説明

不揮発性メモリ素子及びその製造方法

【課題】不揮発性メモリ素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】制御ゲート電極140は、半導体基板105の内部にリセスされて形成される。ゲート絶縁膜120は、半導体基板105と制御ゲート電極140との間に介在される。ストレージノード膜125は、ゲート絶縁膜120と制御ゲート電極140との間に介在される。ブロッキング絶縁膜130は、ストレージノード膜125と制御ゲート電極140との間に介在される。複数の第1不純物ドーピング領域は、制御ゲート電極140の第1側面に沿って配置され、半導体基板105に画定される。複数の第2不純物ドーピング領域は、制御ゲート電極140の第1側面の反対側の第2側面に沿って複数の第1不純物ドーピング領域と交互に配置され、半導体基板105に画定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子に係り、特に電荷保存のためのストレージノード膜を備える不揮発性メモリ素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体製品の小型化及び高速化の趨勢により、かかる半導体製品に使われる不揮発性メモリ素子は、さらに高集積化かつ高速化されている。例えば、フラッシュメモリ素子においては、半導体基板と制御ゲート電極との間に電荷保存のためのストレージノード膜を介在させることによって、その体積を減少させる。
【0003】
図1は、一般的な不揮発性メモリ素子を示す平面図である。
【0004】
図1に示すように、不揮発性メモリ素子は、埋め込みビットライン領域55及びそれを横切って伸長する制御ゲート電極70を備える。埋め込みビットライン領域55は、半導体基板50の内部に不純物をドーピングして画定される。かかる不揮発性メモリ素子は、セル領域内の素子分離膜が省略できてその体積が小さいという長所を有する。
【0005】
しかし、かかる埋め込みビットライン領域55は、金属配線に比べて高い抵抗を有する。したがって、埋め込みビットライン領域55が長いアレイ配置構造だと、埋め込みビットライン領域55の抵抗が高くなるという問題がある。したがって、一定数の制御ゲート電極70の両側の埋め込みビットライン領域55は、コンタクト構造60を利用して金属ラインで連結される。しかし、かかるコンタクト構造60は、不揮発性メモリ素子の体積を大きくして、不揮発性メモリ素子の集積度を低下させる。
【0006】
また、埋め込みビットライン領域55の間隔を狭める場合、不揮発性メモリ素子の集積度は高くなるが、短チャンネル効果により不揮発性メモリ素子の信頼性が大きく低下するという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、前述した問題点を克服するためのものであって、高集積化が可能であり、信頼性の高い不揮発性メモリ素子を提供するところにある。
【0008】
本発明が解決しようとする他の課題は、前記不揮発性メモリ素子の製造方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための本発明の一形態による不揮発性メモリ素子において、制御ゲート電極は、半導体基板の内部にリセスされて形成される。ゲート絶縁膜は、前記半導体基板と前記制御ゲート電極との間に介在される。ストレージノード膜は、前記ゲート絶縁膜と前記制御ゲート電極との間に介在される。ブロッキング絶縁膜は、前記ストレージノード膜と前記制御ゲート電極との間に介在される。複数の第1不純物ドーピング領域は、前記制御ゲート電極の第1側面に沿って配置され、前記半導体基板に画定される。そして、複数の第2不純物ドーピング領域は、前記制御ゲート電極の前記第1側面の反対側の第2側面に沿って前記複数の第1不純物ドーピング領域と交互に配置され、前記半導体基板に画定される。
【0010】
前記本発明の一側面によれば、前記不揮発性メモリ素子は、前記複数の第1不純物ドーピング領域それぞれの内部にリセスされた複数の第1プラグ部をそれぞれ備える複数の第1ビットライン電極と、前記複数の第2不純物ドーピング領域の内部にそれぞれリセスされた複数の第2プラグ部をそれぞれ備える複数の第2ビットライン電極と、をさらに備える。
【0011】
前記本発明の他の側面によれば、前記不揮発性メモリ素子は、前記制御ゲート電極の底面と前記半導体基板との間に介在された埋め込み絶縁膜をさらに備え、前記埋め込み絶縁膜の厚さは、前記ゲート絶縁膜の厚さより厚い。
【0012】
前記本発明のさらに他の側面によれば、前記不揮発性メモリ素子は、前記制御ゲート電極上に、前記半導体基板の内部にリセスされた他の制御ゲート電極をさらに備え、前記制御ゲート電極及び前記他の制御ゲート電極は互いに絶縁される。
【0013】
前記課題を解決するための本発明の他の形態による不揮発性メモリ素子によれば、複数の制御ゲート電極は、半導体基板の内部にリセスされて形成される。ゲート絶縁膜は、前記半導体基板と前記複数の制御ゲート電極との間に介在される。ストレージノード膜は、前記ゲート絶縁膜と前記複数の制御ゲート電極との間に介在される。ブロッキング絶縁膜は、前記ストレージノード膜と前記複数の制御ゲート電極との間に介在される。複数の第1不純物ドーピング領域は、前記複数の制御ゲート電極それぞれの第1側面に沿って配置され、前記半導体基板に画定される。そして、複数の第2不純物ドーピング領域は、前記複数の制御ゲート電極それぞれの前記第1側面の反対側の第2側面に沿って前記複数の第1不純物ドーピング領域と交互に配置され、前記半導体基板に画定される。
【0014】
前記他の課題を解決するための本発明の一形態による不揮発性メモリ素子の製造方法が提供される。半導体基板に第1トレンチを形成する。前記第1トレンチの内部の前記半導体基板の表面上にゲート絶縁膜を形成する。前記ゲート絶縁膜を覆うストレージノード膜を形成する。前記ストレージノード膜を覆うブロッキング絶縁膜を形成する。前記第1トレンチの一部分を満たすように、前記ブロッキング絶縁膜上に制御ゲート電極を形成する。前記制御ゲート電極の第1側面に沿って配置されるように、前記半導体基板に複数の第1不純物ドーピング領域を形成する。そして、前記制御ゲート電極の前記第1側面の反対側の第2側面に沿って前記複数の第1ドーピング領域と交互に配置されるように、前記半導体基板に複数の第2不純物ドーピング領域を形成する。
【発明の効果】
【0015】
本発明による不揮発性メモリ素子によれば、第1及び第2不純物ドーピング領域を制御ゲート電極の反対側に互いに交互に配置することによって、その集積度が従来に比べて2倍に向上する。
【0016】
さらに、本発明による不揮発性メモリ素子によれば、第1チャンネル領域及び第2チャンネル領域の幅が広く維持されるため、短チャンネル効果が改善される。したがって、不揮発性メモリ素子の信頼性が向上する。
【0017】
また、本発明による不揮発性メモリ素子によれば、従来の不純物ドーピングによるビットライン電極に比べて低抵抗のビットライン電極を利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付した図面を参照して本発明による望ましい実施形態を説明することによって、本発明を詳細に説明する。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、多種多様な形態に具現され、単に、本実施形態は、本発明の開示を完全にし、当業者に発明の範疇を完全に知らしめるために提供されるものである。図面で、構成要素は、説明の便宜のためにそのサイズが誇張されうる。
【0019】
本発明の実施形態において、不揮発性メモリ素子は、フラッシュメモリ素子に利用される。しかし、本発明の範囲は、かかる名称に限定されるものではない。
【0020】
図2は、本発明の一実施形態による不揮発性メモリ素子を示す斜視図であり、図3は、図2の不揮発性メモリ素子のIII−III線の断面図であり、図4は、図3の不揮発性メモリ素子のIV−IV線の平面図である。
【0021】
図2ないし図4に示すように、制御ゲート電極140は、半導体基板105の内部にリセスされて形成される。ゲート絶縁膜120は、半導体基板105と制御ゲート電極140との間に介在される。ストレージノード膜125は、ゲート絶縁膜120と制御ゲート電極140との間に介在される。ブロッキング絶縁膜130は、ストレージノード膜125と制御ゲート電極140との間に介在される。第1不純物ドーピング領域153は、制御ゲート電極140の第1側面に沿って配置され、第2不純物ドーピング領域157は、制御ゲート電極140の第2側面に沿って配置される。
【0022】
この実施形態の不揮発性メモリ素子において、制御ゲート電極140は、ワードラインの一部として利用される。したがって、制御ゲート電極140を制御することによって、ストレージノード膜125にデータを保存するか、またはストレージノード膜125のデータを消去できる。第1不純物ドーピング領域153の隣接した二つと制御ゲート電極140とが一つのメモリトランジスタまたは単位セルを形成し、第2不純物ドーピング領域157の隣接した二つと制御ゲート電極140とが他のメモリトランジスタまたは単位セルを形成できる。したがって、第1不純物ドーピング領域153は、順次にソース領域またはドレイン領域と呼ばれ、第2不純物ドーピング領域157も、順次にソース領域またはドレイン領域と呼ばれることもある。
【0023】
制御ゲート電極140の第1側面に隣接し、第1不純物ドーピング領域153の隣接した両方間の半導体基板105に第1チャンネル領域154が画定される。同様に、制御ゲート電極140の第2側面に隣接し、第2不純物ドーピング領域157の隣接した両方間の半導体基板105に第2チャンネル領域158が画定される。すなわち、第1及び第2チャンネル領域154,158は、制御ゲート電極140の第1側面及び第2側面に沿ってそれぞれ画定される。第1及び第2チャンネル領域154,158は、メモリトランジスタがオンにされる時にチャンネルが形成される部分を表す。
【0024】
例えば、図1ないし図3は、不揮発性メモリ素子のセル領域を示す。かかる不揮発性メモリ素子のセル領域で、単位セルの間には素子分離膜が介在されない。しかし、かかるセル領域外の周辺領域には素子分離膜が形成されることもある。このように、セル領域内で素子分離膜が省略できるため、不揮発性メモリ素子の集積度が向上する。
【0025】
さらに具体的に説明すれば、半導体基板105は、バルク半導体ウェーハ、例えばシリコンウェーハ、ゲルマニウムウェーハまたはシリコン−ゲルマニウムウェーハを備える。制御ゲート電極140は、半導体基板の内部にリセスされるため、リセス型またはトレンチ型の制御ゲート電極とそれぞれ呼ばれることもある。しかし、かかる名称は、本発明の範囲を制限しない。
【0026】
制御ゲート電極140は、半導体基板105の表面から半導体基板105の内部の所定深さにリセスされる。しかし、本発明の変形された例において、制御ゲート電極140は、半導体基板105の表面に突出した部分をさらに備えることもでき、さらに、半導体基板105の内部に埋め込まれることもある。第1及び第2側面は、制御ゲート電極140の伸長方向を基準として互いに逆になる両側面を称す。
【0027】
制御ゲート電極140は、半導体基板105とは絶縁される。すなわち、制御ゲート電極140及び半導体基板105は、ゲート絶縁膜120により絶縁される。選択的に、制御ゲート電極140の底面と半導体基板105との間には、埋め込み絶縁膜135がさらに介在される。さらに具体的には、埋め込み絶縁膜135は、ブロッキング絶縁膜130上に形成される。埋め込み絶縁膜135は、ゲート絶縁膜120より厚く、したがって、制御ゲート電極140の底面の下部の半導体基板105の部分には、チャンネルが形成されないことがある。埋め込み絶縁膜135は、酸化膜を備える。
【0028】
ゲート絶縁膜120は、電荷のトンネリングを許容でき、例えば酸化膜、窒化膜または高誘電率膜を備える。ブロッキング絶縁膜130は、ストレージノード膜125と制御ゲート電極140との間で電荷の移動を抑制でき、例えば酸化膜、窒化膜または高誘電率膜を備える。この実施形態において、高誘電率膜は、酸化膜及び窒化膜より誘電率の大きい絶縁膜と定義される。
【0029】
ストレージノード膜125は、電荷を保存でき、シリコン窒化膜、金属またはシリコンのドット、または金属またはシリコンのナノクリスタルを含む。特に、かかるストレージノード膜125は、電荷を局所的にトラップさせる。
【0030】
ゲート絶縁膜120、ストレージノード膜125及びブロッキング絶縁膜130は、制御ゲート電極140の第1及び第2側面と半導体基板105との間に介在され、半導体基板105上にさらに伸長される。しかし、ゲート絶縁膜120、ストレージノード膜125及びブロッキング絶縁膜130の半導体基板105上に伸長された部分は省略されることもある。さらに、ゲート絶縁膜120、ストレージノード膜125及びブロッキング絶縁膜130は、制御ゲート電極140を中心に両側にそれぞれ分離されることもある。
ゲート絶縁膜120と半導体基板105の上面との間には、マスク用絶縁膜110が介在される。しかし、この実施形態の変形された例で、マスク用絶縁膜110は、他の適切な絶縁膜に代替されるか、または省略されることもある。
【0031】
第1及び第2不純物ドーピング領域153,157は、半導体基板105に不純物をドーピングして形成される。例えば、半導体基板105がp型不純物でドーピングされた場合、第1及び第2不純物ドーピング領域153,157は、n型不純物でドーピングされる。しかし、逆に半導体基板105がn型不純物でドーピングされた場合、第1及び第2不純物ドーピング領域153,157は、p型不純物でドーピングされる。第1及び第2不純物ドーピング領域153,157は、半導体基板105の表面付近から所定深さに伸長される。第1不純物ドーピング領域153は、制御ゲート電極140の第1側面に隣接して配置され、第2不純物ドーピング領域157は、制御ゲート電極140の第2側面に隣接して配置される。
【0032】
第1及び第2不純物ドーピング領域153,157は、互いに交互に配置されることが望ましい。すなわち、第1不純物ドーピング領域153の隣接した両方間に第2不純物ドーピング領域157の一つが配置される。第1及び第2不純物ドーピング領域153,157は、それぞれ同一間隔に配置され、第2不純物ドーピング領域157は、二つの第1不純物ドーピング領域153の間に配置される。
【0033】
第1及び第2不純物ドーピング領域153,157が制御ゲート電極140の反対側に互いに交互に配置されることによって、不揮発性メモリ素子は、図1に比べて2倍の集積度を有し、さらに、短チャンネル効果を改善させる。すなわち、不揮発性メモリ素子において、図1の一つの単位セル面積に二つの単位セルが配置される。さらに、第1及び第2不純物ドーピング領域153,157が交互に配置されることによって、第1不純物ドーピング領域153の間の第1チャンネル領域154及び第2不純物ドーピング領域の間の第2チャンネル領域158の幅が広く維持される。かかる短チャンネル効果の改善は、不揮発性メモリ素子の信頼性の向上に大きく寄与する。
【0034】
第1不純物ドーピング領域153は、複数の第1ビットライン電極172に連結され、第2不純物ドーピング領域157は、複数の第2ビットライン電極177に連結される。例えば、第1ビットライン電極172のそれぞれは、第1プラグ部160及び第1ライン部170を備え、第2ビットライン電極177それぞれは、第2プラグ部165及び第2ライン部175を備える。
【0035】
第1プラグ部160及び第2プラグ部165は、第1及び第2不純物ドーピング領域153,157の内部にそれぞれリセスされる。第1ライン部170及び第2ライン部175は、第1プラグ部160及び第2プラグ部165にそれぞれ連結され、制御ゲート電極140を横切って伸長するように配置される。第1及び第2プラグ部160の深さは、第1及び第2不純物ドーピング領域153,157の内部に限定される範囲内で変化しうる。
【0036】
例えば、第1及び第2プラグ部160,165は、ポリシリコン、金属または金属シリサイドを含み、第1及び第2ライン部170,175は、金属または金属シリサイドを含む。この場合、第1及び第2ビットライン電極172,177は、従来の埋め込みビットライン領域に比べて非常に低い電気抵抗を有する。半導体基板105と第1及び第2ビットライン電極172,177との間には、層間絶縁膜145が介在される。
【0037】
不揮発性メモリ素子において、第1ビットライン電極172のうち隣接した二つ、または第2ビットライン電極177のうち隣接した二つを選択することによって、単位セルに接近できる。例えば、プログラム動作は、第1または第2チャンネル領域154,158の電荷をホット電子注入法を利用してストレージノード膜125に注入することによって行える。ストレージノード膜125は、局所的な電荷トラップ層として利用され、したがって、単位セルは、第1チャンネル領域154で電流の方向を変えることによって、それぞれ2ビットのデータを処理するか、または第2チャンネル領域157で電流の方向を変えることによって、それぞれ2ビットのデータを処理できる。
【0038】
読み取り及び消去動作は、当業者に周知の方法によって容易に行えることは自明である。
【0039】
図5は、本発明の他の実施形態による不揮発性メモリ素子を示す斜視図である。この実施形態の不揮発性メモリ素子は、図1ないし図3の不揮発性メモリ素子で制御ゲート電極を2層構造に拡張した場合に該当する。したがって、二つの実施形態で重なる説明は省略する。
【0040】
図5に示すように、制御ゲート電極140a,140bは、半導体基板の内部にリセスされて形成され、互いに上下に積層される。下部制御ゲート電極140aの底面と半導体基板105との間には、下部埋め込み絶縁膜135aが介在され、二つの制御ゲート電極140a,140bの間には、上部埋め込み絶縁膜135bが介在される。
【0041】
この実施形態の不揮発性メモリ素子によれば、制御ゲート電極140a,140bの第1及び第2側面に隣接したストレージノード膜125に局所的に電荷を保存できる。したがって、この実施形態の不揮発性メモリ素子は、図1ないし図3の不揮発性メモリ素子に比べて2倍の集積度を有する。
【0042】
図6は、本発明のさらに他の実施形態による不揮発性メモリ素子を示す平面図である。この実施形態の不揮発性メモリ素子は、図1ないし図3の不揮発性メモリ素子をアレイ形態に配列したものであって、制御ゲート電極の数を増やしたことに該当する。図6は、図3の構成が反復して配列されたと理解できる。したがって、二つの実施形態で重なる説明は省略する。
【0043】
図6に示すように、複数の制御ゲート電極140が離隔して配置される。制御ゲート電極140は、それぞれ半導体基板105の内部にリセスされて形成される。第1不純物ドーピング領域153及び第2不純物ドーピング領域157は、制御ゲート電極140それぞれの第1及び第2側面に沿って半導体基板105に画定される。
【0044】
例えば、第1不純物ドーピング領域153は、制御ゲート電極140の第1側面に沿って複数の行で配列され、第2不純物ドーピング領域157は、制御ゲート電極140の第2側面に沿って複数の行で配列される。第1不純物ドーピング領域153及び第2不純物ドーピング領域157は、互いに交互に配置される。
【0045】
第1ビットライン電極172は、同じ列に配列された第1不純物ドーピング領域153を連結できる。すなわち、第1ライン部170は、同じ列に配列された第1プラグ160を連結するように制御ゲート電極140を横切って伸長する。第2ビットライン電極177は、同じ列に配列された第2不純物ドーピング領域157を連結できる。すなわち、第2ライン部175は、同じ列に配列された第2プラグ165を連結するように制御ゲート電極140を横切って伸長する。
【0046】
例えば、この実施形態の不揮発性メモリ素子は、NOR構造またはAND構造と呼ばれる。すなわち、第1ビットライン電極172のうちいずれか隣接した二つまたは第2ビットライン電極177のうちいずれか隣接した二つを選択し、制御ゲート電極140のうち一つを選択することによって、単位セルを動作させる。NOR構造で、奇数または偶数列に配列された第1及び第2ビットライン電極172,177は接地される。
【0047】
図7ないし図13は、本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を示す断面図である。
【0048】
図7に示すように、半導体基板105上にマスク用絶縁膜110を形成する。例えば、マスク用絶縁膜110は、窒化膜を備える。次いで、マスク用絶縁膜110をエッチング保護膜として露出された半導体基板105をエッチングして、第1トレンチ115を形成する。
【0049】
図8に示すように、第1トレンチ115の内部の半導体基板105の表面上にゲート絶縁膜120を形成する。例えば、ゲート絶縁膜120は、熱酸化法または化学気相蒸着法を利用して形成できる。ゲート絶縁膜120は、マスク用絶縁膜110上にさらに伸長される。
【0050】
次いで、ゲート絶縁膜120上にストレージノード膜125を形成する。ストレージノード膜125の厚さは、第1トレンチ115の内部を満たさないように制御される。次いで、ストレージノード膜125上にブロッキング絶縁膜130を形成する。例えば、ストレージノード膜125及びブロッキング絶縁膜130は、化学気相蒸着法を利用して形成できる。
【0051】
次いで、ブロッキング絶縁膜130上に第1トレンチ115を埋め込むように、埋め込み絶縁膜135を形成する。例えば、埋め込み絶縁膜135は、化学気相蒸着法を利用して所定厚さに形成されて平坦化される。埋め込み絶縁膜135は、ブロッキング絶縁膜130に対してエッチング選択比を有することが望ましい。したがって、ブロッキング絶縁膜130が窒化膜または高誘電率膜を備える場合、埋め込み絶縁膜135は酸化膜を備える。
【0052】
図9に示すように、埋め込み絶縁膜135を選択的にエッチングして、埋め込み絶縁膜135を第1トレンチ115の下部に限定する。埋め込み絶縁膜135のエッチングは、ドライエッチングまたはウェットエッチングを利用できる。エッチング後、埋め込み絶縁膜135の厚さは、第1トレンチ115の底部の半導体基板105の部分にチャンネルが形成されないようにゲート絶縁膜120より厚いことが望ましい。
【0053】
図10に示すように、埋め込み絶縁膜135上に第1トレンチ115を少なくとも部分的に埋め込むように制御ゲート電極140を形成する。例えば、制御ゲート電極140は、導電層を、第1トレンチ115を埋め込むように形成した後、適切な高さに平坦化またはエッチングして形成できる。
【0054】
次いで、制御ゲート電極140上に層間絶縁膜145を形成する。層間絶縁膜145は、ブロッキング絶縁膜130を覆うように半導体基板105の上面上にさらに伸長される。例えば、層間絶縁膜145は、酸化膜または窒化膜を備え、化学気相蒸着法を利用して形成できる。
【0055】
図11に示すように、制御ゲート電極140の第1側面に沿って半導体基板105の内部に複数の第2トレンチ150を形成し、制御ゲート電極140の第2側面に沿って半導体基板105の内部に複数の第3トレンチ155を形成する。第3トレンチ155は、第2トレンチ150に交互に配置される。第2トレンチ150及び第3トレンチ155は、同時に形成されるか、または任意の順序で形成される。
【0056】
例えば、第2及び第3トレンチ150,155は、層間絶縁膜145、ブロッキング絶縁膜130、ストレージノード膜125、ゲート絶縁膜120及び半導体基板105を順次にエッチングして形成できる。
【0057】
次いで、第2トレンチ150により露出された半導体基板105の表面に第1不純物ドーピング領域(図4の153を参照)を形成し、第3トレンチ155により露出された半導体基板105の表面に第2不純物ドーピング領域(図4の157を参照)を形成する。例えば、露出された半導体基板105の表面の所定深さに不純物をドーピングして、半導体基板105の内部に第1及び第2不純物ドーピング領域153,157を画定できる。例えば、不純物のドーピングは、イオン注入法を利用できる。第1及び第2不純物ドーピング領域153,157は、同時に形成されるか、または任意の順序で形成される。
【0058】
図12に示すように、第2トレンチ150を埋め込む複数の第1プラグ部160を形成し、第3トレンチ155を埋め込む複数の第2プラグ部165を形成する。これにより、第1プラグ部160は、第1不純物ドーピング領域153の内部にリセスされた形態で形成され、第2プラグ部165は、第2不純物ドーピング領域157の内部にリセスされた形態で形成される。第1及び第2プラグ部160,165は、第2及び第3トレンチ150,155をそれぞれ埋め込む導電層を形成した後、それを平坦化して形成できる。
【0059】
図13に示すように、第1プラグ部160にそれぞれ連結され、制御ゲート電極140を横切って伸長する複数の第1ライン部170、及び第2プラグ部165にそれぞれ連結され、制御ゲート電極140を横切って伸長する複数の第2ライン部175を形成する。第1ビットライン電極172は、第1プラグ部160及び第1ライン部170を備え、第2ビットライン電極177は、第2プラグ部165及び第2ライン部175を備える。
【0060】
この実施形態の変形された例において、第1及び第2不純物ドーピング領域153,157は、図11の第2及び第3トレンチ150,155を形成する前に形成されることもある。この場合、第2及び第3トレンチ150,155は、第1及び第2不純物ドーピング領域153,157の内部に限定されるように形成される。
【0061】
この実施形態の他の変形された例において、図7のマスク用絶縁膜110は、第1トレンチ115の形成後に除去されることもある。この場合、図8で、ゲート絶縁膜120は、第1トレンチ115の内部及び上面上に直接形成される。
【0062】
本発明の他の実施形態において、制御ゲート電極140の形成ステップを反復することによって、互いに積層された2層構造の制御ゲート電極(図5の140a,140bを参照)を形成することもできる。この場合、上部制御ゲート電極140bを形成する前に、下部制御ゲート電極140a上に上部埋め込み絶縁層135bをさらに形成する。
【0063】
本発明のさらに他の実施形態において、図7ないし図13の製造方法は、図6の不揮発性メモリ素子の製造方法にそのまま適用されることは自明である。
【0064】
発明の特定の実施形態についての以上の説明は、例示及び説明を目的として提供されたものである。本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想内で当業者により前記実施形態を組み合わせて実施するなど多種多様な修正及び変更が可能であることは明白である。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、半導体素子関連の技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】従来の不揮発性メモリ素子を示す平面図である。
【図2】本発明の一実施形態による不揮発性メモリ素子を示す斜視図である。
【図3】図2の不揮発性メモリ素子のIII−III線の断面図である。
【図4】図3の不揮発性メモリ素子のIV−IV線の平面図である。
【図5】本発明の他の実施形態による不揮発性メモリ素子を示す斜視図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態による不揮発性メモリ素子を示す平面図である。
【図7】本発明の一実施形態による不揮発性メモリ素子の製造方法を示す斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態による不揮発性メモリ素子の製造方法を示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態による不揮発性メモリ素子の製造方法を示す斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態による不揮発性メモリ素子の製造方法を示す斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態による不揮発性メモリ素子の製造方法を示す斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態による不揮発性メモリ素子の製造方法を示す斜視図である。
【図13】本発明の一実施形態による不揮発性メモリ素子の製造方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0067】
105 半導体基板
110 マスク用絶縁膜
120 ゲート絶縁膜
125 ストレージノード膜
130 ブロッキング絶縁膜
135 埋め込み絶縁膜
140 制御ゲート電極
145 層間絶縁膜
160 第1プラグ部
165 第2プラグ部
170 第1ライン部
172 第1ビットライン電極
175 第2ライン部
177 第2ビットライン電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の内部にリセスされて形成された制御ゲート電極と、
前記半導体基板と前記制御ゲート電極との間に介在されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜と前記制御ゲート電極との間に介在されたストレージノード膜と、
前記ストレージノード膜と前記制御ゲート電極との間に介在されたブロッキング絶縁膜と、
前記制御ゲート電極の第1側面に沿って配置され、前記半導体基板に画定された複数の第1不純物ドーピング領域と、
前記制御ゲート電極の前記第1側面の反対側の第2側面に沿って前記複数の第1不純物ドーピング領域と交互に配置され、前記半導体基板に画定された複数の第2不純物ドーピング領域と、を備えることを特徴とする不揮発性メモリ素子。
【請求項2】
前記複数の第1不純物ドーピング領域それぞれの内部にリセスされた複数の第1プラグ部をそれぞれ備える複数の第1ビットライン電極と、
前記複数の第2不純物ドーピング領域の内部にそれぞれリセスされた複数の第2プラグ部をそれぞれ備える複数の第2ビットライン電極と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項3】
前記第1プラグ部及び前記第2プラグ部は、ポリシリコン、金属または金属シリサイドを含むことを特徴とする請求項2に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項4】
前記複数の第1ビットライン電極は、前記複数の第1プラグ部のそれぞれに連結され、前記制御ゲート電極を横切って伸長する複数の第1ライン部をそれぞれさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項5】
前記複数の第2ビットライン電極は、前記複数の第2プラグ部のそれぞれに連結され、前記制御ゲート電極を横切って伸長する複数の第2ライン部をそれぞれさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項6】
前記制御ゲート電極の第1側面に隣接し、前記複数の第1不純物ドーピング領域の隣接した両方間の半導体基板にそれぞれ画定された複数の第1チャンネル領域と、
前記制御ゲート電極の第2側面に隣接し、前記複数の第2不純物ドーピング領域の隣接した両方間の半導体基板に画定された複数の第2チャンネル領域と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項7】
前記制御ゲート電極の底面と前記半導体基板との間に介在された埋め込み絶縁膜をさらに備え、前記埋め込み絶縁膜の厚さは、前記ゲート絶縁膜の厚さより厚いことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項8】
前記制御ゲート電極上に、前記半導体基板の内部にリセスされた他の制御ゲート電極をさらに備え、前記制御ゲート電極及び前記他の制御ゲート電極は、互いに絶縁されたことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項9】
前記ストレージノード膜は、シリコン窒化層、金属またはシリコンのドット、または金属またはシリコンのナノクリスタルを含むことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項10】
前記ブロッキング絶縁膜は、酸化膜、窒化膜または高誘電率膜を備えることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項11】
半導体基板の内部にリセスされて形成された複数の制御ゲート電極と、
前記半導体基板と前記複数の制御ゲート電極との間に介在されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜と前記複数の制御ゲート電極との間に介在されたストレージノード膜と、
前記ストレージノード膜と前記複数の制御ゲート電極との間に介在されたブロッキング絶縁膜と、
前記複数の制御ゲート電極それぞれの第1側面に沿って配置され、前記半導体基板に画定された複数の第1不純物ドーピング領域と、
前記複数の制御ゲート電極それぞれの前記第1側面の反対側の第2側面に沿って前記複数の第1不純物ドーピング領域と交互に配置され、前記半導体基板に画定された複数の第2不純物ドーピング領域と、を備えることを特徴とする不揮発性メモリ素子。
【請求項12】
前記複数の第1不純物ドーピング領域それぞれの内部にリセスされた複数の第1プラグ部をそれぞれ備える複数の第1ビットライン電極と、
前記複数の第2不純物ドーピング領域の内部にそれぞれリセスされた複数の第2プラグ部をそれぞれ備える複数の第2ビットライン電極と、をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項13】
前記複数の第1ビットライン電極は、前記複数の制御ゲート電極を横切って伸長し、前記複数の第1プラグのうち同じ列にあるものを連結する複数の第1ライン部をそれぞれさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項14】
前記複数の第2ビットライン電極は、前記複数の制御ゲート電極を横切って伸長し、前記複数の第2プラグのうち同じ列にあるものを連結する複数の第2ライン部をそれぞれさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項15】
半導体基板に第1トレンチを形成する工程と、
前記第1トレンチの内部の前記半導体基板の表面上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜を覆うストレージノード膜を形成する工程と、
前記ストレージノード膜を覆うブロッキング絶縁膜を形成する工程と、
前記第1トレンチの一部分を満たすように、前記ブロッキング絶縁膜上に制御ゲート電極を形成する工程と、
前記制御ゲート電極の第1側面に沿って配置されるように、前記半導体基板に複数の第1不純物ドーピング領域を形成する工程と、
前記制御ゲート電極の前記第1側面の反対側の第2側面に沿って前記複数の第1ドーピング領域と交互に配置されるように、前記半導体基板に複数の第2不純物ドーピング領域を形成する工程と、を含むことを特徴とする不揮発性メモリ素子の製造方法。
【請求項16】
前記複数の第1不純物ドーピング領域それぞれの内部にリセスされた複数の第1プラグ部をそれぞれ備える複数の第1ビットライン電極を形成する工程と、
前記複数の第2不純物ドーピング領域の内部にそれぞれリセスされた複数の第2プラグ部をそれぞれ備える複数の第2ビットライン電極を形成する工程と、を含むことを特徴とする請求項15に記載の不揮発性メモリ素子の製造方法。
【請求項17】
前記複数の第1ビットライン電極を形成する工程は、
前記複数の第1プラグ部のそれぞれに連結され、前記制御ゲート電極を横切って伸長する複数の第1ライン部をそれぞれ形成する工程を含むことを特徴とする請求項16に記載の不揮発性メモリ素子の製造方法。
【請求項18】
前記複数の第2ビットライン電極を形成する工程は、
前記複数の第2プラグ部のそれぞれに連結され、前記制御ゲート電極を横切って伸長する複数の第2ライン部をそれぞれ形成する工程を含むことを特徴とする請求項16に記載の不揮発性メモリ素子の製造方法。
【請求項19】
前記第1不純物ドーピング領域を形成する工程は、
前記制御ゲート電極の第1側面に沿って配置されるように、前記半導体基板に複数の第2トレンチを形成する工程と、
前記第2トレンチにより露出された前記半導体基板の表面に不純物を注入する工程と、を含むことを特徴とする請求項16に記載の不揮発性メモリ素子の製造方法。
【請求項20】
前記第1プラグ部は、前記第2トレンチを埋め込んで形成することを特徴とする請求項19に記載の不揮発性メモリ素子の製造方法。
【請求項21】
前記第2不純物ドーピング領域を形成する工程は、
前記制御ゲート電極の第2側面に沿って配置されるように、前記半導体基板に複数の第3トレンチを形成する工程と、
前記第3トレンチにより露出された前記半導体基板の表面に不純物を注入する工程と、を含むことを特徴とする請求項16に記載の不揮発性メモリ素子の製造方法。
【請求項22】
前記第2プラグ部は、前記第3トレンチを埋め込んで形成することを特徴とする請求項21に記載の不揮発性メモリ素子の製造方法。
【請求項23】
前記制御ゲート電極を形成する前に、
前記第1トレンチの前記半導体基板と前記制御ゲート電極の底面との間に埋め込み絶縁膜を形成する工程をさらに含み、
前記埋め込み絶縁膜の厚さは、前記ゲート絶縁膜の厚さより厚いことを特徴とする請求項15に記載の不揮発性メモリ素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−135715(P2008−135715A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−264846(P2007−264846)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】