説明

ナビゲーション装置

【課題】ナビゲーション装置において、装置の設置姿勢に係わらず案内画像を適切な向きに表示する。
【解決手段】ナビゲーション装置は、位置検出部と、タッチパネル21を有する表示部2と、制御部とを備える。ナビゲーション装置は、入力された回転角度に応じて案内画像を回転させることができ、表示部2には回転された案内画像を表示することができる。回転角度を入力するための操作は、ユーザが指でタッチパネル21をトレースすることにより表示部2上に表示される案内画像の表示方向を指示入力する操作である。(a)に示すように、ユーザが指でタッチパネル21上の1点目F1をタッチし、1点目F1から2点目F2までをトレースすることにより設定された線L1の方向と案内画像の表示方向とを一致させるための回転角度が算出される。そして、(b)に示すように、上記回転角度だけ回転された案内画像が表示部2上に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、特に任意の角度だけ回転させた案内画像を表示することができるナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、道路情報等が記録された地図情報データを用いて、地図や矢印等を含む画像(以下、案内画像という)を表示部に表示し、車両の進行に伴って案内画像をスクロールさせることにより車両を目的地へと案内するナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。図15(a)に示すように、この種のナビゲーション装置100は、車両Cを含む案内画像を表示部110に表示するものである。ところで、例えばナビゲーション装置100の取り付け空間に制約があるためにナビゲーション装置100を傾けて設置しなければならないとき、図15(b)に示すように、ナビゲーション装置100が傾けて設置されるため、表示部110に表示される案内画像も傾いた状態となることがある。この場合、ユーザにとって案内画像は視認性が悪く、使い勝手が悪いものである。
【0003】
ところで、特許文献2には、タッチパネルを有するディスプレイ画面の中心を基準として、ユーザが指でタッチパネル上を押圧したとき、押圧された方向に案内画像をスクロールさせることができるナビゲーション装置が開示されている。しかし、この種のナビゲーション装置では上記問題を解決することができない。
【特許文献1】特開2007−292834号公報
【特許文献2】特開2005−234291号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、装置の設置姿勢に係わらず案内画像を適切な向きに表示することができるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、移動体の現在位置を検出するための現在位置検出手段と、前記現在位置検出手段によって検出された移動体の現在位置から目的地までのルートを探索するルート探索手段と、前記ルート探索手段によるルート探索に必要な地図情報を記録した記録手段と、移動体の現在位置や前記ルート探索手段によって探索されたルートに基づいて移動体を案内するための案内画像を生成する案内画像生成手段と、前記案内画像生成手段によって生成された案内画像を表示するための表示手段と、ユーザによって操作され、目的地等の入力を行うための入力手段と、装置各部を制御するための制御手段とを備えるナビゲーション装置において、元の画像を任意の角度だけ回転させた画像に変換するための回転画像変換手段をさらに備え、前記入力手段は、前記回転画像変換手段によって変換される画像の回転角度を入力するための回転角度入力手段を有し、前記制御手段は、前記回転画像変換手段を用いて、前記案内画像生成手段によって生成された案内画像を、前記回転角度入力手段によって入力された回転角度だけ回転させた案内画像に変換し、この案内画像を前記表示手段に表示させるものである。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記回転角度入力手段は、前記表示手段と一体となったタッチパネルであり、ユーザによる前記タッチパネルの操作に基づいて前記回転角度が入力されるものである。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、前記回転角度を入力するための前記タッチパネルの操作は、ユーザが指で該タッチパネルをトレースすることにより前記表示手段上に表示される前記案内画像の表示方向を指示入力する操作であるものである。
【0008】
請求項4の発明は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、前記回転角度を入力するための前記タッチパネルの操作は、ユーザが指で該タッチパネル上の2点以上をタッチすることにより前記表示手段上に表示される前記案内画像の表示方向を指示入力する操作であるものである。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、装置の設置姿勢を検出するための姿勢検出手段をさらに備え、前記回転画像変換手段は、前記姿勢検出手段によって検出された検出結果に基づいて、画像を変換するものである。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、前記回転画像変換手段は、地図情報を含む案内画像を任意の角度だけ回転させた画像に変換するものである。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、前記回転画像変換手段は、2つ以上の案内画像から構成される案内画像を、任意の角度だけ回転させた画像に変換するものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、案内画像を入力された回転角度だけ回転させた案内画像に変換し、表示手段に表示させることができるので、例えばナビゲーション装置を傾けて設置しなければならない場合であっても、案内画像の上下方向と車両進行方向とを一致させることができる。そのため、ユーザにとって案内画像の視認性が良く、使い勝手が良い。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、ユーザがタッチパネルを操作することにより回転角度を入力することができるので、ユーザが所望する角度だけ案内画像を回転させて表示させることができるため、ユーザにとって案内画像の視認性が良く、使い勝手が良い。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、姿勢検出手段によって検出された検出結果に基づいて、自動で案内画像を回転させることができるので、ユーザによる回転角度の入力操作の手間を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置について、図1及び図2を参照して説明する。図1はナビゲーション装置1の外観を示し、図2は、ナビゲーション装置1の内部構成を示す。ナビゲーション装置1は、車両(移動体)に取り付けられ、現在位置から目的地までのルートを探索し、探索したルートを示す画像(以下、案内画像という)を表示するものである。
【0016】
ナビゲーション装置1は、案内画像を表示する表示部(表示手段)2と、ナビゲーション装置1の電源のオン/オフを切替える電源ボタン3と、車両の位置を検出する位置検出部(現在位置検出手段)4と、交通情報受信部5と、音声案内部6と、情報記録部(記録手段)7と、傾き検出部8と、装置全体を制御する制御部(制御手段)10とを備える。
【0017】
表示部2は、簡易型の液晶表示器等から構成され、車両の現在位置から目的地までのルートを示す案内画像を表示する。案内画像には、目的地に関する情報、目的地名、時刻、距離及び目的地へのルート等を含む情報が表示される。また、表示部2は、タッチパネル21を有し、タッチパネル21等を用いて操作パネル(入力手段)21aとして使用することができ、ユーザが画面に触れることにより、各種操作を行うことができる。
【0018】
操作パネル21aは、ユーザによって操作されることにより、出発地や目的地などのルート案内に関する情報の入力や、ルート探索条件やルート案内のリクエスト等の入力が行われる。また、操作パネル21aは、ユーザによって操作されることにより、後述する案内画像の回転表示の指示等に用いられる。
【0019】
位置検出部4は、衛星航法システム(GPS)を利用して車両の緯度経度等の現在位置情報をGPSアンテナから入手するGPS受信機41と、車両の進行方位を、地磁気を利用することにより絶対方位で検出する地磁気センサ42と、車両の進行方位を相対方位で検出するジャイロセンサ(進行方向検出手段)43と、車輪の回転数等から車両の走行距離を検出する距離センサ44とを有する。位置検出部4は、GPS受信機41及び各センサ42〜44によって検出された位置情報、方位情報、距離情報等を用いて車両の現在位置を検出する。
【0020】
交通情報受信部5は、車両が現在位置する道路の現在の道路交通情報を逐次受信するVICS・FM多重受信機51を有する。VICS(Vehicle Information & Communication System)は、交通渋滞情報や交通事故情報などの道路交通情報をリアルタイムに提供するものであり、FM多重(文字放送)、電波ビーコン、光ビーコンから道路交通情報を取り込んでいる。このVICSによって受信された道路交通情報は、制御部10に伝達され、制御部10はこの道路交通情報を加味して、目的地へのルート探索等を行う。音声案内部6は、ルートの案内を音声により行うものであり、制御部10によって形成された案内音声信号を出力する音声出力部61と、音声出力部61からの出力音声を拡声するスピーカ62とを備える。
【0021】
情報記録部7は、ナビゲーション用のプログラム71及びデータ72等のルート探索に必要な情報を記録した記録装置であり、例えばCD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体から構成される。プログラム71は、ルート探索等の処理を行うためのプログラムや、ルートの案内表示に必要な表示出力制御のプログラムや、音声案内に必要な音声出力制御を行うためのプログラムである。データ72は、地図情報72a、道路情報、道路名情報、有料道路/フェリー利用料金、地図情報マッチングデータ、登録地点データ(住所、電話番号等)、ジャンル別データ、カレンダーデータ、及びプログラム71に必要なデータである。なお、CD−ROM等の記録媒体にデータ72のみを記録し、制御部10にプログラム71を記録してもよい。
【0022】
傾き検出部8は、加速度センサ等から構成され、ナビゲーション装置1の設置姿勢に対する鉛直方向の傾きを検出する。傾き検出部8は、表示部2に近接して設けられている。
【0023】
制御部10は、ルート探索部(ルート探索手段)11と、案内画像生成部(案内画像生成手段、回転画像変換手段)12と、案内音声生成部13と、メモリ14とを有する。ルート探索部11は、位置検出部4によって検出された車両の現在位置から目的地までのルートを探索する。案内画像生成部12は、車両の現在位置やルート探索部11によって探索されたルートに基づいて車両を案内するための案内画像を生成し、この案内画像を表示部2に表示させる。また、案内画像生成部12は、後述するように元の案内画像を任意の角度(以下、回転角度という)だけ回転させた画像に変換する。
【0024】
案内音声生成部13は、位置検出部4によって検出された車両の現在位置や、交通情報受信部5によって受信された情報に基づいて案内音声信号を形成し、音声案内部6に出力する。メモリ14には、案内画像生成部12によって生成された案内画像や、案内音声生成部13によって生成された案内音声が記憶される。
【0025】
次に、案内画像生成部12の構成について、図3を参照して説明する。案内画像生成部12は、操作検出部15と、解析部16と、メモリ14や情報記録部7から情報を読み出す読出し制御部17と、案内画像のデータを生成する表示データ生成部18とを有する。
【0026】
操作検出部15は、ユーザによるタッチパネル21の操作パネル21aの操作を検出して、ユーザによって操作された操作情報を解析部16に送信する。解析部16は、操作検出部15から送信された操作情報や、傾き検出部8による検出結果に基いて、画像を回転させる回転角度を算出して、算出した回転角度を表示データ生成部18に送信する。
【0027】
読出し制御部17は、メモリ14に記憶された案内画像のデータや、情報記録部7の地図情報72a等の情報を読み出し、これらのデータを表示データ生成部18に送信する。表示データ生成部18は、読出し制御部17から送信された各種情報から案内画像を生成したり、元の案内画像を、解析部16から送信された回転角度だけ回転させた案内画像に変換し、変換した案内画像を表示部2上に表示させたりする。
【0028】
次に、案内画像生成部12による案内画像の生成処理手順について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。まず、ユーザによってタッチパネル21が操作されると(S1)、操作検出部15によってタッチパネル21の操作が検出される(S2)。このとき、上記S1の操作が回転角度の入力指示の操作である場合(S3でYES)、解析部16によって回転角度を設定するための回転角度設定処理が行われる(S4)。
【0029】
そして、表示データ生成部18が、地図画像を含む案内画像や、拡大された案内画像(以下、拡大案内画像という)のデータを生成すると共に、これらの画像を上記S4によって設定された回転角度だけ回転させた画像に変換する(S5)。次に、制御部10が、回転された拡大案内画像を表示するための拡大図区域枠の設定操作を行うようにユーザに促す(S6)。拡大図区域枠の設定は、回転された拡大案内画像をユーザにとって見易い領域に表示させるための区域枠として設定するものである。
【0030】
そして、表示部2に案内画像を表示している場合(S7でYES)、表示データ生成部18は、上記S5で生成された案内画像を表示するための表示変更指示を表示部2に対して行うと共に(S8)、S4の処理で設定された回転設定や拡大図区域枠の設定情報を、読出し制御部17を介してメモリ14に記憶させる(S9)。一方、地図を表示していない場合(S7でNO)、表示データ生成部18は、上記S8の処理は行わずに、上記S9以降の処理を行う。このように、上記処理によって生成された案内画像を表示する際には、メモリ14に記憶された回転角度の設定情報を用いて回転された案内画像が、表示部2に表示されると共に、拡大図を表示する場合には、メモリ14に記憶された拡大図区域枠の設定を用いて表示部2に拡大図が表示される。
【0031】
次に、上記S4の回転角度設定処理の一例について、図5を参照して説明する。まず、ユーザによって基準線の始点、例えば車両の進路方向と一致するタッチパネル21上の道路の1点(1点目)がタッチ(指示)される(S11)。そして、ユーザによって、例えばタッチパネル21上をトレースすることにより2点目(基準線の終点)が指示されると(S12)、これらの点を結ぶ基準線の方向と案内画像の方向とを一致させるための案内画像の回転角度が算出される。これにより、算出された角度が回転角度として設定される(S13)。このように、表示部2に表示される案内画像の表示方向を指示操作することにより、回転角度を設定することができる。
【0032】
次に、上記S11及び上記S12に示したユーザによる操作について、図6を参照して詳細に説明する。図6(a)は、ユーザによるタッチパネル21上の操作を示し、(b)は、ユーザによる操作によって回転された案内画像を示す。ここで、図6のCは車両の現在位置を示す。
【0033】
回転角度を入力するためのタッチパネル21の操作は、ユーザが指でタッチパネル21をトレースすることにより表示部2上に表示される案内画像の表示方向を指示入力するものである。具体的には、図6(a)に示すように、ユーザが指でタッチパネル21上の1点目(始点)F1をタッチ(上記S11に相当)し、そして、1点目F1から2点目(終点)F2までをトレースする(上記S12に相当)。これにより、トレースされた線(以下、基準線という)L1が設定されて、この基準線L1の方向と案内画像の表示方向を一致させるための案内画像の回転角度が算出され、回転角度が設定される(上記S13に相当)。そして、図6(b)に示すように、表示部2上に回転された案内画像が表示される。なお、このとき、案内画像上に表示される操作パネル21aは、回転されることなしに表示されるものとする。
【0034】
次に、上記S4の回転角度設定処理の別の例について、図7に示すフローチャート、及び図8を参照して説明する。図8は、ユーザによるタッチパネル21の操作を示す。ここで、図8のCは車両の現在位置を示す。
【0035】
まず、回転の基準となる点を決定するために、ユーザが指でタッチパネル21上の任意の1点目(回転基準点)F21をタッチ(指示)した後(S21)、さらにタッチパネル21上の2点目F22(始点)をタッチ(指示)することにより回転を行う始点が設定される(S22)。そして、さらに、ユーザによってタッチパネル21上の3点目(終点)F23がタッチ(指示)されることにより回転を行う終点が設定される(S23)。これにより、回転基準点F21を中心する始点F22から終点F23までの回転角度R1が算出されるので、この角度が回転角度として設定される(S24)。そして、回転角度R1だけ傾いた案内画像が表示部2に表示される。このように、ユーザが指でタッチパネル21上の2点以上をタッチして表示部2に表示される案内画像の表示方向を指示入力することにより、回転角度を設定することができる。
【0036】
次に、上記S4の回転角度設定処理のさらに別の一例について、図9に示すフローチャートを参照して説明する。まず、ユーザによって操作パネル21aが操作されることにより、傾き設定ボタンが押下される(S31)。具体的には、ユーザによって操作パネル21aが操作されることにより、傾き自動設定ボタンがタッチパネル21上に表示され、ユーザによってそのボタンがタッチされることによって傾き自動設定処理が開始される。そして、傾き検出部8によって、例えばナビゲーション装置1の鉛直方向に対する傾きが検出され(S32)、検出された検出結果に基づいて回転角度が設定される(S33)。
【0037】
次に、表示部2に表示される回転された案内画像の一例について、図10を参照して説明する。ここで、図中のCは車両を示す。図に示すように、表示部2に表示される回転された案内画像には、通常の案内画像に加えて、ルートを示すための矢印D1を含む拡大案内画像Wが表示されている。拡大案内画像Wは、車両進行方向に向かってすぐの三叉路wの拡大図である。このように、拡大案内画像Wは、案内画像の回転角度に応じて回転された状態で表示されると共に、回転された拡大案内画像Wは、表示部2上のユーザにとって見易い領域内に表示される。そのため、ユーザにとって拡大案内画像の視認性が良くなり、使い勝手が良くなる。
【0038】
次に、ナビゲーション装置1の取り付け器具について、図11乃至図14を参照して説明する。図11は、ナビゲーション装置1の外観を示し、図中のY軸近傍を中心として表示部2に表示される案内画像が回転されるものとする。取り付け器具T1は、図12に示すように、取り付け器具T1上部の取り付け部T1aがX軸を中心に回動し、ナビゲーション装置1の背面1aを取り付け器具1の取り付け面T1a1に固定させるものである。
【0039】
取り付け器具T2は、図13に示すように、取り付け器具T2上部の取り付け部T2aがX軸を中心に回動すると共に、Z軸を中心に回転軸部T2bと取り付け部T2aとが回動するものであり、ナビゲーション装置1の背面1aを取り付け面T2a1に固定させるものである。取り付け器具T3は、図14に示すように、X軸を中心に矢印I方向に回動するものである。
【0040】
これらの取り付け装置T1〜T3はそれぞれ、ナビゲーション装置1を取り付けた状態におけるナビゲーション装置1のY軸方向を中心とした回動を行うことができない。しかしながら、取り付け装置T1〜T3はそれぞれにナビゲーション装置1を取り付けたときに、表示部2に表示される案内画像をY軸を中心として回転させることができるので、ユーザはX軸、Y軸、及びZ軸の3軸を中心として所望の回動や回転を行うことにより適切な方向から案内画像を見ることができる。そのため、ナビゲーション装置1によれば、取り付け器具T1〜T3のようにY軸方向を中心とした回動を行うことができない取り付け器具を用いた場合であっても、ユーザにとって案内画像の視認性が良くなり、使い勝手が良くなる。また、上述したように取り付け器具のY軸方向を中心とした回動を行う構造が不要となるため、ナビゲーション装置1の取り付け器具の製造コストを抑制することができる。
【0041】
上述したように、本実施形態に係るナビゲーション装置1によれば、案内画像を所定の回転角度だけ回転させた案内画像に変換し、表示部2に表示させることができるので、例えばナビゲーション装置1を傾けて設置しなければならない場合であっても、案内画像の上下方向と車両進行方向とを一致させることができる。そのため、ユーザにとって案内画像の視認性が良く、使い勝手が良い。
【0042】
また、ユーザがタッチパネル21を操作することにより回転角度を入力することができるので、ユーザが所望する角度だけ案内画像を回転させて表示させることができる。従って、ユーザにとって案内画像の視認性が良く、使い勝手が良い。また、傾き検出部8によって検出された検出結果に基づいて、自動で案内画像を回転させることもできるので、ユーザによる回転角度の入力操作の手間を低減させることができる。
【0043】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を変更しない範囲で適宜に種々の変形が可能である。例えば、本実施形態では、ナビゲーション装置1を車両に取り付ける場合について説明したが、ユーザが持ち運べるポータブルタイプのナビゲーション装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の外観を示す斜視図。
【図2】上記装置の内部構成を示すブロック図。
【図3】上記装置の案内画像生成部の内部構成を示すブロック図。
【図4】上記装置の案内画像表示処理の手順を示すフローチャート。
【図5】上記装置の案内画像表示処理における回転角度設定処理の手順を示すフローチャート。
【図6】(a)は、上記装置のタッチパネルによる回転角度の入力操作を説明する説明図。(b)は、上記装置の表示部に表示される回転された案内画像を示す説明図。
【図7】上記回転角度設定処理の上記とは別の手順を示すフローチャート。
【図8】上記タッチパネルによる回転角度による別の入力操作を説明する説明図。
【図9】上記回転角度設定処理の上記とはさらに別の手順を示すフローチャート。
【図10】上記装置の表示部に表示される回転画像の一例を示す説明図。
【図11】上記装置における案内画像の回転軸を示す説明図。
【図12】上記装置を取り付ける取り付け器具の外観を示す斜視図。
【図13】上記装置を取り付ける上記とは別の取り付け器具の外観を示す斜視図。
【図14】上記装置を取り付ける上記とはさらに別の取り付け器具の外観を示す斜視図。
【図15】(a)は、従来のナビゲーション装置における案内画面の表示を示し、(b)は、従来のナビゲーション装置を傾けて設置した場合の案内画面の表示を示す。
【符号の説明】
【0045】
1 ナビゲーション装置
2 表示部(表示手段)
4 位置検出部(現在位置検出手段)
7 情報記録部(記録手段)
8 傾き検出部(姿勢検出手段)
10 制御部(制御手段)
11 ルート探索部(ルート探索手段)
12 案内画像生成部(案内画像生成手段、回転画像変換手段)
18 表示データ生成部(案内画像生成手段、回転画像変換手段)
21 タッチパネル(入力手段、回転角度入力手段)
21a 操作パネル(入力手段)
72a 地図情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の現在位置を検出するための現在位置検出手段と、
前記現在位置検出手段によって検出された移動体の現在位置から目的地までのルートを探索するルート探索手段と、
前記ルート探索手段によるルート探索に必要な地図情報を記録した記録手段と、
移動体の現在位置や前記ルート探索手段によって探索されたルートに基づいて移動体を案内するための案内画像を生成する案内画像生成手段と、
前記案内画像生成手段によって生成された案内画像を表示するための表示手段と、
ユーザによって操作され、目的地等の入力を行うための入力手段と、
装置各部を制御するための制御手段とを備えるナビゲーション装置において、
元の画像を任意の角度だけ回転させた画像に変換するための回転画像変換手段をさらに備え、
前記入力手段は、前記回転画像変換手段によって変換される画像の回転角度を入力するための回転角度入力手段を有し、
前記制御手段は、
前記回転画像変換手段を用いて、前記案内画像生成手段によって生成された案内画像を、前記回転角度入力手段によって入力された回転角度だけ回転させた案内画像に変換し、この案内画像を前記表示手段に表示させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記回転角度入力手段は、前記表示手段と一体となったタッチパネルであり、
ユーザによる前記タッチパネルの操作に基づいて前記回転角度が入力されることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記回転角度を入力するための前記タッチパネルの操作は、ユーザが指で該タッチパネルをトレースすることにより前記表示手段上に表示される前記案内画像の表示方向を指示入力する操作であることを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記回転角度を入力するための前記タッチパネルの操作は、ユーザが指で該タッチパネル上の2点以上をタッチすることにより前記表示手段上に表示される前記案内画像の表示方向を指示入力する操作であることを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
装置の設置姿勢を検出するための姿勢検出手段をさらに備え、
前記回転画像変換手段は、前記姿勢検出手段によって検出された検出結果に基づいて、画像を変換することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記回転画像変換手段は、地図情報を含む案内画像を任意の角度だけ回転させた画像に変換することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記回転画像変換手段は、2つ以上の案内画像から構成される案内画像を、任意の角度だけ回転させた画像に変換することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−122909(P2010−122909A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296012(P2008−296012)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】