カラー画像形成装置、及びそれに装着されるプロセスカートリッジ
【課題】黒色の現像剤を収納する現像装置の収納量を大きくし、カラーの現像剤を収納する現像装置との現像ローラ上の現像剤の供給と回収の流れを変えない構成とした現像装置を有するカラー画像形成装置とそれに装着されるプロセスカートリッジを提供すること。
【解決手段】現像スリーブ及び固定磁極部材からなる現像ローラと、撹拌部材と、回収供給部材と、規制部材と、現像装置枠体と、を備えた複数の現像装置を有するカラー画像形成装置において、複数の前記現像装置の内の少なくとも1つの現像装置は他の現像装置と比較して、現像剤収納容量が異なると共に前記回収供給部材の外径寸法が異なる一方、前記固定磁極部材における複数の固定磁極間の角度配分値が同一であることを特徴とするカラー画像形成装置。
【解決手段】現像スリーブ及び固定磁極部材からなる現像ローラと、撹拌部材と、回収供給部材と、規制部材と、現像装置枠体と、を備えた複数の現像装置を有するカラー画像形成装置において、複数の前記現像装置の内の少なくとも1つの現像装置は他の現像装置と比較して、現像剤収納容量が異なると共に前記回収供給部材の外径寸法が異なる一方、前記固定磁極部材における複数の固定磁極間の角度配分値が同一であることを特徴とするカラー画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は複合機能を有する画像形成装置等の画像形成装置に関し、特に、トナーとキャリアからなる現像剤を用い、複数の現像装置を備えたカラー画像形成装置、及びそれに装着されるプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
近年は画像形成装置においてもカラー化が進んでいるが、実用性の高いカラー画像形成方法を大別すると、よく使われる呼称として転写ドラム方式、中間転写方式、KNC(多重現像一括転写)方式、タンデム方式の4種類が有る。
【0003】
これらの方式の名称は、ある観点からの呼称であるから、例えばタンデム方式で且つ中間転写方式のものもあれば直接転写材に転写するものもある。これらの中でタンデム方式、即ち各色画像を各色別の複数の画像形成ユニットで形成し、順次転写していくカラー画像形成装置は、使用可能な転写材の種類が豊富であり、フルカラーの品質も高く、高速度でフルカラーが得られる。特に高速度でフルカラー画像を得ることができる特質は他に見られない利点である。
【0004】
また、現像剤には1成分系の現像剤と2成分系の現像剤とがあるが、1成分系の現像剤はキャリアを必要としないため現像剤や現像装置のコストが低くできるというメリットがある。一方、2成分系の現像剤はトナーの帯電性が安定しており、高品質な画像を得ることができ、高速機にも適している。
【0005】
更に、カラー画像形成装置の普及により、より小型のカラー画像形成装置が求められており、タンデム方式等の複数の現像装置を用いるカラー画像形成装置においては、1つの現像装置をより小型化する必要がある。
【0006】
一方、このような高速フルカラー機の使用状況を鑑みると、印字原稿のカラー化率は必ずしも高くなく、通常は黒色の印字原稿のみに用いられる場合が多い。そのため、黒色の現像剤を収納する現像装置の現像剤収納能力を高めることが望まれている。
【0007】
黒色の現像剤収納能力を高めるために、黒色の現像剤を収納する現像装置を他のカラーの現像剤を収納する現像装置より大きくした構成のカラー画像形成装置が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0008】
図14に示す従来のカラー画像形成装置の1実施例を示す構成図は、特許文献1に提示されたカラー画像形成装置の構成図であり、図15に示す従来のカラー画像形成装置の他の実施例を示す構成図は、特許文献2に提示されたカラー画像形成装置の構成図である。
【0009】
図14に示す特許文献1に提示されたカラー画像形成装置は、水平に配設された転写ベルト上に4種の画像形成ステーションを並べて配置したもので、各画像形成ステーションは、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、クリーニング手段により構成されている。現像装置は、マグネットローラを内包した現像スリーブと、現像スリーブに2成分の現像剤を供給し、回収するRSローラ(回収供給部材)と、現像剤を撹拌するトナー送り部材とを横方向に並べて配置した構成となっている。黒色の現像剤を収納する現像装置は他のカラーの現像装置の横方向のサイズを更に横長とし、延ばしたスペースにトナー送り部材を追加した構成である。
【0010】
然るに、特許文献1に記載の構成では4つの画像形成ステーションを水平に並べて配置しており、図14の右端に配置された黒色の現像剤を収納する現像装置は、現像剤収納量の増加に伴って新規のトナー送り部材を横方向に追加するという構成である。そのため、黒色の現像剤を収納する現像装置が更に横長となり画像形成装置全体が横長に極端に大きくなって、画像形成装置全体の小型化を図ることが困難となる。
【0011】
一方、図15に示す特許文献2に提示されたカラー画像形成装置は、3つのローラにより垂直、水平、斜めの3方向に配設された中間転写ベルト上に画像形成ステーションを並べて配置したものである。即ち、垂直方向に3つのカラーの画像形成ユニット(以下、単に色ユニットともいう。)を並べ、水平方向に黒色の画像形成ユニット(以下、単に黒ユニットともいう。)を配設したものである。黒ユニットを単独に配設したことにより、黒色の画像の形成時における色ユニットの中間転写ベルトからの離間を容易にし、かつ、画像形成装置の小型化を図りながら黒ユニットの現像装置の大きさを大きくすることができるという特徴を有するものである。
【0012】
然るに、特許文献2に記載の構成では、黒ユニットの現像装置の配設位置と大きさとを色ユニットに対して異なる構成としている。そのため、現像ローラの磁極配列や、現像剤を現像ローラに供給又は回収するという現像剤の搬送に関わる部材の構成が変わるものとならざるを得ない。なぜならば、黒ユニットの現像装置と色ユニットの現像装置とでは、感光体ドラムに対向する現像ローラ固定磁極の現像極の位置関係が異なるため、それに伴って現像剤を撹拌する撹拌ローラや、現像剤を現像ローラに供給する供給ローラの配置が変わるからである。
【0013】
また、黒ユニットの現像装置と色ユニットの現像装置とを縦一列に配列しても、黒ユニットの現像装置の大きさを変える限りは、現像剤の搬送に関わる部材の構成を変えざるを得ない。なぜならば、黒ユニットの現像装置の現像剤収納量を増加させるためには現像装置枠体の大きさを大きくする必要があり、それによる現像剤の撹拌、搬送、供給能力の不足を補うために撹拌ローラや供給ローラのサイズを大きくする必要がある。これらのローラのサイズを大きくすれば、黒ユニットと色ユニットとの現像装置に対して感光体ドラムと現像ローラとの位置関係を同一に設定しても、現像剤の搬送経路が変化し、搬送、供給の流れが変わるため、現像ローラの固定磁極の配列等を変えざるを得なくなる。
【0014】
更に、黒ユニットと色ユニットとの現像装置内における現像剤の供給及び回収動作の違いにより、出力画像の濃度の変化の仕方に差が生じることが予測される。
【0015】
そのため、部材の製造コストが増加するとか、出力画像の濃度や色相に対する画質向上のための補正制御方法が複雑になるという問題の発生が懸念される。
【特許文献1】特開2001−183886号公報
【特許文献2】特開2001−75327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上記のような問題を解決し、簡単な構成で、黒色の現像剤を収納する現像装置の収納量を大きくしながら、カラーの現像剤を収納する現像装置に対して、現像ローラ上の現像剤の供給と回収の流れを変えない構成とすると共に、装置全体の大きさを小型にしうる現像装置を有するカラー画像形成装置、及びそれに装着されるプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の目的は、下記の構成により達成することが出来る。
【0018】
1.像担持体と対向する位置に配設され、トナーとキャリアを含む現像剤を搭載して前記像担持体に向けて搬送する、回転自在に保持された円筒状の現像スリーブ、及び前記現像スリーブの内側に配設され、複数の固定磁極が周方向に形成された固定磁極部材、からなる現像ローラと、
現像剤を撹拌する撹拌部材と、
前記現像ローラに現像剤を供給し、前記現像ローラから剥離した現像剤を回収する回転自在に保持された回収供給部材と、
前記現像ローラに供給する現像剤の量を規制する規制部材と、
内部に現像剤を収納し、前記現像ローラ、前記規制部材、前記撹拌部材、及び前記回収供給部材を内部に保持する現像装置枠体と、
を備えた現像装置を複数有するカラー画像形成装置において、
複数の前記現像装置の内の少なくとも1つの現像装置は他の現像装置と比較して、現像剤収納容量が異なると共に前記回収供給部材の外径寸法が異なる一方、前記固定磁極部材における複数の固定磁極間の角度配分値が同一であることを特徴とするカラー画像形成装置。
【0019】
2.前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置と比較して、現像剤収納容量が大きいと共に、前記回収供給部材の外径寸法が大きいことを特徴とする1に記載のカラー画像形成装置。
【0020】
3.前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置に対し前記現像装置枠体に対する前記固定磁極部材の周方向の取付角度が異なることを特徴とする1又は2に記載のカラー画像形成装置。
【0021】
4.前記現像剤収納容量が異なる現像装置は黒色の現像剤を収納する現像装置であり、前記他の現像装置はカラーの現像剤を収納する現像装置であって、前記黒色の現像剤を収納する現像装置の現像剤収納容量が前記カラーの現像剤を収納する現像装置の現像剤収納容量より大きいことを特徴とする1乃至3のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0022】
5.前記固定磁極部材の前記複数の固定磁極は、少なくとも、磁力線の中心が前記固定磁極部材からそれぞれ、前記像担持体の回転中心近傍へ向かう現像極と、前記回収供給部材の回転中心近傍へ向かう反発極と、前記規制部材の先端へ向かう規制極と、からなり、
前記角度配分値は前記現像極と前記反発極と前記規制極との間の角度配分であることを特徴とする1乃至4のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0023】
6.前記反発極は、前記現像ローラの回転中心から前記回収供給部材の回転中心近傍へ向かう直線に対し、現像ローラ回転方向の上流側に配設される第1の反発磁極と下流側に配設される第2の反発磁極とにより形成され、
前記固定磁極の周方向の配列順が、現像ローラ回転方向の上流側から、前記現像極、前記第1の反発磁極、前記第2の反発磁極、前記規制極の順となることを特徴とする5に記載のカラー画像形成装置。
【0024】
7.複数の前記現像装置の全ての現像スリーブの外径寸法が同一であることを特徴とする1乃至6のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0025】
8.像担持体と対向する位置に配設され、トナーとキャリアを含む現像剤を搭載して前記像担持体に向けて搬送する、回転自在に保持された円筒状の現像スリーブ、及び前記現像スリーブの内側に配設され、複数の固定磁極を周方向に形成された固定磁極部材、からなる現像ローラと、
現像剤を撹拌する撹拌部材と、
前記現像ローラに現像剤を供給し、前記現像ローラから剥離した現像剤を回収する回転自在に保持された回収供給部材と、
前記現像ローラに供給する現像剤の量を規制する規制部材と、
内部に現像剤を収納し、前記現像ローラ、前記規制部材、前記撹拌部材、及び前記回収供給部材を内部に保持する現像装置枠体と、
を備えた現像装置を複数有するカラー画像形成装置において、
複数の前記現像装置の内の少なくとも1つの現像装置は他の現像装置と比較して、現像剤収納容量が異なると共に前記回収供給部材の外径寸法が異なる一方、前記現像ローラの回転中心と前記像担持体の回転中心とを結ぶ直線と、前記現像ローラの回転中心と前記回収供給部材の回転中心とを結ぶ直線と、前記現像ローラの回転中心から前記規制部材の先端へ向かう直線との3本の直線の角度配分値が同一であることを特徴とするカラー画像形成装置。
【0026】
9.前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置と比較して回収供給部材の外径寸法が大きいことを特徴とする8に記載のカラー画像形成装置。
【0027】
10.前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置に対し、前記現像装置枠体に対する前記固定磁極部材の前記複数の固定磁極の取付角度が異なることを特徴とする8又は9に記載のカラー画像形成装置。
【0028】
11.前記現像剤収納容量が異なる現像装置が黒色の現像剤を収納する現像装置であり、前記他の現像装置がカラーの現像剤を収納する現像装置であって、前記黒色の現像剤を収納する現像装置の現像剤収納容量が前記カラーの現像剤を収納する現像装置の現像剤収納容量より大きいことを特徴とする8に記載のカラー画像形成装置。
【0029】
12.複数の前記現像装置の全ての現像スリーブの外径寸法が同一であることを特徴とする8乃至11のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0030】
13.前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置に対し、前記現像ローラの回転中心及び前記像担持体の回転中心を結ぶ直線と、前記像担持体の回転中心を通る水平線との成す角度が異なるように配設されることを特徴とする1乃至12のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0031】
14.複数の前記現像装置のそれぞれに一対一で対向する複数の像担持体を有することを特徴とする1乃至13のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0032】
15.14に記載のカラー画像形成装置に対して着脱自在に装着され、少なくとも、複数の前記現像装置と、複数の前記現像装置のそれぞれに一対一で対向する前記複数の像担持体と、を有していることを特徴とする複数のプロセスカートリッジ。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、複数の現像装置を、現像ローラ、規制部材、回収供給部材、撹拌部材及び現像装置枠体という少ない部材で構成することにより現像装置の小型化を図ることができる。また、黒色の現像剤を収納する現像装置の容量をカラーの現像剤を収納する現像装置の容量より大きくすることにより、使用頻度の高い黒色の画像形成の現像能力を向上させることができる。
【0034】
更に、黒色の現像装置とカラーの現像装置との構成において、現像ローラの固定磁極の角度配分値、又は主要な部材間の位置関係を同一とすることにより、現像装置内における現像剤の供給と回収の流れを変えない構成とした。これにより、複数の現像装置における現像剤の搬送に関わる部材の構成を同一にすることができ、部材の製造コストの低減が可能となり、かつ、色ユニットと黒ユニットのトナー濃度制御を同一条件で行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明を図示の実施形態に基づいて説明するが、本発明は該実施形態に限定されない。
【0036】
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係るカラー画像形成装置の第1の実施形態としてのカラー画像形成装置A1を示す概略構成図である。
【0037】
カラー画像形成装置A1は画像形成ユニットを横方向に配列した構成を有している。
【0038】
カラー画像形成装置A1は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成ユニット9Y、9M、9C、9Kと、ベルト状の中間転写体6と、図示しない給紙搬送手段及び定着装置とから構成されている。
【0039】
カラー画像形成装置A1は、ベルト状の中間転写体6を水平に配設し、複数組の画像形成ユニット9Y、9M、9C、9Kを横方向に並べて配設しているため、カラー画像形成装置A1の横方向の長さが長くなる。この対策としてカラー画像形成装置A1は、現像装置4Y1、4M1、4C1、4K1に対し、現像ローラの位置を高くして回収供給部材の上方に配設し、装置全体を縦長として横方向のサイズが小さくなるように構成している。
【0040】
イエロー色の画像を形成する画像形成ユニット9Yは、像担持体(以下、感光体と称す)1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y1、転写手段7Y、及びクリーニング手段8Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成ユニット9Mは、感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4M1、転写手段7M、及びクリーニング手段8Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成ユニット9Cは、感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像装置4C1、転写手段7C、及びクリーニング手段8Cを有する。黒色の画像を形成する画像形成ユニット9Kは、感光体1K、帯電手段2K、露光手段3K、現像装置4K1、転写手段7K、及びクリーニング手段8Kを有する。従って、感光体1Y、1M、1C、1Kと現像装置4Y1、4M1、4C1、4K1とは一対一で対向する構成となる。
【0041】
中間転写体6は、複数のローラ6A、6B、6C、6Dにより巻回され、回動可能に支持されている。
【0042】
画像形成ユニット9Y、9M、9C、9Kより形成された各色の画像は、回動する中間転写体6上に転写手段7Y、7M、7C、7Kにより逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像が形成される。図示しない給紙カセット内に収容された転写材Pは、図示しない給紙手段により給紙され、レジストローラ20を経て、転写手段7Aに搬送され、転写材P上にカラー画像が転写される(2次転写)。カラー画像が転写された転写材Pは、図示しない定着装置により定着処理され、図示しない排紙ローラに挟持されて機外の図示しない排紙トレイ上に載置される。
【0043】
一方、転写手段7Aにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを分離した中間転写体6は、図示しないクリーニング手段により残留トナーが除去される。
【0044】
本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジPY1、PM1、PC1、PK1は、感光体1Y、1M、1C、1Kと、それに対応する現像装置4Y1、4M1、4C1、4K1とにより一体的に構成され、カラー画像形成装置A1に対し着脱自在に配設される。感光体1Y、1M、1C、1Kと、それに対応する現像装置4Y1、4M1、4C1、4K1とを一体的に構成することにより、カラー画像形成装置A1を製造する際の後工程における調整作業を少なくすることが可能となる。
【0045】
プロセスカートリッジPY1、PM1、PC1、PK1の他の実施形態としては、前記感光体及び現像装置に加えて、帯電手段2Y、2M、2C、2K、又はクリーニング手段8Y、8M、8C、8Kを一体的に構成することも可能である。
【0046】
[第1の実施形態に用いるカラー現像装置4Y1、4M1、4C1]
図2は、本発明に係る第1の実施形態のカラー画像形成装置A1に用いられるカラー用の現像装置(以下、単にカラー現像装置という)4Y1、4M1、4C1の構成を説明するための断面図である。図4は、カラー現像装置4Y1、4M1、4C1の下部機構の平面図である。図5は、図1におけるA部の拡大図であり、カラー現像装置4C1と黒色用の現像装置(以下、単に黒色現像装置という)4K1(後述)との構成の違いを説明するための概略図である。
【0047】
図2において、カラー現像装置4Y1、4M1、4C1の実施形態における構成は、中間転写体6を水平に配設したカラー画像形成装置A1に用いるのに適した構成であり、横方向のサイズを小さくしたものである。
【0048】
本実施形態における3つのカラー現像装置4Y1、4M1、4C1は同一の構成であるため、シアン色の現像装置4C1を代表として構成の説明をする。カラー現像装置4C1と黒色現像装置4K1(後述)との構成の違いについては図3及び図5を用いて後述するが、黒色現像装置4K1における現像剤の収納容量はカラー現像装置4C1より大きくなるように構成されている。
【0049】
カラー現像装置4C1は、現像装置枠体40、現像ローラ41、規制部材42、回収供給部材(以下、回収供給スクリューと称す)43、撹拌部材(以下、攪拌スクリューと称す)44等から構成されている。現像ローラ41は現像スリーブ41Aと固定磁極部材41Bとから構成される。
【0050】
現像スリーブ41Aと回収供給スクリュー43との対向近接点において、現像スリーブ41Aは下方から上方に回動し、回収供給スクリュー43は上方から下方に回動し、規制部材42は固定磁極部材41Bの規制極N2(後述)の近傍に配置されている。
【0051】
現像装置枠体40は幅寸法w1の筐体からなり、内部に現像ローラ41、回収供給スクリュー43、及び攪拌スクリュー44を回転自在に保持すると共に、規制部材42を保持する。回収供給スクリュー43と攪拌スクリュー44とは、現像装置枠体40の底部から直立した仕切板401(図4参照)を挟んで両側に配設される。
【0052】
現像スリーブ41Aと固定磁極部材41Bとから成る現像ローラ41は、表面に静電潜像を担持する感光体1に対向して、感光体1の回転中心から仰角θ1の位置に回転中心が位置するように配置される。ここでいう仰角とは、感光体1の回転中心から現像ローラ41の回転中心に向かう線が感光体1の回転中心を通る水平線となす角度をいう。
【0053】
現像ローラ41を回収供給スクリュー43の上方に配置することにより、現像装置枠体40の幅寸法w1の増大を防ぎ、カラー現像装置4Y1、4M1、4C1の横方向の寸法の増大を防ぎ、カラー画像形成装置A1の横方向の寸法増大を防ぐ構成としている。
【0054】
現像スリーブ41Aには、現像バイアスとして交流電源E1による交流電圧と、直流電源E2による直流電圧とが重畳される。
【0055】
固定磁極部材41Bは、現像スリーブ41Aの内側に固定的に配設され、5極の磁極N1,N2,S1,S2,S3を有する。
【0056】
磁極N1は現像極、磁極N2は規制極である。互いに隣接する第1の反発磁極としての剥取磁極S1と第2の反発磁極としての汲上磁極S2とは同極性で、2つの磁極S1,S2により反発極S0が形成される。剥取磁極S1は現像ローラ41回転方向の上流側に形成され、汲上磁極S2は下流側に形成される。磁極S3は搬送極である。
【0057】
本発明の第1の実施形態に用いられる4つのカラー現像装置4Y1、4M1、4C1が有する固定磁極部材41Bは、それぞれの固定磁極間の角度配分値が同一であるという構成を有している。
【0058】
固定磁極部材41Bの5極の磁極は、現像ローラ41の回転方向に、現像極N1、剥取磁極S1、汲上磁極S2、規制極N2、搬送極S3の順に形成される。
【0059】
固定磁極部材41Bは、現像極N1の磁力線の中心が感光体1上に形成される現像領域に向かう角度で現像装置枠体40に取り付けられる。
【0060】
本実施の形態において、固定磁極部材41Bは、現像極N1が感光体1の回転中心から現像ローラ41の回転中心に向かう仰角θ1の直線に対して感光体1の回転方向の上流側に約4°傾いた角度となるように、現像装置枠体40に取り付けられる。
【0061】
反発極S0の磁力線は固定磁極部材41Bから回収供給スクリュー43の回転中心近傍へ向かう角度に形成される。規制極N2の磁力線は固定磁極部材41Bから規制部材42の先端に向かう角度に形成される。
【0062】
剥取磁極S1は現像剤剥ぎ取り用の磁極であり、現像スリーブ41A上の現像剤を剥ぎ取り落下させる。汲上磁極S2は現像剤受け入れ用のであり、回収供給スクリュー43により供給された現像剤を汲み上げて現像スリーブ41A上に付着させる。
【0063】
現像極N1と反発極S0とのなす角度α1と、反発極S0と規制極N2とのなす角度α2とは3つのカラー現像装置4Y1、4M1、4C1の間で同一であり、現像装置4A1内における現像剤の搬送性能に影響を有する特に重要な角度である。
【0064】
回収供給スクリュー43は、攪拌スクリュー44から搬送された現像剤を攪拌して搬送し、現像ローラ41に均一に供給する。回収供給スクリュー43、攪拌スクリュー44は何れも螺旋状に形成されたスクリュー部材である。
【0065】
攪拌スクリュー44は回収供給スクリュー43に平行配置され、図示しないトナー補給手段から補給される新規トナーと、現像スリーブ41Aから回収供給スクリュー43を経て還流される現像剤とを混合、攪拌して回収供給スクリュー43の上流部に搬送する。
【0066】
回収供給スクリュー43は現像剤を回転軸方向に搬送しながら現像ローラ41に向けて現像剤を供給し、現像を終えた現像剤を現像ローラ41から回収して攪拌スクリュー44に送り込む。
【0067】
規制部材42は磁性体より成り汲上磁極を兼ねる。
【0068】
以下図4を用いて、カラー現像装置4C1における現像剤の循環の動作について説明する。
【0069】
(1)攪拌スクリュー44に向けて、現像ローラ41から回収供給スクリュー43を経て還流される現像剤と、図示しないトナー補給手段から補給される新規トナーとが搬入される。搬入された現像剤は攪拌スクリュー44により攪拌、混合され、矢印V1で示す現像剤移動方向に搬送される。
【0070】
(2)混合された現像剤は、攪拌スクリュー44の下流側に形成された第1開口部402を通過して、矢印V2で示す方向に搬送され、回収供給スクリュー43における現像剤移動方向の上流側に導入される。導入された現像剤は回収供給スクリュー43により撹拌されつつ矢印V3で示す現像剤移動方向に搬送される。
【0071】
(3)回収供給スクリュー43は矢印V3で示す方向に現像剤を搬送しつつ、矢印V4に示す方向に現像剤を放出して現像ローラ41上に供給する。
【0072】
(4)現像ローラ41上に担持された現像剤は、現像ローラ41と感光体ドラム1とが対向する現像剤領域において現像処理される。現像処理後にトナー濃度が低下した現像剤は、現像スリーブ41Aにより搬送され、固定磁極部材41Bの剥取磁極S1により現像ローラ41から剥ぎ取られる。
【0073】
(5)剥ぎ取られた現像剤は、矢印V5に示す方向に向けて移動され、回収供給スクリュー43に搬送される。
【0074】
(6)搬送された現像剤は、回収供給スクリュー43によって矢印V6に示す方向に搬送され、回収供給スクリュー43の下流側に形成された第2開口部403を通過して、矢印V7に示す方向に搬送され、攪拌スクリュー44の現像剤移動方向上流側に導入される。
【0075】
(7)現像装置枠体40の内部に配設された図示しないトナー濃度センサからのトナー濃度検知信号により、図示しないトナー補給手段により新規トナーの補給が行われ、新規トナーと現像剤とが混合されて矢印V1に搬送される。
【0076】
現像剤は上述のような循環系で搬送されるが、一部の現像剤は攪拌スクリュー44と回収供給スクリュー43の間を矢印V1,V2,V3,V6、V7で示すように循環する。
【0077】
[第1の実施形態に用いる黒色現像装置4K1]
図3は、本発明に係る第1の実施形態のカラー画像形成装置A1に用いられる黒色現像装置4K1についての構成を説明するための断面図である。
【0078】
黒色現像装置4K1の構成は、図2で説明したカラー現像装置4C1の構成と類似しており、同一の機能を有する部材については同一の符番を用いているため詳細な説明は省略し、特に異なる箇所について説明を行う。以下、図3及び図5を用いて黒色現像装置4K1とカラー現像装置4C1との構成の違いを主として説明する。
【0079】
図5において、感光体1C(含む、1Y、1M)及び1Kの外径は同一であり、水平に張架された中間転写体6に接するように配設されているため、感光体1Cの中心と感光体1Kの中心とは同一の水平線上に位置し、中間転写体6からの高さがh0の位置に配設される。
【0080】
図3及び図5において、黒色現像装置4K1は現像剤収納容量をカラー現像装置4C1より大きい構成とするため、現像装置枠体40のサイズを大きくしている。然るに、黒色現像装置4K1における現像装置枠体40の底部から感光体1Cの中心までの高さh1は、現像装置枠体40の底部近傍に中間転写体6が位置しており、大きくすることが困難である。そのため、カラー現像装置4C1の前記高さh1と同一の値とし、現像装置枠体40の幅寸法w2を大きくしている。一方、感光体1C(含む、1Y、1M)及び1Kの外径は同一であり、水平に張架された中間転写体6に接するように配設されているため、感光体1Cの中心と感光体1Kの中心とは同一の水平線上(高さh0)に位置している。
【0081】
次に図5を用いて、本実施形態に係る黒色現像装置4K1及びカラー現像装置4C1の画像形成ユニット9C、9Kに対する位置関係、及び黒色現像装置4K1とカラー現像装置4C1との構成の違いについて説明する。
【0082】
本実施形態において、黒色現像装置4K1は、現像剤の収納量をカラー現像装置4C1(含む、4Y1、4M1)より大きくするため、現像装置枠体40の幅方向のサイズ、回収供給部材43及び撹拌スクリュー44の外径寸法を変えている。
【0083】
即ち、黒色現像装置4K1は現像装置枠体40の幅寸法w2をカラー現像装置4C1(含む、4Y1、4M1)の幅寸法w1より大きくしている。また、黒色現像装置4K1の幅寸法w2を大きくすることに伴う、現像剤の撹拌、搬送、供給及び回収の性能低下を防止するため、黒色現像装置4K1の撹拌スクリュー44及び回収供給スクリュー43の外径寸法を大きくしている。
【0084】
黒色現像装置4K1において、撹拌スクリュー44及び回収供給スクリュー43の外径寸法を大きくすることにより、現像ローラ41の回転中心の高さが高くなる。即ち、現像装置4K1における感光体1Kの回転中心から現像ローラ41の回転中心までの高さh3が、カラー現像装置4C1における現像ローラ41の回転中心の高さh2より高くなる。
【0085】
また、黒色現像装置4K1の構成は、カラー現像装置4C1と同様に、現像ローラ41を回収供給スクリュー43の上方の高い位置に配置することにより現像装置枠体40の幅寸法w1の増大を防ぎ、横方向の寸法の増大を防ぐという目的を有している。
【0086】
ここで、黒色現像装置4K1における現像ローラ41は感光体1Kの回転中心を通る水平線に対し感光体1Kの回転中心から仰角θ2の線上に位置し、同様に、カラー現像装置4C1における現像ローラ41の回転中心は仰角θ1の線上に位置するものとする。このとき、黒色現像装置4K1における現像ローラ41の高さはカラー現像装置4C1における現像ローラ41の高さより高いため、仰角θ2はθ1より大きい値となる。
【0087】
本発明の実施形態に係る4つの現像装置4Y1、4M1、4C1、4K1において、現像ローラ41の固定磁極部材41Bにおける複数の固定磁極間の角度配分を表す角度配分値は、4つの現像装置の全てが同一の値となるように構成されている。特に、図2及び図3に示す現像極N1と反発極S0とのなす角度α1と、反発極S0と規制極N2とのなす角度α2とは現像剤の搬送性能を確保する上で重要な角度となる。
【0088】
固定磁極部材41Bの現像極N1は、磁力線の中心が感光体1の回転中心近傍に向かう角度に設定される。このため、黒色現像装置4K1とカラー現像装置4C1(含む4Y1、4M1)との現像装置枠体40に対する固定磁極部材41Bの周方向の取付角度は、異なる仰角θ2、θ1に対応して、異なる角度で取り付けられることになる。
【0089】
本発明によれば、黒色現像装置4K1とカラー現像装置4C1との間に構成の違いがあるにも拘わらず、固定磁極間の角度配分値を同一の値とする構成により、現像剤の供給及び回収の性能が変わらず、共通の画像補正制御ができるという利点が生じる。
【0090】
本発明の実施形態に係る黒色現像装置4K1とカラー現像装置4C1とにおける現像スリーブ41Aの外径寸法は同一に設定されている。現像スリーブ41Aの外径寸法を同一とすることにより固定磁極部材41Bも同一サイズとなり、共通化が可能となって現像スリーブ41A及び固定磁極部材41Bの製造コストの削減に寄与できる。
【0091】
但し、黒色現像装置4K1とカラー現像装置4C1とで現像スリーブ41Aの外径寸法を変えることも可能である。
【0092】
黒色現像装置4K1における下部機構の平面図、及び現像剤の循環の動作については、図4で説明したカラー現像装置4C1と類似しているため説明は省略する。
【0093】
[第2の実施形態]
本実施形態のカラー画像形成装置A2は、第1の実施形態のカラー画像形成装置A1と類似しており、違いは現像装置の構成のみであるため、同一の図(図1)を用いている。カラー画像形成装置A2のその他の構成及び動作はカラー画像形成装置A1と同一であるため説明は省略し、現像装置の構成及び動作についてのみ以下に説明する。
【0094】
[第2の実施形態に用いるカラー現像装置4Y2、4M2、4C2]
図6は、本発明に係る第2の実施形態のカラー画像形成装置A2に用いられるカラー現像装置4Y2、4M2、4C2の実施形態についての構成を説明するための断面図である。
【0095】
本実施形態に係る3つのカラー現像装置4Y2、4M2、4C2は同一の構成であるため、図6に示すカラー現像装置4C2を代表として構成の説明をする。カラー現像装置4C2と黒色現像装置4K2との構成の違いについての説明は、図6〜図8を用いて後述する。
【0096】
カラー現像装置4C2は、カラー画像形成装置の第2の実施形態であるカラー画像形成装置A2に用いるのに適した構成であり、横方向のサイズを小さくしたものである。
【0097】
カラー現像装置4C2は、図2で説明したカラー現像装置4C1と構成が類似しており、同一の機能を有する部材には同一の符番を用いているため、同一の構成を有する部分についての説明は省略し、構成の異なる部分のみについて説明する。
【0098】
カラー現像装置4C1とカラー現像装置4C2との構成上の異なる点は、固定磁極の角度配分値が同一の値に構成されている点と、構成する部材間の配置に対する角度配分値が同一の値に構成されている点との違いである。即ち、カラー現像装置4C1では、現像ローラ41の固定磁極の角度配分値が同一の値となるように構成されているのに対し、カラー現像装置4C2では、構成する部材間の配置に対する角度配分値が同一の値となるように構成されている。
【0099】
3つのカラー現像装置4C2、4Y2、4M2は、現像ローラ41の回転中心を基準として、感光体1Cの回転中心位置、回収供給スクリュー43の回転中心位置、及び規制部材42の先端の位置が同一の角度配分値で現像ローラ41の周囲に配設される。
【0100】
ここで、図6に示すように、現像ローラ41の回転中心位置から、感光体1Cの回転中心位置、回収供給スクリュー43の回転中心位置、及び規制部材42の先端の位置を3本の直線で結ぶ。感光体1Cの回転中心を通る直線と回収供給スクリュー43の回転中心を通る直線とのなす角度をβ1で表し、回収供給スクリュー43の回転中心を通る直線と規制部材42の先端へ向かう直線とのなす角度をβ2で表す。残りのβ3は感光体1Cの回転中心を通る直線と規制部材42の先端へ向かう直線とがなす角度となる。従って、3つのカラー現像装置4C2、4M2、4Y2の全てにおいて、構成する3つの部材の配置に対する角度配分値が同一の値、β1、β2、β3で表されることになる。特に、感光体1Cの回転中心を通る直線と回収供給スクリュー43の回転中心を通る直線とのなす角度β1と、回収供給スクリュー43の回転中心を通る直線と規制部材42の先端へ向かう直線とのなす角度β2とは現像剤の搬送性能を確保する上で重要な角度となる。
【0101】
現像ローラ41の周囲における、感光体1、回収供給スクリュー43、及び規制部材42の角度配分値を同一の値とすることにより、カラー現像装置4C2、4M2、4Y2の全てにおいて現像剤の供給と回収の流れを同一な性能とすることができる。
【0102】
なお、カラー現像装置4C2の下部機構の平面図、及び現像剤の循環の動作についての説明は、図4で説明した第1の実施形態としてのカラー現像装置4C1と同一であるため省略する。
【0103】
[第2の実施形態に用いる黒色現像装置4K2]
次に、第2の実施形態に用いられる黒色現像装置4K2の構成について説明する。
【0104】
図7は、黒色現像装置4K2の構成を説明するための断面図である。
【0105】
図7において、黒色現像装置4K2は、現像剤収納容量をカラー現像装置4C2より大きい構成とするため、黒色現像装置4K1と同様に、現像装置枠体40のサイズが大きくなるように構成している。即ち、現像装置枠体40の幅寸法w2、現像装置枠体40の底部位置から感光体1Kの中心までの高さh1、及び感光体1Kの中心から現像ローラ41の中心までの高さh3は、黒色現像装置4K1における値と同一である。また、現像ローラ41の中心位置の感光体1Cの中心位置からの仰角θ2も同一の値である。
【0106】
黒色現像装置4K2が黒色現像装置4K1と異なる点は、カラー現像装置4C1とカラー現像装置4C2との異なる点と同一である。
【0107】
即ち、黒色現像装置4K1が、固定磁極の角度配分値が同一の値になるように構成されているのに対し、黒色現像装置4K2は、構成する部材間の配置に対する角度配分値が同一の値になるように構成されているという点である。
【0108】
黒色現像装置4K2は、カラー現像装置4C2と同様に、現像ローラ41の回転中心を基準として、感光体1C、回収供給スクリュー43、及び規制部材42の3部材が同一の角度配分値で現像ローラ41の周囲に配設されるという構成を有している。即ち、図7に示すように、前記3部材の配置を3本の直線で表すと、3本の直線の間における角度配分値はβ1、β2、β3となる。この角度配分値は、図6で説明したカラー現像装置4C2の角度配分値と同一であり、これにより4つの現像装置4Y2、4M2、4C2、4K2全てに対し同一の値となる。
【0109】
全ての現像装置における、現像ローラ41の周囲の、感光体1、回収供給スクリュー43、及び規制部材42の角度配分値が同一の値となるように構成することにより、現像剤の現像ローラ41に対する供給と回収の流れを同等にすることが可能となる。
【0110】
本発明によれば、カラー現像装置4C2と黒色現像装置4K2との間に構成の違いがあっても、部材間の角度配分値が同一の値となるような構成により、現像剤の供給及び回収の流れが変わらないため、共通の画像補正制御ができるという利点が生じる。
【0111】
黒色現像装置4K2とカラー現像装置4C2との構成の違いについては、黒色現像装置4K1とカラー現像装置4C1との構成の違いと同一であるため、説明は省略する。
【0112】
[第3の実施形態]
図8は、第3の実施形態としてのカラー画像形成装置A3を示す概略構成図である。
【0113】
カラー画像形成装置A3はカラーの画像形成が可能なカラー画像形成装置であり、画像形成ユニットを縦方向に配列した構成を有している。
【0114】
カラー画像形成装置A3の構成は、画像形成ユニットを横方向に配列した第1の実施形態のカラー画像形成装置A1と類似しており、同一の構成を形成する部材には同一の符番を付しているため説明は省略し、構成の異なる部位についてのみ説明する。
【0115】
カラー画像形成装置A3は、ベルト状の中間転写体6を垂直方向に配設し、複数組の画像形成ユニット9Y、9M、9C、9Kを縦方向に並べて配設しているため、カラー画像形成装置A3の高さ方向のサイズが大きくなる。この対策としてカラー画像形成装置A3は、現像装置4Y3、4M3、4C3、4K3に対し、現像ローラ41の位置を低くして回収供給部材43の高さに近づけて配設し、全体を横長として高さ方向のサイズが小さくなるように構成している。
【0116】
本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジPY3、PM3、PC3、PK3は、感光体1Y、1M、1C、1Kと、それに対応する現像装置4Y3、4M3、4C3、4K3とにより一体的に構成され、カラー画像形成装置A3に対し着脱自在に配設される。
【0117】
プロセスカートリッジPY3、PM3、PC3、PK3の他の実施形態としては、前記感光体及び現像装置に加えて、帯電手段2Y、2M、2C、2K、又はクリーニング手段8Y、8M、8C、8Kを一体的に構成することも可能である。
【0118】
また、本実施形態に係る黒色現像装置4K3は、カラー現像装置4Y3、4M3、4C3と比較して、現像剤収納容量が大きいという構成を有すると共に、現像装置の回収供給部材(後述)の外径寸法が大きいという構成を有している。
【0119】
[第3の実施形態に用いるカラー現像装置4Y3、4M3、4C3]
図9は、第3の実施形態に用いられるカラー現像装置4Y3、4M3、4C3の構成を説明するための断面図である。図11は、図8におけるB部の拡大図であり、カラー現像装置4C3と黒色現像装置4K3(後述)との構成の違いを説明するための概略図である。
【0120】
図9において、カラー現像装置4Y3、4M3、4C3の実施形態における構成は、中間転写体6を垂直に配設したカラー画像形成装置A3に用いるのに適した構成であり、高さ方向のサイズを小さくしたものである。
【0121】
本実施形態における3つのカラー現像装置4Y3、4M3、4C3は同一の構成であるため、シアン色の現像装置4C3を代表として構成の説明をする。カラー現像装置4C3と黒色現像装置4K3(後述)との構成の違いについては図3及び図5を用いて後述するが、黒色現像装置4K3における現像剤の収納容量はカラー現像装置4C3より大きくなるように構成されている。
【0122】
カラー現像装置4C3は、図2で説明したカラー現像装置4C1と構成が類似しており、同一の機能を有する部材には同一の符番を用いているため、同一の構成を有する部分についての説明は省略し、構成の異なる部分のみについて説明する。
【0123】
なお、本実施の形態におけるカラー現像装置4C3の下部機構の平面図、及び現像剤の循環の動作については、図3で説明したカラー現像装置4C1と類似しているため説明は省略する。
【0124】
カラー現像装置4C3と図2で説明したカラー現像装置4C1との構成の違いは、カラー現像装置4C1は、横方向のサイズを小さくするという構成を有するのに対し、現像装置4A3は、高さ方向のサイズを小さくするという構成を有している点である。即ち、カラー現像装置4C1は、現像ローラ41を回収供給スクリュー43の上方にシフトして配設しているのに対し、現像装置4A3は、現像ローラ41を回収供給スクリュー43の横方向に並べて配設している。そのため、カラー現像装置4C3の現像装置枠体40の幅寸法w3はカラー現像装置4C1の現像装置枠体40の幅寸法w1より大きくなるが、カラー現像装置4C3全体の高さはカラー現像装置4C1より低くなる。カラー現像装置4C3(含む4Y3、4M3)の高さを低くすることにより、カラー画像形成装置A3の高さの増大を防ぐ構成としている。
【0125】
現像ローラ41は、感光体1に対向して配設され、感光体1Cの回転中心から仰角θ3の位置に回転中心が位置するように配設される。
【0126】
また、カラー現像装置4C1は、固定磁極部材41Bが5極の磁極により形成されているのに対し、カラー現像装置4C3は、7極の磁極N1、N2、N3、N4、S1、S2、S3により形成されている。
【0127】
即ち、カラー現像装置4C3における固定磁極部材41Bには、7極の磁極が、現像ローラ41の回転方向に、現像極N1、回収搬送磁極S1、剥取磁極N2、汲上磁極N3、規制極S2、及び供給搬送磁極N4、S3の順に形成される。
【0128】
本実施の形態においては、固定磁極部材41Bの現像極N1は、感光体1の回転中心から現像ローラ41の回転中心に向かう仰角θ3の直線に対し、感光体1の回転方向の上流側に約4°傾いた角度で現像装置枠体40に取り付けられる。
【0129】
第1の反発極である剥取磁極N2と第2の反発極である汲上磁極N3とは隣接する同極性の2磁極であり、反発極N0を形成する。回収搬送磁極S1は現像極N1と剥取磁極N2との中間に配設される。
【0130】
反発極N0の磁力線は固定磁極部材41Bから回収供給スクリュー43の回転中心近傍へ向かう角度に形成される。規制極S2の磁力線は固定磁極部材41Bから規制部材42の先端に向かう角度に形成される。供給搬送磁極N4、S3は規制極S2と現像極N1との間に配設される。
【0131】
第3の実施形態に用いられる3つのカラー現像装置4Y3、4M3、4C3が有する固定磁極部材41Bは、それぞれの固定磁極間の角度配分値が同一であるという構成を有している。
【0132】
現像極N1と反発極N0とのなす角度γ1と、反発極N0と規制極S2とのなす角度γ2とは3つのカラー現像装置4Y3、4M3、4C3の間で同一であり、現像装置4C3内における現像剤の搬送性能に影響を有する特に重要な角度である。
【0133】
固定磁極部材41Bは、現像極N1の磁力線の中心が感光体1上に形成される現像領域に向かう角度で現像装置枠体40に取り付けられる。
【0134】
本実施の形態においては、固定磁極部材41Bの現像極N1は、感光体1の回転中心から現像ローラ41の回転中心に向かう仰角θ3の直線に対し、感光体1の回転方向の上流側に約4°傾いた角度で現像装置枠体40に取り付けられる。
【0135】
[第3の実施形態に用いる黒色現像装置4K3]
図10は、本発明に係る第3の実施形態のカラー画像形成装置A3に用いられる黒色現像装置4K3についての構成を説明するための断面図である。
【0136】
黒色現像装置4K3の構成は、図9で説明したカラー現像装置4C3の構成と類似しており、同一の機能を有する部材については同一の符番を用いているため詳細な説明は省略し、特に異なる箇所についてのみの説明を行う。以下、図10及び図11を用いて黒色現像装置4K3とカラー現像装置4C3との構成の違いを主として説明する。
【0137】
黒色現像装置4K3は、カラー現像装置4C3と同様に、カラー画像形成装置A3に用いるのに適した構成であり、高さ方向のサイズが小さくなるように構成されている。
【0138】
黒色現像装置4K3の下部機構の平面図、及び現像剤の循環の動作については、図4で説明したカラー現像装置4C1と類似しているため図及び説明は省略する。
【0139】
次に図11を用いて、第3の実施形態に係るカラー現像装置4C3と黒色現像装置4K3の画像形成ユニット9C、9Kに対する位置関係、及びカラー現像装置4C3と黒色現像装置4K3との構成の違いについてを用いて説明する。
【0140】
本実施形態において、黒色現像装置4K3は、現像剤の収納量をカラー現像装置4C3(含む、4Y3、4M3)より大きくするため、現像装置枠体40の幅方向のサイズ、回収供給部材43及び撹拌スクリュー44の外径寸法を変えている。
【0141】
即ち、黒色現像装置4K3は現像装置枠体40の幅寸法w4をカラー現像装置4C3(含む、4Y3、4M3)の幅寸法w3より大きくしている。また、黒色現像装置4K3の幅寸法w4を大きくすることに伴う、現像剤の撹拌、搬送、供給及び回収の性能低下を防止するため、黒色現像装置4K3の撹拌スクリュー44及び回収供給スクリュー43の外径寸法を大きくしている。
【0142】
黒色現像装置4K3において、撹拌スクリュー44及び回収供給スクリュー43の外径寸法を大きくすることにより、現像ローラ41の回転中心の高さが高くなる。
【0143】
ここで、黒色現像装置4K3における現像ローラ41は、感光体1Kの回転中心を通る水平線に対し感光体1Kの回転中心から仰角θ4の線上に位置し、同様に、カラー現像装置4C3における現像ローラ41の回転中心は、仰角θ3の線上に位置するものとする。このとき、黒色現像装置4K3における現像ローラ41の高さはカラー現像装置4C3における現像ローラ41の高さより高いため、仰角θ4はθ3より大きい値となる。
【0144】
一方、黒色現像装置4K3の固定磁極部材41Bにおける7極の磁極N1、N2、N3、N4、S1、S2、S3のそれぞれの角度配分値は、カラー現像装置4C3と同様に、同一の値となるように設定されている。
【0145】
固定磁極間の角度配分値が同一の値となるように構成されているため、カラー現像装置4C3と黒色現像装置4K3との現像装置枠体40に対する固定磁極部材41Bの周方向の取付角度は、異なる仰角θ3、θ4に対応して、異なった角度で取り付けられることになる。
【0146】
黒色現像装置4K3とカラー現像装置4C3との固定磁極間の角度配分値が同一の値となるように構成することにより、現像剤の現像ローラ41への供給と回収の流れを同様な性能とすることが可能となる。
【0147】
本実施の形態によれば、黒色現像装置4K3とカラー現像装置4C3との間に構成の違いがあるにも拘わらず、固定磁極間の角度配分値が同一の値となるような構成により、現像剤の供給及び回収の性能が変わらず、共通の画像補正制御ができるという利点が生じる。
【0148】
本発明の実施形態に係る黒色現像装置4K3とカラー現像装置4C3とにおける現像スリーブ41Aの外径寸法は同一に設定されている。現像スリーブ41Aの外径寸法を同一とすることにより固定磁極部材41Bも同一サイズとなり、共通化が可能となって現像スリーブ41A及び固定磁極部材41Bの製造コストの削減に寄与できる。
【0149】
但し、黒色現像装置4K3とカラー現像装置4C3とで現像スリーブ41Aの外径寸法を変えることも可能である。
【0150】
黒色現像装置4K3における下部機構の平面図、及び現像剤の循環の動作については、図4で説明したカラー現像装置4C1と類似しているため説明は省略する。
【0151】
[第4の実施形態]
第4の実施形態のカラー画像形成装置A4は、カラー画像形成装置A3と類似しており、違いは現像装置の構成のみであるため、同一の図(図8)を用いている。カラー画像形成装置A4のその他の構成及び動作はカラー画像形成装置A3と同一であるため説明は省略し、現像装置の構成及び動作についてのみ以下に説明する。
【0152】
[第4の実施形態に用いるカラー現像装置4Y4、4M4、4C4]
図12は、カラー画像形成装置A4に用いられるカラー現像装置4Y4、4M4、4C4の実施形態についての構成を説明するための断面図である。
【0153】
本実施形態に係るカラー現像装置4Y4、4M4、4C4は、カラー画像形成装置A4に用いるのに適した構成であり、高さ方向のサイズを小さくしたものである。
【0154】
本実施形態の3つのカラー現像装置4Y4、4M4、4C4は同一の構成であるため、図12に示すカラー現像装置4C4を代表として説明する。
【0155】
カラー現像装置4C4は、図7で説明したカラー現像装置4C3と構成が類似しており、同一の機能を有する部材には同一の符番を用いているため、同一の構成を有する部分についての説明は省略し、構成の異なる部分のみについて構成の説明をする。カラー現像装置4C4と黒色現像装置4K4との構成の違いについての説明は、図11〜図13を用いて後述する。
【0156】
カラー現像装置4C4は、カラー画像形成装置A4に用いるのに適した構成であり、縦方向のサイズを小さくしたものである。
【0157】
カラー現像装置4C4とカラー現像装置4C3との構成上の異なる点は、固定磁極の角度配分値が同一の値となるように構成されている点と、構成する部材間の配置に対する角度配分値が同一の値となるように構成されている点との違いである。即ち、カラー現像装置4C3では、現像ローラ41の固定磁極の角度配分値が同一の値となるように構成されているのに対し、カラー現像装置4C4では、図6で説明したカラー現像装置4C2と同様、構成する部材間の配置に対する角度配分値が同一の値となるように構成されている。
【0158】
図12において、カラー現像装置4C4は、現像ローラ41の回転中心を基準として、感光体1Cの回転中心位置、回収供給スクリュー43の回転中心位置、及び規制部材42の先端の位置が同一の角度配分値で現像ローラ41の周囲に配設される構成を有している。即ち、図12におけるこれら3本の直線がなす角度をそれぞれδ1、δ2、δ3で表すと、3つのカラー現像装置4C4、4M4、4Y4の全てにおいて、構成する3つの部材の配置に対する角度配分値が同一の値、δ1、δ2、δ3で表されることになる。特に、感光体1Cの回転中心を通る直線と回収供給スクリュー43の回転中心を通る直線とのなす角度δ1と、回収供給スクリュー43の回転中心を通る直線と規制部材42の先端へ向かう直線とのなす角度δ2とは現像剤の搬送性能を確保する上で重要な角度となる。
【0159】
現像ローラ41の周囲における、感光体1、回収供給スクリュー43、及び規制部材42の角度配分値を同一の値に構成することにより、カラー現像装置4C4、4M4、4Y4の全てにおいて現像剤の供給と回収の流れを同一な性能とすることができる。
【0160】
なお、カラー現像装置4C4の下部機構の平面図、及び現像剤の循環の動作についての説明は、図4で説明したカラー現像装置4C1と同一であるため省略する。
【0161】
[第4の実施形態に用いる黒色現像装置4K4]
次に、カラー画像形成装置A4に用いられる黒色現像装置4K4の構成について説明する。
【0162】
本実施形態における黒色現像装置4K4の構成は、第3の実施形態のカラー画像形成装置A3に用いる黒色現像装置4K3の構成と類似しており、同一の機能を有する部材については同一の符番を用いているため詳細な説明は省略し、特に異なる箇所のみの説明を行う。
【0163】
図13は、黒色現像装置4K4の構成を説明するための断面図である。
【0164】
図13において、黒色現像装置4K4は、現像剤収納容量をカラー現像装置4C4より大きい構成とするため、黒色現像装置4K3と同様に、現像装置枠体40のサイズが大きくなるように構成している。即ち、現像装置枠体40の幅寸法w4、及び感光体1Kの中心から現像ローラ41の中心に向かう仰角θ4は、黒色現像装置4K3における値と同一である。
【0165】
黒色現像装置4K4が黒色現像装置4K3と異なる点は、カラー現像装置4C3とカラー現像装置4C4との異なる点と同一である。
【0166】
即ち、黒色現像装置4K3が、固定磁極の角度配分値が同一の値となるように構成されているのに対し、黒色現像装置4K4は、構成する部材間の配置に対する角度配分値が同一の値となるように構成されているという点である。
【0167】
黒色現像装置4K4は、カラー現像装置4C4と同様に、現像ローラ41の回転中心を基準として、感光体1C、回収供給スクリュー43、及び規制部材42の3部材が同一の角度配分値で現像ローラ41の周囲に配設されるという構成を有している。即ち、図13に示すように、前記3部材の配置を3本の直線で表すと、3本の直線の間における角度配分値はδ1、δ2、δ3となる。この角度配分値は、図12で説明したカラー現像装置4C4の角度配分値と同一の値であり、これにより4つの現像装置4Y4、4M4、4C4、4K4全てに対し同一の値となる。
【0168】
全ての現像装置における、現像ローラ41の周囲の、感光体1、回収供給スクリュー43、及び規制部材42の角度配分値が同一の値となるように構成することにより、現像剤の現像ローラ41に対する供給と回収の流れを同等にすることが可能となる。
【0169】
本発明によれば、カラー現像装置4C4と黒色現像装置4K4との間に構成の違いがあっても、部材間の角度配分値が同一の値となるような構成により、現像剤の供給及び回収の流れが変わらないため、共通の画像補正制御ができるという利点が生じる。
【0170】
黒色現像装置4K4とカラー現像装置4C4との構成の違いについては、黒色現像装置4K3とカラー現像装置4C3との構成の違いと同一であるため、説明は省略する。
【0171】
[現像剤]
本実施形態において用いた現像剤は、磁性キャリアと非磁性重合トナーとから成る二成分現像剤である。磁性キャリアの粒径は50μm以下の磁性キャリアである。非磁性重合トナーの粒径は7.5μm以下である。
【実施例】
【0172】
本発明者は、以下に示す実施例及び比較例に記載した現像装置及びそれを搭載したカラー画像形成装置を用いて、カラー及び黒色の画像をプリントし、画質評価の実験を行った。
【0173】
(実施例1)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A1(タンデム型カラー画像形成装置、図1に示す第1の実施形態のカラー画像形成装置)
2.現像装置:黒色現像装置4K1(縦長型、図3参照)、カラー現像装置4Y1、4M1、4C1(縦長型、図2参照)
(1)黒色現像装置4K1
現像剤収納容量:1200g
現像ローラ41の外径:25mm
回収供給スクリュー43の外径:24mm
現像極N1の磁束密度:120mT(ミリステラ)
規制極N2の磁束密度:60mT
剥取磁極S1及び汲上磁極S2の磁束密度:−80mT
搬送極S3の磁束密度:−60mT
現像極N1と反発極S0とがなす角度α1:93°
反発極S0と規制極N2とがなす角度α2:140°
剥取磁極S1と汲上磁極S2とがなす角度:90°
規制極N2と搬送極S3とがなす角度:65°
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、現像極N1とのずれ量:4°
現像ローラ41中心の感光体1中心からの仰角θ2:20°
現像ローラ41と回収供給スクリュー43との間隔d1:2mm
現像剤:磁性キャリアと非磁性重合トナーとから成る二成分現像剤(磁性キャリアの粒径:50μm以下、非磁性重合トナーの粒径:7.5μm以下)
(2)カラー現像装置4Y1、4M1、4C1
現像剤収納容量:800g
回収供給スクリュー43の外径:20mm
現像ローラ41中心の感光体1中心からの仰角θ1:15°
その他の仕様:上記(1)の黒色現像装置4K4の仕様と同一
(実施例2)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A2(タンデム型カラー画像形成装置、図1に示す第2の実施形態のカラー画像形成装置)
2.現像装置:黒色現像装置4K2(縦長型、図7参照)、カラー現像装置4Y2、4M2、4C2(縦長型、図6参照)
(1)黒色現像装置4K2
現像剤収納容量:1200g
現像ローラ41の外径:25mm
回収供給スクリュー43の外径:24mm
現像極N1の磁束密度:120mT(ミリステラ)
規制極N2の磁束密度:60mT
剥取磁極S1及び汲上磁極S2の磁束密度:−80mT
搬送極S3の磁束密度:−60mT
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線とがなす角度β1:89°
現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び規制部材42先端を結ぶ線とがなす角度β2:140°
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、規制極N2とのずれ量:4°
現像ローラ41中心の感光体1中心からの仰角θ2:20°
現像ローラ41と回収供給スクリュー43との間隔d1:2mm
現像剤:磁性キャリアと非磁性重合トナーとから成る二成分現像剤(磁性キャリアの粒径:50μm以下、非磁性重合トナーの粒径:7.5μm以下)
(2)カラー現像装置4Y2、4M2、4C2
現像剤収納容量:800g
回収供給スクリュー43の外径:20mm
現像ローラ41中心の感光体1中心からの仰角θ1:15°
その他の仕様:上記(1)の黒色現像装置4K4の仕様と同一
(実施例3)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A3(タンデム型カラー画像形成装置、図8に示す第3の実施形態のカラー画像形成装置)
2.現像装置:黒色現像装置4K3(横長型、図10参照)、カラー現像装置4Y3、4M3、4C3(横長型、図9参照)
(1)黒色現像装置4K3
現像剤収納容量:1200g
現像ローラ41の外径:30mm
回収供給スクリュー43の外径:32mm
現像極N1の磁束密度:120mT(ミリステラ)
剥取磁極N2及び汲上磁極N3の磁束密度:80mT
供給搬送極N4の磁束密度:60mT
回収搬送極S1の磁束密度:−60mT
規制極S2の磁束密度:−60mT
供給搬送極S3の磁束密度:−60mT
現像極N1と反発極N0とがなす角度γ1:130°
反発極N0と規制極S2とがなす角度γ2:62°
剥取磁極N2と汲上磁極N3とがなす角度:60°
規制極S2と供給搬送極N4とがなす角度:50°
規制極S2と供給搬送極S3とがなす角度:110°
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、規制極N2とのずれ量:4°
現像ローラ41中心の感光体1中心からの仰角θ4:38°
現像ローラ41と回収供給スクリュー43との間隔d3:3mm
現像剤:磁性キャリアと非磁性重合トナーとから成る二成分現像剤(磁性キャリアの粒径:50μm以下、非磁性重合トナーの粒径:7.5μm以下)
(2)カラー現像装置4Y3、4M3、4C3
現像剤収納容量:800g
回収供給スクリュー43の外径:27mm
現像ローラ41中心の感光体1中心からの仰角θ3:28°
現像ローラ41と回収供給スクリュー43との間隔d4:5mm
その他の仕様:上記(1)の黒色現像装置4K3の仕様と同一
(実施例4)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A4(タンデム型カラー画像形成装置、図8に示す第4の実施形態のカラー画像形成装置)
2.現像装置:黒色現像装置4K4(横長型、図13参照)、カラー現像装置4Y4、4M4、4C4(横長型、図12参照)
(1)黒色現像装置4K4
現像剤収納容量:1200g
現像ローラ41の外径:30mm
回収供給スクリュー43の外径:32mm
現像極N1の磁束密度:120mT(ミリステラ)
剥取磁極N2及び汲上磁極N3の磁束密度:80mT
供給搬送極N4の磁束密度:60mT
回収搬送極S1の磁束密度:−60mT
規制極S2の磁束密度:−60mT
供給搬送極S3の磁束密度:−60mT
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線とがなす角度δ1:134°
現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び規制部材42先端を結ぶ線とがなす角度δ2:62°
剥取磁極N2と汲上磁極N3とがなす角度:60°
規制極S2と供給搬送極N4とがなす角度:50°
規制極S2と供給搬送極S3とがなす角度:110°
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、規制極N2とのずれ量:4°
現像ローラ41中心の感光体1中心からの仰角θ4:38°
現像ローラ41と回収供給スクリュー43との間隔d3:3mm
現像剤:磁性キャリアと非磁性重合トナーとから成る二成分現像剤(磁性キャリアの粒径:50μm以下、非磁性重合トナーの粒径:7.5μm以下)
(2)カラー現像装置4Y4、4M4、4C4
現像剤収納容量:800g
回収供給スクリュー43の外径:27mm
現像ローラ41中心の感光体1中心からの仰角θ3:28°
現像ローラ41と回収供給スクリュー43との間隔d4:5mm
その他の仕様:上記(1)の黒色現像装置4K4の仕様と同一
(比較例1)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A1の改造機(タンデム型カラー画像形成装置、図1に示す第1の実施形態に係るカラー画像形成装置の現像装置を下記仕様に変えたもの)
2.現像装置:黒色現像装置4K5(縦長型、図3に示す黒色現像装置4K1に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様とする。)、カラー現像装置4Y5、4M5、4C5(縦長型、図2に示すカラー現像装置4Y1、4M1、4C1に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様とする。)
(1)黒色現像装置4K5
現像極N1と反発極S0とがなす角度α1:88°
その他の仕様:上記黒色現像装置4K1の仕様と同一
(2)カラー現像装置4Y5、4M5、4C5
現像極N1と反発極S0とがなす角度α1:93°
その他の仕様:上記カラー現像装置4Y1、4M1、4C1の仕様と同一
(比較例2)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A1の改造機(タンデム型カラー画像形成装置、図1に示す第1の実施形態に係るカラー画像形成装置の現像装置を下記仕様に変えたもの)
2.現像装置:黒色現像装置4K6(縦長型、図3に示す黒色現像装置4K1に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)、カラー現像装置4Y6、4M6、4C6(縦長型、図2に示すカラー現像装置4Y1、4M1、4C1に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)
(1)黒色現像装置4K6
反発極S0と規制極N2とがなす角度α2:135°
その他の仕様:上記黒色現像装置4K1の仕様と同一
(2)カラー現像装置4Y6、4M6、4C6
反発極S0と規制極N2とがなす角度α2:140°
その他の仕様:上記カラー現像装置4Y1、4M1、4C1の仕様と同一
(比較例3)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A2の改造機(タンデム型カラー画像形成装置、図1に示す第2の実施形態に係るカラー画像形成装置の現像装置を下記仕様に変えたもの)
2.現像装置:黒色現像装置4K7(縦長型、図7に示す黒色現像装置4K2に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)、カラー現像装置4Y7、4M7、4C7(縦長型、図6に示すカラー現像装置4Y2、4M2、4C2に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)
(1)黒色現像装置4K7
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線とがなす角度β1:84°
その他の仕様:上記黒色現像装置4K2の仕様と同一
(2)カラー現像装置4Y7、4M7、4C7
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線とがなす角度β1:89°
その他の仕様:上記カラー現像装置4Y2、4M2、4C2の仕様と同一
(比較例4)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A2の改造機(タンデム型カラー画像形成装置、図1に示す第2の実施形態に係るカラー画像形成装置の現像装置を下記仕様に変えたもの)
2.現像装置:黒色現像装置4K8(縦長型、図7に示す黒色現像装置4K2に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)、カラー現像装置4Y8、4M8、4C8(縦長型、図6に示すカラー現像装置4Y2、4M2、4C2に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)
(1)黒色現像装置4K8
現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び規制部材42先端を結ぶ線とがなす角度β2:135°
その他の仕様:上記黒色現像装置4K2の仕様と同一
(2)カラー現像装置4Y8、4M8、4C8
現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び規制部材42先端を結ぶ線とがなす角度β2:140°
その他の仕様:上記カラー現像装置4Y2、4M2、4C2の仕様と同一
(比較例5)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A3の改造機(タンデム型カラー画像形成装置、図8に示す第3の実施形態に係るカラー画像形成装置の現像装置を下記仕様に変えたもの)
2.現像装置:黒色現像装置4K9(横長型、図10に示す黒色現像装置4K3に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)、カラー現像装置4Y9、4M9、4C9(横長型、図9に示すカラー現像装置4Y3、4M3、4C3に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)
(1)黒色現像装置4K9
現像極N1と反発極N0とがなす角度γ1:120°
その他の仕様:上記黒色現像装置4K3の仕様と同一
(2)カラー現像装置4Y9、4M9、4C9
現像極N1と反発極N0とがなす角度γ1:130°
その他の仕様:上記カラー現像装置4Y3、4M3、4C3の仕様と同一
(比較例6)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A3の改造機(タンデム型カラー画像形成装置、図8に示す第3の実施形態に係るカラー画像形成装置の現像装置を下記仕様に変えたもの)
2.現像装置:黒色現像装置4K10(横長型、図10に示す黒色現像装置4K3に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)、カラー現像装置4Y10、4M10、4C10(横長型、図9に示すカラー現像装置4Y3、4M3、4C3に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)
(1)黒色現像装置4K10
反発極N0と規制極S2とがなす角度γ2:52°
その他の仕様:上記黒色現像装置4K3の仕様と同一
(2)カラー現像装置4Y10、4M10、4C10
反発極N0と規制極S2とがなす角度γ2:62°
その他の仕様:上記カラー現像装置4Y3、4M3、4C3の仕様と同一
(比較例7)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A4の改造機(タンデム型カラー画像形成装置、図8に示す第4の実施形態に係るカラー画像形成装置A4の現像装置を下記仕様に変えたもの)
2.現像装置:黒色現像装置4K11(横長型、図13に示す黒色現像装置4K4に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)、カラー現像装置4Y11、4M11、4C11(横長型、図12に示すカラー現像装置4Y4、4M4、4C4に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)
(1)黒色現像装置4K11
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線とがなす角度δ1:124°
その他の仕様:上記黒色現像装置4K4の仕様と同一
(2)カラー現像装置4Y11、4M11、4C11
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線とがなす角度δ1:134°
その他の仕様:上記カラー現像装置4Y4、4M4、4C4の仕様と同一
(比較例8)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A4の改造機(タンデム型カラー画像形成装置、図8に示す第4の実施形態に係るカラー画像形成装置の現像装置を下記仕様に変えたもの)
2.現像装置:現像装置4K12(横長型、図13に示す黒色現像装置4K4に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)、カラー現像装置4Y12、4M12、4C12(横長型、図12に示すカラー現像装置4Y4、4M4、4C4に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)
(1)黒色現像装置4K12
現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び規制部材42先端を結ぶ線とがなす角度δ2:52°
その他の仕様:上記黒色現像装置4K4の仕様と同一
(2)カラー現像装置4Y12、4M12、4C12
現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び規制部材42先端を結ぶ線とがなす角度δ2:62°
その他の仕様:上記カラー現像装置4Y4、4M4、4C4の仕様と同一
実験の結果を表1に示す。
【0174】
【表1】
【0175】
実験の結果は表1に示すように、実施例1〜4において、カラー及び黒色のいずれにおいても色相や濃度の変動のない安定した画像が得られた。
【0176】
比較例1〜8においては、いずれの構成においても、カラー画像に合わせた画像補正を行うと黒色の画像の濃度が変動し、黒色の画像に合わせた画像補正を行うとカラー画像の色相が変動するという現象が発生した。この現象は、黒色とカラーの現像装置の磁極又は部材の角度配分値の違いにより、現像剤の供給、回収及び搬送状態が異なるために発生するものと推定する。
【0177】
なお本実験を介して本発明者は、固定磁極部材41Bを現像装置枠体40にす取り付ける際に、現像極N1の位置を現像ローラ41の中心と感光体1の中心とを結ぶ線に対して感光体1の回転方向上流側に約4°傾けて設定することで安定した画像が得られることを見出した。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】本発明に係るカラー画像形成装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のカラー画像形成装置A1に用いられるカラー現像装置についての構成を説明するための断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のカラー画像形成装置A1に用いられる黒色現像装置についての構成を説明するための断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のカラー画像形成装置A1に用いられるカラー現像装置4C1、4Y1、4M1の下部機構の平面図である。
【図5】図1におけるA部の拡大図であり、カラー現像装置4C1と黒色現像装置4K41の構成の違いを説明するための概略図である。
【図6】本発明の第2の実施形態のカラー画像形成装置A2に用いられるカラー現像装置の実施形態についての構成を説明するための断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態のカラー画像形成装置A2に用いられる黒色現像装置の実施形態についての構成を説明するための断面図である。
【図8】本発明に係るカラー画像形成装置の第3の実施形態を示す概略構成図である。
【図9】本発明の第3の実施形態のカラー画像形成装置A3に用いられるカラー現像装置の実施形態についての構成を説明するための断面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態のカラー画像形成装置A3に用いられる黒色現像装置の実施形態についての構成を説明するための断面図である。
【図11】図8におけるB部の拡大図であり、カラー現像装置4C3と黒色現像装置4K43の構成の違いを説明するための図である。
【図12】本発明の第4の実施形態のカラー画像形成装置A4に用いられるカラー現像装置の実施形態についての構成を説明するための断面図である。
【図13】本発明の第4の実施形態のカラー画像形成装置A4に用いられる黒色現像装置の実施形態についての構成を説明するための断面図である。
【図14】従来のカラー画像形成装置の1実施例を示す構成図である。
【図15】従来のカラー画像形成装置の他の実施例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0179】
1Y、1M、1C、1K 感光体(像担持体)
4Y1、4M1、4C1 第1の実施形態のカラー画像形成装置A1に用いられるカラー用の現像装置
4Y2、4M2、4C2 第2の実施形態のカラー画像形成装置A2に用いられるカラー用の現像装置本発明に係るカラー現像装置の第2の実施形態
4Y3、4M3、4C3 第3の実施形態のカラー画像形成装置A3に用いられるカラー用の現像装置
4Y4、4M4、4C4 第4の実施形態のカラー画像形成装置A4に用いられるカラー用の現像装置
4K1 第1の実施形態のカラー画像形成装置A1に用いられる黒色用の現像装置
4K2 第2の実施形態のカラー画像形成装置A2に用いられる黒色用の現像装置
4K3 第3の実施形態のカラー画像形成装置A3に用いられる黒色用の現像装置
4K4 第4の実施形態のカラー画像形成装置A4に用いられる黒色用の現像装置
6 中間転写体
9Y、9M、9C、9K 画像形成ユニット
40 現像装置枠体
41 現像ローラ
41A 現像スリーブ
41B 固定磁極部材
42 規制部材
43 回収供給スクリュー(回収供給部材)
44 撹拌スクリュー(撹拌部材)
A1 本発明に係る画像形成ユニットを縦方向に配列したカラー画像形成装置(第1の実施形態としてのカラー画像形成装置)
A2 本発明に係る画像形成ユニットを縦方向に配列したカラー画像形成装置(第2の実施形態としてのカラー画像形成装置)
A3 本発明に係る画像形成ユニットを縦方向に配列したカラー画像形成装置(第3の実施形態としてのカラー画像形成装置)
A4 本発明に係る画像形成ユニットを縦方向に配列したカラー画像形成装置(第4の実施形態としてのカラー画像形成装置)
N1、N2、N3、N4、S1、S2、S3 磁極
PY1〜4、PM1〜4、PC1〜4、PK1〜4 プロセスカートリッジ
α1、γ1 現像極と反発極とのなす角度
α2、γ2 現像極と規制極とのなす角度
β1、δ1 現像ローラ41中心から、感光体1中心を結ぶ線と、回収供給スクリュー43中心を結ぶ線とがなす角度
β2、δ2 現像ローラ41中心から、回収供給スクリュー43中心を結ぶ線と、撹拌部材先端とを結ぶ線がなす角度
θ1、θ2、θ3、θ4 仰角(感光体1K中心から現像ローラ41中心に向かう線が水平線となす角度)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は複合機能を有する画像形成装置等の画像形成装置に関し、特に、トナーとキャリアからなる現像剤を用い、複数の現像装置を備えたカラー画像形成装置、及びそれに装着されるプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
近年は画像形成装置においてもカラー化が進んでいるが、実用性の高いカラー画像形成方法を大別すると、よく使われる呼称として転写ドラム方式、中間転写方式、KNC(多重現像一括転写)方式、タンデム方式の4種類が有る。
【0003】
これらの方式の名称は、ある観点からの呼称であるから、例えばタンデム方式で且つ中間転写方式のものもあれば直接転写材に転写するものもある。これらの中でタンデム方式、即ち各色画像を各色別の複数の画像形成ユニットで形成し、順次転写していくカラー画像形成装置は、使用可能な転写材の種類が豊富であり、フルカラーの品質も高く、高速度でフルカラーが得られる。特に高速度でフルカラー画像を得ることができる特質は他に見られない利点である。
【0004】
また、現像剤には1成分系の現像剤と2成分系の現像剤とがあるが、1成分系の現像剤はキャリアを必要としないため現像剤や現像装置のコストが低くできるというメリットがある。一方、2成分系の現像剤はトナーの帯電性が安定しており、高品質な画像を得ることができ、高速機にも適している。
【0005】
更に、カラー画像形成装置の普及により、より小型のカラー画像形成装置が求められており、タンデム方式等の複数の現像装置を用いるカラー画像形成装置においては、1つの現像装置をより小型化する必要がある。
【0006】
一方、このような高速フルカラー機の使用状況を鑑みると、印字原稿のカラー化率は必ずしも高くなく、通常は黒色の印字原稿のみに用いられる場合が多い。そのため、黒色の現像剤を収納する現像装置の現像剤収納能力を高めることが望まれている。
【0007】
黒色の現像剤収納能力を高めるために、黒色の現像剤を収納する現像装置を他のカラーの現像剤を収納する現像装置より大きくした構成のカラー画像形成装置が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0008】
図14に示す従来のカラー画像形成装置の1実施例を示す構成図は、特許文献1に提示されたカラー画像形成装置の構成図であり、図15に示す従来のカラー画像形成装置の他の実施例を示す構成図は、特許文献2に提示されたカラー画像形成装置の構成図である。
【0009】
図14に示す特許文献1に提示されたカラー画像形成装置は、水平に配設された転写ベルト上に4種の画像形成ステーションを並べて配置したもので、各画像形成ステーションは、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、クリーニング手段により構成されている。現像装置は、マグネットローラを内包した現像スリーブと、現像スリーブに2成分の現像剤を供給し、回収するRSローラ(回収供給部材)と、現像剤を撹拌するトナー送り部材とを横方向に並べて配置した構成となっている。黒色の現像剤を収納する現像装置は他のカラーの現像装置の横方向のサイズを更に横長とし、延ばしたスペースにトナー送り部材を追加した構成である。
【0010】
然るに、特許文献1に記載の構成では4つの画像形成ステーションを水平に並べて配置しており、図14の右端に配置された黒色の現像剤を収納する現像装置は、現像剤収納量の増加に伴って新規のトナー送り部材を横方向に追加するという構成である。そのため、黒色の現像剤を収納する現像装置が更に横長となり画像形成装置全体が横長に極端に大きくなって、画像形成装置全体の小型化を図ることが困難となる。
【0011】
一方、図15に示す特許文献2に提示されたカラー画像形成装置は、3つのローラにより垂直、水平、斜めの3方向に配設された中間転写ベルト上に画像形成ステーションを並べて配置したものである。即ち、垂直方向に3つのカラーの画像形成ユニット(以下、単に色ユニットともいう。)を並べ、水平方向に黒色の画像形成ユニット(以下、単に黒ユニットともいう。)を配設したものである。黒ユニットを単独に配設したことにより、黒色の画像の形成時における色ユニットの中間転写ベルトからの離間を容易にし、かつ、画像形成装置の小型化を図りながら黒ユニットの現像装置の大きさを大きくすることができるという特徴を有するものである。
【0012】
然るに、特許文献2に記載の構成では、黒ユニットの現像装置の配設位置と大きさとを色ユニットに対して異なる構成としている。そのため、現像ローラの磁極配列や、現像剤を現像ローラに供給又は回収するという現像剤の搬送に関わる部材の構成が変わるものとならざるを得ない。なぜならば、黒ユニットの現像装置と色ユニットの現像装置とでは、感光体ドラムに対向する現像ローラ固定磁極の現像極の位置関係が異なるため、それに伴って現像剤を撹拌する撹拌ローラや、現像剤を現像ローラに供給する供給ローラの配置が変わるからである。
【0013】
また、黒ユニットの現像装置と色ユニットの現像装置とを縦一列に配列しても、黒ユニットの現像装置の大きさを変える限りは、現像剤の搬送に関わる部材の構成を変えざるを得ない。なぜならば、黒ユニットの現像装置の現像剤収納量を増加させるためには現像装置枠体の大きさを大きくする必要があり、それによる現像剤の撹拌、搬送、供給能力の不足を補うために撹拌ローラや供給ローラのサイズを大きくする必要がある。これらのローラのサイズを大きくすれば、黒ユニットと色ユニットとの現像装置に対して感光体ドラムと現像ローラとの位置関係を同一に設定しても、現像剤の搬送経路が変化し、搬送、供給の流れが変わるため、現像ローラの固定磁極の配列等を変えざるを得なくなる。
【0014】
更に、黒ユニットと色ユニットとの現像装置内における現像剤の供給及び回収動作の違いにより、出力画像の濃度の変化の仕方に差が生じることが予測される。
【0015】
そのため、部材の製造コストが増加するとか、出力画像の濃度や色相に対する画質向上のための補正制御方法が複雑になるという問題の発生が懸念される。
【特許文献1】特開2001−183886号公報
【特許文献2】特開2001−75327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上記のような問題を解決し、簡単な構成で、黒色の現像剤を収納する現像装置の収納量を大きくしながら、カラーの現像剤を収納する現像装置に対して、現像ローラ上の現像剤の供給と回収の流れを変えない構成とすると共に、装置全体の大きさを小型にしうる現像装置を有するカラー画像形成装置、及びそれに装着されるプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の目的は、下記の構成により達成することが出来る。
【0018】
1.像担持体と対向する位置に配設され、トナーとキャリアを含む現像剤を搭載して前記像担持体に向けて搬送する、回転自在に保持された円筒状の現像スリーブ、及び前記現像スリーブの内側に配設され、複数の固定磁極が周方向に形成された固定磁極部材、からなる現像ローラと、
現像剤を撹拌する撹拌部材と、
前記現像ローラに現像剤を供給し、前記現像ローラから剥離した現像剤を回収する回転自在に保持された回収供給部材と、
前記現像ローラに供給する現像剤の量を規制する規制部材と、
内部に現像剤を収納し、前記現像ローラ、前記規制部材、前記撹拌部材、及び前記回収供給部材を内部に保持する現像装置枠体と、
を備えた現像装置を複数有するカラー画像形成装置において、
複数の前記現像装置の内の少なくとも1つの現像装置は他の現像装置と比較して、現像剤収納容量が異なると共に前記回収供給部材の外径寸法が異なる一方、前記固定磁極部材における複数の固定磁極間の角度配分値が同一であることを特徴とするカラー画像形成装置。
【0019】
2.前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置と比較して、現像剤収納容量が大きいと共に、前記回収供給部材の外径寸法が大きいことを特徴とする1に記載のカラー画像形成装置。
【0020】
3.前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置に対し前記現像装置枠体に対する前記固定磁極部材の周方向の取付角度が異なることを特徴とする1又は2に記載のカラー画像形成装置。
【0021】
4.前記現像剤収納容量が異なる現像装置は黒色の現像剤を収納する現像装置であり、前記他の現像装置はカラーの現像剤を収納する現像装置であって、前記黒色の現像剤を収納する現像装置の現像剤収納容量が前記カラーの現像剤を収納する現像装置の現像剤収納容量より大きいことを特徴とする1乃至3のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0022】
5.前記固定磁極部材の前記複数の固定磁極は、少なくとも、磁力線の中心が前記固定磁極部材からそれぞれ、前記像担持体の回転中心近傍へ向かう現像極と、前記回収供給部材の回転中心近傍へ向かう反発極と、前記規制部材の先端へ向かう規制極と、からなり、
前記角度配分値は前記現像極と前記反発極と前記規制極との間の角度配分であることを特徴とする1乃至4のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0023】
6.前記反発極は、前記現像ローラの回転中心から前記回収供給部材の回転中心近傍へ向かう直線に対し、現像ローラ回転方向の上流側に配設される第1の反発磁極と下流側に配設される第2の反発磁極とにより形成され、
前記固定磁極の周方向の配列順が、現像ローラ回転方向の上流側から、前記現像極、前記第1の反発磁極、前記第2の反発磁極、前記規制極の順となることを特徴とする5に記載のカラー画像形成装置。
【0024】
7.複数の前記現像装置の全ての現像スリーブの外径寸法が同一であることを特徴とする1乃至6のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0025】
8.像担持体と対向する位置に配設され、トナーとキャリアを含む現像剤を搭載して前記像担持体に向けて搬送する、回転自在に保持された円筒状の現像スリーブ、及び前記現像スリーブの内側に配設され、複数の固定磁極を周方向に形成された固定磁極部材、からなる現像ローラと、
現像剤を撹拌する撹拌部材と、
前記現像ローラに現像剤を供給し、前記現像ローラから剥離した現像剤を回収する回転自在に保持された回収供給部材と、
前記現像ローラに供給する現像剤の量を規制する規制部材と、
内部に現像剤を収納し、前記現像ローラ、前記規制部材、前記撹拌部材、及び前記回収供給部材を内部に保持する現像装置枠体と、
を備えた現像装置を複数有するカラー画像形成装置において、
複数の前記現像装置の内の少なくとも1つの現像装置は他の現像装置と比較して、現像剤収納容量が異なると共に前記回収供給部材の外径寸法が異なる一方、前記現像ローラの回転中心と前記像担持体の回転中心とを結ぶ直線と、前記現像ローラの回転中心と前記回収供給部材の回転中心とを結ぶ直線と、前記現像ローラの回転中心から前記規制部材の先端へ向かう直線との3本の直線の角度配分値が同一であることを特徴とするカラー画像形成装置。
【0026】
9.前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置と比較して回収供給部材の外径寸法が大きいことを特徴とする8に記載のカラー画像形成装置。
【0027】
10.前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置に対し、前記現像装置枠体に対する前記固定磁極部材の前記複数の固定磁極の取付角度が異なることを特徴とする8又は9に記載のカラー画像形成装置。
【0028】
11.前記現像剤収納容量が異なる現像装置が黒色の現像剤を収納する現像装置であり、前記他の現像装置がカラーの現像剤を収納する現像装置であって、前記黒色の現像剤を収納する現像装置の現像剤収納容量が前記カラーの現像剤を収納する現像装置の現像剤収納容量より大きいことを特徴とする8に記載のカラー画像形成装置。
【0029】
12.複数の前記現像装置の全ての現像スリーブの外径寸法が同一であることを特徴とする8乃至11のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0030】
13.前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置に対し、前記現像ローラの回転中心及び前記像担持体の回転中心を結ぶ直線と、前記像担持体の回転中心を通る水平線との成す角度が異なるように配設されることを特徴とする1乃至12のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0031】
14.複数の前記現像装置のそれぞれに一対一で対向する複数の像担持体を有することを特徴とする1乃至13のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0032】
15.14に記載のカラー画像形成装置に対して着脱自在に装着され、少なくとも、複数の前記現像装置と、複数の前記現像装置のそれぞれに一対一で対向する前記複数の像担持体と、を有していることを特徴とする複数のプロセスカートリッジ。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、複数の現像装置を、現像ローラ、規制部材、回収供給部材、撹拌部材及び現像装置枠体という少ない部材で構成することにより現像装置の小型化を図ることができる。また、黒色の現像剤を収納する現像装置の容量をカラーの現像剤を収納する現像装置の容量より大きくすることにより、使用頻度の高い黒色の画像形成の現像能力を向上させることができる。
【0034】
更に、黒色の現像装置とカラーの現像装置との構成において、現像ローラの固定磁極の角度配分値、又は主要な部材間の位置関係を同一とすることにより、現像装置内における現像剤の供給と回収の流れを変えない構成とした。これにより、複数の現像装置における現像剤の搬送に関わる部材の構成を同一にすることができ、部材の製造コストの低減が可能となり、かつ、色ユニットと黒ユニットのトナー濃度制御を同一条件で行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明を図示の実施形態に基づいて説明するが、本発明は該実施形態に限定されない。
【0036】
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係るカラー画像形成装置の第1の実施形態としてのカラー画像形成装置A1を示す概略構成図である。
【0037】
カラー画像形成装置A1は画像形成ユニットを横方向に配列した構成を有している。
【0038】
カラー画像形成装置A1は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成ユニット9Y、9M、9C、9Kと、ベルト状の中間転写体6と、図示しない給紙搬送手段及び定着装置とから構成されている。
【0039】
カラー画像形成装置A1は、ベルト状の中間転写体6を水平に配設し、複数組の画像形成ユニット9Y、9M、9C、9Kを横方向に並べて配設しているため、カラー画像形成装置A1の横方向の長さが長くなる。この対策としてカラー画像形成装置A1は、現像装置4Y1、4M1、4C1、4K1に対し、現像ローラの位置を高くして回収供給部材の上方に配設し、装置全体を縦長として横方向のサイズが小さくなるように構成している。
【0040】
イエロー色の画像を形成する画像形成ユニット9Yは、像担持体(以下、感光体と称す)1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y1、転写手段7Y、及びクリーニング手段8Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成ユニット9Mは、感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4M1、転写手段7M、及びクリーニング手段8Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成ユニット9Cは、感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像装置4C1、転写手段7C、及びクリーニング手段8Cを有する。黒色の画像を形成する画像形成ユニット9Kは、感光体1K、帯電手段2K、露光手段3K、現像装置4K1、転写手段7K、及びクリーニング手段8Kを有する。従って、感光体1Y、1M、1C、1Kと現像装置4Y1、4M1、4C1、4K1とは一対一で対向する構成となる。
【0041】
中間転写体6は、複数のローラ6A、6B、6C、6Dにより巻回され、回動可能に支持されている。
【0042】
画像形成ユニット9Y、9M、9C、9Kより形成された各色の画像は、回動する中間転写体6上に転写手段7Y、7M、7C、7Kにより逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像が形成される。図示しない給紙カセット内に収容された転写材Pは、図示しない給紙手段により給紙され、レジストローラ20を経て、転写手段7Aに搬送され、転写材P上にカラー画像が転写される(2次転写)。カラー画像が転写された転写材Pは、図示しない定着装置により定着処理され、図示しない排紙ローラに挟持されて機外の図示しない排紙トレイ上に載置される。
【0043】
一方、転写手段7Aにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを分離した中間転写体6は、図示しないクリーニング手段により残留トナーが除去される。
【0044】
本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジPY1、PM1、PC1、PK1は、感光体1Y、1M、1C、1Kと、それに対応する現像装置4Y1、4M1、4C1、4K1とにより一体的に構成され、カラー画像形成装置A1に対し着脱自在に配設される。感光体1Y、1M、1C、1Kと、それに対応する現像装置4Y1、4M1、4C1、4K1とを一体的に構成することにより、カラー画像形成装置A1を製造する際の後工程における調整作業を少なくすることが可能となる。
【0045】
プロセスカートリッジPY1、PM1、PC1、PK1の他の実施形態としては、前記感光体及び現像装置に加えて、帯電手段2Y、2M、2C、2K、又はクリーニング手段8Y、8M、8C、8Kを一体的に構成することも可能である。
【0046】
[第1の実施形態に用いるカラー現像装置4Y1、4M1、4C1]
図2は、本発明に係る第1の実施形態のカラー画像形成装置A1に用いられるカラー用の現像装置(以下、単にカラー現像装置という)4Y1、4M1、4C1の構成を説明するための断面図である。図4は、カラー現像装置4Y1、4M1、4C1の下部機構の平面図である。図5は、図1におけるA部の拡大図であり、カラー現像装置4C1と黒色用の現像装置(以下、単に黒色現像装置という)4K1(後述)との構成の違いを説明するための概略図である。
【0047】
図2において、カラー現像装置4Y1、4M1、4C1の実施形態における構成は、中間転写体6を水平に配設したカラー画像形成装置A1に用いるのに適した構成であり、横方向のサイズを小さくしたものである。
【0048】
本実施形態における3つのカラー現像装置4Y1、4M1、4C1は同一の構成であるため、シアン色の現像装置4C1を代表として構成の説明をする。カラー現像装置4C1と黒色現像装置4K1(後述)との構成の違いについては図3及び図5を用いて後述するが、黒色現像装置4K1における現像剤の収納容量はカラー現像装置4C1より大きくなるように構成されている。
【0049】
カラー現像装置4C1は、現像装置枠体40、現像ローラ41、規制部材42、回収供給部材(以下、回収供給スクリューと称す)43、撹拌部材(以下、攪拌スクリューと称す)44等から構成されている。現像ローラ41は現像スリーブ41Aと固定磁極部材41Bとから構成される。
【0050】
現像スリーブ41Aと回収供給スクリュー43との対向近接点において、現像スリーブ41Aは下方から上方に回動し、回収供給スクリュー43は上方から下方に回動し、規制部材42は固定磁極部材41Bの規制極N2(後述)の近傍に配置されている。
【0051】
現像装置枠体40は幅寸法w1の筐体からなり、内部に現像ローラ41、回収供給スクリュー43、及び攪拌スクリュー44を回転自在に保持すると共に、規制部材42を保持する。回収供給スクリュー43と攪拌スクリュー44とは、現像装置枠体40の底部から直立した仕切板401(図4参照)を挟んで両側に配設される。
【0052】
現像スリーブ41Aと固定磁極部材41Bとから成る現像ローラ41は、表面に静電潜像を担持する感光体1に対向して、感光体1の回転中心から仰角θ1の位置に回転中心が位置するように配置される。ここでいう仰角とは、感光体1の回転中心から現像ローラ41の回転中心に向かう線が感光体1の回転中心を通る水平線となす角度をいう。
【0053】
現像ローラ41を回収供給スクリュー43の上方に配置することにより、現像装置枠体40の幅寸法w1の増大を防ぎ、カラー現像装置4Y1、4M1、4C1の横方向の寸法の増大を防ぎ、カラー画像形成装置A1の横方向の寸法増大を防ぐ構成としている。
【0054】
現像スリーブ41Aには、現像バイアスとして交流電源E1による交流電圧と、直流電源E2による直流電圧とが重畳される。
【0055】
固定磁極部材41Bは、現像スリーブ41Aの内側に固定的に配設され、5極の磁極N1,N2,S1,S2,S3を有する。
【0056】
磁極N1は現像極、磁極N2は規制極である。互いに隣接する第1の反発磁極としての剥取磁極S1と第2の反発磁極としての汲上磁極S2とは同極性で、2つの磁極S1,S2により反発極S0が形成される。剥取磁極S1は現像ローラ41回転方向の上流側に形成され、汲上磁極S2は下流側に形成される。磁極S3は搬送極である。
【0057】
本発明の第1の実施形態に用いられる4つのカラー現像装置4Y1、4M1、4C1が有する固定磁極部材41Bは、それぞれの固定磁極間の角度配分値が同一であるという構成を有している。
【0058】
固定磁極部材41Bの5極の磁極は、現像ローラ41の回転方向に、現像極N1、剥取磁極S1、汲上磁極S2、規制極N2、搬送極S3の順に形成される。
【0059】
固定磁極部材41Bは、現像極N1の磁力線の中心が感光体1上に形成される現像領域に向かう角度で現像装置枠体40に取り付けられる。
【0060】
本実施の形態において、固定磁極部材41Bは、現像極N1が感光体1の回転中心から現像ローラ41の回転中心に向かう仰角θ1の直線に対して感光体1の回転方向の上流側に約4°傾いた角度となるように、現像装置枠体40に取り付けられる。
【0061】
反発極S0の磁力線は固定磁極部材41Bから回収供給スクリュー43の回転中心近傍へ向かう角度に形成される。規制極N2の磁力線は固定磁極部材41Bから規制部材42の先端に向かう角度に形成される。
【0062】
剥取磁極S1は現像剤剥ぎ取り用の磁極であり、現像スリーブ41A上の現像剤を剥ぎ取り落下させる。汲上磁極S2は現像剤受け入れ用のであり、回収供給スクリュー43により供給された現像剤を汲み上げて現像スリーブ41A上に付着させる。
【0063】
現像極N1と反発極S0とのなす角度α1と、反発極S0と規制極N2とのなす角度α2とは3つのカラー現像装置4Y1、4M1、4C1の間で同一であり、現像装置4A1内における現像剤の搬送性能に影響を有する特に重要な角度である。
【0064】
回収供給スクリュー43は、攪拌スクリュー44から搬送された現像剤を攪拌して搬送し、現像ローラ41に均一に供給する。回収供給スクリュー43、攪拌スクリュー44は何れも螺旋状に形成されたスクリュー部材である。
【0065】
攪拌スクリュー44は回収供給スクリュー43に平行配置され、図示しないトナー補給手段から補給される新規トナーと、現像スリーブ41Aから回収供給スクリュー43を経て還流される現像剤とを混合、攪拌して回収供給スクリュー43の上流部に搬送する。
【0066】
回収供給スクリュー43は現像剤を回転軸方向に搬送しながら現像ローラ41に向けて現像剤を供給し、現像を終えた現像剤を現像ローラ41から回収して攪拌スクリュー44に送り込む。
【0067】
規制部材42は磁性体より成り汲上磁極を兼ねる。
【0068】
以下図4を用いて、カラー現像装置4C1における現像剤の循環の動作について説明する。
【0069】
(1)攪拌スクリュー44に向けて、現像ローラ41から回収供給スクリュー43を経て還流される現像剤と、図示しないトナー補給手段から補給される新規トナーとが搬入される。搬入された現像剤は攪拌スクリュー44により攪拌、混合され、矢印V1で示す現像剤移動方向に搬送される。
【0070】
(2)混合された現像剤は、攪拌スクリュー44の下流側に形成された第1開口部402を通過して、矢印V2で示す方向に搬送され、回収供給スクリュー43における現像剤移動方向の上流側に導入される。導入された現像剤は回収供給スクリュー43により撹拌されつつ矢印V3で示す現像剤移動方向に搬送される。
【0071】
(3)回収供給スクリュー43は矢印V3で示す方向に現像剤を搬送しつつ、矢印V4に示す方向に現像剤を放出して現像ローラ41上に供給する。
【0072】
(4)現像ローラ41上に担持された現像剤は、現像ローラ41と感光体ドラム1とが対向する現像剤領域において現像処理される。現像処理後にトナー濃度が低下した現像剤は、現像スリーブ41Aにより搬送され、固定磁極部材41Bの剥取磁極S1により現像ローラ41から剥ぎ取られる。
【0073】
(5)剥ぎ取られた現像剤は、矢印V5に示す方向に向けて移動され、回収供給スクリュー43に搬送される。
【0074】
(6)搬送された現像剤は、回収供給スクリュー43によって矢印V6に示す方向に搬送され、回収供給スクリュー43の下流側に形成された第2開口部403を通過して、矢印V7に示す方向に搬送され、攪拌スクリュー44の現像剤移動方向上流側に導入される。
【0075】
(7)現像装置枠体40の内部に配設された図示しないトナー濃度センサからのトナー濃度検知信号により、図示しないトナー補給手段により新規トナーの補給が行われ、新規トナーと現像剤とが混合されて矢印V1に搬送される。
【0076】
現像剤は上述のような循環系で搬送されるが、一部の現像剤は攪拌スクリュー44と回収供給スクリュー43の間を矢印V1,V2,V3,V6、V7で示すように循環する。
【0077】
[第1の実施形態に用いる黒色現像装置4K1]
図3は、本発明に係る第1の実施形態のカラー画像形成装置A1に用いられる黒色現像装置4K1についての構成を説明するための断面図である。
【0078】
黒色現像装置4K1の構成は、図2で説明したカラー現像装置4C1の構成と類似しており、同一の機能を有する部材については同一の符番を用いているため詳細な説明は省略し、特に異なる箇所について説明を行う。以下、図3及び図5を用いて黒色現像装置4K1とカラー現像装置4C1との構成の違いを主として説明する。
【0079】
図5において、感光体1C(含む、1Y、1M)及び1Kの外径は同一であり、水平に張架された中間転写体6に接するように配設されているため、感光体1Cの中心と感光体1Kの中心とは同一の水平線上に位置し、中間転写体6からの高さがh0の位置に配設される。
【0080】
図3及び図5において、黒色現像装置4K1は現像剤収納容量をカラー現像装置4C1より大きい構成とするため、現像装置枠体40のサイズを大きくしている。然るに、黒色現像装置4K1における現像装置枠体40の底部から感光体1Cの中心までの高さh1は、現像装置枠体40の底部近傍に中間転写体6が位置しており、大きくすることが困難である。そのため、カラー現像装置4C1の前記高さh1と同一の値とし、現像装置枠体40の幅寸法w2を大きくしている。一方、感光体1C(含む、1Y、1M)及び1Kの外径は同一であり、水平に張架された中間転写体6に接するように配設されているため、感光体1Cの中心と感光体1Kの中心とは同一の水平線上(高さh0)に位置している。
【0081】
次に図5を用いて、本実施形態に係る黒色現像装置4K1及びカラー現像装置4C1の画像形成ユニット9C、9Kに対する位置関係、及び黒色現像装置4K1とカラー現像装置4C1との構成の違いについて説明する。
【0082】
本実施形態において、黒色現像装置4K1は、現像剤の収納量をカラー現像装置4C1(含む、4Y1、4M1)より大きくするため、現像装置枠体40の幅方向のサイズ、回収供給部材43及び撹拌スクリュー44の外径寸法を変えている。
【0083】
即ち、黒色現像装置4K1は現像装置枠体40の幅寸法w2をカラー現像装置4C1(含む、4Y1、4M1)の幅寸法w1より大きくしている。また、黒色現像装置4K1の幅寸法w2を大きくすることに伴う、現像剤の撹拌、搬送、供給及び回収の性能低下を防止するため、黒色現像装置4K1の撹拌スクリュー44及び回収供給スクリュー43の外径寸法を大きくしている。
【0084】
黒色現像装置4K1において、撹拌スクリュー44及び回収供給スクリュー43の外径寸法を大きくすることにより、現像ローラ41の回転中心の高さが高くなる。即ち、現像装置4K1における感光体1Kの回転中心から現像ローラ41の回転中心までの高さh3が、カラー現像装置4C1における現像ローラ41の回転中心の高さh2より高くなる。
【0085】
また、黒色現像装置4K1の構成は、カラー現像装置4C1と同様に、現像ローラ41を回収供給スクリュー43の上方の高い位置に配置することにより現像装置枠体40の幅寸法w1の増大を防ぎ、横方向の寸法の増大を防ぐという目的を有している。
【0086】
ここで、黒色現像装置4K1における現像ローラ41は感光体1Kの回転中心を通る水平線に対し感光体1Kの回転中心から仰角θ2の線上に位置し、同様に、カラー現像装置4C1における現像ローラ41の回転中心は仰角θ1の線上に位置するものとする。このとき、黒色現像装置4K1における現像ローラ41の高さはカラー現像装置4C1における現像ローラ41の高さより高いため、仰角θ2はθ1より大きい値となる。
【0087】
本発明の実施形態に係る4つの現像装置4Y1、4M1、4C1、4K1において、現像ローラ41の固定磁極部材41Bにおける複数の固定磁極間の角度配分を表す角度配分値は、4つの現像装置の全てが同一の値となるように構成されている。特に、図2及び図3に示す現像極N1と反発極S0とのなす角度α1と、反発極S0と規制極N2とのなす角度α2とは現像剤の搬送性能を確保する上で重要な角度となる。
【0088】
固定磁極部材41Bの現像極N1は、磁力線の中心が感光体1の回転中心近傍に向かう角度に設定される。このため、黒色現像装置4K1とカラー現像装置4C1(含む4Y1、4M1)との現像装置枠体40に対する固定磁極部材41Bの周方向の取付角度は、異なる仰角θ2、θ1に対応して、異なる角度で取り付けられることになる。
【0089】
本発明によれば、黒色現像装置4K1とカラー現像装置4C1との間に構成の違いがあるにも拘わらず、固定磁極間の角度配分値を同一の値とする構成により、現像剤の供給及び回収の性能が変わらず、共通の画像補正制御ができるという利点が生じる。
【0090】
本発明の実施形態に係る黒色現像装置4K1とカラー現像装置4C1とにおける現像スリーブ41Aの外径寸法は同一に設定されている。現像スリーブ41Aの外径寸法を同一とすることにより固定磁極部材41Bも同一サイズとなり、共通化が可能となって現像スリーブ41A及び固定磁極部材41Bの製造コストの削減に寄与できる。
【0091】
但し、黒色現像装置4K1とカラー現像装置4C1とで現像スリーブ41Aの外径寸法を変えることも可能である。
【0092】
黒色現像装置4K1における下部機構の平面図、及び現像剤の循環の動作については、図4で説明したカラー現像装置4C1と類似しているため説明は省略する。
【0093】
[第2の実施形態]
本実施形態のカラー画像形成装置A2は、第1の実施形態のカラー画像形成装置A1と類似しており、違いは現像装置の構成のみであるため、同一の図(図1)を用いている。カラー画像形成装置A2のその他の構成及び動作はカラー画像形成装置A1と同一であるため説明は省略し、現像装置の構成及び動作についてのみ以下に説明する。
【0094】
[第2の実施形態に用いるカラー現像装置4Y2、4M2、4C2]
図6は、本発明に係る第2の実施形態のカラー画像形成装置A2に用いられるカラー現像装置4Y2、4M2、4C2の実施形態についての構成を説明するための断面図である。
【0095】
本実施形態に係る3つのカラー現像装置4Y2、4M2、4C2は同一の構成であるため、図6に示すカラー現像装置4C2を代表として構成の説明をする。カラー現像装置4C2と黒色現像装置4K2との構成の違いについての説明は、図6〜図8を用いて後述する。
【0096】
カラー現像装置4C2は、カラー画像形成装置の第2の実施形態であるカラー画像形成装置A2に用いるのに適した構成であり、横方向のサイズを小さくしたものである。
【0097】
カラー現像装置4C2は、図2で説明したカラー現像装置4C1と構成が類似しており、同一の機能を有する部材には同一の符番を用いているため、同一の構成を有する部分についての説明は省略し、構成の異なる部分のみについて説明する。
【0098】
カラー現像装置4C1とカラー現像装置4C2との構成上の異なる点は、固定磁極の角度配分値が同一の値に構成されている点と、構成する部材間の配置に対する角度配分値が同一の値に構成されている点との違いである。即ち、カラー現像装置4C1では、現像ローラ41の固定磁極の角度配分値が同一の値となるように構成されているのに対し、カラー現像装置4C2では、構成する部材間の配置に対する角度配分値が同一の値となるように構成されている。
【0099】
3つのカラー現像装置4C2、4Y2、4M2は、現像ローラ41の回転中心を基準として、感光体1Cの回転中心位置、回収供給スクリュー43の回転中心位置、及び規制部材42の先端の位置が同一の角度配分値で現像ローラ41の周囲に配設される。
【0100】
ここで、図6に示すように、現像ローラ41の回転中心位置から、感光体1Cの回転中心位置、回収供給スクリュー43の回転中心位置、及び規制部材42の先端の位置を3本の直線で結ぶ。感光体1Cの回転中心を通る直線と回収供給スクリュー43の回転中心を通る直線とのなす角度をβ1で表し、回収供給スクリュー43の回転中心を通る直線と規制部材42の先端へ向かう直線とのなす角度をβ2で表す。残りのβ3は感光体1Cの回転中心を通る直線と規制部材42の先端へ向かう直線とがなす角度となる。従って、3つのカラー現像装置4C2、4M2、4Y2の全てにおいて、構成する3つの部材の配置に対する角度配分値が同一の値、β1、β2、β3で表されることになる。特に、感光体1Cの回転中心を通る直線と回収供給スクリュー43の回転中心を通る直線とのなす角度β1と、回収供給スクリュー43の回転中心を通る直線と規制部材42の先端へ向かう直線とのなす角度β2とは現像剤の搬送性能を確保する上で重要な角度となる。
【0101】
現像ローラ41の周囲における、感光体1、回収供給スクリュー43、及び規制部材42の角度配分値を同一の値とすることにより、カラー現像装置4C2、4M2、4Y2の全てにおいて現像剤の供給と回収の流れを同一な性能とすることができる。
【0102】
なお、カラー現像装置4C2の下部機構の平面図、及び現像剤の循環の動作についての説明は、図4で説明した第1の実施形態としてのカラー現像装置4C1と同一であるため省略する。
【0103】
[第2の実施形態に用いる黒色現像装置4K2]
次に、第2の実施形態に用いられる黒色現像装置4K2の構成について説明する。
【0104】
図7は、黒色現像装置4K2の構成を説明するための断面図である。
【0105】
図7において、黒色現像装置4K2は、現像剤収納容量をカラー現像装置4C2より大きい構成とするため、黒色現像装置4K1と同様に、現像装置枠体40のサイズが大きくなるように構成している。即ち、現像装置枠体40の幅寸法w2、現像装置枠体40の底部位置から感光体1Kの中心までの高さh1、及び感光体1Kの中心から現像ローラ41の中心までの高さh3は、黒色現像装置4K1における値と同一である。また、現像ローラ41の中心位置の感光体1Cの中心位置からの仰角θ2も同一の値である。
【0106】
黒色現像装置4K2が黒色現像装置4K1と異なる点は、カラー現像装置4C1とカラー現像装置4C2との異なる点と同一である。
【0107】
即ち、黒色現像装置4K1が、固定磁極の角度配分値が同一の値になるように構成されているのに対し、黒色現像装置4K2は、構成する部材間の配置に対する角度配分値が同一の値になるように構成されているという点である。
【0108】
黒色現像装置4K2は、カラー現像装置4C2と同様に、現像ローラ41の回転中心を基準として、感光体1C、回収供給スクリュー43、及び規制部材42の3部材が同一の角度配分値で現像ローラ41の周囲に配設されるという構成を有している。即ち、図7に示すように、前記3部材の配置を3本の直線で表すと、3本の直線の間における角度配分値はβ1、β2、β3となる。この角度配分値は、図6で説明したカラー現像装置4C2の角度配分値と同一であり、これにより4つの現像装置4Y2、4M2、4C2、4K2全てに対し同一の値となる。
【0109】
全ての現像装置における、現像ローラ41の周囲の、感光体1、回収供給スクリュー43、及び規制部材42の角度配分値が同一の値となるように構成することにより、現像剤の現像ローラ41に対する供給と回収の流れを同等にすることが可能となる。
【0110】
本発明によれば、カラー現像装置4C2と黒色現像装置4K2との間に構成の違いがあっても、部材間の角度配分値が同一の値となるような構成により、現像剤の供給及び回収の流れが変わらないため、共通の画像補正制御ができるという利点が生じる。
【0111】
黒色現像装置4K2とカラー現像装置4C2との構成の違いについては、黒色現像装置4K1とカラー現像装置4C1との構成の違いと同一であるため、説明は省略する。
【0112】
[第3の実施形態]
図8は、第3の実施形態としてのカラー画像形成装置A3を示す概略構成図である。
【0113】
カラー画像形成装置A3はカラーの画像形成が可能なカラー画像形成装置であり、画像形成ユニットを縦方向に配列した構成を有している。
【0114】
カラー画像形成装置A3の構成は、画像形成ユニットを横方向に配列した第1の実施形態のカラー画像形成装置A1と類似しており、同一の構成を形成する部材には同一の符番を付しているため説明は省略し、構成の異なる部位についてのみ説明する。
【0115】
カラー画像形成装置A3は、ベルト状の中間転写体6を垂直方向に配設し、複数組の画像形成ユニット9Y、9M、9C、9Kを縦方向に並べて配設しているため、カラー画像形成装置A3の高さ方向のサイズが大きくなる。この対策としてカラー画像形成装置A3は、現像装置4Y3、4M3、4C3、4K3に対し、現像ローラ41の位置を低くして回収供給部材43の高さに近づけて配設し、全体を横長として高さ方向のサイズが小さくなるように構成している。
【0116】
本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジPY3、PM3、PC3、PK3は、感光体1Y、1M、1C、1Kと、それに対応する現像装置4Y3、4M3、4C3、4K3とにより一体的に構成され、カラー画像形成装置A3に対し着脱自在に配設される。
【0117】
プロセスカートリッジPY3、PM3、PC3、PK3の他の実施形態としては、前記感光体及び現像装置に加えて、帯電手段2Y、2M、2C、2K、又はクリーニング手段8Y、8M、8C、8Kを一体的に構成することも可能である。
【0118】
また、本実施形態に係る黒色現像装置4K3は、カラー現像装置4Y3、4M3、4C3と比較して、現像剤収納容量が大きいという構成を有すると共に、現像装置の回収供給部材(後述)の外径寸法が大きいという構成を有している。
【0119】
[第3の実施形態に用いるカラー現像装置4Y3、4M3、4C3]
図9は、第3の実施形態に用いられるカラー現像装置4Y3、4M3、4C3の構成を説明するための断面図である。図11は、図8におけるB部の拡大図であり、カラー現像装置4C3と黒色現像装置4K3(後述)との構成の違いを説明するための概略図である。
【0120】
図9において、カラー現像装置4Y3、4M3、4C3の実施形態における構成は、中間転写体6を垂直に配設したカラー画像形成装置A3に用いるのに適した構成であり、高さ方向のサイズを小さくしたものである。
【0121】
本実施形態における3つのカラー現像装置4Y3、4M3、4C3は同一の構成であるため、シアン色の現像装置4C3を代表として構成の説明をする。カラー現像装置4C3と黒色現像装置4K3(後述)との構成の違いについては図3及び図5を用いて後述するが、黒色現像装置4K3における現像剤の収納容量はカラー現像装置4C3より大きくなるように構成されている。
【0122】
カラー現像装置4C3は、図2で説明したカラー現像装置4C1と構成が類似しており、同一の機能を有する部材には同一の符番を用いているため、同一の構成を有する部分についての説明は省略し、構成の異なる部分のみについて説明する。
【0123】
なお、本実施の形態におけるカラー現像装置4C3の下部機構の平面図、及び現像剤の循環の動作については、図3で説明したカラー現像装置4C1と類似しているため説明は省略する。
【0124】
カラー現像装置4C3と図2で説明したカラー現像装置4C1との構成の違いは、カラー現像装置4C1は、横方向のサイズを小さくするという構成を有するのに対し、現像装置4A3は、高さ方向のサイズを小さくするという構成を有している点である。即ち、カラー現像装置4C1は、現像ローラ41を回収供給スクリュー43の上方にシフトして配設しているのに対し、現像装置4A3は、現像ローラ41を回収供給スクリュー43の横方向に並べて配設している。そのため、カラー現像装置4C3の現像装置枠体40の幅寸法w3はカラー現像装置4C1の現像装置枠体40の幅寸法w1より大きくなるが、カラー現像装置4C3全体の高さはカラー現像装置4C1より低くなる。カラー現像装置4C3(含む4Y3、4M3)の高さを低くすることにより、カラー画像形成装置A3の高さの増大を防ぐ構成としている。
【0125】
現像ローラ41は、感光体1に対向して配設され、感光体1Cの回転中心から仰角θ3の位置に回転中心が位置するように配設される。
【0126】
また、カラー現像装置4C1は、固定磁極部材41Bが5極の磁極により形成されているのに対し、カラー現像装置4C3は、7極の磁極N1、N2、N3、N4、S1、S2、S3により形成されている。
【0127】
即ち、カラー現像装置4C3における固定磁極部材41Bには、7極の磁極が、現像ローラ41の回転方向に、現像極N1、回収搬送磁極S1、剥取磁極N2、汲上磁極N3、規制極S2、及び供給搬送磁極N4、S3の順に形成される。
【0128】
本実施の形態においては、固定磁極部材41Bの現像極N1は、感光体1の回転中心から現像ローラ41の回転中心に向かう仰角θ3の直線に対し、感光体1の回転方向の上流側に約4°傾いた角度で現像装置枠体40に取り付けられる。
【0129】
第1の反発極である剥取磁極N2と第2の反発極である汲上磁極N3とは隣接する同極性の2磁極であり、反発極N0を形成する。回収搬送磁極S1は現像極N1と剥取磁極N2との中間に配設される。
【0130】
反発極N0の磁力線は固定磁極部材41Bから回収供給スクリュー43の回転中心近傍へ向かう角度に形成される。規制極S2の磁力線は固定磁極部材41Bから規制部材42の先端に向かう角度に形成される。供給搬送磁極N4、S3は規制極S2と現像極N1との間に配設される。
【0131】
第3の実施形態に用いられる3つのカラー現像装置4Y3、4M3、4C3が有する固定磁極部材41Bは、それぞれの固定磁極間の角度配分値が同一であるという構成を有している。
【0132】
現像極N1と反発極N0とのなす角度γ1と、反発極N0と規制極S2とのなす角度γ2とは3つのカラー現像装置4Y3、4M3、4C3の間で同一であり、現像装置4C3内における現像剤の搬送性能に影響を有する特に重要な角度である。
【0133】
固定磁極部材41Bは、現像極N1の磁力線の中心が感光体1上に形成される現像領域に向かう角度で現像装置枠体40に取り付けられる。
【0134】
本実施の形態においては、固定磁極部材41Bの現像極N1は、感光体1の回転中心から現像ローラ41の回転中心に向かう仰角θ3の直線に対し、感光体1の回転方向の上流側に約4°傾いた角度で現像装置枠体40に取り付けられる。
【0135】
[第3の実施形態に用いる黒色現像装置4K3]
図10は、本発明に係る第3の実施形態のカラー画像形成装置A3に用いられる黒色現像装置4K3についての構成を説明するための断面図である。
【0136】
黒色現像装置4K3の構成は、図9で説明したカラー現像装置4C3の構成と類似しており、同一の機能を有する部材については同一の符番を用いているため詳細な説明は省略し、特に異なる箇所についてのみの説明を行う。以下、図10及び図11を用いて黒色現像装置4K3とカラー現像装置4C3との構成の違いを主として説明する。
【0137】
黒色現像装置4K3は、カラー現像装置4C3と同様に、カラー画像形成装置A3に用いるのに適した構成であり、高さ方向のサイズが小さくなるように構成されている。
【0138】
黒色現像装置4K3の下部機構の平面図、及び現像剤の循環の動作については、図4で説明したカラー現像装置4C1と類似しているため図及び説明は省略する。
【0139】
次に図11を用いて、第3の実施形態に係るカラー現像装置4C3と黒色現像装置4K3の画像形成ユニット9C、9Kに対する位置関係、及びカラー現像装置4C3と黒色現像装置4K3との構成の違いについてを用いて説明する。
【0140】
本実施形態において、黒色現像装置4K3は、現像剤の収納量をカラー現像装置4C3(含む、4Y3、4M3)より大きくするため、現像装置枠体40の幅方向のサイズ、回収供給部材43及び撹拌スクリュー44の外径寸法を変えている。
【0141】
即ち、黒色現像装置4K3は現像装置枠体40の幅寸法w4をカラー現像装置4C3(含む、4Y3、4M3)の幅寸法w3より大きくしている。また、黒色現像装置4K3の幅寸法w4を大きくすることに伴う、現像剤の撹拌、搬送、供給及び回収の性能低下を防止するため、黒色現像装置4K3の撹拌スクリュー44及び回収供給スクリュー43の外径寸法を大きくしている。
【0142】
黒色現像装置4K3において、撹拌スクリュー44及び回収供給スクリュー43の外径寸法を大きくすることにより、現像ローラ41の回転中心の高さが高くなる。
【0143】
ここで、黒色現像装置4K3における現像ローラ41は、感光体1Kの回転中心を通る水平線に対し感光体1Kの回転中心から仰角θ4の線上に位置し、同様に、カラー現像装置4C3における現像ローラ41の回転中心は、仰角θ3の線上に位置するものとする。このとき、黒色現像装置4K3における現像ローラ41の高さはカラー現像装置4C3における現像ローラ41の高さより高いため、仰角θ4はθ3より大きい値となる。
【0144】
一方、黒色現像装置4K3の固定磁極部材41Bにおける7極の磁極N1、N2、N3、N4、S1、S2、S3のそれぞれの角度配分値は、カラー現像装置4C3と同様に、同一の値となるように設定されている。
【0145】
固定磁極間の角度配分値が同一の値となるように構成されているため、カラー現像装置4C3と黒色現像装置4K3との現像装置枠体40に対する固定磁極部材41Bの周方向の取付角度は、異なる仰角θ3、θ4に対応して、異なった角度で取り付けられることになる。
【0146】
黒色現像装置4K3とカラー現像装置4C3との固定磁極間の角度配分値が同一の値となるように構成することにより、現像剤の現像ローラ41への供給と回収の流れを同様な性能とすることが可能となる。
【0147】
本実施の形態によれば、黒色現像装置4K3とカラー現像装置4C3との間に構成の違いがあるにも拘わらず、固定磁極間の角度配分値が同一の値となるような構成により、現像剤の供給及び回収の性能が変わらず、共通の画像補正制御ができるという利点が生じる。
【0148】
本発明の実施形態に係る黒色現像装置4K3とカラー現像装置4C3とにおける現像スリーブ41Aの外径寸法は同一に設定されている。現像スリーブ41Aの外径寸法を同一とすることにより固定磁極部材41Bも同一サイズとなり、共通化が可能となって現像スリーブ41A及び固定磁極部材41Bの製造コストの削減に寄与できる。
【0149】
但し、黒色現像装置4K3とカラー現像装置4C3とで現像スリーブ41Aの外径寸法を変えることも可能である。
【0150】
黒色現像装置4K3における下部機構の平面図、及び現像剤の循環の動作については、図4で説明したカラー現像装置4C1と類似しているため説明は省略する。
【0151】
[第4の実施形態]
第4の実施形態のカラー画像形成装置A4は、カラー画像形成装置A3と類似しており、違いは現像装置の構成のみであるため、同一の図(図8)を用いている。カラー画像形成装置A4のその他の構成及び動作はカラー画像形成装置A3と同一であるため説明は省略し、現像装置の構成及び動作についてのみ以下に説明する。
【0152】
[第4の実施形態に用いるカラー現像装置4Y4、4M4、4C4]
図12は、カラー画像形成装置A4に用いられるカラー現像装置4Y4、4M4、4C4の実施形態についての構成を説明するための断面図である。
【0153】
本実施形態に係るカラー現像装置4Y4、4M4、4C4は、カラー画像形成装置A4に用いるのに適した構成であり、高さ方向のサイズを小さくしたものである。
【0154】
本実施形態の3つのカラー現像装置4Y4、4M4、4C4は同一の構成であるため、図12に示すカラー現像装置4C4を代表として説明する。
【0155】
カラー現像装置4C4は、図7で説明したカラー現像装置4C3と構成が類似しており、同一の機能を有する部材には同一の符番を用いているため、同一の構成を有する部分についての説明は省略し、構成の異なる部分のみについて構成の説明をする。カラー現像装置4C4と黒色現像装置4K4との構成の違いについての説明は、図11〜図13を用いて後述する。
【0156】
カラー現像装置4C4は、カラー画像形成装置A4に用いるのに適した構成であり、縦方向のサイズを小さくしたものである。
【0157】
カラー現像装置4C4とカラー現像装置4C3との構成上の異なる点は、固定磁極の角度配分値が同一の値となるように構成されている点と、構成する部材間の配置に対する角度配分値が同一の値となるように構成されている点との違いである。即ち、カラー現像装置4C3では、現像ローラ41の固定磁極の角度配分値が同一の値となるように構成されているのに対し、カラー現像装置4C4では、図6で説明したカラー現像装置4C2と同様、構成する部材間の配置に対する角度配分値が同一の値となるように構成されている。
【0158】
図12において、カラー現像装置4C4は、現像ローラ41の回転中心を基準として、感光体1Cの回転中心位置、回収供給スクリュー43の回転中心位置、及び規制部材42の先端の位置が同一の角度配分値で現像ローラ41の周囲に配設される構成を有している。即ち、図12におけるこれら3本の直線がなす角度をそれぞれδ1、δ2、δ3で表すと、3つのカラー現像装置4C4、4M4、4Y4の全てにおいて、構成する3つの部材の配置に対する角度配分値が同一の値、δ1、δ2、δ3で表されることになる。特に、感光体1Cの回転中心を通る直線と回収供給スクリュー43の回転中心を通る直線とのなす角度δ1と、回収供給スクリュー43の回転中心を通る直線と規制部材42の先端へ向かう直線とのなす角度δ2とは現像剤の搬送性能を確保する上で重要な角度となる。
【0159】
現像ローラ41の周囲における、感光体1、回収供給スクリュー43、及び規制部材42の角度配分値を同一の値に構成することにより、カラー現像装置4C4、4M4、4Y4の全てにおいて現像剤の供給と回収の流れを同一な性能とすることができる。
【0160】
なお、カラー現像装置4C4の下部機構の平面図、及び現像剤の循環の動作についての説明は、図4で説明したカラー現像装置4C1と同一であるため省略する。
【0161】
[第4の実施形態に用いる黒色現像装置4K4]
次に、カラー画像形成装置A4に用いられる黒色現像装置4K4の構成について説明する。
【0162】
本実施形態における黒色現像装置4K4の構成は、第3の実施形態のカラー画像形成装置A3に用いる黒色現像装置4K3の構成と類似しており、同一の機能を有する部材については同一の符番を用いているため詳細な説明は省略し、特に異なる箇所のみの説明を行う。
【0163】
図13は、黒色現像装置4K4の構成を説明するための断面図である。
【0164】
図13において、黒色現像装置4K4は、現像剤収納容量をカラー現像装置4C4より大きい構成とするため、黒色現像装置4K3と同様に、現像装置枠体40のサイズが大きくなるように構成している。即ち、現像装置枠体40の幅寸法w4、及び感光体1Kの中心から現像ローラ41の中心に向かう仰角θ4は、黒色現像装置4K3における値と同一である。
【0165】
黒色現像装置4K4が黒色現像装置4K3と異なる点は、カラー現像装置4C3とカラー現像装置4C4との異なる点と同一である。
【0166】
即ち、黒色現像装置4K3が、固定磁極の角度配分値が同一の値となるように構成されているのに対し、黒色現像装置4K4は、構成する部材間の配置に対する角度配分値が同一の値となるように構成されているという点である。
【0167】
黒色現像装置4K4は、カラー現像装置4C4と同様に、現像ローラ41の回転中心を基準として、感光体1C、回収供給スクリュー43、及び規制部材42の3部材が同一の角度配分値で現像ローラ41の周囲に配設されるという構成を有している。即ち、図13に示すように、前記3部材の配置を3本の直線で表すと、3本の直線の間における角度配分値はδ1、δ2、δ3となる。この角度配分値は、図12で説明したカラー現像装置4C4の角度配分値と同一の値であり、これにより4つの現像装置4Y4、4M4、4C4、4K4全てに対し同一の値となる。
【0168】
全ての現像装置における、現像ローラ41の周囲の、感光体1、回収供給スクリュー43、及び規制部材42の角度配分値が同一の値となるように構成することにより、現像剤の現像ローラ41に対する供給と回収の流れを同等にすることが可能となる。
【0169】
本発明によれば、カラー現像装置4C4と黒色現像装置4K4との間に構成の違いがあっても、部材間の角度配分値が同一の値となるような構成により、現像剤の供給及び回収の流れが変わらないため、共通の画像補正制御ができるという利点が生じる。
【0170】
黒色現像装置4K4とカラー現像装置4C4との構成の違いについては、黒色現像装置4K3とカラー現像装置4C3との構成の違いと同一であるため、説明は省略する。
【0171】
[現像剤]
本実施形態において用いた現像剤は、磁性キャリアと非磁性重合トナーとから成る二成分現像剤である。磁性キャリアの粒径は50μm以下の磁性キャリアである。非磁性重合トナーの粒径は7.5μm以下である。
【実施例】
【0172】
本発明者は、以下に示す実施例及び比較例に記載した現像装置及びそれを搭載したカラー画像形成装置を用いて、カラー及び黒色の画像をプリントし、画質評価の実験を行った。
【0173】
(実施例1)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A1(タンデム型カラー画像形成装置、図1に示す第1の実施形態のカラー画像形成装置)
2.現像装置:黒色現像装置4K1(縦長型、図3参照)、カラー現像装置4Y1、4M1、4C1(縦長型、図2参照)
(1)黒色現像装置4K1
現像剤収納容量:1200g
現像ローラ41の外径:25mm
回収供給スクリュー43の外径:24mm
現像極N1の磁束密度:120mT(ミリステラ)
規制極N2の磁束密度:60mT
剥取磁極S1及び汲上磁極S2の磁束密度:−80mT
搬送極S3の磁束密度:−60mT
現像極N1と反発極S0とがなす角度α1:93°
反発極S0と規制極N2とがなす角度α2:140°
剥取磁極S1と汲上磁極S2とがなす角度:90°
規制極N2と搬送極S3とがなす角度:65°
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、現像極N1とのずれ量:4°
現像ローラ41中心の感光体1中心からの仰角θ2:20°
現像ローラ41と回収供給スクリュー43との間隔d1:2mm
現像剤:磁性キャリアと非磁性重合トナーとから成る二成分現像剤(磁性キャリアの粒径:50μm以下、非磁性重合トナーの粒径:7.5μm以下)
(2)カラー現像装置4Y1、4M1、4C1
現像剤収納容量:800g
回収供給スクリュー43の外径:20mm
現像ローラ41中心の感光体1中心からの仰角θ1:15°
その他の仕様:上記(1)の黒色現像装置4K4の仕様と同一
(実施例2)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A2(タンデム型カラー画像形成装置、図1に示す第2の実施形態のカラー画像形成装置)
2.現像装置:黒色現像装置4K2(縦長型、図7参照)、カラー現像装置4Y2、4M2、4C2(縦長型、図6参照)
(1)黒色現像装置4K2
現像剤収納容量:1200g
現像ローラ41の外径:25mm
回収供給スクリュー43の外径:24mm
現像極N1の磁束密度:120mT(ミリステラ)
規制極N2の磁束密度:60mT
剥取磁極S1及び汲上磁極S2の磁束密度:−80mT
搬送極S3の磁束密度:−60mT
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線とがなす角度β1:89°
現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び規制部材42先端を結ぶ線とがなす角度β2:140°
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、規制極N2とのずれ量:4°
現像ローラ41中心の感光体1中心からの仰角θ2:20°
現像ローラ41と回収供給スクリュー43との間隔d1:2mm
現像剤:磁性キャリアと非磁性重合トナーとから成る二成分現像剤(磁性キャリアの粒径:50μm以下、非磁性重合トナーの粒径:7.5μm以下)
(2)カラー現像装置4Y2、4M2、4C2
現像剤収納容量:800g
回収供給スクリュー43の外径:20mm
現像ローラ41中心の感光体1中心からの仰角θ1:15°
その他の仕様:上記(1)の黒色現像装置4K4の仕様と同一
(実施例3)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A3(タンデム型カラー画像形成装置、図8に示す第3の実施形態のカラー画像形成装置)
2.現像装置:黒色現像装置4K3(横長型、図10参照)、カラー現像装置4Y3、4M3、4C3(横長型、図9参照)
(1)黒色現像装置4K3
現像剤収納容量:1200g
現像ローラ41の外径:30mm
回収供給スクリュー43の外径:32mm
現像極N1の磁束密度:120mT(ミリステラ)
剥取磁極N2及び汲上磁極N3の磁束密度:80mT
供給搬送極N4の磁束密度:60mT
回収搬送極S1の磁束密度:−60mT
規制極S2の磁束密度:−60mT
供給搬送極S3の磁束密度:−60mT
現像極N1と反発極N0とがなす角度γ1:130°
反発極N0と規制極S2とがなす角度γ2:62°
剥取磁極N2と汲上磁極N3とがなす角度:60°
規制極S2と供給搬送極N4とがなす角度:50°
規制極S2と供給搬送極S3とがなす角度:110°
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、規制極N2とのずれ量:4°
現像ローラ41中心の感光体1中心からの仰角θ4:38°
現像ローラ41と回収供給スクリュー43との間隔d3:3mm
現像剤:磁性キャリアと非磁性重合トナーとから成る二成分現像剤(磁性キャリアの粒径:50μm以下、非磁性重合トナーの粒径:7.5μm以下)
(2)カラー現像装置4Y3、4M3、4C3
現像剤収納容量:800g
回収供給スクリュー43の外径:27mm
現像ローラ41中心の感光体1中心からの仰角θ3:28°
現像ローラ41と回収供給スクリュー43との間隔d4:5mm
その他の仕様:上記(1)の黒色現像装置4K3の仕様と同一
(実施例4)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A4(タンデム型カラー画像形成装置、図8に示す第4の実施形態のカラー画像形成装置)
2.現像装置:黒色現像装置4K4(横長型、図13参照)、カラー現像装置4Y4、4M4、4C4(横長型、図12参照)
(1)黒色現像装置4K4
現像剤収納容量:1200g
現像ローラ41の外径:30mm
回収供給スクリュー43の外径:32mm
現像極N1の磁束密度:120mT(ミリステラ)
剥取磁極N2及び汲上磁極N3の磁束密度:80mT
供給搬送極N4の磁束密度:60mT
回収搬送極S1の磁束密度:−60mT
規制極S2の磁束密度:−60mT
供給搬送極S3の磁束密度:−60mT
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線とがなす角度δ1:134°
現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び規制部材42先端を結ぶ線とがなす角度δ2:62°
剥取磁極N2と汲上磁極N3とがなす角度:60°
規制極S2と供給搬送極N4とがなす角度:50°
規制極S2と供給搬送極S3とがなす角度:110°
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、規制極N2とのずれ量:4°
現像ローラ41中心の感光体1中心からの仰角θ4:38°
現像ローラ41と回収供給スクリュー43との間隔d3:3mm
現像剤:磁性キャリアと非磁性重合トナーとから成る二成分現像剤(磁性キャリアの粒径:50μm以下、非磁性重合トナーの粒径:7.5μm以下)
(2)カラー現像装置4Y4、4M4、4C4
現像剤収納容量:800g
回収供給スクリュー43の外径:27mm
現像ローラ41中心の感光体1中心からの仰角θ3:28°
現像ローラ41と回収供給スクリュー43との間隔d4:5mm
その他の仕様:上記(1)の黒色現像装置4K4の仕様と同一
(比較例1)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A1の改造機(タンデム型カラー画像形成装置、図1に示す第1の実施形態に係るカラー画像形成装置の現像装置を下記仕様に変えたもの)
2.現像装置:黒色現像装置4K5(縦長型、図3に示す黒色現像装置4K1に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様とする。)、カラー現像装置4Y5、4M5、4C5(縦長型、図2に示すカラー現像装置4Y1、4M1、4C1に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様とする。)
(1)黒色現像装置4K5
現像極N1と反発極S0とがなす角度α1:88°
その他の仕様:上記黒色現像装置4K1の仕様と同一
(2)カラー現像装置4Y5、4M5、4C5
現像極N1と反発極S0とがなす角度α1:93°
その他の仕様:上記カラー現像装置4Y1、4M1、4C1の仕様と同一
(比較例2)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A1の改造機(タンデム型カラー画像形成装置、図1に示す第1の実施形態に係るカラー画像形成装置の現像装置を下記仕様に変えたもの)
2.現像装置:黒色現像装置4K6(縦長型、図3に示す黒色現像装置4K1に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)、カラー現像装置4Y6、4M6、4C6(縦長型、図2に示すカラー現像装置4Y1、4M1、4C1に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)
(1)黒色現像装置4K6
反発極S0と規制極N2とがなす角度α2:135°
その他の仕様:上記黒色現像装置4K1の仕様と同一
(2)カラー現像装置4Y6、4M6、4C6
反発極S0と規制極N2とがなす角度α2:140°
その他の仕様:上記カラー現像装置4Y1、4M1、4C1の仕様と同一
(比較例3)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A2の改造機(タンデム型カラー画像形成装置、図1に示す第2の実施形態に係るカラー画像形成装置の現像装置を下記仕様に変えたもの)
2.現像装置:黒色現像装置4K7(縦長型、図7に示す黒色現像装置4K2に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)、カラー現像装置4Y7、4M7、4C7(縦長型、図6に示すカラー現像装置4Y2、4M2、4C2に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)
(1)黒色現像装置4K7
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線とがなす角度β1:84°
その他の仕様:上記黒色現像装置4K2の仕様と同一
(2)カラー現像装置4Y7、4M7、4C7
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線とがなす角度β1:89°
その他の仕様:上記カラー現像装置4Y2、4M2、4C2の仕様と同一
(比較例4)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A2の改造機(タンデム型カラー画像形成装置、図1に示す第2の実施形態に係るカラー画像形成装置の現像装置を下記仕様に変えたもの)
2.現像装置:黒色現像装置4K8(縦長型、図7に示す黒色現像装置4K2に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)、カラー現像装置4Y8、4M8、4C8(縦長型、図6に示すカラー現像装置4Y2、4M2、4C2に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)
(1)黒色現像装置4K8
現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び規制部材42先端を結ぶ線とがなす角度β2:135°
その他の仕様:上記黒色現像装置4K2の仕様と同一
(2)カラー現像装置4Y8、4M8、4C8
現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び規制部材42先端を結ぶ線とがなす角度β2:140°
その他の仕様:上記カラー現像装置4Y2、4M2、4C2の仕様と同一
(比較例5)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A3の改造機(タンデム型カラー画像形成装置、図8に示す第3の実施形態に係るカラー画像形成装置の現像装置を下記仕様に変えたもの)
2.現像装置:黒色現像装置4K9(横長型、図10に示す黒色現像装置4K3に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)、カラー現像装置4Y9、4M9、4C9(横長型、図9に示すカラー現像装置4Y3、4M3、4C3に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)
(1)黒色現像装置4K9
現像極N1と反発極N0とがなす角度γ1:120°
その他の仕様:上記黒色現像装置4K3の仕様と同一
(2)カラー現像装置4Y9、4M9、4C9
現像極N1と反発極N0とがなす角度γ1:130°
その他の仕様:上記カラー現像装置4Y3、4M3、4C3の仕様と同一
(比較例6)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A3の改造機(タンデム型カラー画像形成装置、図8に示す第3の実施形態に係るカラー画像形成装置の現像装置を下記仕様に変えたもの)
2.現像装置:黒色現像装置4K10(横長型、図10に示す黒色現像装置4K3に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)、カラー現像装置4Y10、4M10、4C10(横長型、図9に示すカラー現像装置4Y3、4M3、4C3に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)
(1)黒色現像装置4K10
反発極N0と規制極S2とがなす角度γ2:52°
その他の仕様:上記黒色現像装置4K3の仕様と同一
(2)カラー現像装置4Y10、4M10、4C10
反発極N0と規制極S2とがなす角度γ2:62°
その他の仕様:上記カラー現像装置4Y3、4M3、4C3の仕様と同一
(比較例7)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A4の改造機(タンデム型カラー画像形成装置、図8に示す第4の実施形態に係るカラー画像形成装置A4の現像装置を下記仕様に変えたもの)
2.現像装置:黒色現像装置4K11(横長型、図13に示す黒色現像装置4K4に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)、カラー現像装置4Y11、4M11、4C11(横長型、図12に示すカラー現像装置4Y4、4M4、4C4に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)
(1)黒色現像装置4K11
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線とがなす角度δ1:124°
その他の仕様:上記黒色現像装置4K4の仕様と同一
(2)カラー現像装置4Y11、4M11、4C11
現像ローラ41中心及び感光体1中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線とがなす角度δ1:134°
その他の仕様:上記カラー現像装置4Y4、4M4、4C4の仕様と同一
(比較例8)
1.画像形成装置:カラー画像形成装置A4の改造機(タンデム型カラー画像形成装置、図8に示す第4の実施形態に係るカラー画像形成装置の現像装置を下記仕様に変えたもの)
2.現像装置:現像装置4K12(横長型、図13に示す黒色現像装置4K4に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)、カラー現像装置4Y12、4M12、4C12(横長型、図12に示すカラー現像装置4Y4、4M4、4C4に類似のため構成の説明及び図は省略、下記の仕様以外は同一仕様)
(1)黒色現像装置4K12
現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び規制部材42先端を結ぶ線とがなす角度δ2:52°
その他の仕様:上記黒色現像装置4K4の仕様と同一
(2)カラー現像装置4Y12、4M12、4C12
現像ローラ41中心及び回収供給スクリュー43中心を結ぶ線と、現像ローラ41中心及び規制部材42先端を結ぶ線とがなす角度δ2:62°
その他の仕様:上記カラー現像装置4Y4、4M4、4C4の仕様と同一
実験の結果を表1に示す。
【0174】
【表1】
【0175】
実験の結果は表1に示すように、実施例1〜4において、カラー及び黒色のいずれにおいても色相や濃度の変動のない安定した画像が得られた。
【0176】
比較例1〜8においては、いずれの構成においても、カラー画像に合わせた画像補正を行うと黒色の画像の濃度が変動し、黒色の画像に合わせた画像補正を行うとカラー画像の色相が変動するという現象が発生した。この現象は、黒色とカラーの現像装置の磁極又は部材の角度配分値の違いにより、現像剤の供給、回収及び搬送状態が異なるために発生するものと推定する。
【0177】
なお本実験を介して本発明者は、固定磁極部材41Bを現像装置枠体40にす取り付ける際に、現像極N1の位置を現像ローラ41の中心と感光体1の中心とを結ぶ線に対して感光体1の回転方向上流側に約4°傾けて設定することで安定した画像が得られることを見出した。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】本発明に係るカラー画像形成装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のカラー画像形成装置A1に用いられるカラー現像装置についての構成を説明するための断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のカラー画像形成装置A1に用いられる黒色現像装置についての構成を説明するための断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のカラー画像形成装置A1に用いられるカラー現像装置4C1、4Y1、4M1の下部機構の平面図である。
【図5】図1におけるA部の拡大図であり、カラー現像装置4C1と黒色現像装置4K41の構成の違いを説明するための概略図である。
【図6】本発明の第2の実施形態のカラー画像形成装置A2に用いられるカラー現像装置の実施形態についての構成を説明するための断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態のカラー画像形成装置A2に用いられる黒色現像装置の実施形態についての構成を説明するための断面図である。
【図8】本発明に係るカラー画像形成装置の第3の実施形態を示す概略構成図である。
【図9】本発明の第3の実施形態のカラー画像形成装置A3に用いられるカラー現像装置の実施形態についての構成を説明するための断面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態のカラー画像形成装置A3に用いられる黒色現像装置の実施形態についての構成を説明するための断面図である。
【図11】図8におけるB部の拡大図であり、カラー現像装置4C3と黒色現像装置4K43の構成の違いを説明するための図である。
【図12】本発明の第4の実施形態のカラー画像形成装置A4に用いられるカラー現像装置の実施形態についての構成を説明するための断面図である。
【図13】本発明の第4の実施形態のカラー画像形成装置A4に用いられる黒色現像装置の実施形態についての構成を説明するための断面図である。
【図14】従来のカラー画像形成装置の1実施例を示す構成図である。
【図15】従来のカラー画像形成装置の他の実施例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0179】
1Y、1M、1C、1K 感光体(像担持体)
4Y1、4M1、4C1 第1の実施形態のカラー画像形成装置A1に用いられるカラー用の現像装置
4Y2、4M2、4C2 第2の実施形態のカラー画像形成装置A2に用いられるカラー用の現像装置本発明に係るカラー現像装置の第2の実施形態
4Y3、4M3、4C3 第3の実施形態のカラー画像形成装置A3に用いられるカラー用の現像装置
4Y4、4M4、4C4 第4の実施形態のカラー画像形成装置A4に用いられるカラー用の現像装置
4K1 第1の実施形態のカラー画像形成装置A1に用いられる黒色用の現像装置
4K2 第2の実施形態のカラー画像形成装置A2に用いられる黒色用の現像装置
4K3 第3の実施形態のカラー画像形成装置A3に用いられる黒色用の現像装置
4K4 第4の実施形態のカラー画像形成装置A4に用いられる黒色用の現像装置
6 中間転写体
9Y、9M、9C、9K 画像形成ユニット
40 現像装置枠体
41 現像ローラ
41A 現像スリーブ
41B 固定磁極部材
42 規制部材
43 回収供給スクリュー(回収供給部材)
44 撹拌スクリュー(撹拌部材)
A1 本発明に係る画像形成ユニットを縦方向に配列したカラー画像形成装置(第1の実施形態としてのカラー画像形成装置)
A2 本発明に係る画像形成ユニットを縦方向に配列したカラー画像形成装置(第2の実施形態としてのカラー画像形成装置)
A3 本発明に係る画像形成ユニットを縦方向に配列したカラー画像形成装置(第3の実施形態としてのカラー画像形成装置)
A4 本発明に係る画像形成ユニットを縦方向に配列したカラー画像形成装置(第4の実施形態としてのカラー画像形成装置)
N1、N2、N3、N4、S1、S2、S3 磁極
PY1〜4、PM1〜4、PC1〜4、PK1〜4 プロセスカートリッジ
α1、γ1 現像極と反発極とのなす角度
α2、γ2 現像極と規制極とのなす角度
β1、δ1 現像ローラ41中心から、感光体1中心を結ぶ線と、回収供給スクリュー43中心を結ぶ線とがなす角度
β2、δ2 現像ローラ41中心から、回収供給スクリュー43中心を結ぶ線と、撹拌部材先端とを結ぶ線がなす角度
θ1、θ2、θ3、θ4 仰角(感光体1K中心から現像ローラ41中心に向かう線が水平線となす角度)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と対向する位置に配設され、トナーとキャリアを含む現像剤を搭載して前記像担持体に向けて搬送する、回転自在に保持された円筒状の現像スリーブ、及び前記現像スリーブの内側に配設され、複数の固定磁極が周方向に形成された固定磁極部材、からなる現像ローラと、
現像剤を撹拌する撹拌部材と、
前記現像ローラに現像剤を供給し、前記現像ローラから剥離した現像剤を回収する回転自在に保持された回収供給部材と、
前記現像ローラに供給する現像剤の量を規制する規制部材と、
内部に現像剤を収納し、前記現像ローラ、前記規制部材、前記撹拌部材、及び前記回収供給部材を内部に保持する現像装置枠体と、
を備えた現像装置を複数有するカラー画像形成装置において、
複数の前記現像装置の内の少なくとも1つの現像装置は他の現像装置と比較して、現像剤収納容量が異なると共に前記回収供給部材の外径寸法が異なる一方、前記固定磁極部材における複数の固定磁極間の角度配分値が同一であることを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項2】
前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置と比較して、現像剤収納容量が大きいと共に、前記回収供給部材の外径寸法が大きいことを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
【請求項3】
前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置に対し前記現像装置枠体に対する前記固定磁極部材の周方向の取付角度が異なることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラー画像形成装置。
【請求項4】
前記現像剤収納容量が異なる現像装置は黒色の現像剤を収納する現像装置であり、前記他の現像装置はカラーの現像剤を収納する現像装置であって、前記黒色の現像剤を収納する現像装置の現像剤収納容量が前記カラーの現像剤を収納する現像装置の現像剤収納容量より大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【請求項5】
前記固定磁極部材の前記複数の固定磁極は、少なくとも、磁力線の中心が前記固定磁極部材からそれぞれ、前記像担持体の回転中心近傍へ向かう現像極と、前記回収供給部材の回転中心近傍へ向かう反発極と、前記規制部材の先端へ向かう規制極と、からなり、
前記角度配分値は前記現像極と前記反発極と前記規制極との間の角度配分であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【請求項6】
前記反発極は、前記現像ローラの回転中心から前記回収供給部材の回転中心近傍へ向かう直線に対し、現像ローラ回転方向の上流側に配設される第1の反発磁極と下流側に配設される第2の反発磁極とにより形成され、
前記固定磁極の周方向の配列順が、現像ローラ回転方向の上流側から、前記現像極、前記第1の反発磁極、前記第2の反発磁極、前記規制極の順となることを特徴とする請求項5に記載のカラー画像形成装置。
【請求項7】
複数の前記現像装置の全ての現像スリーブの外径寸法が同一であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【請求項8】
像担持体と対向する位置に配設され、トナーとキャリアを含む現像剤を搭載して前記像担持体に向けて搬送する、回転自在に保持された円筒状の現像スリーブ、及び前記現像スリーブの内側に配設され、複数の固定磁極を周方向に形成された固定磁極部材、からなる現像ローラと、
現像剤を撹拌する撹拌部材と、
前記現像ローラに現像剤を供給し、前記現像ローラから剥離した現像剤を回収する回転自在に保持された回収供給部材と、
前記現像ローラに供給する現像剤の量を規制する規制部材と、
内部に現像剤を収納し、前記現像ローラ、前記規制部材、前記撹拌部材、及び前記回収供給部材を内部に保持する現像装置枠体と、
を備えた現像装置を複数有するカラー画像形成装置において、
複数の前記現像装置の内の少なくとも1つの現像装置は他の現像装置と比較して、現像剤収納容量が異なると共に前記回収供給部材の外径寸法が異なる一方、前記現像ローラの回転中心と前記像担持体の回転中心とを結ぶ直線と、前記現像ローラの回転中心と前記回収供給部材の回転中心とを結ぶ直線と、前記現像ローラの回転中心から前記規制部材の先端へ向かう直線との3本の直線の角度配分値が同一であることを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項9】
前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置と比較して回収供給部材の外径寸法が大きいことを特徴とする請求項8に記載のカラー画像形成装置。
【請求項10】
前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置に対し、前記現像装置枠体に対する前記固定磁極部材の前記複数の固定磁極の取付角度が異なることを特徴とする請求項8又は9に記載のカラー画像形成装置。
【請求項11】
前記現像剤収納容量が異なる現像装置が黒色の現像剤を収納する現像装置であり、前記他の現像装置がカラーの現像剤を収納する現像装置であって、前記黒色の現像剤を収納する現像装置の現像剤収納容量が前記カラーの現像剤を収納する現像装置の現像剤収納容量より大きいことを特徴とする請求項8に記載のカラー画像形成装置。
【請求項12】
複数の前記現像装置の全ての現像スリーブの外径寸法が同一であることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【請求項13】
前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置に対し、前記現像ローラの回転中心及び前記像担持体の回転中心を結ぶ直線と、前記像担持体の回転中心を通る水平線との成す角度が異なるように配設されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【請求項14】
複数の前記現像装置のそれぞれに一対一で対向する複数の像担持体を有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【請求項15】
請求項14に記載のカラー画像形成装置に対して着脱自在に装着され、少なくとも、複数の前記現像装置と、複数の前記現像装置のそれぞれに一対一で対向する前記複数の像担持体と、を有していることを特徴とする複数のプロセスカートリッジ。
【請求項1】
像担持体と対向する位置に配設され、トナーとキャリアを含む現像剤を搭載して前記像担持体に向けて搬送する、回転自在に保持された円筒状の現像スリーブ、及び前記現像スリーブの内側に配設され、複数の固定磁極が周方向に形成された固定磁極部材、からなる現像ローラと、
現像剤を撹拌する撹拌部材と、
前記現像ローラに現像剤を供給し、前記現像ローラから剥離した現像剤を回収する回転自在に保持された回収供給部材と、
前記現像ローラに供給する現像剤の量を規制する規制部材と、
内部に現像剤を収納し、前記現像ローラ、前記規制部材、前記撹拌部材、及び前記回収供給部材を内部に保持する現像装置枠体と、
を備えた現像装置を複数有するカラー画像形成装置において、
複数の前記現像装置の内の少なくとも1つの現像装置は他の現像装置と比較して、現像剤収納容量が異なると共に前記回収供給部材の外径寸法が異なる一方、前記固定磁極部材における複数の固定磁極間の角度配分値が同一であることを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項2】
前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置と比較して、現像剤収納容量が大きいと共に、前記回収供給部材の外径寸法が大きいことを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
【請求項3】
前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置に対し前記現像装置枠体に対する前記固定磁極部材の周方向の取付角度が異なることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラー画像形成装置。
【請求項4】
前記現像剤収納容量が異なる現像装置は黒色の現像剤を収納する現像装置であり、前記他の現像装置はカラーの現像剤を収納する現像装置であって、前記黒色の現像剤を収納する現像装置の現像剤収納容量が前記カラーの現像剤を収納する現像装置の現像剤収納容量より大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【請求項5】
前記固定磁極部材の前記複数の固定磁極は、少なくとも、磁力線の中心が前記固定磁極部材からそれぞれ、前記像担持体の回転中心近傍へ向かう現像極と、前記回収供給部材の回転中心近傍へ向かう反発極と、前記規制部材の先端へ向かう規制極と、からなり、
前記角度配分値は前記現像極と前記反発極と前記規制極との間の角度配分であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【請求項6】
前記反発極は、前記現像ローラの回転中心から前記回収供給部材の回転中心近傍へ向かう直線に対し、現像ローラ回転方向の上流側に配設される第1の反発磁極と下流側に配設される第2の反発磁極とにより形成され、
前記固定磁極の周方向の配列順が、現像ローラ回転方向の上流側から、前記現像極、前記第1の反発磁極、前記第2の反発磁極、前記規制極の順となることを特徴とする請求項5に記載のカラー画像形成装置。
【請求項7】
複数の前記現像装置の全ての現像スリーブの外径寸法が同一であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【請求項8】
像担持体と対向する位置に配設され、トナーとキャリアを含む現像剤を搭載して前記像担持体に向けて搬送する、回転自在に保持された円筒状の現像スリーブ、及び前記現像スリーブの内側に配設され、複数の固定磁極を周方向に形成された固定磁極部材、からなる現像ローラと、
現像剤を撹拌する撹拌部材と、
前記現像ローラに現像剤を供給し、前記現像ローラから剥離した現像剤を回収する回転自在に保持された回収供給部材と、
前記現像ローラに供給する現像剤の量を規制する規制部材と、
内部に現像剤を収納し、前記現像ローラ、前記規制部材、前記撹拌部材、及び前記回収供給部材を内部に保持する現像装置枠体と、
を備えた現像装置を複数有するカラー画像形成装置において、
複数の前記現像装置の内の少なくとも1つの現像装置は他の現像装置と比較して、現像剤収納容量が異なると共に前記回収供給部材の外径寸法が異なる一方、前記現像ローラの回転中心と前記像担持体の回転中心とを結ぶ直線と、前記現像ローラの回転中心と前記回収供給部材の回転中心とを結ぶ直線と、前記現像ローラの回転中心から前記規制部材の先端へ向かう直線との3本の直線の角度配分値が同一であることを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項9】
前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置と比較して回収供給部材の外径寸法が大きいことを特徴とする請求項8に記載のカラー画像形成装置。
【請求項10】
前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置に対し、前記現像装置枠体に対する前記固定磁極部材の前記複数の固定磁極の取付角度が異なることを特徴とする請求項8又は9に記載のカラー画像形成装置。
【請求項11】
前記現像剤収納容量が異なる現像装置が黒色の現像剤を収納する現像装置であり、前記他の現像装置がカラーの現像剤を収納する現像装置であって、前記黒色の現像剤を収納する現像装置の現像剤収納容量が前記カラーの現像剤を収納する現像装置の現像剤収納容量より大きいことを特徴とする請求項8に記載のカラー画像形成装置。
【請求項12】
複数の前記現像装置の全ての現像スリーブの外径寸法が同一であることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【請求項13】
前記現像剤収納容量が異なる現像装置は、前記他の現像装置に対し、前記現像ローラの回転中心及び前記像担持体の回転中心を結ぶ直線と、前記像担持体の回転中心を通る水平線との成す角度が異なるように配設されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【請求項14】
複数の前記現像装置のそれぞれに一対一で対向する複数の像担持体を有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【請求項15】
請求項14に記載のカラー画像形成装置に対して着脱自在に装着され、少なくとも、複数の前記現像装置と、複数の前記現像装置のそれぞれに一対一で対向する前記複数の像担持体と、を有していることを特徴とする複数のプロセスカートリッジ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−203310(P2008−203310A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−36053(P2007−36053)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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