
CPU10は、表示部8に撮像部1から取り込んだ、車両の周囲を撮像した画像を表示させる。CPU10は、表示部8に車載用ナビゲーションシステム20により地図情報等が表示されている場合には、画像を切り替えて表示させる。またCPU10は、地図情報等が表示される表示部8の一部分を用いて、いわゆる子画面等として撮像画像を表示させてもよい。
【0060】
また、CPU10は、表示部8に撮像部1から取り込んだ車両の周囲を撮像する画像を親画面として表示し、地図情報等を子画面等として表示させてもよい。また、CPU10は、表示部8が電源オフ又は何も表示されていない場合には、表示部8の電源をオンにするなどにより、撮像部1の撮像画像を表示部8に表示させることができる。
【0061】
ここで、車両用周囲監視装置100は、典型的には車両が交差点を通過すれば、撮像部1での撮像画像を表示部8へ表示する事を完了する。そして、車両用周囲監視装置100は、表示部8に、例えば車載用ナビゲーションシステム20の地図画面等へと戻して表示させることとできる。また、車両用周囲監視装置100は、例えば撮像部1の撮像画像の表示から交差点を通過するのに十分な一定時間が経過すれば、撮像部1の撮像画像の表示を完了し、表示部8の電源をオフにしてもよい。
【0062】
次に、車両用周囲監視装置100が、第一の実施形態と異なる動作処理を行う例について説明する。
【0063】
(他の動作例1)
図3は、車両用周囲監視装置100が、車載用ナビゲーションシステム20の有する交差点の信号機情報を利用して、フロントカメラ画像の表示可否を判断する動作フローを示すものである。なお、上述するステップと重複する部分については、説明を簡略に行う。
【0064】
(ステップS31)
エンジンが始動しているかどうかを確認する。ハイブリッドカーや電気自動車のようにエンジンを用いなくても走行可能な車両は、走行可能状態となっているかどうかを判断してもよい。エンジンが始動していればステップS32へと進み、エンジンが始動していなければステップS31で待機する。
【0065】
(ステップS32)
車両用周囲監視装置100は、撮像部1の電源をオンにする。様々に変化する車両の走行状況において、フロントカメラ画像が必要となる走行状況は、ある程度限定される。従って、撮像部1の電源は、必要時以外はオフにしておくことが省電力の観点からは好ましいといえる。
【0066】
一方で、撮像部1で撮像する画像を、必要な時に迅速に表示部8に表示して、速やかに安全確認を行う必要もある。この意味では、撮像部1の電源は常にオンにして常時画像を取り込んでおき、突発的な画像表示要求にも対応できるよう撮像部1をスタンバイしておくことが好ましい。この場合には、車両用周囲監視装置100が、必要と判断する場合にのみ、迅速に撮像部1の撮像画像を表示部8に表示させるようにする。
【0067】
(ステップS33)
CPU10は、撮像部1で撮像する車両周囲の画像を取り込むように指示をする。CPU10は、撮像部1へ画像の取り込みをさせると共に、撮像部1が撮像する画像に対して画像処理部4に所望の画像処理をさせる。
【0068】
(ステップS34)
車両用周囲監視装置100は、車載用ナビゲーションシステム20にGPS等の情報を基に、現車両の位置や方位等を把握し、確認させる。
【0069】
(ステップS35)
車両用周囲監視装置100は、ステップS34で確認した現車両の位置に対応する地図情報を参照する。すなわち、現車両の走行道路や走行位置や走行方位等を、地図情報と整合させて認識する。
【0070】
なお、ステップS34とステップS35の各工程は、全て車載用ナビゲーションシステム20に行わせることとしてもよい。そして、CPU10は、車載用ナビゲーションシステム20から、必要に応じて走行道路等の情報を読み込むこととしてもよい。
【0071】
(ステップS36)
CPU10は、ステップS34とステップS35で得る現車両の地図情報等を基に、車両前方の経路上交差点で交差する道路を検出する。車載用ナビゲーションシステム20が、目的地への経路誘導等において車両前方の交差点を把握する場合には、CPU10は、車載用ナビゲーションシステム20から車両前方の交差点の情報を取得してもよい。
【0072】
CPU10が取得する交差点情報は、信号機の有無や、交差する道路の道幅や、道路ランク等優先度判断の基になる情報である。
【0073】
(ステップS37)
信号機有無確認部11は、車載用ナビゲーションシステム20の情報を基に、車両前方の交差点に信号機が設置されているのかされていないのかを判断する。信号機が設置されている交差点においては、フロントカメラ画像による安全確認を行う必要性は低いと考えられる。このため、前方の交差点に信号機が設置されている場合には、撮像部1による撮像画像を表示部8に表示しないこととする。前方の交差点に信号機が無ければステップS38へと進み、前方の交差点に信号機があればステップS34へと戻る。
【0074】
(ステップS38)
優先度判断部12は、車両が現在走行する道路と、前方で交差する道路とを比較し、車両が現在走行する道路の方が優先度が低いかどうかを判断する。車両が現在走行する道路の方が優先度が低ければステップS39へと進み、車両が現在走行する道路の方が優先度が低くなければステップS34へと戻る。優先度判断部12は、車載用ナビゲーションシステム20が有する道路ランクを用いて優先度を比較判断してもよい。
【0075】
なお、ステップS38で優先度判断部12が行う優先度が高いか低いかの判断においては、優先度が同じ場合にでもステップS39へと進むこととしてもよい。また、優先度判断部12は、車両が現在走行する道路の方が優先度が低くない場合に、優先度の差が所定の範囲内程度の差であれば、ステップS39へと進むこととしてもよい。この場合には、撮像部1で撮像する車両の周囲の画像を、表示部8へ表示する頻度が増加することから、車両用周囲監視装置100は、より安全を考慮した表示制御を行うこととなる。
【0076】
(ステップS39)
CPU10は、表示部8に撮像部1で撮像する車両周囲の撮像画像を表示させる。表示部8への表示が完了すれば、表示タイミングの制御部分に関する動作フローを終了する。なお、表示形態等については、ステップ28で既に説明する内容と重複するので、説明を省略する。
【0077】
次に、車両用周囲監視装置100が、他の動作例1と異なる動作処理を行う例について説明する。なお、上述の説明と重複する部分については簡略に説明する。
【0078】
(他の動作例2)
図4は、車両用周囲監視装置100が、予め記憶する優先度をいわゆる足切りの判断要素として用い、フロントカメラ画像の表示可否を判断する動作フローを示すものである。なお、上述する動作フローと重複する部分については、説明を簡略に行う。
【0079】
(ステップS41)
CPU10は、車両のエンジンが始動しているかどうかを判断する。エンジンが始動していればステップS42へと進み、エンジンが始動していなければS41で待機する。
【0080】
(ステップS42)
CPU10は、車載用ナビゲーションシステム20の情報に基づき、現在の車両位置を確認する。
【0081】
(ステップS43)
CPU10は、現在の車両位置に対応する地図情報を参照して、地図上の車両位置や道路等を確認する。
【0082】
(ステップS44)
CPU10は、車両が現在走行する道路に対応する優先度を、記憶部5から読み出す。優先度は、例えば車載用ナビゲーションシステム20が有する道路幅情報に対応して、予め定義付けされて記憶部5に格納される道路ランクテーブルを用いる。図7は、道路ランクテーブルの一例を示すものである。
【0083】
図7に例示するように、道路の道幅に対応して一定の道幅範囲ごとにグループ化し、道路ランクとしての数字を割り当てる。また、道路の幅が大きくなるほど、道路ランクも大きく設定する。また、現在の車両が、道路ではない駐車場や空き地等を走行する場合には、道路ランク零を割り当てる。
【0084】
CPU10は、例えば現在の車両が走行する道路幅が12メートルであれば、記憶部5が記憶する道路ランクテーブルを参照して、道路ランク4を読み出す。また、CPU10は、例えば現在の車両が走行する道路幅が2メートルであれば、記憶部5が記憶する道路ランクテーブルを参照して、道路ランク1を読み出す。なお、記憶部5は、車載用ナビゲーションシステム20が備える構成としてもよい。
【0085】
(ステップS45)
優先度判断部12は、CPU10が記憶部5から読み出した道路ランクを所定の閾値と比較する。優先度判断部12が比較した結果、所定の閾値以下であればステップS46へと進み、所定の閾値以下でなければステップS42へと戻る。
【0086】
所定の閾値は、不図示の操作部等から車両の運転者が、車両用周囲監視装置100に設定できる構成としてもよい。また、所定の閾値は、車両用周囲監視装置100を搭載する車両種類との関係で、安全性を考慮して予め固定値として車両用周囲監視装置100に設定する値であってもよい。
【0087】
例えば、所定の閾値が3であり、現在の車両が走行する道路ランクが4であれば、ステップS42に戻る。また、例えば所定の閾値が3であり、現在の車両が走行する道路ランクが1であれば、ステップS46に進む。
【0088】
すなわちステップS45は、現在の車両が所定の閾値以下ではない道路ランクに対応する道路等を走行する場合には、車両用周囲監視装置100が、撮像部1で撮像する車両周囲の画像を表示部8へ表示する動作処理を行わないものとする判断工程である。
【0089】
ある道路幅以上に対応するような大きな道路ランクを割り当てられる道路は、優先度が相当に高く、他の交差道路に対して優先的に通行可能であるものと推察できる。すなわち優先度が相当に高い道路を走行する場合には、交差道路があっても、自車両が徐行や一旦停止をして左右の安全確認を行う必要がないものと推察できる。従って、このような場合には、フロントカメラ画像を表示させて確認する必要はない。上述するように、優先度が相当に高い道路の典型例は、高速道路である。
【0090】
(ステップS46)
CPU10は、車両前方で最近接する交差道路を検出する。車載用ナビゲーションシステム20は、地図情報に加えて現在位置情報と各道路の交差情報とを有する。従って、CPU10は、車載用ナビゲーションシステム20から交差道路の情報を取得できる。なお、立体交差の交差点では、立体交差道路間での車両通行はできないので、安全確認は必要なく、CPU10は交差道路として検出しない。
【0091】
(ステップS47)
CPU10は、車両前方の最近接する交差点に信号機があるのかないのかを判断する。信号機設置情報は、車載用ナビゲーションシステム20から取得する。信号機がなければステップS48へと進み、信号機があればステップS42へと戻る。なお、車載用ナビゲーションシステム20に信号機情報が記録されていない交差点においては、信号機が無いものと判断して、ステップS48へと進む処理とすることが安全上好ましい。
【0092】
(ステップS48)
CPU10は、交差する道路の優先度を記憶部5から読み出す。記憶部5から読み出す優先度は、典型的には道幅と対応付けて定義付けされた道路ランクである。
【0093】
(ステップS49)
優先度判断部12は、ステップS48で読み出した交差する道路の優先度と、車両が現在走行する道路の優先度とを比較する。優先度判断部12は、典型的にはステップS48で読み出した交差する道路の道路ランクと、車両が現在走行する道路の道路ランクとを比較する。車両が現在走行する道路の優先度が低ければステップS4aへと進む。また、車両が現在走行する道路の優先度が低くなければステップS42へと戻る。
【0094】
また、優先度判断部12が、車載用ナビゲーションシステム20が有する道幅や道路規格等の道路情報に基づき、現在走行する道路と交差する道路との間での優先度を、演算により算出し、比較・判断処理してもよい。
【0095】
(ステップS4a)
CPU10は、撮像部1の電源をオンにして撮像部1に撮像画像を出力させる。撮像部1が出力する画像は、A/D変換部2や画像処理部4による各種処理等を経て、表示に適した画像データとなる。
【0096】
(ステップS4b)
CPU10は、撮像部1で撮像する画像を表示部8に表示させる。運転者は、表示部8の画像により、未だ運転席からは直接視認不可能な交差点内の左右状況等を、液晶ディスプレイ等により確認できる。
【0097】
なお、図4に示す車両用周囲監視装置100の動作フローでは、表示部8に撮像画像を表示して表示制御を終了している。しかし、表示部8に撮像画像を表示させた後、CPU10は、所望のタイミングで表示部8に撮像画像の表示を終了させることができる。例えば、CPU10は、撮像画像の表示から一定期間経過後に、ナビ画面の表示に切り替えたりオーディオ画面に切り替えたり表示部8の電源をオフとしたりしてもよい。
【0098】
次に、車載用ナビゲーションシステム20と、さらに高度に連携して動作処理を行う車両用周囲監視装置200について例示して説明する。
【0099】
(第二の実施形態)
図5は、第二の実施形態にかかる車両用周囲監視装置200の構成について、模式的に示すブロック図である。図5において、第一の実施形態で示す車両用周囲監視装置100と同じ構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0100】
車両用周囲監視装置200においては、車載用ナビゲーションシステム20には、GPS28と操作部29と方位センサ23と操舵角センサ24と車速センサ25とから各々検出信号が入力されるように接続される。
【0101】
車載用ナビゲーションシステム20は、GPS28により車両位置を確認できる。また、車載用ナビゲーションシステム20は、方位センサ23により車両の方位を確認できる。また、車載用ナビゲーションシステム20は、操舵角センサ24によりステアリング切り角を確認できる。また、車載用ナビゲーションシステム20は、操作部29により各種設定操作を行うことが可能である。
【0102】
車載用ナビゲーションシステム20は、地図画像を表示する表示部26を有する。また、車載用ナビゲーションシステム20は、道路ランクを記憶する記憶部2(21)を有する。また、車載用ナビゲーションシステム20は、撮像画像に車両誘導情報を合成する処理を行う画像合成処理部22を有する。また、車載用ナビゲーションシステム20は、車両誘導情報を告知したり、表示部26の表示切り替えを告知する音声出力部27を有する。
【0103】
また、車両用周囲監視装置200のCPU10は、車両前方で交差する道路を検出する交差道路検出部13と、信号機の設置有無を確認する信号機有無確認部11とを有する。また、車両用周囲監視装置200は、交差する道路と車両が現在走行する道路との優先度を比較・判断する優先度判断部12と、前方で交差する交差点の形状を判断する交差形状判断部14とを有する。
【0104】
また、車両用周囲監視装置200のCPU10は、交差点と現車両の位置との距離を算出する距離算出部15を有する。また、CPU10は、車速センサ25の情報に基づき現在の車両走行速度を所定の閾値と比較・判断する速度判断部16を有する。また、CPU10は、操舵角センサ24や方位センサ23等の情報に基づき、現在の車両の方位を判断する方位判断部17を有する。なお、CPU10が有する各機能は、車載用ナビゲーションシステム20に備えることとしてもよい。
【0105】
次に、図6を用いて車両用周囲監視装置200の動作フローについて説明する。図6は、第二の実施形態の動作フローの概要を示す図である。
【0106】
(ステップS61)
車両用周囲監視装置200は、車両のエンジンが始動されているかどうかを確認する。エンジンが始動されていればステップS62へと進み、エンジンが始動されていなければステップS61で待機する。
【0107】
(ステップS62)
CPU10は、現在の車両の位置を確認する。この動作処理は、車載用ナビゲーションシステム20が行ってもよい。
【0108】
(ステップS63)
CPU10は、現在の車両の位置に対応する地図情報を参照する。また、CPU10は車両が現在走行する道路、位置、方位等を、地図情報を参照して地図上で確認して把握する。
【0109】
(ステップS64)
CPU10は、車載用ナビゲーションシステム20が備える記憶部2(21)に格納されている、車両が現在走行する道路に対応する道路ランクを読み出し指示する。道路ランクは、例えば、図7に示す道路ランクテーブルとして記憶部2(21)に予め記憶されている。
【0110】
(ステップS65)
優先度判断部12は、車両が現在走行する道路の道路ランクと、所定の閾値とを比較する。道路ランクが、所定の閾値以下であればステップS66に進み、所定の閾値以下でなければステップS62に戻る。例えば、高速道路等であって交差道路の有無を判断する処理が不要である場合には、その後の処理を行わないこととする。これにより、より効率的な動作処理とできる。
【0111】
(ステップS66)
交差道路検出部13は、車両前方のナビ誘導経路上で交差する道路を検出する。また、交差形状判断部14が、立体交差等であって車両が、直接には進行往来不可能であるような立体交差道路ではないことを確認する。交差道路検出部13は、交差形状判断部14による情報を元に、立体交差を交差道路とは認識しない。なお、CPU10は、このステップS66の処理を、車載用ナビゲーションシステム20に行わせてもよい。
【0112】
また、例えば現在走行する道路の道路ランクが零であって、現在の車両の位置が道路上でない場合(例えば駐車場や空き地等)には、周囲の道路と車両との交錯点が交差点であると判断してもよい。このような状況として、例えば駐車場から道路に出庫する場合等が想定される。
【0113】
(ステップS67)
信号機有無確認部11は、ステップS66で検出する交差点に信号機が設置されているのか設置されていないのかを、車載用ナビゲーションシステム20の情報等を基に確認する。車両前方の交差点に信号機が設置されていなければステップS68へと進む。また、車両前方の交差点に信号機が設置されていればステップS62に戻る。
【0114】
(ステップS68)
CPU10は、前方で交差する道路の道路ランクを、記憶部2(21)から読み出す。
【0115】
(ステップS69)
優先度判断部12は、ステップS68で読み出した交差道路の道路ランクと、ステップS64で読み出した走行道路の道路ランクとを比較する。ステップS64で読み出した走行道路の道路ランクの方が優先度が低ければ、ステップS6aへと進む。また、ステップS64で読み出した走行道路の道路ランクの方が優先度が低くなければ、ステップS62に戻る。
【0116】
(ステップS6a)
交差形状判断部14は、交差する道路について車両が現在走行する道路の分岐であるかどうかを判断する。交差する道路は、車両が現在走行する道路の分岐道路であれば、交差点とはいえ、ほぼ現在走行する道路の延長上であると推定できる。また、交差する道路は、車両が現在走行する道路の分岐道路であれば、走行道路の実質的な直進であると考えられることから、フロントカメラ画像を表示する必要性はかなり低いと判断できる。
【0117】
そこで、交差形状判断部14が、交差する道路が車両が現在走行する道路の分岐でないと判断すれば、ステップS6bへと進む。また、交差形状判断部14が、交差する道路が車両が現在走行する道路の分岐であると判断すれば、ステップS62に戻る。また、交差形状判断部14は、前方の交差点がいわゆるT字交差点やY字交差点であり、実質的に直進可能であるのかどうかを判断する。
【0118】
(ステップS6b)
このステップS6bまで進むと、車両用周囲監視装置200は、既に、前方の交差点でフロントカメラ画像を表示部26に表示する必要があるのか必要ないのかという予備判断を、実質的に完了している。そこで、表示が必要な交差点が車両前方に存在する場合に、表示部26へ表示する最適なタイミングを把握するため、車両用周囲監視装置200は、車両が当該判断の対象となる交差点に近づくタイミングを判断する必要がある。
【0119】
そこで、交差点に近づいたかどうかを判断するため、CPU10の距離算出部15は、車両の現在位置と交差点までの距離を算出する。また、CPU10の速度判断部16は、車両の走行速度を検出する。また、CPU10の方位判断部17は、車両の方位を検出する。
【0120】
(ステップS6c)
速度判断部16は、車両の速度が所定の閾値以下であるかどうかを判断する。所定の閾値は、例えば時速10キロメートルとする。典型的には、速度判断部16が、車両の速度を10キロメートル以下であると判断すると、ステップS6dへと進む。また、速度判断部16が、車両の速度を10キロメートル以下でないと判断すると、ステップS6bへと戻る。
【0121】
フロントカメラ画像を表示部26に表示して安全確認を行う必要がある交差点は、少なくとも徐行する、又は一旦停止する必要があると考えられる。そこで、車両用周囲監視装置200は、車両の速度をモニターすることで、交差点への進入タイミングを判断する一助とする。
【0122】
(ステップS6d)
方位判断部17は、車両の方位が走行道路の地図上の方位に対して、例えばプラスマイナス45度以内であるかどうかを判断する。本来、車両が道路に完全沿って走っていれば、道路の方向とのズレ角は零のはずである。
【0123】
そこで、車両が走行道路方向との間で、例えばプラスマイナス45度以内のズレ角を有しているかどうかで、現在位置や走行道路認識に誤認がないかどうかを確認することができる。
【0124】
方位判断部17が、車両の方位と走行道路方向との差が所定の閾値以内のズレ角範囲であると判断すればステップS6eへと進む。また、方位判断部17が、車両の方位が所定の閾値以内のズレ角範囲でないと判断すればステップS6kへと進む。
【0125】
(ステップS6e)
CPU10は、距離算出部15が算出する交差点までの距離と所定の閾値とを比較し、車両が交差点から所定の閾値以下の距離まで近づいたかどうかを判断する。CPU10が、例えば車両と交差点との距離が10メートル以下となったと判断すれば、ステップS6fへと進む。また、CPU10が、例えば車両と交差点との距離が10メートル以下となっていないと判断すれば、ステップS6bへと戻る。なお、ステップ6c乃至ステップ6eは、相互に順不同とできる。
【0126】
(ステップS6f)
このステップS6fまで進むと、車両用周囲監視装置200が、フロントカメラ画像の表示が必要な交差点に車両は十分に近づいている、と判断していることに対応する。そこで、CPU10は、撮像部1の電源をオンにして、撮像部1に車両フロント部周囲の画像を撮像させる。また、CPU10は、A/D変換部2に画像データをディジタル変換させた後、画像処理部4で所望の画像処理を行わせて表示に適した画像データとして処理する。
【0127】
(ステップS6g)
CPU10は、表示部26に撮像部1から取り込んだ車両周囲の画像を表示させる。CPU10は、車載用ナビゲーションシステム20の画像合成処理部22に指示して、撮像部1が撮像する車両周囲の撮像画像とともに、車両の経路誘導情報を合成して表示させてもよい。
【0128】
図8に示すのは、画像合成処理部22が、車両周囲の撮像画像とナビ誘導情報とを合成して表示部26に表示する一例である。図8に示すように、画像合成処理部22は、現実の車両周囲の画像と誘導情報とを重畳して表示部26に表示する。従って、運転者は撮像画像による車両周囲の安全確認を行いながら、撮像画像上でナビ誘導も受けることが可能となり好ましい。また、ナビ誘導経路上で、短い区間に連続して右左折する交差点が存在するような場合においては、特に有効である。
【0129】
例えば、一つ目の交差点でのフロントカメラ画像の表示が完了すると同時に、引き続いて二つ目の交差点でのフロントカメラ画像の表示が始まる場合など、その間に複数回の右左折等が必要となる。このため、フロントカメラ画像の表示をする間でも、同時にナビ誘導表示を重畳して行える車両用周囲監視装置200とすることが好ましい。なお、音声出力部27からの音声誘導を、表示部26への誘導表示と共に行ってもよい。
【0130】
表示部26は、図8に示す次の交差点までの距離を併せて表示する。また、表示部26は、現在表示している撮像カメラの向き例えば、右カメラか左カメラかを表示する。
【0131】
(ステップS6h)
CPU10は、車両と交差点との距離が、所定の閾値以上となったかどうかを判断する。車両が交差点から離れると、車両周囲の画像を撮像する必要はない。このため,CPU10が、車両と交差点との距離が例えば10メートル以上であると判断すれば、ステップS6iへと進む。また、CPU10が、車両と交差点との距離が例えば10メートル以上ではないと判断すれば、ステップ6gへと戻る。このため、距離算出部15は、ナビ情報等を基に、交差点通過後も交差点と車両との距離を継続して算出する。
【0132】
(ステップS6i)
CPU10は、撮像部1の電源をオフにする。画像が必要な時にのみ撮像部1の電源をオンとして、必要でない時に撮像部1の電源をオフとすることで、省電力な車両用周囲監視装置200とできる。
【0133】
(ステップS6j)
CPU10は、車両のエンジンが停止しているかどうかを判断する。エンジンが停止していれば動作フローを終了し、エンジンが停止していなければステップS62へ戻る。
【0134】
(ステップS6k)
CPU10は、車載用ナビゲーションシステム20の誘導経路情報に基づき、誘導経路に変更がないと判断すれば、ステップS6bへと戻る。また、誘導経路に変更があると判断すれば、ステップS62へと戻る。車両の方位が走行道路方向と大きく異なる場合には、進路や目的地、経路等を変更することも考えられるので、このステップS6kにて進路等の変更有無を確認する。
【0135】
上述する車両用周囲監視装置100と車両用周囲監視装置200とにおいては、車両の運転者が交差点ごとに個別具体的に、フロントカメラ画像の表示可否判断をする必要がない。また、フロントカメラ画像に表示をさせる場合に、運転者が表示操作をする必要がない。また、フロントカメラ画像の表示と例えばナビゲーション画面の表示とを、適切に自動的に切り替え可能な車両用周囲監視装置とできる。
【0136】
従って、車両用周囲監視装置100と車両用周囲監視装置200とは、運転者を煩わせることなく、フロントカメラ画像の表示制御が行えるので好ましい。また、運転者の運転を支援して、安全運転に貢献する車両用周囲監視装置とできる。
【0137】
また、車両用周囲監視装置200は、操作部29からの入力操作や不図示の外部インターフェースを介して、記憶部1(51)やフラッシュメモリ6にカスタマイズされた所望の設定値や閾値や動作プログラムをインストール可能としてもよい。例えば、記憶部2(21)が記憶する道路ランクに対して、CPU10が、所望の重み付けを行ったり、運転者特性や車両特性に応じてカスタマイズ演算処理をしてナビの道路ランクを補正し、優先度比較用の新たな道路ランクを算出してもよい。
【0138】
これにより、ナビゲーションの特性に依存せず、カスタマイズ可能な車両用周囲監視装置200とできる。また、車両用周囲監視装置200のユーザがフロントカメラの表示を希望する地図上の座標や車両の方位を設定登録できる構成とする。車両用周囲監視装置200は、自車位置と設定登録された地点との距離が所定範囲内となり、かつ自車の方位が設定登録された方位のプラスマイナス45度以内であり、かつ走行速度が所定の閾値以下である場合に、フロントカメラの画像を表示させることとできる。
【0139】
例えば、通勤経路や自宅周辺道路の十字路など、日常頻繁に用いる所定の道路や所定の交差点等を設定登録することもできる。この場合には、上述する車両用周囲監視装置200の各種判断に拘わらず優先的に、設定登録地点においてフロントカメラ画像を表示させることができるので、さらに好ましい。
【0140】
なお、車両用周囲監視装置100と車両用周囲監視装置200とは、その構成と動作・処理を適宜、自明な範囲で変更して用いることとできる。例えば、CPU10や画像処理部4の機能を、全て車載用ナビゲーションシステム20の演算処理装置に行わせてもよい。この場合には、フロントカメラ付き車載用ナビゲーションシステムとしてシステム構成してもよい。
【0141】
また、車両用周囲監視装置100と車両用周囲監視装置200とは、オプション付き高機能ナビゲーションシステムとしてシステム構成してもよい。この場合には、例えば図1に示す撮像部1等については、そのデバイスや機能の一部又は全部を、高機能ナビゲーションシステムのオプションとして追加可能に構成できる。
【0142】
また、図1に示す信号機有無確認部11と優先度判断部12等については、その機能の一部又は全部を、高機能ナビゲーションシステムのオプションとして追加可能に構成してもよい。例えば、高機能ナビゲーションシステムのCPU等に、信号機有無確認部11と優先度判断部12等の判断機能等を行わせる処理プログラムを、オプションでインストール可能としてもよい。
【0143】
また、撮像部1を無線カメラとしてオプション追加可能とし、無線カメラと通信する無線インターフェース等は、高機能ナビゲーションシステムの拡張スロットに挿入できる拡張カードとして構成してもよい。高機能ナビゲーションシステムが標準として備える機能との関係で、車両用周囲監視装置100と車両用周囲監視装置200とに必要な機能又は処理プログラムを、追加拡張ボードとしてカードに搭載できる。高機能ナビゲーションシステムの拡張スロット等にカードを挿入して、その他の必要な処理や動作を実行可能として構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】第一の実施形態にかかる車両用周囲監視装置の構成概念図である。
【図2】第一の実施形態の動作フロー概要を示す図である。
【図3】信号機情報を利用して表示可否を判断する動作フローを示す図である。
【図4】本発明の動作フローの他の動作例2を説明する図である。
【図5】第二の実施形態にかかる車両用周囲監視装置の構成概念図である。
【図6】第二の実施形態の動作フロー概要を示す図である。
【図7】第一の実施形態にかかる道路ランクテーブルを例示する図である。
【図8】車両周囲の撮像画像とナビ誘導情報とを合成した表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0145】
1・・撮像部、2・・A/D変換部、3・・照明部、4・・画像処理部、5・・記憶部、6・・フラッシュメモリ、7・・音声出力部、8・・表示部、10・・CPU、11・・信号機有無確認部、12・・優先度判断部、13・・交差道路検出部、14・・交差形状判断部、15・・距離算出部、16・・速度判断部、17・・方位判断部、20・・車載用ナビゲーションシステム、22・・画像合成処理部、23・・方位センサ、24・・操舵角センサ、25・・車速センサ、27・・音声出力部、28・・GPS、29・・操作部、100・・車両用周囲監視装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が現在走行する道路の地図情報を有する車両用ナビゲーションシステムと、
前記車両用ナビゲーションシステムから供給される地図情報を表示する表示部と、
を備える車両用周囲監視装置であって、
前記表示部へ前記車両のフロント部に備えられるカメラにより撮像された前記車両の周囲の画像を表示させるか否かを制御する表示制御部を備え、
前記表示制御部は、
前記車両用ナビゲーションシステムからの入力情報に基づき、前記車両が現在走行する道路と、前記車両が現在走行する道路の前方で交差する道路との優先度を判断する優先度判断部を備え、
前記優先度判断部が、前記車両が現在走行する道路の優先度は、前記前方で交差する道路の優先度よりも低いと判断すると、この判断を表示条件として、
前記表示部に、前記カメラにより撮像された前記車両の周囲の画像を表示させる表示制御部である
ことを特徴とする車両用周囲監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用周囲監視装置おいて、
前記車両用ナビゲーションシステムが有する前記地図情報に含まれる道路に対応して、予め定められた前記道路の優先度を記憶する記憶部を備え、
前記優先度判断部は、前記記憶部から読み出した前記道路の優先度を用いて前記車両が現在走行する道路と、前記車両が現在走行する道路の前方で交差する道路との優先度を判断し、
前記優先度判断部が、前記車両が現在走行する道路の優先度は、前記前方で交差する道路の優先度よりも低いと判断すると、この判断を表示条件として、
前記表示制御部は、前記表示部に前記カメラにより撮像された前記車両の周囲の画像を表示させる
ことを特徴とする車両用周囲監視装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の車両用周囲監視装置において、
前記優先度判断部が、前記車両が現在走行する道路の優先度が所定の閾値以下であって、前記車両が現在走行する道路の優先度が、前記車両が現在走行する道路の前方で交差する道路の優先度よりも低いと判断すると、この判断を表示条件として、
前記表示制御部は、前記表示部に前記カメラにより撮像された前記車両の周囲の画像を表示させる
ことを特徴とする車両用周囲監視装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両用周囲監視装置において、
前記表示制御部は、
前記車両用ナビゲーションシステムが有する信号機設置情報に基づき、前記車両が現在走行する道路と前記前方で交差する道路との交差点に、信号機が設置されているか否かを確認する信号機有無確認部を備え、
前記表示制御部は、前記表示部に前記カメラにより撮像された前記車両の周囲の画像を表示させる表示条件として、さらに
前記信号機有無確認部による前記交差点に信号機が設置されていないことの確認を表示条件として加えて表示制御を行う、
ことを特徴とする車両用周囲監視装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の車両用周囲監視装置において、
前記前方で交差する道路との交差点と現在の車両との距離を算出する距離算出部と、
前記車両の速度を検出する速度検出部とを備え、
前記表示制御部は、前記表示部に前記カメラにより撮像された前記車両の周囲の画像を表示させる表示条件として、さらに
前記距離算出部が算出する距離が所定の距離以下であり、かつ前記速度検出部が検出する速度が所定の速度以下であることを表示条件として加えて表示制御を行う、
ことを特徴とする車両用周囲監視装置。
【請求項6】
車両が現在走行する道路の優先度を含む地図情報を有する車両用ナビゲーションシステムと、前記車両用ナビゲーションシステムから供給される地図情報を表示する表示部と、を備える車両用周囲監視装置の表示制御方法において、
前記車両が現在走行する道路の優先度と、予め設定する所定の閾値とを比較する閾値比較工程と、
前記閾値比較工程で、前記車両が現在走行する道路の優先度が、前記予め設定する所定の閾値より小さい場合に、前記車両が現在走行する道路の優先度と、前記車両の前方で交差する道路の優先度とを比較する優先度比較工程と、
前記優先度比較工程で、前記車両が現在走行する道路の優先度が、前記車両の前方で交差する道路の優先度よりも低い場合であって、前記車両が現在走行する道路と前記車両の前方で交差する道路との交差点と、前記車両との距離が所定の距離以下であり、かつ前記車両の速度が所定の速度以下である場合に、前記表示部に、車両のフロント部に備えられるカメラにより撮像された前記車両の周囲の画像を表示する表示工程と、
を有することを特徴とする車両用周囲監視装置の表示制御方法。
【請求項7】
車両が現在走行する道路の優先度を含む地図情報を有する車両用ナビゲーションシステムと、前記車両用ナビゲーションシステムから供給される地図情報を表示する表示部と、を備える車両用周囲監視装置の表示制御方法において、
前記車両用ナビゲーションシステムが有する信号機設置情報に基づき、前記車両が現在走行する道路と前記車両の前方で交差する道路との交差点に、信号機が設置されているか否かを確認する信号機有無確認工程と、
前記車両が現在走行する道路の優先度と、予め設定する所定の閾値とを比較する閾値比較工程と、
前記閾値比較工程で、前記車両が現在走行する道路の優先度が、前記予め設定する所定の閾値より小さい場合に、前記信号機有無確認工程が、前記交差点に信号機が設置されていないことを確認すると、前記車両が現在走行する道路の優先度と、前記車両の前方で交差する道路の優先度とを比較する優先度比較工程と、
前記優先度比較工程で、前記車両が現在走行する道路の優先度が、前記車両の前方で交差する道路の優先度よりも低い場合であって、前記車両が現在走行する道路と前記車両の前方で交差する道路との交差点と、前記車両との距離が所定の距離以下であり、かつ前記車両の速度が所定の速度以下である場合に、前記表示部に、前記車両のフロント部に備えられたカメラが撮像した前記車両の周囲の画像を表示する表示工程と、
を有することを特徴とする車両用周囲監視装置の表示制御方法。
【請求項8】
車両が現在走行する道路の優先度を含む地図情報を有する車両用ナビゲーションシステムと、前記車両用ナビゲーションシステムから供給される地図情報を表示する表示部と、を備える車両用周囲監視装置に実行させる表示制御プログラムであって、
前記車両が現在走行する道路の優先度と、予め設定する所定の閾値とを比較する閾値比較工程と、
前記閾値比較工程で、前記車両が現在走行する道路の優先度が、前記予め設定する所定の閾値より小さい場合に、前記車両が現在走行する道路の優先度と、前記車両の前方で交差する道路の優先度とを比較する優先度比較工程と、
前記優先度比較工程で、前記車両が現在走行する道路の優先度が、前記車両の前方で交差する道路の優先度よりも低い場合であって、前記車両が現在走行する道路と前記車両の前方で交差する道路との交差点と、前記車両との距離が所定の距離以下であり、かつ前記車両の速度が所定の速度以下である場合に、前記表示部に、前記車両のフロント部に備えられたカメラが撮像した前記車両の周囲の画像を表示する表示工程と、
を車両用周囲監視装置に実行させる表示制御プログラム。
【請求項9】
車両が現在走行する道路の優先度を含む地図情報を有する車両用ナビゲーションシステムと、前記車両用ナビゲーションシステムから供給される地図情報を表示する表示部と、を備える車両用周囲監視装置に実行させる表示制御プログラムであって、
前記車両用ナビゲーションシステムが有する信号機設置情報に基づき、前記車両が現在走行する道路と前記車両の前方で交差する道路との交差点に、信号機が設置されているか否かを確認する信号機有無確認工程と、
前記車両が現在走行する道路の優先度と、予め設定する所定の閾値とを比較する閾値比較工程と、
前記閾値比較工程で、前記車両が現在走行する道路の優先度が、前記予め設定する所定の閾値より小さい場合に、前記信号機有無確認工程が、信号機が設置されていないことを確認すると、前記車両が現在走行する道路の優先度と、前記車両の前方で交差する道路の優先度とを比較する優先度比較工程と、
前記優先度比較工程で、前記車両が現在走行する道路の優先度が、前記車両の前方で交差する道路の優先度よりも低い場合であって、前記車両が現在走行する道路と前記車両の前方で交差する道路との交差点と、前記車両との距離が所定の距離以下であり、かつ前記車両の速度が所定の速度以下である場合に、前記表示部に、前記車両のフロント部に備えられたカメラが撮像した前記車両の周囲の画像を表示する表示工程と、
を車両用周囲監視装置に実行させる表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−139240(P2009−139240A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−316433(P2007−316433)
【出願日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】