説明

OAローラ及びOAローラの製造方法

【課題】アミン触媒を用いたポリウレタンフォームからなるOAローラにおいて、2次キュアを要することなく、又は比較的簡易な2次キュアで、アミン触媒の残留量を大幅に減少させることができ、良好な性能を比較的容易に得ることができるOAローラを提供することを目的とする。
【解決手段】ポリオールとイソシアネートとを反応触媒の存在下に反応させて形成したポリウレタンフォームからなる弾性層を主体とする弾性層を軸芯の周囲に形成してなるOAローラにおいて、上記反応触媒が沸点160℃以上のアミン触媒であり、該アミン触媒の上記弾性層中の残留量が0.08質量%以下であることを特徴とするOAローラを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンターなどの画像形成装置において、帯電、現像、転写、中間転写、トナー供給、クリーニングなどを行うためのOAローラに関し、更に詳述すれば、アミン触媒を用いたポリウレタンフォームからなるOAローラにおいて、画像不良発生の一因となるアミン触媒の残留量と揮発量を可及的に少なくしたOAローラに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンター等の電子写真方式あるいは静電記録方式の画像形成装置においては、露光によって表面に静電潜像が形成された感光体にトナーを供給して静電潜像を現像し、そのトナー画像を記録媒体へと転写することにより、画像形成をおこなうことが一般的であり、このような画像形成装置には、上記感光体を帯電させる帯電ローラ、上記感光体表面にトナーを供給する現像ローラ、現像ローラへとトナーを搬送供給するトナー搬送ローラ、上記感光体表面からトナー画像を記録媒体へと転写する転写ローラ、記録媒体を搬送する紙送りローラ、上記感光体表面に残留したトナーを除去するクリーニングローラ等のOAローラが用いられている。
【0003】
これらOAローラとして、シャフトの外周にポリウレタンフォーム層を形成したものが知られている。この場合、ポリウレタンフォーム層の形成は、ポリオールとイソシアネートとを反応触媒の存在下に反応させる方法が一般的である。
【0004】
ここで、ポリウレタンフォームを形成する際に用いられる反応触媒としては、アミン触媒がよく知られているが(特許文献1:特開2000−320536号公報、特許文献2:特開2000−347496号公報など)、アミン触媒を用いた場合ポリウレタンフォーム中に残留するアミン触媒が他部材の性能を劣化させたり、トナーにダメージを与える場合があり、これが画像不良を生じさせる一因となる。
【0005】
【特許文献1】特開2000−320536号公報
【特許文献2】特開2000−347496号公報
【0006】
このため、従来はポリウレタンフォームを成形した後に、該ポリウレタンフォームを2次キュア(ポストキュア)して残留するアミン触媒を十分なレベルまで除去する操作が必要不可欠である。この場合、選択するアミン触媒によっては100℃で1時間以上もの長時間の2次キュアが必要となり、この2次キュア操作が製造コストを引き上げる一因となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、アミン触媒を用いたポリウレタンフォームからなるOAローラにおいて、2次キュアを要することなく、又は比較的簡易な2次キュアで、アミン触媒の残留量を大幅に減少させることができ、良好な性能を比較的容易に得ることができるOAローラ、及び該OAローラを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、ポリオールとイソシアネートとをアミン触媒の存在下に反応させてポリウレタンフォームからなる弾性層を形成することにより、OAローラを得る場合に、上記アミン触媒として比較的沸点の高いアミン触媒、具体的には沸点160℃以上、好ましくは沸点190℃以上のアミン触媒を用いることにより、反応後のポリウレタンフォーム中に残留するアミン触媒量を画像にほとんど影響することのない0.08質量%以下に減少させることができ、2次キュアを省略することが可能であり、又は簡単な2次キュアで容易にアミン触媒残留量と揮発量の非常に少ない、高性能で信頼性の高いOAローラを比較的容易に得ることができることを見出し、本発明を完成したものである。
【0009】
従って、本発明は、ポリオールとイソシアネートとを反応触媒の存在下に反応させて形成したポリウレタンフォームからなる弾性層を主体とする弾性層を軸芯の周囲に形成してなるOAローラにおいて、上記反応触媒が沸点160℃以上のアミン触媒であり、該アミン触媒の上記弾性層中の残留量が0.08質量%以下であることを特徴とするOAローラを提供する。
また、本発明は、表面に静電潜像が形成された感光体にトナーを供給して静電潜像を現像し、そのトナー画像を記録媒体へと転写する画像形成装置において、上記感光体を帯電させる帯電ローラ、上記感光体表面にトナーを供給する現像ローラ、現像ローラへとトナーを搬送供給するトナー搬送ローラ、上記感光体表面からトナー画像を記録媒体へと転写する転写ローラ、記録媒体を搬送する紙送りローラ、上記感光体表面に残留したトナーを除去するクリーニングローラのいずれかが上記本発明のOAローラであることを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、弾性層を構成するポリウレタンフォーム中に残留するアミン触媒量を画像にほとんど影響することのない0.08質量%以下に減少させることができ、2次キュアを省略することが可能であり、又は簡単な2次キュアで容易にアミン触媒の残留量と揮発量が非常に少ない、高性能で信頼性の高いOAローラを比較的容易に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のOAローラは、上記のように、ポリオールとイソシアネートとを発泡剤及び反応触媒の存在下に反応させて形成したポリウレタンフォームからなる弾性層を主体とする弾性層を軸芯の周囲に形成したものである。
【0012】
ここで、上記ポリオールとしては、特に制限はなく、ウレタンフォーム製造の原料ポリオールとして公知のものを用いることができ、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリエステルポリエーテル系ポリオール等をローラの用途等に応じて適宜選択することができる。例えば、トナー搬送ローラとする場合には、特に制限されるものではないが、耐久性の点でポリエーテル系ポリオールが特に好ましく用いられる。
【0013】
ポリエーテルポリオールとしては、グリセリン等にポリエチレンオキシドやプロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドを付加重合して得られたポリエーテルポリオール,あるいはテトラヒドロフランなどを開環重合して得られたポリエーテルポリオール,ポリテトラメチレングリコール,エチレングリコール,プロパンジオール,ブタンジオール等のポリエーテルポリオールが好ましく用いられる。更に、ポリイソプレンポリオールやポリブタジエンポリオール,水素添加ポリブタジエンポリオール等の疎水性ポリオールを適宜ブレンドして用いることもできる。
【0014】
また、ポリエステルポリオールとしては、ジカルボン酸とジオールやトリオール等との縮合により得られる縮合系ポリエステルポリオール,ジオールやトリオールをベースとし、ラクトンの開環重合により得られるラクトン系ポリエステルポリオール,ポリエーテルポリオールの末端をラクトンでエステル変性したエステル変性ポリオールなどのポリオールなどが例示される。
【0015】
これらポリオールは、特に制限させるものではないが、数平均分子量2000〜10000、特に5000〜8000であることが好ましく、またOH価は0〜90、特に75〜90であることが好ましい。
【0016】
これらポリオールと反応させるイソシアネートとしては、特に制限はなく、従来公知の各種イソシアネート化合物の中から、適宜選択して使用することができる。具体的には、トリレンジイソシアネート(TDI),ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI),粗製ジフェニルメタンジイソシアネート(クルードMDI)などの芳香族ポリイソシアネート及びその誘導体、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート及びその誘導体、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート及びその誘導体、水素添加ジェニルメタンジイソシアネート,水素添加トリレンジイソシアネート,ヘキサメチレンジイソシアネートなどの不飽和結合を持たないポリイソシアネート及びその誘導体などが挙げられる。前記誘導体としては、例えばカルボジイミド変性物、グリコール変性物、イソシアヌレート変性物、ウレトンイミン変性物などを挙げることができる。
【0017】
上記イソシアネートの配合量は、上記ポリオール成分の官能基数などに応じて適宜設定され、に制限されるものではないが、通常はNCOインデックスで80〜120、特に90〜110とすることが好ましく、NCOインデックスが80未満では、硬度が低くなり過ぎて、OAローラとして求められる弾性が得られない場合があり、一方NCOインデックスが120を超えると硬度が高くなりすぎて、同じく良好な弾性が得られない場合がある。
【0018】
上記ポリオールとイソシアネートとの反応には、反応触媒としてアミン触媒が用いられる。この場合、本発明では、比較的沸点の高いアミン触媒を用いることが好ましく、これにより得られるポリウレタンフォーム中のアミン触媒残留量を0.08質量%以下、好ましくは0.06質量%以下にするものである。反応型アミン触媒として具体的には、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−ペンタエチルジエチレンジアミンなどを例示することができる。
【0019】
また、アミン触媒は、上記のように比較的沸点の高いものが用いられ、具体的には沸点が160℃以上のものが用いられ、これにより反応後の残留量をより確実に低減化することができ、特に高温高湿環境下におけるローラ性能を大幅に向上得させることができる。この場合、特に制限されるものではないが、上記アミン触媒は、190℃以上であることがより好ましく、これによりアミン触媒の残留量を少なくすることができると共に、揮発を可及的に防止することができる。即ち、アミン触媒の残量量を少なく制御できたとしても、ローラをプリンター等の機器に組み込んだ場合に機器の発熱などによって、少量でも残留触媒が揮発するため、この揮発を抑制するためにもアミン触媒の沸点は高いことが好ましく、上記のように190℃以上であることがより好ましいものである。
【0020】
このアミン触媒の使用量は、ポリオール、イソシアネートの種類や発泡方法などに応じて適量を使用すればよく、特に制限されるものではないが、通常はポリオール成分100質量部に対して0.1〜2質量部、特に0.5〜1質量部とすることが好ましい。
【0021】
上記ポリウレタンフォームには、得られるOAローラの用途等に応じて導電剤、整泡剤、着色顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、各種充填材などの公知の添加剤を適量配合することができる。
【0022】
この場合、現像ローラ、転写ローラ、帯電ローラ、クリーニングローラなどとする場合には、通常適度な導電性が求められ、導電剤が配合される。導電剤としては、カーボンブラックやイオン導電剤などが挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば電化ブラック,ケッチェンブラック,アセチレンブラックなどのガスブラック,インクブラックを含むオイルファーネスブラック,サーマルブラック,チャンネルブラック,ランプブラックなどが例示される。また、イオン導電剤としては、例えばテトラエチルアンモニウム,テトラブチルアンモニウム,ラウリルトリメチルアンモニウムなどのドデシルトリメチルアンモニウム,ステアリルトリメチルアンモニウムなどのオクタデシルトリメチルアンモニウム,ヘキサデシルトリメチルアンモニウム,ベンジルトリメチルアンモニウム,変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムなどの過塩素酸塩,塩素酸塩,塩酸塩,臭素酸塩,ヨウ素酸塩,ホウフッ化水素酸塩,硫酸塩,アルキル硫酸塩,カルボン酸塩,スルホン酸塩などのアンモニウム塩;リチウム,ナトリウム,カルシウム,マグネシウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過塩素酸塩,塩素酸塩,塩酸塩,臭素酸塩,ヨウ素酸塩,ホウフッ化水素酸塩,トリフルオロメチル硫酸塩,スルホン酸塩などが例示される。
【0023】
また、整泡剤としては、例えばポリエーテルシリコーンオイル,ノニオン性界面活剤,イオン性界面活性剤などが挙げられ、これらの1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
本発明のOAローラは、上記ポリウレタンフォームを主体とする弾性層を軸芯の外周に形成したものであるが、このポリウレタンフォームを得る際の発泡方法や軸芯の外周に弾性層を形成する方法については特に制限はなく、公知の方法によればよい。例えば、発泡方法としては、水、有機溶剤、各種代替フロン等の発泡剤による方法、機械的な攪拌により気泡を混入する方法などを用いることができる。この場合、発泡倍率や嵩密度などは、用途に応じて適宜設定すればよく、特に制限されるものではないが、通常、発泡倍率は最大セル径で100〜500μm、特に300〜400μm、密度は0.005〜0.3g/mL、特に0.05〜0.2g/mL程度であることが好ましい。
【0025】
また、このポリウレタンフォームからなる弾性層を軸芯の外周に加熱硬化させる方法は、上記ポリオール、イソシアネート、反応触媒及び所望により用いられる各種添加成分を混合撹絆し、必要に応じて上記方法により気泡を混入させ、所定のモールド等に注型するか又はブロック状に自由発泡させるなどの操作を行った後、加熱硬化させる方法が好ましく用いられる。また、予め、ポリオールとイソシアネートとを反応させてイソシアネート基を有するプレポリマーを調製し、これをエチレングリコール、1,4 一ブタンジオール、トリメチロールプロパンや分子量400〜5000程度のポリオールなどの鎖延長剤を用いて硬化させるプレポリマー法も用いることができる。
【0026】
本発明で得られる上記ポリウレタンフォームは、反応触媒として用いたアミン触媒の残留量が非常に少ないものであり、その残留量を画像形成にほとんど影響することがない0.08質量%以下としたものであり、必ずしもアミン触媒を除去するための2次キュアを行う必要はないが、アミン触媒の残留量が0.08質量%を超えてしまう場合や、更に残留量を減少させる必要がある場合には、2次キュアを行うこともできる。この場合、2次キュアの条件は100℃以下で1時間程度加熱すれば十分な効果が得られ、通常のアミン触媒を用い、2次キュアでその残留アミン触媒を除去する場合に比べて、はるかに簡単に低残留量を達成することができる。
【0027】
上記のように、本発明で、最終的なアミン触媒の残留量を0.08質量%以下とするものであり、上記の比較的沸点の高いアミン触媒を用いることにより、このような低残留量を比較的容易に達成することができる。なお、アミン触媒残留量の測定は、得られたポリウレタンフォームから残留アミン触媒を80〜90℃のクロロホルムでソックスレー抽出し、抽出液中のクロロホルムを40℃の条件下でエバポレータにて除去し、メスアップ後にFID−GCにて定量分析すればよい。
【0028】
本発明のOAローラは、上記ポリウレタンフォームを主体とした弾性層が軸芯の外周に形成されたものであればよく、用途によっては表面に表皮層を形成したり、適宜な中間層を設けても良い。また、本発明のOAローラは、複写機やプリンターなどの画像形成装置の帯電ローラ、現像ローラ、トナー搬送ローラ、転写ローラ、紙送りローラ、クリーニングローラ等などとして用いられるものであるが、現像ローラへとトナーを搬送供給するトナー搬送ローラとして特に好適に用いられるものである。
【0029】
この場合、上記トナー搬送ローラとは、電子写真装置や静電記録装置の現像機構部で、現像ローラ表面に当接して回転し、トナー溜り内のトナーを外周面に担持して搬送し、上記現像ローラ表面にトナーを供給するローラであり、このようなトナー搬送ローラを用いた現像機構部としては、図1に示した現像機構を例示することができる。即ち、図1の機構では、ドラム状の感光体(潜像保持体)3に現像ローラ2を当接又は近接させた状態に配置すると共に、更にこの現像ローラ2にトナー搬送ローラ1を当接させた状態に配置して、これら感光体3、現像ローラ2、及びトナー搬送ローラ1をそれぞれ図中矢印方向に回転させることにより、トナーカセット内のトナー溜りからトナー搬送ローラ1によってトナーtを現像ローラ2の表面に供給し、このトナーtを成層ブレード4により均一な薄層に整え、この状態で現像ローラ2が感光体3と接触又は近接した状態で回転することにより、薄層に形成されたトナーtが現像ローラ2から感光体3の潜像に付着して、該潜像を可視化することにより、現像が行われるようになっている。そして、本発明のOAローラは、上記トナー搬送ローラ1として好適に用いられるものである。なお、図中5は転写部であり、ここで紙等の記録媒体6にトナー画像を転写するようになっており、また7はクリーニング部であり、そのクリーニングブレード8により転写後に感光体3表面に残留するトナーを除去するようになっている。
【実施例】
【0030】
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
表1に示した成分を機械攪拌により発泡させながら混合し、この混合物を直径6mmの金属製シャフトを中心に配置したモールド内に注型し、90℃で1時間加熱硬化させ、直径16mm、長さ220mmのウレタフォームローラを得た。同表に示された各成分の詳細は下記の通りである。なお、表中の配合量は重量部である。また、得られた各ローラには、それぞれ表1に示した条件で2次キュアを施し、トナー搬送ローラとした。
【0031】
[ポリオール]
三洋化成社 「FA703」
[整泡剤]
東レダウコーニング社 「SRX274C」
[アミン触媒]
アミン触媒1:(株)花王 カオライザーNo.1(沸点200℃)
アミン触媒2:(株)花王 カオライザーNo.11(沸点120℃)
アミン触媒3:(株)花王 カオライザーNo.2(沸点145℃)
【0032】
得られた各ローラにつき、下記方法によりアミン触媒の残留量を測定すると共に、下記方法によりトナー搬送ローラとして用いて画像出し試験を行った。結果を表1に示す。
[アミン触媒残留量の測定]
得られたポリウレタンフォームから残留アミン触媒を80〜90℃のクロロフォルムでソックスレー抽出し、抽出液中のクロロホルムを40℃の条件下でエバポレータにて除去し、メスアップ後にFID−GCにて定量分析する。
[画像出し試験]
各ローラをトナー搬送ローラとして乾式電子写真装置に組み込み、温度40℃、湿度95%RHで30日放置後、グレー(濃度8%)の画像を印刷し、下記基準で得られた画像を評価した。
○:濃度ムラ無し
△:軽微な濃度ムラが確認される
×:明確な濃度ムラが確認される。
【0033】
【表1】

【0034】
表1に示されているように、触媒として高沸点(200℃)のアミン触媒を用い、かつアミン触媒残留量を0.08質量%以下に調整した実施例1のローラは、高温高湿環境下(30℃、60%RH)でも良好な性能を確実に発揮し、このような高温高湿環境下でも極めて良好な画像を再現することができた。また、実施例1のローラは、2次キュアも比較的短時間の簡単な処理で、アミン触媒の残留量を非常に少ないものとすることができた。これに対し、アミン触媒の沸点が比較的低い比較例1,2では、2次キュアによりアミン触媒の残留量を実施例1と同程度に低く調整しても、得られる画像に劣り、また2次キュアもより厳しい条件での処理が必要であった。更に、アミン触媒の沸点が実施例1と同様に高いものであっても、アミン触媒の残留量が0.08質量%を超える比較例3は、やはり画像に劣るものであった。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明のトナー搬送ローラを用いた画像形成装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0036】
1 トナー搬送ローラ
2 現像ローラ
3 感光体
4 成層ブレード
5 転写部
6 記録媒体
7 クリーニング部
8 クリーニングブレード
t トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオールとイソシアネートとを反応触媒の存在下に反応させて形成したポリウレタンフォームからなる弾性層を主体とする弾性層を軸芯の周囲に形成してなるOAローラにおいて、
上記反応触媒が沸点160℃以上のアミン触媒であり、該アミン触媒の上記弾性層中の残留量が0.08質量%以下であることを特徴とするOAローラ。
【請求項2】
発泡硬化した上記ポリウレタンフォームを2次キュアしたものである請求項1記載のOAローラ。
【請求項3】
現像部材に担持したトナーを感光体表面に供給して感光体表面に形成された静電潜像を現像し、これら記録媒体へと転写する画像形成装置で、上記現像部材へとトナーを搬送供給するトナー搬送ローラとして用いられるものである請求項1又は2記載のOAローラ。
【請求項4】
表面に静電潜像が形成された感光体にトナーを供給して静電潜像を現像し、そのトナー画像を記録媒体へと転写する画像形成装置において、
上記感光体を帯電させる帯電ローラ、上記感光体表面にトナーを供給する現像ローラ、現像ローラへとトナーを搬送供給するトナー搬送ローラ、上記感光体表面からトナー画像を記録媒体へと転写する転写ローラ、記録媒体を搬送する紙送りローラ、上記感光体表面に残留したトナーを除去するクリーニングローラのいずれかが請求項1〜3のいずれか1項に記載のOAローラであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
上記トナー搬送ローラが、請求項4記載のOAローラである請求項4記載の画像形成装置。

【図1】
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【公開番号】特開2007−310078(P2007−310078A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−137891(P2006−137891)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】