説明

ヘテロ基置換されたテトラヒドロナフタレン−アミン誘導体、その製造及び薬剤として使用

この発明は一般式(I)のヘテロ環置換されたテトラヒドロナフタレン−アミン化合物、その製造方法、該化合物を含む薬剤、並びに、人又は動物の治療用に薬剤製剤への使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は一般式(I)のヘテロ基置換されたテトラヒドロナフタレン−アミン化合物、その製造方法、該化合物を含む薬剤、並びに人又は動物の治療のために、該化合物の薬剤の調製への使用に関する。
【背景技術】
【0002】
新しい治療薬の探索は目標疾病と結び付けられるタンパク質及び他の生体分子の構造のより良い理解によって近年大いに助けられた。広範な研究の主題であったタンパク質の1つの重要なクラスが5−ヒドロキシトリプタミン(セロトニン、5−HT)レセプターのファミリーである。1993年に発見された5−HTレセプターはこのファミリーに属して、そして貴重な新しいドラッグの目標として大きい関心を引き付けた(非特許文献1)。
【0003】
5−HTレセプターがラット、ネズミ、テンジクネズミ及びヒトのcDNAからクローンが作られ、高度の種間同族性(約95%)を示すが、他の5−HTレセプターとは低い連続同族性(40%未満)を有するという点でユニークである。その発現パターンは、中枢神経系(CNS)(視床下部(特に神束交叉上核)及び視床)並びに他の末端組織(脾臓、腎臓、腸、心臓の動脈及び冠状動脈で最も高く)の特定の構造において、いろいろな機能及び病理に5−HTレセプターの関連を示唆する。この考えは、三環系抗うつ薬、典型的及び非典型的な抗精神病薬並びに若干の5−HT2レセプター拮抗体(receptor antagonists)のような、いくつかの治療薬が組換え型(recombinant)及び機能的な(functional)5−HTレセプターの両方に対する中程度ないし高度の親和性を示すという事実によって支持されている。
【0004】
機能上、5−HTレセプターは哺乳動物での生体時計の調節に関連付けられてきた(非特許文献2)。生体時計の中断が中でもうつ病、季節的感情障害、睡眠障害、シフト労働者症候群及び時差ぼけを初めとする多くのCNS障害と関係があることは知られている。
【0005】
体内分布及び早期の薬理学的データも、5−HTレセプターが血管の拡張に関係していることを示唆している。これは生体内で(in vivo)実証された(非特許文献3)。すなわち選択的な5−HTレセプター作動体《アゴニスト》が新規な高血圧剤としての可能性を有する。
【0006】
5−HTレセプターは、大脳血管の平滑筋の弛緩による片頭痛の病理生理学にも関連付けられてきた(非特許文献4)同様に、腸及び結腸組織の平滑筋の弛緩への5−HTの関与が、このレセプターを過敏性腸症候群の治療のための目標物にしている(非特許文献5)。最近、それは尿の失禁にも関係付けられた(非特許文献6)。
【0007】
5HTレセプターの作用薬又は拮抗薬としての治療への利用可能性を鑑み、選択的なリガンドを見いだすべく大きな努力がなされた。この分野での懸命な研究の努力にもかかわらず、選択的な5−HT拮抗体活性有する化合物は極めて少数しか報告されておらず(非特許文献7)、5−HT作用薬についてはさらにもっと少ない。
【0008】
レセプター5−HTに対して薬理活性を有する化合物を見いだす要求があり、その化合物は効果的であるとともに選択的であって、しかも良好な「薬物能力(drugability)」の特性、すなわち、投与、体内分布、新陳代謝及び排泄に関しての良好な薬学的特性を有する必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Terron、J.A.Idrugs、1998、Vol.1、No


et for novel therapeutic avenues?”
【非特許文献2】Lovenberg、T.W.ら、Neuron、1993、11:449−458頁”A novel adenylyl cyclase−activa


ed in the regulation of circadian rhythms”
【非特許文献3】Terron、J.A.、Br JPharmacol、1997、


he long lasting hypotensive response induced by 5−hydroxytryptamine in the rat”
【非特許文献4】Schoeffter、P.ら、1996、BrJPharmacol、117:993−994頁;Terron、J.A.、2002,Eur.J.


or involved in the pathogenesis and prophylactic treatment of migraine?”
【非特許文献5】De Ponti,F.et al.,2001,Drugs,61:317−332”Irritable bowel syndrome.New agents targeting serotonin receptor subtypes”
【非特許文献6】British J.of Pharmacology,Sept,2003,140(1) 53−60;”Evidence for the


n the micurition reflex in anaesthetized female rats”
【非特許文献7】Wesolowska,A.,Polish J.Pharmacol.,2002,54:327−341”In the search


【0010】
そこで、特に薬剤の有効物質として適する新規な化合物を提供することが本発明の目的であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記の目的は、有効な化合物として一般式(I)のヘテロ基置換されたテトラヒドロナフタレン−アミン誘導体を提供することによって達成された。
【課題を解決するための手段】
【0012】
【化1】

【0013】
(I),
【0014】
〔ここで、
K−L−M−Jは、一緒に、
・ =CH−X−Y=CH−(式中、いずれのいずれの適当なHもR及び/又はRによって置換されていてもよく、XはNR、O又はSから選択される一方、YはN又はCHから選択される);
・ =CH−X−Y−C(O)−(式中、いずれの適当なHもRによって置換されていてもよく、X及びYの1つはNRであるのに対して、他方はNR8a、S又はOから選択される);
・ =CH−X−Y−C(O)−(X及びYの1つはCHであるのに対して、他方はNR、S又はOから選択され、いずれの適当なHもR及び/又はRによって置換されていてもよい);
・ =CR−N=N−C(O)−;あるいは、
・ =CR−X=Y−X=CR9a−(Y、X及びXの2つはCHであるのに対して、他方はCHもしくはNから選択され、いずれの適当なHもRによって置換されていてもよい)、
を形成しており;
及びRは互いに独立に、線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
又は、
及びRはそれらを連結する窒素とともに場合によっては少なくとも一置換されたヘテロ環式環系を形成している;
及びRは水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
及びRは、水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
及びR8aは水素;又は、線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;
及びR9aは、水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である。〕
場合により、
その立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、の一つの形態、そのラセミ体、又はその立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、の少なくとも二つの任意の混合比にある混合物の形態、又は、それぞれ、その塩、好ましくは生理学的に許容し得る塩、又は対応する溶媒和物であってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0015】
好ましい実施形態では次の但し書きが適用される。
【0016】
「但し、(2S)−ジメチル−[5(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミンを除く。」
【0017】
別の好ましい実施形態では、次の但し書きが適用される。
「但し、(rac)−ジメチル−[5−(1,3,5−トリメチル」−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]アミン;及び
(2S)−ジメチル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル]アミンを除く。」
【0018】
別の好ましい実施形態では、次の但し書きが適用される。
「但し、K−L−M−Jが一緒に=CR−X−Y=CR−(式中、R及びRが共にメチル基で、XがNRでYがNである)を形成する場合には、R及びRの両方がCHでなくてもよい。」
【0019】
別の好ましい実施形態では、次の但し書きが適用される。
「但し、K−L−M−Jが一緒に=CH−X−Y=CH−(ここで、いずれの適当なHもR及び/又はRで置換されていてもよく、XがNRで、YがNである)を形成する場合には、R及びRの両方がCHでなくてもよい。」
【0020】
別の好ましい実施形態では、次の但し書きが適用される。
「但し、RとRの両方がCHでなくてもよい。」
【0021】
別の好ましい実施形態では、次の但し書きが適用される。
「但し、1,2,3,4−テトラヒドロ−N,N−ジメチルアニリン−5−(2,4,5−トリメチル」−1H−ピロール−3−イル)ナフタレン−2−アミンを除く。」
【0022】
式1に係る化合物は式(1)によって表現されるようにラセミ混合物の形で存在してもよいし、鏡像異性体の1つとして存在してもよい。すなわち、式Iはその鏡像異性体[(S)又は(R)]の1つ、つまり、式I−S又は式I−Rとして表現することもできる。
【0023】
【化2】

【0024】
式I−S
【0025】
【化3】

【0026】
式I−R
【0027】
又は
【0028】
式(S)−(I) 又は 式(R)−(I)
【0029】
非常に好ましい実施形態では、式(I)で表される本発明に係る化合物(類)は5−HTレセプター作用薬(agonists)である。
【0030】
本発明における「単−又は多環式系」とは、飽和、不飽和又は芳香族であってもよい、単環式又は多環式の炭化水素環系を意味する。環系が多環式である場合には、その異なった各環のそれぞれが異なる飽和度を示してもよく、すなわちそれは飽和か、不飽和か、あるいは芳香性でもよい。任意であるが、その単環式又は多環式の系の構成環のおのおのは環員として1又は2個以上のヘテロ原子を含んでいてもよく、それらは同一であるか、あるいは異なっていてもよく、好ましくは、N,O、S及びPから選択され、より好ましくはN、O及びSからなる群から選ばれる。好ましくは、該多環式環系は縮合した2個の環を有することができる。単環式もしくは多環式環系の各環は好ましくは5員又は6員である。
【0031】
「アリール基」は、少なくとも1つの芳香環を有し、しかし構成環のたとえ一つにさえもヘテロ原子を有しない環系を意味するものと理解される。例は、フェニル、ナフチル、フルオランテニル基、フルオレニル基、テトラリニル(tetralinyl)基又はインダニル基であり、特に9H−フルオレニル基又はアントラセニル基であり、これらは非置換が、一置換されているか、又は多置換されていてもよい。
【0032】
「アルキル−アリール」又は「アルキル−アリール基」は、少なくとも1つの芳香環を有し、しかしアルキレン(CH1−4基を介して核に結合した環のたとえ一つにさえもヘテロ原子を有しない環系を意味するものと理解される。ここで、置換とは、アルキレンにおいてではなくて環系における置換を指している。例えば、ベンジルであり、非置換でもよく一置換されていても多置換されていてもよい。
【0033】
本発明の文脈では、「シクロアルキル基」は、飽和又は不飽和の(但し非芳香族)の環状炭化水素基(環内にヘテロ原子を含まない)であって、非置換でも一置換されていても又は多置換されていてもよい。さらに、「C3−4−シクロアルキル」は、C−又はC−シクロアルキルを意味し、C3−5−シクロアルキルはC−、C−又はC−シクロアルキルを意味し、C3−6−シクロアルキルはC−,C−,C−又はC−シクロアルキルを意味し、C3−7−シクロアルキルはC−,C−,C−,C−又はC−シクロアルキルを意味し、C3−8−シクロアルキルはC−,C−,C−,C−,C−又はC−シクロアルキルを意味し、C4−5−シクロアルキルはC−又はC−シクロアルキルを意味し、C4−6−シクロアルキルはC−,C−又はC−シクロアルキルを意味し、C4−7−シクロアルキルはC−,C−,C−又はC−シクロアルキルを意味し、C4−8−シクロアルキルはC−,C−,C−C−又はC−シクロアルキルを意味し、C5−6−シクロアルキルはC−又はC−シクロアルキルを意味し、C5−7−シクロアルキルはC−,C−又はC−シクロアルキルを意味する。しかし、モノ−又はポリ不飽和の、好ましくはモノ不飽和の、シクロアルキルも、そのシクロアルキルが芳香族系でない限り、特に、シクロアルキルの用語の範疇に入る。該シクロアルキル基は好ましくはシクロプロピル,2−メチルシクロプロピル,シクロプロピルメチル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロペンチルメチル,シクロヘキシル,シクロヘプチル,シクロオクチル,及びアダマンチルである。
【0034】
「ヘテロ環」、「ヘテロ環式基」又は「ヘテロ環式環系」は、環又は環系内に窒素,酸素及び/又はイオウからなる群から選ばれる一個以上のヘテロ原子を含むヘテロ環式環系であって、一置換又は多置換されていてもよいものを意味すると理解される。該環系は、唯一の飽和又は不飽和の又は芳香族の環のいずれかから構成されていてもよいし、又は2,3又は4個の、飽和又は不飽和の又は芳香族の環―構成環の二以上が縮合して二以上の環の間で環構成員が共有されている―から構成されていてもよい。これらの例は、ヘテロ環(heterocycls)類から挙げると、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピロール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール、イミダゾ−チアゾール、ベンゾチアゾール、インドール、ベンゾトリアゾール、ベンゾジオキソラン、ベンゾジオキサン、カルバゾール及びキナゾリンである。
【0035】
単環式もしくは多環式環系,アルキル−アリール,アリール基,シクロアルキル基、又はヘテロ環式基に関して、「置換された」(又は「置換の」)とは、特記しない限り、単環式もしくは多環式環系の環、アルキル−アリール、アリール基、シクロアルキル基又はヘテロ環式基の環系上の少なくとも1つの水素基が、OH,SH,=O,ハロゲン(F,Cl,Br,I),CN,NO,COOH;NR(R及びRは独立にH又は飽和もしくは不飽和の、線状もしくは分岐した、置換もしくは非置換のC1−6アルキル)により;飽和もしくは不飽和の、線状もしくは分岐した、置換もしくは非置換のC1−6アルキル;飽和もしくは不飽和の、線状もしくは分岐した、置換もしくは非置換の−O−C1−6−アルキル(アルコキシル);飽和もしくは不飽和の、線状もしくは分岐した、置換もしくは非置換の−S−C1−6アルキル;飽和もしくは不飽和の、線状もしくは分岐した、置換もしくは非置換の−C(O)−C1−6−アルキル;飽和もしくは不飽和の、線状もしくは分岐した、置換もしくは非置換の−C(O)−O−C1−6−アルキル;置換もしくは非置換のフェニルにより、置き換えられていることを意味すると理解される。「一置換された」が正確に1つの水素基の置換を意味する一方、「多置換された」は1個より多い水素基の置換を意味し、このとき「多置換された」基は置換が異なる原子においてでもと同じ原子においてでも同種の又は異種の置換基で数回起こることを意味すると理解される。したがって、「場合によっては少なくとも一置換された」とは、任意的選択がなされない場合の「非置換」、「一置換された」又は「多置換された」のいずれかを意味する。
【0036】
アリール基,シクロアルキル基,又はヘテロ環式基に関して、「と縮合した」とは、アリール基、シクロアルキル基又はヘテロ環式基の環系がそれの1又は複数の環の二つの原子(一つ)をそれが縮合する単環式又は多環式環系の環と共有していることを意味するものと理解される。
【0037】
脂肪族基は、本発明で述べるように、場合によっては一置換もしくは多置換され、そして分岐しもしくは線状であってよく、飽和もしくは不飽和であってもよい。脂肪族基は、本発明で定義されるように、アルキル、アルケニル及びアルキニル基を含む。不飽和脂肪族基は、本発明で定義されるように、アルケニル及びアルケニル基を含む。本発明において好ましい脂肪族基は、これらに限定されるものではないが、メチル、エチル、ビニル(エテニル)、エチニル、プロピル、n−プロピル、イソプロピル、アリル(2−プロペニル)、1−プロピニル、メチルエチル、ブチル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、第三ブチル基、ブテニル基、ブチニル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、1−メチルペンチル1、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル及びn−デシルが挙げられる。
【0038】
本発明の文脈において、アルキル基(radical又はgroup)は、飽和した、直鎖状もしくは分岐した炭化水素であって、不飽和又は一置換もしくは多置換されていてもよいものを意味するものと理解される。即ち、不飽和アルキルは、アルケニル及びアルキニル基、例えば−CH=CH−CH又は−C≡C−CHのようなものを包含すると理解され、一方、飽和アルキルは、例えば−CH及び−CH−CHを包含する。これらの基において、C1−2−アルキルは、C−又はC−アルキルを表し、C1−3−アルキルは、C−、C−又はC−アルキルを表し、C1−4−アルキルは、C−、C−、C−又はC−アルキルを表し、C1−5−アルキルは、C−、C−、C−、C−又はC−アルキルを表し、C1−6−アルキルは、C−、C−、C−、C−、C−又はC−アルキルを表し、C1−7−アルキルは、C−、C−、C−、C−、C−、C−又はC−アルキルを表し、C1−8−アルキルは、C−、C−、C−、C−、C−、C−、C−又はC−アルキルを表し、C1−10−アルキルは、C−、C−、C−、C−、C−、C−、C−、C−、C−又はC10−アルキルを表し、そしてC1−18−アルキルは、C−、C−、C−、C−、C−、C−、C−、C−、C−、C10−、C11−、C12−、C13−、C14−、C15−、C16−、C17−又はC18−アルキルを表す。アルキル基は、メチル、エチル、ビニル(エテニル)、プロピル、アリル(2−プロペニル)、1−プロピニル、メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、1−メチルペンチルが好ましく、置換されている場合、CHF、CF又はCHOHなども好ましい。
【0039】
アルキル、アルキレン又は脂肪族の基に関して、−別に定義しない限り−用語「置換された」は、本発明の文脈において、少なくとも一つの水素基がF、Cl、Br、I、NH、SH又はOHで置き換えられていることを意味するものと理解される。ここで「一置換された」は、正確に一つの水素基が置換されていることを意味するのに対して、「多置換された」は一つを超える水素基の置換を意味し、「多置換された」基は、置換が異なる原子上及び同一の原子上の両方で、同一の又は異なる置換基で数回、例えばCFの場合のように同一のC原子上で3回、又は例えば−CH(OH)−CH=CH−CHClの場合のように異なる位置で3回、行われていることを意味すると理解される。従って、「場合により少なくとも一置換された」は、選択肢が満たされていない場合の「置換されていない」、「一置換された」、又は「多置換された」のいずれかを意味する。
【0040】
用語「アルキレン」は、−CH−又は−CH−CH−のような二価アルキル基を意味するものと理解され、また(CH3−6は、−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−CH−及び−CH−CH−CH−CH−CH−CH−を意味するものと理解され、(CH1−4は、−CH−、−CH−CH−、−CH−CH−CH−及び−CH−CH−CH−CH−を意味するものと理解するべきであり、(CH4−5は、−CH−CH−CH−CH−及び−CH−CH−CH−CH−CH−を意味するものと理解するべき、などである。
【0041】
用語「塩」は、本発明により使用される活性化合物がイオン形態をとるか又は帯電され、そして対イオン(陽イオン若しくは陰イオン)と結合し、又は溶液中に存在する形態をとる、該化合物の任意の形態を意味するものと理解するべきである。この用語により、活性化合物と他の分子及びイオンとの複合体、特にイオン相互作用を介して複合した複合体も理解されるべきである。
【0042】
用語「生理学的に許容し得る塩」は、本発明の文脈において、治療のために適切に使用される場合、特にヒト及び/又は哺乳動物に使用又は適用される場合に、生理学的に耐用性のある(殆どの場合、毒性を有さない、特に対イオンを原因とする毒性を有さないことを意味する)任意の塩を意味する。
【0043】
これら生理学的に許容し得る塩は、陽イオン又は塩基と共に形成することができ、本発明の文脈において、生理学的に許容し得る塩は、陰イオンとしての本発明で使用される化合物−通常、(脱プロトン化)酸−の、少なくとも一つと、好ましくは無機の陽イオンとの塩であって、特にヒト及び/又は哺乳動物に使用される場合に、生理学的に耐用性のある塩を意味するものと理解される。アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩が特に好ましく、NHとの塩も好ましいが、特に(一)若しくは(二)ナトリウム、(一)若しくは(二)カリウム、マグネシウム又はカルシウム塩が好ましい。
【0044】
これらの生理学的に許容し得る塩は、陰イオン又は酸と共に形成することもでき、本発明の文脈において、生理学的に許容し得る塩は、陽イオンとしての本発明で使用される化合物−通常、例えば窒素上でプロトン化したもの−の少なくとも一つと、少なくとも一つの陰イオンとの塩であって、特にヒト及び/又は哺乳動物に使用される場合に、生理学的に耐用性のある塩を意味するものと理解される。それにより特に、本発明の文脈において、生理学的に耐用性のある酸と共に形成される塩、即ち、特定の活性化合物と、特にヒト及び/又は哺乳動物に使用される場合に生理学的に耐用性のある無機酸又は有機酸との塩と理解される。特定の酸の生理学的に耐用性のある塩の例は:塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、マンデル酸、フマル酸、乳酸又はクエン酸の塩である。
【0045】
本発明の化合物は、結晶形態をとるか、又は遊離化合物若しくは溶媒和物のいずれかとして存在することができ、これらの形態は本発明の範囲内に含まれるものとする。溶媒和の方法は、一般に当技術分野で公知である。適切な溶媒和物は、薬学的に許容し得る溶媒和物である。本発明による用語「溶媒和物」は、本発明の活性化合物が非共有結合を介して他の一分子(殆どの場合、極性溶媒)に結合している、該化合物の任意の形態を意味するものと理解するべきであり、特に水和物及びアルコラート、例えばメタノラート、を含む。
【0046】
別に述べない限り、本発明の化合物は、一つ又はそれ以上の同位体に富む原子の存在のみで異なる化合物を含むことも意味する。例えば、水素が重水素又は三重水素で置き換えられている、又は炭素が13C若しくは14Cに富む炭素で置き換えられている、又は15Nに富む窒素で置き換えられていることを除いて本構造を有する化合物は、本発明の範囲内に含まれる。
【0047】
式(I)の化合物のプロドラッグである任意の化合物は、本発明の範囲内である。用語「プロドラッグ」は、その最も広い意味にて使用され、インビボで本発明の化合物に変換されるそれらの誘導体を包含する。そのような誘導体は、当業者に容易に想起され、分子内に存在する官能基に応じて以下の本発明の化合物の誘導体を含むが、これらに限定されるわけではない:エステル、アミノ酸エステル、リン酸エステル、金属塩スルホン酸エステル、カルバメート及びアミド。所定の作用化合物のプロドラッグの周知の製造方法の例は、当業者に知られており、例えばKrogsgaard−Larsenら”Textbook of Drug design and Discovery”Taylor & Francis(April 2002)に見出すことができる。
【0048】
式(I)の化合物、又はそれらの塩若しくは溶媒和物は、薬学的に許容し得る形態又は実質的に純粋な形態であることが好ましい。薬学的に許容し得る形態とは、とりわけ、通常の医薬添加剤、例えば希釈剤及び担体、を除いて薬学的に許容し得る純度レベルを有し、かつ通常の用量レベルにて有毒と思われる材料を全く含有しないことを意味する。薬物に関する純度レベルは、好ましくは50%超、より好ましくは70%超、最も好ましくは90%超である。好ましい実施態様において、純度レベルは、95%超の式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグである。
【0049】
本発明に係る化合物の特に好ましいものは、式Iaの化合物である。
【0050】
【化4】

【0051】
(Ia)
ここで、
Aは次の群から選択される化合物である;
【0052】
【化5】

【0053】
及びRは互いに独立に線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
あるいは、
及びRはそれらの連結する窒素とともに場合によっては少なくとも一置換されたヘテロ環式環系を形成している;
及びRは水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
及びRは、水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
及びR8aは水素;又は、線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;
及びR9aは、ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である。
【0054】
好ましい実施形態では次の但し書きが適用される。
「但し、(2S)−ジメチル−[5(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミンを除く。」
【0055】
別の好ましい実施形態では、次の但し書きが適用される。
「但し、(rac)−ジメチル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]アミン;及び
(2S)−ジメチル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル]アミンを除く。」
【0056】
別の好ましい実施形態では、次の但し書きが適用される。
「但し、Aがピラゾールで、3位及び5位でメチル置換されている場合には、R及びRは両方がCHメチルでなくてもよい。」
【0057】
別の好ましい実施形態では、次の但し書きが適用される。
「但し、Aがピラゾールである場合には、R及びRは両方がCHメチルでなくてもよい。」
【0058】
別の好ましい実施形態では、次の但し書きが適用される。
「但し、R及びRは両方がCHメチルでなくてもよい。」
【0059】
別の好ましい実施形態では、次の但し書きが適用される。
「但し、1,2,3,4−テトラヒドロ−N,N,N−ジメチル−5−(2,4,5−トリメチル−1H−ピロール−3−イル)ナフタレン−2−アミンを除く。」
【0060】
式(Ia)による化合物は、式(Ia)によって表現されるように、ラセミ混合物の形態で存在していてもよいし、又は鏡像異性体の1つとして存在していてもよい。すなわち、式Iaはその鏡像異性体[(S)又は(R)]の一つとして、即ち、式Ia−R又は式Ia−Sとして表されてもよい。
【0061】
【化6】

【0062】
式Ia−S
【0063】
【化7】

【0064】
式Ia−R
【0065】
本発明の化合物の好ましい実施形態は、式Iaの化合物であり、但し、
Aは次の群から選択される:
【0066】
【化8】

【0067】
及びRは互いに独立に線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
あるいは、
及びRはそれらの連結する窒素とともに場合によっては少なくとも一置換されたヘテロ環式環系を形成している;
及びRは水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
及びRは、水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
及びR8aは水素;又は、線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される。
【0068】
本発明の化合物の別の好ましい実施形態は、式(Ia)の化合物であり、但し、
Aは次の群から選択される化合物である:
【0069】
【化9】

【0070】
又は
【0071】
【化10】

【0072】
又は
【0073】
【化11】

【0074】
及びRは互いに独立に、線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
又は、
及びRはそれらを連結する窒素とともに場合によっては少なくとも一置換されたヘテロ環式環系を形成している;
及びRは水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
及びRは、水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
は水素;又は、線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;
【0075】
本発明に係る化合物の別の好ましい実施形態は、一般式(I)又は(Ia)の化合物であり、但し、
及びRは互いから独立して線状もしくは分岐した、場合によっては少なくとも一置換されたC1−4−アルキル基である;
好ましくは、
及びRは互いに独立して線状もしくは分岐したC1−4−アルキル基である;
より好ましくは、
及びRは互いに独立にCH、C又はCである。
【0076】
本発明に係る化合物の別の好ましい実施形態は、一般式(I)又は(Ia)の化合物であり、但し、
及びRはそれらを連結している窒素と共に4から7の環構成員の、場合によっては少なくとも一置換されたヘテロ環式環系を構成している;
好ましくは、
及びRはそれらを連結している窒素と共に5又は6の環構成員の、場合によっては少なくとも一置換されたヘテロ環式環系を構成している;
より好ましくは、
及びRはそれらを連結している窒素と共に下記から選ばれるヘテロ環式環系を構成している;
【0077】
【化12】

【0078】
ここでR’は水素又は線状もしくは分岐したC1−4−アルキル基から選ばれる。
【0079】
本発明の化合物の別の好ましい実施形態は、式(I)又は(Ia)の化合物であり、但し、
及びRは水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、場合によっては少なくとも一置換されたC1−4のアルキル基から独立に選ばれ;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、場合によっては少なくとも一置換されたC1−4のアルキル基である;
好ましくは、
及びRはH,F,Cl,Br,I,OH,SH,NH,CH,C,C,C,OCH,OC,OC又はOCから独立に選ばれる;
より好ましくは、
及びRはHである。
【0080】
本発明に係る化合物の別の好ましい実施形態は、一般式(I)又は(Ia)の化合物であり、但し、
及びRは、水素;ハロゲン、OH,SH,NH;線状もしくは分岐した、F、Cl、Br、I、SHあるいはOHによって場合によっては少なくとも一置換されたC1−4アルキル基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換されたC1−4アルキル基である;
好ましくは、
及びRは、H,F,Cl,Br,I,OH,SH,NH,CH,C,C,C,OCH,OC,OC又はOCから互いに独立に選択される;
より好ましくは、
及びRは、互いに独立にH又はCHから選択される.
【0081】
本発明に係る化合物の別の好ましい実施形態は、一般式(I)又は(Ia)の化合物であり、但し、
は水素;又は、線状もしくは分岐した、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換されたC1−4アルキル基から互いに独立して選択され;
好ましくは、
はH,CH,C,C,又はCから選択され;
より好ましくは、
はH又はCH.から独立に選択される。
【0082】
本発明に係る化合物の別の好ましい実施形態は、一般式(I)又は(Ia)の化合物であり、但し、
及びR9aは、水素;F,Cl,Br,I,OH,SH,NH;線状又は分岐のある、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換されたC1−4アルキル基から互いに独立に選択され;あるいは、ORであり、Rは線状もしくは分岐した、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換されたC1−4アルキル基である;
好ましくは、
及びR9aはH,F,Cl,Br,OCH,OC,CF,OCF,CH,C,C,又はCから互いに独立して選択され;
より好ましくは、
はF又はCHから選択される。
【0083】
本発明に係る化合物の別の好ましい実施形態は、一般式(I)又は(Ia)、特に(Ia)、の化合物であり、但し、R及びR9aは、F,Cl,Br,I,OH,SH,NH;線状もしくは分岐した、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換されたC1−4アルキル基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換されたC1−4アルキル基であるか、あるいは、ORであり、Rは線状もしくは分岐した、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換されたC1−4アルキル基である;
好ましくは、
及びR9aはF,Cl,Br,OCH,OC,CF,OCF,CH,C,C又はCから互いに独立して選択され;
より好ましくは、
及びR9aはF又はCHから互いに独立して選択される、
【0084】
本発明に係る化合物の別の好ましい実施形態は、一般式(I)又は(Ia)の化合物であって、
・ 1−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ピペリジン;
・ 1−メチル−4−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ピペリジン;
・ 1,3,5−トリメチル−4−(6−ピロリジン−1−イル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−1H−ピラゾール;
・ 1−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ピペリジン;
・ ジプロピル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ メチル−プロピル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ ジエチル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ エチル−メチル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ ジメチル−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ [5−(3,5−ジメチル−イソキサゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ (5−フラン−3−イル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ジメチル−アミン;
ジメチル−(5−チオフェン−3−イル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−アミン;
・ [5−(2,6−ジメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ [5−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ ジメチル−(5−ピリジン−3−イル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−アミン、
【0085】
から選択され、場合により、その立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、の一つの形態、そのラセミ体、又はその立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、の少なくとも二種の任意の混合比にある混合物の形態、又は、その塩、好ましくは生理学的に許容し得る塩、より好ましくは生理学的に許容し得る酸付加塩、最も好ましくは塩酸塩、又は対応する溶媒和物の形態であってもよい化合物である。
【0086】
本発明に係る化合物の別の好ましい実施形態は、一般式(I)又は(Ia)の化合物であって、
・ 1−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ピペリジン;
・ 1−メチル−4−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ピペリジン;
・ 1,3,5−トリメチル−4−(6−ピロリジン−1−イル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−1H−ピラゾール;
・ 1−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ピペリジン;
・ ジプロピル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ メチル−プロピル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ ジエチル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ エチル−メチル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ ジメチル−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ [5−(3,5−ジメチル−イソキサゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ (5−フラン−3−イル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ジメチル−アミン;
ジメチル−(5−チオフェン−3−イル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−アミン;
・ [5−(2,6−ジメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ [5−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ ジメチル−(5−ピリジン−3−イル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−アミン、又は
・ (2S)−イソプロピル−メチル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ (2S)−イソプロピル−プロピル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ (2S)−Ethy1−イソプロピル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−yl)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ 4−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−モルホリン;
・ [5−(2−メトキシ−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ [5−(2,6−ジクロロ−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ [5−(2−クロロ−6−メトキシ−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ [5−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
【0087】
から選択され、場合により、その立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、の一つの形態、そのラセミ体、又はその立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、の少なくとも二種の任意の混合比にある混合物の形態、又は、その塩、好ましくは生理学的に許容し得る塩、より好ましくは生理学的に許容し得る酸付加塩、最も好ましくは塩酸塩、又は対応する溶媒和物の形態であってもよい化合物である。
【0088】
本発明に係る化合物の別の好ましい実施形態は、一般式(I)又は(Ia)の化合物であって、
・ [5−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン,
・ ジメチル−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン,
・ (rac)−ジメチル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;及び
・ (2R)−ジメチル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
から選らばれ、場合により、その塩、好ましくは生理学的に許容し得る塩、より好ましくは生理学的に許容し得る酸付加塩、最も好ましくは塩酸塩、又は対応する溶媒和物の形態であってもよい化合物。
【0089】
本発明に係る化合物の別の好ましい実施形態は、一般式(Ia)の化合物であって、該式において、
Aは、次の基群から選ばれる:
【0090】
【化13】

【0091】
とRはCHであるか、又は
及びRはそれらの連結窒素と共に、場合によっては少なくとも一置換されたヘテロ環式環系を構成している;
及びRは水素であり、
は、水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から選択される、
は、水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
は、ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である、
9aは、ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から選択される、化合物である。
【0092】
本発明に係る一般式(Ia)の化合物の好ましい実施形態において、これらの化合物は、
・ [5−(2,6−ジメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ [5−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ ジメチル−(5−ピリジン−3−イル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−アミン;
・ [5−(2−メトキシ−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ [5−(2,6−ジメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ [5−(2−クロロ−6−メトキシ−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
から選択され、場合によっては、その塩、好ましくは生理学的に許容し得る塩、より好ましくは生理学的に許容し得る酸付加塩、最も好ましくは塩酸塩、又は対応する溶媒和物の形態であってもよい、化合物である。
【0093】
本発明の別の側面において、一般式(I)の化合物の製造方法がスキーム4Aに従って提供されるが、これにおいて、R,R,R,R,K,L,M及びJは上記と同じ意味を有する。
【0094】
【化14】

【0095】
一般式(I)の化合物は接触クロスカップリング反応によって製造することができるが、該反応には、クマタ−Corriu−タマオ、ニギシ、Stille、ヒヤマ、スズキ−ミヤウラ、ヘック、ソノガシラ、及び当業者に公知のその他のクロスカップリングが含まれる。より好ましくは、一般式(I)の化合物は、一般式(III)又は(IIIa):
【0096】
【化15】

【0097】
〔ここで、K,L,M及びJは上述の意味である〕
のホウ酸又はホウ酸エステルを、一般式(XII):
【0098】
【化16】

【0099】
〔ここで、R,R,R及びRは上述の意味であり、Xはハロゲン、好ましくは臭化物、OH,OMe又はO−トリフレート(triflate)基である〕
の化合物と、適切な反応媒体中、パラジウム触媒、適切なリガンド及び少なくとも1種の塩基の存在下で、クロスカップリング・スズキ反応させることにより製造することができる。この方法は、反応混合物を、通常の加熱によって標題化合物(1)を達成するのに十分な時間還流させるか、又は、好ましくは1から10分間、100−120℃の間の温度でマイクロ波放射線に当てることによって行なうことができる。
【0100】
一般式(XII)の化合物の製造は、一般式(V)及び(XIII):
CHO(V), RCHO(XIII)
〔ここで、R及びRは上記と同じ意味を有する。〕
のアルデヒドの、一般式(XIV)の化合物との二つの連続した還元的アミノ化反応
により達成される。
【0101】
【化17】

【0102】
〔ここで、X,R及びRは上記と同じ意味を有する。〕。この還元的アミノ化は、一般式(V)or(XIII)の化合物と一般式(XIV)のアミノ化合物と還元剤を含む混合物の適切な反応媒体中での十分な時間の反応により行われ、化合物(XII)が得られる。還元的アミノ化反応は、好ましくは1−10分間、90−120℃のマイクロ波照射下でも行うことができる。マイクロ波照射は、通常の還元的アミノ化方法により得られる物に比較して望ましくない副生物の生成を抑制できる。
0110
この方法は、中間的なイミン又はイミニウム塩を予め生成しないで、一般式(V)又は(XIII)のカルボニル化合物と一般式(XIV)のアミン化合物を還元剤と混合すると、直接反応として行うことができる。段階的あるいは間接的反応には、予め生成するイミンを別段階で低減することが伴ってしまう。
【0103】
還元剤の選択は、当業者なら通常のように行うことができる。この手順で有用な還元剤には、水素と触媒、亜鉛とHCl、ナトリウムシアノボロヒドリド、リチウムシアノボロヒドリド、テトラブチルアンモニウムシアノボロヒドリド、固体担体担持シアノボロヒドリド、ナトリウムシアノボロヒドリドと脱水剤、ナトリウムシアノボロヒドリドとチタン添加物、ナトリウムシアノボロヒドリドとハロゲン化亜鉛添加物、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムと脱水剤、水素化ホウ素ナトリウムとチタン添加物、水素化ホウ素ナトリウムと亜鉛塩添加物、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、重合体担持ホウ化水素、酢酸ニッケルあるいはパラジウムアセテートを伴ったホウ化水素交換樹脂、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウムと添加物、テトラメチルアンモニウム水素化トリアセトキシホウ素、ナトリウムシアノ−9−ホウ素ビシクロ[3.3.1]ノナン、リチウムトリエチルホウ化水素、リチウムトリ(s−ブチル)ホウ化水素、ナトリウムジイソピノカンフェイルシアノボロヒドリド、アミンボラン、ボラン−ピリジン複合体及びアルキルアミンボランが含まれる。ナトリウムトリアセトキシホウ化水素が特に好ましい、というのは非中毒性であって、そして概ねイミン形成の前にカルボニル基を還元しないからである。.
【0104】
一般式(XIV)の化合物は、一般式(XV)の化合物から、触媒、特にパラジウム触媒の存在下、適切な反応媒体中での水素化反応により得られる。
【0105】
【化18】

【0106】
〔ここで、X,R及びRは上記と同じ意味を有する。〕
【0107】
一般式(XV)の化合物は、ベンジルアミンの一般式(XVI)の化合物との還元的アミノ化反応により得られる。
【0108】
【化19】

【0109】
〔ここで、X,R及びRは上記と同じ意味を有する。〕
還元的アミノ化反応は、上述した方法に従って行うことができる。
【0110】
一般式(III)、(IIIa),(V),(XIII)及び(XVI)の化合物は、市場で入手できるし、当業者に知られた方法で製造することができる。
【0111】
適切な反応媒体は、例えば、有機溶媒、例えばエーテル、好ましくはジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルグリコールエーテル、又はアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブタオール、又は炭化水素、好ましくはベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、又は、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、又は/及び、他の溶剤、好ましくはエチルアセテート、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルフォルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、アセトニトリル、アセトン又はニトロメタンが含まれる。上述の溶剤及び水の一種又は二種以上の混合物も使用することができる。
【0112】
本発明によると、該方法で使用することができる塩基は一般に有機又は無機の塩基であり、好ましくは、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム、又は、水酸化バリウムのような他の金属から得られる、又は、種々の炭酸塩、好ましくは炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、又はアルコキシド、例えばナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシドもしくはカリウム第三ブトキシド、又は有機アミン、好ましくはトリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、又は複素環化合物、例えば1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、ジアミノピジン、ジメチルアミノピリジン、メチルピペリジンもしくはモルホリンである。ナトリウムのようなアルカリ金属又はその水素化物、例えばナトリウム水素化物も使用することができる。
【0113】
一般式(I)の化合物の製造をスキーム4Aに図示する。
スキーム4A
【0114】
【化20】

【0115】
一般式(S)−(XV)又は(R)−(XV):
【0116】
【化21】

【0117】
【化22】

【0118】
〔ここで、X,R及びRは上述の意味を有する〕
の鏡像異性的に純粋な化合物は、スキーム4Bに示すように、一般式(XV)のラセミ化合物から当業者に知られた標準的分離方法、例えば、クロマトグラフィー法又はキラル試薬、好ましくはマンデル酸又はジ−p−トルイ酒石酸(di−p−toluiltartaric acid)を用いる結晶化法によって得られる。(S)−(+)−マンデル酸又はL−ジ−p−トルイ酒石酸(L−di−p−toluiltartaric acid)による結晶化はスキーム4Bに示された化合物の(S)鏡像異性体を生成し、他方、(R)−(−)−マンデル酸を用いる結晶化はこれらの化合物の(R)鏡像異性体を生成する。
【0119】
この方法による、一般式(S)−(I)又は(R)−(I)の鏡像異性的に純粋な化合物の、次の製造は上述のように進めることができ、スキーム4Bに一般式(S)−(I)の化合物について図示されている。
【0120】
【化23】

【0121】
別の側面において、本発明は、スキーム5Aに従って、一般式(I)の化合物、特にXがOH、OMe又はO−トリフレート基である場合の化合物の製造方法も提供する。
【0122】
一般式(XIIa):
【0123】
【化24】

【0124】
〔ここで、R,R,R及Rは上述の意味を有する〕
の化合物の製造は、トリフル酸無水物(triflic anhydride)を、塩基の存在下、適切な反応媒体中で、一般式(XIIb)の化合物と反応させることにより達成できる。
【0125】
【化25】

【0126】
〔ここで、R,R,R及びRは上記と同じ意味を有する。〕
【0127】
一般式(XIIb)のヒドロキシル化合物は、一般式(XIIc)のメトキシ化合物から、HBr48%中、125℃で加熱することにより得られる。
【0128】
【化26】

【0129】
〔ここで、R,R,R及びRは上記と同じ意味を有する。〕
一般式(XIIb)の化合物を得るための一般式(XIIc)の化合物のジメチル化は、BBrと適切な反応媒体中で反応させるか、又は当業者に知られた他の方法によっても達成することができる。
【0130】
一般式(XIIc)化合物は、上述(スキーム4A)のように一般式(XIV)又は(XIVa)アミノ化合物から、二つの連続した還元的アミノ化反応によって製造できる。別の合成法では、一般式(XVI)又は(XVIa)化合物は、一般式(XIX)の第二アミンを用いる上述の条件での還元的アミノ化によって一般式(XIIc)化合物を直接的に与えることができる。
HNR (XIX)
〔ここで、R,及びRは上記と同じ意味を有する。〕
該方法で使うことができる塩基及び適当な反応媒体は上述したものである。
0137
一般式(Ia)化合物を製造する該代替方法はスキーム5Aに図示する通りである:
【0131】
スキーム5A
【0132】
【化27】

【0133】
一般式(S)−(XVa):
【0134】
【化28】

【0135】
【化29】

【0136】
〔ここで、R及びRは上記と同じ意味を有する。〕
の鏡像異性的に純粋な化合物は、スキーム5Bに示すように、一般式(XVa)のラセミ化合物から当業者に知られた標準的分離方法、例えばクロマトグラフィー法又はキラル試薬、好ましくはマンデル酸又はジ−p−トルイ酒石酸(toluiltartaric acid)を用いる結晶化法によって得られる。(S)−(+)−マンデル酸又はL−di−p−toluiltartaric酸(L−di−p−toluiltartaric acid)による結晶化はスキーム5Bに示された化合物の(S)鏡像異性体を生成し、他方、(R)−(−)−マンデル酸を用いる結晶化はこれらの化合物の(R)鏡像異性体を生成する。
【0137】
この方法による、一般式(S)−(I)又は(R)−(I)の鏡像異性的に純粋な化合物の、次の製造は上述のように進めることができ、スキーム5Bに一般式(S)−(I)の化合物について図示されている。
【0138】
スキーム5B
【0139】
【化30】

【0140】
別の側面において、本発明は、スキーム6に従って、一般式(I)の化合物の代替製造方法も提供する。この方法によると、一般式(XVII):
【0141】
【化31】

【0142】
〔ここで、R,R,K,L,M及びJは上記と同じ意味を有する。〕
の少なくとも一種の化合物が、一般式(V)及び(XIII)のアルデヒドを用いる二つの連続した還元的アミノ化反応に供される。
【0143】
CHO (V), RCHO (XIII)
【0144】
〔ここで、R及びRは上記と同じ意味を有する。〕還元的アミノ化反応は上述した方法に従って行うことができる。
【0145】
一般式(XVII)アミノ化合物は一般式(XVIII)カルボニル化合物の上述の条件でのアンモニアによる還元的アミノ化により得られる。
【0146】
【化32】

【0147】
〔ここで、R,R,K,L,M及びJは上記と同じ意味を有する。〕一般式(XVIII)の化合物は、一般式(XIX)の第二アミンを用いる上述した条件での還元的アミノ化によって一般式(I)の化合物を直接的に与えることができる。
HNR (XIX)
〔ここで、R,及びRは上記と同じ意味を有する。〕
【0148】
一般式(XVIII)の化合物の製造は、一般式(XX)の化合物の加水分解により達成できる。
【0149】
【化33】

【0150】
ここで、Rは水素又は脂肪族基であり、該脂肪族基は線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によってはF,Cl,Br,I,SH又はOHによって少なくとも一置換されていてもよい。二つのRは橋渡しの酸素原子と共に飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された5又は6員のヘテロ環式の環を形成することができ、これは場合によっては一置換された単環もしくは多環式の環系と縮合していてもよい。R,R,K,L,M及びJは上記と同じ意味を有する。
【0151】
一般式(XX)の化合物は、一般式(III)又は(IIIa)のホウ酸又はホウ酸エステルの一般式(XXI)で表される少なくとも1種の化合物とのクロスカップリング鈴木反応により製造することができる。
【0152】
【化34】

【0153】
〔ここで、K,L,M及びJは上述の意味を有する〕
【0154】
【化35】

【0155】
〔ここで、R,R及びRは上記と同じ意味を有する。〕鈴木反応は上述した方法に従って行うことができる。
【0156】
一般式(XXI)の化合物は、トリフル酸無水物の一般式(XXII)の化合物との、塩基存在下、適切な反応媒体中での反応により得られる。
【0157】
【化36】

【0158】
〔ここで、R,R及びRは上記と同じ意味を有する。〕
【0159】
一般式(XXII)のケタール化合物は一般式(XXIII)のカルボニル化合物を酸触媒の存在下、アルコール(R−OH)で処理することで生成させることができる。
【0160】
【化37】

【0161】
〔ここで、R及びRは上述の意味を有する〕
【0162】
一般式(XXIII)のヒドロキシル化合物は一般式(XVIa)のメトキシ化合物から、HBr48%中、125℃で加熱することにより得られる。
【0163】
【化38】

【0164】
〔ここで、R及びRは上記と同じ意味を有する。〕
一般式(XXIII)の化合物を得るための一般式(XVIa)の化合物のジメチル化は、BBrと適切な反応媒体中で反応させるか、又は当業者に知られた他の方法によっても達成することができる。
【0165】
この方法に使用することができる塩基及び適切な反応媒体は上述しものである。
【0166】
一般式(I)の化合物を製造するこの代替方法をスキーム6に図示する。
【0167】
【化39】

【0168】
別の側面において、本発明はスキーム7に従って一般式(I)の化合物の代替製造方法も提供する。この方法によると、一般式(XXIV)の少なくとも1種の化合物が、
【0169】
【化40】

【0170】
〔ここで、R,R,R及びRは上記の意味を有し、Xはハロゲン、好ましくは臭化物を意味する。〕
が、,適切な反応媒体中、パラジウム触媒、適切なリガンド及び少なくとも1種の塩基の]存在下、一般式(XXV)の少なくとも1種の化合物との熊田−Corriuクロスカップリング反応に供される。
【0171】
【化41】

【0172】
〔ここで、K,L,M及びJは上記の意味を有有し、Xはハロゲン、好ましくは臭化物を意味する。〕。
【0173】
一般式(XXIV)の化合物の製造は一般式(XII)の化合物のグリニャール反応により達成できる。
【0174】
【化42】

【0175】
〔ここで、R,R,R及びRは上記の意味を有し、Xはハロゲン、好ましくは臭化物を意味する。〕
【0176】
一般式(XXV)の化合物は市場で入手できるし、当業者に知られた方法で製造することができる。
【0177】
一般式(XII)の化合物の合成は上述の方法(スキーム4A)に従って行うことができる。
適切な反応媒体は上述したものである。
この方法で使用できる塩基は上述したものである。
【0178】
この一般式(I)の化合物の代替製造方法をスキーム7に図示する。
スキーム7
【0179】
【化43】

【0180】
一般式(S)−(I)の鏡像異性的に純粋な化合物の製造は、該代替方法において出発物質として一般式(S)−(XII)の化合物を使用することにより行うことができる。一般式(S)−(XII)の化合物は上述したようにして(スキーム4B)得ることができる。
【0181】
別の側面において、本発明の一般式(I)化合物の代替の製造方法をスキーム8に従っても提供する。〔ここで、R,R,R,及びRは上記の意味を有し、K−L−M−Jは一緒に、
【0182】
【化44】

【0183】
(ここで、R,R及びRは上記と同じ意味を有する。)を形成する。
【0184】
一般式(XXVI)の化合物:
【0185】
【化45】

【0186】
〔ここで、R,R,R,R,R及びRは上述の意味を有する〕
を一般式(XXVII)の化合物と適切な反応媒体中で反応させることにより、一般式(I)の標題の化合物が得られる。
【0187】
【化46】

【0188】
〔ここで、Rは上述した意味を有する〕。
【0189】
一般式(XXVI)の化合物の製造は、一般式(XXVIII)の化合物の、
【0190】
【化47】

【0191】
〔ここで、R及びRは上述の意味を有する〕
一般式(XII)の化合物による、適切な反応媒体中、CuX及び少なくとも1種の塩基の存在下でのCu触媒化親核置換反応により達成できる。
【0192】
【化48】

【0193】
〔ここで、R,R,R及びRは上記の意味を有し、Xはハロゲン、好ましくはヨウ化物又は臭化物を示す〕。
【0194】
一般式(XXVII)及び(XXVIII)の化合物は市場で入手できるし、当業者に知られた方法で製造することができる。
【0195】
適切な反応媒体は上述したものである。
この方法で使用できる塩基は上述したものである。
一般式(XII)の出発化合物はスキーム4Aにより製造することができる。
【0196】
一般式(I)の化合物の代替製造方法をスキーム8に示す。
スキーム8
【0197】
【化49】

【0198】
一般式(S)−(I)の鏡像異性的に純粋な化合物の製造は、該代替方法において出発物質として一般式(S)−(XII)の化合物を使用することにより行うことができる。一般式(S)−(XII)の化合物は上述したようにして(スキーム4B)得ることができる。
【0199】
本発明の別の側面において、一般式(S)−(I)及び(R)−(I)の化合物のエナンチオ選択的合成方法も提供する。これらの方法のいくつかをスキーム9,10,11,12及び13に示す。
【0200】
スキーム9に図示の方法によると、一般式(S)−(I)の化合物の製造は、一般式(III)又は(IIIa)の化合物の、
【0201】
【化50】

【0202】
〔ここで、K,L,M及びJは上記と同じ意味を有する。〕
少なくとも一般式(S)−(XIIa)の化合物との、適切な反応媒体中、パラジウム触媒、適切なリガンド及び少なくとも1種の塩基の存在下、クロスカップリング鈴木反応による反応によりに達成できる。
【0203】
【化51】

【0204】
〔ここで、R,R,R及びRは上記と同じ意味を有する〕。
【0205】
一般式(S)−(XIIa)の化合物の製造は、トリフル酸無水物の、塩基の存在下、適切な反応媒体中において、一般式(S)−(XIIb)の化合物との反応により達成できる。
【0206】
【化52】

【0207】
〔ここで、R,R,R及びRは上記と同じ意味を有する。〕
【0208】
一般式(S)−(XIIb)のヒドロキシル化合物は一般式(S)−(XIIc)のメトキシ化合物から、HBr48%中、125℃で加熱することにより得られる。
【0209】
【化53】

【0210】
〔ここで、R,R,R及びRは上記と同じ意味を有する。〕
一般式(S)−(XIIb)の化合物を得るための一般式(S)−(XIIc)の化合物のジメチル化は、BBrと適切な反応媒体中で反応させるか、又は当業者に知られた他の方法によっても達成することができる。
【0211】
一般式(S)−(XIIc)の化合物の製造は、一般式(V)及び(XIII):
CHO (V), RCHO (XIII)
〔ここで、R及びRは上記と同じ意味を有する。〕
のアルデヒドの、一般式(S)−(XIVa)の化合物との二つの連続した還元的アミノ化反応により達成される。
【0212】
【化54】

【0213】
〔ここで、R及びは上記と同じ意味を有する。〕この還元的アミノ化は上述した方法に従って行うことができる。
【0214】
一般式(S)−(XIVa)の化合物は、一般式(XXIX)のアジド化合物のパラジウムで触媒した水素化により得られる。
【0215】
【化55】

【0216】
〔ここで、R及びRは上記と同じ意味を有する。〕
【0217】
一般式(XXIX)の化合物は、一般式(XXX)の化合物を、適切な反応媒体中、ナトリウムアジドで処理することにより製造することができる。
【0218】
【化56】

【0219】
〔ここで、R及びRは上記と同じ意味を有する。〕
【0220】
別の代替の合成方法では、一般式(XXX)化合物は、一般式(XIX)の第二アミンとの反応によりある種の一般式(S)−(XIIc)の化合物を直接生成することができる。
HNR(XIX)
〔ここで、R及びRは上記と同じ意味を有する。〕
【0221】
一般式(XXXI)のヒドロキシル化合物は、
【0222】
【化57】

【0223】
〔ここで、R及びRは上述の意味を有する〕
適切な反応媒体中、少なくとも1つの塩基存在下、メタンスルホニルクロリドによる処理によって、対応する一般式(XXX)のメタンスルホネート化合物に転換される。
【0224】
一般式(XXXI)の化合物は一般式(XXXII)の化合物の、還元剤の存在下、適切な反応媒体中でのエポキシド環位置選択的開環によって得られる。
【0225】
【化58】

【0226】
〔ここで、R及びRは上述の意味を有する〕。
【0227】
一般式(XXXII)のキラルエポキシドは一般式(XXXIII)のジヒドロナフタレン化合物から、当業者に知られたジェイコブセンエポキシ化反応(Jacobsen epoxidation)のための条件下で製造される。
【0228】
【化59】

【0229】
〔ここで、R及びRは上述の意味を有する〕。
【0230】
一般式(R)−(I)の化合物は、この方法に従って、適切なキラルジェイコブセン触媒(chiral Jacobsen catalyst)を使用して一般式(XXXII)の化合物の鏡像異性体を製造することによっても得ることができる。
【0231】
一般式(III),(IIIa),(V),(XIII)及び(XXXIII)の化合物は、市場で入手できるし、当業者に知られた方法で製造することができる。
適切な反応媒体は上述したものである。
この方法で使用できる塩基及び還元剤は上述したものである。
【0232】
一般式(S)−(I)の化合物のこのエナンチオ選択的製造方法をスキーム9に図示する。
スキーム9
【0233】
【化60】

【0234】
一般式(XXXI)のキラル第二級アルコールは当業者に知られている他の方法によっても製造されることができる。これらの方法には酵素学的触媒作用及び移動水素化がある。移動水素化の合成方法をスキーム10に示す。この方法によれば、一般式(XXXIV):
【0235】
【化61】

【0236】
〔ここで、R及びRは上述した意味を有する〕
のメトキシテトラロンがキラルリガンド、適切な触媒、水素ソースとしての2−プロパノール及び少なくとも1つの塩基の存在下で不斉還元に供され、一般式(XXXI)のキラルアルコールを生成する。
一般式(S)−(I)の目標化合物は上述したようにして(スキーム9)、一般式(XXXI)の化合物の数回の化学転換を経て得られる。
【0237】
一般式(R)−(XXXI)の化合物はこの方法に従って一般式(XXXIV)のメトキシテトラロンの不斉還元反応に適切なリガンドを使用することによっても得ることができる。一般式(R)−(I)の化合物は、スキーム9に記載のように、一般式(R)−(XXXI)の化合物の数回の化学的転換を経て得ることができる。
【0238】
一般式(XXXIV)のテトラロンは、市場で入手できるし、当業者に知られた方法で製造することができる。
適切な反応媒体は上述したものである。
この方法で使用できる塩基及び還元剤は上述したものである。
【0239】
一般式(S)−(I)の化合物を製造する、この代替のエナンチオ選択的方法をスキーム10に示す。
スキーム10
【0240】
【化62】

【0241】
一般式(S)−(XIVa)のキラルアミンは、スキーム11に示すように、キラルアミノ助剤から生成されたキラルイミンの非対称的誘導還元によっても製造することができる。
この方法によると、一般式(XXXV)の化合物:
【0242】
【化63】

【0243】
〔ここで、R及びRは上述の意味を有する〕
が、適当な触媒の存在下で水素化に供され、一般式(S)−(XIVa)のキラルアミンを生成する。
【0244】
【化64】

【0245】
〔ここで、R及びRは上記と同じ意味を有する。〕
一般式(S)−(XIVa)のアミンは、一般式(S)−(I)の目標化合物の合成において中間体化合物であり、これはスキーム5B及び9に記載の方法に従って製造することができる。
【0246】
一般式(XXXV)の化合物が一般式(XXXVI)のキラルイミンの還元により得られる。
【0247】
【化65】

【0248】
〔ここで、R及びRは上記と同じ意味を有する。〕
【0249】
一般式(XXXVI)のキラルイミンは、一般式(XXXIV)のメトキシ−テトラロンの、キラルベンジルメチルアミンを用いるアミノ化反応によって製造される。
【0250】
【化66】

【0251】
〔ここで、R及びRは上述の意味を有する〕。
【0252】
一般式(XXXIV)のテトラロンは、市場で入手できるし、当業者に知られた方法で製造することができる。
適切な反応媒体は上述したものである。
この方法で使用できる塩基及び還元剤は上述したものである。
【0253】
一般式(S)−(XIVa)の化合物を製造する、この代替のエナンチオ選択的方法をスキーム11に示す。
スキーム11
【0254】
【化67】

【0255】
スキーム12で示されるように、一般式(S)−(XIIc)のキラル中間体は一般式(XXXVII)のエナミンの非相称水素化によっも製造することができる。この反応はキラルリガンド、適切な触媒、水素源及び少なくとも1つの塩基としての2−プロパノールの存在下で行なうことができる。一般式(S)−(XIIc)の化合物が、スキーム5B及び9に記載の方法に従って、一般式(S)−(1)の目標化合物を導くことができる。
【0256】
一般式(R)−(XIIc)の化合物を、この方法のよれば、一般式(XXXVII)のエナミンの非相称水素化において適切なキラルリガンドを使うことによっても得ることができる。スキーム5B及び9に記載したように、一般式(R)−(1)の化合物が一般式(R)−(XIIc)の中間体アミンのいくつかの化学的変換を経て得られる。
【0257】
スキーム12に記載の方法によると、一般式(XXXVII)のエナミン:
【0258】
【化68】

【0259】
〔ここで、R,R,R及びRは上述の意味を有する〕
は、一般式(XXXIV)のメトキシテトラロン:
【0260】
【化69】

【0261】
〔ここで、R及びRは上述の意味を有する〕から、一般式(XIX)の第二アミンによるアミン化反応によって得られる。
HNR (XIX)
〔ここで、R及びRは上記と同じ意味を有する。〕。
【0262】
一般式(XXXIV)及び(XIX)の化合物は市場で入手できるし、当業者に知られた方法で製造することができる。
適切な反応媒体は上述したものである。
【0263】
この一般式(S)−(XIIc)の中間体化合物のエナンチオ選択的製造方法をスキーム12に示す。
スキーム12
【0264】
【化70】

【0265】
一般式(S)−(XIVa)の中間体アミンをエナンチオ選択的方法で製造する代替方法をスキーム13に示す。この方法によれば、一般式(XXXVIII):
【0266】
【化71】

【0267】
〔ここで、R及びRは上述の意味を有する〕
の化合物の脱アセチル化反応により一般式(S)−(XIVa)の化合物が生成する。一般式(S)−(I)の目標化合物がスキーム5B及び9に記載の方法に従って一般式(S)−(XIVa)のアミンから得られる。
【0268】
一般式(XXXVIII)の鏡像異性的に純粋なアセトアミドが、一般式(XXXIX)のエンアミド(enamides)の非対称水素化により製造される。
【0269】
【化72】

【0270】
〔ここで、R及びRは上記と同じ意味を有する。〕この反応はキラルリガンド、適切な触媒、水素源としての2−プロパノール及び少なくとも1つの塩基の存在下で行なうことができる。
【0271】
一般式(R)−(XIVa)の化合物は、この方法に従って、一般式(XXXIX)のエナンアミドの非対称水素化において適切なキラルリガンドを使うことによっても得ることができる。
スキーム5B及び9に示したように、一般式(R)−(1)の化合物が一般式(R)−(XIVa)の中間体アミンのいくつかの化学的な変換を経て得られる。
【0272】
一般式(XXXIX)のエンアミドは、Zhao,H.らによって説明されているように(Zhao,H.;Vandenbossche,C.P.;Koenig,S.G.;Singh,S.P;Bakale,R.P.Organic Letters,2008,10,505−507)、前もって作られたオキシムのホスフィン媒介性還元的アシル化を含む方法によって、一般式(XXXIV)のメトキシ−テトラロンから製造することもできる。一般式(XXXIX)の化合物は他の当業者に公知の方法によっても得られる。
【0273】
一般式(XXXIV)のテトラロンは市場で入手できるし、当業者に知られた方法で製造することができる。
この方法で使用できる適切な反応媒体及び塩基は上述したものである。
【0274】
この一般式(S)−(XIVa)の中間体化合物を製造する代替のエナンチオ選択的方法をスキーム13に示す。
スキーム13
【0275】
【化73】

【0276】
別の側面において、本発明は、一般式(I)又は(Ia)の化合物の塩の製造方法も提供し、該方法では、一般式(I)又は(Ia)の少なくとも1つの化合物が、無機及び/又は有機の酸と、好ましくは適切な反応媒体存在下で、反応させる。適切な反応媒体は上述したものである。適切な無機酸は例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸である。適切な有機酸は例えばクエン酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、又はp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸又はカンファースルホン酸のようなそれらの誘導体である。
【0277】
更に別の側面では、本発明は、一般式(I)又は(Ia)の化合物の塩の製造方法も提供するが、この方法では、少なくとも1つの酸性基を有する一般式(I)又は(Ia)の少なくとも1つの化合物が1種又はそれ以上の適切な塩基と、好ましくは適切な反応媒体の存在下で反応させられる。適切な塩基は、例えば水酸化物、炭酸塩又はアルコキシドであって、これらは適切なカチオン、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属に由来するもの、もしくは有機カチオン、例えば例えば[NH4−n〔ここで、nは0,1,2,3又は4で、Rは分岐した又は線状のC1−4アルキル基を表す〕を有するものである。
【0278】
一般式(I)又は(Ia)のフェニルアミノ置換ピペリジン化合物、又は対応する立体異性体の溶媒和物、好ましくは水和物、又は対応する塩も、当業者に公知の標準的な手順により得ることができる。
【0279】
一般式(I)又は(Ia)のフェニルアミノ置換ピペリジン化合物が立体異性体、特に鏡像異性体又はジアステレオマー、の混合物の形態で得られる場合、該混合物は、当業者に公知の標準的な手順、例えばクロマトグラフ法又はキラル試薬を用いた結晶化により分離することができる。
【0280】
一般式(I)又は(Ia)の化合物若しくは対応する立体異性体、又は、それぞれの対応する塩、又は対応する溶媒和物の精製及び単離は、必要であれば、当業者に公知の従来の方法、例えばクロマトグラフ法又は再結晶、により行うことができる。
【0281】
一般式(I)又は(Ia)の化合物、それらの立体異性体、又は対応する塩若しくは溶媒和物は、毒性学的に許容し得るため、薬剤の調製のための薬学的に活性な物質として適切である。
【0282】
従って、本発明は、一般式(I)又は一般式(Ia)の化合物の少なくとも一つであって、場合によりその立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、の一つの形態、そのラセミ体、又はその立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、の少なくとも二つの任意の混合比における混合物の形態、又は、それぞれ、その生理学的に許容し得る塩、又は溶媒和物であってもよい化合物と、場合により一種又はそれ以上の薬学的に許容し得る補助剤とを含有する薬剤も提供する。
【0283】
更に、本発明は、一般式(I)又は(Ia)の化合物の少なくとも一つであって、場合によりその立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、の一つの形態、そのラセミ体、又はその立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、の少なくとも二つの任意の混合比における混合物の形態、又は、それぞれ、その生理学的に許容し得る塩、又は溶媒和物であってもよい化合物と、場合により一種又はそれ以上の薬学的に許容し得る補助剤とを含有する、未だ薬剤に調合されていない医薬組成物も提供する。
【0284】
好ましくは、上記薬剤は、5−HT媒介性疾病又は症状に適している。
【0285】
本発明は、該発明に係る一般式(I)又は(Ia)の少なくとも1種の化合物であって、場合により、その立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、又はそのラセミ体の一形態、その立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、の少なくとも二種の任意の混合比にある混合物の形態、又は、それぞれ、その生理学的に許容し得る塩又は溶媒和物であってもよいものの、5−HTによって媒介された疾病又は症状の治療用薬剤の製造への使用も提供する。
【0286】
好ましい実施形態では、疾病(症状)が、痛み、好ましくは内臓の痛み、慢性痛、がんの痛み、片頭痛、急性痛又はニューロパシー性(神経障害性)の痛み、より好ましくはニューロパシー性(神経障害性)の痛み、異痛症又は痛覚過敏症である。
【0287】
好ましい実施形態では、疾病(症状)が、睡眠障害、シフト労働者症候群、時差ぼけ、うつ病、季節的感情障害、片頭痛、不安、精神病、精神分裂症、認知及び記憶の障害、局所貧血の現象から生じた神経細胞悪化、高血圧のような心臓血管病、過敏性腸症候群、炎症性腸疾病、痙攣性結腸又は尿失禁である。
【0288】
上記薬剤は、ヒト及び/又は動物、好ましくは哺乳動物に適用するに適切な任意の形態であってもよく、当業者に公知の標準的な手順により製造することができる。該薬剤の組成は、投与経路に応じて異なり得る。
【0289】
本発明の薬剤は、例えば、従来の注射用液体担体、例えば水又は適切なアルコール、と共に非経口的に投与されてもよい。注射剤用の従来の薬学的補助剤、例えば安定剤、可溶化剤及び緩衝剤、をそのような注射用組成物中に含有させてもよい。これらの薬剤は、好ましくは筋肉内、腹腔内、又は静脈内に注射され得る。
【0290】
本発明による薬剤は、固体又は液体形態の経口的に投与可能な組成物に調合することもでき、それらは一種又はそれ以上の生理学的に適合する担体又は補形剤を含有する。これらの組成物は、従来の成分、例えば結合剤、充填剤、滑沢剤、及び許容し得る湿潤剤を含有してもよい。これらの組成物は、即放若しくは徐放のため、任意の都合のよい形態、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤、水性若しくは油性液剤、懸濁剤、乳剤、又は、使用前に水若しくは他の適切な液体媒体と共に再構成されるに適した乾燥粉末形態をとり得る。
【0291】
液体の経口剤形は、ある種の添加剤、例えば甘味剤、香味剤、保存剤及び乳化剤、を含有することもできる。例えば食用油を含有する経口投与用の非水性液体組成物も調合することができる。それらの液体組成物は、従来、単位用量にて例えばゲラチンカプセル中に封入され得る。
【0292】
本発明の組成物は、局所投与又は坐剤を介して投与することもできる。
上述した組成物は、好ましくは1〜60重量%の一つ又はそれ以上の一般式(I)又は(Ia)の化合物であって、場合によりその立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、の一つの形態、そのラセミ体、又はその立体異性体の少なくとも二つの任意の混合比における混合物の形態、又は、それぞれ、その生理学的に許容し得る塩、又は溶媒和物であってもよい化合物と、40〜99重量%の適切な薬学的賦形剤(一種又は複数種)とを含有する。
【0293】
ヒト及び動物のための一日用量は、それぞれの種が基礎的に有する因子、又は他の因子、例えば年齢、体重、若しくは病気の程度などに応じて異なり得る。ヒトを含む哺乳動物のための一日用量は通常、1回又は数回の摂取において、投与するべき物質を1ミリグラム〜2000ミリグラム、好ましくは1〜1500mg、より好ましくは1〜1000mgの範囲である。
【0294】
薬理学的方法:
放射性リガンド結合
放射性リガンド結合アッセーを、パーキンエルマー(PerkinElmer)(カタログ:6120512)からのフラッシュプレート(フラッシュplate)(基本的フラッシュプレートカタログ:SMP200)上にコートした、CHO細胞に発現されたクローンされたヒトセロトニンリセプター、サブタイプ7(h5HT)、を使用して行った。プロトコルアッセーは本質的に、パーキンエルマーライフ(PerkinEmer Life)及びアナリティカルサイエンス(Analytical Sciences)における技術的データシートで推奨されるプロトコルであった。質量膜タンパク質(Mass membrane protein)/穴は典型的に12μgであり、そしてリセプター/穴は約9〜10fモルであった。アッセー混合物の成分を添加する前に、該フラッシュプレートを室温で1時間、平衡化した。結合バッファーは:10mMのMgCl、0.5mMのEDTA及び0.5%のBSAを含む、50mM Tris−HCl、pH7.4であった。放射性リガンドは、最終濃度0.82nMの[125I]LSDであった。非特異性結合を、50μMのクロザピン(Clozapine)を用いて測定した。アッセー容量は25μlであった。トップシール(TopSeal)−Aをフラッシュプレート ミクロプレートに適用し、そしてそれらを室温で240分間、暗所でインキュベートした。放射活性を液体シンチレーション分光測光(Wallac 1450 Microbeta Trilux)により、計数前に4分の計数遅れで、計数時間30秒/穴で定量した。競合結合データを、LIGANDプログラム(Munson and Rodbard,LIGAND:A versatile,computerized approach for characterization of ligand−binding systems.Anal.Biochem.107:220−239,1980)を用いて分析し、そしてアッセーを、各ポイントにつき3回測定で行った。
【0295】
5HTリセプターについての官能性アッセー
均質時間分解蛍光発光によるcAMP応答の測定
ヒト5−HTリセプターを安定に発現したHEK−293F細胞についてのcAMP測定を、均質時間分解蛍光発光(HTRF)(Gabriel et al.,2003)に基づくシステムを使用して行った。この技術は、生きた細胞中のcAMPの直接測定を可能にする。このアッセーの原理は、単クローン性抗−cAMP−クリプタート共役物(conjugate)との結合に対する、細胞により産生されたcAMPとcAMP−XL665共役物(conjugate)との間の競合に基づく。CisBioからのHTRF cAMPキットを製造者の指針に従って使用した。実験手順を以下のようにして行った。
【0296】
一晩の無血清インキュベーションの後、懸濁細胞(20,000細胞/穴)を、Ham’s F12(ギブコ)と、1mMの3−イソブチル−1−メチル−キサンチン(IBMX;シグマ)及び20μMのパーギリン(シグマ)とから成るインキュベーションバッファー中の96穴培養プレートに加えた。アゴニスト及びアンタゴニスト実験のために、細胞懸濁液40μlを各穴に加えた。化合物又はベヒクルのいずれか2μlを指示された濃度で加え、そしてこの初期の化合物添加後にプレートを室温で10分、予備インキュベートした。次に、ベヒクル又は5−HTのいずれか10μlを加えた。37℃で30分後、反応を停止して、該細胞を、クリプタート25μlと製造者により供給された溶解バッファで製造されたXL−665 25μlとの混合物を用いて溶解させた。プレートを更に1時間、室温でインキュベートし、そしてルビースター(RubyStar)プレートリーダー(Plate reader)(BMG LabTech)を用いて665nm/620nmにて読み取った。
【0297】
参考文献
Gabriel D,Vernier M,Pfeifer MJ,Dasen B,Tenaillon L,Bouhelal R.(2003)High throughput screening technolcgles for direct cyclic AMP measurement.Assay Drug Dev.Technol.1:291−303。
【0298】
下記の実施例は本発明を例示するためのもので、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0299】
上記の方法で製造。
実施例A
N−(5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−N,N−ジメチルアミン
【0300】
【化74】

【0301】
CHCl(400mL)に溶解した5−メトキシ−2−テトラロン(10.33g,58.62mmol)の溶液に、ジメチルアミン(EtOH中5.6M,14mL,76.206mmol)及びAcOH(0.46mL,5.862mmol)を加え、混合物を4時間室温で攪拌した。それを次に0℃に冷却し、そしてNaB(OAc)H(0.45当量,5.59g,26.379mmol)を20分の時間にわたって添加した。0℃で1時間添加した後、NaB(OAc)H(1.0当量,12.42g,58.62mmol)を30分の時間にわたって添加した。反応混合物を室温に温め、そして16時間攪拌した。該混合物を再び0℃に冷却し、HO(250mL)をゆっくり添加した。溶液のpHを、NaHCO飽和水溶液の添加により8.0に調整し、該混合物を0℃で15分間攪拌した。層を分離し、そして水性相をCHCl(4x100mL)で抽出した。全有機相を合わせ、無水NaSOで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。残留物(12.51g)をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(1:100:1−100:0:1 AcOEt/ヘキサン/EtN)で精製して、8.86gの標題化合物(Rf=0.5(AcOEt/ヘキサン/EtN 10:10:2),褐色油,収率74%)を得た。
H−NMR(CDCl,250MHz,δ):7.09(m,1H,ArH);6.72(d,J=7.4Hz,1H,ArH);6.65(d,J=8.0Hz,1H,ArH);3.81(s,3H,CH);2.90−3.04(m,2H,CH);2.70−2.81(m,1H,CH);2.47−2.64(m,2H,CH);2.37(m,6H,CH);2.10−2.30(m,1H,CH);1.48−1.64(m,1H,CH)
【0302】
実施例B
6−(ジメチルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−オール
【0303】
【化75】

【0304】
N−(5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−N,N−ジメチルアミン(8.86g,43.156mmol)をCHCl(200mL)に溶解し、0℃に冷却し、そしてBBr(CHCl中1.0M,51.8mL,51.788mmol)を20分の時間にわたって添加した。反応混合物を、一晩(約14時間)攪拌しながら室温に到達させた。該混合物を再び0℃に冷却し、NH水溶液(25%,50mL)をゆっくり加え、そして該混合物を0℃で15分間攪拌した。塩をろ別し、層を分離し、そして水性相をCHCl(4x 40mL)で抽出した。全有機相を合わせ、無水NaSOで乾燥し、そして減圧濃縮した。残留物(6.99g)シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(30:70:2−100:0:2AcOEt/ヘキサン/EtN及び30:70:2AcOEt/ヘキサン/EtN−90:10:2AcOEt/MeOH/EtN)で精製して、2.80gの標題化合物(Rf=0.3(AcOEt/ヘキサン/EtN10:10:2),オフホワイト固体,収率34%)を得た。
【0305】
H−NMR(CDCl,250MHz,δ):6.99(m,1H,ArH):6.68(d,J=7.6Hz,1H,ArH);6.58(d,J=7.6Hz,1H,ArH);2.76(m,2H,CH);2.58(m,2H,CH);2.39(s,6H,CH);2.17(m,2H,CH);1.61(m,1H,CH).
【0306】
実施例C
N−ベンジル−N−(5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)アミン
【0307】
【化76】

【0308】
CHCl(250mL)に溶解した5−メトキシ−2−テトラロン(30g,170.24mol)の溶液に、ベンジルアミン(23mL,212.80mmol)及びAcOH(0.97mL,17.02mmol)を加え、そして混合物を室温で4時間攪拌した。それを次に0℃に冷却し、そしてNaB(OAc)H(0.38当量,13.71g,64.69mmol)を20分にわたって添加した。0℃で1時間攪拌した後、NaB(OAc)H(1.07当量,38.61g,182.16mmol)を30分にわたって添加した。それにCHCl(100mL)を加え、反応混合物を室温に温め、そして15時間攪拌した。該混合物を再び0℃に冷却し、そしてHO(200mL)をゆっくり加えた。該溶液のpHを、NaHCO飽和水溶液(300mL)の添加により8.0に調整し、そして該混合物を0℃で15分間攪拌した。層を分離し、そして水性相をCHCl(2x150mL)で抽出した。全有機相を合わせ、無水NaSOで乾燥し、そして減圧濃縮した。残留物(58.7g)をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(40:60:1−100:0:1 AcOEt/ヘキサン/EtN)で精製し、次いでヘキサンを用いて粉砕して、33.87gの標題化合物(Rf=0.5(10%MeOH/CHCl),黄色固体,収率74%)を得た。
【0309】
H−NMR(CDCl,250MHz,δ):7.26−7.12(m,5H,ArH);7.00(dd,J=8.0y7.7Hz,1H,ArH);6.60(m,2H,ArH);3.82(s,2H,CH);3.72(s,3H,CH);2.88(m,2H,CH);2.51(m,2H,CH);1.99(m,1H,CH);1.48(m,2H,CH)。
【0310】
実施例D
N−ベンジル−N−[(2R)−5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル]アミン
【0311】
【化77】

【0312】
N−ベンジル−N−(5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)アミン(25.0g,93.507mmol)をEtO(800mL)に溶解した。反応混合物を還流するために温め、そして(R)−(−)−マンデリン酸(14.23g,93.507mmol)を加えた。それにCHCl(360mL)を加え、そして混合物を2時間還流した。次に該混合物を室温に冷却し、そして15時間攪拌した。得られた固体をろ過し、EtO(3x40mL)で洗い、乾燥して、9.34gのジアステレオ異性体塩を白色固体として得た。該ジアステレオ異性体塩をEtOから再結晶させて、eeを改良した。該塩をAcOEt(300mL)に懸濁し、そしてKCO水溶液(20%,100mL)を加えた。混合物を室温で2.5時間攪拌し、そして層を分離した。有機相を無水NaSOで乾燥し、そして減圧濃縮して、6.0gの標題化合物(Rf=0.5(10%MeOH/CHCl),白色固体,収率24%)を得た。
【0313】
H−NMR(CDCl,250MHz,δ):7.26−7.12(m,5H,ArH);7.00(dd,J=8.0y7.7Hz,1H,ArH);6.60(m,2H,ArH);3.82(s,2H,CH);3.72(s,3H,CH);2.88(m,2H,CH);2.51(m,2H,CH);1.99(m,1H,CH);1.48(m,2H,CH
【0314】
実施例E
(6R)−6−[ベンジル(メチル)アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−オール
【0315】
【化78】

【0316】
N−ベンジル−N−[(2R)−5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル]アミン(10.0g,37.40mmol)をHBr水溶液(48%,250mL)中に懸濁させ、そして反応混合物を4時間還流した。該混合物を室温に達しさせ、そして次に−78℃に冷却した。溶液のpHを9.0に、NH水溶液(25%)の添加により調整した。該混合物を室温に達しさせ、そして30分間攪拌した。水性相をAcOEt(2x300mL)で抽出した。全有機相を合わせ、無水NaSOで乾燥し、そして減圧濃縮して、9.4gの標題化合物(Rf=0.4(10%MeOH/CHCl),白色固体,収率99%)を得た。
【0317】
H−NMR(CDCl,250MHz,δ):9.13(sa,1H,OH);7.38−7.17(m,5H,ArH);6.86(m,1H,ArH);6.54(d,J=8.0Hz,1H,ArH);6.47(d,J=7.4Hz,1H,ArH);3.80(s,2H,CH);2.92−2.67(m,2H,CH);2.41(m,2H,CH);2.00(m,1H,CH);1.45(m,2H,CH)。
【0318】
実施例F
(6R)−6−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−オール
【0319】
【化79】

【0320】
(6R)−6−[ベンジル(メチル)アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−オール(4.80g,18.946mmol)のTHF(150mL)溶液をPd/C(1.90g,活性炭素上に10重量%のPd)に加え、そして反応混合物をH(g)雰囲気中で16時間攪拌した。それをセライトを通してAcOEt(1x200mL)で洗浄してろ過し、そして溶媒を濃縮除去して(concentrated off)、3.0gの標題生成物(Rf=0.1(20%MeOH/CHCl),オフホワイト固体,収率97%)を得た。
【0321】
H−NMR(CDCl,250MHz,δ):6.99(m,1H,ArH);6.61(dd,J=7.4,8.2Hz,1H,ArH);3.18(m,1H,CH);3.02−2.82(m,2H,CH);2.70−2.52(m,2H,CH);2.05(m,1H,CH);1.24(m,1H,CH)
【0322】
実施例G
(6R)−6−(ジメチルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−オール
【0323】
【化80】

【0324】
ホルムアルデヒド(37%水溶液10mL,133.481mmol)を、MeOH(100mL)及びTHF(15mL)中の(6R)−6−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−オール(3.0g,18.38mmol)の溶液に加えた。反応混合物を室温で15分間攪拌し、そしてNaBH(2.0g,52.868mmol)を加えた。
反応混合物を室温で2時間攪拌し、HO(300mL)中に注ぎ、そしてCHCl(2x300mL)で抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥し、ろ過し、そして濃縮した。生成物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(0−5−10−15−20%EtN/AcOEt)で精製して、2.74gの標題生成物(Rf=0.5(20%EtN/AcOEt),オフホワイト固体,収率78%)を与えた。
【0325】
H−NMR(CDCl,250MHz,δ):6.99(m,1H,ArH);6.68(d,J=7.6Hz,1H,ArH);6.58(d,J=7.6Hz,1H,ArH);2.76(m,2H,CH);2.58(m,2H,CH);2.39(s,6H,CH);2.17(m,2H,CH);1.61(m,1H,CH)
【0326】
実施例H
(6R)−6−(ジメチルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート
【0327】
【化81】

【0328】
TfO(4.3mL,25.452mmol)を、−78℃に冷却した、CHCl(90mL)中の(6R)−6−(ジメチルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−オール(4.25g,22.218mmol)及びEtN(8.0mL,57.396mmol)の溶液に滴加した。反応は低温で5分後に終了した。反応混合物を塩水(200mL)に注ぎ、そしてCHCl(2x200mL)で抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥し、ろ過し、そして濃縮した。粗製残留物にシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィー(5−10%MeOH/CHCl)を行って、5.10gの標題生成物(Rf=0.4(10%MeOH/CHCl),淡褐色油,収率71%)を与えた。
【0329】
H−NMR(CDCl,250MHz,δ):7.14(m,3H,ArH);3.02(m,2H,CH);2.79(m,2H,CH);2.60(m,1H,CH);2.38(s,6H,CH);2.18(m,1H,CH);1.62(m,1H,CH)。
【0330】
実施例I
(2R)−ジメチル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン
【0331】
【化82】

【0332】
(6R)−6−(ジメチルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート(2.5g,7.731mmol)、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−ボロン酸ピナコールエステル(2.10g,8.893mmol)及びPd(PPh(1.2g,1.038mol)を、1,2−ジメトキシエタン(60mL)とHO(8mL)との混合物中のKCO(2.15g,15.556mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、N(g)を用いて10分間パージし、そして加温して還流した。反応は2時間で完了した。室温に達しさせ、HO(200mL)で希釈し、そしてAcOEt(1x400mL)で抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥し、ろ過し、そして濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(0−10−20%EtN/AcOEt)で精製して、所望の生成物を褐色油として得た。該物質をCHCl(200mL)に溶解し、そしてHCl水溶液(6N)で酸性化した。有機層を捨て、水性層を取って、NaOH水溶液(6N)でpH>13にした。それをCHCl(3x300mL)で抽出し、そして有機層を無水NaSOで乾燥し、ろ過し、そして濃縮して、1.45gのカップリング生成物(Rf=0.2(10%EtN/AcOEt),無色油,収率66%)を得た。
【0333】
H−NMR(CDCl,250MHz,δ):7.16−7.06(m,2H,ArH);6.90(m,1H,ArH);3.77(d,3H,J=1.4Hz,CH);3.02(m,1H,CH);2.83(m,1H,CH);2.68−2.28(m,4H,CH);2.37(s,6H,CH);2.04(s,3H,CH);2.00(d,J=2.7Hz,3H,CH);1.51(m,1H,CH)。
【0334】
実施例J
(2R)−ジメチル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミンジヒドロクロリド(二塩酸塩)
【0335】
【化83】

【0336】
HCl(9.2mL,ジオキサン中の4M溶液,18.51mmol)を、(2R)−ジメチル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン(1.75g,6.17mmol)のEtO(10mL)懸濁液に滴加した。反応混合物を室温で3時間攪拌し、次に溶媒を濃縮除去した。得られた固体をEtO(25mL)中に懸濁させそして濃縮して、過剰のHClを除去した。この操作を3回行って、1.95gの標題生成物(Rf=0.2(10%EtN/AcOEt),白色固体,収率99%)を得た。
【0337】
HNMR(250MHz,DMSO−d)δppm 1.74(m,1H)2.01(d,J=5.08Hz,3H)2.05(d,J=5.08Hz,3H)2.24(d,J=12.08Hz,1H)2.44(m,2H)2.74(s,3H)2.76(s,3H)3.00−3.31(m,2H)3.58(br.s.,1H)3.84(s,3H)6.96(t,J=5.49Hz,1H)7.10−7.28(m,2H).MS−EI+m/z:283.21(M−HCl)
【0338】
実施例L
(2S)−[5−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチルアミンジヒドロクロリド
【0339】
【化84】

【0340】
(6S)−6−(ジメチルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート(231mg,0.71mmol),3,5−ジメチルピラゾール−4−ボロン酸ピナコールエステル(206mg,0.93mmol)及びPd(PPh(82g,0.0714mmol)を、1,2−ジメトキシエタン(7.5mL)とHO(1mL)の混合物中のKCO(197mg,1.43mmol)の溶液に加えた。反応混合物を、Ar(g)を用いて10分間パージし、そして加温して還流した。反応は5.5時間で完了した。それを室温に達しさせ、CHCl(10mL)で希釈し、そしてHCl水溶液(10%,20mL)で酸性化した。有機層を捨て、そして水性層を、NaOH水溶液(10%)を用いてpH=9−10にした。それをCHCl(3x10mL)で抽出し、そして有機層を無水NaSOで乾燥し、ろ過し、そして濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/NH(7.0MenMeOH)95:5:1−50:50:50)で精製して、所望の生成物のベースを得た(黄色油,収率67%)。
【0341】
次に、HCl(0.750mL,2MEtO溶液,1.5mmol)を、EtO(5mL)中の(2S)−[5−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチルアミン(129mg,0.48mmol)の懸濁液に滴加した。反応混合物を室温で5時間攪拌し、次に溶媒を濃縮除去した(concentratedoff)。得られた固体をEtO(5mL)中に懸濁し、濃縮して、過剰のHClを除去した。この操作を3回行って、119mgの標題生成物(白色固体,収率81%)を得た。
【0342】
実施例AB
(2S)−イソプロピル−メチル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン
【0343】
【化85】

【0344】
(S)−6−(イソプロピル(メチル)アミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート(184mg,0.524mmol)、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−ボロン酸ピナコールエステル(142mg,0.602mmol)及びPd(PPh(60g,0.0524mmol)を、1,2−ジメトキシエタン(7mL)とHO(1mL)の混合物中のKCO(145mg,1.047mmol)の溶液に加えた。反応混合物を、Ar(g)を用いて10分間パージし、加温して還流した。反応は4時間で完了した。それを室温に達しさせ、CHCl(20mL)で希釈し、そしてHCl水性溶液(10%,30mL)で酸性化した。有機層を捨て、そして水性層を、NaOH水溶液(10%)を用いてpH=9−10とした。それをCHCl(3x20mL)で抽出し、そして有機層を無水NaSOで乾燥し、ろ過し、そして濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(5%EtN/AcOEt)で精製して、91mgの所望の生成物を得た(黄色油、収率56%)。
【0345】
HNMR(250MHz,DMSO−d)δppm 7.10(m,2H),6.89(m,1H),3.77(s,3H),3.16−2.83(m,4H),2.65−2.32(m,2H),2.27(s,3H),2.03(s,3H),2.02(s,3H),1.9(m,1H),1.58(m,1H),1.07(d,J=6.0Hz,6H)。
【0346】
一般式(S)−(XXXI)の化合物
(2S)−5−メトキシ−2−テトラロール
【0347】
【化86】

【0348】
第1ステップ:ヤコブセン(Jacobsen)のエポキシ化
8−メトキシ−1,2−ジヒドロナフタレン(2.92g,18.2mmol)のジクロロメタン(1.2L)溶液に、4−フェニルピリジン−N−オキシド(311mg,1.82mmol,0.1当量)及び(R,R)−ヤコブセン触媒(290mg,0.455mmol,0.025当量)を添加した。該溶液を0℃に冷却し、そして0.576M NaClO溶液を別のロトを介して滴加した。反応混合物を0−5℃で3時間激しく攪拌した。次に、それをセライトのパッドを通してろ過し、乾燥し、そして濃縮して、3.63gの粗製エポキシドを得た。
【0349】
第2ステップ:エポキシド還元
0℃に冷却した無水THF(32mL)中のLiAlH(345mg,9.1mmol,0.5当量)の懸濁液に、カニューレを介して1,2−エポキシ−5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(ヤコブセン原料,18.2mmol)の無水THF(160mL)溶液を添加し、そしてそれを80℃で2時間加熱した。溶液を室温に冷却し、そして3N HCl(5mL)を用いて急冷(クエンチ)した。次に、それをジエチルエーテルで抽出し、乾燥し、そして減圧濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製後、1.09gの純粋な5−メトキシ−2−テトラロールが得られた(収率34%,2段階)。
【0350】
一般式(S)−(XXX)の化合物
(2S)−5−メトキシ−2−テトラロールメタンスルホネート
【0351】
【化87】

【0352】
(2S)−5−メトキシ−2−テトラロール(700mg,3.93mmol)の無水ジクロロメタン(4,5mL)冷却溶液に、トリエチルアミン(0.820mL,5.9mmol,1.5当量)と塩化メタンスルホニル(0.36mL,4.7mmol,1.2当量)を添加した。得られた溶液を0℃で45分間攪拌した。次にそれをジクロロメタンで希釈し、飽和NaHCO(5mLx2)及び塩水で洗い、乾燥し、そして蒸発させた。純粋なメタンスルホネートが定量的収量で得られた。
【0353】
H−NMR(400MHz):7.12(t,1H,J=8Hz),6.69(d,2H,J=8Hz),5.14(m,1H),3.81(s,3H),3.20(dd,1H,J=16及び4Hz),3.07(dt,1H,J=16及び7Hz),3.02(s,3H),2.91(dt,1H,J=18及び6Hz),2.74(dt,1H,J=18及び7Hz),2.14(m,2H)。
【0354】
一般式(R)−(XXIX)の化合物
(2R)−2−Aアジド−5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン
【0355】
【化88】

【0356】
(2S)−5−メトキシ−2−テトラロールメタンスルホネート(3.93mmol)及びナトリウムアジド(766mg,11.8mmol)をDMF(80mL)に溶解し、そして50℃に一晩加熱した。次に、それを室温に冷却し、塩水を加え(120mL)、そして溶液をジクロロメタン(60mLx3)で抽出した。有機層を飽和NaHCO(50mLx2)及び塩水(50mL)で洗い、乾燥し、そして蒸発させた。717mgのアジド化合物(収率89%,2段階)が得られた。
【0357】
H−NMR(400MHz):7.12(t,1H,J=8Hz),6.70(t,2H,J=8Hz),3.83(m,1H),3.82(s,3H),2.93(dt,1H,J=18及び6Hz),2.82(dd,1H,J=16及び9Hz),2.66(m,1H),2.14(m,1H),1.84(m,1H)。
【0358】
一般式(S)−(XIVa)の化合物
(2R)−2−アミノ−5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン
【0359】
【化89】

【0360】
雰囲気中の酢酸エチル(5mL)中の67mgのPd/Cの懸濁液に、酢酸エチル(20mL)中の(2R)−2−アジド−5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(667mg,3.28mmol)をカニューレを介して加えた。反応混合物を一晩攪拌した。次に、それをセライトのパッドを通してろ過し、酢酸エチルで洗い、そして減圧濃縮して、アミノ化合物を収率98%(596mg)で得た。
【0361】
H−NMR(400MHz):7.09(t,1H,J=8Hz),6.70(d,1H,J=8Hz),6.66(d,1H,J=8Hz),3.81(s,3H),3.17(m,1H),2.95(m,2H),2.60(m,2H),2.04(m,1H)1.80(b,2H),1.77(m,1H)。
【0362】
上記の反応スキーム及び記述に従って調製した又は調製される実施例のデータを、下記の表に示す:
【0363】
【表1】

【0364】
【表2】

【0365】
【表3】

【0366】
【表4】

【0367】
【表5】

【0368】
薬理学的データ:
代表的化合物/実施例の結果を下記の表に示す:
【0369】
【表6】

【0370】
配合例
錠剤配合物の例:
実施例Kの化合物 5mg
ラクトース 60mg
結晶性セルロース 25mg
ポビドン(Povidone)K90 5mg
アルファ(Pregelanitized)デンプン 3mg
コロイド状二酸化シリカ 1mg
ステアリン酸マグネシウム 1mg
錠剤当たりの合計重量 100mg
当業者に慣用の方法により、上記の成分を混合しそして圧縮して錠剤にした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)のヘテロ環置換されたテトラヒドロナフタレン−アミン誘導体であって、
【化1】

〔ここで、
K−L−M−Jは、一緒に、
・ =CH−X−Y=CH−(式中、いずれのいずれの適当なHもR及び/又はRによって置換されていてもよく、XはNR、O又はSから選択される一方、YはN又はCHから選択される);
・ =CH−X−Y−C(O)−(式中、いずれの適当なHもRによって置換されていてもよく、X及びYの1つはNRであるのに対して、他方はNR8a、S又はOから選択される);
・ =CH−X−Y−C(O)−(X及びYの1つはCHであるのに対して、他方はNR、S又はOから選択され、いずれの適当なHもR及び/又はRによって置換されていてもよい);
・ =CR−N=N−C(O)−;あるいは、
・ =CR−X=Y−X=CR9a−(Y、X及びXの2つはCHであるのに対して、他方はCHもしくはNから選択され、いずれの適当なHもRによって置換されていてもよい)、
を形成しており;
及びRは互いに独立に、線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
又は、
及びRはそれらを連結する窒素とともに場合によっては少なくとも一置換されたヘテロ環式環系を形成している;
及びRは水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;
あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
及びRは、水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
及びR8aは水素;又は、線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;
及びR9aは、水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である。〕
場合により、
その立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、の一つの形態、そのラセミ体、又はその立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、の少なくとも二つの任意の混合比にある混合物の形態、又は、それぞれ、その塩、好ましくは生理学的に許容し得る塩、又は対応する溶媒和物であってもよく;
但し、(2S)−ジメチル−[5(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミンを除く、
ヘテロ環置換されたテトラヒドロナフタレン−アミン誘導体。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって、該化合物は式Iaの化合物である。
【化2】

ここで、
Aは次の群から選択される化合物である;
【化3】

及びRは互いに独立に線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
あるいは、
及びRはそれらの連結する窒素とともに場合によっては少なくとも一置換されたヘテロ環式環系を形成している;
及びRは水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
及びRは、水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
及びR8aは水素;又は、線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;
及びR9aは、ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である、
ことを特徴とする化合物。
【請求項3】
請求項2に記載の化合物であって、該化合物は式Iaの化合物であり、但し、
Aは次の群から選択される化合物である:
【化4】

及びRは互いに独立に線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
あるいは、
及びRはそれらの連結する窒素とともに場合によっては少なくとも一置換されたヘテロ環式環系を形成している;
及びRは水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
及びRは、水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
及びR8aは水素;又は、線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される、
ことを特徴とする化合物。
【請求項4】
請求項3に記載の化合物であって、該化合物は式Iaの化合物であり、但し、
Aは次の群から選択される化合物である:
【化5】

又は
【化6】

及びRは互いに独立に線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
あるいは、
及びRはそれらの連結する窒素とともに場合によっては少なくとも一置換されたヘテロ環式環系を形成している;
及びRは水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
及びRは、水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
は水素、又は、線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から選択される、
ことを特徴とする化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物であって、
及びRは互いから独立して線状もしくは分岐した、場合によっては少なくとも一置換されたC1−4−アルキル基である;
好ましくは、
及びRは互いに独立して線状もしくは分岐したC1−4−アルキル基である;
より好ましくは、
及びRは互いに独立にCH、C又はCである、
ことを特徴とする化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物であって、
及びRはそれらを連結している窒素と共に4から7の環構成員の、場合によっては少なくとも一置換されたヘテロ環式環系を構成している;
好ましくは、
及びRはそれらを連結している窒素と共に5又は6の環構成員の、場合によっては少なくとも一置換されたヘテロ環式環系を構成している;
より好ましくは、
及びRはそれらを連結している窒素と共に下記から選ばれるヘテロ環式環系を構成している;
【化7】

ここでR’は水素又は線状もしくは分岐したC1−4−アルキル基から選ばれる、
ことを特徴とする化合物。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物であって、
及びRは水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、場合によっては少なくとも一置換されたC1−4のアルキル基から独立に選ばれ;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、場合によっては少なくとも一置換されたC1−4のアルキル基である;
好ましくは、
及びRはH,F,Cl,Br,I,OH,SH,NH,CH,C,C,C,OCH,OC,OC又はOCから独立に選ばれる;
より好ましくは、
及びRはHである、
ことを特徴とする化合物。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物であって、
及びRは、水素;ハロゲン、OH,SH,NH;線状もしくは分岐した、F、Cl、Br、I、SHあるいはOHによって場合によっては少なくとも一置換されたC1−4アルキル基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換されたC1−4アルキル基である;
好ましくは、
及びRは、H,F,Cl,Br,I,OH,SH,NH,CH,C,C,C,OCH,OC,OC又はOCから互いに独立に選択される;
より好ましくは、
及びRは、互いに独立にH又はCHから選択される、
ことを特徴とする化合物。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物であって、
は水素;又は、線状もしくは分岐した、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換されたC1−4アルキル基から互いに独立して選択され;
好ましくは、
はH,CH,C,C,又はCから選択され;
より好ましくは、
はH又はCHから独立に選択される、
ことを特徴とする化合物。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物であって、
及びR9aは、水素;F,Cl,Br,I,OH,SH,NH;線状又は分岐のある、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換されたC1−4アルキル基から互いに独立に選択され;あるいは、ORであり、Rは線状もしくは分岐した、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換されたC1−4アルキル基である;
好ましくは、
及びR9aはH,F,Cl,Br,OCH,OC,CF,OCF,CH,C,C,又はCから互いに独立して選択され;
より好ましくは、
はF又はCHから選択され、
ことを特徴とする化合物。
【請求項11】
請求項2に記載の化合物であって、
及びR9aは、F,Cl,Br,I,OH,SH,NH;線状もしくは分岐した、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換されたC1−4アルキル基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換されたC1−4アルキル基であるか、あるいは、ORであり、Rは線状もしくは分岐した、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換されたC1−4アルキル基である;
好ましくは、
及びR9aはF,Cl,Br,OCH,OC,CF,OCF,CH,C,C又はCから互いに独立して選択され;
より好ましくは、
及びR9aはF又はCHから互いに独立して選択される、
ことを特徴とする化合物。
【請求項12】
請求項1に記載の化合物であって、
・ 1−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ピペリジン;
・ 1−メチル−4−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ピペリジン;
・ 1,3,5−トリメチル−4−(6−ピロリジン−1−イル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−1H−ピラゾール;
・ 1−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ピペリジン;
・ ジプロピル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルコ−アミン;
・ メチル−プロピル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ ジエチル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ エチル−メチル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ ジメチル−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ [5−(3,5−ジメチル−イソキサゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ (5−フラン−3−イル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ジメチル−アミン;
ジメチル−(5−チオフェン−3−イル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−アミン;
・ [5−(2,6−ジメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ [5−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ ジメチル−(5−ピリジン−3−イル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−アミン、又は
・ (2S)−イソプロピル−メチル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ (2S)−イソプロピル−プロピル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ (2S)−Ethy1−イソプロピル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−yl)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
・ 4−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−モルホリン;
・ [5−(2−メトキシ−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ [5−(2,6−ジクロロ−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ [5−(2−クロロ−6−メトキシ−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ [5−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
から選択され、場合により、その立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、の一つの形態、そのラセミ体、又はその立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、の少なくとも二種の任意の混合比にある混合物の形態、又は、その塩、好ましくは生理学的に許容し得る塩、より好ましくは生理学的に許容し得る酸付加塩、最も好ましくは塩酸塩、又は対応する溶媒和物の形態であってもよい、
ことを特徴とする化合物。
【請求項13】
請求項3−11に記載の化合物であって、
・ [5−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン,
・ ジメチル−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン,
・ (rac)−ジメチル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;及び
・ (2R)−ジメチル−[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アミン;
から選らばれ、場合により、その塩、好ましくは生理学的に許容し得る塩、より好ましくは生理学的に許容し得る酸付加塩、最も好ましくは塩酸塩、又は対応する溶媒和物の形態であってもよい、
ことを特徴とする化合物。
【請求項14】
請求項2に記載の化合物であって、該化合物は式Iaの化合物であって、該式において、Aは、次の基群から選ばれる:
【化8】

とRはCHであるか、又は
とRはそれらの連結窒素と共に、場合によっては少なくとも一置換されたヘテロ環式環系を構成している;
及びRは水素であり、
は、水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から選択される、
は、水素;ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から互いに独立して選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である;
は、ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から選択される;あるいはORであり、Rは線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基である、
9aは、ハロゲン、OH、SH、NH;線状もしくは分岐した、飽和もしくは不飽和の、F、Cl、Br、I、SH又はOHによって場合によっては少なくとも一置換された脂肪族基から選択される;
ことを特徴とする化合物。
【請求項15】
請求項14に記載の化合物であって、
・ [5−(2,6−ジメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ [5−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ ジメチル−(5−ピリジン−3−イル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−アミン;
・ [5−(2−メトキシ−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ [5−(2,6−ジメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
・ [5−(2−クロロ−6−メトキシ−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ジメチル−アミン;
から選択され、場合によっては、その塩、好ましくは生理学的に許容し得る塩、より好ましくは生理学的に許容し得る酸付加塩、最も好ましくは塩酸塩、又は対応する溶媒和物の形態であってもよい、
ことを特徴とする化合物。
【請求項16】
請求項1に記載の化合物の製造方法にして、一般式III又はIIIa:
【化9】

〔ここで、K,L,M及びJは請求項1に記載の意味である〕
の化合物を、一般式XII
【化10】

〔ここで、R,R,R及びR4’は請求項1記載の意味であり、Xはハロゲン、好ましくは臭化物、OH,OMe又はO−トリフレート基である〕
の化合物と、適切な反応媒体中、パラジウム触媒、適切なリガンド及び少なくとも1種の塩基の存在下で、反応させることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項1−15のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化合物と、任意であるが1種又は2種以上の薬学的に許容できるアジュバンドを含む薬剤であって、該化合物は、場合により、その立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、そのラセミ体の一形態、又は、その立体異性体の少なくとも二種の任意の混合比にある混合物の形態、又は、それぞれ、その生理学的に許容し得る塩又は溶媒和物であってもよいものである、薬剤。
【請求項18】
請求項1−15に記載の少なくとも1種の化合物であって、場合により、その立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、又はそのラセミ体の一形態、その立体異性体、好ましくは鏡像異性体若しくはジアステレオマー、の少なくとも二種の任意の混合比にある混合物の形態、又は、それぞれ、その生理学的に許容し得る塩又は溶媒和物であってもよいものの、5−HTによって媒介された疾病又は症状の治療用薬剤の製造への使用。
【請求項19】
請求項18に記載の使用にして、疾病が、痛み、好ましくは内臓の痛み、慢性痛、がんの痛み、片頭痛、急性痛又はニューロパシー性(神経障害性)の痛み、より好ましくはニューロパシー性(神経障害性)の痛み、異痛症又は痛覚過敏症である使用。
【請求項20】
請求項18に記載の使用にして、疾病が、睡眠障害、シフト労働者症候群、時差ぼけ、うつ病、季節的感情障害、片頭痛、不安、精神病、精神分裂症、認知及び記憶の障害、局所貧血の現象から生じた神経細胞悪化、高血圧のような心臓血管病、過敏性腸症候群、炎症性腸疾病、痙攣性結腸又は尿失禁である使用。
【請求項21】
ジメチル[5−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル]−アミンの製造方法であって、式XXIV:
【化11】

〔ここで、Wは離脱基、好ましくはTfである〕
の化合物を、式:XXV:
【化12】

の化合物と、触媒、特にパラジウム触媒の存在下、最も好ましくは、Pd(PPhの存在下で、反応させることを特徴とする製造方法。

【公表番号】特表2010−522223(P2010−522223A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500142(P2010−500142)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【国際出願番号】PCT/EP2008/002488
【国際公開番号】WO2008/116663
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(504379198)ラボラトリオス・デル・デエレ・エステベ・エセ・ア (19)
【Fターム(参考)】