説明

ドライエッチング装置

【課題】ドライエッチング処理の実施中に異常が発生した場合に、基板とステージとの間に供給される冷却用ガスの圧力に起因して基板がステージ上より跳ね上がって位置ズレが生じることを防止する。
【解決手段】ドライエッチング処理の異常発生が検出された場合に、ステージおよび基板の間に供給される第1流路内の冷却用ガスの圧力と処理室内の圧力との間の差圧を減少させる処理を開始する。これにより、エッチング処理中に異常が発生した場合であっても、処理室内の圧力と第1流路内の圧力との差圧が減少されるため、差圧により基板がステージより跳ね上がって位置ズレ等が生じることを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に対してドライエッチング処理を行うドライエッチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このようなドライエッチング装置では、チャンバ内のステージ上に載置された基板を、ステージに内蔵されたESC電極を用いて静電吸着により保持した状態で、高周波電圧の作用によりプラズマを発生させて、基板に対する所望のエッチング処理が行われる。
【0003】
また、このエッチング処理の際には、基板とステージとの間に冷却用Heガスを供給して基板の冷却が行われ、基板が熱的ダメージを受けることが防止されている(例えば、特許文献1参照)。エッチング処理の際、冷却用Heガスの圧力はエッチング処理実施中のチャンバ内雰囲気の圧力よりも高く設定されているが、上述の静電吸着によって基板は冷却用Heガスの圧力に抗する状態でステージ上に引き寄せられて保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−21405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常のドライエッチング装置では、エッチング処理中に異常が発生すると装置の保全や安全を確保する目的で主要な電源を遮断する停止機能を備えている。このため、エッチング処理中に停止機能が作動してESC電極へのDC電圧の供給が停止されると、基板とステージとの間の冷却用Heガスの圧力とチャンバ内雰囲気の圧力との間の差圧により、基板がステージより浮き上がる、あるいは跳ね上がり、ステージ上における基板の載置位置に位置ズレが生じる場合がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、上記課題を解決することにあって、ドライエッチング処理の実施中に異常が発生した場合に、基板とステージとの間に供給される冷却用ガスの圧力に起因して基板がステージ上より浮き上がってあるいは跳ね上がって位置ズレが生じることを防止できるドライエッチング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0008】
本発明の第1態様によれば、基板に対するドライエッチング処理が施される処理室を形成する処理容器と、
処理室内に配置され、基板が載置されるステージと、
ステージ上に載置された基板を静電吸着する静電吸着部と、
プラズマを発生させるための処理ガスを処理室内に供給する処理ガス供給部と、
処理室内に供給された処理ガスを高周波電圧の作用によってプラズマ化することによりステージ上の基板に対してドライエッチング処理を行うプラズマ発生手段と、
ドライエッチング処理の際に基板を冷却するための冷却用ガスをステージと基板との間に第1流路を通して供給する冷却用ガス供給部と、
処理室内に連通された排気流路を介して処理室内を排気する排気手段と、
処理室内の圧力と第1流路内の圧力との差圧を減少させる差圧解消手段と、
ドライエッチング処理の異常発生を検出する異常検出手段と、
異常検出手段が異常を検出したら、プラズマ発生手段、処理ガス供給部からの処理ガスの供給、および冷却用ガス供給部からの冷却ガスの供給を停止するとともに、差圧解消手段を作動させる処理を行う停止手段と、を備える、ドライエッチング装置を提供する。
【0009】
本発明の第2態様によれば、差圧解消手段が、排気流路と第1流路とを連通する第2流路と、第2流路上に設けられた開閉弁であり、
停止手段は、異常検出手段が異常を検出したら開閉弁を開くことにより差圧を減少させる、第1態様に記載のドライエッチング装置を提供する。
【0010】
本発明の第3態様によれば、差圧解消手段が、処理室と第1流路とを連通する第2流路と、第2流路上に設けられた開閉弁であり、
停止手段は、異常検出手段が異常を検出したら開閉弁を開くことにより差圧を減少させる、第1態様に記載のドライエッチング装置を提供する。
【0011】
本発明の第4態様によれば、ドライエッチング処理の際に生じた基板の残留静電吸着力を減少させる除電処理を行う除電処理手段をさらに備え、
冷却用ガスはHeガスであり、除電処理手段は、除電処理時に開閉弁を開いて第2流路を通して冷却用ガスを除電用ガスとして処理室内に供給して除電処理を開始させ、
停止手段は、異常検出手段が異常を検出したら、プラズマ発生手段、処理ガス供給部からの処理ガスの供給、および冷却用ガス供給部からの冷却ガスの供給を停止するとともに、開閉弁を開く処理を行う、第3態様に記載のドライエッチング装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ドライエッチング処理の異常発生が検出された場合に、プラズマ発生手段、処理ガス供給部からの処理ガスの供給、および冷却用ガス供給部からの冷却用ガスの供給を停止するとともに、ステージおよび基板の間に供給される第1流路内の冷却用ガスの圧力と処理室内の圧力との間の差圧を減少させる処理を開始するようにしている。これにより、エッチング処理中に異常が発生した場合であっても、処理室内の圧力と第1流路内の圧力との差圧が減少されるため、差圧により基板がステージより浮き上がってあるいは跳ね上がって位置ズレ等が生じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1に係るドライエッチング装置の構成図
【図2】トレイ、基板および基板ステージの斜視図
【図3】トレイ、基板および基板ステージの斜視図(トレイ載置状態)
【図4】ドライエッチング処理の手順を示す動作説明図
【図5】冷却用Heガスとチャンバ内雰囲気との差圧の変化を示す図
【図6】本発明の実施の形態2に係るドライエッチング装置の構成図
【図7】本発明の実施の形態3に係るドライエッチング装置の構成図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係るドライエッチング装置の一例としてICP(誘導結合プラズマ)型のドライエッチング装置1の構成図を図1に示す。
【0016】
ドライエッチング装置1は、基板2(図2〜図4参照)に対してドライエッチング処理を行う処理室(処理空間)を構成するチャンバ(処理容器)3を備える。チャンバ3の上端開口は石英等の誘電体により形成された天板4(隔壁)により密閉状態で閉鎖されている。天板4上にはICPコイル5が配置されており、ICPコイル5はコイルカバー部10により覆われている。ICPコイル5にはマッチング回路を含む第1の高周波電源部7が電気的に接続されている。天板4と対向するチャンバ3内の底部側には、バイアス電圧が印加される下部電極としての機能及び基板2の保持台としての機能を有する基板ステージ9が配置されている。チャンバ3には、例えばロードロック室(図示せず)と連通する開閉可能な搬入出用のゲートバルブ(図示せず)が設けられており、図示しない搬送機構が備えるハンド部により基板2が保持されて、開放状態のゲートバルブを通して基板2の搬入・搬出動作が行われる。
【0017】
また、天板4の処理室側の面には複数のガス導入口4aが形成されており、これらのガス導入口4aには、処理ガス供給路16を介してエッチング処理用の処理ガス供給部12が接続されている。処理ガス供給部12には、複数種類の処理ガスの供給ライン(例えば、BCl、Cl、Ar、O、CFなど)が備えられており、それぞれのガス種のライン毎に設けられた開閉バルブ12aおよび流量調整部12bの開閉動作および開度が選択的に制御されることにより、処理ガス供給路16を通してガス導入口4aから所望の流量および仕様の処理ガスを供給できる。また、処理ガス供給部12には、後述する除電放電処理にて使用される除電ガスとしてHeガスを供給する除電ガス供給部51が備えられており、他の処理ガスと同様に、開閉バルブ51aおよび流量調整部51bの開閉動作および開度が選択的に制御されることにより、処理ガス供給路16を通してガス導入口4aから所望の流量にてHeガスを供給できる。
【0018】
チャンバ3に設けられた排気口3aには、コンダクタンスバルブ11およびターボ分子ポンプ13が接続されている。さらにターボ分子ポンプ13は排気流路52を通してドライポンプ53に接続されており、排気流路52には開閉バルブ54が設けられている。本実施の形態1では、コンダクタンスバルブ11、ターボ分子ポンプ13、排気流路52、ドライポンプ53、および開閉バルブ54が排気手段の一例を構成している。排気手段によりチャンバ3内が所望の圧力に保たれる。また、チャンバ3には、チャンバ3内の雰囲気の圧力を検出する圧力検出部55が設けられている。
【0019】
次に、本実施の形態1のドライエッチング装置1にて取り扱われる基板2を保持するトレイ15について、図2および図3の斜視図および図4の断面図を用いて説明する。
【0020】
トレイ15は薄板円板状のトレイ本体15aを備える。トレイ本体15aには、上面15bから下面15cまで厚み方向に貫通する4個の基板収容孔19が設けられている。基板収容孔19は、上面15b及び下面15cから見てトレイ本体15aの中心に対して等角度間隔で配置されている。図4に詳細に示すように、それぞれの基板収容孔19の内壁15dには、孔中心に向けて突出する基板支持部21が設けられている。本実施の形態1では、基板支持部21は内壁15dの全周に設けられており、平面視で円環状である。
【0021】
それぞれの基板収容孔19にはそれぞれ1枚の基板2が収容される。基板収容孔19に収容された基板2は、その外周縁部2aの下面部分が基板支持部21の上面に支持される。また、基板収容孔19はトレイ本体15aを厚み方向に貫通するように形成されているので、トレイ本体15aの下面側から見ると、基板収容孔19により基板2の下面が露出した状態とされている。
【0022】
トレイ本体15aには、外周縁を部分的に切り欠いたノッチ15eが形成されており、搬送時などでトレイ15を取り扱う際に、センサ等を用いてトレイ15の向きを容易に確認できる。
【0023】
次に、図1〜図4を参照して、基板ステージ9について説明する。
【0024】
基板ステージ9は、セラミクス等の誘電体部材により形成されたステージ上部23と、バイアス電圧(高周波電圧)が印加される下部電極として機能する金属ブロック24aを内蔵したステージ下部24とを備える。
【0025】
図2に示すように、ステージ上部23は円板状に形成されており、ステージ上部23の上端面は、トレイ15の下面15cを支持するトレイ支持部28となっている。また、トレイ15のそれぞれの基板収容孔19と対応する短円柱状の4個の基板保持部29がトレイ支持部28から上向きに突出している。さらにステージ上部23上には、トレイ支持部28を囲むように配置され、ステージ上部23から上向きに突出して形成された環状のガイドリング30が配置されている。このガイドリング30は、ステージ上部23において、トレイ15の配置位置を案内する役目を担っている。
【0026】
また、図1、図4に示すように、ステージ上部23に設けられた個々の基板保持部29には、ESC電極(静電吸着部)40が内蔵されている。これらのESC電極40は電気的に互いに絶縁されており、直流電源を内蔵するESC駆動電源部41(図1参照)から静電吸着用の直流電圧(DC)が印加される。
【0027】
ステージ下部24は、基板ステージ9にて下部電極として機能する金属ブロック24aと金属ブロック24aの外周を覆う誘電体24bとで構成されている。金属ブロック24aには、バイアス電圧としての高周波を印加する第2の高周波電源部56が電気的に接続されており、第2の高周波電源部56はマッチング回路を備えている。なお、本実施の形態1では、第1の高周波電源部7、ICPコイル5が、処理ガスをプラズマ化するプラズマ発生手段となっている。金属ブロック24aは、誘電体24bによってチャンバ3及び処理空間から絶縁された状態でチャンバ3の底部に装着されている。
【0028】
図4に示すように、それぞれの基板保持部29の上面には冷却ガス供給口44が設けられており、それぞれの冷却ガス供給口44は冷却ガス供給路47(第1流路)を通じて共通の冷却ガス供給部45に接続されている。なお、本実施の形態1では、冷却ガスとしてヘリウム(He)が用いられ、プラズマ処理中において、基板保持部29の上面と基板2との間に冷却ガスが供給されることで基板2の冷却が行われる。なお、図1に示すように、冷却ガス供給部45は、冷却ガス供給路47への冷却ガスの供給をON/OFFする開閉バルブ45aと、供給流量を調節する流量調整部45bとを備えている。また、冷却ガス供給路47と排気流路52とを連通する連通流路57が設けられており、連通流路57上には圧力制御バルブ58が設けられている。冷却ガス供給路47上には、圧力検出部59が設けられており、圧力検出部59にて検出された冷却ガス供給路47内の圧力が所定の圧力となるように圧力制御バルブ58の開度が調節される。また、連通流路57には、圧力制御バルブ58を回避するバイパス流路60(第2流路)が設けられており、このバイパス流路60上には開閉バルブ61が設けられている。この開閉バルブ61は、常時は閉じた状態となっているが、後述する異常発生時の差圧解消処理のときにのみ開放される。
【0029】
図4に示すように、基板ステージ9には、トレイ支持部28上に配置された状態のトレイ15をその下面側から押し上げて(突き上げて)トレイ15とともにそれぞれの基板2を上昇させる複数本のトレイ押上ロッド18が備えられている。それぞれのトレイ押上ロッド18は、トレイ支持部28の上面より突出した押上位置と、トレイ支持部28内に格納された格納位置との間で駆動機構(図示せず)により昇降駆動される。
【0030】
また、ドライエッチング装置1には、上述したそれぞれの構成部の動作を互いに関連づけながら統括的に制御する制御部70が備えられており、例えば、各種センサ等により検出された情報に基づいて、予め設定されたプログラムにしたがって各構成部の動作が制御され、ドライエッチング処理が行われる。
【0031】
また、制御部70は、ドライエッチング処理中に、ICPコイル5への電圧印加が停止されるなどの何らかの原因でプラズマ放電が消滅したことを検出する異常検出手段の一例として、第1の高周波電源部7からICPコイル5への高周波電圧の入力停止を検出する電圧入力停止検出手段71が備えられている。この電圧入力停止検出手段71は、第1の高周波電源部7からICPコイル5への高周波電圧の入力停止を検出する機能を有している。異常検出手段としては、ドライエッチング処理時において、プラズマ放電の異常を検出するような構成を採用しても良い。また、異常検出手段が、オペレータがドライエッチング装置1の非常停止ボタン等を操作してドライエッチング処理を停止させる信号を異常信号として検出するような構成を採用しても良い。
【0032】
また、制御部70は、電圧入力停止検出手段71により電圧入力の停止が検出(すなわち異常が検出)された場合に、各構成部の動作を停止させてドライエッチング処理を停止させる制御を行う停止手段72を備えている。停止手段72は、電圧入力停止の検出を受けて、第1の高周波電源部7よりICPコイル5への高周波電圧の印加を停止させる処理、第2の高周波電源部56より基板ステージ9の金属ブロック24aへの高周波電圧の印加を停止させる処理、処理ガス供給部12よりチャンバ3内への処理ガスの供給を停止させる処理、ESC駆動電源部41による直流電圧の印加を停止する処理、および冷却ガス供給部45よりの冷却ガスの供給を停止させる処理を行う。さらに停止手段72は、この電圧入力停止の検出を受けて、閉止状態にあった開閉バルブ61を開状態とさせてバイパス流路60を通じて、冷却ガス供給路47内のHeガスを排気流路52へと排出させる処理を行う。このような処理を行うことにより、冷却ガス供給路47内の圧力とチャンバ3内の圧力との間の差圧を減少させることができ、後述するように差圧解消処理として実行される。
【0033】
次に、上述したような構成を有するドライエッチング装置1を用いて、複数の基板2に対してエッチング処理を行う方法について、図1および図4(A)〜(D)のドライエッチング処理の手順を示す動作説明図を用いて説明する。なお、以降に説明するそれぞれの処理は、ドライエッチング装置1が備える制御部70によりそれぞれの構成部が予め設定されたプログラムおよび運転条件に基づいて制御されることにより実施される。
【0034】
(トレイ搬入処理)
まず、トレイ搬入処理を実施する。具体的には、ドライエッチング装置1において、ゲートバルブを開放状態とさせる。その後、4個の基板収容孔19にそれぞれ基板2が収容された状態のトレイ15を、搬送機構のハンド部により保持して、例えばロードロック室からゲートバルブを通ってチャンバ3内に搬入する。
【0035】
図4(A)に示すように、チャンバ3内では、駆動装置によって駆動されたトレイ押上ロッド18が上昇し、ハンド部からトレイ押上ロッド18の上端にトレイ15が移載される。トレイ15の移載後、ハンド部はロードロック室に待避し、ゲートバルブが閉鎖される。
【0036】
その後、上端にトレイ15を支持したトレイ押上ロッド18は、その押上位置から基板ステージ9内に格納される格納位置に向けて降下する。トレイ15は下面15cが基板ステージ9のステージ上部23のトレイ支持部28まで降下し、トレイ15はステージ上部23のトレイ支持部28によって支持される。トレイ15がトレイ支持部28に向けて降下する際に、ステージ上部23の基板保持部29がトレイ15の対応する基板収容孔19内にトレイ15の下面15c側から進入する。トレイ15の下面15cがトレイ支持部28に当接する前に、基板保持部29が基板2の下面に当接する。さらにトレイ15を下降させてトレイ15の下面15cをトレイ支持部28上に載置すると、それぞれの基板2の縁部2aが基板支持部21の上面から持ち上げられて、トレイ15と基板2とが互いに離間した状態となる(すなわち、図4(B)の状態となる。)。なお、図4では、ガイドリング30の図示を省略している。
【0037】
その後、それぞれの基板保持部29に内蔵されたESC電極40に対してESC駆動電源部41から直流電圧を印加する。これにより、それぞれの基板2が基板保持部29の上面に静電吸着される。
【0038】
(エッチング処理)
次に、エッチング処理を実施する。具体的には、処理ガス供給部12からガス導入口4aを介してチャンバ3内にエッチング処理用の処理ガスが供給されるとともに、コンダクタンスバルブ11の開度制御が行われながらターボ分子ポンプ13およびドライポンプ53によりチャンバ3内は所定圧力に維持される。続いて、第1の高周波電源部7からICPコイル5に高周波電圧を印加する。これにより天板4を介してチャンバ3内に電磁波エネルギが導入されてチャンバ3内にプラズマPが発生する(図4(B)参照)。
【0039】
また、チャンバ3内にプラズマPが発生することにより基板2と基板保持部29の間の静電吸着力が増大され、それぞれの基板保持部29の上面に基板2がさらに密着して静電吸着される。基板2の下面はトレイ15を介することなく基板保持部29の上面に直接配置されている。したがって、基板2は基板保持部29の上面に対して高い密着度で保持される。
【0040】
その後、バイパス流路60の開閉バルブ61が閉止された状態にて、冷却ガス供給路47の開閉バルブ45aが開放される。これにより、それぞれの基板保持部29の上面と基板2の下面との間に存在する空間内に、冷却ガス供給路47および冷却ガス供給口44を通して冷却ガス供給部45から冷却ガス(Heガス)が供給され、この空間に冷却ガスが充填される。冷却ガスが十分に充填された状態(所定の圧力に保たれた状態)にて、第2の高周波電源部56により基板ステージ9のステージ下部24に内蔵されている金属ブロック24a(下部電極)にバイアス電圧を印加し、チャンバ3内で発生したプラズマを基板ステージ9側へ引き寄せる。これにより、基板2に対するエッチング処理が行われて、基板2の表面に対するドライエッチング加工が実施される。1枚のトレイ15で4枚の基板2を基板ステージ9上に載置できるので、バッチ処理が可能である。
【0041】
所定の処理時間経過すると、第2の高周波電源部56による基板ステージ9の金属ブロック24aへのバイアス電圧の印加を停止する。それとともに、処理ガス供給部12の開閉バルブ12aを閉止して、処理ガス供給路16およびガス導入口4aを通してのエッチング処理用の処理ガスの供給を停止して、基板2に対するエッチング処理が完了する。
【0042】
(除電放電処理)
続いて、エッチング処理の実施の際に、基板2と基板保持部29との間に生じた残留静電吸着力を低減させるための除電放電処理を実施する。
【0043】
エッチング処理が完了すると、まず、冷却ガス供給部45の開閉バルブ45aを閉止して、冷却ガス供給路47および冷却ガス供給口44を通じた冷却ガスの供給を停止する。さらに、第1の高周波電源部7によるICPコイル5への高周波電圧の印加を、エッチング処理時の電圧よりも低い除電放電処理用電圧に切り換える。
【0044】
次に、除電ガス供給部51の開閉バルブ51aを開放して処理ガス供給路16を通してガス導入口4aよりチャンバ3内にHeガスを除電ガスとして供給する。この除電ガスの供給中は、ターボ分子ポンプ13によりチャンバ3内が所定圧力に継続して維持される。第1の高周波電源部7からICPコイル5へは除電放電処理用の電圧が印加されているため、チャンバ3内には除電放電処理用のプラズマが生成され、このプラズマにより基板2と基板保持部29との間に残留している静電吸着力を低減させる除電放電処理が実施される。
【0045】
また、この除電放電処理の実施中には、ESC駆動電源部41によるESC電極40への直流電圧の印加量が段階的に低減され、最終的には電圧印加が停止され、それぞれの基板2に対する静電吸着保持が解除される。
【0046】
また、除電放電処理の実施中には、圧力制御バルブ58が全開状態とされ、冷却ガス供給路47と排気流路52とが連通流路57を介して連通される。これにより、冷却ガス供給路47内の冷却ガスの圧力とチャンバ3内の圧力との間の差圧が、エッチング処理時の差圧よりも減少される。ESC駆動電源部41によるESC電極40への直流電圧の印加が停止されると、基板2と基板保持部29との間の隙間から冷却ガスがチャンバ3内へ漏洩して、差圧は徐々に解消する。
【0047】
所定時間経過すると、第1の高周波電源部7によるICPコイル5への高周波電圧の印加を停止するとともに、除電ガス供給部51の開閉バルブ51aが閉止されて、チャンバ3内へのHeガスの供給が停止される。これにより、基板2と基板保持部29との間に残留している静電吸着力を低減させる除電放電処理が完了する。
【0048】
(トレイ搬出処理)
続いて、チャンバ3内からそれぞれの基板2をトレイ15とともに搬出するトレイ搬出処理を実施する。具体的には、図4(C)に示すようにそれぞれのトレイ押上ロッド18を上昇させる。トレイ押上ロッド18が上昇すると、その上端でトレイ15の下面15cが押し上げられ、ステージ上部23のトレイ支持部28からトレイ15が浮き上がる(図4(C)の状態)。トレイ押上ロッド18とともにトレイ15がさらに上昇すると、図4(D)に示すように、トレイ15の基板支持部21と基板2の縁部2aの下面とが接触して、それぞれの基板2がトレイ15により支持された状態にて押し上げられ、基板保持部29の上面から浮き上がる。このとき、基板2と基板保持部29との間の残留静電吸着力は、先の除電放電処理の実施により充分に低減されているため、基板2に大きなストレスが掛かること、および基板2が基板保持部29から離脱する際に基板2が跳ね上がる挙動を確実に防止できる。
【0049】
その後、ゲートバルブが開放されて、搬送機構のハンド部を用いてトレイ15に支持された状態の基板2がチャンバ3内から搬出される。
【0050】
なお、それぞれのトレイ押上ロッド18を用いてトレイ15を押し上げる動作は、除電放電処理が行われている間に、並行して実施してもよい。
【0051】
(異常発生時の差圧解消処理)
次に、ドライエッチング処理の実施中に、何らかの原因によりプラズマ放電の消滅が検出された場合に、チャンバ3内の圧力と冷却ガス供給路47内の冷却ガスの圧力との間の差圧を減少させる差圧解消処理について説明する。
【0052】
エッチング処理の実施中には、電圧入力停止検出手段71により、第1の高周波電源部7からICPコイル5への電圧入力に対する出力信号が検出される。電圧入力停止検出手段71にて、この電圧入力に対する出力信号が検出されている間は、ICPコイル5への電圧印加に異常が発生していないものと判断される。電圧入力停止検出手段71により、第1の高周波電源部7からICPコイル5への電圧入力に対する出力信号が検出されなかった場合には、ICPコイル5への電圧印加に異常が発生したものと判断される。この場合、ドライエッチング処理の停止処理が実行される。具体的には、処理ガス供給部12よりチャンバ3内への処理ガスの供給、冷却ガス供給部45よりのHeガスの供給、第1の高周波電源部7からICPコイル5への電圧印加、および第2の高周波電源部56から金属ブロック24aへのバイアス電圧の印加のそれぞれの停止処理が、制御部70の停止手段72により実行される。また、ESC駆動電源部41よりESC電極40への電圧印加も停止され、ターボ分子ポンプ13およびドライポンプ53の運転が停止されるとともに、コンダクタンスバルブ11が閉止される。
【0053】
さらに、停止手段72は、バイパス流路60の開閉バルブ61を開放させて、冷却ガス供給路47を排気流路52にバイパス流路60を通して連通させる。これにより、チャンバ3内の圧力と冷却ガス供給路47との間の差圧を減少させる差圧解消処理が行われる。この差圧解消処理を実施することにより、基板2と基板保持部29との間の空間の冷却ガスの圧力とチャンバ3内の圧力との間の差圧を短時間で減少させることができる。
【0054】
ここで、冷却ガス供給路47内の冷却ガスの圧力とチャンバ3内の圧力との差圧の変化を図5のグラフに示す。図5に示すように、差圧解消処理を開始する時点である時間T1では、冷却ガスの圧力P1とチャンバ3内の圧力P2との間には差圧が生じている。この差圧解消処理を行うことにより、冷却ガスの圧力とチャンバ3内の圧力とが徐々に減少しながら差圧も減少される。やがて時間T2には、両者の圧力が共にP3となって、差圧が実質的に解消される。なお、ドライエッチング装置1において、停止処理および差圧解消処理の開始のタイミングや各構成部の動作状況によってはこの差圧が完全に無くすことができずに僅かに残る場合もあるが、少なくともこの処理の実施により差圧が減少すれば良い。
【0055】
このように、冷却ガスの圧力とチャンバ3内の圧力との間の差圧を短時間で減少させることができるため、ESC電極40による基板2の静電吸着が突然解除されたとしても、基板2が基板保持部29より浮き上がってあるいは跳ね上がって位置ズレが生じることを防止できる。
【0056】
また、本実施の形態1では、バイパス流路60と開閉バルブ61とが差圧解消手段を構成するが、圧力制御バルブ58とは別に開閉バルブ61を設けているため、異常発生時に開閉バルブ61を迅速に開放させることができ、差圧解消処理を迅速に実施することができる。特に、このような開閉バルブ61には、その閉止状態から開放状態へ迅速に動作するようなバルブを採用することが好ましい。
【0057】
(実施の形態2)
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。本発明の実施の形態2のドライエッチング装置101の構成図を図6に示す。上述の実施の形態1のドライエッチング装置1と、本実施の形態2のドライエッチング装置101とは、差圧解消手段の構成が相違するものの、その他の構成は実質的に同じである。以下の説明では、同じ構成については同じ参照符号を付してその説明を省略するとともに、相違点についてのみ説明する。
【0058】
図6に示すように、ドライエッチング装置101は、差圧解消手段として、実施の形態1におけるバイパス流路60および開閉バルブ61に代えて、冷却ガス供給路47とチャンバ3内とを連通する連通流路102と、この連通流路102上に設けられた開閉バルブ103とが備えられている。
【0059】
このドライエッチング装置101にて、ドライエッチング処理が行われる場合には、開閉バルブ103は閉止された状態にあり、冷却ガス供給路47とチャンバ3内とを連通する連通流路102は遮断された状態にある。
【0060】
一方、ドライエッチング処理の実施中に電圧入力停止検出手段によりICPコイル5への電圧入力の停止が検出された場合は、停止手段72により、処理ガスの供給、冷却ガスの供給、ICPコイル5への電圧印加、およびバイアス電圧の印加のそれぞれが停止される。
【0061】
その後、差圧解消処理として、連通流路102の開閉バルブ103が開放されて、冷却ガス供給路47とチャンバ3内が連通された状態とされる。これにより、チャンバ3内の圧力と冷却ガスの圧力との差圧を解消できる。
【0062】
特に、上述の実施の形態1では、バイパス流路60を介して冷却ガス供給路47を排気流路52に連通させることで差圧の解消を図っているが、このような構成では、排気流路52とチャンバ3との間にコンダクタンスバルブ11およびターボ分子ポンプ13が存在するため、差圧を減少できるが完全に無くすことが困難な場合もあり得る。しかしながら、本実施の形態2では、連通流路102を用いて冷却ガス供給路47とチャンバ3内とを連通させているため、差圧を短時間で減少させて実質的に無くすことが可能となる。例えば、図5の差圧変化を示すグラフにおいて、差圧が無くなるまでの時間(T2−T1)は、実施の形態1の場合よりも短縮できる。
【0063】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3のドライエッチング装置201の構成図を図7に示す。上述の実施の形態1と同じ構成については同じ参照符号を付してその説明を省略するとともに、相違点についてのみ説明する。
【0064】
図7に示すように、ドライエッチング装置201では、処理ガス供給部12には、実施の形態1にみられた除電ガス供給部を設けられていない。その代りに、冷却ガス供給路47と処理ガス供給路16とを連通する連通流路202が設けられており、この連通流路202上には開閉バルブ203が設けられている。また、連通流路57上において圧力制御バルブ58の上流側に開閉バルブ204が設けられており、実施の形態1におけるバイパス流路60並びに開閉バルブ61が廃止されている。
【0065】
このような構成のドライエッチング装置201において、ドライエッチング処理が行われる際には、開閉バルブ203が閉止状態とされて、処理ガス供給路16と冷却ガス供給路47との間の連通が遮断される。一方、開閉バルブ204は開放状態とされて、圧力制御バルブ58の開度調節が行われて、冷却ガス供給路47内の圧力が所定の圧力に保たれる。
【0066】
また、除電放電処理が行われる際には、開閉バルブ204が閉止状態とされて、連通流路57および圧力制御バルブ58を通してのHeガスの排出が遮断された状態とされる。さらに、開閉バルブ203を開放させて、連通流路202を介して冷却ガス供給路47と処理ガス供給路16とを連通させるとともに、冷却ガス供給部45からHeガスを連通流路202および処理ガス供給路16を通してチャンバ3内に除電ガスとして供給する。すなわち、冷却ガス供給部45が除電ガス供給部としての機能を兼用する。
【0067】
一方、ドライエッチング処理の実施中に電圧入力停止検出手段によりICPコイル5への電圧入力の停止が検出された場合には、停止手段72により、処理ガスの供給、冷却ガスの供給、ICPコイル5への電圧印加、およびバイアス電圧の印加のそれぞれが停止される。
【0068】
その後、差圧解消処理として、連通流路202の開閉バルブ203が開放されて、冷却ガス供給路47が、連通流路202および処理ガス供給路16を通してチャンバ3内に連通された状態とされる。これにより、チャンバ3内の圧力と冷却ガスの圧力との差圧を解消できる。
【0069】
本実施の形態3では、連通流路202および処理ガス供給路16を用いて冷却ガス供給路47とチャンバ3内とを連通させているため、差圧を短時間で減少させて実質的に無くすことが可能となる。
【0070】
さらに、この差圧解消のための連通流路202を用いて、冷却ガス供給部45からHeガスを除電ガスとしてチャンバ3内に供給できるため、装置構成を簡素化できる。
【0071】
なお、上述のそれぞれの実施の形態1〜3では、基板2としてサファイア基板を用いることができる。一般的なシリコンウェハでは、8〜12インチ程度の外径サイズに対して、その厚みが750μm程度となっている。サファイア基板は、その外径サイズに対する厚みの比率が大きく、このような厚みの比率からシリコンウェハよりも剛性が高い。さらにシリコンウェハに比してサファイア基板ではドライエッチング処理の実施により残留する電荷(残留静電吸着力)が小さい。そのため、ドライエッチング処理が異常停止した際に、チャンバ内と冷却ガスとの差圧によりサファイア基板はシリコンウェハよりも浮き上がるあるいは跳ね上がる可能性が高い。このような観点からは、サファイア基板に対するドライエッチング処理に対して本発明の差圧解消処理を適用することは効果的であると言える。
【0072】
また、トレイを用いて複数の基板が取り扱われるように、比較的小さな外径サイズの基板は、その外径サイズに対する厚みの比率が比較的高いことから、このような基板のドライエッチング処理に対しても本発明を適用することが効果的であると言える。
【0073】
なお、上述の実施の形態では、基板2が円形状である場合を例として説明したが、円形状の他、四角形状の基板などについても本発明を適用できる。
【0074】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、基板に対してドライエッチング処理を行うドライエッチング装置および方法に有用である。
【符号の説明】
【0076】
1 ドライエッチング装置
2 基板
2a 縁部
3 チャンバ
4 天板
5 ICPコイル
7 第1の高周波電源部
9 基板ステージ
12 処理ガス供給部
13 ターボ分子ポンプ
15 トレイ
15a トレイ本体
18 トレイ押上ロッド
19 基板収容孔
21 基板支持部
23 ステージ上部
24 ステージ下部
28 トレイ支持部
29 基板保持部
30 ガイドリング
40 ESC電極
41 ESC駆動電源部
45 冷却ガス供給部
45a 開閉バルブ
47 冷却ガス供給路
51 除電ガス供給部
52 排気流路
53 ドライポンプ
56 第2の高周波電源部
57 連通流路
58 圧力制御バルブ
60 バイパス流路
61 開閉バルブ
70 制御部
71 電圧入力停止検出手段
72 停止手段
101 ドライエッチング装置
102 連通流路
103 開閉バルブ
201 ドライエッチング装置
202 連通流路
203 開閉バルブ
204 開閉バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対するドライエッチング処理が施される処理室を形成する処理容器と、
処理室内に配置され、基板が載置されるステージと、
ステージ上に載置された基板を静電吸着する静電吸着部と、
プラズマを発生させるための処理ガスを処理室内に供給する処理ガス供給部と、
処理室内に供給された処理ガスを高周波電圧の作用によってプラズマ化することによりステージ上の基板に対してドライエッチング処理を行うプラズマ発生手段と、
ドライエッチング処理の際に基板を冷却するための冷却用ガスをステージと基板との間に第1流路を通して供給する冷却用ガス供給部と、
処理室内に連通された排気流路を介して処理室内を排気する排気手段と、
処理室内の圧力と第1流路内の圧力との差圧を減少させる差圧解消手段と、
ドライエッチング処理の異常発生を検出する異常検出手段と、
異常検出手段が異常を検出したら、プラズマ発生手段、処理ガス供給部からの処理ガスの供給、および冷却用ガス供給部からの冷却ガスの供給を停止するとともに、差圧解消手段を作動させる処理を行う停止手段と、を備える、ドライエッチング装置。
【請求項2】
差圧解消手段が、排気流路と第1流路とを連通する第2流路と、第2流路上に設けられた開閉弁であり、
停止手段は、異常検出手段が異常を検出したら開閉弁を開くことにより差圧を減少させる、請求項1に記載のドライエッチング装置。
【請求項3】
差圧解消手段が、処理室と第1流路とを連通する第2流路と、第2流路上に設けられた開閉弁であり、
停止手段は、異常検出手段が異常を検出したら開閉弁を開くことにより差圧を減少させる、請求項1に記載のドライエッチング装置。
【請求項4】
ドライエッチング処理の際に生じた基板の残留静電吸着力を減少させる除電処理を行う除電処理手段をさらに備え、
冷却用ガスはHeガスであり、除電処理手段は、除電処理時に開閉弁を開いて第2流路を通して冷却用ガスを除電用ガスとして処理室内に供給して除電処理を開始させ、
停止手段は、異常検出手段が異常を検出したら、プラズマ発生手段、処理ガス供給部からの処理ガスの供給、および冷却用ガス供給部からの冷却ガスの供給を停止するとともに、開閉弁を開く処理を行う、請求項3に記載のドライエッチング装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−204769(P2012−204769A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70313(P2011−70313)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】