説明

ナビゲーション装置およびナビゲーション方法

【課題】目的地の詳細な情報が不明であっても、その目的地を設定して誘導することができるようにする。
【解決手段】候補地のジャンル,候補地が含まれる地域および候補地の位置情報を関連付けて記憶する候補地情報記憶部20と、目的地地域入力部232と、目的地ジャンル入力部232と、出発地から目的地までの間において通過しうる2以上の経由地のジャンルを、出発地から目的地までの間で通過する順に設定する経由地ジャンル設定部232と、経由地ジャンル設定部232によって設定された2以上のジャンルに相当する各経由地の出発地から目的地までの間における位置関係に基づいて、目的地地域入力部232によって入力された地域に含まれ、且つ、目的地ジャンル入力部232によって入力されたジャンルに該当する1以上の候補地を、目的地候補として候補地情報記憶部20から検索する目的地候補検索部31とをそなえるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両を目的地に誘導するナビゲーション装置に関し、その目的地の設定に用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自車両を目的地へ誘導する車載ナビゲーション装置が一般的に使用されている。例えば、下記特許文献1においては、利用者により入力された目的地および経由地に基づいて、目的地に至るまでの最短の誘導経路を道路網情報から探索し、この誘導経路を表示部において地図情報上に合成して表示することにより、自車を目的地まで誘導する手法が開示されている。
【特許文献1】特許第3475123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような従来のナビゲーション装置においては、目的地を入力もしくは選択する必要があるが、例えば、その目的地の詳細な情報が不明の場合には、目的地を設定することができず、自車両の誘導を行なうことができない場合がある。
例えば、「2年前に訪れた遊園地にもう一度行きたいが、その遊園地の名前がわからない。ただし、行く途中に神社と学校の前を通ったことは覚えている・・・」というような場合には、従来のナビゲーション装置では、目的地の設定が困難である。
【0004】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、目的地の詳細な情報が不明であっても、その目的地を設定して誘導することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため、本発明のナビゲーション装置(請求項1)は、所定の出発地から目的地までの誘導経路を検索するナビゲーション装置であって、該出発地から該目的地までの間に経由する経由地もしくは該目的地になりうる候補地について、当該候補地のジャンル,当該候補地が含まれる地域および当該候補地の位置情報を関連付けて記憶する候補地情報記憶部と、該目的地が含まれる該地域を入力する目的地地域入力部と、該目的地のジャンルを入力する目的地ジャンル入力部と、前記出発地から目的地までの間において通過しうる2以上の該経由地のジャンルを、前記出発地から目的地までの間で通過する順に設定する経由地ジャンル設定部と、該経由地ジャンル設定部によって設定された前記2以上のジャンルに相当する各経由地の前記出発地から目的地までの間における位置関係に基づいて、該目的地地域入力部によって入力された該地域に含まれ、且つ、該目的地ジャンル入力部によって入力された該ジャンルに該当する1以上の該候補地を、該目的地候補として該候補地情報記憶部から検索する目的地候補検索部とをそなえることを特徴としている。
【0006】
なお、該候補地が、過去に行ったもしくはその近くを通過したことがある場所であってもよい(請求項2)。
また、本発明のナビゲーション方法(請求項3)は、所定の出発地から目的地までの誘導経路を検索するナビゲーション方法であって、該出発地から該目的地までの間に経由する経由地もしくは該目的地になりうる候補地について、当該候補地のジャンル,当該候補地が含まれる地域および当該候補地の位置情報を関連付けて登録する候補地情報記憶ステップと、該目的地が含まれる該地域を入力する目的地地域入力ステップと、該目的地のジャンルを入力する目的地ジャンル入力ステップと、前記出発地から目的地までの間において通過しうる2以上の該経由地のジャンルを、前記出発地から目的地までの間で通過する順に設定する経由地ジャンル設定ステップと、該経由地ジャンル設定部によって設定された前記2以上のジャンルに相当する各経由地の前記出発地から目的地までの間における位置関係に基づいて、該目的地地域入力ステップにおいて入力された該地域に含まれ、且つ、該目的地ジャンル入力ステップにおいて入力された該ジャンルに該当する1以上の該候補地を、該目的地候補として該候補地情報記憶部から検索する目的地候補検索ステップとをそなえることを特徴としている。
【0007】
なお、該候補地が、過去に行ったもしくはその近くを通過したことがある場所であってもよい(請求項4)。
また、本発明のナビゲーション装置(請求項5)は、経由地を入力する入力部と、目的地を推定するための複数の経由地固有情報を記憶する経由地固有情報記憶部と、該入力部で入力された経由地と該経由地固有情報記憶部に記憶された該経由地固有情報とに基づいて目的地候補を推定する目的地候補推定手段とをそなえることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、目的地の詳細な情報が不明であっても、その目的地を容易に設定できる利点がある(請求項1,請求項3,請求項5)。又、過去において、その目的地までの経路上で通過した経由地の情報に基づいて、目的地を容易に設定することができる利点もある(請求項2,請求項4)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態としてのナビゲーション装置の構成を模式的に示す図である。
本ナビゲーション装置1は、例えば、自動車等の移動体に搭載され、使用者(運転者)によって設定された目的地までの経路演算を行ない、この経路演算結果に基づいて目的地までの経路誘導を行なうものであって、図1に示すように、CPU30,RAM21,ROM22,タッチパネルディスプレイ23,画像調整回路24,画像出力部25およびHDD20をそなえて構成されている。
【0010】
また、本ナビゲーション装置1には、図1に示すように、GPS16,車速センサ17およびジャイロセンサ18が接続されるように構成されている。
GPS(Global Positioning System) 16は、GPS衛星の電波を受信して自車位置を割り出すシステムであり、車速センサ17は、自車の速度を測定するものである。ジャイロセンサ(自律航法ユニット)18は、移動体の方向変化を計測するためのものであって、自車両の進行方向を検出するセンサである。そして、これらのGPS16,車速センサ17およびジャイロセンサ18により、自車位置を算出・特定するようになっている。
【0011】
RAM21は、CPU30が演算処理を行なう際に用いるデータやプログラムを一時的に格納するものであり、ROM22は、CPU30によって実行されるプログラムや、このプログラムの実行時に用いられるデータを格納するものである。
タッチパネルディスプレイ23はタッチパネル(入力部)232,液晶パネル(表示器)231およびバックライト233をそなえて構成され、液晶パネル231に地図等の情報を表示させるとともに操作画面を表示し、タッチパネル232から種々の選択・入力操作を行なうことができるものである。
【0012】
バックライト233は、液晶パネル231を発光させる光源であり、液晶パネル233の背面にそなえられている。液晶パネル231は、透過型の液晶ディスプレイ装置である。なお、本実施形態においては、液晶パネル231が透過型の液晶ディスプレイとして構成された例を示しているが、これに限定されるものではなく、反射型の液晶ディスプレイ装置や半透過型の液晶ディスプレイ装置として構成されてもよい。
【0013】
画像調整回路24は、画像信号を処理して表示画像の色調、明るさ、コントラスト調整、又、分割画面や拡大・縮小画面、文字等を重畳表示するスーパーインポーズ処理を行なうものであって、処理対象の画像データを記憶する画像メモリや、この画像メモリに記憶された画像データにデジタル演算処理を施すDSP(Digital Signal Processor)等からなる画像デジタル処理回路,表示出力画像が記録されるVRAM(Video RAM)等(いずれも図示省略)により構成される。
【0014】
画像出力部25は、画像調整回路24のVRAMに記憶されたデータに基づき液晶パネル231を駆動して所望画像を表示させるもので、VRAMに記憶されたデータを液晶パネル231駆動用の画像信号に変換する変換回路や、増幅回路,動機信号生成回路(いずれも図示省略)等により構成される。
図2〜図5は本発明の一実施形態としてのナビゲーション装置1の液晶パネル231に表示される入力画面の例を示す図であり、図2は検索地域情報を入力するための検索地域入力画面231aの例を示す図、図3は検索ジャンルを入力するための検索ジャンル入力画面231bの例を示す図、図4は経路施設情報を入力するための経路施設情報入力画面231cの例を示す図、図5は経路施設情報を入力した状態を示す経路施設情報入力画面231cの例を示す図である。
【0015】
さて、本ナビゲーション装置1は、出発地(自車位置)から、使用者によって入力・設定された目的地目的地までの誘導経路を探索するナビゲーション機能と、使用者において目的地が不明である場合に、使用者によって入力される目的地に関する情報に基づいて、使用者に対して目的地候補を提示する目的地検索機能とをそなえている。
上記目的地検索機能を実現するために、本ナビゲーション装置1は、図2〜図5に示すような、検索地域入力画面231a,検索ジャンル入力画面231bおよび経路施設情報入力画面231cを液晶パネル231に表示させ、使用者は、これらの検索地域入力画面231a,検索ジャンル入力画面231bおよび経路施設情報入力画面231cから、目的地に関する情報を入力するようになっている。
【0016】
検索地域入力画面231aは、目的地が含まれる地域(例えば、北海道や東北)を検索地域として入力・選択するための入力画面であって、図2に示すように、目的地が含まれる地域を入力するための入力欄2311および検索実行ボタン2314をそなえて構成されている。
使用者は、この検索地域入力画面231aにおいてタッチパネル232(タッチパネルディスプレイ23)を用いて、目的地が含まれる地域を検索地域として入力・選択した後に、検索実行ボタン2314を押下・選択することにより、目的地の地域が入力されるようになっている。これにより、タッチパネル232(タッチパネルディスプレイ23)が、目的地が含まれる地域を入力する目的地地域入力部として機能するのである。
【0017】
なお、目的地が含まれる地域の入力は、その地域名等をタッチパネル232を用いて文字入力してもよく、又、表示される地域名の候補の中からタッチパネル232を用いて選択することにより行なってもよく、更に、音声入力を行なってもよく、既知の種々の入力手法を用いることができる。
検索ジャンル入力画面231bは、この目的地のジャンル(例えば、公園,学校,デパート)を検索ジャンルとして入力・選択するための入力画面であって、図3に示すように、目的地のジャンルを示す情報を入力するための入力欄2312および検索実行ボタン2314をそなえて構成されている。
【0018】
使用者は、この検索ジャンル入力画面231bにおいて、タッチパネル232(タッチパネルディスプレイ23)を用いて、この目的地のジャンルを検索ジャンルとして入力・選択した後に、検索実行ボタン2314を押下・選択することにより、目的地のジャンルが入力されるようになっている。これにより、タッチパネル232(タッチパネルディスプレイ23)が、目的地のジャンルを入力する目的地ジャンル入力部として機能するのである。
【0019】
経路施設情報入力画面231cは、出発地点(現在位置)から目的地までに通過する2以上の経路施設(ランドマーク)のジャンル(経由地ジャンル;例えば、公園,学校,デパート)をその通過する順に入力するための入力画面であって、図4,図5に示すように、経由地のジャンルを入力するための入力欄2313および検索実行ボタン2314をそなえて構成されている。
【0020】
使用者は、図4,図5に示すような経路施設情報入力画面231cにおいて、タッチパネル232(タッチパネルディスプレイ23)を用いて、目的地までに通過する2以上の経由地のジャンルをその通過する順に入力した後に、検索実行ボタン2314を押下・選択するようになっている。
例えば、図4,図5に示す経路施設情報入力画面231cにおいては、経路施設のジャンルを示すアイコンを複数表示しており、使用者が、これらのアイコンの中から、出発地(現在位置)から目的地までの間において(経路上において)通過する経路施設のジャンルを示すアイコンを、その出現順に並べるよう選択することにより(図5参照)、経路施設情報が設定されるようになっている。なお、経路施設は目印になるようなランドマークであり、地図データ201(図1参照)に登録されている種々のものを用いることができる。
【0021】
これにより、タッチパネル232(タッチパネルディスプレイ23)が、出発地から目的地までの間において通過しうる2以上の経由地のジャンルを、出発地から目的地までの間で通過する順に設定する経由地ジャンル設定部として機能するのである。
なお、上述した図2〜図5に示す各入力画面は、図示しない表示制御部が液晶パネル231を制御することによって表示されるようになっている。
【0022】
HDD(Hard Disk Drive;経由地固有情報記憶部)20は、種々のデータやプログラムを格納するものであり、図1に示すように、地図データ201およびナビデータ202をそなえて構成されている。
地図データ201は、後述する誘導経路探索部32による誘導経路の探索に用いられる地図データであり、例えば、道路をリンクで表すとともに交差点をノードで表したルート探索用データや、各交差点に対応する付加情報(例えば、交差点名,交通規制情報,目標物等),地図上での自車位置を特定するためのマップマッチング用データ等をそなえて構成されている。
【0023】
そして,誘導経路探索部32は、この地図データ201に基づいて出発地(自車位置)から目的地までの誘導経路の探索を行なうようになっている。
図6は本発明の一実施形態としてのナビゲーション装置1におけるナビデータ202の構成例を示す図である。
ナビデータ(候補地情報,経由地固有情報)202は、上述した目的地検索機能に用いられるデータであって、目的地や経由地(経路施設)になり得る候補地に関する情報であり、図6に示すように、その候補地の名称(図6に示す例では、オリンピック遊園地,札幌遊園地,旭川神社,夕張駅,札幌ラーメン,アカシア高校,アカシア大学およびアカシア小学校)に対して、そのジャンル(図6に示す例では、遊園地,神社,駅,飲食店,学校)や地域(図6に示す例では、北海道および東北)を関連付けることにより構成され、更に、その候補地の位置を示す情報(位置情報;図6中においては図示を省略)を関連付けて構成されている。
【0024】
なお、ジャンルとして登録する情報は、候補地に関する「種別」や「業種」であってもよく、又、「ビル」のような、その候補地の特徴を示す情報であってもよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
位置情報は、その候補地の位置を特定するための情報であり、例えば、緯度および経度が用いられる。又、図6に示す例においては、地域の例として北海道および東北が示されているが、これに限定されるものではなく、他の地域であってもよく、又、このような地域よりも広い範囲の地域であってもよく、又、狭い範囲の地域であってもよい。
【0025】
このように、HDD20は、出発地から目的地までの間に経由する経由地もしくは目的地になりうる候補地について、この候補地のジャンル,この候補地が含まれる地域およびこの候補地の位置情報を関連付けて記憶する候補地情報記憶部として機能するようになっている。
また、ナビデータ202に登録する候補地は、過去に訪れたことがある場所であってもよく、例えば、過去に訪れた場所については、その名称,ジャンル,地域および位置情報をナビデータ202に登録しておくことが望ましい。
【0026】
そして、このような過去のデータは、所定期間(例えば5年間)蓄積しておき、目的地候補の検索を行なう場合に、これらの過去に訪れた場所についても検索対象とする。
CPU(Central Processing Unit)30は、ROM22やHDD20に格納されたプログラムを実行することにより、種々の機能を実現したり制御等を行なうものであり、目的地候補検索部31や誘導経路探索部32として機能するようになっている。
【0027】
誘導経路探索部32は、HDD20に格納された地図データ201に基づいて、使用者によって設定された目的地までの経路を探索し、液晶パネル231に案内画像を表示するもので、GPS16,車速センサ17およびジャイロセンサ18からの信号を入力して自車位置を検出し、又、VICS情報受信部(図示省略)等から交通情報を入力し、これらの情報を用いて、経路探索,経路案内および交通情報の通知等を行なう。
【0028】
なお、誘導経路探索部32によるこれらの経路探索,経路案内および交通情報の通知等の機能は、既知の種々の手法を用いて実現することができる。
目的地候補検索部31は、検索地域入力画面231a(図2参照),検索ジャンル入力画面231b(図3参照),経路施設情報入力画面231c(図4,図5参照)を介して入力された情報に基づいて、ナビデータ202から目的地候補を検索するものである。
【0029】
図7は本発明の一実施形態としてのナビゲーション装置1の目的地候補検索部31によって用いられる情報の例を示す図、図8はその目的地の検索手法を説明するための図である。
この目的地候補検索部31は、先ず、図2に示す検索地域入力画面231aから入力された地域と、図3に示す検索ジャンル入力画面231bから入力された目的地のジャンルとに基づいてナビデータ202を検索し、これらの入力された地域およびジャンルの条件を満たす目的地の候補(目的地候補)を抽出する。
【0030】
次に、目的地候補検索部31は、経路施設情報入力画面231cにおいて入力された各ジャンルにかかる候補地であって、検索地域入力画面231aから入力された地域に該当する経由地の候補(経由地候補)を、ナビデータ202から抽出し、更に、これらの経由地候補のそれぞれについて、その位置情報に基づいて、上述の如く抽出された各目的地候補からの距離および方角を算出する。
【0031】
図7に示す例においては、検索地域入力画面231aにおいて「北海道」が、検索ジャンル入力画面231bにおいて「遊園地」がそれぞれ入力され、経路施設情報入力画面231cにおいて、「学校」,「神社」,「ビル」がその順番で入力された例を示している。なお、この図7に示す例においては、方角に関する情報の図示を省略している。
なお、この図7に示す例においては、距離の項目において、目的地候補からの距離が何km圏内であるかで表しているが、これに限定されるものではなく、距離そのものであってもよい。
【0032】
目的地候補検索部31は、この図7に示すように、各ジャンルにかかる経由地候補のそれぞれについて、抽出した各目的地候補からの距離および方角を算出し、図8に示すように、目的地候補を中心に各経由地候補の位置をマッピングをする。図8に示す例においては、オリンピック遊園地を中心として経由地候補の位置をマッピングした例を示している。
【0033】
そして、目的地候補検索部31は、各目的地候補について、その目的地候補の位置と、各経由地候補の位置および現在位置に基づいて、現在位置から目的地候補までの経路において、経路施設情報入力画面231cにおいて入力された順番で「学校」,「神社」,「ビル」の各ジャンルに該当する経由地候補が位置する否かを、各経由地候補についてそれぞれ判断し、現在位置から目的地候補までの経路において、経路施設情報入力画面231cにおいて入力された順番で各ジャンルの経由地候補が位置する場合に、その目的地候補を使用者に対して提示する。
【0034】
なお、現在位置から目的地候補までの経路において、経路施設情報入力画面231cにおいて入力された順番で「学校」,「神社」,「ビル」の各ジャンルに該当する経由地候補が位置する否かの判断は、図8に示すような目的地候補と各経由地候補との位置(目的地候補からの距離および方角)によって判断する。
すなわち、目的地候補検索部31は経由地ジャンル設定部(タッチパネル232)によって設定された2以上のジャンルに相当する各経由地の出発地から目的地までの間における位置関係に基づいて、目的地地域入力部(タッチパネル232)によって入力された地域に含まれ、且つ、目的地ジャンル入力部(タッチパネル232)によって入力されたジャンルに該当する1以上の候補地を、目的地候補としてナビデータ202から検索する目的地候補検索部として機能するようになっている。
【0035】
上述の如く構成された、本発明の一実施形態としてのナビゲーション装置1における目的地検索手法を、図2〜図5および図9,図10を参照しながら図11に示すフローチャート(ステップS10〜S70)に従って説明する。
なお、図9は本発明の一実施形態としてのナビゲーション装置1における目的地候補の検索結果の表示画面231dの例を示す図、図10はその目的地候補を地図上に表示した表示画面231eの例を示す図である。
【0036】
また、本ナビゲーション装置1においては、予め、HDD20に、目的地や経由地(経路施設)になり得る候補地に関する情報がナビデータ202として保存されている(候補地情報記憶ステップ)。
本ナビゲーション装置1が、液晶パネル231に、図2に示すような検索地域入力画面231aを表示させ、使用者は、この検索地域入力画面231aにおいて目的地が含まれる地域を入力する(ステップS10;目的地地域入力ステップ)。次に、本ナビゲーション装置1は、液晶パネル231に、図3に示すような検索ジャンル入力画面231bを表示させ、使用者は、この検索ジャンル入力画面231bにおいて、目的地のジャンルを入力する(ステップS20;目的地ジャンル入力ステップ)。
【0037】
また、本ナビゲーション装置1は、液晶パネル231に、図4に示すような経路施設情報入力画面231cを表示させ、使用者は、図5に示すように、この経路施設情報入力画面231cにおいて、目的地までに通過する2以上の経路施設のジャンルをその通過する順に入力する(ステップS30;経由地ジャンル入力ステップ)。
目的地候補検索部31は、これらの検索地域入力画面231a,検索ジャンル入力画面231b,経路施設情報入力画面231cを介して入力された情報に基づいて、ナビデータ202から目的地候補を検索する(ステップS40;目的地候補検索ステップ)。
【0038】
そして、この検索の結果、該当する目的地候補があるか否かを確認し(ステップS50)、該当する目的地が無い場合には(ステップS50のNOルート参照)、ステップS30に戻る。
該当する目的地がある場合には(ステップS50のYESルート参照)、次に、検索された目的地候補の数を確認し(ステップS60)、5件以下である場合には(ステップS60のYESルート参照)、その目的地をタッチパネルディスプレイ23に表示させて処理を終了する。なお、この表示手法は、例えば、図9に示すように、目的地候補を一覧(リスト)として表す表示画面231dを液晶パネル231に表示させることにより行なわれる(ステップS70)。
【0039】
そして、この目的地候補の一覧の中から、使用者が希望する目的地を選択すると、CPU30は、図10に示すように、この目的地候補の所在地を地図上において表示した表示画面231eを液晶パネル231eに表示させる。
また、検索結果として得られた目的地候補の数が6件以上の場合には(ステップS60のNOルート参照)、ステップS30に戻る。
【0040】
このように、本発明の一実施形態としてのナビゲーション装置1によれば、目的地の詳細な情報が不明であっても、その目的地を容易に設定でき、例えば、過去に訪れたことがある場所であるが、その詳細な情報が不明である場合であっても、その目的地までの経路上で通過した経由地についての漠然とした記憶(ジャンル)に基づいて、目的地を容易に設定することができる。
【0041】
また、ナビデータ202に登録する候補地として過去に訪れたことがある場所についての情報を登録しておくことにより、現在と過去とで大幅に街並み等が変わっている場合であっても、目的地の設定等を行なうことができる。
そして、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0042】
例えば、上述した実施形態においては、ナビデータ202として、候補地の名称,ジャンル,地域および位置情報を登録しているが、これに限定されるものではなく、これら以外の情報を関連付けて登録してもよい。
また、上述した実施形態においては、目的地検索を行なうに際して、検索ジャンル入力画面231bおよび経路施設情報入力画面231cにおいて、目的地や経由地のジャンルを示すアイコンを複数種類表示させ、これらの中から任意のアイコンを選択するようになっているが、これに限定されるものではなく、例えば、文字入力や音声入力によってジャンルの入力を行なってもよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0043】
さらに、上述した実施形態においては、経由施設情報入力画面231cにおいて、使用者によって入力される目的地に関する情報(出発地点から目的地までに通過する2以上の経路施設のジャンル)をその通過する順に入力しているが、これに限定されるものではなく、経由施設情報入力画面231cにおいて経由地を入力し、CPU(目的地候補推定手段)が、経由施設情報入力画面231cにおいて入力された経由地とナビデータ202等に記憶された経由地固有情報とに基づいて目的地候補を推定してもよい。
【0044】
なお、この際、上述したナビデータ(候補地情報)202に格納される候補地に関する種々の情報が、目的地を推定するための経由地固有情報に相当し、HDD20が経由地固有情報記憶部として機能する。
これにより、経由地情報(出発地から目的地までの経由地の情報およびこの経由した経由順)から目的地を検索(推定)することができ、目的地までの経由地(ランドマーク)から目的地を検索することができる。
【0045】
また、経由施設情報入力画面231cにおいて、経由地候補を目的地候補として入力してもよい。
すなわち、使用者が、経由施設情報入力画面231cにおいて経由地に関する情報を入力する毎に、次の目的地候補もしくは経由地候補(候補地)をリストアップする等して画面に表示させ、使用者がこのようにリストアップされた候補地の中から、目的地もしくは経由地として選択できるようにし、使用者によって選択された候補地が、目的地(目的地候補)として選択したのか、経由地(経由地候補)として選択したかを判断する。ここで、目的地候補として入力された場合には、誘導経路探索部32が、その目的地までの経路探索を行なう。又、経由地候補として入力された場合には、更に目的地候補(経由地候補)をリスト表示する。
【0046】
なお、使用者が候補地を目的地として入力したのか経由地として入力したのかの判断は、例えば、液晶パネル231上に、目的地と経由地とのそれぞれの選択用のタッチスイッチを表示させ、使用者がどちらのタッチスイッチを選択したかを判断することにより行なってもよい。
また、リストアップする候補地は、例えば、過去に訪れた場所や検索した場所や有名な場所であってもよく、又、これらの候補地は、先に入力された候補地から所定距離範囲内のものを示すようにしてもよい。
【0047】
そして、これらの機能は、上述した本発明の実施形態にかかるナビゲーション装置1とは別に実現してもよく、又、上述したナビゲーション装置1の一機能としてそなえてもよい。
さらに、ナビゲーション装置1は、オーディオ再生機能等の他の機器としての機能をそなえて構成してもよい。図12は本発明の一実施形態のナビゲーション装置1においてオーディオ再生機能をそなえた例における機能構成を模式的に示す図である。
【0048】
この図12に示すナビゲーション装置1は、選択処理部40,ナビゲーション部41,制御部42,画像調整回路24,画像出力部25,タッチパネルディスプレイ23およびHDD20をそなえて構成されている。
なお、図中、既述の符号と同一の符号は同一もしくは略同一の部分を示しているので、その説明は省略する。
【0049】
図12に示すナビゲーション装置1のHDD20は、地図データ201およびナビデータ202の他に圧縮楽曲データ203,楽曲情報データ204および楽曲特定データ205をそなえて構成されている。これらの圧縮楽曲データ203,楽曲情報データ204および楽曲特定データ205は、音楽(楽曲)を再生するために用いられるものであって、圧縮楽曲データ203は圧縮処理が施された楽曲の音声データ、楽曲情報データ204は曲名やアーティスト名等の楽曲情報、楽曲特定データ205はCDやDVD等で再生された楽曲を特定するためのデータである。
【0050】
選択処理部40は、ナビゲーション装置1における機能の切替を選択的に行なうものであり、例えば、使用者からタッチパネルディスプレイ23(タッチパネル232)から行なわれる選択操作等に従って、ナビゲーション機能と音楽再生機能とを選択的に切り替えるようになっている。
ナビゲーション部41は、上述した誘導経路探索部32や目的地候補検索部31によって構成され、ナビゲーション機能や目的地検索機能を実現するものであり、制御部42は、ナビゲーション装置1における種々の制御を行なうものである。
【0051】
そして、情報処理装置のCPU30が、ROM22やHDD20に格納されたプログラムを実行することにより、上述した目的地候補検索部31,誘導経路探索部32,選択処理部40,制御部42およびナビゲーション部41として機能するようになっている。
なお、これらの目的地候補検索部31,誘導経路探索部32,選択処理部40,制御部42およびナビゲーション部41としての機能を実現するためのプログラムは、例えばROM22やHDD20に格納しておき、CPU30がこれらのROM22,HDD20からプログラムを読み取って内部記憶装置に転送し格納して用いる。
【0052】
また、そのプログラムを、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信経路を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
なお、本実施形態において、コンピュータとは、ハードウェアとオペレーティングシステムとを含む概念であり、オペレーティングシステムの制御の下で動作するハードウェアを意味している。又、オペレーティングシステムが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェアを動作させるような場合には、そのハードウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウェアは、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とをそなえており、本実施形態においては、ナビゲーション装置1がコンピュータとしての機能を有しているのである。
【0053】
さらに、本実施形態における記録媒体としては、上述したフレキシブルディスク,CD(CD−ROM,CD−R,CD−RW等),DVD(DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−R,DVD+R,DVD−RW,DVD+RW等),磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスクのほか、ICカード,ROMカートリッジ,磁気テープ,パンチカード,コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ),外部記憶装置等や、バーコードなどの符号が印刷された印刷物等のコンピュータ読取可能な種々の媒体を利用することができる。
【0054】
また、この地図データ201の更新が行なわれている場合には、本ナビゲーション装置1においては、地図データ201として、この更新が行なわれる前の過去の地図データも保存してもよく、誘導経路探索部32が、この過去の地図データ201に基づいて、出発地(自車位置)から目的地までの誘導経路を探索してもよく、これにより、現在と過去とで大幅に街並み等が変わっている場合であっても、使用者の過去の記憶に基づいて目的地の設定等を行なうことができ利便性が高い。
【0055】
さらに、本ナビゲーション装置1は、車載用ナビゲーション装置に限定されるものではなく、車載以外の用途に適用してもよく、種々変形して実施することができる。
なお、本発明の各実施形態が開示されていれば、本発明を当業者によって実施・製造することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
所定の出発地から目的地までの誘導経路を検索するナビゲーション装置であって、過去に訪れた場所を経由地として目的地を検索する用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態としてのナビゲーション装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の一実施形態としてのナビゲーション装置の液晶パネルに表示される入力画面の例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態としてのナビゲーション装置の液晶パネルに表示される入力画面の例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態としてのナビゲーション装置の液晶パネルに表示される入力画面の例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態としてのナビゲーション装置の液晶パネルに表示される入力画面の例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態としてのナビゲーション装置におけるナビデータの構成例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態としてのナビゲーション装置の目的地候補検索部によって用いられる情報の例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態としてのナビゲーション装置その目的地の検索手法を説明するための図である。
【図9】本発明の一実施形態としてのナビゲーション装置における目的地候補の検索結果の表示画面の例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態としてのナビゲーション装置における目的地候補を地図上に表示した表示画面の例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態としてのナビゲーション装置における目的地検索手法を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態のナビゲーション装置においてオーディオ再生機能をそなえた例における機能構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 ナビゲーション装置
16 GPS
17 車速センサ
18 ジャイロセンサ
20 HDD(候補地情報記憶部,経由地固有情報記憶部)
21 RAM
22 ROM
23 タッチパネルディスプレイ
24 画像調整回路
25 画像出力部
30 CPU(目的地候補推定手段)
31 目的地候補検索部
32 誘導経路探索部
40 選択処理部
41 ナビゲーション部
42 制御部
201 地図データ
202 ナビデータ(候補地情報)
203 圧縮楽曲データ
204 楽曲情報データ
205 楽曲特定データ
231 液晶パネル
232 タッチパネル(入力部)
233 バックライト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地から目的地までの誘導経路を検索するナビゲーション装置であって、
該出発地から該目的地までの間に経由する経由地もしくは該目的地になりうる候補地について、当該候補地のジャンル,当該候補地が含まれる地域および当該候補地の位置情報を関連付けて記憶する候補地情報記憶部と、
該目的地が含まれる該地域を入力する目的地地域入力部と、
該目的地のジャンルを入力する目的地ジャンル入力部と、
前記出発地から目的地までの間において通過しうる2以上の該経由地のジャンルを、前記出発地から目的地までの間で通過する順に設定する経由地ジャンル設定部と、
該経由地ジャンル設定部によって設定された前記2以上のジャンルに相当する各経由地の前記出発地から目的地までの間における位置関係に基づいて、該目的地地域入力部によって入力された該地域に含まれ、且つ、該目的地ジャンル入力部によって入力された該ジャンルに該当する1以上の該候補地を、該目的地候補として該候補地情報記憶部から検索する目的地候補検索部とをそなえることを特徴とする、ナビゲーション装置。
【請求項2】
該候補地が、過去に行ったもしくはその近くを通過したことがある場所であることを特徴とする、請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
所定の出発地から目的地までの誘導経路を検索するナビゲーション方法であって、
該出発地から該目的地までの間に経由する経由地もしくは該目的地になりうる候補地について、当該候補地のジャンル,当該候補地が含まれる地域および当該候補地の位置情報を関連付けて登録する候補地情報記憶ステップと、
該目的地が含まれる該地域を入力する目的地地域入力ステップと、
該目的地のジャンルを入力する目的地ジャンル入力ステップと、
前記出発地から目的地までの間において通過しうる2以上の該経由地のジャンルを、前記出発地から目的地までの間で通過する順に設定する経由地ジャンル設定ステップと、
該経由地ジャンル設定部によって設定された前記2以上のジャンルに相当する各経由地の前記出発地から目的地までの間における位置関係に基づいて、該目的地地域入力ステップにおいて入力された該地域に含まれ、且つ、該目的地ジャンル入力ステップにおいて入力された該ジャンルに該当する1以上の該候補地を、該目的地候補として該候補地情報記憶部から検索する目的地候補検索ステップとをそなえることを特徴とする、ナビゲーション方法。
【請求項4】
該候補地が、過去に行ったもしくはその近くを通過したことがある場所であることを特徴とする、請求項3記載のナビゲーション方法。
【請求項5】
経由地を入力する入力部と、
目的地を推定するための複数の経由地固有情報を記憶する経由地固有情報記憶部と、
該入力部で入力された経由地と該経由地固有情報記憶部に記憶された該経由地固有情報とに基づいて目的地候補を推定する目的地候補推定手段とをそなえることを特徴とする、ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−278808(P2007−278808A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−104669(P2006−104669)
【出願日】平成18年4月5日(2006.4.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】