説明

アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物/アミンまたはアンモニア反応の結合体のオリゴマー型またはポリマー型物質を含有するフッ化物含有フォトレジスト剥離剤または残渣除去洗浄組成物

【課題】重大な金属腐食を伴わずにマイクロエレクトロニクスのデバイスを洗浄するのに有用であり、ILDに適合する洗浄製剤を提供する。
【解決手段】(a)フッ化物イオンを提供する少なくとも1種のフッ化物化合物、(b)アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のアミンまたはアンモニウム化合物とのオリゴマー型またはポリマー型結合体である少なくとも1種の「褐変」アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物、および(c)水を含有する、半水性洗浄製剤を提供する。かかる製剤は、(d)少なくとも1種の極性、水混和性有機溶媒、(e)pH7以上、好ましくはpH約9.5ないし約10.8の最終組成物を産生するのに十分な量の、少なくとも1種の金属イオン不含塩基、および、1種またはそれ以上の(f)多価アルコール、および(g)界面活性剤を含む他の任意成分も含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトレジスト、汚染物、またはプラズマもしくはエッチングの残渣をマイクロエレクトロニクスのデバイスから除去するのに有用な組成物に関し、その組成物は、洗浄効率を維持しながら、良好な銅の腐食阻害または耐性をもたらす。特に、本発明は、組成物中に「褐変」したアルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のオリゴマー型またはポリマー型結合物質、特に、「褐変」した単糖類のオリゴマー型またはポリマー型結合物質が存在する、水性または半水性のアルカリ性の高いフッ化物含有洗浄組成物を提供する。本発明はまた、そのような組成物を用いるマイクロエレクトロニクスの基板およびデバイスの洗浄方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは、無機基板をフォトレジストで被覆し;露光およびその後の現像により、フォトレジスト膜にパターン形成し;パターン形成されたフォトレジスト膜をマスクとして使用して無機基板の露出領域をエッチングし、微細な回路構造を形成させ;そして、パターン形成されたフォトレジスト膜を無機基板から除去する各段階により製造されてきた。あるいは、上記と同様に微細な回路構造を形成した後、パターン形成されたフォトレジスト膜を灰化し、次いで残っているレジスト残渣を無機基板から除去する。
【0003】
フォトレジストおよび残渣をそのようなマイクロエレクトロニクスのデバイスから洗浄するために、アルカリをベースとする多数の洗浄組成物が提唱されてきた。しかしながら、そのようなマイクロエレクトロニクスのデバイスの洗浄において直面するある重大な問題は、洗浄組成物が、そのようなマイクロエレクトロニクスのデバイス中の金属、特に銅を腐食させる性向である。しかしながら、通常アルカリ性の剥離液である現在利用可能な剥離液は、腐食ウィスカー、電解腐食、点食、金属線の切り欠きなどの様々なタイプの金属腐食をもたらし、これは、少なくとも部分的には、金属のアルカリ性剥離剤との反応に起因すると観察された。
【0004】
この腐食問題を回避するために使用された過去の方法は、イソプロピルアルコールなどの非アルカリ性有機溶媒による中間すすぎを用いた。しかしながら、そのような方法は高価であり、望まれない安全性、化学的衛生および環境上の影響を有する。
【0005】
米国特許第6,465,403号では、フォトレジスト残渣および他の望まれない汚染物の除去により半導体ウェハ基板を剥離または洗浄するための、マイクロエレクトロニクス産業において有用な水性アルカリ性組成物が開示されている。その水性組成物は、典型的には、(a)約10−13のpHをもたらすのに十分な量の1種またはそれ以上の金属イオン不含塩基;(b)約0.01重量%ないし約5重量%(%SiOとして表記)の水溶性金属イオン不含珪酸塩;(c)約0.01重量%ないし約10重量%の1種またはそれ以上の金属キレート化剤および(d)場合により、他の成分;を含有する。
【特許文献1】米国特許第6,465,403号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、先行技術において開示された組成物は、いずれも、典型的なエッチングプロセスの後に残っている全ての有機汚染物および金属含有残渣を効果的に除去しない。ケイ素含有残渣は、これらの製剤を使用して除去するのが特に困難である。従って、半導体ウェハ基板を、集積回路を損なわずにそのような基板から無機および有機汚染物を除去することにより洗浄する、剥離組成物への要望がある。そのような組成物は、部分的に集積回路を構成している金属の特徴を腐食してはならず、中間すすぎに起因する出費と有害な影響を回避すべきである。フッ化物は、Siに富む残渣に良好であるが、多くの金属(Al、Cuなど)を腐食し、多くのILD(例えば、TEOS、CDOなど)を損なう。従って、
(1)半導体デバイスに使用される本質的に全ての金属(Al、Cu、Moなど)と適合し、即ち、そのような金属の腐食を本質的にもたらさず;
(2)中間すすぎを必要とせず;
(3)Siに富む残渣の洗浄のために良好であり;そして、
(4)本質的にILDに損傷を与えない、
フッ化物を含有するマイクロエレクトロニクスの洗浄組成物への要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、(a)フッ化物イオンを提供する少なくとも1種のフッ化物化合物、(b)アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のアミンまたはアンモニウム化合物とのオリゴマー型またはポリマー型結合体である少なくとも1種の「褐変」アルファ−ヒドロキシカルボニル結合体、および(c)水を含む、水性または半水性のフッ化物を含有するマイクロエレクトロニクスの洗浄組成物または製剤が提供される。アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物は一般式RCH(OH)CORのものであり、式中、RおよびRは、H、脂肪族の基、または環式の基から独立して選択され、脂肪族または環式の基は、1個またはそれ以上の置換基を含有し得る。そのような置換基には、芳香族性の基、複素芳香族性の基、ヒドロキシル基(−OH基)、エーテル基(−C−O−C)、アミド基(−C(O)NH)、スルホキシド基(−C−S(O)−C)、アミン(−NR、式中、RおよびRはHまたは炭素数1ないし10のアルキルである)、およびケトン基(−C(O))から選択される基が含まれるがこれらに限定されない。一般式RCH(OH)CORのアルファ−ヒドロキシカルボニル化合物において、RおよびRは、好ましくは、Hおよびアルキル基から、好ましくは、H、CHおよび(CHCH(nは、0ないし20好ましくは1ないし10、より好ましくは1ないし6の整数である)から選択される基である。適するアルファ−ヒドロキシカルボニル化合物の例には、1−ヒドロキシ−2−プロパノン(CHCOCHOH)CAS#119−09−6、1,3−ジヒドロキシアセトン(HOCHCOCHOH)CAS#62147−49−3、および、特にグルコース、フルクトースまたはガラクトースを含む、上記の一般構造に適合する単糖類が含まれるが、これらに限定されない。アミンとアルファ−ヒドロキシカルボニル化合物の反応は、最初にカルボニルの炭素におけるアミンの求核性付加により進行し、次いで、メイラード反応を介して継続すると知られている(Yaylayan, V. A.; Harty-Majors, S.; Ismail, A. A.; J. Agric. Food Chem. 1999, 47, 2335-2340)。メイラード反応は、実際には複雑な連続反応であり、詳細は Dills, W. L; Am. J. Clin. Nutr. 1993, 58, 779S-787S に見出すことができる。
【0008】
本発明の洗浄組成物は、(d)少なくとも1種の極性、水混和性有機溶媒などの他の成分を含有することもある。組成物のpHは、酸性pHから塩基性pHまでのいかなる適するpHであってもよい。本発明の組成物のある実施態様では、組成物は、(e)最終組成物をpH7またはそれ以上、好ましくはpH約9.5ないし約10.8にするのに十分な量の、少なくとも1種の金属イオン不含塩基も含有し得る。本発明の組成物は、1種またはそれ以上の(f)多価アルコール、および、(g)界面活性剤も含み得る。本発明の組成物で用いられる褐変したアルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のオリゴマー型またはポリマー型結合体は、約300ないし330nmに吸光ピークを有するオリゴマー型またはポリマー型結合体であり、その吸光ピークは約600ないし800nmの波長で始まる。これらの褐変したオリゴマー型またはポリマー型結合体は、既知の「メイラード反応」により形成され得る-L.C. Maillard, Compt. Rend. 154, 66 (1912); Ann. Chim. 9, 5, 258 (1916)。本発明の組成物で用いるアルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のアミンまたはアンモニウム化合物とのオリゴマー型またはポリマー型結合体である「褐変」結合体は、アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のアミンまたはアンモニウム化合物とのオリゴマー型またはポリマー型結合体の反応生成物である、アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物の単なる「黄変」結合体と区別される。なぜなら、「黄変」アルファ−ヒドロキシカルボニル結合体は、そのような「黄変」アルファ−ヒドロキシカルボニル結合体を含有する製剤が適切なCuエッチング速度の保護をもたらさないので、本発明の製剤において役に立たないからである。「黄変」アルファ−ヒドロキシカルボニル結合体は、約300ないし330nmに吸光ピークを有するが、その吸光ピークが約500ないし580nmで始まる、アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のアミンまたはアンモニウム化合物との反応生成物である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の洗浄組成物を、望まれない汚染物および/または残渣を基板表面から洗浄するのに十分な時間および温度で半導体デバイスと接触させる。本発明の組成物は、腐食耐性の増強、特に銅腐食耐性の増強、および洗浄効率の改善をもたらす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の洗浄組成物は、(a)フッ化物イオンを提供する少なくとも1種のフッ化物化合物、(b)アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のアミンまたはアンモニウム化合物とのオリゴマー型またはポリマー型結合体である少なくとも1種の「褐変」アルファ−ヒドロキシカルボニル結合体、および(c)水を含む、中性ないしアルカリ性の水性または半水性の洗浄製剤を含む。そのような製剤は、(d)少なくとも1種の極性、水混和性有機溶媒、(e)アルカリ性洗浄組成物が望ましい場合に、最終組成物をpH7またはそれ以上、好ましくはpH約9.5ないし約10.8にするのに十分な量の、少なくとも1種の金属イオン不含塩基、および、1種またはそれ以上の(f)多価アルコール、および、(g)界面活性剤を含むがこれらに限定されない、他の任意成分も含み得る。
【0011】
本発明の組成物で使用される「褐変」アルファ−ヒドロキシカルボニル結合体は、約300ないし330nmに吸光ピークを有し、その吸光ピークは約600ないし800nmの波長で始まる、アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のアミンまたはアンモニウム化合物とのオリゴマー型またはポリマー型結合体である。そのような褐変したオリゴマー型またはポリマー型結合体は、上述の「メイラード反応」などの既知方法に従い製造される。しかしながら、「褐変」アルファ−ヒドロキシカルボニル結合体を得るための任意の適する手段を用い得る。さらに、そのような「褐変」アルファ−ヒドロキシカルボニル結合体は、例えば暗色モラセスの形態で用い得る。アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物とアミンまたはアンモニア含有化合物との反応は、1分子のアルファ−ヒドロキシカルボニル化合物と1分子のアミンまたはアンモニア化合物との反応を基礎として、アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のアミンまたはアンモニア化合物に対する化学量論的比が約1:1ないし約16:1で実施し得る。しかしながら、アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物と反応するアミンまたはアンモニア化合物の存在がより少ないことは、反応生成物の銅腐食阻害能力の縮小をもたらすので、比は1:1であるのが好ましい。過剰のアミンまたはアンモニア含有化合物は、本洗浄組成物の銅腐食阻害特性に有意な効果を有さないと考えられる。この反応は幅広い時間および温度の範囲で実施できるが、アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物をアミンまたはアンモニア化合物と共に約70℃またはそれ以上に、約3時間またはそれ以上にわたり加熱することにより、反応を行うのが好ましい。得られるオリゴマー型またはポリマー型結合体の反応生成物が「褐変」生成物である限り、即ち、約300ないし330nmに吸光ピークを有し、そのピークは約600ないし800nmで始まるものである限り、任意の適する時間および温度を用い得る。一般に、本発明で好ましく用いる褐変アルファ−ヒドロキシカルボニル結合体は、約0.5eVまたはそれ以下の低いバンドギャップを有することを特徴とする。
【0012】
褐変アルファ−ヒドロキシカルボニル結合体は、任意の適するアルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のアミンまたはアンモニア化合物との反応から入手し得る。適するアルファ−ヒドロキシカルボニル化合物には、1−ヒドロキシ−2−プロパノン、CHCOCHOHおよび1,3−ジヒドロキシアセトン、HOCHCOCHOH、並びに、アラビノース、リキソース、リボース、デオキシリボース、キシロース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、ガラクトース、グルコース、グロース、イドース、マンノース、フルクトース、プシコース、ソルボース、タガトース、マンノヘプツロース、セドヘプツロース、オクツロース、2−ケト−3−デオキシ−マンノ−オクトネートおよびシアロースを含む全ての単糖類が含まれるが、これらに限定されない。特に好ましいのはフルクトースである。二糖類は本発明では使用できない。
【0013】
任意の適するアミンまたはアンモニア含有化合物を、本発明のアルファ−ヒドロキシカルボニル化合物と反応させ、褐変したアルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のアミンまたはアンモニウム化合物とのオリゴマー型またはポリマー型結合体を産生させ得る。適するアミンには、アミン、ジアミン、トリアミン、アルカノールアミン、アミノ酸、特に第1級および第2級アミンおよびアルカノールアミンがある。特に有用なのは、式NH(CH)nOH(式中、nは、1ないし約10、好ましくは1ないし約4、特に2である)のアルカノールアミンである。アンモニアは、上記のアミンと同様に適当である。適するアミン化合物には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエチレントリアミン、アミノ酢酸が含まれるが、これらに限定されない。特に好ましいのは、モノエタノールアミンである。好ましい褐変アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物は、フルクトースのモノエタノールアミンとの反応から得られる。
【0014】
フッ化物イオンを提供する任意の適するフッ化物化合物を、本発明の組成物で用い得る。適するフッ化物化合物には、HF、フッ化アンモニウム、フッ化テトラアルキルアンモニウム、特にアルキル基が1個ないし4個の炭素原子を含有するもの、フッ化アンモニウムなどのフッ化物塩が含まれる。これらの特に有用なフッ化物化合物の中で、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラブチルアンモニウムおよびフッ化アンモニウム、好ましくはフッ化アンモニウムに言及し得る。
【0015】
本発明の洗浄組成物におけるフッ化物化合物の量は、一般的に、約0.0001ないし約10重量%、好ましくは約0.01ないし約5重量%、より好ましくは約0.5ないし約1重量%の範囲にある。「褐変」オリゴマー型またはポリマー型アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物は、一般的に、約0.1ないし約20重量%、好ましくは約1ないし約10重量%、より好ましくは約3ないし約7重量%の量で本発明の洗浄組成物中に存在する。水は、本発明の組成物中に、約10ないし約99.9重量%、好ましくは約60ないし約99重量%、より好ましくは約85ないし約96.5重量%の量で存在する。全ての百分率は、洗浄組成物の総重量を基準とする。
【0016】
洗浄組成物のpHは、アルカリ性または酸性であるが、好ましくは、7またはそれ以上、好ましくは約pH7ないし約10.8、より好ましくは約9.5ないし約10.8のpHである。組成物のpHを調節する必要があるならば、場合により金属イオン不含塩基を洗浄組成物に添加し得る。任意の適する金属イオン不含塩基を用い得る。本洗浄組成物中で用い得る適当な金属イオン不含塩基には、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド(アルキルまたはアルコキシ基中に一般的には1個ないし4個の炭素原子があるヒドロキシ−およびアルコキシ−含有アルキル基を含む)などの第4級水酸化アンモニウムがあり得る。これらのアルカリ性物質のなかで最も好ましいのは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドおよびトリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド(コリン)である。他の使用できる第4級水酸化アンモニウムの例には:トリメチル−3−ヒドロキシプロピルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル−3−ヒドロキシブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル−4−ヒドロキシブチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、トリプロピル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、モノメチルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチル−トリエチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルトリプロピルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルトリブチルアンモニウムヒドロキシド、モノエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、モノエチルトリブチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジエチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジブチルアンモニウムヒドロキシドなど、およびこれらの混合物が含まれる。本発明において機能する他の塩基には、水酸化アンモニウム、有機アミン、特にアルカノールアミン、例えば2−アミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、1−アミノ−3−プロパノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミンなど、および、他の強有機塩基、例えば、グアニジン、1,3−ペンタンジアミン、4−アミノメチル−1,8−オクタンジアミン、アミノエチルピペラジン、4−(3−アミノプロピル)モルホリン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、トリス(2−アミノエチル)アミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミンおよびヒドロキシルアミンが含まれる。本組成物で用いるそのような塩基の量は、組成物に所望のpHを与える量であり、一般的には、約0ないし約15重量%、好ましくは約0.5ないし約5重量%、およびより好ましくは、約1ないし約2重量%の量である。
【0017】
本発明の製剤は、水性をベースとし得るが、半水性であってもよい。即ち、製剤は、少なくとも1種の極性の水混和性有機溶媒を含有することもある。任意の適する極性の水混和性有機溶媒を製剤に用い得る。そのような適する極性の水混和性有機溶媒には、アミド類、スルホン類、スルホキシド類、飽和アルコール類などが含まれるが、これらに限定されない。そのような有機極性溶媒には、スルホラン(テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド)、3−メチルスルホラン、n−プロピルスルホン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メチルスルホン、n−ブチルスルホン、3−メチルスルホランなどの有機極性溶媒、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン(HEP)、ジメチルピペリドン(DMPD)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)およびジメチルホルムアミド(DMF)並びにこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。有機極性溶媒として特に好ましいのは、N−メチルピロリドン、スルホランおよびDMSOである。存在するならば、極性の水混和性有機溶媒は、一般的に、約0より多く約50重量%まで、好ましくは約5ないし約30重量%、より好ましくは約10ないし約20重量%の量で存在する。
【0018】
本発明の製剤は、場合により、任意の適する多価アルコール成分も含有し得る。そのような適当な多価アルコールには、ソルビトール、キシリトール、グリセロール、エチレングリコール、ブタン−1,4−ジオールが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、用いる多価アルコールは、好ましくはD−ソルビトールである。本組成物中に存在する多価アルコールの量は、存在するならば、約0より多く約10重量%まで、好ましくは約0より多く約7重量%まで、より好ましくは約0より多く約5重量%までの範囲にあり得る。
【0019】
本発明の製剤は、例えば界面活性剤などの、洗浄組成物の有効性に対して有害ではない任意成分も含有し得る。本発明の組成物は、任意の適する水溶性、両性、非イオン性、陽イオン性または陰イオン性界面活性剤も含有し得る。界面活性剤の添加は、製剤の表面張力を下げ、洗浄されるべき表面の湿潤を改善し、従って本組成物の洗浄作用を改善する。本発明の組成物で有用な両性界面活性剤には、アルキルベタイン、アミドアルキルベタイン、アルキルスルホベタインおよびアミドアルキルスルホベタインなどのベタインおよびスルホベタイン;アムホ(ampho)グリシネート、アムホプロピオネート、アムホジグリシネートおよびアムホジプロピオネートなどのアミノカルボン酸誘導体;アルコキシアルキルイミノ二塩基酸などのイミノ二塩基酸(iminodiacid);アルキルアミン酸化物およびアルキルアミドアルキルアミン酸化物などのアミン酸化物;フルオロアルキルスルホネートおよびフッ化アルキル両性物質(amphoteric);およびこれらの混合物が含まれる。好ましくは、両性界面活性剤は、ココアミド(cocoamide)プロピルベタイン、ココアミドプロピルジメチルベタイン、ココアミドプロピルヒドロキシスルタン(sultaine)、カプリロアムホジプロピオネート、ココアミドジプロピオネート、ココアムホプロピオネート、ココアムホヒドロキシエチルプロピオネート、イソデシルオキシプロピルイミノジプロピオン酸、ラウリルイミノジプロピオネート、ココアミドプロピルアミンオキシドおよびココアミンオキシドおよびフッ化アルキル両性物質である。本発明の組成物で有用な非イオン性界面活性剤には、アセチレンジオール、エトキシル化アセチレンジオール、フッ化アルキルアルコキシレート、フッ化アルキルエステル、フッ化ポリオキシエチレンアルカノール、多価アルコールの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジオール、シロキサン型界面活性剤、およびアルキレングリコールモノアルキルエーテルが含まれる。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、アセチレンジオールまたはエトキシル化アセチレンジオールである。本発明の組成物で有用な陰イオン性界面活性剤には、カルボン酸塩、N−アシルサルコシン酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、並びにリン酸デシルなどのオルトリン酸のモノおよびジエステルが含まれる。好ましくは、陰イオン性界面活性剤は、金属不含界面活性剤である。本発明の組成物で有用な陽イオン性界面活性剤には、アミンエトキシレート、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ジアルキルモルホリウム(morpholinum)塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩およびアルキルピリジニウム塩が含まれる。好ましくは、陽イオン性界面活性剤は、ハロゲン不含界面活性剤である。界面活性剤は、本発明の組成物中で用いるならば、一般的には約0より多く約1重量%まで、好ましくは約0.05ないし約0.2重量%の量で存在する。
【0020】
本発明の製剤を、また、1種またはそれ以上の適する金属キレート化剤と共に製剤化して、製剤が金属を溶液中に保持する能力を高め、ウェハ基板上の金属性残渣の溶解を高め得る。この目的で有用な金属キレート化剤の典型的な例は、以下の有機酸およびそれらの異性体および塩である:(エチレンジニトリロ)テトラ酢酸(EDTA)、ブチレンジアミンテトラ酢酸、シクロヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸(CyDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DETPA)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、(ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリ酢酸(HEDTA)、N,N,N',N'−エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン)酸(EDTMP)、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸(TTHA)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン−N,N,N',N'−テトラ酢酸(DHPTA)、メチルイミノジ酢酸、プロピレンジアミンテトラ酢酸、ニトリロトリ酢酸(NTA)、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、糖酸、グリセリン酸、シュウ酸、フタル酸、マレイン酸、マンデル酸、マロン酸、乳酸、サリチル酸、カテコール、没食子酸、没食子酸プロピル、ピロガロール、8−ヒドロキシキノリンおよびシステイン。金属キレート化剤として好ましいのは、シクロヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸(CyDTA)などのアミノカルボン酸である。少なくとも1種の金属キレート化剤は、約0より多く約1重量%まで、好ましくは約0.05ないし約0.2重量%の量で存在し得る。
【0021】
本発明の洗浄組成物は、マイクロエレクトロニクスのデバイスを本発明の洗浄組成物と、フォトレジストまたはプラズマもしくはエッチングの残渣をマイクロエレクトロニクスのデバイスから除去するのに適当な時間および適当な温度で接触させることにより、フォトレジストまたはプラズマもしくはエッチングの残渣をマイクロエレクトロニクスのデバイスから洗浄するのに使用される。
【実施例】
【0022】
本発明は以下の実例となる実施例により例示説明されるが、これらに限定されない。
【0023】
以下は、本発明の組成物において有用な、「褐変」したアルファ−ヒドロキシカルボニルが結合したオリゴマーまたはポリマーの例である。
褐変成分A:フルクトースおよび水の50:50(重量)混合物100gを、モノエタノールアミン50gと、70℃の温度で約3時間反応させた。
褐変成分B:フルクトースおよび水の50:50(重量)混合物100gを、モノエタノールアミン16gと、70℃の温度で約3時間反応させた。
褐変成分C:フルクトースおよび水の50:50(重量)混合物100gを、モノエタノールアミン5gと、70℃の温度で約3時間反応させた。
褐変成分D:フルクトースおよび水の50:50(重量)混合物100gを、モノエタノールアミン1gと、70℃の温度で約3時間反応させた。
褐変成分E:フルクトース50gを水10gに溶解し、混合物を80℃に加熱し、次いで、モノイソプロパノールアミン20.8gを添加した。溶液は発熱反応により加熱され、沸騰作用下で水を放出した。
褐変成分F:フルクトース50gを、水10gに溶解し、混合物を80℃に加熱し、次いで、ジエタノールアミン29.2gを添加した。溶液は発熱反応により加熱され、沸騰作用下で水を放出した。
褐変成分G:フルクトース50gを、水10gに溶解し、混合物を80℃に加熱し、次いで、トリエタノールアミン41.9gを添加した。溶液は発熱反応により加熱され、沸騰作用下で水を放出した。
褐変成分H:フルクトース50gを、水10gに溶解し、混合物を80℃に加熱し、次いで、ジエチレントリアミン26.5gを添加した。溶液は発熱反応により加熱され、沸騰作用下で水を放出した。
褐変成分J:フルクトース50gを、水10gに溶解し、混合物を80℃に加熱し、次いで、アミノ酢酸(グリシン)20.8gを添加した。溶液は発熱反応により加熱され、沸騰作用下で水を放出した。
褐変成分K:グルコース50gを、水10gに溶解し、混合物を80℃に加熱し、次いで、モノエタノールアミン17.0gを添加した。溶液は発熱反応により加熱され、沸騰作用下で水を放出した。
褐変成分L:ガラクトース50gを水10gに溶解し、混合物を80℃に加熱し、次いで、モノエタノールアミン20.8gを添加した。溶液は発熱反応により加熱され、沸騰作用下で水を放出した。
褐変成分M:1−ヒドロキシ−2−プロパノンおよび水の50:50混合物50gを、モノエタノールアミン8gと、70℃で約1時間反応させた。
褐変成分N:ジヒドロキシアセトンおよび水の50:50混合物50gを、モノエタノールアミン8gと、70℃で約1時間反応させた。
【0024】
比較用の「黄変」したアルファ−ヒドロキシカルボニル化合物およびアミンの反応生成物を、比較目的で製造した。これらの黄変反応生成物は、以下のものである。
黄変成分1:フルクトースおよび水の50:50混合物100gを、モノエタノールアミン16gと70℃の温度で約3時間反応させ、次いで約20℃の室温で終夜静置した。
黄変成分2:フルクトースおよび水の50:50混合物100gを、モノエタノールアミン50gと70℃の温度で終夜反応させ、次いで約20℃の室温で1週間静置した。
【0025】
Cuエッチング速度のベースラインの測定を提供するために、フルクトースを単独で、即ち、アミンまたはアンモニア含有化合物と反応させずに用いる、さらなる比較用組成物を製造した。
【0026】
本発明の組成物および比較用組成物について、銅腐食阻害を以下の方法で試験した。銅被覆ウェハを、約20℃の試験組成物を含有する150mlのビーカーに入れた。組成物を、約200rpmで15分間、Cu表面をスターラーバーから離して撹拌した。上記の「褐変」成分または上記の「黄変」比較用成分、またはフルクトースのみを、以下の2種の基剤溶液の一方に添加することにより、試験組成物を調製した。基剤溶液#1:40%水性NHF溶液3.25g(NHF1.3gおよび水1.95g)、30%水性NHOH溶液4.33g(NHOH1.3gおよび水3.03g)、脱イオン水466.82gからなる;総溶液重量474.4g。基剤溶液#2は、40%水性NHF溶液1.75g(NHF0.7gおよび水1.05g)および本発明の組成物を総重量100gにするのに十分な脱イオン水からなる。
【0027】
組成物および試験結果を表1に提示する。
表1
【表1】

【0028】
数種の化合物を試験し、適切な銅腐食阻害を提供するための、アミンとの反応におけるアルファ−ヒドロキシカルボニル化合物の必要性を確認した。異なるタイプのカルボニル化合物を試験した;ケトン(アセトン、HCCOCH)、ジケトン(2,3−ペンタンジオン、HCCOCOCHCH)、アルデヒド(ホルムアルデヒド、HCOH)および2種の異なるアルファ−ヒドロキシカルボニル化合物(1−ヒドロキシ−2−プロパノン、CHCOCHOH、および、1,3−ジヒドロキシアセトン、HOCHCOCHOH)。表2から、アセトンおよびホルムアルデヒドの両者は、モノエタノールアミンと併せて使用すると、いかなる利益も示さないことが理解できる。対照的に、アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物である1−ヒドロキシ−2−プロパノンおよび1,3−ジヒドロキシアセトンを使用すると、Cuエッチング速度は、モノエタノールアミンのエッチングより20倍低い規模である。ジケトン、2,3−ペンタンジオンを使用することにより、妥当な腐食阻害が得られることも示された。これは、アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物に化学的平衡濃度をもたらす有機化学で周知のケト−エノール互変異性の現象により、合理的に説明される(Jones, M; Organic Chemistry 1997, W.W. Norton & Company, Inc., 500 Fifth Avenue, New York, N. Y. 10110)。アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物の必要性を明確に示す他のデータは、4−ヒドロキシ−4−メチル2−ペンタノン、ベータ−ヒドロキシカルボニル化合物を用いた結果である。この化合物は、銅適合性の改善を示さなかった。このことは、アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物の必要性を強く示している。
【0029】
各試験組成物につき、DMSO、NMPまたはこれらの混合物中、70℃での銅エッチング速度(Å/分)を表2に記載する。全組成物は、アミンとしてモノエタノールアミンを利用し、列挙した化合物と70℃で約3時間反応させた。
表2
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の組成物は、既知のフッ化物を含有するマイクロエレクトロニクスの洗浄組成物と同様に、しかし既知のフッ化物を含有する洗浄組成物の使用で直面する重大な銅腐食を伴わずに、フォトレジストまたはプラズマもしくはエッチングの残渣をマイクロエレクトロニクスのデバイスから洗浄することを提供する。好ましい本発明の洗浄組成物は、約1.74の重量割合のフルクトースとモノエタノールアミンのオリゴマー型またはポリマー型結合体、約0.06の重量割合のフッ化アンモニウム、約98.2重量割合の水を含む。
【0031】
本発明を特定の実施態様を参照して説明したが、本明細書で開示した発明の概念の精神および範囲から逸脱せずに、変更、改変および変形を成し得ることが理解されよう。従って、全てのそのような変更、改変および変形は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲に含まれると意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)フッ化物イオンを提供する少なくとも1種のフッ化物化合物、(b)少なくとも1種のアルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のアミンまたはアンモニウム化合物との「褐変」したオリゴマー型またはポリマー型結合体、および(c)水を含む、水性または半水性のフッ化物を含有するマイクロエレクトロニクスの洗浄組成物。
【請求項2】
アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物が、式RCH(OH)COR(式中、RおよびRは、H、脂肪族の基または環式の基からなる群から独立して選択される)の化合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のRおよびRが、H、CHおよび(CH)nCH(nは、0ないし20の整数である)からなる群から独立して選択され、アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のアミンまたはアンモニウム化合物とのオリゴマー型またはポリマー型結合体が、約300ないし330nmの吸光ピークを有し、該吸光ピークは、約600ないし800nmで始まるものである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物が、アラビノース、リキソース、リボース、デオキシリボース、キシロース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、ガラクトース、グルコース、グロース、イドース、マンノース、フルクトース、プシコース、ソルボース、タガトース、マンノヘプツロース、セドヘプツロース、オクツロース、2−ケト−3−デオキシ−マンノ−オクトネートおよびシアロースからなる群から選択される単糖類であり、アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のアミンまたはアンモニウム化合物とのオリゴマー型またはポリマー型結合体が、約300ないし330nmの吸光ピークを有し、該吸光ピークは、約600ないし800nmで始まるものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のアミンまたはアンモニウム化合物とのオリゴマー型またはポリマー型結合体が、フルクトースとモノエタノールアミンの結合体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
フルクトースとモノエタノールアミンのオリゴマー型またはポリマー型結合体が、約300ないし330nmの吸光ピークを有し、該吸光ピークは、約600ないし800nmで始まるものである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
フルクトースおよびモノエタノールアミンを一緒に少なくとも70℃の温度で少なくとも3時間加熱することにより該結合体を製造する、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
フッ化物化合物としてフッ化アンモニウムを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
フッ化物化合物としてフッ化アンモニウムを含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項10】
該組成物がさらに水酸化アンモニウムを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
該組成物のpHが約pH7ないし約pH10.8である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
該組成物のpHが約pH7ないし約pH10.8である、請求項5に記載の組成物。
【請求項13】
約0.0001ないし約10重量%のフッ化物成分;約0.1ないし約20重量%のオリゴマー型またはポリマー型結合体成分、および、約10ないし約99.9重量%の水を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
約0.5ないし約1重量%のフッ化物成分;約3ないし約7重量%のフルクトースとモノエタノールアミンのオリゴマー型またはポリマー型結合体成分、および、約85ないし約96.5重量%の水を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項15】
界面活性剤、金属イオン不含塩基、極性水混和性有機溶媒、多価アルコールおよび金属キレート化剤からなる群から選択される1種またはそれ以上の成分をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
界面活性剤、金属イオン不含塩基、極性水混和性有機溶媒、多価アルコールおよび金属キレート化剤からなる群から選択される1種またはそれ以上の成分をさらに含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項17】
約1.74の重量割合のフルクトースとモノエタノールアミンのオリゴマー型またはポリマー型結合体、約0.06の重量割合のフッ化アンモニウム、約98.2重量割合の水を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項18】
該褐変結合体が約0.5eVまたはそれ以下のバンドギャップを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
該褐変結合体が約0.5eVまたはそれ以下のバンドギャップを有する、請求項5に記載の組成物。
【請求項20】
フォトレジスト、汚染物またはエッチングもしくは灰化の残渣をマイクロエレクトロニクスの基板から洗浄する方法であって、該マイクロエレクトロニクスの基板を、フォトレジスト、汚染物またはエッチングもしくは灰化の残渣を除去するのに十分な時間および温度で洗浄組成物と接触させることを含み、該洗浄組成物は、(a)フッ化物イオンを提供する少なくとも1種のフッ化物化合物、(b)少なくとも1種のアルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のアミンまたはアンモニウム化合物との「褐変」したオリゴマー型またはポリマー型結合体、および(c)水を含むものである、方法。
【請求項21】
アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物が、式RCH(OH)COR(式中、RおよびRは、H、脂肪族の基および環式の基からなる群から独立して選択される)の化合物である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物が、アラビノース、リキソース、リボース、デオキシリボース、キシロース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、ガラクトース、グルコース、グロース、イドース、マンノース、フルクトース、プシコース、ソルボース、タガトース、マンノヘプツロース、セドヘプツロース、オクツロース、2−ケト−3−デオキシ−マンノ−オクトネートおよびシアロースからなる群から選択される単糖類であり、アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のアミンまたはアンモニウム化合物とのオリゴマー型またはポリマー型結合体が、約300ないし330nmの吸光ピークを有し、該吸光ピークは、約600ないし800nmで始まるものである、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
アルファ−ヒドロキシカルボニル化合物のアミンまたはアンモニウム化合物とのオリゴマー型またはポリマー型結合体が、フルクトースとモノエタノールアミンの結合体であり、約300ないし330nmの吸光ピークを有し、該吸光ピークは、約600ないし800nmで始まるものである、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
フルクトースおよびモノエタノールアミンを一緒に少なくとも70℃の温度で少なくとも3時間加熱することにより該結合体を製造する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
該組成物が、フッ化物化合物としてフッ化アンモニウムを含み、約pH7ないし約pH10.8のpHを有し、そして、結合体が、約0.5eVまたはそれ以下のバンドギャップを有する、請求項24に記載の方法。

【公開番号】特開2009−141310(P2009−141310A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−113551(P2008−113551)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(503077143)マリンクロッド・ベイカー・インコーポレイテッド (21)
【氏名又は名称原語表記】MALLINCKRODT BAKER, INC.
【Fターム(参考)】