説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラム

【課題】ユーザに、案内地点までの距離感をよりわかり易く提示するナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】案内を行うナビゲーション装置であって、複数種類の案内用の効果音を記憶する効果音記憶部と、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類数と車両の速度とを関連付けて記憶する効果音種類数記憶部と、車両の速度を取得する車速取得部と、車速取得部が取得した車両の速度に基づいて、効果音種類数記憶部を参照して、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類数を決定する効果音種類数決定部と、効果音種類数決定部が決定した種類数の一連の案内用の効果音を効果音記憶部から読み出して再生し、案内を行う案内部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムに関し、より特定的には、案内地点までの距離感をユーザによりわかり易く提示するナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーションシステムの案内において、案内地点までの残距離に応じて警告音のテンポを変えて鳴らすことで、ユーザが画面を見なくても、警告音のテンポだけで案内地点までの残距離を知ることができる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−255166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術は、案内点までの残距離が小さいときには、警告音のテンポが速く、案内点までの残距離が大きいときには、警告音のテンポが遅くなる。従って、案内点までの残距離が大きく、例えば、幅の広い道路を走行するときのように、車両の速度が速くなる場合であっても、あくまで警告音のテンポは遅い。そのため、車両の速度が速く、案内点に急速に近づく場合でも、警告音のテンポが遅いため、ユーザは案内地点までの距離感を把握できず、想定できない走行を強いられる可能性が高い。
【0004】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされた。すなわち、ユーザに、案内地点までの距離感をよりわかり易く提示するナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の局面は、案内を行うナビゲーション装置に向けられている。本発明は、複数種類の案内用の効果音を記憶する効果音記憶部と、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類数と車両の速度とを関連付けて記憶する効果音種類数記憶部と、車両の速度を取得する車速取得部と、車速取得部が取得した車両の速度に基づいて、効果音種類数記憶部を参照して、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類数を決定する効果音種類数決定部と、効果音種類数決定部が決定した種類数の一連の案内用の効果音を効果音記憶部から読み出して再生し、案内を行う案内部とを備える。
【0006】
また、効果音種類数記憶部は、車両の速度が速いほど、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類数を少なく記憶していることが好ましい。
【0007】
また、案内部は、車両の速度が速いほど、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類毎の切り替わりを少なくすることが好ましい。
【0008】
また、効果音種類数記憶部は、車両の速度が遅いほど、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類数を少なく記憶していることが好ましい。
【0009】
また、効果音記憶部は、案内地点までの残距離の区間毎に、案内用の効果音を関連付けて記憶し、案内部は、案内地点までの残距離の区間毎に対応する効果音を前記効果音記憶部から読み出して再生し、案内を行うことが好ましい。
【0010】
また、効果音記憶部は、残距離を均等に分割した区間毎に、案内用の効果音を関連付けて記憶していることが好ましい。
【0011】
また、効果音記憶部は、案内地点までの残距離の最初、及び最後の区間に、所定の項番の案内用の効果音を関連付けて記憶し、それ以外の残距離の区間に、案内用の効果音の種類が均等な割合で割当てられた案内用の効果音を関連付けて記憶していることが好ましい。
【0012】
また、効果音記憶部は、案内地点までの残距離の最後の区間に、所定の項番の案内用の効果音を関連付けて記憶し、それ以外の残距離の区間に、案内用の効果音の種類がランダムに割当てられた案内用の効果音を関連付けて記憶していることが好ましい。
【0013】
また、効果音記憶部は、案内地点に到着するまでに予測される減速に応じて、効果音の再生時間が均等になるように残距離を分割した区間毎に、案内用の効果音を関連付けて記憶していることが好ましい。
【0014】
本発明の第2の局面は、案内を行うナビゲーション方法に向けられている。本発明は、車両の速度を取得する車速取得ステップと、車速取得ステップで取得した車両の速度に基づいて、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類数と車両の速度とを関連付けて記憶する効果音種類数記憶部を参照して、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類数を決定する効果音種類数決定ステップと、効果音種類数決定ステップで決定した種類数の一連の案内用の効果音を複数種類の案内用の効果音を記憶する効果音記憶部から読み出して再生し、案内を行う案内ステップとを備える。
【0015】
本発明の第3の局面は、案内を行うナビゲーション装置のコンピュータで実行されるナビゲーションプログラムに向けられている。本発明は、コンピュータに、車両の速度を取得する車速取得ステップと、車速取得ステップで取得した車両の速度に基づいて、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類数と車両の速度とを関連付けて記憶する効果音種類数記憶部を参照して、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類数を決定する効果音種類数決定ステップと、効果音種類数決定ステップで決定した種類数の一連の案内用の効果音を複数種類の案内用の効果音を記憶する効果音記憶部から読み出して再生し、案内を行う案内ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明の各局面によれば、ユーザに、案内地点までの距離感をよりわかり易く提示するナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置について詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係るナビゲーション装置100の全体構成を示すブロック図である。図1において、ナビゲーション装置100は、入力部101、位置検出部102、データ記憶部103、演算処理部104、及び出力部105を備える。
【0019】
入力部101は、ナビゲーション装置を操作するための専用リモコン、音声を収集するマイク、IrDA(赤外線通信)機能を搭載した携帯電話、及び携帯情報端末(PDA)等である。これらコントローラを用いた操作によって、目的地設定等の各種の操作が行われる。入力部101からの情報や操作要求は、演算処理部104に伝えられる。
【0020】
位置検出部102は、速度センサ、ジャイロセンサ、及び/又はGPS受信機によって構成される。これらのセンサ及び受信機が2つ以上組み合わさって、位置検出部102が構成される場合がある。速度センサは車両の移動速度を検出する。ジャイロセンサは車両の進行方位を検出する。GPS受信機は車両の地球上における絶対位置を検出する。これらのセンサ及び受信機によって検出された情報は、演算処理部104において、現在位置を道路上に補正するマップマッチング処理等に使用される。
【0021】
データ記憶部103は、CD−ROM、DVD−ROM、HDD(ハードディスクドライブ)、又はメモリ等から構成されている。データ記憶部103には地図データや検索用のデータが格納されている。地図データには、演算処理部104において経路探索処理、誘導案内処理、及びマップマッチング処理等で使用される道路ネットワークデータ、及び地図表示で使用される背景データが記録されている。一般的に、地図データは、主に交差点を現すノードと呼ばれるデータと、ノード間を結ぶ道路を意味するリンクと呼ばれるデータによって、道路ネットワークが構成されている。また、経路探索処理によって求められる推奨経路も、ノードとリンクによって構成されている。なお、地図データや検索用のデータが、例えば、携帯電話等の通信部(図示せず)によって、センター設備から適宜ダウンロードされ、データ記憶部103に記憶される構成であってもよい。また、データ記憶部103には、効果音種類数対応テーブル131と音源ソース132というデータが記憶されている。これらのデータは、案内地点の直前において効果音を用いた案内を実行する際に、どのような効果音を再生すべきかを表すテーブルを生成するために利用される。データ構造及び詳細については後述する。
【0022】
演算処理部104は、案内データ生成部141、及び案内部142から構成される。これらの構成により、経路探索処理、誘導案内処理、マップマッチング処理等の各種処理を行う。経路探索処理では、車両の現在位置から入力部101から設定された目的地までの推奨経路が求められる。誘導案内処理では、先の経路探索によって求められた推奨経路に沿って走行する車両に対して、交差点などで誘導案内が行われる。誘導案内処理は、誘導案内に必要な情報を生成し、車両の現在位置に基づいてユーザに対して案内情報を提示する。マップマッチング処理では、前述のように位置検出部102より検出した情報を基に車両の現在位置が道路上から外れていた場合に位置が補正される。
【0023】
出力部105は、ディスプレイ装置、及びスピーカから構成される。ディスプレイ装置には、地図と現在位置が表示されたり、誘導案内情報が表示される。スピーカは、誘導案内時等において、音声によりドライバに情報を提供する。
【0024】
以下、本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置100の動作について図2のフロー図に従って説明する。
【0025】
まず、ユーザは、入力部101を操作して、目的地の設定に必要な情報(郵便番号及び住所、又は電話番号)を入力したり、ディスプレイに表示される地図上をタッチすることにより目的地を入力する。この入力に応答して、演算処理部104は、経路探索に必要な目的地を設定する(ステップS101)。
【0026】
次に、演算処理部104は、位置検出部102から現在位置を取得した後、取得した現在位置から、設定された目的地まで経路探索を行う。なお、演算処理部104は、ユーザが入力部101を操作して入力した出発地を使って経路探索を行ってもよい。その結果、演算処理部104は、現在位置から目的地までの推奨経路を取得する(ステップS102)。経路探索のアルゴリズムとしては、例えば、周知のダイクストラ法が用いられる。また、探索経路の実行前に、ユーザが、入力部101を操作することで、一般道を優先するか、高速道路(又は有料道路)を優先するかを指定可能な場合、演算処理部104は、ユーザの指定に沿った経路探索を行ってもよい。また、演算処理部104は、現在位置から目的地までの複数本の経路を実質的に同時に求め、求めた複数の経路の1本を推奨経路として、ユーザに選択させてもよい。また、以上の経路探索については、本ナビゲーションシステム上で行わなくともよい。例えば、携帯電話又は内蔵の通信モジュールを用いて、外部のネットワーク上のサーバにアクセスした後、ナビゲーションシステムは、現在位置及び目的地の双方をアクセス中のサーバに送る。サーバは、受信した現在位置から目的地までの推奨経路を算出して、ナビゲーションシステムに送り返す。以上のようにして、演算処理部104は、推奨経路を取得してもよい。
【0027】
演算処理部104は、経路探索を実行し、推奨経路を選出後に、経路誘導案内を開始する。次に、位置検出部102は、車両の走行に応じて、車両の現在位置を算出する(ステップS103)。具体的には、演算処理部104は、位置検出部102から得られる移動速度、進行方位及び車両の絶対位置と、データ記憶部103に格納される地図データとを使ってマップマッチングを行い、車両の現在位置を算出する。
【0028】
次に、案内部142は、車両の走行状況に応じて、主に交差点や分岐点のように、案内を必要とする地点に関する経路誘導案内に必要な案内データを生成する(ステップS104)。具体的には、交差点名称や、交差点をどちらの方向に曲がるかの情報、交差点付近の目印となる情報、道路名称、これらの情報をどのようなタイミングで提供したらよいかという情報等である。以下、ステップ104の案内データ生成処理について、図3のフロー図に従って説明する。
【0029】
まず、演算処理部104は、現在位置から所定範囲内の案内情報が生成されているか否かを判定する(ステップS201)。例えば、演算処理部104は、現在位置から推奨経路上を10km先まで読み、その範囲内で案内が必要な地点の案内情報が生成さているか否かを判定する。所定範囲としているのは、あまりにも先の案内地点の案内データを保持していても、近づくまでは案内を開始しないため、保持領域を無駄に使用するのことを防止するためである。なお、この方法に限ったことではなく、一度に推奨経路上の目的地までの案内データを生成してしまってもよい。例えば、メモリ等に余裕があれば、ステップS102の経路探索処理の後に、目的地に到着するまでに必要とする案内データが全て生成されてもよい。
【0030】
ステップS201において、案内情報が生成されている場合、演算処理部104は処理を終了する。一方、ステップS201において、案内情報が生成されていない場合、演算処理部104は案内地点を抽出する(ステップS202)。一般的にデータ記憶部103に記憶されている地図データには、主に交差点を現すノードと呼ばれるデータと、ノード間を結ぶ道路を意味するリンクと呼ばれるデータによって、道路ネットワークが構成されている。また、経路探索処理によって求められる推奨経路も、ノードとリンクによって構成されている。ノードに接続するリンクの角度によって、推奨経路が交差点を曲がっているかどうかを判断し、誘導案内が必要な案内地点として抽出される。案内地点として交差点を曲がるパターンの他に、例えばY字路等の分岐点、高速道路の入口及び出口、高速道路のジャンクションでの分岐等がある。高速道路の入口や出口等は、リンクの属性情報を参照し、一般道路や高速道路などリンク属性が変化する地点から判断される。または、料金所等が予めデータ記憶部103の道路ネットワークに記憶されている場合は、それが参照されることで案内地点とされてもよい。
【0031】
次に、演算処理部104は、抽出した案内地点について、案内情報が生成されているか否かを判定する(ステップS203)。
【0032】
ステップS203において、案内情報が生成されていないと判定された場合、案内データ生成部141は案内データを生成する(ステップS204)。具体的には、案内データ生成部141は、曲がる方向、交差点名称、及びランドマーク等の情報を特定する。それらが音声で案内されるのであれば、案内データ生成部141は、音声ファイルを生成し、いつでも再生できるようにメモリ上に待機させておく。以上、自車位置から一定距離内において、全ての案内地点の案内データを生成するまで、ステップS201からステップS204までの処理を繰返し実行する。
【0033】
一方、ステップS203において、案内情報が生成されていると判定された場合、演算処理部104は、次の案内地点まで、所定距離以内か否かを判定する(ステップS205)。
【0034】
ステップS205において、所定距離以内でないと判定された場合、演算処理部104は処理を終了する。一方、所定距離以内であると判定された場合、案内データ生成部141は、案内地点に近づいたときにどのような効果音を再生すべきかを表現した案内用効果音テーブルを生成する(ステップS206)。所定距離の値は、効果音による案内を開始するのが、案内地点までの距離が150mの位置からであれば、例えば150mと設定されてもよいし、少し時間的余裕を持たせるために、170mと設定されてもよい。以下、案内用効果音テーブル生成処理について、図4のフロー図に従って説明する。
【0035】
まず、演算処理部104は、案内用効果音テーブルを生成する時点における車速を取得する(ステップS301)。車速の値によって以下テーブルの値も異なる。つまり、車速に応じて効果音による案内内容が異なってくる。
【0036】
次に、案内データ生成部141は、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類数と自車の速度とを関連付けた効果音種類数対応テーブルを参照する(ステップS302)。効果音種類数対応テーブルは、例えば図5のようなテーブルであり、車速によって、効果音案内に効果音を何種類使用するかを定義している。例えば、時速15kmであれば、現在位置から次の案内地点まで9種類の効果音を使って効果音案内を実施する。また、時速55kmであれば、5種類の効果音を使って案内をする。図5の例では、時速が10kmの範囲で分類されているが、これに限らず任意の範囲で分類してよい。また、効果音の種類数も図5の例に限らず任意の値を設定してよい。例えば、車速が速くなるほど、効果音の種類数は少なくなるように設定するようにする。このようにすることで、車速が速いほど、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類毎の切り替わりを少なくすることができる。なお、車速が遅くなるほど、効果音の種類数が少なくなるようにしてもよい。
【0037】
次に、案内データ生成部141は、音源ソースを参照して、どの効果音を使用するかを決定する(ステップS303)。音源ソースの例を図6に示す。図6では予め10種類の効果音を用意している。例えば、ステップS301で取得した時速が5kmあった場合は、効果音が10種類使用されるので、図6のSound01からSound10までの全てが使用される。その場合、効果音の再生は、Sound01が再生され、案内地点に近づくにつれ、Sound02、Sound03と順に再生され、最後は、Sound10が再生される。また、ステップS301で取得した時速が55kmである場合は、効果音が5種類使用されるので、例えばSound01、Sound03、Sound05、Sound07、Sound10の5種類が使用される。なお、図6で示す効果音は全て異なる効果音とする。項番が大きい効果音ほど案内地点に近い位置で再生するため、例えば項番が大きくなるほどテンポが速い効果音としてもよい。また、項番が大きくなるほど、音の高さが高い効果音となるようにしてもよいし、項番が大きくなるほど、音量が大きくなるようにしてもよい。このように項番が大きくなるほど、効果音の特性を徐々に変化させ、ユーザに効果音が変化していることがわかるようにしておく。Sound01等で表している効果音は、例えばwavファイル等で録音したサウンドデータである。サウンドデータは数秒程度の一般的な効果音と同等の長さのデータであってよいし、曲のように長い音楽データであってもよいし、また0.5秒〜1秒程度の短いサウンドデータであってもよい。また、音源ソースのサウンドデータ数は、10種類に限らず任意の種類数にしてもよい。なお、サウンドデータの種類数が多いほど、車速が異なったときの効果音案内の違いを、明確に表現することができる。
【0038】
音源ソースは、ステップS302で決められた効果音の種類数だけ、サウンドデータを記憶している。例えば、最初の効果音として必ずSound01が記憶され、最後の効果音として必ずSound10が記憶されて、その間は項番数が均等に割り当てられるように効果音が記憶されていてもよい。また、最後の効果音のみ必ずSound10が記憶され、そこに至る数だけ効果音がランダムに記憶されていてもよい。例えば、効果音の種類数が4の場合は、例1として、Sound01、Sound04、Sound07、及びSound10の4種類が記憶されているようにしてもよいし、例2として、Sound07、Sound08、Sound09、及びSound10の4種類が記憶されていてもよい。
【0039】
次に、案内データ生成部141は、案内用効果音テーブルを生成する(ステップS304)。案内用効果音テーブルの例を図7に示す。図7は、効果音の種類数が6の場合の例である。効果音による案内を開始するのは案内地点から150mの位置からであるとすると、150mの長さを6等分して、それぞれの区間に対して、ステップS303で決定した効果音データを割り当てる。案内用効果音テーブルで示した距離区間に自車が存在する間は、対応する効果音を再生することになる。例えば、自車の案内地点までの距離が60mの位置であるときは、Sound06を再生する。案内用効果音テーブルの距離範囲は均等に分割されているが、効果音の再生を開始した時点から案内地点まで車両が進む間、自車が減速することを考慮して、任意の範囲で設定されてもよい。案内用効果音テーブルには、案内地点に到着するまでに予測される減速に応じて、効果音の再生時間が均等になるように残距離を分割した区間毎に、案内用の効果音を関連付けて記憶されていてもよい。
【0040】
次に、案内部142は、車両の現在位置と案内地点との位置関係から、案内すべきタイミングであれば音声によりユーザに案内情報を提供する(ステップS105)。具体的には、一般的なナビゲーションの案内として、案内部142は、案内地点までの距離が、700m、300m、100m手前の地点において案内を実施する。案内部142は、例えば「およそ700m先、○○交差点を右方向です。」と音声による案内を行う。また、案内部142は、自車が案内地点に近づいたときに、効果音を用いた案内を実施する。具体的には、案内部142は、例えば案内地点までの距離が150mになった時点において、ある効果音を再生する。そして案内部142は、車両が案内地点に近づくにつれ、徐々に再生する効果音を変える。例えば、案内部142は、案内地点に近づくにつれ、テンポの速い効果音を再生する。このように、案内部142は、案内地点に近づいていることを効果音によってのみ提示する。どのような効果音を再生するかは、ステップS104で生成した案内用効果音テーブルを参照して、該当する効果音を再生する。以下、ステップS105の誘導案内処理について、図8のフロー図に従って説明する。
【0041】
まず、演算処理部104は、現在の車両位置から案内地点までの距離を算出する(ステップS401)。その距離が所定の距離であれば、案内部142は案内を実施する(ステップS402)。例えば、案内部142は、音声で、「およそ700mで、○○交差点を右方向です。」と案内する。ここで案内する内容は一般的なナビゲーションシステムの案内である。
【0042】
次に、演算処理部104は、ステップS401で取得した距離をもとに、案内用効果音テーブルの該当するデータを参照する(ステップS403)。そして、演算処理部104は、現在参照したデータが、前回参照したデータと異なっているか否かを判定する(ステップS404)。
【0043】
ステップS404において、異なっていると判定された場合、演算処理部104は、例えば図7の案内用効果音テーブルの場合、前回ステップS403の処理を実行したときに、案内地点までの距離が110mであったためSound03を参照していたものが、今回ステップS403を実行したときは、案内地点までの距離が90mまで近づいていたとするとSound04を参照する。このような場合は、図7の案内用効果音テーブルの交差点までの距離区間が変わっており、参照データも異なっているので、案内部142は、それまで再生中の音を停止し(ステップS406)、現在の距離範囲に対応する効果音を再生する(ステップS407)。先の例では、Sound03が停止され、Sound04が再生される。
【0044】
一方、ステップS404において、異なっていないと判定された場合、案内部142は再生中の効果音を継続して再生し続ける。
【0045】
なお、効果音の再生については、短い効果音であっても、一度だけ再生するのではなく、車両が同じ距離区間にいる間は繰り返し同じ効果音が再生される。繰り返し再生する際の再生間隔については、間隔時間を0にして連続して再生されるようにしてもよいし、0.5秒程度時間をおいて再生されてもよい。また、再生間隔にも変化を持たせ、案内地点に近い距離区間であるほど、再生間隔が短くなってもよい。また、サウンドデータが効果音のような短い音のデータではなく、曲のような長い音楽データであった場合は、同じ距離区間にいる間は音楽データが再生され続け、距離区間が変わったときに音楽データが停止されてもよい。渋滞などで同じ距離区間に長時間いるような時に、音楽データが終了したような場合でも、再度同じ音楽データが再生されるようにしてもよい。
【0046】
次に、演算処理部104は、自車が目的地に到着したか否かを判定する(ステップS106)。ステップS106において、目的地に到着していないと判定された場合、演算処理部104はステップS103に処理を戻す。一方、ステップS106において、目的地に到着したと判定された場合、演算処理部104は、目的地に到着したことをユーザに知らせる情報を提供し(ステップS107)、処理を終了する。
【0047】
なお、本発明は、上述した実施の形態を実現するソフトウェアのプログラム(実施の形態では図に示すフロー図に対応したプログラム)が装置に供給され、その装置のコンピュータが、供給されたプログラムを読出して、実行することによっても達成させる場合を含む。したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現させるためのナビゲーションプログラムも含む。
【0048】
このように、本発明によれば、ユーザに、案内地点までの距離感をよりわかり易く提示するナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供することができる。
【0049】
上記実施の形態で説明した構成は、単に具体例を示すものであり、本願発明の技術的範囲を制限するものではない。本願の効果を奏する範囲において、任意の構成を採用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、推奨経路上の案内地点を案内する際に、案内地点の直前でわかり易い案内を行うナビゲーション装置等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置の動作を示すフロー図
【図3】案内データ生成処理を示すフロー図
【図4】案内用効果音テーブル生成処理を示すフロー図
【図5】効果音種類数対応テーブルの具体例を示す図
【図6】音源ソースの具体例を示す図
【図7】案内用効果音テーブルの具体例を示す図
【図8】誘導案内処理を示すフロー図
【符号の説明】
【0052】
100 ナビゲーション装置
101 入力部
102 位置検出部
103 データ記憶部
131 効果音種類数対応テーブル
132 音源ソース
104 演算処理部
141 案内データ生成部
142 案内部
105 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内を行うナビゲーション装置であって、
複数種類の案内用の効果音を記憶する効果音記憶部と、
案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類数と車両の速度とを関連付けて記憶する効果音種類数記憶部と、
車両の速度を取得する車速取得部と、
前記車速取得部が取得した車両の速度に基づいて、前記効果音種類数記憶部を参照して、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類数を決定する効果音種類数決定部と、
前記効果音種類数決定部が決定した種類数の一連の案内用の効果音を前記効果音記憶部から読み出して再生し、案内を行う案内部とを備える、ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記効果音種類数記憶部は、車両の速度が速いほど、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類数を少なく記憶していることを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記案内部は、車両の速度が速いほど、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類毎の切り替わりを少なくすることを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記効果音種類数記憶部は、車両の速度が遅いほど、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類数を少なく記憶していることを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記効果音記憶部は、案内地点までの残距離の区間毎に、案内用の効果音を関連付けて記憶し、
前記案内部は、案内地点までの残距離の区間毎に対応する効果音を前記効果音記憶部から読み出して再生し、案内を行うことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記効果音記憶部は、残距離を均等に分割した区間毎に、案内用の効果音を関連付けて記憶していることを特徴とする、請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記効果音記憶部は、案内地点までの残距離の最初、及び最後の区間に、所定の種類の案内用の効果音を関連付けて記憶し、それ以外の残距離の区間に、案内用の効果音の種類が均等な割合で割当てられた案内用の効果音を関連付けて記憶していることを特徴とする、請求項6に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記効果音記憶部は、案内地点までの残距離の最後の区間に、所定の種類の案内用の効果音を関連付けて記憶し、それ以外の残距離の区間に、案内用の効果音の種類がランダムに割当てられた案内用の効果音を関連付けて記憶していることを特徴とする、請求項6に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記効果音記憶部は、案内地点に到着するまでに予測される減速に応じて、効果音の再生時間が均等になるように残距離を分割した区間毎に、案内用の効果音を関連付けて記憶していることを特徴とする、請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
案内を行うナビゲーション方法であって、
車両の速度を取得する車速取得ステップと、
前記車速取得ステップで取得した車両の速度に基づいて、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類数と車両の速度とを関連付けて記憶する効果音種類数記憶部を参照して、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類数を決定する効果音種類数決定ステップと、
前記効果音種類数決定ステップで決定した種類数の一連の案内用の効果音を複数種類の案内用の効果音を記憶する効果音記憶部から読み出して再生し、案内を行う案内ステップとを備える、ナビゲーション方法。
【請求項11】
案内を行うナビゲーション装置のコンピュータで実行されるナビゲーションプログラムであって、
前記コンピュータに、
車両の速度を取得する車速取得ステップと、
前記車速取得ステップで取得した車両の速度に基づいて、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類数と車両の速度とを関連付けて記憶する効果音種類数記憶部を参照して、案内地点に至るまでに再生する一連の案内用の効果音の種類数を決定する効果音種類数決定ステップと、
前記効果音種類数決定ステップで決定した種類数の一連の案内用の効果音を複数種類の案内用の効果音を記憶する効果音記憶部から読み出して再生し、案内を行う案内ステップとを実行させる、ナビゲーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−292235(P2008−292235A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−136601(P2007−136601)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】