説明

MEMSおよびMEMS製造方法

【課題】MEMSの特性を均一化する。
【解決手段】梁部と錘部と接続部とを備え前記接続部によって前記梁部に前記錘部が接続されているMEMSの製造方法であって、バルク材からなり前記錘部となる基部の平坦面に形成され前記基部を残してエッチング可能な材料からなる犠牲層に、前記基部を露出させる通孔を形成し、前記犠牲層とともにエッチングされない材料の堆積によって前記通孔内に前記接続部の少なくとも表層を形成し、前記基部の前記通孔を囲む位置に前記犠牲層を露出させる環状溝を形成し、前記環状溝から露出している前記犠牲層を等方性エッチングによって除去することを含み、前記接続部の表層となる材料の堆積によって前記犠牲層の上において前記梁部と前記接続部と前記錘部とが一体となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はMEMSおよびMEMS製造方法に関し、特に梁および錘の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、錘部が接続された梁部の変位を電気信号に変換する、加速度センサ、振動ジャイロスコープ、圧力センサ、振動センサ、マイクロホン、力覚センサなどのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)が知られている。特許文献1〜4には梁部と錘部とが空隙を間に挟んで重なり合う構造を有する加速度センサが記載されている。梁部と錘部とが空隙を間に挟んで重なり合う構造をMEMSに採用すると、梁部の剛性を低減して感度を高めつつ小型化することができる。特許文献1に記載された加速度センサの構造は、基板に形成された凹部の表面に犠牲層を形成し、犠牲層の表面に錘部となる金属材料をメッキ成長させ、犠牲層を除去することにより錘部と梁部との間に空隙を形成する。特許文献2、3、4に記載された加速度センサの構造は2つの板または膜の接合によって形成される。
【特許文献1】特開平8−274349号公報
【特許文献2】特開平8−248061号公報
【特許文献3】特開平9−15257号公報
【特許文献4】特開平6−342006号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載されているように金属材料のメッキ成長によって錘部全体を形成すると、メッキ成長のばらつきが大きいために錘部の形状が大きくばらつく。また基板の凹部の表面に形成するレジスト膜の厚さを均一にすることは困難である。したがって、特許文献1に記載された製造方法では加速度センサの特性のばらつきが大きくなるという問題がある。また特許文献2,3,4に記載されているように、互いに独立に形成される2つの部材を接合すると、アライメント誤差や接合によって生ずる応力によって加速度センサの特性がばらつきが大きくなるという問題がある。
【0004】
本発明はこれらの問題を解決するために創作されたものであって、MEMSの特性を均一化することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記目的を達成するためのMEMS製造方法は、梁部と錘部と接続部とを備え接続部によって梁部に錘部が接続されているMEMSの製造方法であって、バルク材からなり錘部となる基部の平坦面に形成され基部を残してエッチング可能な材料からなる犠牲層に、基部を露出させる通孔を形成し、犠牲層とともにエッチングされない材料の堆積によって通孔内に接続部の少なくとも表層を形成し、基部の通孔を囲む位置に犠牲層を露出させる環状溝を形成し、環状溝から露出している犠牲層を等方性エッチングによって除去することを含み、接続部の表層となる材料の堆積によって犠牲層の上において梁部と接続部と錘部とが一体となる。
【0006】
犠牲層の通孔と基部の環状溝はフォトレジストなどの保護膜を用いたエッチングや堆積などによって形状精度よく形成できる。基部の平坦面にはばらつきの小さい厚さの犠牲層を形成できる。環状溝の内側に残るバルク材からなる基部は錘部となる。通孔内に形成され錘部と梁部とを接続する接続部の表層は犠牲層を除去する工程におけるエッチングストッパとなる。したがって本発明によるとMEMSの可動部を構成する錘部と接続部と梁部の形状精度を向上させることができる。さらに材料の堆積によって錘部と接続部と梁部とを一体化する場合、直接接合などの接合によって一体化する場合に比べると一体化に伴う応力を低減できる。したがって本発明によるとMEMSの特性を均一化することができる。
【0007】
(2)上記目的を達成するためのMEMS製造方法において、錘部と犠牲層と梁部とはSOIウエハからなり、通孔はSOIウエハの絶縁層である犠牲層とSOIウエハの薄い方の半導体層である梁部とを貫通する。
錘部と梁部の材料にSOI(Silicon On Insulator)ウエハを用いることにより、錘部と梁部の結晶構造のばらつきから生ずる特性のばらつきを最小化することができる。
【0008】
(3)上記目的を達成するためのMEMS製造方法において、接続部の表層となる材料はシリコンである。
錘部と梁部の材料にSOI(Silicon On Insulator)ウエハを用いるとともに接続部の表層となる材料にシリコンを用いることにより、錘部と接続部と梁部との一体化に伴う応力をさらに低減できる。
【0009】
(4)上記目的を達成するためのMEMS製造方法は、接続部の表層となる膜を基部および梁部の表面に形成し、接続部の表層となる膜の表面に接続部の残部となる膜を形成する、ことを含む。
接続部を複層構造とすることにより、錘部と接続部と梁部との一体化による応力、強度、剛性、製造コストといった複数の特性を高いレベルで実現できる。
(5)上記目的を達成するためのMEMS製造方法において、接続部の表層となる膜の表層全体を梁部が露出するまで異方性エッチングし、接続部の表層となる膜の通孔の側面に残った部分である側壁部を覆うように接続部の残部となる膜を形成する。
側壁部を形成することにより、接続部となる膜の形成によるボイド発生を抑止できる。
【0010】
(6)上記目的を達成するためのMEMS製造方法において、接続部の表層となる膜の表面に接続部の残部の表層となる膜を形成し、接続部の残部の表層となる膜の表層全体を梁部が露出するまで異方性エッチングし、接続部の残部の表層となる膜の通孔の側面に残った側壁部を覆うように接続部の残部の基層となる膜を形成する。
側壁部を形成することにより、接続部となる膜の形成によるボイド発生を抑止できる。また接続部を複層構造とすることにより、錘部と接続部と梁部との一体化による応力、強度、剛性、製造コストといった複数の特性を高いレベルで実現できる。
【0011】
(7)上記目的を達成するためのMEMS製造方法は、シリコンウエハからなる基部の表面に犠牲層を形成し、犠牲層および通孔から露出した基部の表面に犠牲層とともにエッチングされない材料の堆積によって接続部および梁部を同時に形成する、ことを含む。
接続部および梁部を堆積によって同時に形成することにより、接続部と梁部の一体化に伴う応力をさらに低減でき、また接続部と梁部の結合強度を低減できる。
【0012】
(8)上記目的を達成するためのMEMSは、梁部と、バルク材料からなり空隙を間に挟んで梁部と対向している錘部と、堆積膜からなり梁部と錘部とを接続している接続部とを備え、梁部に形成されている通孔の側面と接続部の側面とで梁部と接続部とが結合している。
本発明のMEMSは、梁部に通孔を形成し、接続部となる材料を犠牲層の通孔内に堆積させることによって、梁部と接続部と錘部とを一体化できる構造を有する。したがって直接接合などの接合によって梁部と接続部と錘部とが一体化される構造に比べると一体化に伴う応力を低減できる。したがって本発明によるとMEMSの特性を均一化することができる。
【0013】
(9)上記目的を達成するためのMEMSは、梁部と、バルク材料からなり空隙を間に挟んで梁部と対向している錘部と、梁部と錘部とを接続している接続部とを備え、梁部と接続部とは同一の堆積膜からなる。
本発明のMEMSは、梁部と接続部となる材料を通孔を有する犠牲層の表面に堆積させることによって、梁部と接続部と錘部とを一体化できる構造を有する。したがって直接接合などの接合によって梁部と接続部と錘部とが一体化される構造に比べると一体化に伴う応力を低減できる。また犠牲層に相当する膜のエッチングによって犠牲層に相当する膜からなる接続部を形成する場合に比べると、梁部と接続部とを構成している堆積膜自体がエッチングストッパとなるため、接続部によって変形が制限されない梁部の長さを設計値通りに制御できる。したがって本発明によるとMEMSの特性を均一化することができる。また梁部と接続部との界面が存在しないため梁部と接続部との結合強度が高い。
【0014】
尚、請求項において「〜上に」というときは、技術的な阻害要因がない限りにおいて「上に中間物を介在させずに」と「〜上に中間物を介在させて」の両方を意味する。また、請求項に記載された動作の順序は、技術的な阻害要因がない限りにおいて記載順に限定されず、同時に実行されても良いし、記載順の逆順に実行されても良いし、連続した順序で実行されなくても良い。また、請求項に記載された動作の順序は、技術的な阻害要因がない限りにおいて記載順に限定されず、同時に実行されても良いし、記載順の逆順に実行されても良いし、連続した順序で実行されなくても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。尚、各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
1.第一実施形態
(構成)
本発明のMEMSの第一実施形態であるモーションセンサを図1A、図1Bに示す。
【0016】
モーションセンサ1は梁部131と錘部111と接続部31と支持部32と枠体112とを備えている。梁部131は平面視がほぼ十文字である膜または板の形態を有する。梁部131の4カ所の端部は環状の支持部32によって枠体112に結合されている。枠体112の内側に位置する錘部111は、バルク材料であるSOIウエハのベースウエハからなり、直方体の形態を有する。錘部111は空隙Gを間に挟んで梁部131と対向している。すなわち平面視が矩形の錘部111の一部が平面視が十文字の梁部131に重なっている。梁部131の中央部と錘部111の中央部とは接続部31によって接続されている。梁部131の中央部に形成されている通孔H1の側面に接続部31の側面が結合している。梁部131の中央部と接続部31と錘部111の中央部とは一体に振動するが、梁部131と錘部111との間の空隙Gの高さの振幅は錘部111の中央部から外周に向かって大きくなる。
【0017】
梁部131はSOIウエハの薄い方の半導体層13と、半導体層13の表面に結合している絶縁層20とからなる積層構造体である。半導体層13にはピエゾ抵抗部132と低抵抗部133とが形成されている。絶縁層20の表面には絶縁層40が結合している。従って実際には絶縁層40を含めて梁部を構成しているが、本明細書全体の用語法を統一するため、本実施形態においては梁部131は半導体層13と絶縁層20から構成されているものとして説明する。
【0018】
絶縁層20と絶縁層40とには複数のコンタクトホールH3が形成されている。絶縁層40の表面には配線51が形成されている。配線51はコンタクトホールH3を介して低抵抗部133に結合している。すなわち配線51とピエゾ抵抗部132とは低抵抗部133を介して電気的に接続されている。配線51は加速度や角速度を検出するための図示しない信号処理回路に接続されている。
モーションセンサ1は以下に述べる方法によって製造することによって均一な特性を持つように製造可能な構造である。
【0019】
(製造方法)
はじめに図2に示すように、フォトレジストからなる保護膜R1を用いてSOIウエハ10の薄い方の半導体層13に不純物を導入することによりピエゾ抵抗部132を形成する。不純物として、例えば2×1018/cmの濃度でボロン(B)イオンを注入する。イオン注入後はアニールによる活性化が行われる。SOIウエハ10は、例えばバルク材料である単結晶シリコン(Si)のベースウエハからなる厚さ625μmの基部11と二酸化シリコン(SiO)からなる厚さ1μmの絶縁層12とバルク材料である単結晶シリコンのボンドウエハからなる厚さ10μmの半導体層13とから構成される。絶縁層12は犠牲層として用いるため、以下、犠牲層12というものとする。ベースウエハからなる基部11の絶縁層12との接合面である表面は平坦に形成されている。
【0020】
次に図3に示すように半導体層13の表面に絶縁層20を形成する。絶縁層20として、例えば熱酸化またはCVDにより厚さ0.5μmの二酸化シリコンの膜を形成する。
【0021】
次に図4Aおよび図4Bに示すように、絶縁層20、半導体層13、犠牲層12に、フォトレジストからなる保護膜R2を用いてSOIウエハ10の基部11を露出させる通孔H1、H2を形成する。通孔H1、H2は、例えば反応性イオンエッチングにより形成される。通孔H1、H2を形成するとき、SOIウエハ10の基部11までオーバーエッチングされるように終点制御してもよい。その結果、基部11に凹部が形成される。このように形成される凹部は接続部と錘部との接合面積を増大させるため、接続部と錘部との接合強度を高める。またこのように形成される凹部は支持部と枠体との接合面を増大させるため、支持部と枠体との接合強度を高める。
【0022】
次に通孔H1、H2から露出した基部11と絶縁層20の表面に、犠牲層12のエッチングストッパとなる材料を堆積することにより、図5に示すように通孔H1、H2を完全に埋める接続層30を形成する。接続層30には犠牲層12に対するエッチング選択比を非常に小さくできる(すなわち犠牲層12とともに接続層30が実質的にエッチングされないエッチング方法を選択可能な)材料を用いる。接続層30として、例えばCVDによって厚さ5μmのポリシリコンの膜を形成する。接続部の表層となる接続層30と錘部となる基部11の化学的組成を共通にすることによって接続部と錘部との結合によって生ずる応力を低減できる。例えば接続層30として、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、シリコンゲルマニウム(SiGe)等の半導体の膜を形成してもよいし、窒化シリコン(Si)、窒化アルミニウム(Al)、窒化チタン(Ti)などの窒化物の膜を形成してもよいし、酸化アルミニウム(Al)、酸化タンタル(TaO)、酸化チタン(TiO)などの酸化物の膜を形成してもよいし、タングステンシリサイド(WSi)、モリブデンシリサイド(MoSi)、チタンシリサイド(TiSi)等のシリサイド化合物の膜を形成してもよいし、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、金(Au)等の金属の膜を形成してもよい。
【0023】
次に図6に示すようにエッチバックのための被膜R3を接続層30の表面に形成する。被膜R3の材料には、接続層30とのエッチング選択比をほぼ1にできる材料を選択する。例えば、フォトレジスト、SOG(Spin On Glass)、ポリイミドを塗布しベークすることにより表面が平坦な被膜R3を形成する。
【0024】
次に図7に示すように被膜R3と接続層30のエッチング選択比がほぼ1:1の条件において、絶縁層20が露出するまで接続層30の表層を被膜R3もろともにエッチバックして除去する。その結果、梁部となる半導体層13と絶縁層20とに一体に結合された接続部31および支持部32が形成される。すなわち梁部となる半導体層13と絶縁層20と、錘部となる基部11と接続部とは、接続部31となる接続層30の材料の堆積によって犠牲層12の上において一体となる。
【0025】
次に図8に示すように絶縁層20と接続層30の表面に絶縁層40を形成する。絶縁層40として、例えばCVDにより二酸化シリコン(SiO)の膜を形成する。絶縁層40としてPSG(Phospho Silicate Grass)、BPSG(Boro- Phospho Silicate Grass)、窒化シリコン(Si)などの膜を形成してもよい。
【0026】
次に図9に示すようにフォトレジストからなる保護膜R4を用いて絶縁層20、40にコンタクトホールH3を形成し、ピエゾ抵抗部132を露出させる。コンタクトホールH3は、例えばCFガスを用いた反応性イオンエッチングによって絶縁層20、40を異方的にエッチングすることによって形成する。フッ酸(HF)または緩衝フッ酸(BHF)を用いたウエットエッチングによってコンタクトホールH3を形成してもよい。
【0027】
次にコンタクトホールH3から露出しているピエゾ抵抗部132に不純物を導入することにより図10に示すように低抵抗部133を形成する。不純物として、例えば2×1020/cmの濃度でボロンイオンを注入する。イオン注入後はアニールによる活性化が行われる。
【0028】
次に図11に示すようにコンタクトホールH3から露出している低抵抗部133と絶縁層40の表面に配線層50を形成する。配線層50として、例えばスパッタリングによって0.3μmの厚さのアルミニウム(Al)の膜を形成する。配線層50として銅やアルミシリコン(AlSi)の膜を形成してもよい。
【0029】
次に図12に示すようにフォトレジストからなる保護膜R5を用いて配線層50をエッチングすることにより配線51を形成する。配線51は、例えば塩素(Cl)ガスを用いた反応性イオンエッチングによりアルミニウムからなる配線層50をエッチングすることにより形成する。
【0030】
次に図13A、図13B、図13Cに示すように、フォトレジストからなる保護膜R6を用いて絶縁層40、20および半導体層13に通孔H4を形成することにより、絶縁層20および半導体層13からなる梁部131を形成する。通孔H4は、例えばCHFガスを用いた反応性イオンエッチングにより絶縁層20と絶縁層40をエッチングし、続いてCFガスおよびOガスを用いた反応性イオンエッチングにより半導体層13をエッチングすることにより形成する。通孔H4はフッ酸や緩衝フッ酸を用いたウエットエッチングによって形成してもよい。
【0031】
次に図14に示すようにワークの配線51が形成されている面を補強板60に接着する。接着剤Bとして、例えばワックス、フォトレジスト、両面粘着シート等を用いる。
【0032】
次に図15Aおよび図15Bに示すようにフォトレジストからなる保護膜R7を基部11の裏面に形成する。続いて、基部11の接続部31を囲む位置に、すなわち基部11の通孔H1を囲む位置に、保護膜R7を用いて環状溝Sを形成し、犠牲層12を露出させる。環状溝Sを形成することにより、基部11からなる錘部111が形成され、基部11は枠体112と錘部111とに分断される。環状溝Sは、パッシベーションとエッチングのステップを短い時間間隔で交互に繰り返すDeep−RIE(いわゆるボッシュプロセス)によって形成する。
【0033】
次に、環状溝Sから露出している犠牲層12を等方性エッチングによって除去すると錘部111と梁部131との間の空隙Gが形成される(図1参照)。このとき接続部31がエッチングストッパとして機能する。その後、ワークから接着剤Bを除去し、ダイシング等の後工程を実施すると図1に示すモーションセンサ1が完成する。
【0034】
以上説明したモーションセンサ1の製造方法では、錘部111となる基部11と梁部131となる絶縁層20の表面に、接続部となる接続層30を形成するため、接続部31となる材料の堆積によって犠牲層12の上において梁部131と接続部31と錘部111とが一体となる。したがって直接接合を用いてこれらを結合する場合に比べ、結合による生ずる応力が小さく、アライメントによる寸法誤差が小さいモーションセンサを製造することができる。また犠牲層12のエッチングによって犠牲層12からなる接続部を形成する場合に比べると、梁部131と接続部31とを構成している堆積膜自体がエッチングストッパとなるため、接続部31によって変形が制限されない梁部131の長さの精度を高めることができる。すなわち以上説明した方法によると、特性のばらつきが小さいモーションセンサ1を製造することができる。
【0035】
2.第二実施形態
(構成)
本発明のMEMSの第二実施形態であるモーションセンサを図16に示す。
モーションセンサ2の接続部31は側壁部311と残部の膜70とからなる二層構造である。側壁部311は通孔H1の側面に結合している筒状の形態を有する。側壁部311の下端は錘部111に結合している。側壁部311の上端面は外周面から内周面に向かってなだらかに落ち込む角のない形態を有している。残部の膜70は側壁部311の内周面と通孔H1の内周面と錘部111の凹部114とに結合し、通孔H1を側壁部311とともに完全に埋める形態を有する。
【0036】
モーションセンサ2の支持部32は側壁部321と残部の膜70とからなる二層構造である。支持部32の側壁部321と接続部31の側壁部311とは同一の材料からなる。支持部32の残部の膜70と接続部31の残部の膜70とも同一の材料からなる。
モーションセンサ2は以下の方法で製造することにより歩留まりよく製造できる構造を有する。
【0037】
(製造方法)
はじめに第一実施形態と同様に、通孔H1、H2、接続層30を形成する。ただし接続層30は図17に示すように通孔H1、H2を埋めない例えば0.5μmの厚さとする。接続層30の表面は通孔H1、H2の縁の近傍がなだらかな曲面となる。接続層30を薄くすることにより、接続層30にボイドが生じにくくなる。
【0038】
次に図18に示すように接続層30の表面全体を、絶縁層20が露出するまで異方的にエッチングする。その結果、通孔H1、H2の内側にのみ接続層30が残存する。通孔H1の内側に筒状に残った接続層30は接続部の側壁部311となる。すなわち接続層30は接続部の表層の一部となる。通孔H2の内側に筒状に残った接続層30は支持部の側壁部321となる。接続層30の表面全体をエッチングするとき、SOIウエハ10の基部11までオーバーエッチングされるように終点制御する。その結果、通孔H1の下方において基部11に凹部114が形成される。また通孔H2の下方において基部11に凹部115が形成される。凹部114は接続部と錘部との接合面を増大させるため、接続部と錘部との接合強度を高める。凹部115は支持部と枠体との接合面積を増大させるため、支持部と枠体との接合強度を高める。接続層30は例えばCFガスを用いた反応性イオンエッチングにより異方的にエッチングされる。
【0039】
次に図19に示すように側壁部311、321を覆い通孔H1、H2が完全に埋まるように、接続部の残部となる膜70を形成する。このとき側壁部311、321の上端が角のないなだらかな曲面であるため接続部の残部となる膜70にボイドなどの欠陥が生じにくい。したがって製造歩留まりが向上する。接続部の残部となる膜70として、例えばCVDによって厚さ10μmの二酸化シリコン、窒化シリコンの膜を形成する。接続部の残部となる膜70の材料は応力、強度、剛性、製造コストといった要素を勘案して選択すればよく、犠牲層12のエッチングストッパとして機能しない材料を選択できる。
【0040】
次に図20、図21に示すように、被膜R3を用いた異方性エッチングにより、接続部の残部となる膜70の表層を被膜R3もろともに絶縁層20が露出するまで除去する。その結果、通孔H1、H2の内側にのみ膜70が残存し、接続部31と支持部32とが形成される。接続部31の残部となる膜70のエッチングでは、膜70と被膜R3とのエッチング選択比を1:1に近づける。
【0041】
次に図22に示すように保護膜R4を用いて絶縁層20にコンタクトホールH3を形成し、ピエゾ抵抗部132を露出させる。コンタクトホールH3は、例えばCFガスを用いた反応性イオンエッチングによって絶縁層20を異方的にエッチングすることによって形成する。フッ酸または緩衝フッ酸を用いたウエットエッチングによってコンタクトホールH3を形成してもよい。
【0042】
その後、第一実施形態と同様に配線51、環状溝Sを形成し、犠牲層12を除去する工程などを実施すると、図17に示すモーションセンサ2が完成する。犠牲層12を除去する工程では側壁部311、322がエッチングストッパとして機能する。
【0043】
3.第三実施形態
(構成)
本発明のMEMSの第三実施形態であるモーションセンサを図23に示す。
モーションセンサ3の接続部31は表層の接続層30と残部の膜70とからなる二層構造である。表層の接続層30は通孔H1、H2の側面と絶縁層20の表面に結合している。このため接続部31と梁部131との結合も支持部32と梁部131との結合も第一実施形態および第二実施形態に比べて強固である。通孔H1、H2の内側において接続層30は有底筒状に形成され、接続層30の底面が錘部111と枠体112とに結合している。モーションセンサ3は接続部31の接続層30と残部の膜70との材質を変えることができるため、応力、強度、剛性、製造コストといった複数の特性を高いレベルで実現できる。
【0044】
(製造方法)
はじめに第一実施形態と同様に、犠牲層12、半導体層13、絶縁層20に通孔H1、H2を形成する。
次に図24に示すように通孔H1、H2から露出したSOIウエハ10の基部11の表面と絶縁層20の表面に接続部の表層となる接続層30を形成する。接続層30には犠牲層12および配線層に対するエッチング選択比を非常に小さくできる(すなわち実質的に犠牲層12とともに実質的にエッチングされないエッチング方法を選択可能な)材料を用いる。また接続層30の厚さは通孔H1、H2が埋まらない厚さとする。具体的には例えば接続層30として、CVDによって厚さ0.2μmの窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン等の膜を形成する。接続層30を薄く形成することによりボイドが生じにくくなり接合層30に硬い材料を用いても剥離しにくくなる。
【0045】
次に図25に示すように、接続層30の表面に接続部の残部の膜70を通孔H1、H2が完全に埋まる厚さになるまで形成する。接続部の残部の膜70として、例えばCVDにより厚さ10μmの二酸化シリコン、多結晶シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、タングステンシリサイド、モリブデンシリサイド、チタンシリサイドなどの窒化物、酸化物、シリサイド化合物からなる絶縁膜や銅からなる導電膜を形成する。接続部の残部の膜70の材料は応力、強度、剛性、製造コストといった要素を勘案して選択すればよく、犠牲層12のエッチングストッパとして機能しない材料を選択できる。
【0046】
次に図26に示すように接続層30が露出するまで接続部の残部の膜70の表層を除去して平坦化する。膜70の平坦化は例えばCMPによって実施する。二酸化シリコンからなる膜70をCMPによって平坦化すると窒化シリコンからなる接続層30がエッチングストッパとして機能する。その結果、接続層30と膜70とからなる接続部31が通孔H1の内側に形成される。また接続層30と膜70とからなる支持部32が通孔H2の内側に形成される。
その後、第一実施形態と同様に配線51、環状溝Sなどを形成し、犠牲層12を除去する工程などを実施するとモーションセンサ3が完成する。
【0047】
4.第四実施形態
(構成)
本発明のMEMSの第四実施形態であるモーションセンサを図27に示す。
モーションセンサ4の接続部31は接続層30と側壁部311と残部の膜70とからなる三層構造である。側壁部311は通孔H1の内部において接続層30の表面(内周面)に結合している。残部の膜70は側壁部311の内周面と接続層30に結合し、接続層30と側壁部311とともに通孔H1を完全に埋める形態を有する。
【0048】
モーションセンサ4の支持部32は接続層30と側壁部321と残部の膜70とからなる三層構造である。支持部32の側壁部321と接続部31の側壁部311とは同一の材料からなる。支持部32の残部の膜70と接続部31の残部の膜70とも同一の材料からなる。
【0049】
モーションセンサ4は接続部31の接続層30と残部の膜70との材質を変えることができるため、応力、強度、剛性、製造コストといった複数の特性を高いレベルで実現でき、また歩留まりよく製造できる構造を有する。
【0050】
(製造方法)
はじめに第三実施形態と同様に接続層30を形成する。接続層30として、例えばCVDにより厚さ0.5μmの窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンの膜を形成する。
【0051】
次に図28、図29に示すように第二実施形態と同様に側壁部311、321を形成する。側壁部311、321となる中間層33の材料としては、多結晶シリコン、窒化アルミニウム、窒化チタン、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、タングステンシリサイド、モリブデンシリサイド、チタンシリサイド、銅、ニッケル、白金、金などを用いる。
【0052】
次に図30、31に示すように第二実施形態と同様に接続部31の残部の膜70を形成し、残部の膜70の表層を平坦化して接続部31および支持部32を形成する。
【0053】
その後、配線51、環状溝Sなどを形成し、犠牲層12を除去する工程などを実施するとモーションセンサ4が完成する。
【0054】
5.第五実施形態
(構成)
本発明のMEMSの第五実施形態であるモーションセンサを図32A、図32B、図33に示す。
モーションセンサ5の接続部31および支持部32の層構造は第三実施形態と同じである。モーションセンサ5の梁部131は、中央部に錘部111が結合しているとともにその外周が支持部32に結合されているダイヤフラム型である。また梁部131には圧電部が形成されていない。かわりに接合層30の梁部131の上に位置する部分には駆動用の圧電素子801と検出用の圧電素子800とが結合している。圧電素子800、801はいずれも下層電極膜80と上層電極膜82とに圧電膜81が挟まれた層構造を有する。モーションセンサ5の錘部111には図33に示すように複数の通孔H5が形成されている。
【0055】
(製造方法)
はじめに図34に示すようにSOIウエハ10の表面すなわち半導体層13の表面に絶縁層20を形成する。
【0056】
次に図35に示すように絶縁層20、半導体層13、犠牲層12をフォトレジストからなる保護膜R8を用いてエッチングすることにより梁部131および通孔H1、H2を形成しSOIウエハ10の基部11を露出させる。
【0057】
次に図36に示すように通孔H1、H2から露出した基部11と絶縁層20の表面に接続部の表層となる接続層30を形成する。次に接続層30の表面に接続部の残部となる膜70を形成することにより通孔H1を完全に埋める。
【0058】
次に第三実施形態と同様に接続部の残部となる膜70を接続層30が露出するまでエッチバックすることにより、図37に示すように接続層30と膜70とからなる接続部31と支持部32とを形成する。
【0059】
次に接続層30と接続部31の残部となる膜70の表面上に、図38に示すように下層電極膜80、圧電膜81、上層電極膜82を順に形成する。下層電極膜80、上層電極膜82として、例えばスパッタリングによって厚さ0.1μmの白金の膜を形成する。圧電膜81として例えばスパッタリングによって厚さ3μmのPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)の膜を形成する。
【0060】
次に図示しないフォトレジストからなる2つまたは3つの保護膜を用いて上層電極膜82、圧電膜81、下層電極膜80をそれぞれエッチングすることにより、図39に示すように駆動用の圧電素子801と検出用の圧電素子800とを形成する。上層電極膜82、圧電膜81、下層電極膜80は、例えばアルゴンイオンを用いたミリングによって異方的にエッチングする。
【0061】
次に図40に示すように図示しないフォトレジストからなる保護膜を用いてSOIウエハ10の基部11に環状溝Sおよび通孔H5を形成し、犠牲層12を露出させる。
【0062】
次に犠牲層12をエッチングにより除去する工程などを実施すると、モーションセンサ5が完成する。犠牲層12をエッチングするとき、錘部111に通孔H5が複数形成されているため、エッチングの所要時間が短縮される。
【0063】
6.第六実施形態
(構成)
本発明のMEMSの第六実施形態であるモーションセンサを図41に示す。
モーションセンサ6の錘部111と枠体112とは単結晶シリコンのバルク材料である基板90からなる。モーションセンサ6の接続部31、梁部131および支持部32はいずれもエピタキシャル層92および絶縁層20からなる同一の層構造を有する。すなわち接続部31、梁部131および接続部32は同一の堆積膜からなり、接続部31、梁部131および接続部32の間には界面が存在しない。接続部31の表層を構成するエピタキシャル層92の中央部は錘部111に結合している。梁部131を構成するエピタキシャル層92の中間部には第一実施形態と同様にピエゾ抵抗部132と低抵抗部133が形成されている。支持部32を構成するエピタキシャル層92の外周部は枠体112に結合している。
【0064】
モーションセンサ6は梁部131と接続部31とが錘部111の上に形成される同一の堆積膜からなるため、直接接合によって接続部31と梁部131と錘部111を結合する構造に比べ、これらを結合することにより生ずる応力が小さくなる。また犠牲層のエッチングによって犠牲層からなる接続部31を形成する場合に比べると、梁部131と接続部31とを構成している堆積膜自体がエッチングストッパとなるため、接続部31によって変形が制限されない梁部131の長さ精度を高めることができる。したがって、均一な特性に製造できる構造を有する。
【0065】
(製造方法)
はじめに図42に示すように、バルク材であるn型の単結晶シリコンウエハからなる基部としての基板90の表面に犠牲層91を形成する。基板90の表面は十分に平坦に加工されている。犠牲層91には基板90に対するエッチング選択比が大きな条件でエッチング可能な材料を用いる。例えば犠牲層91として、p型のシリコンからなる膜をエピタキシャル成長によって形成する。犠牲層91をエピタキシャル成長させるのは、ピエゾ抵抗部132を有するエピタキシャル層92を犠牲層91の表面に形成するためである。
【0066】
次に図示しないフォトレジストからなる保護膜を用いて図43に示すように犠牲層91をエッチングすることにより、通孔H1、H2を形成し、基板90の表面を露出させる。この際、犠牲層91のパターンは梁部131と錘部111との間の空隙のパターンに対応させる。犠牲層91は、例えば基板90の裏面をワックスで保護し、アルミナからなる支持板に基板90の裏面を接着した状態でエッチング液に浸漬し、電気化学エッチングすることにより、基板90をエッチングストッパとして選択的にエッチングすることができる。
【0067】
次に図44に示すように通孔H1、H2から露出している基板90と犠牲層91の表面にエピタキシャル層92を形成する。エピタキシャル層92の材料には、エピタキシャル層92に対する犠牲層91のエッチング選択比を大きくできる材料を用いる。接続部の表層と梁部の表層となるエピタキシャル層92が錘部となる基板90の表面にエピタキシャル成長することによって形成されるため、錘部と接合部との結合が強固になるとともに結合による応力を小さくすることができる。また接続部の表層と梁部の表層が同時に形成されるため、接続部のと梁部の表層の接合界面がなくなり、接続部と梁部との結合が強固になる。例えばエピタキシャル層92として、n型のシリコンをエピタキシャル成長させる。
【0068】
次に図45に示すように、エピタキシャル層92にピエゾ抵抗部132を第一実施形態と同様に形成する。
【0069】
次に図46に示すように、エピタキシャル層92の表面に第一実施形態と同様に絶縁層20を形成する。その結果、接続部の基層と梁部の基層が同時に形成されるため、接続部の基層と梁部の基層の接合界面がなくなり、接続部と梁部との結合がさらに強固になる。
【0070】
次に図47に示すように、第一実施形態と同様に絶縁層20にコンタクトホールH3を形成する。
【0071】
その後、第一実施形態と同様に低抵抗部133、配線51、環状溝Sを形成する工程などを実施すると、モーションセンサ6が完成する。
【0072】
7.他の実施形態
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態で示した材質や寸法や成膜方法やパターン転写方法はあくまで例示であるし、当業者であれば自明である工程の追加や削除や工程順序の入れ替えについては説明が省略されている。また例えば、上述した製造工程において、膜の組成、成膜方法、膜の輪郭形成方法、工程順序などは、膜材料の組み合わせや、膜厚や、要求される輪郭形状精度などに応じて適宜選択されるものであって、特に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1Aは本発明の第一実施形態にかかる断面図。図1Bは本発明の第一実施形態にかかる平面図。
【図2】本発明の第一実施形態にかかる断面図。
【図3】本発明の第一実施形態にかかる断面図。
【図4】図4Aは本発明の第一実施形態にかかる断面図。図4Bは本発明の第一実施形態にかかる平面図。
【図5】本発明の第一実施形態にかかる断面図。
【図6】本発明の第一実施形態にかかる断面図。
【図7】本発明の第一実施形態にかかる断面図。
【図8】本発明の第一実施形態にかかる断面図。
【図9】本発明の第一実施形態にかかる断面図。
【図10】本発明の第一実施形態にかかる断面図。
【図11】本発明の第一実施形態にかかる断面図。
【図12】本発明の第一実施形態にかかる断面図。
【図13】図13Aおよび図13Bは本発明の第一実施形態にかかる断面図。図13Cは本発明の第一実施形態にかかる平面図。
【図14】本発明の第一実施形態にかかる断面図。
【図15】図15Aは本発明の第一実施形態にかかる断面図。図15Bは本発明の第一実施形態にかかる平面図。
【図16】本発明の第二実施形態にかかる断面図。
【図17】本発明の第二実施形態にかかる断面図。
【図18】本発明の第二実施形態にかかる断面図。
【図19】本発明の第二実施形態にかかる断面図。
【図20】本発明の第二実施形態にかかる断面図。
【図21】本発明の第二実施形態にかかる断面図。
【図22】本発明の第二実施形態にかかる断面図。
【図23】本発明の第三実施形態にかかる断面図。
【図24】本発明の第三実施形態にかかる断面図。
【図25】本発明の第三実施形態にかかる断面図。
【図26】本発明の第三実施形態にかかる断面図。
【図27】本発明の第四実施形態にかかる断面図。
【図28】本発明の第四実施形態にかかる断面図。
【図29】本発明の第四実施形態にかかる断面図。
【図30】本発明の第四実施形態にかかる断面図。
【図31】本発明の第四実施形態にかかる断面図。
【図32】図32Aは本発明の第五実施形態にかかる断面図。図32Bは本発明の第五実施形態にかかる上面図。
【図33】本発明の第五実施形態にかかる底面図。
【図34】本発明の第五実施形態にかかる断面図。
【図35】本発明の第五実施形態にかかる断面図。
【図36】本発明の第五実施形態にかかる断面図。
【図37】本発明の第五実施形態にかかる断面図。
【図38】本発明の第五実施形態にかかる断面図。
【図39】本発明の第五実施形態にかかる断面図。
【図40】本発明の第五実施形態にかかる断面図。
【図41】本発明の第六実施形態にかかる断面図。
【図42】本発明の第六実施形態にかかる断面図。
【図43】本発明の第六実施形態にかかる断面図。
【図44】本発明の第六実施形態にかかる断面図。
【図45】本発明の第六実施形態にかかる断面図。
【図46】本発明の第六実施形態にかかる断面図。
【図47】本発明の第六実施形態にかかる断面図。
【符号の説明】
【0074】
1:モーションセンサ、2:モーションセンサ、3:モーションセンサ、4:モーションセンサ、5:モーションセンサ、6:モーションセンサ、10:SOIウエハ、11:基部、12:犠牲層、13:半導体層、20:絶縁層、30:接続層、31:接続部、32:支持部、32:接続部、33:中間層、40:絶縁層、50:配線層、51:配線、60:補強板、70:膜、80:下層電極膜、81:圧電膜、82:上層電極膜、90:基板、91:犠牲層、92:エピタキシャル層、111:錘部、112:枠体、114:凹部、131:梁部、132:ピエゾ抵抗部、133:低抵抗部、311:側壁部、321:側壁部、800:検出用圧電素子、801:駆動用圧電素子、B:接着剤、G:空隙、H1:通孔、H2:通孔、H3:コンタクトホール、H4:通孔、H5:通孔、R1:保護膜、R2:保護膜、R3:被膜、R4:保護膜、R5:保護膜、R6:保護膜、R7:保護膜、R8:保護膜、S:環状溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
梁部と錘部と接続部とを備え前記接続部によって前記梁部に前記錘部が接続されているMEMSの製造方法であって、
バルク材からなり前記錘部となる基部の平坦面に形成され前記基部を残してエッチング可能な材料からなる犠牲層に、前記基部を露出させる通孔を形成し、
前記犠牲層とともにエッチングされない材料の堆積によって前記通孔内に前記接続部の少なくとも表層を形成し、
前記基部の前記通孔を囲む位置に前記犠牲層を露出させる環状溝を形成し、
前記環状溝から露出している前記犠牲層を等方性エッチングによって除去することを含み、
前記接続部の表層となる材料の堆積によって前記犠牲層の上において前記梁部と前記接続部と前記錘部とが一体となる、
MEMS製造方法。
【請求項2】
前記錘部と前記犠牲層と前記梁部とはSOIウエハからなり、
前記通孔は前記SOIウエハの絶縁層である前記犠牲層と前記SOIウエハの薄い方の半導体層である前記梁部とを貫通する、
請求項1に記載のMEMS製造方法。
【請求項3】
前記接続部の表層となる材料はシリコンである、
請求項2に記載のMEMS製造方法。
【請求項4】
前記接続部の表層となる膜を前記基部および前記梁部の表面に形成し、
前記接続部の表層となる膜の表面に前記接続部の残部となる膜を形成する、
ことを含む請求項1から3のいずれか一項に記載のMEMS製造方法。
【請求項5】
前記接続部の表層となる膜の表層全体を前記梁部が露出するまで異方性エッチングし、
前記接続部の表層となる膜の前記通孔の側面に残った部分である側壁部を覆うように前記接続部の残部となる膜を形成する、
ことを含む請求項4に記載のMEMS製造方法。
【請求項6】
前記接続部の表層となる膜の表面に前記接続部の残部の表層となる膜を形成し、
前記接続部の残部の表層となる膜の表層全体を前記梁部が露出するまで異方性エッチングし、
前記接続部の残部の表層となる膜の前記通孔の側面に残った側壁部を覆うように前記接続部の残部の基層となる膜を形成する、
ことを含む請求項4に記載のMEMS製造方法。
【請求項7】
シリコンウエハからなる前記基部の表面に前記犠牲層を形成し、
前記犠牲層および前記通孔から露出した前記基部の表面に前記犠牲層とともにエッチングされない材料の堆積によって前記接続部および前記梁部を同時に形成する、
ことを含む請求項1に記載のMEMS製造方法。
【請求項8】
梁部と、
バルク材料からなり空隙を間に挟んで前記梁部と対向している錘部と、
堆積膜からなり前記梁部と前記錘部とを接続している接続部とを備え、
前記梁部に形成されている通孔の側面と前記接続部の側面とで前記梁部と前記接続部とが結合している、
MEMS。
【請求項9】
梁部と、
バルク材料からなり空隙を間に挟んで前記梁部と対向している錘部と、
前記梁部と前記錘部とを接続している接続部とを備え、
前記梁部と接続部とは同一の堆積膜からなる、
MEMS。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公開番号】特開2009−233836(P2009−233836A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−86392(P2008−86392)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】