説明

チオ置換三環式および二環式芳香族メタンスルフィニル誘導体

本発明は、化学組成物、その調製法、および該組成物の使用に関する。特に本発明は、式(A)(ここで、Ar、Y、R1、およびqは本明細書で定義されるものである)の化合物の組成物;および疾患の治療(眠気の治療、覚醒の促進、パーキンソン病、脳虚血、卒中、睡眠時無呼吸、摂食障害の治療、食欲刺激と体重増加、注意欠陥障害(「ADD」)の治療、脳皮質の機能低下が引き起こす障害(特に限定されないが、うつ病、統合失調症、疲労、特に神経疾患(例えば多発性硬化症および慢性疲労症候群)が引き起こす疲労、および認知機能不全の改善を含む)におけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学組成物、その調製法、および組成物の使用に関する。特に本発明は、以下の式(A):
【化1】

により表される化合物の組成物、および疾患の治療(眠気の治療、覚醒の促進および/または改善、好ましくはナルコレプシー、睡眠時無呼吸、好ましくは閉塞性睡眠時無呼吸/呼吸低下、およびシフト勤務障害が引き起こす過度の眠気を有する患者の覚醒の改善;パーキンソン病;アルツハイマー病;脳虚血;卒中;摂食障害;注意欠陥障害(「ADD」)、注意欠陥多動性障害(「ADHD」);うつ病;統合失調症;疲労、好ましくは癌または神経疾患(例えば多発性硬化症および慢性疲労症候群)が引き起こす疲労の治療;食欲刺激と体重増加、および認知機能不全の改善を含む)におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書に開示の化合物は、モダニフィニル(modanifinil)の生物学的および化学的類似体に関する。モダニフィニル(C15H15NO2S)はまた、2-(ベンズヒドリルスルフィニル)アセトアミドもしくは2-[(ジフェニルメチル)スルフィニル]アセトアミドとして知られており、覚醒促進活性を有する合成アセトアミド誘導体であり、フランス特許第7805510号および米国特許第4,177,290号(「'290特許」)に記載されている。これは米国食品医薬品局により、ナルコレプシーが引き起こす過度の昼間の眠気の治療における使用について認可されている。モダニフィニルといくつかの誘導体の調製法は'290特許に記載されている。モダニフィニルの左旋性異性体は追加のモダニフィニル誘導体とともに米国特許第4,927,855号に記載されており、睡眠過剰、うつ病、アルツハイマー病の治療に有用であることが報告されており、特に高齢者の痴呆症および記憶喪失の症状に対して活性を有することが報告されている。
【0003】
モダニフィニルはまた、パーキンソン病の治療(米国特許第5,180,745号);虚血からの脳組織の保護(米国特許第5,391,576号);尿失禁および大便失禁の治療(米国特許第5,401,776号);および睡眠時無呼吸および中枢起源の障害の治療(米国特許第5,612,379号)に有用な物質として記載されている。さらにモダニフィニルは、摂食障害の治療、またはヒトまたは動物の体重増加の促進または食欲の刺激(米国特許第6,455,588号)、または注意欠陥多動性障害(米国特許第6,346,548号)、または疲労、特に多発性硬化症が引き起こす疲労(米国特許第6,488,164号)の治療に使用される。米国特許第4,066,686号は、種々のベンズヒドリルスルフィニル誘導体を中枢神経系の障害の治療に有用であるとして記載している。
【0004】
いくつかの公表された特許出願は、モダニフィニルの誘導体、および種々の障害の治療におけるモダニフィニル誘導体の使用を記載する。例えばPCT公報第WO99/25329号は、モダニフィニルの種々の置換フェニル類似体を、薬物性の眠気、特に癌患者へのモルヒネの投与が引き起こす眠気を治療するのに有用であると記載している。米国特許第5,719,168号およびPCT公報第WO95/01171号は、摂食行動を変えるのに有用なモダニフィニル誘導体を記載している。PCT公報第WO02/10125号は、モダニフィニルのいくつかの誘導体をモダニフィニルの種々の多型とともに記載している。
【0005】
モダニフィニル誘導体を記載するさらなる刊行物は、米国特許第6,492,396号、およびPCT公報第WO02/10125号がある。
【0006】
Terauchi, H.らは、ニコチンアミド誘導体がATPaseインヒビターとして有用であると記載した(Terauchi, H.ら、J. Med. Chem. 1997, 40, 313-321)。特にいくつかのN-アルキル置換2-(ベンズヒドリルスルフィニル)ニコチンアミドが記載されている。
【0007】
米国特許第4,980,372号と同第4,935,240号は、ベンゾイルアミノフェノキシブタン酸誘導体を記載する。特にフェニル、およびスルフィドとカルボニルとの間に置換フェニルリンカー、および末端アミド位置に置換アリールを含有するモダニフィニルのスルフィド誘導体が開示される。
【0008】
末端フェニル基が結合基により束縛された他のモダニフィニル誘導体が開示される。例えば米国特許第5,563,169号では、末端アミド位置に置換アリールを有するいくつかのキサンテニルおよびチアキサンテニル誘導体が報告されている。
【0009】
他のキサンテニルおよびチアキサンテニル誘導体が、Annis, I;Barany, G. Pept. Proc. Am. Pept. Symp. 15th (大会、1997年)343-344、1999(ペプチド合成の試薬として有用なエルマン試薬(Ellman's Reagent)のキサンテニル誘導体の調製);Han, Y.;Barany, G. J. Org. Chem. 1997, 62, 3841-3848 (ペプチド合成の試薬として有用な、S-キサンテニル保護システイン誘導体の調製);およびEl-Sakka, I.A.ら、Arch. Pharm. (Weinheim), 1994, 327, 133-135 (チオグリコール酸のチアキサンテノール誘導体)に開示されている。
【0010】
すなわち、有効な性質を有する新規クラスの化合物に対するニーズがある。本明細書において置換チオアセトアミド類と呼ぶ化合物群は、本明細書に開示の種々の疾患または障害を治療または予防するための物質として有用であることが発見された。
【発明の開示】
【0011】
発明の要約
本発明はある側面において、以下の構造(A):
【化2】

により表される種々の新規化合物、およびその立体異性体、立体異性体の混合物、または医薬として許容される塩に関する(ここで成分メンバーは後に定義される)。
【0012】
本発明の他の目的は、本発明の化合物を含む医薬組成物を提供することであり、ここで組成物は、1つ以上の医薬として許容される賦形剤と、治療的有効量の少なくとも1つの本発明の化合物またはその医薬として許容される塩もしくはエステル型を含む。
【0013】
本発明の他の目的は、疾患または障害を治療または予防(眠気の治療、覚醒の促進および/または改善、好ましくはナルコレプシー、睡眠時無呼吸、好ましくは閉塞性睡眠時無呼吸/呼吸低下、およびシフト勤務障害が引き起こす過度の眠気を有する患者の覚醒の改善;パーキンソン病;アルツハイマー病;脳虚血;卒中;摂食障害;注意欠陥障害(「ADD」)、注意欠陥多動性障害(「ADHD」);うつ病;統合失調症;疲労、好ましくは癌または神経疾患(例えば多発性硬化症および慢性疲労症候群)が引き起こす疲労の治療;食欲刺激と体重増加、および認知機能不全の改善を含む)する方法を提供することである。
【0014】
これらの目的および他の目的、置換ベンジルチオアルキルの特徴と利点は、以下の発明の開示の詳細な説明において開示される。
【0015】
発明の詳細な説明
第1の実施態様において本発明は、以下の式(A):
【化3】

{式中、
Arは、以下の:
【化4】

(式中、
Uは、CH2、CR25R26、O、S(O)y、NR10、C(=O)、C(=S)、CHOH、CHOR14、C=NOR14、またはC=NNR12R13であり;
VとWは、結合、CH2、CR25R26、O、S(O)y、NR10、C(=O)、C(=S)、CHOH、CHOR14、C=NOR14、またはC=NNR12R13から独立に選択され;
環A、B、およびCは、F、Cl、Br、I、OR22、OR27、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、フェニル、5または6員ヘテロアリール、アリールアルキル、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、OC(=O)NR23R24、NR21C(=S)R22、およびS(O)yR22から選択される1〜3個の基で随時置換され;
環Dは、C1-C6アルキル、フェニル、および5〜10員ヘテロアリールから選択される1つの基で随時置換される)であり;
Yは、C1-C6アルキレン;または、(C1-C4アルキレン)m-Z-(C1-C4アルキレン)nであり;ここで、該アルキレン基は1〜3個のR20基で随時置換され;
Zは、O、NR10A、S(O)y、CR21=CR21、C≡C、C6-C10アリーレン、5〜10員ヘテロアリーレン、C3-C6シクロアルキレン、または3〜6員ヘテロシクロアルキレンであり;ここで、該アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキレン、およびヘテロシクロアルキレン基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
R1は、H、NR12R13、NR21C(=O)R14、C(=O)R14、CO2R11、OC(=O)R11、C(=O)NR12R13、C(=NR11)NR12R13、OC(=O)NR12R13、NR21S(O)2R11、NR21C(=O)NR12R13、NR21S(O)2NR12R13、およびC(=O)NR11OR22から選択され;
R10とR10Aは、H、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、C(=O)R14、およびS(O)yR14からそれぞれ独立に選択され;ここで、該アルキルとアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R11は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールから独立に選択され;ここで、該アルキルとアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R12とR13は、H、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、およびNR23R24からそれぞれ独立に選択されるか、またはR12とR13は、これらが結合している窒素とともに、3〜7員複素環を形成し;ここで、該アルキルとアリール基および複素環は、1〜3個のR20基で随時置換され;
14は、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、およびアルキルアリールから独立に選択され;ここで該アルキル、アリールおよびアルキルアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R20は、F、Cl、Br、I、OR22、OR27、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、OHで随時置換されたC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、フェニル、5または6員ヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、OC(=O)NR23R24、NR21C(=S)R22、およびS(O)yR22から、独立に選択され;
各R21は、HとC1-C6アルキルから独立に選択され;
各R22は、H、OHで随時置換されたC1-C6アルキル、アリールアルキル、およびC6-C10アリールから独立に選択され;
各R23とR24は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールからそれぞれ独立に選択されるか、またはR23とR24は、これらが結合している窒素とともに、=Oで随時置換された3〜7員複素環を形成し;
各R25とR26は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールからそれぞれ独立に選択されるか、またはR25とR26は、これらが結合している炭素とともに、3〜7員複素環を形成し;
各R27は独立に、カルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
mは0または1であり;
nは0または1であり;
qは0、1、または2であり;
yは0、1、または2である
(ただし、以下の:
UがCH2、C(=O)、CH(CH3)、S、またはC=NNHPhであり;かつ
YがCH2であり;かつ
R1がHである、化合物は除外され、
かつ
UがCH2であり;かつ
YがC1-C6アルキレンで随時置換されたC1-C6アルキレンであり;かつ
R1がCONH2またはCO2R11(R11は、HまたはC1-C6アルキルである)である、化合物は除外され、
かつ以下の化合物:
3-[(メチルチオ)メチル]-2-フェニル-1H-インデン-1-オン
3-[(メチルスルフィニル)メチル]-2-フェニル-1H-インデン-1-オンは除外される)}
により表される新規化合物、およびその立体異性体、立体異性体の混合物、またはその医薬として許容される塩を提供する。
【0016】
好ましくは、Vが結合であり、WがO、S(O)y、またはNR10である時、環Dはフェニル基により置換される。
【0017】
第2の実施態様において本発明は、以下の式(I):
【化5】

{式中、
Arは、以下の:
【化6】

(式中、
Uは、CH2、CR25R26、O、S(O)y、NR10、C(=O)、C(=S)、CHOH、CHOR14、C=NOR14、またはC=NNR12R13であり;
VとWは、結合、CH2、CR25R26、O、S(O)y、NR10、C(=O)、C(=S)、CHOH、CHOR14、C=NOR14、またはC=NNR12R13から独立に選択され;
環A、B、およびCは、F、Cl、Br、I、OR22、OR27、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、フェニル、5または6員ヘテロアリール、アリールアルキル、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、OC(=O)NR23R24、NR21C(=S)R22、およびS(O)yR22から選択される1〜3個の基で随時置換され;
環Dは、C1-C6アルキル、フェニル、および5〜10員ヘテロアリールから選択される1つの基で随時置換される)であり;
Yは、C1-C6アルキレン;(C1-C4アルキレン)m-Z1-(C1-C4アルキレン)n;C1-C4アルキレン-Z2-C1-C4アルキレンであり;ここで、該アルキレン基は1〜3個のR20基で随時置換され;
Z1は、CR21=CR21、C≡C、C6-C10アリーレン、5〜10員ヘテロアリーレン、C3-C6シクロアルキレン、または3〜6員ヘテロシクロアルキレンであり;ここで、該アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキレン、およびヘテロシクロアルキレン基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
Z2は、O、NR10A、またはS(O)yであり;
R1は、H、NR12R13、NR21C(=O)R14、C(=O)R14、CO2R11、OC(=O)R11、C(=O)NR12R13、C(=NR11)NR12R13、OC(=O)NR12R13、NR21S(O)2R11、NR21C(=O)NR12R13、NR21S(O)2NR12R13、およびC(=O)NR11OR22から選択され;
R10とR10Aは、H、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、C(=O)R14、およびS(O)yR14からそれぞれ独立に選択され;ここで、該アルキルとアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R11は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールから独立に選択され;ここで該アルキルとアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R12とR13は、H、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、およびNR23R24からそれぞれ独立に選択されるか、またはR12とR13は、これらが結合している窒素とともに、3〜7員複素環を形成し;ここで、該アルキルとアリール基および複素環は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R14は、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、およびアルキルアリールから独立に選択され;ここで、該アルキル、アリールおよびアルキルアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R20は、F、Cl、Br、I、OR22、OR27、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、OHで随時置換されたC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、フェニル、5または6員ヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、OC(=O)NR23R24、NR21C(=S)R22、およびS(O)yR22から、独立に選択され;
各R21は、HとC1-C6アルキルから独立に選択され;
各R22は、H、OHで随時置換されたC1-C6アルキル、アリールアルキル、およびC6-C10アリールから独立に選択され;
各R23とR24は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールからそれぞれ独立に選択されるか、またはR23とR24は、これらが結合している窒素とともに、=Oで随時置換された3〜7員複素環を形成し;
各R25とR26は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールからそれぞれ独立に選択されるか、またはR25とR26は、これらが結合している炭素とともに、3〜7員複素環を形成し;
各R27は独立に、カルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
mは0または1であり;
nは0または1であり;
qは0、1、または2であり;
yは0、1、または2である}
により表される新規化合物、およびその立体異性体、立体異性体の混合物、またはその医薬として許容される塩を提供する。
【0018】
好ましくは、Vが結合であり、WがO、S(O)y、またはNR10である時、環Dはフェニル基により置換される。
【0019】
別の実施態様において本発明は、以下の式(II):
【化7】

{式中、
Arは:以下の:
【化8】

(式中、
Uは、CH2、O、S(O)y、またはNR10であり;
VとWは、結合、O、S(O)y、またはNR10から独立に選択され;
環A、B、およびCは、F、Cl、Br、I、OR22、OR27、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、C1-C6アルキル、フェニル、アリールアルキル、およびC(=O)R22から選択される1〜3個の基で随時置換され;
環Dは、C1-C6アルキルおよびフェニルから選択される1つの基で随時置換される)であり;
Yは、C1-C6アルキレン;C1-C4アルキレン-Z1-(C1-C4アルキレン)n;C1-C4アルキレン-Z2-C1-C4アルキレンであり;ここで、該アルキレン基は1〜3個のR20基で随時置換され;
Z1は、CR21=CR21、C≡C、C6-C10アリーレン、5〜10員ヘテロアリーレン、C3-C6シクロアルキレン、または3〜6員ヘテロシクロアルキレンであり;ここで、該アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキレン、およびヘテロシクロアルキレン基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
Z2は、O、NR10A、またはS(O)yであり;
R1は、NR21C(=O)R14、C(=O)R14、CO2R11、OC(=O)R11、C(=O)NR12R13、C(=NR11)NR12R13、OC(=O)NR12R13、NR21S(O)2R11、NR21C(=O)NR12R13、NR21S(O)2NR12R13、およびC(=O)NR11OR22から選択され;
R10とR10Aは、H、C1-C6アルキル、C(=O)R14、およびS(O)yR14からそれぞれ独立に選択され;ここで、該アルキルとアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R11は、H、C1-C6アルキルから独立に選択され;ここで、該アルキルとアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R12とR13は、H、C1-C6アルキル、およびNR23R24からそれぞれ独立に選択されるか、またはR12とR13は、これらが結合している窒素とともに、3〜7員複素環を形成し;ここで、該アルキルとアリール基および複素環は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R14は、C1-C6アルキルおよびC6-C10アリールから独立に選択され;ここで、該アルキル、アリールおよびアルキルアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R20は、F、Cl、Br、I、OR22、OR27、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、OHで随時置換されたC1-C6アルキル、フェニル、=O、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、OC(=O)NR23R24、NR21C(=S)R22、およびS(O)yR22から、独立に選択され;
各R21は、HとC1-C6アルキルから独立に選択され;
各R22は、H、OHで随時置換されたC1-C6アルキル、フェニル、およびベンジルから独立に選択され;
各R23とR24は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールからそれぞれ独立に選択されるか、またはR23とR24は、これらが結合している窒素とともに、=Oで随時置換された3〜7員複素環を形成し;
各R25とR26は、H、C1-C6アルキル、およびフェニルからそれぞれ独立に選択されるか、またはR25とR26は、これらが結合している炭素とともに、3〜7員複素環を形成し;
各R27は独立に、カルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
nは0または1であり;
qは0、1、または2であり;
yは0、1、または2である}
により表される新規化合物、およびその立体異性体、立体異性体の混合物、またはその医薬として許容される塩を提供する。
【0020】
本発明のさらなる側面は、式(A)および式(I)と(II) [ここで、YはC1-C6アルキレン、C1-C4アルキレン-Z1-C1-C4アルキレン、またはC1-C4アルキレン-Z2-C1-C4アルキレンであり、ここで該アルキレン基は、1〜3個のC1-C6アルキル基で随時置換され;Z1は、CR21=CR21、C≡C、またはフェニルであり;Z2は、O、NR10A、またはS(O)yであり;R1は、NR21C(=O)R14、C(=O)R14、CO2R11、OC(=O)R11、およびC(=O)NR12R13から選択される]の化合物を含む。他の側面において、Yは、C1-C6アルキレンまたはC1-C4アルキレン-Z1-C1-C4アルキレンである。他の側面において、YはC1-C6アルキレンである。さらなる側面において、R1はC(=O)NR12R13である。
【0021】
本発明のある側面において、式(A)および式(I)と(II) [ここでArはジベンゾフラニルである]の化合物が含まれる。他の側面は、Arがジベンゾチエニルである化合物を含む。他の側面は、Arがフルオレニルである化合物を含む。他の側面は、Arがフェニルベンゾフラニルである化合物を含む。他の側面は、Arがフェニルベンゾチオフェニルである化合物を含む。他の側面は、Arがフェニルインドリルである化合物を含む。他の側面は、Arがフェニルベンゾジオキシニルである化合物を含む。
【0022】
本発明のさらなる側面において、式(A)と式(I)および(II) [ここでArは前記実施態様の任意の値を有し、qは1である]の化合物が含まれる。
【0023】
本発明の他の側面は、式(A)および式(I)と(II) [ここでArとqは、前記実施態様の任意の値を有し、YはC1-C6アルキレンである]の化合物、特別には、YがCH2またはCH2CH2であるもの、最も特別には、YがCH2であるものを含む。
【0024】
本発明のさらなる側面は、式(A)および式(I)と(II) [ここで、Arおよびqは前記実施態様の任意の値を有し、Yは(C1-C4アルキレン)m-Z1-(C1-C4アルキレン)nであり、ここで、Z1はCR21=CR21、C≡C、C6-C10アリーレン、5〜10員ヘテロアリーレン、C3-C6シクロアルキレン、または3〜6員ヘテロシクロアルキレンである]の化合物を含む。他の側面は、YがC1-C4アルキレン-Z1であるものを含む。他の側面は、YがZ1-C1-C4アルキレンである化合物を含む。さらなる側面は、YがC1-C4アルキレン-Z1-C1-C4アルキレンである化合物を含む。
【0025】
本発明のさらなる側面は、式(A)および式(I)と(II) [ここで、Ar、Yおよびqは前記実施態様の任意の値を有し、Z1はCR21=CR21またはC≡Cである]の化合物を含む。他の側面は、Z1がC6-C10アリーレンまたはC3-C6シクロアルキレンである化合物、特別には、Z1がフェニルであるものを含む。他の側面は、Z1が5〜10員ヘテロアリーレンまたは3〜6員ヘテロシクロアルキレンである化合物を含む。
【0026】
本発明のさらなる態様は、式(A)および式(I)と(II) [ここで、Arおよびqは前記実施態様の任意の値を有し、Yは(C1-C4アルキレン)m-Z2-(C1-C4アルキレン)nであり、ここでZ2はO、NR10A、またはS(O)yである]の化合物を含む。他の側面は、YがC1-C4アルキレン-Z2であり、R1がHではないものを含む。他の側面は、YがC1-C4アルキレン-Z2-C1-C4アルキレンである化合物を含む。さらなる側面は、Z2がOであるYの任意の上記実施態様を含む。さらなる側面は、Z2がNR10AであるYの任意の上記実施態様を含む。
【0027】
本発明のさらなる側面は、式(A)および式(I)と(II) [ここでAr、Y、Z1およびZ2、およびqは前記実施態様の任意の値を有し、そして、R1は以下の13項から選択される任意の値でもよい]の化合物を含む:
【化9】

【0028】
本発明の他のさらなる態様は、式(A)および式(I)と(Ia) [ここでAr、Y、Z1およびZ2、およびqは前記実施態様の任意の値を有し、R1は上記13項から選択される値の組合せでもよい]の化合物を含む。上記13項は組合せて、本発明の化合物のさらなる好適な実施態様を規定してもよい。例えば1つのかかる組合せは、NR12R13、NR21C(=O)R14、C(=O)R14、CO2R11、OC(=O)R11、C(=O)NR12R13、C(=NR11)NR12R13、OC(=O)NR12R13、NR21S(O)2R11、NR21C(=O)NR12R13、NR21S(O)2NR12R13、C(=O)NR11R23R24、C(=O)NR11OR22、およびC(=O)NR11OR22を含む。
【0029】
他のかかる組合せは、NR12R13を含み、ここでR12とR13は、HとC1-C6アルキル;NR21C(=O)R14;C(=O)NR12R13;C(=NR11)NR12R13、およびNR21C(=O)NR12R13からそれぞれ独立に選択される。
【0030】
第3のかかる組合せは、C(=O)R14、CO2R11、OC(=O)R11、C(=O)NR12R13、OC(=O)NR12R13、NR21S(O)2R11、およびNR21S(O)2NR12R13を含む。
【0031】
第4のかかる組合せは、NR21C(=O)R14、C(=O)R14、CO2R11、OC(=O)R11、C(=O)NR12R13、およびC(=O)NR11OR22を含む。
【0032】
第5のかかる組合せは、NR21C(=O)R14およびC(=O)NR12R13を含む。
【0033】
本発明のさらなる側面において、以下の式(III)及び(IV):
【化10】

{式中、U、VおよびWは前記実施態様の任意の値を有する}により表される化合物が含まれる。
【0034】
本発明のさらなる側面は、式(A)、および式(I)〜(IV)[ここで、Ar、Y、Z1、Z2、R1、およびqは、前記実施態様の任意の値を有し、R12とR13は、HおよびC1-C6アルキルからそれぞれ独立に選択される]の化合物を含む。
【0035】
本発明の他の側面は、式(A)、および式(I)〜(IV)[ここで、Ar、Y、Z1、Z2、R1、およびqは、前記実施態様の任意の値を有し、R12とR13は、これらが結合している窒素とともに3〜7員複素環を形成する]の化合物、特別には、複素環がヘテロシクロアルキル基であるもの、より特別には、複素環基がピロリジンまたはピペリジンであるものを含む。ある側面において、複素環は1つのR20で置換される。他の側面において複素環は置換されない。
【0036】
好適な実施態様において、Arはジベンゾフラニル(U=O)、ジベンゾチオフェニル(U=S)、またはフルオレニル(U=CH2またはCR25R26)である。
【0037】
好ましくはかかるAr基の環AまたはBは、Cl、F、またはOR22で置換され、ここでR22は好ましくは(C1-C6)アルキル基(例えば、OCH3基)である。
【0038】
他の好適な実施態様において、Arはベンゾフラニル(Wは結合であり、VはOである)、ベンゾチオフェニル(Wは結合であり、VはSである)、インドール(Wは結合であり、VはNである)、またはベンゾジオキシニル(W=V=O)である。
【0039】
好ましくはかかるAr基の環DはフェニルまたはClで置換される。
【0040】
好適な実施態様において、qは0または1である。
【0041】
好ましくは、Yは非置換(C1-C6)アルキレン基、さらに好ましくはCH2基またはCH2CH2基であり、最も好ましくはCH2基である。
【0042】
好適な実施態様において、R1は、C(=O)NR12R13であり、ここでR12とR13は独立にH、NR23R24、(C1-C6)アルキルであるか、またはこれらが結合している窒素原子とともに、3〜7員複素環を形成する。
【0043】
好適な実施態様において、R12および/またはR13はNR12R13であり、ここでR23とR24はこれらが結合している窒素とともに3〜7員複素環を形成、特に5〜6員環複素環(例えばモルホリン)を形成する。
【0044】
別の好適な実施態様において、R12および/またはR13は1〜3個のR20基で随時置換されたメチル、エチル、プロピル、i-プロピルから選択される(C1-C6)アルキル基である。
【0045】
この意味で(C1-C6)アルキル基であるR12および/またはR13の好適な置換基は、OR22、NR23R24である。
【0046】
置換基OR22の例は、OHおよびOHにより随時置換されたO(C1-C6)アルキル(例えば、OCH2CH2OH)である。
【0047】
置換基NR23R24の例は、R23とR24がこれらが結合している窒素とともに3〜7員複素環を形成、特に5〜6員複素環、例えばピロリジン、ピペラジンまたはモルホリンを形成し、ピロリジンは=Oにより随時置換されるようなものである。
【0048】
別の好適な実施態様において、R12とR13がこれらが結合している窒素原子とともに3〜7員複素環を形成し、ここで複素環は好ましくは5〜6員環複素環(例えばピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、またはモルホリニル)である。
【0049】
複素環は、置換されてもまたは置換されなくてもよい。
【0050】
好適な複素環の置換基は、OR22、=O、C(=O)R22、CO2R22、C(=O)NR23R24、1〜3個のOHで随時置換された(C1-C6)アルキルである。
【0051】
置換基OR22の例は特にOHである。
【0052】
置換基C(=O)R22の例は、特にR22がHまたは(C1-C6)アルキル、例えばC(=O)HまたはC(=O)CH3であるものである。
【0053】
置換基CO2R22の例は、特にR22が(C1-C6)アルキルまたはアリールアルキル(例えば、CO2tBu、CO2EtおよびCO2CH2Ph)であるものである。
【0054】
C(=O)R23R24置換基の例は、特にR23とR24が独立にHまたは(C1-C6)アルキル、例えばC(=O)NH2、C(=O)NH(CH3)2、C(=O)NH(iPr)であるもの、またはR23とR24がこれらが結合している窒素とともに3〜7員複素環を形成、特に5〜6員環複素環(例えばピロリジン)を形成するようなものである。
【0055】
1〜3個のR20基で置換された(C1-C6)アルキル基の例は、特にメチル、エチル、プロピル、-CH2CH2CH2OHである。
【0056】
本発明の好適な実施態様において、式(A)と以下の式(I):
【化11】

{式中、Ar、q、Y-R1は後述の表1で定義される}の化合物が提供される。
【0057】
上記Ar基上の位置は以下のように番号付けされる:
【化12】

【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【0060】
【表3】

【0061】
【表4】

【0062】
【表5】

【0063】
【表6】

【0064】
【表7】

【0065】
【表8】

【0066】
【表9】

【0067】
【表10】

【0068】
第2の実施態様において本発明は、治療の必要な対象に、治療的有効量の式(A)および式(I)の化合物またはその医薬として許容される塩を投与することを含んでなる、疾患の治療法を提供する。好適な実施態様において本発明は、疾患または障害を治療または予防(眠気の治療、覚醒の促進および/または改善、好ましくはナルコレプシー、睡眠時無呼吸、好ましくは閉塞性睡眠時無呼吸/呼吸低下、およびシフト勤務障害が引き起こす過度の眠気を有する患者の覚醒の改善;パーキンソン病;アルツハイマー病;脳虚血;卒中;摂食障害;注意欠陥障害(「ADD」)、注意欠陥多動性障害(「ADHD」);うつ病;統合失調症;疲労、好ましくは癌または神経疾患(例えば多発性硬化症および慢性疲労症候群)が引き起こす疲労の治療;食欲刺激と体重増加、および認知機能不全の改善を含む)する方法を提供する。
【0069】
好ましくは、Vが結合であり、WがO、S(O)y、またはNR10である時、環Dはフェニル基により置換される。
【0070】
第3の実施態様において本発明は、式(A)と式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供し、ここで組成物は、1つ以上の医薬として許容される賦形剤と治療的有効量の少なくとも1つの本発明の化合物またはその医薬として許容される塩もしくはエステル型を含む。
【0071】
好ましくは、Vが結合であり、WがO、S(O)y、又はNR10であるとき、環Dはフェニル基により置換される。
【0072】
好ましくは、UがCH2であり;かつYがC1-C6アルキレンで随時置換されたC1-C6アルキレンであり;かつR1がCHNH2またはCO2R11(R11=HまたはC1-C6アルキルである、化合物は除外される。
【0073】
第4の態様において本発明は、疾患または障害の治療用の薬剤の製造のための、式(A)と式(I)の化合物またはその医薬として許容される塩の使用を提供する。
【0074】
好ましくは、Vが結合であり、WがO、S(O)y、またはNR10である時、環Dはフェニル基により置換される。
【0075】
これらおよび他の目的、ベンジル−チオアルキル誘導体の特徴と利点は、本開示の以下の詳細な説明において開示される。
【0076】
定義
本明細書に含まれる以下の用語と表現は以下のように定義される。
【0077】
本明細書において用語「約」は、特定の値の±10%の値の範囲を意味する。例えば用語「約50mg」は、50の±10%、すなわち45〜55mgを含む。
【0078】
本明細書において「x〜y」または「xからy」または「xからyまで」の値の範囲は、x、y、およびこの間の整数を含む。例えば用語「1〜6」または「1から6」または「1から6まで」は、整数1、2、3、4、5および6を含むものとする。好適な実施態様は、範囲内の各整数とともに、整数の任意の組合せを含む。例えば「1〜6」の好適な整数は、1、2、3、4、5、6、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、2〜3、2〜4、2〜5、2〜6などを含むことができる。
【0079】
本明細書において「安定な化合物」または「安定な構造」は、ある化合物が反応混合物からの有用な程度の純度までの単離に充分耐えること、および好ましくは有効な治療薬に製剤することができることを意味する。本発明は安定な化合物にのみ関する。
【0080】
本明細書において用語「アルキル」は、1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソアミル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、ヘキシル、オクチルなどを意味する。アルキル含有基(例えば、アルコキシ、アルコキシカルボニル、およびアルキルアミノカルボニル基)のアルキル成分は、上記アルキルで定義したものと同じ意味を有する。好適な低級アルキル基は、1〜4個の炭素を含有する上記のアルキル基である。「C1-C4アルキル」のような記載は、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を意味する。
【0081】
本明細書において用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素2重結合を有する2〜8個の炭素原子の直鎖または分岐した炭化水素鎖を意味する。「C2-C8アルケニル」という用語は、2〜8個の炭素原子を含有するアルケニル基を意味する。アルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、2,4-ペンタジエニルなどがある。
【0082】
本明細書において用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素3重結合を有する2〜8個の炭素原子の直鎖または分岐した炭化水素鎖を意味する。「C2-C8アルキニル」という記載は、2〜8個の炭素原子を含有するアルキニル基を意味する。例には、エチニル、プロピニル、イソプロピニル、3,5-ヘキサジイニルなどがある。
【0083】
本明細書において用語「アルキレン」は、1〜8個の炭素原子の置換または非置換の分岐鎖または直鎖の炭化水素を意味し、これは2つの水素原子の除去により形成される。「C1-C4アルキレン」という記載は、1〜4個の炭素原子を含有するアルキレン基を意味する。例は、メチレン(-CH2-)、プロピリデン(CH3CH2CH=)、1,2-エタンジイル(-CH2CH2-)などを含む。
【0084】
本明細書において用語「フェニレン」は、さらに水素原子が除去されたフェニル基、すなわち以下の構造:
【化13】

を有する残基を意味する。
【0085】
本明細書において用語「炭素環」、「炭素環式(carbocyclic)」または「炭素環式(carbocyclyl)」は、飽和、部分的に飽和または不飽和で、3〜10個の環炭素原子を含有する、置換または非置換の安定な単環式または二環式炭化水素環系を意味する。従って炭素環基は芳香族または非芳香族でもよく、本明細書で定義したシクロアルキルおよびアリール化合物を含む。炭素環基の環内炭素原子を連結する結合は、1重結合、2重結合、3重結合、または縮合芳香族成分の一部でもよい。
【0086】
本明細書において用語「シクロアルキル」は、3〜10個の炭素原子を含有する飽和または部分的飽和された単環式もしくは二環式アルキル環系を意味する。「C5-C7シクロアルキル」という記載は、5〜7個の環炭素原子を含有するシクロアルキル基を意味する。好適なシクロアルキル基は、5または6個の環炭素原子を含有するものを含む。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ピネニル、およびアダマンタニルなどの基がある。
【0087】
本明細書において用語「アリール」は、6〜12個の環炭素原子を有する置換または非置換の単環式または二環式炭化水素芳香環系を意味する。例にはフェニルおよびナフチルがある。好適なアリール基には、非置換のまたは置換されたフェニルおよびナフチル基がある。「アリール」の定義に含まれるのは縮合環系であり、例えば芳香環がシクロアルキル環に縮合した環系がある。かかる縮合環系の例には、例えばインダン、インデン、およびテトラヒドロナフタレンがある。
【0088】
本明細書において用語「複素環」、「複素環式」または「ヘテロシクリル」は、環部分が少なくとも1つのヘテロ原子(例えばO、N、またはS)を含む置換または非置換の炭素環基を意味する。窒素およびイオウヘテロ原子は随時酸化され、窒素は非芳香環において随時置換されてもよい。複素環は、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキル基を含むとされる。
【0089】
本明細書において用語「ヘテロシクロアルキル」は、1つ以上の環炭素原子が少なくとも1つのヘテロ原子(例えば-O-、-N-、または-S-)により置換されたシクロアルキル基を意味する。ヘテロシクロアルキル基の例には、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラザリニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロフラニル、ジチオリル、オキサチオリル、ジオキサゾリル、オキサチアゾリル、ピラニル、オキサジニル、オキサチアジニル、およびオキサジアジニルがある。
【0090】
本明細書において用語「ヘテロアリール」は、1つ以上の環炭素原子が少なくとも1つのヘテロ原子(例えば-O-、-N-、または-S-)により置換された、5〜10個の環炭素原子を含有する芳香族基を意味する。ヘテロアリール基の例には、ピロリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサチオリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、オキサトリアゾリル、フラザニル、テトラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、プリニル、キナゾリニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチオフェニル、チアナフテニル、ベンゾキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、シノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、およびキノキサリニルがある。「ヘテロアリール」の定義に含まれるのは、例えば芳香環がヘテロシクロアルキル環に縮合した環系を含む縮合環系である。かかる縮合環系の例には、例えばフタルアミド、無水フタル酸、インドリン、イソインドリン、テトラヒドロイソキノリン、クロマン、イソクロマン、クロメン、およびイソクロメンがある。
【0091】
本明細書において用語「アラルキル」は、アリール基で置換されたアルキル基を意味する。アラルキル基の例には、特に限定されないが、ベンジル、ブロモベンジル、フェネチル、ベンズヒドリル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、ジフェニルエチル、ナフチルメチルなどがある。
【0092】
本明細書において用語「アミノ酸」は、アミノ基とカルボキシル基を含有する基を意味する。アミノ酸の例には、α−アミノ酸、β−アミノ酸、γ−アミノ酸がある。α−アミノ酸は、一般式HOOC-CH(側鎖)-NH2を有する。ある実施態様において本発明の化合物の置換基は、そのカルボキシル基のヒドロキシル成分を除去した後のアミノ酸の残基、すなわち式-C(=O)CH(NH2)-(側鎖)の基を含む。アミノ酸はD、Lまたはラセミ構造でもよい。アミノ酸は、天然に存在する成分および天然に存在しない成分を含む。天然に存在するアミノ酸は、タンパク質中に存在する標準的な20個のα−アミノ酸、例えばグリシン、セリン、チロシン、プロリン、ヒスチジン、グルタミンなどを含む。天然に存在するアミノ酸はまた、非α−アミノ酸(例えば、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、ホモシステインなど)、まれなアミノ酸(例えば、4-ヒドロキシルプロリン、5-ヒドロキシリジン、3-メチルヒスチジンなど)、および非タンパク質アミノ酸(例えば、シトルリン、オルニチン、カナバニンなど)がある。天然に存在しないアミノ酸は当該分野で周知であり、天然のアミノ酸の類似体を含む。Lehninger, A.L. 「生化学(Biochemistry)」、第2版:ワースパブリッシャーズ(Worth Publishers)、ニューヨーク、1975;71-77(その開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる)を参照されたい。天然に存在しないアミノ酸はまた、側鎖が合成誘導体で置換されたα−アミノ酸を含む。天然に存在するおよび天然に存在しないα−アミノ酸の代表的側鎖を以下の表Aに示す。
【表11】

【0093】
本明細書において用語「対象」は、本明細書に記載の1つ以上の疾患または症状に罹っているかまたは罹る可能性を有する、哺乳動物のような温血動物、好ましくはヒト、またはヒトの子供を意味する。
【0094】
本明細書において「治療的有効量」は、特定の障害の症状を予防または治療するのに有効な本発明の化合物の量を意味する。かかる障害には、特に限定されないが、本明細書に記載の受容体の異常な活性が引き起こす病理学的及び神経学的障害を含み、ここで治療または予防は、受容体に本発明の化合物を接触させることにより、その活性を阻害、誘導、または増強することを含む。
【0095】
本明細書において用語「医薬として許容される」は、正常な医学的判断の範囲内で、妥当な便益/リスク比につりあった過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題になる合併症のないヒトや動物の組織への接触に適した、化合物、物質、組成物、および/または剤形を意味する。
【0096】
本明細書において用語「単位用量」は、患者に投与することができ、容易な取り扱い及びパッケージングが可能な単一の用量で、活性化合物自体を含む物理的および化学的に安定な単位用量として、または後述の医薬として許容される組成物として存在できる単位用量を意味する。
【0097】
本発明の説明で使用されるすべての他の用語は、当該分野で周知の意味を有する。
【0098】
別の側面において本発明は、上記化合物の医薬として許容される塩に関する。本明細書において「医薬として許容される塩」は、かかる化合物と非毒性の酸付加塩もしくは塩基付加塩との組合せから得られる本発明の化合物の塩を含む。
【0099】
酸付加塩は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸、ならびに有機酸、例えば酢酸、クエン酸、プロピオン酸、酒石酸、グルタミン酸、サリチル酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、コハク酸、および安息香酸、および関連する無機酸や有機酸を含む。
【0100】
塩基付加塩には、無機塩基、例えばアンモニウム、アルカリおよびアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩などから得られる塩、ならびに塩基性有機アミン、例えば脂肪族および芳香族アミン、脂肪族ジアミン、ヒドロキシアルカミンなどから得られる塩を含む。本発明の塩を調製するのに有用なかかる塩基は、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、メチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、シクロヘキシルアミン、エタノールアミンなどがある。
【0101】
医薬として許容される塩以外に、他の塩が本発明に含まれる。これらは、化合物の精製、他の塩の調製、又は化合物若しくは中間体の同定と性状解析において中間体として機能する。
【0102】
本発明の化合物の医薬として許容される塩はまた、例えば水、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなどとの種々の溶媒和物として存在してもよい。かかる溶媒和の混合物を調製することもできる。かかる溶媒和物の供給源は、結晶化の溶媒、調製または結晶化の溶媒中に固有の溶媒、またはかかる溶媒に付随的な溶媒でもよい。かかる溶媒和物は本発明の範囲内である。
【0103】
本発明はまた、本明細書に開示の化合物の医薬として許容されるプロドラッグを包含する。本明細書において「プロドラッグ」は、対象の体内の代謝過程により本発明の範囲内の式を有する活性物質に変換される任意の化合物を含む。プロドラッグは薬剤の多くの好ましい性質(例えば、溶解度、生物学的利用能、製造性など)を増強することが知られているため、本発明の化合物はプロドラッグ型で送達されてもよい。適当なプロドラッグ誘導体の選択と調製のための従来法は、例えば「プロドラッグ(Prodrugs)」、Sloane, K.B.編;マーセルデッカー(Marcel Dekker);ニューヨーク、1992(参照することにより本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0104】
本発明の化合物は種々の立体異性体型で存在してもよいことは認識されている。従って本発明の化合物は、ジアステレオ異性体と鏡像異性体の両方を含む。この化合物は通常ラセミ体として調製され、そのまま便利に使用されることができるが、個々の鏡像異性体を単離し、または所望であれば従来法により合成してもよい。かかるラセミ体および個々の鏡像異性体およびこれらの混合物は本発明の一部を構成する。
【0105】
かかる光学活性型を調製し単離する法は当該分野で公知である。具体的な立体異性体は、鏡像異性体的に純粋なまたは鏡像異性体的に濃縮された出発物質を使用して、立体特異的合成により調製することができる。出発物質または生成物の特定の立体異性体は、当該分野で公知の方法(例えば、ラセミ体の分離、通常の、逆相、およびキラルクロマトグラフィー、再結晶化、酵素的分離、またはこの目的に使用される試薬により形成される付加塩の分別再結晶化)により分離し回収することができる。具体的な立体異性体を分離し回収する有用な方法は、Eliel, E.L.;Wilen, S.H. 「有機化合物の立体化学(Streochemistry of Organic Compounds)」;ワイリー(Wiley);ニューヨーク、1994、およびJacques, J.ら、「鏡像異性体、ラセミ体、および分離(Enatiomers, Racemates, and Resolutions)」;ワイリー(Wiley);ニューヨーク、1981(それぞれ参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0106】
式Iの化合物上に存在する官能基は保護基を含有してもよいことが、さらに認識されている。例えば式Iの化合物のアミノ酸側鎖置換基は、ベンジルオキシカルボニルまたはt-ブトキシカルボニル基のような保護基で置換することができる。保護基自体は、例えばヒドロキシル基やカルボキシル基のような官能基に選択的に付加するかまたはそこから除去することができる化学官能基である。これらの基は化合物上に存在して、化合物が暴露される化学反応条件に対してかかる官能基を不活性にしている。種々の保護基の任意のものが本発明で使用される。好適な保護基には、ベンジルオキシカルボニル(Cbz;Z)基およびtert-ブチルオキシカルボニル(Boc)基がある。本発明の他の好適な保護基は、Greene, T.W.とWuts, P.G.M.、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、第2版、ワイリーアンドサンズ(Wiley and Sons)、1991年に記載されている。
【0107】
合成
本発明の化合物は、当業者に公知の多くの方法で調製することができ、特に限定されないが、以下に記載するもの、または有機合成の分野で当業者に公知の標準的方法を応用してこれらの方法を修飾することにより調製することができる。本発明に関連して開示されるすべての方法は、任意のスケール(ミリグラム、グラム、マルチグラム、キログラム、マルチキログラム、または商業的工業的スケール)で実施されると考えられる。
本発明の化合物は、1つ以上の非対称に置換された炭素原子を含有し、光学活性型またはラセミ体型で単離してもよい。すなわち、特定の立体化学または異性体が具体的に記載されていないなら、ある構造のすべてのキラル、ジアステレオ異性体、ラセミ体型、およびすべての幾何異性体が企図される。かかる光学活性型の調製法は当該分野で周知である。例えば立体異性体の混合物は、特に限定されないが、ラセミ体の分離、通常のクロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、およびキラルクロマトグラフィー、選択的塩形成、再結晶化などにより、または活性出発物質からのキラル合成、または標的中心の計画的キラル合成により分離することができる。
【0108】
容易に理解されるように、式Iの化合物上に存在する官能基は保護基を含有してもよい。例えば式Iの化合物のアミノ酸側鎖置換基は、ベンジルオキシカルボニルまたはt-ブトキシカルボニル基のような保護基で置換することができる。保護基自体は、例えばヒドロキシル基やカルボキシル基のような官能基に選択的に付加するかまたはそこから除去することができる化学官能基である。これらの基は化合物上に存在して、化合物が暴露される化学反応条件に対してかかる官能基を不活性にしている。種々の保護基の任意のものが本発明で使用される。好適な保護基には、ベンジルオキシカルボニル(Cbz;Z)基およびt-ブチルオキシカルボニル(Boc)基がある。本発明の他の好適な保護基は、Greene, T.W.とWuts, P.G.M.、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、第2版、ワイリーアンドサンズ(Wiley and Sons)、1991年に記載されている。
【0109】
本発明の表1に示した例を調製するための一般的経路は、スキームAとスキームBに示される。試薬および出発物質は市販されているか、または当業者により周知の方法を使用して容易に合成することができる。合成スキームのすべての置換基は、特に明記しない場合は前記で定義したものである。
【0110】
【化14】

【0111】
スキームA:一般的構造I(IaとIb)の化合物の合成
工程1:qは0である一般的構造Iaの化合物の合成:
一般式Iaの化合物は、それぞれルートA、B、CまたはDを介して合成される。
ルートA
一般式A(ここでArは最終生成物で定義されるものである)の随時置換された適切なアリールまたは複素環式芳香族は、一般的構造D(ここでYとR1は上記で定義したものである)と、塩化メチレンなどの非極性溶媒(CHCl3、CS2、CCl4)中でルイス酸(Sn、Cl4、AlCl3、ZnI2など)の存在下で0℃で窒素雰囲気下で反応させて、化合物Ia(ここで、Ar、YおよびR1は上記で定義したものである)を得る。完了後、反応混合物を濃縮し、化合物Iaを当業者により一般的に使用されている従来法により単離する。
【0112】
場合により前記で調製した一般的構造Ia(R1=COOR)のエステルを、無機塩基M-OH(例えばNaOH、LiOH、NH4OHなど)の存在下で加水分解して、対応する酸性Ia(R1=COOH)を得る。
【0113】
ルートB
工程Iaで、クロロホルムなどの非プロトン性溶媒(CH2Cl2、トルエン、CCl4...)に溶解した適切な化合物B(ここでArは最終生成物で定義されるものである)をチオアセトアミドを用いて60〜100℃、好ましくは還流温度で2〜5時間の範囲の時間処理する。反応混合物を室温まで冷却(ある場合には、氷浴が必要である)し、沈殿した固体を随時ろ過し、塩化メチレンで完全に洗浄して適切なEを生成する。
【0114】
工程1bで化合物Eに、構造LG-Y-R1(ここでYとR1は上記で定義したものであり、LGは適当な脱離基である(例えばCl、Brのようなハロゲン原子))の適切な化合物Gにより置換反応を行い、一般的構造Ia(ここでqは0であり、YとR1は上記で定義したものである)の化合物を生成する。
【0115】
場合により前記で調製した一般的構造Ia(R1=COOR)のエステルは、無機塩基M-OH(例えばNaOH、LiOH、NH4OHなど)の存在下で加水分解して、対応する酸Ia(R1=COOH)を得る。
【0116】
ルートC
工程Iaで、適当な化合物C(ここでArは最終生成物で定義されるものである)のアルコール成分は、一般式Fの対応するチオウロニウムに変換される。
【0117】
ある側面において、化合物Cにチオ尿素および適当な酸を反応させて化合物Fが生成される。適当な酸には、特に限定されないが臭化水素酸、塩酸、硫酸がある。
【0118】
例えば、48% HBrと水の中のチオ尿素の適当量を加温(好ましくは60〜70℃)し、次に化合物Cを添加する。反応混合物を還流し、さらに反応が完了するまでの時間攪拌を続ける。反応混合物を室温(ある場合には、氷浴が必要になる)まで冷却し、沈殿する固体を随時ろ過し、水で完全に洗浄して適当なチオウロニウム塩を得る。時に固体の代わりに油状物が得られる:この場合、油状物はデカントして水で完全に洗浄され、直接工程1bで使用される。
【0119】
工程1bでチオウロニウム塩をまず対応するチオールに変換し、これはさらに、一般的構造LG-Y-R1(ここでYとR1は定義されたものであり、LGは適当な脱離基である(例えばCl、Brのようなハロゲン原子))(化合物G)の適切な反応物により置換反応を受け、化合物Ia(ここでqは0であり、YとR1は上記で定義されたものである)を生成する。
【0120】
例えば前の工程からの構造Fの湿った固体(または残存する水を含む油状物)をさらに水に入れて、水性塩基(好ましくは水酸化ナトリウム溶液)で処理する。混合物を好ましくは70〜80℃まで加温するが、ある場合には、より高温が必要であり、適切な量の水(ある場合には、アルコール性溶媒)中のLG-Y-R1を加える。反応混合物を適切な時間還流し、冷却し、水に入れ、有機溶媒(好ましくはエーテル)で洗浄する。塩基性水層を無機酸溶液(例えば、HCl水溶液)で酸性化する。次に水溶液(酸性)を数回有機溶媒(例えば、エーテルまたは酢酸エチル)中に抽出する。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4またはNa2SO4)し、濃縮して粗生成物を得て、これを次の工程で直接使用する。しかし、公知の精製法(例えば、再結晶化またはカラムクロマトグラフィー)を使用して精製を行い、純粋な化合物Ia(ここで、qは0であり、YとR1は最終生成物で定義されるものである)を得ることができた。
【0121】
ルートD
さらに工程1cでは、化合物C(ここでArは最終生成物で定義されるものである)は、一般的構造H(ここでYとR1は最終生成物Iaで定義されるものである)の適当なチオ誘導体と、ZnI2の存在下で反応させて対応する化合物Iaに変換する。反応は、窒素雰囲気下で行うことが適切である。
【0122】
あるいは化合物Ia(ここでR1はCOOHである)は、当業者に公知の方法を使用して対応するアルキルエステル(R1はCOORである)に変換させる。
【0123】
ルートE
一般式B(ここでArは上記で定義したものである)の溶液は、一般式H(ここでYとR1は上記で定義したものである)の適切な化合物と、極性非プロトン性溶媒(例えばDMF)とアルカリン混合物中で40〜100℃で反応させる。完了したら、反応混合物を濃縮し、当業者により一般的に使用されている慣用法により化合物Iaを単離する。
【0124】
工程2:qは1または2である一般的構造Ibの化合物の合成
qが0である構造Iaの化合物は、随時酸化されてqが1または2である構造Ibの化合物を得る。qが1である一般的構造Ibの化合物は、qが0である化合物Iaを適切な溶媒中で適切な酸化剤と穏和な酸化条件下で反応させて調製する。適切な酸化剤は、化合物Iaのスルフィド基を酸化させるものである。対応する生成物を単離し、当該分野で周知の方法で精製する。
【0125】
例えば酢酸中の化合物Iaの溶液に、酢酸中の適切な酸化剤(例えば、30重量% H2O2、1当量)をゆっくり加える。低温で出発物質が消失(種々の分析法により証明される)するまで攪拌を続ける。反応混合物を濃縮する。所望の生成物(qが1である化合物Ib)を、必要であれば、公知の精製法(好ましくは、カラムクロマトグラフィーおよび/または結晶化)を使用して精製する。ある場合には、氷酢酸溶媒中で50% H2O2を使用して酸化を行う。
【0126】
qが2である式Ibの化合物は、酸性媒体中のH2O2(2当量より多い)のようなより強い反応条件下で、好ましくは室温と溶媒の沸騰温度の間の温度(好ましくは40〜60℃)で、所望の生成物を得るのに十分な時間、通常約2〜10時間、好ましくは約8時間加熱して得られる。
【0127】
【化15】

【0128】
スキームB:一般的構造I(Ia、Ib、IcおよびId)の化合物の合成
化合物Iaは、スキームAの工程1について記載した一般的方法に従って得られた。次に2つの異なる合成ルートを随時使用して、R1がC(=O)NR12R13である化合物Idを得る。
【0129】
工程2:qが0である一般構造Icの化合物の合成
工程2では、一般式Ia(qは0であり、Rはアルキルである)の適切なカルボン酸エステルに一般的構造NHR12R13の適切なアミンを反応させて、一般式Ic(ここでqは0であり、Y、ArおよびR12とR13は最終生成物で定義されるものである)の対応するアミドに変換する。水酸化アンモニウム水溶液(28%)またはアンモニアのメタノール溶液またはアンモニアガスと反応させて、所望の化合物Ic(ここでR12=R13=H)を得る。
【0130】
あるいは工程2では、一般式Ia(ここでqは0かつR=Hである)の適切なカルボン酸に、一般的式NHR12R13の適切なアミン、カップリング試薬(例えばEDCIまたはDCCI)またはポリマー支持カップリング剤(N-シクロヘキシルカルボジイミド)、および随時塩化メチレンなどの非プロトン性溶媒中のHOBTを反応させて、一般式Ic(ここでqは0である)のアミドを得る。適切なアミンは、最終生成物で定義されたR12とR13に対応するものである。ある場合には、適切なアミドがtert-ブチルオキシカルボニル(「Boc」)などの保護基を第2の窒素基の上に有する時、保護基は次の工程で除去される。「Boc」の脱保護は、室温で1,4-ジオキサン中の4N HClまたはCH2Cl2中のトリフルオロ酢酸などの酸処理により行われる。
【0131】
工程3:qが1または2である一般的構造Idの化合物の合成
qが0である構造Icの化合物を随時酸化して、スキームAの工程2で前記した方法に従って、qが1または2である構造Idの化合物を生成する。
【0132】
あるいは工程2では、qが0である化合物Iaを酸化して、qが1または2である一般的構造Ibの対応する化合物を生成し、次にこれを適切にアミド化して、スキームBの工程3の化合物Idを得る。
【実施例】
【0133】
本発明の他の特徴は、例示的な実施態様の以下の説明の過程で明らかになるであろう。これらの実施例は本発明を例示するためであって、決してこれを限定するものではない。
【0134】
1) 化合物Bの合成
2-ブロモメチル-1-ジベンゾフラン 1aの合成
【化16】

【0135】
化合物1a:
1リットルの酢酸と135mlの48% HBr中のジベンゾフラン(93.5g, 0.557M)、トリオキサン(20g, 0.222M)および臭化ミリスチルトリメチルアンモニウム(6.2g, 18.5mmol)の混合物を50〜60℃で28時間攪拌し、次に濃縮した;残渣を塩化メチレンに溶解し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して粗臭化物1aを得た。化合物1aをさらに精製することなく次の工程に使用した。
【0136】
7-クロロ-1-ブロモメチル-ジベンゾフラン1b、8-クロロ-1-ブロモメチル-ジベンゾフラン1c、および7,8-ジクロロ-1-ブロモメチル-ジベンゾフラン1dの合成
【化17】

【0137】
1) 2,4-ジクロロ-ベンゾスルホン酸2-アミノ-3-メチル-フェニルエステルの合成
200mlの塩化メチレン中の塩化2,4-ジクロロ-ベンゼンスルホニル(20.2g, 82.3mmol)と2-アミノ-m-クレゾール(11g, 89.4mmol)の混合物に、トリエチルアミン(8.5g, 83.4mmol)を5℃で滴下して加えた。混合物を周囲温度で16時間攪拌した。
【0138】
反応を水(500ml)で反応停止し、有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン)により精製して、26.2gの橙色の油状物を得て、これを放置すると結晶化した。
【化18】

【0139】
2) 2,4-ジクロロ-ベンゼンスルホン酸2-アミノ-3-メチル-フェニルエステルのジアゾニウム塩の合成
無水エタノール(200ml)中の2,4-ジクロロ-ベンゼンスルホン酸2-アミノ-3-メチル-フェニルエステル(26.2g, 78.9mmol)の懸濁液に、5℃でテトラフルオロホウ酸-ジメチルエーテル錯体(21.5g, 160mmol)を窒素下で加えて溶液を得て、次に80mlのエタノール中の窒化イソアミル(11.6g, 95.2mmol)の溶液を20分間で滴下して加えて懸濁液を得た。混合液を攪拌し、5℃に1時間維持し、次に懸濁液をろ過し、エーテルで洗浄し、真空下で乾燥して32.9gのジアゾニウム塩を白色の粉末として得た。
【0140】
この化合物は次の工程用に充分純粋であった。
【0141】
3) 2',4'-ジクロロ-6-メチル-ビフェニル-2-オールの合成
280mlのアセトン中のジアゾニウム(32.9g, 76.2mmol)の懸濁液に、水性HCl中のTiCl3の溶液(20〜30重量% HCl中>10重量%、250ml)を5℃で30分間滴下して加えた。反応をさらに2時間維持し、次に300mlの水で希釈し、塩化メチレンで抽出した(2×200ml)。一緒にした抽出物を水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して粗生成物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル、5/1)により2回精製して、16.5gの黄色の油状物を得た。
【化19】

【0142】
4) 7-クロロ-1-メチル-ジベンゾフランの合成
200mlのピリジン中の2',4'-ジクロロ-6-メチル-ビフェニル-2-オール(8.75g, 34.7mmol)、K2CO3(25g, 180mmol)およびCuO(17g, 214mmol)の混合液を窒素下で2時間還流した。蒸留してピリジンを除去した。残渣に200mlの水と200mlの塩化メチレンとを加え、生じた混合液をセライトでろ過した。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル、5/1)により精製して、6.27gのベージュ色の固体を得た。
【化20】

【0143】
5) 7-クロロ-1-ブロモメチル-ジベンゾフラン:1bの合成
テトラヒドロフラン(100ml)中の7-クロロ-1-メチル-ジベンゾフラン(6.27g, 29.1mmol)、N−ブロモスクシニミド(5.4g, 30.3mmol)および過酸化ジベンゾイル(0.82g, 3.4mmol)の混合液を3時間加熱還流し、次に約50mlに濃縮した。生じた懸濁液をろ過し、CCl4ですすいだ。固体を塩化メチレンに溶解し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して6.16gのベージュ色の固体を得た。
【化21】

【0144】
化合物1cと1d
化合物1c1dは、化合物Ibについて記載したプロトコールに従って合成した。
塩化2,5-ジクロロベンゼンスルホニル(20.2g, 82.3mmol)と2-アミノ-m−クレゾール(11g, 89.4mmol)を出発物質として使用して、4.1gの8-クロロ-1-ブロモメチル-ジベンゾフラン1cを得た。
【化22】

【0145】
塩化2,4,5-トリクロロベンゼンスルホニル(20.2g, 82.3mmol)と2-アミノ-m−クレゾール(11g, 89.4mmol)を出発物質として使用して、8.7gの7,8-ジクロロ-1-ブロモメチル-ジベンゾフラン1dを得た。
【化23】

【0146】
2) 化合物Cの合成
(3-フェニル-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-メタノール3の合成
【化24】

【0147】
化合物2:(3-フェニル-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-カルボン酸の合成
9mlのピリジン中の3,3-ジフェニルプロピオン酸(20g, 88.5mmol)の混合液に、室温で8mlのSOCl2を加えた。生じた混合液を150〜160℃に加熱し、次にさらに23mlのSOCl2を1時間滴下して加えて褐色の溶液を得て、反応物を2時間還流攪拌し、冷却し、水/濃塩酸/THF(100ml/10ml/150ml)の混合液に注いだ。混合液を3時間還流し、次に冷却した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、残渣を200mlのエチルエーテルで処理し、ろ過し、ろ液を濃縮した。粗生成物をトルエン中で結晶化して10gの化合物2を得た。
【化25】

【0148】
化合物3:(3-フェニル-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-メタノールの合成
300mlの無水THF中の化合物2(21.9g, 86mmol)の混合液に、1M BH3-THF(105ml, 105mmol)の溶液を室温で窒素下、15分間滴下して加えた。混合液を室温で18時間攪拌し、次に食塩水で反応停止した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール、100/1)で精製して17.2gの化合物3を無色の油状物として得て、これを放置すると結晶化した。
【化26】

【0149】
(2-フェニル-ベンゾフラン-3-イル)-メタノール7の合成
【化27】

【0150】
化合物4
150mlのアセトンのフェノール(23.6g, 0.25M)、2-ブロモアセトフェノン(50g, 0.25M)およびK2CO3(35g, 0.25M)を4時間還流し、冷却し、1.5リットルの水に注いで懸濁液を得た。固体をろ過して集め、次にエタノールで結晶化し、真空下で乾燥して33gの化合物4をベージュ色の粉末として得た。
【0151】
化合物5
130〜140℃に加熱した150mlのポリリン酸に化合物4(20g, 94.3mmol)を加え、反応物を130〜140℃で3時間維持し、次に1リットルの水に注いだ。固体をろ過し、水ですすぎ、真空下で乾燥して粗生成物を得て、これをエタノール中で結晶化して12.2gの化合物5を黄色の結晶として得た。
【化28】

【0152】
化合物6
POCl3(10.5ml, 112.5mmol)をDMF(21ml,0〜5℃)に加えた。混合液を室温で10分間攪拌し、次に化合物5(4g, 20.6mmol)を少しずつ加えた。生じた混合液を80〜90℃で5時間加熱し、室温で一晩攪拌し、氷上に注ぎ、次に塩化メチレン中に抽出し、有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して油状物を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル、5/1)により精製して、3.3gの化合物6を黄色の固体として得た。
【化29】

【0153】
化合物7
30mlの2-プロパノールと20mlのTHF中の化合物6(3.16g, 14.2mmol)の溶液に、NaBH4(0.8g, 21.1mmol)を室温で加えた。10分後、反応混合物を濃縮し、水で反応停止した。生じた沈殿物をろ過し、真空下で乾燥して3.19gの純粋な化合物7を得た。
【化30】

【0154】
(9H-フルオレン-1-イル)-メタノール9の合成
【化31】

【0155】
化合物8
400mlの酢酸中の9-フルオレノン-1-カルボン酸(6g, 26.8mmol)、55% HI溶液HI(10.5ml)および赤リン(9.6g, 310mmol)を48時間還流し、次に濃縮した。200mlの水を添加後、混合液を一晩攪拌し、ろ過した。ケーキを200mlの水と5mlの濃NaOHで処理し、ろ過して残存するリンを除去した。ろ液を4N HClでpH2に調整して懸濁液を得て、これをろ過し、洗浄し、真空下で乾燥して5.47gの化合物8をベージュ色の固体として得た。
【化32】

【0156】
化合物9
50mlの無水THF中の化合物8(5.47g, 26mmol)のスラリーに、1M BH3-THF溶液(28ml)を室温で35分かけて滴下して加えた。混合液を室温で16時間攪拌し、次に食塩水で反応停止した。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して4.5gの化合物9を黄色の固体として得た。
【化33】

【0157】
(9H-フルオレン-2-イル)-メタノール10の合成
【化34】

【0158】
化合物10
3-ヒドロキシメチル-2-フェニル-ベンゾフラン7について記載した方法に従って、化合物10を調製した。
試薬:フルロレン-2-カルボキサルデヒド(5.57g, 28.7mmol)およびNaBH4(1.6g, 42.3mmol)。
【化35】

【0159】
(9H-フルオレン-4-イル)-メタノール13の合成
【化36】

【0160】
化合物11
200mlの濃硫酸に、ビフェン酸(biphenic acid)(70g, 0.289M)を加えた。生じた混合液を140℃で20分間加熱し、冷却し、氷水(2リットル)に注いで懸濁液を得た。混合液をろ過し、水で洗浄し、50℃、真空下で乾燥して、56gの化合物11を黄緑色の固体として得た。
【化37】

【0161】
化合物12
9-フルオレノン-1-カルボン酸9について記載した方法に従って、化合物12を調製した。
試薬:化合物11(22.4g, 0.1M)、赤リン(35.8g, 1.15M)および58% HI(39ml)。
【化38】

【0162】
化合物13
3-ヒドロキシメチル-2-フェニル-ベンゾフラン8と実質的に同じ方法で化合物13を合成した。
試薬:化合物12(9.66g, 49.3mmol)、およびNaBH4(1.9g, 48.7mmol)。
【化39】

【0163】
ジベンゾフラン-4-イル-メタノール16とジベンゾチオフェン-4-イル-メタノール17
【化40】

【0164】
化合物14
100mlの無水THF中のジベンゾフラン(6.2g, 36.9mmol)の溶液に、ヘキサン中の1.6M n-BuLi溶液(26ml, 41.6mmol)を、5℃、窒素雰囲気下で30分間かけて加えた。生じた溶液を5℃で1時間攪拌し、次にDMF(3.2ml, 41.6mmol)を加え、室温で20分間攪拌を維持した後、食塩水を加えた。有機層を洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物を2-プロパノールで再結晶化して、3.82gの化合物14を黄色の結晶として得た。
【化41】

【0165】
化合物15
化合物14について記載した方法に従って化合物15を調製した。
試薬:ジベンゾチオフェン(36.8g, 226mmol)およびヘキサン中1.6M n-BuLi(140ml、224mmol)、DMF(16.5g, 226mmol)。
【化42】

【0166】
化合物16
3-ヒドロキシメチル-2-フェニル-ベンゾフラン7と実質的に同じ方法で化合物16を合成した。
試薬:化合物14(9.66g, 49.3mmol)、およびNaBH4(1.9g, 48.7mmol)。
【化43】

【0167】
化合物17
化合物16について記載した方法に従って化合物17を調製した。
試薬:化合物15(22.2g, 104.7mmol)およびNaBH4(4.5g, 118mmol)。
【化44】

【0168】
ジベンゾチオフェン-2-イル-メタノール19の合成
【化45】

【0169】
化合物18
300mlの無水エチルエーテル中の2-ブロモジベンゾフラン(33.7g, 0.128M)(Bull. Soc. Chim. Fr, 1973, 11, 3110-3115)に、ヘキサン中の1.6Mのn-BuLi溶液を、5℃、窒素雰囲気下で30分間かけて加え、次にDMF(10g, 0.137M)を加えた。混合液を室温で40分間攪拌し、次に飽和塩化アンモニウム溶液(300ml)を加えた。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をエタノールで再結晶化して、25.9gの化合物18を黄色の結晶として得た。
【化46】

【0170】
化合物19
3-ヒドロキシメチル-2-フェニル-ベンゾフラン7と実質的に同じ方法で化合物19を合成した。
試薬:化合物18(20.6g, 97.2mmol)、およびNaBH4(4g, 105.8mmol)。
【化47】

【0171】
置換ジベンゾフラン-2-イル-メタノール44の合成
【化48】

【0172】
化合物20と26
450mlのDMF中の4-フルオロフェニル(41.3g, 0.37M)、4-フルオロベンズアルデヒド(45.7g, 0.37M)およびK2CO3(55g)の混合液を4時間還流し、冷却し、氷水(1.5リットル)中に注いで懸濁液を得た。混合液をろ過し、水で洗浄し、50℃、真空下で乾燥して、78.3gのアルデヒド20を褐色の固体として得た。この化合物を2-プロパノール(1リットル)中でスラリーにし、次にNaBH4(14g, 0.378M)を室温で少しずつ加えた。生じた混合液を室温で1時間攪拌し、次に濃縮した。残渣を水(1.5リットル)に注いで懸濁液を得た。ろ過後、生じた固体を水で洗浄し、50℃、真空下で乾燥して76gの4-フルオロフェノキシベンジルアルコール26を黄色の結晶として得た。
【化49】

【0173】
化合物32
300mlの塩化メチレン中の化合物26(21.8g, 0.1M)とトリエチルアミン(14ml, 0.1M)の溶液に、塩化アセチル(8g, 0.102M)を室温で加えた。混合液を室温で18時間維持し、次に水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して27.3gの酢酸4-クロロフェノキシベンジル32を油状物として得た。
【化50】

【0174】
化合物38
酢酸(250ml)中の32(22.2g, 85.4mmol)と酢酸パラジウム(35g, 156mmol)の褐色の混合液を18時間還流し、次にセライトでろ過してパラジウムを除去した。ろ液を乾燥して乾固した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル、5/1)により精製して、17.6gの8-フルオロ-2-アセトキシメチルジベンゾフラン38をオフホワイトの固体として得た。
【化51】

【0175】
化合物44
150mlのメタノールと50mlの水中の38(10.3g, 40mmol)の懸濁液に、LiOH一水和物(3.5g, 83.3mmol)を室温で加えた。混合液を50℃で30分間攪拌し、濃縮した。混合液を水(200ml)で反応停止して懸濁液を得て、これをろ過し、水で洗浄し、50℃で真空下で乾燥して、8.4gの8-フルオロ-2-ヒドロキシメチルジベンゾフラン44を白色の結晶として得た。
【化52】

【0176】
化合物45〜49
化合物4549を、化合物44について記載した方法に従って処理した。
ジベンゾフラン-1-イル-メタノール54とジベンゾフラン-3-イル-メタノール53の合成
【化53】

【0177】
化合物51と52
酢酸(300ml)中の酢酸3--フェノキシベンジル50(21.8g, 90mmol)(市販の3-フェノキシベンジルアルコールのアセチル化により調製した)と酢酸パラジウム(40g, 179mmol)の混合液を6時間還流し、冷却し、ろ過した。ろ液を蒸発乾固し、残渣を100mlのシクロヘキサン/酢酸エチル(6/1)混合液で処理し、ろ過した。ろ液を濃縮して着色油状物を得て、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル、6/1)により精製して、純粋な酢酸ジベンゾフラン-3-イル−メチル51(3.4g)、および酢酸ジベンゾフラン-3-イル−メチル51(Rf=0.6)と化合物51が混入した酢酸ジベンゾフラン-1-イル−メチル52(化合物52のRf=0.53)(8.4g)の混合物を白色の固体として得た。52はさらに精製することなく次の工程で使用される。
【化54】

【0178】
化合物53と54
化合物44の調製について記載したものと同じ方法を使用して、さらに化合物51のアセチル基を除去して純粋な化合物53を得た。
52(いくらかの異性体51が混入している)から出発して、同じ方法に従って53と54の混合物を調製した。
【化55】

【0179】
(3-フェニル-ベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)-メタノール59aと(6,7-ジクロロ-3-フェニル-ベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)-メタノール59bの合成
【化56】

【0180】
化合物55
化合物55は、Organic Process Research & Development, 5(2), 2001, 116-121に記載された方法に従って調製した。
試薬:1,4-ベンゾジオキサン(10g, 73.4mmol)、N-クロロスクシニミド(20.6g, 154mmol)および酢酸(20ml)。
収率=68%(m=10.2g)。
【化57】

【0181】
化合物56a(X=H)
化合物56aは、Synthesis, 1977, 755 およびTetrahedron, 46(3), 1990, 921-934に記載された方法に従って調製した。
試薬:1,4-ベンゾジオキサン(12g, 88mmol)、N-ブロモスクシニミド(37.6g, 211mmol)、AIBN(少量)、CCl4(120ml)、カリウムt-ブトキシド(15g, 134mmol)、Et2O(250ml)。
収率=66%(m=12.4g)。
【化58】

【0182】
化合物56b(X=Cl)
同様に化合物56bを調製した。
窒素下で、テトラクロロメタン(340ml)中の化合物55(5.6g, 27.4mmol)、N−ブロモスクシニミド(11.7g, 65.8mmol)および少量のAIBNの混合液を5時間還流する。冷却後、固体物質をろ過して除去し、溶液から溶媒を留去して2,3-ジブロモ-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシンを得る。窒素下で、無水テトラヒドロフラン(45ml)中のカリウムt-ブトキシド(9.22g, 82mmol)の攪拌懸濁液に、テトラヒドロフラン(35ml)中の2,3-ジブロモ-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシンの溶液を滴下して加え、混合液を4時間攪拌した。固体をセライトでろ過して除去し、溶液を濃縮した。200mlの水を加え、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して残渣を得て、これをカラムクロマトグラフィー(石油エーテル)で精製して、6.26g(収率=81%)の化合物56b(白色の粉末)を得た。
【化59】

【0183】
化合物57a(x=H)
化合物57aをTetrahedron, 53(6), 1997, 2061-2074に記載された方法に従って調製した。
試薬:化合物56a(12.4g, 58.2mmol)、トルエン(200ml)、Na2CO3 2M(58ml)、フェニルボロン酸(14.2g, 116mmol)、EtOH(70ml)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.7g, 2.3mmol)。
収率=74%(m=9g)。
【化60】

【0184】
化合物57b(X=Cl)
同様に化合物57bを調製した。
窒素下で、4mlのトルエン中の化合物56b(0.3g, 1.07mmol)の溶液に、1.1mlの0.2M Na2CO3水溶液、1.3mlのエタノール中のフェニルボロン酸(0.26g, 2.14mmol)、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.05g, 0.043mmol)を加えた。混合液を78℃で3時間加熱した。
【0185】
濃縮後、30mlの水を加え、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して残渣を得て、これをカラムクロマトグラフィー(石油エーテル)により精製して0.24g(収率=81%)の化合物57b(白色の粉末)を得た。
【化61】

【0186】
化合物58a(x=H)
化合物58aをChem. of heterocyclic Compds, 35(10), 1999, 1480-1481に記載された方法に従って調製した。
試薬:化合物57a(9g, 42.8mmol)、オキシ塩化リン(7.88g, 51.4mmol)、DMF(20ml, 257mmol)。
収率=74%(7.5g)。
【化62】

【0187】
化合物58b(X=Cl)
同様に化合物58bを調製した。
窒素下で、120mlのDMF中の化合物57b(5.30g, 19mmol)の攪拌溶液に、POCl3(2.12ml, 22.8mmol)を滴下して加えた。反応混合物を60℃で22時間攪拌した。次に混合液を、水(14ml)中の酢酸ナトリウム3水和物(11.6g)の溶液で処理し、結晶化が始まるまで加熱攪拌した。冷却後、水を加え、沈殿物をろ過し、次に2-プロパノールで洗浄して、4.9g(収率=84%)の化合物58b(黄色の粉末)を得た。
【化63】

【0188】
化合物59b(X=H)
窒素下で、80mlのメタノール中の化合物58a(7.5g, 31.5mmol)の攪拌懸濁液に、0℃で少しずつ水素化ホウ素ナトリウム(0.77g, 20.5mmol)を加えた。45分後、10mlの水を加え、混合液を2N HClで中和し、次にメタノールを留去した。塩化メチレン(2×150ml)で抽出後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、7.6g(収率=100%)の化合物59a(白色の粉末)を得た。
【化64】

【0189】
化合物59b(X=Cl)
同様に化合物59bを調製した。
窒素下、0℃で、150mlのメタノール中の化合物58b(5g, 16.3mmol)の攪拌懸濁液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.50g, 13mmol)を少しずつ加えた。3時間後、反応混合物を水(20ml)で反応停止し、メタノールを留去した。水性残渣を2N HClで中和し、塩化メチレンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/ジクロロメタン 50/50)により精製して、3.1g(収率=62%)の化合物59b(白色の粉末)を得た。
【化65】

【0190】
3-フェニルインドール-2-イルメタノール62の合成
【化66】

【0191】
化合物60:3-ヨードインドール-2-カルボン酸エチル
還流冷却器を取り付けた磁気攪拌棒を有する1リットルの丸底フラスコに、10g(0.053モル)のインドール-2-カルボン酸エチル(A)、100mlのDMF、50mlの水、30g(0.106モル)のヨードおよび6.6g(0.106モル)の水酸化カリウムを充填した。生じた混合液を70℃で3時間加熱した。500mlの氷をこのフラスコに注ぎ、混合物を1時間攪拌した。ろ過し乾燥した後、15g(315.1g.モル-1)の予測した化合物60を得た。
収率:90%。
【化67】

【0192】
化合物61:3-フェニルインドール-2-カルボン酸エチル
還流冷却器を取り付けた磁気攪拌棒を有する250mlの丸底フラスコに、4.8g(0.0152モル)のB、100mlのトルオール、1.6g(10%)のパラジウムテトラキス、50mlのエタノール、2.0g(0.0167モル)のフェニルボロン酸、50mlの水、および5gの炭酸カリウムを充填した。生じた混合液を48時間還流した。室温で100mlの水を加え、混合液を2×100mlのトルオールで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、蒸発乾固した。次に粗混合物を20mlのジエチルエーテルで粉砕し、ろ過した。4g(265.31g.モル-1)の予測した化合物61を得た。
収率:99%。
【化68】

【0193】
化合物62:3-フェニルインドール-2-イル-メタノール
還流冷却器を取り付けた磁気攪拌棒を有する250mlの丸底フラスコに、1.4g(0.0053モル)のC、100mlの無水THFを充填した。室温で10mlのLiAlH4(THF中1M)をゆっくり15分かけて加えた。混合液を15分間攪拌し、次に20mlの粗い氷を加えた。pHが1になるまでHCl(1M)を加えた。溶液を蒸発乾固した。得られた粗混合物に50mlの水を加えた。3×50mlの酢酸エチルを用いて、予測した生成物を抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、蒸発乾固した。生成物をクロマトグラフィーカラムで酢酸エチルを溶離液として用いて精製した。0.8g(223.27g.モル-1)の予測した化合物62を得た。
収率:68%。
【化69】

【0194】
3)化合物Iaの合成
実施例1
化合物Ia:ジベンゾフラン-2-イルメチルスルファニル-酢酸エチルエステル
20mlの塩化メチレン中のジベンゾフラン(2.5g, 14.9mmol)、クロロメチルチオ酢酸エチル(2.5g, 14.8mmol)[Synthesis, 1984, 326に従って調製された]の溶液に、SnCl4(1.8ml, 15.4mmol)を、0℃で窒素下で加えた。0℃で10分後、反応物を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル、5/1)により精製して2.8gの実施例1を無色の油状物として得た。
【化70】

【0195】
実施例2
化合物Ia:ジベンゾフラン-2-イルメチルスルファニル-酢酸
実施例1からの調製、スキームA、ルートA
実施例1(10g, 33.3mmol)を80mlのメタノール、80mlのTHFおよび40mlの水に溶解し、次にLiOH一水和物(3.1g, 73.8mmol)を加えた。混合物を室温で2日間攪拌した。溶媒を留去後、水を加え、生じた溶液をpH2の酸性にした。沈殿物をろ過し、水で洗浄し、真空下で乾燥して、8.7gの実施例2を白色の固体として得た。
【化71】

【0196】
スキームA、ルートBを介する調製
900mlのCHCl3中の化合物1の溶液(上記したように調製した)にチオアセトアミド(30g, 0.4M)を加えた。混合液を2時間還流した。生じた懸濁液を冷却し、ろ過し、塩化メチレンで洗浄し、真空下で乾燥して、33gの化合物E(ここでArは2-ジベンゾフリルに対応する)をオフホワイトの固体として得た。
【0197】
23mlの32% NaOHと30mlの水中の化合物E(20.3g, 60.4mmol)の懸濁液を70℃で加熱し、次に4.5mlの32% NaOHと25mlの水中のクロロ酢酸の溶液(6.4g, 68mmol)を加えて粘性の懸濁液を得て、これを50mlの水で希釈した。混合液を1時間還流し、500mlの水で希釈し、濃HClでPH2になるまで酸性化した。懸濁液をろ過し、粗生成物を水で洗浄し、真空下で乾燥して、15.4gの実施例2を白色の固体として得た。
【化72】

【0198】
実施例3
化合物Ia:2-(8-クロロジベンゾフラン-2-イル-メチルスルファニル)酢酸
加熱浴(100℃)中の48% HBr(25ml)中のチオ尿素の溶液(3g, 39.5mmol)に、8-クロロ-2-ヒドロキシメチルジベンゾフラン45(6.76g, 29mmol)を少しずつ加えた。混合液を水(20ml)で希釈し、110℃で1時間40分加熱し、冷却し、次にろ過した。沈殿物を水で洗浄し、50℃、真空下で乾燥して、10.4gの臭化水素チオウロニウムをオフホワイトの固体として得た。この化合物(8.4g, 22.6mmol)を32% NaOH(20ml)で90℃で処理し、水(30ml)で希釈し、次に水(20ml)中のクロロ酢酸(2.5g, 26.5mmol)、NaHCO3(2.3g, 27.4mmol)の溶液を加えた。混合液を1時間還流し、冷却し、濃HClで5℃で酸性化した。粗生成物をろ過し、水で洗浄し、真空下で乾燥して、6.8gの純粋な8-クロロジベンゾフラン-2-イル-メチルスルファニル酸(実施例3)を白色の固体として得た。
【化73】

【0199】
実施例4
化合物Ia:2-(フルオレン-4-イルメチルスルファニル)酢酸
80℃の浴で加熱した48% HBr(25ml)中のチオ尿素の溶液(4.2g, 55.3mmol)に化合物13(9g, 45.9mmol)を加えて濃厚な懸濁液を得て、これを15mlの水で希釈した。生じた混合液を10分間還流し、次に冷却し、ろ過し、水で洗浄してベージュ色の固体を得た。
【0200】
16% NaOH中の上記で得られた化合物の混合液(40ml)を70℃に加熱し、次に1N NaOH(50ml)中のクロロ酢酸の溶液(5g, 52.9mmol)を加えた。生じた混合液を90分間加熱還流し、熱いままろ過し、ろ液を冷却し、濃HClでpH2に酸性化して懸濁液を得て、これをろ過し、水で洗浄し、真空下で乾燥して、9gの純粋な実施例4を褐色の固体として得た。
【化74】

【0201】
実施例5
化合物Ia:2-(2-ジベンゾチオフェン-メチルスルファニル)酢酸
80℃の浴で加熱した48% HBr(30ml)中のチオ尿素の溶液(4.7g, 61.8mmol)に化合物19(10.7g, 50mmol)を加えて非常に濃厚な懸濁液を得て、これを30mlの48% HBrと20mlの水で希釈した。生じた混合液を2時間還流し、次に冷却し、ろ過し、水で洗浄し、乾燥して、17.3gの白色の固体を得た。
【0202】
上記で得られた化合物を32% NaOH(25ml)および20mlの水と混合し、70℃に加熱し、次に水(50ml)中のクロロ酢酸ナトリウムの溶液(6g, 51.5mmol)を加えて溶液を得た。生じた混合液を60分間加熱還流し、冷却し、水(200ml)で希釈し、濃HClでpH2に酸性化して懸濁液を得て、これを塩化メチレンにより抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して13gの純粋な実施例5を黄色の固体として得た。
【化75】

【0203】
実施例6
化合物Ia:2-(8-フルオロジベンゾフラン-2-イル-メチルスルファニル)酢酸
80℃の浴で加熱した48% HBr(45ml)中のチオ尿素の溶液(3.7g, 48.7mmol)に、8-フルオロ-2-ヒドロキシメチルジベンゾフラン44(8.4g, 38.9mmol)を加えて非常に濃厚な懸濁液を得て、これを15mlの水で希釈した。生じた混合液を2時間還流し、次に冷却し、ろ過し、水で洗浄し、乾燥して、白色の固体を得た。
【0204】
上記で得られた化合物を32% NaOH(20ml)と混合し、70℃に加熱し、次に水(40ml)中のクロロ酢酸ナトリウムの溶液(4.7g, 40.3mmol)を加えて懸濁液を得た。生じた混合液を60分間加熱還流し、冷却し、水(500ml)で希釈し、濃HClでpH2に酸性化して懸濁液を得て、これをろ過し、水ですすぎ、真空下で乾燥して、11gの純粋な実施例6をベージュ色の固体として得た。
【化76】

【0205】
実施例7
化合物Ia:(3-フェニル-ベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチルスルファニル)酢酸
60℃の水(3ml)中のチオ尿素(2.74g, 36mmol)と48% HBr(15.75ml)の混合液に、化合物3(7.2g, 30mmol)を一回で加えた。次に反応混合液を静かに5分間加熱還流し、冷却した。得られた油状物からHBrと水の混合液をデカントし、水を加え、再度デカントした。得られた残渣に、水性NaOH(10N, 12ml)を加え、混合物を70℃に加熱した。9mlの水中のクロロ酢酸ナトリウムの溶液(33mmol)をゆっくり加えた。次に反応混合液を110℃に1時間加熱し、冷却し、氷水(100ml)で希釈し、濃塩酸で酸性化した(pH〜2)。生じた酸性混合液をジエチルエーテル(2×150ml)に抽出し、分離した有機層をNaOH溶液(4N)で洗浄し、水層を再度酸性化(pH〜2)し、ジエチルエーテル(400ml)に抽出した。一緒にした有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、7gの化合物50を黄色の油状物として得た。
収率=74%
Rf=0.4(溶離液:塩化メチレン/メタノール 9/1)。
以下の実施例810において、実施例25および6の化合物Ia(ここでR=H)を対応する化合物Ia(ここでR=CH3)(メチルエステル)に変換した。
【0206】
実施例8
化合物Ia:2-(ジベンゾフラン-2-イルメチルスルファニル)酢酸メチルエステル
メタノール(30ml)と濃硫酸(1ml)中の実施例2(4.22g, 15.5mmol)の混合物を2時間還流し、次に溶媒を留去した。残渣を100mlの塩化メチレンに溶解し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル、5/1)により精製して、3.7gの実施例8を黄色の油状物として得た。
【0207】
HPLC:保持時間=15.92分(カラム:Zorbax Eclipse XDB-C8;4.6×150mm、5μm;移動相:A:H2O中0.1% TFA、B:ACN中0.1% TFA;勾配:10〜100%Bを20分で;流速:1ml/分;温度:25℃)
【化77】

【0208】
実施例9
化合物Ia:2-(ジベンゾチオフェン-2-イルメチルスルファニル)酢酸メチルエステル
メタノール(30ml)と濃硫酸(1ml)中の実施例5(2.88g, 10mmol)の混合物を2時間加熱還流し、次に溶媒を留去し、残渣を100mlの塩化メチレンに溶解し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル、5/1)により精製して、2.72gの実施例9を黄色の油状物として得た。
【化78】

【0209】
実施例10
化合物Ia:2-(8-フルオロジベンゾフラン-2-イルメチルスルファニル)酢酸メチルエステル
メタノール(30ml)と濃硫酸(1ml)中の実施例6(2.9g, 10mmol)の混合物を2時間加熱還流し、次に溶媒を留去し、残渣を100mlの塩化メチレンに溶解し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル、5/1)により精製して、2.34gの実施例10を無色の油状物として得た。
【化79】

【0210】
実施例11
化合物Ia:2-(8-メトキシジベンゾフラン-2-イルメチルスルファニル)酢酸エチルエステル(合成:ルートD)
塩化メチレン(120ml)中の化合物46の溶液(5.48g, 24mmol)に、室温でチオグリコール酸エチル(3.1g, 25.8mmol)とZnI2(8.5g, 26.6mmol)を加えて懸濁液を得た。反応物を室温で2時間攪拌し、水で反応停止し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル、6/1)により精製して、3.58gの実施例11を無色の油状物として得た。
HPLC:保持時間=16.66分(実施例8に記載したものと同じ条件)。
【0211】
実施例12
化合物Ia:2-(2-ベンゾフラン-2-イル‐ベンジルスルファニル)酢酸エチルエステル
塩化メチレン(30ml)中の化合物7の溶液(3.18g, 14.2mmol)に、室温でチオグリコール酸エチル(1.75g, 14.6mmol)とZnI2(4.7g, 14.7mmol)を加えて懸濁液を得た。反応物を室温で1時間攪拌し、水で反応停止し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル、8/1)により精製して、3gの実施例12を無色の油状物として得た。
【化80】

【0212】
実施例13
化合物Ia:ここでArは3-フェニル-1,4 ベンゾジオキシンであり、YはCH2であり、qは0であり、置換は位置2であり、およびR1はCOOCH3である。
窒素下でジクロロエタン(200ml)中の(3-フェニル-1,4-ベンゾジオキシン-2-イル)メタノール(化合物C;7.60g, 31.6mmol)に、チオグリコール酸メチル(3.35g, 31.6mmol)とZnI2(10.08g, 31.6mmol)を連続的に加えた。混合物を室温で2時間30分攪拌し、次に60mlの水を加えた。デカント後、水層をジクロロメタン(100ml)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、10.2gの実施例13(黄色の油状物)を得た。
【化81】

【0213】
4)化合物Ibの合成
実施例14
化合物Ib:2-(ジベンゾフラン-2-イルメチルスルフィニル)酢酸
酢酸(130ml)中の実施例2の溶液(13.6g, 50mmol)に、30% H2O2(8ml, 79mmol)を加えた。混合物を室温で3時間攪拌し、得られた懸濁液をろ過し、酢酸(50ml)とメタノール(50ml)で洗浄し、真空下で乾燥して12.5gの実施例14を白色の固体として得た。
【化82】

【0214】
5)化合物Icの合成
実施例15
化合物Ic:ここでArはジベンゾフラン-2-イルであり、YはCH2であり、qは0であり、NR12R13=4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イルである。
50mlの塩化メチレン中の実施例2(0.5g, 1.8mmol)、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン(0.25g, 1.9mmol)、HOBt(0.25g, 18.5mmol)の混合物に、室温でEDCI(0.46g, 2.4mmol)を加えた。反応を16時間維持し、次に水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、残渣をクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール、10/1)に付して、0.5gの実施例16を無色の油状物として得て、これを放置して結晶化した。
【化83】

【0215】
実施例16
化合物Ic:2-(ジベンゾフラン-2-イルメチルスルファニル)アセトアミド
メタノール(100ml)中の実施例8(3.7g, 12.9mmol)と28%アンモニウム水溶液(50ml)の混合物を室温で16時間攪拌して懸濁液を得て、これをろ過し、水で洗浄し、真空下で乾燥して、2.7gの実施例16を白色の固体として得た。
【化84】

【0216】
実施例17
化合物Ic:2-(8-メトキシ-ジベンゾフラン-2-イルメチルスルファニル)アセトアミド
エタノール(20ml)中の実施例11(1.1g, 3.3mmol)と28%アンモニウム水溶液(30ml)の混合物を室温で18時間攪拌して懸濁液を得て、これをろ過し、水で洗浄し、真空下で乾燥して、0.71gの実施例17を白色の固体として得た。
HPLC:保持時間=11.68分(実施例8について記載したものと同じ条件)
【0217】
実施例18
化合物Ic:2-(ジベンゾチオフェン-2-イルメチルスルファニル)アセトアミド
メタノール(50ml)中の実施例9(2.72g, 9mmol)と28%アンモニウム水溶液(30ml)の混合物を室温で16時間攪拌して懸濁液を得た。メタノールを留去後、水性残渣をろ過し、水で洗浄し、真空下で乾燥して、2.1gの実施例18を白色の固体として得た。
【化85】

【0218】
実施例19
化合物Ic:2-(8-フルオロジベンゾフラン-2-イルメチルスルファニル)アセトアミド
メタノール(50ml)中の実施例10(2.34g, 7.7mmol)と28%アンモニウム水溶液(30ml)の混合物を室温で16時間攪拌して懸濁液を得た。メタノールを留去し、水性残渣をろ過し、水で洗浄し、真空下で乾燥して、1.68gの実施例19を白色の固体として得た。
【化86】

【0219】
実施例20
化合物Ic:2-(2-ベンゾフラン-2-イル-ベンジルスルファニル)-N,N-ジメチルアセトアミド
塩化メチレン(20ml)中の実施例12(1.12g, 3.43mmol)と塩酸ジメチルアミン(0.3g, 3.68mmol)の混合物に、室温でトルエン中の2NのAl(CH3)3溶液(2ml, 4mmol)を加えた。生じた混合液を室温で24時間攪拌し、次に0.1N HCl(20ml)でクエンチして、有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール、40/1)により精製して、1gの実施例20を黄色の油状物として得た。
【化87】

【0220】
実施例21
化合物Ic:2-(8-クロロジベンゾフラン-2-イルメチルスルファニル)-1-[4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル]エタノン
塩化メチレン(50ml)中の実施例3(1.48g, 4.8mmol)、4-(2-ヒドロキシエチル)-ピペラジン(0.65g, 5mmol)およびHOBt(0.65g, 4.8mmol)の混合物に、EDCI(1.2g, 6.25mmol)を室温で加えた。反応を室温で16時間維持し、水で反応停止し、有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、1.92gの純粋な実施例21を得た。
HPLC:保持時間=10.7分(実施例8について記載したものと同じ条件)
実施例22
化合物Ic:4-[2-(8-クロロジベンゾフラン-2-イルメチルスルファニル)アセチル]-ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル
塩化メチレン(50ml)中の実施例3(2g, 6.5mmol)、4-(tert-ブトキシカルボニル)-ピペラジン(1.3g, 7mmol)およびHOBt(1.2g, 8.9mmol)の混合物に、EDCI(1.7g, 8.9mmol)を室温で加えた。反応を室温で1.5時間維持し、水で反応停止し、有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール、40/1)により精製して2.75gの実施例22を白色の固体として得た。
【化88】

【0221】
実施例23
化合物Ic:1-(4-アセチル-ピペラジン-1-イル)-2-(8-クロロジベンゾフラン-2-イルメチルスルファニル)-エタノン
塩化メチレン(50ml)中の実施例3(1.83g, 6mmol)、4-(アセチル)-ピペラジン(0.8g, 6.3mmol)およびHOBt(1g, 4.8mmol)の混合物に、EDCI(1.5g, 7.8mmol)を室温で加えた。反応を室温で5時間維持し、水で反応停止し、有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール、30/1)により精製して、2.14gの実施例23を得た。
HPLC:保持時間=12.81分(実施例8について記載したものと同じ条件)
【0222】
実施例24
化合物Ic:2-(9H-フルオレン-4-イルメチルスルファニル)-1-[4-(2-ヒドロキシエチル)-ピペラジン-1-イル]-エタノン
塩化メチレン(200ml)中の実施例4(6g, 22.2mmol)、4-(2-ヒドロキシエチル)-ピペラジン(3g, 23mmol)およびHOBt(2.5g, 18.5mmol)の混合物に、EDCI(4.6g, 24mmol)を室温で加えた。反応を室温で2時間維持し、水で反応停止し、有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール、10/1)により精製して、6.26gの実施例24を得た。
【化89】

【0223】
実施例25
化合物Ic:4-[2-(ジベンゾチオフェン-2-イルメチルスルファニル)-アセチル]-ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル
塩化メチレン(150ml)中の実施例5(5.76g, 20mmol)、4-(tert-ブトキシカルボニル)-ピペラジン(3.75g, 20.2mmol)およびHOBt(3.4g, 25mmol)の混合物に、EDCI(4.8g, 25mmol)を室温で加えた。反応を室温で3時間維持し、水で反応停止し、有機相を0.5N HCl、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル、3/4)により精製して、8.3gの実施例25を得た。
【化90】

【0224】
実施例26
化合物Ic:4-[2-(8-フルオロジベンゾフラン-2-イルメチルスルファニル)アセチル]-ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル
塩化メチレン(150ml)中の実施例6の酸(5.8g, 20mmol)、4-(tert-ブトキシカルボニル)-ピペラジン(3.72g, 20mmol)およびHOBt(3.4g, 25mmol)の混合物に、EDCI(4.8g, 25mmol)を室温で加えた。反応を室温で1時間維持し、水で反応停止し、有機相を0.5N HCl、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、ベージュ色の固体を得て、これを酢酸エチル(30ml)で再結晶化して6.46gの実施例26をベージュ色の固体として得た。
【化91】

【0225】
実施例27
化合物Ic:2-(3-フェニル-ベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチルスルファニル)-1-ピロリジン-1-イルエタノン
塩化メチレン(40ml)中の実施例7(2.14g, 6.8mmol)の冷却(氷浴)溶液に、ピロリジン(0.63ml, 7.5mmol)、EDCI(1.44g, 7.5mmol)およびHOBt(1.012g, 7.5mmol)を連続的に加えた。冷却浴を除去し、混合物を室温で一晩攪拌し、塩化メチレン(50ml)で希釈し、水(50ml)、Na2CO3水溶液(50ml)、水(30ml)で連続的に洗浄し、硫酸ナトリウムで濃縮した。濃縮すると、溶液から粗生成物が生成し、これをカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール、9.6/0.4)により精製して、1.76gの実施例27を得た(橙色の油状物)。
収率=70%
Rf=0.8(溶離液:塩化メチレン/メタノール 9/1)。
【0226】
以下の例は、実施例27について記載された方法に従って調製した。
実施例28
化合物Ic:N,N-ジメチル-2-(3-フェニル-ベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチルスルファニル)-アセトアミド
試薬:塩化メチレン(40ml)中実施例7(2.14g, 6.8mmol)、40%水性ジメチルアミン(0.337g, 0.85ml, 7.5mmol)、EDCI(1.44g, 7.5mmol)およびHOBT(1.012g, 7.5mmol)。
黄橙色の油状物としての実施例28を、さらに精製することなく直接次の工程で使用した。
収率=96%
Rf=0.6(溶離液:塩化メチレン/メタノール 9.5/0.5)。
【0227】
実施例29
化合物Ic:N-イソプロピル-2-(3-フェニル-ベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチルスルファニル)-アセトアミド
試薬:塩化メチレン(40ml)中実施例7(2.14g, 6.8mmol)、イソプロピルアミン(0.44g, 0.65ml, 7.5mmol)、EDCI(1.44g, 7.5mmol)およびHOBT(1.012g, 7.5mmol)。
粗生成物を酸化ジイソプロピル中で結晶化して、0.62gの実施例29を得た(白色の粉末)。
収率=26%
Rf(塩化メチレン/メタノール 9/1)=0.8。
【0228】
実施例30
化合物Ic:1-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-2-(3-フェニル-ベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチルスルファニル)-エタノン
試薬:塩化メチレン(40ml)中の実施例7(2.198g, 7mmol)、N-ヒドロキシピペリジン(0.788g, 7.7mmol)、EDCI(1.474g, 7.7mmol)およびHOBT(1.039g, 7.7mmol)。
収率=39.5%、1.1gの実施例30を黄色の油状物として。
Rf(塩化メチレン/メタノール 9/1)=0.5。
【0229】
実施例31
化合物Ic:1-(4-アセチル-ピペラジン-1-イル)-2-(3-フェニル-ベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチルスルファニル)-エタノン
試薬:塩化メチレン(58ml)中の実施例7(3.01g, 9.6mmol)、N-アセチルピペラジン(1.39g, 10.86mmol)、EDCI(2.02g, 10.86mmol)およびHOBT(1.46g, 10.86mmol)。
粗生成物をカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 9.5/0.5)により精製して1.38gの実施例31を得た(黄色の油状物)。
収率=34.5%
Rf(塩化メチレン/メタノール 9.5/0.5)=0.2。
【0230】
実施例32
化合物Ic:N-(2-ヒドロキシ-エチル)-2-(3-フェニル-ベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチルスルファニル)-アセトアミド
試薬:塩化メチレン(40ml)中の実施例7(2.36g, 7.51mmol)、エタノールアミン(0.506g, 8.3mmol)、EDCI(1.59g, 8.3mmol)およびHOBT(1.12g, 8.3mmol)。
粗生成物をカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 9.4/0.6)により精製して0.72gの実施例32を固体として得た。
収率=27%
Rf(塩化メチレン/メタノール 9/1)=0.8。
【0231】
実施例33
化合物Ic:1-[4-(3-フェニル-ベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチルスルファニルメチル)-ピペラジン-1-イル]-エタノン
窒素下でジクロロメタン(20ml)中の実施例13の溶液(1.5g, 4.57mmol)に、N-アセチルピペラジン(0.70g, 5.48mmol)を一回で、トルエン(2.74ml)中の2N AlMe3を滴下して連続して加えた。混合物を室温で一晩攪拌し、次に3時間還流した。冷却後、数mlの水をゆっくり加えた。デカント後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 98/2)により精製して、0.78g(収率=40%)の実施例33(黄色の油状物)を得た。
【化92】

【0232】
6) 化合物Idの合成
実施例34
化合物Id:4-[2-(ジベンゾフラン-2-イルメチルスルフィニル)-アセチル]-ピペラジン-1-カルボン酸エチルエステル
150mlの塩化メチレン中の実施例14(4.32g, 15mmol)、N-(エトキシカルボニル)ピペラジン(2.5g, 15.8mmol)およびHOBt(2g, 15mmol)の混合物に、EDCI(3.6g, 18.8mmol)を室温で加えた。反応を2時間維持し、次に0.5N HCl(100ml)と水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、白色の固体を得て、これを15mlの酢酸エチルで再結晶化して3.6gの実施例34を白色の固体として得た:ろ液からフラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール、10/1)によりさらに0.85gの実施例34が得られた。
【化93】

【0233】
7)化合物Idの合成
実施例35
化合物Id:2-(ジベンゾフラン-1-イルメチルスルフィニル)-1-[4-(2-ヒドロキシエチル)-ピペラジン-1-イル]-エタノン
20mlの酢酸中の実施例15の溶液(0.5g, 1.3mmol)に、30% H2O2(0.2ml, 2mmol)を加えた。室温で酸化を18時間維持し、次に溶媒を留去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール、9/1)により精製して、0.39gの実施例34を白色の固体として得た。
【化94】

【0234】
実施例36
化合物Id:2-(ジベンゾフラン-2-イルメチルスルフィニル)アセトアミド
酢酸(40ml)と30% H2O2(1.6ml)中の実施例16(2.7g, 10mmol)の混合物を室温で1.5時間攪拌して溶液を得て、ここから溶媒を留去して白色の固体を得た。エタノール(30ml)で結晶化して2.6gの実施例36を白色の固体として得た。
【化95】

【0235】
実施例37
化合物Id:2-(8-メトキシジベンゾフラン-2-イルメチルスルフィニル)アセトアミド
酢酸(20ml)と30% H2O2(0.45ml)中の実施例17(0.71g, 2.36mmol)の混合物を室温で1時間攪拌して溶液を得て、ここから溶媒を留去して油状物を得た。エタノールで結晶化して0.48gの実施例37を白色の固体として得た。
【化96】

【0236】
実施例38
化合物Id:2-(8-フルオロジベンゾフラン-2-イルメチルスルフィニル)アセトアミド
酢酸(30ml)と30% H2O2(0.9ml)中の実施例19(1.68g, 5.8mmol)の混合物を室温で3時間攪拌して溶液を得て、ここから溶媒を留去して油状物を得た。エタノール(30ml)で結晶化して1.36gの実施例38を白色の粉末として得た。
【化97】

【0237】
実施例39
化合物Id:2-(ジベンゾチオフェン-2-イルメチルスルフィニル)アセトアミド
酢酸(40ml)と30% H2O2(1.1ml)中の実施例18(2.1g, 7.3mmol)の混合物を室温で2.5時間攪拌して溶液を得て、ここから溶媒を留去して油状物を得た。エタノール(50ml)で結晶化して1.45gの実施例39をベージュ色の固体として得た。
【化98】

【0238】
実施例40
化合物Id:2-(8-クロロジベンゾフラン-2-イル-メタンスルフィニル)-[4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル]エタノン
酢酸(40ml)と30% H2O2(0.85ml)中の実施例21(1.92g, 4.6mmol)の混合物を室温で2時間攪拌し、次に溶媒を留去して固体を得て、これを塩化メチレン(100ml)と水(50ml)に溶解した。混合物を1N NaOHでpH10のアルカリ性にした。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール、9/1)により精製して、1.2gの実施例40を白色の固体として得た。
【化99】

【0239】
実施例41
化合物Id:2-(8-クロロジベンゾフラン-2-イル-メタンスルフィニル)-1-ピペラジン-1-イルエタノン
塩化メチレン(15ml)とトリフルオロ酢酸(7ml)中の実施例22(2.67g, 5.6mmol)の混合物を室温で0.5時間攪拌し、次に溶媒を留去して乾固した。残渣を20mlの水と20mlの塩化メチレンに溶解し、次に重炭酸ナトリウム粉末でpH8に中和し、有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して脱保護中間体を得て、これを酢酸(40ml)と30% H2O2(1ml)と混合した。混合物を室温で2時間攪拌し、溶媒を留去し、フラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール、10/1、28%アンモニア水溶液により飽和されている)により精製し、次に10mlの酢酸エチルで結晶化して、1.95gの実施例41を白色の固体として得た。
【化100】

【0240】
実施例42
化合物Id:1-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-2-(8-クロロジベンゾフラン-2-イル-メタンスルフィニル)-エタノン
酢酸(30ml)と30% H2O2(0.8ml)中の実施例23(2.1g, 5mmol)の混合物を室温で2時間攪拌し、次に300mlの水で希釈して懸濁液を得て、これを加熱して溶液を得て、冷却し、ろ過し、水ですすぎ、真空下で乾燥して、1.78gの実施例42を白色の固体として得た。
【化101】

【0241】
実施例43
化合物Id:2-(9H-フルオレン-4-イルメタンスルフィニル)-1-[4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル]-エタノン
酢酸(40ml)と30% H2O2(1.2ml)中の実施例24(2.9g, 7.6mmol)の混合物を室温で3時間攪拌し、次に溶媒を留去した。残渣を50mlの水に溶解し、K2CO3粉末でpH7に中和して溶液を得て、これを塩化メチレンで抽出(3×50ml)した。抽出物を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。フラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール、9/1)と、次に酢酸エチル/塩化メチレン(10/1)で再結晶化して2gの実施例43を白色の結晶として得た。
【化102】

【0242】
実施例44
化合物Id:2-(ジベンゾチオフェン-2-イル-メタンスルフィニル)-1-ピペラジン-1-イル-エタノン
塩化メチレン(20ml)とトリフルオロ酢酸(8ml)中の実施例25(2g, 4.4mmol)の混合物を室温で0.5時間攪拌し、次に溶媒を蒸発乾固した。残渣を50mlの水と20mlの塩化メチレンに溶解し、次に0.5N NaOHでpH8に中和し、有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して脱保護した中間体を得て、これを酢酸(30ml)および30% H2O2(0.8ml)と混合した。混合物を室温で1.5時間攪拌し、溶媒を留去し、フラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール、10/1、28%アンモニア水溶液により飽和されている)により精製して、0.6gの実施例44を白色の固体として得た。
【化103】

【0243】
実施例45
化合物Id:2-(8-フルオロジベンゾフラン-2-イル-メタンスルフィニル)-1-ピペラジン-1-イル-エタノン
塩化メチレン(40ml)とトリフルオロ酢酸(20ml)中の実施例26(6.4g, 14mmol)の混合物を室温で0.5時間攪拌し、次に溶媒を蒸発乾固した。残渣を100mlの水と100mlの塩化メチレンに溶解し、次に0.5N NaOHでpH8に中和し、有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して脱保護した中間体を得て、これを酢酸(100ml)および30% H2O2(2.5ml)と混合した。混合物を室温で2時間攪拌し、溶媒を留去し、フラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール、15/1、28%アンモニア水溶液により飽和されている)により精製し、50mlの酢酸エチルで再結晶化して、4gの実施例45を白色の固体として得た。
【化104】

【0244】
実施例46
化合物Id:2-(2-ベンゾフラン-2-イル-フェニルメタンスルフィニル)-N,N-ジメチルアセトアミド
酢酸(10ml)と30% H2O2(0.35ml)中の実施例20(1g, 3.1mmol)の混合物を室温で4時間攪拌して溶液を得て、溶媒を留去した。フラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール、20/1)により0.71gの実施例46を白色の固体として得た。
【化105】

【0245】
実施例47
化合物Id:2-(3-フェニル-ベンゾ[b]チオフェン-2-イルメタンスルフィニル)-1-ピロリジン-1-エタノン
氷酢酸(5ml)中の実施例27(1.76g, 4.8mmol)の溶液に、35%過酸化水素水溶液(0.5ml)を加えた。混合物を出発物質が検出(TLC)されなくなるまで攪拌した。3時間攪拌後、反応混合物を濃縮し、生じた油状物を水と酢酸エチル(50ml)で希釈した。有機層を水(25ml)、重炭酸ナトリウム水溶液(25ml)、水(25ml)で連続的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮すると溶液から黄色の油状物が得られ、これをカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 9.6/0.4)により精製して0.638gの実施例47(白色のメレンゲ;収率=35%)を得た。
【化106】

【0246】
以下の例は、スキームB、工程3、経路Eに従って実施例47について記載された方法に従って調製した。
実施例48
化合物Id:N,N-ジメチル-2-(3-フェニル-ベンゾ[b]チオフェン-2-イルメタンスルフィニル)-アセトアミド
試薬:氷酢酸(6.5ml)中の実施例28(2.24g, 6.5mmol)および35%過酸化水素水溶液(0.66ml)。
粗生成物をカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 9.6/0.4)により精製して、0.38gの実施例48(白色のメレンゲ;収率=16.4%)を得た。
【化107】

【0247】
実施例49
化合物Id:N-イソプロピル-2-(3-フェニル-ベンゾ[b]チオフェン-2-イルメタンスルフィニル)-アセトアミド
試薬:氷酢酸(5ml)中実施例29(0.62g, 1.8mmol)、35%過酸化水素水溶液(0.2ml)。
溶媒を留去して黄色の油状物が得られ、これを放置するとゆっくり結晶化した。残渣を酸化ジイソプロピルとともに攪拌し、ろ過し、真空下で乾燥して、0.48gの実施例49を得た(白色の粉末;収率=72%)。
【化108】

【0248】
実施例50
化合物Id:1-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-2-(3-フェニル-ベンゾ[b]チオフェン-2-イルメタンスルフィニル)-エタノン
試薬:氷酢酸(3ml)中の実施例30(1.1g, 2.77mmol)および35%過酸化水素水溶液(0.3ml)
粗生成物をカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 9.5/0.5)により精製して、0.625gの実施例50を得た(白色のメレンゲ;収率=56%)
【化109】

【0249】
実施例51
化合物Id:1-(4-アセチル-ピペラジン-1-イル)-2-(3-フェニル-ベンゾ[b]チオフェン-2-イルメタンスルフィニル)-エタノン
試薬:氷酢酸(4ml)中の実施例31(1.38g, 3.25mmol)および35%過酸化水素水溶液(0.34ml)
粗生成物をカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 9.2/0.8)により精製して、1.01gの実施例50を得た(白色のメレンゲ;収率=70%)
【化110】

【0250】
実施例52
化合物Id:N-(2-ヒドロキシ-エチル)-2-(3-フェニル-ベンゾ[b]チオフェン-2-イルメタンスルフィニル)-アセトアミド
試薬:氷酢酸(3ml)中の実施例32(0.72g, 2mmol)および35%過酸化水素水溶液(0.23ml)
粗生成物をカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 9.2/0.8)により精製して、酸化ジイソプロピルで洗浄後、0.478gの実施例52を得た(白色の粉末;収率=64%)。
【化111】

【0251】
実施例53
化合物Id:1-[4-(3-フェニル-ベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメタンスルフィニルメチル)-ピペラジン-1-イル]-エタノン
3.6mlの酢酸中の実施例33の溶液(0.78g, 1.84mmol)に、30%過酸化水素水溶液(0.20ml)を加えた。室温で4時間攪拌後、混合物を重炭酸ナトリウム水溶液で中和し、塩化メチレン(2×70ml)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール 98/2)により精製して、0.60g(収率=74%)の実施例53(白色の粉末)を得た。
【化112】

【0252】
実施例54150は、スキームBに記載したものと同じ多工程の一般的方法に従って、工程2または3で適切な置換アミン-NR12R13を使用して調製した。使用した分析データおよび合成経路は各化合物について、以下の表2に示すように分子式と質量スペクトル(M+H)または(M+Na)で提供される。
【0253】
【表12】

【0254】
【表13】

【0255】
【表14】

【0256】
【表15】

【0257】
実施例146
化合物Id:1-(4-アセチル-ピペラジン-1-イル)-2-(8-クロロ-ジベンゾフラン-2-イルメタンスルホニル)-エタノン
酢酸(15ml)とTFA(1.5ml)中の実施例23(1g, 2.4mmol)の溶液に、30% H2O2(0.8ml, 7.8mmol)を加えた。混合物を50℃で5時間攪拌し、次に蒸発乾固した。水(100ml)を加え、80℃に加熱して懸濁液を得て、これを熱いままろ過し、水ですすぎ、50℃で真空下で乾燥した。粗生成物をアセトニトリル(30ml)と水(5ml)で再結晶化して、0.79gの実施例146を白色の固体として得た。
【化113】

【0258】
経路G(スキームB)に従っても合成した。
実施例147
化合物Ia:2-{[(3-フェニル-1H-インドール-2-イル)メチル]スルファニル}酢酸エチル
還流冷却器を取り付けた磁気攪拌棒を有する250mlの丸底フラスコに、1.6g(0.00717モル)の化合物62、0.8ml(0.00717モル)のチオグリコール酸、および50mlの1,2-ジクロロエタンを充填した。0℃で、10mlの1,2-ジクロロエタンに溶解した1.4ml(0.0107モル)のBF3.Et2Oをゆっくり加えた。生じた混合液を15分攪拌し、次に100mlの水と10mlのHCl(1N)を加えた。生成物を2×50mlの酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、蒸発乾固した。粗生成物を次の工程(実施例148の調製)に使用した。
【0259】
実施例148
化合物Ic:2-{[(3-フェニル-1H-インドール-2-イル)メチル]スルファニル}アセトアミド
還流冷却器を取り付けた磁気攪拌棒を有する250mlの丸底フラスコに、実施例147の粗エステル、100mlのエタノールおよび50mlのNH3水溶液(28%)を充填した。混合物を5日間攪拌し、次に蒸発乾固した。クロマトグラフィーによる精製(酢酸エチル/石油エーテル:9/1)後に、0.6g(296.38g.モル-1)の実施例148を得た。
【化114】

【0260】
実施例149
化合物Id:2-{[(3-フェニル-1H-インドール-2-イル)メチル]スルフィニル}アセトアミド
還流冷却器を取り付けた磁気攪拌棒を有する100mlの丸底フラスコに、0.6g(0.00202モル)の実施例148、50mlのメタノール、10mlの水、および0.48g(0.00223モル)の過ヨウ素酸ナトリウムを充填した。反応混合物を0℃で16時間攪拌した。蒸発乾固後、生じた混合物を100mlの水で処理し、30分間粉砕し、ろ過し、乾燥した。0.50g(312.38g.モル-1)の予測された実施例149を得た。
収率:79%。
【化115】

【0261】
8)スキームBの経路Iを介する化合物Ia、IbおよびIcの合成
実施例150
化合物Ic:2-(7-クロロジベンゾフラン-1-イルメチルスルファニル)アセトアミド
80mlのDMF中の7-クロロ-1-ブロモメチル-ジベンゾフランの溶液(化合物1b:7.63g, 25.9mmol)に、チオグリコール酸エチル(2.75g, 25.94mmol)と炭酸カリウム(4g, 29mmol)を加えた。混合物を40〜50℃で30分間維持した。水(500ml)を加えて懸濁液を得て、これを2×100mlのジクロロメタンで抽出し、抽出物を水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、8.9gの2-(7-クロロジベンゾフラン-1-イルメチルスルファニル)酢酸エチルエステル(化合物Ia)を得た。この化合物はさらに精製することなく次の工程で使用するのに充分純粋である。
【0262】
50mlの7N メタノール/アンモニア中の2-(7-クロロジベンゾフラン-1-イルメチルスルファニル)酢酸エチルエステル(化合物Ic:3.77g, 11.8mmol)の懸濁液を45℃で1時間攪拌し、次に室温で2日間攪拌した。懸濁液をろ過し、メタノールで洗浄し、真空下で乾燥して2.56gの白色の固体を得た。
【化116】

【0263】
実施例151
化合物Id:2-(7-クロロジベンゾフラン-1-イルメチルスルフィニル)アセトアミド
酢酸(90ml)中の2-(7-クロロジベンゾフラン-1-イルメチルスルファニル)アセトアミド(実施例151 2.56g, 8.38mmol)の懸濁液に、1.4mlの35%過酸化水素(14.4mmol)を加えた。混合物を50℃で30分間加熱して溶液を得て、室温で24時間攪拌して、粘性の懸濁液を得て、これをろ過し、エタノール、エーテルで洗浄し、真空下で乾燥して2gの白色の固体を得た。
【化117】

【0264】
実施例153154は、スキームBに記載したものと同じ多工程の一般的方法に従って、工程2または3で適切な置換アミン-NR12R13を使用して調製した。分析データおよび合成経路は各化合物について、以下の表3に示すように分子式と質量スペクトル(M+H)または(M+Na)で提供される。
【0265】
【表16】

【0266】
生物学的データ
方法:ラットでの覚醒促進活性の評価
試験化合物の覚醒促進活性を評価するのに使用される方法は、EdgarとSeidel、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 283:757-769, 1997が記載した方法に基づく(これは参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0267】
動物の手術。
成体のオスのウィスターラット(275-320g、チャールズリバーラボラトリーズ(Charles River Laboratories)、ウィルミントン(Wilmington)、マサチューセッツ州)を麻酔(ネンブタール、45mg/kg、腹腔内)し、外科的に、慢性EEG(脳撮影図)およびEMG(筋電図)記録のためのインプラントを調製した。EEGインプラントは市販の構成要素(プラスティクスワン(Plastics One)、ローノーク(Roanoke)、バージニア州)から作成した。EEGシグナルは、ステンレス鋼のスクリュー電極から記録した:2つは前頭部(ブレグマから+3.0mm AP、±2.0mm ML)、そして2つは後頭部(ブレグマから-4.0mm AP、±2.0mm ML)。2つのテフロン(登録商標)コーティングしたステンレス鋼ワイアを、EMG記録のために項部菱形筋の下に置いた。すべての電極リードをコネクター台座中に差し込み、台座は外用歯科アクリルにより頭骨に取り付けた。術後に抗生物質を投与し、感染を防ぐために傷の端に抗生物質クリームを塗布した。手術と記録の間に少なくとも1週間が経過した。
【0268】
記録環境。
術後、ラットを対にして隔離した部屋に入れた。食物と水を自由に与え、周囲温度は21℃で、湿度は55%であった。記録の少なくとも24時間前にこれらを上面がワイア格子になったナルゲン(Nalgene)容器(31×31×31cm)に入れ、記録の日は投与以外には部屋への出入りは禁止した。容器は2つの棚を有するラックの上に置き、1つの棚に4つの容器を置いた。部屋の頭上の蛍光灯を24時間の明/暗サイクル(午前7時に点灯、午後7時に消灯)に設定した。容器内の光のレベルは、上の棚と下の棚でそれぞれ38ルクスと25ルクスであった。周囲の音を遮蔽するためにバックグラウンドの白色騒音(容器内で68db)を部屋に存在させた。
【0269】
データ取得。
EEGシグナルとEMGシグナルをケーブルを介して交換器(プラスティクスワン(Plastics One))につなぎ、次にプリアンプ(モデル1700、エーエムシステムズ(A-M Systems)、カールスボーグ(Carlsborg)、ワシントン州)につないだ。EEGシグナルとEMGシグナルを増幅(それぞれ、10Kと1K)し、帯域フィルターはEEGについて0.3〜500Hzで、EMGについて10〜500Hzであった。これらのシグナルを、ラボビュー(Labview)5.1ソフトウェアで動くイセルス(ICELUS)睡眠研究ソフトウェア(M. Opp, U. Texas;Opp, Physiology and Behavior 63:67-74, 1998、およびImeri, ManciaとOpp, Neuroscience 92:745-749, 1999、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)とデータ取得ハードウェア(PCI-MIO-16E-4;ナショナルインストルメンツ(National Instruments)、オースチン、テキサス州)を使用して、128サンプル/秒でデジタル化した。投与の日に、午前11時に始めてデータを6〜10時間記録した。
【0270】
薬剤投与と試験計画。
4〜8匹のラットの群で、化合物を1回または2回の異なる試験セッションで評価した。各動物は異なる化合物またはビヒクルで、最大10週間試験し、連続した試験の間は少なくとも7日間置いた。すべての実験にビヒクル群を含め、4回目の試験毎にビヒクルを各動物に投与した。試験化合物を無菌の0.25%メチルセルロース(pH=6.2;アップジョン社(Upjohn Co.)、カラマズー(Kalamazoo)、ミシガン州)に30mg/mlで懸濁した。化合物は100mg/kgより多い用量で投与可能であり、データ分析の選択基準で活性であると予測されるが、特に明記しない場合は、化合物は100mg/kgの単回投与とした。投与は真昼に、主にラットがほとんど睡眠中に行った。各ラットをその容器から取り出し、5ml/kgの容量で腹腔内注射し、戻した。投与にはラット当たり約30秒が必要であった。
【0271】
睡眠/覚醒スコア。
睡眠と覚醒をイセルス(ICELUS)ソフトウェアを使用して手動で測定した。このプログラムは、EEG周波数スペクトルとともに6秒のブロックでEEGとEMGデータを表示する。EEG周波数と振幅特性およびEMG活性の視覚的分析に従って、覚醒状態を覚醒、急速眼球運動(REM)、または徐波もしくは非REM睡眠(NREM)にスコア化した(OppとKrueger, 1994;Van Gelderら、1991;Edgarら、1991, 1997;Seidelら、1995, 参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)。基本的に覚醒活性は、0.5〜6Hzの周波数帯域中に低出力を有する比較的低振幅のEEG活性からなり、中〜高レベルのEMG活性を伴う。特定の覚醒状態(「シータ覚醒」)では、EEG出力は6〜9Hz(シータ)範囲に比較的集中しているが、大きなEMG活性が絶えず存在する。NREM睡眠は、0.5〜6Hzの低周波数帯域中の比較的大きな出力を有する比較的高振幅のEEG活性を特徴とし、EMG活性はほとんどまたは全く存在しない。REM睡眠は、覚醒シータと類似のシータ(6〜9Hz)範囲に集中した中振幅および一定振幅のEEGが特徴であるが、EMG活性は無い。
【0272】
データ分析と統計。
2つの基本的な結果尺度を使用して、化合物が覚醒増強活性を示すかどうかを確認した。第1は、投与後の各30分間について覚醒して過ごした時間のパーセントである。第2は、投与後最初の3時間に覚醒で過ごした総時間である(3時間AUC;最大180分)。試験化合物の活性を確認するために、覚醒活性値を対応するビヒクル値と比較した。ビヒクル値は2つのタイプがあった。最初のタイプは、対応する実験内ビヒクルであり、すなわち試験化合物と同時に測定したビヒクル群の値である。第2の「参照」ビヒクル値は、試験化合物の評価として同じ期間に行った59の異なる実験中の234匹の動物から計算した3時間AUC値の平均である(平均±SD=69.22±20.12;95%信頼限界=66.63〜71.81)。薬剤対ビヒクル処置動物の覚醒時間について対応の無い両側t検定を行い、p≦0.05を有する化合物を有意に覚醒促進性であると見なした。試験化合物は、以下の3つの基準の1つを満たす場合は「活性」であると見なした。
(i) 試験化合物の3時間AUC値が、参照ビヒクル群(N=234)の平均覚醒値より有意に大きかった(p≦0.05)。
(ii) 試験化合物の3時間AUC値が、同じ実験内のビヒクル群の対応する値より有意に大きかった(p≦0.05)。
(iii) 投与後0.5〜2時間の1つ以上の30分間覚醒時間値が、試験化合物群において同じ実験内の対応するビヒクル群より有意に大きかった(p≦0.05)。
【0273】
結果:
本発明の化合物は、覚醒促進活性の有用性を示したかまたは示すと予測される。
【0274】
例えば参照ビヒクル群と試験化合物の3時間AUC値(平均±SEM)を、実施例26、99および130について表4に示す。これらの試験化合物は、腹腔内経路で100mg/kg用量で投与し、時間の関数としての覚醒時間のパーセントの経時変化は、投与の1時間前〜5時間後から推定した。
【0275】
【表17】

【0276】
対照群と比較すると、実施例26、99および130の化合物は、ビヒクル処置動物で観察されたものより有意に大きい覚醒を引き起こした(p<0.05)。
【0277】
文献
以下の文献は、本明細書に記載した方法を例示するかまたは補足する詳細を提供する程度に、参照することによりその全体が本明細書に具体的に組み込まれる。
【表18】

【0278】
有用性
本発明は、治療の必要な対象に治療的有効量の式(I)の化合物を投与することを含んでなる、対象の疾患および状態の治療法を提供する。例えば本発明の化合物は、疾患の治療(眠気の治療、覚醒の促進、パーキンソン病、脳虚血;卒中;睡眠時無呼吸、摂食障害、食欲刺激と体重増加、注意欠陥多動性障害(「ADHD」)の治療、脳皮質の機能低下が引き起こす障害(例えば、特に限定されないが、うつ病、統合失調症、疲労、特に神経疾患(例えば多発性硬化症)、慢性疲労症候群が引き起こす疲労)における機能の増強、および認知機能不全の改善を含む)において使用される。
【0279】
投与量と製剤
本発明の化合物は、治療目的に、活性物質を対象の物質の作用部位に接触させる任意の手段により投与することができる。この化合物は、医薬品と組合せて使用するのに利用できる任意の慣用手段により、個々の治療薬としてまたは他の治療薬[例えば、鎮痛剤、または抗うつ剤、例えば特に限定されないが、三環式抗うつ剤(「TCA」)、選択的セロトニン再取り込みインヒビター(「SSRI」)、セロトニン及びノルアドレナリン再取り込みインヒビター(「SNRI」)、ドパミン再取り込みインヒビター(「DPI」)、ノルアドレナリン再取り込みインヒビター(「NRU」)、ドーパミン、セロトニン、およびノルアドレナリン再取り込みインヒビター(「DSNRI」)およびモノアミンオキシダーゼタイプAの可逆的インヒビター(RIMA)を含むモノアミンオキシダーゼインヒビター(「MAOI」)(を含む他の治療薬]と組合せて投与される。本発明の化合物は好ましくは、疾患および障害の治療に治療的有効量で投与される。
【0280】
治療的有効量は、当業者としての診断担当者が従来法を使用して容易に決定することができる。有効量は、多くの要因(活性物質の薬物動態、疾患または障害のタイプと進行具合、具体的な患者の年齢、体重および健康、剤型、投与法と頻度、および副作用の最小化を伴う所望の効果を含む)により変動する。典型的には化合物は、より低い用量レベルで投与され、所望の効果が達成されるまで徐々に増加させる。
【0281】
典型的投与量範囲は、1日当たり約0.01mg/kg体重〜約100mg/kg体重であり、好適な投与量は1日当たり約0.01mg/kg体重〜約10mg/kg体重である。成人の1日の典型的な投与量は、約1〜約1000mgの活性物質であり、特に約1〜約400mgであり、25、50、85、100、150、170、200、255、250、255、340、400、425、500、600、700、750、800、および900mgの投与量、およびヒトの子どものための同等の投与量である。
【0282】
化合物は1つ以上の単位投与剤型で投与され、1日当たり、1回の投与量または2回、3回、または4回の投与量で投与される。単位用量は約1〜約1000mgであり、特に約1〜約400mgであり、25、50、85、100、150、170、200、255、250、255、340、400、425、500、600、700、750、800、および900mgの単位用量、およびヒトの子供のための同等の投与量である。特に単位用量は、1日当たり約1〜500mgが1〜4回投与され、好ましくは約10mg〜約300mgが1日2回投与される。有効量を記載する別の方法では、経口単位用量は、対象で約0.05〜20μg/mlの血清レベル、好ましくは約1〜20μg/mlを達成するのに必要な量である。
【0283】
本発明の化合物は、1つ以上の医薬として許容される賦形剤と混合して医薬組成物に調製されることができる。活性物質は組成物の約0.5〜95重量%で存在してもよい。賦形剤は、選択された投与経路、および例えば「レミントン:薬剤科学(Remington: The Science and Practice of Pharmacy)」、第20版、Gennaro, A.R.編;リッピンコットウィリアムズアンドウィルキンス(Lippincott Williams & Wilkins):フィラデルフィア、ペンシルバニア州、2000に記載のように標準的薬剤的方法に基づいて選択される。
【0284】
組成物は、経口的手段(錠剤、丸剤、散剤、カプセル剤、トローチ剤などを含む)、非経口的手段(静脈内、筋肉内、および皮下的手段を含む)、局所または経皮的手段(パッチ、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、ペースト剤、ゲル剤、液剤、懸濁剤、エアロゾル剤、および散剤などを含む);経粘膜手段(鼻内、直腸内、膣内、舌下、および頬側的手段を含む);眼科的または吸入手段による投与用に調製することができる。好ましくは組成物は、経口投与用、特に錠剤、カプセル剤、またはシロップ剤の形対;非経口投与用、特に液剤、懸濁剤または乳剤の形態;鼻内投与、特に散剤、経鼻ドロップ、またはエアロゾル剤の形対;或いは局所的使用用、例えばパッチ剤、クリーム剤、軟膏剤、およびローション剤の形態で調製される。
【0285】
経口投与用に、錠剤、丸剤、散剤、カプセル剤、トローチ剤などは以下の1つ以上を含むことができる:希釈剤または充填剤、例えばデンプンもしくはセルロース;結合剤、例えば微結晶セルロース、ゼラチン、もしくはポリビニルピロリドン;崩壊剤、例えばデンプンもしくはセルロース誘導体;滑沢剤、例えばタルクもしくはステアリン酸マグネシウム;直打用滑沢剤、例えばコロイド二酸化ケイ素;甘味剤、例えばショ糖もしくはサッカリン;およびフレーバー剤、例えばハッカまたはサクランボ風味。カプセル剤は上記成分のいずれかを含有し、半固体または液体担体、例えばポリエチレングリコールを含有してもよい。固体の経口投与剤型は、糖、セラック、または腸溶性物質などのコーティングを有する。液体製剤は、水性もしくは油性の懸濁剤、液剤、エマルジョン、シロップ剤、エリキシル剤などの形でもよく、または使用前に水や他の適当なビヒクルで復元するための乾燥製品でもよい。かかる液体製剤は、界面活性剤、懸濁剤、乳化剤、希釈剤、甘味剤やフレーバー剤、色素、および保存剤などの通常の添加剤を含有してもよい。
【0286】
組成物は非経口的に投与してもよい。注射用の製剤は、例えば無菌水性溶液または懸濁液を含む。水性担体には、アルコールと水の混合物、緩衝化媒体などがある。非水性溶媒には、アルコールやグリコール、例えばエタノールおよびポリエチレングリコール;油、例えば植物油;脂肪酸と脂肪酸エステルなどがある。他の成分も加えることもでき、界面活性剤、例えばヒドロキシプロピルセルロース;等張物質、例えば塩化ナトリウム;流体および栄養補充物質;電解質補充物質;活性化合物の放出を制御する物質、例えばモノステアリン酸アルミニウム、および種々のコポリマー;抗細菌剤、例えばクロロブタノール、またはフェノール;緩衝剤;懸濁剤;増粘剤;などがある。非経口製剤は、アンプル、ディスポーザブルシリンジまたは多回投与バイアルに入れることができる。活性化合物の他の有用な非経口送達系の候補には、エチレン−酢酸ビニルコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、インプラント可能な輸注システム、およびリポソームがある。
【0287】
他の可能な投与法には、吸入用製剤があり、これは乾燥粉末、エアロゾル剤、または滴下剤のような手段がある。これらは水性液剤であり、例えばポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル、グリココール酸およびデオキシグリコール酸、または鼻内に投与するための点鼻剤またはゲル剤の形の投与用油性液剤がある。局所使用のための製剤は、軟膏剤、クリーム剤、またはゲル剤の形態である。典型的にはこれらの形態は、担体、例えばペトロラクタム、ラノリン、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、またはこれらの組合せ、および乳化剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、またはゲル化剤(例えばトラガカント)がある。経皮投与に適した製剤は、個別のパッチ、例えばリザーバーまたはマイクロリザーバーシステム、接着性の拡散制御システム、またはマトリックス分散型のシステムがある。頬側投与のための製剤には、例えばロゼンジ又はドロップ(pastille)があり、フレーバー基剤、例えばショ糖またはアラビアゴム、および他の賦形剤(グリコグリコール酸など)がある。直腸投与に適した製剤は、好ましくは単位投与坐剤として、固体ベースの担体(例えば、ココアバター)とともに提供され、サリチル酸を含有してもよい。
【0288】
本発明の組成物は、活性物質の放出を制御および/または遅延させるように調製される。かかる制御、遅延、持続、または延長放出組成物は当該分野で公知であり、例えばリザーバーまたはマトリックス拡散製品、ならびに溶解系がある。いくつかの組成物は、例えば生体適合性、生体分解性のラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマー、またはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーを賦形剤として含む。
【0289】
本発明をかなり詳細に説明したが、当業者には、本発明の実施態様および好適な実施態様に多くの変更や修飾が可能であることが理解されるであろうが、かかる変更や修飾は本発明の精神を逸脱することなくなされる。従って、添付の特許請求の範囲は、すべての同等の変更態様を本発明の範囲として包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(A):
【化1】

{式中、
Arは、以下の:
【化2】

(式中、
Uは、CH2、CR25R26、O、S(O)y、NR10、C(=O)、C(=S)、CHOH、CHOR14、C=NOR14、またはC=NNR12R13であり;
VとWは、結合、CH2、CR25R26、O、S(O)y、NR10、C(=O)、C(=S)、CHOH、CHOR14、C=NOR14、またはC=NNR12R13から独立に選択され;
環A、B、およびCは、F、Cl、Br、I、OR22、OR27、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、フェニル、5または6員ヘテロアリール、アリールアルキル、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、OC(=O)NR23R24、NR21C(=S)R22、およびS(O)yR22から選択される1〜3個の基で随時置換され;
環Dは、C1-C6アルキル、フェニル、および5〜10員ヘテロアリールから選択される1つの基で随時置換される;ただし、Vが結合であり、WがO、S(O)y、またはNR10である時、環Dはフェニル基により置換される)であり;
Yは、C1-C6アルキレン;または(C1-C4アルキレン)m-Z-(C1-C4アルキレン)nであり;ここで、該アルキレン基は1〜3個のR20基で随時置換され;
Zは、O、NR10A、S(O)y、CR21=CR21、C≡C、C6-C10アリーレン、5〜10員ヘテロアリーレン、C3-C6シクロアルキレン、または3〜6員ヘテロシクロアルキレンであり;ここで該アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキレン、およびヘテロシクロアルキレン基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
R1は、H、NR12R13、NR21C(=O)R14、C(=O)R14、CO2R11、OC(=O)R11、C(=O)NR12R13、C(=NR11)NR12R13、OC(=O)NR12R13、NR21S(O)2R11、NR21C(=O)NR12R13、NR21S(O)2NR12R13、およびC(=O)NR11OR22から選択され;
R10とR10Aは、H、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、C(=O)R14、およびS(O)yR14からそれぞれ独立に選択され;ここで、該アルキルとアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R11は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールから独立に選択され;ここで、該アルキルとアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R12とR13は、H、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、およびNR23R24からそれぞれ独立に選択されるか、またはR12とR13は、これらが結合している窒素とともに、3〜7員複素環を形成し;ここで、該アルキルとアリール基および複素環は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R14は、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、およびアルキルアリールから独立に選択され;ここで、該アルキル、アリールおよびアルキルアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R20は、F、Cl、Br、I、OR22、OR27、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、OHで随時置換されたC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、フェニル、5または6員ヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21C(=O)OR22、OC(=O)NR23R24、NR21C(=S)R22、およびS(O)yR22から、独立に選択され;
各R21は、HとC1-C6アルキルから独立に選択され;
各R22は、H、OHで随時置換されたC1-C6アルキル、アリールアルキル、およびC6-C10アリールから独立に選択され;
各R23とR24は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールからそれぞれ独立に選択されるか、またはR23とR24は、これらが結合している窒素とともに、=Oで随時置換された3〜7員複素環を形成し;
各R25とR26は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールからそれぞれ独立に選択されるか、またはR25とR26は、これらが結合している炭素とともに、3〜7員複素環を形成し;
各R27は独立に、カルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
mは0または1であり;
nは0または1であり;
qは0、1、または2であり;
yは0、1、または2である
ただし、化合物:ここで、
UがCH2、C(=O)、CH(CH3)、S、またはC=NNHPhであり;かつYがCH2であり;かつR1がHである、は除外され、
かつ、化合物:ここで、
UがCH2であり;かつYがC1-C6アルキレンで随時置換されたC1-C6アルキレンであり;かつR1がCONH2またはCO2R11、ここで、R11=HまたはC1-C6アルキルである、は除外され、
かつ以下の化合物:
3-[(メチルチオ)メチル]-2-フェニル-1H-インデン-1-オン
3-[(メチルスルフィニル)メチル]-2-フェニル-1H-インデン-1-オンは除外される}
により表される化合物、又はその立体異性体、立体異性体の混合物、或いは医薬として許容されるその塩。
【請求項2】
以下の式:
【化3】

{式中、
Yは、C1-C6アルキレン;(C1-C4アルキレン)m-Z1-(C1-C4アルキレン)n;C1-C4アルキレン-Z2-C1-C4アルキレンであり;ここで、該アルキレン基は1〜3個のR20基で随時置換され;
Z1は、CR21=CR21、C≡C、C6-C10アリーレン、5〜10員ヘテロアリーレン、C3-C6シクロアルキレン、または3〜6員ヘテロシクロアルキレンであり;ここで、該アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキレン、およびヘテロシクロアルキレン基は1〜3個のR20基で随時置換され;
Z2は、O、NR10A、またはS(O)yであり;
mは0または1であり;
nは0または1であり;
qは0、1、または2であり;
yは0、1、または2である}
により表される請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、立体異性体の混合物、或るいは医薬として許容されるその塩。
【請求項3】
qは1である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
R1はHである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
R1は、NR12R13、NR21C(=O)R14、C(=O)R14、CO2R11、OC(=O)R11、C(=O)NR12R13、C(=NR11)NR12R13、OC(=O)NR12R13、NR21S(O)2R11、NR21C(=O)NR12R13、NR21S(O)2NR12R13、およびC(=O)NR11OR22、から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
R1は、NR12R13、NR21C(=O)R14、C(=O)NR12R13、C(=NR11)NR12R13、およびNR21C(=O)NR12R13から選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
R1はC(=O)NR12R13である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
R12とR13は、H、C1-C6アルキル、およびNR23R24からそれぞれ独立に選択される、請求項5〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
R12とR13は、これらが結合している窒素とともに、3〜7員複素環を形成し、ここで該複素環は1つのR20基で随時置換される、請求項5〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
前記複素環は置換されていない、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
R1は、C(=O)R14、CO2R11、OC(=O)R11、C(=O)NR12R13、OC(=O)NR12R13、NR21S(O)2R11、およびNR21S(O)2NR12R13から選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項12】
Arは以下の式:
【化4】

により表される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
Uは、CH2、O、S(O)y、またはNR10である、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
Uは、CH2、O、またはS(O)yである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
Arは以下の式:
【化5】

により表される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
Vは、O、S(O)y、またはNR10であり、Wは結合であり、環Dはフェニルで置換されている、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
VはOであり、WはOであり、環Dはフェニルで置換されている、請求項15に記載の化合物。
【請求項18】
YはC1-C6アルキレンである、請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
YはCH2である、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
Yは、(C1-C4アルキレン)m-Z1-(C1-C4アルキレン)nである、請求項2〜17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
Z1は、C6-C10アリーレンまたはC3-C6シクロアルキレンである、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
Z1は、5〜10員ヘテロアリーレンまたは3〜6員ヘテロシクロアルキレンである、請求項20に記載の化合物。
【請求項23】
Z1は、CR21=CR21またはC≡Cである、請求項20に記載の化合物。
【請求項24】
Yは、C1-C4アルキレン-Z2-C1-C4アルキレンである、請求項2〜17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項25】
Z2はOである、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
以下の式(I):
【化6】

{式中、
Arは、以下の式:
【化7】

(式中、
Uは、CH2、O、S(O)y、またはNR10であり;
VとWは、結合、O、S(O)y、またはNR10から独立に選択され;
環A、B、およびCは、F、Cl、Br、I、OR22、OR27、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、C1-C6アルキル、フェニル、アリールアルキル、およびC(=O)R22から選択される1〜3個の基で随時置換され;
環Dは、C1-C6アルキルおよびフェニルから選択される1つの基で随時置換される)により表され;
Yは、C1-C6アルキレン;C1-C4アルキレン-Z1-(C1-C4アルキレン)n;C1-C4アルキレン-Z2-C1-C4アルキレンであり;ここで、該アルキレン基は1〜3個のR20基で随時置換され;
Z1は、CR21=CR21、C≡C、C6-C10アリーレン、5〜10員ヘテロアリーレン、C3-C6シクロアルキレン、または3〜6員ヘテロシクロアルキレンであり;ここで該アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキレン、およびヘテロシクロアルキレン基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
Z2は、O、NR10A、またはS(O)yであり;
R1は、NR21C(=O)R14、C(=O)R14、CO2R11、OC(=O)R11、C(=O)NR12R13、C(=NR11)NR12R13、OC(=O)NR12R13、NR21S(O)2R11、NR21C(=O)NR12R13、NR21S(O)2NR12R13、およびC(=O)NR11OR22から選択され;
R10とR10Aは、H、C1-C6アルキル、C(=O)R14、およびS(O)yR14からそれぞれ独立に選択され;ここで該アルキルは、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R11は、HおよびC1-C6アルキルから独立に選択され;ここで、該アルキル基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R12とR13は、HおよびC1-C6アルキルおよびNR23R24からそれぞれ独立に選択されるか、またはR12とR13は、これらが結合している窒素とともに、3〜7員複素環を形成し;ここで、該アルキル基および複素環は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R14は、C1-C6アルキルおよびC6-C10アリールから独立に選択され;ここ、該アルキル、アリールおよびアルキルアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R20は、F、Cl、Br、I、OR22、OR27、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、OHで随時置換されたC1-C6アルキル、フェニル、=O、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、OC(=O)NR23R24、NR21C(=S)R22、およびS(O)yR22から、独立に選択され;
各R21は、HとC1-C6アルキルから独立に選択され;
各R22は、H、OHで随時置換されたC1-C6アルキル、フェニル、およびベンジルから独立に選択され;
各R23とR24は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールからそれぞれ独立に選択されるか、またはR23とR24は、これらが結合している窒素とともに、=Oで随時置換された3〜7員複素環を形成し;
各R27は独立に、カルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
nは0または1であり;
qは0、1、または2であり;
yは0、1、または2である}
により表される構造を有する請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、立体異性体の混合物、或いは医薬として許容されるその塩。
【請求項27】
Yは、C1-C6アルキレン、C1-C4アルキレン-Z1-C1-C4アルキレン、またはC1-C4アルキレン-Z2-C1-C4アルキレンであり、ここで、該アルキレン基は、1〜3個のC1-C6アルキル基で随時置換され;
Z1は、CR21=CR21、C≡C、またはフェニルであり;
Z2は、O、NR10A、またはS(O)yであり;
R1は、NR21C(=O)R14、C(=O)R14、CO2R11、OC(=O)R11、C(=O)NR12R13、およびC(=O)NR11OR22から選択される、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
Yは、C1-C6アルキレン、またはC1-C4アルキレン-Z1-C1-C4アルキレンである、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
YはC1-C6アルキレンである、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
R1はC(=O)NR12R13である、請求項26〜29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項31】
以下の式(III):
【化8】

により表される構造を有する、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
Uは、CH2、O、またはS(O)yである、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
Uは、OまたはS(O)yである、請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
UはCH2である、請求項32に記載の化合物。
【請求項35】
YはC1-C6アルキレンである、請求項31〜34のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項36】
YはCH2またはCH2-CH2である、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
Yは、C1-C4アルキレン-Z1-(C1-C4アルキレン)nであり、Z1はフェニレン、5〜6員ヘテロアリーレン、CR21=CR21、またはC≡Cである、請求項31〜34のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項38】
Yは、C1-C4アルキレン-Z1-(C1-C4アルキレン)nであり、Z1はフェニレン、CR21=CR21、またはC≡Cである、請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
以下の式(IV):
【化9】

により表される構造を有する、請求項30に記載の化合物。
【請求項40】
Vは、O、S(O)y、またはNR10であり、Wは結合であり、かつ環Dはフェニルで置換されている、請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
Vは、OまたはS(O)yであり、Wは結合であり、かつ環Dはフェニルで置換されている、請求項40に記載の化合物。
【請求項42】
VはOであり、WはOであり、かつ環Dはフェニルで置換されている、請求項39に記載の化合物。
【請求項43】
YはC1-C6アルキレンである、請求項39〜42のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項44】
YはCH2またはCH2-CH2である、請求項43に記載の化合物。
【請求項45】
Yは、C1-C4アルキレン-Z1-(C1-C4アルキレン)nであり、かつZ1はフェニレン、5〜6員ヘテロアリーレン、CR21=CR21、またはC≡Cである、請求項39〜42のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項46】
Yは、C1-C4アルキレン-Z1-(C1-C4アルキレン)nであり、かつZ1はフェニレン、CR21=CR21、またはC≡Cである、請求項45に記載の化合物。
【請求項47】
以下の表に従って選択される以下の式:
【化10】

{式中、Ar、q、Y-R1は以下の表:
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

により定義される}
により表される請求項1に記載の化合物。
【請求項48】
ナルコレプシー、閉塞性睡眠時無呼吸またはシフト勤務障害が引き起こす眠気;パーキンソン病;アルツハイマー病;注意欠陥障害;注意多動性障害;うつ病;および疲労よりなる群から選択される疾患または障害を治療するのに有用な薬物の製造のための、以下の式(A):
【化11】

{式中、
Arは、以下の式:
【化12】

(式中、
Uは、CH2、CR25R26、O、S(O)y、NR10、C(=O)、C(=S)、CHOH、CHOR14、C=NOR14、またはC=NNR12R13であり;
VとWは、結合、CH2、CR25R26、O、S(O)y、NR10、C(=O)、C(=S)、CHOH、CHOR14、C=NOR14、またはC=NNR12R13から独立に選択され;
環A、B、およびCは、F、Cl、Br、I、OR22、OR27、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、フェニル、5または6員ヘテロアリール、アリールアルキル、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、OC(=O)NR23R24、NR21C(=S)R22、およびS(O)yR22から選択される1〜3個の基で随時置換され;
環Dは、C1-C6アルキル、フェニル、および5〜10員ヘテロアリールから選択される1つの基で随時置換される;ただし、Vが結合であり、WがO、S(O)y、またはNR10である時、環Dはフェニル基により置換される)であり;
Yは、C1-C6アルキレン;または(C1-C4アルキレン)m-Z-(C1-C4アルキレン)nであり;ここで、該アルキレン基は1〜3個のR20基で随時置換され;
Zは、O、NR10A、S(O)y、CR21=CR21、C≡C、C6-C10アリーレン、5〜10員ヘテロアリーレン、C3-C6シクロアルキレン、または3〜6員ヘテロシクロアルキレンであり;ここで、該アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキレン、およびヘテロシクロアルキレン基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
R1は、H、NR12R13、NR21C(=O)R14、C(=O)R14、CO2R11、OC(=O)R11、C(=O)NR12R13、C(=NR11)NR12R13、OC(=O)NR12R13、NR21S(O)2R11、NR21C(=O)NR12R13、NR21(SO2)NR12R13、およびC(=O)NR11OR22から選択され;
R10とR10Aは、H、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、C(=O)R14、およびS(O)yR14からそれぞれ独立に選択され;ここで、該アルキルとアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R11は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールから独立に選択され;ここで、該アルキルとアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R12とR13は、H、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、およびNR23R24からそれぞれ独立に選択されるか、またはR12とR13は、これらが結合している窒素とともに、3〜7員複素環を形成し;ここで、該アルキルとアリール基および複素環は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R14は、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、およびアルキルアリールから独立に選択され;ここで該アルキル、アリールおよびアルキルアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R20は、F、Cl、Br、I、OR22、OR27、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、OHで随時置換されたC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、フェニル、5または6員ヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、OC(=O)NR23R24、NR21C(=S)R22、およびS(O)yR22から、独立に選択され;
各R21は、HとC1-C6アルキルから独立に選択され;
各R22は、H、OHで随時置換されたC1-C6アルキル、アリールアルキル、およびC6-C10アリールから独立に選択され;
各R23とR24は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールからそれぞれ独立に選択されるか、またはR23とR24は、これらが結合している窒素とともに、=Oで随時置換された3〜7員複素環を形成し;
各R25とR26は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールからそれぞれ独立に選択されるか、またはR25とR26は、これらが結合している炭素とともに、3〜7員複素環を形成し;
各R27は独立に、カルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
mは0または1であり;
nは0または1であり;
qは0、1、または2であり;
yは0、1、または2である}
により表される化合物、またはその立体異性体、立体異性体の混合物、或いは医薬として許容されるその塩の使用。
【請求項49】
ナルコレプシーが引き起こす眠気の治療に有用な薬物の製造のための請求項48に記載の式(A)の化合物の使用。
【請求項50】
覚醒を促進するための、睡眠に影響を与える疾患または障害の治療に有用な薬物の製造のための、以下の式(A):
【化13】

{式中、
Arは、以下の式:
【化14】

(式中、
Uは、CH2、CR25R26、O、S(O)y、NR10、C(=O)、C(=S)、CHOH、CHOR14、C=NOR14、またはC=NNR12R13であり;
VとWは、結合、CH2、CR25R26、O、S(O)y、NR10、C(=O)、C(=S)、CHOH、CHOR14、C=NOR14、またはC=NNR12R13から独立に選択され;
環A、B、およびCは、F、Cl、Br、I、OR22、OR27、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、フェニル、5または6員ヘテロアリール、アリールアルキル、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、OC(=O)NR23R24、NR21C(=S)R22、およびS(O)yR22から選択される1〜3個の基で随時置換され;
環Dは、C1-C6アルキル、フェニル、および5〜10員ヘテロアリールから選択される1つの基で随時置換される;ただし、Vが結合であり、かつWがO、S(O)y、またはNR10である時、環Dはフェニル基により置換される)により表され;
Yは、C1-C6アルキレン;または(C1-C4アルキレン)m-Z-(C1-C4アルキレン)nであり;ここで、該アルキレン基は1〜3個のR20基で随時置換され;
Zは、O、NR10A、S(O)y、CR21=CR21、C≡C、C6-C10アリーレン、5〜10員ヘテロアリーレン、C3-C6シクロアルキレン、または3〜6員ヘテロシクロアルキレンであり;ここで、該アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキレン、およびヘテロシクロアルキレン基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
R1は、H、NR12R13、NR21C(=O)R14、C(=O)R14、CO2R11、OC(=O)R11、C(=O)NR12R13、C(=NR11)NR12R13、OC(=O)NR12R13、NR21S(O)2R11、NR21C(=O)NR12R13、NR21(SO2)NR12R13、およびC(=O)NR11OR22から選択され;
R10とR10Aは、H、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、C(=O)R14、およびS(O)yR14からそれぞれ独立に選択され;ここで、該アルキルとアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R11は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールから独立に選択され;ここで、該アルキルとアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R12とR13は、H、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、およびNR23R24からそれぞれ独立に選択されるか、またはR12とR13は、これらが結合している窒素とともに、3〜7員複素環を形成し;ここで、該アルキルとアリール基および複素環は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R14は、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、およびアルキルアリールから独立に選択され;ここで該アルキル、アリールおよびアルキルアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R20は、F、Cl、Br、I、OR22、OR27、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、OHで随時置換されたC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、フェニル、5または6員ヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、OC(=O)NR23R24、NR21C(=S)R22、およびS(O)yR22から、独立に選択され;
各R21は、HとC1-C6アルキルから独立に選択され;
各R22は、H、OHで随時置換されたC1-C6アルキル、アリールアルキル、およびC6-C10アリールから独立に選択され;
各R23とR24は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールからそれぞれ独立に選択されるか、またはR23とR24は、これらが結合している窒素とともに、=Oで随時置換された3〜7員複素環を形成し;
各R25とR26は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールからそれぞれ独立に選択されるか、またはR25とR26は、これらが結合している炭素とともに、3〜7員複素環を形成し;
各R27は独立に、カルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
mは0または1であり;
nは0または1であり;
qは0、1、または2であり;
yは0、1、または2である}
により表される化合物、またはその立体異性体、立体異性体の混合物、或いは医薬として許容されるその塩の使用。
【請求項51】
パーキンソン病;アルツハイマー病;注意欠陥障害;注意欠陥多動性障害;うつ病;および神経疾患または障害が引き起こす疲労から選択される神経疾患または障害の治療に有用な薬物の製造のための、以下の式(A):
【化15】

{式中、
Arは、以下の式:
【化16】

(式中、
Uは、CH2、CR25R26、O、S(O)y、NR10、C(=O)、C(=S)、CHOH、CHOR14、C=NOR14、またはC=NNR12R13であり;
VとWは、結合、CH2、CR25R26、O、S(O)y、NR10、C(=O)、C(=S)、CHOH、CHOR14、C=NOR14、またはC=NNR12R13から独立に選択され;
環A、B、およびCは、F、Cl、Br、I、OR22、OR27、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、フェニル、5または6員ヘテロアリール、アリールアルキル、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、OC(=O)NR23R24、NR21C(=S)R22、およびS(O)yR22から選択される1〜3個の基で随時置換され;
環Dは、C1-C6アルキル、フェニル、および5〜10員ヘテロアリールから選択される1つの基で随時置換される;ただし、Vが結合であり、WがO、S(O)y、またはNR10である時、環Dはフェニル基により置換される)であり;
Yは、C1-C6アルキレン;または(C1-C4アルキレン)m-Z-(C1-C4アルキレン)nであり;ここで、該アルキレン基は1〜3個のR20基で随時置換され;
Zは、O、NR10A、S(O)y、CR21=CR21、C≡C、C6-C10アリーレン、5〜10員ヘテロアリーレン、C3-C6シクロアルキレン、または3〜6員ヘテロシクロアルキレンであり;ここで、該アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキレン、およびヘテロシクロアルキレン基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
R1は、H、NR12R13、NR21C(=O)R14、C(=O)R14、CO2R11、OC(=O)R11、C(=O)NR12R13、C(=NR11)NR12R13、OC(=O)NR12R13、NR21S(O)2R11、NR21C(=O)NR12R13、NR21(SO2)NR12R13、およびC(=O)NR11OR22から選択され;
R10とR10Aは、H、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、C(=O)R14、およびS(O)yR14からそれぞれ独立に選択され;ここで該アルキルとアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R11は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールから独立に選択され;ここで、該アルキルとアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R12とR13は、H、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、およびNR23R24からそれぞれ独立に選択されるか、またはR12とR13は、これらが結合している窒素とともに、3〜7員複素環を形成し;ここで、該アルキルとアリール基および複素環は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R14は、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、およびアルキルアリールから独立に選択され;ここで、該アルキル、アリールおよびアルキルアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R20は、F、Cl、Br、I、OR22、OR27、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、OHで随時置換されたC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、フェニル、5または6員ヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、OC(=O)NR23R24、NR21C(=S)R22、およびS(O)yR22から、独立に選択され;
各R21は、HとC1-C6アルキルから独立に選択され;
各R22は、H、OHで随時置換されたC1-C6アルキル、アリールアルキル、およびC6-C10アリールから独立に選択され;
各R23とR24は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールからそれぞれ独立に選択されるか、またはR23とR24は、これらが結合している窒素とともに、=Oで随時置換された3〜7員複素環を形成し;
各R25とR26は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールからそれぞれ独立に選択されるか、またはR25とR26は、これらが結合している炭素とともに、3〜7員複素環を形成し;
各R27は独立に、カルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
mは0または1であり;
nは0または1であり;
qは0、1、または2であり;
yは0、1、または2である}
により表される化合物、またはその立体異性体、立体異性体の混合物、或いは医薬として許容されるそ塩の使用。
【請求項52】
以下の式(A):
【化17】

{式中、
Arは、以下の式:
【化18】

(式中、
Uは、CH2、CR25R26、O、S(O)y、NR10、C(=O)、C(=S)、CHOH、CHOR14、C=NOR14、またはC=NNR12R13であり;
VとWは、結合、CH2、CR25R26、O、S(O)y、NR10、C(=O)、C(=S)、CHOH、CHOR14、C=NOR14、またはC=NNR12R13から独立に選択され;
環A、B、およびCは、F、Cl、Br、I、OR22、OR27、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、フェニル、5または6員ヘテロアリール、アリールアルキル、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、OC(=O)NR23R24、NR21C(=S)R22、およびS(O)yR22から選択される1〜3個の基で随時置換され;
環Dは、C1-C6アルキル、フェニル、および5〜10員ヘテロアリールから選択される1つの基で随時置換される;ただし、Vが結合であり、かつWがO、S(O)y、またはNR10である時、環Dはフェニル基により置換される)により表され;
Yは、C1-C6アルキレン;または(C1-C4アルキレン)m-Z-(C1-C4アルキレン)nであり;ここで、該アルキレン基は1〜3個のR20基で随時置換され;
Zは、O、NR10A、S(O)y、CR21=CR21、C≡C、C6-C10アリーレン、5〜10員ヘテロアリーレン、C3-C6シクロアルキレン、または3〜6員ヘテロシクロアルキレンであり;ここで該アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキレン、およびヘテロシクロアルキレン基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
R1は、H、NR12R13、NR21C(=O)R14、C(=O)R14、CO2R11、OC(=O)R11、C(=O)NR12R13、C(=NR11)NR12R13、OC(=O)NR12R13、NR21S(O)2R11、NR21C(=O)NR12R13、NR21(SO2)NR12R13、およびC(=O)NR11OR22から選択され;
R10とR10Aは、H、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、C(=O)R14、およびS(O)yR14からそれぞれ独立に選択され;ここで該アルキルとアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R11は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールから独立に選択され;ここで該アルキルとアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R12とR13は、H、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、およびNR23R24からそれぞれ独立に選択されるか、またはR12とR13は、これらが結合している窒素とともに、3〜7員複素環を形成し;ここで、該アルキルとアリール基および複素環は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R14は、C1-C6アルキル、C6-C10アリール、およびアルキルアリールから独立に選択され;ここで、該アルキル、アリールおよびアルキルアリール基は、1〜3個のR20基で随時置換され;
各R20は、F、Cl、Br、I、OR22、OR27、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、OHで随時置換されたC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、フェニル、5または6員ヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2OR22、OC(=O)NR23R24、NR21C(=S)R22、およびS(O)yR22から、独立に選択され;
各R21は、HとC1-C6アルキルから独立に選択され;
各R22は、H、OHで随時置換されたC1-C6アルキル、アリールアルキル、およびC6-C10アリールから独立に選択され;
各R23とR24は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールからそれぞれ独立に選択されるか、またはR23とR24は、これらが結合している窒素とともに、=Oで随時置換された3〜7員複素環を形成し;
各R25とR26は、H、C1-C6アルキル、およびC6-C10アリールからそれぞれ独立に選択されるか、またはR25とR26は、これらが結合している炭素とともに、3〜7員複素環を形成し;
各R27は独立に、カルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
mは0または1であり;
nは0または1であり;
qは0、1、または2であり;
yは0、1、または2であり;
そして、化合物:ここで
UがCH2であり;かつ
YがC1-C6アルキレンで随時置換されたC1-C6アルキレンであり;かつ
R1がCONH2またはCO2R11、ここで、R11=HまたはC1-C6アルキルである、である、は除外される}
により表される化合物、またはその立体異性体、立体異性体の混合物、或いは医薬として許容される塩を、1つ以上の医薬として許容される賦形剤との混合物として含んでなる医薬組成物。
【請求項53】
請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物を調製するための方法であって、以下の:
i) 以下の、化合物Fに化合物Gを反応させて、式(Ia):
【化19】

{式中、Ar、Y、R1は請求項1で定義されるものであり、q=0であり、LGは脱離基である}
により表される化合物を生成する工程;および場合により
ii) 該生成した化合物(Ia)を単離する工程、
を含む、前記方法。
【請求項54】
請求項53に記載の方法であって、前記化合物Fは、以下の化合物Cにチオ尿素と適切な酸HA:
【化20】

を反応させることにより生成される、前記方法。
【請求項55】
請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物を調製するための方法であって、以下の:
a2) 以下の、化合物Eに化合物Gを反応させて、式(Ia):
【化21】

{式中、Ar、Y、R1は請求項1で定義されるものであり、q=0であり、LGは脱離基である}
により表される化合物を生成する工程;および場合により
b2) 生成した該化合物(Ia)を単離する工程、
を含む、前記方法。
【請求項56】
請求項55に記載の方法であって、前記化合物Eは、以下の化合物Bにチオアセトアミド:
【化22】

を反応させることにより生成される、前記方法。
【請求項57】
請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物を調製するための方法であって、以下の:
a3) 以下の、化合物Aに化合物Dを反応させて、式(Ia):
【化23】

{式中、Ar、Y、R1は請求項1で定義されるものであり、q=0である}
により表される化合物を生成する工程;および場合により
b3) 生成した該式(Ia)の化合物を単離する工程、
を含む、前記方法。
【請求項58】
請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物を調製するための方法であって、以下の:
a4) 以下の、化合物Cに化合物Hを反応させて、式(Ia):
【化24】

{式中、Ar、Y、R1は請求項1で定義されるものであり、q=0である}
により表される化合物を生成する工程;および場合により
b4) 生成した該化合物(Ia)を単離する工程、
を含む、前記方法。
【請求項59】
請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物を調製するための方法であって、以下の:
a4) 以下の、化合物Bに化合物Hを反応させて、式(Ia):
【化25】

{式中、Ar、Y、R1は請求項1で定義されるものであり、q=0である}
により表される化合物を生成する工程;および場合により
b4) 生成した該化合物(Ia)を単離する工程、
を含む、前記方法。
【請求項60】
請求項53〜59のいずれか1項に記載の方法であって、以下の:
a5) 化合物(Ia)に適切な酸化剤を反応させて、以下の化合物(Ib):
【化26】

{式中、Ar、Y、R1は請求項1で定義されるものであり、q=1または2である}
により表される化合物を生成する工程;および場合により
b5) 生成した該化合物(Ib)を単離する工程、
をさらに含む、前記方法。

【公表番号】特表2007−532627(P2007−532627A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507866(P2007−507866)
【出願日】平成17年4月13日(2005.4.13)
【国際出願番号】PCT/IB2005/000970
【国際公開番号】WO2005/100345
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(505048921)セファロン フランス (9)
【Fターム(参考)】