説明

TFT−LCDアレイ基板及びその製造方法

【課題】TFT−LCDアレイ基板及びその製造方法に関する。
【解決手段】TFT−LCDアレイ基板は、基板に形成されたゲートラインと、データラインとを備え、前記ゲートラインとデータラインは交差して画素領域を画成し、前記画素領域内に画素電極と薄膜トランジスタが形成され、前記ゲートラインとデータラインの間に第1絶縁層と第2絶縁層が形成され、前記画素電極は前記第1絶縁層と第2絶縁層の間に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TFT−LCDアレイ基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(Thin Film Transistor Liquid Crystal Display, TFT−LCDと略称)は体積が小さく、エネルギー消費が少なく、輻射がないなどの特徴を有し、現在のプラットパネルディスプレイの市場において主導的地位を占めている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
TFT−LCDは、主に互いに対向するように配置されたアレイ基板と、カラーフィルム基板とから構成される。マトリックス状に配列された薄膜トランジスタと画素電極がアレイ基板に形成されており、各画素電極は薄膜トランジスタにより制御される。薄膜トランジスタが「オン」である場合、画素電極は「オン」の時間内に充電し、充電が完了した後、画素電極の電圧は次の走査時まで維持され、次の走査時に再び充電される。通常、液晶コンデンサは大きくないので、液晶コンデンサだけでは画素電極の電圧を維持できない。そのため、蓄積コンデンサを配置することによって画素電極の電圧を保持してよい。通常、蓄積コンデンサの主なタイプについて、ゲートラインに位置する蓄積コンデンサ(Cs on Gate)と、共通電極ラインに位置するコンデンサ(Cs on Common)と、或いは両者の組み合わせ構造とがある。前記組み合わせ構造とは、蓄積コンデンサの一部がゲートラインに位置し、他の部分が共通電極ラインに位置するものである。上記タイプのいずれかにおいても、ゲート金属薄膜を蓄積コンデンサの1つの電極板とし、コンデンサのもう1つの電極板である画素電極との間に、厚さが3000Å〜5000Åであるゲート絶縁層及び厚さが1500Å〜3500Åであるパッシべーション層を挟んで配置している。蓄積コンデンサの計算式から分かるように、単位面積の蓄積容量の大きさと、2つの電極板間の距離とは反比例する。従来のTFT−LCDアレイ基板における蓄積コンデンサの2つの電極板間の距離は大きいから、単位面積の蓄積容量は割りに小さい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施例によりTFT−LCDアレイ基板が提供された。当該TFT−LCDアレイ基板は、基板に形成されたゲートラインと、データラインとを備え、前記ゲートラインとデータラインは交差して画素領域を画成し、前記画素領域内に画素電極と薄膜トランジスタが形成され、前記ゲートラインとデータラインの間に第1絶縁層と第2絶縁層が形成され、前記第1絶縁層と第2絶縁層の間に前記画素電極が配置される。
【0005】
本発明のもう1つの実施例によりTFT−LCDアレイ基板の製造方法が提供された。当該TFT−LCDアレイ基板の製造方法は、基板にゲート金属薄膜を堆積し、パターンニング工程によってゲートラインとゲート電極とのパターンが含まれたパターンを形成するステップと、第1絶縁層と、透明導電薄膜とを順次堆積し、パターンニング工程によって画素電極のパターンが含まれたパターンを形成するステップと、第2絶縁層と、半導体層と、ドープ半導体層とを順次堆積し、パターンニング工程によって活性層と、前記画素電極の上方の第2絶縁層に位置する絶縁層ビアーホールとのパターンが含まれたパターンを形成するステップと、ソース・ドレイン金属薄膜を堆積し、パターンニング工程によってデータラインと、ソース電極と、前記絶縁層ビアーホールを介して画素電極に接続するドレイン電極と、そのドープ半導体層が完全にエッチングされることにより、その下の前記半導体層が露出されるTFTチャネル領域とのパターンが含まれたパターンを形成するステップと、を備える。
【0006】
以下では、図面と実施例により、本発明の実施形態に対して更なる詳細な説明をする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第1実施例の平面図である。
【図2】図1のA1−A1方向の断面図である。
【図3】図1のB−B方向の断面図である。
【図4】本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第1実施例において第1回のパターンニング工程を経た後の平面図である。
【図5】図4のA2−A2方向の断面図である。
【図6】本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第1実施例において第2回のパターンニング工程を経た後の平面図である。
【図7】図6のA3−A3方向の断面図である。
【図8】本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第1実施例において第3回のパターンニング工程を経た後の平面図である。
【図9】本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第1実施例の第3回のパターンニング工程において露光・現像した後のA4−A4方向の断面図である。
【図10】本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第1実施例の第3回のパターンニング工程において第1回エッチング工程を経た後のA4−A4方向の断面図である。
【図11】本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第1実施例の第3回のパターンニング工程においてアッシング工程を経た後のA4−A4方向の断面図である。
【図12】本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第1実施例の第3回のパターンニング工程において第2回エッチング工程を経た後のA4−A4方向の断面図である。
【図13】本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第1実施例の第3回のパターンニング工程を経た後のA4−A4方向の断面図である。
【図14】本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第2実施例の平面図である。
【図15】図14のA5−A5方向の断面図である。
【図16】図14のC−C方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第1実施例の平面図であり、図1において、アレイ基板における一つの画素ユニットの構造が示されている。図2は図1のA1−A1方向の断面図であり、図3は図1のB−B方向の断面図である。
【0009】
図1〜図3に示すように、本実施例のTFT−LCDアレイ基板の主体構造は、基板1に形成されたゲートライン11と、データライン12と、共通電極ライン13と、画素電極4と、薄膜トランジスタとを備え、相互に直交するゲートライン11とデータライン12によって画素領域が画成され、薄膜トランジスタと画素電極4は画素領域内に形成される。ゲートライン11は薄膜トランジスタへ「オン」の信号を提供することに用いられ、データライン12は画素電極4へデータ信号を提供することに用いられ、共通電極ライン13は画素電極4と蓄積コンデンサを構成することに用いられる。ここで、共通電極ライン13は画素領域内に形成され、蓄積コンデンサが共通電極ラインに位置する(Cs on Common)構造であり、共通電極ライン13と画素電極4の間に第1絶縁層3が挟まれて配置されている。
【0010】
さらに具体的には、本実施例のTFT−LCDアレイ基板は、基板1に形成されたゲート電極2と、ゲートライン11と、共通電極ライン13とを備え、ゲート電極2とゲートライン11とは接続し、共通電極ライン13は隣接する2本のゲートライン11の間に位置し、ゲートライン11と平行する。第1絶縁層3は、ゲート電極2と、ゲートライン11と、共通電極ライン13とに形成され、且つ基板1の全体を覆う。画素電極4は第1絶縁層3に形成される。第2絶縁層5は画素電極4に形成され、且つ基板1の全体を覆う。第2絶縁層5に絶縁層ビアーホール14が設けられている。前記絶縁層ビアーホール14は、画素電極4のゲート電極2に近い周縁に位置し、画素電極4を露出する。活性層(半導体層6とドープ半導体層7)は第2絶縁層5に形成され、且つゲート電極の上方に位置する。ソース電極8の一端は活性層に形成され、他端はデータライン12に接続し、ドレイン電極9の一端は活性層に形成され、他端は絶縁層ビアーホール14を介して画素電極4に接続する。ソース電極8とドレイン電極9との間にTFTチャネル領域が形成される。TFTチャネル領域のドープ半導体層7は完全にエッチングされ、半導体層6は厚さ方向の一部がエッチングされ、それによってTFTチャネル領域の半導体層6は露出される。TFTチャネル領域で露出された半導体層6に対して酸化処理を行い、露出された半導体層6の表面に酸化層(例えば酸化シリコン)を形成し、TFTチャネル領域を保護することができる。酸化処理のRFパワーは5KW〜13KWであり、気圧は100mT〜500mTであり、酸素の流量は1000sccm〜4000sccmである。
【0011】
本実施例の技術案から分かるように、蓄積コンデンサの1つの電極板である共通電極ラインは第1絶縁層の下に形成され、蓄積コンデンサのもう1つの電極板である画素電極は第1絶縁層の上に形成されるため、蓄積コンデンサの2つの電極板の間の距離は第1絶縁層の厚さしかない。また、ドレイン電極は画素電極の上方に位置し、両者は絶縁層ビアーホールを介して接続する。第1絶縁層の堆積について、高速堆積法を採用でき、それによって生産効率を向上できる。第2絶縁層の堆積について、低速堆積法を採用でき、それによって絶縁層の表面は滑らかで、膜表面の質がよい。表面の質がよい絶縁層は、その上に形成された半導体層とよく整合でき、キャリヤーの転送に寄与するため、TFTの特性を向上できる。
【0012】
図4〜図13はTFT−LCDアレイ基板の第1実施例の製造過程の概略図である。以下の説明において、本願に記載のパターンニング工程は、ホトレジストの塗布、マスキング、露光、エッチングなどの工程を備える。ホトレジストについては、ポジティブホトレジストを例とする。
【0013】
図4は本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第1実施例において第1回のパターンニング工程を経た後の平面図である。図面4において、一つの画素ユニットの構造が示されている。図5は図4のA2−A2方向の断面図である。まず、磁気制御スパッタリング法、或いは熱蒸着法により、基板1(ガラス基板或いは石英基板)に厚さが500Å〜4000Åであるゲート金属薄膜を堆積する。ゲート金属薄膜については、Cr、W、Ti、Ta、Mo、Al、Cuなどの金属或いは合金を採用してもよく、多層金属薄膜から構成された複合薄膜を採用してもよい。図4、5に示すように、普通のマスク(シングルトーンマスクとも言う)で第1回のパターンニング工程によってゲート電極2と、ゲート11と、共通電極ライン13とのパターンが含まれたパターンを形成する。
【0014】
図6はTFT−LCDアレイ基板の第1実施例において第2回のパターンニング工程を経た後の平面図である。図6において、一つの画素ユニットの構造が示されている。図7は図6のA3−A3方向の断面図である。上記構造のパターンを完成した基板に、プラズマ強化化学気相蒸着法(PECVDと略称)により、厚さが2000Å〜5000Åである第1絶縁層3を堆積する。その後、磁気制御スパッタリング法、或いは熱蒸着法により、厚さが300Å〜600Åである透明導電薄膜を堆積する。第1絶縁層については、酸化物、窒化物、或いは窒酸化物を採用してよく、対応する反応ガスはSiHと、NHと、Nとの混合ガス、或いはSiHClと、NHと、Nとの混合ガスであってよい。透明導電薄膜の材料について、ITO、IZO、或いはアルミニウム亜鉛酸化物などであってもよい。ほかの透明金属又は透明金属酸化物を採用してもよい。図6、7に示すように、普通のマスクで、第2回のパターンニング工程によって画素領域内に画素電極4のパターンが含まれたパターンを形成する。この工程において、第1絶縁層の堆積は高速堆積法を採用し、それによって生産効率を向上できる。通常、RFパワーとシランの流量を向上させることによって堆積スピードを上げることができるが、堆積された薄膜の質は悪く、均一性が悪い。本実施例において、高速堆積のRFパワーは4500W〜7000Wであり、シランの流量は900sccm〜1600sccmである。
【0015】
図8は本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第1実施例において第3回のパターンニング工程を経た後の平面図である。図面8において、一つの画素ユニットの構造が示されている。図9は本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第1実施例の第3回のパターンニング工程において露光・現像した後のA4−A4方向の断面図である。上記構造のパターンを完成した基板に、PECVD法により、厚さが1000Å〜2000Åである第2絶縁層5と、厚さが1000Å〜3000Åである半導体薄膜21と、厚さが500Å〜1000Åであるドープ半導体薄膜22とを順次堆積する。第2絶縁層5について、酸化物、窒化物、或いは窒酸化物を採用してよく、対応する反応ガスはSiHと、NHと、Nとの混合ガス、或いはSiHClと、NHと、Nとの混合ガスであってよい。半導体薄膜21を製造するための反応ガスはSiHと、Hとの混合ガス、或いはSiHClと、Hとの混合ガスであってよい。ドープ半導体薄膜22を製造するための反応ガスはSiHと、PHと、Hとの混合ガス、或いはSiHClと、PHと、Hとの混合ガスであってよい。その後、ドープ半導体薄膜22にホトレジスト30を塗布し、ハーフトーンマスク或いはグレートーンマスクによって露光し、ホトレジストを完全露光領域Aと、未露光領域Bと、半露光領域Cとに形成する。未露光領域Bは、活性層のパターンが位置する領域に対応し、完全露光領域Aは、絶縁層ビアーホールのパターンが位置する領域に対応し、半露光領域Cは、活性層のパターン及び絶縁層ビアーホールのパターン以外の領域に対応する。図9に示すように、露光されたホトレジストに対して現像処理を行った後、未露光領域Bのホトレジストの厚さには変化がなく、ホトレジスト完全保留領域を形成し、完全露光領域Aのホトレジストは完全に除去され、ホトレジスト完全除去領域を形成し、半露光領域Cのホトレジストの厚さは半分薄くなり、ホトレジスト半保留領域を形成する。この工程において、第2絶縁層の堆積について、低速堆積法が採用され、絶縁層の表面は滑らかで、均一性がよく、膜表面の質がよい。そのため、表面の質がよい第2絶縁層は、その上に形成された半導体薄膜とよく整合でき、キャリヤーの転送に寄与する。この低速堆積のRFパワーは2500W〜4000Wであり、シランの流量は500sccm〜800sccmである。
【0016】
図10は本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第1実施例の第3回のパターンニング工程において第1回のエッチング工程を経た後のA4−A4方向の断面図である。図10に示すように、第1回のエッチング工程により、完全露光領域Aのドープ半導体薄膜22と、半導体薄膜21と、第2絶縁層5とを完全にエッチングし、絶縁層ビアーホール14のパターンを形成する。絶縁層ビアーホール14は画素電極4のゲート電極2に近い周縁に位置し、その内で画素電極4を露出する。
【0017】
図11は本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第1実施例の第3回のパターンニング工程においてアッシング工程を経た後のA4−A4方向の断面図である。図11に示すように、アッシング工程により、半露光領域Cのホトレジストを除去し、当該領域のドープ半導体薄膜22を露出する。未露光領域Bのホトレジストの厚さは半露光領域Cのホトレジストの厚さよりも厚いため、アッシング工程を経た後、ある程度厚さのホトレジスト30が依然として未露光領域Bを覆っている。
【0018】
図12は本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第1実施例の第3回のパターンニング工程において第2回のエッチング工程を経た後のA4−A4方向の断面図である。図12に示すように、第2回のエッチング工程により、半露光領域Cのドープ半導体薄膜と、半導体薄膜とを完全にエッチングし、活性層のパターンを形成する。活性層のパターンはゲート電極2の上方に位置し、半導体層6と、ドープ半導体層7とを含んでいる。
【0019】
図13は本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第1実施例の第3回のパターンニング工程を経た後のA4−A4方向の断面図である。図8と図13に示すように、残りのホトレジストを剥離し、本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第1実施例の第3回のパターンニング工程を完成する。
【0020】
上記構造のパターンを完成した基板に、磁気制御スパッタリング法、或いは熱蒸着法により、厚さが2000Å〜3000Åであるソース・ドレイン金属薄膜を堆積する。ソース・ドレイン金属薄膜については、Cr、W、Ti、Ta、Mo、Al、Cuなどの金属或いは合金を採用してもよく、多層金属薄膜から構成された複合薄膜を採用してもよい。図1〜3に示すように、普通のマスクで第4回のパターンニング工程により、ソース・ドレイン金属薄膜に対してパターンニングを行い、データライン12と、ソース電極8と、ドレイン電極9と、TFTチャネル領域とのパターンを形成する。ソース電極8の一端は活性層に形成され、他端はデータライン12に接続し、ドレイン電極9の一端は活性層に形成され、他端は絶縁層ビアーホール14を介して画素電極4に接続する。ソース電極8とドレイン電極9との間にTFTチャネル領域が形成される。TFTチャネル領域のドープ半導体層7は完全にエッチングされ、半導体層6は厚さ方向の一部をエッチングされ、それによって当該領域の半導体層6は露出される。TFTチャネル領域の半導体層6に対して酸化処理を行い、露出された半導体層6の表面に酸化層(例えば酸化シリコン)を形成することができる。当該酸化層はTFTチャネル領域を保護する役割を果たせる。酸化処理のRFパワーは5KW〜13KWであり、気圧は100mT〜500mTであり、酸素の流量は1000sccm〜4000sccmである。
【0021】
以上説明した4回のパターンニング工程は、本実施例に係るTFT−LCDアレイ基板の製造を実現する一つの方法であり、実際に適用するとき、パターンニング工程の回数を増やしたり、減らしたりすることができる。又は、異なる材料或いは材料の組み合わせを選択しても本発明を実現できる。例えば、本実施例のTFT−LCDアレイ基板の第3回のパターンニング工程の代わりに2回のパターンニング工程で完成することができる。当該2回のパターンニング工程において、普通のマスクでパターンニング工程によって活性層のパターンを形成し、その後、普通のマスクでもう1回のパターンニング工程によって絶縁層ビアーホールのパターンを形成する。
【0022】
図14は本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の第2実施例の平面図である。図面14において、一つの画素ユニットの構造が示されている。図15は図14のA5−A5方向の断面図であり、図16は図14のC−C方向の断面図である。図14〜16に示すように、本実施例のTFT−LCDアレイ基板は、蓄積コンデンサがゲートラインに位置する(Cs on Gate)構造であり、その主体構造は前記第1実施例の基板の構造と同じであり、基板1に形成されたゲートライン11と、データライン12と、画素電極4と、薄膜トランジスタとを備え、画素電極4はゲートライン11と共に蓄積コンデンサを構成し、ゲートライン11と画素電極4との間に第1絶縁層3しか挟んで配置されていない。具体的に、本発明に係るTFT−LCDアレイ基板は、基板1に形成されたゲート電極2と、ゲートライン11とを備え、ゲート電極2とゲートライン11とは接続する。第1絶縁層3は、ゲート電極2と、ゲートライン11とに形成され、且つ基板1の全体を覆う。画素電極4は第1絶縁層3に形成され、少なくとも片側の周縁がゲートライン11の上方を覆う。第2絶縁層5は画素電極4に形成され、且つ基板1の全体を覆う。第2絶縁層5に絶縁層ビアーホール14が設けられている。前記絶縁層ビアーホール14は画素電極4のゲート電極2に近い周縁に位置する。活性層(半導体層6とドープ半導体層7)は第2絶縁層5に形成され、且つゲート電極2の上方に位置する。ソース電極8の一端は活性層に形成され、他端はデータライン12に接続し、ドレイン電極9の一端は活性層に形成され、他端は絶縁層ビアーホール14を介して画素電極4に接続し、ソース電極8とドレイン電極9の間にTFTチャネル領域が形成される。TFTチャネル領域のドープ半導体層7は完全にエッチングされ、半導体層6は厚さ方向の一部がエッチングされ、それによってTFTチャネル領域の半導体層6を露出する。更に、TFTチャネル領域の半導体層6に対して酸化処理を行い、露出された半導体層6の表面に酸化層を形成し、TFTチャネル領域を保護することができる。
【0023】
本実施例のTFT−LCDアレイ基板の製造過程は上記第1実施例とほぼ同じであり、異なるところは、本実施例の第1回パターンニング工程において、ゲート電極2とゲートライン11のパターンが含まれたパターンを形成し、第2回パターンニング工程によって形成された画素電極4は一部のゲートライン11を覆うことにある。ここで、同じ内容の説明を省略する。
【0024】
実際の適用において、本発明は、一部がゲートラインに位置し、他の部分が共通電極ラインに位置する蓄積コンデンサの構造を形成してもよい。即ち、上記第1実施例と第2実施例とを組み合せて組み合せ構造を形成し、画素領域内に共通電極ラインを配置すると共に、画素電極に一部のゲートラインを覆わせる。
【0025】
本発明の上記実施例において、TFT−LCDアレイ基板が提供された。2層の絶縁層を配置し、画素電極をこの2層の絶縁層の間に配置することにより、画素電極は、共通電極ライン或いはゲートラインと共に蓄積コンデンサを構成する場合に、蓄積コンデンサの2つの電極板間の距離は第1絶縁層の厚さしかない。2つの電極板間にゲート絶縁層とパッシべーション層とを挟んで配置する従来の蓄積コンデンサの構造と比べ、本発明の蓄積コンデンサの2つの電極板間の距離は大いに減縮され、単位面積の蓄積容量がの大きくした。更に、本発明は2層絶縁層の構造を採用するため、絶縁層と半導体層の間に形成された界面を改善でき、TFTの特性を向上できる。本発明の第1絶縁層の蓄積について、高速蓄積法が採用され、生産効率は向上したが、高速に蓄積された絶縁層の表面は粗く、界面の状態は悪く、その上に堆積された半導体層とよく整合できない。それに対して、本発明は低速堆積法により、相対的に薄い第2絶縁層を形成する。低速に堆積された絶縁層の表面は滑らかであり、均一性がよく、膜表面の質がよいため、生産効率を影響しない前提に、絶縁層の表面の質が向上し、その上の半導体層とよく整合でき、キャリヤーの転送に寄与し、薄膜トランジスタの電気学特性を向上させた。
【0026】
TFT−LCDが作動するときに、ソース電極とゲート電極との間に、ドレイン電極とゲート電極との間に、寄生コンデンサが存在するため、画素電極の充電が終わる瞬間にキックバック電圧ΔVが生じる。このキックバック電圧ΔVは、下記の式により表される。
【0027】
【数1】

【0028】
但し、Vghはゲート電極の「オン」電圧で、Vglはゲート電極の「オフ」電圧で、Clcは液晶コンデンサで、Cgsは寄生コンデンサで、Cは蓄積コンデンサである。研究によって分かるように、キックバック電圧ΔVの存在によって画素電極の極性は変更され、そして、正、負極性の電圧差は一致しないようになり、表示画面のフリッカ(flicker)現象が現れ、表示の質は大きく影響される。そのため、設計上、生じるキックバック電圧ΔVをなるべく小さくすることが要求される。本発明において、単位面積の蓄積容量の大きさは増大したため、蓄積容量の残量は十分に保証され、キックバック電圧ΔVを効果的に減少し、表示の質を向上させた。
【0029】
本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の製造方法の実施例は以下のステップを備えることができる。
【0030】
ステップ1:基板にゲート金属薄膜を堆積し、パターンニング工程によってゲートラインとゲート電極とのパターンが含まれたパターンを形成する。
【0031】
ステップ2:ステップ1を完成した基板に、第1絶縁層と透明導電薄膜を堆積し、パターンニング工程によって画素電極のパターンが含まれたパターンを形成する。
【0032】
ステップ3:ステップ2を完成した基板に、第2絶縁層と、半導体薄膜と、ドープ半導体薄膜とを堆積し、パターンニング工程によって活性層と、前記画素電極の上方に位置する絶縁層ビアーホールとのパターンが含まれたパターンを形成する。
【0033】
ステップ4:ステップ3を完成した基板に、ソース・ドレイン金属薄膜を堆積し、パターンニング工程によってデータラインと、ソース電極と、前記絶縁層ビアーホールを介して画素電極に接続するドレイン電極と、そのドープ半導体層が完全にエッチングされたTFTチャネル領域とのパターンが含まれたパターンを形成する。
【0034】
当該実施例のステップ4において、更にTFTチャネル領域の半導体層に対して酸化処理を行い、露出された半導体層の表面に酸化層を形成することもできる。
【0035】
当該実施例において、第1絶縁層と第2絶縁層が形成され、且つ画素電極が第1絶縁層と第2絶縁層の間に形成されたため、画素電極は、共通電極ライン或いはゲートラインと共に蓄積コンデンサを構成する場合に、蓄積コンデンサの2つの電極板間の距離は第1絶縁層の厚さしかなく、蓄積コンデンサの2つの電極板間の距離は大いに減縮され、単位面積の蓄積容量の大きさが増大した。更に、本発明は2層絶縁層の構造を採用するため、絶縁層と半導体層の間に形成された界面を改善でき、TFTの特性を向上できる。
【0036】
本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の製造方法の第1例示は以下のステップを備える。
【0037】
ステップ11:基板にゲート金属薄膜を堆積し、パターンニング工程によってゲートラインと、ゲート電極と、共通電極ラインとのパターンが含まれたパターンを形成する。
【0038】
ステップ12:ステップ11を完成した基板に、第1絶縁層と透明導電薄膜を堆積し、パターンニング工程によって画素電極のパターンが含まれたパターンを形成する。
【0039】
ステップ13:プラズマ強化化学気相蒸着法により、第2絶縁層と、半導体薄膜と、ドープ半導体薄膜とを順次堆積する。その後、前記ドープ半導体薄膜にホトレジストを塗布する。
【0040】
ステップ14:ハーフトーンマスク、或いはグレートーンマスクによって露光し、ホトレジストを、活性層のパターンが位置する領域に対応するホトレジスト完全保留領域と、絶縁層ビアーホールのパターンが位置する領域に対応するホトレジスト完全除去領域と、活性層のパターン及び絶縁層ビアーホールのパターン以外の領域に対応するホトレジスト半保留領域と、に形成する。現像処理を行った後、ホトレジスト完全保留領域のホトレジストの厚さは変化がなく、ホトレジスト完全除去領域のホトレジストは完全に除去され、ホトレジスト半保留領域のホトレジストは薄くなる。
【0041】
ステップ15:第1回のエッチング工程により、ホトレジスト完全除去領域のドープ半導体薄膜と、半導体薄膜と、第2絶縁層とを完全にエッチングし、画素電極のゲート電極に近い周縁に位置し、その中で画素電極が露出された絶縁層ビアーホールのパターンを形成する。
【0042】
ステップ16:アッシング工程により、ホトレジスト半保留領域のホトレジストを除去し、当該領域のドープ半導体薄膜を露出する。
【0043】
ステップ17:第2回のエッチング工程により、ホトレジスト半保留領域のドープ半導体層と半導体薄膜をエッチングし、活性層のパターンを形成し、残りのホトレジストを剥離する。
【0044】
ステップ18:磁気制御スパッタリング法、或いは熱蒸着法により、ステップ17を完成した基板にソース・ドレイン金属薄膜を堆積する。
【0045】
ステップ19:普通のマスクでパターンニング工程によってソース・ドレイン金属薄膜に対してパターニングを行い、データラインと、その一端は活性層に位置し、他端はデータラインに接続するソース電極と、その一端は活性層に位置し、他端は絶縁層ビアーホールを介して画素電極に接続するドレイン電極と、TFTチャネル領域とのパターンを形成し、ソース電極とドレイン電極の間におけるTFTチャネル領域のドープ半導体層は完全にエッチングされ、半導体層は厚さ方向の一部がエッチングされ、それによってTFTチャネル領域の半導体層を露出する。
【0046】
前記TFTチャネル領域の半導体層に対して酸化処理を行い、露出された半導体層の表面に酸化層を形成することができる。
【0047】
本例示で製造するTFT−LCDアレイ基板は、蓄積コンデンサが共通電極ラインに位置する(Cs on Common)構造であり、その製造過程については、上記図1〜13に示す技術案で詳細に紹介されたため、ここでその説明を省略する。
【0048】
本発明に係るTFT−LCDアレイ基板の製造方法の第2例示は以下のステップを備える。
【0049】
ステップ21:基板にゲート金属薄膜を堆積し、パターンニング工程によってゲートラインと、ゲート電極とのパターンが含まれたパターンを形成する。
【0050】
ステップ22:ステップ21を完成した基板に、第1絶縁層と、透明導電薄膜とを順次堆積し、パターンニング工程により、一部のゲートラインを覆う画素電極のパターンが含まれたパターンを形成する。
【0051】
ステップ23:プラズマ強化化学気相蒸着法により、第2絶縁層と、半導体薄膜と、ドープ半導体薄膜とを順次堆積する。その後、ドープ半導体薄膜にホトレジストを塗布する。
【0052】
ステップ24:ハーフトーンマスク、或いはグレートーンマスクによって露光し、ホトレジストを、活性層のパターンが位置する領域に対応するホトレジスト完全保留領域と、絶縁層ビアーホールのパターンが位置する領域に対応するホトレジスト完全除去領域と、活性層のパターン及び絶縁層ビアーホールのパターン以外の領域に対応するホトレジスト半保留領域と、に形成する。現像処理を行った後、ホトレジスト完全保留領域のホトレジストの厚さは変化がなく、ホトレジスト完全除去領域のホトレジストは完全に除去され、ホトレジスト半保留領域のホトレジストは薄くなる。
【0053】
ステップ25:第1回のエッチング工程により、ホトレジスト完全除去領域のドープ半導体薄膜と、半導体薄膜と、第2絶縁層とを完全にエッチングし、画素電極のゲート電極に近い周縁に位置し、その中で画素電極が露出された絶縁層ビアーホールのパターンを形成する。
【0054】
ステップ26:アッシング工程により、ホトレジスト半保留領域のホトレジストを除去し、当該領域のドープ半導体薄膜を露出する。
【0055】
ステップ27:第2回のエッチング工程により、ホトレジスト半保留領域のドープ半導体薄膜と半導体薄膜を完全にエッチングし、活性層のパターンを形成し、残りのホトレジストを剥離する。
【0056】
ステップ28:磁気制御スパッタリング法、或いは熱蒸着法により、ステップ27を完成した基板にソース・ドレイン金属薄膜を堆積する。
【0057】
ステップ29:普通のマスクでパターンニング工程によってソース・ドレイン金属薄膜に対してパターニングを行い、データラインと、その一端は活性層に位置し、他端はデータラインに接続するソース電極と、その一端は活性層に位置し、他端は絶縁層ビアーホールを介して画素電極に接続するドレイン電極と、TFTチャネル領域とのパターンを形成する。ソース電極とドレイン電極との間におけるTFTチャネル領域のドープ半導体層は完全にエッチングされ、半導体層は厚さ方向の一部がエッチングされ、それによってTFTチャネル領域の半導体層を露出する。前記TFTチャネル領域の半導体層に対して酸化処理を行い、露出された半導体層の表面に酸化層を形成する。
【0058】
本例示で製造するTFT−LCDアレイ基板は、蓄積コンデンサがゲートラインに位置する(Cs on Gate)構造であり、その製造過程は上記第1実施例とほぼ同じであり、異なるところは、本実施例のステップ21において、ゲート電極とゲートラインのパターンが含まれたパターンを形成し、ステップ22において、形成された画素電極は一部のゲートラインを覆うことにある。
【0059】
上記技術案において、酸化処理のRFパワーは5KW〜13KWであり、気圧は100mT〜500mTであり、酸素の流量は1000sccm〜4000sccmである。第1絶縁層の堆積について、高速堆積法が採用され、それによって生産効率を向上できる。第2絶縁層の堆積について、低速堆積法が採用され、それによって絶縁層の表面は滑らかで、膜表面の質がよい。表面の質がよい絶縁層は、その上に形成された半導体層とよく整合でき、キャリヤーの転送に寄与するため、薄膜トランジスタの電気学特性を向上できる。
【0060】
実際の適用において、本発明は、一部がゲートラインに位置し、他の部分が共通電極ラインに位置する蓄積コンデンサの構造を形成してもよい。即ち、上記第1実施例と第2実施例とを組み合せて組み合せ構造を形成し、ステップ1において、共通電極ラインを形成し、更にステップ2において、形成された画素電極に一部のゲートラインを覆わせる。
【0061】
上記実施例は本発明の技術案を説明するものであり、限定するものではない。最良な実施形態を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、その精神を逸脱しない範囲内において本発明の技術案を修正し、或いは均等な変更をすることができると理解すべきである。
【符号の説明】
【0062】
1 基板
2 ゲート電極
3 第1絶縁層
4 画素電極
5 第2絶縁層
6 半導体層
7 ドープ半導体層
8 ソース電極
9 ドレイン電極
11 ゲートライン
12 データライン
13 共通電極ライン
14 絶縁層ビアーホール
21 半導体薄膜
22 ドープ半導体薄膜
30 ホトレジスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に形成されたゲートラインと、データラインとを備えるTFT−LCDアレイ基板であって、
前記ゲートラインとデータラインとは交差して画素領域を画成し、前記画素領域内に画素電極と薄膜トランジスタが形成され、前記ゲートラインとデータラインとの間に第1絶縁層と第2絶縁層が形成され、前記画素電極は前記第1絶縁層と第2絶縁層との間に配置されることを特徴とするTFT−LCDアレイ基板。
【請求項2】
前記第1絶縁層は前記ゲートラインと前記薄膜トランジスタのゲート電極に形成され、前記画素電極は前記第1絶縁層に形成され、前記第2絶縁層は前記画素電極と前記第1絶縁層に形成され、前記第2絶縁層において、前記画素電極に絶縁層ビアーホールが形成され、活性層が第2絶縁層に形成され、且つ前記ゲート電極の上方に位置し、薄膜トランジスタのソース電極の一端は前記活性層に位置し、他端はデータラインに接続し、薄膜トランジスタのドレイン電極の一端は前記活性層に位置し、他端は前記絶縁層ビアーホールを介して画素電極に接続し、前記ソース電極とドレイン電極との間にTFTチャネル領域が形成されることを特徴とする請求項1に記載のTFT−LCDアレイ基板。
【請求項3】
前記活性層は堆積された半導体層とドープ半導体層を備え、前記TFTチャネル領域において、前記ドープ半導体層は完全にエッチングされ、前記半導体層の厚さ方向の一部がエッチングされることにより、TFTチャネル領域の半導体層を露出させることを特徴とする請求項2に記載のTFT−LCDアレイ基板。
【請求項4】
前記TFTチャネル領域において、前記ドープ半導体層を介して露出された半導体層の表面に、酸化処理によって形成された酸化層があることを特徴とする請求項3に記載のTFT−LCDアレイ基板。
【請求項5】
前記画素領域内に、前記画素電極と重なって蓄積コンデンサを構成する共通電極ラインが更に形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のTFT−LCDアレイ基板。
【請求項6】
前記画素電極は前記ゲートラインの一部を覆うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のTFT−LCDアレイ基板。
【請求項7】
TFT−LCDアレイ基板の製造方法であって、
基板にゲート金属薄膜を堆積し、パターンニング工程によってゲートラインとゲート電極とのパターンが含まれたパターンを形成するステップと、
第1絶縁層と、透明導電薄膜とを順次堆積し、パターンニング工程によって画素電極のパターンが含まれたパターンを形成するステップと、
第2絶縁層と、半導体層と、ドープ半導体層とを順次堆積し、パターンニング工程によって活性層と、前記画素電極の上方の第2絶縁層に位置する絶縁層ビアーホールとのパターンが含まれたパターンを形成するステップと、
ソース・ドレイン金属薄膜を堆積し、パターンニング工程によってデータラインと、ソース電極と、前記絶縁層ビアーホールを介して画素電極に接続するドレイン電極と、そのドープ半導体層が完全にエッチングされることにより、その下の前記半導体層が露出されるTFTチャネル領域とのパターンが含まれたパターンを形成するステップと、を備えることを特徴とするTFT−LCDアレイ基板の製造方法。
【請求項8】
活性層と、絶縁層ビアーホールとのパターンが含まれたパターンを形成するステップは、
プラズマ強化化学気相蒸着法により、第2絶縁層と、半導体層と、ドープ半導体層とを順次堆積するステップと、
前記ドープ半導体層にホトレジストを塗布するステップと、
ハーフトーンマスク、或いはグレートーンマスクによって露光し、前記ホトレジストを、活性層のパターンが位置する領域に対応するホトレジスト完全保留領域と、絶縁層ビアーホールのパターンが位置する領域に対応するホトレジスト完全除去領域と、活性層のパターン及び絶縁層ビアーホールのパターン以外の領域に対応するホトレジスト半保留領域とに形成し、露光された前記ホトレジストに対して現像処理を行った後、前記ホトレジスト完全保留領域のホトレジストの厚さには変化がなく、前記ホトレジスト完全除去領域のホトレジストは完全に除去され、前記ホトレジスト半保留領域のホトレジストは薄くなるステップと、
第1回のエッチング工程により、前記ホトレジスト完全除去領域のドープ半導体層と、半導体層と、第2絶縁層とを完全にエッチングにより除去し、その中で前記画素電極が露出された前記絶縁層ビアーホールのパターンを形成するステップと、
アッシング工程により、前記ホトレジスト半保留領域のホトレジストを除去し、前記ドープ半導体層を露出するステップと、
第2回のエッチング工程により、前記ホトレジスト半保留領域のドープ半導体層と半導体層を完全にエッチングにより除去し、活性層のパターンを形成するステップと、
残りのホトレジストを剥離するステップと、を備えることを特徴とする請求項7に記載のTFT−LCDアレイ基板の製造方法。
【請求項9】
データラインと、ソース電極と、ドレイン電極と、TFTチャネル領域とのパターンが含まれたパターンを形成するステップは、
磁気制御スパッタリング法、或いは熱蒸着法により、ソース・ドレイン金属層を堆積するステップと、
普通のマスクでパターンニング工程によってソース・ドレイン金属層に対してパターニングを行い、データラインと、その一端は活性層に位置し、他端はデータラインに接続するソース電極と、その一端は活性層に位置し、他端は絶縁層ビアーホールを介して画素電極に接続するドレイン電極と、TFTチャネル領域とのパターンを形成するステップと、を備え、
ソース電極とドレイン電極との間におけるTFTチャネル領域のドープ半導体層は完全にエッチングされ、半導体層は厚さ方向の一部がエッチングされることによってTFTチャネル領域の半導体層を露出させることを特徴とする請求項7に記載のTFT−LCDアレイ基板の製造方法。
【請求項10】
前記TFTチャネル領域の露出された半導体層に対して酸化処理を行い、前記ドープ半導体層を介して露出された半導体層の表面に酸化層を形成することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載のTFT−LCDアレイ基板の製造方法。
【請求項11】
前記酸化処理のRFパワーは5KW〜13KWであり、気圧は100mT〜500mTであり、酸素の流量は1000sccm〜4000sccmであることを特徴とする請求項10に記載のTFT−LCDアレイ基板の製造方法。
【請求項12】
前記第1絶縁層は高速堆積法によって堆積され、前記第2絶縁層は低速堆積法によって堆積されることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載のTFT−LCDアレイ基板の製造方法。
【請求項13】
前記高速堆積のRFパワーは4500W〜7000Wであり、シランの流量は900sccm〜1600sccmであり、且つ前記低速堆積のRFパワーは2500W〜4000Wであり、シランの流量は500sccm〜800sccmであることを特徴とする請求項12に記載のTFT−LCDアレイ基板の製造方法。
【請求項14】
ゲートラインと、ゲート電極とのパターンが含まれたパターンが形成されるとともに、ゲートラインと平行して延伸する共通電極ラインも形成され、この共通電極ラインは、その後に形成される画素電極と重なることを特徴とする請求項7に記載のTFT−LCDアレイ基板の製造方法。
【請求項15】
前記画素電極は前記ゲートラインの一部を覆うことを特徴とする請求項7〜9、或いは請求項14のいずれか一項に記載のTFT−LCDアレイ基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−204656(P2010−204656A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38635(P2010−38635)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(507134301)北京京東方光電科技有限公司 (90)
【Fターム(参考)】