説明

ナビゲーション装置、高速道路検索方法及びコンピュータプログラム

【課題】高速道路を検索する高速道路検索方法、該高速道路検索方法に基づく処理を行なうナビゲーション装置及び該ナビゲーション装置をコンピュータで実現するためのコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置1は、DRAM12に、高速道路のリンク情報及び各高速道路の走行回数を対応付けて記憶する。制御部10は、所定時間毎に走行中の道路のリンク情報を取得する。制御部10は、リンク情報を取得した道路が高速道路である場合、取得したリンク情報に対応してDRAM12に記憶してある走行回数に1を加算する。また、ユーザによって高速道路検索の実行が指示された場合、制御部10は、DRAM12に記憶してある各高速道路の走行回数に基づいて、各高速道路の道路名を、走行回数が多い順に4つ並べ、続けて各高速道路の道路名を50音順で並べた表示画面を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索した高速道路から所望の高速道路を容易に特定できるナビゲーション装置、高速道路検索方法及び前記ナビゲーション装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置は、例えば自動車のような移動体に積載され、地球の周りを周回する複数の衛星から発せられる電波に基づいて移動体の現在位置を特定する機能を有する。また、ナビゲーション装置は、この移動体の現在位置を特定する機能を利用し、移動体の現在位置から目的地までの経路を探索する。ナビゲーション装置は、複数の経路を探索した場合、探索した各経路のそれぞれの距離を算出し、算出した距離が近い経路を優先的にユーザに提示する。また、VICS(道路交通情報通信システム:Vehicle Information & Communication System)又はATIS(交通情報サービス:Advanced Traffic Information Service)等から取得した交通情報を加味し、目的地までの到達予想時刻を算出し、算出した到達予想時刻が早い経路を優先的にユーザに提示するナビゲーション装置も提供されている。
【0003】
ナビゲーション装置を用いて目的地までの経路を探索する場合、ユーザは、ナビゲーション装置に対して目的地を設定する必要がある。目的地を設定する場合、ユーザは、例えば、目的地の電話番号、目的地の地名、目的地の施設の名称等の入力を行ない、入力した各情報に基づく目的地をナビゲーション装置によって検索する。また、目的地として設定できる各施設に対して予め設定されたカテゴリーに基づいて目的地を設定することもできる。更に、高速道路に設けられたインターチェンジ、ジャンクション、サービスエリア、パーキングエリア等の各施設を目的地として設定する場合には、高速道路に基づいて各施設を検索することもできる。
【0004】
高速道路に設けられた施設を目的地として設定する場合、ユーザは、所望の高速道路をナビゲーション装置によって検索する。高速道路を検索する方法としては、高速道路の道路名の一覧から所望の高速道路を検索する方法、インターチェンジ、ジャンクション、サービスエリア、パーキングエリア等の各施設の名称を入力し、入力した各情報に基づいて所望の高速道路を検索する方法等がある。
【0005】
ナビゲーション装置に搭載されたハードディスク、又はナビゲーション装置によってアクセスが可能なCD−ROM,DVD−ROM等の記憶メディアには、地図データと共に、目的地として設定できる各場所の電話番号、住所、各施設の名称、各施設に対するカテゴリー、高速道路に設けられた各施設に関する情報等が予め記憶されている。従って、ナビゲーション装置は、ユーザによって入力された電話番号、住所、各施設の名称等に基づいて、目的地として記憶メディアに記憶してある各住所又は各施設の内から目的地候補を検索する。そして、ナビゲーション装置は、検索した目的地候補の内から、ユーザによって目的地として選択された目的地候補を目的地とした経路探索を行なう。
【0006】
特許文献1には、目的地までの経路を探索した結果、高速道路を含む経路において、高速道路に入るインターチェンジと、高速道路を出るインターチェンジとを任意に変更できるナビゲーション装置が開示されている。これにより、運転者は、ナビゲーション装置によって探索された経路の一部を変更することができ、自身が走行したい経路において、ナビゲーション装置から走行案内を受けることができる。
【特許文献1】特開2003−161630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
高速道路の道路名の一覧から所望の高速道路を検索し、検索した高速道路に設けられた施設を目的地として設定する場合、ユーザは、表示モニタに表示された道路名の一覧から所望の高速道路を選択し、選択した高速道路上に設けられた施設の一覧が表示モニタに表示された後、表示された施設の一覧から所望の施設を選択する。ここで、高速道路の道路名の一覧は、例えば50音順に各道路名を表示する。高速道路は全国に多数あり、道路名の先頭文字で検索した場合であっても、このような道路名の一覧から所望の高速道路を探すことは困難であり、ユーザに大きな操作負担を与えるという問題を有している。なお、特許文献1の装置では、このような問題を解決することはできない。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、走行回数が多く、ユーザによって選択される可能性の高い高速道路を優先的に提示することにより、所望の高速道路を選択する際のユーザの操作負担を軽減することが可能なナビゲーション装置、高速道路検索方法及び前記ナビゲーション装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、初めて走行した高速道路についても走行回数を確実に計数でき、異なる高速道路の走行を検知した時点で、走行中の高速道路の走行回数を計数し、また、同一の高速道路を走行中には走行回数の加算処理を行なわないことにより、高速道路の走行回数を正確に計数することができ、正確に計数された走行回数が多い高速道路を優先的に提示することが可能なナビゲーション装置を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、走行回数の多い高速道路ではない高速道路についても、ユーザが所望する高速道路を確実に検索することが可能なナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るナビゲーション装置は、高速道路を検索するナビゲーション装置において、走行中の道路を特定する道路情報を取得する取得手段と、該取得手段が取得した道路情報によって特定される道路が高速道路である場合、取得した道路情報及び該道路情報によって特定される高速道路の走行回数を対応付けて記憶する記憶手段と、前記取得手段が取得した道路情報によって特定される道路が高速道路である場合、取得した道路情報に対応付けて前記記憶手段に記憶してある走行回数に1を加算する加算手段と、前記記憶手段に記憶してある道路情報によって特定される高速道路の名称を走行回数の多い順に表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るナビゲーション装置は、前記取得手段が取得した道路情報によって特定される道路が高速道路であり、該道路情報が前記記憶手段に記憶されていない場合、前記取得手段が取得した道路情報と、該道路情報に対応して1回の走行回数とを前記記憶手段に記憶させる手段を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係るナビゲーション装置は、前記取得手段は、走行中の道路を特定する道路情報を所定間隔で取得するように構成してあり、前記取得手段が所定間隔で取得する道路情報を逐次更新して記憶する道路情報記憶手段と、前記取得手段が取得した道路情報によって特定される道路が高速道路である場合、前記取得手段が取得した道路情報及び前記道路情報記憶手段に記憶してある道路情報が一致するか否かを判断する判断手段とを備え、前記加算手段は、前記判断手段が一致しないと判断した場合、前記取得手段が取得した道路情報に対応付けて前記記憶手段に記憶してある走行回数に1を加算するように構成してあることを特徴とする。
【0014】
本発明に係るナビゲーション装置は、前記加算手段は、前記判断手段が一致すると判断した場合、走行回数の加算を行なわないように構成してあることを特徴とする。
【0015】
本発明に係るナビゲーション装置は、前記表示手段は、前記記憶手段に記憶してある道路情報によって特定される高速道路の名称を走行回数の多い順に所定数表示する手段と、高速道路の名称を所定順序で表示する手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る高速道路検索方法は、経路を探索するナビゲーション装置での高速道路検索方法において、走行中の道路を特定する道路情報を取得する取得ステップと、該取得ステップで取得された道路情報によって特定される道路が高速道路である場合、取得された道路情報及び該道路情報によって特定される高速道路の走行回数を対応付けて記憶手段に記憶する記憶ステップと、前記取得ステップで取得された道路情報によって特定される道路が高速道路である場合、取得された道路情報に対応付けて前記記憶手段に記憶してある走行回数に1を加算する加算ステップと、前記記憶手段に記憶してある道路情報によって特定される高速道路の名称を走行回数の多い順に表示する表示ステップとを含むことを特徴とする。
【0017】
本発明に係るコンピュータプログラムは、経路を探索するコンピュータで実行されるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、走行中の道路を特定する道路情報を取得させる取得ステップと、該取得ステップで取得された道路情報によって特定される道路が高速道路である場合、取得された道路情報及び該道路情報によって特定される高速道路の走行回数を対応付けて記憶手段に記憶させる記憶ステップと、前記取得ステップで取得された道路情報によって特定される道路が高速道路である場合、取得された道路情報に対応付けて前記記憶手段に記憶してある走行回数に1を加算させる加算ステップと、前記記憶手段に記憶してある道路情報によって特定される高速道路の名称を走行回数に基づいて並べ替えさせるステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、ナビゲーション装置は、走行中の道路を特定する道路情報を取得し、取得した道路情報によって特定される道路が高速道路である場合、取得した道路情報及び走行回数を対応付けて記憶手段に記憶させる。また、ナビゲーション装置は、取得した道路情報によって特定される道路が高速道路である場合、取得した道路情報に対応付けて記憶手段に記憶してある走行回数に1を加算する。ナビゲーション装置は、前記記憶手段に記憶してある道路情報によって特定される高速道路の名称を走行回数の多い順に表示することにより、高速道路検索の結果として高速道路の名称を表示する場合に、走行回数が多い高速道路を優先的にユーザに提示することが可能となる。
【0019】
本発明によれば、ナビゲーション装置は、走行中に取得した道路情報によって特定される道路が高速道路であり、取得した道路情報が記憶手段に記憶されていない場合、取得した道路情報と、該道路情報に対応して1回の走行回数とを対応付けて前記記憶手段に記憶させる。よって、初めて走行した高速道路についても走行回数を確実に計数することが可能となる。
【0020】
本発明によれば、ナビゲーション装置は、走行中の道路を特定する道路情報を所定間隔で取得しており、所定間隔で取得する道路情報を逐次更新して道路情報記憶手段に記憶させておく。ナビゲーション装置は、取得した道路情報によって特定される道路が高速道路である場合、取得した道路情報が、道路情報記憶手段に記憶してある道路情報と一致するか否かを判断し、一致しないと判断した場合に、取得した道路情報に対応する走行回数に1を加算する。また、ナビゲーション装置は、取得した道路情報が、道路情報記憶手段に記憶してある道路情報と一致すると判断した場合、走行回数の加算を行なわない。よって、異なる高速道路の走行を検知した時点で、走行中の高速道路の走行回数を計数し、同一の高速道路を走行中には高速道路の走行回数を計数しないので、各高速道路の利用回数を正確に計数することが可能となる。
【0021】
本発明によれば、ナビゲーション装置は、走行回数が多い順に所定数の高速道路の名称を表示する手段と、高速道路の名称を所定順序で表示する手段とを備える。よって、走行回数の多い高速道路ではない高速道路を検索したい場合であっても、ユーザが所望の高速道路を確実に選択することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、ナビゲーション装置が、高速道路を検索した場合、走行回数が多い高速道路を優先的にユーザに提示する。これにより、走行回数が多く、ユーザによって選択される可能性の高い高速道路を優先的に提示することができ、所望の高速道路を選択する際のユーザの操作負担を軽減することができ、操作性を向上させることができる。
【0023】
本発明では、ナビゲーション装置が、初めて走行した高速道路についても走行回数を確実に計数することができるので、高速道路の検索結果として、全国に亘って設けられた高速道路について、走行回数が多い高速道路を優先的にユーザに提示することができる。
【0024】
本発明では、ナビゲーション装置は、異なる高速道路の走行を検知した時点で、走行中の高速道路の走行回数を計数し、同一の高速道路を走行中には高速道路の走行回数を計数しないので、高速道路の走行回数を正確に計数することができる。よって、高速道路の検索結果として、正確に計数された走行回数が多い高速道路を優先的にユーザに提示するので、ユーザは、よく利用する高速道路を検索したい場合には、容易に所望の高速道路を探し出すことができる。
【0025】
本発明では、ナビゲーション装置は、走行回数が多い順に所定数の高速道路の名称を表示するほか、高速道路の名称を所定順序で表示する。よって、ユーザは、走行回数の多い高速道路ではない高速道路を検索したい場合であっても、所望の高速道路を確実に選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、本発明に係るナビゲーション装置、及び本発明の高速道路検索方法に係る処理について、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。なお、本発明に係るナビゲーション装置は、自動車(車両)のような移動体に搭載されて利用される。
【0027】
(実施形態1)
図1は本発明に係るナビゲーション装置のハードウェア構成例を示すブロック図であり、図中1は本実施形態1に係るナビゲーション装置を示している。本実施形態1のナビゲーション装置1は、CPU(Central Processing Unit )又はMPU(Micro Processor Unit)等により構成された制御部10を制御中枢として備えている。制御部10には、ROM11、DRAM12、SRAM13、VRAM14、ディスク制御部15、外部メモリ制御部16、GPS受信機17、自立航法用センサ18、車速センサ19、ビーコン受信機20、FM多重受信機21、通信制御部22、入出力インタフェース23等が接続されている。
【0028】
制御部10は、上述したようなハードウェア各部の動作を制御すると共に、ROM11に予め格納してある制御プログラムを適宜DRAM12に読み出して実行する。ROM11には、BIOS(Basic Input-Output System)、ブートプログラム、ナビゲーション装置1を本発明に係るナビゲーション装置として動作させるために必要な種々の制御プログラム等が予め格納されている。なお、制御部10は、ナビゲーション装置1が起動された場合にはROM11に格納してあるBIOS及びブートプログラムをDRAM12に読み出して実行する。
【0029】
本発明に係るナビゲーション装置として動作させるための制御プログラムとしては、例えば、ナビゲーション装置1が搭載された車両が走行中の道路を特定する道路情報を取得する取得処理プログラム、高速道路の道路情報に対応してDRAM12に記憶してある各高速道路の走行回数に1を加算する加算処理プログラム、高速道路の名称を並べ替える並べ替え処理プログラム等がある。また、ROM11には、ナビゲーション装置1の現在位置を検出するための検出処理プログラム、目的地までの経路探索のためのプログラム、各種の探索処理の結果をユーザに報知するためのプログラム等も記憶してある。
【0030】
DRAM12は、制御部10による制御プログラムの実行時に発生する種々のデータを一時的に記憶し、制御部10によるワークエリアとして使用される。SRAM13は、不揮発性のメモリであり、例えば、ナビゲーション装置1が搭載された車両のアクセサリ電源のようなナビゲーション装置1のメイン電源が遮断された場合であっても、予備電池によってバックアップされることで記憶内容を保持することができる。VRAM14は、後述する表示部26にビデオ表示を行なうためのメモリである。
【0031】
ディスク制御部15は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)により構成されており、ナビゲーション装置1に必要とされる地図データ、住所、電話番号、施設に関するデータが格納されたHD151へのアクセスを行なう。地図データには、地図上に施設等を描画するための描画データ、道路データ等が含まれ、道路データには、リンク情報とリンクに接続されるノード情報が含まれる。リンク情報には、リンクの位置情報を初めとする道幅、距離、道路種別、道路名等の情報、各リンクを識別するための情報等が含まれる。ノード情報には、交差点の位置、種別、交差点のレーン情報等が含まれる。施設に関するデータには、高速道路に沿って設けられたインターチェンジ、ジャンクション、サービスエリア、パーキングエリア等の各施設に関するデータが含まれる。また、HD151に、ナビゲーション装置1の各種の機能を実行させるための制御プログラムを記憶させておいてもよい。
【0032】
なお、ディスク制御部15は、HDDだけでなく、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブ等で構成してもよく、この場合、ディスク制御部15は、制御部10からの制御に従って、CD−ROM又はDVD−ROMへのアクセスを行なう。
外部メモリ制御部16は、外部メモリとして例えば、メモリスティック、メモリカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)等へのアクセスを行ない、外部メモリに対してデータの記憶処理及び読み出し処理を行なう。
【0033】
GPS受信機17は、GPS衛星から送られてくる電波を受信するアンテナを備え、アンテナを介して電波を受信する。制御部10は、GPS受信機17が受信した電波に基づいて、ナビゲーション装置1の現在位置を検出する。なお、制御部10は、検出した現在位置を、緯度、経度及び標高についてのデータを含む位置情報として取得する。自立航法用センサ18は、ジャイロセンサを備え、ナビゲーション装置1が搭載された車両の回転角度を検出する。車速センサ19は、車両の各部から得られる車速パルスに基づいて、ナビゲーション装置1が搭載された車両の速度を検出する。自立航法用センサ18が検出した回転角度、及び車速センサ19が検出した速度は、制御部10へ送出され、制御部10はこれらの情報に基づいて車両の現在位置及び方位を算出する。
【0034】
ビーコン受信機20は、VICSセンタから送信されてくる電波ビーコン及び光ビーコンを受信するためのアンテナを備え、アンテナを介して受信する電波ビーコン及び光ビーコンに基づいてVICS情報(道路交通情報)を受信する。FM多重受信機21は、VICSセンタから送信されてくるFM放送波を受信するためのアンテナを備え、アンテナを介して受信するFM放送波に基づいてVICS情報を受信する。なお、VICSセンタは、FM放送波(文字放送)、電波ビーコン、光ビーコンにより、VICS情報をリアルタイムで提供する。
【0035】
通信制御部22は、無線によりデータの送受信を行う。通信制御部22は、データの送受信を行う通信装置をナビゲーション装置1に内蔵するものであってもよいし、携帯電話機や通信機能を有する電子装置をナビゲーション装置1に外付けするものであってもよい。通信制御部22は、外部のサーバ等とネットワークを介して通信を行ない、例えばATIS等の交通情報センタとの間で道路交通情報に関するデータの送受を行うことで、リアルタイムの動的な情報を逐次得ることができる。また、通信制御部22は、所定のサーバから、最新の道路データ、地図データ、施設に関するデータ等をダウンロードし、ディスク制御部15によってHD151の内容を更新することができる。
【0036】
入出力インタフェース23には、音声入力部24及び操作パネル25が接続されている。音声入力部24は、図示しないマイクを介して入力された音声を所定のアナログ形式の音声信号に変換し、生成した音声信号を入出力インタフェース23へ伝達する。入出力インタフェース23は、音声入力部24から伝達されてきたアナログの音声信号をデジタル信号に変換する。また、入出力インタフェース23は、音声入力部24から入力された音声信号に対して音声認識処理を行ない、その処理結果を制御部10へ通知する。
【0037】
操作パネル25は、例えば液晶ディスプレイ又はプラズマディスプレイにより構成された表示部26と、表示部26の下部に設けられ、ユーザからの種々の指示を受け付けるための複数の操作キーを有する入力部27とを備えている。入出力インタフェース23は、制御部10からの指示に従って、DRAM12又はVRAM14等から読み出された地図、道路、案内表示に関するデータに基づき、表示部26に地図を表示させると共に、表示した地図上に、車両の現在位置を示す車両マーク、目的地までの経路、交差点等の分岐点での案内表示及び施設のランドマーク等を合成させて表示部26に表示させる。また、入出力インタフェース23は、ユーザによって操作パネル25から入力された指示や操作に関する情報を表示部26に表示させる。また、入出力インタフェース23は、入力部27を介してユーザにより入力された入力情報を制御部10へ通知する。
【0038】
ユーザは、音声入力部24又は操作パネル25を介してナビゲーション装置1に対して目的地の検索、目的地までの経路の探索、表示部26に表示される画面の設定変更等の各種の指示や設定を入力する。なお、ナビゲーション装置1に音声出力部を備え、ユーザへ通知すべき各種情報、例えば、目的地に到達するまでの情報として交差点の手前で進路方向の注意を促す音声、ユーザがナビゲーション装置1に対して対話形式により入力を行うときに、ユーザに操作入力の音声指示等を出力するようにしてもよい。
【0039】
次に、上述した構成のナビゲーション装置1において、本発明に係る高速道路検索方法に係る一連の処理について説明する。上述した構成のナビゲーション装置1において、制御部10は、ナビゲーション装置1が搭載された車両の走行中に、走行中の道路を特定する道路情報を取得する取得手段として動作する。具体的には、制御部10は、所定の時間間隔で、GPS受信機17が受信した電波に基づいて現在位置を検出し、検出した現在位置に基づいて、ディスク制御部15を介してHD151に記憶してある道路データを検索し、現在走行中の道路のリンク情報(道路情報)を取得する。制御部10は、所定の時間間隔で取得するリンク情報を、最後に走行した道路のリンク情報として、例えばDRAM(道路情報記憶手段)12に逐次更新しながら記憶する。
【0040】
また、DRAM(記憶手段)12には、走行経験のある高速道路のリンク情報及び走行回数が対応して記憶されている。制御部10は、取得したリンク情報に基づいて、現在、高速道路を走行中であるか否かを判断し、高速道路を走行中である場合、現在走行中の高速道路のリンク情報が、最後に走行した道路のリンク情報としてDRAM12に記憶してあるリンク情報と一致するか否かを判断する判断手段として動作する。
【0041】
制御部(加算手段)10は、現在走行中の高速道路のリンク情報が、最後に走行した道路のリンク情報としてDRAM12に記憶してあるリンク情報と一致しないと判断した場合、即ち、一般道路から高速道路に入った場合、高速道路から異なる高速道路に入った場合、取得したリンク情報に対応してDRAM12に記憶してある走行回数に1を加算して更新する。なお、初めて走行した高速道路については、高速道路のリンク情報及び走行回数がDRAM12に記憶されておらず、この場合、制御部10は、ディスク制御部15によってHD151から取得した現在走行中の高速道路のリンク情報及び走行回数(ここでは1回)をDRAM12の所定領域に新規に記憶させる。
【0042】
一方、現在走行中の高速道路のリンク情報が、最後に走行した道路のリンク情報としてDRAM12に記憶してあるリンク情報と一致する場合、即ち、同一の高速道路を走行中である場合、又は、取得した道路情報に基づいて高速道路を走行中でないと判断した場合、制御部10は、高速道路の走行回数の更新処理を行なわない。制御部10は、例えば、ナビゲーション装置1が搭載された車両のエンジンが切られ、車両の走行が終了するまで、上述したように、走行中の道路のリンク情報を取得し、取得したリンク情報に基づいて、高速道路の走行回数を計数すると共に、DRAM12に最後に走行した道路のリンク情報として記憶されるリンク情報を更新する。
【0043】
制御部10は、ナビゲーション装置1が搭載された車両のエンジンが切られ、車両の走行が終了する場合、又はナビゲーション装置1の電源が切られ、ナビゲーション装置1の動作が終了する場合、DRAM12に適宜記憶された高速道路のリンク情報、各高速道路の走行回数、及び最後に走行した道路のリンク情報をSRAM13に記憶させる。これにより、ナビゲーション装置1の電源が遮断された場合であっても、高速道路を走行する都度、計数された各高速道路の走行回数及び最後に走行した道路のリンク情報をSRAM13に記憶させておき、次にナビゲーション装置1を動作させた際に利用することができる。
【0044】
次に、上述したように高速道路の走行回数をSRAM13に記憶してあるナビゲーション装置1において、高速道路の検索処理について説明する。図2及び図3は表示部26に表示される検索画面例を示す模式図である。ナビゲーション装置1において、操作パネル25の入力部27を介して、ユーザから目的地までの経路の探索処理の実行が指示された場合、制御部10は、目的地の設定を行なうための目的地設定画面(図示せず)を表示部26に表示させる。目的地設定画面は、例えば、電話番号によって目的地を検索する電話番号検索を行なうための操作キー、住所によって目的地を検索する住所検索を行なうための操作キー、施設の名称によって目的地を検索する施設検索を行なうための操作キー、高速道路に基づいて高速道路に設けられた各施設を検索する高速道路検索を行なうための操作キー等が表示してあり、制御部10は、ユーザによって操作キーが操作された検索方法によって目的地を検索する。
【0045】
本実施形態1のナビゲーション装置1では、ユーザが、目的地設定画面において高速道路検索を選択した場合、制御部10は、図2(a)に示すような検索画面を表示部26に表示する。図2(a)に示す検索画面は路線名一覧であり、全国の高速道路をそれぞれ路線毎に分類した各路線名、各路線名の左側に上下キー及びスクロールバーが表示してある。ユーザは、上下キーを操作することにより、画面中に表示された各路線名を順次確認することができ、表示された路線名の表示領域を操作することによって、所望の路線を選択することができる。
【0046】
図2(a)に示す路線名一覧には、更に、戻るキー、決定キー等が表示してあり、ユーザが戻るキーを操作した場合、制御部10は、路線名一覧の表示を終了し、ひとつ前に表示していた画面を表示部26に表示させる。なお、ひとつ前の画面とは、例えば、目的地の設定を行なう際の検索方法を選択するための目的地設定画面であり、DRAM12には、このようなひとつ前の画面のデータも記憶させておく。また、図2(a)に示す路線名一覧において、ユーザが決定キーを操作した場合、制御部10は、ユーザによって選択された路線に含まれる道路の各道路名を一覧表示する。
【0047】
具体的には、制御部10は、DRAM12又はSRAM13に記憶してある各高速道路のリンク情報及び走行回数を読み出し、読み出したリンク情報及び走行回数に基づいて、走行回数が多い順に4つの高速道路の道路名を抽出する。次に、制御部10は、ディスク制御部15によってHD151から全ての高速道路の道路名を読み出し、50音順に並べ替える。制御部10は、走行回数が多い順に4つの高速道路の道路名を表示し、続いて50音順に全ての高速道路の道路名を表示する画面情報を生成し、表示部(表示手段)26に表示する。なお、本実施形態1では、50音順に表示される道路名に、走行回数が多い4つの高速道路の道路名も含まれるが、走行回数が多い4つの高速道路の道路名を50音順に表示される道路名から除外して表示してもよい。
【0048】
図2(b)は、図2(a)に示す路線名一覧において、ユーザが「高速道路」を選択して決定キーを操作した場合に表示される高速道路の道路名一覧であり、4つの高速道路の道路名が走行回数の多い順に表示されている。この4つの道路名の左側には上下キー及びスクロールバーが表示してあり、ユーザは、上下キーを操作することにより、画面中に表示される各道路名を順次変更することができ、表示された道路名の表示領域を操作することによって、所望の道路名を選択することができる。なお、図2(b)に示す道路名一覧では、「4 東北道上り 東京方面」よりも下には、各高速道路の道路名が50音順に表示される。
【0049】
図2(b)に示す道路名一覧には、高速道路の道路名の上側の表示領域25aに、左右キー及び1〜4の数字キーが表示されており、ユーザは、上述したように各道路名の表示領域を操作する代わりに、対応する数字キーを操作することによって、所望の道路名を選択することができる。また、ユーザが、表示領域25aに表示された右キーを操作した場合、制御部10は、図3(a)に示す道路名一覧を表示部26に表示する。図3(a)に示す道路名一覧は、図2(b)に示す道路名一覧に表示された「4 東北道上り 東京方面」の下に表示される各高速道路の道路名を50音順に表示する。
【0050】
また、図3(a)に示す道路名一覧の表示領域25aには、左右キー、「あいうお」の文字キーが表示されている。図3(a)に示す道路名一覧において、ユーザが左キーを操作した場合、制御部10は、「あ 青森道下り 青森東方面」よりも上に表示される各高速道路の道路名、具体的には、図2(b)に示す道路名一覧を表示部26に表示する。また、図3(a)に示す道路名一覧において、ユーザが文字キーを操作した場合、制御部10は、操作された文字キーに対応する文字で始まる道路名の高速道路を最上位置に表示し、続いて3つの高速道路の道路名を50音順に表示する。例えば、図3(a)に示す表示状態において、ユーザが「い」の文字キーを操作した場合、図示しないが、制御部10は、最上位置に「い 伊勢道下り 伊勢方面」を表示し、続いて50音順に3つの道路名を表示した検索画面を表示させる。
【0051】
これにより、図2(b)及び図3(a)に示す道路名一覧に基づいて、ユーザが所望の高速道路を選択する際の操作負担を軽減することができる。なお、「え」で始まる道路名の高速道路がないため、図3(a)の表示領域25aには、「え」の文字キーを表示していない。また、図3(a)に示す道路名一覧において、ユーザが右キーを操作した場合、制御部10は、「か」で始まる道路名の高速道路を最上位置に表示し、か行で始まる道路名を表示した検索画面を表示部26に表示する。
【0052】
図2(b)及び図3(a)に示す道路名一覧には、更に、戻るキー、決定キー等が表示してあり、ユーザが戻るキーを操作した場合、制御部10は、道路名一覧の表示を終了し、ひとつ前に表示していた画面を表示部26に表示させる。なお、ひとつ前の画面とは、例えば、図2(a)に示す路線名一覧であり、DRAM12には、このようなひとつ前の画面のデータも記憶させておく。
【0053】
図2(b)又は図3(a)に示す道路名一覧において、ユーザが決定キーを操作した場合、制御部10は、選択された高速道路に沿って設けられたインターチェンジ、ジャンクション、サービスエリア、パーキングエリア等の各施設に関するデータを、ディスク制御部15によってHD151から読み出し、図3(b)に示すような施設一覧を表示部26に表示する。図3(b)に示す施設一覧は、図2(b)に示す道路名一覧において、ユーザによって「2 東京外環道外回り 常磐方面」が選択されて決定キーが操作された場合に表示部26に表示される画面である。
【0054】
図3(b)に示す施設一覧は、東京外環道外回りに沿って設けられた各施設の名称を50音順に表示しており、各施設の名称の左側には上下キー及びスクロールバーが表示してあり、各施設の名称の上側の表示領域25aには、左右キー及び「お」の文字キーが表示されている。図3(b)に示す施設一覧においても、図2(b)に示す道路名一覧と同様に、ユーザが表示領域25aの左キーを操作した場合、制御部10は、「お 大泉IC出口」よりも上に表示される各施設の名称を表示部26に表示する。また、図3(b)に示す施設一覧において、ユーザが文字キーを操作した場合、制御部10は、操作された文字キーに対応する文字で始まる名称の施設を最上位置に表示し、続いて3つの施設の名称を50音順に表示する。更に、図3(b)に示す施設一覧において、ユーザが右キーを操作した場合、制御部10は、「川口西IC入口」よりも下に表示される各施設の名称を表示部26に表示する。
【0055】
図3(b)に示す施設一覧において、ユーザが戻るキーを操作した場合、制御部10は、施設一覧の表示を終了し、ひとつ前に表示していた画面を表示部26に表示させる。また、図3(b)に示す施設一覧において、ユーザが決定キーを操作した場合、制御部10は、施設一覧において選択された施設を目的地としてDRAM12の所定領域に記憶させる。そして、制御部10は、その他にユーザによって入力された各種の探索条件に基づき、ナビゲーション装置1の現在位置から、DRAM12に記憶させた目的地までの経路の探索処理を行なう。
【0056】
上述したように、本発明に係るナビゲーション装置1は、高速道路の道路名から所望の高速道路を選択する際に、走行回数の多い高速道路、即ち、ユーザによって選択される可能性の高い高速道路を優先的にユーザに提示することにより、ユーザは、走行回数の多い高速道路を選択したい場合には、所望の高速道路を容易に探し出すことができ、操作性を向上させることができる。また、全ての高速道路の道路名を50音順にユーザに提示することにより、走行回数の少ない高速道路であっても、ユーザは確実に所望の高速道路を探し出すことができる。
【0057】
以下に、上述した構成のナビゲーション装置1において、走行した高速道路の走行回数を計数する処理についてフローチャートに基づいて具体的に説明する。図4は実施形態1に係るナビゲーション装置1における高速道路の走行回数の計数処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、ROM11に予め格納されている制御プログラムに従って制御部10によって実行される。
【0058】
ナビゲーション装置1の制御部10は、ナビゲーション装置1が搭載された車両が走行を開始した場合、自身の時計手段による計時処理を開始すると共に、SRAM13に記憶してある高速道路のリンク情報及び走行回数をDRAM12に読み出す(S1)。なお、SRAM13に高速道路のリンク情報及び走行回数が記憶していない場合、ステップS1の処理はスキップする。
【0059】
次に制御部10は、走行中の道路のリンク情報を取得する(S2)。具体的には、制御部10は、GPS受信機17が受信した電波に基づいて現在位置を検出し、検出した現在位置に基づき、ディスク制御部15を介してHD151に記憶してある道路データを検索し、現在走行中の道路のリンク情報を取得する。制御部10は、取得したリンク情報に基づいて、高速道路を走行中であるか否かを判断し(S3)、高速道路を走行中でないと判断した場合(S3:NO)、ステップS2で取得したリンク情報を、最後に走行した道路のリンク情報としてDRAM12に記憶し(S4)、ステップS8へ処理を移行する。
【0060】
制御部10は、高速道路を走行中であると判断した場合(S3:YES)、ステップS2で取得したリンク情報が、最後に走行した道路のリンク情報としてDRAM12に記憶してあるリンク情報と一致するか否かを判断し(S5)、一致すると判断した場合(S5:YES)、ステップS8へ処理を移行する。制御部10は、取得したリンク情報が、DRAM12に記憶してある最後に走行した道路のリンク情報と一致しないと判断した場合(S5:NO)、現在走行中の高速道路の走行回数に1を加算してDRAM12に記憶する(S6)。なお、現在走行中の高速道路の走行回数がDRAM12に記憶されていない場合、制御部10は、ステップS2で取得したリンク情報をDRAM12の所定領域に記憶し、このリンク情報に対応する走行回数として1をDRAM12に記憶させる。
【0061】
また、制御部10は、ステップS2で取得したリンク情報を、最後に走行した道路のリンク情報としてDRAM12に記憶する(S7)。次に制御部10は、ナビゲーション装置1の動作の終了が指示されたか否かを判断する(S8)。ナビゲーション装置1の動作の終了は、例えば、ナビゲーション装置1が搭載された車両のエンジンが切られることによって、又はユーザによってナビゲーション装置1の入力部27が操作されることによって指示される。
【0062】
制御部10は、ナビゲーション装置1の動作の終了が指示されていないと判断した場合(S8:NO)、自身の時計手段による計時結果に基づいて所定時間が経過したか否かを判断し(S9)、所定時間が経過していないと判断した場合(S9:NO)、所定時間が経過するまで待機し、所定時間が経過したと判断した場合(S9:YES)、ステップS2へ処理を戻す。なお、制御部10は、所定時間が経過したと判断した場合、自身の時計手段による計時処理を再び開始する。
【0063】
制御部10は、ナビゲーション装置1の動作の終了が指示されたと判断した場合(S8:YES)、DRAM12に記憶してある高速道路のリンク情報及び走行回数と、最後に走行した道路のリンク情報とをSRAM13に記憶させ(S10)、上述したような処理を終了する。これにより、ナビゲーション装置1の電源が遮断された場合であっても、高速道路を走行する都度、計数された各高速道路の走行回数及び最後に走行した道路のリンク情報を、次にナビゲーション装置1を動作させた際に利用することができる。
【0064】
次に、上述したように高速道路の走行回数をSRAM13に記憶してあるナビゲーション装置1において、高速道路の検索処理の際に表示される表示画面の生成処理についてフローチャートに基づいて具体的に説明する。図5は実施形態1に係るナビゲーション装置1における高速道路の検索結果を示す検索画面を生成する処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、ROM11に予め格納されている制御プログラムに従って制御部10によって実行される。
【0065】
ナビゲーション装置1の制御部10は、操作パネル25の入力部27を介して、ユーザが目的地までの経路の探索処理の実行を指示し、更に高速道路検索によって目的地を設定するように指示した場合、図2(a)に示す路線名一覧を表示部26に表示する(S11)。制御部10は、図2(a)に示す路線名一覧において、ユーザによって戻るキーが操作されたか否かを判断し(S12)、戻るキーが操作されたと判断した場合(S12:YES)、路線名一覧の表示を終了し、DRAM12に記憶してあるデータに基づいて、ひとつ前に表示していた画面を表示部26に表示し(S13)、高速道路の検索処理を終了する。
【0066】
制御部10は、図2(a)に示す路線名一覧において、ユーザによって戻るキーが操作されていないと判断した場合(S12:NO)、ユーザによって決定キーが操作されたか否かを判断し(S14)、決定キーが操作されていないと判断した場合(S14:NO)、ステップS12に処理を戻す。なお、制御部10は、図2(a)に示す路線名一覧において、ユーザによって上下キーが操作された場合、表示内容を適宜更新して表示させる。また、制御部10は、表示中の路線名の表示領域をユーザによって操作された場合、操作された領域に表示された路線名を、現在選択されていることを明確に表示する。
【0067】
制御部10は、ユーザによって決定キーが操作されたと判断した場合(S14:YES)、路線名一覧において選択された路線名、例えば高速道路の道路名を、ディスク制御部15を介してHD151から読み出し(S15)、読み出した道路名を50音順に並べ替え(S16)、一旦DRAM12に記憶する。制御部10は、DRAM12又はSRAM13に記憶してある高速道路のリンク情報及び走行回数を読み出し(S17)、読み出したリンク情報及び走行回数に基づいて、走行回数が多い順に4つの高速道路の道路名を並べ替え(S18)、一旦DRAM12に記憶する。
【0068】
制御部10は、ステップS18で走行回数が多い順に並べ替えた4つの道路名に続いて、ステップS16で並べ替えた各道路名を表示させるための画面情報を生成し、図2(b)に示すような道路名一覧を表示部26に表示し(S19)、上述した検索画面の生成処理を終了する。ユーザは、図2(b)に示す道路名一覧に従って、図3(a)に示す道路名一覧を表示部26に表示させつつ、目的地として設定したい施設が設けられた高速道路を選択する。また、ユーザは、図2(b)及び図3(a)に示す道路名一覧に基づいて、所望の高速道路を選択して決定キーを操作することによって、図3(b)に示すような施設一覧を表示部26に表示させ、施設一覧に従って、目的地として設定したい施設を選択する。
【0069】
制御部10は、図3(b)に示す施設一覧に従ってユーザによって選択された施設を目的地としてDRAM12の所定領域に記憶させ、その他にユーザによって入力された各種の探索条件に基づき、ナビゲーション装置1の現在位置から、DRAM12に記憶させた目的地までの経路の探索処理を行なう。
【0070】
上述した実施形態1では、走行中の道路のリンク情報を所定時間間隔で取得する構成のナビゲーション装置1について説明した。しかし、例えば、所定距離を走行する都度、走行中の道路のリンク情報を取得するようにナビゲーション装置1を構成することもできる。また、上述した実施形態1では、図2(b)及び図3(a)に示す道路名一覧が、高速道路の道路名を4つずつ表示する構成を例に説明したが、1つの画面上に表示される道路名の数は4つに限られず、また、ユーザによって任意の数に設定できるようにしてもよい。なお、走行回数が多い順に表示する高速道路の道路名も4つに限られない。
【0071】
上述した実施形態1では、高速道路検索を行なう際に、高速道路の走行回数に基づいて、よく利用する高速道路を優先的にユーザに提示する構成について説明した。しかし、走行した高速道路の走行回数のほかに、乗り降りしたインターチェンジ、ジャンクション等の利用回数を記憶させておき、高速道路上に設けられた施設の施設一覧を表示する際にも本発明を適用することができる。この場合、よく利用する高速道路だけでなく、各高速道路において、よく利用するインターチェンジ、ジャンクションを経由地点として目的地までの経路探索を行なうことができ、ユーザそれぞれの好みに応じた経路を的確に探索することができる。
【0072】
上述した実施形態1では、最後に走行した道路のリンク情報としてDRAM12に記憶させるリンク情報を、ナビゲーション装置1が搭載された車両の走行中の道路のリンク情報に逐次更新する構成のナビゲーション装置1を例に説明した。しかし、本発明のナビゲーション装置1は、高速道路の走行回数を把握できればよいので、車両が一般道を走行中には、走行中の道路のリンク情報ではなく、例えば「一般道」を最後に走行した道路のリンク情報としてDRAM12に記憶させる構成としてもよい。
【0073】
(実施形態2)
以下に、実施形態2におけるナビゲーション装置について説明する。図6は実施形態2に係るナビゲーション装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。なお、本実施形態2のナビゲーション装置1は、上述した実施形態1のナビゲーション装置1と同様の構成を有しているが、図6においては、構成の一部を省略して示している。また、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0074】
本実施形態2では、本発明に係るナビゲーション装置1の機能を実現するためのコンピュータプログラムを、CD−ROM又はDVD−ROM等の記憶媒体15aに記憶させてあり、制御部10が、本発明に係るコンピュータプログラムの実行時に、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブにより構成されたディスク制御部15によって、記憶媒体15aから読み出してDRAM12に記憶させ、順次実行する。本発明に係るコンピュータプログラムの内容は、例えば、ナビゲーション装置1が搭載された車両が走行している道路を特定するリンク情報(道路情報)を取得するための取得処理プログラム、高速道路のリンク情報に対応してDRAM12に記憶してある各高速道路の走行回数に1を加算する加算処理プログラム、複数の道路名を所定の順序に従って並べ替える並べ替え処理プログラム等である。
【0075】
本実施形態2に係るナビゲーション装置1は、上述した構成を有しており、その他の構成及び作用は実施形態1のナビゲーション装置1と同様であるので、その詳細な説明を省略する。また、本実施形態2におけるナビゲーション装置1においても、上述の実施形態1で説明した変形例と同様の変形例の適用が可能である。
【0076】
なお、本発明に係るコンピュータプログラムは、CD−ROM又はDVD−ROM等の記憶媒体15aだけでなく、メモリスティック、メモリカード又はコンパクトフラッシュ等の外部メモリに記憶させておくこともできる。この場合、制御部10が、本発明に係るコンピュータプログラムを、外部メモリ制御部16によって、外部メモリから読み出してDRAM12に記憶させる。更に、本発明に係るコンピュータプログラムを、例えば通信制御部22によってネットワークを介して外部の装置からダウンロードし、DRAM12に記憶させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に係るナビゲーション装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図2】検索画面例を示す模式図である。
【図3】検索画面例を示す模式図である。
【図4】実施形態1に係るナビゲーション装置における高速道路の走行回数の計数処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】実施形態1に係るナビゲーション装置における高速道路の検索結果を示す検索画面を生成する処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】実施形態2に係るナビゲーション装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0078】
1 ナビゲーション装置
10 制御部(取得手段、判断手段、加算手段)
12 DRAM(記憶手段、道路情報記憶手段)
25 操作パネル
26 表示部(表示手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速道路を検索するナビゲーション装置において、
走行中の道路を特定する道路情報を取得する取得手段と、
該取得手段が取得した道路情報によって特定される道路が高速道路である場合、取得した道路情報及び該道路情報によって特定される高速道路の走行回数を対応付けて記憶する記憶手段と、
前記取得手段が取得した道路情報によって特定される道路が高速道路である場合、取得した道路情報に対応付けて前記記憶手段に記憶してある走行回数に1を加算する加算手段と、
前記記憶手段に記憶してある道路情報によって特定される高速道路の名称を走行回数の多い順に表示する表示手段と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記取得手段が取得した道路情報によって特定される道路が高速道路であり、該道路情報が前記記憶手段に記憶されていない場合、前記取得手段が取得した道路情報と、該道路情報に対応して1回の走行回数とを前記記憶手段に記憶させる手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記取得手段は、走行中の道路を特定する道路情報を所定間隔で取得するように構成してあり、
前記取得手段が所定間隔で取得する道路情報を逐次更新して記憶する道路情報記憶手段と、
前記取得手段が取得した道路情報によって特定される道路が高速道路である場合、前記取得手段が取得した道路情報及び前記道路情報記憶手段に記憶してある道路情報が一致するか否かを判断する判断手段とを備え、
前記加算手段は、前記判断手段が一致しないと判断した場合、前記取得手段が取得した道路情報に対応付けて前記記憶手段に記憶してある走行回数に1を加算するように構成してあることを特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記加算手段は、前記判断手段が一致すると判断した場合、走行回数の加算を行なわないように構成してあることを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記記憶手段に記憶してある道路情報によって特定される高速道路の名称を走行回数の多い順に所定数表示する手段と、高速道路の名称を所定順序で表示する手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかひとつに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
経路を探索するナビゲーション装置での高速道路検索方法において、
走行中の道路を特定する道路情報を取得する取得ステップと、
該取得ステップで取得された道路情報によって特定される道路が高速道路である場合、取得された道路情報及び該道路情報によって特定される高速道路の走行回数を対応付けて記憶手段に記憶する記憶ステップと、
前記取得ステップで取得された道路情報によって特定される道路が高速道路である場合、取得された道路情報に対応付けて前記記憶手段に記憶してある走行回数に1を加算する加算ステップと、
前記記憶手段に記憶してある道路情報によって特定される高速道路の名称を走行回数の多い順に表示する表示ステップと
を含むことを特徴とする高速道路検索方法。
【請求項7】
経路を探索するコンピュータで実行されるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、
走行中の道路を特定する道路情報を取得させる取得ステップと、
該取得ステップで取得された道路情報によって特定される道路が高速道路である場合、取得された道路情報及び該道路情報によって特定される高速道路の走行回数を対応付けて記憶手段に記憶させる記憶ステップと、
前記取得ステップで取得された道路情報によって特定される道路が高速道路である場合、取得された道路情報に対応付けて前記記憶手段に記憶してある走行回数に1を加算させる加算ステップと、
前記記憶手段に記憶してある道路情報によって特定される高速道路の名称を走行回数に基づいて並べ替えさせるステップと
を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−76192(P2008−76192A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−254855(P2006−254855)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】