説明

スタビライザ装置およびその製造方法

【課題】ブッシュがずれるのを防止することにより信頼性を高めたスタビライザ装置を提供する。
【解決手段】スタビライザ装置1は、トーション部110とトーション部110の両端部から伸びるアーム部120とにより全体として略コ字状をなすスタビライザ100と、トーション部110の両端部に設けられ、スタビライザ100を車体10に固定するためのブッシュ300と、ブッシュ300と接触する接触部410を有し、トーション部110の軸方向の所定の範囲の全周を覆うようにトーション部110に対して一体成形された樹脂製のずれ止め部材400とを備え、トーション部110の外周面に、ずれ止め部材400と噛み合う凹凸部111を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両に搭載されるスタビライザ装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スタビライザ装置のスタビライザは、スタビライザ装置を有する車両がカーブ走行するときなどのように、左右のサスペンション機構に上下逆位相の入力があったとき、左右のアーム部が互いに逆方向に撓むとともにトーション部がねじられ、車体の横揺れを制御するばねとして機能する。従来から、スタビライザ装置は、スタビライザに設けられたゴム製のブッシュを介して、ボルトによりブラケットを車体側に締結することによって、車両の車体に固定されている。
【0003】
しかしながら、カーブ走行するときの遠心力による荷重により、トーション部とブッシュとが互いの摩擦力に抗して、その位置がずれることがある。このずれは逆方向に遠心力が発生する状態や車両が直進する状態などになっても元の位置に復帰せず、所定の位置からずれたままとなる。そのため、スタビライザによるアンチロール効果が得られなかったり、スタビライザの両端に締結されているスタビリンクに過剰の負担を与えたり、スタビライザがスタビライザの周辺部品と干渉するリスクを高めるなどの問題があった。
【0004】
そこで、ブッシュがずれるのを防止するため、アルミリングをかしめてずれ止め部材としたり、あるいは鉄リングをかしめてずれ止め部材としていた。これらのずれ止め部材は、スタビライザ一本あたり左右に一個ずつ計2個使用されていた。一方、ブッシュがずれるのを防止する方法としては、ゴム製のブッシュ自身をトーション部に接着剤により、もしくは熱キュア工程を行うことにより、直接固定する方法もある。
【0005】
ここで、ずれ止め部材としてアルミリングを備えた中空スタビライザ装置の製造方法では、まず、所定の長さに切断された電縫管を冷間加工により、スタビライザの形状に成形する成形工程を行い、次いでスタビライザ半製品に焼入れ・焼戻しなどの熱処理を実施する熱処理工程を行い、次いでスタビライザ半製品にショットを投射するショットピーニングを行い、次いでスタビライザ半製品に塗装する塗装工程を行う。その後、半割りまたは2ピースからなるアルミリングをかしめてずれ止め部材としていた。
【0006】
また、ずれ止め部材として鉄リングを備えた中空スタビライザ装置の製造方法では、まず、所定の長さに切断された電縫管を曲げ加工によりアーム部を成形し、次いでC型に形成された鉄リングを曲げ加工した電縫管に通し、そしてアーム部の端部に扁平部およびスタビリンクを取り付ける取付孔を鍛造などで加工する加工工程を行う。その後、鉄リングをかしめ、そして塗装する塗装工程を行っていた。
【0007】
一方、ゴム製のブッシュの固定方法では、ゴム製のブッシュをスタビライザのトーション部にダイレクトインジェクションによって一体成形し、熱キュア工程によって硬化させていた。これらに関連する文献として、特許文献1および2などがある。
【特許文献1】特開2001−163026号公報
【特許文献2】特開2001−165127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、アルミリングは、半割りまたは2ピースからなるアルミリングをかしめてトーション部に固定する方法であり、構造的弱点部となる接続部がある。この接続部があることにより、アルミリングの強度が弱い。そのため、アルミリングに荷重を受けると、かしめ形態が破壊されやすくなる。したがって、アルミリングの固定強度が低下しやすく、車両の左右でスタビライザの固定位置が不均衡になり、車両がカーブするとき、スタビライザ本来の効果が十分に得られない。その結果、十分な信頼性のあるスタビライザ装置とはいえなかった。
【0009】
また、アルミリング、鉄リングやブッシュを取り付けるトーション部の外周面は、略平坦に形成されている。そのため、アルミリングや鉄リングをかしめてトーション部に取り付ける、あるいはゴム製のブッシュを硬化させてトーション部に取り付けたとしても、ブッシュが遠心力による荷重を受けると、ブッシュが移動しやすい。したがって、車両の左右でスタビライザの固定位置が不均衡になり、車両がカーブするとき、スタビライザ本来の効果が十分に得られない。その結果、スタビライザ装置の信頼性をより高めることができなかった。
【0010】
また、ずれ止め部材がアルミリングや鉄リングの場合は、樹脂製のずれ止め部材に比べて重量が重い。そのため、スタビライザ装置の軽量化を促進することができなかった。また、鉄リングの場合は、アルミリングに比べて変形抵抗が高いので、かしめやすいように円形に形成されるため、アーム部の端部に扁平部およびスタビリンクを取り付ける取付孔を鍛造などで成形する前にトーション部に通しておく必要がある。つまり、電縫管の曲げ後でスタビライザ半製品の塗装前に鉄リングを電縫管に通しておく必要がある。そのため、鉄リングをかしめていない状態のまま落下、脱落させることなく、扁平部および取付孔を加工する加工工程などを経る必要があり、ハンドリングが煩雑であった。
【0011】
そこで本発明は、ブッシュがずれるのを防止することにより信頼性を高めたスタビライザ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1のスタビライザ装置は、トーション部と前記トーション部の両端部から伸びるアーム部とにより全体として略コ字状をなすスタビライザと、前記トーション部の両端部に設けられ、前記スタビライザを車体に固定するためのブッシュと、前記ブッシュと接触する接触部を有し、前記トーション部の軸方向の所定の範囲の全周を覆うように前記トーション部に対して一体成形された樹脂製のずれ止め部材とを備え、前記トーション部の外周面に、前記ずれ止め部材と噛み合う凹凸部を設けることを特徴とする。
【0013】
本発明の第2のスタビライザ装置は、トーション部と前記トーション部の両端部から伸びるアーム部とにより全体として略コ字状をなすスタビライザと、前記トーション部の両端部に設けられ、前記トーション部の軸方向の所定の範囲の全周を覆うように前記トーション部に対して一体成形された樹脂製のブッシュとを備え、前記トーション部の外周面に、前記ブッシュと噛み合う凹凸部を設けることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、ブッシュまたはずれ止め部材の凸部が凹凸部の凹みに入り込んで、ブッシュまたはずれ止め部材が凹凸部と噛み合う。そのため、車両がカーブするときに発生する遠心力により、ブッシュがトーション部の軸方向に荷重を受けた場合でも、ブッシュまたはずれ止め部材がトーション部の軸方向に移動するのを防止して、ブッシュが固定位置からずれるのを防止する耐ずれ力を発揮することができる。その結果、スタビライザが所定の設計意図した性能を発揮することができ、スタビライザ装置の信頼性を高めることができる。
【0015】
本発明の凹凸部としては、トーション部の相対する2面に凹みあるいは凸部を設けて形成する。または、波形状の凹凸部や、溝形状の凹凸部を設ける実施形態としてもよい。また、トーション部の外周全体に波形状の凹凸部や、トーション部の外周の全体に溝形状の凹凸部を設ける実施形態としてもよい。さらに、トーション部の外周の全体にローレット目状の凹凸部を設ける実施形態としてもよい。
【0016】
本発明のずれ止め部材の樹脂としては、ポリフェニレンサルファイドまたはポリエーテルエーテルケトンなどである。また、ブッシュの樹脂としては、ゴムである。例えば、ポリフェニレンサルファイドまたはポリエーテルエーテルケトンなどの材料では、ずれ止め部材をダイレクトインジェクションするときの射出条件を選定すれば、ばりなどの発生を防止することができる。また、ポリフェニレンサルファイドまたはポリエーテルエーテルケトンなどの材料は、ずれ止め部材の射出成形工程の後に行うスタビライザの塗装工程において塗料を乾燥させる工程での熱に耐えられる耐熱性や強度を備えている。
【0017】
本発明において、前記凹凸部は、凹凸の高低差が0.5mm〜5.0mmに形成されることが望ましい。この態様によれば、凹みを設けて凹凸部を形成する場合、耐ずれ力を発揮するという凹凸部としての機能を維持しつつ、トーション部の強度を維持することができる。また、凸部を設けて凹凸部を形成する場合、スタビライザ装置を小型化することができ、スタビライザ装置がスタビライザ装置の周辺部品と干渉するのを防止することができる。その結果、信頼性の高いスタビライザ装置を製造することができる。
【0018】
本発明において、前記ずれ止め部材は、前記接触部を挟んで前記ブッシュの反対側に前記トーション部の軸方向に向けて前記ブッシュから離れるにしたがって外径が小さくなる傾斜部を有することが望ましい。この態様によれば、車体に遠心力が働き、ブッシュがトーション部の軸方向に荷重を受けると、ブッシュはずれ止め部材側に撓む。これによって、ずれ止め部材の接触部の外周側の部分に荷重がかかる。そのため、ずれ止め部材にモーメントがトーション部の軸方向に向かって働く。つまり、ずれ止め部材の内周面でトーション部の外周面を押し付ける状態となり、ずれ止め部材からトーション部に荷重がかかる。これにより、ずれ止め部材が凹凸部と強固に噛み合い、より高い耐ずれ力を発揮する。その結果、ブッシュがずれるのをさらに防止し、スタビライザ装置の信頼性を高めることができる。この態様の傾斜部としては、傾斜部分がテーパー形状、傾斜部分の断面形状が放物線状や円形形状など、あるいは傾斜部分がテーパー形状、傾斜部分の断面形状が放物線状や円形形状などのリブが挙げられる。
【0019】
本発明において、前記接触部は、前記ずれ止め部材の外周側に設ける凹部または凸部であり、前記ブッシュは、前記凹部または凸部と噛み合い、前記ずれ止め部材の外周面を覆うように設けられることが望ましい。この態様によれば、車両がカーブするときに発生する遠心力により、ブッシュがトーション部の軸方向に荷重を受けた場合でも、ずれ止め部材の凹部または凸部がブッシュに接触して、ブッシュがトーション部の軸方向に移動するのを防止する。そして、ずれ止め部材が凹凸部と噛み合い、ずれ止め部材がトーション部の軸方向に移動するのを防止して、ブッシュが固定位置からずれるのを防止する耐ずれ力を発揮することができる。その結果、スタビライザが所定の設計意図した性能を発揮することができ、信頼性を高めることができる。
【0020】
本発明の第1のスタビライザ装置の製造方法は、棒材を略コ字状に成形する第1の成形工程を行い、成形されたスタビライザ半製品のトーション部の肩部に凹凸部を成形する第2の成形工程を行い、成形されたスタビライザ半製品に対して熱処理工程を行い、次いで前記スタビライザ半製品にショットを投射するショットピーニングを行い、次いでダイレクトインジェクションによりずれ止め部材が前記凹凸部と噛み合うように樹脂で一体成形する射出成形工程を行うことを特徴とする。
【0021】
本発明の第2のスタビライザ装置の製造方法は、棒材を略コ字状に成形する第1の成形工程を行い、成形されたスタビライザ半製品のトーション部の肩部に凹凸部を成形する第2の成形工程を行い、成形されたスタビライザ半製品に対して熱処理工程を行い、次いで前記スタビライザ半製品にショットを投射するショットピーニングを行い、次いでダイレクトインジェクションによりブッシュが前記凹凸部と噛み合うように樹脂で一体成形する射出成形工程を行うことを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、凹凸部の凹みにずれ止め部材またはブッシュを形成する樹脂が入り込み、ずれ止め部材またはブッシュに凸部が形成される。このようにずれ止め部材またはブッシュの凸部が凹凸部の凹みに入り込んで、ずれ止め部材またはブッシュが凹凸部と噛み合う。そのため、アルミリングに凸部を設けてかしめる場合に比べて、凹凸部とずれ止め部材またはブッシュとの隙間が少なくなり強固に噛み合い、より安定した耐ずれ力を発揮する。その結果、ブッシュがずれるのを防止し、スタビライザ装置の信頼性を高めることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ブッシュがずれるのを防止することにより信頼性を高めたスタビライザ装置を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(1)第1の実施形態
(スタビライザ装置の構成)
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、スタビライザ装置を示す図である。図2は、車体に固定した状態を示す図1におけるZ−Z断面図である。図3は、ブラケットを示す斜視図である。図4は、ずれ止め部材の周辺を拡大して示す断面図である。図4(a)は、遠心力が働いていない状態を示す図である。図4(b)は、遠心力が働いている状態を示す図である。図5は、ずれ止め部材を示す斜視図である。図6は、ずれ止め部材を内側に設ける実施形態を示す図である。図7は、ずれ止め部材の第1の変形例を示す図である。図8は、ずれ止め部材の第2の変形例を示す図である。図9は、ずれ止め部材の第3の変形例を示す図である。図10は、凹凸部の周辺を拡大して示す図である。図10(a)は、本実施形態の凹凸部の周辺を拡大して示す図である。図10(b)は、ずれ止め部材の長さを変更した場合を示す図である。図11は、凹凸部の第1の変形例を示す図である。図12は、凹凸部の第2の変形例を示す図である。図13は、凹凸部の第3の変形例を示す図である。図14は、凹凸部の第4の変形例を示す図である。図15は、凹凸部の第5の変形例を示す図である。
【0025】
スタビライザ装置1は、図1に示すように、スタビライザ100、ブッシュ300およびずれ止め部材400などを備えている。スタビライザ100は、トーション部110と、アーム部120とを有している。スタビライザ100は、電縫管などの中空パイプや中実パイプなどの棒材を加工してトーション部110やアーム部120などが形成されている。トーション部110の両端部には、トーション部110の両端部から伸びる左右一対のアーム部120が設けられている。アーム部120の先端部には、鍛造によって扁平化された扁平部121が設けられている。扁平部121には、図示省略したスタビライザリンクが挿入されて取り付けられる取付孔122が設けられている。
【0026】
スタビライザ装置1のスタビライザ100は、スタビライザ装置1を有する車両がカーブ走行するときなどのように、左右の図示省略したサスペンション機構に上下逆位相の入力があったとき、左右のアーム部120が互いに逆方向に撓むとともにトーション部110がねじられ、車体10の横揺れを制御するばねとして機能する。
【0027】
トーション部110は、直線状でかつ円柱状または円筒状に形成されている。トーション部110の外周面には、機械加工またはプレス加工などにより形成された凹凸部111が設けられている。トーション部110には、スタビライザ装置1を車両の車体10に取り付けるためのブッシュ300が装着されている。また、トーション部110には、ブッシュ300がずれるのを防止するずれ止め部材400が装着されている。
【0028】
凹凸部111は、図4に示すように、トーション部110の相対する2面に凹みを設けて形成されている。なお、凹みを設けて凹凸部111を形成する実施形態に限らず、凸部を設けて凹凸部を形成する実施形態としてもよい。また、凹凸部111に凹みを1個設ける実施形態に限らず、図11に示すように波形状の凹凸部112や、図12に示すように溝形状の凹凸部113を設ける実施形態としてもよい。また、トーション部110の相対する2面に凹みを設ける実施形態に限らず、図13に示すようにトーション部110の外周全体に波形状の凹凸部114や、図14に示すようにトーション部110の外周の全体に溝形状の凹凸部115を設ける実施形態としてもよい。
【0029】
さらに、図15に示すようにトーション部110の外周の全体にローレット目状の凹凸部116を設ける実施形態としてもよい。凹凸部116の場合には、ブッシュ300またはずれ止め部材400がトーション部110の軸方向にずれるのを防止する機能を有するとともに、ブッシュ300またはずれ止め部材400が円周方向に回転するのを防止する機能を有する。
【0030】
凹凸部111は、図4に示すように、ブッシュ300およびずれ止め部材400のそれぞれに全体が覆われるように設けられている。具体的には、ブッシュ300およびずれ止め部材400の凸部が凹凸部111の凹みに入り込んでいる。なお、ブッシュ300およびずれ止め部材400のそれぞれに覆われるように設けられている実施形態に限らず、ブッシュ300またはずれ止め部材400のうちいずれか一方に覆われるように設けられる実施形態としてもよい。また、凹凸部111の全体が覆われるようにずれ止め部材400を設ける実施形態に限らず、図10(b)に示すように、ずれ止め部材400を凹みの長さより短く形成し、凹凸部111の凹みの一部を覆うようにずれ止め部材400を設ける実施形態としてもよい。
【0031】
このようにブッシュ300およびずれ止め部材400の凸部が凹凸部111の凹みに入り込んで、ブッシュ300およびずれ止め部材400が凹凸部111と噛み合う。そのため、車両がカーブするときに発生する遠心力により、ブッシュ300がトーション部110の軸方向(図4(b)の矢印X方向)に荷重を受けた場合でも、ブッシュ300またはずれ止め部材400がトーション部110の軸方向に移動するのを防止して、ブッシュ300が固定位置からずれるのを防止する耐ずれ力を発揮することができる。その結果、スタビライザ100が所定の設計意図した性能を発揮することができ、スタビライザ装置1の信頼性を高めることができる。
【0032】
凹凸部111は、図10に示すように、凹凸の高低差Hが0.5mm〜5.0mm程度になるように形成されている。そのため、凹みを設けて凹凸部111を形成する場合、耐ずれ力を発揮するという凹凸部111としての機能を維持しつつ、トーション部110の強度を維持することができる。また、凸部を設けて凹凸部を形成する場合、スタビライザ装置を小型化することができ、スタビライザ装置がスタビライザ装置の周辺部品と干渉するのを防止することができる。その結果、信頼性の高いスタビライザ装置1を製造することができる。なお、凹凸の高低差Hは、トーション部110の軸方向の長さまたは直径などのトーション部110の大きさや、トーション部110が円筒状の場合におけるトーション部110の肉厚などにより0.5mm〜5.0mm程度の範囲内で決定される。
【0033】
凹凸部111は、図10に示すように、凹みの両端の傾斜の角度Θが45度〜90度程度になるように形成されている。そのため、車両がカーブするときに発生する遠心力により、ブッシュ300がトーション部110の軸方向(図4(b)の矢印X方向)に荷重を受けた場合でも、ブッシュ300およびずれ止め部材400がトーション部110の軸方向に移動するのをさらに防止している。その結果、耐ずれ力を発揮するという凹凸部111としての機能を維持しつつ、ブッシュ300またはずれ止め部材400が移動してブッシュ300およびずれ止め部材400の内側から径方向に力を受けるのを防止し、ブッシュ300およびずれ止め部材400が破壊されるのを防止する。なお、傾斜の角度Θは、凹凸の高低差Hや、ブッシュ300およびずれ止め部材400の強度などにより45度〜90度程度の範囲内で決定される。
【0034】
ブッシュ300は、図1に示すように、トーション部110の左右に1個ずつ設けられている。ブッシュ300は、樹脂製として例えばゴム製であり、ずれ止め部材400と比較すると大きく形成されている。ブッシュ300は、トーション部110の軸方向の所定の範囲の全周を覆うようにトーション部110に対して一体成形されている。ブッシュ300は、図2に示すように、ブッシュ300の外周面を覆う図3に示すU字状のブラケット20をボルト30で車体10に締結することにより、スタビライザ100を車両の車体10に固定するための部材である。
【0035】
ずれ止め部材400は、樹脂製である。ずれ止め部材400を形成する樹脂としては、ポリフェニレンサルファイドまたはポリエーテルエーテルケトンなどである。ずれ止め部材400は、トーション部110の軸方向の所定の範囲の全周を覆うようにトーション部110に対して一体成形されている。
【0036】
このようにずれ止め部材400は一体成形されているため、ずれ止め部材400に構造的弱点部となる接続部がなく、荷重により安易にスタビライザ100のトーション部110への固定強度を失うことを防止でき、ブッシュ300がトーション部110の最適な位置に保たれる。また、アルミリングでは荷重がかかると、アルミリングはずれ止め部材としての能力を一気に失うのに対し、樹脂製のずれ止め部材400は仮にずれたとしてもずれるときに要する荷重はほとんど変化しない。そのため、ずれ止め部材400はブッシュ300がトーション部110の軸方向に移動するのを阻止するというずれ止め部材としての機能を維持することができる。その結果、スタビライザ100が所定の設計意図した性能を発揮することができ、信頼性を高めることができる。
【0037】
ずれ止め部材400は、図1に示すように、ブッシュ300の外側に隣接して設けられている。つまり、ずれ止め部材400は、トーション部110の左右に一個ずつ計2個設けられている。ずれ止め部材400は、接触部410と、傾斜部として例えばテーパー部420とを有している。ずれ止め部材400は、ブッシュ300がトーション部110の軸方向に移動するのを阻止する。
【0038】
なお、それぞれのずれ止め部材400がブッシュ300の外側に隣接して設けられる実施形態に限らず、図6に示すように、それぞれのずれ止め部材400がブッシュ300の内側に隣接して設けられる実施形態としても、ずれ止め部材としての機能を発揮することができる。
【0039】
ずれ止め部材400の長さは、10mm〜15mm程度になるように形成されている。そのため、車両がカーブするときに発生する遠心力により、ブッシュ300がずれるのを防止する耐ずれ力を発揮しつつ、ずれ止め部材400を小型化することができる。また、スタビライザ100のトーション部110のブッシュ300を除いたストレート長をできるだけ短くすることができ、スタビライザ100を小型化することができる。その結果、スタビライザ装置1の軽量化を図ることができる。なお、ずれ止め部材400の長さは、車両がカーブするときに発生する遠心力により、ブッシュ300がずれるのを防止する必要な耐ずれ力に応じて決定される。
【0040】
さらに、トーション部110とブッシュ300およびずれ止め部材400との接触部分に凹凸部111を設けているため、ずれ止め部材400が短くても耐ずれ力を高めることができるので、ずれ止め部材400の長さをより短くすることができる。
【0041】
接触部410は、図5などに示すように、鍔状に形成されている。接触部410の側面には、ブッシュ300の側面が接触する。接触部410は、ずれ止め部材400において最も厚さが厚い部分であり、厚さが3mm〜5mm程度になるように形成されている。そのため、接触部410がずれ止め部材400としてブッシュ300に接触する面積を確保しつつ、ずれ止め部材400を小型化することができ、ずれ止め部材400がずれ止め部材400の周辺部品と干渉するのを防止することができる。その結果、スタビライザ装置1の軽量化を図ることができる。
【0042】
テーパー部420は、図5などに示すように、テーパー形状に形成されている。つまり、テーパー部420は、接触部410を挟んでブッシュ300の反対側にトーション部110の軸方向に向けてブッシュ300から離れるにしたがって外径が小さくなるように形成されている。
【0043】
なお、テーパー部420を設ける実施形態に限らず、例えば以下のような傾斜部を設ける実施形態としてもよい。傾斜部として、図7に示すように傾斜部分の断面形状が放物線形状となるように、テーパー部420に比べて減肉した放物線状部520を設けてもよい。あるいは、図8に示すようにテーパー部420および放物線状部520に比べてさらに減肉したテーパー状のリブ620を設ける、または図9に示すように傾斜部分の断面形状が放物線形状となるようなリブ720を設けてもよい。
【0044】
このように駄肉をできるだけ排除することによって、ずれ止め部材がずれ止め部材の周辺部品と干渉するのを回避でき、軽量化および使用する樹脂が減ることによるコストダウンを図ることができる。また、ずれ止め部材を成形した後に行う塗装工程で、ずれ止め部材が遮蔽物となって塗装むらをずれ止め部材付近で起こすリスクを減少させることができる。
【0045】
ずれ止め部材の軽量化については、例えば、アルミリングのずれ止め部材では、25.4mmΦのスタビライザに設けるずれ止め部材を設計すると、厚みが5.0mm、長さが15.0mmの円筒状で重さが16gとなる。一方、25.4mmΦのスタビライザに設ける円筒状のずれ止め部材を樹脂で設計すると、重さが9gとなり、約7g/個の軽量化が図られる。そのため、一本あたりのスタビライザにはずれ止め部材が2個設けられているので、14gの軽量化が図られる。
【0046】
ここで、ずれ止め部材400は、アルミリングや鉄リングなどの従来のずれ止め部材に比べて、より高い摩擦力および耐ずれ力を発揮することについて図4を参照して説明する。
【0047】
車体10に遠心力が働き、ブッシュ300がトーション部110の軸方向(図4(b)の矢印X方向)に荷重を受けると、図4(b)に示すように、ブッシュ300はずれ止め部材400側に撓む。これによって、ずれ止め部材400の接触部410の外周側の部分に荷重がかかる。そのため、ずれ止め部材400にモーメントがトーション部110の軸方向に向かって働く(図4(b)の矢印Y方向)。つまり、ずれ止め部材400の内周面でトーション部110の外周面を押し付ける状態となり、ずれ止め部材400からトーション部110に荷重がかかる。したがって、トーション部110とずれ止め部材400との摩擦力が増し、より高い摩擦力を発揮する。その結果、ブッシュ300がずれるのを防止し、スタビライザ装置1の信頼性を高めることができる。
【0048】
さらに、ずれ止め部材400の内周面でトーション部110の外周面を押し付ける状態となり、ずれ止め部材400からトーション部110に荷重がかかるため、ずれ止め部材400が凹凸部111と強固に噛み合い、より高い耐ずれ力を発揮する。その結果、ブッシュ300がずれるのをさらに防止し、スタビライザ装置1の信頼性を高めることができる。
【0049】
(スタビライザ装置の製造方法)
次に、スタビライザ装置1の製造方法の一部について図面を参照して説明する。なお、成形工程から塗装工程までについて説明する。図16は、射出成形装置を示す図である。図16(a)は、トーション部の軸方向に直行する方向における射出成形装置の断面図である。図16(b)は、トーション部の軸方向における射出成形装置の断面図である。図17は、金型を示す斜視図である。図18は、スタビライザ装置の製造方法の一部を示すフローチャートである。
【0050】
ここで、ずれ止め部材400をスタビライザ半製品にダイレクトインジェクションする射出成形装置800について図16および図17を参照して説明する。射出成形装置800は、金型810、射出機840および昇降機構850などを備えている。金型810は、下型811と、上型812とを有している。下型811には、ゲート811aが設けられている。下型811および上型812には、ずれ止め部材400を所定の形状に成形するためのキャビティ820の一部となる凹部と、キャビティ820に連続するように設けられ、スタビライザ半製品の肩部を支持するグリップ部830とが設けられている。
【0051】
射出機840は、樹脂を金型のキャビティ820に注入するための装置である。昇降機構850は、金型810の四隅に設けられている。昇降機構850は、上型812を図16および図17の矢印A方向に昇降させる。昇降機構850は、グリップ部830が形成されている方向に沿って、スタビライザ半製品が昇降機構850の間を通過することができるように所定の間隔を有して設けられている。
【0052】
昇降機構850により上型812が図16の矢印A方向に上昇すると、下型811から上型812が離間する。また、昇降機構850により上型812が図16の矢印A方向に下降すると、下型811と上型812とが接触する。下型811と上型812とが接触すると、ずれ止め部材400を所定の形状に成形するためのキャビティ820が形成される。
【0053】
スタビライザ装置1の製造方法の一部について図18を参照して説明する。まず、所定の長さに切断された電縫管などの棒材を冷間加工により、略コ字状に成形する第1の成形工程を行う(S101)。次いで、転造ロールもしくは2つ割りプレス型などにより、スタビライザ半製品のトーション部110の肩部に凹凸部111を成形する第2の成形工程を行う(S102)。次いで、スタビライザ半製品に焼入れ・焼戻しなどの熱処理を実施する熱処理工程を行う(S103)。次いで、スタビライザ半製品にショットを投射するショットピーニングを行い、トーション部110表面のばりなどを除去する(S104)。
【0054】
なお、略コ字状に成形する第1の成形工程後に凹凸部111を成形する第2の成形工程を行う実施形態に限らず、第1の成形工程と第2の成形工程を同じ時期に行う実施形態としてもよい。
【0055】
次に、以上のような処理が施されたスタビライザ半製品に射出成形装置800を使用して、ダイレクトインジェクションにより樹脂でずれ止め部材400を一体成形する射出成形工程を行う(S105)。
【0056】
射出成形工程では、まず、スタビライザ半製品の肩部を金型810のグリップ部830にセットする。次いで、昇降機構850により上型812を図17の矢印A方向に下降させて下型811に接触させ、キャビティ820を形成する。次いで、射出機840を図16の矢印B方向に移動させ、射出機840の先端を下型811のゲート811aに挿入して、樹脂をゲート811aからキャビティ830に注入する。これにより、スタビライザ半製品に接触部410およびテーパー部420を有するずれ止め部材400が成形される。
【0057】
このとき、凹凸部111の凹みにずれ止め部材400を形成する樹脂が入り込み、ずれ止め部材400に凸部が形成される。このようにずれ止め部材400の凸部が凹凸部111の凹みに入り込んで、ずれ止め部材400が凹凸部111と噛み合う。そのため、アルミリングに凸部を設けてかしめる場合に比べて、凹凸部111とずれ止め部材400との隙間が少なくなり強固に噛み合い、より安定した耐ずれ力を発揮する。その結果、ブッシュ300がずれるのを防止し、スタビライザ装置1の信頼性を高めることができる。
【0058】
また、このとき、スタビライザ半製品の肩部とグリップ部830との隙間は、0.6mm以内である。そのため、キャビティ820に注入された樹脂がキャビティ820からグリップ部830に流入せず、ばりが発生しない。例えば、長さが10mm程度のずれ止め部材400であれば、ずれ止め部材400の軸心と肩部の軸心とが相対的に3度あるいは4度程度傾いていたとしてもずれ止め部材400を成形可能である。したがって、長さが10mm程度の樹脂製のずれ止め部材であれば、肩部の直径公差やずれ止め部材400の内側の肩部の曲がりなどが大幅に許容される。また、ばりを除去する工程を省くことができる。その結果、低コストでスタビライザ装置1を製造することができる。
【0059】
その後、スタビライザ半製品およびずれ止め部材400を塗装する塗装工程を行う。なお、射出成形工程後に塗装工程を行う実施形態に限らず、ショットピーニングを行った後に塗装工程を行い、その後射出成形工程を行う実施形態としてもよい。塗装工程後に射出成形工程を行う場合でも、ずれ止め部材400が凹凸部111と噛み合うため、ずれ止め部材400とショットピーニングにより形成される微小な凹凸とが噛み合うことによる耐ずれ力に頼る必要がない。また、塗膜の上からダイレクトインジェクションするので、塗膜の厚さが変動してもトーション部110に対するずれ止め部材400の密着度に変動がなく、耐ずれ力にも変動が生じない。
【0060】
なお、キャビティ820を形成する金型とグリップ部830を形成する金型とをそれぞれ分割することができるように金型を構成すると、キャビティ820を形成する金型の数がアルミリングを成形する金型のバリエーションの1/3〜1/4に減らすことができるため、段取りなどの工程を効率よく行うことができる。その結果、スタビライザ装置1の生産効率を上げることができる。
【0061】
また、以上のような製造方法によりブッシュを一体成形してもよい。あるいはダイレクトインジェクションによりゴム製のブッシュを凹凸部と噛み合うように一体成形する射出成形工程を行い、次いで熱キュア工程を行う実施形態としてもよい。
【0062】
(2)第2の実施形態
スタビライザ装置の第2の実施形態は、上記第1の実施形態を変更したものである。したがって、主に変更部分について説明し、第1の実施形態と同様な構成および作用の説明は省略する。図19は、第2の実施形態にかかるスタビライザ装置を示す図である。
【0063】
トーション部110の外周面には、図19に示すように、トーション部110の外周の全体に溝形状の凹凸部115が設けられている。トーション部110には、ブッシュ300がずれるのを防止するずれ止め部材900のみが装着されている。ずれ止め部材900は、凹凸部115に噛み合うように設けられている。ずれ止め部材900は、外周側に接触部として例えば凹部901を有している。なお、凹部901を設ける実施形態に限らず、凸部を設ける実施形態としてもよい。
【0064】
ブッシュ300は、円筒状に形成されている。ブッシュ300は、ずれ止め部材900の凹部901に噛み合い、ずれ止め部材900の外周面を覆うように設けられている。具体的には、ブッシュ300は、両側にフランジ部を有する凹部901に嵌り、ずれ止め部材900の外周面を覆うように設けられている。ブラケット20は、U字状に形成されており、ブッシュ300の外周面を覆うように設けられている。
【0065】
第2の実施形態では、車両がカーブするときに発生する遠心力により、ブッシュ300がトーション部110の軸方向に荷重を受けた場合でも、ずれ止め部材900の凹部901がブッシュ300に接触して、ブッシュ300がトーション部110の軸方向に移動するのを防止する。そして、ずれ止め部材900が凹凸部115と噛み合い、ずれ止め部材900がトーション部110の軸方向に移動するのを防止して、ブッシュ300が固定位置からずれるのを防止する耐ずれ力を発揮することができる。その結果、スタビライザ100が所定の設計意図した性能を発揮することができ、信頼性を高めることができる。また、ずれ止め部材のみを装着する部分を確保する必要がないため、耐ずれ力を維持しつつ、スタビライザ100のトーション部110のずれ止め部材900を除いたストレート長をできるだけ短くすることができ、スタビライザ100を小型化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、自動車等の車両に搭載されるスタビライザ装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】スタビライザ装置を示す図である。
【図2】車体に固定した状態を示す図1におけるZ−Z断面図である。
【図3】ブラケットを示す斜視図である。
【図4】ずれ止め部材の周辺を拡大して示す断面図である。
【図5】ずれ止め部材を示す斜視図である。
【図6】ずれ止め部材を内側に設ける実施形態を示す図である。
【図7】ずれ止め部材の第1の変形例を示す図である。
【図8】ずれ止め部材の第2の変形例を示す図である。
【図9】ずれ止め部材の第3の変形例を示す図である。
【図10】凹凸部の周辺を拡大して示す図である。
【図11】凹凸部の第1の変形例を示す図である。
【図12】凹凸部の第2の変形例を示す図である。
【図13】凹凸部の第3の変形例を示す図である。
【図14】凹凸部の第4の変形例を示す図である。
【図15】凹凸部の第5の変形例を示す図である。
【図16】射出成形装置を示す図である。
【図17】金型を示す斜視図である。
【図18】スタビライザ装置の製造方法の一部を示すフローチャートである。
【図19】第2の実施形態にかかるスタビライザ装置を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
1…スタビライザ装置、10…車体、100…スタビライザ、110…トーション部、111…凹凸部、120…アーム部、300…ブッシュ、400…ずれ止め部材、410…接触部、420…テーパー部、901…凹部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トーション部と前記トーション部の両端部から伸びるアーム部とにより全体として略コ字状をなすスタビライザと、
前記トーション部の両端部に設けられ、前記スタビライザを車体に固定するためのブッシュと、
前記ブッシュと接触する接触部を有し、前記トーション部の軸方向の所定の範囲の全周を覆うように前記トーション部に対して一体成形された樹脂製のずれ止め部材とを備え、
前記トーション部の外周面に、前記ずれ止め部材と噛み合う凹凸部を設けることを特徴とするスタビライザ装置。
【請求項2】
トーション部と前記トーション部の両端部から伸びるアーム部とにより全体として略コ字状をなすスタビライザと、
前記トーション部の両端部に設けられ、前記トーション部の軸方向の所定の範囲の全周を覆うように前記トーション部に対して一体成形された樹脂製のブッシュとを備え、
前記トーション部の外周面に、前記ブッシュと噛み合う凹凸部を設けることを特徴とするスタビライザ装置。
【請求項3】
前記凹凸部は、凹凸の高低差が0.5mm〜5.0mmに形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のスタビライザ装置。
【請求項4】
前記ずれ止め部材は、前記接触部を挟んで前記ブッシュの反対側に前記トーション部の軸方向に向けて前記ブッシュから離れるにしたがって外径が小さくなる傾斜部を有することを特徴とする請求項1に記載のスタビライザ装置。
【請求項5】
前記接触部は、前記ずれ止め部材の外周側に設ける凹部または凸部であり、
前記ブッシュは、前記凹部または凸部と噛み合い、前記ずれ止め部材の外周面を覆うように設けられることを特徴とする請求項1に記載のスタビライザ装置。
【請求項6】
棒材を略コ字状に成形する第1の成形工程を行い、成形されたスタビライザ半製品のトーション部の肩部に凹凸部を成形する第2の成形工程を行い、成形されたスタビライザ半製品に対して熱処理工程を行い、次いで前記スタビライザ半製品にショットを投射するショットピーニングを行い、次いでダイレクトインジェクションによりずれ止め部材が前記凹凸部と噛み合うように樹脂で一体成形する射出成形工程を行うことを特徴とするスタビライザ装置の製造方法。
【請求項7】
棒材を略コ字状に成形する第1の成形工程を行い、成形されたスタビライザ半製品のトーション部の肩部に凹凸部を成形する第2の成形工程を行い、成形されたスタビライザ半製品に対して熱処理工程を行い、次いで前記スタビライザ半製品にショットを投射するショットピーニングを行い、次いでダイレクトインジェクションによりブッシュが前記凹凸部と噛み合うように樹脂で一体成形する射出成形工程を行うことを特徴とするスタビライザ装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−30421(P2010−30421A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194556(P2008−194556)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000004640)日本発條株式会社 (1,048)
【Fターム(参考)】