説明

ナビゲーション装置

【課題】災害が発生した場合に適切なルーティングを行うことを可能とし、また、ルーティング時の表示を適切に行うことを可能としたナビゲーション装置を提供すること。
【解決手段】目的地情報を含むナビゲーション条件を入力するためのナビゲーション条件入力部と、災害情報を取得する災害情報取得部と、災害情報と、移動手段情報とを関連付けたテーブルから、前記取得した災害情報に応じて移動手段を選択する移動手段選択部と、地図情報を蓄積した地図データベース部と、目的地情報と、選択された移動手段と、地図情報と、災害情報と、を利用してルーティングするルーティング部と、ルーティング結果を地図上に表示する表示部と、を有するナビゲーション装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関する。さらに詳しくは、災害情報を取得した場合に適切なルーティングや地図表示などを行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の相次ぐ地震の発生や、東海大地震などの予報によって、災害が発生した場合の避難ルートを予め把握しておくことが一般的に行われている。例えば、非特許文献1のように、地震が発生した場合の建物の倒壊・火災・避難危険度がわかる書籍が一般家庭などにおいて広く普及している。しかしながら、このような書籍は常時携帯するものではないため、現実に災害が発生した場合には、適切な避難経路を把握することが困難であった。
【0003】
そこで、災害時のルーティングを適切に行うことに関する技術が発明されている。特許文献1においては、災害が発生した旨の緊急情報を受信した場合にその対応処理を行う装置に関する発明が開示されている。特許文献1に記載の発明は、災害発生の緊急情報を受信した場合には、自動車の運転をしている運転者が適切に行動できるように迂回経路を設定することが可能な車載装置に関する発明が開示されている。
【非特許文献1】「あなたの命を守る大地震東京危険度マップ」株式会社朝日出版社 2005年発行
【特許文献1】特開2002−288787号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術は、自動車を運転中の運転者に対して、危険地域を回避してルーティングを行う技術に関するものであり、自動車を乗り捨てて徒歩で移動するなどの複雑なルーティングを行うことができなかった。また、災害が発生した場合には水や食料などの支援物資の所在地の把握が必要となるが、単に危険地域の回避することのみによっては、これらを提供する場所をも迂回してしまう危険性があり、実用的なルーティング処理とはなっていなかった。
【0005】
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、災害が発生した場合に適切なルーティングを行うことを可能とし、また、ルーティング時の表示を適切に行うことを可能としたナビゲーション装置を提供することをを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明においては、かかる課題を解決するために、目的地情報を含むナビゲーション条件を入力するためのナビゲーション条件入力部と、災害情報を取得する災害情報取得部と、災害情報と、移動手段情報とを関連付けたテーブルから、前記取得した災害情報に応じて移動手段を選択する移動手段選択部と、地図情報を蓄積した地図データベース部と、目的地情報と、選択された移動手段と、地図情報と、災害情報と、を利用してルーティングするルーティング部と、ルーティング結果を地図上に表示する表示部と、を有するナビゲーション装置を提供する。
【0007】
地図データベース部は、災害情報に応じた地図記号を蓄積する第一地図記号蓄積手段を有してもよく、この場合、表示部は、取得した災害情報に応じて第一地図記号蓄積手段に蓄積されている地図記号を選択する第一地図記号選択手段を有してもよい。また、地図データベース部は、移動手段に応じた地図記号を蓄積する第二地図記号蓄積手段を有してもよく、この場合、表示部は、選択した移動手段に応じて第二地図記号蓄積手段に蓄積されている地図記号を選択する第二地図記号選択手段を有してもよい。また、地図データベース部は、地図上の移動支援ポイントと、その移動支援ポイントにて供給される予定の支援物資とを関連付けた移動支援ポイント情報を蓄積する移動支援ポイント情報蓄積手段を有してもよく、この場合、ナビゲーション条件入力部は、水・食料など移動に際して準備済みの携行品の種類を示す情報である携行品情報を入力する携行品情報入力手段を有し、ルーティング部は、蓄積されている移動支援ポイント情報と、入力された携行品情報にも基づいてルーティングを行なうための携行品依存ルーティング手段を有してもよい。また、地図データベース部は、支援物資に応じた地図記号を蓄積する第三地図記号蓄積手段を有してもよく、この場合、表示部は、前記携行品依存ルーティング手段によるルーティングの結果に応じて第三地図記号蓄積手段に蓄積されている地図記号を選択する第三地図記号選択手段を有してもよい。また、災害情報取得部は、気象情報を取得する気象情報取得手段を有してもよく、この場合、ルーティング部は、さらに取得した気象情報にも基づいてルーティングを行なうための気象情報依存ルーティング手段を有してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、災害が発生した場合に、適切な移動手段を選択してルーティングを行うことが可能となるため、目的地への最適なルーティングを行うことが可能となる。また、ルーティング結果を表示する際に、災害時用の地図表示をすることで、災害時における適切な避難場所・支援物資の供給場所などの位置を利用者が瞬時に把握することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、各発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【0010】
なお、以下の実施形態と請求項の関係は次の通りである。実施形態1は、主に請求項1、7などについて説明する。実施形態2は、主に請求項2、8などについて説明する。実施形態3は、主に請求項3、9などについて説明する。実施形態4は、主に請求項4、10などについて説明する。実施形態5は、主に請求項5、11などについて説明する。実施形態6は、主に請求項6、12などについて説明する。
【0011】
<<実施形態1>>
<実施形態1の概要>
本実施形態は、災害時のルーティングを適切に行うことを可能としたナビゲーション装置に関するものである。図1は、本実施形態のルーティング装置の概要を説明するための図である。図1(a)は、例えば通常時のルーティング画面を表示している図である。図1(a)においては、電車を利用した目的地へのルーティングを行っている例を示している。この場合において、例えば放送波などによって災害に関する情報を取得した場合には、その災害の情報に応じたルーティングを処理を行う。図1(b)は、図1(a)のルーティングを行った後に、災害に関する情報を取得した場合に再度ルーティングを行った例を示した図である。例えば、災害に関する情報として、所定の震度以上の地震が発生したという情報をルーティング装置が取得した場合には、鉄道が不通になっていると判断して徒歩によるルーティングを行う。このように、災害の情報に応じて適切なルーティングを行うことが可能である点が、本実施形態のルーティング装置の特徴である。
【0012】
<実施形態1の構成>
図2に本実施形態における機能ブロックの一例を示す。図2に示す本実施形態の「ナビゲーション装置」(200)は、「ナビゲーション条件入力部」(201)と、「災害情報取得部」(202)と、「移動手段選択部」(203)と、「地図データベース部」(204)と、「ルーティング部」(205)と、「表示部」(206)と、を有する。
【0013】
本件発明の構成要素である各部は、ハードウエア、ソフトウエア、ハードウエアとソフトウエアの両者、のいずれかによって構成される。例えば、これらを実現する一例として、コンピュータを利用する場合には、CPU、メモリ、バス、インターフェイス、周辺装置などから構成されるハードウエアと、これらのハードウエア上にて実行可能なソフトウエアを挙げることができる。具体的には、メモリ上に展開されたプログラムを順次実行することで、メモリ上のデータや、インターフェイスを介して入力されるデータの加工、蓄積、出力などにより各部の機能が実現される(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0014】
ナビゲーション装置200は、具体例としては、車載搭載型装置のナビゲーション装置や、ナビゲーション機能が搭載された携帯電話や、PDA、あるいはゲーム機器などが挙げられ、利用者の移動時に利用可能な装置全てが含まれるものである。また、このナビゲーション装置は、以下で説明するような災害時の処理を行わない場合には、通常のナビゲーションを行う装置であってもよいし、あるいは、災害時の処理を行うための専用のナビゲーション装置であってもよい。
【0015】
ナビゲーション条件入力部201は、目的地情報を含むナビゲーション条件を入力するためのものである。「目的地情報」とは、ルーティングを行う際の目的地に関する情報であるが、このほか、その目的地へ到達するまでの経由地に関する情報が含まれてもよい。ナビゲーション条件に含まれる情報は、目的地情報のほか、例えば現在地などの出発地に関する情報が挙げられる。このほか、徒歩、自転車、自動車、電車などの移動手段の中から利用可能な移動手段に関する情報が含まれていてもよい。また、ナビゲーション条件には、携行品に関する情報が含まれていてもよい。このナビゲーション条件の入力のタイミングは、後述する災害情報を取得した後であってもよいし、取得前であってもよい。例えば、初期設定において、災害の発生時のルーティングの目的地を自宅と設定しておいて、後述する災害情報を取得した場合には、その事前に入力されている自宅に関する目的地情報を利用してその後のルーティング処理を行ってもよい。あるいは、災害が発生した場合に、利用者が出張などで自宅から遠方の地域に滞在している場合などにおいては、目的地情報として宿泊中のホテルや知人宅などをナビゲーション条件として入力することも可能である。ナビゲーション条件入力部は、具体的にはキーボード、ボタン、タッチパネルなどの入力インターフェイスから構成される。
【0016】
災害情報取得部202は、災害情報を取得するものである。「災害情報」とは、例えば地震、火事、洪水、台風、停電、放射能汚染、テロなどの災害の種類や、これらの災害の程度に関する情報などのことである。また、災害情報には、その災害の発生地点や、災害による影響が及び得る範囲に関する情報が含まれていてもよい。災害情報の取得方法としては、様々な取得方法が挙げられる。例えば、センサなどによって緊急警報を検知することで災害情報を取得してもよいし、あるいは、緊急放送を受信することで災害情報を取得してもよい。より具体的には、街角の電柱や情報スタンド等からRFID(Radio Frequency Identification)や、無線LANや、Bluetooth(登録商標)などを用いて取得すたり、あるいは、データ放送によって受信したりする。また、携帯電話のキャリアや、サービス会社、自治体などからの電子メールの受信によって災害情報を取得してもよい。また、例えばルーティング装置が災害用情報を受信する専用のIPアドレス(IPv6)を有している場合には、そのIPアドレス宛てに情報が送られてきたことによって災害情報を取得してもよい。また、携帯電話のキャリアなどにおいて災害掲示板が設置された場合には、その設置内容を参照して災害情報を取得するとしてもよい。
【0017】
移動手段選択部203は、災害情報と、移動手段情報とを関連付けたテーブルから、前記取得した災害情報に応じて移動手段を選択する。移動手段情報とは、例えば既に説明した徒歩、自動車、電車などの移動手段に関する情報のことである。図3は、災害情報と、移動手段情報とを関連付けたテーブルの一例を示す図である。図3においては、地震が発生した場合には、移動手段として徒歩、自転車が選択される。なお、この移動手段の選択に関しては、図3で示すように、一の災害情報に対して一の移動手段が対応付けられていなくてもよい。例えば、図3の例においては、災害情報として「火事」という災害の種別が取得された場合には、その災害情報に応じて徒歩、自転車、電車のように3種類の移動手段が選択されることも可能である。なお、図3に示すような災害情報と、移動手段情報とを関連付けたテーブルに関しては、利用者によって適宜変更可能に管理されていてもよい。このように、災害情報と移動手段情報とを関連付けておくことによって、後述するルーティング処理を行う場合に最適なルーティングを行うことが可能となる。
【0018】
地図データベース部204は、地図情報を蓄積したものである。地図情報には、道路、河川、線路、地下通路、避難場所などの通常有する地図上の情報のほか、後述する災害情報に応じた地図記号や移動手段に応じた地図記号なども含まれる。具体的には、災害時の避難場所に関する情報や、避難場所を示すための地図記号やアイコンに関する情報などが含まれる。なお、地図データベース部は、ナビゲーション装置に内蔵されているハードディスクやメモリであってもよいし、外部入力のDVD(Digital Versatile Disk)やメモリカードのような記録媒体であってよい。あるいは、地図データベース部は、必ずしもナビゲーション装置が有していなくてもよい。例えば、地図情報を蓄積した外部の地図データベースサーバ装置などから通信などによって地図情報を取得して後述するルーティング処理などに用いられてもよい。
【0019】
ルーティング部205は、目的地情報と、選択された移動手段と、地図情報と、災害情報と、を利用してルーティングする。ルーティングをする際のルート決定に関しては様々な方法が考えられる。例えば、最初に目的地情報と、地図情報と、移動手段と、に基づいて最短のルートが暫定的に決定され、その後、災害情報に基づいて危険地域を回避するようなルートが最終的に決定される。あるいは、災害情報と、目的地情報とに基づいて危険地域を回避する必要があるか否かを判断し、危険地域を回避すると判断した場合にのみ、選択された移動手段を利用してルートを決定し、危険地域を回避する必要がないと判断した場合には、選択された移動手段を利用することなくルートを決定するとしてもよい。また、例えば大地震が発生した場合には、電車が止まっている場合があるため、災害情報を参照して線路上も徒歩でのルーティングの対象としてもよい。また、利用者が自動車を乗り捨てて徒歩で移動する場合には、最初は自動車を移動手段として利用するルーティングを行い、その後に徒歩でのルーティングを行ってもよい。この場合には、例えば自動車を乗り捨てる際に、利用者がナビゲーション条件として移動手段「徒歩」を入力することで再度ルーティングを行ってもよいし、あるいは、事前にナビゲーション条件として入力されたガソリンの残量を利用して、自動車を乗り捨てる地点を演算して、その後の徒歩でのルーティングを行ってもよい。
【0020】
表示部206は、ルーティング結果を地図上に表示するものである。ルーティング結果は、ルーティング部205にて行ったルーティングの結果のことである。図4は、災害情報を取得した場合のルーティング結果の表示例を示す図である。図4では、ナビゲーション装置の利用者が自宅から離れた地域に滞在している場合において、災害情報として「火事」という情報を取得した場合の例について説明する。図4の例においては、災害情報と移動手段情報とを関連付けたテーブルから移動手段として「徒歩」と「電車」を選択する。そして、目的地情報と、「徒歩」と「電車」を利用した最短なルーティングを決定する。図4(a)は、電車を利用したルーティング結果を表示した例を示している。そして、図4(b)は、自宅の最寄り駅にて電車を降りた場合のルーティング表示の例を示している。図4(b)においては、災害が発生している地域が自宅への最短ルート近辺であるため、当該災害地域を回避するようにルーティングを行なっている。なお、徒歩以外の他の移動手段の選択例としては、例えば核爆発などが発生した場合には、地上には放射能が広がってくるため、移動手段として地下鉄を選択する場合や、停電が発生した場合には信号機が停止してしまうため、移動手段として自転車を選択する場合などが挙げられる。このように、移動手段に応じたルーティングを行うことでより最適なルーティングを行うことができる。なお、表示部は例えば液晶、有機EL、プラズマなどのディスプレイによって構成されることができる。
【0021】
<実施形態1の処理の流れ>
図5は、実施形態1における処理の流れの一例を示す図である。本実施形態における処理は、以下に示すステップよりなる。なお、以下に示す処理の流れは、計算機に実行させるためのプログラム、またはそのプログラムが記録された読み取り可能な記録媒体として実施されうる(以下、本明細書における処理の流れの記載についても同様である)。
【0022】
まず、目的地情報を含むナビゲーション条件を入力する(S501)。次に、災害情報を取得する(S502)。次に、S502にて取得した災害情報に応じて移動手段を選択する(S503)。なお、S501はS503の後のステップにて行なわれてもよい。次に、地図情報を取得する(S504)。そして、目的地情報と、選択された選択手段と、地図情報と、災害情報と、を利用してルーティングをする(S505)。そして、ルーティング結果を地図上に表示する(S506)。
【0023】
図6は、実施形態1における他の処理の流れの例を示している。図6の例においては、災害情報の程度に応じて自宅へのルーティングを行うかどうかを判断する処理の例である。まず、災害情報を取得する(S601)。次に取得した災害情報に基づいて、ルーティングが必要か否かを判断する(S602)。S602にてルーティングが必要であると判断した場合には、災害情報に基づいて移動手段を選択する(S603)。そして、選択された移動手段を利用したナビゲーション条件を入力する(S604)。そして、そのナビゲーション条件に基づいてルーティングをする(S605)。図6の例は、災害情報を取得した場合に、ルーティングを行うかを判断することによって、例えば遠方の地域で地震が発生する度に自宅へのルーティング結果を表示するなどの処理を行わずに済むため、利便性が向上する。
【0024】
<実施形態1の具体的構成態様>
図7は、実施形態1における具体的な構成態様の一例を示す図である。ナビゲーション装置は、災害情報取得部としての無線部701、通信制御部702や、ナビゲーション条件入力部としての入力部703や、地図データベース部としての記録媒体704や、移動手段選択部、ルーティング部としての主制御部705、メモリ706や、表示部としての表示ドライバ707、ディスプレイ708、主制御部、メモリなどから構成される。なお、ナビゲーション条件の入力に用いられる位置情報取得部709や、ルーティング結果を利用者に対してアナウンスするためのスピーカー710を有していてもよい。また、図示していないが、ナビゲーション条件を音声入力するためのマイクを有していていもよい。以下、図7を参照にしながら簡単に動作を説明する。主制御部は、無線部を介して取得した災害情報をメモリの所定領域に一時的に格納する。この災害情報は、一例としては、災害の種別を示す識別情報(例えば地震を示す「earthquake」)と、その程度を示す情報(例えば震度を示す「4」)と、その発生地域(例えば緯度、経度を示す「N35.666、E139.766」を関連付けてメモリに格納される。そして、主制御部は、メモリの災害情報に含まれる災害の種別「earthquake」と、その程度「4」という情報に応じて、メモリに格納されているテーブルの検索処理を実行し、該当する移動手段をメモリに格納する。移動手段には、それぞれ識別情報が付されており、該当する識別情報(例えば自転車を示す「bicycle」)をルーティングに利用する移動手段情報をメモリの格納すべきアドレスに書き込む。このほか、主制御部は、入力部や位置情報取得部などから取得するナビゲーション条件についても同様にメモリの所定領域に格納する。また、主制御部は、記録媒体の所定領域に格納されている地図情報についてもメモリの所定領域に格納する。そして、主制御部はメモリに格納した情報を読み出して最適なルーティングを決定するための演算処理を実行し、その結果をメモリの所定領域に格納する。そして、主制御部は、記録媒体に記録されている地図上に、ルーティング経路を出力して表示させるための命令を表示ドライバに対して出力し、表示ドライバがディスプレイを制御してルーティング結果を表示する。
【0025】
<実施形態1の効果>
実施形態1のナビゲーション装置は、災害情報に応じた移動手段を選択し、選択された移動手段や災害情報や目的地情報などを利用してルーティングをすることにより、目的地への最適なルーティングを行うことが可能となる。
【0026】
<<実施形態2>>
<実施形態2の概要>
実施形態2は、実施形態1と同様に災害情報を取得した場合に適切なルーティングを行うナビゲーション装置に関するものであるが、さらに災害情報に応じた地図記号を表示することが可能な点が特徴である。
【0027】
<実施形態2の構成>
図8に本実施形態における機能ブロックの一例を示す。図8に示す本実施形態の「ナビゲーション装置」(800)は、「ナビゲーション条件入力部」(801)と、「災害情報取得部」(802)と、「移動手段選択部」(803)と、「地図データベース部」(804)と、「ルーティング部」(805)と、「表示部」(806)と、を有する。地図データベース部804は、「第一地図記号蓄積手段」(807)を有する。表示部806は、「第一地図記号選択手段」(808)を有する。「第一地図記号蓄積手段」(807)と、「第一地図記号選択手段」(808)と、を除く各構成については実施形態1で説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0028】
地図データベース部の第一地図記号蓄積手段807は、災害情報に応じた地図記号を蓄積する。地図記号には、一般的な地図に用いられている国土地理院が定めている地図記号のほか、独自の地図記号が含まれる。また、建物の名称や、「公園」などの総称などの文字情報のほか、これらを視覚的に表示するためのアイコンなども地図記号に含まれる。あるいは、所定の色彩を付したエリア(例えば、公園ならば緑色)を地図記号としてもよい。また、地図記号は静的なものでなくてもよく、例えば点滅したり、その建物などの名称とアイコンが交互に表示される状態も地図記号に含まれる。「災害情報に応じた地図記号」とは、例えば緊急避難用の場所を示すための地図記号として「避」のマークや、支援物資などが保管されている場所を示すための地図記号としての「支」のマークや、これらを視覚的に表現したアイコンなどのことである。なお、実施形態1で説明したように、地図データベース部は、外部のサーバ装置にあってもよいため、第一地図記号蓄積手段に関しても同様に外部のサーバ装置にあってもよく、その外部サーバ装置からに蓄積されている情報を取得可能な構成となっていてもよい(以下、本明細書中の地図データベース部に含まれている構成手段に関しても同様である)。
【0029】
表示部の第一地図記号選択手段808は、取得した災害情報に応じて第一地図記号蓄積手段に蓄積されている地図記号を選択する。すなわち、本実施形態のナビゲーション装置は、災害情報に応じて地図記号を選択して表示するものである。「災害情報に応じて」とは、取得した災害情報の種類・程度などによって表示される地図記号が異なることを意味している。例えば、地震が発生した場合には、地図情報などを参照して、公園などの避難場所を示す地図記号「避」を選択して表示する。一方で、例えば台風が発生した場合には、地図情報などを参照して河川近辺の公園については、浸水するなどの危険性があり、避難場所には適していないため、地震が発生した場合に「避」の地図記号を表示する公園であっても、台風が発生した場合には、その公園には「避」の地図記号は表示されないことになる。このほか、台風や地震が同時に発生しているような複数の災害が発生している場合には、複数の災害情報のいずれにも応じて表示され得る避難場所についてのみ「避」という地図記号を表示させてもよい。また、ルーティングを行う場合にも、当該災害情報に基づく地図記号が表示されている場所(例えば避難場所としての「避」の地図記号が表示されている場所)を優先的に経由しながらルーティングを行ってもよいし、あるいは、当初の目的地を、その災害情報に基づく地図記号が表示されている場所に変更してルーティングを行ってもよい。図9は、災害情報に応じて地図記号を選択して表示した表示例を示す図である。図9(a)は通常のルーティングを行った結果のナビゲーション画面を表示している。そして、図9(b)は、災害が発生したとの災害情報を取得して、その災害情報に応じて地図記号を選択して表示した例を示している。図9(b)においては、公園や高等学校に関する地図記号が、「避」という地図記号に変更されて表示されている。また、図9(b)では、支援物資などが保管されている場所を示すために、図9(a)では、表示されていなかったコンビニについても地図記号として選択されて表示されている。なお、図9においては、地図記号は変更して表示するものとして説明を行ったが、通常の地図記号と併記して表示してもよい。また、その避難場所でどのような避難が可能であるかを容易に利用者が把握できるようにするため、例えば「食料」、「寝具」、「トイレ」などの避難場所に保管されている物資、設備等を地図記号として表示することもできる。
【0030】
<実施形態2の処理の流れ>
図10は、実施形態2におけるナビゲーション装置の処理の流れの一例を示すものである。S1005までの処理の流れについては、実施形態1で説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。S1006においては、S1002にて取得した災害情報に応じて地図記号を選択してルーティング結果を地図上に表示する。なお、ルーティング結果については、必ずしも災害情報に応じた地図記号と同時に表示されなくてもよい。例えば、災害情報に応じた地図記号を表示させる処理をルーティング処理の前に行い、その後にルーティングの演算処理などを実施して、その結果を表示させるとしてもよい。この場合には、ルーティング演算を行う前に地図記号を表示することが可能となるため、利用者にとっては利便性が向上する。
【0031】
<実施形態2の具体的構成態様>
図11は、実施形態2における具体的な構成態様の一例を示す図である。ナビゲーション装置は、第一地図記号蓄積手段としての記録媒体1104や、第一地図記号選択手段としての主制御部1105、メモリ1106などを有している。これらを除く各構成については実施形態1で説明したものと同様である。以下、実施形態2の特徴部分の具体的な動作について説明をする。主制御部は、無線部を介して取得した災害情報をメモリの所定領域に一時的に格納する。そして、主制御部は、その災害情報に応じた地図記号を、記録媒体を検索することで抽出し、その抽出した地図記号をメモリの所定領域に格納するための命令を出力する。そして、ルーティング結果を表示する際に、メモリに格納した地図記号を利用して表示するための命令を出力する。一例としては、地図記号にIDが付されており、その地図記号を表示するためのリンク先アドレスを前記格納したメモリのアドレスに書き換えることで、災害情報に応じた地図記号を表示させることができる。
【0032】
<実施形態2の効果>
実施形態2のナビゲーション装置は、災害情報に応じた地図記号を地図上に表示することを可能としたため、災害が発生した場合の避難場所や支援物資などを供給する場所を利用者が容易に把握することができるようになる。また、災害情報に応じて異なる地図記号を表示することが可能となるため、様々な災害が発生した場合であってもその災害に応じて最適な地図記号を表示することができ、利用者の安全性などを向上させることが可能となる。
【0033】
<<実施形態3>>
<実施形態3の概要>
実施形態3は、実施形態2と異なり、移動手段に応じた地図記号を地図上に表示することを特徴とするものである。
【0034】
<実施形態3の構成>
図12に本実施形態における機能ブロックの一例を示す。図12に示す本実施形態の「ナビゲーション装置」(1200)は、「ナビゲーション条件入力部」(1201)と、「災害情報取得部」(1202)と、「移動手段選択部」(1203)と、「地図データベース部」(1204)と、「ルーティング部」(1205)と、「表示部」(1206)と、を有する。地図データベース部1204は、「第二地図記号蓄積手段」(1207)を有する。表示部1206は、「第二地図記号選択手段」(1208)を有する。「第二地図記号蓄積手段」(1207)と、「第二地図記号選択手段」(1208)と、を除く各構成については実施形態1で説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0035】
地図データベース部の第二地図記号蓄積手段1208は、移動手段に応じた地図記号を蓄積する。「移動手段に応じた地図記号」とは、例えば、移動手段として電車が利用可能である場合には、駅(地下鉄を含む)の入口を示す地図記号であったり、移動手段として自動車が利用可能である場合には利用可能な基幹道路を示す地図記号のことなどである。また、例えば移動手段としてボートが利用可能である場合には、その発着場に関する地図記号や、移動手段として自転車が利用可能である場合には空気入れやパンクに備えて自転車屋を示す地図記号も含まれる。
【0036】
表示部の第二地図記号選択手段1208は、選択した移動手段に応じて第二地図記号蓄積手段に蓄積されている地図記号を選択する。すなわち、本実施形態のナビゲーション装置は、移動手段に応じて地図記号を選択して表示するものである。「移動手段に応じて」とは、災害情報に応じて選択された移動手段によって表示される地図記号が異なることを意味している。図13は、移動手段に応じて地図記号を選択して表示した表示例を示す図である。図13(a)は、移動手段として徒歩及び地下鉄が選択された場合の地図記号の表示例を示した図である。図13(a)においては、地下鉄の利用を容易に行えるように、ルーティング結果として表示される地下鉄への入口のほか、その近辺の地下道への入口を全て表示しているものである。一方、図13(b)は、移動手段として自転車が選択された場合の地図記号の表示例を示した図である。図13(b)においては、地下鉄を利用することはないため、図13(a)で示すような地下鉄への入口表示は行われていない。図13(b)では、移動手段が自転車であるため、自転車屋を地図記号として表示したり、コンビニを地図記号として表示している。また、自動車の交通量が少なく、幅がある程度あって自転車が走行しやすい道路に関する情報を、地図情報などを参照して取得して、自転車が通行しやすい道路と判断して強調表示(図では太線)を行っている。
【0037】
<実施形態3の処理の流れ>
図14は、実施形態3におけるナビゲーション装置の処理の流れの一例を示す図である。S1405までの処理の流れについては、実施形態1で説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。S1406においては、S1403にて選択された移動手段に応じて蓄積されている地図記号を選択してルーティング結果を地図上に表示する。なお、ルーティング結果については、必ずしも移動手段に応じた地図記号と同時に表示されなくてもよい。例えば、移動手段に応じた地図記号を表示させる処理をルーティング処理の前に行い、その後にルーティングの演算処理などを実施して、その結果を表示させるとしてもよい。この場合には、ルーティング演算を行う前に地図記号を表示することが可能となるため、利用者にとっては利便性が向上する。
【0038】
<実施形態3の具体的構成態様>
実施形態3における具体的な構成態様については、実施形態2で説明した図11の第一地図記号蓄積手段を第二地図記号蓄積手段に、第一地図記号選択手段を第二地図記号選択手段に、それぞれ置き換えたものと同様の構成をとることができるため、ここでの説明は省略する。
【0039】
<実施形態3の効果>
実施形態3のナビゲーション装置は、移動手段に応じた地図記号を地図上に表示することを可能としたため、有益な情報を利用者に提供することが可能となる。また、移動手段に応じて異なる地図記号を表示することが可能となるため、災害が発生した場合に移動手段によってそれぞれ異なる避難地域を表示させることも可能となるため、避難場所などを意図的に分散させることが可能となるため、避難時に混乱が発生することを防止することができる。
【0040】
<<実施形態4>>
<実施形態4の概要>
実施形態4は、利用者が携行品などに関する情報を入力した場合に、既に準備済みの携行品に関しては、その携行品を供給する支援ポイントを経由しないようにルーティングを行うナビゲーション装置に関するものである。
【0041】
<実施形態4の構成>
図15に本実施形態における機能ブロックの一例を示す。図15に示す本実施形態の「ナビゲーション装置」(1500)は、「ナビゲーション条件入力部」(1501)と、「災害情報取得部」(1502)と、「移動手段選択部」(1503)と、「地図データベース部」(1504)と、「ルーティング部」(1505)と、「表示部」(1506)と、を有する。地図データベース部1504は、「移動支援ポイント情報蓄積手段」(1507)を有する。ナビゲーション条件入力部1501は、「携行品情報入力手段」(1508)を有する。ルーティング部1505は、「携行品依存ルーティング手段」(1509)を有する。「移動支援ポイント情報蓄積手段」(1507)と、「携行品情報入力手段」(1508)と、「携行品依存ルーティング手段」(1509)と、を除く各構成については実施形態1で説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。また、実施形態2又は3を基本として「移動支援ポイント情報蓄積手段」(1507)と、「携行品情報入力手段」(1508)と、「携行品依存ルーティング手段」(1509)と、を有する構成をとってもよい。
【0042】
地図データベース部の移動支援ポイント情報蓄積手段1507は、地図上の移動支援ポイントと、その移動支援ポイントにて供給される予定の支援物資とを関連付けた移動支援ポイント情報を蓄積する。地図上の移動支援ポイントとは、支援物資を供給する地点のことであり、具体的には公園、学校、コンビニ、ガソリンスタンドなどが挙げられる。支援物資とは、例えば水、食料、ガソリンなどの携行品のほか、寝具や暖房機器などが含まれる。図16は、移動支援ポイントと、その移動支援ポイントにて供給される予定の支援物資とを関連付けた移動支援ポイント情報の一例を示した図である。図16では、例えば移動支援物資ポイントとしての学校においては、水や食料が支援物資として供給される予定となっている。なお、図16では、一般的な施設などにおいて供給される予定の支援物資を移動支援ポイント情報として蓄積している例を示しているが、個々の施設毎にカスタマイズされた情報を蓄積していてもよい。例えば、「○×小学校」では、水、食料のほかにも、寝具や暖房機器などを供給予定である一方、「△○中学校」では、水のみが供給予定であるといったように、個別具体的な情報を移動支援ポイント情報として蓄積することも可能である。
【0043】
ナビゲーション条件入力部の携行品情報入力手段1508は、水・食料など移動に際して準備済みの携行品の種類を示す情報である携行品情報を入力する。携行品としては、水・食料のほか、例えばガソリンや雨具、靴、時計、ラジオ、電池、懐中電灯などが挙げられる。そして、利用者が既に準備済みの携行品の種類を示す情報を入力することで、後述するように、その入力した情報に基づいてルーティング処理が行われる。
【0044】
ルーティング部の携行品依存ルーティング手段1509は、蓄積されている移動支援ポイント情報と、入力された携行品情報にも基づいてルーティングを行なうためのものである。移動支援ポイント情報と携行品情報に基づいてルーティングを行うとは、例えば入力された携行品を供給する支援物資ポイントの経由を必須としないルーティングを行うことが挙げられる。この場合には、一の支援物資ポイントに利用者が殺到するという事態を避けることができる。このほか、逆に、例えば入力された携行品以外の携行品を供給する移動支援ポイントを積極的に経由するようにルーティングを行ってもよい。
【0045】
<実施形態4の処理の流れ>
図17は、実施形態4における処理の流れの一例を示す図である。S1701にて、目的地情報を含むナビゲーション条件を入力する。そして、S1702にて、携行品情報を入力する。その後、実施形態1と同様に災害情報を取得し(S1703)、移動手段を選択し(S1704)、地図情報を取得する(S1705)。そして、S1706にて、目的地情報と、選択された移動手段と、地図情報と、災害情報と、携行品情報と、移動支援ポイント情報と、を利用してルーティングを行う。図18は、S1706を細分化した処理の流れを示している。まず、目的地情報を取得し(S1801)、携行品情報を取得する(S1802)。そして、S1802にて取得した携行品情報に基づいて不足携行品があるかを判断する(S1803)。S1803では、例えば災害情報と、その災害情報に必要な携行品情報とを関連付けたテーブルを参照するなどして不足携行品があるかの判断を行う。そして、S1803にて、不足携行品があると判断した場合には、S1804へ進み、不足携行品を供給する移動支援ポイントを経由するようにルーティングをする。一方、S1803にて、不足携行品がないと判断した場合には、S1805へ進み、実施形態1などと同様に目的地へのルーティングをする。
【0046】
<実施形態4の具体的構成態様>
図19は、実施形態4における具体的な構成態様の一例を示す図である。ナビゲーション装置は、移動支援ポイント蓄積手段としての記録媒体1904や、携行品情報入力手段としての入力部1903や、携行品依存ルーティング手段としての主制御部1905、メモリ1906などを有している。これらを除く各構成については実施形態1で説明したものと同様である。以下、実施形態4の特徴部分の具体的な動作について説明をする。主制御部は、ディスプレイに所定のGUIを表示される命令を出力して、利用者からの携行品情報の入力を受付可能な状態にする。そして、入力部からの携行品情報の入力があった場合には、主制御部は、その携行品情報をメモリの所定領域に格納する。そして、主制御部は、携行品に不足があるかを、他のメモリ領域に格納されている災害情報などのテーブルを参照して判断する。携行品に不足がある場合には、主制御部は、記録媒体から移動支援ポイント情報をメモリに一時的に読み出す。そして、主制御部は、不足分の携行品を供給する移動支援ポイントを経由するように、ルーティングの演算処理を行う。
【0047】
<実施形態4の効果>
実施形態4のナビゲーション装置は、移動に際して準備済みの携行品についての情報を入力することによって、その携行品を供給する移動支援ポイントを経由しないでルーティングを行うことが可能となるため、一の移動支援ポイントに利用者が殺到する事態を避けることができ、避難時の混乱を防止することが可能となる。このため、ルーティングを行う際の実用性を高めることができる。また、準備済みの携行品についての情報を入力することによって、準備が不足している携行品についての情報を取得することが可能となるため、不足分の携行品を供給予定の移動支援ポイントを経由するようにルーティングを行うことも可能となる。
【0048】
<<実施形態5>>
<実施形態5の概要>
実施形態5は、実施形態4で説明したナビゲーション装置であって、さらに準備済みの携行品や支援物資によって地図上に表示される地図記号が異なる点が特徴である。
【0049】
<実施形態5の構成>
図20に本実施形態における機能ブロックの一例を示す。図20に示す本実施形態の「ナビゲーション装置」(2000)は、「ナビゲーション条件入力部」(2001)と、「災害情報取得部」(2002)と、「移動手段選択部」(2003)と、「地図データベース部」(2004)と、「ルーティング部」(2005)と、「表示部」(2006)と、を有する。地図データベース部2004は、「移動支援ポイント情報蓄積手段」(2007)と、「第三地図記号蓄積手段」(2010)と、を有する。ナビゲーション条件入力部2001は、「携行品情報入力手段」(2008)を有する。ルーティング部2005は、「携行品依存ルーティング手段」(2009)を有する。表示部2006は、「第三地図記号選択手段」(2011)を有する。「第三地図記号蓄積手段」(2010)と、「第三地図記号選択手段」(2011)と、を除く各構成については実施形態4で説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0050】
地図データベース部の第三地図記号蓄積手段2010は、支援物資に応じた地図記号を蓄積する。支援物資に応じた地図記号とは、例えば水を供給可能な公園などについては「水」、食料を供給可能なスーパーなどについては「食」というように、供給する支援物資を示す地図記号のことである。
【0051】
表示部の第三地図記号選択手段2011は、携行品依存ルーティング手段2009によるルーティングの結果に応じて第三地図記号蓄積手段に蓄積されている地図記号を選択する。すなわち、本実施形態のナビゲーション装置は、準備済みの携行品に応じて地図記号を選択して表示するものである。図21は、準備済みの携行品があるか否かによって表示される地図記号が異なる例を示す図である。図21(a)は、災害が発生していない状態の地図記号を示している。そして、災害が発生した場合において、準備済みの携行品を何も有していないとの携行品情報が入力された場合には、図21(b)で示すように、例えば公園が水を供給する移動支援ポイントであることを示すように公園の地図記号が変更されたり、スーパーが食料を供給する移動支援ポイントであることを示すようにスーパーの地図記号が変更される。これに対して、準備済みの携行品として水を有していることを携行品情報として入力した場合には、図21(c)で示すように、水については準備済みであると判断して、公園の地図記号が、「水」ではなく、単に避難場所を示す「避」という地図記号に変更される。なお、図示していないが、例えば水と食料の両方を供給可能な場所を示す場合には、これらの地図記号を縮小して併記するように表示してもよい。あるいは、地図記号を表示する際の色を変えたり、アイコンを動的に変化させるなどして複数の支援物資を供給可能な場所であることを表示してもよい。
【0052】
<実施形態5の処理の流れ>
図22は、実施形態5における処理の流れの一例を示す図である。S2206までの処理の流れについては実施形態4で説明したものと同様である。S2207においては、携行品情報に依存したルーティングの結果に応じて蓄積されている地図記号を選択して、ルーティング結果を地図上に表示する。
【0053】
<実施形態5の具体的構成態様>
図23は、実施形態5における具体的な構成態様の一例を示す図である。ナビゲーション装置は、第三地図記号蓄積手段としての記録媒体2304や、第三地図記号選択手段としての主制御部2305、メモリ2306などを有している。これらの除く各構成については実施形態4で説明したものと同様である。以下、実施形態5の特徴部分の具体的な動作について説明をする。主制御部は、携行品入力情報に基づいてメモリに格納されている不足している携行品についての情報を所定のメモリ領域に格納する。そして、不足分の携行品についての情報と、記録媒体から一時的にメモリに読み出した地図記号とを比較する。そして、主制御部は、不足分の携行品を示す地図記号を検出した場合には、その地図記号を表示するための命令を出力する。一例としては、地図記号を表示するためのリンク先アドレスを不足分の携行品を表示するための地図記号を格納したメモリのアドレスに書き換えることで、携行品情報に応じた地図記号を表示することができる。
【0054】
<実施形態5の効果>
実施形態5のナビゲーション装置は、支援物資に応じた地図記号を蓄積しており、準備済みの携行品に応じて地図記号が変更されるため、避難場所にてどのような支援物資が供給されるかが容易に把握することができ、利用者にとって利便性が向上する。
【0055】
<<実施形態6>>
<実施形態6の概要>
実施形態6は、気象情報を取得して、その気象情報にも基づいてルーティングを行うナビゲーション装置に関するものである。
【0056】
<実施形態6の構成>
図24に本実施形態における機能ブロックの一例を示す。図24に示す本実施形態の「ナビゲーション装置」(2400)は、「ナビゲーション条件入力部」(2401)と、「災害情報取得部」(2402)と、「移動手段選択部」(2403)と、「地図データベース部」(2404)と、「ルーティング部」(2405)と、「表示部」(2406)と、を有する。災害情報取得部2402は、「気象情報取得手段」(2407)を有する。ルーティング部2405は、「気象情報依存ルーティング手段」(2408)を有する。「気象情報取得手段」(2407)と、「気象情報依存ルーティング手段」(2408)と、を除く各構成については実施形態1で説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0057】
災害情報取得部の気象情報取得手段2407は、気象情報を取得するものである。気象情報の取得方法は災害情報取得部と同様に、放送波や無線通信によって取得することができる。気象情報は、天候、風力、気温、などの情報であり、ルーティングを行う際に利用される情報であるため、各地域に特化されている情報であることが望ましい。ルーティング部の気象情報依存ルーティング手段2408は、さらに取得した気象情報にも基づいてルーティングを行うためのものである。気象情報にも基づいてルーティングを行うことによって、より安全性の高いルーティングを実現することができる。例えば、火災が発生した場合には、その広がりの予測を行ったり、あるいは、浸水時間の予測を行ったりすることができるからである。
【0058】
<実施形態6の処理の流れ>
図25は、実施形態5における処理の流れの一例を示す図である。S2503までの処理の流れについては実施形態1で説明したものと同様である。S2504にて、気象情報を取得する。そして、S2505にて地図情報を取得する。そして、S2506にて、目的地情報と、選択された移動手段と、地図情報と、災害情報と、気象情報とを利用してルーティングをする。そして、S2506にて、ルーティング結果を地図上に表示する。
【0059】
<実施形態6の具体的構成態様>
図26は、実施形態6における具体的な構成態様の一例を示す図である。ナビゲーション装置は、気象情報取得手段としての通信部2601、通信制御部2602や、気象情報依存ルーティング手段としての主制御部2605、メモリ2606などを有している。これらを除く各構成については実施形態1で説明したものと同様である。以下、実施形態6の特徴部分の具体的な動作について説明する。主制御部は、無線部を介して取得した気象情報をメモリの所定領域に一時的に格納する。そして、主制御部は、ルーティング演算を行う際に、当該メモリに格納されている気象情報をも利用してルーティング処理を行う。例えば、災害情報が火災である場合において、風力が強いという気象情報がメモリに格納されている場合には、その風下のエリアについては、危険エリアとしてルーティング対象から除いて演算処理を行う。
【0060】
<実施形態6の効果>
実施形態6のナビゲーション装置は、気象情報にも基づいてルーティングを行うことにより、より安全性の高いルーティングを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】実施形態1を説明するための概念図
【図2】実施形態1を説明するための機能ブロック図
【図3】災害情報と、移動手段情報とを関連付けたテーブルの一例を示す図
【図4】実施形態1のルーティング結果の表示例を示す図
【図5】実施形態1の処理の流れの一例を示す図
【図6】実施形態1の他の処理の流れの一例を示す図
【図7】実施形態1の具体的構成態様の一例を示す図
【図8】実施形態2を説明するための機能ブロック図
【図9】実施形態2の災害情報に応じて地図記号が選択された場合の表示例を示す図
【図10】実施形態2の処理の流れの一例を示す図
【図11】実施形態2の具体的構成態様の一例を示す図
【図12】実施形態3を説明するための機能ブロック図
【図13】実施形態3の移動手段に応じて地図記号が選択された場合の表示例を示す図
【図14】実施形態3の処理の流れの一例を示す図
【図15】実施形態4を説明するための機能ブロック図
【図16】実施形態4の移動支援ポイントと、支援物資とを関連付けたテーブルの一例を示す図
【図17】実施形態4の処理の流れの一例を示す図
【図18】実施形態4の不足携行品に関する部分の処理の流れの一例を示す図
【図19】実施形態4の具体的構成態様の一例を示す図
【図20】実施形態5を説明するための機能ブロック図
【図21】実施形態5の支援物資に応じて地図記号が選択された場合の表示例を示す図
【図22】実施形態5の処理の流れをの一例を示す図
【図23】実施形態5の具体的構成態様の一例を示す図
【図24】実施形態6を説明するための機能ブロック図
【図25】実施形態6の処理の流れの一例を示す図
【図26】実施形態6の具体的構成態様の一例を示す図
【符号の説明】
【0062】
200 ナビゲーション装置
201 ナビゲーション条件入力部
202 災害情報取得部
203 移動手段選択部
204 地図データベース部
205 ルーティング部
206 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地情報を含むナビゲーション条件を入力するためのナビゲーション条件入力部と、
災害情報を取得する災害情報取得部と、
災害情報と、移動手段情報とを関連付けたテーブルから、前記取得した災害情報に応じて移動手段を選択する移動手段選択部と、
地図情報を蓄積した地図データベース部と、
目的地情報と、選択された移動手段と、地図情報と、災害情報と、を利用してルーティングするルーティング部と、
ルーティング結果を地図上に表示する表示部と、
を有するナビゲーション装置。
【請求項2】
地図データベース部は、
災害情報に応じた地図記号を蓄積する第一地図記号蓄積手段を有し、
表示部は、
取得した災害情報に応じて第一地図記号蓄積手段に蓄積されている地図記号を選択する第一地図記号選択手段を有する請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
地図データベース部は、
移動手段に応じた地図記号を蓄積する第二地図記号蓄積手段を有し、
表示部は、
選択した移動手段に応じて第二地図記号蓄積手段に蓄積されている地図記号を選択する第二地図記号選択手段を有する請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
地図データベース部は、地図上の移動支援ポイントと、その移動支援ポイントにて供給される予定の支援物資とを関連付けた移動支援ポイント情報を蓄積する移動支援ポイント情報蓄積手段を有し、
ナビゲーション条件入力部は、水・食料など移動に際して準備済みの携行品の種類を示す情報である携行品情報を入力する携行品情報入力手段を有し、
ルーティング部は、蓄積されている移動支援ポイント情報と、入力された携行品情報にも基づいてルーティングを行なうための携行品依存ルーティング手段を有する請求項1から3のいずれか一に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
地図データベース部は、
支援物資に応じた地図記号を蓄積する第三地図記号蓄積手段を有し、
表示部は、
前記携行品依存ルーティング手段によるルーティングの結果に応じて第三地図記号蓄積手段に蓄積されている地図記号を選択する第三地図記号選択手段を有する請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
災害情報取得部は、気象情報を取得する気象情報取得手段を有し、
ルーティング部は、さらに取得した気象情報にも基づいてルーティングを行なうための気象情報依存ルーティング手段を有する請求項1から5のいずれか一に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
地図情報を蓄積した地図データベースを利用可能なナビゲーション装置の動作方法であって、
目的地情報を含むナビゲーション条件を入力するためのナビゲーション条件入力ステップと、
災害情報を取得する災害情報取得ステップと、
災害情報と、移動手段情報とを関連付けたテーブルから、前記取得した災害情報に応じて移動手段を選択する移動手段選択ステップと、
目的地情報と、選択された移動手段と、地図情報と、災害情報と、を利用してルーティングするルーティングステップと、
ルーティング結果を地図上に表示する表示ステップと、
を有するナビゲーション装置の動作方法。
【請求項8】
前記利用可能な地図データベースは、災害情報に応じた地図記号を蓄積する第一地図記号蓄積手段を有し、
表示ステップは、
取得した災害情報に応じて第一地図記号蓄積手段に蓄積されている地図記号を選択する第一地図記号選択ステップを有する請求項7に記載のナビゲーション装置の動作方法。
【請求項9】
前記利用可能な地図データベースは、移動手段に応じた地図記号を蓄積する第二地図記号蓄積手段を有し、
表示ステップは、
選択した移動手段に応じて第二地図記号蓄積手段に蓄積されている地図記号を選択する第二地図記号選択ステップを有する請求項7に記載のナビゲーション装置の動作方法。
【請求項10】
前記利用可能な地図データベースは、地図上の移動支援ポイントと、その移動支援ポイントにて供給される予定の支援物資とを関連付けた移動支援ポイント情報を蓄積する移動支援ポイント情報蓄積手段を有し、
ナビゲーション条件入力ステップは、水・食料など移動に際して準備済みの携行品の種類を示す情報である携行品情報を入力する携行品情報入力ステップを有し、
ルーティングステップは、蓄積されている移動支援ポイント情報と、入力された携行品情報にも基づいてルーティングを行なうための携行品依存ルーティングステップを有する請求項7から9のいずれか一に記載のナビゲーション装置の動作方法。
【請求項11】
前記利用可能な地図データベースは、支援物資に応じた地図記号を蓄積する第三地図記号蓄積手段を有し、
表示ステップは、
前記携行品依存ルーティングステップの実行によるルーティングの結果に応じて第三地図記号蓄積手段に蓄積されている地図記号を選択する第三地図記号選択ステップを有する請求項10に記載のナビゲーション装置の動作方法。
【請求項12】
災害情報取得ステップは、気象情報を取得する気象情報取得ステップを有し、
ルーティングステップは、さらに取得した気象情報にも基づいてルーティングを行なうための気象情報依存ルーティングステップを有する請求項7から11のいずれか一に記載のナビゲーション装置の動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2007−248163(P2007−248163A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−70008(P2006−70008)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】