説明

ナビゲーション装置

【課題】カメラなどの撮像機能を有するナビゲーション装置において、撮像機能を用いて撮影した画像データと撮像された被写体の位置情報を関連付けて保存する。
【解決手段】ナビゲーション装置1は、装置の向いている方位を検出する方位検出手段15と、撮影する被写体までの距離を検出する被写体距離検出手段19と、被写体位置算出手段20と、撮影手段が撮影した画像データを画像ファイルとして記憶する画像ファイル記憶手段18と、を備え、撮影手段14により被写体が撮影される際に調整された焦点距離に基づいて被写体距離検出手段19は被写体までの距離を検出し、被写体位置算出手段20は、被写体までの距離と方位検出手段15が検出した方位と現在位置検出手段11が検出した方位とに基づいて被写体の位置を特定し、画像ファイル記憶手段18は被写体の画像データと該被写体の位置情報とを対応付けて画像ファイルを記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラなどの撮影手段を備え、カメラによって撮影した画像データをその位置情報を関連付けて記憶するようにしたナビゲーション装置に関するものであり、特に、撮影位置から被写体までの距離と方位を検出して、撮影した被写体の位置情報を取得し、撮影した画像データに被写体の位置情報を適切に関連付けて記憶できるようにしたナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等で道路を走行する場合に、目的地にいたるまで現在位置を求め、表示画面上に道路地図とともに現在位置を表示し、ユーザが道に迷うことなく目的地に到達できるように誘導する車載用のナビゲーション装置が知られている。また、携帯電話などの携帯端末装置を用いた歩行者用ナビゲーションシステムも提供されている。このナビゲーションシステムは携帯端末装置と経路探索サーバとから構成された通信型のナビゲーションシステムである。
【0003】
このようなナビゲーションシステムに用いられる携帯端末装置や、ナビゲーション装置においては、現在位置を測定するために、人工衛星を利用したGPS(Global Positioning System)測位システムが用いられる。GPS測位システムは、地球上空を周回している複数の人工衛星からの電波を受信し、受信データを演算処理することによって現在位置を特定するものである。
【0004】
GPSによって特定された現在位置は、ナビゲーション装置の地図記憶手段等に記憶されている地図データと比較され、例えば現在位置から最も近い道路にマッチング処理を行い、この位置がマッチング処理された現在位置として表示画面に表示される。これにより、GPS測位に僅かな誤差があるような場合でも現在地を道路上に修正し違和感のない表示を行うことが可能となる。
【0005】
また、ナビゲーション装置として、ユーザによって指定された出発地から目的地までの経路探索を行って案内経路を表示画面に表示し、測位された現在位置をこの案内経路と比較してマッチング処理を行うものもある。
【0006】
最近ではナビゲーション装置も多機能化し、音楽プレーヤー、DVDプレーヤー、アナログ放送やデジタル放送に対応したテレビジョン受信機などの各種の機能を複合して有するナビゲーション装置も提供されている。このようなナビゲーション装置として例えばカメラを備え、車両の前方や後方の画像を撮影できるようにした車載用ナビゲーション装置も考慮されている。このようなナビゲーション装置によれば、車間距離の測定などが可能であり、交通安全に資することができる。
【0007】
カメラを備えた車載用ナビゲーション装置を用いれば、車両による旅行中に記念になる写真を撮影することもできる。この時、ナビゲーション装置が備えている地図データベースやPOI(興味対象場所:Point of Interest)のデータベースから撮影地点を特定することができ、これを用いて撮影した画像ファイルを管理できると、後日のファイル整理が容易になる。
【0008】
このようなナビゲーション装置は、例えば、下記の特許文献1(特開平11−183996号公報)には、映像の撮影時にその地点の位置情報を主観的に把握することができるよう、位置情報を地図情報に置き換えて表示することができるようにした位置情報記録カメラ装置が開示されている。
【0009】
この特許文献1に開示された位置情報記録カメラ装置は、ナビゲーションカメラ装置を、ナビゲーション機能とカメラ機能との両方を有するように構成したものである。ナビゲーション機能時には、位置情報検出部が受信したGPS信号から制御部が現在地の緯度・経度を算出し、これらを位置情報として記憶部に記憶する。また、制御部は上記位置情報に基づき、上記位置情報に対応する地図情報ファイル名を記録・再生部から捜し出して記憶部に読み出す。次いで、読み出した地図情報ファイルの地図情報を表示部に表示する。カメラ機能時には、撮影した映像情報を位置情報と対応させて記録・再生部に記録し、その映像情報の再生時に、位置情報を地図情報に置き換えて映像情報を表示部に表示する。
【0010】
この位置情報記録カメラ装置は、位置情報と撮影した映像ファイル名とを対応させる情報を記録する領域である位置情報管理領域を有する。位置情報管理領域を設けることで、地図情報ファイルと、映像情報ファイルとを対応させ、一方から他方を読み出すことが容易になる。これにより、例えば、地図情報の表示からそれに対応する映像情報の表示への切換えを迅速に行うことができる。このような構成によれば、カメラで撮影した映像を撮影場所の位置情報とともに表示することができるようになる。
【0011】
また、下記の特許文献2(特開2004−159048号公報)には、撮像装置において、撮影時に撮影位置情報を画像データに付加することにより、撮影位置情報を用いた画像データ検索を容易にした撮像システムの発明が開示されている。この撮像システムは近距離無線通信機能を有する撮像装置で撮像した画像データを保存する際、同じく近距離無線通信機能を有し位置データ取得手段を持つ携帯端末から撮像時の位置情報を取得して画像データと位置情報を関連付けて保存するようにしたものである。
【特許文献1】特開平11−183996号公報
【特許文献2】特開2004−159048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記特許文献1に開示された位置情報記録カメラ装置あるいは特許文献2に開示された撮像システムによれば、カメラで被写体を撮影した画像データを保存する際、撮影した位置情報やその位置情報に基づく地図情報とを関連付けて保存することができるから、画像ファイルの取り出しや管理保存が容易になる。
【0013】
上記特許文献1や特許文献2において、位置情報はカメラによって撮影した地点の位置情報、すなわち、撮像装置が位置した地点の位置情報である。この場合、被写体が撮影地点の極近い周辺に存在するものである場合、位置情報を被写体の位置として近似しても不都合はない。
【0014】
しかしながら、撮像装置によって撮影する被写体が常に撮影地点に近い位置にあるとは限らない。例えば、カメラによって遠方の建造物や風景を撮影することはよくあることである。このように撮像装置から被写体までの距離が大きい場合、上記特許文献1や特許文献2の位置情報記録カメラ装置や撮像システムの発明に開示された技術を適用しても、画像データに関連付けされる位置情報は、被写体の位置情報ではなく、撮影した地点の位置情報ではないため、関連付けが適切になされないという問題点がある。
【0015】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、カメラ機能を有するナビゲーション装置において、カメラ機能により被写体を撮影した際に、オートフォーカス機能を利用して撮影されることに着目して、撮影時の焦点距離に基づいて被写体までの距離を算出するとともに、撮影位置における被写体の方位を検出して前記被写体までの距離と方位により被写体の推定位置を求め、その推定位置を画像データに関連付けるようになせば上記問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0016】
すなわち、本願は上記の問題点を解消することを課題とし、カメラなどの撮像機能を有するナビゲーション装置において、撮像機能を用いて撮影した画像データと撮像された被写体の位置情報を関連付けて保存できるようにしたナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、撮影手段と、撮影手段が撮影した画像データを記憶する画像ファイル記憶手段と、地図記憶手段と、地図画像を表示する表示手段と、を備えたナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、該ナビゲーション装置の向いている方位を検出する方位検出手段と、前記撮影手段が撮影する被写体までの距離を検出する被写体距離検出手段と、被写体位置算出手段と、前記撮影手段が撮影した画像データを画像ファイルとして記憶する画像ファイル記憶手段と、を備え、
前記撮影手段により被写体が撮影される際に調整された焦点距離に基づいて前記被写体距離検出手段は前記被写体までの距離を検出し、前記被写体位置算出手段は、前記被写体までの距離と前記方位検出手段が検出した方位と前記現在位置検出手段が検出した現在位置とに基づいて、前記被写体の位置を特定し、前記画像ファイル記憶手段は前記被写体の画像データと該被写体の位置情報とを対応付けた画像ファイルとして記憶することを特徴とする。
【0018】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置向きと前記撮影手段の光軸の向きが相違する場合、前記方位検出手段が検出した方位に基づいて前記撮影手段の光軸の向きを算出し、前記被写体の方位とすることを特徴とする。
【0019】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、地図データに基づいて出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段を備え、前記撮影手段により被写体を撮影した際、前記被写体の位置を目的地とし、前記経路探索手段は現在位置から前記目的地までの経路を探索して案内することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1にかかる発明においては、ナビゲーション装置は、該ナビゲーション装置の向いている方位を検出する方位検出手段と、前記撮影手段が撮影する被写体までの距離を検出する被写体距離検出手段と、被写体位置算出手段と、前記撮影手段が撮影した画像データを画像ファイルとして記憶する画像ファイル記憶手段と、を備え、
前記撮影手段により被写体が撮影される際に調整された焦点距離に基づいて前記被写体距離検出手段は前記被写体までの距離を検出し、前記被写体位置算出手段は、前記被写体までの距離と前記方位検出手段が検出した方位と前記現在位置検出手段が検出した現在位置とに基づいて、前記被写体の位置を特定し、前記画像ファイル記憶手段は前記被写体の画像データと該被写体の位置情報とを対応付けた画像ファイルとして記憶する。
【0021】
このような構成によれば、撮像機能を用いて撮影した画像データと撮像された被写体の位置情報を関連付けて保存することができるから、画像データのファイル名を撮影地点の位置ではなく被写体の位置情報と関連付けて画像データを管理することができ、現在位置から離れた位置の被写体を撮影した画像データであることを識別し得るようになる。また、後日に大量の画像データを整理したり、所望の画像データを選択したりする場合に旅行の記憶などをたよりに容易に作業することができるようになる。また、ユーザがナビゲーション装置1を用いて遠方の施設などを撮影し、その施設までの経路案内を要求して、撮影地点から当該施設(被写体)への経路を容易に知ることがきできるようになる。
【0022】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーション装置において、ナビゲーション装置向きと前記撮影手段の光軸の向きが相違する場合、前記方位検出手段が検出した方位に基づいて前記撮影手段の光軸の向きを算出し、前記被写体の方位とする。
【0023】
このような構成によれば、ビゲーション装置向きと前記撮影手段の光軸の向きを合わせる必要がなく、ナビゲーション装置における撮影手段の設置位置を自由に設定することができるようになる。
【0024】
請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーション装置において、ナビゲーション装置は、地図データに基づいて出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段を備え、前記撮影手段により被写体を撮影した際、前記被写体の位置を目的地とし、前記経路探索手段は現在位置から前記目的地までの経路を探索して案内する。
【0025】
このような構成によれば、ユーザがナビゲーション装置1を用いて遠方の施設などを撮影し、その施設までの経路案内を要求して、撮影地点から当該施設(被写体)への経路を容易に知ることがきできるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーション装置にも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0027】
図1は、本発明の実施例にかかる撮影手段を備えた車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は、カメラなどの撮像手段を備えた携帯電話などの携帯電子機器を端末装置として使用する通信型のナビゲーション装置であってもよく、自動車等の車両のダッシュボード上に載置されることにより車載用として使用されるカメラ付きナビゲーション装置のであってもよく、また、車両から取外されユーザが携帯し使用できるタイプのものであってもよい。以下の説明においては、これらを総称してナビゲーション装置1という。
【0028】
ナビゲーション装置1は、制御手段10、現在位置検出手段11、地図記憶手段12、経路探索手段13、CCDカメラなどからなる撮影手段14、方位検出手段15、入力手段16、表示手段17、画像ファイル記憶手段18、被写体距離検出手段19、被写体位置算出手段20を備える。
【0029】
制御手段10は、CPU、RAM、ROMからなるプロセッサで構成され、RAM、ROMに記録された制御プログラムに従ってナビゲーション装置1の各部の動作を制御する。現在位置検出手段11は、例えばGPS受信機等で構成され、地球上空を周回している複数のGPS衛星からの時刻情報を含む電波を受信し、それをもとに現在位置情報を算出するものである。
【0030】
さらに、現在位置検出手段11は距離センサや方位センサ(方位検出手段15)を使用するようにしてもよい。この場合、車両の走行距離と走行方位とをそれぞれ検出し、これらの値を基準位置に対して積算することによって現在位置を求める。この現在位置検出方法は、GPS受信と組み合わせることで、GPS電波を受信できないトンネル内や、誤差が生じやすい高層ビル街において効果を発揮する。方位検出手段15としては地磁気センサを用いることができる。
【0031】
地図記憶手段12は、各道路の交差点や分岐点などの結節点をノードとし、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路ノードデータと道路リンクデータを含む道路データを記憶する。道路ノードデータには、道路ノードの番号、位置座標、接続リンク本数、交差点名称などが含まれる。また、道路リンクデータには起点および終点となる道路ノードの番号、道路種別、リンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータにはさらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所などのデータが付与される。道路種別は、高速道路や有料道路の別および国道や都道府県道などの別を含む情報である。
【0032】
地図記憶手段12は、さらに海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データ、施設の位置、形状、名称を含む施設データからなる背景データを記憶している。
【0033】
また、地図記憶手段12には、道路データや背景データの他、地図画像を見やすく表示するためにベクター形式で記憶された地図画像データを含んでいてもよい。
【0034】
これらの道路データと背景データおよび地図画像データは、ナビゲーション装置1を使用する際に、ナビゲーション装置1の現在位置を含む所定範囲の地図が地図記憶手段12から抽出され、現在位置を示す現在位置マークや案内経路の画像が重ねあわされて表示手段17に表示される。
【0035】
経路探索手段13は、ユーザによって出発地や目的地が指定されると、地図記憶手段12に記憶されている道路データを参照し、出発地から目的地にいたる最適経路を探索し、案内経路データを作成するものである。この最適経路の探索は、現在位置またはユーザによって指定された出発地に対応する道路ノードからユーザによって指定された目的地に対応する道路ノードまでに至るリンクとノードをダイクストラ法などの各種の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間などを累積し、総リンク長または総所要時間などが最短となる経路を案内経路とし、当該経路に属する道路ノードやリンクを案内経路データとして提供するものである。
【0036】
撮影手段14は、CCDカメラなどから構成され、入力手段16に含まれる撮影ボタンを操作することによって周辺の画像など所望の画像を撮影する。撮影された画像データは画像ファイル記憶手段18にファイル名とともに記憶され、ユーザは画像ファイル記憶手段18きから所望の画像ファイルを取り出して、可搬型記憶媒体に転送し、その後可搬型記憶媒体をPCや印刷装置に接続して加工したり出力したりすることができる。
【0037】
撮影手段14は、一般的なカメラと同様にオートフォーカス機能を備えており、ユーザが撮影操作すると被写体までの距離に応じて自動的に焦点距離を決定し、被写体を撮影する。また、撮影手段14はマニュアル操作により被写体に対する焦点距離(ピント)を合わせる調整手段を備えていてもよい。
【0038】
被写体距離検出手段19は、撮影手段14により被写体までの焦点距離が決定されると、焦点距離に基づいて撮影位置(現在位置)から被写体までの距離を検出(算出)する。撮影時にはナビゲーション装置1は被写体の方向を向いており、方位検出手段15が検出した方位は、被写体の方位を示している。従って、被写体位置算出手段20は、被写体距離検出手段19により検出された被写体までの距離と、方位検出手段15が検出した方位(被写体の方位)と、ナビゲーション装置1の現在位置から被写体の位置を算出する。
【0039】
図2は撮影時のナビゲーション装置1の位置と被写体との関係を模式的に示す概念図である。ナビゲーション装置1は現在位置P1(例えば、浜松町)にあり、被写体O(例えば、東京タワー)を撮影する。現在位置検出手段11によって検出される現在位置P1の位置情報は、緯度・経度からなる座標(Xp,Yp)で表される。
【0040】
ナビゲーション装置1において撮影手段14を用いて被写体Oを撮影する際、現在位置検出手段11は現在位置P1の位置情報(Xp,Yp)を検出している。撮影手段14において被写体Oにフォーカスが合わせられると、被写体Oまでの焦点距離(f)がわかる。焦点距離(f)がわかれば、被写体距離検出手段19は、現在位置P1から被写体Oまでの直線距離Lを検出(算出)することができる。
【0041】
この時、方位検出手段15はナビゲーション装置1の向いている方位を検出している。従って、撮影手段14の光軸の向きがナビゲーション装置1の向いている方位と一致しているものとすれば、被写体位置算出手段20は、ナビゲーション装置1の現在位置P1(Xp,Yp)と、方位検出手段15が検出したナビゲーション装置1が向いている方位と、現在位置P1から被写体Oまでの直線距離Lとを用いて被写体Oの位置座標(Xo,Yo)を算出することができる。なお、撮影手段14の光軸の向きとナビゲーション装置1の向きとが所定の関係にある時はその関係を考慮した撮影手段14の光軸の向きを算出すればよい。
【0042】
撮影手段14が撮影した被写体O(東京タワー)の画像データは、画像ファイル記憶手段18に記憶されるが、この時、画像ファイル記憶手段18は、画像データと被写体Oの位置情報とを関連付けして記憶する。その際、被写体Oの位置情報に基づいて地図記憶手段12に記憶された地図データを参照し、被写体Oの位置に地点名称や施設名称の対応付けがあれば、位置情報とともにその地点名称や施設名称を被写体Oの名称と推定して対応付けてファイル名称とすることもできる。
【0043】
次に、本発明の実施例にかかるナビゲーション装置1の撮影時の動作手順を図3のフローチャートを参照して説明する。制御手段10は、撮影手段14であるカメラの起動(撮影指示)を検出し(ステップS101)、ステップS102でオートフォーカス機能あるいはマニュアル操作により被写体Oにピント調整されると、被写体距離検出手段19はステップS103の処理において被写体0までの焦点距離に基づいて、ナビゲーション装置1の現在位置P1から被写体までの距離Lを検出する(図2参照)。
【0044】
そして、方位検出手段15はナビゲーション装置1の向いている方位を検出し(ステップS104)、また、現在位置検出手段11はナビゲーション装置1の現在位置(Xp,Yp)を検出する(ステップS105)。ナビゲーション装置1の現在位置(Xp,Yp)および方位が検出されると、被写体位置算出手段20は、ビゲーション装置1の現在位置(Xp,Yp)および方位と、ステップS103の処理で検出した被写体までの距離Lと、に基づいて被写体Oの位置(Xo,Yo)を算出する(ステップS106)。
【0045】
以上の処理が終了すると、撮影手段14においてシャッターが作動され、被写体Oを撮影(撮像)する(ステップS107)。ステップS108の処理でナビゲーション装置1は、被写体Oの位置が特定できたか否かを判別する。被写体Oの位置が特定できなかった場合には画像データを画像ファイル記憶手段18に記憶するとともにエラー表示して(ステップS110)、処理を終了する。
【0046】
ステップS108の処理で被写体Oの位置が特定できた場合、画像ファイル記憶手段18は、撮影した画像データを保存する際、画像データと被写体位置情報を対応付けて保存し(ステップS109)、処理を終了する。この時、被写体Oの位置情報に基づいて地図記憶手段12に記憶された地図データを参照し、被写体Oの位置に地点名称や施設名称の対応付けがあれば、位置情報とともにその地点名称や施設名称を被写体Oの名称と推定して対応付けてファイル名称としてもよい。
【0047】
また、本実施例のナビゲーション装置1において、前述のようにして被写体の位置が算出された後、経路探索が要求された場合、経路探索手段13は、ナビゲーション装置1の現在位置(撮影地点)を出発地とし、被写体の位置を目的地として経路探索を行い、ユーザに被写体までの経路を案内する。このような構成によれば、ユーザがナビゲーション装置1を用いて遠方の施設などを撮影し、その施設までの経路案内を要求して、撮影地点から当該施設(被写体)への経路を容易に知ることがきできるようになる。
【0048】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかるナビゲーション装置1によれば、カメラなどの撮像機能を有するナビゲーション装置において、撮像機能を用いて撮影した画像データと撮像された被写体の位置情報を関連付けて保存することができるようになる。
【0049】
その結果、画像データのファイル名を撮影地点の位置ではなく被写体の位置情報と関連付けて画像データを管理することができ、現在位置から離れた位置の被写体を撮影した画像データであることを識別し得るようになる。また、後日に大量の画像データを整理したり、所望の画像データを選択したりする場合に旅行の記憶などをたよりに容易に作業することができるようになる。また、ユーザがナビゲーション装置1を用いて遠方の施設などを撮影し、その施設までの経路案内を要求して、撮影地点から当該施設(被写体)への経路を容易に知ることがきできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施例にかかる撮影手段を備えたナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】撮影時のナビゲーション装置の位置と被写体との関係を模式的に示す概念図である。
【図3】本発明の実施例にかかる撮影手段を備えたナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0051】
1: 車載用ナビゲーション装置
10: 制御手段
11: 現在位置検出手段
12: 地図記憶手段
13: 経路探索手段
14: 撮影手段
15: 方位検出手段
16: 入力手段
17: 表示手段
18: 画像ファイル記憶手段
19: 被写体距離検出手段
20: 被写体位置検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を検出する現在位置検出手段と、撮影手段と、撮影手段が撮影した画像データを記憶する画像ファイル記憶手段と、地図記憶手段と、地図画像を表示する表示手段と、を備えたナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、該ナビゲーション装置の向いている方位を検出する方位検出手段と、前記撮影手段が撮影する被写体までの距離を検出する被写体距離検出手段と、被写体位置算出手段と、前記撮影手段が撮影した画像データを画像ファイルとして記憶する画像ファイル記憶手段と、を備え、
前記撮影手段により被写体が撮影される際に調整された焦点距離に基づいて前記被写体距離検出手段は前記被写体までの距離を検出し、前記被写体位置算出手段は、前記被写体までの距離と前記方位検出手段が検出した方位と前記現在位置検出手段が検出した現在位置とに基づいて、前記被写体の位置を特定し、前記画像ファイル記憶手段は前記被写体の画像データと該被写体の位置情報とを対応付けた画像ファイルとして記憶することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記ナビゲーション装置向きと前記撮影手段の光軸の向きが相違する場合、前記方位検出手段が検出した方位に基づいて前記撮影手段の光軸の向きを算出し、前記被写体の方位とすることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記ナビゲーション装置は、地図データに基づいて出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段を備え、前記撮影手段により被写体を撮影した際、前記被写体の位置を目的地とし、前記経路探索手段は現在位置から前記目的地までの経路を探索して案内することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−109415(P2009−109415A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−283809(P2007−283809)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】