説明

電子部品の外観検査方法、外観検査装置及び外観検査処理をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録した記録媒体

【課題】 電子部品のパッケージの撮影画像に含まれるむらや捺印文字等の影響を受けず、真の欠陥のみを確実に判別できる、電子部品の外観検査方法、外観検査装置及び外観検査処理をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録した記録媒体を提供する。
【解決手段】 撮像手段103と、撮影した画像を複数の単位領域に分割して、各単位領域毎に、撮影した画像の濃淡レベルの分布をそれぞれ求める手段106と、各単位領域内における濃淡レベルの分布中、最多頻度の濃淡レベルから予め設定されたオフセット値を差し引いて、各単位領域における二値化レベルを求める手段107と、撮影した画像の各座標における二値化レベルを、各単位領域における二値化レベルに基づいて補間演算により求める手段108と、撮影した画像の各座標における各濃淡レベルと、求めた二値化レベルとを比較して、欠陥の存在を判定する二値化手段107とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子部品の外観検査方法、外観検査装置及び外観検査処理をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録した記録媒体に関し、特に、電子部品のパッケージ等の表面にできた欠陥を外観から検査するための、電子部品の外観検査方法、外観検査装置及び外観検査処理をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子部品の外観検査方法として、電子部品のパッケージ表面にできた小さな穴(以下、ボイドとする)等の製造工程上の欠陥を自動的に検出する検査方法や検査装置がある。
【0003】第1従来例の検査方法として、特開平5−280958号公報には、検査対象の表面を撮影した画像を、複数の単位領域に分割し、これら各単位領域における濃淡レベルの平均値で二値化処理し、撮影画像の反射率が小さい領域の形状から、欠陥の有無を判定する方法が開示されており、当該公報記載の技術を第1従来例として説明する。
【0004】図9は第1従来例の欠陥検査装置のブロック構成図である。
【0005】図9において、レーザー光源20から出射した走査ビームは検査対象10の表面に照射される。この反射光は受光器28へ導かれ、画像信号a1,a2として出力される。画像信号a1,a2は加算手段32、A/D変換手段34、濃度変換手段36、微分フィルタ38を経て欠陥の輪郭を強調した信号a5として出力される。この信号a5は欠陥アドレス検出手段40によって欠陥アドレス信号Adが求められる一方、信号a5は2値化処理手段42で2値化処理され、欠陥領域抽出手段48で欠陥アドレスAdを基準として欠陥領域を抽出して欠陥画像信号A2として出力される。
【0006】この欠陥の判定方法としては、検査対象10の微分画像に基づいて欠陥のアドレスを求め、2値化処理手段42において、微分画像全体の濃淡レベル分布から求められた第1の閾値TH1と、注目画素の近傍領域の濃淡レベル平均値から得られた第2の閾値TH2とから、TH3=TH1−k(TH1−TH2)として第3の閾値TH3を求め、欠陥領域抽出手段48において、閾値TH3より濃淡レベルが小さい画素の位置に対応する検査対象10の表面に欠陥があると判断していた。
【0007】図10は図9の検査装置における各領域の概念図である。
【0008】図10は、図9における検査対象10を、より具体的な電子部品2に置換した例を示したものである。受光器28の撮影画像は、電子部品2のパッケージ2aと端子2bの一部の領域を含んでいる。この内、パッケージ2aのみを含む領域が検査対象領域Rtとなる。撮影画像として撮影されたパッケージ2aの画像には、パッケージ2aにできた欠陥であるボイドBと、パッケージ2aに捺印された捺印文字Tと、パッケージ2a表面又は反射光によって生じたむらPとが含まれている、図11は図9の欠陥検査装置における濃淡レベルLc及び二値化レベルLs−画素座標特性線図である。図1111は、図10中のX−X線に沿ってレベルを見たものであり、撮影画像の濃淡レベルLcの左側の急激な凹部はボイドBを、右側のなだらかな凹部はむらPを、中央の3箇所の突起部分は捺印文字Tをそれぞれ示す。
【0009】ボイドBでは、ピーク幅が狭く、濃淡レベルLcが急激に変化するのに対し、むらPはボイドBに比べピーク幅が広く、濃淡レベルLcが少しずつ変化する。又、捺印文字Tでは、ピーク幅は狭いが濃淡レベルLcはパッケージ領域より高くなる。
【0010】図11中、濃淡レベルLcが二値化レベルLsより大きい“1”レベルの領域がボイドがなく正常と判定される領域、濃淡レベルLcが二値化レベルLsより小さい“0”レベルの領域が「ボイド有り」と判定される領域である。
【0011】図11から明かな通り、むらPでは、濃淡レベルLcが広い範囲に亙って少し低下しているが、濃淡レベルLcの平均値として求められる二値化レベルLsもなだらかに変化している。
【0012】又、第2従来例の欠陥検査方法として、より単純な処理方法として、パッケージ表面を撮影した画像を、この画像全体に亙って一定の二値化レベルで二値化処理し、撮影画像の反射率が小さい、二値化画像の“0”レベルの領域の面積が予め設定した値以上の場合に、「ボイド有り」と判定する方法がある。
【0013】図12は第2従来例の欠陥検査装置における濃淡レベルLc及び二値化レベルLs−画素座標特性線図である。図12は、図11と同様に図10に示すパッケージ2aの撮影画像に対応したものであり、図12から明かな通り、二値化レベルLsは全領域に亙って一定である。
【0014】このようにして、従来の欠陥検査方法及び装置は、電子部品のパッケージ表面のボイド等の欠陥の有無を判定していた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の欠陥検査方法及び装置には、以下のような問題があった。
【0016】検査対象として電子部品2を用いた場合、パッケージ2aの画像信号a1,a2においては、図11R>1,図12に示すように、パッケージ2a表面に照射される照射光源1の光強度が方向や場所により異なっていたり、パッケージ2aの樹脂成分や表面状態が均一でなかったり、パッケージ2aの金型等から付着するしみ等によって、表面の反射率が部分的に異なる場合がしばしばあり、このような場合は、撮影領域の一部において、パッケージ2aの画像信号a1,a2の濃淡レベルLcが他の部分と全体的に異なる、むらPが発生し易くなる。
【0017】よって、このむらPとボイドBとの濃淡画像の濃淡レベルがほぼ同じ場合には、むらPも二値化処理後に“0”レベルの領域と判定されてしまうので、パッケージ2aにボイドがないにも拘らず、「ボイド有り」と誤判定し易い問題があった。
【0018】第1従来例の欠陥検査装置では、図11に示すように、各単位領域における濃淡レベルLcの平均値を二値化レベルLsとして用いて二値化処理していたが、この方法では、図11中の捺印文字T付近では、捺印文字Tの濃淡レベルLcが高いので、この濃淡レベルLcの平均値である二値化レベルLsもこれに伴って必要以上に高くなってしまい、この捺印文字T付近で「ボイド有り」と誤判定する問題があった。
【0019】又、第2従来例の欠陥検査装置では、図12R>2に示すように、単純に検査対象領域Rt全体に亙って一定の二値化レベルLsで二値化処理していたが、この方法では、図12のむらP付近では、濃淡レベルLcが全体的に低下するので、このむらP付近で「ボイド有り」と誤判定する問題があった。
【0020】ここにおいて本発明は、電子部品のパッケージの撮影画像に含まれるむらや捺印文字等の影響を受けず、真の欠陥のみを確実に判別できる、電子部品の外観検査方法、外観検査装置及び外観検査処理をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録した記録媒体を提供する。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、本発明は次の新規な特徴的手法及び手段を採用する。
【0022】本発明の電子部品の外観検査方法の第1の特徴は、検査対象物(図1の102)の表面の画像を撮影し、撮影した画像を複数の単位領域(図5のRu)に分割して、各単位領域(Ru)毎に、撮影した画像の濃淡レベル(図4のLc)の分布をそれぞれ求め、各単位領域(Ru)内における濃淡レベル(Lc)の分布中、最多頻度の濃淡レベル(Lc)から予め設定されたオフセット値を差し引いて、各単位領域(Ru)における二値化レベル(図4のLs)を求め、撮影した画像の各座標における二値化レベル(図4のLs)を、各単位領域(Ru)における二値化レベル(Ls)に基づいて補間演算によりそれぞれ求め、撮影した画像の各座標における各濃淡レベル(Lc)と、求めた各座標における二値化レベル(Ls)とをそれぞれ比較し、各濃淡レベル(Lc)が各二値化レベル(Ls)より小さい座標に欠陥が存在すると判定することにある。
【0023】本発明の電子部品の外観検査方法の第2の特徴は、検査対象物(図1の102)の表面の画像を撮影し、撮影した画像を複数の単位領域(図5のRu)に分割して、各単位領域(Ru)毎に、撮影した画像の濃淡レベル(図4のLc)の分布をそれぞれ求め、各単位領域(Ru)内における濃淡レベル(Lc)の分布中、最多頻度の濃淡レベル(Lc)から予め設定されたオフセット値を差し引いて、各単位領域(Ru)における二値化レベル(図4のLs)を求め、撮影した画像の各座標における二値化レベル(図4のLs)を、各単位領域(Ru)における二値化レベル(Ls)に基づいて補間演算によりそれぞれ求め、撮影した画像の各座標における各濃淡レベル(Lc)と、求めた各座標における二値化レベル(Ls)とをそれぞれ比較し、各濃淡レベル(Lc)が各二値化レベル(Ls)より小さい座標を求め、求められた座標が連続する領域(図7のRl1,Rl2)にラベルを付与し、ラベルが付与された領域(Rl1,Rl2)の面積が予め設定された値以上である場合は、ラベルが付与された領域(Rl1,Rl2)内に欠陥が有ると判定することにある。
【0024】本発明の電子部品の外観検査装置の第1の特徴は、検査対象物(図1の102)の表面の画像を撮影する撮像手段(図1の103)と、撮影した画像を複数の単位領域(図5のRu)に分割して、各単位領域(Ru)毎に、撮影した画像の濃淡レベル(図4のLc)の分布をそれぞれ求める単位領域内濃淡レベル分布算出手段(図1の106)と、各単位領域(Ru)内における濃淡レベル(Lc)の分布中、最多頻度の濃淡レベル(Lc)から予め設定されたオフセット値を差し引いて、各単位領域(Ru)における二値化レベル(図4のLs)を求めるサンプリング座標別二値化レベル算出手段(図1の107)と、撮影した画像の各座標における二値化レベル(図4のLs)を、各単位領域(Ru)における二値化レベル(Ls)に基づいて補間演算によりそれぞれ求める画素座標別二値化レベル算出手段(図1R>1の108)と、撮影した画像の各座標における各濃淡レベル(Lc)と、求めた各座標における二値化レベル(Ls)とをそれぞれ比較し、各濃淡レベル(Lc)が各二値化レベル(Ls)より小さい座標に欠陥が存在すると判定する二値化手段(図1の109)とを具備することにある。
【0025】本発明の電子部品の外観検査装置の第2の特徴は、検査対象物(図1の102)の表面の画像を撮影する撮像手段(図1の103)と、撮影した画像を複数の単位領域(図5のRu)に分割して、各単位領域(Ru)毎に、撮影した画像の濃淡レベル(図4のLc)の分布をそれぞれ求める単位領域内濃淡レベル分布算出手段(図1の106)と、各単位領域(Ru)内における濃淡レベル(Lc)の分布中、最多頻度の濃淡レベル(Lc)から予め設定されたオフセット値を差し引いて、各単位領域(Ru)における二値化レベル(図4のLs)を求めるサンプリング座標別二値化レベル算出手段(図1の107)と、撮影した画像の各座標における二値化レベル(図4のLs)を、各単位領域(Ru)における二値化レベル(Ls)に基づいて補間演算によりそれぞれ求める画素座標別二値化レベル算出手段(図1R>1の108)と、撮影した画像の各座標における各濃淡レベル(Lc)と、求めた各座標における二値化レベル(Ls)とをそれぞれ比較し、各濃淡レベル(Lc)が各二値化レベル(Ls)より小さい座標を求める二値化手段(図1の109)と、求められた座標が連続する領域(図7のRl1,Rl2)にラベルを付与するラベル付け手段(図1の110)と、ラベルが付与された領域(Rl1,Rl2)の面積が予め設定された値以上である場合は、ラベルが付与された領域(Rl1,Rl2)内に欠陥が有ると判定する判定手段(図1の111)とを具備することにある。
【0026】本発明の電子部品の外観検査処理をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録した記録媒体の第1の特徴は、検査対象物(図1の102)の表面の画像を撮影し、撮影した画像を複数の単位領域(図5のRu)に分割して、各単位領域(Ru)毎に、撮影した画像の濃淡レベル(図4のLc)の分布をそれぞれ求め、各単位領域(Ru)内における濃淡レベル(Lc)の分布中、最多頻度の濃淡レベル(Lc)から予め設定されたオフセット値を差し引いて、各単位領域(Ru)における二値化レベル(図4のLs)を求め、撮影した画像の各座標における二値化レベル(図4のLs)を、各単位領域(Ru)における二値化レベル(Ls)に基づいて補間演算によりそれぞれ求め、撮影した画像の各座標における各濃淡レベル(Lc)と、求めた各座標における二値化レベル(Ls)とをそれぞれ比較し、各濃淡レベル(Lc)が各二値化レベル(Ls)より小さい座標に欠陥が存在すると判定することをコンピュータに実現させることにある。
【0027】本発明の電子部品の外観検査処理をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録した記録媒体の第2の特徴は、検査対象物(図1の102)の表面の画像を撮影し、撮影した画像を複数の単位領域(図5のRu)に分割して、各単位領域(Ru)毎に、撮影した画像の濃淡レベル(図4のLc)の分布をそれぞれ求め、各単位領域(Ru)内における濃淡レベル(Lc)の分布中、最多頻度の濃淡レベル(Lc)から予め設定されたオフセット値を差し引いて、各単位領域(Ru)における二値化レベル(図4のLs)を求め、撮影した画像の各座標における二値化レベル(図4のLs)を、各単位領域(Ru)における二値化レベル(Ls)に基づいて補間演算によりそれぞれ求め、撮影した画像の各座標における各濃淡レベル(Lc)と、求めた各座標における二値化レベル(Ls)とをそれぞれ比較し、各濃淡レベル(Lc)が各二値化レベル(Ls)より小さい座標を求め、求められた座標が連続する領域(図7のRl1,Rl2)にラベルを付与し、ラベルが付与された領域(Rl1,Rl2)の面積が予め設定された値以上である場合は、ラベルが付与された領域(Rl1,Rl2)内に欠陥が有ると判定することをコンピュータに実現させることにある。
【0028】このような手法及び手段を採用したことにより、本発明の電子部品の外観検査方法、外観検査装置及び外観検査処理をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録した記録媒体は、各単位領域毎に二値化レベルを求め、これに基づいて各座標における二値化レベルを補間演算により決定するので、局所的なむらPや捺印文字Tによる影響を排除して、欠陥の有無を確実に判定できる。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施の形態の電子部品の外観検査装置のブロック構成図である。
【0030】照射光源101は、照射光を照射する。
【0031】電子部品102は、照射光源101からの照射光を、表面の反射率に応じて反射する。
【0032】CCDカメラ103は、電子部品102からの反射光を一定領域に亙って撮像し、アナログ画像信号Saとして出力する。
【0033】CCDカメラ103からのアナログ画像信号Saは、A/D変換手段104によりA/D変換され、ディジタル濃淡画像データDbとして出力される。
【0034】濃淡画像データ記憶手段105は、ディジタル濃淡画像データDbを内部に一旦格納する。
【0035】単位領域内濃淡レベル分布算出手段106は、ディジタル濃淡画像データDbを読み出し、予め検査対象領域Rt内に設定された複数のサンプリング座標Cs(図5)を中心とした各単位領域Ru(図5)内におけるディジタル画像濃淡レベルLc(図4)の分布を、例えばヒストグラム表記すること等によって算出し、単位領域別濃淡レベル分布データDcとして出力する。
【0036】サンプリング座標別二値化レベル算出手段107は、単位領域別濃淡レベル分布データDcが供給され、各単位領域Ru(図5)内の最多頻度の濃淡レベルLc(図4)を検索し、検索した濃淡レベルLc(図4R>4)から予め設定したオフセット値を引いた値をサンプリング座標Cs(図5)における二値化レベルLs(図4R>4)とし、サンプリング座標別二値化レベルデータDdとして出力する。
【0037】画素座標別二値化レベル算出手段108は、サンプリング座標別二値化レベルデータDdが供給され、サンプリング座標Cs(図5)における二値化レベルLs(図4)に基づいて補間演算し、検査対象領域Rt(図5)内の各画素座標について二値化レベルLs(図4)を算出し、画素座標別二値化レベルデータDeとして出力する。
【0038】二値化手段109は、画素座標別二値化レベルデータDeとディジタル濃淡画像データDbとが供給され、各画素座標について、濃淡レベルLc(図4)が当該画素座標の二値化レベルLs(図4)以上であれば当該画素座標における二値化データを“1”レベルに、濃淡レベルLc(図4)が二値化レベルLs(図4R>4)よりも小さければ当該画素座標における二値化データを“0”レベルにした二値化画像を作成し、二値化画像データDfとして出力する。
【0039】ラベル付け手段110は、二値化画像データDfが供給され、二値化データの“0”レベルが連続する領域毎に同一名称のラベルを付与してラベル付け領域(図7のRl1,Rl2)とし、各ラベル付け領域(図7のRl1,Rl2)毎に面積を算出し、ラベルデータDgとして出力する。
【0040】判定手段111は、ラベルデータDgが供給され、予め設定した面積値よりも面積の大きいラベル付け領域(図7のRl1,Rl2)が1つでも有れば、「ボイド有り」と判定し、ボイド有りの場合のみ判定信号Shを出力する。
【0041】図2は図1の電子部品の外観検査装置における各領域の概念図である。
【0042】図2において、CCDカメラ103の撮影画像は、電子部品102のパッケージ102aと端子102bの一部の領域を含んでいる。この内、パッケージ102aのみを含む領域が検査対象領域Rtとなる。撮影画像として撮影されたパッケージ102aの画像には、パッケージ102aにできた欠陥であるボイドBと、パッケージ102aに捺印された捺印文字Tと、パッケージ102a表面又は反射光によって生じたむらPとが含まれている、図3は図1の電子部品の外観検査装置における検査処理フローチャートである。
【0043】図1の照射光源101から出射した照射光は、パッケージ102a表面で反射され、CCDカメラ103へ入射した光は、A/D変換手段104によってアナログ/ディジタル変換され、各画素座標における濃淡レベルLcを示すディジタル濃淡画像データDbとして濃淡画像データ記憶手段105に一旦蓄積される(ステップS301)。
【0044】図1の単位領域内濃淡レベル分布算出手段106は、濃淡画像データ記憶手段105に蓄積されたディジタル濃淡画像データDbを読み出す(ステップS302)。
【0045】図1の単位領域内濃淡レベル分布算出手段106は、読み出したディジタル濃淡画像データDbから、図5に示す検査対象領域Rt内に予め設定された複数のサンプリング座標Csを中心とする各単位領域Ruのそれぞれについて、図6に示すような濃淡レベルLcの分布を求め、各単位領域Ruの単位領域別濃淡レベル分布データDcとして出力する(ステップS303)。
【0046】又、図5において捺印文字Tを含む単位領域Ruの面積が小さすぎると、捺印文字Tの濃淡レベルLcが、この単位領域Ruの最多頻度の分布データとなり、二値化レベルLsが本来設定すべきレベルよりも高くなり、誤判定の原因となってしまうので、単位領域Ruの面積は、捺印文字Tが存在する単位領域Ruにおいても、捺印文字T以外の濃淡レベルLcが最多頻度となるように設定しておく。
【0047】図1のサンプリング座標別二値化レベル算出手段107は、各単位領域Ruの単位領域別濃淡レベル分布データDcから、各単位領域Ru毎に、図6の濃淡レベルLcの分布中の最多頻度の濃淡レベルLcをそれぞれ求め、それぞれの最多頻度の濃淡レベルLcから予め設定したオフセット値を差し引いた値を、それぞれのサンプリング座標Csにおける二値化レベルLsとし、サンプリング座標別二値化レベルデータDdとして出力する(ステップS304)。
【0048】このオフセット値は、サンプリング座標別二値化レベル算出手段107において、ボイドBの濃淡レベルLcが“0”レベルに、パッケージ102a表面のボイドB以外の領域の濃淡レベルLcが“1”レベルになるように予め調整して設定しておく。
【0049】ここで各単位領域Ruの濃度レベルLcの分布中、最多頻度の濃淡レベルLcは、パッケージ102a表面の単位領域Ru内における平均的な濃淡レベルLcを表す。
【0050】図1の画素座標別二値化レベル算出手段108は、サンプリング座標別二値化レベルデータDdが示す、サンプリング座標Csにおける二値化レベルLsに基づいて、検査対象領域Rt内の全ての画素座標について二値化レベルLsを補間演算により求め、画素座標別二値化レベルデータDeとして出力する(ステップS305)。
【0051】ここでは一例として、画素座標Cd=(X,Y)における二値化レベルLsを、この画素座標Cdを囲む4つのサンプリング座標Cs=(X1,Y1),(X2,Y2),(X3,Y3),(X4,Y4)のそれぞれの二値化レベルLs1,Ls2,Ls3,Ls4に基づき、以下の式から算出する。
【0052】Ls=(1−α)(1−β)・Ls1+α(1−β)・Ls2+(1−α)β・Ls3+αβ・Ls4但し、α=(X−X1)/(X2−X1),β=(Y−Y1)/(Y3−Y1)とする。
【0053】このようにして、ある画素座標Cdを囲む4つのサンプリング座標Csの二値化レベルLsから、この画素座標Cdの二値化レベルLsを補間演算して求めている。ここで、ある画素座標Cdを囲むサンプリング座標Csの数が3つ以下の場合でも、同様に画素座標Cdの二値化レベルLsを求めることができる。
【0054】もし仮に、画素座標Cdの二値化レベルLsを、サンプリング座標Csの二値化レベルLsから補間演算して求めないで、画素座標Cdの二値化レベルLsをそのままサンプリング座標Csの二値化レベルLsとすれば、隣接し合う単位領域Ruの境界で二値化レベルLsが不連続となり急激に変化するので、この境界付近のボイド面積の測定精度が低下してしまい、ボイドを見逃したり、むらPを「ボイド有り」と誤判定してしまう問題がある。
【0055】そこで本発明では、この問題を解決する為に、サンプリング座標Csにおける二値化レベルLsに基づいて、画素座標Cdにおける二値化レベルLsを補間して求めることにより、検査対象領域Rt全体に亙って二値化レベルLsを連続的かつ滑らかに変化させて急激なレベル変化をなくしたので、隣接し合う単位領域Ruの境界付近においても「ボイド有り」と誤判定しなくなっている。
【0056】図1の二値化手段109は、各画素座標Cd毎に、ディジタル濃淡画像データDbが示す濃淡レベルLcが、画素座標別二値化レベルデータDeが示す二値化レベルLsより高いか低いかを判定基準として二値化処理し、二値化画像データDfとして出力する。ここでは各画素毎に、濃淡レベルLcが二値化レベルLsより高い場合は“1”レベルと判定し、逆の場合は“0”レベルと判定する(ステップS306)。
【0057】図1のラベル付け手段110は、図7に示すように二値化画像データDfの“0”レベルが連続する各領域毎にラベルを付与して、これら各ラベル付け領域Rl1,Rl2の位置と面積を示すラベルデータDgを出力する(ステップS307)。
【0058】図1の判定手段111は、図7の各ラベル付け領域Rl1,Rl2毎に、ラベルデータDgが示す各ラベル付け領域Rl1,Rl2の面積と、予め内部に設定された面積とを比較し、ラベル付け領域Rl1,Rl2の面積の方が設定された面積値より大きい場合に、当該ラベル付け領域Rl1,Rl2の位置に欠陥が存在する判断して判定信号Shを出力する(ステップS308)。
【0059】図4は図1の電子部品の外観検査装置における濃淡レベルLc及び二値化レベルLs−画素座標Cd特性線図である。
【0060】図4は、図2中のII−II線に沿ってレベルを見たものであり、左側の急激な凹部はボイドBを、右側のなだらかな凹部はむらPを、中央の3箇所の突起部分は捺印文字Tをそれぞれ示す。
【0061】図4中、濃淡レベルLcが二値化レベルLsより大きい“1”レベルの領域がボイドがなく正常と判定される領域、濃淡レベルLcが二値化レベルLsより小さい“0”レベルの領域が「ボイド有り」と判定される領域である。
【0062】本実施の形態では、各単位領域Ru中の最多頻度の濃度レベルLcが、パッケージ102aの正常な濃度レベルとなるよう、各単位領域Ruの面積が設定されている限り、むらPや捺印文字T等の影響を受けなくなる。
【0063】ここでもし単位領域Ruの面積が小さすぎると、捺印文字Tを含む単位領域Ruでは、単位領域Ru内の最多頻度の濃淡レベルLcが捺印文字Tの濃淡レベルLcとなってしまい、本来設定したい二値化レベルLsよりも実際の二値化レベルLsが高くなるので、捺印文字T以外の全ての領域に亙って「ボイド有り」と誤判定する問題があるので、単位領域Ruの面積は、単位領域Ru内の捺印文字Tの面積よりも捺印文字T以外の領域の面積が大きくなるよう予め調整して設定しておく。
【0064】このような原理に基づき、図4に示すように、本実施の形態では、二値化レベルLsもむらPの濃淡レベルLcに追従して変化し、むらPは二値化処理後に“0”レベルと判定されないので、「ボイド有り」と誤判定されなくなる。
【0065】図5は図1の電子部品の外観検査装置における各座標の概念図である。図5では、各単位領域Ruの中心にサンプリング座標Csが存在するが、このサンプリング座標Csは、各単位領域Ru内のどこにあっても良い。
【0066】図7は図1の電子部品の外観検査装置におけるラベル付け結果の概念図である。二値化処理後、“0”が連続する各領域にはそれぞれラベルが付与されてラベル付け領域Rl1,Rl2とされている。図7の例では、判定手段111は、予め設定した面積が“3”であった場合、ラベル付け領域Rl1にボイドが存在するという判定信号Shを出力する。
【0067】以上のように、本実施の形態では、(1)各単位領域Ruの最多頻度の濃度レベルLcから各単位領域Ruの二値化レベルLsを求め、(2)この各単位領域Ruの二値化レベルLsから補間演算により各画素座標における二値化レベルLsを求めるようにしたので、むらPや捺印文字Tの影響を排除して、欠陥の有無を確実に検出でき、誤判定を大幅に低減できる。
【0068】次に、本実施の形態の変形例を説明する。
【0069】第1の変形例として、図1のラベル付け手段110において、図2の検査対象領域Rtの一部に、ラベル付けをしないようにしたマスク領域を設定しても良い。
【0070】第2の変形例として、図1のラベル付け手段110が図7のように各ラベル付け領域Rl1,Rl2の面積を算出し、判定手段111において各ラベル付け領域Rl1,Rl2の面積からボイドの有無を判定するのに代えて、ラベル付け手段110が、各ラベル付け領域Rl1,Rl2の外周上の最も離れた2点間の距離を算出し、この距離が予め設定された閾値以上である場合は、このラベル付け領域Rl1,Rl2内にボイド有りと判定しても良い。
【0071】第3の変形例として、図1のラベル付け手段110が図7のようにラベル付けされた各ラベル付け領域Rl1,Rl2の面積を算出し、判定手段111において各ラベル付け領域Rl1,Rl2の面積からボイドの有無を判定するのに代えて、ラベル付け手段110が、各ラベル付け領域Rl1,Rl2の面積と、各ラベル付け領域Rl1、Rl2の外周上の最も離れた2点間の距離との両方を算出し、判定手段111にはこれら面積と距離の両方について、予め閾値をそれぞれ設定しておき、何れか一方がそれぞれの閾値より大きい場合は、このラベル付け領域Rl1,Rl2に「ボイド有り」と判定しても良い。
【0072】図8は本発明の第2の実施の形態の電子部品の外観検査装置のブロック構成図である。本実施の形態は、図1の第1の実施の形態の電子部品の外観検査装置を、特にコンピュータ上に構成する場合に適した実施の形態を説明している。
【0073】本実施の形態の電子部品の外観検査装置は、入力部201と、CPU202と、メモリ203と、照射光源204aと、CCDカメラ204bと、A/Dコンバータ204cと、表示処理部205と、表示部206と、外部記憶装置207と、インターフェース部208と、バス209とから構成される。
【0074】入力部201は、各種操作キー等からなる、キーボードやリモコン等の操作手段であり、次のCPU202へ各種指示を付与する。この手段は、特にコンピュータにおいては、アルファニューメリックキーボードや専用の入力装置・マウス・リモコン等で実現される。
【0075】CPU202は、マイクロコンピュータ等からなり、内蔵され又は外部から供給されるプログラム等により動作し各部を制御する。
【0076】メモリ203は、RAM等のメモリから構成され、CPU202の制御により各種データを格納する。この手段は、特にコンピュータにおいては、RAMやフラッシュメモリやハードディスク等の各種記録媒体で実現される。
【0077】照射光源204aは、照射光を照射する。
【0078】CCDカメラ204bは、電子部品102からの反射光を一定領域に亙って撮像し、アナログ画像信号Saとして出力する。
【0079】A/Dコンバータ204cは、CCDカメラ204bからのアナログ画像信号Saをアナログ/ディジタル変換し、ディジタル濃淡画像データDbとしてバス209へ出力する。
【0080】表示処理部205は、バス209に接続され、バス209を介して送られてきた画像データを映像信号Sdpへ変換出力する。
【0081】表示部206はディスプレイ装置やモニタ等の映像表示手段であり、映像信号Sdpを映像として表示する。この手段は、特にコンピュータにおいては、各種ディスプレイ装置等で実現される。
【0082】外部記憶装置207は、CPU202の各種処理プログラムや、メモリ203に格納されているのと同様なデータ等が格納されている記憶媒体であり、CPU202の制御により各種データが書き込まれ読み出される。この手段は、特にコンピュータにおいては、RAMやフラッシュメモリやハードディスク等の各種記録媒体で実現される。
【0083】インターフェース部208は、CPU202と接続された外部とのインターフェースである。
【0084】バス209は、入力部201,CPU202,メモリ203,A/Dコンバータ204c、表示処理部205,外部記憶装置207,インターフェース部208を相互に接続する。
【0085】本発明の第2の実施の形態の電子部品の外観検査方法は、第1の実施の形態の電子部品の外観検査方法と同様である。
【0086】次に本発明の第2の実施の形態の電子部品の外観検査処理をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録した記録媒体を説明する。
【0087】第1の実施の形態の電子部品の外観検査方法及び電子部品の外観検査装置では、電子部品の外観検査処理をコンピュータに実現させるためのプログラムを、専用の外観検査装置の制御プログラムとして内蔵しているが、本実施の形態では汎用のコンピュータ装置等においてソフトウェアプログラム等で同様の処理を実現している。
【0088】このソフトウェアプログラムの記録媒体として、メモリカード・フロッピーディスク・ハードディスク・CD−ROM・DVD−RAM等の外部記録装置107に格納しても良いし、データ記憶部103上に当該プログラム専用の格納領域を設けて外部記録装置107から読み込んだプログラムを格納しておいても良い。
【0089】その他の構成や処理フローチャートは前記第1の実施の形態の電子部品の外観検査方法、外観検査装置及び外観検査処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録した記録媒体と同様である。
【0090】尚、前記各実施の形態では、CCDカメラ103,204aの撮影画像の画素毎に二値化処理したが、処理を高速化するために複数の画素をまとめて二値化処理しても構わない。
【0091】又、補間方法としては、任意の補間方法を採用しても構わない。
【0092】更に、図5に示すように、各単位領域Ruは互いに重なり合わないように設定したが、各単位領域Ruの大きさが一定以上となるよう設定し、これら各単位領域Ruが互いに重なり合うようにしても良い。このようにすれば、各単位領域Ruの面積が必要以上に小さくなるのを避けることができ、捺印文字Tを「ボイド有り」と誤判定する可能性が更に少なくなる。
【0093】
【発明の効果】以上のような手法及び手段を採用したことにより、本発明の電子部品の外観検査方法、外観検査装置及び外観検査処理をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録した記録媒体は、次のような効果を発揮する。
【0094】第1点として、サンプリング座標により定義される、予め設定した各単位領域内の濃淡レベルの分布からサンプリング座標の二値化レベルを求めた後、各画素座標の二値化レベルをサンプリング座標の二値化レベルに基づいて補間演算により求めるので、捺印文字やボイド等の影響を受けず、むらに精度よく追従した連続性のある二値化レベルを設定でき、むらを「ボイド有り」と誤判定することが大幅に低減され、検査精度を大幅に向上できる利点がある。
【0095】第2点として、二値化処理により得られた“0”レベルの領域をラベル付けし、このラベルの面積に基づいてボイドの有無を最終的に判定するので、むらを「ボイド有り」と誤判定することが大幅に低減され、検査精度を大幅に向上できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の電子部品の外観検査装置のブロック構成図である。
【図2】図1の電子部品の外観検査装置における各領域の概念図である。
【図3】図1の電子部品の外観検査装置における検査処理フローチャートである。
【図4】図1の電子部品の外観検査装置における濃淡レベルLc及び二値化レベルLs−画素座標Cd特性線図である。
【図5】図1の電子部品の外観検査装置における各座標の概念図である。
【図6】図1の電子部品の外観検査装置における単位領域Ru内の濃度レベルLc分布概念図である。
【図7】図1の電子部品の外観検査装置におけるラベル付け結果の概念図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の電子部品の外観検査装置のブロック構成図である。
【図9】第1従来例の欠陥検査装置のブロック構成図である。
【図10】図9の欠陥検査装置における各領域の概念図である。
【図11】図9の欠陥検査装置における濃淡レベルLc及び二値化レベルLs−画素座標特性線図である。
【図12】第2従来例の欠陥検査装置における濃淡レベルLc及び二値化レベルLs−画素座標特性線図である。
【符号の簡単な説明】
2 電子部品
2a パッケージ
2b 端子
10 検査対象
20 レーザー光源
28 受光器
32 加算手段
34 A/D変換手段
36 濃度変換手段
38 微分フィルタ
40 欠陥アドレス検出手段
42 2値化処理手段
48 欠陥領域抽出手段
101 照射光源
102 電子部品
102a パッケージ
102b 端子
103 CCDカメラ
104 A/D変換手段
105 濃淡画像データ記憶手段
106 単位領域内濃淡レベル分布算出手段
107 サンプリング座標別二値化レベル算出手段
108 画素座標別二値化レベル算出手段
109 二値化手段
110 ラベル付け手段
111 判定手段
201 入力部
202 CPU
203 メモリ
204a 照射光源
204b CCDカメラ
204c A/Dコンバータ
205 表示処理部
206 表示部
207 外部記憶装置
208 インターフェース部
209 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】 検査対象物の表面の画像を撮影し、前記撮影した画像を複数の単位領域に分割して、前記各単位領域毎に、前記撮影した画像の濃淡レベルの分布をそれぞれ求め、前記各単位領域内における濃淡レベルの分布中、最多頻度の前記濃淡レベルから予め設定されたオフセット値を差し引いて、前記各単位領域における二値化レベルを求め、前記撮影した画像の各座標における二値化レベルを、前記各単位領域における二値化レベルに基づいて補間演算によりそれぞれ求め、前記撮影した画像の各座標における各濃淡レベルと、前記求めた各座標における二値化レベルとをそれぞれ比較し、前記各濃淡レベルが前記各二値化レベルより小さい座標に欠陥が存在すると判定することを特徴とする電子部品の外観検査方法。
【請求項2】 検査対象物の表面の画像を撮影し、前記撮影した画像を複数の単位領域に分割して、前記各単位領域毎に、前記撮影した画像の濃淡レベルの分布をそれぞれ求め、前記各単位領域内における濃淡レベルの分布中、最多頻度の前記濃淡レベルから予め設定されたオフセット値を差し引いて、前記各単位領域における二値化レベルを求め、前記撮影した画像の各座標における二値化レベルを、前記各単位領域における二値化レベルに基づいて補間演算によりそれぞれ求め、前記撮影した画像の各座標における各濃淡レベルと、前記求めた各座標における二値化レベルとをそれぞれ比較し、前記各濃淡レベルが前記各二値化レベルより小さい座標を求め、前記求められた座標が連続する領域にラベルを付与し、前記ラベルが付与された領域の面積が予め設定された値以上である場合は、前記ラベルが付与された領域内に欠陥が有ると判定することを特徴とする電子部品の外観検査方法。
【請求項3】 前記撮影した画像の領域内に、前記ラベルを付与する対象から除外される領域が設定されることを特徴とする請求項2記載の電子部品の外観検査方法。
【請求項4】 前記ラベルが付与された領域の面積を求め、前記面積に基づいて欠陥の有無を判定するのに代えて、前記ラベルが付与された領域毎の外周上の最も離れた2点間の距離を求め、前記距離が予め設定された値以上の場合は、前記ラベルが付与された領域内に欠陥が有ると判定することを特徴とする請求項2又は3の何れかに記載の電子部品の外観検査方法。
【請求項5】 前記ラベルが付与された領域の面積を求め、前記面積に基づいて欠陥の有無を判定するのに代えて、前記ラベルが付与された領域の面積と、前記ラベルが付与された領域の外周上の最も離れた2点間の距離とを求め、前記面積が予め設定された第1の値以上の場合、又は前記距離が予め設定された第2の値以上の場合は、前記ラベルが付与された領域内に欠陥が有ると判定することを特徴とする請求項2又は3の何れかに記載の電子部品の外観検査方法。
【請求項6】 検査対象物の表面の画像を撮影する撮像手段と、前記撮影した画像を複数の単位領域に分割して、前記各単位領域毎に、前記撮影した画像の濃淡レベルの分布をそれぞれ求める単位領域内濃淡レベル分布算出手段と、前記各単位領域内における濃淡レベルの分布中、最多頻度の前記濃淡レベルから予め設定されたオフセット値を差し引いて、前記各単位領域における二値化レベルを求めるサンプリング座標別二値化レベル算出手段と、前記撮影した画像の各座標における二値化レベルを、前記各単位領域における二値化レベルに基づいて補間演算によりそれぞれ求める画素座標別二値化レベル算出手段と、前記撮影した画像の各座標における各濃淡レベルと、前記求めた各座標における二値化レベルとをそれぞれ比較し、前記各濃淡レベルが前記各二値化レベルより小さい座標に欠陥が存在すると判定する二値化手段とを具備することを特徴とする電子部品の外観検査装置。
【請求項7】 検査対象物の表面の画像を撮影する撮像手段と、前記撮影した画像を複数の単位領域に分割して、前記各単位領域毎に、前記撮影した画像の濃淡レベルの分布をそれぞれ求める単位領域内濃淡レベル分布算出手段と、前記各単位領域内における濃淡レベルの分布中、最多頻度の前記濃淡レベルから予め設定されたオフセット値を差し引いて、前記各単位領域における二値化レベルを求めるサンプリング座標別二値化レベル算出手段と、前記撮影した画像の各座標における二値化レベルを、前記各単位領域における二値化レベルに基づいて補間演算によりそれぞれ求める画素座標別二値化レベル算出手段と、前記撮影した画像の各座標における各濃淡レベルと、前記求めた各座標における二値化レベルとをそれぞれ比較し、前記各濃淡レベルが前記各二値化レベルより小さい座標を求める二値化手段と、前記求められた座標が連続する領域にラベルを付与するラベル付け手段と、前記ラベルが付与された領域の面積が予め設定された値以上である場合は、前記ラベルが付与された領域内に欠陥が有ると判定する判定手段とを具備することを特徴とする電子部品の外観検査装置。
【請求項8】 前記ラベル付け手段は、前記撮影した画像の領域内に、前記ラベルを付与する対象から除外される領域を設定することを特徴とする請求項7記載の電子部品の外観検査装置。
【請求項9】 前記判定手段は、前記ラベルが付与された領域の面積を求め、前記面積に基づいて欠陥の有無を判定するのに代えて、前記ラベルが付与された領域毎の外周上の最も離れた2点間の距離を求め、前記距離が予め設定された値以上の場合は、前記ラベルが付与された領域内に欠陥が有ると判定することを特徴とする請求項7又は8の何れかに記載の電子部品の外観検査装置。
【請求項10】 前記判定手段は、前記ラベルが付与された領域の面積を求め、前記面積に基づいて欠陥の有無を判定するのに代えて、前記ラベルが付与された領域の面積と、前記ラベルが付与された領域の外周上の最も離れた2点間の距離とを求め、前記面積が予め設定された第1の値以上の場合、又は前記距離が予め設定された第2の値以上の場合は、前記ラベルが付与された領域内に欠陥が有ると判定することを特徴とする請求項7又は8の何れかに記載の電子部品の外観検査装置。
【請求項11】 検査対象物の表面の画像を撮影し、前記撮影した画像を複数の単位領域に分割して、前記各単位領域毎に、前記撮影した画像の濃淡レベルの分布をそれぞれ求め、前記各単位領域内における濃淡レベルの分布中、最多頻度の前記濃淡レベルから予め設定されたオフセット値を差し引いて、前記各単位領域における二値化レベルを求め、前記撮影した画像の各座標における二値化レベルを、前記各単位領域における二値化レベルに基づいて補間演算によりそれぞれ求め、前記撮影した画像の各座標における各濃淡レベルと、前記求めた各座標における二値化レベルとをそれぞれ比較し、前記各濃淡レベルが前記各二値化レベルより小さい座標に欠陥が存在すると判定することを特徴とする電子部品の外観検査処理をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録した記録媒体。
【請求項12】 検査対象物の表面の画像を撮影し、前記撮影した画像を複数の単位領域に分割して、前記各単位領域毎に、前記撮影した画像の濃淡レベルの分布をそれぞれ求め、前記各単位領域内における濃淡レベルの分布中、最多頻度の前記濃淡レベルから予め設定されたオフセット値を差し引いて、前記各単位領域における二値化レベルを求め、前記撮影した画像の各座標における二値化レベルを、前記各単位領域における二値化レベルに基づいて補間演算によりそれぞれ求め、前記撮影した画像の各座標における各濃淡レベルと、前記求めた各座標における二値化レベルとをそれぞれ比較し、前記各濃淡レベルが前記各二値化レベルより小さい座標を求め、前記求められた座標が連続する領域にラベルを付与し、前記ラベルが付与された領域の面積が予め設定された値以上である場合は、前記ラベルが付与された領域内に欠陥が有ると判定することを特徴とする電子部品の外観検査処理をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録した記録媒体。
【請求項13】 前記撮影した画像の領域内に、前記ラベルを付与する対象から除外される領域が設定されることを特徴とする請求項12記載の電子部品の外観検査処理をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録した記録媒体。
【請求項14】 前記ラベルが付与された領域の面積を求め、前記面積に基づいて欠陥の有無を判定するのに代えて、前記ラベルが付与された領域毎の外周上の最も離れた2点間の距離を求め、前記距離が予め設定された値以上の場合は、前記ラベルが付与された領域内に欠陥が有ると判定することを特徴とする請求項12又は13の何れかに記載の電子部品の外観検査処理をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録した記録媒体。
【請求項15】 前記ラベルが付与された領域の面積を求め、前記面積に基づいて欠陥の有無を判定するのに代えて、前記ラベルが付与された領域の面積と、前記ラベルが付与された領域の外周上の最も離れた2点間の距離とを求め、前記面積が予め設定された第1の値以上の場合、又は前記距離が予め設定された第2の値以上の場合は、前記ラベルが付与された領域内に欠陥が有ると判定することを特徴とする請求項12又は13の何れかに記載の電子部品の外観検査処理をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録した記録媒体。

【図1】
image rotate


【図4】
image rotate


【図2】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図3】
image rotate


【図8】
image rotate


【図10】
image rotate


【図11】
image rotate


【図9】
image rotate


【図12】
image rotate


【公開番号】特開2000−161929(P2000−161929A)
【公開日】平成12年6月16日(2000.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−338174
【出願日】平成10年11月27日(1998.11.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】