説明

ナビゲーション装置、その制御方法及び制御プログラム

【課題】ユーザの手を煩わさず、走行中の所定の地点において、ユーザに馴染み深く又は通過地点に合致した楽曲を再生しかつ曲の再生のマンネリ化を防止してユーザの運転環境の向上を図ることができるナビゲーション装置、その方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置による経路誘導が開始されると、出来事データ検索部36は、自車位置情報に基づいて自車位置近傍の出来事データを検索し、出来事データの位置情報が自車位置情報と所定距離以内であると判定した場合に、出来事データベース11aの出来事データの発生年(年代)を読み出す。曲検索部37は、これを受け記憶部11の曲検索データベース11bにアクセスして、この年代に該当する曲を検索し、再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置のオーディオ機能を用いて、走行中の所定の地点において適切な楽曲の再生を行うナビゲーションの技術を実現するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の普及と電子技術の発達に伴い、車両に搭載して道案内を行う車載用ナビゲーション装置が急速に普及している。ナビゲーション装置は、道路や各種施設などの情報に基づき、指定された目的地までの経路を計算・設定し、GPSなどで自車位置を検出しながら、経路に沿った地図や自車位置の画面表示などにより経路誘導を行うものである。
【0003】
このようなナビゲーション装置では、オーディオ機能を同時に備えたものがあり、特に近年はハードディスク(HDD)などの大容量記憶媒体を備えた装置が提案されており、このHDD等の記憶媒体にナビゲーション装置の道路地図データ等を格納するとともに、例えばCD等に記録されている楽曲を所定の形式の楽曲データにエンコードして取り込み、数千曲の音楽データを保持することができるようになっている。
【特許文献1】特開2004−272532号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような大容量の記憶媒体を備えたナビゲーション装置のオーディオ機能においては、ユーザが乗車中に所望のアルバムやプレイリストを的確に選択して所望の楽曲を再生するための操作は煩雑であり、必ずしもユーザに馴染み深い曲や、その通過地点等に相応しい曲が再生されるとは言えなかった。また、HDD等に多くの楽曲が格納されていたとしても、ユーザが能動的に再生する楽曲は特定のアルバムやプレイリストに限られ、再生楽曲のマンネリ化が生じることも考えられる。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するもので、その目的は、ユーザの手を煩わさず、走行中の所定の地点において、ユーザに馴染み深く又は通過地点に相応しい楽曲を再生しかつ曲の再生のマンネリ化を防止してユーザの運転環境の向上を図ることのできるナビゲーション装置、その方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、車両の自車位置を検出する自車位置検出手段と、経路探索及び地図表示のための道路地図データと施設の位置を含む施設データとを予め格納する記憶手段と、ユーザにより設定された目的地への最適な経路を計算する経路計算手段と、前記最適な経路へ誘導案内を行う案内手段と、情報の表示並びにオーディオ出力を制御する表示オーディオ制御手段と、を備えたナビゲーション装置において、前記記憶手段は、過去に発生した事件及び事故を含む出来事について発生した年代や発生した位置情報を含む出来事特定情報とともに出来事情報として記憶した出来事記憶部と、曲名や年代情報を含む曲特定情報をテキスト情報として記憶した曲検索記憶部と、前記曲特定情報と曲データを含む曲情報を記憶した曲記憶部とを備え、前記自車位置検出手段からの自車位置情報に基づいて、前記出来事記憶部から車両近傍の前記位置情報を有する出来事情報を検出する出来事データ検出手段と、前記出来事特定情報に基づいて、当該出来事特定情報と合致又は近似する前記曲特定情報を含む曲を前記曲検索記憶部から検索するとともに、この検索された曲と一致する曲を前記曲特定情報に基づいて曲記憶部から検索して前記表示オーディオ制御手段に対して当該曲の曲データを再生出力する曲検索手段とを備えたことを特徴とする。なお、この発明は、請求項5及び請求項9に記載されたとおり、ナビゲーション装置の制御方法及び制御プログラムとして捉えることも可能である。
【0007】
以上のような態様では、記憶手段が、過去に発生した事件及び事故を含む出来事について発生した年代や発生した位置情報を含む出来事特定情報とともに出来事情報として記憶した出来事記憶部と、曲名や年代情報を含む曲特定情報をテキスト情報として記憶した曲検索記憶部と、前記曲特定情報と曲データを含む曲情報を記憶した曲記憶部とを備え、出来事データ検出手段と、曲検索手段とにより、この記憶手段から、車両が通過する箇所で過去に発生した出来事に合致する曲を検索して再生することが可能となる。これにより、ユーザの手を煩わさず、走行中の所定の地点において、ユーザに馴染み深く又は通過地点に合致した楽曲を再生しかつ曲の再生のマンネリ化を防止してユーザの運転環境の向上を図ることができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記出来事データ検出手段は、前記自車位置情報と前記出来事情報の位置情報とに含まれる緯度及び経度情報から両位置の距離を算出し、当該距離が所定距離以内の場合に、前記出来事特定情報を前記曲検索手段に出力するものであることを特徴とする。なお、この発明は、請求項6及び請求項10に記載されたとおり、ナビゲーション装置の制御方法及び制御プログラムとして捉えることも可能である。
【0009】
以上のような態様では、出来事データ検出手段が、自車位置と出来事情報の位置情報との距離を緯度経度情報から比較し、この距離が所定距離以内の場合に、曲検索手段に出力し、これに基づいて曲検索手段は曲を検索し出力することになるので、当該出来事の発生場所に対して適切な位置で、当該出来事に関連する曲が再生されることとなる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記出来事特定情報は、当該出来事の発生年代情報であり、前記曲検索手段は、前記出来事データ検出手段から提供される前記発生年代情報と、年代が一致又は近似する曲を検索するものであることを特徴とする。なお、この発明は、請求項7及び請求項11に記載されたとおり、ナビゲーション装置の制御方法及び制御プログラムとして捉えることも可能である。
【0011】
以上のような態様では、出来事特定情報及び曲特定情報として年代情報を含み、この年代情報をもとに曲検索手段が曲を検索することにより、車両が過去に大きな出来事があった場所を通過した場合に、その出来事が起きた年代に流行っていた曲を流すことができる。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1又は2の発明において、前記出来事特定情報は、当該出来事の当事者情報を含み、前記曲特定情報は、当該曲の作詞者又は作曲者等の曲当事者情報を含み、前記曲検索手段は、前記出来事データ検出手段から提供される当事者情報と、前記曲当事者情報とが一致する曲を検索するものであることを特徴とする。なお、この発明は、請求項8及び請求項12に記載されたとおり、ナビゲーション装置の制御方法及び制御プログラムとして捉えることも可能である。
【0013】
以上のような態様では、出来事特定情報及び曲特定情報として出来事の当事者あるいは曲のアーティスト等の当事者情報を含み、この当事者情報をもとに曲検索手段が曲を検索することにより、車両が過去に大きな出来事があった場所を通過した場合に、歌手本人がその出来事の当事者であるならばその歌手の曲を流すことが可能である。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、ユーザの手を煩わさず、走行中の所定の地点において、ユーザに馴染み深く又は通過地点に合致した楽曲を再生しかつ曲の再生のマンネリ化を防止してユーザの運転環境に向上を図ることのできる音楽検索機能を持ったナビゲーション装置、その制御方法及び制御プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための最良の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
〔1.構成〕
本実施形態は、目的地への経路を案内するナビゲーション装置(以下「本装置」と呼ぶ)を説明するもので、その制御方法、制御プログラムとしても把握可能であり、本装置の構成を図1に示す。
【0017】
すなわち、1は、VICS情報を取得する為のFM多重受信及び処理部、2は、VICS情報を取得する為のビーコン受信及び処理部である。3は、システム全体の制御を司るメインCPU(中央演算装置)及びその周辺回路であり、本装置各部の制御を含む情報処理を行う制御部である。メインメモリMを構成する4は、メインプログラムをロードする為のダイナミックRAM(DRAM)、5は、メイン電源オフの間も設定などメモリ内容を保持するためのバッテリーバックアップ付スタティックRAM(SRAM)、6は、起動時等に制御部3よりアクセスされるROMである。
【0018】
7は、地図などの情報を描画及び表示する表示部で、液晶表示パネルなどの表示画面を持つ。8は、表示部7用に設けられたビデオRAM(VRAM)である。9は、TV(各種のテレビジョン放送)を受信する為のTV受信及び処理部、10は、イルミネーション(計器盤等の照明)・車速パルス・パーキング等の動作や状態を検出する車両情報取得部である。
【0019】
11は、HDD、DVD−ROM、CD−ROMなどのドライブを用いて、一般的なナビゲーション装置と同様、道路地図データ(典型的には、経路探索用データや地図表示用データ)・その他の検索データや地図関連データなどを記録する地図データの記憶装置である。また、本実施形態の特徴的構成として、この記憶装置11に、出来事データベース11a、曲検索データベース11b、曲データベース11cが設けられている。
【0020】
この記憶装置11に格納された各データベースの構成について、図3〜図5を用いて具体的に説明する。出来事データベース11aは、ある土地において過去に発生した事件・事故等、年代・位置情報が特定される出来事情報を記録したものであり、例えば、図3に示すように有名な出来事である「3億円事件」について、その「出来事名」、「年代(発生年月日)」、緯度と経度で表された「発生場所」とから構成される情報が記録されている。この出来事データベース11aの情報は、工場出荷時に記憶しておく場合のほか、WEB情報から常に情報を更新しておいてもよい。
【0021】
また、曲検索データベース11bは、図4に示すように、例えば「曲名」、これに対応する「アーティスト名」、「年代」、「ジャンル」の情報が記録されている。この曲検索データベース11bの情報は、例えば、後述のディスク制御部13において、音楽CD等が再生された際に、CDのリードイン・リードアウトに含まれるトラックやセッション、CD−TEXT情報などが記録されたTOC(Table of contents)からリッピングして記録したり、後述の曲データベース11cに記録された曲IDを手がかりに、例えば、WEB上のCDデータベース等音楽情報提供サーバにアクセスして情報を取得し記録されるものである。
【0022】
曲データベース11cは、ユーザがCD等に記録されている楽曲を所定の形式の楽曲データにエンコードして取り込み、又はWEB上の音楽配信サーバからダウンロードして、格納して構成され、曲ID及び曲データが、例えばMP3形式あるいはAAC形式にて記録されているものである。
【0023】
出来事データベース11aと曲検索データベース11bとは共通の情報として「年代」という項目を持ちこれをキーとしてリンクされ、曲検索データベース11bと曲データベース11cとは共通の情報として「曲ID」という項目を持ちこれをキーとしてリンクされている。
【0024】
12は、情報や操作の入力を受け付ける入力部で、タッチキーなどからの入力を検出する制御装置であるが、入力部の構成や種類は自由で、表示部7周囲の操作スイッチ類のほか、リモコンユニット、表示パネルと一体のタッチセンサなどを単独、又は自由に組み合わせて用いればよい。13は、経路誘導案内出力や、ハードディスク、DVD−ROM、CD−ROMなどのドライブを再生あるいはHDD内の音楽データの再生を行うオーディオ出力部である。14は、測位技術(例えば、GPS、ジャイロ、地磁気センサ、加速度センサ、車速パルスなど)により、現在位置、方位、速度など自車の挙動に関する航法情報を得る測位部である。
【0025】
また、制御部3は、所定の制御プログラムにより、図1に30〜37と示す機能・作用に対応する処理手段を実現・実行する。本実施形態において、自車位置検出部30、目的地受付部31、経路計算部32、案内部34、表示・オーディオ制御部35の基本的な機能は、本発明特有の要素ではなく従来と共通のナビゲーション処理を実行するものであり、その他の出来事データ検出部36及び曲検索部37の機能が本実施形態に顕著な処理を実行するものである。なお、以下では本実施形態に顕著な点以外の説明は省略する。
【0026】
〔2.作用効果〕
〔2−1.処理の概要〕
本実施形態の処理の概要を説明する。まず、ユーザが入力部12を通じて目的地の指定を行うと、これを目的地受付部31が受付け、これに基づき、経路計算部32が従来のナビゲーション装置と同様に、直線優先、裏道優先、有料道路優先、一般道路優先、道幅優先などのユーザが指定した条件に基づいて目的地への最適経路を計算し、これを表示制御部35を介して表示部7に地図表示するとともに、案内部34が画面表示及び音声出力によりユーザに経路誘導を行う。
【0027】
ナビゲーション装置による経路誘導が開始されると、出来事データ検索部36は、自車位置情報に基づいて自車位置近傍の出来事データを検索し、出来事データの位置情報が自車位置情報と所定距離以内であると判定した場合に、出来事データベース11aの出来事データの発生年(年代)を読み出す。曲検索部37は、これを受け記憶部11の曲検索データベース11bにアクセスして、この年代に該当する曲を検索し、再生する。
【0028】
〔2−2.曲検索の具体的処理〕
次に、図2のフローチャートを参照して、出来事データ検出部36及び曲検索部37の機能を主体として実現される曲検索の具体的処理を説明する。
【0029】
ナビゲーション装置による経路誘導が開始されると、図2のフローチャートにその流れを示すとおり、本実施形態の曲検索処理が開始する(START)。まず、自車位置検出部30から、出来事データ検出部36に、随時自車位置情報が入力される(STEP1)。
【0030】
この自車位置情報に基づいて、出来事データ読出部36aは随時自車位置近傍の出来事情報を、記憶装置11の出来事データベース11aから読み出すとともに(STEP2)、出来事データがあった場合には(STEP3のYES)、これを位置比較部36bに入力し、出来事データがない場合(STEP3のNO)にはSTEP2に戻り、STEP2,3の処理を繰り返す。なお、出来事データ読出部36aは、出来事データベース11aに出来事データとして記憶された「発生場所」情報の緯度経度を手がかりに、自車位置近傍の出来事データを検索するものである。
【0031】
具体例を用いれば、図3の出来事データベース11bの例に示すように、自車位置が国分寺市内であった場合に、当該自車位置に基づいて出来事データ読出部36aは、「国分寺市」の例えば「東経○○度○○分(○○°○○′)」「北緯△△度△△分(△△°△△′)」が近傍位置としてピックアップされた場合、出来事データ「No.1」の「3億円事件」を読み出し、このデータ「No.1」を位置比較部36bに入力する。
【0032】
位置比較部36bは、出来事情報読出部36aより入力された出来事データ「No.1」の発生場所情報と、自車位置検出部30から入力される自車位置情報とを対比する(STEP4)。具体的には、出来事データ「No.1」に記憶された緯度経度と自車位置の緯度経度とから、距離を計算し、この距離が所定距離以内かを比較する。この距離は、例えば500mや1km等任意に設定するものである。
【0033】
位置比較部36bが、自車位置と出来事データ「No.1」の位置とが、所定距離以内であると判定した場合には(STEP4のYES)、年代読出部36cにそのことを入力し、年代読出部36cが出来事データベース11aの出来事データ「No.1」から出来事の発生年を読み出す(STEP5)。このとき、出来事データ「No.1」の発生年が「昭和43年」であることが読み出されると、出力部36dがこの年代データを曲検索部37へ出力する(STEP6)。
【0034】
曲検索部37は、これを受け、年代該当曲読出部37aが記憶部11の曲検索データベース11bにアクセスして、図4に例を示す曲検索データベース11bから、「昭和43年」に該当する曲あるいは、「昭和43年」から前後3年の年代情報を有する曲を読み出す。図4の例では、曲検索データ「No.1」の曲名「ABC」の有する年代情報が「昭和43年」であるので、これがヒットする。なお、この年代該当曲読出部37aにより読み出す年代の範囲は任意であり、また図3及び図4に示した元号標記の情報は一例にすぎず、、例えば「1968年」など西暦情報であってもよく、さらに1970代等、おおまかな括りで記録されている場合もあり得る。
【0035】
これに基づいて年代該当曲読出部37aは、この曲検索データ「No.1」の曲IDである「M−001」をもとに、曲データベース11cより該当曲を検索し、曲データ「No.1」を読み出し(STEP7)、再生出力部37bに出力する。
【0036】
再生出力部37bは、これに基づいて、当該曲データ「No.1」を表示・オーディオ出力部35に出力する(STEP8)。表示・オーディオ制御部35は、オーディオ出力部13を介して当該曲「No.1」を再生するとともに、当該曲の再生が終了した場合には、これを再生出力部37bに入力する。再生出力部37bは、再生終了情報の入力に基づいて曲の終了を判定し(STEP9のYES)、STEP1に処理を返す。
【0037】
なお、年代該当曲読出部37aにおいて、該当曲が複数曲読み出された場合には、その曲を読み出された順番にすべての曲を再生するようにしてもよいし、1曲のみや2曲のみ等曲数を予め設定して再生したり、10分間再生等時間を設定して再生する等々、設定は自由である。
【0038】
また、出来事データベース11aの出来事データから曲検索データベース11bの曲を検索する際のキーを「年代」としているが、本実施形態ではこれに限られない。例えば、出来事データベース11aに記憶された出来事名と同一の曲名があるような場合には当該曲名をキーとして曲検索データベース11bに検索をかけたり、出来事データの所定の事件を起こした当事者が歌手であるような場合にはアーティスト名をキーとして曲検索データベース11bに検索するなど、任意に設定可能であるし、複数キーを設けて処理を行うことも処理能力の許す範囲で可能である。
【0039】
〔2−3.効果〕
以上のような本実施形態の処理によれば、記憶装置11に、過去に発生した事件及び事故を含む出来事について発生した年代や発生した位置情報を含む出来事特定情報とともに出来事情報として記憶した出来事データベースと、曲名や年代情報を含む曲特定情報をテキスト情報として記憶した曲検索データベースと、前記曲特定情報と曲データを含む曲情報を記憶した曲データベースとを備え、出来事データ検出部と、曲検索部とにより、この記憶手段から、車両が通過する箇所で過去に発生した出来事に合致する曲を検索して再生することが可能となる。
【0040】
これにより、ユーザの手を煩わさず、走行中の所定の地点において、ユーザに馴染み深く又は通過地点に合致した楽曲を再生しかつ曲の再生のマンネリ化を防止してユーザの運転環境の向上を図ることができる。
【0041】
出来事データ検出部は、位置比較部により自車位置と出来事情報の位置情報との距離を緯度経度情報から比較し、この距離が所定距離以内の場合に、曲検索部に出力し、これに基づいて曲検索部は曲を検索し出力することになるので、当該出来事の発生場所に対して適切な位置で、当該出来事に関連する曲が再生されることとなる。
【0042】
また、出来事データ及び曲検索データとして年代情報を含み、この年代情報をもとに曲検索部が曲を検索することにより、車両が過去に大きな出来事があった場所を通過した場合に、その出来事が起きた年代に流行っていた曲を流すことができる。また、出来事データ及び曲検索データとして出来事の当事者あるいは曲のアーティスト等の当事者情報を含み、この当事者情報をもとに曲検索部が曲を検索することにより、車両が過去に大きな出来事があった場所を通過した場合に、歌手本人がその出来事の当事者であるならばその歌手の曲を流すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【図2】本発明の実施形態における処理手順を例示するフローチャート。
【図3】本発明の実施形態における出来事データベースを例示する構成図。
【図4】本発明の実施形態における曲検索データベースを例示する構成図。
【図5】本発明の実施形態における曲データベースを例示する構成図。
【符号の説明】
【0044】
1…FM多重受信及び処理部
2…ビーコン受信及び処理部
3…制御部(メインCPU及びその周辺回路)
30…自車位置検出部
31…目的地受付部
32…経路計算部
33…案内部
34…表示・オーディオ制御部
35…出来事データ検出部
35a…出来事データ読出部
35b…位置比較部
35c…年代読出部
35d…出力部
36…曲検索部
36a…年代該当曲読出部
36b…再生出力部
4…ダイナミックRAM(DRAM)
5…スタティックRAM(SRAM)
6…ROM
7…表示部
8…ビデオRAM(VRAM)
9…TV受信及び処理部
10…車両情報取得部
11…記憶装置
11a…出来事データベース
11b…曲検索データベース
11c…曲データベース
12…入力部(タッチキー制御装置)
13…オーディオ出力部
14…測位部
M…メインメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の自車位置を検出する自車位置検出手段と、経路探索及び地図表示のための道路地図データと施設の位置を含む施設データとを予め格納する記憶手段と、ユーザにより設定された目的地への最適な経路を計算する経路計算手段と、前記最適な経路へ誘導案内を行う案内手段と、情報の表示並びにオーディオ出力を制御する表示オーディオ制御手段と、を備えたナビゲーション装置において、
前記記憶手段は、過去に発生した事件及び事故を含む出来事について発生した年代や発生した位置情報を含む出来事特定情報とともに出来事情報として記憶した出来事記憶部と、曲名や年代情報を含む曲特定情報をテキスト情報として記憶した曲検索記憶部と、前記曲特定情報と曲データを含む曲情報を記憶した曲記憶部とを備え、
前記自車位置検出手段からの自車位置情報に基づいて、前記出来事記憶部から車両近傍の前記位置情報を有する出来事情報を検出する出来事データ検出手段と、
前記出来事特定情報に基づいて、当該出来事特定情報と合致又は近似する前記曲特定情報を含む曲を前記曲検索記憶部から検索するとともに、この検索された曲と一致する曲を前記曲特定情報に基づいて曲記憶部から検索して前記表示オーディオ制御手段に対して当該曲の曲データを再生出力する曲検索手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記出来事データ検出手段は、前記自車位置情報と前記出来事情報の位置情報とに含まれる緯度及び経度情報から両位置の距離を算出し、当該距離が所定距離以内の場合に、前記出来事特定情報を前記曲検索手段に出力するものであることを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記出来事特定情報は、当該出来事の発生年代情報であり、
前記曲検索手段は、前記出来事データ検出手段から提供される前記発生年代情報と、年代が一致又は近似する曲を検索するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記出来事特定情報は、当該出来事の当事者情報を含み、
前記曲特定情報は、当該曲の作詞者又は作曲者等の曲当事者情報を含み、
前記曲検索手段は、前記出来事データ検出手段から提供される当事者情報と、前記曲当事者情報とが一致する曲を検索するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
経路探索及び地図表示のための道路地図データと施設の位置を含む施設データとを予め格納する記憶手段と、情報の表示並びにオーディオ出力を制御する表示オーディオ制御手段と、を備え、車両の自車位置を検出する自車位置検出処理と、ユーザにより設定された目的地への最適な経路を計算する経路計算処理と、前記最適な経路へ誘導案内を行う案内処理と、を制御部がコンピュータを制御して実行するナビゲーション装置の制御方法において、
前記記憶手段は、過去に発生した事件及び事故を含む出来事について発生した年代や発生した位置情報を含む出来事特定情報とともに出来事情報として記憶した出来事記憶部と、曲名や年代情報を含む曲特定情報をテキスト情報として記憶した曲検索記憶部と、前記曲特定情報と曲データを含む曲情報を記憶した曲記憶部とを備え、
前記制御部は、
前記自車位置検出手段からの自車位置情報に基づいて、前記出来事記憶部から車両近傍の前記位置情報を有する出来事情報を検出する出来事データ検出処理と、
前記出来事特定情報に基づいて、当該出来事特定情報と合致又は近似する前記曲特定情報を含む曲を前記曲検索記憶部から検索するとともに、この検索された曲と一致する曲を前記曲特定情報に基づいて曲記憶部から検索して前記表示オーディオ制御手段に対して当該曲の曲データを再生出力する曲検索処理とを実行することを特徴とするナビゲーション装置の制御方法。
【請求項6】
前記出来事データ検出処理は、前記自車位置情報と前記出来事情報の位置情報とに含まれる緯度及び経度情報から両位置の距離を算出し、当該距離が所定距離以内の場合に、前記出来事特定情報を前記曲検索処理に対して出力するものであることを特徴とする請求項5記載のナビゲーション装置の制御方法。
【請求項7】
前記出来事特定情報は、当該出来事の発生年代情報であり、
前記曲検索処理は、前記出来事データ検出処理から提供される前記発生年代情報と、年代が一致又は近似する曲を検索するものであることを特徴とする請求項5又は6記載のナビゲーション装置の制御方法。
【請求項8】
前記出来事特定情報は、当該出来事の当事者情報を含み、
前記曲特定情報は、当該曲の作詞者又は作曲者等の曲当事者情報を含み、
前記曲検索処理は、前記出来事データ検出処理から提供される当事者情報と、前記曲当事者情報とが一致する曲を検索するものであることを特徴とする請求項5又は6記載のナビゲーション装置の制御方法。
【請求項9】
経路探索及び地図表示のための道路地図データと施設の位置を含む施設データとを予め格納する記憶手段と、情報の表示並びにオーディオ出力を制御する表示オーディオ制御手段と、を備え、車両の自車位置を検出する自車位置検出処理と、ユーザにより設定された目的地への最適な経路を計算する経路計算処理と、前記最適な経路へ誘導案内を行う案内処理と、をコンピュータを制御して実行するナビゲーション装置の制御プログラムにおいて、
前記記憶手段は、過去に発生した事件及び事故を含む出来事について発生した年代や発生した位置情報を含む出来事特定情報とともに出来事情報として記憶した出来事記憶部と、曲名や年代情報を含む曲特定情報をテキスト情報として記憶した曲検索記憶部と、前記曲特定情報と曲データを含む曲情報を記憶した曲記憶部とを備え、
前記プログラムは前記コンピュータに、
前記自車位置検出手段からの自車位置情報に基づいて、前記出来事記憶部から車両近傍の前記位置情報を有する出来事情報を検出させる出来事データ検出処理と、
前記出来事特定情報に基づいて、当該出来事特定情報と合致又は近似する前記曲特定情報を含む曲を前記曲検索記憶部から検索させるとともに、この検索された曲と一致する曲を前記曲特定情報に基づいて曲記憶部から検索させて前記表示オーディオ制御手段に対して当該曲の曲データを再生出力させる曲検索処理と、を実行させることを特徴とするナビゲーション装置の制御プログラム。
【請求項10】
前記出来事データ検出処理は、前記自車位置情報と前記出来事情報の位置情報とに含まれる緯度及び経度情報から両位置の距離を算出させ、当該距離が所定距離以内の場合に、前記出来事特定情報を前記曲検索処理に対して出力させるものであることを特徴とする請求項9記載のナビゲーション装置の制御プログラム。
【請求項11】
前記出来事特定情報は、当該出来事の発生年代情報であり、
前記曲検索処理は、前記出来事データ検出処理から提供される前記発生年代情報と、年代が一致又は近似する曲を検索させるものであることを特徴とする請求項9又は10記載のナビゲーション装置の制御プログラム。
【請求項12】
前記出来事特定情報は、当該出来事の当事者情報を含み、
前記曲特定情報は、当該曲の作詞者又は作曲者等の曲当事者情報を含み、
前記曲検索処理は、前記出来事データ検出処理から提供される当事者情報と、前記曲当事者情報とが一致する曲を検索させるものであることを特徴とする請求項9又は10記載のナビゲーション装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−190869(P2008−190869A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−22164(P2007−22164)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】