エッチング方法およびエッチング処理装置
【課題】基板上の場所によってばらつきのないより均一な膜のパターニング形状を得るエッチング方法およびエッチング処理装置、を提供する。
【解決手段】エッチング方法は、1断目エッチング処理槽61において、温度t1を有するエッチング液を用いて、金属膜の表層を除去する工程と、金属膜の表層を除去する工程の後に、2〜4段目エッチング処理槽62〜64において、温度t1よりも高い温度t2を有するエッチング液を用いて、金属膜をパターニングする工程とを備える。
【解決手段】エッチング方法は、1断目エッチング処理槽61において、温度t1を有するエッチング液を用いて、金属膜の表層を除去する工程と、金属膜の表層を除去する工程の後に、2〜4段目エッチング処理槽62〜64において、温度t1よりも高い温度t2を有するエッチング液を用いて、金属膜をパターニングする工程とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的には、エッチング方法およびエッチング処理装置に関し、より特定的には、基板上に形成された膜をパターニングする際に利用されるエッチング方法およびエッチング処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエッチング方法に関して、たとえば、特開平4−337637号公報には、薄膜トランジスタマトリクス基板などの製造工程におけるエッチング、洗浄、乾燥処理の際に、ウォータマークなどの汚染が残ることを防止し、製品品質と歩留まりとを向上させることを目的とした膜形成基板の処理方法が開示されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示された膜形成基板の処理方法においては、エッチング液を用いて膜をウェットエッチングするエッチング工程と、基板に純水を噴出することによって、エッチング液を洗浄するリンス工程と、高圧空気を噴出するエアナイフにより、基板を乾燥させる乾燥工程とを順に実施する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−337637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献に開示されるように、基板上に形成された膜をパターニングする方法として、エッチングが利用されている。しかしながら、基板上に形成された膜の状態は、たとえば局所的に酸化や窒化が進んでいる等の理由により、部分的に異なる場合がある。この場合に、膜にエッチャントを供給し、エッチングを行なうと、基板上の場所によってエッチングレートが変わり、得られる膜のパターニング形状にばらつきが生じるおそれがある。
【0006】
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、基板上の場所によってばらつきのないより均一な膜のパターニング形状を得るエッチング方法およびエッチング処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に従ったエッチング方法は、基板上に形成された膜をパターニングするためのエッチング方法である。エッチング方法は、第1温度を有するエッチャントを用いて、膜の表層を除去する工程と、膜の表層を除去する工程の後に、第1温度よりも高い第2温度を有するエッチャントを用いて、膜をパターニングする工程とを備える。
【0008】
このように構成されたエッチング方法によれば、基板上の場所によって膜のエッチングレートが異なる場合を想定し、まず、その原因となり得る膜の表層を除去する。この際、第1温度を有するエッチャントを用いることにより、相対的に低い処理温度でエッチングする。これにより、相対的に低い処理温度では、エッチングレートの高い場所と低い場所との間で反応速度に差が生じ難いため、基板上でより均一に膜の表層を除去することができる。その後、第2の温度を有するエッチャントを用いて、相対的に高い処理温度で膜をパターニングする。これにより、基板上の場所によってばらつきのないより均一な膜のパターニング形状を得ることができる。
【0009】
また好ましくは、膜の表層を除去する工程は、第1温度を有するエッチャントを所定の期間、膜に対して供給する工程を含む。膜をパターニングする工程は、第2温度を有するエッチャントを所定の期間、膜に対して供給する工程を含む。このように構成されたエッチング方法によれば、第1温度を有するエッチャントを所定の期間、膜に対して供給する間に、膜の表層を除去し、第2温度を有するエッチャントを所定の期間、膜に対して供給する間に、膜をパターニングする。
【0010】
また好ましくは、エッチング方法は、膜をパターニングする工程の後に、基板上を洗浄する工程をさらに備える。このように構成されたエッチング方法によれば、膜をパターニングする工程の後に、基板上に残るエッチング液や、膜の残渣を除去する。
【0011】
また好ましくは、基板は、液晶基板である。膜は、液晶基板上に配線を形成するための金属膜である。このように構成されたエッチング方法によれば、液晶基板に、基板上の場所によってばらつきのないより均一な配線パターンを形成することができる。
【0012】
また好ましくは、膜の表層を除去する工程は、第1エッチング処理槽で、第1温度を有するエッチャントを膜に供給する工程を含む。エッチング方法は、膜の表層を除去する工程の後に、基板を第1エッチング処理槽から第2エッチング処理槽に移動させる工程をさらに備える。膜をパターニングする工程は、第2エッチング処理槽で、第2温度を有するエッチャントを膜に供給する工程を含む。
【0013】
このように構成されたエッチング方法によれば、膜の表層を除去する工程を実施する第1エッチング処理槽と、膜をパターニングする工程を実施する第2エッチング処理槽とを分けて設けることにより、互いに異なる温度を有するエッチャントを供給するシステムを簡易に構成できる。
【0014】
この発明に従ったエッチング処理装置は、基板上に形成された膜をパターニングするためのエッチング処理装置である。エッチング処理装置は、第1温度を有するエッチャントを用いて膜の表層を除去する第1エッチング処理槽と、第1エッチング処理槽から基板が搬送され、第1温度よりも高い第2温度を有するエッチャントを用いて膜をパターニングする第2エッチング処理槽と、膜に供給されたエッチャントを回収するタンク部と、タンク部に回収されたエッチャントを第1温度に温度調整し、第1エッチング処理槽に供給する第1供給部と、タンク部に回収されたエッチャントを第2温度に温度調整し、第2エッチング処理槽に供給する第2供給部とを備える。
【0015】
このように構成されたエッチング処理装置によれば、基板上の場所によってばらつきのないより均一な膜のパターニング形状を得ることができる。さらに、膜に供給されたエッチャントを回収し、さらに第1温度および第2温度に温度調整したエッチャントをそれぞれ第1エッチング処理槽および第2エッチング処理槽に供給するエッチャントの循環システムを構築する。これにより、異なる温度を有するエッチャントの供給機構を簡易に構成し、エッチング処理装置内に容易かつコンパクトに組み込むことができる。
【0016】
また好ましくは、第2供給部は、タンク部に貯留されたエッチャントを第2温度に温度調整するように設けられる温度調整部を有する。このように構成されたエッチング処理装置によれば、タンク部において第2温度に温度調整されたエッチャントを、第2エッチング処理槽に供給するとともに、第1供給部によって第2温度から第1温度に温度調整されたエッチャントを、第1エッチング処理槽に供給する。
【発明の効果】
【0017】
以上に説明したように、この発明に従えば、基板上の場所によってばらつきのないより均一な膜のパターニング形状を得るエッチング方法およびエッチング処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の実施の形態1におけるエッチング方法の第1工程を示す断面図である。
【図2】図1中に示すエッチング方法により処理される液晶基板を示す平面図である。
【図3】この発明の実施の形態1におけるエッチング方法の第2工程を示す断面図である。
【図4】この発明の実施の形態1におけるエッチング方法の第3工程を示す断面図である。
【図5】エッチング工程時に供給するエッチング液の温度変化を示すグラフである。
【図6】図5中に示すエッチング液の温度変化の第1変形例を示すグラフである。
【図7】図5中に示すエッチング液の温度変化の第2変形例を示すグラフである。
【図8】エッチングの処理温度と反応速度との関係を表わすグラフである。
【図9】この発明の実施の形態2におけるエッチング処理装置を模式的に示す図である。
【図10】図9中のエッチング処理装置に設けられるエッチング液の供給システムを模式的に示す図である。
【図11】図9および図10中に示すエッチング処理装置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1におけるエッチング方法の第1工程を示す断面図である。図2は、図1中に示すエッチング方法により処理される液晶基板を示す平面図である。本実施の形態では、本発明におけるエッチング方法を、液晶表示装置の表示パネルの製造工程に適用した場合について説明する。
【0021】
図1中には、代表的に、液晶基板10の中心領域100における基板断面と、外縁領域110における基板断面とが示されている。図2中に示すように、中心領域100は、液晶基板10の中心付近の領域であり、外縁領域110は、液晶基板10の外縁付近の領域である。
【0022】
本実施の形態におけるエッチング方法においては、まず、エッチング工程の前工程として、液晶基板10上に、金属膜12およびレジスト膜14を形成する。
【0023】
液晶基板10は、ガラスから形成されており、主表面10mを有する。主表面10mには、本実施の形態におけるエッチング方法によりパターニングされる金属膜12が形成されている。金属膜12は、液晶基板10に薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)の配線(たとえば、ソース配線やゲート配線など)を形成するための膜であり、金属から形成されている。金属膜12は、たとえば、アルミニウムや、チタン、銅、モリブデンなどから形成されている。
【0024】
なお、図中には、1層からなる金属膜12が示されているが、主表面10m上に複数層からなる金属膜が形成されてもよい。
【0025】
液晶基板10は、主表面10mを平面的に見た場合に、矩形形状を有する。液晶基板10は、一例として、2160×2460mm、もしくは2850×3050mmのサイズを有する大型基板である。
【0026】
レジスト膜14は、金属膜12をエッチングする際にマスク膜として用いられる。レジスト膜14は、予め実施したフォトリソグラフィ工程により、金属膜12のパターニング形状に対応したパターンに形成されている。
【0027】
図3は、この発明の実施の形態1におけるエッチング方法の第2工程を示す断面図である。図4は、この発明の実施の形態1におけるエッチング方法の第3工程を示す断面図である。
【0028】
図3を参照して、次に、液晶基板10の基板上に温度t1を有するエッチング液を供給する。これにより、中心領域100および外縁領域110の各領域において、レジスト膜14から露出する金属膜12の表層12aを除去する。
【0029】
図4を参照して、次に、液晶基板10の基板上に、温度t1よりも大きい温度t2を有するエッチング液を供給する。これにより、中心領域100および外縁領域110の各領域において、レジスト膜14から露出する金属膜12を除去し、金属膜12を所定の配線形状にパターニングする。
【0030】
図5は、エッチング工程時に供給するエッチング液の温度変化を示すグラフである。図5を参照して、本実施の形態におけるエッチング方法では、図3中に示す工程で、一定の温度t1を有するエッチング液を所定の期間、液晶基板10の基板上に供給する。その後、図4中に示す工程で、一定の温度t2を有するエッチング液を所定の期間、液晶基板10の基板上に供給する。
【0031】
なお、図3中に示す工程と図4中に示す工程とは、図5中に示すように連続的に実施されてもよいし、図3中に示す工程と図4中に示す工程との間に、エッチング液が供給されない期間があってもよい。
【0032】
図3および図4中に示すエッチング工程において使用するエッチング液は、同一種類である。エッチング液としては、金属膜のエッチングに使用される一般的なものが使用され、たとえば、硫酸、硝酸、リン酸、フッ酸などの薬液が使用される。
【0033】
図3中に示すエッチング工程で使用されるエッチング液の温度t1は、金属膜12の表面の状態、金属膜12の種類、エッチング液の種類などを考慮して、適宜設定される。図4中に示すエッチング工程で使用されるエッチング液の温度t2は、通常のエッチング工程を想定した場合に最適とされる値に設定される。
【0034】
エッチング液の温度について具体例を挙げると、温度t1が、25℃であり、温度t2が、40℃である。温度t1および温度t2の関係の一例として、温度t1が、エッチング液の常温(加熱、冷却しない温度という意味)よりも低い温度であり、温度t2が、エッチング液の常温より高い温度である場合や、温度t1が、エッチング液の常温であり、温度t2が、エッチング液の常温より高い温度である場合がある。
【0035】
その後、液晶基板10の洗浄工程および乾燥工程を実施することにより、エッチング工程を完了する。
【0036】
図6は、図5中に示すエッチング液の温度変化の第1変形例を示すグラフである。図6を参照して、本変形例では、図3中に示す工程で、一定の温度t1を有するエッチング液を所定の期間、液晶基板10の基板上に供給する。引き続いて、温度t1から温度t2まで温度上昇させつつ、エッチング液を液晶基板10の基板上に供給する。図4中に示す工程で、一定の温度t2を有するエッチング液を所定の期間、液晶基板10の基板上に供給する。このように、図3中に示す工程と、図4中に示す工程との間で、供給するエッチング液の温度を連続的に増大させてもよい。
【0037】
図7は、図5中に示すエッチング液の温度変化の第2変形例を示すグラフである。図7を参照して、本変形例では、図3中に示す工程で、温度t1から温度t1´まで温度上昇させつつ、エッチング液を所定の期間、液晶基板10の基板上に供給する。その後、図4中に示す工程で、温度t2から温度t2´まで温度上昇させつつ、エッチング液を所定の期間、液晶基板10の基板上に供給する。このように、図3および図4中の各工程で供給されるエッチング液の温度は、一定でなくてもよい。
【0038】
続いて、本実施の形態におけるエッチング方法により奏される作用、効果について説明する。
【0039】
液晶基板10の基板上に形成された金属膜12をパターニングし、主表面10m上に配線を形成する場合、前工程からエッチング工程までの間に、金属膜12が局所的に酸化、窒化するなどして、金属膜12の表面の状態が基板上の場所によって異なる場合がある。本実施の形態では、その一例として、中心領域100において、金属膜12の酸化もしくは窒化が進んでおり、金属膜12の表面に形成された酸化膜もしくは窒化膜に起因して、外縁領域110と比較した場合に金属膜12がエッチングされ難い(エッチングレートが低い)場合を想定する。
【0040】
図8は、エッチングの処理温度と反応速度との関係を表わすグラフである。図8を参照して、図中には、エッチングレートが低い場所である中心領域100における、エッチングの処理温度と反応速度との関係が、曲線120によって表わされ、エッチングレートが高い場所である外縁領域110における、エッチングの処理温度と反応速度との関係が、曲線130によって表わされている。
【0041】
エッチング工程は、処理温度が低い場合に、エッチングレートが高い場所と低い場所との間でエッチングの反応速度の差が小さくなり、処理温度が高い場合に、エッチングレートが高い場所と低い場所との間でエッチングの反応速度の差が大きくなる特性を有する(T1<T2,S1<S2)。
【0042】
本実施の形態では、図3中に示すエッチング工程時に、金属膜12の表面に形成された酸化膜もしくは窒化膜を表層12aとともに除去する。この際、温度t2よりも低い温度t1を有するエッチング液を用いることにより、相対的に低い処理温度でエッチングを実行する。これにより、上記の通り、処理温度が低い場合は、エッチングレートが高い場所と低い場所との間でエッチングの反応速度の差が生じ難いため、中心領域100と外縁領域110との間でばらつきを生じさせることなく、より均一に金属膜12の表層12aを除去することができる。
【0043】
その後、温度t2を有するエッチング液を用いて、相対的に高い処理温度で残る金属膜12をパターニングする。結果、液晶基板10に、基板上の場所によってばらつきのないより均一な配線パターンを形成することができる。
【0044】
以上に説明した、この発明の実施の形態1におけるエッチング方法の工程についてまとめて説明すると、本実施の形態におけるエッチング方法は、第1温度としての温度t1を有するエッチャントとしてのエッチング液を用いて、膜としての金属膜12の表層12aを除去する工程(図3中に示す工程)と、金属膜12の表層12aを除去する工程の後に、温度t1よりも高い第2温度としての温度t2を有するエッチング液を用いて、金属膜12をパターニングする工程(図4中に示す工程)とを備える。
【0045】
このように構成された、この発明の実施の形態1におけるエッチング方法によれば、液晶基板10に、基板上の場所によってばらつきのない均一な配線パターンを形成することができる。この場合、配線幅のばらつきに起因する輝度ムラの発生を防止し、液晶パネルの面内均一性を向上させることができる。また、液晶基板10が大型基板であり、1つの液晶基板10から複数枚の液晶パネルが切り出されることを想定すると、製品間に表示性能のばらつきが生じることを防止できる。
【0046】
なお、本実施の形態では、液晶表示装置の表示パネルの製造工程において、配線膜を形成する際に、本発明におけるエッチング方法を適用したが、これに限られることなく、金属膜のエッチングを伴う製造工程に広く適用が可能である。
【0047】
(実施の形態2)
図9は、この発明の実施の形態2におけるエッチング処理装置を模式的に示す図である。本実施の形態では、実施の形態1におけるエッチング方法を実施するためのエッチング処理装置の具体例について説明する。
【0048】
図9を参照して、本実施の形態におけるエッチング処理装置500は、受け入れ部50と、エッチング処理槽60と、洗浄槽70と、乾燥槽80と、取り出し部90とを有して構成されている。受け入れ部50、エッチング処理槽60、洗浄槽70、乾燥槽80および取り出し部90は、挙げた順に並んで配置されており、エッチング工程を実施するための製造ラインを構成している。各槽には、搬送機構としての搬送ローラ31が設けられている。液晶基板10は、この搬送ローラ31に載置された状態で、受け入れ部50から取り出し部90に向けて順に搬送される。
【0049】
金属膜12およびレジスト膜14が形成された液晶基板10は、まず、受け入れ部50に搬入されることによって、エッチング工程の製造ラインに受け入れられる。次に、液晶基板10は、エッチング処理槽60に搬送される。このエッチング処理槽60では、液晶基板10にエッチング液が供給されることにより、金属膜12が所定の配線パターンにエッチングされる。
【0050】
次に、液晶基板10は、洗浄槽70に搬送される。この洗浄槽70では、液晶基板10に洗浄液としての純水が供給され、基板上に残るエッチング液や、金属膜12およびレジスト膜14の残渣が洗浄される。次に、液晶基板10は、乾燥槽80に搬送される。この乾燥槽80では、エアナイフ23からエアが噴射されることにより、液晶基板10が乾燥される。次に、液晶基板10は、取り出し部90に搬送される。エッチング工程が完了した液晶基板10は、取り出し部90を通じて、エッチング工程の製造ラインから搬出される。
【0051】
本実施の形態では、エッチング処理槽60が、1段目エッチング処理槽61、2段目エッチング処理槽62、3段目エッチング処理槽63および4段目エッチング処理槽64から構成されている。1段目エッチング処理槽61、2段目エッチング処理槽62、3段目エッチング処理槽63および4段目エッチング処理槽64は、挙げた順に、エッチング工程の製造ラインの上流側から下流側に並んでいる。1段目エッチング処理槽61では、図3中に示す金属膜12の表層12aを除去するためのエッチング工程が実施され、2段目エッチング処理槽62、3段目エッチング処理槽63および4段目エッチング処理槽64では、図4中に示す金属膜12をパターニングするためのエッチング工程が実施される。
【0052】
すなわち、本実施の形態におけるエッチング処理装置500を用いたエッチング工程では、第1エッチング処理槽としての1段目エッチング処理槽61で、温度t1を有するエッチング液を液晶基板10の基板上に供給する。次に、液晶基板10を1段目エッチング処理槽61から、第2エッチング処理槽としての2段目〜4段目エッチング処理層62,63,64に順に移動させる。そして、この2段目〜4段目エッチング処理層62,63,64において、温度t2を有するエッチング液を液晶基板10の基板上に供給する。
【0053】
各エッチング処理槽には、液晶基板10に向けてエッチング液を噴射する噴射ノズル21が設けられている。噴射ノズル21は、搬送ローラ31に載置された液晶基板10と対向する位置に設けられている。噴射ノズル21は、少なくとも、1段目エッチング処理槽61と、2段目エッチング処理槽62、3段目エッチング処理槽63および4段目エッチング処理槽64との間で、互いに独立して設けられている。
【0054】
図10は、図9中のエッチング処理装置に設けられるエッチング液の供給システムを模式的に示す図である。
【0055】
図9および図10を参照して、本実施の形態におけるエッチング処理装置500は、タンク部32と、エッチング液供給部47と、エッチング液供給部44とをさらに有して構成されている。
【0056】
タンク部32は、エッチング液を貯留可能なタンク形状を有する。タンク部32は、回収用配管41を通じて、1段目〜4段目エッチング処理槽61,62,63,64に接続されている。
【0057】
エッチング液供給部47は、供給用配管46および冷却部45を有して構成されている。供給用配管46は、タンク部32と、1段目エッチング処理槽61との間で延び、タンク部32に貯留されたエッチング液を1段目エッチング処理槽61の噴射ノズル21に供給可能に設けられている。冷却部45は、供給用配管46の経路上に設けられている。冷却部45は、たとえば、冷却チラーやバッファタンクなどから構成されている。
【0058】
エッチング液供給部44は、供給用配管42および加熱部43を有して構成されている。供給用配管42は、タンク部32と、2段目〜4段目エッチング処理槽62,63,64との間で延び、タンク部32に貯留されたエッチング液を2段目〜4段目エッチング処理槽62,63,64の噴射ノズル21に供給可能に設けられている。本実施の形態では、加熱部43が、タンク部32に貯留されたエッチング液を加熱可能なように設けられている。加熱部43は、たとえば、電気ヒータから構成されている。なお、加熱部43は、供給用配管42の経路上に設けられてもよい。
【0059】
本実施の形態におけるエッチング処理装置500においては、1段目〜4段目エッチング処理槽61,62,63,64の各槽で液晶基板10に供給されたエッチング液が、回収用配管41を流れてタンク部32に回収される。タンク部32に貯留されたエッチング液は、エッチング液供給部44の加熱部43によって、温度t2(たとえば、40℃)まで加熱される。温度t2まで加熱されたエッチング液は、エッチング供給部44の供給用配管42を流れて、再び2段目〜4段目エッチング処理槽62,63,64に供給される。また、温度t2まで加熱されたエッチング液は、エッチング供給部47の冷却部45によって、温度t1(たとえば、25℃)まで冷却される。温度t1まで冷却されたエッチング液は、供給用配管46を流れて再び1段目エッチング処理槽61に供給される。
【0060】
本実施の形態では、エッチング液供給部44,47の設置により、1段目エッチング処理槽61に供給されるエッチング液を貯留するタンク部と、2段目〜4段目エッチング処理槽62,63,64に供給されるエッチング液を貯留するタンク部とが、共用されている。このため、エッチング処理槽ごとに異なる温度のエッチング液を供給するシステムをコンパクトに構成することができる。これにより、エッチング液の供給システムを、エッチング処理装置500の製造ライン内に容易に組み込むことができる(エッチング液供給システムのインライン化の実現)。
【0061】
なお、タンク部32に回収されるエッチング液の温度と、温度t1との関係によっては、加熱部43を供給用配管42の経路上に設け、冷却部45を省略してもよい。この場合、タンク部32に回収されたエッチング液を直接、1段目エッチング処理槽61に供給する。
【0062】
以上に説明した、この発明の実施の形態2におけるエッチング処理装置の構造についてまとめて説明すると、本実施の形態におけるエッチング処理装置500は、温度t1を有するエッチング液を用いて金属膜12の表層12aを除去する第1エッチング処理槽としての1段目エッチング処理槽61と、1段目エッチング処理槽61から液晶基板10が搬送され、温度t1よりも高い温度t2を有するエッチング液を用いて金属膜12をパターニングする第2エッチング処理槽としての2段目〜4段目エッチング処理槽62,63,64と、金属膜12に供給されたエッチング液を回収するタンク部32と、タンク部32に回収されたエッチング液を温度t1に温度調整し、1段目エッチング処理槽61に供給する第1供給部としてのエッチング液供給部47と、タンク部32に回収されたエッチング液を温度t2に温度調整し、2段目〜4段目エッチング処理槽62,63,64に供給する第2供給部としてのエッチング液供給部44とを備える。
【0063】
エッチング液供給部44は、タンク部32に貯留されたエッチャントを温度t2に温度調整するように設けられる温度調整部としての加熱部43を有する。
【0064】
図11は、図9および図10中に示すエッチング処理装置の変形例を示す図である。図11を参照して、本変形例では、受け入れ部50の後工程に、単一のエッチング処理槽60が設けられている。エッチング処理槽60には、温度t1に温度設定されたエッチング液を貯留するタンク部36と、温度t2に温度設定されたエッチング液を貯留するタンク部37とが、供給用配管39を介して接続されている。供給用配管39の経路上には、タンク部36とエッチング処理槽60との間、およびタンク部37とエッチング処理槽60との間のいずれかを一方を連通させ、いずれか他方を遮断するためのバルブ38が設けられている。
【0065】
本変形例におけるエッチング処理装置では、バルブ38の操作によって、まず、温度t1を有するエッチング液をタンク部36からエッチング処理槽60に供給し、その後、温度t2を有するエッチング液をタンク部37からエッチング処理槽60に供給する。
【0066】
このように構成された、この発明の実施の形態2におけるエッチング処理装置によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に得ることができる。
【0067】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0068】
この発明は、主に、液晶基板上に、薄膜トランジスタの各種メタル配線を形成する製造工程に利用される。
【符号の説明】
【0069】
10 液晶基板、10m 主表面、12 金属膜、12a 表層、14 レジスト膜、21 噴射ノズル、23 エアナイフ、31 搬送ローラ、32,36,37 タンク部、38 バルブ、39,42,46 供給用配管、41 回収用配管、43 加熱部、44,47 エッチング液供給部、45 冷却部、50 受け入れ部、60 エッチング処理槽、61〜64 1〜4段目エッチング処理槽、70 洗浄槽、80 乾燥槽、90 取り出し部、100 中心領域、110 外縁領域、120,130 曲線、500 エッチング処理装置。
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的には、エッチング方法およびエッチング処理装置に関し、より特定的には、基板上に形成された膜をパターニングする際に利用されるエッチング方法およびエッチング処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエッチング方法に関して、たとえば、特開平4−337637号公報には、薄膜トランジスタマトリクス基板などの製造工程におけるエッチング、洗浄、乾燥処理の際に、ウォータマークなどの汚染が残ることを防止し、製品品質と歩留まりとを向上させることを目的とした膜形成基板の処理方法が開示されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示された膜形成基板の処理方法においては、エッチング液を用いて膜をウェットエッチングするエッチング工程と、基板に純水を噴出することによって、エッチング液を洗浄するリンス工程と、高圧空気を噴出するエアナイフにより、基板を乾燥させる乾燥工程とを順に実施する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−337637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献に開示されるように、基板上に形成された膜をパターニングする方法として、エッチングが利用されている。しかしながら、基板上に形成された膜の状態は、たとえば局所的に酸化や窒化が進んでいる等の理由により、部分的に異なる場合がある。この場合に、膜にエッチャントを供給し、エッチングを行なうと、基板上の場所によってエッチングレートが変わり、得られる膜のパターニング形状にばらつきが生じるおそれがある。
【0006】
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、基板上の場所によってばらつきのないより均一な膜のパターニング形状を得るエッチング方法およびエッチング処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に従ったエッチング方法は、基板上に形成された膜をパターニングするためのエッチング方法である。エッチング方法は、第1温度を有するエッチャントを用いて、膜の表層を除去する工程と、膜の表層を除去する工程の後に、第1温度よりも高い第2温度を有するエッチャントを用いて、膜をパターニングする工程とを備える。
【0008】
このように構成されたエッチング方法によれば、基板上の場所によって膜のエッチングレートが異なる場合を想定し、まず、その原因となり得る膜の表層を除去する。この際、第1温度を有するエッチャントを用いることにより、相対的に低い処理温度でエッチングする。これにより、相対的に低い処理温度では、エッチングレートの高い場所と低い場所との間で反応速度に差が生じ難いため、基板上でより均一に膜の表層を除去することができる。その後、第2の温度を有するエッチャントを用いて、相対的に高い処理温度で膜をパターニングする。これにより、基板上の場所によってばらつきのないより均一な膜のパターニング形状を得ることができる。
【0009】
また好ましくは、膜の表層を除去する工程は、第1温度を有するエッチャントを所定の期間、膜に対して供給する工程を含む。膜をパターニングする工程は、第2温度を有するエッチャントを所定の期間、膜に対して供給する工程を含む。このように構成されたエッチング方法によれば、第1温度を有するエッチャントを所定の期間、膜に対して供給する間に、膜の表層を除去し、第2温度を有するエッチャントを所定の期間、膜に対して供給する間に、膜をパターニングする。
【0010】
また好ましくは、エッチング方法は、膜をパターニングする工程の後に、基板上を洗浄する工程をさらに備える。このように構成されたエッチング方法によれば、膜をパターニングする工程の後に、基板上に残るエッチング液や、膜の残渣を除去する。
【0011】
また好ましくは、基板は、液晶基板である。膜は、液晶基板上に配線を形成するための金属膜である。このように構成されたエッチング方法によれば、液晶基板に、基板上の場所によってばらつきのないより均一な配線パターンを形成することができる。
【0012】
また好ましくは、膜の表層を除去する工程は、第1エッチング処理槽で、第1温度を有するエッチャントを膜に供給する工程を含む。エッチング方法は、膜の表層を除去する工程の後に、基板を第1エッチング処理槽から第2エッチング処理槽に移動させる工程をさらに備える。膜をパターニングする工程は、第2エッチング処理槽で、第2温度を有するエッチャントを膜に供給する工程を含む。
【0013】
このように構成されたエッチング方法によれば、膜の表層を除去する工程を実施する第1エッチング処理槽と、膜をパターニングする工程を実施する第2エッチング処理槽とを分けて設けることにより、互いに異なる温度を有するエッチャントを供給するシステムを簡易に構成できる。
【0014】
この発明に従ったエッチング処理装置は、基板上に形成された膜をパターニングするためのエッチング処理装置である。エッチング処理装置は、第1温度を有するエッチャントを用いて膜の表層を除去する第1エッチング処理槽と、第1エッチング処理槽から基板が搬送され、第1温度よりも高い第2温度を有するエッチャントを用いて膜をパターニングする第2エッチング処理槽と、膜に供給されたエッチャントを回収するタンク部と、タンク部に回収されたエッチャントを第1温度に温度調整し、第1エッチング処理槽に供給する第1供給部と、タンク部に回収されたエッチャントを第2温度に温度調整し、第2エッチング処理槽に供給する第2供給部とを備える。
【0015】
このように構成されたエッチング処理装置によれば、基板上の場所によってばらつきのないより均一な膜のパターニング形状を得ることができる。さらに、膜に供給されたエッチャントを回収し、さらに第1温度および第2温度に温度調整したエッチャントをそれぞれ第1エッチング処理槽および第2エッチング処理槽に供給するエッチャントの循環システムを構築する。これにより、異なる温度を有するエッチャントの供給機構を簡易に構成し、エッチング処理装置内に容易かつコンパクトに組み込むことができる。
【0016】
また好ましくは、第2供給部は、タンク部に貯留されたエッチャントを第2温度に温度調整するように設けられる温度調整部を有する。このように構成されたエッチング処理装置によれば、タンク部において第2温度に温度調整されたエッチャントを、第2エッチング処理槽に供給するとともに、第1供給部によって第2温度から第1温度に温度調整されたエッチャントを、第1エッチング処理槽に供給する。
【発明の効果】
【0017】
以上に説明したように、この発明に従えば、基板上の場所によってばらつきのないより均一な膜のパターニング形状を得るエッチング方法およびエッチング処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の実施の形態1におけるエッチング方法の第1工程を示す断面図である。
【図2】図1中に示すエッチング方法により処理される液晶基板を示す平面図である。
【図3】この発明の実施の形態1におけるエッチング方法の第2工程を示す断面図である。
【図4】この発明の実施の形態1におけるエッチング方法の第3工程を示す断面図である。
【図5】エッチング工程時に供給するエッチング液の温度変化を示すグラフである。
【図6】図5中に示すエッチング液の温度変化の第1変形例を示すグラフである。
【図7】図5中に示すエッチング液の温度変化の第2変形例を示すグラフである。
【図8】エッチングの処理温度と反応速度との関係を表わすグラフである。
【図9】この発明の実施の形態2におけるエッチング処理装置を模式的に示す図である。
【図10】図9中のエッチング処理装置に設けられるエッチング液の供給システムを模式的に示す図である。
【図11】図9および図10中に示すエッチング処理装置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1におけるエッチング方法の第1工程を示す断面図である。図2は、図1中に示すエッチング方法により処理される液晶基板を示す平面図である。本実施の形態では、本発明におけるエッチング方法を、液晶表示装置の表示パネルの製造工程に適用した場合について説明する。
【0021】
図1中には、代表的に、液晶基板10の中心領域100における基板断面と、外縁領域110における基板断面とが示されている。図2中に示すように、中心領域100は、液晶基板10の中心付近の領域であり、外縁領域110は、液晶基板10の外縁付近の領域である。
【0022】
本実施の形態におけるエッチング方法においては、まず、エッチング工程の前工程として、液晶基板10上に、金属膜12およびレジスト膜14を形成する。
【0023】
液晶基板10は、ガラスから形成されており、主表面10mを有する。主表面10mには、本実施の形態におけるエッチング方法によりパターニングされる金属膜12が形成されている。金属膜12は、液晶基板10に薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)の配線(たとえば、ソース配線やゲート配線など)を形成するための膜であり、金属から形成されている。金属膜12は、たとえば、アルミニウムや、チタン、銅、モリブデンなどから形成されている。
【0024】
なお、図中には、1層からなる金属膜12が示されているが、主表面10m上に複数層からなる金属膜が形成されてもよい。
【0025】
液晶基板10は、主表面10mを平面的に見た場合に、矩形形状を有する。液晶基板10は、一例として、2160×2460mm、もしくは2850×3050mmのサイズを有する大型基板である。
【0026】
レジスト膜14は、金属膜12をエッチングする際にマスク膜として用いられる。レジスト膜14は、予め実施したフォトリソグラフィ工程により、金属膜12のパターニング形状に対応したパターンに形成されている。
【0027】
図3は、この発明の実施の形態1におけるエッチング方法の第2工程を示す断面図である。図4は、この発明の実施の形態1におけるエッチング方法の第3工程を示す断面図である。
【0028】
図3を参照して、次に、液晶基板10の基板上に温度t1を有するエッチング液を供給する。これにより、中心領域100および外縁領域110の各領域において、レジスト膜14から露出する金属膜12の表層12aを除去する。
【0029】
図4を参照して、次に、液晶基板10の基板上に、温度t1よりも大きい温度t2を有するエッチング液を供給する。これにより、中心領域100および外縁領域110の各領域において、レジスト膜14から露出する金属膜12を除去し、金属膜12を所定の配線形状にパターニングする。
【0030】
図5は、エッチング工程時に供給するエッチング液の温度変化を示すグラフである。図5を参照して、本実施の形態におけるエッチング方法では、図3中に示す工程で、一定の温度t1を有するエッチング液を所定の期間、液晶基板10の基板上に供給する。その後、図4中に示す工程で、一定の温度t2を有するエッチング液を所定の期間、液晶基板10の基板上に供給する。
【0031】
なお、図3中に示す工程と図4中に示す工程とは、図5中に示すように連続的に実施されてもよいし、図3中に示す工程と図4中に示す工程との間に、エッチング液が供給されない期間があってもよい。
【0032】
図3および図4中に示すエッチング工程において使用するエッチング液は、同一種類である。エッチング液としては、金属膜のエッチングに使用される一般的なものが使用され、たとえば、硫酸、硝酸、リン酸、フッ酸などの薬液が使用される。
【0033】
図3中に示すエッチング工程で使用されるエッチング液の温度t1は、金属膜12の表面の状態、金属膜12の種類、エッチング液の種類などを考慮して、適宜設定される。図4中に示すエッチング工程で使用されるエッチング液の温度t2は、通常のエッチング工程を想定した場合に最適とされる値に設定される。
【0034】
エッチング液の温度について具体例を挙げると、温度t1が、25℃であり、温度t2が、40℃である。温度t1および温度t2の関係の一例として、温度t1が、エッチング液の常温(加熱、冷却しない温度という意味)よりも低い温度であり、温度t2が、エッチング液の常温より高い温度である場合や、温度t1が、エッチング液の常温であり、温度t2が、エッチング液の常温より高い温度である場合がある。
【0035】
その後、液晶基板10の洗浄工程および乾燥工程を実施することにより、エッチング工程を完了する。
【0036】
図6は、図5中に示すエッチング液の温度変化の第1変形例を示すグラフである。図6を参照して、本変形例では、図3中に示す工程で、一定の温度t1を有するエッチング液を所定の期間、液晶基板10の基板上に供給する。引き続いて、温度t1から温度t2まで温度上昇させつつ、エッチング液を液晶基板10の基板上に供給する。図4中に示す工程で、一定の温度t2を有するエッチング液を所定の期間、液晶基板10の基板上に供給する。このように、図3中に示す工程と、図4中に示す工程との間で、供給するエッチング液の温度を連続的に増大させてもよい。
【0037】
図7は、図5中に示すエッチング液の温度変化の第2変形例を示すグラフである。図7を参照して、本変形例では、図3中に示す工程で、温度t1から温度t1´まで温度上昇させつつ、エッチング液を所定の期間、液晶基板10の基板上に供給する。その後、図4中に示す工程で、温度t2から温度t2´まで温度上昇させつつ、エッチング液を所定の期間、液晶基板10の基板上に供給する。このように、図3および図4中の各工程で供給されるエッチング液の温度は、一定でなくてもよい。
【0038】
続いて、本実施の形態におけるエッチング方法により奏される作用、効果について説明する。
【0039】
液晶基板10の基板上に形成された金属膜12をパターニングし、主表面10m上に配線を形成する場合、前工程からエッチング工程までの間に、金属膜12が局所的に酸化、窒化するなどして、金属膜12の表面の状態が基板上の場所によって異なる場合がある。本実施の形態では、その一例として、中心領域100において、金属膜12の酸化もしくは窒化が進んでおり、金属膜12の表面に形成された酸化膜もしくは窒化膜に起因して、外縁領域110と比較した場合に金属膜12がエッチングされ難い(エッチングレートが低い)場合を想定する。
【0040】
図8は、エッチングの処理温度と反応速度との関係を表わすグラフである。図8を参照して、図中には、エッチングレートが低い場所である中心領域100における、エッチングの処理温度と反応速度との関係が、曲線120によって表わされ、エッチングレートが高い場所である外縁領域110における、エッチングの処理温度と反応速度との関係が、曲線130によって表わされている。
【0041】
エッチング工程は、処理温度が低い場合に、エッチングレートが高い場所と低い場所との間でエッチングの反応速度の差が小さくなり、処理温度が高い場合に、エッチングレートが高い場所と低い場所との間でエッチングの反応速度の差が大きくなる特性を有する(T1<T2,S1<S2)。
【0042】
本実施の形態では、図3中に示すエッチング工程時に、金属膜12の表面に形成された酸化膜もしくは窒化膜を表層12aとともに除去する。この際、温度t2よりも低い温度t1を有するエッチング液を用いることにより、相対的に低い処理温度でエッチングを実行する。これにより、上記の通り、処理温度が低い場合は、エッチングレートが高い場所と低い場所との間でエッチングの反応速度の差が生じ難いため、中心領域100と外縁領域110との間でばらつきを生じさせることなく、より均一に金属膜12の表層12aを除去することができる。
【0043】
その後、温度t2を有するエッチング液を用いて、相対的に高い処理温度で残る金属膜12をパターニングする。結果、液晶基板10に、基板上の場所によってばらつきのないより均一な配線パターンを形成することができる。
【0044】
以上に説明した、この発明の実施の形態1におけるエッチング方法の工程についてまとめて説明すると、本実施の形態におけるエッチング方法は、第1温度としての温度t1を有するエッチャントとしてのエッチング液を用いて、膜としての金属膜12の表層12aを除去する工程(図3中に示す工程)と、金属膜12の表層12aを除去する工程の後に、温度t1よりも高い第2温度としての温度t2を有するエッチング液を用いて、金属膜12をパターニングする工程(図4中に示す工程)とを備える。
【0045】
このように構成された、この発明の実施の形態1におけるエッチング方法によれば、液晶基板10に、基板上の場所によってばらつきのない均一な配線パターンを形成することができる。この場合、配線幅のばらつきに起因する輝度ムラの発生を防止し、液晶パネルの面内均一性を向上させることができる。また、液晶基板10が大型基板であり、1つの液晶基板10から複数枚の液晶パネルが切り出されることを想定すると、製品間に表示性能のばらつきが生じることを防止できる。
【0046】
なお、本実施の形態では、液晶表示装置の表示パネルの製造工程において、配線膜を形成する際に、本発明におけるエッチング方法を適用したが、これに限られることなく、金属膜のエッチングを伴う製造工程に広く適用が可能である。
【0047】
(実施の形態2)
図9は、この発明の実施の形態2におけるエッチング処理装置を模式的に示す図である。本実施の形態では、実施の形態1におけるエッチング方法を実施するためのエッチング処理装置の具体例について説明する。
【0048】
図9を参照して、本実施の形態におけるエッチング処理装置500は、受け入れ部50と、エッチング処理槽60と、洗浄槽70と、乾燥槽80と、取り出し部90とを有して構成されている。受け入れ部50、エッチング処理槽60、洗浄槽70、乾燥槽80および取り出し部90は、挙げた順に並んで配置されており、エッチング工程を実施するための製造ラインを構成している。各槽には、搬送機構としての搬送ローラ31が設けられている。液晶基板10は、この搬送ローラ31に載置された状態で、受け入れ部50から取り出し部90に向けて順に搬送される。
【0049】
金属膜12およびレジスト膜14が形成された液晶基板10は、まず、受け入れ部50に搬入されることによって、エッチング工程の製造ラインに受け入れられる。次に、液晶基板10は、エッチング処理槽60に搬送される。このエッチング処理槽60では、液晶基板10にエッチング液が供給されることにより、金属膜12が所定の配線パターンにエッチングされる。
【0050】
次に、液晶基板10は、洗浄槽70に搬送される。この洗浄槽70では、液晶基板10に洗浄液としての純水が供給され、基板上に残るエッチング液や、金属膜12およびレジスト膜14の残渣が洗浄される。次に、液晶基板10は、乾燥槽80に搬送される。この乾燥槽80では、エアナイフ23からエアが噴射されることにより、液晶基板10が乾燥される。次に、液晶基板10は、取り出し部90に搬送される。エッチング工程が完了した液晶基板10は、取り出し部90を通じて、エッチング工程の製造ラインから搬出される。
【0051】
本実施の形態では、エッチング処理槽60が、1段目エッチング処理槽61、2段目エッチング処理槽62、3段目エッチング処理槽63および4段目エッチング処理槽64から構成されている。1段目エッチング処理槽61、2段目エッチング処理槽62、3段目エッチング処理槽63および4段目エッチング処理槽64は、挙げた順に、エッチング工程の製造ラインの上流側から下流側に並んでいる。1段目エッチング処理槽61では、図3中に示す金属膜12の表層12aを除去するためのエッチング工程が実施され、2段目エッチング処理槽62、3段目エッチング処理槽63および4段目エッチング処理槽64では、図4中に示す金属膜12をパターニングするためのエッチング工程が実施される。
【0052】
すなわち、本実施の形態におけるエッチング処理装置500を用いたエッチング工程では、第1エッチング処理槽としての1段目エッチング処理槽61で、温度t1を有するエッチング液を液晶基板10の基板上に供給する。次に、液晶基板10を1段目エッチング処理槽61から、第2エッチング処理槽としての2段目〜4段目エッチング処理層62,63,64に順に移動させる。そして、この2段目〜4段目エッチング処理層62,63,64において、温度t2を有するエッチング液を液晶基板10の基板上に供給する。
【0053】
各エッチング処理槽には、液晶基板10に向けてエッチング液を噴射する噴射ノズル21が設けられている。噴射ノズル21は、搬送ローラ31に載置された液晶基板10と対向する位置に設けられている。噴射ノズル21は、少なくとも、1段目エッチング処理槽61と、2段目エッチング処理槽62、3段目エッチング処理槽63および4段目エッチング処理槽64との間で、互いに独立して設けられている。
【0054】
図10は、図9中のエッチング処理装置に設けられるエッチング液の供給システムを模式的に示す図である。
【0055】
図9および図10を参照して、本実施の形態におけるエッチング処理装置500は、タンク部32と、エッチング液供給部47と、エッチング液供給部44とをさらに有して構成されている。
【0056】
タンク部32は、エッチング液を貯留可能なタンク形状を有する。タンク部32は、回収用配管41を通じて、1段目〜4段目エッチング処理槽61,62,63,64に接続されている。
【0057】
エッチング液供給部47は、供給用配管46および冷却部45を有して構成されている。供給用配管46は、タンク部32と、1段目エッチング処理槽61との間で延び、タンク部32に貯留されたエッチング液を1段目エッチング処理槽61の噴射ノズル21に供給可能に設けられている。冷却部45は、供給用配管46の経路上に設けられている。冷却部45は、たとえば、冷却チラーやバッファタンクなどから構成されている。
【0058】
エッチング液供給部44は、供給用配管42および加熱部43を有して構成されている。供給用配管42は、タンク部32と、2段目〜4段目エッチング処理槽62,63,64との間で延び、タンク部32に貯留されたエッチング液を2段目〜4段目エッチング処理槽62,63,64の噴射ノズル21に供給可能に設けられている。本実施の形態では、加熱部43が、タンク部32に貯留されたエッチング液を加熱可能なように設けられている。加熱部43は、たとえば、電気ヒータから構成されている。なお、加熱部43は、供給用配管42の経路上に設けられてもよい。
【0059】
本実施の形態におけるエッチング処理装置500においては、1段目〜4段目エッチング処理槽61,62,63,64の各槽で液晶基板10に供給されたエッチング液が、回収用配管41を流れてタンク部32に回収される。タンク部32に貯留されたエッチング液は、エッチング液供給部44の加熱部43によって、温度t2(たとえば、40℃)まで加熱される。温度t2まで加熱されたエッチング液は、エッチング供給部44の供給用配管42を流れて、再び2段目〜4段目エッチング処理槽62,63,64に供給される。また、温度t2まで加熱されたエッチング液は、エッチング供給部47の冷却部45によって、温度t1(たとえば、25℃)まで冷却される。温度t1まで冷却されたエッチング液は、供給用配管46を流れて再び1段目エッチング処理槽61に供給される。
【0060】
本実施の形態では、エッチング液供給部44,47の設置により、1段目エッチング処理槽61に供給されるエッチング液を貯留するタンク部と、2段目〜4段目エッチング処理槽62,63,64に供給されるエッチング液を貯留するタンク部とが、共用されている。このため、エッチング処理槽ごとに異なる温度のエッチング液を供給するシステムをコンパクトに構成することができる。これにより、エッチング液の供給システムを、エッチング処理装置500の製造ライン内に容易に組み込むことができる(エッチング液供給システムのインライン化の実現)。
【0061】
なお、タンク部32に回収されるエッチング液の温度と、温度t1との関係によっては、加熱部43を供給用配管42の経路上に設け、冷却部45を省略してもよい。この場合、タンク部32に回収されたエッチング液を直接、1段目エッチング処理槽61に供給する。
【0062】
以上に説明した、この発明の実施の形態2におけるエッチング処理装置の構造についてまとめて説明すると、本実施の形態におけるエッチング処理装置500は、温度t1を有するエッチング液を用いて金属膜12の表層12aを除去する第1エッチング処理槽としての1段目エッチング処理槽61と、1段目エッチング処理槽61から液晶基板10が搬送され、温度t1よりも高い温度t2を有するエッチング液を用いて金属膜12をパターニングする第2エッチング処理槽としての2段目〜4段目エッチング処理槽62,63,64と、金属膜12に供給されたエッチング液を回収するタンク部32と、タンク部32に回収されたエッチング液を温度t1に温度調整し、1段目エッチング処理槽61に供給する第1供給部としてのエッチング液供給部47と、タンク部32に回収されたエッチング液を温度t2に温度調整し、2段目〜4段目エッチング処理槽62,63,64に供給する第2供給部としてのエッチング液供給部44とを備える。
【0063】
エッチング液供給部44は、タンク部32に貯留されたエッチャントを温度t2に温度調整するように設けられる温度調整部としての加熱部43を有する。
【0064】
図11は、図9および図10中に示すエッチング処理装置の変形例を示す図である。図11を参照して、本変形例では、受け入れ部50の後工程に、単一のエッチング処理槽60が設けられている。エッチング処理槽60には、温度t1に温度設定されたエッチング液を貯留するタンク部36と、温度t2に温度設定されたエッチング液を貯留するタンク部37とが、供給用配管39を介して接続されている。供給用配管39の経路上には、タンク部36とエッチング処理槽60との間、およびタンク部37とエッチング処理槽60との間のいずれかを一方を連通させ、いずれか他方を遮断するためのバルブ38が設けられている。
【0065】
本変形例におけるエッチング処理装置では、バルブ38の操作によって、まず、温度t1を有するエッチング液をタンク部36からエッチング処理槽60に供給し、その後、温度t2を有するエッチング液をタンク部37からエッチング処理槽60に供給する。
【0066】
このように構成された、この発明の実施の形態2におけるエッチング処理装置によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に得ることができる。
【0067】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0068】
この発明は、主に、液晶基板上に、薄膜トランジスタの各種メタル配線を形成する製造工程に利用される。
【符号の説明】
【0069】
10 液晶基板、10m 主表面、12 金属膜、12a 表層、14 レジスト膜、21 噴射ノズル、23 エアナイフ、31 搬送ローラ、32,36,37 タンク部、38 バルブ、39,42,46 供給用配管、41 回収用配管、43 加熱部、44,47 エッチング液供給部、45 冷却部、50 受け入れ部、60 エッチング処理槽、61〜64 1〜4段目エッチング処理槽、70 洗浄槽、80 乾燥槽、90 取り出し部、100 中心領域、110 外縁領域、120,130 曲線、500 エッチング処理装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された膜をパターニングするためのエッチング方法であって、
第1温度を有するエッチャントを用いて、前記膜の表層を除去する工程と、
前記膜の表層を除去する工程の後に、第1温度よりも高い第2温度を有するエッチャントを用いて、前記膜をパターニングする工程とを備える、エッチング方法。
【請求項2】
前記膜の表層を除去する工程は、第1温度を有するエッチャントを所定の期間、前記膜に対して供給する工程を含み、
前記膜をパターニングする工程は、第2温度を有するエッチャントを所定の期間、前記膜に対して供給する工程を含む、請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項3】
前記膜をパターニングする工程の後に、前記基板上を洗浄する工程をさらに備える、請求項1または2に記載のエッチング方法。
【請求項4】
前記基板は、液晶基板であり、
前記膜は、液晶基板上に配線を形成するための金属膜である、請求項1から3のいずれか1項に記載のエッチング方法。
【請求項5】
前記膜の表層を除去する工程は、第1エッチング処理槽で、第1温度を有するエッチャントを前記膜に供給する工程を含み、
前記膜の表層を除去する工程の後に、前記基板を前記第1エッチング処理槽から第2エッチング処理槽に移動させる工程をさらに備え、
前記膜をパターニングする工程は、前記第2エッチング処理槽で、第2温度を有するエッチャントを前記膜に供給する工程を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のエッチング方法。
【請求項6】
基板上に形成された膜をパターニングするためのエッチング処理装置であって、
第1温度を有するエッチャントを用いて膜の表層を除去する第1エッチング処理槽と、
前記第1エッチング処理槽から基板が搬送され、第1温度よりも高い第2温度を有するエッチャントを用いて膜をパターニングする第2エッチング処理槽と、
前記膜に供給されたエッチャントを回収するタンク部と、
前記タンク部に回収されたエッチャントを第1温度に温度調整し、前記第1エッチング処理槽に供給する第1供給部と、
前記タンク部に回収されたエッチャントを第2温度に温度調整し、前記第2エッチング処理槽に供給する第2供給部とを備える、エッチング処理装置。
【請求項7】
前記第2供給部は、前記タンク部に貯留されたエッチャントを第2温度に温度調整するように設けられる温度調整部を有する、請求項6に記載のエッチング処理装置。
【請求項1】
基板上に形成された膜をパターニングするためのエッチング方法であって、
第1温度を有するエッチャントを用いて、前記膜の表層を除去する工程と、
前記膜の表層を除去する工程の後に、第1温度よりも高い第2温度を有するエッチャントを用いて、前記膜をパターニングする工程とを備える、エッチング方法。
【請求項2】
前記膜の表層を除去する工程は、第1温度を有するエッチャントを所定の期間、前記膜に対して供給する工程を含み、
前記膜をパターニングする工程は、第2温度を有するエッチャントを所定の期間、前記膜に対して供給する工程を含む、請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項3】
前記膜をパターニングする工程の後に、前記基板上を洗浄する工程をさらに備える、請求項1または2に記載のエッチング方法。
【請求項4】
前記基板は、液晶基板であり、
前記膜は、液晶基板上に配線を形成するための金属膜である、請求項1から3のいずれか1項に記載のエッチング方法。
【請求項5】
前記膜の表層を除去する工程は、第1エッチング処理槽で、第1温度を有するエッチャントを前記膜に供給する工程を含み、
前記膜の表層を除去する工程の後に、前記基板を前記第1エッチング処理槽から第2エッチング処理槽に移動させる工程をさらに備え、
前記膜をパターニングする工程は、前記第2エッチング処理槽で、第2温度を有するエッチャントを前記膜に供給する工程を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のエッチング方法。
【請求項6】
基板上に形成された膜をパターニングするためのエッチング処理装置であって、
第1温度を有するエッチャントを用いて膜の表層を除去する第1エッチング処理槽と、
前記第1エッチング処理槽から基板が搬送され、第1温度よりも高い第2温度を有するエッチャントを用いて膜をパターニングする第2エッチング処理槽と、
前記膜に供給されたエッチャントを回収するタンク部と、
前記タンク部に回収されたエッチャントを第1温度に温度調整し、前記第1エッチング処理槽に供給する第1供給部と、
前記タンク部に回収されたエッチャントを第2温度に温度調整し、前記第2エッチング処理槽に供給する第2供給部とを備える、エッチング処理装置。
【請求項7】
前記第2供給部は、前記タンク部に貯留されたエッチャントを第2温度に温度調整するように設けられる温度調整部を有する、請求項6に記載のエッチング処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−186187(P2012−186187A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161905(P2009−161905)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(000183369)住友精密工業株式会社 (336)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(000183369)住友精密工業株式会社 (336)
【Fターム(参考)】
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