説明

ナビゲーション装置、道路登録方法、道路登録プログラム、および記録媒体

【課題】 マップデータ上に、新たな道路を登録する場合、その道路上の交差点の有無を容易に登録できるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 マップデータ上に新たに道路を登録するナビゲーション装置において、道路車両に備わるウインカー31の作動の有無(例えば作動音)を検出する集音マイク6を設け、この集音マイク6によって、ウインカー31が作動したと検出された場合、制御部1が、マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図(マップデータ)に載っていない経路等を追記可能(追加記録可能)な車両搭載タイプのナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路情報は、月日の流れとともに変更されるものである。しかしながら、ナビゲーション装置に記憶されている地図情報は、常に最新の道路情報を反映しているとは限らない。そこで、ナビゲーション装置に記憶されている地図情報を常に最新のものにすべく、ユーザー車両の走った走行軌跡を利用して、地図(マップデータ)に記載されていない道路等を新たに登録できるナビゲーション装置が開発されている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開平10−89975号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、図5(a)に示すように、マップデータ上に既に登録されている登録道路A’と登録道路B’とをつなぐような未登録の道路(新道路C’;Y字路を有する道路)が作られている場合、このマップデータ上に新道路C’を登録しようとすると、下記に示す問題が生じる。
【0004】
例えば、図5(b)に示すように車両が、新道路C’におけるY字路を左方向に曲がって走行した場合、図5(c)に示すように、マップデータ上には、走行軌跡にのっとった道路しか登録されない。
【0005】
このようにマップデータが登録されると、後日このマップデータをみたとき、ユーザーは、新道路C’は、カーブを有する1本道の道路と勘違いしてしまう場合がある。すなわち、マップデータ上にY字路(交差点)の有無が登録されていないため、かかるような勘違いが生じてしまうようになっている。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、マップデータ上に、新たな道路を登録する場合、その道路上の交差点の有無を容易に登録できるナビゲーション装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車両の位置を検出する車両位置検出ユニットと、マップデータを記憶する記憶部と、上記車両位置を定期的に登録することで走行軌跡を求めるとともに、この走行軌跡に基づく道路を上記マップデータ上に新たに登録させる制御部と、を有した車両搭載型ナビゲーション装置であって、車両に備わる方向指示器の作動の有無を検出する方向指示検出部を設けており、この方向指示検出部によって方向指示器が作動したと検出された場合、上記制御部が、上記マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録することを特徴としている。
【0008】
これによると、マップデータ上には存在しない道路等を、新たにそのマップデータ上に登録させるときに、交差点を付加して登録させることができる。そのため、走行軌跡のみに基づいて登録された道路に比べて、詳細な道路情報がマップデータに登録されることになる。
【0009】
その上、この交差点の登録は、車両に搭載されている方向指示器の作動と同期して登録されるようになっている。したがって、ユーザーによる交差点の登録し忘れを防止できる。
【0010】
また、本発明のナビゲーション装置では、さらに、報知部および入力部が設けられており、上記制御部は、上記報知部で上記交差点の種類を報知させる一方、上記入力部によって上記の交差点の種類が選択された後に、上記マップデータ上に新たに登録する道路に、上記の選択された交差点を登録させることが好ましい。
【0011】
これによると、ユーザーの確認した交差点情報、例えば交差点が十字路、T字路、Y字路等であった旨の情報をマップデータ上に登録させることができる。
【0012】
また、本発明のナビゲーション装置では、さらに、経過時間計測部が設けられており、この経過時間計測部は、上記方向指示器の作動停止後からの経過時間を計測する一方、上記制御部は、上記計測経過時間と予め定めた閾経過時間とを比較し、計測経過時間が閾経過時間を超える場合、上記マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録するこが好ましい。
【0013】
また、上記車両位置検出ユニットは、走行距離を計測するようになっており、上記方向指示器の作動停止後からの走行距離を計測する一方、上記制御部は、上記計測走行距離と予め定めた閾走行距離とを比較し、計測走行距離が閾走行距離を超える場合、上記マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録することが好ましい。
【0014】
これによると、自動的にマップデータ上に交差点が登録されることになる。
【0015】
また、本発明のナビゲーション装置では、さらに、報知部および入力部が設けられており、上記制御部は、上記報知部で上記交差点の種類を報知させる一方、上記閾経過時間内または上記閾走行距離内に、上記入力部で上記交差点の種類が選択されなかった後に、上記マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録することが好ましい。
【0016】
例えばユーザーが報知部(例えばスピーカーの表示やモニターによる放音)による報知を認識しながらも、車両の運転に集中せざるを得ず、交差点の種類等を選択できない場合があり得る。しかしながら、これによると、方向指示器の作動さえ確認していれば、マップデータ上に交差点を確実に登録できるようになっている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、マップデータ上には存在しない道路等を、新たにそのマップデータ上に登録させるときに、交差点を付加して登録させることができる。そのため、走行軌跡のみに基づいて登録された道路に比べて、詳細な道路情報がマップデータに登録されることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
[実施の形態1]
〈ナビゲーション装置等の構成について〉
図2は、車両(不図示)に搭載されたナビゲーション装置79の構成を示すブロック図である。
【0019】
この図2に示すように、ナビゲーション装置79は、少なくとも、位置センサー群(車両位置検出ユニット)19、メディア放送受信部21、HDD(記憶部)22、モニター(報知部)3、スピーカー(報知部)4、操作ボタン群(入力部)5、集音マイク(横行指示検出部)6、タイマー(経過時間計測部)7、内蔵電池23、RAM(Random Access Memory)24、ROM(Read Only Memory)25、および制御部1を含むように構成されている。
【0020】
位置センサー群19は、速度検出部11、GPS(Global Positioning System)測位部12、ジャイロスコープ13、距離検出部14、および地磁気検出部15を含むように構成されている。
【0021】
速度検出部11は、車両に備え付けられた車軸の回転状態に基づいて速度を検出するものであり、GPS測位部12は、GPS衛星からの電波信号(GPS信号)を利用し、車両の緯度・経度・高度等を特定するものである。
【0022】
ジャイロスコープ13は、GPS衛星からの電波を受信できない場合の補助手段として組み込まれているものであり、前後・左右・上下と3方向に対応する軸を用い、基準点からの相対位置を求めるものである。
【0023】
距離検出部14は、車両の前後方向の加速度等から走行距離を検出するものであり、地磁気検出部15は、地磁気から車両の進行方向を検出するものである。
【0024】
メディア放送受信部21は、メディア放送受信アンテナを介して、TV(TeleVision)放送局やラジオ放送局から送信されてくるTV放送信号やラジオ放送信号を受信するものである。
【0025】
HDD(Hard Disk Drive)22は、地図情報(マップデータ)やTV放送信号・ラジオ放送信号に基づく映像情報・音声情報(映像音声情報)等を記憶するものである。なお、マップデータ等の記憶するものとして、HDD22に限らず、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)等であっても構わない。
【0026】
モニター(表示部)3は、例えば液晶パネルから構成されるものであり、地図情報やTV放送信号に基づく映像情報等を表示するものである。
【0027】
スピーカー(放音部)4は、TV放送信号やラジオ放送信号に基づく音声情報等を放音したり、ナビゲーションの案内音声等を放音したりするものである。
【0028】
操作ボタン群(タッチ操作部)5は、少なくとも、ナビ/TVキー50、録画開始キー51a、録画停止キー51b、地図拡大キー52a、地図縮小キー52b、経路設定キー53、作図開始キー54a、作図終了キー54b、交差点選択キー55、音量増加キー54a、音量減少キー54b、および4方向キー57・ENTERキー58、を含むように構成されている。なお、操作ボタン群5は、操作ボタン5と表現してもよい。
【0029】
ナビ/TVキー50は、モニター3上に、ナビゲーション装置79によるナビゲーション情報等(ナビ設定画面や地図情報等)を表示させるか、TV放送の映像情報等を表示させるか否かを決定するものである。
【0030】
録画開始キー51a・録画停止キー51bは、映像音声情報等をHDD22に録画を開始させるか録画を停止させるかを決定するためのものである。
【0031】
地図拡大キー52a・地図縮小キー52bは、ナビゲーションに使用される地図画像(マップデータ)を拡大させるか縮小させるかを決定させるものである。経路設定キー53は、ユーザーの行きたい場所(すなわち目的地)の情報を入力させるものである。
【0032】
作図開始キー54aは、後述する未登録の道路をマップデータ上に新たに登録すること(新道路登録)を開始させるものであり、作図終了キー54bは、この新道路登録を終了させるものである。
【0033】
交差点選択キー55は、上記の新道路登録において、登録する道路上における交差点を選択させるものである。
【0034】
音量増加キー54a・音量減少キー54bは、制御部1に対して、音声情報に基づく音量を増加あるいは減少(UP/DOWN)させるか否かを決定させるものである。
【0035】
4方向キー57・ENTERキー58は、各種操作(例えば進行方向表示等)を行わせるものである。
【0036】
集音マイク(集音部)6は、車両に搭載された方向指示器(ウインカー)31の指示音を集音するものである。また、この集音マイク6は、ユーザーの発する声を集音するようにもなっている。そして、この集音された声に応じて、制御部1は、上記の新道路登録における交差点の選択を行うようになっている。
【0037】
タイマー7は、経過時間を計測するものであり、本発明のナビゲーション装置79では、ウインカー31がON状態からOFF状態になった後からの経過時間を計測するようになっている。
【0038】
内蔵電池23は、例えば不図示の車両搭載型バッテリー電池からの電力供給受けて、電力を蓄電できる電池である。そして、この内蔵電池23を設けることで、ナビゲーション装置79は、例えば車両から取り外したときでも、動作可能となっている。
【0039】
RAM24は、制御部1による処理結果(ナビゲーションによる道案内結果等)を記憶するものであり、ROM25は、ナビゲーション装置79を動作させるための制御プログラム等を記憶するものである。
【0040】
制御部1は、ナビゲーション装置79全体の動作制御等を行う中枢部分となっており、ナビゲーション装置79の各部材の駆動を有機的に制御して、ナビゲーション動作を統括制御するものである。
【0041】
例えば、制御部1は、位置センサー群19における速度検出部11からの車速信号、GPS測位部12からのGPS信号、ジャイロスコープ13からの位置信号、距離検出部14からの走行距離信号、および、地磁気検出部15からの進行方向信号等を一定時間毎(定期的に)に取り込み、車両の走行軌跡を検出するようになっている。
【0042】
また、この制御部1は、この走行軌跡に基づく未登録の道路をHDD22に記憶されているマップデータ上に新たに登録させるようにもなっている。そして、特に、制御部1は、新たに道路を登録させるときに、交差点の有無までも登録できるようになっている。
〔本発明のナビゲーション装置における道路登録工程について〕
ここで、上述した制御部1が、マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録する工程(方法)について、図1のフローチャートを用いて説明する。なお、フローチャートにおける各ステップをSと表記する。
【0043】
まず、ユーザーは、新道路登録を開始させる作図開始キー54aをONにする(S1)。すると、制御部1は、位置センサー群19からの信号から求められる走行軌跡をマップデータ上に登録(更新)し始める(S2)。
【0044】
そして、車両が交差点で曲がろうとするとき、ユーザーは、車両の曲がる方向と同方向に向けてウインカー31をONにする。すると、車内には、ウインカーがONになっていることを知らしめる報知音(ウインカー音)が響くようになっている。
【0045】
そこで、制御部1は、集音マイク6を用いて、このウインカー音を集音するようになっている。この集音により制御部1はウインカー31のONを検出する(〔方向指示検出工程〕;S3)。尚、この集音でウインカー音を検出しなければ、制御部1はウインカーがOFFであると判定する。また、ウインカー音であるか否かの判定は、所定の周期で判定してもよく、予め使用する車両のウインカー音を登録させ、これと比較してもよい。
【0046】
そして、制御部1は、このウインカー音を集音したとき、スピーカー5を用いて、交差点の種類の選択を促す音声(例えば、「交差点の種類を選択してください。」)を発すると共に、モニター3上(図3参照)に交差点の種類を表示するようになっている(〔交差点種類報知工程〕;S4,S5)。
【0047】
このように、交差点の種類がモニター3上に表示されており、かつ、ウインカー31がOFFになるまでの間(S5〜S6の間;すなわちS6のNO)、例えば交差点をみつけて曲がろうとしたものの、交差点上で信号待ちをしているような間に、ユーザーがモニター3を参照して、交差点選択キー55で、交差点の種類を選択できる(〔交差点選択工程〕;S7のYES)。すると、制御部1は、選択された交差点をマップデータ上に登録させる(〔交差点登録工程〕;S8)。
【0048】
一方、S6にてYESの場合、例えば交差点をみつけて曲がろうとしたとき、交差点上
で信号待ちすることなく、スムーズに曲がりきった場合、その曲がりきった後に、ユーザーが、曲がった交差点の種類を、交差点選択キー55で選択するようになっている(〔交差点選択工程〕;S9のYES)
しかしながら、交差点を曲がった後も継続して運転が続行されている場合(例えば、次の交差点までが遠距離の場合)、交差点通過後にユーザーは交差点の種類を選択できない。そこで、制御部1は、タイマー7を用いて、ウインカー31のOFF後からの経過時間を計測させるようになっている(〔経過時間計測工程〕;S10)。
【0049】
そして、この経過計測時間が、例えば、予め制御部1内に記憶されている閾経過時間(およそ30秒)を超えるか否かについて比較する、すなわちタイムUPか否かについて判定する。(〔経過時間比較工程〕;S11)。そして、制御部1が、タイムUPと判定した場合(S11のYES)、交差点の種類を明確にしないものの、交差点が存在する旨のみをマップデータ上に登録させる(S8)。
【0050】
一方、タイムUPまでの間に(S11のNO)、ユーザーが、交差点選択キー55で曲がった交差点の種類を選択していると(〔交差点選択工程〕;S12のYES)、制御部1は、その選択された交差点をマップデータ上に登録する。
【0051】
なお、ユーザーが作図終了キー54bをONにすれば(S13のYES)、新道路登録は終了するが、作図終了キー54bがONされるまでは(S13のNO)、継続して新道路はマップデータ上に登録(更新)されるようになっている(S13→S2)。
〔マップデータ上に登録される交差点の一例〕
ここで、マップデータ上に登録される道路の一例について、図1・図3・図4を用いて説明する。
【0052】
図4(a)は、登録済みの登録道路Aから登録道路Bまでに至る未登録の道路(新道路C)ができており、ユーザーの車両が、この新道路Cをマップデータに登録するために、登録道路Aから新道路Cを経て登録道路Bまで向かおうとしている状態を示している。
【0053】
したがって、新道路Cは、まだ、マップデータ上には登録されていない(したがって、点線にて図示)し、ユーザーも登録道路Aから登録道路Bに向かう過程(すなわち新道路C)で6カ所(P1〜P6)も、曲がらなくてはならないことを認知していない。
【0054】
図4(b)は、新道路Cを走行した後に、各交差点がマップデータ上に登録されている状態を示している。そこで、以下に各交差点(P1〜P6)にて行われた登録について詳説する。
【0055】
まず、ユーザーが、新道路Cをみつけ、この道路を通ることで、マップデータ上に登録させようとする場合、作図開始キー54aをON(S1)にして走り出すようになる。そして、最初の交差点(曲がり角)を通過したとき、ユーザーが交差点の種類の選択を忘れていた、あるいは、車両の運転に集中せざるを得ず、交差点の種類を選択できなかった(S11→S8)。そのため、単純に交差点が存在することを示す「交」が登録される(P1参照)。
【0056】
次に、十字路が現れ、この十字路で信号待ちをしたので、ユーザーが交差点選択キー55を用いて「十字路」という交差点を選択すると(S7→S8)、P2に示すような十字路が登録される。なお、このとき十字路であることを示す「+」を同時に登録されるようにしてもよい。
【0057】
続いての交差点では、直進可能なT字路であったので、ウインカー31がOFFになった後、ユーザー自身が交差点選択キー55を用いて「T字路(直進可)」という交差点を選択すると(S12→S8)、P3に示すような直進可能なT字路が登録される。なお、このときT字路であることを示す「T」を同時に登録されるようにしてもよい(下記での同様に登録可能としている)。また、ウインカー31の音声情報のみでは、左折か右折かは判断できない。しかしながら、位置検出センサー群19に基づく位置情報の変化を利用して、ナビゲーション装置79は車両の左折・右折を判断するようになっている。
【0058】
次の交差点では、左右の曲がることはできるが直進不可能なT字路であったので、左折のウインカー31がOFFになった後、ユーザー自身が交差点選択キー55を用いて「T字路(直進不可)」という交差点を選択すると(S12→S8)、P4に示すような直進不可なT字路が登録される。
【0059】
次の交差点では、P4同様に、左右の曲がることはできるが直進不可能なT字路であったので、右折のウインカー31がOFFになった直後、ユーザーと同席していた友人が交差点選択キー55を用いて「T字路(直進不可)」という交差点を選択すると(S9→S8)、P5に示すような直進不可なT字路が登録される。
【0060】
そして、次の交差点は、交差点の種類例に挙げられていない三差路であったので、ユーザーは、その三差路での信号待ちの間に、ユーザーが交差点選択キー55を用いて「その他」という交差点を選択すると(S7→S8)、P6に示すような「交」が登録される。
【0061】
すると、マップデータ上には、図4(b)のように、交差点情報が付加された新道路Cが登録されるようになる。
〔本発明の種々有る特徴の一例について〕
以上のように、本発明のナビゲーション装置79は、上述したように、車両の位置を検出する位置検出センサー群19と、マップデータを記憶するHDD22と、位置検出センサー群19によって求められた車両位置を定期的に登録することで走行軌跡を求めるとともに、この走行軌跡に基づく道路をマップデータ上に新たに登録させる制御部1とを有している。
【0062】
さらに、車両に備わるウインカー31の作動の有無(例えば作動音)を検出する集音マイク6が設けられている。そして、この集音マイク6によって、ウインカー31が作動したと検出された場合、制御部1が、マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録するようになっている。
【0063】
そのため、マップデータ上には存在しない道路等を、新たにそのマップデータ上に登録させるときに、交差点を付加して登録させることができる。したがって、走行軌跡のみに基づいて登録された道路に比べて、詳細な道路情報がマップデータに登録されることになる。
【0064】
その上、この交差点の登録は、車両に搭載されている方向指示器の作動と同期して登録されるようになっている。したがって、ユーザーによる交差点の登録し忘れを防止できる。
【0065】
また、本発明のナビゲーション装置79では、さらに、モニター3および操作ボタン群5が設けられており、制御部1は、モニター3で交差点の種類を報知させるようにもなっている(図3参照)。そして、ユーザーはこのような表示を参照し、操作ボタン(具体的には交差点選択キー55)を用いて、交差点の種類を選択できる。
【0066】
すると、制御部1は、交差点の種類を選択された後に、マップデータ上に新たに登録する道路に、選択された交差点を登録させるようになっている。
【0067】
そのため、ユーザーの確認した交差点情報、例えば交差点が十字路、T字路、Y字路等であった旨の情報がマップデータ上に登録される。したがって、一層詳細な道路情報を新たにマップデータ上に登録させることができる。
【0068】
また、本発明のナビゲーション装置79では、さらに、タイマー7が設けられており、このタイマー7は、ウインカー31の作動停止後からの経過時間を計測するようになっている。また、制御部1は、タイマー7による計測経過時間と予め定めた閾経過時間とを比較し、計測経過時間が閾経過時間を超える場合、マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録するようになっている。
【0069】
例えばユーザーがモニターによる交差点種類の表示をみていながらも、車両の運転に集中せざるを得ず、交差点の種類等を選択できない場合があり得る。しかしながら、これによると、ウインカー31が一旦ONになってその後OFFになっていれば(すなわちウインカー31の作動さえ確認していれば)、マップデータ上に交差点を登録できるようになっている。
【0070】
そのため、交差点の種類を選択し忘れたとしても、マップデータ上には交差点が存在する旨だけは、確実に登録できるようになっている。
[その他の実施の形態]
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0071】
例えば、上述の説明においては、ウインカー31の作動を確認する手段として、集音マイク6を用いたものについて説明してきた。しかし、これに限定されるものではない。集音マイク6以外にも、ウインカー31の作動信号(ウインカーのON信号/OFF信号)を取得するための配線等(ハーネスやエレクトロタップ等)をナビゲーション装置79に取り付けるようにしてもよい。このようにしておけば、集音マイク6よりも確実にウインカー31の作動の有無を判断できるためである。
【0072】
また、交差点の種類をユーザーに知らしめるために、上述では、モニター3に表示させるようにしている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、交差点の種類をスピーカー4にて流すようにしてもよい。このようにしておけば、ユーザーは運転中に視線をフロントガラスから外すことなく、交差点の種類を認識することができる。
【0073】
また、交差点の種類を選択する手段として、操作ボタン群5の交差点選択キー55を用いた場合について説明してきたが、これに限定されるものではない。例えば、モニター3上に表示されるカーソル(図3参照)を直接触れることで、選択可能なタッチパネルであってもよい。
【0074】
また、交差点選択キーやタッチパネルのようなタッチ式操作に限らず、集音マイク6に向かって、ユーザーが交差点の種類を発することで、選択できる音声認識であっても構わない。具体的には、集音マイク6で集音した言葉を制御部1が分析して、発した交差点の種類を特定させるようにしている。
【0075】
このような音声認識によって、交差点を選択できるようにしておけば、ユーザーは、交差点を選択するために、上記同様、ユーザーは運転中に視線をフロントガラスから外すことなく、交差点の種類を選択できることになる。
【0076】
また、上述の説明では、タイマー7による計測経過時間を超えるか否かで、ユーザーの交差点選択の有無にかかわらず、交差点の有る旨を登録できるようになっている場合について説明した。しかし、タイマー7を用いる場合に限らず、他の手段であっても構わない。
【0077】
例えば、距離検出部14によって、ウインカー31がON状態からOFF状態になった後から走行距離を計測し〔走行距離計測工程〕、制御部1が、この計測走行距離と予め定めた閾走行距離とを比較し〔走行距離比較工程〕、計測走行距離が閾走行距離を超える場合、マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録するようになっていてもよい。
【0078】
このようにしておけば、タイマー7という部材を削減させることができ、ナビゲーション装置79のコストダウンにつながる。
【0079】
なお、計測走行距離および計測経過時間のいずれか一方、または両方を用いて、マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録するようになっていてもよい。
【0080】
また、本発明のナビゲーション装置79の各部(例えば制御部1等)は、それらを機能させるためのプログラム(例えば道路登録プログラム)でも実現される。そして、このプログラムは、コンピューターに実行させるためのプログラムであり、コンピューターに読み取り可能な記録媒体に記録することもできる。
【0081】
その結果、道路登録プログラムを、記録媒体として、持ち運び自在に提供することができる。
【0082】
なお、この記録媒体としては、マイクロコンピューターで処理が行われるために、メモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであってもよい。また、外部記憶装置(不図示)として、プログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0083】
いずれの場合においても、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサー(例えば制御部1)によるアクセスで実行させる構成であってもよい。あるいは、いずれの場合もプログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、不図示のプログラム記憶エリアにダウンロードされた後に実行される方式であってもよい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置(ナビゲーション装置79)に格納されているものとする。
【0084】
ここで、上記プログラムメディアは、本体(ナビゲーション装置79)と例えば分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0085】
また、本発明のナビゲーション装置79では、インターネットを含む通信ネットワークと接続可能な構成とすることもできる。そのため、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0086】
なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置(ナビゲーション装置79)に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、車両に搭載されるナビゲーション装置であって、マップデータに未登録の道路を新たに登録できるナビゲーション装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明のナビゲーション装置の新たな道路を登録する工程を示すフローチャートである。
【図2】本発明のナビゲーション装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】選択される交差点の種類の表示を示す説明図である。
【図4】本発明のナビゲーション装置によって作成される新道路を示す図である。
【図5】従来のナビゲーション装置によって作成される新道路を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
1 制御部
3 モニター(報知部、表示部)
4 スピーカー(報知部、放音部)
5 操作ボタン群(入力部、タッチ操作部)
6 集音マイク(方向指示検出部、集音部)
7 タイマー(経過時間計測部)
11 速度検出部
12 GPS測位部
13 ジャイロスコープ
14 距離検出部
15 地磁気検出部
19 位置検出センサー群(車両位置検出ユニット)
22 HDD(記憶部)
31 ウインカー(方向指示器)
54a 作図開始キー
54b 作図終了キー
55 交差点選択キー
79 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の位置を検出する車両位置検出ユニットと、
マップデータを記憶する記憶部と、
上記車両位置を定期的に登録することで走行軌跡を求めるとともに、この走行軌跡に基づく道路を上記マップデータ上に新たに登録させる制御部と、
を有した車両搭載型ナビゲーション装置において、
車両に備わる方向指示器の作動の有無を検出する方向指示検出部を設けており、この方向指示検出部によって方向指示器が作動したと検出された場合、
上記制御部が、上記マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
さらに、報知部および入力部が設けられており、
上記制御部は、
上記報知部で上記交差点の種類を報知させる一方、
上記入力部によって上記の交差点の種類が選択された後に、上記マップデータ上に新たに登録する道路に、上記の選択された交差点を登録させる請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
さらに、経過時間計測部が設けられており、この経過時間計測部は、上記方向指示器の作動停止後からの経過時間を計測する一方、
上記制御部は、上記計測経過時間と予め定めた閾経過時間とを比較し、計測経過時間が閾経過時間を超える場合、上記マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
上記車両位置検出ユニットは、走行距離を計測するようになっており、上記方向指示器の作動停止後からの走行距離を計測する一方、
上記制御部は、上記計測走行距離と予め定めた閾走行距離とを比較し、計測走行距離が閾走行距離を超える場合、上記マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録することを特徴とする請求項1または3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
さらに、報知部および入力部が設けられており、
上記制御部は、
上記報知部で上記交差点の種類を報知させる一方、
上記閾経過時間内または上記閾走行距離内に、上記入力部で上記交差点の種類が選択されなかった後に、上記マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録することを特徴とする請求項3または4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
上記報知部は、表示部または放音部であることを特徴とする請求項2または5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
上記入力部は、タッチ操作部または上記集音マイクであることを特徴とする請求項2、5、6のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
上記方向指示検出部は、集音マイクであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
車両の位置を検出するとともに、その車両の位置を定期的に登録することで走行軌跡を求め、その走行軌跡に基づく道路をマップデータ上に新たに登録させる車両搭載型ナビゲーション装置の道路登録方法において、
車両に備わる方向指示器の作動の有無を検出する方向指示検出工程と、
この方向指示検出工程において方向指示器の作動を検出した場合、上記マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録する交差点登録工程と、
を含むことを特徴とするナビゲーション装置の道路登録方法。
【請求項10】
さらに、上記交差点の種類を報知させる交差点種類報知工程と、
上記の交差点の種類を選択する交差点選択工程と、
を含み、
上記の選択された交差点が、上記交差点登録工程で、マップデータ上に新たに登録される道路に登録される交差点となっていることを特徴とする請求項9に記載のナビゲーション装置の道路登録方法。
【請求項11】
さらに、上記方向指示器の作動停止を検出したときからの経過時間を計測する経過時間計測工程と、
上記経過時間計測工程において計測した計測経過時間と、予め定めた閾経過時間とを比較する経過時間比較工程と、
を含み、
この経過時間比較工程において、計測経過時間が閾経過時間を超える場合に、上記交差点登録工程で、マップデータ上に新たに登録する道路に、交差点を登録するようになっていることを特徴とする請求項9に記載のナビゲーション装置の道路登録方法。
【請求項12】
さらに、上記方向指示器の作動停止を検出したときからの車両の走行距離を計測する走行距離計測工程と、
上記走行距離計測工程において計測した走行距離と、予め定めた閾走行距離とを比較する走行距離比較工程と、
を含み、
この走行距離比較工程において、計測走行距離が閾走行距離を超える場合に、上記交差点登録工程で、マップデータ上に新たに登録する道路に、交差点を登録するようになっていることを特徴とする請求項9または11に記載のナビゲーション装置の道路登録方法。
【請求項13】
さらに、上記交差点の種類を報知させる交差点種類報知工程と、
上記の交差点の種類を選択する交差点選択工程と、
を含む一方、
上記経過時間比較工程での閾経過時間内に、または、上記走行距離比較工程での閾走行距離内に、上記交差点選択工程で、上記交差点の種類が選択されなかった場合に、
上記交差点登録工程で、上記マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録するようになっていることを特徴とする請求項11または12に記載のナビゲーション装置の道路登録方法。
【請求項14】
車両の位置を検出する車両位置検出ユニットと、
マップデータを記憶する記憶部と、
上記車両位置を定期的に登録することで走行軌跡を求めるとともに、この走行軌跡に基づく道路を上記マップデータ上に新たに登録させる制御部と、
を有した車両搭載型ナビゲーション装置の道路登録プログラムにおいて、
上記ナビゲーション装置には、方向指示検出部が設けられており、
この方向指示検出部に、上記方向指示器の作動の有無を検出するように機能させ、
上記方向指示検出部によって方向指示器が作動したと検出された場合、
上記制御部に、マップデータ上に新たに登録する道路に、交差点を登録させるように機能させることを特徴とするナビゲーション装置の道路登録プログラム。
【請求項15】
さらに、報知部および入力部が設けられており、
上記報知部に、上記交差点の種類を報知させるように機能させ、
上記入力部に、上記の交差点の種類を選択させるように機能させ、
上記制御部に、上記マップデータ上に新たに登録する道路に、上記の選択された交差点を登録させるように機能させることを特徴とする請求項14に記載のナビゲーション装置の道路登録プログラム。
【請求項16】
さらに、経過時間計測部が設けられており、
この経過時間計測部に、上記方向指示器の作動停止後からの経過時間を計測させるように機能させ、
上記制御部に、上記の計測経過時間と予め定めた閾経過時間とを比較させ、計測経過時間が閾経過時間を超える場合、上記マップデータ上に新たに登録する道路に、交差点を登録させるように機能させることを特徴とする請求項14に記載のナビゲーション装置の道路登録プログラム。
【請求項17】
上記車両位置検出ユニットに、上記方向指示器の作動停止後からの走行距離を計測するように機能させる一方、
上記制御部に、上記の計測走行距離と予め定めた閾走行距離とを比較させ、計測走行距離が閾走行距離を超える場合、上記マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録させるように機能させることを特徴とする請求項14または16に記載のナビゲーション装置の道路登録プログラム。
【請求項18】
さらに、報知部および入力部が設けられており、
上記報知部に、上記交差点の種類を報知させるように機能させ、
上記入力部に、上記の交差点の種類を選択させるように機能させ、
上記制御部に、上記報知部で上記交差点の種類を報知させる一方、
上記閾経過時間内または上記閾走行距離内に、上記入力部で上記交差点の種類が選択されなかった後に、上記マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録させるように機能させることを特徴とする請求項16または17に記載のナビゲーション装置の道路登録プログラム。
【請求項19】
請求項14〜18のいずれか1項に記載したナビゲーション装置の道路登録プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−220499(P2006−220499A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−33339(P2005−33339)
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】