説明

車両走行制御装置

【課題】先行車両を検出しなくなった場合の自車両の走行速度が低速域であっても、運転者に違和感を与えずに自動遷移制御を行う車速制御装置を提供すること。
【解決手段】先行車両が存在する場合に追従走行し、先行車両が存在しない場合に設定車速で定速走行する車両走行制御装置1であって、先行車両を喪失した自車両の走行速度と前記設定車速との偏差が所定より大きい場合、設定車速に遷移する加速度を、偏差が所定以上の場合より小さく制御する制御手段を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先行車両に対し車間距離を維持し、先行車両を喪失した場合に定速走行に移行する車両走行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ミリ波レーダやレーザレーダを用いて自車両と先行車両との車間距離や相対速度等を測定し、それらの測定値に基づき自車と先行車との設定された車間距離を保持するよう駆動力制御する車間距離制御が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このような車間距離制御は、設定車速を維持して走行する定速走行制御の中で行われるのが一般的である。
【0003】
従って、例えば先行車両又は自車両の車線変更によって自車両と同一の車線上に先行車を検出しなくなった場合(喪失した場合)、設定車速に到達するため加速するように制御される(以下、このような制御を自動遷移又は自動遷移制御という)。
【特許文献1】特開平11−39600号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来、このような車間距離制御では、先行車両を喪失した自車両の車速が低速域である場合、予め設定してある設定車速に移行する制御が行われないか、又は、先行車両を検出しなくなった自車両の車速が中高速域である場合と同様の制御が行われていた。
【0005】
低速域からの自動遷移制御が行われない場合、中高速域から設定車速への自動遷移制御は行われるので、運転者にとっては自動遷移が行われるか否かを予測しずらく、どのような制御が行われているのか分かりにくい。
【0006】
また、一方で、自車両が低速で走行している場合、中高速域の場合と同様の自動遷移制御が行われると、設定車速に到達するまでに加速状態が長く続くので、運転者が違和感を感じたり速度が大きくなって対応しにくくなるという可能性があった。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑み、先行車両を検出しなくなった場合の自車両の走行速度が低速域であっても、運転者に違和感を与えずに自動遷移制御を行う車速制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、先行車両が存在する場合に追従走行し、先行車両が存在しない場合に設定車速で定速走行する車両走行制御装置であって、先行車両を喪失した自車両の走行速度と設定車速との偏差が所定より大きい場合、設定車速に遷移する加速度を偏差が所定以上の場合より小さく制御する制御手段を有する、ことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、先行車両を検出しなくなった場合の自車両の走行速度が低速域であっても、運転者に違和感を与えずに自動遷移制御を行う車速制御装置を提供することができる。
【0010】
また、本発明は、先行車両が存在する場合に追従走行し、先行車両が存在しない場合に設定車速で定速走行する車両走行制御装置であって、先行車両を喪失した自車両の走行速度が所定より小さい場合、設定車速に遷移する加速度を、自車両の走行速度が所定以上の場合より小さく制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、先行車両を喪失した場合に、設定速度Vに至る加速度を小さくできる。したがって、長い時間に渡り大きな加速度で走行することがなくなり運転者の違和感を解消できる。また、自車両が低速で走行していても、先行車両を喪失した場合には自動遷移制御が行われるので、低速から高速まで一貫した制御となり、運転者にわかりやすいクルーズコントロールを提供できる。
【0012】
また、本発明は、先行車両が存在する場合に追従走行し、先行車両が存在しない場合に設定車速で定速走行する車両走行制御装置であって、走行している道路の道路区分を取得する道路区分取得手段と、道路区分取得手段が取得した道路区分が一般道であった場合、設定車速を高速道路を走行する場合よりも小さく制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、一般道を走行している場合に自動遷移制御が行われても、設定速度を小さく制御するので、一般道の複雑な交通状況に運転者が対応しやすくなる。
【0014】
また、本発明は、先行車両が存在する場合に追従走行し、先行車両が存在しない場合に設定車速で定速走行する車両走行制御装置であって、走行している道路の道路区分を取得する道路区分取得手段と、道路区分取得手段が取得した道路区分が一般道であった場合、設定車速による定速走行を禁止する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、一般道を走行している場合に自動遷移制御を禁止することができるので、速度が自動的に上がることがなく一般道の複雑な交通状況に運転者が対応しやすくなる。
【0016】
また、本発明は、先行車両が存在する場合に追従走行し、先行車両が存在しない場合に設定車速で定速走行する車両走行制御装置であって、走行している道路の道路区分を取得する道路区分取得手段と、走行している道路の制限速度を取得する制限速度取得手段と、道路区分取得手段が取得した道路区分が一般道であり、制限速度取得手段が取得した制限速度が所定以下である場合、設定車速による定速走行を禁止する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、一般道を走行している場合に制限速度に応じて自動遷移制御を禁止することができるので、速度が自動的に上がることがなく一般道の複雑な交通状況に運転者が対応しやすくなる。
【0018】
また、本発明は、先行車両が存在する場合に追従走行し、先行車両が存在しない場合に設定車速で定速走行する車両走行制御装置であって、走行している道路の道路区分を取得する道路区分取得手段と、道路区分取得手段が取得した道路区分が一般道である場合、設定車速に遷移する加速度を、高速道路を走行する場合よりも小さく制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、一般道を走行している場合に設定速度に遷移する加速度を小さく制御するので、一般道の複雑な交通状況に運転者が対応しやすくなる。
【発明の効果】
【0020】
先行車両を検出しなくなった場合の自車両の走行速度が低速域であっても、運転者に違和感を与えずに自動遷移制御を行う車速制御装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら実施例を上げて説明する。
【0022】
図1は本実施の形態の車両走行制御装置1の機能ブロック図の一例を示す。車両走行制御装置1は、ガソリン式やハイブリッド型の内燃機関により駆動される自動車に搭載され、先行車を捉えると適当な車間距離を保ち、先行車両を喪失した場合には設定された設定車速で定速走行を行う(自動遷移制御)ように制御する装置である。
【0023】
車両走行制御装置1は、車間制御ECU(Electronic Control Unit)4により制御される。車間制御ECU4には、レーダセンサ2、車速センサ3、エンジンECU5、変速機制御機6、クルーズコントロールスイッチ14、ブレーキECU15及びカーナビECU7が接続されている。また、カーナビゲーションシステムを制御するカーナビECU7には、車速センサ3、ジャイロセンサ8、GPS受信機9、地図データ10、スピーカ11、表示装置12及び入力装置13が接続されている。
【0024】
車間制御ECU4は、CPU、ROM、RAM及び入出力ポートをバスで結んだマイクロコンピュータであり、CPUがROMに格納されたプログラムを実行し、エンジンECU5やカーナビECU7等と連携することで実施例にて説明する車両の走行制御を実現する。
【0025】
CPUがプログラムを実行することで、自動遷移制御における加速度や設定速度を制御しまた自動遷移制御を禁止する制御手段、カーナビECU7や路車間通信等により走行している道路の道路区分を取得する道路区分取得手段、カーナビECU7や路車間通信等により走行している道路の制限速度を取得する制限速度取得手段、を実現する。
【0026】
クルーズコントロールスイッチ14は、クルーズコントロールを開始したり、先行車両との車間距離及び定速走行時の設定速度の設定をするためのスイッチである。クルーズコントロールスイッチ14は、ステアリングホイールのコラムから延設され、上下方向に操作可能なレバー状の形状を有する。端部の側面にはメインスイッチが設けられており、このメインスイッチを押し込むことにより、クルーズコントロールが実行可能(Stanby状態)となる。この状態から、レバーを押し下げればその時の走行車速が設定車速Vとしてセットされる(Active状態)。一旦設定した車速を増大させたい場合には、レバーを上げ続け、設定車速を減少させたい場合にはレバーを下げ続けることにより、車間制御ECU4にこれらの信号が供給される。クルーズコントロール中に、運転者がブレーキペダル操作を行うとクルーズコントロールはキャンセルされるが、この状態でレバーを上げるとレジューム機能が働きもとの制御状態(定速走行による走行制御)に復帰する。
【0027】
レーダセンサ2は、車両前方へレーザ光を所定角度の範囲でスキャンしながら出力し、かつ、その反射光を検出する。そしてレーザ光を出力してから反射光を捉えるまでの時間に基づき、先行車両や前方の障害物との相対距離を検出し、反射光の角度から先行車両や障害物の方向を検出する。なお、レーザ光を用いるものの他に、マイクロ波やミリ波等の電波や超音波等を用いるものであってもよく、また、カメラにより撮影した車両前方の画像データを解析して先行車両等を検出してもよい。
【0028】
車速センサ3は車輪の回転速度に応じた信号を検出するセンサであり、車間制御ECU4及びカーナビECU7は自車両の走行速度を検出できる。エンジンECU5は、自車両のエンジン出力を制御する。エンジンECU5は、先行車両が検出されている場合は先行車両との車間距離を保つように車間ECU4から供給された加速度に基づき、先行車両を喪失した場合は設定速度Vにて走行するように車間ECU4から供給された加速度に基づき、エンジンへの吸気通路の途中に配設されるスロットル弁の開度を制御する。スロットル弁は、近傍に設けられたステップモータ等に連結されており、アクチュエータの作動によって開閉されるようになっている。エンジンECU5がスロットル弁を開閉することにより、吸気通路を通じてエンジンの燃焼室へ供給される空気量が調節され、それによってエンジンの出力が制御される。
【0029】
また、周知の構成として、アクセルペダルのその踏み込み量がスロットル開度に連動するように、アクセルペダルとスロットル弁とが連結されている。アクセルペダルの踏み込みに応じたスロットル弁の開度と、エンジンECU5による制御とは、それぞれ独立して動作可能であるが、両者の動作の内、スロットル開度の大きい方がスロットル弁の制御に反映する。
【0030】
したがって、アクセルペダルを踏み込んでいなくても、エンジンECU5がスロットル弁を開ける方向に制御すれば、制御されたスロットル開度となる。逆に、アクセルペダルが強く踏み込まれていれば、エンジンECU5の制御によるスロットル開度を超えて、アクセルペダルの踏み込み量に対応したスロットル開度となる。
【0031】
変速機制御器6は、エンジンECU5からの指示により、自車両の速度を制御する上で必要な自動変速機のギヤ位置を選択するものである。
【0032】
カーナビECU7は、自車両の位置を検出し、周辺の道路地図を表示装置12に表示したり、目的地までの走行経路を案内するものである。ジャイロセンサ8は自車両に働く横Gやその変化速度に基づき車両の進行方向を検出するものである。
【0033】
GPS受信機9は、GPS衛星から送信された航法データを受信して自車両の位置を検出する。GPS衛星から送信される航法データには、各GPS衛星の位置情報と航法データを発信した発信時刻情報が含まれている。GPS受信機9は、3つ以上のGPS衛星から航法データを受信した時刻と発信時刻との差にそれぞれ光速を乗じることで各GPS衛星との距離を算出し、ついで、3つのGPS衛星との距離を半径とする球体の交点を車両2の位置座標として演算する。
【0034】
カーナビECU7は、GPS受信機9の検出した位置情報を自車両の位置として推定する。また、カーナビECU7は、車速センサ3により測定された車速及びジャイロセンサ8により測定された自車両の走行方向に基づいて、走行距離と走行方向による走行経路を累積しながら自律航法により車両の現在位置を推定する。また、カーナビECU7は、航法データによる位置の演算と自律航法による位置推定に対して、さらに地図データ10から抽出した道路地図の道路と車両の位置とを対応づけるマップマッチング法により最終的に現在位置を精度よく推定する。
【0035】
地図データ10には経度・緯度などの位置情報に対応づけて道路地図が格納されており、また、一般道、高速道路、自動車専用道路などの各道路の道路区分や制限速度等の情報が格納されている。
【0036】
表示装置12は、車間制御ECU4と接続されており、車間制御ECU4が算出した先行車両との車間距離、相対車速及び各種センサの異常を表示する。また、表示装置12はカーナビECUと接続されており、カーナビECU7が出力する道路地図や走行経路を表示する。表示装置12は、液晶や有機EL、HUD(Head Up Display)等、どのような表示手段であってもよい。
【0037】
入力装置13は、押下式のキーボード、ボタン、リモコン、十字キー、タッチパネル等であり運転者からの操作を入力する。また、マイクを備え運転者の発する音声を音声認識回路で認識して操作を入力してもよい。また、カーナビECU及び車間制御ECU4はスピーカ11と接続されており、先行車への接近を運転者に音によって知らせる警報を出力し、また、カーナビ3が案内する交差点などの進行方向を音声により出力する。
【0038】
車間制御ECU4の制御について説明する。図2は、車間制御ECU4及びエンジンECU5により制御されるクルーズコントロールの制御手順を示すフローチャート図の一例である。
【0039】
運転者がクルーズコントロールスイッチ14をオンにして現在の走行車速Vをセットすると、まず、車間制御ECU4は先行車両が検出されるか否かを判定する(S101)。先行車両の有無は、自車両の走行している車線に自車両から所定の距離(例えば、100m)以内に先行車両があるか否かに基づき判定される。自車両の走行している車線は、カメラにより撮影した車両前方の画像から白線を検知して行ってもよいし、カーナビECU7が検出する自車両の位置に基づき検知してもよい。自車の走行車線が検知されれば、走行方向(操舵角)及び先行車両から反射するレーダの反射方向に基づき先行車両の有無が判定される。
【0040】
先行車が検出されない場合(S101のNo)、車間制御ECU4は自動遷移制御を実行する。すなわち、車間制御ECU4は現在の車速Vnと設定車速Vの大小を比較する(S102)。Vn≠Vであれば設定車速Vにすべく加速が必要であると判定し、設定速度Vまで加速制御を行う(S103)。車間制御ECU4は、予め定めた加速度αにより設定車速VになるまでエンジンECU5に加速度αを供給する。なお、設定車速Vに対して減速が必要な場合にエンジンブレーキやサービスブレーキにより減速する。また、ブレーキECU5がホイルシリンダ圧を制御してもよい。
【0041】
現在の車速Vnが設定車速Vにほぼ等しい場合(S102のNo)、現在の車速を維持するようにエンジンECU5に指示し、設定車速Vで定速走行を実行する(S104)。
【0042】
先行車両が検出された場合(S101のYes)、先行車両との相対速度、相対距離を検出する(S105)。ついで、車間制御ECU4は、目標の車間距離と現在の車間距離との車間偏差を算出する(S106)。そして、この車間偏差をゼロにするために必要な制御加速度(目標加速度)を算出し(S107)、エンジンECU5に供給する。なお、目標の車間距離は、予め、例えば3段階程度に設定されている。
【0043】
エンジンECU5は、この制御加速度を得るためにスロットル弁を駆動してエンジン出力を制御する(S108)。なお、算出された制御加速度が負の場合、すなわち大きな減速側の場合には、エンジンECU14はオーバドライブをカットしてシフトダウンし、エンジンブレーキやサービスブレーキで減速する。また、ブレーキECU5がホイルシリンダ圧を制御してもよい。
【0044】
このように、車間制御ECU4は、
A.自車両の前方に先行車両がなければ、設定車速Vで定速走行させる。
B.Aの状態から先行車両が検出され、先行車両が自車両よりも走行速度が遅い場合は、目標の車間距離を保って走行するように減速させる。
C.Aの状態から先行車両が検出され、先行車両が自車両よりも走行速度が早い場合は、設定車速Vを超えない範囲で、目標の車間距離を保って走行させる。
D.B又はCの状態から先行車両を喪失した場合には、設定車速Vで定速走行するように車両を加速させる(運転者が自ら加速しなければ、追従走行中は設定車速Vより速い速度で走行することはないため減速することはない)。
【実施例1】
【0045】
ところで、Dのように、追従走行している状況から先行車両を喪失した場合、自動遷移制御が行われる。自動遷移制御において、設定速度Vと現在の速度Vnとに関わらず一定の加速度で制御すると、VとVnの偏差が小さい場合には加速状態が短い時間しか継続しないので運転者に違和感はないが、VとVnの偏差が大きい場合、加速状態が長く継続するため運転者が違和感を感じる場合がある。しかしながら、偏差が所定以上の場合には自動遷移制御を行わないように制御すると、先行車両を喪失した場合の走行速度Vnに応じて自動遷移制御が行われる場合と行われない場合が生じ、運転者にとって分かりにくい制御となってしまう。
【0046】
そこで、本実施例では、先行車両を喪失した場合に、設定速度Vと自車両の速度Vnとの偏差に応じて、設定速度Vに到達するまでの加速度を制御する車両走行制御装置について説明する。
【0047】
図3は、本実施例の自動遷移制御の制御手順を示すフローチャート図である。図3のフローチャート図は、先行車両に追従している状態からスタートする。
【0048】
車間制御ECU4は、先行車両に追従走行している間、先行車両を喪失したか否かの判定を繰り返す(S201)。先行車両の喪失は、例えば、先行車両又は自車両が走行車線を移動する場合に生じる。先行車両が検出されていれば、追従走行を継続する。
【0049】
先行車両を喪失した場合(S201のYes)、自車両の速度が低速か否かを判定する(S202)。自車両が低速であるか否かは、例えば10〜40km/hを低速、40〜70km/hを中速、それ以上を高速というように、所定の閾値に基づき判定する。
【0050】
なお、自車両が低速であるか否かを判定している間、極小の加速度でActive状態を保ってもよいし、先行車両を喪失してから数秒間は加速をゼロにしてActive状態を保ち、その後、極小の加速度でActive状態を保ってもよい。
【0051】
自車両の速度が低速でない場合(S202のNo)、すなわち、中速以上の場合、車間制御ECU4は所定の加速度α1をエンジンECU5に供給し、設定速度Vまで自車両を加速させる(S203)。加速度α1は、次述するように加速度α2よりも大きい加速度である。
【0052】
自車両の速度が低速以下の場合(S202のYes)、車間制御ECU4は、設定されている設定速度Vが高速か否かを判定する(S204)。すなわち、ステップS202とS204の判定により、VとVnの偏差が大きいか小さいかを判定できる。
【0053】
設定されている設定速度Vが高速でない場合(S204のNo)、VとVnの偏差が大きくないと判定し、車間制御ECU4は所定の加速度α1をエンジンECU5に供給し、設定速度Vまで自車両を加速させる(S203)。設定速度Vが高速とは、例えば、80Km/h以上の場合である。
【0054】
設定されている設定速度Vが高速の場合(S204のYes)、VとVnの偏差が大きいと判定し、加速度α1より小さい所定の加速度α2をエンジンECU5に供給し、設定速度Vまで自車両を加速させる(S205)。
【0055】
図3のような制御によれば、先行車両を喪失した場合に、設定速度Vと走行速度Vnとの差が大きい場合には、設定速度Vに至る加速度を小さくできる。したがって、長い時間に渡り大きな加速度で走行することがなくなり運転者の違和感を解消できる。また、自車両が低速で走行していても、先行車両を喪失した場合には自動遷移制御が行われるので、低速から高速まで一貫した制御となり、運転者にわかりやすいクルーズコントロールを提供できる。なお、ステップS205で、低速から設定速度Vまで加速している間に運転者がより大きい加速を望む場合には、運転者がアクセルペダルを操作すればよく、表示装置12やスピーカ11から「現在、設定速度Vまで加速中です。アクセルペダルを操作すればより大きな加速が得られます」等を表示してもよい。
【実施例2】
【0056】
実施例1では、設定車両Vと走行速度Vnの偏差に基づき、自動遷移制御の加速度を制御したが、クルーズコントロールは高速道路など高速な走行が連続して可能な道路で使用されることが多いため、設定速度Vは比較的高い速度に設定されている(例えば、80〜100km/h)。このため、設定速度Vと自車両の速度Vnとの偏差が大きい場合とは、自車両の速度Vnが低い場合としてもよく、本実施例では走行速度Vnに基づき自動遷移制御の加速度を制御する車両走行制御装置について説明する。
【0057】
図4は、本実施例の自動遷移制御の制御手順を示すフローチャート図である。図4のフローチャート図は、先行車両に追従している状態からスタートする。
【0058】
車間制御ECU4は、先行車両に追従走行している間、先行車両を喪失したか否かの判定を繰り返す(S201)。先行車両の喪失は、例えば、先行車両又は自車両が走行車線を移動する場合に生じる。先行車両が検出されていれば、追従走行を継続する。
【0059】
先行車両を喪失した場合(S201のYes)、自車両の走行速度Vnが低速か否かを判定する(S202)。自車両が低速であるか否かは、例えば10〜40km/hを低速、40〜70km/hを中速、それ以上を高速というように、所定の閾値に基づき判定する。
【0060】
なお、自車両が低速であるか否かを判定している間、極小の加速度でActive状態を保ってもよいし、先行車両を喪失してから数秒間は加速をゼロにしてActive状態を保ち、その後、極小の加速度でActive状態を保ってもよい。
【0061】
自車両の速度が低速でない場合(S202のNo)、すなわち、中速以上の場合、車間制御ECU4は所定の加速度α1をエンジンECU5に供給し、設定速度Vまで自車両を加速させる(S203)。加速度α1は、次述するように加速度α2よりも大きい加速度である。
【0062】
自車両の速度が低速以下の場合(S202のYes)、加速度α1より小さい所定の加速度α2をエンジンECU5に供給し、設定速度Vまで自車両を加速させる(S205)。
【0063】
図4のような制御によれば、先行車両を喪失した場合であって、自車両の走行速度Vが小さい場合には、自動遷移制御の加速度を小さくできる。したがって、長い時間に渡り大きな加速度で走行することがなくなり運転者の違和感を解消できる。また、自車両が低速で走行していても自動遷移制御が行われる、低速から高速まで一貫した制御となり、運転者にわかりやすいクルーズコントロールを提供できる。なお、ステップS205で、低速から設定速度Vまで加速している間に運転者がより大きい加速を望む場合には、運転者がアクセルペダルを操作すればよく、表示装置12やスピーカ11から「現在、設定速度Vまで加速中です。アクセルペダルを操作すればより大きな加速が得られます」等を表示してもよい。
【実施例3】
【0064】
本実施例では、走行している道路の道路区分に応じて設定速度Vを変更可能な車両走行制御装置について説明する。道路区分とは、一般道か又は車両が高速に走行可能な道路(例えば、高速道路、自動車専用道路)かの区分である。
【0065】
図5は、走行している道路の道路区分に応じて設定速度Vを制御する車両走行制御装置の制御手順を示すフローチャート図である。図5のフローチャート図は、クルーズコントロールに設定速度Vがセットされている状態からスタートする。すなわち、追従走行していても設定速度Vで定速走行していてもよい。
【0066】
まず、車間制御ECU4は、カーナビECU7から現在走行している道路の道路区分を取得する(S301)。自車両が走行している位置はカーナビゲーションシステムにより判明しているので、車間制御ECU4は現在走行している道路が一般道か否か(高速道路又は自動車専用道路か否か)の情報を取得する。なお、走行している道路の道路区分は、路車間通信により取得してもよい。自車両はVICS(Vehicle Information and Communication System)等から提供される情報を車載したビーコンアンテナにより受信して、現在走行している道路が高速道路なのか一般道なのかの情報を取得する。
【0067】
ついで、車間制御ECU4は、走行している道路が高速道路や自動車専用道路か否かを判定する(S302)。一般道以外の高速道路や自動車専用道路を走行している場合、設定速度Vは変更しない(S304)。
【0068】
高速道路や自動車専用道路を走行していない場合(S302のNo)、設定速度Vを高速道路や自動車専用道路の設定よりも低い速度V_Lに設定する(S303)。現在走行している道路の制限速度がカーナビECU4や路車間通信により取得されていればその値を新しい設定速度V_Lとすればよいし、取得されていなければ、一般道の制限速度60km/hや制限速度60±5〜10km/hの値を設定する。
【0069】
車両走行制御装置は、自動遷移制御の場合、設定速度V_Lまでしか加速しないので、一般道を走行している場合に、複雑な交通状況に運転者が対応しやすくなる。また、加速している時間を短くできるので、運転者が違和感を感じることが防止できる。このように、走行している道路の道路区分により自動的に設定速度Vが変更されることで運転者が使いやすい車両走行制御装置とすることができる。
【0070】
ところで、走行している道路の道路区分は、制限速度から判定することもできる。図6は、走行している道路の道路区分を制限速度に基づき判定して、設定速度Vを制御する車両走行制御装置の制御手順を示すフローチャート図である。なお、図6において、図5と同一ステップには同一の符号を付しその説明は省略する。
【0071】
まず、車間制御ECU4は、カーナビECU7又は路車間通信により、現在走行している道路の制限速度を取得する(S311)。自車両が走行している位置はカーナビゲーションシステムにより判明しているので、車間制御ECU4は現在走行している道路の制限速度を取得できる。また、VICS等を利用して路車間通信により走行している道路の制限速度を取得できる。なお、制限速度による判定に加え、ステップS301のように一般道か否かの情報をそのまま取得して判定してもよい。
【0072】
ついで、車間制御ECU4は、走行している道路が高速道路や自動車専用道路か否かを判定する(S312)。取得した制限走度が例えば60〜70Km/h以下であれば一般道であると判定できるし、それ以上であれば高速道路や自動車専用道路であると判定できる。
【0073】
以降の処理は図4と同じであるので説明は省略する。すなわち、一般道を走行している場合、車両走行制御装置は、設定速度Vを高速道路や自動車専用道路の設定よりも低い速度V_Lに設定する。
【0074】
これにより、一般道を走行している場合に、加速している時間を短くできるので、運転者が違和感を感じることが防止できると共に、複雑な交通状況に運転者が対応しやすくなり、運転者が使いやすい車両走行制御装置とすることができる。
【実施例4】
【0075】
実施例3では、一般道を走行している場合に設定速度Vを小さくしたが、本実施例では一般道を走行している場合に設定速度Vによる定速走行へ遷移しない、すなわち自動遷移制御を禁止することにより、複雑な交通状況に運転者を対応しやすくさせ、運転者に違和感を感じることを防止させる。
【0076】
図7は、走行している道路の道路区分に基づき、自動遷移制御を行うか否かを判定して制御する車両走行制御装置の制御手順を示すフローチャート図である。
【0077】
まず、車間制御ECU4は、カーナビECU7から現在走行している道路の道路区分又は制限速度を取得する(S401)。道路区分又は制限速度の取得は、実施例3と同様であるので説明は省略する。
【0078】
ついで、車間制御ECU4は、走行している道路が高速道路や自動車専用道路か否かを判定する(S402)。道路区分に基づきそのまま判定してもよいし、取得した制限速度に基づき判定してもよい。また、道路区分と制限速度を組み合わせ、道路区分が取得できなければ、制限速度に基づき判定してもよい。高速道路や自動車専用道路を走行している場合、設定速度Vは変更しない(S404)。
【0079】
高速道路や自動車専用道路を走行していない場合(S402のNo)、車間制御ECU4は、全面的に定速走行Vへの移行を禁止する(S403)。すなわち、車間制御ECU4は、先行車両を喪失しても予め設定された設定速度Vになるよう加速せずに、自動遷移制御を行わない。したがって、この場合、運転者がアクセルペダルを操作しないとエンジンブレーキにより自車両は減速する。
【0080】
図7の処理によれば、車両走行制御装置は一般道を走行している場合、先行車両を喪失しても定速走行に移行しないので自車両が加速することがなく、運転者が長時間にわたり
加速を感じるという違和感をなくし、また、複雑な交通状況に運転者が対応しやすくなる。
【0081】
ところで、一般道を走行している場合、全面的に定速走行への移行を禁止するのでなく、制限速度に応じて定速走行への移行を禁止してもよい。
【0082】
図8は、走行している道路の道路区分及び制限速度に基づき、自動遷移制御を行うか否かを判定して制御する車両走行制御装置の制御手順を示すフローチャート図である。
【0083】
まず、車間制御ECU4は、カーナビECU7から現在走行している道路の道路区分又は制限速度を取得する(S401)。道路区分又は制限速度の取得は、実施例3と同様であるので説明は省略する。
【0084】
ついで、車間制御ECU4は、走行している道路が高速道路や自動車専用道路か否かを判定する(S402)。道路区分に基づきそのまま判定してもよいし、取得した制限走度に基づき判定してもよい。また、道路区分と制限速度を組み合わせ、道路区分が取得できなければ、制限速度に基づき判定してもよい。高速道路や自動車専用道路を走行している場合、設定速度Vは変更しない(S404)。
【0085】
高速道路や自動車専用道路を走行していない場合(S402のNo)、車間制御ECU4は、現在の道路の制限速度を取得して、所定以下の制限速度の一般道では定速走行への移行を禁止する(S413)。制限速度は、ステップS401で取得されていればその値を使用し、取得されていなければステップS413で取得する。
【0086】
所定以下の制限速度とは、例えば、比較的遅い制限速度(例えば、30〜40km/h)をいうものである。このような比較的遅い制限速度の道路で定速走行に移行すると、運転者への負担が大きく、複雑な交通状況に運転者が対応しにくい。そのため、図8のように、所定の制限速度の一般道では自動遷移制御を禁止することで、複雑な交通状況に運転者を対応しやすくさせることができる。また、比較的遅い制限速度では、定速走行に移行しないので自車両が加速することがなく、運転者が長時間にわたり加速を感じるという違和感を解消できる。
【0087】
また、一般道であっても所定の制限速度でなければ、車両走行制御装置が自動遷移制御を行うので、設定速度に遷移するために運転者が自ら加速する必要がない。
【実施例5】
【0088】
上述してきたように、一般道は、歩行者や信号など交通状況が高速道路等より複雑であるため、定速走行に移行する加速度が高速道路と同じであると、運転者が対応しにくくなる可能性がある。本実施例では、本実施例では一般道を走行している場合に自動遷移制御の加速度を制御する車両走行制御装置について説明する。
【0089】
図9は、走行している道路の道路区分に基づき、自動遷移制御の加速度を制御する車両走行制御装置の制御手順を示すフローチャート図である。
【0090】
まず、車間制御ECU4は、カーナビECU7から現在走行している道路の道路区分又は制限速度を取得する(S501)。道路区分又は制限速度の取得は、実施例3と同様であるので説明は省略する。
【0091】
ついで、車間制御ECU4は、走行している道路が高速道路や自動車専用道路か否かを判定する(S502)。道路区分に基づきそのまま判定してもよいし、取得した制限走度に基づき判定してもよい。また、道路区分と制限速度を組み合わせ、道路区分が取得できなければ、制限速度に基づき判定してもよい。
【0092】
高速道路や自動車専用道路を走行している場合(S502のYes)、車間制御ECU4は、設定速度Vに遷移する加速度α1を変更しない(S504)。すなわち、高速道路等を走行している場合、先行車両を喪失しても予め定められた通常の加速度α1で自動遷移制御を行う。
【0093】
高速道路や自動車専用道路を走行していない場合(S502のNo)、車間制御ECU4は、設定速度Vに遷移する加速度をα1より小さいα2に変更する(S503)。すなわち、一般道を走行している場合、先行車両を喪失したら、予め定められた通常の加速度α1よりも小さい加速度α2で加速する。
【0094】
図9の制御によれば、一般道では自動遷移制御の加速度α1をより小さいα2にするので、定速走行に遷移する過程でも大きな加速度が長時間継続することがなく運転者に違和感を与えることが防止され、また、複雑な交通状況に運転者を対応しやすくさせることができる。
【0095】
以上のように、本実施の形態の車両制御装置では、自車両と設定速度との偏差が大きい場合には、加速度を小さくして設定速度Vに遷移するので、運転者に違和感を与えることが防止できる。また、低速域から高速域まで自動遷移制御を行うので、運転者にとってわかりやすい制御とすることができる。また、一般道を走行している場合には、自動遷移制御を禁止したり、設定速度Vや加速度を小さくするので、設定速度Vに遷移する過程で一般道の複雑な交通状況に運転者が対応しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】車両走行制御装置1の機能ブロック図の例である。
【図2】車間制御ECU及びエンジンECUにより制御されるクルーズコントロールの制御手順を示すフローチャート図の例である。
【図3】実施例1の自動遷移制御の制御手順を示すフローチャート図である。
【図4】実施例2の自動遷移制御の制御手順を示すフローチャート図である。
【図5】走行している道路の道路区分に応じて設定速度Vを制御する車両走行制御装置の制御手順を示すフローチャート図である。
【図6】走行している道路の道路区分を制限速度に基づき判定して、設定速度Vを制御する車両走行制御装置の制御手順を示すフローチャート図である。
【図7】走行している道路の道路区分に基づき、自動遷移制御を行うか否かを判定して制御する車両走行制御装置の制御手順を示すフローチャート図である。
【図8】走行している道路の道路区分及び制限速度に基づき、自動遷移制御を行うか否かを判定して制御する車両走行制御装置の制御手順を示すフローチャート図である。
【図9】走行している道路の道路区分に基づき、自動遷移制御の加速度を制御する車両走行制御装置の制御手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0097】
1 車両走行制御装置
2 レーダセンサ
3 車速センサ
4 車間制御ECU
5 エンジンECU
6 変速機制御器
7 カーナビECU
8 ジャイロセンサ
9 GPS受信機
10 地図データ
11 スピーカ
12 表示装置
13 入力装置
14 クルーズコントロールスイッチ
15 ブレーキECU


【特許請求の範囲】
【請求項1】
先行車両が存在する場合に追従走行し、先行車両が存在しない場合に設定車速で定速走行する車両走行制御装置であって、
前記先行車両を喪失した自車両の走行速度と前記設定車速との偏差が所定より大きい場合、前記設定車速に遷移する加速度を、前記偏差が所定以上の場合より小さく制御する制御手段を有する、
ことを特徴とする車両走行制御装置。
【請求項2】
先行車両が存在する場合に追従走行し、先行車両が存在しない場合に設定車速で定速走行する車両走行制御装置であって、
前記先行車両を喪失した自車両の走行速度が所定より小さい場合、前記設定車速に遷移する加速度を、自車両の走行速度が所定以上の場合より小さく制御する制御手段を有する、
ことを特徴とする車両走行制御装置。
【請求項3】
先行車両が存在する場合に追従走行し、先行車両が存在しない場合に設定車速で定速走行する車両走行制御装置であって、
走行している道路の道路区分を取得する道路区分取得手段と、
前記道路区分取得手段が取得した前記道路区分が一般道であった場合、前記設定車速を高速道路を走行する場合よりも小さく制御する制御手段と、
を有することを特徴とする車両走行制御装置。
【請求項4】
先行車両が存在する場合に追従走行し、先行車両が存在しない場合に設定車速で定速走行する車両走行制御装置であって、
走行している道路の道路区分を取得する道路区分取得手段と、
前記道路区分取得手段が取得した前記道路区分が一般道であった場合、前記設定車速による定速走行を禁止する制御手段と、
を有することを特徴とする車両走行制御装置。
【請求項5】
先行車両が存在する場合に追従走行し、先行車両が存在しない場合に設定車速で定速走行する車両走行制御装置であって、
走行している道路の道路区分を取得する道路区分取得手段と、
走行している道路の制限速度を取得する制限速度取得手段と、
前記道路区分取得手段が取得した前記道路区分が一般道であり、前記制限速度取得手段が取得した制限速度が所定以下である場合、前記設定車速による定速走行を禁止する制御手段と、
を有することを特徴とする車両走行制御装置。
【請求項6】
先行車両が存在する場合に追従走行し、先行車両が存在しない場合に設定車速で定速走行する車両走行制御装置であって、
走行している道路の道路区分を取得する道路区分取得手段と、
前記道路区分取得手段が取得した前記道路区分が一般道である場合、前記設定車速に遷移する加速度を、高速道路を走行する場合よりも小さく制御する制御手段と、
を有することを特徴とする車両走行制御装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−186097(P2007−186097A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−6008(P2006−6008)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】