説明

プラズマ処理方法

絶縁層としてフッ素化炭素層を持つ半導体装置を製造する方法であり、前記方法は:マイクロ波パワー励起プラズマを用いて第1のフッ素化炭素(CFx1)層を形成するステップ;及びRFパワー励起プラズマを用いて第2のフッ素化炭素(CFx2)層を形成するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年6月26日米国仮特許出願番号61/269,686「プラズマ処理方法」に基づく優先権の主張を伴う出願であり、この内容は参照されて本明細書の一部となる。
【0002】
本発明は半導体装置及びその製造方法に関する。より具体的には、本発明は、フッ素化炭素(fluorocarbon)(CFx)形成プロセスに関し、前記フッ素化炭素CFx層と他の金属又は絶縁層との接着性を改善し、さらに前記フッ素化炭素CFx層の低誘電率を維持することができる、方法である。
【背景技術】
【0003】
最近、多層接続構造が半導体装置の高速操作及び極小型化するための使用されてきている。しかしながらこれらの構造は、全体の配線抵抗及び配線層の寄生容量の増加に依る配線遅延の問題を起こすものである。
【0004】
接続体としての低抵抗材料、例えば銅(Cu)などの使用は前記配線抵抗を低下させる。他方で絶縁層としての低絶縁性材料、例えばフッ素添加炭素(フッ素化炭素:CFx)などの使用は前記寄生容量を低下させる。しかし前記多層接続構造の寄生容量の低下にもかかわらず、前記フッ素化炭素(CFx)層は半導体装置において電気回路の部品としてこれまで広く使用されて来なかった。この主な理由は、ある絶縁層又は金属層は良好な接着性を示す一方で前記フッ素化炭素(CFx)の表面上へ積層し得る絶縁層又は金属層が非常に限定されている、ということである。
【0005】
フッ素化炭素が絶縁層としての材料として使用される場合には、前記フッ素化炭素(CFx)層に含まれるフッ素が前記フッ素化炭素(CFx)層と他の金属又は絶縁層との境界でフッ素化反応を生じる。その結果、前記CFx層及び他の金属又は絶縁層との間の接着性がそれらの境界でのフッ素化反応により損なわれることとなる。また、主に、フッ素化炭素(CFx)層内のフッ素イオンを含むフッ素化合物の存在のために、前記フッ素化炭素層の表面上に積層される際により高温領域(350℃を超える)でも良好な接着性を示す絶縁層又は金属層の数が制限される、と考えられている。
【0006】
フッ素化炭素(CFx)層のフッ素化合物を低減するためのプロセスが日本特許出願公開公報2006−326041に開示されている。このプロセスでは、フッ素化炭素層のフッ素及び炭素の成分比(F/C)が、前記フッ素化炭素(CFx)層形成のために既に発生させたマイクロ波プラズマプロセスに高周波(RF)パワーを供与することで低減される。しかしこの従来プロセスでも同様に、堆積後にフッ素化合物がなお前記フッ素化炭素層の本発明油面近傍に残っている。従ってこのことが前記フッ素化炭素層と他の絶縁層又は金属層との接着性に大きな影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記問題を鑑みて提案されるものである。本発明は、低絶縁性値(k:2.6未満)を維持しつつ、350℃よりも高い温度でのフッ素化合物の脱着を抑制するためのフッ素化炭素(CFx)層形成のためのプロセスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの側面において、絶縁層としてフッ素化炭素層を持つ半導体装置を製造するための方法が提供される。前記方法は、マイクロ波パワーにより励起されたプラズを用いて第1のフッ素化炭素(CFx1)層を形成するステップ;及びRFパワーで励起されたプラズマを用いて第2のフッ素化炭素(CFx2)層を形成するステップを含む。
【0009】
本発明の第2の側面において、第1のフッ素化炭素(CFx1)層と第2のフッ素化炭素(CFx2)層を含む半導体装置であって、前記第2のフッ素化炭素層のフッ素対炭素との組成比(F2/C2)が、前記第1のフッ素化炭素層でのフッ素対炭素の成分比よりも小さい、半導体装置を提供する。
【0010】
本発明の第3の側面では、プラズマ反応プロセスを用いるフッ素化炭素層形成のための方法が提供される。前記方法は、マイクロ波パワーで励起されたプラズマを用いて第1のフッ素化炭素(CFx1)層を形成するステップと;及びRFパワーで励起されたプラズマを用いて第2のフッ素化炭素(CFx2)層を形成するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、ラジアルラインスロットアンテナ(RLSA)プラズマ処理装置の1つの実施態様を模式的に示す図である。
【図2】図2は、ターゲット構造、断面図及び接着テープを適用した後の実験サンプルを、ブリスタ試験及びテープ試験結果と共に示す。
【図3】図3は、種々の実験サンプルについて、ターゲット構造及び断面図を示す。
【図4】図4は、異なるターゲット構造を持つ種々の実験サンプルについてフッ素化炭素層の全厚さの関数として相対的誘電率を示す。
【図5】図5は、 異なるターゲット構造を持つ種々の実験サンプルについて、負電圧が適用された場合に、フッ素化炭素層の全厚さの関数としての漏洩電流を示す。
【図6】図6は、異なるターゲット構造を持つ種々の実験サンプルについて、正電圧が適用された場合に、フッ素化炭素層の全厚さの関数としての漏洩電流を示す。
【図7】図7は、種々の実験サンプルについて適用されるRFパワーの関数として堆積速度を示す。
【図8】図8は、種々の実験サンプルについて圧力の関数として堆積速度を示す。
【図9】図9は、種々の実験サンプルについて適用されるRFパワーの関数として平均RFピーク間電圧を示す。
【図10】図10は、種々の実験サンプルについてプロセスガス(C)流速の関数としてフッ素化炭素層の厚さを示す。
【図11】図11は、種々の実験サンプルについて屈折率の関数として誘電率を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施態様が添付の図面を参照して記載される。ここで本発明の好ましい例示的実施態様が示される。
以下の記載は本発明の範囲、適用可能性又は開示される構成をなんら制限するものではない。むしろ好ましい例示的実施態様についての以下の説明は、当業者に、ここで開示された好ましい例示的実施態様について実施するための実施可能記載を提供するものである。留意すべきは、本発明は添付の特許請求の範囲で定められる本発明の本質及び範囲から逸脱することなく異なる形態で実施されるということである。
【0013】
本開示は一般的には、半導体装置及びその製造プロセスに関する。より具体的には、本発明は、新規なフッ素化炭素(CFx)層形成プロセスであって、低誘電率を維持しつつフッ素化炭素(Cfx)層と他の金属又は絶縁層との接着性を改善するものである。
【0014】
本発明の実施態様は、低誘電率(k:約2.6未満)を維持しつつ、350℃よりも高い温度でフッ素化合物の脱着を抑制するための強化された接着性を持つフッ素化炭素(CFx)絶縁層を形成するための方法に向けられている。これは、マイクロ波パワーで励起されるプラズマを用いて第1のフッ素化炭素(CFx1)層を形成するための第1の既定のプロセス条件を選択し、さらにRFパワーで励起されるプラズマを用いて第2のフッ素化炭素(CFx2)層を形成するための第2のプロセス条件を選択することで、達成される。
【0015】
これにより、本発明のプロセスにより形成された前記フッ素化炭素(CFx)層の有効相対誘電率が低く維持される一方で、前記フッ素化炭素(CFx)層及び他の金属又は絶縁層間の境界でのフッ素化合物の生成が抑制されることとなる。
【0016】
前記第1の既定プロセス条件を選択することで、マイクロ波プラズマが、本発明の1つの実施態様による前記第1のフッ素化炭素(CFx1)層を形成するために発生される。前記第1のフッ素化炭素(CFx1)層はラジアルラインスロットアンテナ(RLSA)プラズマ処理装置を用いて実施される。前記マイクロ波励起プラズマは、適用されるマイクロ波パワーが1000Wを超える場合に生成される。このことは、たとえ高RFパワーが、前記RLSAプラズマ処理装置に前記ターゲット電極に適用される場合にでも該当する。この好ましい実施態様では、適用されるマイクロ波パワーは、1200Wから3000Wの範囲であり、適用されるRFパワーは0Wから120Wの範囲である。
【0017】
さらに、前記第1の既定の条件は、圧力が20mTorr(ミリトール)から80mTorrの範囲であり、プロセス時間は20秒から150秒の範囲を含む。この実施態様では、プラズマ励起ガス、例えばアルゴンガスは流速が200sccm以下、膜形成ガス、例えばCガスは流速約150sccmから750sccmの範囲がそれぞれ使用されて、約100nm厚さを持つ前記第1のフッ素化炭素(CFx1)層を形成る。
【0018】
前記第2の既定のプロセス条件を選択することで、RF励起プラズマが前記第2のフッ素化炭素(CFx2)層が生成される。前記第2の既定のプロセス条件には、マイクロ波パワーが0Wから1000Wの範囲、適用されるRFパワーが15Wから120Wの範囲が含まれ、さらにプロセス時間が5から60秒の範囲が含まれる。好ましい実施態様では、前記第2のフッ素化炭素(CFx2)層は、マイクロ波パワーを0WにしてRFパワーのみでプラズマを生成させることである。この理由は主に、マイクロ波パワーがRFパワーと組み合わされて適用されると前記下部層への損傷がより強くなるという事実に基づく。この実施態様では、前記第2のフッ素化炭素(CFx2)層の厚さは約100nmである。
【0019】
さらに、前記第1の既定のプロセス条件と同様に、RLSAプラズマ処理装置の内部圧力、プラズマ励起ガスの流速、及び膜形成プロセスガスの流速は、それぞれ、圧力20mTorrから80mTorr、アルゴン(Ar)流速が200sccm以下、及びC流速が約150sccmから750sccmの範囲で設定される。上記圧力範囲は、安定なRFプラズマ生成及びフッ素化炭素(CFx)堆積を保証する。前記第2のフッ素化炭素(CFx2)層はまた、前記第1のフッ素化炭素(CFx1)層を形成するために使用されたRLSAプラズマ処理装置の同じチャンバ内で形成され得る。
【0020】
マイクロ波プラズマが前記第1のフッ素化炭素(CFx1)層を形成するために用いられる際には、得られる層は、膜形成プロセスガス、例えばCの過剰な脱着を起こすことなく形成され得る。これは主に、前記マイクロ波励起プラズマは低電子温度を有し、これにより前記Cガス内の炭素結合を過剰に切断されることが抑制されるからである。従って、前記第1のフッ素化炭素(CFx1)層はダイヤモンド状性質を持つ強い層であり、実質的に同数のフッ素原子と炭素原子を持ち、低誘電率を持つ。
【0021】
一方で、RF励起プラズマが第2のフッ素化炭素(CFx2)層を形成するために使用される場合には、得られる層は、前記膜形成プロセスガス、例えばCの過剰な脱着を伴って形成される。これは次の理由による。すなわち、RF励起プラズマはマイクロ波励起プラズマに比べてより高い電子温度を持つからである。その結果、フッ素原子は前記第2のフッ素化炭素(CFx2)層から脱着され、前記第2のフッ素化炭素(CFx2)層と他の金属又は絶縁層との境界で意図されないフッ素化合物を生成するからである。従って、前記第2のフッ素化炭素(CFx2)層及び他の金属又は絶縁層との接着性が改善されることとなる。このようにして、前記フッ素化炭素(CFx)層の表面上に積層されて良好な接着性を示す絶縁層又は金属層の数が大きく改善されることとなり、これはプロセスを選択する上で設計上の柔軟性及びより大きな自由度をもたらすものである。
【0022】
さらに、前記第2のフッ素化炭素(CFx2)層の相対的誘電率は、RF励起プラズマが使用される場合に増加する。これは主に、RF励起プラズマは高温度電子により、相対的炭素密度を減少させ、得られるフッ素化炭素(CFx2)層を損傷する、からである。好ましい実施態様では、有効誘電率の増加は、数十ワット、例えば15Wから120Wの範囲内で適用RFパワーを限定することで抑制される。さらに、有効誘電率の増加は、前記第2のフッ素化炭素(CFx2)層を、前記第2のフッ素化炭素(CFx2)層に比べてより低い相対的誘電率を持つ前記第1のフッ素化炭素(CFx1)層と積層することで抑制され得る。
【0023】
より低いRFパワー15Wを選択する理由は、適用RFパワーが15W未満である場合には前記RF、励起プラズマがRLSAプラズマ処理装置内で不安定となるからである。他方でRFパワーの上限が120Wに設定されるが、これは前記RF励起プラズマにより生じる、得られるフッ素化炭素(CFx2)層の損傷を最小化させるためである。
【0024】
従来は、平行板型プラズマ処理装置がRF励起プラズマを発生させるために使用されている。この従来装置では、前記プラズマは、300Wから400Wの範囲内のRFパワーを、前記平行板型プラズマ処理装置の2つの対向する電極間に適用することで発生させる。しかし、前記RFパワーは相対的に高く、得られるフッ素化炭素(CFx2)層を損傷を与える原因となる。得られるフッ素化炭素(CFx2)層の前記損傷は、RFパワーの量を低減することで最小化され得る。これは、本発明のPLSAプラズマ処理装置を用いて実行でき、前記120Wの最大RFパワーを前記ターゲット電極へ適用され得る。
【0025】
本発明の1つの実施態様によれば、前記マイクロ波パワーは前記第1のフッ素化炭素(CFx1)層形成の後は切られる。これによりRLSAプラズマ処理装置内で生成された前記マイクロ波プラズマはRF励起プラズマとなる。その後前記第2フッ素化炭素(CFx2)層がRFプラズマを用いることで前記第1のフッ素化炭素(CFx1)層の上に形成される。
【0026】
他の実施態様によれば、前記第2のフッ素化炭素(CFx2)層のフッ素対炭素の成分比(F2/C2)は、前記第1のフッ素化炭素層でのフッ素対炭素の成分比よりも小さい。
【0027】
他の実施態様によれば、表面変性プロセスが前記第1のフッ素化炭素(CFx1)層の表面に実施され、前記第2のフッ素化炭素(CFx2)層形成の前に前記表面上のフッ素濃度を減少させる。この実施態様では、前記フッ素化炭素(CFx1)層の表面変性ステップは、実質的に約200℃で大気圧アルゴン(Ar)中で前記第1のフッ素化炭素(CFx1)層をアニールすることでなされる。他の実施態様は他の技術であって前記第1のフッ素化炭素(CFx1)層の表面のフッ素濃度を低減させる技術が使用され得る。本発明の前記表面変性プロセスには、2010年1月22日出願の、PCT/JP2010/000347により十分に記載されている。この内容は参照されて本明細書の一分となる。
【0028】
他の実施態様によれば、前記表面変性プロセスは、前記第1のフッ素化炭素(CFx1)層の表面に実施され、第3のフッ素化炭素(CFx3)層を設けるものであり、前記第3のフッ素化炭素(CFx3)層のフッ素対炭素の成分比(F3/C3)は前記第2のフッ素化炭素(CFx2)層のフッ素対炭素の成分比(F2/C2)よりも大きいけれども、前記第1のフッ素化炭素(CFx1)層のフッ素対炭素の成分比(F1/C1)よりは小さい。
【0029】
他の実施態様によれば、前記第2のフッ素化炭素(CFx2)層は第3の上の層又は前記第1のフッ素化炭素(CFx1)層を形成する前に存在する下部層の上に形成される。前記第1のフッ素化炭素(CFx1)層はその後前記第2フッ素化炭素(CFx2)層上に形成される。これにより前記第3の層又は下部層及び前記フッ素化炭素(CFx)層間の接着性が改善される。前記第3層又は下部層の例には、Si系化合物層、例えばシリコン炭化酸化物(SiCO)及びシリコン炭化窒化物(SiCN)層、金属層、及びC系化合物、例えばアモルファスカーボン(aC)層などが含まれる。
【0030】
前記のように、本発明の好ましい実施態様による前記第1及び第2のフッ素化炭素(CFx1及びCFx2)絶縁層はRLSAプラズマ処理装置を用いて形成される。また、前記第1のフッ素化炭素(CFx1)層の表面になされる表面変性プロセスも、同じRLSAプラズマ処理装置を用いて実施され得る。図1にはRLSAプラズマ装置10の1つの実施態様の模式的図を示す。この図から、RLSAプラズマ処理装置はプロセス容器50、ラジアルラインスロットアンテナ62及び取付台51が含まれる。
【0031】
前記プロセス容器50の内部は、プラズマ発生領域R1、ラジアルラインスロットアンテナ側62、及び前記取付台51での膜形成領域R2に区分されている。外部マイクロ波源66は既定の周波数、例えば2.45GHzのマイクロ波パワーを前記ラジアルラインスロットアンテナ62へ供給する。前記マイクロ波源66からのマイクロ波はプラズマガス、例えば内部アルゴン(Ar)ガスを励起し、ガス供給ポート70から前記プラズマ領域R1内へ放出する。前記プラズマガスはプラズマガス供給源71から前記ガス供給ポート70に、上部ガスポート72を介して供給され、その後前記プラズマ発生領域R1へ放出される。
【0032】
外部高周波数パワー供給源53は電気的に前記取付台に接続されている。前記高周波パワー供給源53は既定周波数、例えば400kHz又は13.56MHzのRFバイアスパワーを生成し、基板Wへ引かれるイオンエネルギーを制御する。図1に示されるように、前記高周波パワー供給53はRLSAプラズマ処理装置10の下部部分に接続され、前記マイクロ波パワー供給66が共軸ウェーブガイド67を介して接続されている、PLSAプラズマ処理装置10の上部分から分離されている。
【0033】
前記RLSAプラズマ処理装置10はさらに、プロセスガス供給構造80を含み、これはまたシャワープレート80とも呼ばれている。前記プロセスガス供給構造80の平面図がまた図1に示される。前記プロセスガス供給構造80は、プロセスガス供給パイプ81を含み、これは前記プラズマ生成領域R1及び前記膜形成領域R2の間に格子状のシャワープレートとして取り付け第51上に設けられた基板Wに面して配置される。環状パイプ81aが前記プロセスガス供給構造80の外側周辺に環状に設けられている。前記格子状パイプ81aは、前記環状パイプ81aの内側にお互いに直交する複数のマトリックスパイプである。
【0034】
前記プロセスガス構造80の底部表面で、いくつかのプロセスガス供給ポート83が前記基板Wの上に均一に形成される。プロセスガス供給源84は、ガスパイプ85を介して前記プロセスガス供給パイプ81と接続される。この実施態様では、前記プロセスガス供給源84は窒素(N2)ガス及び/又は酸素(O)ガスとCF系プロセスガス、例えばCガスとの混合物を前記ガスパイプ85を通じて前記プロセスガスパイプ81へ供給する。ここで留意すべきは、窒素(N)ガス及び/又は酸素(O)ガスの追加は場合によりされるものである、ということである。
【0035】
実施例:
フッ素化炭素(CFx)絶縁層の、絶縁性、接着性及び操作上の信頼性を評価するために、いくつかの実験サンプルを本発明に従い製造した。実験サンプルはその後上記の性能を試験するために異なる試験の対象とした。以下、これらの評価の結果について詳細に説明する。
【0036】
図2を参照して、ターゲット構造、断面図及び接着テープ適用後の実験サンプルの平面図が示される。RF励起プラズマにより形成されたフッ素化炭素(CFx)絶縁層の接着性を評価するために、2つの実験サンプルが異なるターゲット構造を持って製造された。前記第1の実験サンプルとして使用される前記ターゲット構造は(図2(a)参照)、シリコン基板、アモルファスカーボン(aC)層、多層フッ素化炭素(CFx)構造、シリコンドープアモルファスカーボン(aC:Si)及び密封キャップ層を含む。図2(a)の前記多層フッ素化炭素(CFx)構造は、RF励起プラズマにより形成された第2のフッ素化炭素(CFx2)層、マイクロ波励起プラズマにより形成された第1のフッ素化炭素(CFx1)層及びRF励起プラズマにより形成された第2のフッ素化炭素(CFx2)層を含み得る。
【0037】
前記第2の実験サンプル(図2(b)参照)のための使用されるターゲット構造は、シリコン基板、アモルファスカーボン(aC)層、マイクロ波励起プラズマで形成されたフッ素化炭素(CFx)層、シリコンドープアモルファスカーボン(aC:Si)層及び密封キャップ層が含まれる。前記第2の実験サンプルのために使用されるターゲット構造は、前記第1の実験サンプルのターゲット構造とは異なる。前記第1の実験サンプルのターゲット構造では、フッ素化炭素(CFx1)層はマイクロ波励起プラズマで形成された単一層である。
【0038】
これらの実験サンプルはその後共にブリスタ試験及びテープ試験の対象とされた。表面にスコッチテープを接着した後の両方の実験サンプルの平面図及びそれらの断面図が図2に示される。図に示されように、RF励起プラズマにより形成された多層フッ素化炭素構造を持つ第1の実験サンプルは、テープ試験もブリスタ試験もパスした。さらにこのサンプルでは前記密封キャップ層の脱ラミネート化も剥がれも見られなかった。さらに、CF基板境界ではブリスタが全く生じていなかった。これとは対照的に前記第2の実験サンプルはマイクロ波励起プラズマにより形成された単一のフッ素化炭素(CFx1)層を持つものであるが、CF基板境界で大きいブリスタが観測され、密封キャップ層はフッ素化炭素(CFx1)層から剥がれ落ちた。
【0039】
前記のように、RFパワーで励起されたプラズマはその高い電子温度により得られるフッ素化炭素(CFx2)層を損傷し得る。得られるフッ素化炭素(CFx2)層の損傷は、アルゴン(Ar)などのプラズマガスを励起させるための適用するRFパワーの量を低減することで最小化され得る。これは、RLSAプラズマ処理装置を用いて本発明の前記第2の既定のプロセス条件を選択することで可能となる。
【0040】
次に前記RFプラズマにより得られるフッ素化炭素層の損傷について研究した。この目的で、2つの実験サンプルが用意された。図3には、ターゲット構造及び両方の実験サンプルの断面図を示す。図から、両方の実験サンプルの前記ターゲット構造は、シリコン基板、マイクロ波励起プラズマにより形成された第1のフッ素化炭素(CFx1)層及びRF励起プラズマにより形成された第2のフッ素化炭素(CFx2)層を含む。マイクロ波励起プラズマで形成された前記第1のフッ素化炭素(CFx1)層はシリコン基板上に形成され、一方RF励起プラズマで形成された前記第2のフッ素化炭素(CFx2)層は前記第2のフッ素化炭素(CFx1)層上に形成された。
【0041】
前記第2の実験サンプルのターゲット構造は第1の実験サンプルのターゲット構造とは、前記第1の実験サンプルのターゲット構造ではシリコンドープのアモルファスカーボン(aC:Si)層が前記第2のフッ素化炭素(CFx2)層上に形成されているという点で異なる。前記キャップ層は、続くエッチングのためのハードマスクとして作用し、さらに銅拡散のバリア層として作用させるために形成される。断面図3で示されるように、両方の実験サンプルでは損傷は観測されなかった。
【0042】
図4を参照して、フッ素化炭素(CFx)層の全厚さの関数として相対誘電率が種々の実験サンプルで示されている。評価のために、4つのセットの実験サンプルで、それぞれが異なるターゲット構造を持つものが、RLSAプラズマ処理装置10を用いて製造された。それぞれのセットで、いくつかの実験サンプルは同じターゲット構造で異なるフッ素化炭素(CFx)層厚さを持つものが形成された。
【0043】
実験サンプルの第1のセットのために使用されたターゲット構造は、シリコン(Si)基板、マイクロ波励起プラズマにより形成された第1のフッ素化炭素(CFx1)層及びRF励起プラズマで形成された第2のフッ素化炭素(CFx2)層を含む。実験サンプルの第2のセットのために使用されたターゲット構造は、シリコン(Si)基板、RF励起プラズマにより形成された第1のフッ素化炭素(CFx1)層及びマイクロ波励起プラズマで形成された第2のフッ素化炭素(CFx2)層を含む。このターゲット構造は第1のセットのターゲット構造とは異なる。即ち第1のセットのターゲット構造では、マイクロ波励起プラズマにより形成される前記フッ素化炭素(CFx1)層はRF励起プラズマにより形成される2つのフッ素化炭素(CFx2)層にサンドイッチされている、点である。
【0044】
実験サンプルの第3及び第4セットのターゲット構造はそれぞれ前記第1及び第2の実験サンプルのセットのために使用したものと類似する。唯一つの違いはキャップ層、例えばシリコンドープアモルファスカーボン(aC:Si)を前記最後のRF励起プラズマにより形成されたフッ素化炭素(CFx2)層上の堆積である。両方のシリコンドープアモルファスカーボン層であって実験サンプルの第3セット及び第4セットで使用されるシリコンドープアモルファスカーボン層は、約10nmの厚さを持つ。
【0045】
図4に示されるように、実験サンプルのそれぞれのセットでの相対的誘電率はそれぞれの実験サンプルのセットで使用されたターゲット構造に依存する。例えば、フッ素化炭素の多層構造(Si/CFx1/CFx2及びSiC/Fx2/CFx1/CFx2)は最も低い相対的誘電率を示す(k:2.4未満)。一方で、シリコンドープアモルファスカーボン(aC:Si)層が前記多層フッ素化炭素構造上に積層される場合には(Si/CFx1/CFx2/aC:Si及びSi/CFx2/CFx1/CFx2/aC:Si)、相対的誘電率は増加する。この増加にもかかわらず、シリコンドープアモルファスカーボン(aC:Si)層の存在で前記相対的誘電率は低く維持されている。この実験では、シリコンドープアモルファスカーボン材料からなる単一のキャップ層が使用されている。他の実施態様は、例えばシリコン炭化窒化物(SiCN)などの他の絶縁層が前記アモルファスカーボン(aC)層に積層される、多層構造を用いることができる。
【0046】
さらに、フッ素化炭素(CFx)層の全厚さが増加すると相対的誘電率は全てのターゲット構造にわたり減少する。これらの結果に従うと、2.4未満の有効誘電率を次のプロセスで得ることができる。(1)前記アモルファスカーボン(aC:Si)層及び前記フッ素化炭素(CFx2)層との境界でのフッ素化反応を抑制すること、及び(2)シリコンドープアモルファスカーボン(aC−Si)キャップ層の厚さを減少させること、である。
【0047】
図5は、フッ素化炭素(CFx)層の全厚さの関数として漏洩電流が示される。これまでの実験と同様に、それぞれが異なるターゲット構造を持つ実験サンプリの4つのセットをRLSAプラズマ処理装置10を用いて製造した。実験サンプルでのそれぞれのターゲット構造は前の実験で用いたものと同一であった。これは、前記第1及び第2の実験サンプルのセットは、(1)Si/CFx1/CFx2、(2)Si/CFx2/CFx1/CFx2であり、第3及び第4の実験サンプルのセットは、シリコンドープアモルファスカーボン(aC:Si)層がそれぞれに積層された、(3)Si/CFx1/CFx2/aC:Si、(4)Si/CFx2/CFx1/CFx2/aC:Siである。
【0048】
それぞれのセットで、4つの実験サンプルが同じターゲット構造で、異なるフッ素化炭素(CFx)層厚さのものを形成した。全ての実験サンプルは本発明の膜形成プロセスを用いて製造された。この実験では、漏洩電流を測定するために負電圧がそれぞれの実験サンプルに適用された。図5に示されるように、フッ素化炭素多層構造の厚さが厚くなるほど、漏洩電流は小さくなる。従って実験サンプルの第2及び第4で使用されたターゲット構造(Si/CFx2/CFx1/CFx2及びSi/CFx2/CFx1/CFx2/aC:Si)が最も小さい漏洩電流を示す。さらに、漏洩電流は、次のラミネートフッ素化炭素構造、CFx2/CFxi/CFx2が使用される場合にはシリコンドープアモルファスカーボン(aC:Si)の存在には依存しない。
【0049】
対照的に、前記シリコンドープアモルファスカーボン(aC:Si)が次の多層フッ素化炭素、CFx1/CFx2上に堆積される場合には、漏洩電流は増加する。さらに、それぞれの実験サンプルでフッ素化炭素(CFx)層の全厚さが増加する場合には、全てのターゲット構造にわたり漏洩電流は比較的に一定の値を維持する。留意すべきは、漏洩電流は前記適用電圧が1MV/cm(Jg@1MV/cm)に設定されて測定されたことである。
【0050】
次に図6を参照して、漏洩電流を測定するために正電圧が掛けられた場合に、前記フッ素化炭素(CFx)層の全厚さの関数として漏洩電流が示される。図から、シリコンドープアモルファスカーボン(aC:Si)層がフッ素化炭素多層の両方に積層される場合には、漏洩電流値の増加が観測される。しかしこの増加にもかかわらず、前記漏洩電流値は実験サンプルの4つの全てのセットにわたり、1.0x10−8A/cm以下に維持される。
【0051】
次に、RFパワーにより励起されるプラズマを用いて前記フッ素化炭素層を形成するために使用されるプロセス条件の関数として種々のパラメータの効果を調べる。この目的で異なるプロセス条件を持ついくつかの実験サンプルを製造した。
【0052】
図7には、適用されるRFパワーの関数として、RF励起プラズマにより形成されるフッ素化炭素(CFx2)層の堆積速度が示される。全ての実験サンプルは、上で記載のように前記第2の既定のプロセス条件によりRLSAプラズマ処理装置10を用いて製造される。この実験サンプルの3つのセットを、供給RFパワーをそれぞれ次のパワー、15W、30W、50Wに設定して行う。さらに2つの実験サンプルを次の供給RFパワー、即ち60W及び100Wを用いて行った。図7に示されるように、フッ素化炭素(CFx2)層の堆積速度は前記供給されるRFパワーが増加すると増加する傾向にある。
【0053】
図8を参照すると、圧力を関数としてフッ素化(CFx2)層の堆積速度が種々の実験サンプルについて示される。この評価のために、3セットの実験サンプルが、RLSAプラズマ処理装置10を用いて用意された。それぞれのセットで、種々の実験サンプルが、20mTorr、50mTorr及び80mTorrの圧力で形成される。本発明により形成されるフッ素化炭素(CFx2)層の堆積速度についての実験結果が図8に示される。
【0054】
図から、フッ素化炭素(CFx2)層の堆積速度は前記第1及び第2の実験サンプルセットでは比較的一定に維持される傾向があり、これは圧力が20mTorr及び50mTorrに設定されたものである。しかし、実験サンプルの第3セットは、圧力が80mTorrに設定されているものであり、フッ素化炭素(CFx2)層の堆積速度は減少する傾向にある。従って、この結果によると、本発明のプロセスによる前記フッ素化炭素層を形成するためにはより低い圧力を用いることが好ましい。さらに、これらの結果によると、フッ素化炭素(CFx2)層の堆積速度は、前記第2の既定プロセス条件内で前記圧力を変更することで自由に調節可能である。言い換えると、すべての堆積速度は、20mTorr、50mTorr又は80mTorrの圧力下で選択され得ることとなる。
【0055】
適用されるRFパワーの関数として平均RFピーク間電圧(Vpp)が図9に示される。図から、平均ピーク間電圧(Vpp)は供給RFパワーが増加すると増加する傾向があることが示される。しかし、既に説明したように、供給RFパワーの増加は、得られるフッ素化炭素(CFx2)層の損傷の可能性を増加させる。従って、好ましくはより低いRFパワー値を供給することであり、前記平均ピーク間電圧(Vpp)が800V未満を維持するものであり、これは約40Wの供給RFパワーに対応する。
【0056】
図10には、C流速を関数としてフッ素化炭素(CFx2)層の厚さが種々の実験サンプルにつき示される。この目的で、5セットの実験サンプルをRLSAプラズマ処理装置10を用いて用意した。それぞれのセットで、いくつかの実験サンプルが、Cの流速20sscm、60sccm、100sccm、140sccm及び200sccmで形成された。さらに2つの実験サンプルが、C流速がそれぞれ280sccm及び310sccmに設定され形成された。図10から、フッ素化炭素(CFx2)層の厚さは、C膜形成プロセスガスの流速が増加すると増加する傾向にある。しかし、RFパワーで励起されるプラズマを用いるフッ素化炭素層の形成の際にはより低いCの流速を用いることが好ましい。この主な理由は、より低い流速のCは、前記第2のフッ素化炭素(CFx2)層の均一厚さという点でよりよく制御され得るからである。
【0057】
次に、前記第2のフッ素化炭素(CFx2)絶縁層の性質をさらに改善するために別の実施態様を評価した。より具体的には、別の実施態様は、前記第2のフッ素化炭素(CFx2)層についてより低い誘電率(k:2.3未満)を可能とするものである。この実施態様では、酸素(O)ガスがプロセスガス供給81、又は格子状シャワープレート81と呼ばれるものを通じて、前記ガスパイプ85を介して、前記RLSAプラズマ処理装置10の前記プロセス容器50内へ導入される。
【0058】
この別実施態様の効果を評価するために、4つの実験サンプルセットを用意する。表Iは、それぞれのセットの実験サンプル及び異なるフッ素化炭素層を形成するためのプラズマを発生させるために使用するパワーソースにつきまとめたものである。
【0059】
【表1】

表Iに示されるように、実験サンプリの第1のセットは、プロセス容器50内でプラズマを発生させるためのマイクロ波パワーのみを用いる、前記第1のフッ素化炭素(CFx1)層に対応する。従って、実験サンプルの第2のセットは、CFx4に対応し、マイクロ波及びRFパワーの両方が同時に、前記プロセス容器50内で前記フッ素化炭素(CFx4)層を形成するために使用されるものである。実験サンプルの第3及び第4セットはそれぞれ、前記第2のフッ素化炭素(CFx2及びCFx2o)層に対応するものであり、RFパワーのみが前記プロセス容器50内でプロセス発生のために使用されるものである。
【0060】
前記実験サンプルの第4セットは第3セットとの違いは、前記プロセスガス供給源84が、酸素ガス(O)をCガスと共に前記格子状シャワープレート81(図1参照)を通じて供給する、点である。この別実施態様で、前記RFパワーソースは周波数約400Hzで、RFパワーが15Wから120Wの範囲で供給される。留意すべきは、より高い周波数、例えば13.56KHzなどもまた適用可能であるということである。
【0061】
酸素ガス(O)を雰囲気ガスに添加することで、得られる第2フッ素化炭素(CFx2)層はより多孔性となり、その結果、より低い誘電率となる。図11は、種々のサンプルの屈折率を関数として誘電率を示す。図から、誘電率の値は、酸素がプロセス容器50の雰囲気ガスに添加されている前記第4の実験サンプルセットについてより低いことが分かる。このことは、実験サンプルの第4のセットをより低い誘電率(低−k)とするものである(k:約2.25未満)。
【0062】
これまで本開示の原理について、具体的な装置及び方法に関連させて説明されたが、この記載は例示の方法でなされたものであり本発明をなんら限定するものではないことは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層としてフッ素化炭素層を持つ半導体装置を製造する方法であり、前記方法は:マイクロ波パワー励起プラズマを用いて第1のフッ素化炭素層を形成するステップ;及びRFパワー励起プラズマを用いて第2のフッ素化炭素層を形成するステップを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であり、前記第1のフッ素化炭素層が基板上に形成され、前記第2のフッ素化炭素層が前記第1のフッ素化炭素層上に形成される、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であり、さらに、前記第1のフッ素化炭素層の表面を表面変性させて、前記第2のフッ素化炭素層が形成される前に前記表面上のフッ素化合物を減少させる、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であり、前記表面変性プロセスを実施するステップが、前記第1のフッ素化炭素層の前記表面を、アルゴン中で前記RFパワー励起プラズマに暴露させるステップを含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であり、前記第2のフッ素化炭素層が、前記第1のフッ素化炭素層を形成する前に前記基板上に堆積される第3の層上に形成され、前記第1のフッ素化炭素層が、前記第2のフッ素化炭素層上に形成される、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であり、前記第1のフッ素化炭素層が、1200Wから3000Wの範囲のマイクロ波パワー、0Wから120Wの範囲のRFパワー、20mTorrから80mTorrの圧力、20秒から150秒のプロセス時間で、形成される、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であり、前記第1のフッ素化炭素層は約100nmの厚さを持つ、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であり、前記第2のフッ素化炭素層が、0Wから1000Wの範囲のマイクロ波パワー、15Wから120Wの範囲のRFパワー、20mTorrから80mTorrの圧力、5秒から60秒のプロセス時間で形成される、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であり、前記第2のフッ素化炭素層が約0から10nmの範囲の厚さを持つ、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であり、前記第2のフッ素化炭素層が、フッ素化炭素含有ガス及び酸素含有ガスにより形成される、方法。
【請求項11】
半導体装置であり、前記半導体装置は:
第1のフッ素化炭素層を含み;及び
第2のフッ素化炭素層を含み、前記第2のフッ素化炭素層のフッ素対炭素の成分比が前記第1のフッ素化炭素層でのフッ素対炭素の成分比よりも小さい、半導体装置。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置であり、さらに、前記第2のッ素化炭素層上に第3の層を含み、前記第2のフッ素化炭素層が、基板上に形成される前記第1のフッ素化炭素層上に形成される、半導体装置。
【請求項13】
請求項12に記載の半導体装置であり、さらに、前記第1のフッ素化炭素層と前記第2のフッ素化炭素層との間に第3のフッ素化炭素層を含み、前記第3のフッ素化炭素層のフッ素対炭素の成分比が前記第2のフッ素化炭素層のフッ素対炭素の成分比よりも大きいが、前記第1のフッ素化炭素層のフッ素対炭素の成分比よりも小さい、半導体装置。
【請求項14】
請求項11に記載の半導体装置であり、さらに、半導体基板と前記第2のフッ素化炭素層の間に形成される第3の層を含み、前記第1のフッ素化炭素層が前記第2のフッ素化炭素層上に形成される、半導体装置。
【請求項15】
請求項11に記載の半導体装置であり、前記第2のフッ素化炭素層が多孔性であり、実質的に酸素原子を含む、半導体装置。
【請求項16】
プラズマ反応プロセスを用いるフッ素化炭素層を形成するための方法であり、前記方法は、マイクロ波パワー励起プラズマを用いて第1のフッ素化炭素層を形成するステップ;及びRFパワー励起プラズマを用いて第2フッ素化炭素層を形成するステップを含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であり、前記第1のフッ素化炭素層が基板上に形成され、及び前記第2のフッ素化炭素層が前記第1のフッ素化炭素層上に形成される、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であり、さらに、前記第1のフッ素化炭素層の表面の表面変性を実施して、前記第2のフッ素化炭素層の形成前に前記表面のフッ素化合物を減少させるステップを含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であり、前記表面変性プロセスを実施するステップが、前記第1のフッ素化炭素層の前記表面を、アルゴン雰囲気下でRFパワー励起プラズマへ暴露するステップを含む、方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法であり、前記第2のフッ素化炭素層が、前記第1のフッ素化炭素層を形成する前に、前記基板上に堆積される第3の層上に形成され、及び前記第1のフッ素化炭素層が前記第2のフッ素化炭素層上に形成される、方法。
【請求項21】
請求項16に記載の方法であり、前記第1のフッ素化炭素層が、1200Wから3000Wの範囲のマイクロ波パワー、0Wから120Wの範囲のRFパワー、20mTorrから80mTorrの範囲の圧力、20秒から150秒の範囲のプロセス時間で形成される、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であり、前記第1のフッ素化炭素層が約100nmの厚さを持つ、方法。
【請求項23】
請求項16に記載の方法であり、前記第2のフッ素化炭素層が、0Wから1000Wの範囲のマイクロ波パワー、15Wから120Wの範囲のRFパワー、20mTorrから80mTorrの範囲の圧力、5秒から60秒の範囲のプロセス時間で形成される、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であり、前記第2のフッ素化炭素層が約0nmから10nmの厚さを持つ、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−531741(P2012−531741A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517495(P2012−517495)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/001832
【国際公開番号】WO2010/151336
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】